JPH1045427A - 暗色系透明導電膜形成用塗布液、及びこれを用いた暗色系透明導電膜 - Google Patents

暗色系透明導電膜形成用塗布液、及びこれを用いた暗色系透明導電膜

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Publication number
JPH1045427A
JPH1045427A JP19860996A JP19860996A JPH1045427A JP H1045427 A JPH1045427 A JP H1045427A JP 19860996 A JP19860996 A JP 19860996A JP 19860996 A JP19860996 A JP 19860996A JP H1045427 A JPH1045427 A JP H1045427A
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JP
Japan
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transparent conductive
conductive film
colored transparent
fine particles
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Application number
JP19860996A
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English (en)
Inventor
Kenji Kato
賢二 加藤
Takehiko Sakurada
毅彦 桜田
Kenji Adachi
健治 足立
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CRT画面の可視光を散乱せずに透過率を低
減し、従来よりも優れた導電性を有して低周波電界の遮
蔽に効果がある膜を、塗布法を用いて簡便かつ低コスト
に作製するための暗色系透明導電膜形成用塗布液、及び
これを用いた暗色系透明導電膜を提供する。 【解決手段】 導電性微粒子としてルテニウム酸化物微
粒子が極性溶媒中に分散され、該ルテニウム酸化物微粒
子は粒子表面の一部又は全部が銀の皮膜層で被覆され、
かつ、その粒径が50nm以下である暗色系透明導電膜
形成用塗布液。また、上記構成で更に、極性溶媒がアル
キルシリケート部分加水分解重合物を含有する暗色系透
明導電膜形成用塗布液。また、上記いずれかの暗色系透
明導電膜形成用塗布液を基材にコートして得た暗色系透
明導電膜。更にその上にアルキルシリケート部分加水分
解重合物の溶液をコートした後焼成して得た暗色系透明
導電膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、OA機器のディス
プレイ、テレビジョンのブラウン管などの陰極線管の前
面ガラスに電界シールド効果を付与するための暗色系透
明導電膜形成用塗布液、及びこれを用いた暗色系透明導
電膜に関し、より詳しくは、従来よりも優れた導電性を
有して低周波電界の遮蔽に適切な膜形成のための、導電
性微粒子としてルテニウム酸化物微粒子を極性溶媒中に
分散させてなる暗色系透明導電膜形成用塗布液、及びこ
れを用いた暗色系透明導電膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年事務機器の電子化により多くのOA
機器が導入され、ディスプレーと向き合って終日作業を
行うという環境は珍しくなくない。代表的なOA機器で
あるコンピュータは、表示画面が見やすく視覚疲労を感
じさせないこと、その表面の帯電によるホコリの付着や
電撃ショックがないことが要求されている。これに加え
て最近では、陰極線管(CRT)から発生する低周波電
磁波の人体に対する悪影響が懸念されるため、電磁波が
外部に漏洩しないものが望まれている。
【0003】CRTでは偏向コイルやフライバックトラ
ンスから電磁波が発生する。ディスプレーの大型化に伴
い、益々大きな電磁波が周囲に洩れ易くなる傾向にあ
る。電磁波は磁界と電界とからなるが、磁界の漏洩はC
RTの偏向コイルの形状を変える等の工夫で大部分が防
止できる。一方、電磁波の電界の漏洩は、CRT前面ガ
ラスの表面に、導電性を有する透明被膜を形成すること
によって防止できる(電界シールド効果)。これは、従
来より帯電防止のために取られてきた対策と原理的には
同じであるが、漏洩電界防止のために必要とする導電性
被膜の導電性は、帯電防止のための導電性被膜の導電性
よりもはるかに高い値が求められる。具体的には、帯電
防止には表面抵抗値が108Ω/□程度で十分であると
されるが、漏洩電界防止には表面抵抗値が少なくとも1
06Ω/□以下、好ましくは102〜103Ω/□台の低
抵抗が必要である。
【0004】この要求に対応するため、従来よりいくつ
かの提案がなされている。そのひとつに、真空蒸着、C
VD、スパッタ法などでCRT前面ガラスの表面に、酸
化錫や酸化インジウムなどの導電性酸化物被膜を形成す
る方法がある。この方法による膜は、酸化錫や酸化イン
ジウムの単一組成の連続膜で構成されるため、導電性酸
化物固有の導電性がそのまま現れて、電界シールド効果
に十分な低抵抗値が得られる。また膜厚を十分薄くかつ
均一に制御でき、CRTの解像度を損なうことなく反射
防止の処理ができる。
【0005】しかしながら、この方法では各CRT毎に
雰囲気を制御して処理しなければならず、また被膜形成
に多大のコストがかかり、実用的なCRTの製造には不
都合であり、特殊用途のCRTを除いては不適切であ
る。このため、より安価で迅速に行える膜形成方法が望
まれていた。
【0006】低コストで低表面抵抗値を実現するものと
して、極微細なインジウム錫酸化物(ITO)粉末をア
ルキルシリケートの結合材と共にN−メチル−2−ピロ
リドンを主成分とする極性溶媒中に分散させた電界シー
ルド用処理液が提案されている(特願平4−30711
05号公報)。この処理液をCRT前面ガラスに塗布・
乾燥後、200℃以下の温度で焼成することにより、膜
厚に応じて103〜105Ω/□の表面抵抗値が得られ
る。このインクの塗布によれば、真空蒸着やスパッタ法
などの他の暗色系透明導電膜形成方法に比べて遥かに簡
便であって製造コストも低く、CRTの電界シールドへ
の対応としては有利な方法である。但し、得られる表面
抵抗値には低減できる限界があり、望ましいとされる1
02〜103Ω/□台とするには今ひとつ困難であった。
【0007】一方、CRTに用いられる透明導電膜は、
画面の透明性や解像度を損なうものであってはならず、
また、透過率もある程度制御できるものが好ましい。す
なわち、像コントラストの向上のために、CRT前面ガ
ラスの透過率は程々のレベルに制限されるが、画面の位
置によってガラス厚みが異なるため透過率が不均一にな
るため、表面形成膜で透過率を1〜2割程度調整できる
ことが望まれる。この場合、均一に画面を暗くできるこ
とは勿論であるが、解像度を落とさずに光線透過率を落
とすには、表面形成膜による拡散散乱光が極力少なく、
膜材質自体による光吸収で透過率を落とすことが望まし
い。しかしながら上記のITOを用いた場合は、可視光
透過性を本質的に有するITO粉を用いているので、輝
度が調整できる暗色系透明導電膜の低透過性を実現する
ものではない。
【0008】このように、ITO微粒子が分散した膜で
は膜導電性、可視光透過率制御性いずれも十分でなかっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、CRT画面の可視光を散乱せずに透過率を低減する
機能をもち、従来よりも優れた導電性を有することによ
り人体に影響を及ぼす可能性のある低周波電界の遮蔽に
十分な効果がある膜を、塗布法を用いて簡便かつ低コス
トに作製するための暗色系透明導電膜形成用塗布液、及
びこれを用いた暗色系透明導電膜を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の本発明の暗色系透明導電膜形成用塗布液は、導電性微
粒子としてルテニウム酸化物微粒子が極性溶媒中に分散
され、該ルテニウム酸化物微粒子は粒子表面の一部又は
全部が銀の皮膜層で被覆され、かつ、その粒径が50n
m以下であることを特徴とする。
【0011】また、本発明の他の暗色系透明導電膜形成
用塗布液は、導電性微粒子としてルテニウム酸化物微粒
子が極性溶媒中に分散され、該ルテニウム酸化物微粒子
は粒子表面の一部又は全部が銀の皮膜層で被覆され、か
つ、その粒径が50nm以下であり、該極性溶媒はアル
キルシリケート部分加水分解重合物を含有することを特
徴とする。
【0012】また、本発明の暗色系透明導電膜は、上記
いずれかの暗色系透明導電膜形成用塗布液を基材にコー
トして得たものである。
【0013】また、本発明の他の暗色系透明導電膜は、
上記いずれかの暗色系透明導電膜形成用塗布液を基材に
コートし、その上にアルキルシリケート部分加水分解重
合物の溶液をコートした後焼成して得たものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に用いる導電性微粒子は、
ルテニウム酸化物微粒子を主成分とし、その粒子表面の
一部又は全部が銀の皮膜層で被覆され、かつ、その粒径
は50nm以下とする。ルテニウム酸化物としては、二
酸化ルテニウム(RuO2)、ルテニウム酸ビスマス
(Bi2Ru2O7)、ルテニウム酸鉛(Pb2Ru
2O6.5)、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRu
O3)などが含まれるものとし、またこれらに限定され
るものではない。
【0015】これらルテニウム酸化物の比抵抗は10-4
〜10-5Ω・cmのオーダーであり、また銀の比抵抗は
10-6Ω・cmのオーダーであるので、銀を被覆したル
テニウム酸化物の比抵抗は明らかに錫添加酸化インジウ
ム(ITO)、アンチモン添加酸化錫(ATO)、アル
ミニウム添加酸化亜鉛(AZO)などの透明導電酸化物
に比べて2桁〜3桁低い値をもつ。このため銀を被覆し
たルテニウム酸化物による導電性微粒子は、膜内で相互
に接触した導電パスを形成し、ITO微粒子を用いた膜
等に比べてさらに低い抵抗値を実現する。
【0016】上記銀を被覆したルテニウム酸化物による
導電性微粒子が塗布液中に0.1重量%以上含まれると
高導電性の効果が生じる。導電性微粒子の含有量が増加
するに伴って形成される導電層の厚みも増加して表面抵
抗値は下がるが、塗布液中に10重量%を超えると平滑
な界面をもった膜形成が困難になると同時に、塗布液中
の導電粒子の分散安定性が低下して無視できない沈殿を
生ずるようになって好ましくない。102〜103Ω/□
台の表面抵抗値を得るには、通常の塗布条件で成膜した
場合には7重量%程度以下の含有量で十分である。
【0017】この導電性微粒子は、微粒子の粒径が大き
すぎたり、凝集が強い場合には形成された膜に曇りが生
じ、CRT画面の解像度が低下して好ましくない。透明
膜の曇りは散乱透過光量の全透過光量に対する百分率で
定義されるヘイズの値で表現されるが、CRT画面の解
像度を損なわないためには通常ヘイズを5%以下に抑え
る必要がある。
【0018】ヘイズは膜厚にほぼ比例するが、様々の粒
径の微粒子を用いて検討した結果、導電性微粒子の粒径
は小さいほど好ましく、膜厚0.1μm程度でヘイズを
5%以下に抑えるためには導電性微粒子の平均粒径を約
50nm以下にすることが重要であることが明らかとな
った。平均粒径が50nm以下では、入射可視光の散乱
モードはほとんどがいわゆるRayleigh散乱又は
Mie散乱のモードとなり、物体の形状による散乱は極
めて少なくなる。逆に平均粒径50nm以上の粒子を用
いた場合、粒子自体の散乱や、膜表面の粗さの増加によ
る散乱が大きくなり、ヘイズが容易に5%を越えるよう
になる。
【0019】本発明の塗布液を用いた膜の厚みは、0.
05〜0.6μm程度が好ましい。0.6μm以下が好
ましい理由は、ヘイズを5%以内に押さえるためであ
る。0.05μm以上が好ましい理由は、インク法によ
ってこれ未満の均一膜を得るのは困難だからである。
【0020】本発明の塗布液は、平均粒径50nm以下
の導電性微粒子を分散用極性溶媒中に高分散し、これに
希釈用極性溶媒を混合することにより製造することがで
きる。これは、例えば、銀を被覆した平均粒径50nm
以下のルテニウム酸化物微粒子を作製し、これを分散さ
せるための極性溶媒中に高分散し、更にこれに希釈用極
性溶媒を混合することにより得ることができる。
【0021】銀を被覆したルテニウム酸化物微粒子の作
製には種々の方法があり、例えばCVD法、イオンプレ
ーティング法、熱プラズマ法でも可能であるが、簡便に
は銀鏡反応を利用した無電解メッキ法を用いることがで
きる。
【0022】分散処理工程においては、導電性微粒子を
分散用極性溶媒中に混合し、凝集粒子が大部分一次粒子
になるまで強力な分散機を用いて解膠し、一次粒子の単
分散状態を得ることが好ましい。分散機としてはボール
ミル、アトライター、サンドミルなどを用いることがで
きる。
【0023】分散用極性溶媒としては、焼成温度以下の
適当な沸点をもち、導電性微粒子を効率よく分散し得る
ものがよく、例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン
(NMP)、エタノール、4−ヒドロキシ4−メチル−
2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、イソプロピ
ルアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルアセトアミド、メチルセロソルブ、アセ
トン、テトラヒドロキシフランなどを挙げることができ
る。この際分散性を高める目的で、分散剤としてシラン
系、チタネート系、ジルコネート系、アルミネート系な
どのカップリング剤、ポリカルボン酸系、リン酸エステ
ル系、シリコーン系などの界面活性剤などを少量添加し
てもよい。本発明においては導電性に影響を及ぼすもの
でなければよく、また0〜1重量%の少量の添加であれ
ば問題はない。
【0024】希釈用極性溶媒としては、分散用溶媒及び
分散剤と相溶性で、焼成温度以下の沸点をもつような溶
媒から選択される。希釈用極性溶媒は成膜時、特に塗布
時にムラなく平滑な膜が得られるよう、基板への塗り性
を向上させることを目的として用いられ、当業者は公知
の技術により容易に適当な溶媒を選択することができ
る。
【0025】アルキルシリケート部分加水分解重合物は
導電性微粒子をガラス表面上に結合固定するためのもの
であって、このようなアルキルシリケート部分加水分解
重合物としては、例えばオルトアルキルシリケートを加
水分解してある程度脱水縮重合を進行させた形のものな
どが使用される。オルトアルキルシリケートとしては、
例えばオルトメチルシリケートSi(OCH3)4、オル
トエチルシリケートSi(OC2H5)オルトプロピルシ
リケートSi(OC3H7)4、オルトブチルシリケート
Si(OC4H9)4などを使用することができ、また2
種以上のアルキル基を同一分子内に有するオルトアルキ
ルシリケートでも良い。また2種以上のアルキルオルト
シリケートを混合して使用しても差し支えない。
【0026】オルトアルキルシリケートは、水分がある
と容易に加水分解を受けてアルコキシル基が水酸基とな
り、更に水酸基同士から水が取れて脱水縮重合を起こし
て重合していくが、このようなある程度脱水縮重合が進
んだものを使用することができる。要するに、加熱によ
り脱水縮重合が進行し、最終的にシリカゲルあるいはシ
リカの形で導電性微粒子をガラス表面上に固定させる能
力を有すればよい。なお脱水縮重合反応を進行させるた
めに、少量の水分や反応促進剤として塩酸や硫酸のよう
な酸を共存させると良い。
【0027】アルキルシリケート部分加水分解重合物
は、上記のようにオルトアルキルシリケートを出発原料
として作製することができるが、同様のアルキルシリケ
ート部分加水分解重合物が得られるならばその原料は必
ずしもオルトアルキルシリケートに限定することはな
い。市販品として例えばエチルシリケート40やメチル
シリケート51(多摩化学工業)を入手することができ
るが、このような化合物もそのまま、或いはさらに加水
分解縮重合を進行させた上、所定量に希釈して用いるこ
とができる。さらに、例えば、チタン、ジルコニウム、
アルミニウムなどのアルコキシドの加水分解物を必要に
応じて添加することも可能である。
【0028】上記のアルキルシリケート部分加水分解重
合物の添加量は、固化した時のSiO2の量が導電性微
粒子の量と同量以下で用いるか、又は全く含有しないこ
とが好ましい。すなわち導電性微粒子は塗布液中に0.
1〜10重量%含まれるのが好ましいが、アルキルシリ
ケート部分加水分解重合物としては最大量10重量%ま
でに抑えることが望ましい。その理由はアルキルシリケ
ート部分加水分解重合物の含有量が適量以上に増える
と、膜界面が荒れたり導電粒子の充填状態が悪化して、
ヘイズや抵抗値が増加するからである。アルキルシリケ
ート部分加水分解重合物の添加は、基板との密着性や膜
の塗布性の向上には寄与するという利点があるが、オー
バーコートを施して2層膜として膜表面強度が確保でき
る場合には、1層目用の塗布液中には全く含まれなくて
も差し支えない。
【0029】本発明の塗布液をCRTの完成球表面、あ
るいは封着前のCRT用前面ガラス表面に塗布・乾燥
し、その後大気中で焼成することにより、電界シールド
効果のある暗色系透明導電膜を、簡便かつ低コストで製
造することができる。塗布液をCRTフェイスパネルに
塗布した後の焼成は、大気中で150〜450℃の温度
で行う。真空封着前のCRT前面ガラスに成膜する場合
は、ガラス軟化点直下まで昇温可能であるが、封着後の
CRT完成球の成膜に対しては加熱温度が高いと破裂の
危険性があるため、200℃以下で行うことが好まし
い。
【0030】焼成中にはシリケートの縮重合化と溶媒成
分の蒸発が起こり、塗布膜は収縮・乾燥・硬化する。シ
リケートの縮重合反応が完了するのは200〜250℃
であるために、200℃以下の焼成では少量の未反応・
未蒸発インク成分の残存は避けられない。従って、焼成
温度は200℃以下でもかなり強固な膜が形成される
が、事情が許すならば一般的に高い温度の方が好まし
い。焼成温度が250℃以上の時は、シリケートのゲル
縮合反応や乾燥化は完了し、これが膜をさらに収縮させ
るため導電性微粒子の充填密度が上がり、表面抵抗値が
下がる。また導電性微粒子間の接触状態も溶媒成分の蒸
発に伴い改善されて、抵抗値の安定性や経時変化を改善
する。
【0031】本発明による塗布液は導電性微粒子を分散
したものであり、焼成時の熱による塗布液成分の分解或
いは化学反応を利用して目的の導電性微粒子の薄膜を形
成するものではない。従って特性の安定した均一な膜厚
の薄膜を形成することができる。また、焼成温度として
は溶媒成分や分散剤成分の蒸発、或いはアルキルシリケ
ート部分加水分解物の重合固化を促進できる温度でよい
ので、上記に説明したような低温成膜が可能である。
【0032】塗布液による単層膜の強度を補う目的で、
アルキルシリケ−ト部分加水分解重合物を含有する塗布
液を更に塗布してその後焼成する場合、その焼成温度は
例えば150〜450℃でよい。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。以下の実施例
において使用したアルキルシリケート部分加水分解重合
物を含む溶液(以下、「シリケート溶液」という)とし
ては、平均重合度で4〜5量体である多摩化学工業製エ
チルシリケート40を30部と、エタノール44部とを
混合し、撹拌しながら水−エタノール溶液(蒸留水46
部+エタノール20部)を滴下し、さらに1重量%HC
l水溶液10部とエタノール7部との混合溶液を滴下し
て作製したものを用いた。使用に当たってはこれをエタ
ノールなどの溶媒で適宜希釈した。なお、このシリケー
ト溶液は、一例を示すためのものであって、この例が本
発明を限定するものではない。
【0034】形成した膜の表面抵抗値は、三菱油化
(株)製表面抵抗計MCP−T200を用いて測定し
た。ヘイズ値と透過率は、村上色彩技術研究所製ヘイズ
メータ、HR−200を用いて測定した。また導電性微
粒子の粒径は、日本電子製透過電子顕微鏡で評価した。
圧粉抵抗値は1トンの静水圧で形成したペレットをPA
UW法で測定した。
【0035】(実施例1) 二塩化錫0.01gを溶解
した水溶液100g中に、平均粒径18nmのRuO2
超微粉3gを1時間含浸し、フィルター濾過した後十分
水洗し、120℃で乾燥した。一方、硝酸銀3%水溶液
にアンモニア水を液が透明になるまで添加して調整した
Ag・アンモニア錯体水溶液100gを用意し、また、
還元液として、酒石酸ナトリウムカリウム4水和物(ロ
ッセル塩)の30%水溶液9.5gを水90.5gで希
釈したものを用意した。
【0036】この還元液に上記処理したRuO2超微粉
を入れ、10分間攪拌した後上記のAg・アンモニア錯
体水溶液を加え、攪拌しながら銀の析出反応を4時間継
続した後、1μmのメンブレンフィルターで濾過、水洗
浄し、120℃で乾操させて銀の皮膜層で被覆したRu
O2粉を得た。
【0037】この粉の圧粉抵抗値は、6.1×10-4Ω
・cmとなり、銀の被覆処理を行なわない揚合の圧粉抵
抗値4.7×10-3Ω・cmに比べて釣1桁低下した。
【0038】(実施例2) 実施例1と同様の方法で得
た銀の皮膜層で被覆したRuO2粉を15部、分散溶媒
として4ヒドロキシ−4メチル−2ペンタノン(ジアセ
トンアルコール)25部、および分散剤としてシラン系
カップリング剤(東芝シリコーン(株)製TSL880
2)5部の割合で撹祥・混合し、直径5mmのジルコニ
アボールを用いてボールミル分散を100時間行なった
後、エタノールを加えて再度強力に攪拌混合し、銀の皮
膜層で被覆したRuO2粉による導電性微粒子が5重量
%含有された塗布液を作製した。
【0039】この塗布液をさらに固形分濃度0.5、
1.0、2.0、3.0%になるようにエタノールで希
釈して、160rpmで回転する200×200×3m
mのソーダライム板ガラス上にビーカーから滴下し、そ
の後大気中において180℃で30分焼成して、導電性
微粒子の分散した単層膜を形成した。このようにして形
成された単層膜は、固形分濃度0.5、1.0、2.
0、3.0%の塗布液に応じてそれぞれ表面抵抗値7.
5×105Ω/□、2.3×105Ω/□、8.6×10
3Ω/□、3.4×103Ω/□の値を示した。表面抵抗
値3.4×103Ω/□の膜ではへイズ値が2.1%、
透過率が70%であった。
【0040】(実施例3) 実施例2の固形分濃度3.
0%の塗布液を、160rpmで回転する200×20
0×3mmのソーダライム板ガラス上にビーカーから滴
下し、続けて前記のシリケート溶液をSiO2濃度が
1.1%になるようにエタノールで希釈した液を滴下
し、その後大気中において180℃で30分焼成して、
RuO2分散層とオーバーコート層からなる2層膜を作
製した。このようにして形成された2層膜の特性は、表
面抵抗値7.6×102Ω/□、ヘイズ2.1%、透過
率69%であった。
【0041】(実施例4) 導電性微粒子としてRuO
2の代わりに平均粒径32nmのPb2RuO6.5超微粉
を用いた他は、実施例1と同様にして銀の被覆処理を行
った。得られた粉の圧粉抵抗値は8.3×10-4Ω・c
mとなり、銀の被覆処理を行わない場合の圧粉抵抗値
9.0×10-2Ω・cmと比較して2桁近く低下した。
【0042】(実施例5) 実施例4で得られた銀被覆
Pb2RuO6.5超微粉を用いて実施例2と同様にして固
形分濃度3.0%の銀被覆Pb2RuO6.5分散塗布液を
作製し、これを実施例3と同様の方法でスピンコートし
てシリケートをオーバーコート層とする2層膜を作製し
た。この2層膜の特性は、表面抵抗値8.8×102Ω
/□、、透過率は67%、ヘイズ値が3.5%であっ
た。
【0043】(比較例1) 導電性微粒子として、特許
請求の範囲1に記載の銀を含む導電性微粒子を使わない
で、平均粒径19nmの住友金属鉱山(株)製ITO超
微粉(ITO−UFP)のみを用いた。その他の操作は
実施例2と同様にして2層膜を形成し、特性評価をし
た。この場合、表面抵抗値8.6×103Ω/□が得ら
れたが、透過率は96%で暗い膜にすることはできなか
った。
【0044】(比較例2) 導電性微粒子として平均粒
径8nmの三菱化学(株)製高導電性カーボン粉末を用
いた他は実施例2と同様にして膜を形成し、特性評価を
した。この場合、透過率は46%とかなり暗くなると同
時に、表面抵抗値も3.9×108Ω/□と非常に高く
なった。
【0045】(比較例3) 導電性微粒子として平均粒
径55nmのRuO2粉を用いて、実施例1と同様にし
て銀被覆処理を行い、実施例2と同様にして固形分濃度
3.0%の銀被覆RuO2分散塗布液を作製し、これを
実施例3と同様の方法でスピンコートしてシリケートを
オーバーコート層とする2層膜を作製した。この2層膜
の特性は、表面抵抗値は5.8×102Ω/□で低い値
であったが、透過率は47%に落ち、ヘイズ値も5.5
%と高い値となった。
【0046】以上の実施例及び比較例との対比から明ら
かなように、導電性粉末としてITOなどの透明酸化物
のみやカーボンなどの黒色導電物を含む処理液を用いた
ときは表面抵抗値や透過率・反射率などにおいて望む特
性を得ることができないが、銀を被覆したルテニウム酸
化物微粒子を分散した塗布液を用いることにより、ヘイ
ズを上げることなく透過率を適度に低減でき、かつ電界
シールドに必要な高い導電性をもつ膜を得ることができ
る。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、CRT画面の可視
光を散乱せずに透過率を低減する機能をもち、従来より
も優れた導電性を有することにより人体に影響を及ぼす
可能性のある低周波電界の遮蔽に十分な効果がある膜
を、塗布法を用いて簡便かつ低コストに作製するための
暗色系透明導電膜形成用塗布液、及びこれを用いた暗色
系透明導電膜が提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 13/00 503 H01B 13/00 503C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性微粒子としてルテニウム酸化物微
    粒子が極性溶媒中に分散され、該ルテニウム酸化物微粒
    子は粒子表面の一部又は全部が銀の皮膜層で被覆され、
    かつ、その粒径が50nm以下であることを特徴とする
    暗色系透明導電膜形成用塗布液。
  2. 【請求項2】 導電性微粒子としてルテニウム酸化物微
    粒子が極性溶媒中に分散され、該ルテニウム酸化物微粒
    子は粒子表面の一部又は全部が銀の皮膜層で被覆され、
    かつ、その粒径が50nm以下であり、該極性溶媒はア
    ルキルシリケート部分加水分解重合物を含有することを
    特徴とする暗色系透明導電膜形成用塗布液。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2のいずれかに記
    載の暗色系透明導電膜形成用塗布液を基材にコートして
    得た暗色系透明導電膜。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2のいずれかに記
    載の暗色系透明導電膜形成用塗布液を基材にコートし、
    その上にアルキルシリケート部分加水分解重合物の溶液
    をコートした後焼成して得た暗色系透明導電膜。
JP19860996A 1996-07-29 1996-07-29 暗色系透明導電膜形成用塗布液、及びこれを用いた暗色系透明導電膜 Pending JPH1045427A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0905100A1 (en) * 1997-09-30 1999-03-31 Sumitomo Metal Mining Company Limited Coating solution for forming a selectively transmitting film
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WO2019139160A1 (ja) * 2018-01-15 2019-07-18 三菱マテリアル株式会社 導電性膜及びその製造方法
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JP2023527818A (ja) * 2020-05-26 2023-06-30 エージーエックスエックス インテレクチュアル プロパティー ホールディング ゲーエムベーハー 微粒子抗菌ハイブリッドシステム

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