JPH1045830A - 弱塩基性アニオン交換体およびその製造方法 - Google Patents

弱塩基性アニオン交換体およびその製造方法

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JPH1045830A
JPH1045830A JP8219475A JP21947596A JPH1045830A JP H1045830 A JPH1045830 A JP H1045830A JP 8219475 A JP8219475 A JP 8219475A JP 21947596 A JP21947596 A JP 21947596A JP H1045830 A JPH1045830 A JP H1045830A
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裕久 久保田
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勝彦 矢野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性に優れ、重合体からの溶出が少なく、反
応速度に優れた新規な弱塩基性架橋アニオン交換体を提
供する。 【解決手段】少なくとも下記一般式(I)で示される構
造単位および不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーから
誘導される構造単位を含有する弱塩基性アニオン交換
体。 【化1】 (一般式(I)中、Aは、炭素数3〜8のアルキレン基
または炭素数5〜7のアルコキシメチレン基、R1 及び
2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数6以下のア
ルキル基またはポリアミノアルキル基を表し、そして、
ベンゼン環は、アルキル基またはハロゲン原子で置換さ
れていてもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弱塩基性架橋アニ
オン交換体およびその製造方法に関するものであり、詳
しくは、耐熱性などに優れた新規な構造の弱塩基性架橋
アニオン交換体およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に、アニオン交換樹脂は、化学的
安定性、強度および製造価格の観点から、クロロメチル
化されたスチレン−ジビニルベンゼン共重合体のクロロ
メチル基をアルキルアミンでアミノ化して製造される。
弱塩基性アニオン交換体としては、ジメチルアミノ基ま
たはポリアルキレンポリアミノ基を有するアニオン交換
体が主に使用されている。
【0003】上記の様なベンジルアミン構造を有する弱
塩基性アニオン交換体以外の例として、エチレン鎖(エ
チルベンゼン構造)を有するアニオン交換体が報告され
ている(特開昭61−27403号公報、J.Org.
Chem.,2270(1986)。しかしながら、エ
チレン鎖構造を有する弱塩基アニオン交換体は、耐熱性
に劣る欠点がある。
【0004】一方、アニオン交換基と樹脂マトリックス
との間に連結基(スペーサー)として炭素数1〜4のア
ルキレン基を備えた弱塩基性アニオン交換体が知られて
いる(特公平7−57320号公報)。上記の弱塩基性
アニオン交換体は、アミノ基に炭素数9〜30の長鎖ア
ルキルを結合させることを必須とし、それにより、特に
膜状物が低い電気抵抗を有することを特徴としている。
しかしながら、斯かる構造の弱塩基性アニオン交換体
は、イオン交換容量、溶出成分、耐熱性などの点におい
て必ずしも十分ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、耐熱性に優れ、
重合体からの溶出が少なく、反応速度に優れた新規な弱
塩基性架橋アニオン交換体およびその製造方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく種々検討を重ねた結果、次の様な新規な
知見を得た。すなわち、本出願人は、先に、特に耐熱性
に優れた強塩基性アニオン交換体として、アニオン交換
基と樹脂マトリックスとの間の比較的長い構造のエーテ
ル型スペーサーを備え且つ第4級アミノ基に結合するア
ルキル基の炭素数を1〜4の様に短くした構造の強塩基
性アニオン交換体を提案した(特開平7−289921
号公報)。また、上記と同様に比較的長い構造のアルキ
ル型スペーサーを備え且つ第4級アミノ基に結合するア
ルキル基の炭素数を1〜8の様に短くした構造の強塩基
性アニオン交換体の用途について提案した(特開平5−
49949号公報)。
【0007】ところで、上記の強塩基性アニオン交換体
は、第4級アミノ基を有する構造を前提として優れた耐
熱性を有するが、第2級アミノ基や第3級アミノ基を有
する弱塩基性アニオン交換体の場合においても、アニオ
ン交換基と樹脂マトリックスとの間のスペーサーを比較
的長くし且つアミノ基に結合するアルキル基の炭素数を
短くするならば、意外にも、上記の強塩基性アニオン交
換体と同様に耐熱性に優れ、しかも、重合体からの溶出
が少なく且つ反応速度に優れるとの新規な知見を得た。
【0008】本発明は、上記の知見を基に完成されたも
のであり、その第1の要旨は、少なくとも下記一般式
(I)で示される構造単位および不飽和炭化水素基含有
架橋性モノマーから誘導される構造単位を含有すること
を特徴とする弱塩基性アニオン交換体に存する。
【0009】
【化3】
【0010】一般式(I)中、Aは、炭素数3〜8のア
ルキレン基、炭素数5〜7のアルコキシメチレン基、R
1 及びR 2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数6以
下のアルキル基またはポリアミノアルキル基を表、そし
て、ベンゼン環は、アルキル基またはハロゲン原子で置
換されていてもよい。
【0011】そして、本発明の第2の要旨は、少なくと
も下記一般式(II)で示される構造単位の前駆モノマー
と不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーとを含有する懸
濁溶液を重合開始剤の存在下に重合し、必要に応じ、得
られた球状架橋重合体に弱塩基性アニオン交換基を導入
することを特徴とする弱塩基性アニオン交換体の製造方
法に存する。
【0012】
【化4】
【0013】一般式(II)中、Aは、前記一般式(I)
におけるのと同義であり、Zは、塩素、臭素、ヨウ素、
水酸基、トシル基(トルエンスルホン酸基)又はNR1
2基を表す。そして、R1 2は前記一般式(I)に
おけるのと同義であり、ベンゼン環は、アルキル基また
はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明の弱塩基性アニオン交換体について説明す
る。本発明の弱塩基性アニオン交換体は、少なくとも前
記一般式(I)で示される構造単位および不飽和炭化水
素基含有架橋性モノマーから誘導される構造単位を含有
する。
【0015】前記一般式(I)において、スペーサーで
あるAは、炭素数3〜8のアルキレン基または炭素数5
〜7のアルコキシメチレン基を表すが、炭素数3〜8の
アルキレン基の具体例としては、プロピレン基、ブチレ
ン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基など
が挙げられ、炭素数5〜7のアルコキシメチレン基の具
体例としては、ブトキシメチレン基、ペントキシメチレ
ン基などが挙げられる。炭素数3〜8のアルキレン基
は、上記の様な直鎖状アルキレン基の他、イソプロピル
基、t−ブチル基などの分岐状アルキレン基であっても
よい。Aがアルキレン基の場合は、炭素数3〜8の直鎖
状アルキレン基が好ましく、炭素数3〜6の直鎖状アル
キレン基が更に好ましい。
【0016】Aが上記の定義を満足しない場合、例え
ば、Aがメチレン基またはエチレン基の様に短鎖の場
合、アニオン交換基(NR1 2)は短鎖を通じてベン
ゼン環の影響を受け、その結果、十分な耐熱性が得られ
ず、しかも、塩基度が低下する。塩基度の低下について
は、アニリンよりも脂肪族アミンの方が塩基度が高いと
言う事実からも十分予想される。一方、Aがノニレン基
の様に長鎖の場合、弱アニオン交換体の分子量が大きく
なり、その結果、単位重量当たりのイオン交換容量が低
下する。
【0017】また、Aは、製造上、スチレン残基のm−
位またはp−位に導入されることが好ましい。o−位に
導入された場合でも、ベンゼン環と置換基(ANR1
2 )との立体的な影響は少ないと考えられるが、架橋剤
との共重合の際の立体障害を考慮した場合、Aは、m−
位またはp−位に導入することが好ましい。
【0018】前記一般式(I)において、R1 及びR 2
は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数6以下のアルキ
ル基またはポリアミノアルキル基を表すが、炭素数6以
下のアルキル基としては、メチル基、エチル、プロピル
基、ブチル基などが挙げられ、炭素数6以下のポリアミ
ノアルキル基としては、ジアミノエチル基、1,3−ジ
アミノプロピル基、トリアミノブチル基、1,6−ジア
ミノヘキシル基などが挙げられる。R1 及びR 2として
は、単位重量当たりの交換容量の低下を出来る限り少な
くする観点から、メチル基が好ましい。
【0019】ベンゼン環の置換基であるアルキル基とし
ては、メチル基、エチル基などが挙げられ、ハロゲン原
子としては、フッ素、塩素、臭素、沃素が挙げられる。
【0020】不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーとし
ては、ジビニルベンゼン、ポリビニルベンゼン、アルキ
ルジビニルベンゼン、ジアルキルジビニルベンゼン、エ
チレングリコール(ポリ)(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)
エチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられる
が、これらの中ではジビニルベンゼンが好ましい。
【0021】本発明の弱塩基性アニオン交換体におい
て、前記一般式(I)で示される構造単位および不飽和
炭化水素基含有架橋性モノマーから誘導される構造単位
の割合は、特に制限されない。しかしながら、前記一般
式(I)で示される構造単位の割合が少な過ぎる場合は
イオン交換容量が低下し、不飽和炭化水素基含有架橋性
モノマーから誘導される構造単位の割合が少な過ぎる場
合は高膨潤性となって単位体積当たりのイオン交換容量
が低下する。従って、上記の各構造単位の比率は、イオ
ン交換容量、膨潤性、強度などを勘案して適宜選択され
る。
【0022】しかしながら、弱塩基性アニオン交換体を
構成する全構造単位(前駆全モノマー)中、前記一般式
(I)で示される構造単位(前駆モノマー)の割合は、
通常、5〜99モル%、好ましくは50〜99モル%の
範囲とされ、不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーから
誘導される構造単位(前駆モノマー)の割合は、通常
0. 1%〜50モル%、好ましくは0. 2%〜25モル
%の範囲とされる。
【0023】本発明の弱塩基性アニオン交換体の有する
重量当たりの弱塩基交換容量は、通常1.0〜6. 0m
eq/g、好ましくは1.0〜5.5meq/gの範囲
であり、体積当たりのイオン交換容量は、水分含有率に
より異なるが、通常0. 1〜2.1meq/mlの範囲
である。ここに、meq/gとは乾燥樹脂重量当たりの
ミリ当量を表わし、meq/mlとは含水樹脂体積当た
りのミリ当量を表わす。
【0024】次に、本発明の弱塩基性アニオン交換体の
製造方法について説明する。本発明の弱塩基性アニオン
交換体は、前記一般式(II)で示される構造単位の前駆
モノマーと不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーとを重
合開始剤の存在下に懸濁重合し、必要に応じ、得られた
球状架橋重合体に弱塩基性アニオン交換基を導入するこ
とよって製造することが出来る。
【0025】前記一般式(II)で示される構造単位は、
前記一般式(I)で示される構造単位の前駆体である。
前記一般式(II)において、Aは、前記一般式(I)に
おけるのと同義であり、Zは、塩素、臭素、ヨウ素、水
酸基、トシル基(トルエンスルホン酸基)又はNR1
2基を表す。そして、R1 2は前記一般式(I)にお
けるのと同義である。そして、上記の弱塩基性アニオン
交換基の導入は、ZがNR1 2基以外の置換基の場合
に必要となる。
【0026】Aがアルキレン基である前記一般式(II)
で示される構造単位の前駆モノマー(アルキルスペーサ
ー型モノマー)は、例えば次の方法によって合成するこ
とが出来る。すなわち、ハロゲン化スチレン(クロロス
チレン、ブロムスチレン等)、クロロメチルスチレン
(m及びp体の混合物であってもよい)又はビニルフェ
ネチルハライドと金属マグネシウムとの反応によってグ
リニャール試薬を得、1,ω−ジハロゲノアルカンとカ
ップリングさせる。
【0027】上記のカップリング反応の際、反応を効率
的に行うため、ハロゲン化銅(塩化銅、臭化銅、ヨウ化
銅)、Li2 CuCl4 、アミン等の触媒を使用するこ
とが出来る。また、アルキルスペーサー型モノマーは、
ω−ハロゲノアルキルベンゼン誘導体をアセチル化した
後、ビニル基を導入する方法などによっても合成するこ
とが出来る。
【0028】Aがアルコキシメチレン基である前記一般
式(II)で示される構造単位の前駆モノマー(エーテル
スペーサー型モノマー)は、例えば次の方法によって合
成することが出来る。すなわち、ビニルベンジルアルコ
ールと1,ω−ジハロゲノアルカンとの反応により、ハ
ロゲノアルコキシメチルスチレン誘導体に変換する方法
によって合成することが出来る。
【0029】懸濁重合は、前記一般式(II)で示される
構造単位の前駆モノマーと不飽和炭化水素基含有架橋性
モノマーと含有する懸濁溶液について行われるが、この
際、本発明の弱塩基性アニオン交換体の機能を低減させ
ない範囲において、必要に応じ、第3のモノマー成分を
共重合成分として併用してもよい。
【0030】上記の共重合成分としては、例えば、スチ
レン、アルキルスチレン、ポリアルキルスチレン、(メ
タ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、アクリ
ロニトリル等が挙げられ、その使用量は、上記の必須の
モノマーの合計量に対し、通常50モル%以下、好まし
くは20モル%以下とされる。また、前記一般式(II)
で示される構造単位の前駆モノマーを合成する際に副生
するビスビニルフェニルエタン、ビスビニルベンジルエ
ーテル、ビスビニルフェニルブタン等も架橋剤として使
用することが出来る。
【0031】懸濁重合は、水/油型または油/水型の公
知の懸濁重合を採用することが出来る。この際、浴比は
1対2から1対6の範囲となる様に調整するのが好まし
い。重合開始剤としては、過酸化物系、アゾ系などの任
意の重合開始剤を使用することが出来る。具体的には、
過酸化ベンゾイル(BPO) 、過酸化ラウロイル、t−ブチ
ルハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤、
アゾイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開
始剤が挙げられる。
【0032】重合開始剤の使用量は、全モノマー量に対
し、通常0. 1〜3重量%である。重合温度は、重合開
始剤の半減期温度、含有率、モノマーの重合性などによ
り異なるが、通常40℃〜150℃、好ましくは50℃
〜100℃の範囲とされる。重合時間は、通常1〜30
時間、好ましくは1〜15時間である。
【0033】懸濁重合においては、必要に応じ、各種の
溶媒を添加していてもよい。添加する溶媒の種類や量な
どにより、得られる架橋共重合体粒子の物理構造が異な
り、従って、使用する溶媒を制御することにより、目的
とする架橋共重合体粒子を得ることが出来る。すなわ
ち、ゲル型またはポーラス型の架橋共重合体粒子を得る
ことが出来る。
【0034】例えば、一般式(II)で示される構造単位
の前駆モノマーに対して貧溶媒であるトルエン、ヘキサ
ン、イソオクタン、2−エチルヘキサノール等の有機溶
媒を添加して懸濁重合を行った場合は、懸濁重合系内に
おける上記モノマーの含有率によっても異なるが、多孔
性構造を架橋共重合体粒子が得られる。一方、テトラヒ
ドロフラン、1, 4−ジオキサン等の良溶媒を添加した
場合には、膨潤性の架橋共重合体粒子が得られる。その
他、溶媒として、例えば、水、メタノール、エタノー
ル、アセトン等を添加することも出来る。斯かる溶媒の
添加量は、全モノマーの合計量に対し、通常100重量
%以下とされる。
【0035】得られる架橋重合体粒子の粒径は、弱塩基
性アニオン交換体の用途によって多少異なる。例えば、
イオン交換樹脂として使用する場合は、平均粒子径とし
て、通常50μm〜2mmの範囲である。触媒用樹脂と
して使用する場合は、平均粒子径として、通常20μm
〜1mmの範囲である。
【0036】本発明の製造方法において、一般式(II)
におけるZがNR1 2基以外の置換基の場合は、公知
のアミノ化反応に従って弱塩基性アニオン交換基(一般
式(II)におけるNR1 2基)を導入する。アミノ化
剤としては、例えば、Zがハロゲン原子の場合は、アン
モニア(又はその水溶液)、メチルアミン、ジメチルア
ミン(又はその水溶液)、エチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、1、3−ジアミノプロパン、1、6−ヘ
キサメチレンジアミン、ポリアルキレンポリアミンを使
用することが出来る。
【0037】そして、上記の反応においては、架橋重合
体粒子を膨潤させるため、通常、反応系に溶媒を添加す
る。溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール類、トルエン、ヘキサ
ン等の炭化水素類、ジクロロメタン、1, 2−ジクロロ
エタン等の塩素系炭化水素類、ジブチルエーテル、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、その他、
ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等が使用され
る。
【0038】反応温度は、反応様式、官能基および溶媒
の種類などにより異なるが、通常20℃〜130℃の範
囲とされる。特に、官能基ZがCl原子である場合は、
官能基の脱離性に劣るため、比較的高い温度で反応を行
うのが好ましい。上記のアミノ化反応において、一般的
に、アミン分子が嵩高い程(分子量が大きい程)、得ら
れる弱塩基性アニオン交換体のイオン交換容量が低くな
る。
【0039】本発明の弱塩基性アニオン交換体は、前記
の懸濁重合により球状として得られるが、その後の粉砕
により粉末状にすることも出来る。更に、溶液重合法に
よって製造することにより、塊状、繊維状、膜状などの
種々の形状にすることも出来る。
【0040】また、本発明の弱塩基性アニオン交換体
は、前述のモノマー法以外に、クロロメチル化架橋共重
合体を原料として使用し、高分子修飾法によって置換基
Aを導入する方法によって製造することも出来る。具体
的には、クロロメチル化架橋ポリスチレンにn−BuL
i等の試薬を作用させてビニルベンジルアニオンを生成
させ、1,ω−ジハロゲノアルカンとの反応によりアル
キルスペーサー型架橋共重合体を得る方法が挙げられ
る。アミノ基の導入は前記と同様に行うことが出来る。
しかしながら、得られる弱塩基性アニオン交換体のイオ
ン交換容量が高いと言う観点から、前述のモノマー法が
好ましい。
【0041】本発明の弱塩基性アニオン交換体は、各種
の用途に使用することが出来る。一般的な用途として
は、一般の水処理の他、糖液の精製、弱酸性物質の分離
・精製、純水製造などが挙げられる。その他の用途とし
ては、クロマト担体、膜材料、触媒用担体、相間移動触
媒、酵素、細胞、菌体固定化用担体などの種々の吸着剤
が挙げられる。本発明の弱塩基性アニオン交換体は、耐
熱性に優れるため、高温での使用に特に有利である。更
に、本発明の弱塩基性アニオン交換体は、後述の実施例
から明らかな様に、アニオン交換体の欠点である樹脂か
らの溶出が小さく、従って、異臭も殆どないという利点
があり、高温のみならず常温においても利用価値が高
い。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の製
造例および実施例に限定されるものではない。
【0043】実施例1 <4−ブロモブチルスチレンの合成>窒素ガス導入管、
ジムロー冷却管、枝付き等圧滴下ロート及び攪拌羽根を
備えた1Lの4ツ口フラスコに金属Mg44gとテトラ
ヒドロフラン(THF)360gを入れ、内温を36℃
に設定した。このフラスコにp−クロロスチレン251
gのTHF溶液350mlを内温が40℃以上にならな
い様に2時間かけて滴下し、p−クロロスチレンのグリ
ニャール溶液を調製した。一方、1、4−ジブロモブタ
ン1060g、THF400ml、Li2 CuCl
4 7.5gの混合溶液を調製した。
【0044】上記のジブロモブタン溶液中に内温が40
℃以上にならない様に2時間かけて前記のグリニャール
溶液を滴下した。滴下後、2時間攪拌して反応を完結さ
せた。反応溶液を水で加水分解した後に分液した。有機
相を取り出し、減圧下でTHFを留去した。更に、真空
蒸留により、目的物である4−ブロモブチルスチレン
(わずかに黄色味を帯びた透明液体、bp.130℃/
0.5mmHg)を回収した。
【0045】<4−ブロモブチルスチレン架橋共重合体
の合成>窒素ガス導入管と冷却管を備えた500mlの
4ツ口フラスコに脱塩水200mlと2%ポリビニルア
ルコール水溶液50mlを加え、窒素を導入して溶存酸
素を除去した。一方、上記の合成で得られた4−ブロモ
ブチルスチレン48.0g、ジビニルベンゼン1.08
g(純度100%)及びAIBN0.4gを溶解してモ
ノマー溶液を調製し、上記と同様に溶存酸素を除去し
た。
【0046】得られたモノマー溶液を上記のフラスコに
入れ、150rpmで撹拌し、懸濁液を調製した。室温
で30分撹拌後、70℃に昇温して18時間撹拌して懸
濁重合を行って淡黄色透明球状重合体を得た。次いで、
得られた重合体を取り出して水洗し、更に、メタノール
で3回洗浄した。重合収率は93%であり、重合体の仕
込み架橋度は4モル%であった。
【0047】<4−ブロモブチルスチレン架橋共重合体
のアミノ化>冷却管を備えた500mlの4ツ口フラス
コに上記の重合体25gを入れ、メタノール150ml
を加えて室温で撹拌した。次いで、50%ジメチルアミ
ン水溶液108gを加えて50℃で8時間反応を行って
アニオン交換樹脂を得た。得られたアニオン交換樹脂を
取り出して水洗した。
【0048】次いで、このアニオン交換樹脂の対イオン
を臭化物イオンから塩化物イオン(Cl形)に変換する
ため、樹脂量に対して10倍量の4%塩化ナトリウム水
溶液を通液した。Cl形アニオン交換樹脂(平均粒径7
50μm)の一般性能を測定した。結果は、表1に示す
通りであった。
【0049】
【表1】
【0050】実施例2 実施例1において、アミノ化剤として、50%ジエチレ
ントリアミン水溶液54gを使用した以外は、実施例1
と同様に操作してアニオン交換樹脂を得た。そして、C
l形に変換し一般性能を測定した。結果は、表2に示す
通りであった。
【0051】
【表2】
【0052】実施例3 <4−クロロブチルスチレンの合成>実施例1におい
て、1、4−ジブロモブタンの代わりに1−ブロモ−4
−クロロブタン340gを使用した以外は、実施例1と
同様に操作し、4−クロロブチルスチレン(透明液体、
b.p.112℃/0.2mmHg)を得た。
【0053】<4−クロロブチルスチレン架橋共重合体
の合成>実施例1において、上記の合成で得た4−クロ
ロブチルスチレンを使用し、そして、ジビニルベンゼン
の使用量を1.34gに変更した以外は、実施例1と同
様に操作し、4−クロロブチルスチレン架橋共重合体を
得た。
【0054】<4−クロロブチルスチレン架橋共重合体
のアミノ化>実施例1において、上記の4−クロロブチ
ルスチレン架橋共重合体を使用し、温度を80℃、時間
を6時間に変更した以外は、実施例1と同様に操作し、
アニオン交換樹脂を得た。そして、Cl形に変換し一般
性能を測定した。結果は、表3に示す通りであった。
【0055】
【表3】
【0056】実施例4 <4−ブロモブトキシメチルスチレンの合成>300m
lの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム20g(0.5
mol)と水20mlを加え、撹拌して均一溶液とし
た。溶液温度を室温に戻した後、ヒドロキシメチルスチ
レン(m−体およびp−体の混合物)13.42g
(0.1mol)、1,4−ジブロモブタン32.39
g(0.15mol)、テトラブチルアンモニウムブロ
マイド3.22g(0.01mol)をトルエン100
mlに溶解し、上記の4ツ口フラスコに入れた。このフ
ラスコ内の混合溶液を撹拌しながら40℃で6時間反応
させた。
【0057】反応後、有機相を分離して水洗した。この
有機相に硫酸マグネシウムを加えて乾燥した後、トルエ
ンを減圧下で留去して得た溶液をDPPH(ジフェニル
ピクリル−2−ヒドラジル)の存在下で真空蒸留し、無
色透明溶液(b.p.112〜117℃/0.6mmH
g)を得た。得られた溶液は、NMRによって構造を確
認した。4−ブロモブトキシメチルスチレンの収量は1
5.0g、収率は56%であった。
【0058】<4−ブロモブトキシメチルスチレン架橋
共重合体の合成>実施例1において、上記の合成で得た
4−ブロモブトキシメチルスチレンを使用し、ジビニル
ベンゼンの使用量を0.97gに変更した以外は、実施
例1と同様に操作し、4−ブロモブトキシメチルスチレ
ン架橋共重合体を得た。
【0059】<4−ブロモブトキシメチルスチレン架橋
共重合体のアミノ化>実施例1において、上記の4−ブ
ロモブトキシメチルスチレン架橋共重合体を使用し、ア
ミノ化剤として、1,3−プロパンジアミン96gを使
用した以外は、実施例1と同様に操作してアニオン交換
樹脂を得た。そして、Cl形に変換し一般性能を測定し
た。結果は、表4に示す通りであった。
【0060】
【表4】
【0061】<弱塩基性アニオン交換体の耐熱試験>実
施例1で得られたCl形アニオン交換樹脂50mlを秤
量し、500mlの2N−水酸化ナトリウム水溶液を通
液してOH型に再生した。そして、この再生形の樹脂を
ガラス製オートクレーブ管に入れ、OH形の樹脂の体積
の0. 8倍量の脱塩水を加えた。そして、容器内の溶存
酸素を除去するために50℃に加温した状態で窒素ガス
を60分通じた。このオートクレーブ管をオイルバスに
浸し、140℃で30日間静置した。その後、念の為、
2N−水酸化ナトリウム水溶液500mlでOH型に再
生した。更に、樹脂量の5倍量の4%塩化ナトリウム水
溶液を通液し、対イオンXをCl形に変換した。
【0062】上記の各Cl形樹脂の体積と一般性能の変
化を測定した。そして、後述の計算式によって樹脂中の
アルキレン鎖Aの残存率を求めた。計算式中の符号Aは
中性塩分解容量(meq/ml)、Bは弱塩基交換容量
(meq/ml)、CはCl形の樹脂体積(ml)を表
す。結果を表5に示した。表5中の比較樹脂は、三菱化
学社製アニオン交換樹脂「ダイヤイオンWA−30」
(登録商標)である。
【0063】
【数1】残存率(%)=[(試験後のA)×(試験後の
C)÷(試験前のA)×(試験前のC)]×100
【0064】
【表5】
【0065】
【発明の効果】本発明の弱塩基性アニオン交換体は、耐
熱性に優れ、化学的安定性に優れ、樹脂からの溶出が少
なく、反応速度に優れているため、汎用の水処理用アニ
オン交換体、糖液の脱色、弱酸性物質の分離・精製など
に使用することが出来る。また、本発明の弱塩基性アニ
オン交換体は、アニオン交換樹脂の他、アニオン交換
膜、アニオン交換繊維として使用することも出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記一般式(I)で示される
    構造単位および不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーか
    ら誘導される構造単位を含有することを特徴とする弱塩
    基性アニオン交換体。 【化1】 (一般式(I)中、Aは、炭素数3〜8のアルキレン基
    または炭素数5〜7のアルコキシメチレン基、R1 及び
    2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数6以下のア
    ルキル基またはポリアミノアルキル基を表し、そして、
    ベンゼン環は、アルキル基またはハロゲン原子で置換さ
    れていてもよい。)
  2. 【請求項2】 一般式(I)で示される構造単位におい
    て、Aが炭素数3〜8の直鎖状アルキレン基である請求
    項1に記載の弱塩基性アニオン交換体。
  3. 【請求項3】 不飽和炭化水素基含有架橋性モノマーが
    ジビニルベンゼンであり、全構造単位中、一般式(1)
    で示される構造単位の割合が5〜99モル%、ジビニル
    ベンゼンから誘導される構造単位の割合が0.1〜50
    モル%である請求項1又は2に記載の弱塩基性アニオン
    交換体。
  4. 【請求項4】 少なくとも下記一般式(II)で示される
    構造単位の前駆モノマーと不飽和炭化水素基含有架橋性
    モノマーとを重合開始剤の存在下に懸濁重合し、必要に
    応じ、得られた球状架橋重合体に弱塩基性アニオン交換
    基を導入することを特徴とする弱塩基性アニオン交換体
    の製造方法。 【化2】 (一般式(II)中、Aは、前記一般式(I)におけるの
    と同義であり、Zは、塩素、臭素、ヨウ素、水酸基、ト
    シル基(トルエンスルホン酸基)又はNR1 2基を表
    す。そして、R1 2は前記一般式(I)におけるのと
    同義であり、ベンゼン環は、アルキル基またはハロゲン
    原子で置換されていてもよい。)
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