JPH10316601A - 多環式炭化水素類の酸化方法 - Google Patents

多環式炭化水素類の酸化方法

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JPH10316601A
JPH10316601A JP12947297A JP12947297A JPH10316601A JP H10316601 A JPH10316601 A JP H10316601A JP 12947297 A JP12947297 A JP 12947297A JP 12947297 A JP12947297 A JP 12947297A JP H10316601 A JPH10316601 A JP H10316601A
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group
compound
aromatic
sublimable
oxidation
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JP12947297A
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English (en)
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Tatsuya Nakano
達也 中野
Yasutaka Ishii
康敬 石井
Narihisa Hirai
成尚 平井
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C49/00Ketones; Ketenes; Dimeric ketenes; Ketonic chelates
    • C07C49/385Saturated compounds containing a keto group being part of a ring
    • C07C49/417Saturated compounds containing a keto group being part of a ring polycyclic
    • C07C49/423Saturated compounds containing a keto group being part of a ring polycyclic a keto group being part of a condensed ring system
    • C07C49/453Saturated compounds containing a keto group being part of a ring polycyclic a keto group being part of a condensed ring system having three rings

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇華性多環式炭化水素類の配管内壁等への付
着を抑制し、酸化反応を円滑に行う。 【解決手段】 アダマンタンなどの昇華性多環式炭化水
素類を、(A)非昇華性の芳香族化合物と、(B)酸性
化合物および非芳香族ニトリルから選択された少なくと
も1種の化合物とで構成された混合溶媒中で酸素酸化す
る。芳香族化合物(A)には、クロロベンゼンなどのベ
ンゼン誘導体が含まれる。化合物(B)には、酢酸など
の有機酸が含まれる。酸化反応は、例えば、下記式
(1)で表されるN−ヒドロキシフタルイミドなどのイ
ミド化合物からなる触媒の存在下、基質と酸素とを前記
溶媒中で接触させることにより行われる。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、水素原子、ハロゲン原子など
の置換基を示し、R1 及びR2 は互いに結合して二重結
合、芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。X
はO又はOHを示し、nは1〜3の整数を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昇華性を有する多
環式炭化水素類から対応する酸化物を製造する上で有用
な酸化方法、及びヒドロキシル基又はオキソ基含有多環
式化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多環式炭化水素類は、3次元的な対称構
造を有していたり、各環が互いに安定化する構造を有し
ているため、特異な機能を有する。そのため、多環式炭
化水素類にヒドロキシル基を導入し、必要によりアクリ
ル酸誘導体やカーボネートなどに誘導することにより、
機能性を高めた種々の共重合体を得ることができる。例
えば、橋頭位にメチン炭素原子を有する橋架け環式炭化
水素において、官能基(例えば、ヒドロキシル基、アミ
ノ基、カルボキシル基など)を導入したアダマンタン誘
導体から、ポリエステルを製造する方法(特開昭50−
21090号公報など)、ポリカーボネートを得る方法
(米国特許3594427号明細書など)、ポリアミド
やポリイミドを得る方法(米国特許3832332号明
細書など)、ポリウレタンを得る方法(特公昭44−1
2891号公報など)、ポリスルフォンおよびポリスル
フォネートを得る方法(米国特許3753950号明細
書など)、ビニルポリマーを得る方法(特公昭46−2
8419号公報など)などが提案されている。また、多
環式炭化水素類をモノマーとするホモポリマーも提案さ
れている(米国特許3649702号明細書)。このよ
うな多環式炭化水素類から得られる重合体は、一般に、
機能性が高く、例えば、導光損失性、屈折率、複屈折率
などの光学的特性、耐湿性、耐熱性、熱膨張率などの特
性において、従来のポリマーでは達成できない高いレベ
ルを有している。従って、前記重合体は、光ファイバ
ー、光学用素子、光学レンズ、ホログラム、光ディス
ク、コンタクトレンズなどの光学材料、有機ガラス用透
明樹脂コーティング剤、導電性ポリマー、写真感光性材
料、蛍光性材料などとしての利用が検討されている。ま
た、アダマンタンなどの橋架け環式炭化水素類のアルコ
ール体やケトン体から誘導されるアミノ誘導体などは、
パーキンソン氏病の治療薬「シンメトレル」などに代表
されるように、高い薬理活性を示す各種の医薬、農薬を
誘導する上で有用である。このように、ヒドロキシル基
やオキソ基などの官能基を有する多環式炭化水素類は、
広い用途に利用されている。
【0003】アダマンタンなどの多環式炭化水素類のア
ルコール体の製造方法として、多環式炭化水素類を過剰
量の臭素を用いて臭素化し、生成した臭素化物を過剰の
硝酸銀や硫酸銀で加水分解する方法(特開平2−196
744号公報)、多環式炭化水素類を、濃酢酸溶液中、
クロム酸を用いて酸化する方法(特公昭42−1662
1号公報)、触媒としてコバルト塩を用いて、融解アダ
マンタンを酸素酸化する方法(特公昭42−26792
号公報)などが提案されている。特開平8−38909
号公報には、イミド化合物を触媒として、基質を酸素酸
化する方法が提案されている。この酸化方法をアダマン
タンに適用すると、アダマンタンのアルコール体を得る
ことができる。また、日本化学会第67春季年会、19
94年「講演予稿集II」には、N−ヒドロキシフタル
イミドを用いてアダマンタンを酸素酸化すると、対応す
るアルコールやケトンが生成することが報告されてい
る。
【0004】しかし、多環式炭化水素類の中でも、アダ
マンタン、ノルボルナン、ショウノウなどの昇華性を有
する化合物は、溶媒に溶解した状態でも、加熱したり、
気体を供給すると、揮発しやすいという特性を有する。
そのため、このような化合物を基質として酸化する際に
は、基質が反応操作中に揮発して反応器の気相部や配管
の内壁に固体状態で付着し、配管等を閉塞させるという
問題が生じる。そのため、特に連続式で目的の酸化物を
製造することが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、昇華性多環式炭化水素類が反応器や配管の内壁に付
着するのを抑制し、反応操作を円滑に行うことのできる
多環式炭化水素類の酸化方法を提供することにある。本
発明の他の目的は、昇華性多環式炭化水素類の配管等の
内壁への付着を抑制しつつ、高い転化率で多環式炭化水
素類を酸化できる方法を提供することにある。本発明の
さらに他の目的は、昇華性多環式炭化水素類の酸化を温
和な条件下で操作性よく行うことのできる方法を提供す
ることにある。本発明の別の目的は、橋頭位にメチリジ
ン基を有する昇華性の多環式炭化水素類を、温和な条件
下で酸化し、ヒドロキシル基またはオキソ基が導入され
た対応する酸化物を工業的に効率よく製造できる方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、昇華性を有す
る多環式炭化水素類を空間部を有する反応系において酸
化する際、反応溶媒として特定の混合溶媒を用いると、
前記多環式炭化水素類が反応器や配管内壁に付着するの
を顕著に抑制できることを見いだし、本発明を完成し
た。すなわち、本発明は、昇華性の多環式炭化水素類
を、(A)非昇華性の芳香族化合物と、(B)酸性化合
物および非芳香族ニトリルから選択された少なくとも1
種の化合物とで構成された混合溶媒中で酸素酸化する多
環式炭化水素類の酸化方法を提供する。多環式炭化水素
類には橋架け環式炭化水素類などが含まれる。混合溶媒
の一方の成分である芳香族化合物(A)にはベンゼン誘
導体などが含まれ、他方の成分である化合物(B)に
は、例えば炭素数1〜4の脂肪族カルボン酸等の有機酸
などが含まれる。混合溶媒中における芳香族化合物
(A)と化合物(B)との割合は、例えば前者/後者
(重量比)=25/75〜95/5程度である。
【0007】前記方法において、酸化触媒として、下記
式(1)
【0008】
【化2】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
ヒドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)で表
されるイミド化合物で構成された触媒を用いてもよい。
【0009】本発明の他の態様では、前記式(1)で表
されるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下、橋
頭位または接合位にメチリジン基を有する昇華性の多環
式炭化水素類を、(A)非昇華性の芳香族化合物と、
(B)酸性化合物および非芳香族ニトリルから選択され
た少なくとも1種の化合物とで構成された混合溶媒中で
酸素と接触させ、橋頭位若しくは接合位にヒドロキシル
基を、または橋頭位若しくは接合位の隣接する部位にオ
キソ基を導入して、ヒドロキシル基又はオキソ基含有多
環式化合物を製造する。なお、本明細書において、「昇
華性」とは、固体が固体状態から直接蒸発する性質のみ
ならず、固体が溶媒に溶解した状態で揮発する性質をも
意味するものとする。
【0010】
【発明の実施の形態】
[昇華性多環式炭化水素類]酸化反応に供する基質とし
ては、昇華性を有する多環式炭化水素類であれば特に限
定されず、広範な化合物を使用できる。このような多環
式炭化水素類には、例えばメチル基、メチレン基、メチ
ン基[メチリジン基(−CH<)]、ヒドロキシメチレ
ン基[−CH(OH)−]などの被酸化性基を有する多
環式炭化水素類、例えば、橋架け環式炭化水素類および
縮合多環式炭化水素類などが含まれる。これらの多環式
炭化水素類は芳香族性環を有していてもよい。
【0011】橋架け環式炭化水素類としては、例えば、
環を構成する炭素数が7〜16程度の2環式ないし4環
式炭化水素、例えば、橋頭位又は接合位に炭素−水素結
合を有する化合物などが挙げられ、特に、ノルボルナ
ン、カンファー(ショウノウ)、ピネン、ピナン、カン
フェン、ボルネンなどの2環式炭化水素、アダマンタン
などの3環式炭化水素、又はこれらの誘導体を用いる場
合が多い。縮合多環式炭化水素類としては、5〜8員環
が2〜8程度縮合した縮合多環式炭化水素及びその誘導
体が挙げられる。縮合多環式炭化水素類では、例えば、
ナフタレン誘導体などのように、5または6員環が2〜
6程度縮合している場合が多い。
【0012】これらの多環式炭化水素類は、多環式炭化
水素類の種類に応じて、種々の置換基、例えば、ハロゲ
ン原子(ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素原子)、アル
キル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、
ヘキシル基などの炭素数1〜6程度のアルキル基、特に
炭素数1〜4程度の低級アルキル基など)、オキソ基、
ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ
ブトキシ、t−ブトキシ、ヘキシルオキシ基などの炭素
数1〜6程度、特に1〜4程度のアルコキシ基など)、
ヒドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル、2
−ヒドロキシエチル基などのヒドロキシC1-4アルキル
基など)、アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プ
ロピオニル、ブチリル、バレリル、ピバロイル基などの
炭素数1〜6程度のアシル基)、アミノ基、置換アミノ
基、シアノ基、ニトロ基などにより置換されていてもよ
い。
【0013】好ましい多環式炭化水素類には、メチリジ
ン基を有する多環式炭化水素類(特に、橋架け環式炭化
水素類)、アリル位又はベンジル位にメチル基又はメチ
レン基を有する多環式炭化水素類などが含まれ、特に、
アダマンタン類(アダマンタン;ハロゲン原子、アルキ
ル基、ヒドロキシル基、オキソ基などの置換基を有する
アダマンタン誘導体)、ノルボルナン類(ノルボルナ
ン;ハロゲン原子、アルキル基などの置換基を有するノ
ルボルナン誘導体)、カンファー類(カンファー又はそ
の誘導体)など、とりわけアダマンタンなどのアダマン
タン類を用いる場合が多い。
【0014】前記多環式炭化水素類を酸化すると、対応
する酸化物(アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、
カルボン酸類)が生成する。生成物は、基質の種類、酸
化方法及び反応条件等により異なる。例えば、メチリジ
ン基を有する多環式炭化水素類(橋頭位にメチリジン基
を有する橋架け環式炭化水素類、接合位にメチリジン基
を有する縮合多環式炭化水素類など)では、酸化によ
り、メチリジン基を構成する第3級炭素原子にヒドロキ
シル基が導入される。また、例えば、触媒系を適当に選
択したり、反応温度や反応時間を調整することにより、
メチリジン基に隣接する部位(第2級炭素原子)にオキ
ソ基を導入できる。より具体的には、例えば、アダマン
タンまたはその誘導体を酸化すると、通常、橋頭位にヒ
ドロキシル基が導入されたアダマンタノール(1−アダ
マンタノール;1,3−アダマンタンジオール、1,
3,5−アダマンタントリオールなどのアダマンタンポ
リオール)、橋頭位に隣接する第2級炭素原子にオキソ
基が導入されたアダマンタノン(2−アダマンタノンな
ど)、橋頭位にヒドロキシル基が導入され且つ橋頭位に
隣接する部位にオキソ基が導入されたヒドロキシアダマ
ンタノン(例えば、1−ヒドロキシ−2−アダマンタノ
ンなど)などが生成する。また、ヒドロキシル基を1ま
たは2個有するアダマンタン誘導体を酸化すると、より
高度にヒドロキシル化されたアダマンタンポリオールが
生成する。
【0015】一方、アリル位又はベンジル位にメチル基
又はメチレン基を有する多環式炭化水素類では、酸化に
より、アリル位又はベンジル位にヒドロキシル基、オキ
ソ基又はカルボキシル基(場合によっては開裂を伴なっ
て)が導入される。また、シクロアルカン環を有する化
合物では、酸化により、シクロアルカン環が開裂して、
対応するジカルボン酸が生成する場合もある。
【0016】[溶媒]本発明の方法は、反応溶媒とし
て、(A)非昇華性の芳香族化合物と、(B)酸性化合
物および非芳香族ニトリルから選択された少なくとも1
種の化合物とで構成された混合溶媒を用いる点に特徴を
有する。
【0017】非昇華性の芳香族化合物(A)としては、
ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香族環を有し、非昇
華性で且つ反応に不活性な種々の化合物を使用できる。
芳香族化合物(A)の芳香族環は、種々の置換基、例え
ば、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原
子)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ
プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、
ヘキシルオキシ基などのC1-10アルコキシ基、好ましく
はC1-6アルコキシ基、さらに好ましくはC1-4アルコキ
シ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニ
ル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル基
などのアルコキシ部分の炭素数が1〜10程度、好まし
くは1〜6程度、さらに好ましくは1〜4程度のアルコ
キシカルボニル基)などの置換基を1又は2以上(例え
ば、2〜6程度)有していてもよい。
【0018】前記芳香族化合物(A)には、例えば、芳
香族炭化水素(例えば、ベンゼンなど)、ハロゲン原子
で置換された芳香族炭化水素(例えば、フルオロベンゼ
ン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,
3−ジクロロベンゼン、ブロモベンゼンなど)、シアノ
基で置換された芳香族炭化水素(例えば、ベンゾニトリ
ルなど)、ニトロ基で置換された芳香族炭化水素(例え
ば、ニトロベンゼンなど)、アルコキシ基で置換された
芳香族炭化水素(例えば、アニソール、フェネトールな
ど)、アルコキシカルボニル基で置換された芳香族炭化
水素(例えば、安息香酸メチル、安息香酸エチルなど)
などが含まれる。芳香族化合物(A)は、単独で又は二
種以上組み合わせて用いてもよい。芳香族化合物(A)
としては、基質の溶解性を高めるため、基質の溶解度
(10℃)が3(g/100g)程度以上[例えば、3
〜100(g/100g)程度]、好ましくは5(g/
100g)程度以上[例えば、5〜50(g/100
g)程度]の化合物を選択して使用するのが好ましい。
また、芳香族化合物(A)の溶解性パラメーターδ
[(cal/cc)1/2]は、例えば7.8〜12.5程度、
好ましく8〜11程度、さらに好ましくは8〜10程度
(例えば、8〜9程度)である。好ましい芳香族化合物
(A)には、クロロベンゼン(δ=約8.4)などのハ
ロゲン原子で置換された芳香族炭化水素、ベンゾニトリ
ル(δ=8.4)などのシアノ基で置換された芳香族炭
化水素などが含まれる。芳香族化合物(A)として、特
にベンゼン誘導体を用いる場合が多い。
【0019】前記化合物(B)のうち、酸性化合物とし
ては、通常、有機酸が使用される。有機酸としては、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフルオロ酢酸、安
息香酸などのカルボン酸類;グリコール酸、乳酸、ヒド
ロキシ酪酸などのオキシカルボン酸類;メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸などのスルホン酸類などが挙げら
れる。好ましい有機酸には、例えば、カルボン酸類が含
まれる。前記化合物(B)のうち、非芳香族ニトリルに
は、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチ
ロニトリルなどの炭素数2〜6程度の脂肪族ニトリル;
シクロヘキサンニトリルなどの炭素数5〜10程度の脂
環式ニトリルなどが含まれる。前記化合物(B)は、単
独でまたは二種以上混合して使用できる。好ましい化合
物(B)としては、有機酸、例えば、脂肪族カルボン酸
類、なかでも、酢酸、プロピオン酸などの炭素数1〜4
程度の脂肪族カルボン酸(特に酢酸など)などが挙げら
れる。芳香族化合物(A)と化合物(B)との割合は、
広い範囲から選択でき、例えば、前者/後者(重量比)
=10/90〜95/5、好ましくは25/75〜95
/5、さらに好ましくは、25/75〜90/10程度
である。
【0020】反応溶媒には、反応及び反応操作性を損な
わない範囲で、前記芳香族化合物(A)と化合物(B)
以外の第3の溶媒成分を加えてもよい。本発明では、反
応溶媒として、前記芳香族化合物(A)と化合物(B)
とを組み合せて用いるので、前者が基質の溶解性に優れ
ると共に基質の揮発を抑制し、後者が基質の反応性を向
上させるためか、配管内壁等における基質の付着を抑制
しつつ、基質を高い転化率で酸化できる。そのため、効
率よく目的の酸化物を製造できる。特に、連続方式で反
応を行っても、配管の詰まり等のトラブルが生じないの
で、長期に亘って安定に運転操作を行うことができる。
なお、反応溶媒として、例えば酢酸などの酸性化合物を
単独で用いると、配管内壁等に基質が著しく付着し、配
管などが閉塞されやすい。また、反応溶媒として、クロ
ロベンゼンなどの芳香族化合物を単独で使用すると、反
応速度が小さく、十分な転化率が得られない。
【0021】[酸化触媒]基質を酸素酸化する際に用い
る酸化触媒としては、基質の酸化を触媒する広範囲の物
質を使用できる。このような酸化触媒の中でも、前記式
(1)で表されるイミド化合物を触媒として用いると、
温和な条件下で、基質を効率的に酸化できる。
【0022】前記式(1)で表されるイミド化合物にお
いて、置換基R1 及びR2 うちハロゲン原子には、ヨウ
素、臭素、塩素およびフッ素原子が含まれる。アルキル
基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、
ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル基な
どの炭素数1〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル
基が含まれる。好ましいアルキル基としては、例えば、
炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程度の低級アルキ
ル基が挙げられる。
【0023】アリール基には、フェニル基、ナフチル基
などが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などが含まれ
る。アルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキ
シ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基
などの炭素数1〜10程度、好ましくは炭素数1〜6程
度、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基が含まれ
る。
【0024】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜10程度の
アルコキシカルボニル基が含まれる。好ましいアルコキ
シカルボニル基には、アルコキシ部分の炭素数が1〜6
程度、特に1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が
含まれる。アシル基としては、例えば、ホルミル、アセ
チル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリ
ル、イソバレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6程
度のアシル基が例示できる。
【0025】前記置換基R1 及びR2 は、同一又は異な
っていてもよい。また、前記式(1)において、R1
よびR2 は互いに結合して、二重結合、または芳香族性
又は非芳香族性の環を形成してもよい。好ましい芳香族
性又は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環
程度であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、
炭化水素環である場合が多い。このような環には、例え
ば、非芳香族性脂環族環(シクロヘキサン環などの置換
基を有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセ
ン環などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環
など)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネン環など
の置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環な
ど)、ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有して
いてもよい芳香族環が含まれる。前記環は、芳香族環で
構成される場合が多い。
【0026】好ましいイミド化合物には、下記式(1a)
〜(1f)で表される化合物が含まれる。
【0027】
【化3】 (式中、R3 〜R6 は、同一又は異なって、水素原子、
アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキ
シル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ
基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を示す。R1
2 およびnは前記に同じ) 置換基R3 〜R6 において、アルキル基には、前記例示
のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭素数1〜6程
度のアルキル基が含まれ、アルコキシ基には、前記と同
様のアルコキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコ
キシ基、アルコキシカルボニル基には、前記と同様のア
ルコキシカルボニル基、特にアルコキシ部分の炭素数が
1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。
また、アシル基としては、前記と同様のアシル基、特に
炭素数1〜6程度のアシル基が例示され、ハロゲン原子
としては、フッ素、塩素、臭素原子が例示できる。置換
基R3 〜R6 は、通常、水素原子、炭素数1〜4程度の
低級アルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン
原子である場合が多い。前記式(1)において、Xは酸
素原子又はヒドロキシル基を示し、nは、通常、1〜3
程度、好ましくは1又は2である。前記式(1)で表さ
れるイミド化合物はカルボキシル化反応において一種又
は二種以上使用できる。
【0028】前記式(1)で表されるイミド化合物に対
応する酸無水物には、例えば、無水コハク酸、無水マレ
イン酸などの飽和又は不飽和脂肪族多価カルボン酸無水
物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、
1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸1,
2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性環状多価カ
ルボン酸無水物(脂環族多価カルボン酸無水物)、無水
ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環式多価カル
ボン酸無水物(脂環族多価カルボン酸無水物)、無水フ
タル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水
フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリメリット酸、
メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロ
メリット酸、無水メリト酸、1,8;4,5−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン
酸無水物が含まれる。
【0029】好ましいイミド化合物としては、例えば、
脂肪族多価カルボン酸無水物から誘導されるイミド化合
物(例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒド
ロキシマレイン酸イミドなど)、脂環族多価カルボン酸
無水物又は芳香族多価カルボン酸無水物から誘導される
イミド化合物(例えば、N−ヒドロキシヘキサヒドロフ
タル酸イミド、N,N′−ジヒドロキシシクロヘキサン
テトラカルボン酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミ
ド、N−ヒドロキシテトラブロモフタル酸イミド、N−
ヒドロキシテトラクロロフタル酸イミド、N−ヒドロキ
シヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミック酸イミ
ド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N′−
ジヒドロキシピロメリット酸イミド、N,N′−ジヒド
ロキシナフタレンテトラカルボン酸イミドなど)などが
挙げられる。特に好ましいイミド化合物には、脂環族多
価カルボン酸無水物、なかでも芳香族多価カルボン酸無
水物から誘導されるN−ヒドロキシイミド化合物、例え
ば、N−ヒドロキシフタル酸イミドなどが含まれる。
【0030】前記イミド化合物は、慣用のイミド化反
応、例えば、対応する酸無水物とヒドロキシルアミンN
2 OHとを反応させて酸無水物基を開環した後、閉環
してイミド化することにより調製できる。前記イミド化
合物の使用量は、広い範囲、例えば、基質1モルに対し
て0.001モル(0.1モル%)〜1モル(100モ
ル%)、好ましくは0.001モル(0.1モル%)〜
0.5モル(50モル%)、さらに好ましくは0.01
〜0.3モル程度の範囲から選択でき、0.01〜0.
25モル程度である場合が多い。
【0031】[助触媒]酸化触媒は、前記式(1)で表
されるイミド化合物と助触媒とで構成してもよい。助触
媒には、金属化合物、例えば、周期表2A族元素(マグ
ネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムな
ど)、遷移金属化合物や、周期表3B族元素(ホウ素
B、アルミニウムAlなど)を含む化合物が含まれる。
助触媒は、一種又は二種以上組合わせて使用できる。
【0032】前記遷移金属の元素としては、例えば、周
期表3A族元素(例えば、スカンジウムSc、イットリ
ウムYの外、ランタンLa,セリウムCe、サマリウム
Smなどのランタノイド元素、アクチノイドAcなどの
アクチノイド元素)、4A族元素(チタンTi、ジルコ
ニウムZr、ハフニウムHfなど)、5A族元素(バナ
ジウムV、ニオブNb、タンタルTaなど)、6A族元
素(クロムCr、モリブデンMo、タングステンWな
ど)、7A族元素(マンガンMn、テクネチウムTc、
レニウムReなど)、8族元素(鉄Fe、ルテニウムR
u、オスミウムOs、コバルトCo、ロジウムRh、イ
リジウムIr、ニッケルNi、パラジウムPd、白金P
tなど)、1B族元素(銅Cu、銀Ag,金Auな
ど)、2A族元素(亜鉛Zn、カドミウムCdなど)な
どが挙げられる。
【0033】好ましい助触媒を構成する元素には、遷移
金属の元素(例えば、Ceなどのランタノイド元素、ア
クチノイド元素などの周期表3A族元素、Ti、Zrな
どの4A族元素、V、Nbなどの5A族元素、Cr、M
o、Wなどの6A族元素、Mn、Tc、Reなどの7A
族元素、Fe、Ru、Co、Rh、Niなどの8族元
素、Cuなどの1B族元素、2B族元素)、Bなどの3
B族元素が含まれる。特に、前記式(1)で表されるイ
ミド化合物と組合せたとき、Ti、Zrなどの4A族元
素、Vなどの5A族元素、Cr、Mo、Wなどの6A族
元素、Mn、Tc、Reなどの7A族元素、Fe、R
u、Co、Rh、Niなどの8族元素、Cuなどの1B
族元素を含む化合物を利用すると、多環式炭化水素類
(例えばアダマンタン類)の転化率を高め、ヒドロキシ
ル基含有多環式炭化水素類(例えば、アダマンタノール
など)およびオキソ基含有多環式炭化水素類(例えば、
アダマンタノンなど)を高い収率で得ることができる。
なかでも、5A族元素(Vなど)を含む化合物を助触媒
として使用すると、基質の複数の部位[多環式炭化水素
類の橋頭位や接合位など]を効率よく酸化でき、複数の
ヒドロキシル基が導入された生成物(アダマンタンポリ
オールなど)を収率よく得ることができる。また、周期
表4A族元素(Ti、Zrなど)、6A族元素(Cr、
Moなど)、7A族元素(Mnなど)を含む化合物を助
触媒として用いると、反応条件が厳しくても、前記イミ
ド化合物の失活を大きく抑制できるという利点がある。
さらに、周期表1B族元素(Cuなど)を含む化合物と
前記イミド化合物とを組合せると、酸化反応における選
択性を向上できると共に、イミド化合物の失活を防止で
きるので、工業的に有利である。助触媒を構成する金属
元素の酸化数は、特に制限されず、元素の種類に応じ
て、例えば、0、+2、+3、+4、+5、+6などで
あってもよい。助触媒として、二価の遷移金属化合物
(例えば、二価のコバルト化合物、二価のマンガン化合
物など)を用いると、例えば三価の遷移金属化合物に比
べて酸化活性を向上できる場合が多い。また、二価の遷
移金属化合物(例えば、二価のコバルト化合物)を前記
イミド化合物と組み合わせた触媒系でアダマンンタン成
分を酸化すると、温和な条件で、アダマンタンジオール
などのポリオール体を高い選択率および収率で得ること
ができ、ケトン体の副生がほとんどない。
【0034】助触媒は、金属単体、水酸化物などであっ
てもよいが、通常、前記元素を含む金属酸化物(複酸化
物または酸素酸塩も含む)、有機酸塩、無機酸塩、ハロ
ゲン化物、前記金属元素を含む配位化合物(錯体)やポ
リ酸(ヘテロポリ酸やイソポリ酸)又はその塩などであ
る場合が多い。
【0035】ホウ素(B)を含むホウ素化合物として
は、例えば、水酸化ホウ素(例えば、ボラン、ジボラ
ン、テトラボラン、ペンタボラン、デカボランなど)、
ホウ酸(例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸
など)、ホウ酸塩(例えば、ホウ酸ニッケル、ホウ酸マ
グネシウム、ホウ酸マンガンなど)、B2 3 などのホ
ウ素酸化物、ボラザン、ボラゼン、ボラジン、ホウ素ア
ミド、ホウ素イミドなどの窒素化合物、BF3 ,BCl
3 、テトラフルオロホウ酸塩などのハロゲン化物、ホウ
酸エステル(例えば、ホウ酸メチル、ホウ酸フェニルな
ど)などが挙げられる。好ましいホウ素化合物には、水
素化ホウ素、オルトホウ酸などのホウ酸又はその塩な
ど、特にホウ酸が含まれる。
【0036】水酸化物には、例えば、Mn(OH)2
MnO(OH)、Fe(OH)2 、Fe(OH)3 など
が含まれる。金属酸化物には、例えば、Sm2 3 、T
iO 2 、ZrO2 、V2 3 、V2 5 、CrO、Cr
2 3 、MoO3 、MnO、Mn3 4 、Mn2 3
MnO2 、Mn2 7 、FeO、Fe2 3 、Fe3
4 、RuO2 、RuO4 、CoO、CoO2 、Co2
3 、RhO2 、Rh23 、Cu2 3 などが含まれ、
複酸化物または酸素酸塩としては、例えば、MnAl2
4 、MnTiO3 、LaMnO3 、K2 Mn2 5
CaO・xMnO2 (x=0.5,1,2,3,5)、
マンガン酸塩[例えば、Na3 MnO4、Ba3 (Mn
4 2 などのマンガン(V) 酸塩、K2 MnO4 、Na
2 MnO 4 、BaMnO4 などのマンガン(VI)酸塩、K
MnO4 、NaMnO4 、LiMnO4 、NH4 MnO
4 、CsMnO4 、AgMnO4 、Ca(Mn
4 2 、Zn(MnO4 2 、Ba(MnO4 2
Mg(MnO4 2 、Cd(MnO 4 2 などの過マン
ガン酸塩]などが含まれる。
【0037】有機酸塩としては、例えば、酢酸コバル
ト、酢酸マンガン、プロピオン酸コバルト、プロピオン
酸マンガン、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガ
ン、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸マンガンなど
のC2-20脂肪酸塩、チオシアン酸マンガンや対応するC
e塩、Ti塩、Zr塩、V塩、Cr塩、Mo塩、Fe
塩、Ru塩、Ni塩、Pd塩、Cu塩、Zn塩などが例
示され、無機酸塩としては、例えば、硝酸コバルト、硝
酸鉄、硝酸マンガン、硝酸ニッケル、硝酸銅などの硝酸
塩やこれらに対応する硫酸塩、リン酸塩および炭酸塩
(例えば、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸マンガン、リン
酸コバルト、リン酸鉄、リン酸マンガン、炭酸鉄、炭酸
マンガン、過塩素酸鉄など)が挙げられる。また、ハロ
ゲン化物としては、例えば、SmCl3 、SmCl2
TiCl2 、ZrCl2 、ZrOCl2 、VCl3 、V
OCl2 、MnCl2 、MnCl3 、FeCl2 、Fe
Cl3 、RuCl3 、CoCl2 、RhCl2 、RhC
3 、NiCl2 、PdCl2 、PtCl2 、CuC
l、CuCl2 などの塩化物や、これらに対応するフッ
化物、臭素化物やヨウ化物(例えば、MnF2 、MnB
2 、MnF3 、FeF2 、FeF3 、FeBr2 、F
eBr3 、FeI2 、CuBr、CuBr2 など)など
のハロゲン化物、M1 MnCl3 、M1 2MnCl4 、M
1 2MnCl5 、M1 2MnCl6 (M1 は一価金属を示
す)などの複ハロゲン化物などが挙げられる。
【0038】錯体を形成する配位子としては、OH(ヒ
ドロキソ)、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ基などのアルコキシ基、アセチル(OAc)、プロピ
オニルなどのアシル基、メトキシカルボニル(アセタ
ト)、エトキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル
基、アセチルアセトナト(AA)、シクロペンタジエニ
ル基、塩素、臭素などのハロゲン原子、CO、CN、酸
素原子、H2 O(アコ)、ホスフィン(例えば、トリフ
ェニルホスフィンなどのトリアリールホスフィン)など
のリン化合物、NH3 (アンミン)、NO、NO2 (ニ
トロ)、NO3 (ニトラト)、エチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、ピリジン、フェナントロリンなどの
窒素含有化合物などが挙げられる。錯体又は錯塩におい
て、同種又は異種の配位子は一種又は二種以上配位して
いてもよい。好ましい配位子には、例えば、OH、アル
コキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アセチ
ルアセトナト、ハロゲン原子、CO、CN、H2 O(ア
コ)、トリフェニルホスフィンなどのリン化合物や、N
3 、NO2 、NO3 を含めて窒素含有化合物が含まれ
る。
【0039】好ましい錯体には、前記好ましい遷移金属
元素を含む錯体が含まれる。遷移金属元素と配位子は適
当に組合わせて錯体を構成することができ、例えば、ア
セチルアセトナト錯体(例えば、Ce、Sm、Ti、Z
r、V、Cr、Mo、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、
Cu、Znなどのアセチルアセトナト錯体や、チタニル
アセチルアセトナト錯体TiO(AA)2 、ジルコニル
アセチルアセトナト錯体ZrO(AA)2 、バナジルア
セチルアセトナト錯体VO(AA)2 など)、カルボ
ニル錯体やシクロペンタジエニル錯体(例えば、トリカ
ルボニルシクロペンタジエニルマンガン(I)、ビスシ
クロペンタジエニルマンガン(II)、ビスシクロペンタ
ジエニル鉄(II)、Fe(CO)5 、Fe2 (C
O)9 、Fe3(CO)12など)、ニトロシル化合物
(例えば、Fe(NO)4 、Fe(CO) 2 (NO)2
など)、チオシアナト錯体(例えば、コバルトチオシア
ナト、マンガンチオシアナト、鉄チオシアナトなど)、
アセチル錯体(例えば、酢酸コバルト、酢酸マンガン、
酢酸鉄、酢酸銅、酢酸ジルコニルZrO(OAc)2
酢酸チタニルTiO(OAc)2 、酢酸バナジルVO
(OAc)2 など)などであってもよい。
【0040】ヘテロポリ酸を構成するポリ酸は、例え
ば、周期表5族又は6族元素、例えば、V(バナジン
酸)、Mo(モリブデン酸)およびW(タングステン
酸)の少なくとも一種である場合が多く、中心原子は特
に制限されず、例えば、Be、B、Al、Si、Ge、
Sn、Ti、Zr、Th、N、P、As、Sb、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、S、Se、Te、Mn、
I、Fe、Co、Ni、Rh、Os、Ir、Pt、Cu
などであってもよい。ヘテロポリ酸の具体例としては、
例えば、コバルトモリブデン酸、コバルトタングステン
酸、モリブデンタングステン酸、マンガンモリブデン
酸、マンガンタングステン酸、マンガンモリブデンタン
グステン酸、バナドモリブドリン酸、マンガンバナジウ
ムモリブデン酸、マンガンバナドモリブドリン酸、バナ
ジウムモリブデン酸、バナジウムタングステン酸、ケイ
モリブデン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン
酸、リンタングステン酸、リンバナドモリブデン酸、リ
ンバナドタングステン酸などが挙げられる。
【0041】助触媒の使用量は、広い範囲、例えば、基
質1モルに対して0.0001モル(0.01モル%)
〜0.7モル(70モル%)、好ましくは0.0001
〜0.5モル、さらに好ましくは0.001〜0.3モ
ル程度の範囲から選択でき、0.0005〜0.1モル
(例えば、0.005〜0.1モル)程度である場合が
多い。式(1)で表されるイミド化合物に対する助触媒
の割合は、反応速度、選択率を損なわない範囲で選択で
き、例えば、イミド化合物1モルに対して、助触媒0.
001〜10モル、好ましくは0.005〜5モル、さ
らに好ましくは0.01〜3モル程度であり、0.01
〜5モル(特に0.001〜1モル)程度である場合が
多い。なお、助触媒の量が増加するにつれて、イミド化
合物の活性が低下する場合がある。そのため、酸化触媒
系の高い活性を維持するためには、助触媒の割合は、イ
ミド化合物1モルに対して、有効量以上であって0.1
モル以下(例えば、0.001〜0.1モル、好ましく
は0.005〜0.08モル、さらに好ましくは0.0
1〜0.07モル程度)であるのが好ましい。
【0042】前記式(1)で表されるイミド化合物、又
はこのイミド化合物および前記助触媒で構成される触媒
は、均一系であってもよく、不均一系であってもよい。
また、触媒は、担体に触媒成分が担持された固体触媒で
あってもよい。担体としては、活性炭、ゼオライト、シ
リカ、シリカ−アルミナ、ベントナイトなどの多孔質担
体を用いる場合が多い。固体触媒における触媒成分の担
持量は、担体100重量部に対して、前記式(1)で表
されるイミド化合物0.1〜50重量部、好ましくは
0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部
程度である。また、助触媒の担持量は、担体100重量
部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜
25重量部、さらに好ましくは1〜20重量部程度であ
る。
【0043】[酸素]酸化剤として用いる酸素は、純粋
な酸素であってもよく、不活性ガス(例えば、窒素、ヘ
リウム、アルゴン、二酸化炭素など)で希釈して使用し
てもよい。なお、酸素源は空気であってもよい。酸素の
使用量は、基質の種類に応じて選択でき、通常、基質1
モルに対して、0.5モル以上(例えば、1モル以
上)、好ましくは1〜100モル、さらに好ましくは2
〜50モル程度である。基質に対して過剰モルの酸素を
使用する場合が多く、特に空気や酸素などの分子状酸素
を含有する雰囲気下で反応させるのが有利である。
【0044】[酸化反応]反応温度は、酸化方法や基質
の種類などに応じて適当に選択でき、例えば、0〜30
0℃、好ましくは30〜250℃、さらに好ましくは5
0〜200℃程度であり、通常70〜150℃程度で反
応する場合が多い。また、反応は、常圧または加圧下で
行うことができ、加圧下で反応させる場合には、通常、
1〜100atm(例えば、1.5〜80atm)、好
ましくは2〜70atm、さらに好ましくは5〜50a
tm程度である場合が多い。反応時間は、反応温度及び
反応圧力に応じて、例えば、30分〜48時間、好まし
くは1〜36時間、さらに好ましくは2〜24時間程度
の範囲から選択できる。
【0045】反応は、回分式、半回分式、連続式などの
慣用の方法により行うことができる。本発明の方法で
は、昇華性の多環式炭化水素類の配管等への付着を抑制
しつつ酸化できるので、連続式であっても、詰まりによ
るトラブルが生じにくい。そのため、目的化合物を生産
効率よく製造でき、工業的に極めて有利である。反応終
了後、反応生成物は、慣用の方法、例えば、濾過、濃
縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフ
ィーなどの分離手段や、これらを組合せた分離手段によ
り、容易に分離精製できる。
【0046】本発明の方法により製造される化合物は、
光ファイバー、光学用素子、光学レンズ、ホログラム、
光ディスク、コンタクトレンズなどの光学材料、有機ガ
ラス用透明樹脂コーティング剤、導電性ポリマー、写真
感光性材料、蛍光性材料、及び各種の医薬、農薬の中間
原料などとして好適に利用される。
【0047】
【発明の効果】本発明では、昇華性の多環式炭化水素類
の酸化を、特定成分で構成される混合溶媒中で行うの
で、前記多環式炭化水素類が反応器や配管内壁に付着す
るのを抑制でき、反応を円滑に進行させることができ
る。また、昇華性の多環式炭化水素類から高い転化率で
対応する酸化物を生成させることができる。酸化触媒と
して特定のイミド化合物を用いる場合には、多環式炭化
水素類を温和な条件で酸化できる。また、橋頭位にメチ
リジン基を有する昇華性の多環式炭化水素類を、温和な
条件下で酸化し、ヒドロキシル基またはオキソ基が導入
された対応する酸化物を工業的に効率よく製造できる。
【0048】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。
【0049】実施例1 ガラス製反応器に、クロロベンゼンと酢酸とを前者/後
者(重量比)=50/50の割合で混合した混合溶媒3
0mLを入れ、これに、アダマンタン2.725g(2
0ミリモル)、N−ヒドロキシフタルイミド0.326
g(2ミリモル)及び酸化バナジウムV2 5 0.01
8g(0.1ミリモル)を加えて溶解させ、酸素雰囲気
下、85℃で3時間撹拌した。反応混合液を高速液体ク
ロマトグラフィー及びガスクロマトグラフィーにより分
析した結果、アダマンタンの転化率は87.9%であ
り、1−アダマンタノール(収率46.4%)、1,3
−アダマンタンジオール(収率20%)及び2−アダマ
ンタノン(収率8%)、1,3,5−アダマンタントリ
オール(収率1.4%)が生成していた。なお、反応器
気相部の内壁には、固体の付着物は全く見られなかっ
た。
【0050】実施例2 クロロベンゼンと酢酸とを前者/後者(重量比)=80
/20の割合で混合した混合溶媒を用いた以外は実施例
1と同様の操作を行った。その結果、アダマンタンの転
化率は77.2%であり、1−アダマンタノール(収率
46.7%)、1,3−アダマンタンジオール(収率1
2.9%)及び2−アダマンタノン(収率8.1%)が
生成していた。なお、反応器気相部の内壁には、固体の
付着物は全く見られなかった。
【0051】比較例1 溶媒として酢酸を単独で用いた以外は実施例1と同様の
操作を行った。反応開始時において反応系は不均一であ
った。また、反応開始後しばらくして、反応器気相部の
内壁に固体物質が多量に付着し、系が閉塞状態となった
ため、反応を中止した。
【0052】比較例2 溶媒としてクロロベンゼンを単独で用いた以外は実施例
1と同様の操作を行ったところ、アダマンタンの転化率
は60%に過ぎなかった。
【0053】実施例3 ガラス製反応器に、クロロベンゼンと酢酸とを前者/後
者(重量比)=20/80の割合で混合した混合溶媒5
00mLを入れ、これに、アダマンタン13.6g
(0.1モル)、N−ヒドロキシフタルイミド1.6g
(0.01モル)及びバナジウムアセチルアセトナート
V(AA)3 0.17g(0.0005モル)を加えて
溶解させ、空気の流通下(酸素換算で0.2モル/
時)、75℃で1時間撹拌した。反応混合液を高速液体
クロマトグラフィー及びガスクロマトグラフィーにより
分析した結果、アダマンタンの転化率は99%であり、
主として1−アダマンタノール、1,3−アダマンタン
ジオール及び2−アダマンタノンが生成していた。な
お、反応器気相部の内壁には、固体物質が僅かに付着し
ていたのに過ぎず、反応の進行に何ら支障はなかった。
【0054】実施例4 クロロベンゼンと酢酸とを前者/後者(重量比)=50
/50の割合で混合した混合溶媒を用いた以外は実施例
3と同様の操作を行った。その結果、アダマンタンの転
化率は95%であり、主に1−アダマンタノール、1,
3−アダマンタンジオール及び2−アダマンタノンが生
成していた。なお、反応器気相部の内壁には、固体の付
着物は全く見られなかった。
【0055】実施例5 ベンゾニトリルと酢酸とを前者/後者(重量比)=50
/50の割合で混合した混合溶媒を用いた以外は実施例
3と同様の操作を行った。その結果、アダマンタンの転
化率は85%であり、主として1−アダマンタノール、
1,3−アダマンタンジオール及び2−アダマンタノン
が生成していた。なお、反応器気相部の内壁には、固体
の付着物は全く見られなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07B 41/02 C07B 41/02 Z 41/06 41/06 Z 61/00 300 61/00 300

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇華性の多環式炭化水素類を、(A)非
    昇華性の芳香族化合物と、(B)酸性化合物および非芳
    香族ニトリルから選択された少なくとも1種の化合物と
    で構成された混合溶媒中で酸素酸化する多環式炭化水素
    類の酸化方法。
  2. 【請求項2】 多環式炭化水素類が橋架け環式炭化水素
    類である請求項1記載の酸化方法。
  3. 【請求項3】 芳香族化合物(A)がベンゼン誘導体で
    ある請求項1記載の酸化方法。
  4. 【請求項4】 化合物(B)が有機酸である請求項1記
    載の酸化方法。
  5. 【請求項5】 有機酸が炭素数1〜4の脂肪族カルボン
    酸である請求項4記載の酸化方法。
  6. 【請求項6】 混合溶媒中における芳香族化合物(A)
    と化合物(B)との割合が、前者/後者(重量比)=2
    5/75〜95/5である請求項1記載の酸化方法。
  7. 【請求項7】 下記式(1) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
    ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
    は非芳香族性の環を形成してもよい。Xは酸素原子又は
    ヒドロキシル基を示し、nは1〜3の整数を示す)で表
    されるイミド化合物で構成された酸化触媒の存在下で酸
    化する請求項1記載の酸化方法。
  8. 【請求項8】 前記式(1)で表されるイミド化合物で
    構成された酸化触媒の存在下、橋頭位または接合位にメ
    チリジン基を有する昇華性の多環式炭化水素類を、
    (A)非昇華性の芳香族化合物と、(B)酸性化合物お
    よび非芳香族ニトリルから選択された少なくとも1種の
    化合物とで構成された混合溶媒中で酸素と接触させ、橋
    頭位若しくは接合位にヒドロキシル基を、または橋頭位
    若しくは接合位の隣接する部位にオキソ基を導入するヒ
    ドロキシル基又はオキソ基含有多環式化合物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 アダマンタン又はその誘導体を、ベンゼ
    ン誘導体と有機酸とで構成された混合溶媒中で酸素と接
    触させてアダマンタノール又はアダマンタノンを生成さ
    せる請求項8記載のヒドロキシル基又はオキソ基含有多
    環式化合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20150087627A (ko) * 2014-01-22 2015-07-30 주식회사 엘지화학 폴리 방향족 산화물의 제조방법 및 이에 의해 제조된 폴리 방향족 산화물

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