JPH1044747A - 温水式暖房装置 - Google Patents

温水式暖房装置

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JPH1044747A
JPH1044747A JP20059196A JP20059196A JPH1044747A JP H1044747 A JPH1044747 A JP H1044747A JP 20059196 A JP20059196 A JP 20059196A JP 20059196 A JP20059196 A JP 20059196A JP H1044747 A JPH1044747 A JP H1044747A
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伊藤  公一
Yoshihiko Okumura
奥村  佳彦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン回転変動による熱交換器吹出空気温
度の変動を抑制する。 【解決手段】 エンジン1からの温水により空気を加熱
する暖房用熱交換器3と、この暖房用熱交換器3をバイ
パスして温水を流すバイパス回路5と、エンジン1から
の温水圧力上昇に応じてバイパス回路5の開度を増大す
る圧力応動弁6と、エンジン1から暖房用熱交換器3に
供給される温水流量を制御するとともに、エンジン1か
らの温水を暖房用熱交換器3側とバイパス回路5側とに
切り替える3方弁タイプの流量制御弁4とを備える。こ
の流量制御弁4にエンジン1からの温水を供給する温水
入口パイプ19の断面積S1に対して、流量制御弁4の
弁体13内の制御流路170および圧力応動弁6の弁体
30の絞り部を経路して流れるバイパス回路5側温水の
最小通水面積SOを75%以上の大きさとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は温水流量を制御する
流量制御装置を備えた温水式暖房装置に関するもので、
自動車用温水式暖房装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、温水式暖房装置を含む自動車用空
調装置の吹出空気の温度制御方式として、暖房用熱交換
器への温水流量を制御して、吹出空気温度を制御する方
式のものが知られている。ところで、自動車用空調装置
においては、上記暖房用熱交換器を含む温水回路に、温
水(エンジン冷却水)を循環させる手段として、走行用
エンジンで駆動されるウオータポンプを使用しているの
で、エンジン回転数の変動とともにウオータポンプの回
転数も変動して、暖房用熱交換器への温水圧力が大きく
変動する。
【0003】この温水圧力の変動は、熱交換器への温水
流量を変動させるので、熱交換器吹出空気温度を変動さ
せる要因となる。そこで、本発明者らは、先に、特開平
8−72529号公報等において、熱交換器吹出空気温
度の変動を抑制する温水式暖房装置を提案している。こ
の従来の装置は、水冷式の走行用エンジンから供給され
る温水と空気とを熱交換して空気を加熱する暖房用熱交
換器と、エンジンから暖房用熱交換器に供給される温水
流量を制御するための流量制御弁と、暖房用熱交換器を
バイパスして温水を流すバイパス回路とを備えている。
【0004】そして、このバイパス回路に、エンジンか
ら供給される温水の圧力上昇に応じて、バイパス回路の
開度を増大する圧力応動弁を設け、この圧力応動弁によ
り暖房用熱交換器前後の差圧の上昇(熱交換器への温水
流量の増加)を抑制して、熱交換器吹出空気温度の変動
を抑制するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置について、本発明者らが実際に試作して、実験
検討したところ、圧力応動弁を設けるだけでは、温水圧
力変動(エンジン回転数変動)に起因する熱交換器吹出
空気温度の変動幅を十分低減することができず、実用化
を図る上での障害となることが判明した。
【0006】そこで、本発明は上記点に鑑みて、バイパ
ス回路に温水の圧力上昇に応じて開度を増大する圧力応
動弁を設けた温水式暖房装置において、温水圧力変動に
起因する熱交換器吹出空気温度の変動低減効果を高める
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】図7は上記従来の装置に
基づいて具体化した流量制御装置の比較品であり、この
比較品では、図9に示すように、圧力応動弁の弁体が最
大限リフトしても(最大開度になっても)、流量制御弁
の全開度にわたって、エンジン回転数:6000rpm
における熱交換器吹出空気温度をアイドル時の値まで引
き下げることができず、熱交換器吹出空気温度が変動し
てしまう。
【0008】この吹出空気温度の変動は、バイパス回路
側の通水面積が小さくて、エンジン回転数が6000r
pmのごとき高回転になったとき、この回転上昇、すな
わち、温水圧力上昇に見合ったバイパス流量をバイパス
回路側へ逃がすことができないことに起因していること
が図9の実験を通じて分かった。そこで、本発明は、温
水圧力上昇に見合ったバイパス流量をバイパス回路側へ
逃がすことが可能となる通水面積について、種々実験検
討した結果、バイパス回路(5)側の最小通水面積(S
O)を、流量制御弁(4)の温水入口(19)の断面積
(S1)の75%以上に設定することにより、吹出空気
温度の変動を効果的に低減できることを見い出した。
【0009】このようなバイパス回路側の最小通水面積
の設定により、上記目的を達成できるのである。なお、
図9、および本発明の実施形態品のデータを示す図10
の実験の詳細については、後述の実施形態の中で述べ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】図1〜図6は本発明の一実施形態
を示すもので、本発明を自動車用空調装置の温水式暖房
装置に適用した例を示す。図1は温水回路を示すもの
で、1は自動車走行用の水冷式エンジン、2はエンジン
1により駆動されるウオータポンプで、エンジン1の冷
却水回路(温水回路)に水を循環させるものである。3
はエンジン1から供給される温水と送風空気とを熱交換
して、送風空気を加熱する暖房用熱交換器(ヒータコ
ア)、4は流量制御弁で、温水出入口を3つ有する三方
弁タイプのものである。
【0011】5は暖房用熱交換器3と並列に設けられた
バイパス路、6は定差圧弁(圧力応動弁)であり、その
前後の差圧が予め定めた所定値に達すると開弁するもの
であって、エンジン1の回転数変動によりウオータポン
プ2の回転数が変動しても、暖房用熱交換器3の前後差
圧を一定に近づける役割を果たすものである。7は温度
センサで、熱交換器3が設置される自動車用空調装置の
通風ダクト(ヒータケース)8内において、熱交換器3
の空気下流側で、かつ車室内への各種吹出口(図示せ
ず)の分岐点直前の部位に設置される。この温度センサ
7は、サーミスタよりなり、車室内に吹き出す温風温度
を検出するものである。
【0012】前記吹出口としては、周知のごとく車室内
の乗員顔部に向けて空気を吹き出すフェイス吹出口、自
動車前面窓ガラスに空気を吹き出して窓ガラスの曇りを
除去するデフロスタ吹出口、乗員の足元に空気を吹き出
すフット吹出口等が設けられている。9は車室内温度制
御の目標温度(乗員の希望温度)を設定するための温度
設定器で、乗員により手動操作可能なスイッチ、あるい
は可変抵抗器等よりなる。10は外気温度、温水温度、
日射量等の車室内温度制御に関係する環境因子の物理量
を検出するセンサ群である。11はこれらのセンサ7、
10及び温度設定器9等からの入力信号に基づいて温度
制御信号を出力する空調制御装置で、マイクロコンピュ
ータ等よりなる。
【0013】12はこの空調制御装置11からの温度制
御信号により制御されるサーボモータで、流量制御弁4
の弁体13を回転駆動するための弁体作動手段を構成す
る。ここで、弁体作動手段としては、サーボモータ12
のような空調制御装置11により制御される電気的アク
チュエータに限らず、周知のレバー、ワイヤ等を用いた
手動操作機構であってもよい。
【0014】上記弁体13は本例では樹脂材料にて円柱
状形状に成形され、やはり樹脂にて円筒状に成形された
弁ハウジング14内に回動可能に配置され、収納されて
いる。従って、弁体13は回動可能なロータとして構成
されている。上記弁ハウジング14には、エンジン1か
らの温水が流入する温水入口パイプ19、この温水入口
パイプ19から流入した温水を熱交換器3に向けて流出
させる温水出口パイプ20、及び熱交換器3のバイパス
回路5に向けて温水を流出させるバイパス出口パイプ2
1が一体成形されている。
【0015】円柱状の弁体13には、上記各パイプ1
9、20、21の開口面積を所定の相関関係を持って調
整する制御流路170が形成されている。また、弁体1
3を回動操作するためのシャフト13a(後述の図3参
照)は弁ハウジング14の外部に突出するようになって
おり、そして、前記したサーボモータ12のような電気
的アクチュエータ、またはレバー、ワイヤ等を用いた手
動操作機構に連結され、これらの機器により弁体13を
回動操作できるようにしてある。
【0016】なお、流量制御弁4により熱交換器3への
温水流量を微少流量に制御する微少能力時(例えば、弁
開度30°以下、本例では弁開度は最大95°に設定)
には、温水入口パイプ19の開口面積及び温水出口パイ
プ20の開口面積を双方とも絞っている2段絞りの状態
(図1の微少能力時はその2段絞りの状態を模式的に示
す)になっており、かつ温水入口パイプ19と温水出口
パイプ20の絞り部の中間(図1のア部)はほぼ全開状
態にあるバイパス出口パイプ21によって十分大きな開
口面積でバイパス回路5に連通しているので、暖房用熱
交換器3前後の差圧を十分小さくできる。
【0017】上記した図1では、温水回路を理解し易い
ようにするために、流量制御弁4に対して定差圧弁6を
別体として図示しているが、実際には、流量制御弁4に
バイパス路5および定差圧弁6が一体化されている。次
に、この一体化構造を図2、図3に基づいて具体的に説
明する。図2、図3において、流量制御弁4の弁体13
は樹脂材料にて円柱状の形状に成形され、弁ハウジング
14もやはり樹脂にて成形されている。弁ハウジング1
4は第1収納部14aを有しており、この第1収納部1
4aは図2の紙面垂直方向に略筒状に延びるように成形
されている。この第1収納部14a内に円柱状の弁体1
3が回動可能に配置され、収納されている。
【0018】また、弁ハウジング14には、第1収納部
14aに隣接して、定差圧弁6を収納する第2収納部1
4bが一体成形されている。そして、これら第1、第2
収納部14a、14bの上部開口端部には、図3に示す
樹脂製の蓋板14cがねじ(図示せず)等により脱着可
能に取付られており、この蓋板14cにより第1、第2
収納部14a、14bの上部開口端部が密封されてい
る。
【0019】上記弁ハウジング14のうち、第1収納部
14aには、エンジン1からの温水が流入する第1温水
入口パイプ19、この温水入口パイプ19から流入した
温水を熱交換器3に向けて流出させる第1温水出口パイ
プ20、及び熱交換器3のバイパス回路5に向けて温水
を流出させるバイパス用開口21が一体成形されてい
る。
【0020】ここで、本例では、第1収納部14aの円
周面に第1温水入口パイプ19とバイパス用開口21と
を、略直交する位置関係で配置するとともに、第1温水
出口パイプ20は、第1収納部14aの軸方向の一端面
(図3の底面側)に配置してある。さらに、第2収納部
14bには、熱交換器3から流出した戻り温水が流入す
る第2温水入口パイプ26及びエンジン1に温水を戻す
第2温水出口パイプ28が一体成形されている。従っ
て、熱交換器3のバイパス回路5は第2収納部14b内
に形成されることになる。
【0021】定差圧弁6は、バイパス用開口21を開閉
する弁体30を有し、この弁体30には、コイルスプリ
ング(ばね手段)32のばね力が閉弁方向(図2の下
方)に作用している。このコイルスプリング32の上端
部は座板27により支持されており、この座板27は、
スプリング力により第2収納部14bの内壁面に圧着し
ている。この座板27の中心部には円筒部27aが形成
されており、この円筒部27aには弁体30と一体の軸
部31の上端部が摺動可能に嵌合して、弁体30の上下
動を案内する。
【0022】そして、弁体30前後の差圧、すなわち、
バイパス用開口21と第2温水入口パイプ26との温水
差圧が所定値に達すると、スプリング32のばね力に抗
して弁体30が図5の上方へリフトして弁座33から開
離し、弁体30が開弁するようになっている。円柱状の
弁体13の軸方向端部には、弁体13を回動操作するた
めのシャフト13aが一体に成形されている。このシャ
フト13aは蓋板14cを貫通して弁ハウジング14の
外部に突出している。このシャフト13aの外部への突
出端部に扇形ギヤ13bの回転中心部を一体に連結し、
この扇形ギヤ13bの外周部のギヤ面13cに、サーボ
モータ12により回転駆動される減速ギヤ(図示せず)
が噛み合い、サーボモータ12の回転動力が扇形ギヤ1
3bを介してシャフト13aに伝達されるようになって
いる。
【0023】40、41、42はゴム等の弾性材からな
るシール部材で、その全体形状は図4に示すように矩形
状に成形されており、その中央部に穴部40a、41
a、42aを有している。これらのシール部材のうち、
シール部材40、42は弁体13の外周面と弁ハウジン
グ14の第1収納部14aの内周面との間に配置されて
おり、また、シール部材41は、弁体13と第1収納部
14aの相互の軸方向の一端面間に配置されている。
【0024】このシール部材40、41、42は弁体1
3の制御流路170を介することなく、直接パイプ1
9、20、バイパス用開口21間で温水が流通してしま
うことを防ぐとともに、上記穴部40a、41a、42
aと弁体13の制御流路170との連通形状により温水
流路の絞りを構成するものである。本実施形態では、上
記弁体13の開度(弁体回転角)に応じて、制御流路1
70により図5に示す所定の相関関係を持って各パイプ
19、20、バイパス用開口21の開口面積A1、A
2、A3を制御するように構成してある。ここで、A1
は第1温水入口パイプ19の開口面積であり、A2は第
1温水出口パイプ20の開口面積であり、A3はバイパ
ス用開口21の開口面積である。
【0025】この図5に示す相関関係を実現するため
に、上記弁体13の制御流路170とシール部材40、
41、42の穴部40a、41a、42aの具体的形状
は図6に示すごとく設定されている。図6(a)は図3
の矢印B方向からみたシール部材41の穴部41aと制
御流路170の開口形状を示し、図6(b)は弁体13
の円周面の展開形状を示し、図6(c)は弁体13の軸
方向中央位置における断面形状を示している。そして、
図6では、弁体開度を0°から95°までの9段階に変
化させた場合における、制御流路170と各穴部40
a、41a、42aとの連通状態の変化を示している。
【0026】図6(b)、(c)および図2に示すよう
に、弁体13の円周面には、制御流路170の入口側開
口部171、171aおよびバイパス側開口部172を
配置し、この入口側開口部171、171aおよびバイ
パス側開口部172により温水入口パイプ19及びバイ
パス用開口21の開口面積A1、A3を調整する。この
入口側開口部171、171aは、シール部材40の円
形の穴部40a(図4参照)との連通形状を変化させる
ものであって、入口側開口部171は図示のごとき嘴形
状であり、弁体開度が30°を超えると嘴形状の先端部
分から穴部40aに連通するようになっている。また、
入口側開口部171aはφ2相当の円形の穴形状であ
り、弁体開度が0の時(暖房停止時)にも穴部40aに
連通するようになっている。この入口側開口部171a
は弁体開度が40°を超えると、穴部40aとの連通を
遮断する。
【0027】また、バイパス側開口部172は長方形の
一辺を円弧状にした形状であり、一方、このバイパス側
開口部172が連通するシール部材42の穴部42aは
円形の一部に凹部を形成した形状になっており、この穴
部42aの凹部は、弁体開度が最大暖房能力位置の開度
(95°)およびその近傍になったとき、入口側開口部
171aと穴部42aとの連通を防止するためのもので
ある。
【0028】また、弁体13の軸方向の一端面には、制
御流路170の出口側開口部として2個の開口部17
3、173a(図6(a)、図2参照)を配置し、この
出口側開口部173、173aにより温水出口パイプ2
0の開口面積A2を調整する。この出口側開口部17
3、173aはシール部材41の穴部41aとの連通形
状を変化させるものであって、この穴部41aは、図
4、図6(a)に示すように、弁体13の回動中心を通
過する細長形状であり、弁体13の回動中心部位は一段
と細くした形状にしてある。
【0029】一方、弁体13の出口側開口部173、1
73aは、弁体13の最大冷房位置(弁体開度=0°)
において、前記穴部41aを中間に挟むように配置され
ている。そして、この2個の出口側開口部173、17
3aのうち、1つの開口部173のみに、弁体13が微
小流量制御域の回動位置(例えば弁体開度=40°以下
の開度位置)にあるとき、穴部24aと連通する微小開
口部173′を形成している。
【0030】以上の説明から理解されるように、弁体1
3の入口側開口部171、171aとシール部材40の
穴部40aとにより、温水入口パイプ19からの温水の
絞り部を形成し、弁体13の出口側開口部173、17
3aとシール部材41の穴部41aとにより、温水出口
パイプ20への温水の絞り部を形成し、弁体13のバイ
パス側開口部172とシール部材42の穴部42aとに
より、バイパス用開口21への絞り部を形成している。
図4、5において、符号A1〜A3はこの各絞り部の開
口面積を示す。
【0031】なお、図2、3において、暖房用熱交換器
3は、その下方部に温水の入口側タンク3aを有し、そ
の上方部に温水の出口側タンク3bを有しており、そし
てこの上下の両タンク3a、3bの間に、多数の並列配
置された偏平チューブとコルゲートフィンとからなるコ
アー部3cが形成されている。ここで、コアー部3cは
入口側タンク3aから出口側タンク3bへの一方向のみ
に温水が流れる一方向流れ(全パス)タイプとして構成
されている。
【0032】なお、図示しないが、本発明による流量制
御弁4、定差圧弁6及びサーボモータ12を熱交換器3
に予め一体化しておいて、その後にこれらの一体構造物
を通風ダクト(ヒータケース)8に対して組み付けるよ
うにして、組付性の向上、熱交換器部分の形状の小型化
を図ってもよい。次に、上記構成において作動を説明す
る。最大暖房能力時には、流量制御弁4の弁体13がサ
ーボモータ12または手動操作機構により最大開度の位
置(例えば、弁開度:95°の位置)まで回動される。
【0033】これにより、弁体13の制御流路170の
入口側開口部171が温水入口パイプ19のシール部材
40の穴部40aと最大面積で重畳するとともに、制御
流路170の出口側開口部173、173aが温水出口
パイプ20のシール部材41の穴部41aと最大面積で
重畳し、この両パイプ19、20を全開する。一方、制
御流路170のバイパス側側開口部172はバイパス用
開口21のシール部材42の穴部42aと連通しないの
で、バイパス用開口21は全閉状態となる。
【0034】その結果、エンジン1からの温水は最大流
量で熱交換器3側に流入して、バイパス回路5には温水
が流れない。これにより、熱交換器3は最大暖房能力を
発揮できる。次に、最大冷房時(自動車用空調装置に冷
房機能が装備されていないときは、送風のみの暖房停止
時となる)には、流量制御弁4の弁体13がサーボモー
タ12または手動操作機構により開度零の位置(具体的
には図5、6の弁体開度:0°の位置)まで回動され
る。この開度零の位置では、弁体13の制御流路170
のバイパス側側開口部172の大部分がバイパス用開口
21のシール部材42の穴部42aと重畳してこのバイ
パス用開口21を開口する。また、制御流路170の出
口側開口部173、173aが温水出口パイプ20のシ
ール部材41の穴部41aと連通せず,温水出口パイプ
20を全閉する。
【0035】一方、制御流路170の入口側開口部17
1、171aにおいては、図6(b)の最上部に示すよ
うに、入口側開口部171aのみが温水入口パイプ19
のシール部材40の穴部40aと重畳して連通する。こ
れにより、温水入口パイプ19を全閉とせず、入口側開
口部171aによりφ2丸穴相当の最小開口面積を設定
する。
【0036】上記の弁体位置により、温水入口パイプ1
9からバイパス用開口21への温水の流れを継続できる
ので、温水の流れの急遮断によるウオータハンマ現象の
音の発生を防止できるとともに、φ2丸穴相当以上の開
口面積の確保により流水音の発生も防止できる。また、
温水回路中の鋳砂は通常、φ1以下の微小物であるの
で、上記大きさの最小開口を設定することにより、鋳砂
等の異物による流量制御弁流路の閉塞を十分防止でき
る。
【0037】次に、微少能力時には、弁体13が図5の
弁体開度30°以下の位置に回動されるので、制御流路
170の入口側開口部171aと出口側開口部173の
微小開口部173′が温水入口パイプ19及び温水出口
パイプ20の双方の穴部40a、41aに対して小面積
で重畳し、温水入口パイプ19の開口面積A1及び温水
出口パイプ20の開口面積A2を双方とも絞っている2
段絞りの状態(図1の微少能力時はその2段絞りの状態
を模式的に示す)となり、かつ温水入口パイプ19と温
水出口パイプ20の絞り部の中間部(図1のア部)は全
開状態にあるバイパス用開口21によって十分大きな開
口面積A3でバイパス回路5に連通しているので、この
中間部アの圧力を下げることができる。
【0038】その結果、暖房用熱交換器3前後の差圧を
十分小さくできるので、弁開度(弁体回転角)の変化に
対する温水流量の変化(最終的には車室内への吹出空気
温度の変化)を、特別小さな開口面積を必要とせずに、
緩やかすることができる。すなわち、吹出空気温度の制
御ゲインを低減できる。この制御ゲインの低減により、
車室内への吹出空気温度をきめ細かく制御できるととも
に、温水入口パイプ19及び温水出口パイプ20の開口
面積を特別小さな開口面積に設定する必要がなくなるた
め、鋳砂等の異物による流量制御弁流路の閉塞を十分防
止できる。
【0039】次に、中間能力時においては、弁体13が
図5の弁体開度30°〜60°の回動範囲にわたって、
回動され、この弁体回動範囲では、温水入口側絞り部開
口面積A1および温水出口側絞り部開口面積A2がほぼ
同等の大きさで増加するとともに、バイパス側絞り部開
口面積A3が次第に減少する。これにより、暖房用熱交
換器3への温水流量を増加させて、吹出空気温度を次第
に高める。
【0040】このような弁体回動位置においても、上記
2段絞りにより、同様に制御ゲインを低減して、車室内
への吹出空気温度をきめ細かく制御できる。また、絞り
部開口面積の増加により、鋳砂等の異物による流路閉塞
の恐れがなくなるので、この状態では、温水入口側の絞
り部開口面積A1と温水出口側の絞り部開口面積A2を
同等に設定してある。
【0041】次に、中間能力時〜大能力時においては、
弁体13が図5の弁開度60°を越える回動位置から9
5°未満の回動位置にわたって、回動されることによ
り、上記両開口面積A1、A2がさらに増加するととも
に、バイパス側絞り部開口面積A3が減少する。これに
より、暖房用熱交換器3への温水流量をさらに増加させ
て、吹出空気温度を高める。
【0042】ところで、自動車用空調装置の温水供給源
をなすエンジン1は、自動車の走行条件の変化に伴って
回転数が大幅に変化するので、エンジン1からの温水供
給圧は走行条件の変化により大幅に変化し、これが流量
制御弁4による温水流量制御、ひいては吹出空気温度制
御に対する大きな外乱要素となる。そこで、本実施形態
にあっては、エンジン1からの温水供給圧の変化による
暖房用熱交換器3への温水流量の変動をバイパス回路5
に定差圧弁6を設けるとともに、バイパス回路5側の最
小通水面積の確保により良好に解消している。
【0043】以下、この点について詳述すると、定差圧
弁6においては、エンジン1からの温水供給圧が上昇し
て、弁体30前後の差圧がスプリング32により定まる
所定圧より高くなると、弁体30が図1の下方へ移動し
て開弁し、弁体30と弁座33との間の隙間が上記差圧
に応じて変動することより、定差圧弁6はその出入口3
6、37間の圧力差を一定値に維持するように作用す
る。
【0044】しかし、実際には、従来装置に基づく図7
の比較品の構成では、エンジン回転数が6000rpm
のごとき高回転になったとき、定差圧弁6の弁体30が
最大限リフトしても(最大開度になっても)、エンジン
回転の上昇に見合った量のバイパス流量をバイパス回路
5側へ逃がすことができないため、図9に示すごとく熱
交換器吹出空気温度が変動してしまう。
【0045】図7の比較品の基本的構成は、図2に示す
本発明の実施形態品と同一であるが、図7の比較品にお
ける、バイパス回路5側へのバイパス流量に関与する各
絞り部の通水面積a〜dは、図8の左欄に示す通りであ
った。この図8に示す通水面積a〜dを持った比較品に
ついて、アイドル時(エンジン回転数:750rpm)
と、エンジン高回転時(エンジン回転数:6000rp
m)との両方の熱交換器吹出空気温度を測定したとこ
ろ、図9に示す結果が得られた。
【0046】なお、図9および後述の図10において、
横軸は定差圧弁6の弁体30のリフト量(開弁量)であ
り、このリフト量は弁体30を弁外部から強制的に変位
させて設定したものである。また、アイドル時の熱交換
器吹出空気温度、は、弁体30のリフト量=0(弁
体30の閉弁時)の状態における値だけを示している
が、エンジン回転数:6000rpm時の熱交換器吹出
空気温度′、′は、弁体30の各リフト量における
値を示している。
【0047】ここで、実験に供した熱交換器3は前述し
た一方向流れ(全パス)タイプのコア部3cを有するも
のであって、熱交換器吹出空気温度、′は、一方向
流れ(全パス)タイプのコア部3cにおける温水入口側
の4か所の平均温度であり、熱交換器吹出空気温度、
′は一方向流れ(全パス)タイプのコア部3cにおけ
る温水出口側の4か所の平均温度である。
【0048】また、図9、10の実験において、熱交換
器3の吸込空気温度は10°Cである。図9の実験デー
タから理解されるように、比較品では、温水入口側の熱
交換器吹出空気温度、′の温度差ΔTaは、定差圧
弁リフト量を最大値(12mm)にしても、流量制御弁
4の開度=20°のときに、+6°C、流量制御弁4の
開度=30°のときに、+4°C、流量制御弁4の開度
=40°のときに、+13°Cとなり、エンジン回転数
上昇に伴う熱交換器吹出空気温度の変動を吸収できない
ことがわかる。
【0049】この熱交換器吹出空気温度の変動は、定差
圧弁4の開弁だけでは、エンジン回転数が6000rp
mのごとき高回転になったとき、この回転上昇、すなわ
ち、温水圧力上昇に見合ったバイパス流量をバイパス回
路側へ逃がすことができないために発生すると考えられ
る。これに対し、本実施形態品では、バイパス回路5側
へのバイパス流量に関与する各絞り部の通水面積a〜d
を、図8の右欄に示す通り設定して、熱交換器吹出空気
温度の変動を測定したところ、図10に示す結果が得ら
れた。
【0050】本実施形態品では、バイパス回路5側の各
絞り部の通水面積a、c、dをそれぞれ上記比較品より
も拡大しているため、流量制御弁4の開度=20°のと
きは、定差圧弁リフト量が1、25mmになると、エン
ジン回転数:6000rpm時の熱交換器吹出空気温度
′、′をアイドル時の熱交換器吹出空気温度、
まで引き下げることができる。
【0051】また、流量制御弁4の開度=30°のとき
は、定差圧弁リフト量が1.37mmになると、エンジ
ン回転数:6000rpm時の熱交換器吹出空気温度
′、′をアイドル時の熱交換器吹出空気温度、
まで引き下げることができる。さらに、流量制御弁4の
開度=40°のときは、定差圧弁リフト量が2.6mm
になると、エンジン回転数:6000rpm時の熱交換
器吹出空気温度′、′をアイドル時の熱交換器吹出
空気温度、まで引き下げることができる。
【0052】つまり、本実施形態品では、上記した定差
圧弁リフト量=1.25mm、1.37mm、2.6m
mがそれぞれ流量制御弁4の開度=20°、30°、4
0°における熱交換器吹出空気温度の変動を吸収可能な
リフト量となる。次に、図11は上記した熱交換器吹出
空気温度の変動を吸収可能なリフト量に基づいて算出さ
れるバイパス回路5側の必要最小通水面積SO、および
この必要最小通水面積SOと温水入口パイプ19の断面
積S1との比(%)を縦軸にとり、横軸に流量制御弁4
の開度θを取ったものである。ここで、温水入口パイプ
19は、直径φ=13mmのものである。
【0053】図11から理解されるように、バイパス回
路5側の必要最小通水面積SOは、熱交換器吹出空気温
度の制御領域では、流量制御弁4の開度θの増加ととも
に増加し、そして、弁開度θ=50°以上の領域では、
バイパス回路5側の必要最小通水面積SOは略95mm
2 の一定値となることが分かった。つまり、バイパス回
路5側の必要最小通水面積Sを上記95mm2 より大き
い100mm2 以上とすれば、エンジン回転数の変動に
起因する熱交換器吹出空気温度の変動が吸収可能とな
る。
【0054】上記100mm2 の面積は、直径φ=13
mmの温水入口パイプ19の断面積との比(%)でみる
と、75%となる。以上のことから、バイパス回路5側
の必要最小通水面積Sを、温水入口パイプ19の断面積
の75%以上に設定することにより、エンジン回転数の
変動による熱交換器吹出空気温度の変動が吸収可能とな
る。 (他の実施形態)なお、本発明は自動車用の温水式暖房
装置に限らず、暖房用熱交換器3に加わる温水圧力が変
動する温水式暖房装置であれば、家庭用等の種々の用途
の暖房装置にも適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す温水回路図である。
【図2】本発明の一実施形態における流量制御弁と定差
圧弁との一体化構成を示す断面図である。
【図3】図2のA−A矢視断面図である。
【図4】本発明の一実施形態における流量制御弁の弁体
部分の分解斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態における流量制御弁の開度
特性を示すグラフである。
【図6】(a)は流量制御弁の弁体とシール部材の開口
形状を示す底面図、(b)は流量制御弁の弁体の円周面
展開図、(c)は流量制御弁の弁体とシール部材の断面
図である。
【図7】本発明の比較品を示すもので、流量制御弁と定
差圧弁とを一体化した構成の断面図である。
【図8】本発明および比較品におけるバイパス回路側の
絞り部通水面積を示す図表である。
【図9】比較品における、熱交換器吹出空気温度の変動
の実験結果を示すグラフである。
【図10】本発明における、熱交換器吹出空気温度の変
動の実験結果を示すグラフである。
【図11】本発明による、流量制御弁開度とバイパス回
路側の必要最小通水面積との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1……エンジン、3……暖房用熱交換器、4……流量制
御弁、5……バイパス回路、6……定差圧弁(圧力応動
弁)、13、30……弁体、19…温水入口パイプ(温
水入口)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温水供給源(1)から供給される温水と
    空気とを熱交換して空気を加熱する暖房用熱交換器
    (3)と、 この暖房用熱交換器(3)をバイパスして温水を流すバ
    イパス回路(5)と、 このバイパス回路(5)に設けられ、前記温水供給源
    (1)から供給される温水の圧力上昇に応じて、前記バ
    イパス回路(5)の開度を増大する弁体(30)を有す
    る圧力応動弁(6)と、 前記温水供給源(1)から前記暖房用熱交換器(3)に
    供給される温水流量を制御するとともに、前記温水供給
    源(1)からの温水を前記暖房用熱交換器(3)側と前
    記バイパス回路(5)側とに切り替える弁体(13)を
    有する3方弁タイプの流量制御弁(4)とを備え、 前記流量制御弁(4)に前記温水供給源(1)からの温
    水を供給する温水入口(19)の断面積(S1)に対し
    て、前記流量制御弁(4)の弁体(13)内の制御流路
    (170)および圧力応動弁(6)の弁体(30)の絞
    り部を経路して流れる前記バイパス回路(5)側温水の
    最小通水面積(SO)を75%以上の大きさとしたこと
    を特徴とする温水式暖房装置。
  2. 【請求項2】 前記流量制御弁(4)の弁体(13)は
    回動可能なロータとして構成されており、 前記圧力応動弁(6)の弁体(30)にはばね手段(3
    2)のばね力が作用しており、このばね力に抗して前記
    弁体(30)のリフト量が温水圧力の増加に応じて増加
    するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の温水
    式暖房装置。
  3. 【請求項3】 前記流量制御弁(4)は前記弁体(1
    3)を収納するハウジング(14)を有しており、 このハウジング(14)内に前記バイパス回路(5)お
    よび前記圧力応動弁(6)が収納され、 前記流量制御弁(4)に前記バイパス回路(5)および
    前記圧力応動弁(6)が一体に構成されていることを特
    徴とする請求項1または2に記載の温水式暖房装置。
  4. 【請求項4】 水冷式の走行用エンジン(1)を有する
    自動車に搭載され、前記温水供給源が前記水冷式の走行
    用エンジン(1)であることを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれか1つに記載の温水式暖房装置。
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