JPH10315610A - インクジェット記録体 - Google Patents

インクジェット記録体

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JPH10315610A
JPH10315610A JP9125613A JP12561397A JPH10315610A JP H10315610 A JPH10315610 A JP H10315610A JP 9125613 A JP9125613 A JP 9125613A JP 12561397 A JP12561397 A JP 12561397A JP H10315610 A JPH10315610 A JP H10315610A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高光沢性を有し、印字濃度、インク吸収性に優
れるインクジェット用記録体を提供する。 【解決手段】支持体に下層記録層と上層記録層を設けて
なるインクジェット記録体であり、前記2層の記録層は
粒径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径1
0〜300nmの2次微細粒子を含有し、且つ下層の2
次微細粒子を構成する1次粒子の平均粒径が上層の2次
微細粒子を構成する1次粒子の平均粒径より大きいこと
が特徴である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
体に関し、特に、高光沢性、高インク吸収性、印字濃度
に優れるインクジェット記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、ノズルから
高速で射出したインク液滴を、被記録材に付着させて記
録する方式であり、フルカラー化が容易なことや印字騒
音が低い等の特徴を有する。この方式では、使用される
インクは多量の溶媒を含んでいるので、高い記録濃度を
得るためには、大量のインクを用いる必要がある。ま
た、インク液滴は連続的に射出されるので、最初の液滴
が吸収されないうちに次の液滴が射出され、インク液滴
が融合してインクのドットが接合するという不都合が生
じやすい。従って、このインクジェット記録方式で使用
される記録体としては、印字ドットの濃度が高く、色調
が明るく鮮やかであること、インクの吸収が速くて印字
ドットが重なった場合においてもインクの滲みがないこ
と等が要求される。最近、インクジェットプリンターの
急速な普及に対応して、印刷分野では、各種出版物や包
装等の用途で、高光沢のある高印字濃度を有する印刷物
が求められている。特に、カラー記録の場合は、ドット
の形状(真円状)、ドットのシャープさ、インクの吸
収、定着速度、インク吸収容量等のインク受理性の点か
らフィルムや塗工紙タイプのニーズが高い。
【0003】これらの問題を解決するために、支持体表
面にシリカ、アルミナ等の吸収性を有する顔料とバイン
ダーを含有する塗工層を設けたインクジェット記録用紙
が多く市販されている。これらのものは数ミクロンの顔
料を使用するため、表面がざらつき、印字光沢を得るこ
とが困難である。また、塗工層自身が全く透明性がない
ため、インクが塗工層に沈みやすく、印字濃度が低い。
インク液滴は微粉体間をかなり広範囲に広がり、その広
がりが端にいくほど薄い色になりやすいとともに不必要
な範囲まで拡がる結果、全体の色が薄くなることから鮮
明度も低くなったり、色ムラやニジミが生じやすい欠点
がある。
【0004】これらの問題を解決するために、特開昭6
2−111782号には上下2層の異なる多孔質層を設
けることによって、インクの拡がりをコントロールし、
印字ムラやニジミを改良した記録体が提案されている
が、上記と同様、上層と下層ともミクロンオーダーの比
較的大きな顔料を使用したため、光沢、印字濃度を得に
くい問題があった。また、特開昭62−244689号
には支持体に2層以上の記録層を設け、上層は屈折率が
1.43〜1.48のシリカを使用し、下層は屈折率
1.50以上の白色顔料を使用することによって、色調
が明るく鮮やかなインクジェット記録体が得られたが、
使用した顔料が1ミクロン以上もあり、高印字濃度、光
沢のあるインクジェット記録体を得ることが難しい。さ
らに、特開昭63−104878号には、記録層を粒径
の異なる2層構成にし、且つ1層の顔料を球状シリカを
使用することでインクの発色性、ドットの真円性等の諸
物性を改良する提案があったが、上記同様光沢、印字濃
度が得れらないのが現状である。
【0005】印字光沢、インク吸収性を改良する目的
で、最近、記録層を2層以上にし、上層を光沢発現層に
することが提案されている(たとえば:特開平7−10
1142号、特開平7−117335号等)。これらの
報告では、光沢発現層が1次粒子により構成されるた
め、光沢発現層の空隙率がきわめて小さい。従って、光
沢発現層はインク中の染料をとめる空隙が殆どなく、イ
ンク通過層としての効果しか得られないため、染料の殆
どは下層の記録層に定着する。下層はミクロンオーダー
の顔料を使用するため、透明性が無く、高印字濃度が得
られない。高印字濃度や高光沢を有する写真調の印字物
を得ることが殆ど不可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは粒径3〜
40nmの1次粒子が凝集してなる平均粒子径10〜3
00nmの2次粒子を使用し(特願平8−102494
号、特願平8−248267号等)、高光沢、高印字濃
度を有する写真調の記録が得られるインクジェット記録
体につき報告をした。しかし、最近、インクジェットプ
リンターの印字速度やインク吐出量が大幅に増加したた
め、前記報告の構成ではニジミや印字ムラ等の問題が生
じやすく、一層の改良が要望されている。本発明は上記
の問題を解決し、より高光沢、高インク吸収性、高印字
濃度、ニジミなどがない優れたインクジェット記録体を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題を解
決するために鋭意検討を重ねた結果、記録層を2層以上
にし、少なくとも2層の記録層は粒径3〜40nmの1
次粒子が凝集してなる平均粒径10〜300nmの2次
微細粒子を含有し、且つ下層の1次粒子の平均粒径が上
層の1次粒子の平均粒径より大きくすると、高光沢、高
インク吸収性、高印字濃度、ニジミなどがない優れるイ
ンクジェット記録体が得られることがわかった。2次コ
ロイド粒子(10〜300nm)を構成する1次粒子の
粒径が小さいと記録層の透明性が高く、形成される多孔
が比較的小さいが、比表面積が大きいため、染料が比較
的定着しやすく、高光沢、高印字濃度の記録体が得られ
る。しかし、1次粒子の粒径が小さいと成膜性が著しく
低下するため、高塗布量を得るには接着剤(バインダ
ー)を多量に使用する必要がある。接着剤の量が多いと
インクの吸収速度と吸収容量が著しく低下する。最近の
インクジェットプリンターのインク吐出量や吐出速度が
大きく増加したため、インクの吸収速度、吸収容量の低
下はインクの溢れや印字のニジミ等の問題を生じさせる
恐れがある。そこで、本発明では、記録層を2層以上に
し、且つ下層の2次粒子を構成する1次粒子の粒径が上
層の1次粒子の粒径より大きく設定すると、上記の問題
を解決することが可能であることがわかった。上層の2
次粒子を構成する1次粒子を小さくすると、高光沢、高
印字濃度が得られ、下層の2次粒子を構成する1次粒子
を大きくすると、下層がきわめて成膜しやすく、高塗布
量が得られるだけでなく、下層のインク吸収速度も上層
より大きくコントロールすることが可能で、インク吸収
容量が大きく、且つニジミが全く生じないインクジェッ
ト記録体が得られる。
【0008】上層の記録層にカチオン性化合物を添加す
ると、アニオン性の染料がより定着しやすく、得られた
印字物も耐水性や保存性が大幅に向上する。さらに、少
なくとも上層を成形面に塗被成膜した後、支持体(支持
体に記録層を有する場合はその記録層)に転写すると、
写真調の高光沢のインクジェット記録体が得られる。
【0009】本発明は以下の実施様態を含むがこれらに
限るものではない。 [1]支持体に下層の記録層と上層の記録層を設けてな
るインクジェット記録体において、前記2層の記録層は
粒径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均粒径1
0〜300nmの2次微細粒子を含有し、且つ下層の1
次粒子の平均粒径が上層の1次粒子の平均粒径より大き
いことを特徴とするインクジェット記録体。 [2]下層の1次粒子の平均粒径は上層の1次粒子の平
均粒径の1.2〜10倍を有することを特徴とする
[1]記載のインクジェット記録体。 [3]下層の1次粒子の平均粒径は上層の1次粒子の平
均粒径の1.5〜5倍を有することを特徴とする[2]
記載のインクジェット記録体。
【0010】[4]上層がカチオン性化合物を含有する
ことを特徴とする[1]、[2]または[3]記載のイ
ンクジェット記録体。 [5]カチオン性化合物はカチオン性樹脂であることを
特徴とする[4]記載のインクジェット記録体。 [6]支持体と前記2層の記録層間に樹脂を主成分とす
る記録層を有することを特徴とする[1]〜[5]のい
ずれかに記載のインクジェット記録体。 [7]樹脂を主成分とする記録層は架橋した熱可塑性ポ
リアルキレンオキシドを含有することを特徴とする
[6]記載のインクジェット記録体。 [8]2次微細粒子がシリカ、アルミナシリケート、ア
ルミナ(擬ベーマイトも含む)、または炭酸カルシウム
であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記
載のインクジェット記録体。
【0011】[9]少なくとも上層は成形面に塗被成膜
され、支持体(支持体が予め記録層を有する場合は下層
の記録層)に転写し、成形面を剥離してなることを特徴
とする[1]〜[8]のいずれかに記載のインクジェッ
ト記録体。 [10]成形面に塗被された記録層が中間層を介して支
持体に転写されることを特徴とする[9]記載のインク
ジェット記録体。 [11]中間層が感圧接着剤、接着剤または樹脂を主成
分とする記録層であることを特徴とする[10]記載の
インクジェット記録体。 [12]上層が亀裂を有する[1]〜[11]のいずれか
に記載のインクジェット記録体。 [13]亀裂の幅は0.02mm以下であることを特徴
とする[12]記載のインクジェット記録体。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は2層以上の記録層を有す
るインクジェット記録体において、少なくとも2層の記
録層は粒径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均
粒径10〜300nmの2次微細粒子を含有し、且つ下
層の1次粒子の平均粒径が上層の1次粒子の平均粒径よ
り大きいことを特徴とするインクジェット記録体を提供
するものである。本発明インクジェット記録体は高光沢
を有し、且つ優れたインク吸収性、高印字濃度を兼ね備
えたものである。
【0013】本発明において、支持体としては特に限定
されず、透明であっても不透明であってもよい。例え
ば、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポ
リ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の
プラスチックフィルム類、上質紙、アート紙、コート
紙、キャスト塗工紙、箔紙、クラフト紙、ポリエチレン
ラミネート紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙類、金
属フォイル、合成紙などが適宜使用される。
【0014】次に、本発明の記録層について説明する。
記録層は2層以上により構成され、上層、下層とも顔料
と接着剤(バインダー)を含有する。顔料としては、た
とえば、シリカ、アルミナシリケート、カオリン、クレ
ー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化錫、硫酸マグネシウ
ム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミ
ナ、擬ベーマイト、炭酸カルシウム、サチンホワイト、
珪酸アルミニウム、スメクタイト、珪酸マグネシウム、
炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレ
ン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチック
ピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメン
ト等、一般塗工紙分野で公知公用の各種顔料を適宜使用
される。ただし、光沢性、インク吸収性、印字濃度の観
点から上記各種顔料は3〜40nmの1次粒子が凝集し
てなる平均粒径10〜300nmの2次粒子を選択する
必要がある。平均粒径10〜300nmの2次粒子(分
散体)を得るためには一般市販の各種顔料(数ミクロ
ン)を機械的手段で強い力を与えることにより得られる
ことが可能である。つまり、breaking dow
n法(塊状原料を細分化する方法)によって得られる。
機械的手段としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホ
モジナイザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒
体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、擂解機、サンド
グラインダー等の機械的手法が挙げられる。本発明の顔
料微細粒子はコロイド粒子であっても、スラリーであっ
てもよい。本発明の効果をより良く得るためには、顔料
としてはシリカ、アルミナシリケート、アルミナ(擬ベ
ーマイトも含む)、炭酸カルシウムが好ましい。とりわ
け、非晶質シリカ、アルミナシリケートが好ましい。本
発明でいう平均粒径はすべて電子顕微鏡(SEMとTE
M)で観察した粒径(マーチン径)である(「微粒子ハ
ンドブック」、朝倉書店、p52参照)。
【0015】上層記録層の2次粒子を構成する1次粒子
の平均粒径は3〜40nmで、好ましくは3〜25n
m、より好ましくは5〜20nmに調節される。1次粒
子の平均粒径が小さいと1次粒子間の空隙が小さく、イ
ンク中の溶剤や水を吸収する能力が著しくて低下する。
一方、1次粒子の粒径が大きいと、凝集した2次粒子が
大きくなり、記録層の透明性が低下し、高印字濃度が得
られない恐れがある。下層記録層の2次粒子を構成する
1次粒子の平均粒径は上層の1次粒子の平均粒径より大
きく、好ましくは上層の1次粒子の粒径の1.2〜10
倍、より好ましくは1.5〜5倍である。下層の1次粒
子の粒径と上層の1次粒子の粒径があまりに近いと印字
濃度とインク吸収性のバランスが取りにくい。一方、下
層の1次粒子の粒径が大きすぎると下層の塗膜強度が得
られず好ましくない。本発明においては特に限定するも
のではないが、下層の2次粒子の平均粒径が上層の2次
粒子の平均粒径より大きいことが望ましい。上層、下層
の2次粒子の粒径は10〜300nmの範囲であり、好
ましくは15〜200nm、さらに好ましくは20〜1
50nmに調製される。粒径が小さいとインク吸収速度
が低下し好ましくない。一方、粒径が大きいと記録層が
ざらつきやすく、光沢が失われる恐れがある。
【0016】尚、アルミナシリケートはアルミニウムア
ルコキシドと珪素アルコキシドを主成分として加水分解
法により合成された複合体微粒子であり、粒子中にアル
ミナ成分とシリカ成分とを個別に取り出すことが出来な
い状態に含有してなるものである。
【0017】光沢、印字濃度等を損なわない範囲で、イ
ンク吸収性アップのために、上記一般塗工紙分野で公知
公用の各種顔料(ミクロンオーダーの2次粒子)を適宜
添加できる。本発明の上層、下層で用いる接着剤(バイ
ンダー)としては、水溶性樹脂(たとえばポリビニルア
ルコール(以下PVAとも称す)、シリル変性ポリビニ
ルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール等変
性ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タ
ンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロースや
メチルセルロース等のセルロース誘導体)、スチレン−
ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル
系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等
のビニル系共重合体ラテックスなどの水分散性樹脂等一
般に塗工紙に用いられている公知の接着剤(バインダ
ー)が単独或いは併用して用いられる。記録層と支持体
との接着性を上げるためには、水溶性樹脂が好ましく選
択使用される。特に重合度2000以上のポリビニルア
ルコールを使用すると、記録層と支持体の密着性がよ
く、高光沢、高インク吸収性を有し、印字濃度、耐水性
に優れるインクジェット記録体が得られる。
【0018】上下2層とも顔料と接着剤(バインダー)
の固形分重量比は100/5〜100/200、好まし
くは100/10〜100/100の範囲に調節され
る。接着剤(バインダー)の添加量が多いと、粒子間の
細孔が小さくなり、インク吸収速度が得られにくい。一
方、接着剤(バインダー)が少なすぎると塗工層に大き
なひび割れが入りやすく、光沢が低下する恐れがある。
本発明では、特に上層の顔料と接着剤の固形分重量比を
100/10〜100/60の間にコントロールする
と、上層に小さな亀裂(幅:0.02mm以下)が生
じ、この亀裂によって、インクの吸収速度が大きく増
し、光沢の低下もあまりなく、高光沢、高印字濃度を有
し、且つインク吸収速度がきわめて高いインクジェット
記録体が得られる。
【0019】記録層中にはカチオン樹脂を添加すること
ができる。これによりインク定着性を向上させることが
できる。特に上層記録層中にカチオン性樹脂を添加する
ことが好ましい。添加されるカチオン樹脂としては、例
えばポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミンな
どのポリアルキレンポリアミン類、またはその誘導体、
第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリ
ル樹脂、ジアクリルアミン等一般市販の各種公知公用の
カチオン樹脂が挙げられる。なお、カチオン樹脂の添加
量としては顔料100重量部に対し、1〜30重量部、
より好ましくは5〜20重量部の範囲で調節される。添
加方法としては、例えば前記breaking dow
n法で得られた微細粒子分散体に混合することができ
る。微細粒子がアニオン性の場合、微細粒子分散体に混
合すると分散体が凝集するため、市販のミクロンオーダ
ーの顔料と一緒にカチオン樹脂を混合分散してから機械
分散・粉砕するか、或いは分散・粉砕して得られた10
〜300nmの2次粒子分散体にカチオン樹脂を添加
し、一旦増粘、凝集させた後、再度機械分散・粉砕する
方法などが例示される。その他、一般塗工紙製造におい
て使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防
止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。
【0020】上層や下層の塗工量は特に限定するもので
はないが、上層の塗工量が1〜50g/m2 、好ましく
は2〜20g/m2 に調節するのが好ましい。下層の塗
工量は2〜80g/m2 、好ましくは5〜70g/m2
に調節するのが好ましい。塗工量が少ないと均一塗膜が
得られにくく、一方、塗工量が多いと塗膜に大きなひび
割れが生じる恐れがある。
【0021】上層、下層の2層以外に、インク吸収容量
をアップさせるために、下層の下にインク吸収性を有す
る樹脂を主成分とする層(記録層)を設けることもでき
る。インク吸収性を有する樹脂としては、たとえばポリ
アルキレンオキシド、PVA、セルロース誘導体、カゼ
イン、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなどが例示でき
る。その中でも架橋した熱可塑性ポリアルキレンオキシ
ドが好ましく選択される。熱可塑性ポリアルキレンオキ
シド樹脂は他の親水性樹脂に比し、加工性が良好でイン
ク吸収能力に優れ、画像が鮮明等の優れる利点がある。
特に架橋ポリアルキレンオキシド樹脂にポリアミド樹脂
を配合することが有効である。架橋ポリアルキレンオキ
シド樹脂が有する優れたインクの吸収性能とポリアミド
樹脂が有する耐熱性、耐水性等の長所を失うことなく相
乗効果が発揮できる。
【0022】本発明では、少なくとも上層(勿論、上下
2層でも良い)を成形面に塗被成膜した後、支持体(支
持体が下層の記録層を有する場合はその下層の記録層)
に転写し、成形面を剥離すると、より高光沢を得ること
が可能である。成形面に使用される材料としては、高表
面平滑性を有するセロハン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリ
エステル等のプラスチックフィルム類、ポリエチレンラ
ミネート紙、グラシン紙、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金
属フォイル、合成紙等可とう性を有するシート類及び無
機ガラス、金属、プラスチック等の高平滑表面を有する
ドラムや板類が適宜使用される。特に、製造工程及び成
形面と記録層の剥離適性等の観点から、高分子フィルム
(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等)、
高平滑表面を有する金属ドラムが好ましい。
【0023】成形面は光沢を付与する目的では平滑であ
る方が好ましく、成形面の表面粗さ(JIS B−06
01)は、Raが0.5μm以下が好ましく、より好ま
しくはRaが0.05μm以下である。尚、表面粗さを
コントロールして、セミグロス調、マット調などの風合
いをもたせることが可能である。成形面は無処理のまま
でよいが、記録層と支持体(或いは支持体上の他の記録
層)の接着力よりも、成形面と記録層の接着力を小さく
制御するため、成形面の塗工面にシリコーンやフッ素樹
脂等の剥離性を有する化合物を塗工して使用することが
可能である。成形面に塗工した記録層と支持体(或いは
支持体上の他の記録層)が接着さえできれば特に接着方
法は限定するものではないが、記録層をダイレクトに支
持体に圧着して接着する方法やあらかじめ支持体(或い
は成形面に塗工した記録層に)に中間層(接着剤層、接
着性を有する記録層、上記インク吸収性を有する樹脂層
等の粘着性若しくは接着性を有する層が例示できる。)
を設け、記録層と中間層を貼り合わせてから、成形面を
剥離する方法などが挙げられる。
【0024】記録層や中間層の塗工用コーターとしては
ダイコーター、ブレードコーター、エアーナイフコータ
ー、ロールコーター、バーコーター、グラビアコータ
ー、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテ
ンコーター等の各種公知の塗工装置が挙げられる。本発
明のインクジェット記録方法で使用されるインクとして
は、像を形成するための色素と該色素を溶解または分散
するための液媒体を必須成分とし、必要に応じて各種分
散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、pH調
整剤、防かび剤、記録剤の溶解または分散安定化剤等を
添加して調整される。インクに使用される記録剤として
は直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用
色素、分散染料、油性染料及び各種顔料等があげられる
が、従来公知のものは特に制限なく使用することができ
る。このような色素の含有量は、液媒体成分の種類、イ
ンクに要求される特性などに依存して決定されるが、本
発明におけるインクの場合も、従来のインク中における
ような配合、即ち、0.1〜20重量%程度の割合にな
るような使用で特に問題はない。
【0025】本発明で用いられるインクの溶媒として
は、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコー
ル類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまた
はケトンアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類、エチレングリコール、、ポロピレングリコール、ブ
チレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグ
リコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコー
ル等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール
類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類、グリセリン、エチレングリコー
ルメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(エチ
ル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類など
が挙げられる。
【0026】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた
固形分であり、それぞれ重量部及び重量%を示す。 [シリカゾルA]平均粒径3μの合成非晶質シリカ(日
本シリカ工業社製、商品名:Nipsil、HD−2、
1次粒子径:11nm)を用い、サンドグラインダーに
より粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザーでさらに粉
砕分散し、平均粒子径(平均2次粒子径)が70nmに
なるまでサンドグラインダーと超音波ホモジナイザーの
粉砕分散操作を繰り返し、7%の分散液を試作した。 [シリカゾルB]平均粒径1.5μの合成非晶質シリカ
(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil、E−1
011、1次粒子径:24nm)を用い、サンドグライ
ンダーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザーで
さらに粉砕分散し、平均粒子径(2次粒子径)が100
nmになるまでサンドグラインダーと超音波ホモジナイ
ザーの粉砕分散操作を繰り返し、10%の分散液を試作
した。
【0027】実施例1 シリカゾルB100部に、ポリビニルアルコール(クラ
レ社製、商品名:PVA−135H、重合度:350
0、ケン化度:99%以上)40部を混合した10%水
溶液を用い、塗工量が30g/m2 となるように市販塗
工紙(王子製紙社製、商品名:OKコート、127.9
g/m2 )にラミネート加工(エクストルージュンラミ
ネート法により塗工紙表面にポリエチレンを25μm ラ
ミネートしたもの、以下単にラミネート塗工紙とも称
す)したもののラミネート面に塗工乾燥した。続いて、
シリカゾルA100部にPVA(PVA−135H)3
0部を混合した7%水溶液を用い、塗工量が10g/m
2 となるように上記塗工層上に塗工乾燥し、本発明のイ
ンクジェット記録体を製造した。
【0028】実施例2 実施例1と同様にしてラミネート塗工紙にシリカゾルB
を含有する塗工層を設けた。次にその塗工層上に下記の
層を設けた。シリカゾルA100部に、カチオン樹脂で
あるジアリルジメチルアンモニウムクロライドーアクリ
ルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡
績社製)15部を添加したところシリカゾルの凝集が生
じた。圧力式ホモジナイザーで再度粉砕分散し凝集粒子
の平均粒子径が120nmになるように分散した( 一次
粒子径は11nmのまま)。得られたカチオン樹脂含有シリ
カゾルにポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:
PVA−135H)25部を添加し、その塗工液を用
い、乾燥塗工量が10g/m2 となるように塗工乾燥
し、本発明のインクジェット記録体を製造した。
【0029】実施例3 実施例2に示したカチオン樹脂含有シリカゾルにポリビ
ニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135
H)25部を添加し、その塗工液を用い、成形面として
利用するPETフィルム(東レ社製、商品名:ルミラー
T、50μm 、Ra=0.02μm )に塗工量が10g
/m2 となるように塗工乾燥した。該塗工層に水分を付
与した後、実施例1のシリカゾルBを含有する塗工液と
同様の組成で上記塗工層上に30g/m2 となるように
塗工乾燥した。続いて、カレンダーの温度が75℃、線
圧が20kg/cmの条件下で、上記塗工層とラミネー
ト塗工紙のラミネート面を貼り合わせた後、PETフィ
ルムを剥がし、本発明のインクジェット記録体を製造し
た。
【0030】実施例4 ラミネート塗工紙のラミネート面にアクリル酸エステル
系接着剤(日本カーバイド工業社製、商品名:A−0
2)が15g/m2 となるように塗布乾燥した。続い
て、実施例2に示したカチオン樹脂含有シリカゾルにポ
リビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−1
35H)25部を添加し、その塗工液を用い、成形面と
して利用するPETフィルム(東レ社製、商品名:ルミ
ラーT、50μm 、Ra=0.02μm )に塗工量が1
0g/m2 となるように塗工乾燥した。該塗工層に水分
を付与した後、実施例1のシリカゾルBを含有する塗工
液と同様の組成で上記塗工層上に30g/m2 となるよ
うに塗工乾燥した。得られた塗工層と接着剤層を貼り合
わせて、PETフィルムを剥がし、本発明のインクジェ
ット記録体を製造した。
【0031】実施例5 市販塗工紙(王子製紙社製、商品名:OKコート、12
7.9g/m2 )に架橋した熱可塑性ポリエチレンオキ
シド(住友精化社製、商品名:アクアコーク)が25g
/m2 となるようにラミネートした。続いて、実施例2
に示したカチオン樹脂含有シリカゾルにPVA(クラレ
社製、商品名:PVA−135H)25部を添加し、そ
の塗工液を用い、成形面として利用するPETフィルム
(東レ社製、商品名:ルミラーT、50μm 、Ra=
0.02μm )に塗工量が10g/m2 となるように塗
工乾燥した。該塗工層に水分を付与した後、実施例1の
シリカゾルBを含有する塗工液と同様の組成で上記塗工
層上に30g/m2 となるように塗工乾燥した。得られ
た塗工層とポリエチレンオキシド層を貼り合わせて、P
ETフィルムを剥がし、本発明のインクジェット記録体
を製造した。
【0032】比較例1 シリカゾルA100部に、PVA(クラレ社製、商品
名:PVA−135H)30部を混合した7%水溶液を
用い、塗工量が10g/m2 となるようにラミネート塗
工紙に塗工乾燥した。 比較例2 シリカゾルA100部に、PVA(クラレ社製、商品
名:PVA−135H)30部を混合した7%水溶液を
用い、塗工量が40g/m2 となるようにラミネート塗
工紙に塗工乾燥した。 比較例3 シリカゾルB100部に、PVA(クラレ社製、商品
名:PVA−135H)40部を混合した10%水溶液
を用い、塗工量が40g/m2 となるようにラミネート
塗工紙に塗工乾燥した。
【0033】比較例4 実施例2に示したカチオン樹脂含有シリカゾルに、ポリ
ビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−13
5H)25部を混合した7%水溶液を用い、乾燥塗工量
が30g/m2 となるようにラミネート塗工紙に塗工乾
燥した。続いて、シリカゾルB100部にポリビニルア
ルコール(PVA−135H)40部を混合した10%
水溶液を用い、乾燥塗工量が10g/m2 となるように
上記塗工層上に塗工乾燥し、インクジェット記録体を製
造した。 比較例5 紙の上に親水性樹脂を塗工した光沢紙(コニカ社製、商
品名:コニカフォトジェットペーパー)を用いた。
【0034】[評価方法]実施例、比較例で得られたイ
ンクジェット記録体のインク吸収性、光沢性、印字濃度
等は以下に示す方法で評価した。光沢性、インク吸収
性、印字濃度については市販のインクジェットプリンタ
ー(EPSON社製、商標:PM−700C)で記録を
行った場合のベタ部分の光沢度、インク吸収性、印字濃
度を示す。 [インク吸収性]印字部がブラックになるようにイエロ
ー、マゼンタ、シアンの各単色を重ね打ちし、印字直後
から5秒毎にプリントした印字面に上質紙を貼合せ、イ
ンクが上質紙に転写するかどうかを観察する。全く転写
しなくなるまでの時間を測定する。測定された秒数を4
段評価した(◎:5秒以下、○:5〜15秒、△:15
〜30秒、×:30秒以上)。インクが乾燥するまでの
時間が15秒以下のものはインク吸収容量、インク吸収
速度に優れる。
【0035】[印字部の光沢感(照り感)]印字部の光
沢感はブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各印字
部に対して横の角度から目視し、以下のように4段評価
した。 ◎:銀塩方式のカラー写真と同レベルの照り感がある。 ○:カラー写真よりは劣るが、高い照り感がある。 △:一般市販のコート紙やアート紙並。 ×:全く照り感がない。 [印字濃度]黒ベタ部の印字濃度をマクベス反射濃度計
(Macbeth、RD−920)を用いて測定した。
表中に示した数字は5回測定の平均値である。
【0036】[耐湿保存性]40℃、90%の恒温恒湿
器に印字品を保存し、48時間後に取り出し、印字部の
ニジミを観察する。 ◎:全くニジミがみられない。 ○:ニジミはみられるが、実用レベルである。 △:ニジミが大きく、場合によっては(例えば:夏高湿
時など)使用しにくいことがある。 ×:ニジミがひどく全く使用し得ないレベル。 [塗膜耐水性]塗膜に水滴を落とし、5分後に指で軽く
こすり、塗膜の変化を下記3段階で評価した。 ○:塗膜に全く変化がみられない。 △:塗膜の一部分がとれた。 ×:塗膜が完全にとれた。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明の方法
により得られたインクジェット記録体はインク吸収性が
良好で、かつ高光沢性、高印字濃度などが優れるインク
ジェット記録体である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体に下層の記録層と上層の記録層を設
    けてなるインクジェット記録体において、前記2層の記
    録層は粒径3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平均
    粒径10〜300nmの2次微細粒子を含有し、且つ下
    層の1次粒子の平均粒径が上層の1次粒子の平均粒径よ
    り大きいことを特徴とするインクジェット記録体。
  2. 【請求項2】下層の1次粒子の平均粒径は上層の1次粒
    子の平均粒径の1.2〜10倍を有することを特徴とす
    る請求項1記載のインクジェット記録体。
  3. 【請求項3】上層がカチオン性化合物を含有することを
    特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録
    体。
  4. 【請求項4】支持体と前記2層の記録層間に樹脂を主成
    分とする記録層を有することを特徴とする請求項1、2
    または3記載のインクジェット記録体。
  5. 【請求項5】少なくとも上層は成形面に塗被成膜され、
    支持体(支持体に予め下層の記録層を設けた場合は下層
    の記録層)に転写し、成形面を剥離してなることを特徴
    とする請求項1、2、3または4記載のインクジェット
    記録体。
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