JPH1033169A - 酵素の精製方法 - Google Patents

酵素の精製方法

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JPH1033169A
JPH1033169A JP8195920A JP19592096A JPH1033169A JP H1033169 A JPH1033169 A JP H1033169A JP 8195920 A JP8195920 A JP 8195920A JP 19592096 A JP19592096 A JP 19592096A JP H1033169 A JPH1033169 A JP H1033169A
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JP
Japan
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rhamnogalacturonan
rhamnogalacturonase
pectin
carrier
chromatography
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Application number
JP8195920A
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English (en)
Inventor
Teruhiro Nakamura
彰宏 中村
Yuichi Maeda
裕一 前田
Yasunari Nagamatsu
康徳 永松
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Fuji Oil Co Ltd (fka Fuji Oil Holdings Inc)
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ラムノガラクツロナーゼを高収率で高純度に、
且つ簡便に精製する方法を提供する。 【解決手段】ラムノガラクツロナンを構成成分とするペ
クチン質の架橋物または遊離したラムノガラクツロナン
の架橋物を担体として用いたアフィニティークロマトグ
ラフィーを使用することを特徴とする、ラムノガラクツ
ロナーゼの精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酵素の精製方法に関し、
詳細にはラムノガラクツロナーゼを高収率で高純度に、
且つ簡便に精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ラムノガラクツロナーゼの精
製方法として以下のクロマトグラフィー処理が組み合わ
されて行われる。即ち、イオン交換クロマトグラフィー
処理、ゲルろ過クロマトグラフィー処理、疎水クロマト
グラフィー処理、及びヒドロキシルアパタイトクロマト
グラフィー処理である。これらのクロマトグラフィー処
理では、目的とするラムノガラクツロナーゼと夾雑する
その他のペクチナーゼ、或いはヘミセルラーゼとの分離
は十分に出来ず、また4 種のクロマトグラフィー処理を
組み合わせる必要があるために操作が繁雑になり、収率
が悪くなる。従って、工業的に大量に精製する場合、少
ないクロマトグラフィー処理により、高い収率で高度に
精製することが必要である。
【0003】従来、蛋白質を分離するために特殊な場合
としてアフィニティークロマトグラフィーを利用する場
合がある。これを、ラムノガラクツロナーゼの精製に利
用する場合、担体として架橋アラビノガラクタンを用い
ると、ヘミセルラーゼの一種であるアラバナーゼとラム
ノガラクツロナーゼとの分離は可能であるが、ペクチナ
ーゼとラムノガラクツロナーゼとの分離は困難であり、
実用的とは言えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
クロマトグラフィーでは、ラムノガラクツロナーゼを高
純度に精製するためには、少なくとも4 種類のクロマト
グラフィー処理を組み合わせなければならず、操作が繁
雑になるばかりではなく、高い収率で当該酵素を精製す
ることは出来なかった。
【0005】従って、少なくともペクチナーゼ、或いは
ヘミセルラーゼとラムノガラクツロナーゼを分離し、ラ
ムノガラクツロナーゼを高収率で高純度に精製するクロ
マトグラフィーが要望されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、如上の点
に鑑み鋭意研究した結果、ラムノガラクツロナーゼの基
質であるペクチン質をアルカリ条件下にエピクロロヒド
リン及びDMSO( ジメチルスルホキシド) で架橋すること
によって得た担体を用いて調製したアフィニティークロ
マトグラフィーを使用することにより、高い収率で、高
純度にラムノガラクツロナーゼの精製が可能であること
を見い出した。
【0007】即ち本発明は、ラムノガラクツロナンを構
成成分とするペクチン質の架橋物、または遊離したラム
ノガラクツロナンの架橋物を担体として用いたアフィニ
ティークロマトグラフィーを使用することを特徴とす
る、ラムノガラクツロナーゼの精製方法、である。
【0008】以下、本発明について詳述する。本発明に
おけるペクチン質は、柑橘類の果皮、リンゴの果皮、ニ
ンジン、或いは、油糧種子の何れかに由来するものが好
ましく、油糧種子としては、豆類由来、特に大豆、中で
も子葉由来のものが好ましい。
【0009】○ペクチン質の調製方法 柑橘類の果皮、リンゴの果皮、ニンジンを原料とし、こ
れを50% エタノール溶液とともに粉砕して、70% 、80%
、90% 、99% エタノールで順に洗浄し、乾燥させてア
ルコール不溶物(Alchol Insolbule Substrate 、以下AI
S と略す場合がある)を得る。
【0010】このAIS を酸性条件下、好ましくは等電点
付近のpHで、好ましくは100 ℃以下80℃以上にて加熱
し、水溶性画分を分画後、そのまま乾燥するか、例えば
活性炭処理、エタノール沈殿処理して低分子物質を除去
し乾燥することによって、ペクチン質を得る。
【0011】大豆ペクチン質は、好ましくは大豆の子葉
部分、例えばオカラから加熱抽出することよって得るこ
とができる。即ち、酸性条件下、好ましくは等電点付近
のpHで、好ましくは100 ℃以下70℃以上、より好ましく
は90℃以下70℃以上にて加熱し、水溶性画分を分画後、
そのまま乾燥するか、例えば活性炭処理、エタノール沈
殿処理して低分子物質を除去して乾燥することにより、
ペクチン質を得ることができる。
【0012】この大豆ペクチン質は主成分としてガラク
ツロン酸を含み、その含量は好ましくは15重量% 以上95
重量% 以下、より好ましくは20重量% 以上90重量% 以下
である。また、このガラクツロン酸はカルボキシル基が
メチルエステルになったものと遊離のものの2 種類が存
在するが、脱メトキシ化されているものが好ましく、こ
の点から、エステル化度は50% 以下であることが好まし
く、更に20% 以下であることが特に好ましい。
【0013】更に、この大豆ペクチン質は構成糖とし
て、アラビノース、ガラクトース、キシロース、フコー
ス、グルコース、ラムノース、及びガラクツロン酸を含
む。尚、以下に一例として柑橘類の果皮としてのレモ
ン、リンゴの果皮、ニンジン、及び、大豆種子より調製
したペクチン質の糖組成を示す。
【0014】 ──────────────────────────────────── ペクチン 糖組成(重量%) の種類 GalA Rha Man Fuc Ara Gal Xyl Glc ──────────────────────────────────── レモンの果皮 84.6 4.5 0.1 0.3 3.1 7.2 0.0 0.2 リンゴの果皮 82.7 5.6 0.0 0.5 7.1 2.4 1.8 0.0 ニンジン 70.6 8.5 1.2 0.0 6.5 9.9 3.3 0.0 大豆種子 30.1 7.4 0.0 0.4 13.6 45.1 2.1 1.3 ────────────────────────────────────
【0015】但し、上記の略字はそれぞれ次の糖を意味
する。 GalA:ガラクツロン酸、 Rha:ラムノース、 Man:マン
ノース、 Fuc:フコース、 Ara:アラビノース、 Gal:
ガラクトース、 Xyl:キシロース、 Glc:グルコース。
【0016】このようなペクチン質の分子量は、特に限
定されることなく何れも使用可能であるが、好ましくは
平均分子量が数千〜数百万、最も適した大豆ペクチン質
の場合、具体的には5 千〜100 万であるのが好ましい。
【0017】○架橋ペクチン質の調製方法 以上のようなペクチン質をアフィニティークロマトグラ
フィーへ担体として用いるには架橋する必要がある。架
橋方法は公知の方法の何れを用いてもよく、例えばペク
チン質をアルコールアルカリ溶液に懸濁して室温でケン
化した後、エピクロロヒドリン及びDMSOを加えて振とう
しながら反応させ、不溶物を数回デカンテーションによ
り捨て、生じたゲルを洗浄後、熱水中で撹拌しながら加
熱し、脱イオン水、エタノールで順次洗浄後、室温で乾
燥することによって架橋ペクチン(CLPN) を得ることが
できる。
【0018】本発明においては、ペクチン質をペクチナ
ーゼで分解して得られるラムノガラクツロナンを架橋し
たものが特に優れた効果を有する。以下にラムノガラク
ツロナンの調製方法を記す。
【0019】○ラムノガラクツロナンの調製方法 上記の方法で調製したペクチン質(1.0 重量% 溶液、1
リットル)を、Kluyveromyces fragilis起源の endo-PG
(10units )で40℃、48時間分解し、分解物をそのまま
乾燥するか、或いは透析して低分子物を除去した後、乾
燥することによって調製する。
【0020】ラムノガラクツロナンはペクチン質と同様
にガラクツロン酸を含み、その含量は好ましくは20重量
% 以上40重量% 以下、より好ましくは30重量% 以上40重
量%以下である。また、このガラクツロン酸はカルボキ
シル基がメチルエステルになったものと遊離のものの2
種類が存在するが、脱メトキシ化されているものが好ま
しく、エステル化度は50% 以下、特に20% 以下であるこ
とが好ましい。
【0021】このラムノガラクツロナンは、構成糖とし
てアラビノース、ガラクトース、キシロース、フコー
ス、グルコース、ラムノース、及びガラクツロン酸を含
む。尚、以下に一例として柑橘類の果皮としてのレモ
ン、リンゴの果皮、ニンジン、及び、大豆種子より調製
したラムノガラクツロナンの糖組成を以下に示す。
【0022】 ──────────────────────────────────── ラムノガラクツ 糖組成(重量%) ロナンの種類 GalA Rha Man Fuc Ara Gal Xyl Glc ──────────────────────────────────── レモンの果皮 21.4 20.1 2.1 3.0 10.4 35.8 0.0 7.2 リンゴの果皮 21.5 18.6 0.0 3.5 21.1 29.4 5.9 0.0 ニンジンの根 27.6 23.4 4.2 0.0 14.5 22.8 7.5 0.0 大豆種子 18.5 10.4 0.0 3.1 20.1 45.0 1.2 1.7 ──────────────────────────────────── 但し、上記の略字は前記に同じ。
【0023】以上のラムノガラクツロナンは、その平均
分子量が数千〜数十万、最も適した大豆ラムノガラクツ
ロナンの場合、具体的には5 千〜10万であるのが好まし
い。尚、これらのペクチン質、及びラムノガラクツロナ
ンの平均分子量は標準プルラン(昭和電工(株)製)を
標準物質として0.1Mのリン酸緩衝液(pH6.8) を溶離液に
用いた、ゲルろ過HPLCで求めた値である。
【0024】○架橋ラムノガラクツロナンの調製 柑橘類の果皮、リンゴの果皮、ニンジン、或いは、大豆
種子由来のペクチン質をペクチナーゼで分解して得たラ
ムノガラクツロナンを、前記した架橋ペクチン質と同様
に処理することによって架橋ラムノガラクツロナン(CLR
G)を得ることができる。
【0025】本発明において精製するラムノガラクツロ
ナーゼの起源は何れの生物でも可能であるが、特に微生
物が良く、就中、 Aspergillus属、好ましくは Aspergi
llusaculeatus、Batillus属、好ましくは Batillus sub
lilis、及び Erwinia属、好ましくは Erwinia carotovo
ra 等のグループに属する微生物の産生するラムノガラ
クツロナーゼが好適である。
【0026】ラムノガラクツロナーゼを含む粗酵素液、
例えば、Aspergillus aculeatus 起源の市販の酵素製剤
である Pectinex Ultra SP-Lをそのまま精製原料として
用い、食塩の直線濃度勾配(0 から0.5 モル)により吸
着後、脱着することが出来る。この場合、本発明のアフ
ィニティークロマトグラフィー用担体、例えば架橋ラム
ノガラクツロナンと、これ以外のイオン交換クロマトグ
ラフィー用担体、ゲルろ過クロマトグラフィー用担体、
及びヒドロキシルアパタイトと比較した場合、明らかに
本発明の方がラムノガラクツロナーゼを高度に精製する
ことが出来るが、ラムノガラクツロナーゼ以外の酵素、
例えばペクチナーゼ、アラビノシダーゼ、ガラクトシダ
ーゼ等も吸着する。従って、ゲルろ過クロマトグラフィ
ーで透析した後、イオン交換クロマトグラフィーで部分
精製したラムノガラクツロナーゼを本発明におけるアフ
ィニティークロマトグラフィーで処理し、0 から0.5 モ
ルの食塩の直線濃度勾配により酵素を溶出させることに
よって、ラムノガラクツロナーゼとアラビノシダーゼ、
ガラクトシダーゼと言ったヘミセルラーゼとを容易に高
純度に分離することが出来る。また、ラムノガラクツロ
ナーゼの本発明におけるアフィニティークロマトグラフ
ィーへの吸着率もよく、本発明によればpH4.0 では91.0
% 以上が吸着した。
【0027】以上のように、ラムノガラクツロナーゼの
精製には、柑橘類の果皮、リンゴの果皮、ニンジン、或
いは大豆種子由来のペクチン質、及びこれらのペクチン
質をペクチナーゼで分解して得たラムノガラクツロナン
の何れも有効だが、ラムノガラクツロナーゼの回収率、
クロマトグラフィー後の酵素の純度の上昇率から考え
て、ペクチン質よりもラムノガラクツロナンで調製した
ものが良く、柑橘類やリンゴの物よりもニンジンや大豆
起源の物の方が適していた。
【0028】本発明において、ラムノガラクツロナンを
使用したアフィニティークロマトグラフィー用担体は、
ラムノガラクツロナーゼの基質特異性を利用したもので
あり、その他のペクチナーゼ或はアラバナーゼ、ガラク
タナーゼと言ったヘミセルラーゼを選択的に吸着しない
特性を有する。従って、ラムノガラクツロナンは精製原
料がイオン交換クロマトグラフィー処理によって部分精
製した粗酵素であれば、ラムノガラクツロナーゼのみを
高純度に精製するのに適したアフィニティークロマトグ
ラフィー用の担体であると言える。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施態様を説明
するが、本発明はこれらの例示のみにより制限されるも
のではない。尚、酵素活性は基質となるラムノガラクツ
ロナンを本酵素が分解し、1 分間に1 μモルの分解物を
生じる酵素量を1 ユニットとした。また、酵素の純度は
単位タンパク質当たりの酵素量を示す比活性(ユニット
/mg)で評価した。
【0030】実施例1 分離大豆蛋白製造時に生ずるオカラを原料とし、これに
2 倍量の水を加え、ヘキサメタリン酸にてpH4.5 に調製
し、80℃で3 時間加熱し、水溶性ヘミセルロースの抽出
を行った。抽出後、遠心分離し(5000G、10分)、大豆
ペクチンを主に含む水溶性画分を分離した。この大豆ペ
クチン溶液を透析により脱塩後、活性炭カラム処理し、
乾燥して大豆ペクチンを得た。この大豆ペクチン1gを水
酸化ナトリウム4gの70% エタノール溶液250 mlに懸濁
し、30分間室温でアルカリケン化後、エピクロロヒドリ
ン3.26ml、50% ジメチルスルホキシド5.7ml を加え、15
0rpmで振とうしながら、40℃で2 時間反応させた。不溶
物を5 回デカンテーションにより捨て、生じたゲルを洗
浄後、熱水中で撹拌しながら30分間加熱し、脱イオン
水、エタノールで順次洗浄後、室温で乾燥して架橋大豆
ペクチンを得た。この架橋大豆ペクチンを担体として用
いてアフィニティークロマトグラフィーカラムを調製
し、これを使用して Asp. aculeatus 起源の精製ラムノ
ガラクツロナーゼを精製した。
【0031】実施例2 レモン果皮より調製したアルコール不溶物(AIS)25g を
1N塩酸でpHが3 〜4 になるように調製した2%ヘキサメタ
リン酸溶液に混合し、室温で一昼夜放置後、pHを4 に保
ちながら、湯浴中で80℃で3 時間加熱してペクチン質を
抽出した。抽出液を遠心分離(8000rpm, 4℃, 40分間)
し、不溶物を除去して、上清を透析チューブ(三光純薬
(株)製、セルロースチューブ(C-65))中にて、脱イオ
ン水中にて2 日間透析後、回収し、ロータリーエバポレ
ーターで1/10量に濃縮して、70%になるようにエタノー
ルを加えてペクチン質をゲル化し、99% エタノール、ア
セトンで順次洗浄後、乾燥してレモンペクチンを得た。
このレモンペクチン1gを水酸化ナトリウム4gの70% エタ
ノール溶液250ml に懸濁し、30分間室温でアルカリケン
化後、エピクロロヒドリン3.26ml、50% ジメチルスルホ
キシド5.7ml を加えて、150rpmで振とうしながら、40℃
で2 時間反応させた。不溶物を5 回デカンテーションに
より捨て、生じたゲルを洗浄後、熱水中で撹拌しながら
30分間加熱し、脱イオン水、エタノールで順次洗浄後、
室温で乾燥して架橋レモンペクチンを得、実施例1 と同
様にして、担体として用いたアフィニティークロマトグ
ラフィーカラムを使用して、Asp. aculeatus 起源の精
製ラムノガラクツロナーゼを精製した。
【0032】実施例3 夏ミカン果皮より調製したAIS を用いる以外は、実施例
2 と全く同じ方法で、夏ミカンペクチンを調製し、同じ
く架橋夏ミカンペクチンを得、実施例1 と同様にして、
担体として用いたアフィニティークロマトグラフィーカ
ラムを使用して、Asp. aculeatus起源の精製ラムノガラ
クツロナーゼを精製した。
【0033】実施例4 リンゴ果皮より調製したAIS を用いる以外は、実施例2
と全く同じ方法で、リンゴペクチンを調製し、同じく架
橋リンゴペクチンを得、実施例1 と同様にして、担体と
して用いたアフィニティークロマトグラフィーカラムを
使用して、Asp.aculeatus起源の精製ラムノガラクツロ
ナーゼを精製した。
【0034】実施例5 ニンジンより調製したAIS を用いる以外は、実施例2 と
全く同じ方法で、ニンジンペクチンを調製し、同じく架
橋ニンジンペクチンを得、実施例1 と同様にして、担体
として用いたアフィニティークロマトグラフィーカラム
を使用して、Asp. aculeatus起源の精製ラムノガラクツ
ロナーゼを精製した。
【0035】実施例6 実施例1 で調製した大豆ペクチンを1.0%になるように0.
05M酢酸緩衝液500mlに溶解し、endo-PG (20unit)を加
え、セロファンチューブ中で同じ緩衝液に対して透析し
ながら、35℃で3 日間分解させた。続いてpH4.0 に調製
し、再びセロファンチューブ中にて、脱イオン水に対し
て2 日間透析し、ロータリーエバポレーターで50mlまで
減圧濃縮後、70% になるようにエタノールを加えてラム
ノガラクツロナンを沈澱させ、エタノール、アセトンで
順次洗浄し、乾燥して大豆ラムノガラクツロンを得た。
この大豆ラムノガラクツロナン1gを水酸化ナトリウム4g
の70% エタノール溶液250ml に懸濁し、30分間室温でア
ルカリケン化後、エピクロロヒドリン3.26ml、50% ジメ
チルスルホキシド5.7ml を加えて、150rpmで振とうしな
がら、40℃で2 時間反応させた。不溶物を5 回デカンテ
ーションにより捨て、生じたゲルを洗浄後、熱水中で撹
拌しながら30分間加熱し、脱イオン水、エタノールで順
次洗浄後、室温で乾燥して架橋大豆ラムノガラクツロナ
ンを得た。以上の架橋大豆ラムノガラクツロナンを担体
として用いてアフィニティークロマトグラフィーカラム
を調製し、これを使用してAsp. aculeatus起源の精製ラ
ムノガラクツロナーゼを精製した。
【0036】実施例7 実施例2 で調製したレモンペクチンを1.0%になるように
0.05M 酢酸緩衝液500ml に溶解し、endo-PG (20unit)を
加え、セロファンチューブ中で同じ緩衝液に対して透析
しながら、35℃で3 日間分解させた。続いて、脱イオン
水に対して2 日間透析し、ロータリーエバポレーターで
50mlまで減圧濃縮後、70% になるようにエタノールを加
えてラムノガラクツロナンを沈澱させ、エタノール、ア
セトンで順次洗浄し、乾燥してレモンラムノガラクツロ
ンを得た。このレモンラムノガラクツロナン1gを水酸化
ナトリウム4gの70% エタノール溶液250ml に懸濁し、30
分間室温でアルカリケン化後、エピクロロヒドリン3.26
ml、50% ジメチルスルホキシド5.7ml を加えて、150rpm
で振とうしながら、40℃で2 時間反応させた。不溶物を
5 回デカンテーションにより捨て、生じたゲルを洗浄
後、熱水中で撹拌しながら30分間加熱し、脱イオン水、
エタノールで順次洗浄後、室温で乾燥して架橋レモンラ
ムノガラクツロナンを得、実施例1 と同様にして、担体
として用いたアフィニティークロマトグラフィーカラム
を使用して、Asp. aculeatus起源の精製ラムノガラクツ
ロナーゼを精製した。
【0037】実施例8 実施例3 で調製した夏ミカンペクチンを用いて、実施例
7 で調製したのと同じ方法で夏ミカンラムノガラクツロ
ナンを調製し、更に、同じ方法で架橋夏ミカンラムノガ
ラクツロナンを得、実施例1 と同様にして、担体として
用いたアフィニティークロマトグラフィーカラムを使用
して、Asp. aculeatus起源の精製ラムノガラクツロナー
ゼを精製した。
【0038】実施例9 実施例4 で調製したリンゴペクチンを用いて、実施例7
で調製したのと同じ方法でリンゴラムノガラクツロナン
を調製し、更に、同じ方法で架橋したリンゴラムノガラ
クツロナンを得、実施例1 と同様にして、担体として用
いたアフィニティークロマトグラフィーカラムを使用し
て、Asp. aculeatus起源の精製ラムノガラクツロナーゼ
を精製した。
【0039】実施例10 実施例5 で調製したニンジンペクチンを用いて、実施例
7 で調製したのと同じ方法でニンジンラムノガラクツロ
ナンを調製し、更に、同じ方法で架橋したニンジンラム
ノガラクツロナンを得、実施例1 と同様にして、担体と
して用いたアフィニティークロマトグラフィーカラムを
使用して、Asp. aculeatus起源の精製ラムノガラクツロ
ナーゼを精製した。
【0040】以上の結果をまとめると以下の通りであ
る。 ──────────────────────────────────── 実施例(担体の種別) 回収率(%) 精製の度合(倍) ──────────────────────────────────── 1(大豆 ペクチン ) 77.1 8.3 2(レモン果皮 〃 ) 45.0 2.6 3(夏ミカン果皮 〃 ) 27.0 2.1 4(リンゴ果皮 〃 ) 48.5 4.0 5(ニンジン 〃 ) 68.2 4.8 6(大豆ラムノガラクツナン) 89.5 22.4 7(レモン 〃 ) 69.0 4.1 8(夏ミカン 〃 ) 50.8 4.7 9(リンゴ 〃 ) 71.3 7.9 10(ニンジン 〃 ) 80.1 12.8 ────────────────────────────────────
【0041】回収率は、各担体を充填し10mM酢酸緩衝液
(pH5.0)で平衡化したカラム(1.0×1.0cm)に精製ラムノ
ガラクツロナーゼ(1.2unit)を添加、吸着させ、0.5M N
aClを含む同緩衝液で溶出した時に回収された酵素量(un
it)より算出した回収率(%)である。また、精製の度合
は、カラム処理前の比活性( 単位蛋白質(mg)当たりの
酵素量(unit))に対する、カラム処理後の比活性の比よ
り算出したものであり、値が大きい方が高度に精製され
ることを示す。
【0042】以上の結果より、担体としてはペクチンよ
りもラムノガラクツロナンが適しており、就中、大豆ラ
ムノガラクツロナンを架橋したものが最もラムノガラク
ツロナーゼの精製に適したアフィニティークロマトグラ
フィー用担体であった。
【0043】実施例11 市販の酵素製剤である、ペクチネックス・ウルトラSP-L
(Pectinex Ultra SP-L) を、10mM酢酸緩衝液(pH5.0)に
て充分に脱塩透析した、ラムノガラクツロナーゼ0.2uni
t/mg, アラビノシダーゼ6.8unit/mg, ガラクトシダーゼ
9.1unit/mg, 及びペクチナーゼ4.6unit/mgを含む粗酵素
を精製原料とし、この粗酵素原料液5mlを、架橋ラムノ
ガラクツロナンを充填した1.0 ×2.0cm のカラムにて処
理した後、カラムの5 倍量の酢酸緩衝液でカラムを洗浄
し、次いで0 〜0.5Mの塩化ナトリウムの直線濃度勾配で
酵素を溶出させ、3ml 用の試験管に2.0ml ずつ分取し
た。酵素活性の測定は以下のようにして測定した。即
ち、ラムノガラクツロナーゼ活性は0.1%の大豆ラムノガ
ラクツロナンを基質として、またペクチナーゼ活性は柑
橘果皮起源のペクチン( ナカライテクス製, 特級試薬)
のガラクツロン酸のメチルエステルをアルカリ条件下(1
0 ℃3 時間)で脱メトキシして、ペクチン酸にしたもの
を基質として、酵素分解により遊離した還元糖量をソモ
ジーネルソン (Somogyi-Nelson) 法で測定した。
【0044】比較例1 実施例11に於いて、架橋ラムノガラクツロナンの代わり
に DEAE-Toyopearl を担体として用いた以外は、全て同
様にしてクロマトグラフィーを行った。
【0045】比較例2 実施例11に於いて、架橋ラムノガラクツロナンの代わり
に CM-Toyopearl を担体として用いた以外は、全て同様
にしてクロマトグラフィーを行った。
【0046】比較例3 実施例11に於いて、架橋ラムノガラクツロナンの代わり
にヒドロキシルアパタイトを担体として用いた以外は、
全て同様にしてクロマトグラフィーを行った。
【0047】比較例4 実施例11に於いて、架橋ラムノガラクツロナンの代わり
にButyl-Toyopearl を担体として用いた以外は、全て同
様にしてクロマトグラフィーを行った。なお、アラビノ
シダーゼ、及びガラクトシダーゼ活性はSigma 社製の合
成基質(p- ニトロフェニル- アラビノシド、及びp-ニト
ロフェニル- ガラクトシド)を用い、酵素分解により遊
離したフェノールを405nm の可視部の吸光値で定量し
た。以下に、結果についてまとめる。
【0048】 ──────────────────────────────────── ラムノガラクツロナーゼ 酵素液中の残存活性(%) 回収率 精製の度合 アラビノ ガラクト ペクチ (%) (倍) シダーゼ シダーゼ ナーゼ ──────────────────────────────────── 実施例11 89.3 9.1 30.2 28.4 50.3 比較例1 37.4 3.2 88.7 79.6 80.4 比較例2 45.6 4.0 43.0 29.4 24.8 比較例3 63.4 3.9 28.6 30.9 57.4 比較例4 60.2 3.6 35.1 35.6 49.5 ────────────────────────────────────
【0049】アラビノシダーゼ、ガラクロシダーゼ、及
びペクチナーゼの残存活性は、各クロマトグラフィーに
供する前の酵素量(unit)に対する残存活性値を示し、数
値が小さい程、各クロマトグラフィー後のラムノガラク
ツロナーゼ回収画分に混在する酵素量が少ないことを示
す。また、結果からも明らかであるが、架橋ラムノガラ
クツロナンは、最もアラビノシダーゼ、ガラクトシダー
ゼ等の混在が少なく、且つラムノガラクツロナーゼを高
い収率で、高度に精製することが出来る。
【0050】実施例12 精製原料として、前例よりも純度の高い粗酵素液、即ち
ラムノガラクツロナーゼ5.6unit/mg, アラビノシダーゼ
2.1unit/mg, ガラクトシダーゼ0.6unit/mg, 及びペクチ
ナーゼ0.9unit/mgを含む粗酵素液を精製原料として実施
例11と同様にして実施した。
【0051】比較例4 クロマトグラフィーの担体としてDEAE-Toyopearlを用い
た以外、他は実施例12と同様にして実施した。 比較例5 クロマトグラフィーの担体としてCM-Toyopearlを用いた
以外、他は実施例12と同様にして実施した。 比較例6 クロマトグラフィーの担体としてヒドロキシルアパタイ
トを用いた以外、他は実施例12と同様にして実施した。 比較例7 クロマトグラフィーの担体としてButyl-Toyopearl を用
いた以外、他は実施例12と同様にして実施した。以上の
結果を以下に示す。
【0052】 ──────────────────────────────────── ラムノガラクツロナーゼ 酵素液中の残存活性(%) 回収率 精製の度合 アラビノ ガラクト ペクチ (%) (倍) シダーゼ シダーゼ ナーゼ ──────────────────────────────────── 実施例12 90.2 19.3 2.2 0.8 1.5 比較例4 72.8 1.3 70.4 65.3 70.6 比較例5 82.3 1.8 80.1 51.6 20.9 比較例6 80.1 1.6 20.1 10.8 12.6 比較例7 75.1 3.3 25.6 20.1 18.9 ────────────────────────────────────
【0053】アラビノシダーゼ、ガラクロシダーゼ、及
びペクチナーゼの残存活性は、実施例11に示した、クロ
マトグラフィーに供する前の酵素量(unit)に対する残存
活性値を示し、数値が小さい程、各クロマトグラフィー
後のラムノガラクツロナーゼ回収画分に混在する酵素量
が少ないことを示す。
【0054】また、いずれのクロマトグラフィーでも、
実施例11及び比較例1 〜4 に示した結果よりもラムノガ
ラクツロナーゼの回収率が良くなっている。また、本発
明の架橋ラムノガラクツロナンはラムノガラクツロナー
ゼを含む粗酵素液中の、アラビノシダーゼ、ガラクトシ
ダーゼ、及びペクチナーゼを精製することができるとい
う特性を有する。従って、本発明におけるアフィニティ
ークロマトグラフィーを、DEAE-ToyopearlあるいはCM-T
oyopearlといった、イオン交換クロマトグラフィーの後
に用いることにより、容易に且つ高純度にラムノガラク
ツロナーゼを精製することが可能である。
【0055】実施例13 市販の酵素製剤である、ペクチネックス・ウルトラSP-L
(Pectinex Ultra SP-L) を、酵素液中の糖質、塩類を除
去する目的で、HW-50Sゲル濾過クロマトグラフィーカラ
ムを用いてゲル濾過し、回収したラムノガラクツロナー
ゼ画分を粗酵素液として用いた。この粗酵素液を、DEAE
-Toyopearl及びCM-Toyopearlクロマトグラフィーにて処
理した後、最後に架橋大豆ラムノガラクツロナンを担体
として用いたアフィニティークロマトグラフィーに供
し、ラムノガラクツロナーゼを得た。
【0056】比較例8 実施例13において、架橋ラムノガラクツロナンを担体と
して用いたアフィニティークロマトグラフィーを用いず
に、実施例13と全く同じ粗酵素液を原料として、DEAE-T
oyopearl及びCM-Toyopearl、ヒドロキシルアパタイト、
Butyl-Toyopearl カラムに順次供し、ラムノガラクツロ
ナーゼを精製した。以下に実施例13及び比較例8 の結果
を示す。
【0057】 ──────────────────────────────────── 実施例11 比較例8 回収率, 純 度 回収率,純 度 (%) (倍) (%) (倍) ──────────────────────────────────── DEAE-Toyopearl 37.4 5.2 38.1 5.3 CM-Toyopearl 23.8 22.4 25.4 21.1 架橋ラムノガラクツロナン 20.5 156.2 ── ── ヒドロキシルアパタイト ── ── 18.4 30.4 Butyl-Toyopearl ── ── 9.6 94.1 ────────────────────────────────────
【0058】以上の結果、各々の最終段階を比較する
と、架橋大豆ラムノガラクツロナンを使うことにより、
ラムノガラクツロナーゼは20.5% という高い回収率で、
粗酵素液の156.2 倍に精製する事が出来た。一方、本発
明におけるアフィニティークロマトグラフィーを使わず
に、ラムノガラクツロナーゼを精製した場合、クロマト
グラフィー処理の回数が増える為に操作が繁雑になる
上、回収率が9.6%と低く、純度も94.1倍と、実施例11の
純度156.2 倍よりも低い値になった。
【0059】
【発明の効果】このように、本発明における架橋ペクチ
ン、或いは架橋ラムノガラクツロナンを担体として用い
たアフィニティークロマトグラフィーにより、ペクチナ
ーゼ、或いはヘミセルラーゼを数多く含む酵素製剤、或
いはAspergillus 属、Batillus属、もしくはErwinia 属
に属する微生物の培養液から高い回収率で高純度にラム
ノガラクツロナーゼを精製することができる。また、粗
酵素原料を前処理として酵素剤あるいは菌の培養液をイ
オン交換クロマトグラフィーに供し、最後に架橋ラムノ
ガラクツロナンに供する事により、簡単に高純度のラム
ノガラクツロナーゼを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例11、比較例2 、及び比較例3 に示した担
体を充填したカラムの平衡化のpHと、ラムノガラクツロ
ナーゼの回収率の関係を示した。pH3 〜6 は、10mM酢酸
緩衝液を用い、pH7 及び8 は10mMリン酸緩衝液を用いて
カラム平衡化した。ラムノガラクツロナーゼの回収率の
測定方法は実施例11の条件で行った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:125) (C12N 9/24 C12R 1:18) (72)発明者 永松 康徳 広島県東広島市西条町大字御薗宇字円上寺 6864

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラムノガラクツロナンを構成成分とするペ
    クチン質の架橋物、または遊離したラムノガラクツロナ
    ンの架橋物を担体として用いたアフィニティークロマト
    グラフィーを使用することを特徴とする、ラムノガラク
    ツロナーゼの精製方法。
  2. 【請求項2】ペクチン質が、柑橘類の果皮、リンゴの果
    皮、ニンジン、或いは、油糧種子の何れかに由来するも
    のである、請求項1 記載の精製方法。
  3. 【請求項3】油糧種子が大豆である、請求項2 に記載の
    精製方法。
  4. 【請求項4】ラムノガラクツロナーゼの産生由来が微生
    物、特に Aspergillus属, 好ましくは Aspergillus acu
    leatus、Batillus属, 好ましくは Batillussublilis、
    及び Erwinia属, 好ましくは Erwinia carotovora のグ
    ループに属する微生物の何れかである、請求項1 ないし
    3 の何れかに記載の精製方法。
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