JPH10310854A - 塑性異方性、塗膜焼付硬化性に優れたプレス成形用アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents
塑性異方性、塗膜焼付硬化性に優れたプレス成形用アルミニウム合金板の製造方法Info
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- JPH10310854A JPH10310854A JP11975797A JP11975797A JPH10310854A JP H10310854 A JPH10310854 A JP H10310854A JP 11975797 A JP11975797 A JP 11975797A JP 11975797 A JP11975797 A JP 11975797A JP H10310854 A JPH10310854 A JP H10310854A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】自動車ボディシート用薄板として必須の強度、
成形性、耐SSM性、熱間圧延性及びスポット溶接性を
有しつつ、さらに深絞り成形性を改善するためにその支
配因子である塑性異方性係数(r値)を向上するための
プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】重量% で、Mg:2〜3.5%,Si:0.05〜0.3%,Cu:
0.4 〜0.6%,Ti:0.005 〜0.15%,B:0.0002〜0.05%,Fe:0.3
% 以下を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりな
るアルミニウム合金鋳塊に対し400 〜580 ℃で均質化処
理を施し、続いて熱間圧延を行い板厚3 〜10mmに仕上げ
た後、3 ℃/秒以上の冷却速度で100 ℃以下まで急速冷
却し、冷間圧延で所望の板厚とする。次に冷延板を3 ℃
/秒以上の昇温速度で500 〜570 ℃に加熱後0 〜60秒保
持し、10℃/秒以上の冷却速度で100 ℃以下まで冷却す
る。
成形性、耐SSM性、熱間圧延性及びスポット溶接性を
有しつつ、さらに深絞り成形性を改善するためにその支
配因子である塑性異方性係数(r値)を向上するための
プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法を提供す
る。 【解決手段】重量% で、Mg:2〜3.5%,Si:0.05〜0.3%,Cu:
0.4 〜0.6%,Ti:0.005 〜0.15%,B:0.0002〜0.05%,Fe:0.3
% 以下を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりな
るアルミニウム合金鋳塊に対し400 〜580 ℃で均質化処
理を施し、続いて熱間圧延を行い板厚3 〜10mmに仕上げ
た後、3 ℃/秒以上の冷却速度で100 ℃以下まで急速冷
却し、冷間圧延で所望の板厚とする。次に冷延板を3 ℃
/秒以上の昇温速度で500 〜570 ℃に加熱後0 〜60秒保
持し、10℃/秒以上の冷却速度で100 ℃以下まで冷却す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車外板
などのようなプレス成形後、塗膜焼付工程を施す部材に
最適な塑性異方性、塗膜焼付硬化性に優れたプレス成形
用アルミニウム合金板の製造方法に関する。
などのようなプレス成形後、塗膜焼付工程を施す部材に
最適な塑性異方性、塗膜焼付硬化性に優れたプレス成形
用アルミニウム合金板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プレス成形用アルミニウム合金薄板には
主にAl−Mg系(5000系)とAl−Mg−Si系
(6000系)合金が用いられている。これらの合金に
はそれぞれ問題点があり例えば、5000系はアルミニ
ウム合金中のMg原子による動的歪み時効(PL効果)
に起因してストレッチャーストレインマーク(以下SS
Mと略記する)が発生し、プレス品外観を著しく損ねる
場合がある。またMg添加に起因して熱間圧延時にエッ
ジ割れが発生しやすく製造性、歩留まりに問題がある。
さらに高Mg濃度合金は表面にMg酸化物が形成される
ためスポット溶接性が低い。一方、6000系はMg添
加に起因する以上のような問題はないが、成形性に乏し
く、特にヘム加工などの曲げ成形性が著しく劣る。以上
のような問題を解決するため本発明者らは先にMg濃度
を5000系と6000系の中位とし、Cu,Siを適
量添加することにより低温焼付硬化性を付与し、強度、
成形性、耐SSM性、熱間圧延性及びスポット溶接性な
ど自動車ボディシート用薄板として一応の特性に優れた
合金板を開発し、特開平6−33179号公報またその
製造法として特開平7−97667号公報,特開平7−
173565号公報に常温遅時効性を付与する方法を開
示した。
主にAl−Mg系(5000系)とAl−Mg−Si系
(6000系)合金が用いられている。これらの合金に
はそれぞれ問題点があり例えば、5000系はアルミニ
ウム合金中のMg原子による動的歪み時効(PL効果)
に起因してストレッチャーストレインマーク(以下SS
Mと略記する)が発生し、プレス品外観を著しく損ねる
場合がある。またMg添加に起因して熱間圧延時にエッ
ジ割れが発生しやすく製造性、歩留まりに問題がある。
さらに高Mg濃度合金は表面にMg酸化物が形成される
ためスポット溶接性が低い。一方、6000系はMg添
加に起因する以上のような問題はないが、成形性に乏し
く、特にヘム加工などの曲げ成形性が著しく劣る。以上
のような問題を解決するため本発明者らは先にMg濃度
を5000系と6000系の中位とし、Cu,Siを適
量添加することにより低温焼付硬化性を付与し、強度、
成形性、耐SSM性、熱間圧延性及びスポット溶接性な
ど自動車ボディシート用薄板として一応の特性に優れた
合金板を開発し、特開平6−33179号公報またその
製造法として特開平7−97667号公報,特開平7−
173565号公報に常温遅時効性を付与する方法を開
示した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−33179号公報,特開平7−97667号公報,
特開平7−173565号公報で開示されているアルミ
ニウム合金板およびその製造方法は上記の如く、優れた
特性を有するが、特に深絞り成形などに供する場合には
塑性異方性係数(いわゆるr値)が高いことが重要で、
従来の製造方法ではr値については全く考慮されていな
い。
6−33179号公報,特開平7−97667号公報,
特開平7−173565号公報で開示されているアルミ
ニウム合金板およびその製造方法は上記の如く、優れた
特性を有するが、特に深絞り成形などに供する場合には
塑性異方性係数(いわゆるr値)が高いことが重要で、
従来の製造方法ではr値については全く考慮されていな
い。
【0004】一方、特開平5−306440号公報に
は、重量%でCu:0.02〜2%、Mg:0.5〜
2.5%、Si:0.5〜3%を含むアルミニウム合金
において熱間圧延後ただちに3℃/sec以上の冷却速
度で120℃以下に急冷することによりプレス成形性、
焼付塗装時の硬化性を改善する技術が開示されている
が、この公報に開示された技術は本発明とは合金成分が
異なるため集合組織生成の過程が大きく異なり、またr
値に対する熱延後冷却速度の効果を示唆するものではな
い。
は、重量%でCu:0.02〜2%、Mg:0.5〜
2.5%、Si:0.5〜3%を含むアルミニウム合金
において熱間圧延後ただちに3℃/sec以上の冷却速
度で120℃以下に急冷することによりプレス成形性、
焼付塗装時の硬化性を改善する技術が開示されている
が、この公報に開示された技術は本発明とは合金成分が
異なるため集合組織生成の過程が大きく異なり、またr
値に対する熱延後冷却速度の効果を示唆するものではな
い。
【0005】本発明の目的はかかる事情を鑑みて、自動
車ボディシート用薄板として必須の強度、成形性、耐S
SM性、熱間圧延性及びスポット溶接性を有しつつ、さ
らに深絞り成形性を改善するためにその支配因子である
塑性異方性係数(r値)を向上するためのプレス成形用
アルミニウム合金板の製造方法を提供することにある。
車ボディシート用薄板として必須の強度、成形性、耐S
SM性、熱間圧延性及びスポット溶接性を有しつつ、さ
らに深絞り成形性を改善するためにその支配因子である
塑性異方性係数(r値)を向上するためのプレス成形用
アルミニウム合金板の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決し目的
を達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明の製造方法は、重量%で、Mg:2〜3.
5%と、Si:0.05〜0.3%と、Cu:0.4〜
0.6%と、Ti:0.005〜0.15%と、B:
0.0002〜0.05%と、Fe:0.3%以下とを
含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアル
ミニウム合金板を製造する方法において、アルミニウム
合金鋳塊に対し、400〜580℃の範囲内の温度で均
質化処理を施す工程と、この鋳塊を熱間圧延し板厚3〜
10mmに仕上げた後、3℃/秒以上の冷却速度で10
0℃以下まで急速冷却し、冷間圧延で所望の板厚とする
工程と、冷延板を3℃/秒以上の昇温速度で500〜5
70℃に加熱後0〜60秒保持し、10℃/秒以上の冷
却速度で100℃以下まで冷却する工程とを備えたこと
を特徴とする塑性異方性、塗膜焼付硬化性に優れたプレ
ス成形用アルミニウム合金板の製造方法である。
を達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明の製造方法は、重量%で、Mg:2〜3.
5%と、Si:0.05〜0.3%と、Cu:0.4〜
0.6%と、Ti:0.005〜0.15%と、B:
0.0002〜0.05%と、Fe:0.3%以下とを
含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアル
ミニウム合金板を製造する方法において、アルミニウム
合金鋳塊に対し、400〜580℃の範囲内の温度で均
質化処理を施す工程と、この鋳塊を熱間圧延し板厚3〜
10mmに仕上げた後、3℃/秒以上の冷却速度で10
0℃以下まで急速冷却し、冷間圧延で所望の板厚とする
工程と、冷延板を3℃/秒以上の昇温速度で500〜5
70℃に加熱後0〜60秒保持し、10℃/秒以上の冷
却速度で100℃以下まで冷却する工程とを備えたこと
を特徴とする塑性異方性、塗膜焼付硬化性に優れたプレ
ス成形用アルミニウム合金板の製造方法である。
【0007】(2)本発明の製造方法は、合金成分とし
て、重量%でさらに、Mn:0.05〜0.3%、C
r:0.05〜0.3%、及びZr:0.05〜0.3
%のうち1種または2種以上を含有することを特徴とす
る上記(1)に記載の塑性異方性、塗膜焼付硬化性に優
れたプレス成形用アルミニウム合金板の製造方法であ
る。
て、重量%でさらに、Mn:0.05〜0.3%、C
r:0.05〜0.3%、及びZr:0.05〜0.3
%のうち1種または2種以上を含有することを特徴とす
る上記(1)に記載の塑性異方性、塗膜焼付硬化性に優
れたプレス成形用アルミニウム合金板の製造方法であ
る。
【0008】(3)本発明の製造方法は、合金成分とし
て、重量%でさらに、Zn:0.1〜1%を含有するこ
とを特徴とする上記(1)または(2)に記載の塑性異
方性、塗膜焼付硬化性に優れたプレス成形用アルミニウ
ム合金板の製造方法である。
て、重量%でさらに、Zn:0.1〜1%を含有するこ
とを特徴とする上記(1)または(2)に記載の塑性異
方性、塗膜焼付硬化性に優れたプレス成形用アルミニウ
ム合金板の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは上述の課題を解決す
るために鋭意研究した結果、自動車ボディシート用薄板
として必須の強度、成形性、耐SSM性、熱間圧延性及
びスポット溶接性を両立させるためにアルミニウム中の
合金成分は5000系と6000系の中位の濃度のMg
を添加したものにCu,Siを添加した合金を、熱間圧
延後の冷却を急速冷却とすると冷間圧延、再結晶焼鈍で
生成する集合組織を深絞り成形に適当なものとすること
ができるという知見が得られた。この知見に基づき本発
明者らは、Al−Mg−Cu−Si系を基本合金組成と
し、Al−Cu−Mg系の化合物析出相の析出前段階の
変調構造(GPBゾーン)を形成させることによって塗
膜焼付硬化性を優れたものとし、さらに合金成分及び熱
延後の急冷を含む製造方法を適正化するようにして、優
れた塑性異方性を有するプレス成形用アルミニウム合金
板の製造方法を見出し、本発明を完成させた。
るために鋭意研究した結果、自動車ボディシート用薄板
として必須の強度、成形性、耐SSM性、熱間圧延性及
びスポット溶接性を両立させるためにアルミニウム中の
合金成分は5000系と6000系の中位の濃度のMg
を添加したものにCu,Siを添加した合金を、熱間圧
延後の冷却を急速冷却とすると冷間圧延、再結晶焼鈍で
生成する集合組織を深絞り成形に適当なものとすること
ができるという知見が得られた。この知見に基づき本発
明者らは、Al−Mg−Cu−Si系を基本合金組成と
し、Al−Cu−Mg系の化合物析出相の析出前段階の
変調構造(GPBゾーン)を形成させることによって塗
膜焼付硬化性を優れたものとし、さらに合金成分及び熱
延後の急冷を含む製造方法を適正化するようにして、優
れた塑性異方性を有するプレス成形用アルミニウム合金
板の製造方法を見出し、本発明を完成させた。
【0010】すなわち、本発明は合金組成及び製造条件
を下記範囲に限定することにより、自動車ボディシート
用薄板として必須の強度、成形性、耐SSM性、熱間圧
延性及びスポット溶接性を有しつつ、さらに深絞り成形
性を改善する塑性異方性係数(r値)を向上するための
プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法を提供する
ことができる。
を下記範囲に限定することにより、自動車ボディシート
用薄板として必須の強度、成形性、耐SSM性、熱間圧
延性及びスポット溶接性を有しつつ、さらに深絞り成形
性を改善する塑性異方性係数(r値)を向上するための
プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法を提供する
ことができる。
【0011】以下に本発明の成分添加理由、成分限定理
由、及び製造条件の限定理由について説明する。 (1)成分組成範囲 Mg:2〜3.5% Mgは固溶元素として加工硬化係数を上昇させることに
より一様伸びの向上に寄与するとともに、焼付硬化性に
寄与するAl−Cu−Mg系の変調構造の構成元素でも
ある。しかしその含有量が2%未満では延性の低下、プ
レス成形性の低下を招くばかりか、Al−Cu−Mg系
の変調構造の生成が遅くなる。また集合組織が合金型か
ら純金属型になるためr値が低くなる。そのためMgは
2%以上であることが必須である。一方、その含有量が
3.5%を超えると熱間圧延割れが生じ易く、著しい生
産性低下、コスト上昇を招くばかりかSSMが生じやす
く、さらにスポット溶接性を劣化させる。従って、Mg
添加量は2〜3.5%である。なお、プレス成形性(特
に張出性)の観点からは2.5%以上であることが望ま
しい。
由、及び製造条件の限定理由について説明する。 (1)成分組成範囲 Mg:2〜3.5% Mgは固溶元素として加工硬化係数を上昇させることに
より一様伸びの向上に寄与するとともに、焼付硬化性に
寄与するAl−Cu−Mg系の変調構造の構成元素でも
ある。しかしその含有量が2%未満では延性の低下、プ
レス成形性の低下を招くばかりか、Al−Cu−Mg系
の変調構造の生成が遅くなる。また集合組織が合金型か
ら純金属型になるためr値が低くなる。そのためMgは
2%以上であることが必須である。一方、その含有量が
3.5%を超えると熱間圧延割れが生じ易く、著しい生
産性低下、コスト上昇を招くばかりかSSMが生じやす
く、さらにスポット溶接性を劣化させる。従って、Mg
添加量は2〜3.5%である。なお、プレス成形性(特
に張出性)の観点からは2.5%以上であることが望ま
しい。
【0012】Si:0.05〜0.3% SiはAl−Cu−Mg系の変調構造の生成を促進させ
て塗膜焼付時の硬化能を高める元素である。その機能を
発揮するためには0.05%以上であることが必須であ
る。一方、その含有量が0.3%を超えると粗大Mg2
Si系晶出物が増加する結果、特にプレス成形後の曲げ
加工性が著しく劣化し、ヘミング時の割れ等の不良の発
生原因となる。従って、Siの添加量は0.05〜0.
3%である。
て塗膜焼付時の硬化能を高める元素である。その機能を
発揮するためには0.05%以上であることが必須であ
る。一方、その含有量が0.3%を超えると粗大Mg2
Si系晶出物が増加する結果、特にプレス成形後の曲げ
加工性が著しく劣化し、ヘミング時の割れ等の不良の発
生原因となる。従って、Siの添加量は0.05〜0.
3%である。
【0013】Cu:0.4〜0.6% Cuは固溶元素として、材料の強度上昇に寄与するとと
もに、上述のAl−Cu−Mg系の変調構造の構成元素
であるが、その含有量が0.4%未満では変調構造が生
成せず、強度、塗膜焼付硬化性ともに不十分である。ま
た塗装時の燐酸亜鉛処理性の観点からも0.4%以上で
あることが必須である。一方、0.6%を超えると熱間
圧延時に割れが発生し易くなるとともに塗装後耐食性が
劣化する。さらに過剰のCuはAl−Cu−Mg系の析
出物として固溶Mg濃度を減じるため、集合組織が純金
属型に変化し、r値が低下する。従って、Cu添加量は
0.4〜0.6%である。なお耐食性の観点からは0.
55%以下であることが望ましい。
もに、上述のAl−Cu−Mg系の変調構造の構成元素
であるが、その含有量が0.4%未満では変調構造が生
成せず、強度、塗膜焼付硬化性ともに不十分である。ま
た塗装時の燐酸亜鉛処理性の観点からも0.4%以上で
あることが必須である。一方、0.6%を超えると熱間
圧延時に割れが発生し易くなるとともに塗装後耐食性が
劣化する。さらに過剰のCuはAl−Cu−Mg系の析
出物として固溶Mg濃度を減じるため、集合組織が純金
属型に変化し、r値が低下する。従って、Cu添加量は
0.4〜0.6%である。なお耐食性の観点からは0.
55%以下であることが望ましい。
【0014】Fe:0.3%以下 Feは不純物として含有されるが、含有量が0.3%を
超えるとAl−Fe系の粗大晶出物の形成が著しくな
り、これが特にプレス成形時およびプレス成形後の曲げ
における亀裂の伝播を促進する。従って、Feの含有量
は0.3%以下である必要がある。
超えるとAl−Fe系の粗大晶出物の形成が著しくな
り、これが特にプレス成形時およびプレス成形後の曲げ
における亀裂の伝播を促進する。従って、Feの含有量
は0.3%以下である必要がある。
【0015】Ti:0.005〜0.15%,B:0.
0002〜0.05% Ti,BはTiB2 を形成し鋳塊の結晶粒を微細化し熱
間圧延性などを改善する効果を有する。しかしながら、
これらを過剰に添加すると粗大な晶出物を生成し、成形
性を劣化させる。従って、これらの添加量は、Ti:
0.005〜0.15%、B:0.0002〜0.05
%の範囲である。これらの成分の他、上述の選択成分
(すなわち、Mn,Cr,Zr)のうち1種または2種
以上が含有されるが、これらの選択成分の限定理由は以
下の通りである。
0002〜0.05% Ti,BはTiB2 を形成し鋳塊の結晶粒を微細化し熱
間圧延性などを改善する効果を有する。しかしながら、
これらを過剰に添加すると粗大な晶出物を生成し、成形
性を劣化させる。従って、これらの添加量は、Ti:
0.005〜0.15%、B:0.0002〜0.05
%の範囲である。これらの成分の他、上述の選択成分
(すなわち、Mn,Cr,Zr)のうち1種または2種
以上が含有されるが、これらの選択成分の限定理由は以
下の通りである。
【0016】Mn,Cr,Zr:0.05〜0.3% これらの元素は再結晶粒成長を抑制する目的で添加され
る。アルミニウム合金は再結晶集合組織として深絞り成
形に好ましくない立方体方位などを優先方位とするため
結晶粒成長とともにr値は劣化する。そのためこれらの
元素を適量添加することによりr値はさらに向上する。
0.05%未満ではその効果が不十分である。一方、
0.3%を超えて添加すると粗大な析出物を生成し、伸
びを著しく低下させる。従って、これらを添加する場合
には、Mg,Cr,Zrの含有量は0.05〜0.3%
の範囲である。
る。アルミニウム合金は再結晶集合組織として深絞り成
形に好ましくない立方体方位などを優先方位とするため
結晶粒成長とともにr値は劣化する。そのためこれらの
元素を適量添加することによりr値はさらに向上する。
0.05%未満ではその効果が不十分である。一方、
0.3%を超えて添加すると粗大な析出物を生成し、伸
びを著しく低下させる。従って、これらを添加する場合
には、Mg,Cr,Zrの含有量は0.05〜0.3%
の範囲である。
【0017】Zn:0.1〜1% Znは本発明合金を高強度化する目的で必要に応じて添
加される。その場合0.1%未満ではその効果が十分で
なく、1%を超えて添加すると伸びを著しく低下させ
る。従って、Znを添加する場合、その添加量は0.1
〜1%の範囲である。
加される。その場合0.1%未満ではその効果が十分で
なく、1%を超えて添加すると伸びを著しく低下させ
る。従って、Znを添加する場合、その添加量は0.1
〜1%の範囲である。
【0018】なお、さらにその他の元素としてBeを
0.01%まで添加してもよい。Beは鋳造時の酸化を
防止し、鋳造性、熱間圧延性を向上させ、合金板の成形
性を向上させる元素である。しかし、その含有量が0.
01%を超えるとその効果が飽和するばかりでなく、毒
性の強い元素であるので鋳造作業環境を害する恐れがあ
るので好ましくない。従って、その添加量は0.01%
までである。
0.01%まで添加してもよい。Beは鋳造時の酸化を
防止し、鋳造性、熱間圧延性を向上させ、合金板の成形
性を向上させる元素である。しかし、その含有量が0.
01%を超えるとその効果が飽和するばかりでなく、毒
性の強い元素であるので鋳造作業環境を害する恐れがあ
るので好ましくない。従って、その添加量は0.01%
までである。
【0019】これらの元素の他、通常のアルミニウム合
金と同様、不可避的不純物が含有されるが、その量は本
発明の効果が損なわれない範囲であれば許容される。上
記の合金組成範囲に調整することにより、自動車ボディ
シート用に必要な強度、成形性に優れ、プレス成形時に
SSMが発生し難く、熱間圧延性、スポット溶接性が良
好で、さらに深絞り成形性の支配因子であるr値の高
い、プレス成形用アルミニウム合金板を得ることが可能
となる。
金と同様、不可避的不純物が含有されるが、その量は本
発明の効果が損なわれない範囲であれば許容される。上
記の合金組成範囲に調整することにより、自動車ボディ
シート用に必要な強度、成形性に優れ、プレス成形時に
SSMが発生し難く、熱間圧延性、スポット溶接性が良
好で、さらに深絞り成形性の支配因子であるr値の高
い、プレス成形用アルミニウム合金板を得ることが可能
となる。
【0020】このような特性のアルミニウム合金板は以
下の製造方法により製造することができる。 (2)アルミニウム合金板製造工程 上記の合金成分組成範囲に調整されたアルミニウム合金
鋳塊に対して、400〜580℃の範囲内の温度で1段
又は多段の均質化熱処理を施す。このような均質化処理
を施すことにより、鋳造時に晶出した共晶化合物の拡散
固溶を促進し、局部的ミクロ偏析を軽減する。また、こ
の処理により、最終製品の結晶粒の異常粒成長を抑制
し、均一化を図るうえで重要なMn,Cr,Zrの化合
物を微細に析出させることができる。しかし、この処理
の温度が400℃未満の場合には上述したような効果が
不十分であり、一方580℃を超えると共晶融解が生じ
る。従って、均質化処理温度は400〜580℃の範囲
である。
下の製造方法により製造することができる。 (2)アルミニウム合金板製造工程 上記の合金成分組成範囲に調整されたアルミニウム合金
鋳塊に対して、400〜580℃の範囲内の温度で1段
又は多段の均質化熱処理を施す。このような均質化処理
を施すことにより、鋳造時に晶出した共晶化合物の拡散
固溶を促進し、局部的ミクロ偏析を軽減する。また、こ
の処理により、最終製品の結晶粒の異常粒成長を抑制
し、均一化を図るうえで重要なMn,Cr,Zrの化合
物を微細に析出させることができる。しかし、この処理
の温度が400℃未満の場合には上述したような効果が
不十分であり、一方580℃を超えると共晶融解が生じ
る。従って、均質化処理温度は400〜580℃の範囲
である。
【0021】次いで、このような均質化処理が施された
鋳塊に対し、熱間圧延を行い板厚3〜10mmで仕上
げ、直ちに3℃/秒以上の冷却速度で100℃まで急速
冷却を行う。熱間圧延の仕上げ板厚が3mm未満では冷
間圧延率が不十分となり再結晶粒組織が不均一になる。
一方10mm以上では熱間圧延後の冷却速度が不十分に
なるほか、冷間圧延率が高くなるため冷間圧延時にエッ
ジ割れが顕著となり歩留まりが低下する。従って熱間圧
延の仕上げ板厚は3〜10mmである。
鋳塊に対し、熱間圧延を行い板厚3〜10mmで仕上
げ、直ちに3℃/秒以上の冷却速度で100℃まで急速
冷却を行う。熱間圧延の仕上げ板厚が3mm未満では冷
間圧延率が不十分となり再結晶粒組織が不均一になる。
一方10mm以上では熱間圧延後の冷却速度が不十分に
なるほか、冷間圧延率が高くなるため冷間圧延時にエッ
ジ割れが顕著となり歩留まりが低下する。従って熱間圧
延の仕上げ板厚は3〜10mmである。
【0022】熱間圧延後の冷却速度は本発明の重要な構
成要素であり、熱間圧延後直ちに3℃/秒以上で100
℃以下に急速冷却することにより高いr値となる。冷却
速度とr値の関係については、以下のように考えられ
る。熱間圧延後そのまま高温で巻き取るなどして冷却速
度が十分速くない場合、冷却中に析出物が粗大に析出
し、マトリックス中の固溶元素量が低下する。マトリッ
クス中の固溶合金元素量が低下すると集合組織形成機構
がr値の高い合金型からr値の低い純金属型に遷移する
ため、深絞り成形性が低下する。一方、熱間圧延後直ち
に急速冷却を行えばマトリックス中に十分な固溶元素を
有するため集合組織形成機構が合金型となり深絞り成形
性が向上する。また熱間圧延後に急冷すれば冷延板の固
溶元素量が多くなり、板製造後、塗膜焼付処理時に変調
構造を生成するため、塗膜焼付硬化性も向上する。熱間
圧延後の100℃までの冷却速度が3℃/秒未満ではそ
の効果が十分でない。従って、熱間圧延後の冷却速度は
3℃/秒以上である。
成要素であり、熱間圧延後直ちに3℃/秒以上で100
℃以下に急速冷却することにより高いr値となる。冷却
速度とr値の関係については、以下のように考えられ
る。熱間圧延後そのまま高温で巻き取るなどして冷却速
度が十分速くない場合、冷却中に析出物が粗大に析出
し、マトリックス中の固溶元素量が低下する。マトリッ
クス中の固溶合金元素量が低下すると集合組織形成機構
がr値の高い合金型からr値の低い純金属型に遷移する
ため、深絞り成形性が低下する。一方、熱間圧延後直ち
に急速冷却を行えばマトリックス中に十分な固溶元素を
有するため集合組織形成機構が合金型となり深絞り成形
性が向上する。また熱間圧延後に急冷すれば冷延板の固
溶元素量が多くなり、板製造後、塗膜焼付処理時に変調
構造を生成するため、塗膜焼付硬化性も向上する。熱間
圧延後の100℃までの冷却速度が3℃/秒未満ではそ
の効果が十分でない。従って、熱間圧延後の冷却速度は
3℃/秒以上である。
【0023】次に冷間圧延で所定の板厚とする。続いて
3℃/秒以上の昇温速度で500〜570℃に加熱後0
〜60秒保持し、10℃/秒以上の冷却速度で100℃
以下まで冷却する。このときの昇温速度が3℃/秒未満
では異常結晶粒成長を起こしやすい。保持温度が500
℃未満では溶体化が不十分となる。570℃超えでは固
相線をこえて融解するので好ましくない。従って、保持
温度は500〜570℃である。保持時間は0秒以上
(すなわち、保持しない場合も含む)で溶体化処理の効
果があるが、60秒を超えると結晶粒が粗大化するので
保持時間は0〜60秒である。溶体化処理後の冷却速度
は10℃/秒未満では冷却中に析出物を生じ、固溶量が
減少するため塗膜焼付時の強度上昇が少なくなる。
3℃/秒以上の昇温速度で500〜570℃に加熱後0
〜60秒保持し、10℃/秒以上の冷却速度で100℃
以下まで冷却する。このときの昇温速度が3℃/秒未満
では異常結晶粒成長を起こしやすい。保持温度が500
℃未満では溶体化が不十分となる。570℃超えでは固
相線をこえて融解するので好ましくない。従って、保持
温度は500〜570℃である。保持時間は0秒以上
(すなわち、保持しない場合も含む)で溶体化処理の効
果があるが、60秒を超えると結晶粒が粗大化するので
保持時間は0〜60秒である。溶体化処理後の冷却速度
は10℃/秒未満では冷却中に析出物を生じ、固溶量が
減少するため塗膜焼付時の強度上昇が少なくなる。
【0024】その後、歪矯正又は表面粗度調整のため、
次に行われる熱処理の前後両方又はいずれかで5%以下
のレベリング、ストレッチング、あるいはスキンパス圧
延を実施してもよい。
次に行われる熱処理の前後両方又はいずれかで5%以下
のレベリング、ストレッチング、あるいはスキンパス圧
延を実施してもよい。
【0025】このようにして得られたアルミニウム合金
板は自動車ボディシート用に必要な強度、成形性、耐S
SM性、熱間圧延性及びスポット溶接性に優れ、さらに
塑性異方性が優れるため自動車車体等に好適である。以
下に本発明の実施例を挙げ、本発明の効果を立証する。
板は自動車ボディシート用に必要な強度、成形性、耐S
SM性、熱間圧延性及びスポット溶接性に優れ、さらに
塑性異方性が優れるため自動車車体等に好適である。以
下に本発明の実施例を挙げ、本発明の効果を立証する。
【0026】
(実施例1)表1に示す成分、組成を有する合金(本発
明合金:No.1〜14、比較合金:No.15〜2
6)を溶解、DC鋳造により鋳塊を得た。この鋳塊を面
削した後、440℃で4時間その後510℃で10時間
の2段均質化処理を実施した。次いで鋳片を8mmまで
熱間圧延し、直ちに5℃/秒の冷却速度で室温まで冷却
した。その後、冷間圧延を行って1mmの板材とした
後、20℃/秒で550℃まで加熱し、15秒保持後、
100℃まで20℃/秒の冷却速度で冷却した。
明合金:No.1〜14、比較合金:No.15〜2
6)を溶解、DC鋳造により鋳塊を得た。この鋳塊を面
削した後、440℃で4時間その後510℃で10時間
の2段均質化処理を実施した。次いで鋳片を8mmまで
熱間圧延し、直ちに5℃/秒の冷却速度で室温まで冷却
した。その後、冷間圧延を行って1mmの板材とした
後、20℃/秒で550℃まで加熱し、15秒保持後、
100℃まで20℃/秒の冷却速度で冷却した。
【0027】以上のように製造された板材を室温で1週
間放置後、圧延方向と平行に引張試験片(JIS5号)
を採取し、引張試験を実施し、機械特性値および塗膜焼
付硬化性を評価した。塗膜焼付硬化性は模擬的にプレス
相当の2%予歪みを負荷した後、塗膜焼付処理相当の1
70℃×20分の熱処理を施し、強度上昇を評価した。
塑性異方性(r値)は圧延方向に対して0°,45°,
90°から引張試験片を採取し、各方向の平均値で評価
した。耐ストレッチャーストレインマーク(SSM)性
の評価試験として、40×200mmの短冊状の試験片
を圧延方向と平行に採取し、10-2/秒の引張速度で5
%の予歪みを施し、試験片表面に発生するSSMの有無
を目視により判定した。曲げ性は20×100mmの短
冊状試験片を圧延方向と平行に採取し、10%予歪み後
180°密着曲げを行い、曲げ部の割れの有無で評価し
た。熱間圧延性は熱間圧延板のエッジ割れの有無で評価
した。スポット溶接性は単相交流式スポット溶接機を用
いて連続打点試験を行い、引張せん断強さがJISA級
最小値を下回るまでの打点数を測定し、これが1000
点以上の合金を○、1000点未満の合金を×と判定し
た。
間放置後、圧延方向と平行に引張試験片(JIS5号)
を採取し、引張試験を実施し、機械特性値および塗膜焼
付硬化性を評価した。塗膜焼付硬化性は模擬的にプレス
相当の2%予歪みを負荷した後、塗膜焼付処理相当の1
70℃×20分の熱処理を施し、強度上昇を評価した。
塑性異方性(r値)は圧延方向に対して0°,45°,
90°から引張試験片を採取し、各方向の平均値で評価
した。耐ストレッチャーストレインマーク(SSM)性
の評価試験として、40×200mmの短冊状の試験片
を圧延方向と平行に採取し、10-2/秒の引張速度で5
%の予歪みを施し、試験片表面に発生するSSMの有無
を目視により判定した。曲げ性は20×100mmの短
冊状試験片を圧延方向と平行に採取し、10%予歪み後
180°密着曲げを行い、曲げ部の割れの有無で評価し
た。熱間圧延性は熱間圧延板のエッジ割れの有無で評価
した。スポット溶接性は単相交流式スポット溶接機を用
いて連続打点試験を行い、引張せん断強さがJISA級
最小値を下回るまでの打点数を測定し、これが1000
点以上の合金を○、1000点未満の合金を×と判定し
た。
【0028】これらの評価試験結果を表2に示す。表2
から明らかなように本発明合金であるNo.1〜14は
TS、伸び値(El値)が高く、塗膜焼付処理後の耐力
(2%BHYS)が高く、r値(平均値)が0.9以上
と高く、SSMが発生せず、曲げ加工性に優れ、熱間圧
延での割れがなく、スポット溶接性が良好で、プレス成
形用薄板として好適であることがわかる。
から明らかなように本発明合金であるNo.1〜14は
TS、伸び値(El値)が高く、塗膜焼付処理後の耐力
(2%BHYS)が高く、r値(平均値)が0.9以上
と高く、SSMが発生せず、曲げ加工性に優れ、熱間圧
延での割れがなく、スポット溶接性が良好で、プレス成
形用薄板として好適であることがわかる。
【0029】一方、表1に示す比較合金のNo.15〜
26は表2から明らかなように、強度、伸び、焼付硬化
性、r値、耐SSM性、曲げ性、熱間圧延性及びスポッ
ト溶接性のいずれかが不十分である。例えば、変調構造
生成に寄与する成分であるMg,Si,Cu添加量の少
ない比較合金No.15,17,19はTSおよび2%
予歪み塗膜焼付処理後の耐力が低い。一方、Mg添加量
の多い比較合金No.16はSSMが発生し、曲げ性が
劣り、熱間圧延でエッジ割れが発生し、スポット溶接性
が劣る。Si添加量の多い比較合金No.18は伸びお
よび曲げ性が劣る。またCu添加量の多い比較合金N
o.20は伸び、r値が低い。Fe、TiおよびB、M
n、Cr、Zr添加量がそれぞれ多い比較合金No.2
1〜25は伸びが劣り、また結晶粒径が微細であるため
SSMが発生する。Zn添加量の多い比較合金No.2
6は伸びが低い。
26は表2から明らかなように、強度、伸び、焼付硬化
性、r値、耐SSM性、曲げ性、熱間圧延性及びスポッ
ト溶接性のいずれかが不十分である。例えば、変調構造
生成に寄与する成分であるMg,Si,Cu添加量の少
ない比較合金No.15,17,19はTSおよび2%
予歪み塗膜焼付処理後の耐力が低い。一方、Mg添加量
の多い比較合金No.16はSSMが発生し、曲げ性が
劣り、熱間圧延でエッジ割れが発生し、スポット溶接性
が劣る。Si添加量の多い比較合金No.18は伸びお
よび曲げ性が劣る。またCu添加量の多い比較合金N
o.20は伸び、r値が低い。Fe、TiおよびB、M
n、Cr、Zr添加量がそれぞれ多い比較合金No.2
1〜25は伸びが劣り、また結晶粒径が微細であるため
SSMが発生する。Zn添加量の多い比較合金No.2
6は伸びが低い。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】(実施例2)表1に示した合金No.1の
成分、組成を有する本発明合金を用い、この鋳塊を面削
した後、440℃で4時間その後510℃で10時間の
2段均質化処理を実施した。次いで鋳片を8mmまで熱
間圧延を行い、表3に示す冷却条件(本発明例A〜E、
比較例:F〜H)で種々の冷却を行い、室温まで冷却し
た。その後、冷間圧延を行って1mmの板材とした後、
20℃/秒で550℃まで加熱し、15秒保持後、10
0℃まで20℃/秒の冷却速度で冷却した。
成分、組成を有する本発明合金を用い、この鋳塊を面削
した後、440℃で4時間その後510℃で10時間の
2段均質化処理を実施した。次いで鋳片を8mmまで熱
間圧延を行い、表3に示す冷却条件(本発明例A〜E、
比較例:F〜H)で種々の冷却を行い、室温まで冷却し
た。その後、冷間圧延を行って1mmの板材とした後、
20℃/秒で550℃まで加熱し、15秒保持後、10
0℃まで20℃/秒の冷却速度で冷却した。
【0033】表3に実施例1と同様の評価試験を行った
結果を示す。またr値(平均値)の熱延板冷却速度依存
性を図1に示す。図1から明らかなように熱延板冷却速
度が3℃/秒以上である本発明例A〜Eはr値が高く、
塗膜焼付硬化性(2%BHYS)にも優れることがわか
る。一方熱延板冷却速度が3℃/秒未満である比較例F
〜Hはr値が低く、また塗膜焼付硬化性が低い。
結果を示す。またr値(平均値)の熱延板冷却速度依存
性を図1に示す。図1から明らかなように熱延板冷却速
度が3℃/秒以上である本発明例A〜Eはr値が高く、
塗膜焼付硬化性(2%BHYS)にも優れることがわか
る。一方熱延板冷却速度が3℃/秒未満である比較例F
〜Hはr値が低く、また塗膜焼付硬化性が低い。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】この発明によれば、合金組成及び熱延後
の急冷を含む製造条件を特定することにより、強度、成
形性に優れ、プレス成形時にSSMが発生し難く、熱間
圧延性、スポット溶接性が良好で、さらに深絞り成形性
の支配因子である塑性異方性係数(r値)の高い、プレ
ス成形用アルミニウム合金薄板の製造方法が提供され
る。本発明によって製造されたアルミニウム合金薄板は
自動車車体などに好適である。
の急冷を含む製造条件を特定することにより、強度、成
形性に優れ、プレス成形時にSSMが発生し難く、熱間
圧延性、スポット溶接性が良好で、さらに深絞り成形性
の支配因子である塑性異方性係数(r値)の高い、プレ
ス成形用アルミニウム合金薄板の製造方法が提供され
る。本発明によって製造されたアルミニウム合金薄板は
自動車車体などに好適である。
【図1】本発明の実施例に係る熱延板冷却速度とr値
(平均値)の関係を示す図。
(平均値)の関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 631 C22F 1/00 631Z 683 683 684 684A 686 686A 691 691C 691B 691A 692 692A 692B 694 694Z
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、Mg:2〜3.5%と、S
i:0.05〜0.3%と、Cu:0.4〜0.6%
と、Ti:0.005〜0.15%と、B:0.000
2〜0.05%と、Fe:0.3%以下とを含有し、残
部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合
金板を製造する方法において、 アルミニウム合金鋳塊に対し、400〜580℃の範囲
内の温度で均質化処理を施す工程と、 この鋳塊を熱間圧延し板厚3〜10mmに仕上げた後、
3℃/秒以上の冷却速度で100℃以下まで急速冷却
し、冷間圧延で所望の板厚とする工程と、 冷延板を3℃/秒以上の昇温速度で500〜570℃に
加熱後0〜60秒保持し、10℃/秒以上の冷却速度で
100℃以下まで冷却する工程とを備えたことを特徴と
する塑性異方性、塗膜焼付硬化性に優れたプレス成形用
アルミニウム合金板の製造方法。 - 【請求項2】 合金成分として、重量%でさらに、M
n:0.05〜0.3%、Cr:0.05〜0.3%、
及びZr:0.05〜0.3%のうち1種または2種以
上を含有することを特徴とする請求項1に記載の塑性異
方性、塗膜焼付硬化性に優れたプレス成形用アルミニウ
ム合金板の製造方法。 - 【請求項3】 合金成分として、重量%でさらに、Z
n:0.1〜1%を含有することを特徴とする請求項1
または2に記載の塑性異方性、塗膜焼付硬化性に優れた
プレス成形用アルミニウム合金板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11975797A JPH10310854A (ja) | 1997-05-09 | 1997-05-09 | 塑性異方性、塗膜焼付硬化性に優れたプレス成形用アルミニウム合金板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11975797A JPH10310854A (ja) | 1997-05-09 | 1997-05-09 | 塑性異方性、塗膜焼付硬化性に優れたプレス成形用アルミニウム合金板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10310854A true JPH10310854A (ja) | 1998-11-24 |
Family
ID=14769421
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11975797A Pending JPH10310854A (ja) | 1997-05-09 | 1997-05-09 | 塑性異方性、塗膜焼付硬化性に優れたプレス成形用アルミニウム合金板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10310854A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008006483A (ja) * | 2006-06-30 | 2008-01-17 | Furukawa Sky Kk | 高成形性Al−Mg系合金板の製造方法 |
| US7846277B2 (en) | 2003-04-08 | 2010-12-07 | Hydro Aluminium Deutschland Gmbh | Planar, rolled semi-finished product of aluminum alloys |
-
1997
- 1997-05-09 JP JP11975797A patent/JPH10310854A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7846277B2 (en) | 2003-04-08 | 2010-12-07 | Hydro Aluminium Deutschland Gmbh | Planar, rolled semi-finished product of aluminum alloys |
| JP2008006483A (ja) * | 2006-06-30 | 2008-01-17 | Furukawa Sky Kk | 高成形性Al−Mg系合金板の製造方法 |
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