JPH1045854A - 耐候性の改良された多層構造重合体およびその多層構造重合体からなるアクリル樹脂フィルム - Google Patents

耐候性の改良された多層構造重合体およびその多層構造重合体からなるアクリル樹脂フィルム

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JPH1045854A
JPH1045854A JP20604996A JP20604996A JPH1045854A JP H1045854 A JPH1045854 A JP H1045854A JP 20604996 A JP20604996 A JP 20604996A JP 20604996 A JP20604996 A JP 20604996A JP H1045854 A JPH1045854 A JP H1045854A
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JP
Japan
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weight
polymer
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monomer
multilayer
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JP20604996A
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English (en)
Inventor
Kazuaki Hayashida
和明 林田
Hiroki Hatakeyama
宏毅 畠山
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形、混練時に光安定剤がブリードアウトや
揮発しない透明性、ストレス白化性に優れ、耐候性の改
良された保護フィルム、シートの用途に適したアクリル
系の多層構造重合体および該多層構造重合体からなるア
クリル樹脂フィルムを提供すること。 【解決手段】 最内層重合体(A)、第二層重合体
(B)、特定の単量体が共重合された最外層重合体
(C)、およびアルキルアクリレート量が該重合体
(B)から該重合体(C)に向かって単調減少するよう
な少なくとも一層である中間層重合体(D)からなり、
各々の該重合体が内部より(A)、(B)、(D)、
(C)の順に多層構造であり、かつゲル含有率が少なく
とも50重量%以上である光安定性の改良された多層構
造重合体およびその多層構造重合体からなるアクリル樹
脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明性、ストレス白
化性に優れ、耐候性の改良された保護フィルム、シート
の用途に適した添加剤のブリードアウトが少ないアクリ
ル系の多層構造重合体およびその多層構造重合体からな
るアクリル樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル樹脂、特にメチルメタクリレー
ト系の重合体はその美麗な外観のため様々な分野で成形
材料として使用されている。しかし、硬くて脆いため保
護フィルムやシート等の特殊な用途に使用する場合弾性
が不足するため、これを改良する方法として特開昭57
−140161号公報や特公昭59−36646号公報
記載の方法のような弾性重合体を有するアクリル系の多
層構造重合体が提案されている。また、これらのアクリ
ル系の多層構造重合体は光安定剤を混練して光安定性、
耐候性を付与する保護フィルム、シートとして用いられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光安定剤を混練して光
安定性、耐候性を改良した多層構造重合体は種々の光安
定剤を混練でき、またその製法も簡便である。しかし、
光安定剤が成形、混練時に一部ブリードアウトや揮発し
て金型、ロール等の汚れが発生したり、長期に使用する
と光安定剤がブリードアウトして重合体の耐候性が低下
すると言った問題点がある。
【0004】本発明の目的は成形、混練時に光安定剤が
ブリードアウトや揮発しない透明性、ストレス白化性に
優れ、耐候性の改良された保護フィルム、シートの用途
に適したアクリル系の多層構造重合体および該多層構造
重合体からなるアクリル樹脂フィルムを提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らはこれ
らの問題点を解決するため、多層構造重合体に光安定剤
を化学的結合させることについて鋭意検討を行った結
果、反応性の光安定剤である2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン単量体を多層構造重合体に共重合させる
方法が最も効果的に金型、ロールの汚れと耐候性を改良
することを見出した。
【0006】本発明の要旨は、下記に示す5〜35重量
部の最内層重合体(A)、10〜50重量部の第二層重
合体(B)、30〜80重量部の最外層重合体(C)、
およびアルキルアクリレート量が該重合体(B)から該
重合体(C)に向かって単調減少するような5〜35重
量部の少なくとも一層の中間層重合体(D)からなり、
各々の該重合体が(A)、(B)、(D)、(C)の順
に重合されてなり、かつゲル含有率が少なくとも50重
量%以上である耐候性の改良された多層構造重合体およ
びこの多層重合体およびその多層構造重合体からなるア
クリル樹脂フィルムにある。
【0007】(A)80〜100重量%の炭素数1〜8
のアルキル基を有するアルキルアクリレートまたは炭素
数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート
(A1)、0〜20重量%の共重合可能な二重結合を有
する単量体(A2)、0〜10重量%の多官能性単量体
(A3)、および(A1)〜(A3)の合計量100重
量部に対し、0.1〜5重量部のグラフト交叉剤の組成
からなる最内層重合体(A)。
【0008】(B)80〜100重量%の炭素数1〜8
のアルキル基を有するアルキルアクリレート(B1)、
0〜20重量%の共重合可能な二重結合を有する単量体
(B2)、0〜10重量%の多官能性単量体(B3)、
および(B1)〜(B3)の合計量100重量部に対
し、0.1〜5重量部のグラフト交叉剤の組成からなる
第二層重合体(B)。
【0009】(C)51〜100重量%の炭素数1〜4
のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(C
1)、0〜49重量%の共重合可能な二重結合を有する
単量体(C2)、および(C1)、(C2)の合計量1
00重量部に対し0.01〜10重量部の下記に示す構
造を有する2,2,6,6−テトラメチルピペリジン単
量体とからなるガラス転移温度が少なくとも50℃以上
である最外層重合体(C)。
【0010】
【化2】
【0011】(D)10〜90重量%の炭素数1〜8の
アルキル基を有するアルキルアクリレート(D1)、1
0〜90重量%の炭素数1〜4のアルキル基を有するア
ルキルメタクリレート(D2)、0〜20重量%の共重
合可能な二重結合を有する単量体(D3)、0〜10重
量%の多官能性単量体(D4)、および(D1)〜(D
4)の合計量100重量部に対し、0.1〜5重量部部
のグラフト交叉剤の組成からなり、第二層重合体(B)
と最外層重合体(C)の間に少なくとも一層からなる中
間層重合体(D)。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の最内層重合体(A)は8
0〜100重量%のアルキルアクリレートおよびアルキ
ルメタクリレート(A1)、0〜20重量%の共重合可
能な二重結合を有する単量体(A2)、および0〜10
重量%の多官能性単量体(A3)の範囲で目的の物性に
応じて使用することができる。
【0013】本発明の該重合体(A)を構成するアルキ
ルアクリレートおよびアルキルメタクリレート(A1)
としては、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキル
アクリレート;例えば、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリ
レート等、および、炭素数1〜4のアルキル基を有する
アルキルメタクリレート;例えば、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
ブチルメタクリレート等が挙げられ、該アルキルアクリ
レートおよびアルキルメタクリレートは一種または二種
以上の混合物として用いることができる。該重合体
(A)は弾性体として作用する役目もあるためTgが低
い方が良く、好ましくは主成分である(A1)はブチル
アクリレートまたはブチルアクリレートとメチルまたは
エチルメタクリレートとの混合物が好ましい。また、該
アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート
(A1)はその後に続いて重合される各層の重合体にお
いて統一して用いる場合が最も好ましいが、最終目的に
よっては二種以上の単量体を用いたり、別種のアルキル
アクリレートおよびアルキルメタクリレートを用いても
差し支えない。
【0014】本発明の共重合可能な二重結合を有する単
量体(A2)としてはアルキル(メタ)アクリレート、
アルコキシ(メタ)アクリレート、シアノエチル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、アクリルアミ
ド等のアクリル性単量体、スチレン、4−メチルスチレ
ン等のスチレン類、その他(メタ)アクリロニトリル等
が挙げられる。該単量体は一種または二種以上の混合物
として使用することができる。また、全体の屈折率を近
づけ透明性を良くするためには20重量%を超えない範
囲で加えることが好ましい。
【0015】本発明における多官能性単量体(A3)と
してはエチレングリコールジメタクリレート、1,3−
ブチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジ
メタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリ
レート、1,4−ブチレンジオールジメタクリレート、
プロピレンジメタクリレート等のジメタクリレート類が
好ましく、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジ
アクリレート等を用いても良い。該多官能性単量体は有
効に架橋するために一種または二種以上の混合物として
用いる事ができる。また、弾性体の物性を向上させるた
めには(A3)を10重量%を超えない範囲で添加する
ことが好ましい。(A3)が10重量%を超える場合は
架橋密度が大きくなりストトレス白化性が低下するため
好ましくない。
【0016】また、グラフト交叉剤の量や用途によって
は(A2)、(A3)は必ずしも必要とは限らない。
【0017】また、(A1)〜(A3)の合計量100
重量部に対し、0.1〜5重量部のグラフト交叉剤が用
いられる。
【0018】本発明におけるグラフト交叉剤としては共
重合性のα,β−不飽和(ジ)カルボン酸のアリル、メ
タクリル、またはクロチルエステル、若しくはアクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、またはフマル酸のアリ
ルエステルが挙げられる。好ましくはアリルエステル
類、特にアリルメタクリレートが優れた効果を奏する。
また、該グラフト交叉剤は目的によっては一種または二
種以上の混合物として使用することができる グラフト交叉剤の量は重要であり、該重合体(A)に続
く(B)、(D)、(C)とグラフトさせるため少なく
とも0.1重量部必要であり、また、5重量部を超える
とストレス白化性を悪くするため好ましくない。
【0019】後述する2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン単量体(以下TMPMと略する)は該重合体
(A)においては10重量部以下で十分耐候性を向上さ
せるが、本発明の多層構造重合体中のTMPMの含有量
が耐候性を付与するのに十分であれば必ずしも該重合体
(A)に必要でない。また、本発明の多層構造重合体に
与える影響が少なくより十分な耐候性を得るためには
0.01〜5重量部であることが好ましい。
【0020】本発明の全多層構造重合体中における該重
合体(A)の含有率は5〜35重量部で、好ましくは5
〜15重量部が良く、特に乳化重合で該多層構造重合体
を合成する場合全体の粒径を制御するためには特に、5
〜15重量部の範囲が好ましい。
【0021】次に、本発明における第二層重合体(B)
は80〜100重量%の炭素数1〜8のアルキル基を有
するアルキルアクリレート(B1)、0〜20重量%の
共重合可能な二重結合を有する単量体(B2)、0〜1
0重量%の多官能性単量体(B3)の範囲で目的の物性
に応じて使用することができる。
【0022】本発明におけるアルキルアクリレート(B
1)としては(A1)と同様の炭素数1〜8のアルキル
基を有するアルキルアクリレートが挙げられる。特に該
重合体(B)は弾性体であるためガラス転移温度が低い
方が良く、主成分である(B1)はブチルアクリレート
が好ましい。
【0023】本発明における単量体(B2)としては
(A2)と同様のものが挙げられる。(B2)は全体の
屈折率を近づけ透明性を良くするためには20重量%を
超えない範囲で加えることが好ましく、該重合体(C)
での主成分の(C1)と同じアルキルメタクリレートが
好ましく、特にメチルメタクリレートが透明性に優れて
いるため好ましい。
【0024】本発明における単量体(B3)としては
(A3)と同様のものが挙げられる。また、弾性体の物
性を向上させるためには(B3)を10重量%を超えな
い範囲で添加することが好ましい。(B3)が10重量
%を超える場合は架橋密度が大きくなり弾性体としての
機能が低下しストレス白化性が低下する傾向がある。
【0025】また、グラフト交叉剤の量や用途によって
は(B2)、(B3)は必ずしも必要とは限らない。
【0026】また、(B1)〜(B3)の合計量100
重量部に対し、0.1〜5重量部のグラフト交叉剤が用
いられる。
【0027】本発明の重合体(B)中のグラフト交叉剤
は重合体(A)におけるグラフト交叉剤と同じものを用
いることができ、(B1)〜(B3)の合計量100重
量部に対し0.1〜5重量部用いられる。該グラフト交
叉剤の量は重要であり、重合体(B)と(A)、
(D)、(C)とグラフトさせるため少なくとも0.1
重量部必要であり、また、5重量部を超えると弾性体の
物性を悪くする傾向がある。
【0028】TMPMは該重合体(B)においては10
重量部以下の範囲で十分耐候性を向上するが、本発明の
多層構造重合体中のTMPMの含有量が耐候性を付与す
るのに十分であれば必ずしも該重合体(B)中に必要で
ない。また、多層構造重合体に与える影響が少なくより
十分な耐候性を得るためには0.01〜5重量部である
ことが好ましい。
【0029】本発明の全多層構造重合体中における該重
合体(B)の含有率は10〜50重量部で、好ましくは
最内層重合体(A)の含有量より高いことが弾性体とし
ての機能を引き出し衝撃強度を向上させる上で好まし
い。
【0030】また、本発明における最外層重合体(C)
は51〜100重量%の炭素数1〜4のアルキル基を有
するアルキルメタクリレート(C1)、0〜49重量%
の共重合可能な二重結合を有する単量体(C2)がこの
範囲で目的の物性に応じて使用することができる。
【0031】本発明におけるアルキルメタクリレート
(C1)としては(A1)と同様のものが挙げられる
が、透明性の点からメチルメタクリレートが好ましい。
【0032】本発明における単量体(C2)としては
(A2)と同様のものが挙げられる。外観等を良くする
ためには(C2)としては該重合体(A)、(B)に用
いたアルキルアクリレートが好ましく、特にブチルアク
リレートが最も好ましい。
【0033】また、(C1)、(C2)の合計量100
重量部に対し0.01〜10重量部のTMPMが用いら
れる。
【0034】本発明におけるTMPMとは下記に示す構
造を有する(メタ)アクリル酸2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジルまたは(メタ)アクリル酸1,2,
2,6,6−ペンタメチルピペリジルである。該TMP
Mは分子中に(メタ)アクリル基を有しておりアクリル
系の単量体との共重合性が優れていることが特長として
挙げられる。
【0035】
【化3】
【0036】該重合体(C)は本発明の多層構造重合体
の耐候性に大きく影響を及ぼす最外層であり、該重合体
(C)には少なくともTMPMが0.01重量部未満の
場合は十分な光安定性、耐候性を発現し得ない。また、
TMPMを10重量部より多く用いた場合、本発明の多
層構造重合体の透明性等の物性に影響を及ぼす傾向があ
る。本発明の多層構造重合体に与える影響が少なくより
十分な耐候性を得るためには0.01〜10重量部であ
ることが好ましく、0.03〜3重量部であることがよ
り好ましい。
【0037】また、該重合体(C)は本発明の多層構造
重合体の成形性、機械的性質に影響するため、ガラス転
移温度が少なくとも50℃以上であることが好ましく、
従って単量体(C1)、(C2)はガラス転移温度が5
0℃以上になるように留意して選定しその組成比を決定
される。
【0038】本発明のガラス転移温度(Tg)は例えば
ポリマーハンドブックに記載されているTgの値からF
oxの式 1/Tg=a1/Tg1+a2/Tg2 より計算により求めたものである。
【0039】本発明の全多層構造重合体中における該重
合体(C)の含有率は30〜80重量部で、好ましくは
40〜60重量部が良い。
【0040】本発明の中間層重合体(D)は上記最内層
重合体(A)、第二層重合体(B)、最外層重合体
(C)からなる基本構造単位において該重合体(B)と
該重合体(C)との間にが少なくとも一層を有す。該多
層構造重合体のストレス白化性、透明性を改良するため
には二層以上であってもかまわない。
【0041】本発明の中間層重合体(D)は10〜90
重量%の炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルア
クリレート(D1)、10〜90重量%の炭素数1〜4
のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(D
2)、0〜20重量%の共重合可能な二重結合を有する
単量体(D3)、0〜10重量%の多官能性単量体(D
4)がこの範囲で目的の物性に応じて使用することがで
きる。
【0042】該重合体(D)は該重合体(B)、(C)
との間をつなぐ層でありストレス白化性に影響するた
め、該アクリレート(D1)の量が該重合体(B)から
該重合体(C)に向かって単調減少するような範囲で設
定する必要がある。この意味からも本発明におけるアク
リレート(D1)としては(A1)、(B1)と同様の
アクリレートが挙げられ、特にブチルアクリレートが好
ましい。
【0043】本発明におけるメタクリレート(D2)と
しては(A1)、(C1)と同様のメタクリレートが挙
げられ、特にメチルメタクリレートが好ましい。
【0044】また、該単量体(D3)、(D4)につい
ても(D1)、(D2)と同様の理由より該重合体
(B)の該単量体(B2)、(B3)と同じものを用い
ることが好ましい。
【0045】また、(D1)〜(D4)の合計量100
重量部に対し、0.1〜5重量部のグラフト交叉剤が用
いられる。
【0046】グラフト交叉剤の量は重要であり、該重合
体(D)と(C)をグラフトさせるため少なくとも0.
1重量部必要であり、また、5重量部を超えるとストレ
ス白化等の物性を悪くする傾向がある。
【0047】TMPMは該重合体(D)においては10
重量部以下の範囲で十分耐候性を向上するが、本発明の
多層構造重合体中のTMPMの含有量が耐候性を付与す
るのに十分であれば必ずしも該重合体(D)中に必要で
ない。また、多層構造重合体に与える影響が少なくより
十分な耐候性を得るためには0.01〜5重量部である
ことが好ましい。
【0048】本発明の全多層構造重合体中における該重
合体(D)の含有率は5〜35重量部の範囲が好まし
く、5重量部未満では中間層としての機能を失い35重
量部を超えると全体の重合体としてのバランスを崩すの
で好ましくない。
【0049】本発明の多層構造重合体は上記各(A)、
(B)、(C)、および(D)の重合体層から構成され
るものであるが優れたストレス白化性を得るためにはゲ
ル含有量が少なくとも50重量%以上、好ましくは60
重量%以上が必要である。この場合のゲル含有量とは多
層構造重合体の1重量%アセトン溶液を調製し25℃に
て一昼夜放置後、4時間環流しこれを遠心分離器にて14
000r.p.mで60分間遠心分離した後の不溶分の重量%を
言う。成形性の点から言うとゲル含有量が小さい方が良
いため80重量%程度を超えない方がより好ましい。
【0050】さらに本発明の多層構造重合体全体に対
し、TMPMが0.01〜5重量%、好ましくは0.1
〜2重量%共重合されていることが必要である。0.0
1重量%未満であれば耐光性向上の効果がなく、また、
5重量%を超えても耐候性は変わらず不経済であり、ま
た物性への悪影響も考えられる。
【0051】本発明の多層構造重合体はその用途によっ
て種々の添加剤を添加しても良く、特に紫外線吸収剤を
含有することにより耐候性がさらに向上するため好まし
い。。これは本発明の特長である反応性の光安定剤と紫
外線吸収剤が相乗効果を起こして耐候性がより向上する
ためである。紫外線吸収剤としては公知のいずれのもの
を用いてもよく、例えばベンゾトリアゾール系、トリア
ジン系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤が挙げられ
る。このうちチヌビン234(チバガイギー社製)、ア
デカスタブLA−31(旭電化工業社製)等の分子量4
00以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、チヌビ
ン1577(チバガイギー社製)等の分子量400以上
のトリアジン系紫外線吸収剤等が成型時のブリードアウ
ト等が少なく好ましい。また、RUVA−93(大塚化
学社製)等の反応性紫外線吸収剤を共重合することは成
型時のブリードアウト等がないという点で特に好まし
い。また、紫外線吸収剤の含有量は0.1重量部以上で
十分な効果を得ることができ、該多層構造重合体の物性
等に影響を与えない10重量部以下の使用が好ましく、
物性と耐候性のバランスのとれた0.5〜3重量部の含
有量がより好ましい。
【0052】本発明の多層構造重合体の製法としては該
重合体(A)、(B)、(D)、(C)の順にいずれの
公知の重合方法で重合してもかまわないが、最も効果的
な製法としては各々の該重合体が(A)、(B)、
(D)、(C)の順に内部より多層構造を形成するため
に多段重合、好ましくは多段シード乳化重合法を用いる
のが有利である。このときの最終重合体の粒径は特に制
限されないが500〜3000 程度がストレス白化性
と機械的物性のバランスのとれた構造が得られ好まし
い。
【0053】本発明におけるアクリル樹脂フィルムの厚
みとしては300μmを超える場合には剛性が大きくな
り保護フィルムとして好ましくないため、該アクリル樹
脂フィルムの厚みは300μm以下である必要がある。
また該アクリル樹脂フィルムの製法としては特に限定さ
れずTダイ法、インフレーション法等の溶融押出法、溶
液流延法、およびカレンダー法等の公知の方法を用いる
ことできるが、フィルムの透明性、厚み調整が容易な点
からTダイ法が最も有利である。
【0054】本発明のアクリル樹脂フィルムの用途とし
ては、塩ビ用途(塩ビ窓枠、塩ビ壁紙、その他塩ビ内
装、外装建材)、PC用途(PC波板、PC平板)、そ
の他(高輝度反射材、照明・断熱材、太陽電池、積層A
BS成型品)等が挙げられる。
【0055】
【実施例】以下実施例にて本発明を詳細に説明する。
【0056】実施例中に用いる略語は次の通りである。
【0057】 メチルメタクリレート MMA ブチルアクリレート BA 1,3−ブチレングリコールジメタクリレート BD アリルメタクリレート AMA クメンハイドロパーオキサイド CHP ホルムアルデヒドナトリウムスルフォキシレート SFS また実施例中に用いる最外層重合体のTgは例えばポリ
マーハンドブックに記載されているTgの値からFox
の式 1/Tg=a1/Tg1+a2/Tg2 より計算により求めたものである。
【0058】さらに実施例中のゲル含有量、全光透過
率、引張強伸度、ストレス白化性、および耐候性は下記
の方法によって求めた。
【0059】ゲル含有量:多層構造重合体の1重量%ア
セトン溶液を調製し25℃にて一昼夜放置後4時間環流
し、これを遠心分離器にて14000r.p.mで60分間遠心分
離した後の不溶分を測定。
【0060】全光透過率:50μmのフィルムをAST
M D1003−61に準拠し反射・透過率計HR−1
00型((株)村上色彩技術研究所製)により測定し
た。
【0061】ロール汚れ:成型時のブリードアウトを見
るため、フィルム製膜時の冷却ロールの汚れを目視で評
価した。
【0062】○・・・・1分以上ロールに汚れが発生しな
い。
【0063】×・・・・1分未満でロールに汚れが発生す
る。
【0064】引張強伸度:厚さ50μmのフィルムを用
い幅1.5cm、測定長5cmの測定サンプルを準備
し、STOROGRAPH−T((株)東洋精機製)に
て測定した。
【0065】耐 候 性:50μmのフィルムを厚さ3
mmポリカーボネート板にラミネートした約6cm×
4.5cmのサンプル板を常温のイオン交換水中、24
時間浸漬した後十分に乾燥したサンプルをアイスーパー
UVテスター(大日本プラスチック(株)製)にて10
0時間処理した後の色差(ΔE)を測定した。
【0066】ストレス白化性:50μmのフィルムを180
度折り曲げたときの状態を目視で観察した。
【0067】○・・・・ほとんど白化せず。
【0068】×・・・・白化する。
【0069】(実施例1)冷却器付き重合容器内にイオ
ン交換水を250重量部、スルホコハク酸のエステルソ
ーダ塩を2重量部、SFSを0.05重量部を仕込み窒
素雰囲気下で攪拌後MMAを1.6重量部、BAを8重
量部、BDを0.4重量部、AMAを0.1重量部、ア
デカスタブLA−82(旭電化工業(株)製、メタクリ
ル酸1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)を
0.02重量部およびCHPを0.04重量部からなる
混合物を仕込んだ。70℃に昇温後60分間反応を継続
させ最内層重合体(A)の重合を完結した。
【0070】続いてMMAを1.5重量部、BAを2
2.5重量部、BDを1重量部、AMAを0.25重量
部、アデカスタブLA−82を0.1重量部、およびC
HPを0.02重量部を60分間で添加、重合して第二
層重合体(B)の重合を完結した。
【0071】続いて中間層重合体(D)としてMMAを
5重量部、BAを5重量部、AMAを0.1重量部、ア
デカスタブLA−82を0.04重量部、およびCHP
を0.01重量部の混合物を反応させ、最後にMMAを
49.5重量部、BAを5.5重量部およびアデカスタ
ブLA−82を0.24重量部を添加し反応させ最外層
重合体(C)を完結させ、最終粒径1200μmの多層
構造重合体を得た。
【0072】これを多層構造重合体100重量部に対し
5重量部の塩化カルシウムを用い塩析して洗浄後乾燥
し、紫外線吸収剤LA−31(旭電化工業(株)製)2
重量部を添加し賦形することにより50μmのフィルム
を成形した。
【0073】得られた多層構造重合体のゲル含有量、最
外層重合体のTg、粒子径および賦形時のロール汚れお
よび賦形して得られたフィルムの全光透過率、引張強伸
度、ストレス白化性、および耐候性について評価した結
果を表1に示す。
【0074】(実施例2)第一層重合体(A)のアデカ
スタブLA−82の代わりにアデカスタブLA−87
(旭電化工業(株)製、メタクリル酸2,2,6,6−
テトラメチルピペリジル)を0.05重量部、第二層重
合体(B)のアデカスタブLA−82の代わりにアデカ
スタブLA−87を0.25重量部用い、中間層重合体
(D)のアデカスタブLA−82の代わりにアデカスタ
ブLA−87を0.1重量部用い、最外層重合体(C)
のアデカスタブLA−82の代わりにアデカスタブLA
−87を0.6重量部用い、紫外線吸収剤LA−31の
代わりにチヌビン234(日本チバガイギー(株)製)
を5重量部用いる以外は実施例1と同様の方法で多層構
造重合体および50μmのフィルムを得た。
【0075】得られた多層構造重合体のゲル含有量、最
外層重合体のTg、粒子径および賦形時のロール汚れお
よび賦形して得られたフィルムの全光透過率、引張強伸
度、ストレス白化性、および耐候性について評価した結
果を表1に示す。
【0076】(実施例3)第一層重合体(A)のアデカ
スタブLA−82の代わりにCG28−906(日本チ
バガイギー(株)製、アクリル酸1,2,2,6,6−
ペンタメチルピペリジル)を0.01重量部、第二層重
合体(B)のアデカスタブLA−82の代わりにアデカ
スタブCG28−906を0.05重量部用い、中間層
重合体(D)のアデカスタブLA−82の代わりにアデ
カスタブCG28−906を0.02重量部用い、最外
層重合体(C)のアデカスタブLA−82の代わりにア
デカスタブCG28−906を0.12重量部用い、紫
外線吸収剤LA−31の代わりにチヌビン1577(日
本チバガイギー(株)製)を1重量部用いる以外は実施
例1と同様の方法で多層構造重合体および50μmのフ
ィルムを得た。
【0077】得られた多層構造重合体のゲル含有量、最
外層重合体のTg、粒子径および賦形時のロール汚れお
よび賦形して得られたフィルムの全光透過率、引張強伸
度、ストレス白化性、および耐候性について評価した結
果を表1に示す。
【0078】(実施例4)冷却器付き重合容器内にイオ
ン交換水を250重量部、スルホコハク酸のエステルソ
ーダ塩を2重量部、SFSを0.05重量部を仕込み窒
素雰囲気下で攪拌後MMAを1.6重量部、BAを8重
量部、BDを0.4重量部、AMAを0.1重量部、お
よびCHPを0.04重量部からなる混合物を仕込ん
だ。70℃に昇温後60分間反応を継続させ最内層重合
体(A)の重合を完結した。
【0079】続いてMMAを1.5重量部、BAを2
2.5重量部、BDを1重量部、AMAを0.25重量
部、およびCHPを0.02重量部を60分間で添加、
重合して第二層重合体(B)の重合を完結した。
【0080】続いて中間層重合体(D)としてMMAを
5重量部、BAを5重量部、AMAを0.1重量部、お
よびCHPを0.01重量部の混合物を反応させ、最後
にMMAを49.5重量部、BAを5.5重量部、アデ
カスタブLA−82を0.4重量部、および反応性紫外
線吸収剤RUVA−93(大塚化学(株)製)2重量部
を添加し反応させ最外層重合体(C)を完結させ、最終
粒径1200 の多層構造重合体を得た。
【0081】これを多層構造重合体100重量部に対し
5重量部の塩化カルシウムを用い塩析して洗浄後乾燥
し、賦形することにより125μmのフィルムを成形し
た。
【0082】得られた多層構造重合体のゲル含有量、最
外層重合体のTg、粒子径および賦形時のロール汚れお
よび賦形して得られたフィルムの全光透過率、引張強伸
度、ストレス白化性、および耐候性について評価した結
果を表1に示す。
【0083】(比較例1)LA−82を用いない以外は
実施例1と同様の方法で多層構造重合体および50μm
のフィルムを得た。
【0084】得られた多層構造重合体のゲル含有量、最
外層重合体のTg、粒子径および賦形時のロール汚れお
よび賦形して得られたフィルムの全光透過率、引張強伸
度、ストレス白化性、および耐候性について評価した結
果を表1に示す。
【0085】(比較例2)LA−82を用いず、光安定
剤としてアデカスタブLA−57(旭電化(株)製)
0.4重量部を混練時に用いる以外は実施例1と同様の
方法で多層構造重合体および50μmのフィルムを得
た。
【0086】得られた多層構造重合体のゲル含有量、最
外層重合体のTg、粒子径および賦形時のロール汚れお
よび賦形して得られたフィルムの全光透過率、引張強伸
度、ストレス白化性、および耐候性について評価した結
果を表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【発明の効果】本発明の多層構造重合体は、成形、混練
時に光安定剤がブリードアウトや揮発せず、該多層構造
重合体からなるアクリル樹脂フィルムは透明性、ストレ
ス白化性に優れ、耐候性が改良されたものであり、保護
フィルム、シートの用途に適している。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記に示す5〜35重量部の最内層重合
    体(A)、10〜50重量部の第二層重合体(B)、3
    0〜80重量部の最外層重合体(C)、およびアルキル
    アクリレート量が該重合体(B)から該重合体(C)に
    向かって単調減少するような5〜35重量部の少なくと
    も一層の中間層重合体(D)からなり、各々の該重合体
    が(A)、(B)、(D)、(C)の順に重合されてな
    り、かつゲル含有率が少なくとも50重量%以上である
    耐候性の改良された多層構造重合体。 (A)80〜100重量%の炭素数1〜8のアルキル基
    を有するアルキルアクリレートまたは炭素数1〜4のア
    ルキル基を有するアルキルメタクリレート(A1)、0
    〜20重量%の共重合可能な二重結合を有する単量体
    (A2)、0〜10重量%の多官能性単量体(A3)、
    および(A1)〜(A3)の合計量100重量部に対
    し、0.1〜5重量部のグラフト交叉剤の組成からなる
    最内層重合体(A)。 (B)80〜100重量%の炭素数1〜8のアルキル基
    を有するアルキルアクリレート(B1)、0〜20重量
    %の共重合可能な二重結合を有する単量体(B2)、0
    〜10重量%の多官能性単量体(B3)、および(B
    1)〜(B3)の合計量100重量部に対し、0.1〜
    5重量部のグラフト交叉剤の組成からなる第二層重合体
    (B)。 (C)51〜100重量%の炭素数1〜4のアルキル基
    を有するアルキルメタクリレート(C1)、0〜49重
    量%の共重合可能な二重結合を有する単量体(C2)、
    および(C1)、(C2)の合計量100重量部に対し
    0.01〜10重量部の下記に示す構造を有する2,
    2,6,6−テトラメチルピペリジン単量体とからなる
    ガラス転移温度が少なくとも50℃以上である最外層重
    合体(C)。 【化1】 (D)10〜90重量%の炭素数1〜8のアルキル基を
    有するアルキルアクリレート(D1)、10〜90重量
    %の炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタク
    リレート(D2)、0〜20重量%の共重合可能な二重
    結合を有する単量体(D3)、0〜10重量%の多官能
    性単量体(D4)、および(D1)〜(D4)の合計量
    100重量部に対し、0.1〜5重量部部のグラフト交
    叉剤の組成からなり、第二層重合体(B)と最外層重合
    体(C)の間に少なくとも一層からなる中間層重合体
    (D)。
  2. 【請求項2】多層構造重合体100重量部に対し0.1
    〜10重量部の紫外線吸収剤を含有する請求項1記載の
    多層構造重合体。
  3. 【請求項3】請求項1記載の多層構造重合体からなる厚
    み300μm以下のアクリル樹脂フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000020523A1 (fr) * 1998-10-05 2000-04-13 Nippon Shokubai Co., Ltd. Materiau stratifie en resine absorbant les ultraviolets
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US6352764B1 (en) 1999-08-09 2002-03-05 3M Innovative Properties Company Multi-layer articles including UV-absorbing polymeric compositions
WO2014041803A1 (ja) * 2012-09-13 2014-03-20 株式会社カネカ アクリル系樹脂フィルム

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