JPH10325416A - 動圧型多孔質含油軸受及び軸受装置 - Google Patents
動圧型多孔質含油軸受及び軸受装置Info
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- JPH10325416A JPH10325416A JP9355530A JP35553097A JPH10325416A JP H10325416 A JPH10325416 A JP H10325416A JP 9355530 A JP9355530 A JP 9355530A JP 35553097 A JP35553097 A JP 35553097A JP H10325416 A JPH10325416 A JP H10325416A
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Abstract
量産性に適したものとする。 【解決手段】 軸と軸受本体との相対運動によって発生
した動圧で軸を支持する多孔質含油軸受において、軸
受本体の軸受面に動圧溝を含めて開孔部がほぼ均一に分
布させ、軸受本体の軸受面での開孔部の表面積比率
を、2%以上15%以下とし、含浸される油の40℃
での動粘度を、2cSt以上とし、軸受面での開孔部
の表面積比率と、含浸される油の40℃での動粘度が、
以下の式 3/5A−1 ≦ η ≦ 40/6A+20/3 ここで、A;開孔部の表面積比率 [%] η;油の40℃での動粘度[cSt] を満足するようにする。
Description
あるいは潤滑グリースを含浸させて自己潤滑機能を持た
せると共に、軸受隙間に介在する油の動圧油膜によって
軸の摺動面を浮上支持する動圧型多孔質含油軸受及び軸
受装置に関し、特にレーザビームプリンタのポリゴンミ
ラーや磁気ディスクドライブ用のスピンドルモータな
ど、高速下で高回転精度が要求される機器の軸受として
好適なものである。
軸受として広く用いられているが、真円軸受の一種であ
るため、軸の偏心が小さいところでは、不安定振動が発
生しやすく、回転速度の1/2の速度で振れ回るいわゆ
るホワールが発生しやすい欠点がある。この対策として
は、軸受面にヘリングボーン型やスパイラル型などの動
圧溝を設けることが挙げられる。多孔質含油軸受に動圧
溝を形成し、その動圧作用によって軸を支持し、不安定
振動を抑制しようとした従来例としては、特公昭64-118
44号公報、あるいは実公昭63-19627号公報に記載のもの
がある。
有する多孔質含油部材を回転軸に嵌合し、円筒状のラジ
アル内周面を有するスリーブと組み合わせて軸受装置を
構成したものである。一方、実公昭63-19627号は、多孔
質含油軸受の軸受面に、表面目つぶし加工を施した動圧
発生用の溝を設けたものである。
回転軸にヘリングボーン溝を有する多孔質含油部材を嵌
合し、軸の回転に伴う遠心力によって油を軸受隙間に滲
出させようとするものである。このような構造では、以
下の欠点がある。
軸受の2点から、回転軸、多孔質含油部材及びスリーブ
(軸受)の3点になり、組立が繁雑化する上、コストが
高くなる。
度が要求されるが、部品点数が3点もあり、それぞれの
精度が組み合わせ後の精度に影響するため、部品点数が
2点のものに比べて精度を出しにくい。
が加わり続ける。従って、油も滲み出し続け、軸受隙間
はいずれ油で飽和し、さらに回転が続けば油は軸受隙間
外に漏れ出さざるを得なくなる。そのため、油の流失が
避けられない。
受の軸受面に、表面目つぶし加工を施した動圧発生用の
溝を設けたものである。このような構造では、以下の欠
点がある。
部では多孔質含油軸受の最大の特徴である油の循環が阻
害される。従って、一旦軸受隙間に滲み出した油はへリ
ングボーン溝の作用によって溝の屈曲部に押し込まれ、
そこにとどまることになる。軸受隙間内では大きな剪断
作用が働いているので、その剪断力と摩擦熱によって溝
部にとどまった油は変性しやすく、また、温度上昇によ
って酸化劣化が早まる傾向にある。従って、軸受寿命が
短くなる。これに対し、通常の多孔質含油軸受では、含
浸された油は、軸の回転に伴って常に軸受隙間および軸
受内部を循環するため、軸受隙間内で連続的に剪断力を
受けることはなく、いったん暖められても軸受内部で冷
やされるので、温度上昇による酸化劣化の影響は受けに
くい。
である。当該公報では塑性加工により封孔できるとして
いるが、通常、動圧溝の溝深さはμmオーダーのもので
あり、この程度の圧縮成形で表面の開孔部が封孔される
ことはない。また、塑性加工の他の手段としてコーティ
ング等を挙げているが、コーティング被膜の厚さは溝深
さよりも薄くする必要があり、数μmのコーティング被
膜を傾斜した溝部のみに施すのは極めて困難である。
うとする課題は、 軸受部の部品点数は2点とし、低コストなものとす
ると共に、精度が出しやすい、量産性に適したものとす
ること、 通常の多孔質含油軸受のように含浸された油が軸受
隙間と軸受内部を循環するようにし、それによって油が
劣化しにくい構造とすること、 工業的に実現可能なものとするため動圧溝に開孔部
があっても動圧効果を発揮し得る軸受仕様を見出すこと
にある。
に動圧溝(ヘリングボーン型やスパイラル型等の複数の
傾斜した溝)を設けると、軸方向断面での油の流れは、
例えば図2に示すようになる。油は、矢印で示すように
軸受本体(1)の軸受面17(内周表面)の開孔部から回
転軸(2)との間の軸受隙間(4)に出入りするが、油
の循環を適性に保とうとすれば、動圧溝(5)、及び当
該溝以外の「背」の部分(6)(何れも図7参照)で開
孔部がほぼ均一に分布しているのが望ましい。表面にお
ける開孔部の割合が小さくなると、油は動きにくくな
り、逆に大きくなると油は動きやすくなる。また、含浸
油の粘度も油の動きやすさに関係し、粘度が低いと動き
やすく、粘度が高いと動きにくくなる。尚、本明細書に
おいて、「開孔部」とは多孔質体である軸受本体の多孔
組織をなす細孔が外表面に開口した部分をいう。
は極めて動きやすくなるが、動圧溝(5)の作用によっ
て軸受隙間(4)に滲み出した油は簡単に軸受本体
(1)の内部に戻されるため、動圧効果が小さくなり、
高回転精度を維持できないばかりか、軸(2)と軸受本
体(1)とが接触することにより、軸受本体(1)が摩
耗して軸受機能が損なわれるおそれがある。逆に開孔率
が小さく、粘度が高い場合は、油は極めて動きにくくな
るので、発生圧力は大きくなるが、適切な循環が阻害さ
れ、またトルクも大きくなるため、軸受部分の昇温によ
って油の劣化が促進される。
支持するために必要な油の動圧油膜形成を確保し、同時
に、油の適切な循環を確保し得る最適な範囲が存在す
る。
図4に示すLBP実機モータを用いて評価試験を行っ
た。両図において、(7)はハウジングであり、(8)
は、軸(2)に固定された、ハブ(ロータ)である。ま
た、(9)は軸(2)の先端と接触してスラスト負荷を
支持するためのスラスト受けである。評価試験に用いた
実機モータは、軸径がφ4のもので、ミラーを実装した
状態であり、また、回転数は10000rpm、雰囲気
温度は40℃とした。
「○」は1000時間連続運転した耐久試験で問題のな
かったことを示す。「Δ」は500〜1000時間の間
で軸振れ上昇(5μm以上)、トルク上昇=回転数低下
(10000rpmまで回転数が上がらない)、異音発
生などのトラブルを発生し、正常な運転が不可能になっ
たことを示す。「×」は500時間までに上記のような
トラブルが発生したことを示す。
最適範囲(「×」の存在しない範囲)は、図5に実線で
区画する領域、すなわち、以下の条件 動圧溝を含む軸受面における開孔部の表面積比率が
2%以上20%以下であり、 含浸される油の40℃での動粘度が2cSt以上で
あり、 軸受面における開孔部の表面積比率と油の40℃で
の動粘度が (3/5)A−1 ≦ η ≦ (40/6)A+(2
0/3) ここで、A;開孔部の表面積率 [%] η;油の40℃での動粘度[cSt] を満たす場合であることが理解できる。このような範囲
で開孔率と油の粘度を選定することにより、軸を浮上支
持するために充分な動圧油膜が形成されると同時に、油
の適切な循環が確保されるので、高回転精度、長寿命を
達成することができる。
は望ましくは2%以上、15%以下とするのが良い。
軸受隙間(半径隙間:c)との比には最適な範囲があ
り、この範囲外では充分な動圧効果が得られないと考え
られる。この最適範囲を明らかにすべく、図6に示すよ
うに、図3に示すLBP実機モータの軸(2)を軸振れ
が測定できるように長いものに入れ替えて評価試験を行
った。回転数は10000rpm、試験雰囲気は常温常
湿であり、LBP実機モータはφ4でミラー未実装とし
ている。なお、(10)は非接触型の変位計である。
h;溝深さ)に対する軸振れの値をそれぞれプロットし
たところ、図8に示す結果を得た。図8より、c/hが
0.5〜4.0の範囲内であれば、軸振れは5μm以下
になるが、0.5未満、あるいは4.0より大きくなる
と5μm以上となる。従って、高精度を維持するために
は、c/h=0.5〜4.0の範囲内とするのが望まし
い。
るが、油の飛散、蒸発などにより油が徐々に消耗、流出
することが避けられない。その場合には、油膜形成範囲
が収縮するため、軸振れなどの回転精度の悪化を招く。
特に軸姿勢が縦型で使用される場合が多く、毎分1万回
転以上の高速で使用されるレーザビームプリンタ(LB
P)用モータ、あるいは磁気ディスクドライブ(HD
D)用モータ等では、図12に示すように、遠心力の作用
で油が流出し易く、油膜形成性等の潤滑性能の維持が難
しかった。
とは、高精度の回転を維持する上で、致命的となる。特
に軸受本体を単独とした場合には、高速で回転すると、
油は周囲の空気も巻き込んで軸受内部を循環するため、
軸受隙間に空気が混入することがある。空気の混入を防
止するためには、軸受本体の内部に少しでも空孔ができ
たら油を補給する部材(補油部材)を配置するのが有効
な対策となる。
図1に示すように、合成樹脂を基材とし、これに潤滑油
又は潤滑グリースを配合あるいは含浸させ、少なくとも
20℃以上の温度では、静置した状態でも含有した油が
表面に滲み出すようにした固形状の潤滑組成物(3)を
軸受本体(1)と接触させて配置している。かかる構成
により、軸受本体(1)の油が流失しても、当該軸受本
体(1)に接触させて配置した潤滑組成物(3)から新
たな油が毛細管現象によって軸受本体(1)の内部に補
給されるので、回転軸(2)との間に常時良好な動圧油
膜を形成することが可能となる。
は、軸受本体が含有する潤滑油又は当該潤滑油を基油と
する潤滑グリース5〜99wt%に、平均分子量が1×
106〜5×106 である超高分子量ポリオレフィンの
粉末95〜1wt%を混合すると共に、超高分子量ポリ
オレフィン粉末のゲル化点以上、かつ、潤滑グリースを
用いた場合はグリースの滴点以下の温度で分散保持させ
ることにより、成形される。
潤滑グリースと超高分子量ポリオレフィン粉末との混合
物で構成して固形状とすると、低コストで量産性に富
み、取扱いが容易で組込み作業が簡単なものとなる。ま
た、この固形状の潤滑組成物は、常温(20℃程度)以上
の温度で内部に含有した油をごく僅かずつ滲出させるの
で、連続的に軸受へ油を補給し続けることができる。図
9は本発明における固形状の潤滑組成物(3)を静置
し、放置時間と油分離率を調べた結果である。雰囲気が
20℃でも1000時間にわたって僅かずつ油を分離し
続けることが理解できる。雰囲気温度が上昇すれば、こ
の分離量も増える。
させた場合と、このような補油部材がなかった場合の比
較であり、補油部材がない場合には(■で示す)、当初
含まれていた油が2000時間の運転で約30%流失し
てしまうが、補油部材がある場合には(●で示す)、軸
受本体から油が流失しても補油されるため、その損失量
は僅か5%ほどに抑えられることが理解できる。
転で使用され、摩擦による発熱が大きい場合には、固形
状の潤滑組成物からの油の滲み出しが多すぎる場合が有
るので、潤滑組成物の油滲出抑制剤として、固体ワック
ス、低分子量ポリエチレン、ポリアミド樹脂のうち1種
以上を、1〜50wt%の割合で添加混合するのが好ま
しい。
質含油軸受A)の軸方向一方側又は両側に、軸受本体
(1)と同等若しくはこれよりも僅かに大きい内径を有
する円筒状の油漏れ防止部材(11)を配置し、この油漏
れ防止部材(11)の内周面に、軸(2)との相対回転に
際して軸(2)との間の隙間に軸受本体側へ向けて流れ
る気流を発生させる気流発生溝(12)を設けてもよい。
この気流発生溝(12)は、例えば複数の傾斜溝を設ける
ことによって形成できる。図面では、上下二段に軸受本
体(1)を配置し、上段の軸受本体(1)の外側に油漏
れ防止部材(11)を配置した場合を例示しているが、当
該軸受本体(1)の内側にも油漏れ防止部材(11)を配
置することが可能であり、さらに下段の軸受本体(1)
の一方側又は両側に油漏れ防止部材(11)を配置するこ
とも可能である。
転軸(2)と油漏れ防止部材(12)の内周面との間の隙
間(13)に、軸(2)の回転に伴って軸受本体(1)の
方向(図面下方)へ流れる気流が発生するので、軸受部
から油が漏れ出たとしても、軸(2)と油漏れ防止部材
(11)との間の隙間(13)を通過できない。この作用に
よって油漏れが防止される。また、静止時には、当該隙
間(13)の毛細管力で油を保持するので、回転が止まっ
ても油が漏れ出ることはない。
体とし、且つ隣接する軸受本体(1)との間に空間(1
4)を設けるとよい。この構成であれば、漏れ出てきた
油を多孔質体からなる油漏れ防止部材(11)に吸収する
ことができる。また、静止時には油漏れ防止部材(11)
と軸(2)との間の油も吸収できるので、大気にさらさ
れる部分が減り、油の蒸発や発塵を減少させることがで
きる。油漏れ防止部材(11)に吸収された油は、回転に
伴って隙間(13)内に引き出され、気流発生溝(12)の
作用で生じた気流により空間(14)を介して軸受本体
(1)側に返される。
の、軸受本体(1)と反対側の端面(11a)及びチャンフ
ァ部(11b)に目潰し加工を施し、この部分の表面開孔率
が面積比で5%以下、望ましくは完全に封孔すれば、油
漏れ防止部材(11)に吸収された油の蒸発、発塵をさら
に減少させることができる。
が閉塞されている円筒状のハウジング(7)内に、軸受
本体(1)を圧入固定すると共に、この軸受本体(1)
に接触させて固形状の潤滑組成物(3)を収納し、か
つ、軸受本体(1)の外側に油漏れ防止部材(11)を配
置してハウジング(7)の開口部を閉塞する。この場
合、上述のように、軸受に動圧作用があり、さらに潤滑
組成物(3)から常時油が補給されるので、常に良好な
動圧油膜形成を維持することができ、長期間にわたって
高回転精度を維持することができる。また、軸受部から
の油の漏洩は、油漏れ防止部材(11)によって補足さ
れ、流出することもない。
対向する軸受本体(1)の内側端面(1a)との間に空間
(15)を設け、この空間(15)とハウジング外部とが軸
受隙間(4)以外の箇所で連通するように空気流通路
(16)を設けると、この空気流路(16)は空気抜きとし
て機能する。これにより、組立時に軸(2)が挿入し易
くなる。また、回転時には発熱によって内圧が高まり、
軸(ロータ)が押し上げられて回転が不安定となる場合
があるが、かかる事態も防止可能となる。
(8)を取り付けると共に、このロータと対向する軸受
本体(1)の端面にヘリングボーン型、あるいはスパイ
ラル型等の動圧溝を設け、回転軸(2)の回転時にこの
動圧溝で生じる動圧によりスラスト負荷を支持するよう
にすれば、ラジアル負荷のみならずスラスト負荷も支持
できるようになり、スラスト受け(9)が不要となる。
の端面における開孔部の表面積比率は、2%以上で20
%以下とするのが好ましい。
する。
軸受装置の一例を示すもので、一端が開放され、他端が
閉塞されているハウジング(7)内に、軸受面(17)を
有する2つの軸受本体(1)を圧入固定し、この軸受本
体(1)の内周部に軸(2)(回転軸)を挿入して軸方
向に離隔する2つの多孔質含油軸受(A)を構成したも
のである。軸受本体(1)の材質は特に限定されるもの
ではなく、粉末冶金により、あるいは、鋳鉄、セラミッ
クなどを焼結又は発泡成形することにより、多数の気孔
を有する周知の多孔質体状に形成されたものであれば良
いが、望ましくは、銅又は鉄、あるいはその両者を主成
分とする焼結金属、さらに望ましくは銅を20〜95w
t%含有する焼結金属で形成するのが良い。
材とし、これに潤滑油又は潤滑グリースを配合した固形
状の潤滑組成物(3)が配置され、かつ、開放側(上
段)の軸受本体(1)の上方には油漏れ防止部材(11)
が配置されていてハウジング(7)の上端開口部を閉塞
している。油漏れ防止部材(11)の上側端面(11a)及
び上側のチャンファ部(11b)は、封孔処理がなされて
いる。また、閉塞側(下段)の軸受本体(1)の端面
(1a)と、ハウジング(7)の底面(7a)との間に空間
(15)が設けられ、この空間(15)と外部とが連通する
ように空気の流通路(16)が設けられている。この空気
流通路(16)は、例えば軸受本体(1)、潤滑組成物
(3)、及び油漏れ防止部材(11)の外形面の一部に軸
方向の切欠きを設けることにより形成される。軸受本体
(1)及び油漏れ防止部材(11)の内周面には、複数の
傾斜した溝(動圧溝5及び気流発生溝12)が設けられ
る。油漏れ防止部材(11)は多孔質体で形成されてお
り、潤滑油などは含浸されていない。油漏れ防止部材
(11)の材質は、特に限定されるものではなく、粉末冶
金により、あるいは、鋳鉄、合成樹脂、セラミックなど
を焼結または発泡成形することにより、多数の気孔を有
する周知の多孔質体状に成形される。
面(17)に例えばへリングボーン型の動圧溝(5)を設
けることによって、回転軸(2)との相対回転時に軸受
隙間(4)に動圧油膜が形成され、ホワールなどの不安
定振動を効果的に抑制することができる。尚、図1に示
す軸受面(17)(図4に示す軸受面も同じ)において
は、溝領域5(黒く塗りつぶした部分)が軸方向両側に
向かって相反した向きに傾斜し、かつ、相反した向きに
傾斜した溝領域5間に環状の背6(白い部分)が設けら
れている(同図では、環状の背6は軸受面の軸方向中央
に位置している。)。軸受隙間(4)の幅(c)は、軸
(2)の半径をRとした場合に、 c/R=1/2000〜1/400 とするのが望ましい。また、溝深さをhとした場合、 c/h=0.5〜4.0 とするのが良いが、さらに望ましくは、 c/h=0.5〜3.0 とするのが良い。
は、表面積比で、2〜20%とするのが望ましい。2%
以下では油の循環が阻害され、20%以上では動圧効果
が発揮されず、満足な動圧油膜が形成されないためであ
る。この表面開孔率に応じて油の粘度が選択される。
油部材(3)は、金属や樹脂などの多孔質体、あるいは
フェルトなどの繊維物質に油を含ませた周知のものでも
よいが、固形状であり、少なくとも20℃以上の温度で
含有する油を表面に滲み出し続ける固形状の潤滑組成物
を用いるのが好ましい。この潤滑組成物は、ごく簡単な
方法で製作することができる。例えば、所定量の潤滑グ
リースあるいは潤滑油と、所定量の超高分子量オレフィ
ン粉末とを均一に混合し、所定形状の型に流し込んで、
超高分子量ポリオレフィン粉末のゲル化点以上の温度
で、さらに潤滑グリースを用いる場合はその滴点以下の
温度で分散保持させ、常温で冷却することによって得ら
れる。この発明における超高分子量ポリオレフィン粉末
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブデン若しく
はこれらの共重合体からなる粉末、またはそれぞれ単独
の粉末を配合した混合粉末であり、各粉末の分子量は、
粘度法により測定される平均分子量が1×106 〜5×
106 になるように選択される。このような平均分子量
の範囲にあるポリオレフィンは、剛性及び保油性におい
て低分子量のポリオレフィンよりも優れ、高温に加熱し
てもほとんど流動することがない。このような超高分子
量ポリオレフィンの潤滑組成物中の配合割合は、95〜
1wt%とする。なお、その量は組成物に要求される離
油度、粘り強さ及び硬さに左右される。超高分子量ポリ
オレフィンの量が多いほど、所定の温度で分散保持させ
た後のゲルの硬さが大きくなる。
特に限定されるものではなく、石鹸または非石鹸で増ち
ょうした潤滑グリースとして、リチウム石鹸−ジエステ
ル系、リチウム石鹸−鉱油系、ナトリウム石鹸−鉱油
系、アルミニウム石鹸−鉱油系、リチウム石鹸ージエス
テル鉱油系、非石鹸−ジエステル系、非石鹸−鉱油系、
非石鹸−ポリオールエステル系、リチウム石鹸−ポリオ
ールエステル系などのグリースが挙げられる。同じく潤
滑油も特に限定されるものではなく、ジエステル系、鉱
油系、ジエステル鉱油系、ポリオールエステル系などの
潤滑油を挙げることができる。なお、潤滑グリースの基
油あるいは潤滑油は、当初軸受本体(1)に含浸される
潤滑油と同じものであることが望ましいが、潤滑特性を
損なわない限りにおいて多少異なるものであってもよ
い。
は、その平均分子量に対応して変化するために一定では
ないが、例えば粘度法による平均分子量が2×106 の
ものの融点は136℃である。同平均分子量の市販品と
しては、三井石油化学工業株式会社製の「ミペロン(登
録商標)XM−220」などがある、従って、潤滑グリ
ースあるいは潤滑油に超高分子量ポリオレフィンを分散
保持させるには、上記した材料を混合した後、超高分子
量ポリオレフィンがゲル化を起こす温度以上で、且つ潤
滑グリースを用いた場合はその滴点未満の温度、例えば
150〜200℃に加熱する。
ンタのポリゴンミラーモータや磁気ディスクドライブ用
のスピンドルモータなどの他、軸流ファンや換気扇、扇
風機などの電気製品、自動車用電装品など、各種のモー
タに広範囲に利用することができ、軸受部周辺を油で汚
染させることなく、特にその耐久性を著しく向上させる
ことができる。すなわち、当初多孔質含油軸受内に保持
されていた油が流失しても、油漏れ防止部材(11)があ
るため軸受部の外には流出せず、また、軸受には固形状
の潤滑組成物(3)から油が補給されるので、油膜が常
に維持され、軸受本体(1)の軸受面に設けた動圧溝
(5)の動圧効果によって高い回転精度を常に維持する
ことができる。さらに、起動時の油切れによる摩耗など
を防止し、耐久寿命を大幅に向上させることができるの
である。この固形状の潤滑組成物は、フェルトと違って
繊維状のものを含まないので、軸受隙間内に繊維等のご
みが入り込むことがない。さらにグリースと違って固形
状であるため、回転する軸(2)にまとわりついたりす
ることがなく、回転変動の原因とならない。そして、固
形状であるため取扱いが極めて容易で組立時の効率が良
い。
造ではないため、油漏れ防止部材(11)、軸受本体
(1)、補油部材(潤滑組成物3)をそれぞれハウジン
グ(7)に圧入等の手段によって固定するだけでよいか
ら、組立時の効率が良く、コストが安い利点がある。
によれば、 油の流失、飛散、蒸発等による周囲の汚染を著しく
軽減することができる。 ホワールなどの不安定振動を抑制することができ、
軸振れを小さくして高い回転精度を達成することができ
る。 常時、良好な動圧油膜形成を維持することができ
る。 耐久性を大幅に向上させることができる。 補給油部材も固形状であるため取扱いが容易で生産
性が良い。 という効果が得られる。
る。
受における油の動きを示す軸方向断面図である。
ある。
ある。
ある。
果を示す図である。
経時変化を示す図である。
を示す図である。
る油の動きを示す軸方向断面図である。
る。
Claims (22)
- 【請求項1】多孔質体からなり、支持すべき軸の摺動面
と軸受隙間を介して対向する軸受面を有する軸受本体
と、前記軸受本体に含浸された潤滑油又は潤滑グリース
と、前記軸受本体の軸受面に形成された傾斜状の動圧溝
とを備え、 前記軸受隙間に介在する油の動圧油膜によって軸の摺動
面を浮上支持すると共に、前記動圧溝を含む軸受面の開
孔部を介して、油を前記軸受本体の内部と軸受隙間との
間で循環させる動圧型多孔質含油軸受。 - 【請求項2】前記動圧溝を含む軸受面における開孔部の
表面積比率、および、含有する油の動粘度のうち少なく
とも一方が、前記油の動圧油膜形成および循環を確保し
得る範囲に設定された請求項1記載の動圧型多孔質含油
軸受。 - 【請求項3】前記動圧溝を含む軸受面に開孔部がほぼ均
一に分布しており、 前記軸受面における開孔部の表面積比率が2%以上20
%以下であり、 含有する油の40℃での動粘度が2cSt以上であり、 前記表面積比率と前記動粘度が、以下の式 (3/5)A−1 ≦ η ≦ (40/6)A+(2
0/3) ここで、A;開孔部の表面積比率 [%] η;油の40℃での動粘度[cSt] を満足する請求項2記載の動圧型多孔質含油軸受。 - 【請求項4】前記動圧溝の溝深さ(h)と前記軸受隙間
(c)との比が c/h=0.5〜4.0 の範囲にあることを特徴とする請求項1、2又は3記載
の動圧型多孔質含油軸受。 - 【請求項5】前記軸受本体が焼結金属で形成されている
請求項1、2、3又は4記載の動圧型多孔質含油軸受。 - 【請求項6】前記焼結金属が銅又は鉄、あるいは、その
両者を主成分とする請求項5記載の動圧型多孔質含油軸
受。 - 【請求項7】多孔質体からなり、支持すべき軸の摺動面
と軸受隙間を介して対向する軸受面を有する軸受本体
と、前記軸受本体に含浸された潤滑油又は潤滑グリース
と、前記軸受本体の軸受面に形成された動圧溝とを備え
た動圧型多孔質含油軸受と、 合成樹脂を基材とし、これに潤滑油又は潤滑グリースを
配合あるいは含浸させ、少なくとも20℃以上の温度で
は、静置した状態でも含有した油が表面に滲み出すよう
にした固形状の潤滑組成物とを接触させて配置した動圧
型多孔質含油軸受装置。 - 【請求項8】前記軸受本体が焼結金属で形成されている
請求項7記載の動圧型多孔質含油軸受。 - 【請求項9】前記焼結金属が銅又は鉄、あるいは、その
両者を主成分とする請求項8記載の動圧型多孔質含油軸
受。 - 【請求項10】請求項1、2、3、4、5又は6記載の
動圧型多孔質含油軸受と、 合成樹脂を基材とし、これに潤滑油又は潤滑グリースを
配合あるいは含浸させ、少なくとも20℃以上の温度で
は、静置した状態でも含有した油が表面に滲み出すよう
にした固形状の潤滑組成物とを接触させて配置した動圧
型多孔質含油軸受装置。 - 【請求項11】前記固形状の潤滑組成物が、前記軸受本
体が含有する潤滑油又は当該潤滑油を基油とする潤滑グ
リース5〜99wt%に、平均分子量が1×106 〜5
×106 である超高分子量ポリオレフィンの粉末95〜
1wt%を混合すると共に、超高分子量ポリオレフィン
粉末のゲル化点以上、かつ、潤滑グリースを用いた場合
はグリースの滴点以下の温度で分散保持させたものであ
る請求項7、8、9又は10記載の動圧型多孔質含油軸
受装置。 - 【請求項12】前記固形状の潤滑組成物の油滲出抑制剤
として、固体ワックス、低分子量ポリエチレン、ポリア
ミド樹脂のうち1種以上を、1〜50wt%の割合で添
加混合した請求項11記載の動圧型多孔質含油軸受装
置。 - 【請求項13】請求項1、2、3、4、5又は6記載の
動圧型多孔質含油軸受の軸方向一方側又は両側に、その
軸受本体と同等若しくはこれよりも僅かに大きい内径を
有する円筒状の油漏れ防止部材を配置し、この油漏れ防
止部材の内周面に、軸との相対回転に際して軸との間の
隙間に前記軸受本体側へ向けて流れる気流を発生させる
気流発生溝を設けた動圧型多孔質含油軸受装置。 - 【請求項14】前記軸受本体の軸方向一方側又は両側
に、前記軸受本体と同等若しくはこれよりも僅かに大き
い内径を有する円筒状の油漏れ防止部材を配置し、この
油漏れ防止部材の内周面に、軸との相対回転に際して軸
との間の隙間に前記軸受本体側へ向けて流れる気流を発
生させる気流発生溝を設けた請求項7、8、9、10、
11又は12記載の動圧型多孔質含油軸受装置。 - 【請求項15】前記油漏れ防止部材を多孔質体とし、か
つ、前記軸受本体との間に空間を設けた請求項13又は
14記載の動圧型多孔質含油軸受装置。 - 【請求項16】前記油漏れ防止部材の、前記軸受本体と
反対側の端面及びチャンファ部に目潰し加工を施して、
この部分の表面開孔率が面積比で5%以下になるように
封孔した請求項15記載の動圧型多孔質含油軸受装置。 - 【請求項17】一端が開放され、他端が閉塞されている
円筒状のハウジング内に、前記軸受本体を固定すると共
に、この軸受本体に接触させて前記固形状の潤滑組成物
を収納し、かつ、前記軸受本体の外側に前記油漏れ防止
部材を配置してハウジングの開口部を閉塞した請求項1
4、15又は16記載の動圧型多孔質含油軸受装置。 - 【請求項18】前記ハウジングの底面とこれに対向する
前記軸受本体の内側端面との間に空間を設け、この空間
とハウジング外部とが軸受隙間以外の箇所で連通するよ
うに空気流通路を設けた請求項17記載の動圧型多孔質
含油軸受装置。 - 【請求項19】回転軸に回転部材を取り付けると共に、
この回転部材に対向する前記軸受本体の端面に動圧溝を
設け、回転軸の回転時にこの動圧溝で生じる動圧により
スラスト負荷を支持するようにした請求項1、2、3、
4、5又は6記載の動圧型多孔質含油軸受。 - 【請求項20】回転軸に回転部材を取り付けると共に、
この回転部材に対向する前記軸受本体の端面に動圧溝を
設け、回転軸の回転時にこの動圧溝で生じる動圧により
スラスト負荷を支持するようにした請求項7、8、9、
10、11又は12記載の動圧型多孔質含油軸受装置。 - 【請求項21】前記動圧溝を設けた軸受本体の端面にお
ける開孔部の表面積比率が2%以上、20%以下である
請求項19記載の動圧型多孔質含油軸受。 - 【請求項22】前記動圧溝を設けた軸受本体の端面にお
ける開孔部の表面積比率が2%以上、20%以下である
請求項20記載の動圧型多孔質含油軸受装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP35553097A JP3607480B2 (ja) | 1996-12-25 | 1997-12-24 | 動圧型多孔質含油軸受及び軸受装置 |
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|---|---|---|---|
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| JP34578696 | 1996-12-25 | ||
| JP7800197 | 1997-03-28 | ||
| JP9-78001 | 1997-03-28 | ||
| JP35553097A JP3607480B2 (ja) | 1996-12-25 | 1997-12-24 | 動圧型多孔質含油軸受及び軸受装置 |
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Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| CN121451959A (zh) * | 2025-12-29 | 2026-02-03 | 中国矿业大学 | 一种煤岩体截割源头减尘系统及其使用方法 |
-
1997
- 1997-12-24 JP JP35553097A patent/JP3607480B2/ja not_active Expired - Lifetime
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| US11802589B2 (en) | 2018-08-31 | 2023-10-31 | Gree Green Refrigeration Technology Center Co., Ltd. Of Zhuhai | Bearing assembly and compressor with bearing assembly |
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| JP3607480B2 (ja) | 2005-01-05 |
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