JPH10330845A - 低イヤリング容器用鋼板の製造方法 - Google Patents

低イヤリング容器用鋼板の製造方法

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JPH10330845A JP14038297A JP14038297A JPH10330845A JP H10330845 A JPH10330845 A JP H10330845A JP 14038297 A JP14038297 A JP 14038297A JP 14038297 A JP14038297 A JP 14038297A JP H10330845 A JPH10330845 A JP H10330845A
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(57)【要約】 【課題】 飲料缶で用いられる底と胴の部分を深絞りと
しごき加工により一体成形する2ピース缶のイヤリング
を小さくする容器用鋼板の製造方法を提供する。 【解決手段】 重量%で、C≦0.1、N≦0.01、
Al=0.005〜1.0、また必要に応じB=0.0
002〜11N/14+0.001%を含有する鋼のス
ラブの熱間圧延の際、必要に応じ粗圧延後、先行材の後
端に後行材の先端を接合して仕上圧延に供し、さらに、
仕上圧延の際に、Ar3 変態点〜Ar3 変態点+100
℃の温度域で合計圧下率が50%以上の圧延を潤滑を施
してμ≦0.2の条件で行うとともに、仕上温度がAr
3 変態点以上の仕上圧延を行い、その後通常の酸洗をし
た後、冷間圧延、再結晶焼鈍、スキンパス圧延を、冷間
圧延とスキンパス圧延の全圧下率が90〜95%となる
条件で行うことを特徴とする低イヤリング容器用鋼板の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低イヤリング容器
用鋼板の製造方法に関し、特に、飲料缶によく用いられ
る底と胴の部分を深絞りとしごき加工により一体成形す
る2ピース缶の素材となる容器用鋼板を製造する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、2ピース缶の素材には大別してア
ルミニウム板と鋼板があり、鋼板としては、通常アルミ
キルド鋼板が用いられてきた。このような容器用鋼板の
製造方法の概要は、熱間圧延の仕上温度をAr3 変態点
以上とし、巻取は600℃前後の比較的低温で行い、そ
の後、酸洗、冷間圧延、焼鈍、スキンパス圧延をして製
缶用素材とするものである。
【0003】容器材料にはテンパーグレードという硬度
値による規格があり、その規格を満足するために、焼鈍
後、強圧下スキンパスによって硬化を図りグレードを作
り分けることもある。
【0004】2ピース缶の素材として要望される特性の
一つに低イヤリング性が挙げられる。イヤリングとは、
深絞り加工としごき加工により底と胴が一体成形された
缶の開口部の壁の高さの不均一性を示す技術用語であ
り、胴の高さの最大値と最小値の差を平均の胴高さで割
った値に100をかけたイヤリング率がその指標として
用いられている。イヤリング率が大きくなると蓋の装着
ができなくなるためにトリミングをする必要が生じ、作
業コストの増加を招くだけでなく歩留りの低下を招くた
め、イヤリング率の低減は重要な課題と位置づけられて
きた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近の容器材料の開発
では、素材の低コスト化を図るために缶の薄手化に焦点
が当てられている。容器材の薄手化は冷間圧延の圧下率
(以下、冷延率という)の増加を意味し、それによって
生じる大きな問題の1つにイヤリング率の増加が挙げら
れる。イヤリングの発生は、材料のもつ集合組織に基づ
く変形の面内異方性が原因であり、熱間圧延−冷間圧延
−焼鈍−強スキンパス圧延の一貫工程の最適制御により
集合組織が制御され、低イヤリング化が達成される必要
がある。
【0006】そこで、本発明は、容器材料の薄手化に伴
うイヤリングの課題を有利に解決するために成されたも
のであり、上記の最適集合組織制御を熱間圧延時に集合
組織を制御することにより実現して、容器用素材の耐イ
ヤリング性を向上させることのできる、低イヤリング容
器用鋼板の製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とする処
は、以下の通りである。 (1)重量比で、C≦0.1%、N≦0.01%、Al
=0.005〜1.0%を含有する鋼のスラブの熱間圧
延における仕上圧延の際に、Ar3 変態点〜Ar3 変態
点+100℃の温度域で合計圧下率が50%以上の圧延
を潤滑を施して摩擦係数が0.2以下の条件で行うとと
もに、仕上温度がAr3 変態点以上の仕上圧延を行い、
その後通常の酸洗をした後、冷間圧延、再結晶焼鈍、ス
キンパス圧延を、冷間圧延とスキンパス圧延の全圧下率
が90〜95%となる条件で行うことを特徴とする低イ
ヤリング容器用鋼板の製造方法。 (2)前記鋼が、重量比で、さらに、B=0.0002
〜11N/14+0.001%を含有することを特徴と
する上記(1)に記載の低イヤリング容器用鋼板の製造
方法。 (3)前記熱間圧延の際に、粗圧延後、先行材の後端に
後行材の先端を接合して仕上圧延に供することを特徴と
する上記(1)または(2)に記載の低イヤリング容器
用鋼板の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
まず、鋼中の成分を限定した理由を説明する。C量を
0.1%以下としたのは、これを超えるCの添加は加工
性の劣化を招くためである。N量を0.01%以下とし
たのは、これを超えるNの添加は加工性の劣化を招くた
めである。Alの含有量の下限を0.005%としたの
は、脱酸を十分に行うためである。上限は加工性の観点
で1.0%以下と限定した。
【0009】Bは、2次加工性の向上に寄与するので用
途によっては、その効果が明瞭に現われる0.0002
%以上の添加が必要である。また、Bは固溶NをBNの
形で鋼中から低減し、加工性を向上させる効果がある。
この場合、効果はB量の増加に伴い増えるが、その効果
は11N/14で飽和する。そして、過剰の添加は加工
性を劣化させるので、上限を11N/14+0.001
%以下とした。
【0010】他の成分については特に限定しないが、強
度を高め、加工性を著しく悪くしない範囲であるMn≦
0.5%、Si≦0.5%、P≦0.1%の添加は、本
発明の趣旨を何ら損うものではない。
【0011】次に、プロセス条件の限定理由について述
べる。本発明者は、冷延鋼板の成形性に及ぼす熱延鋼板
の集合組織の影響を詳細に検討したところ、熱延鋼板の
表層部で形成される集合組織が高圧下冷間圧延時に容器
用鋼板の耐イヤリング性に悪影響を及ぼすことを見出し
た。すなわち、熱間圧延ではロールと圧延片の間の摩擦
係数が大きいため、板厚中心部では存在しないせん断ひ
ずみが板厚の表面近傍では大きく、それによって結晶回
転が板厚中心部と顕著に異なり異質の集合組織が形成さ
れる。この集合組織の相違は、その後変態した後も質は
変わるものの存在する。
【0012】そこで、本発明者はγ域熱間圧延での集合
組織制御の研究を精力的に行い、表層部の集合組織形成
を中心部のそれに近づけることが、高圧下冷間圧延時に
容器用鋼板の耐イヤリング性を向上させる方策であるこ
とを見出した。
【0013】それを実現する熱間圧延条件が熱間圧延の
限定条件になる。その限定条件は、Ar3 変態点〜Ar
3 変態点+100℃の温度域で合計圧下率が50%以上
の圧延を潤滑を施して摩擦係数が0.2以下の条件で行
うことである。圧延時に潤滑を施すことによりロールと
圧延板の間の摩擦係数が0.2以下になると表面のせん
断ひずみを低減できる。しかし、潤滑圧延での全圧下率
が小さいと面内異方性を小さくする集合組織の形成が不
十分になるため、少なくとも50%以上の圧下を1パス
あるいは多パスにより加える必要がある。その際、圧延
温度が高すぎると再結晶、粒成長が顕著に起きて集合組
織の尖鋭化が阻まれるので、Ar3 変態点+100℃を
上限とした。また、Ar3 変態点未満で圧延されると高
圧下冷間圧延時に容器用鋼板の耐イヤリング性の著しい
劣化が見られるので、潤滑圧延の温度域の下限はAr3
変態点とした。
【0014】また、仕上温度がAr3 変態点未満となる
と、高圧下冷間圧延時に容器用鋼板の耐イヤリング性の
著しい劣化が見られるので、その下限はAr3 変態点と
した。
【0015】潤滑圧延では、ロールバイトへの噛み込み
の際、潤滑状態で圧延すると噛み込み不良やスリップな
どが起る可能性が高いため、1スラブ毎に圧延する場
合、ホットストリップの先端が巻き取られるまで、潤滑
を施さないのが一般的な操業である。しかし、この場
合、長手方向で無潤滑部と潤滑部の特性が異なり、品質
管理上支障を来たすことがあるので、粗圧延後、先行材
の後端に後行材の先端を接合して仕上圧延に供し、連続
的に熱間圧延を行うことが好ましい。この対策により品
質の安定性が確保できる。
【0016】本発明者は、イヤリング率に及ぼす冷延率
とスキンパス圧下率の影響を検討したところ、イヤリン
グ率は冷間圧延とスキンパス圧延の全圧下率で整理でき
ることを見出した。その指標に従うと、本発明の範囲で
は冷間圧延とスキンパス圧延の全圧下率が90%未満に
なるとイヤリング率は高く、逆に95%を超しても耐イ
ヤリング性の劣化が顕在化することが分かった。一方、
従来法ではこの最適な冷延率が低圧下率側にシフトする
だけでなく、達成できるイヤリング率も本発明鋼より高
くなることが分かった。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を、比較例と共に説明する。
実施例には表1に示した成分組成を有する鋼を用いた。
熱間圧延条件(Ar3変態点〜Ar3 +100℃の温度
域で摩擦係数μ=0.2の条件で圧延する潤滑圧延の全
圧下率)と冷間圧延+スキンパス圧延のトータルの圧下
率ならびに2ピース缶を製造したときのイヤリング率を
表2に示す。その他の製造条件は、スラブ加熱温度12
00℃前後、巻取温度630℃前後、冷間圧延後の再結
晶処理は、鋼種A,B,Eは680℃で30秒、鋼種
C,D,Fは750℃で30秒の連続焼鈍を行った。
【0018】本発明の範囲を満足した実験番号1,2,
3,5,7,9〜14,16〜18,20,21の材料
は、低いイヤリング率を示す。一方、従来法で製造され
た実験番号22,25〜27の材料は、本発明鋼より高
いイヤリング率を示す。従来法では、実験番号27の結
果が示すように冷間圧延とスキンパス圧延の全圧下率が
小さいとイヤリング率は低下するが、最終板厚が薄手化
に向かっている市場ニーズに応えるには、この冷間圧延
とスキンパス圧延の全圧下率を確保するには熱延鋼板の
板厚を薄くしなければならず生産性が低下する欠点があ
る。
【0019】Ar3 変態点〜Ar3 変態点+100℃の
温度域で摩擦係数μ≦0.2の条件で圧延された合計圧
下率が40%と低い実験番号4の材料では、低イヤリン
グ率は達成できなかった。冷間圧延とスキンパス圧延の
全圧下率が本発明の範囲外であった実験番号6,8,1
5,19の材料も、高いイヤリング率を示した。仕上温
度がAr3 変態点未満となった実験番号23,24の材
料では、低イヤリング率は得られなかった。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、現
状ならびに将来にわたる市場ニーズである容器用鋼板の
薄手化に対し、高生産性を確保しつつ、低イヤリングの
材料を供給することができるため、本発明は工業的に価
値の高い発明であると言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/06 C22C 38/06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、 C≦0.1%、 N≦0.01%、 Al=0.005〜1.0% を含有する鋼のスラブの熱間圧延における仕上圧延の際
    に、Ar3 変態点〜Ar3 変態点+100℃の温度域で
    合計圧下率が50%以上の圧延を潤滑を施して摩擦係数
    が0.2以下の条件で行うとともに、仕上温度がAr3
    変態点以上の仕上圧延を行い、その後通常の酸洗をした
    後、冷間圧延、再結晶焼鈍、スキンパス圧延を、冷間圧
    延とスキンパス圧延の全圧下率が90〜95%となる条
    件で行うことを特徴とする低イヤリング容器用鋼板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記鋼が、重量比で、さらに、 B=0.0002〜11N/14+0.001% を含有することを特徴とする請求項1に記載の低イヤリ
    ング容器用鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱間圧延の際に、粗圧延後、先行材
    の後端に後行材の先端を接合して仕上圧延に供すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の低イヤリ
    ング容器用鋼板の製造方法。
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CN102836872A (zh) * 2012-09-21 2012-12-26 莱芜市泰山冷轧板有限公司 一种室外家具用冷轧钢带生产方法

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