JPH1037485A - コンクリート構造物の補強構造 - Google Patents

コンクリート構造物の補強構造

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JPH1037485A
JPH1037485A JP20907496A JP20907496A JPH1037485A JP H1037485 A JPH1037485 A JP H1037485A JP 20907496 A JP20907496 A JP 20907496A JP 20907496 A JP20907496 A JP 20907496A JP H1037485 A JPH1037485 A JP H1037485A
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concrete
wire mesh
reinforcing
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JP20907496A
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English (en)
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Yoshio Kondo
芳夫 近藤
Satoshi Kondo
訓 近藤
Yasuhide Kurata
保英 倉田
Toshio Hayashi
敏夫 林
Takuo Moriya
卓雄 森谷
Masaharu Saito
雅春 斎藤
Shigeru Matsuoka
茂 松岡
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Japan Steel Works Ltd
Tekken Corp
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
Tekken Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重量物を支持するコンクリート構造物の固定
側端部付近に弱点部を生じ、破壊を受け易い。 【解決手段】 コンクリート構造物1aの少なくとも固
定側端部の表面に複数層をなすように金網部材2を巻付
け、金網部材2の少なくとも終端部を固定手段4によつ
て固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート構造
物の補強構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】近時、地震による被害の軽
減のため、鉄道、道路等に敷設されている既設のコンク
リート柱に対して補強を行うことが提案されている。こ
の種の補強構造としては、例えば鋼板製の補強部材、繊
維強化プラスチック(FRP)板製の補強部材等を使用
するものが知られている。鋼板補強構造は、コンクリー
ト柱の外周を鋼板によつて筒状に覆うもので、既設のコ
ンクリート柱の降伏荷重、曲げ靱性及び剪断耐力の向上
を図ることができるとされている。
【0003】一方、FRP板補強構造は、複数枚のFR
P板をコンクリート柱の外周に密着させ、隣接するFR
P板同士を接合させる。隣接するFRP板同士は、例え
ばFRP板の接合面を加熱して溶融させ、この状態で押
し出し成形機からの溶融樹脂を供給し、溶着接合させ
る。その後、FRP板に形成した貫通孔からモルタルを
注入し、FRP板とコンクリート柱との間の間隙を埋め
ると共にFRP板とコンクリート柱とを接着する。この
FRP板補強構造によれば、既設のコンクリート柱の剪
断耐力及び曲げ靱性の向上を図ることができるとされて
いる。
【0004】しかしながら、このような従来のコンクリ
ート構造物の補強構造にあつては、重量物を支持するコ
ンクリート柱の固定側端部付近に弱点部を生じ、破壊を
受け易いという技術的課題を有している。すなわち、図
9に示す既設のコンクリート柱本体1aは、通常、鉄筋
コンクリート(RC)によつて製作され、主鉄筋1bの
周囲に帯鉄筋1cを巻き付けた構造を有する。
【0005】この種のコンクリート柱本体1aは、図8
に破線で示すように基礎10に立設されて床版11を支
持する状態で、地震による外力を受ける。具体的には、
上方からの軸力F1が作用する状態で、水平力F2が繰
り返し作用する。これにより、コンクリート柱本体1a
は、水平力F2の作用点付近とコンクリート柱本体1a
の基礎10との付根部分とを結ぶ線Aに沿つて剪断亀裂
を生じ、コンクリート柱本体1aのほぼ半分がずり落ち
つつ倒壊する。
【0006】そこで、コンクリート柱本体1aの外面に
鉄板、FRP板等からなる補強部材3を被覆させたコン
クリート柱1とすることが行なわれている。コンクリー
ト柱本体1aに補強部材3を被覆させることは、コンク
リート柱本体1aの剪断亀裂の防止に対して有効である
が、基礎10との付根部分つまり固定側端部付近に弱点
部を生じることを免れ得ない。この固定側端部付近の弱
点部では、図8に示す引張側で主鉄筋1bが降伏して破
断を生じると共に、圧縮側でコンクリートのひび割れか
ら圧壊に至り、主鉄筋1bが座屈する。更に、圧壊され
たコンクリート片の圧力によつて鉄板、FRP板等から
なる補強部材3の下端部に亀裂及びまくれを生じ、コン
クリート片が次々に外部に強く押し出され(符号Bで示
す)、新たなコンクリートの圧壊が促される。このよう
にして、コンクリート柱本体1aが早期に破壊を受ける
ことになる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は次の通りである。請求項1の発明の構成は、コンクリ
ート構造物1aの少なくとも固定側端部の表面に複数層
をなすように金網部材2を巻付け、金網部材2の少なく
とも終端部を固定手段4によつて固定することを特徴と
するコンクリート構造物の補強構造である。
【0008】請求項2の構成は、金網部材2が、コンク
リート構造物1aの固定側端部表面にのみ巻付けられ、
該金網部材2に隣接するコンクリート構造物1aに、該
金網部材2とは異なる種類の補強部材3を配置すること
を特徴とする請求項1のコンクリート構造物の補強構造
である。
【0009】請求項3の構成は、固定手段4が、積層さ
れた金網部材2同士を結合する接着剤によつて形成され
ていることを特徴とする請求項1又は2のコンクリート
構造物の補強構造である。
【0010】請求項4の構成は、金網部材2とは異なる
種類の補強部材3が、スプレーアップ及びハンドレイア
ップのいずれか一方によつてコンクリート構造物1aに
形成した繊維強化プラスチック層を有することを特徴と
する請求項2又は3のコンクリート構造物の補強構造で
ある。請求項5の構成は、金網部材2とは異なる種類の
補強部材3が、コンクリート構造物1aに巻付けたシー
ト部材5と、シート部材5を所定間隔にて締め付ける複
数のバンド部材6とを有することを特徴とする請求項2
又は3のコンクリート構造物の補強構造である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1〜図4は、本発明に係
るコンクリート構造物の補強構造の第1実施の形態を示
す。図中において符号1はコンクリート構造物であるコ
ンクリート柱を示し、高速道路、地下鉄を含む鉄道軌道
等に垂直に敷設されている既設のコンクリート柱本体1
aを主体とする。
【0012】すなわち、コンクリート柱1は、基礎10
に立設されて床版11を支持する既設のコンクリート柱
本体1aと、コンクリート柱本体1aの表面に巻付けた
金網部材2とからなる。既設のコンクリート柱本体1a
は、従来例と同様に鉄筋コンクリート(RC)によつて
製作され、図2に示すように主鉄筋1bの周囲に帯鉄筋
1cを巻き付けた構造を有する。図上ではコンクリート
柱本体1aは四角柱をなしているが、円柱等の形状をな
すものでもよい。
【0013】金網部材2は、コンクリート柱本体1aの
ほぼ全面に複数回巻付けて補強部材を形成させる。金網
部材2は、コンクリート柱本体1aの外周面に層をなす
ように複数回巻付けることにより、コンクリート柱本体
1a表面との間及び各層間の摩擦力によつて強固な結束
力が得られる。従つて、金網部材2の一体化を図る上
で、図2に示すように金網部材2の表面に露出する終端
部のみを固定手段4によつて内層の金網部材2又はコン
クリート柱本体1aに固定すれば十分であるが、巻付け
作業性を確保するために金網部材2の始端部を固定手段
4によつてコンクリート柱本体1aに固定した後にコン
クリート柱本体1aの表面に密着させて巻付け、金網部
材2の適宜の中間部を固定手段4によつて内層の金網部
材2又はコンクリート柱本体1aに固定しながらコンク
リート柱本体1aに巻付け、更に金網部材2の終端部を
固定手段4によつて内層の金網部材2又はコンクリート
柱本体1aに固定することもできる。ここで、固定手段
4としては、コンクリート柱本体1aに打ち込む各種の
ピンが使用できる他、積層された金網部材2同士を接着
剤(合成樹脂を含む)によつて固定することも可能であ
る。また、金網部材2の終端部の固定手段4としては、
別部材を使用することなく、金網部材2の線材を折り曲
げて内層の金網部材2に係止することもできる。
【0014】この金網部材2は、鋼板による補強と同様
に、既設のコンクリート柱本体1aの降伏荷重、曲げ靱
性及び剪断耐力の向上を図る目的に加え、コンクリート
柱本体1aの基礎10側の付根付近、つまり固定側端部
付近の補強をも図る目的を有する。このような目的か
ら、金網部材2は、線径が0.2〜0.4mm、メッシ
ュが10〜60の範囲が好適であり、通常の鋼の他、防
錆性を有するステンレススチール、銅、アルミニウム等
の材料を適宜に使用することができる。例えばSUS3
04ステンレススチールは、引張強さは200〜300
MPa程度であるが、破断伸びは20%以上であり、防
錆性をも有するので金網部材2の材料として好適であ
る。また、金網部材2の巻付け回数は、積層状態で5〜
15mm厚さとなる回数が適当であり、10〜40回程
度、好ましくは作業性をも考慮して15〜35回程度が
良好である。なお、メッシュは、1インチ(25.4c
m)の中の線数である。
【0015】次に作用について説明する。地震により、
コンクリート柱1に、床版11からの荷重として軸力F
1が作用した状態で水平力F2が繰り返し作用する。こ
れにより、コンクリート柱本体1aに、斜め破断(図8
に線Aで示す亀裂)を生じる傾向を呈する。しかしなが
ら、金網部材2による降伏荷重、曲げ靱性及び剪断耐力
の向上機能により、コンクリート柱本体1aの斜め破断
が抑制される。
【0016】一方、コンクリート柱本体1aの付根付近
となる固定側端部付近では、引張力と圧縮力とが繰り返
し作用する。そして、圧縮力の作用によつてコンクリー
ト柱本体1aのコンクリートにひび割れから圧壊を生ず
るに至る。圧壊によつて生じたコンクリート片は、金網
部材2によつて捕捉され、外部への洩れ出しが拘束され
る。その際、金網部材2が若干伸び、コンクリート片の
高圧縮状態が緩和される。このようにして、圧壊によつ
て生じたコンクリート片が、コンクリート柱本体1aの
固定側端面と基礎10との間に保持され、圧縮力に対す
る支持部材ないしは緩衝部材として機能することにな
り、コンクリート柱本体1aの圧壊の進行を効果的に抑
制する。
【0017】金網部材2の作用について詳述する。金網
部材2は、伸びに対する異方性を有し、縦・横の線材の
延在方向から傾斜方向には良好な伸び特性を示す。図3
に示すように縦線材4aと横線材4bとが直交する状態
の金網部材2に、両線材4a,4bに対する傾斜方向の
引張力が作用すれば、正方形をなす各メッシュの枡目が
図4に示すように菱形に変形して伸びる。菱形が潰れる
につれて両線材4a,4b自体の強さを示すことにな
る。従つて、軸方向及び水平方向から傾いた力がコンク
リート柱本体1aの付根部分に働くことにより、金網部
材2が鉄板よりも小さな力で変形し、かつ、次第に強度
を増すことになり、優れた補強効果が得られる。金網部
材2の伸びは、金網部材2同士及び金網部材2とコンク
リート柱本体1aとの間の摩擦力によつて抑制されなが
ら生じる。
【0018】コンクリート柱本体1aのコンクリートの
圧壊及び主鉄筋1bの座屈傾向に伴う金網部材2の内圧
の上昇は、金網部材2によつて区画される容積が若干増
すことによつて容易に緩和されるので、金網部材2の強
度が小さくても少し伸びることで金網部材2に掛かる応
力は大幅に減少する。従つて、コンクリート柱本体1a
の固定側端部付近の補強を図る金網部材2には、引張強
度よりも大きな伸びが求められる。このため、破断伸び
特性に優れる上記SUS304ステンレススチールが、
金網部材2の材料として適当であると共に、金網部材2
の各線材4a,4bの配置方向及び締め付け強さは、圧
壊によつて生じたコンクリート片の保持力を考慮しなが
ら決定すべきものである。
【0019】このような金網部材2の伸びを伴う保持作
用により、コンクリート柱本体1aの固定側端部付近の
圧縮力が作用する箇所の主鉄筋1bの座屈及び帯鉄筋1
cの剪断を伴う早期降伏が抑制されると共に、コンクリ
ート柱本体1aの傾倒に起因して引張力が作用する固定
側端部付近の主鉄筋1bが降伏する現象及び帯鉄筋1c
の剪断を伴う早期降伏も抑制される。その結果、コンク
リート柱本体1aの固定側端部付近の破壊に起因する床
版11側の損壊が良好に抑制される。勿論、金網部材2
は、その剛性によつてコンクリート柱本体1aの付根部
分の曲げを抑制する作用も有する。
【0020】なお、金網部材2に溶融樹脂を含浸させ、
金網部材2の各層相互の固定を図ると共に、金網部材2
の外表面を樹脂によつて被覆し、見栄えを向上させつつ
金網部材2の防錆膜を形成することもできる。その場
合、金網部材2をコンクリート柱1の上に所定回数(3
〜10回)巻付けた後に溶融樹脂を含浸させ、その後、
全体を治具によつて締め付けて固化させ、このような層
を複数(3〜6層)形成すればよい。
【0021】図5は、本発明に係るコンクリート構造物
の補強構造の第2実施の形態を示し、第1実施の形態と
実質的に同一機能部分には同一符号を付してそれらの説
明は省略する。
【0022】第2実施の形態にあつては、金網部材2は
コンクリート柱本体1aの固定側端部付近にのみ巻付
け、第1実施の形態と同様の固定手段4によつて金網部
材2の少なくとも終端部を固定すると共に、金網部材2
よりも上方のコンクリート柱本体1aには、金網部材2
とは異なる種類の補強部材3を被覆させる。この補強部
材3としては、鋼板、炭素繊維シート、FRP層、FR
P板等がある。補強部材3としてのFRP層は、スプレ
ーアップ及びハンドレイアップの内のいずれか一方によ
り、コンクリート構造物1aに被覆形成すればよい。ス
プレーアップによる補強部材3は、コンクリート構造物
1aに、樹脂及びチョップトスランド強化材をスプレー
ガンによつて同時に吹き付けて被覆形成する。また、ハ
ンドレイアップによる補強部材3は、コンクリート構造
物1aに、強化材を手作業で巻付けた後、樹脂を含浸さ
せて被覆形成する。なお、金網部材2の高さ方向の幅
は、少なくとも150mm以上必要であり、200mm
以上が好ましい。
【0023】第2実施の形態によれば、地震により、金
網部材2及び補強部材3を形成したコンクリート柱本体
1aに、床版11からの荷重として軸力F1が作用した
状態で水平力F2が繰り返し作用する。これにより、コ
ンクリート柱本体1aに、斜め破断(図8に線Aで示す
亀裂)を生じる傾向を呈する。しかしながら、主として
補強部材3の機能により、コンクリート柱本体1aの斜
め破断が良好に抑制される。
【0024】一方、コンクリート柱本体1aの固定側端
部付近では、引張力と圧縮力とが繰り返し作用する。そ
して、圧縮力の作用によつてコンクリート柱本体1aの
コンクリートにひび割れから圧壊を生ずるに至る。圧壊
によつて生じたコンクリート片は、金網部材2に捕捉さ
れ、外部への洩れ出しが拘束される。このため、圧壊に
よつて生じたコンクリート片が圧縮力の作用に対する支
持部材ないしは緩衝部材として機能することになり、コ
ンクリートの圧壊の進行を抑制する。その結果、コンク
リート柱本体1aの固定側端部付近の破壊に起因する床
版11側の損壊の抑制作用に関し、第1実施の形態とほ
ぼ同様の作用を得ることができる。
【0025】なお、金網部材2に溶融樹脂を含浸させ
て、金網部材2の各層相互の固定を図ると共に、金網部
材2を樹脂によつて被覆し、見栄えの向上及び金網部材
2の防錆膜を形成することができることは、第1実施の
形態と同様である。また、金網部材2と補強部材3との
間を密着させず、この間に若干(10mm程度)の間隔
を設けることも可能である。この金網部材2と補強部材
3との間に間隔を設けた場合には、金網部材2内のコン
クリート柱本体1aに生じたコンクリートの破壊が補強
部材3に達することによつて進行が阻止され、また、補
強部材3内のコンクリート柱本体1aに生じたコンクリ
ートの破壊が金網部材2に達することによつて進行が阻
止される。
【0026】
【実施例】実際に400mm角のコンクリート柱本体1
aを製作し、付根から20mmの位置から150mmの
幅でSUS304ステンレススチール製の金網(線径
0.29mm、40メッシュ)を7回巻いて1層とし、
1層毎に治具で締め付けると共に樹脂で固め、これを繰
り返して4層を形成し、厚さ約12mmの金網部材2と
した。また、金網部材2より上方には、10mmの補強
をしない縁切り部分を介して厚さ約8mmのFRP層か
らなる補強部材3を形成したコンクリート柱1を製作し
た。このコンクリート柱1を図6に示す。
【0027】このコンクリート柱1に床版11からの荷
重として軸力F1(面圧10kgf/cm2 )が作用し
た状態で水平力F2を繰り返し作用させる交番載荷試験
を行なつた。水平力F2を加えて付根部分の主鉄筋1b
に1700μmの歪みが観測されたときの水平荷重点変
位を1δとし、この1δの変位で3往復交番載荷した。
次いで、4〜6往復では2δの変位を加え、7〜9往復
では3δの変位を加え、同様に変位を次第に増加させ
た。
【0028】その結果、9δの変位を加えた1往復目に
コンクリート柱本体1aの付根部分の角部にコンクリー
トの割れを生じ、その後の載荷で亀裂が極わずかづつ進
展し、10δの変位を加えた1往復目に補強部材3が破
断した。かくして、コンクリート柱1に靱性率10に相
当する10δの許容変位が確保された。
【0029】試験後のコンクリート柱1を観察したとこ
ろ、金網部材2の外観には全く変化が見られず、図6に
示すように金網部材2よりも下方の付根でコンクリート
柱本体1aが折れ、更に金網部材2よりも上方の補強部
材3との間の縁切り部分付近でもコンクリート柱本体1
aが折れ、この部分E付近の主鉄筋1bの座屈及び補強
部材3の破断を生じた。Cは金網部材2に生じたまくれ
部分を示し、Dは補強部材3に生じたまくれ部分を示
す。この金網部材2よりも上方の補強部材3との間の縁
切り部分付近でコンクリート柱本体1aが折れた現象
は、金網部材2の剛性により、金網部材2による補強部
分のコンクリート柱本体1aの曲げが抑制されると共
に、金網部材2によつて圧壊されたコンクリート片の洩
れ出しが抑制され、縁切り部分付近でコンクリートの圧
壊が生じた結果であると推定される。
【0030】同様のコンクリート柱1に対し、8倍の軸
力F1(面圧80kgf/cm2 )を作用させて同様の
試験を行なつた。この試験の結果、靱性率8が得られ
た。上記の試験から、金網部材2の幅(150mm)を
増加すれば、金網部材2の剛性によつて補強部分のコン
クリート柱本体1aの曲げが抑制される作用、及び、金
網部材2によつて圧壊されたコンクリート片の洩れ出し
が抑制される作用が共に向上するため、金網部材2より
も上方のコンクリート柱1に作用する曲げモーメントが
減少し、補強部材3の破壊が遅れ、結果として見掛けの
靱性率を上げることが可能となると推定された。
【0031】図7には補強部材3の他の構造例を示す。
この構造例に係る補強部材3は、金網部材2よりも上方
のコンクリート柱本体1aに巻付けたシート部材5と、
上下方向の所定間隔で複数配置され、シート部材5を締
結するバンド部材6とを有する。シート部材5は、例え
ばゴム膜によつて形成される。バンド部材6の間隔は、
等間隔にする必要はなく、上方に行くほど次第に大きな
間隔に設定してもよい。
【0032】この補強部材3によれば、金網部材2の巻
付けに関しては第2実施の形態と同様であるが、シート
部材5及びバンド部材6の施工作業性に優れる。特に、
バンド部材6として荷作り用のスチールバンドを使用す
ることにより、締め付け作業性が著しく向上する。な
お、金網部材2を固定する固定手段4としてバンド部材
6を使用することも可能である。
【0033】ところで、上記の第1,第2実施の形態に
あつてはコンクリート構造物として既設のコンクリート
柱本体1aについて説明したが、金網部材2の巻付け可
能なコンクリート構造物(例えば電柱)に対して広く補
強構造を適用することが可能である。
【0034】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係るコンクリート構造物の補強構造によれば、
金網部材の剛性及び伸びを伴う保持作用により、コンク
リート構造物の固定側端部付近の補強が良好になされ
る。特に、コンクリート構造物の固定側端部付近の圧縮
力が作用する箇所でのコンクリートの破壊が抑制される
と共に、コンクリート構造物の傾倒に起因して引張力が
作用する固定側端部付近の破壊も抑制される。その結
果、コンクリート構造物の固定側端部付近の破壊に起因
して、コンクリート構造物による支持箇所に損壊を受け
ることが良好に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施の形態に係るコンクリート
柱の補強構造を一部省略して示す図。
【図2】 同じくコンクリート柱の半部を示す断面図。
【図3】 同じく金網を示す図。
【図4】 同じく金網の作用説明図。
【図5】 本発明の第2実施の形態に係るコンクリート
柱の補強構造を一部省略して示す図。
【図6】 同じく試験結果を示す模式図。
【図7】 同じく他の構造例に係る補強部材を備えるコ
ンクリート柱の補強構造を一部省略して示す図。
【図8】 従来のコンクリート柱を示す模式図。
【図9】 同じくコンクリート柱を示す断面図。
【符号の説明】
1:コンクリート柱、1a:コンクリート柱本体(コン
クリート構造物)、2:金網部材、3:補強部材、4:
固定手段、5:シート部材、6:バンド部材。
フロントページの続き (72)発明者 倉田 保英 東京都府中市日鋼町1番地1 株式会社日 本製鋼所内 (72)発明者 林 敏夫 東京都千代田区三崎町2丁目5番3号 鉄 建建設株式会社内 (72)発明者 森谷 卓雄 東京都千代田区三崎町2丁目5番3号 鉄 建建設株式会社内 (72)発明者 斎藤 雅春 東京都千代田区三崎町2丁目5番3号 鉄 建建設株式会社内 (72)発明者 松岡 茂 東京都千代田区三崎町2丁目5番3号 鉄 建建設株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート構造物(1a)の少なくと
    も固定側端部の表面に複数層をなすように金網部材
    (2)を巻付け、金網部材(2)の少なくとも終端部を
    固定手段(4)によつて固定することを特徴とするコン
    クリート構造物の補強構造。
  2. 【請求項2】 金網部材(2)が、コンクリート構造物
    (1a)の固定側端部表面にのみ巻付けられ、該金網部
    材(2)に隣接するコンクリート構造物(1a)に、該
    金網部材(2)とは異なる種類の補強部材(3)を配置
    することを特徴とする請求項1のコンクリート構造物の
    補強構造。
  3. 【請求項3】 固定手段(4)が、積層された金網部材
    (2)同士を結合する接着剤によつて形成されているこ
    とを特徴とする請求項1又は2のコンクリート構造物の
    補強構造。
  4. 【請求項4】 金網部材(2)とは異なる種類の補強部
    材(3)が、スプレーアップ及びハンドレイアップのい
    ずれか一方によつてコンクリート構造物(1a)に形成
    した繊維強化プラスチック層を有することを特徴とする
    請求項2又は3のコンクリート構造物の補強構造。
  5. 【請求項5】 金網部材(2)とは異なる種類の補強部
    材(3)が、コンクリート構造物(1a)に巻付けたシ
    ート部材(5)と、シート部材(5)を所定間隔にて締
    め付ける複数のバンド部材(6)とを有することを特徴
    とする請求項2又は3のコンクリート構造物の補強構
    造。
JP20907496A 1996-07-20 1996-07-20 コンクリート構造物の補強構造 Withdrawn JPH1037485A (ja)

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JP20907496A JPH1037485A (ja) 1996-07-20 1996-07-20 コンクリート構造物の補強構造

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008069606A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Nippon Steel Corp 断面h形鋼材の補強構造および補強方法
JP2020012252A (ja) * 2018-07-13 2020-01-23 清水建設株式会社 コンクリート柱

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