JPH1049859A - コンピュータデータ記録用磁気テープ及び磁気記録再生方法 - Google Patents

コンピュータデータ記録用磁気テープ及び磁気記録再生方法

Info

Publication number
JPH1049859A
JPH1049859A JP21776096A JP21776096A JPH1049859A JP H1049859 A JPH1049859 A JP H1049859A JP 21776096 A JP21776096 A JP 21776096A JP 21776096 A JP21776096 A JP 21776096A JP H1049859 A JPH1049859 A JP H1049859A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic layer
layer
tape
abrasive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21776096A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Masuyama
健一 増山
Toshio Kawamata
利夫 河俣
Yutaka Tsunoishi
裕 角石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP21776096A priority Critical patent/JPH1049859A/ja
Publication of JPH1049859A publication Critical patent/JPH1049859A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 テープの繰り返し高速走行に対しても磁気ヘ
ッドの摩耗が少なく、かつ出力や安定性の高い、DLT
システムのように固定ヘッドを用いるリニアトラックシ
ステム対応のコンピュータデータ記録用磁気テープを提
供する。 【解決手段】 3.0〜6.5μmの厚の非磁性支持体
の一方に、厚さ0.5〜3.0μmの非磁性層、及び厚
さ0.1〜0.4μmの磁性層をこの順に有し、かつ他
方にバックコート層を有し;該非磁性層及び磁性層が共
に研磨剤を含有しており;磁性層の表面に突出している
研磨剤の量が、1〜8個/100μm2 の範囲にあり、
かつ3D−MIRAU法による磁性層の表面粗さRa
が、2〜6nmの範囲にあり;テープの幅に対するテー
プの厚みの割合が3.5×10-4〜7.5×10-4であ
る1/2インチ幅のコンピュータデータ記録用磁気テー
プ。該磁気テープを固定磁気ヘッドと組み合わせた磁気
記録再生方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータデー
タを記録するために外部記録媒体として用いられる磁気
テープ及び磁気記録再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ミニコンピュータ、パーソナルコ
ンピュータなどのオフィスコンピュータの普及に伴っ
て、外部記憶媒体としてコンピュータデータを記録する
ための磁気テープ(所謂、バックアップテープ)の研究
が盛んに行われている。このような用途の磁気テープの
実用化に際しては、特にコンピュータの小型化、情報処
理能力の増大と相まって、記録の大容量化、小型化を達
成するために記録容量の向上が強く要求される。また磁
気テープの使用環境の広がりによる幅広い環境条件下
(特に、変動の激しい温湿度条件下など)での使用、デ
ータ保存に対する信頼性、更に高速での繰り返し使用に
よる多数回走行におけるデータの安定した記録、読み出
し等の性能に対する信頼性なども従来に増して要求され
る。
【0003】従来から、デジタル信号記録システムにお
いて使用される磁気テープは、システム毎に決められて
おり、所謂DLT型、3480、3490、3590、
QIC、D8型、あるいはDDS型対応の磁気テープが
知られている。そしてどのシステムにおいても、用いら
れる磁気テープは、非磁性支持体上の一方の側に、膜厚
が2.0〜3.0μmと比較的厚い単層構造の強磁性粉
末、結合剤、及び研磨剤を含む磁性層が設けられてお
り、また他方の側には、巻き乱れの防止や良好な走行耐
久性を保つために、バックコート層が設けられている。
しかし一般に上記のように比較的厚い単層構造の磁性層
においては、出力が低下するという厚み損失の問題があ
る。
【0004】磁性層の厚み損失の問題を解消するため
に、磁性層を薄膜化することが知られている。そしてこ
のような薄膜磁性層を有するコンピュータ用磁気テープ
も既に商品化されている。例えば、ポリエチレンテレフ
タレートなどの非磁性支持体の一方の側に、非磁性無機
粉末を結合剤に分散してなる厚さ0.5〜3.0μmの
非磁性層及びその上に強磁性粉末を結合剤に分散してな
る厚さ0.1〜0.4μmの磁性層が設けられ、かつ他
方の側にバックコート層が設けられてなる磁気テープが
利用されている。なお、磁性層は、所謂ウエット・オン
・ウエット法を利用し、非磁性層が湿潤状態にある内に
設けられているため、磁性層表面の表面性が改善されて
いる。
【0005】DLT型などのような固定ヘッドを使用す
る、所謂リニアトラックシステム用の磁気テープは、回
転磁気ヘッドを使用した他の記録再生システム用の磁気
テープに比して、テープの幅に対するテープの厚みの割
合が小さくなる傾向にある。例えば、DLT型対応の磁
気テープにあっては、テープの幅が1/2インチ(1
2.649mm)で、テープの厚みは近年薄くなる傾向
にあり、具体的には、14μmからが9μm程度に移行
している。従って、リニアトラックシステム用の磁気テ
ープは、データの記録容量を一般に大きくでき、大記録
容量が望まれるコンピュータデータ記録用として有利で
ある。またこのシステムにおける記録、読み出し(再
生)方式が、テープを並列方向に伸びる垂直トラックと
して分割し、テープが固定ヘッド上を通過するような機
構でデータの記録、再生を行うという、所謂リニア走査
方式を採用している。このため、回転磁気ヘッドを用い
たヘリカル走査方式を採用している他のシステムに比
べ、記録再生時のテープの走行スピードを上げることが
でき、従って一般にDLT型システムにおいては、デー
タの高速記録、再生が可能となるとの利点を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】固定磁気ヘッドを用い
るシステムにおいては、一般に磁性層と磁気ヘッドとの
間には空気の巻き込み量が少ない。このため磁性層の耐
久性と磁気ヘッド摩耗の軽減化の双方の要求を満たすこ
とは、回転ヘッドを用いるシステムに比べて困難とされ
ている。特にテープの高速走行が要求されるDLT型シ
ステムでは、テープの幅が広く、かつテープ厚の薄い磁
気テープを用いる場合にはより問題になる。例えば、従
来の二層構造(磁性層と非磁性層)の磁気テープをDL
T型システムに用いた場合には、高速で繰り返し走行し
ていると磁気ヘッドの摩耗が激しく、ヘッド寿命が短く
なったり、またそれに伴って充分な出力も得られにくく
なり易かった。また磁気テープの性能は、環境条件に左
右されることなく安定な性能を有していることが望まし
いが、使用環境条件の広がりにより、特に、高温度高湿
度、低温度低湿度などの激しい環境条件下で使用した場
合にはヘッド汚れが顕著となり、信号のエラーが発生し
易いとの問題もあることがわかった。
【0007】本発明の目的は、DLT型システムのよう
に固定磁気ヘッドを用いるリニアトラックシステム対応
の磁気テープに適したコンピュータデータ記録用磁気テ
ープであって、特に、高速でのテープの繰り返し走行に
対しても磁気ヘッドの摩耗が少なく、かつ出力や安定性
の高いコンピュータデータ記録用磁気テープを提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究により、
過度のヘッド摩耗や出力の低下は、非磁性層及び磁性層
に含まれる研磨剤の分散状態によることがわかった。即
ち、従来、非磁性層及び磁性層の塗布液としては、各層
の形成に必要な成分を一緒にニーダ等で混練した後、更
にサンドミルなどで分散したものを用いていた。磁性層
中には通常研磨剤が含まれるが、従来の方法に従って研
磨剤を直接粉体のまま塗布液の調製に用いた場合には、
その分散性が充分では無く、従ってこの塗布液を用いて
形成した薄膜磁性層の表面には、研磨剤の突出量が多く
なり、また良好な表面性も得られにくくなることがわか
った。その結果、出力が低下し、また得られた磁気テー
プをDLT型記録再生システム内で繰り返し高速走行さ
せた場合には、磁気ヘッドの摩耗が生じ易くなることが
わかった。また非磁性層中に研磨剤を含有させた場合に
おいても従来の方法で調製した塗布液を用いて非磁性層
を形成した場合には、塗布液中の研磨剤の不十分な分散
性により、不均一に形成された非磁性層の影響が薄膜磁
性層の表面に現れ、同様に、ヘッド摩耗が発生し、また
出力の低下も生じ易くなることがわかった。本発明者
は、上記非磁性層用及び磁性層用の塗布液の調製に際し
て、研磨剤を各層の他の成分から分離し、予め研磨剤及
び結合剤を含む分散液を調製し、この分散液を各層の塗
布液の調製工程で加えることで、研磨剤の分散性を高め
ることができ、またこれによって磁性層の表面に突出す
る研磨剤量の調整やその表面性の改良も可能であること
を見出した。そして、そのようにして製造されて、適度
の量の研磨剤が表面に均一に突出した磁性層を持つ磁気
テープがコンピュータデータ記録用として特に有用であ
ることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0009】本発明は、長尺状の非磁性支持体の一方の
側に、非磁性粉末、及び結合剤を含む実質的に非磁性で
ある厚さ0.5〜3.0μmの非磁性層及び強磁性粉
末、および結合剤を含む厚さ0.1〜0.4μmの磁性
層をこの順に有し、そして他方の側にバックコート層を
有する、テープの幅に対するテープの厚みの割合が3.
5×10-4〜7.5×10-4である1/2インチ幅のコ
ンピュータデータ記録用磁気テープであって、該非磁性
支持体の厚みが、3.0〜6.5μmの範囲にあり;非
磁性層及び磁性層が共に研磨剤を含有しており;磁性層
の表面に突出している研磨剤(最大径が0.3μm以上
の研磨剤)の量が、1〜8個/100μm2 の範囲にあ
り、かつ3D−MIRAU法による磁性層の表面粗さR
aが、2〜6nmの範囲にあることを特徴とするコンピ
ュータデータ記録用磁気テープにある。
【0010】本発明は以下の態様であることが好まし
い。 (1)磁性層の表面に突出している研磨剤の量が、2〜
7個/100μm2 である。 (2)磁性層表面の表面粗さRa(3D−MIRAU
法)が、2.1〜5.8nm(更に好ましくは、2.1
〜5.5nm)である。 (3)磁性層中の研磨剤が、0.1〜0.25μm(更
に好ましくは、0.15〜0.25μm)の平均粒子径
を有する。 (4)磁性層が、予め調製した研磨剤及び結合剤を含む
分散液と、残りの磁性層形成用成分とを混合分散するこ
とにより調製された塗布液を用いて形成されたものであ
る。 (5)非磁性層中の研磨剤が、0.06〜0.25μm
(更に好ましくは、0.08〜0.25μm、特に、
0.1〜0.23μm)の平均粒子径を有する。 (6)非磁性層が、予め調製した研磨剤及び結合剤を含
む分散液と、残りの非磁性層形成用成分とを混合分散す
ることにより調製された塗布液を用いて形成されたもの
である。 (7)非磁性支持体の厚みが、4.0〜6.0μmの範
囲にある。 (8)非磁性支持体が、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムである。 (9)強磁性粉末が、0.01〜0.12μmの長軸長
を有する粉末である。 (10)強磁性粉末が、イットリウム及びアルミニウム
を含む。
【0011】(11)バックコート層が、カーボンブラ
ック及び無機粉末を含む。 (12)バックコート層が、カーボンブラックを含んで
おり、該カーボンブラックが、10〜20mμの微粒子
状カーボンブラックと230〜300mμの粗粒子状カ
ーボンブラックの異なる平均粒子サイズを持つ二種類の
カーボンブラックからなる。 (13)バックコート層が、無機粉末を含んでおり、該
無機粉末が、平均粒子サイズが30〜50mμでモース
硬度3〜4.5の軟質無機粉末と平均粒子サイズが80
〜250mμでモース硬度5〜9の硬質無機粉末の異な
る二種類の無機粉末からなる。 (14)モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末が、炭酸
カルシウムである。 (15)モース硬度5〜9の硬質無機粉末が、α−アル
ミナ又はα−酸化鉄である。 (16)モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末と、モー
ス硬度5〜9の硬質無機粉末との硬さの差が2以上(更
に好ましくは、2.5以上、特に、3以上)である。 (17)バックコート層の厚さが、0.2〜0.8μm
の範囲にある。 (18)バックコート層の表面粗さRa(カットオフ
値:0.08mm)が、0.003〜0.060μmの
範囲にある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のコンピュータデ
ータ記録用磁気テープについて説明する。本発明の磁気
テープは、長尺状の非磁性支持体の一方の側に、厚さ
0.5〜3.0μm(好ましくは、0.5〜2.5μ
m、特に1.0〜2.5μm)の非磁性層と、該非磁性
層の上に厚さ0.1〜0.4μm(好ましくは、0.1
〜0.3μm)の磁性層を有する。また該支持体の他方
の側には、バックコート層が設けられている。バックコ
ート層の厚みは、0.2〜0.8μmの範囲にあること
が好ましい。磁気テープは、テープの幅(1/2インチ
幅)に対するテープの厚みの割合が、3.5×10-4
7.5×10-4(好ましくは、4.0×10-4〜7.5
×10-4、特に、5.0×10-4〜7.5×10-4)で
ある。
【0013】以下、磁性層、及び非磁性層、バックコー
ト層、そして非磁性支持体について順に詳述する。 [磁性層]磁性層は、強磁性粉末、研磨剤および結合剤
を含む層である。また、磁性層には、通常、更に潤滑
剤、及び導電性粉末(例、カーボンブラック)が含まれ
ている。強磁性粉末としては、例えば、γ−Fe2
3 、Fe34 、FeOx (x=1.33〜1.5)、
CrO2 、Co含有γ−Fe23 、Co含有FeOx
(x=1.33〜1.5)、強磁性金属粉末、及び板状
六方晶フェライト粉末を挙げることができる。本発明に
おいては、強磁性粉末として、強磁性金属粉末、あるい
は板状六方晶フェライト粉末の使用が好ましい。特に、
強磁性金属粉末が好ましい。
【0014】上記強磁性金属粉末は、その粒子の比表面
積が好ましくは30〜70m2 /gであって、X線回折
法から求められる結晶子サイズは、50〜300Aであ
る。比表面積が余り小さいと高密度記録に充分に対応で
きなくなり、又余り大き過ぎても分散が充分に行えず、
従って平滑な面の磁性層が形成できなくなるため同様に
高密度記録に対応できなくなる。強磁性金属粉末は、少
なくともFeを含む。具体的には、Fe、Fe−Co、
Fe−Ni、Fe−Zn−Ni又はFe−Ni−Coを
主体とした金属単体あるいは合金である。またこれらの
強磁性金属粉末の磁気特性については、高い記録密度を
達成するために、その飽和磁化量(飽和磁束密度)(σ
s )は110emu/g以上、好ましくは120emu
/g以上、170emu/g以下である。又保磁力(H
c)は、1400〜2500エルステッド(Oe)(好
ましくは、1500〜2400Oe)の範囲である。透
過型電子顕微鏡により求められる粉末の長軸長(すなわ
ち、平均粒子径)は、0.01〜0.12μm(好まし
くは、0.05〜0.11μm)である。また軸比(長
軸長/短軸長、針状比)は、好ましくは5〜20、更に
好ましくは、5〜15である。更に特性を改良するため
に、組成中にB、C、Al、Si、P等の非金属、もし
くはその塩、酸化物が添加されることもある。通常、前
記金属粉末の粒子表面は、化学的に安定させるために酸
化物の層が形成されている。
【0015】上記板状六方晶フェライト粉末は、その比
表面積が25〜65m2 /g、板状比(板径/板厚)が
2〜15、そして粒子サイズ(板径)が0.02〜1.
0μmである。板状六方晶フェライト粉末は、強磁性金
属粉末と同じ理由からその粒子サイズが大きすぎても小
さすぎても高密度記録が難しくなる。板状六方晶フェラ
イトとしては、平板状でその平板面に垂直な方向に磁化
容易軸がある強磁性体であって、具体的には、バリウム
フェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライ
ト、カルシウムフェライト、及びそれらのコバルト置換
体等を挙げることができる。これらの中では、特にバリ
ウムフェライトのコバルト置換体、ストロンチウムフェ
ライトのコバルト置換体が好ましい。本発明で用いる板
状六方晶フェライトには、更に必要に応じてその特性を
改良するためにIn、Zn、Ge、Nb、V等の元素を
添加してもよい。またこれらの板状六方晶フェライト粉
末の磁気特性については、高い記録密度を達成するため
に、前記のような粒子サイズが必要であると同時に飽和
磁化(σs )は少なくとも50emu/g以上、好まし
くは53emu/g以上である。又保磁力(Hc)は、
700〜2000エルステッド(Oe)の範囲であり、
900〜1600Oeの範囲であることが好ましい。
【0016】上記強磁性粉末の含水率は0.01〜2重
量%とすることが好ましい。また結合剤の種類によって
含水率を最適化することが好ましい。強磁性粉末のpH
は用いる結合剤との組み合わせにより最適化することが
好ましく、そのpHは通常4〜12の範囲であり、好ま
しくは5〜10の範囲である。強磁性粉末は、必要に応
じて、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処
理を施してもよい。表面処理を施す際のその使用量は、
通常強磁性粉末に対して、0.1〜10重量%である。
表面処理を施すことにより、脂肪酸などの潤滑剤の吸着
を100mg/m2 以下に抑えることができる。強磁性
粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、及びSrな
どが無機イオンとして含まれる場合があるが、その含有
量は5000ppm以下であれば特性に影響を与えるこ
とはない。
【0017】本発明で用いる強磁性粉末には、燒結防止
剤が含有されていても良い。燒結防止剤としては、従来
から公知のものを含有させることができる。これらの例
とてしては、Al、Si、P、Ti、及び希土類元素
(Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、E
u、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、L
u)を挙げることができる。本発明においては、少なく
ともY(イットリウム)が含有されていることが好まし
い。更に好ましくは、Y及びAlが含有されていること
である。なお、燒結防止剤の含有量は、通常強磁性粉末
中のFe原子に対して、1〜20原子%である。
【0018】研磨剤としては、例えば、α化率90%以
上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化珪素、酸化クロ
ム(Cr23 )、酸化セリウム、α−酸化鉄、コラン
ダム、人造コランダム、ダイアモンド、人造ダイアモン
ド、ザクロ石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄
鉱)、窒化珪素、チタンカーバイト、二酸化チタン、二
酸化珪素、及び窒化ホウ素を挙げることができる。これ
らは、単独で又は組み合わせて使用することができる。
これらの研磨剤は、モース硬度5以上(好ましくは、6
以上)である。磁性層で使用する研磨剤の平均粒子径
は、0.1〜0.25μmの範囲にあることが好まし
く、更に好ましくは、0.12〜0.23μmの範囲で
ある。研磨剤の添加量は、通常強磁性粉末100重量部
に対して、3〜25重量部(好ましくは、3〜20重量
部)の範囲である。
【0019】潤滑剤は、後述する非磁性層に含有させる
ことができる潤滑剤を使用することができる。潤滑剤の
通常の添加量は、磁性層に強磁性粉末100重量部に対
して、0.2〜20重量部の範囲である。
【0020】カーボンブラックとしては、後述する非磁
性層に含有させることができるカーボンブラックを使用
することができる。但し、磁性層で使用するカーボンブ
ラックは、その平均粒子径が、5mμ〜350mμ(更
に好ましくは、10mμ〜300mμ)の範囲にあるこ
とが好ましい。カーボンブラックは、平均粒子径の異な
るものを二種以上使用することができる。カーボンブラ
ックの添加量は、通常強磁性粉末100重量部に対し
て、0.05〜30重量部(好ましくは、0.05〜1
5重量部)の範囲である。
【0021】[非磁性層]非磁性層は、非磁性粉末、研
磨剤及び結合剤を含む実質的に非磁性の層からなる。こ
の非磁性層は、その上の磁性層の電磁変換特性に影響を
与えないように実質的に非磁性であることが必要である
が、磁性層の電磁変換特性に影響を与えない程度に少量
の磁性粉末が含まれていても特に問題とはならない。ま
た非磁性層には、通常はこれらの成分以外に潤滑剤が含
まれている。非磁性層で用いられる非磁性粉末は、微細
な粉末であり、例えば、微細な非磁性無機粉末、カーボ
ンブラックを挙げることができる。非磁性無機粉末は、
比較的硬いものが好ましく、モース硬度が5以上(更に
好ましくは、6以上)のものが好ましい。これらの非磁
性無機粉末の例としては、α−アルミナ、β−アルミ
ナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリ
ウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカー
バイト、二酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、酸化
亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、及び硫酸バリ
ウムを挙げることができる。これらは単独でまたは組合
せて使用することができる。これらのうちでは、酸化チ
タン、α−アルミナ、α−酸化鉄、又は酸化クロムが好
ましい。非磁性無機粉末の平均粒子径は、0.01〜
0.05μm(更に好ましくは、0.01〜0.04μ
m)の範囲にあることが好ましい。
【0022】カーボンブラックは、磁性層に導電性を付
与して帯電を防止すると共に、非磁性層上に形成される
磁性層の平滑な表面性を確保する目的で添加される。カ
ーボンブラックは、その平均粒子径が35mμ以下(更
に好ましくは、10〜35mμ)であることが好まし
い。またその比表面積は、5〜500m2 /g(更に好
ましくは、50〜300m2 /g)であることが好まし
い。DBP吸油量は、10〜1000ml/100g
(更に好ましくは、50〜300ml/100g)の範
囲にあることが好ましい。またpHは、2〜10、含水
率は、0.1〜10%、そしてタップ密度は、0.1〜
1g/ccであることが好ましい。なお、DBP吸油量
は、カーボンブラックにブチルフタレートを少しずつ加
え、練り合わせながらカーボンブラックの状態を観察
し、ばらばらに分散した状態から一つの固まりをなす点
を見出した時のブチルフタレートの添加量(ml)を意
味し、カーボンブラックの表面特性の評価に一般に用い
られている値である。
【0023】カーボンブラックは様々な製法で得たもの
が使用できる。使用できるものの例としては、ファーネ
スブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、
チャンネルブラック及びランプブラックを挙げることが
できる。カ−ボンブラックの具体的な商品例としては、
BLACKPEARLS 2000、1300、100
0、900、800、700、VULCAN XC−7
2(以上、キャボット社製)、#35、#50、#5
5、#60及び#80(以上、旭カ−ボン(株)製)、
#3950B、#3750B、#3250B、#240
0B、#2300B、#1000、#900、#40、
#30、及び#10B(以上、三菱化成工業(株)
製)、CONDUCTEX SC、RAVEN、15
0、50、40、15(以上、コンロンビアカ−ボン社
製)、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックE
CDJ−500およびケッチェンブラックECDJ−6
00(以上、ライオンアグゾ(株)製)を挙げることが
できる。
【0024】カーボンブラックの通常の添加量は、非磁
性無機粉末100重量部に対して、3〜20重量部であ
り、好ましくは、4〜18重量部、更に好ましくは、5
〜15重量部である。
【0025】非磁性層において、研磨剤は、磁気テープ
の側面に対して走行耐久性を付与させるために添加され
る。研磨剤としては、前記非磁性無機粉末のうち、モー
ス硬度が5以上(好ましくは、6以上)の所謂研磨剤と
して機能し得るものを使用することができる。具体的に
は、前記磁性層に使用することができる研磨剤として挙
げたものの中から適宜選択して使用することができる。
好ましいのは、α−アルミナである。但し、非磁性層で
使用する研磨剤は、上層の磁性層の表面性に影響を与え
ない程度の平均粒子径を有していることが好ましい。具
体的には、その平均粒子径は、0.06〜0.25μm
の範囲にあることが好ましい。更に好ましくは、0.0
8〜0.25μm、特に0.1〜0.23μmの範囲で
ある。研磨剤の非磁性層中への添加量は、通常非磁性無
機粉末100重量部に対して、3〜25重量部(好まし
くは、3〜20重量部)の範囲である。
【0026】潤滑剤は、磁性層表面ににじみ出ることに
よって、磁性層表面と磁気ヘッド、ドライブのガイドポ
ールとシリンダとの間の摩擦を緩和し、円滑に摺接状態
を維持させるために添加される。潤滑剤としては、例え
ば、脂肪酸、あるいは脂肪酸エステルを挙げることがで
きる。脂肪酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、
オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、ア
ラキン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エラ
イジン酸、及びパルミトレイン酸等の脂肪族カルボン酸
またはこれらの混合物を挙げることができる。
【0027】また脂肪酸エステルとしては、例えば、ブ
チルステアレート、sec-ブチルステアレート、イソプロ
ピルステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレ
ート、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキ
シルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、
ブチルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステー
ト、ブチルステアレートとブチルパルミテートの混合
物、オレイルオレエート、ブトキシエチルステアレー
ト、2−ブトキシ−1−プロピルステアレート、ジプロ
ピレングリコールモノブチルエーテルをステアリン酸で
アシル化したもの、ジエチレングリコールジパルミテー
ト、ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でアシル化
してジオールとしたもの、そしてグリセリンのオレエー
ト等の種々のエステル化合物を挙げることができる。こ
れらのものは、単独で、あるいは組み合わせて使用する
ことができる。
【0028】潤滑剤の通常の添加量は、全非磁性粉末
(研磨剤も含む)100重量部に対して、0.2〜20
重量部の範囲である。
【0029】[バックコート層]一般に、コンピュータ
データ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディ
オテープに比較して、繰り返し走行性が強く要求され
る。このような高い走行耐久性を維持させるために、バ
ックコート層には、カーボンブラックと無機粉末が含有
されていることが好ましい。カーボンブラックは、平均
粒子サイズの異なる二種類のものを組み合わせて使用す
ることが好ましい。この場合、平均粒子サイズが10〜
20mμの微粒子状カーボンブラックと平均粒子サイズ
が230〜300mμの粗粒子状カーボンブラックを組
み合わせて使用することが好ましい。一般に、上記のよ
うな微粒子状のカーボンブラックの添加により、バック
コート層の表面電気抵抗を低く設定でき、また光透過率
も低く設定できる。磁気記録装置によっては、テープの
光透過率を利用し、動作の信号に使用しているものが多
くあるため、このような場合には特に微粒子状のカーボ
ンブラックの添加は有効になる。また微粒子状カーボン
ブラックは一般に液体潤滑剤の保持力に優れ、潤滑剤併
用時、摩擦係数の低減化に寄与する。一方、粒子サイズ
が230〜300mμの粗粒子状カーボンブラックは、
固体潤滑剤としての機能を有しており、またバック層の
表面に微小突起を形成し、接触面積を低減化して、摩擦
係数の低減化に寄与する。しかし粗粒子状カーボンブラ
ックは、過酷な走行系では、テープ摺動により、バック
コート層からの脱落が生じ易くなり、エラー比率の増大
につながる欠点を有している。
【0030】微粒子状カーボンブラックの具体的な商品
としては、以下のものを挙げることができる。RAVE
N2000B(18mμ)、RAVEN1500B(1
7mμ)(以上、コロンビアカーボン社製)、BP80
0(17mμ)(キャボット社製)、PRINNTEX
90(14mμ)、PRINTEX95(15mμ)、
PRINTEX85(16mμ)、PRINTEX75
(17mμ)(以上、デグサ社製)、#3950(16
mμ)(三菱化成工業(株)製)。また粗粒子カーボン
ブラックの具体的な商品の例としては、サーマルブラッ
ク(270mμ)(カーンカルブ社製)、RAVEN
MTP(275mμ)(コロンビアカーボン社製)を挙
げることができる。
【0031】バックコート層において、平均粒子サイズ
の異なる二種類のものを使用する場合、10〜20mμ
の微粒子状カーボンブラックと230〜300mμの粗
粒子状カーボンブラックの含有比率(重量比)は、前
者:後者=98:2〜75:25の範囲にあることが好
ましく、更に好ましくは、95:5〜85:15の範囲
である。バックコート層中のカーボンブラック(二種類
のものを使用する場合には、その全量)の含有量は、結
合剤100重量部に対して、通常30〜80重量部の範
囲であり、好ましくは、45〜65重量部の範囲であ
る。
【0032】無機粉末は、硬さの異なる二種類のものを
併用することが好ましい。具体的には、モース硬度3〜
4.5の軟質無機粉末とモース硬度5〜9の硬質無機粉
末とを使用することが好ましい。モース硬度が3〜4.
5の軟質無機粉末を添加することで、繰り返し走行によ
る摩擦係数の安定化を図ることができる。しかもこの範
囲の硬さでは、摺動ガイドポールが削られることもな
い。またこの無機粉末の平均粒子サイズは、30〜50
mμの範囲にあることが好ましい。モース硬度が3〜
4.5の軟質無機粉末としては、例えば、硫酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、
炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、及び酸化亜鉛を挙げるこ
とができる。これらは、単独で、あるいは二種以上を組
み合わせて使用することができる。これらの中では、特
に、炭酸カルシウムが好ましい。
【0033】バックコート層内の軟質無機粉末の含有量
は、カーボンブラック100重量部に対して10〜14
0重量部の範囲にあることが好ましく、更に好ましく
は、35〜100重量部である。
【0034】モース硬度が5〜9の硬質無機粉末を添加
することにより、バックコート層の強度が強化され、走
行耐久性が向上する。これらの無機粉末をカーボンブラ
ックや前記軟質無機粉末と共に使用すると、繰り返し摺
動に対しても劣化が少なく、強いバックコート層とな
る。またこの無機粉末の添加により、適度の研磨力が付
与され、テープガイドポール等への削り屑の付着が低減
する。特に軟質無機粉末(中でも、炭酸カルシウム)と
併用すると、表面の粗いガイドポールに対しての摺動特
性が向上し、バックコート層の摩擦係数の安定化も図る
ことができる。硬質無機粉末は、その平均粒子サイズが
80〜250mμ(更に好ましくは、100〜210m
μ)の範囲にあることが好ましい。
【0035】モース硬度が5〜9の硬質無機質粉末とし
ては、例えば、α−酸化鉄、α−アルミナ、及び酸化ク
ロム(Cr23 )を挙げることができる。これらの粉
末は、それぞれ単独で用いても良いし、あるいは併用し
ても良い。これらの内では、α−酸化鉄又はα−アルミ
ナが好ましい。硬質無機粉末の含有量は、カーボンブラ
ック100重量部に対して通常3〜30重量部であり、
好ましくは、3〜20重量部である。
【0036】バックコート層に前記軟質無機粉末と硬質
無機粉末とを併用する場合、軟質無機粉末と硬質無機粉
末との硬さの差が、2以上(更に好ましくは、2.5以
上、特に、3以上)であるように軟質無機粉末と硬質無
機粉末とを選択して使用することが好ましい。
【0037】バックコート層には、前記それぞれ特定の
平均粒子サイズを有するモース硬度の異なる二種類の無
機粉末と、前記平均粒子サイズの異なる二種類のカーボ
ンブラックとが含有されていることが好ましい。特に、
この組み合わせにおいて、軟質無機粉末として炭酸カル
シウムが含有されていることが好ましい。
【0038】バックコート層には、潤滑剤を含有させる
ことができる。潤滑剤は、前述した非磁性層、あるいは
磁性層に使用できる潤滑剤として挙げた潤滑剤の中から
適宜選択して使用できる。バックコート層において、潤
滑剤は、結合剤100重量部に対して通常1〜5重量部
の範囲で添加される。
【0039】[結合剤]磁性層、非磁性層及びバックコ
ート層の形成に用いる結合剤としては、例えば、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物を
挙げることができる。熱可塑性樹脂の例としては、塩化
ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン酸、
アクルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、ア
クリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステ
ル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラー
ル、ビニルアセタール、及びビニルエーテルを構成単位
として含む重合体、あるいは共重合体を挙げることがで
きる。共重合体としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、
塩化ビニル−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステ
ル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−ス
チレン共重合体、メタアクリル酸エステル−アクリルニ
トリル共重合体、メタアクリル酸エステル−塩化ビニリ
デン共重合体、メタアクリル酸エステル−スチレン共重
合体、塩ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、クロロビニルエーテル−アクリル酸エス
テル共重合体を挙げることができる。上記の他に、ポリ
アミド樹脂、繊維素系樹脂(セルロースアセテートブチ
レート、セルロースダイアセテート、セルロースプロピ
オネート、ニトロセルロースなど)、ポリ弗化ビニル、
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂
なども利用することができる。
【0040】また熱硬化性樹脂または反応型樹脂として
は、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹
脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリ
コーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂とポリイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリ
エステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポ
リウレタンとポリイソシアネートの混合物を挙げること
ができる。
【0041】上記ポリウレタン樹脂は、ポリエステルポ
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、及
びポリカプロラクトンポリウレタンなどの構造を有する
公知のものが使用できる。
【0042】上記ポリイソシアネートとしては、例え
ば、トリレンジイソシアネート、4−4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、2,2−トリレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ト
リフェニルメタントリイソシアネートなどのイソシアネ
ート類、これらのイソシアネート類とポリアルコールと
の生成物、及びイソシアネート類の縮合によって生成し
たポリイソシアネ−トを挙げることができる。
【0043】本発明においては、その磁性層、非磁性層
及びバックコート層の結合剤は、塩化ビニル樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−無水マレイン酸共重合体、及びニトロセルロースの中
から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、ポリウレタン樹
脂との組合せ、またはこれらに更にポリイソシアネート
を組み合わて構成することが好ましい。
【0044】なお、結合剤としては、より優れた分散性
と得られる層の耐久性を得るために必要に応じて、−C
OOM、−SO3 M、−OSO3 M、−P=O(OM)
2 、−O−P=O(OM)2 (Mは水素原子、またはア
ルカリ金属を表わす。)、−OH、−NR2 、−N+
3 (Rは炭化水素基を表わす。)、エポキシ基、−S
H、−CNなどから選ばれる少なくともひとつの極性基
を共重合または付加反応により導入したものを用いる。
このような極性基は、結合剤に、10-1〜10-8モル/
g(更に好ましくは、10-2〜10-6モル/g)の量で
導入されていることが好ましい。
【0045】結合剤は、磁性層の強磁性粉末、あるいは
非磁性層の非磁性粉末100重量部に対して、通常5〜
50重量部(好ましくは10〜30重量部)の範囲で用
いられる。なお、磁性層、あるいは非磁性層に結合剤と
して塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイ
ソシアネートを組み合わせて用いる場合は、全結合剤中
に、塩化ビニル系樹脂が5〜70重量%、ポリウレタン
樹脂が2〜50重量%、そしてポリイソシアネートが2
〜50重量%の範囲の量で含まれるように用いることが
好ましい。バックコート層において上記結合剤はバック
コート層のカーボンブラック100重量部に対して、通
常5〜250重量部(好ましくは10〜200重量部)
の範囲で用いられる。
【0046】[任意成分]磁気テープの磁性層、非磁性
層、そしてバックコート層を形成するための塗布液に
は、磁性粉末、あるいは非磁性粉末、あるいは研磨剤を
結合剤中に良好に分散させるために、分散剤を添加する
ことができる。また必要に応じて、各層には、可塑剤、
カーボンブラック以外の導電性粒子(帯電防止剤)、防
黴剤なども添加することができる。分散剤としては、例
えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイ
ン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステア
ロール酸等の炭素数12〜18個の脂肪酸(RCOO
H、Rは炭素数11〜17個のアルキル基、又はアルケ
ニル基)、前記脂肪酸のアルカリ金属又はアルカリ土類
金属からなる金属石けん、前記の脂肪酸エステルのフッ
素を含有した化合物、前記脂肪酸のアミド、ポリアルキ
レンオキサイドアルキルリン酸エステル、レシチン、ト
リアルキルポリオレフィンオキシ第四級アンモニウム塩
(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンは、エチレ
ン、プロピレンなど)、硫酸塩、及び銅フタロシアニン
等を使用することができる。これらは、単独でも組み合
わせて使用しても良い。特にバックコート層には、オレ
イン酸銅、銅フタロシアニン、及び硫酸バリウムを組み
合わせて使用することが好ましい。分散剤は、いずれの
層においても結合剤100重量部に対して通常、0.5
〜20重量部の範囲で添加される。
【0047】[非磁性支持体]非磁性支持体の材質は、
従来から磁気テープの支持体として用いられていたもの
を使用することができる。具体的には、ポリエステル類
(例、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタ
レートとポリエチレンナフタレートとの混合物、エチレ
ンテレフタレート成分とエチレンナフタレート成分を含
む共重合物)、ポリオレフィン類(例、ポリプロピレ
ン)、セルロース誘導体類(セルロースジアセテート、
セルローストリアセテート)、ポリカーボネート、ポリ
アミド(中でも芳香族ポリアミド、アラミド)、ポリイ
ミド(中でも全芳香族ポリイミド)などの合成樹脂のフ
イルムなどから選んで使用することができる。安価に提
供できる点で、ポリエチレンテレフタレートフィルムが
好ましい。非磁性支持体は、3.0〜6.5μm(好ま
しくは、3.0〜6.0μm、更に好ましくは、4.0
〜5.5μm)の範囲の厚さのものが使用される。
【0048】[製造方法]本発明の磁気テープは、各層
の塗布液を調製した後、これらの塗布液を用いて、ま
ず、前記支持体の一方の面に、非磁性層及び磁性層を塗
布形成し、乾燥した後、次いで該支持体の他方の面に通
常の塗布方法に従ってバックコート層を形成し、乾燥す
ることにより製造することができる。磁性層及び非磁性
層の形成方法は特に限定されないが、磁性層は、非磁性
層用塗布液を支持体上に塗布後、形成された塗布層(非
磁性層)が湿潤状態にあるうちにこの上に磁性層用塗布
液を塗布する、所謂ウエット・オン・ウエット方式によ
る塗布方法を利用して形成されたものであることが好ま
しい。
【0049】上記ウエット・オン・ウエット方式による
塗布方法としては、例えば以下の方法を挙げることがで
きる。 (1)グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、ある
いはエクストルージョン塗布装置などを用いて、支持体
上にまず非磁性層を形成し、該非磁性層が湿潤状態にあ
るうちに、支持体加圧型エクストルージョン塗布装置に
より、磁性層を形成する方法(特開昭60−23817
9号、特公平1−46186号、及び特開平2−265
672号公報参照)。 (2)二つの塗布液用スリットを備えた単一の塗布ヘッ
ドからなる塗布装置を用いて支持体上に磁性層、及び非
磁性層をほぼ同時に形成する方法(特開昭63−880
80号、特開平2−17921号、及び特開平2−26
5672号各公報参照)。 (3)バックアップローラ付きエクストルージョン塗布
装置を用いて、支持体上に磁性層及び非磁性層をほぼ同
時に形成する方法(特開平2−174965号公報参
照)。非磁性層及び磁性層は同時重層塗布法を利用して
形成することが好ましい。
【0050】本発明の磁気テープでは、その磁性層の表
面粗さ(Ra)が、3D−MIRAU法(三次元法)に
よる測定で2〜6nm(好ましくは、2.1〜5.8n
m、更に好ましくは、2.1〜5.5nm)の範囲に調
整される。また、磁性層上に突出している研磨剤の量
は、1〜8個/100μm2 (好ましくは、2〜7個/
100μm2 )の範囲となるように調整される。但し、
ここで研磨剤の数の測定対象としたものは、電子顕微鏡
(一万倍)で観測されるその粒子径が0.3μm以上の
ものである。
【0051】上記のような磁性層の表面状態を実現する
具体的な方法としては、磁性層及び非磁性層中の研磨剤
の分散性を向上させる方法が有効であるが、具体的な好
ましい方法として、それぞれの塗布液について、予め研
磨剤及び結合剤を適当な溶剤に分散させて分散液とした
後、この分散液と残りの磁性層形成用成分、あるいは非
磁性層形成用成分とを混合分散することにより調製され
た塗布液を用いる方法を挙げることができる。またこの
方法と組み合わせて、非磁性層用及び磁性層用の塗布液
を塗布した後、乾燥工程において、溶剤の残存している
間の乾燥能力を制御(例えば、乾燥温度、あるいは風速
等の調整)することにより、磁性層の表面を目的の表面
状態になるように設定する方法を挙げることができる。
【0052】バックコート層の表面状態は、テープが巻
かれた状態で磁性層の表面に転写される傾向にある。こ
のためバックコート層の表面も比較的高い平滑性を有し
ていることが好ましい。従って本発明の磁気テープのバ
ックコート層の表面は、その表面粗さ(カットオフ0.
08mmの中心線平均粗さ)Raが、0.003〜0.
060μmの範囲にあるように調整されていることが好
ましい。なお、バックコート層の表面粗さは通常、塗膜
形成後、カレンダーによる表面処理工程において用いる
カレンダーロールの材質、その表面性、そして圧力等に
より、調整することができる。
【0053】本発明の磁気テープは、固定磁気ヘッドを
用いる所謂リニアトラックシステムの記録再生方式に対
応したコンピュータデータ記録再生システムにおいて有
利に用いることができる。即ち、固定磁気ヘッドが内蔵
された記録再生システムに本発明の磁気テープを装着
し、デジタル信号によるデータを記録再生することによ
り、本発明の磁気記録再生方法を実施することができ
る。なお、このシステムでは、磁気テープの高速走行に
よるデータの高速転送が可能であるが、本発明の磁気テ
ープを用いることにより、そのようなデータの高速転送
時に発生し易いヘッド摩耗量を低減化できる。
【0054】本発明の磁気テープの磁性層表面は、以下
のような測定方法により測定した場合、発生するヘッド
摩耗量が、10×10-4mm3 未満となるように調整さ
れていることが好ましい。更に好ましくは、8×10-4
mm3 以下、特に好ましくは7×10-4mm3 以下であ
る。即ち、DLT用記録再生システムのドライブのヘッ
ド部を外し、その代わりに図1に示されるような、四角
柱状のフェライトバーを取り付けたドライブにカートリ
ッジに収容された磁気テープ(カセットテープ)を装着
し、2.54mm/秒のテープ走行スピードで500フ
ィート長のテープを200パスさせた場合のテープ走行
面のフェライトバーの摩耗量が上記の値となるように、
磁気テープの磁性層表面が調整されていることが好まし
い。
【0055】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を記載し、本発明
を更に具体的に説明する。尚、以下に示す「部」は、特
に断らない限り「重量部」を表わす。
【0056】[実施例1] [非磁性層形成用塗布液及び磁性層形成用塗布液の調製] 1)研磨剤を含む分散液の組成 α−Al22 (アルミナ) 100部 [(平均粒子サイズ:0.2μm)] 極性基(−SO3 Na基)含有塩化ビニル系共重合体 12部 [−SO3 Na基の含有量:5×10-6モル/g、 重合度:350、エポキシキ基含有量:モノマー単位で3.5重量%、 (MR−110、日本ゼオン(株)製)] メチルエチルケトン 100部 上記の成分をサンドミルを用いて分散させて研磨剤を含
む分散液を調製した。
【0057】 2)非磁性層形成用成分 非磁性粉末 二酸化チタンTiO2 (ルチル型) 100部 [TiO2 含有量:90%以上 平均一次粒子径:0.035μm BET法による比表面積:40m2 /g pH:7.0 DBP吸油量:27〜38g/100g モース硬度:6.0 表面処理剤(A123 )] 磁性体表面処理剤 0.3部 [フェニルホスホン酸] 極性基(−SO3 Na基)含有塩化ビニル系共重合体 12部 [−SO3 Na基含有量:5×10-6モル/g、重合度350 エポキシ基含有量:モノマー単位で3.5重量% (MR−110、日本ゼオン(株)製)] 極性基(−SO3 Na基)含有ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 [ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/ MDI=0.9/2.6/1(重量比) −SO3 Na基1×10-4モル/g含有] ポリイソシアネート 3部 [(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)] 上記の研磨剤(α−アルミナ)を含む分散液 10部 カーボンブラック 10部 [(平均粒子サイズ:0.1μm、旭カーボン(株)製)] ブチルステアレート 0.1部 ステアリン酸 0.2部 オレイン酸 0.1部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 50部
【0058】 3)磁性層形成用成分 強磁性金属粉末 100部 [(組成/Fe:Co:Y:Al=100:10:3:11 保磁力(Hc):1800エルステッド(Oe) BET法による比表面積:57m2 /g 結晶子サイズ:170A 飽和磁化量(σs):130emu/g 粒子サイズ(平均長軸長):0.10μm pH:9.3] 磁性体表面処理剤[(フェニルホスホン酸)] 3部 極性基(−SO3 Na基)含有塩化ビニル系共重合体 10部 [−SO3 Na基含有量:5×10-6モル/g、重合度350 エポキシ基含有量:モノマー単位で3.5重量% (MR−110、日本ゼオン(株)製)] 極性基(−SO3 Na基)含有ポリエステルポリウレタン樹脂 2.5部 [ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/ MDI=0.9/2.6/1(重量比) −SO3 Na基含有量:1×10-4モル/g] ポリイソシアネート 2.5部 [(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)] 上記の研磨剤(α−アルミナ)を含む分散液 10部 カ−ボンブラック 1部 [(#50、平均粒子サイズ:0.10μm、旭カーボン(株)製)] ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 オレイン酸 1部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 50部
【0059】まず、上記磁性層形成用成分及び非磁性層
形成用成分の内、研磨剤を含む分散液以外の各成分をそ
れぞれ連続ニ−ダ(オープンニーダ)で混練した。得ら
れたそれぞれの混合物に研磨剤を含む分散液を各10部
加え、サンドミルを用いて分散させた。得られたそれぞ
れの分散液に上記ポリイソシアネ−トを非磁性層用の分
散液には3部、磁性層用の分散液には2.5部を加え、
各分散液を1μmの平均孔径を有するフィルターを用い
て濾過し、非磁性層形成用塗布液および磁性層形成用塗
布液をそれぞれ調製した。
【0060】 [バックコート層形成用塗布液の調製] (バックコート層形成用成分) 微粒子状カーボンブラック粉末 100部 [(キャボット社製、BP−800、平均粒子サイズ:17mμ)] 粗粒子状カーボンブラック粉末 10部 [(カーンカルブ社製、サーマルブラック、 平均粒子サイズ:270mμ)] 炭酸カルシウム(軟質無機粉末) 80部 [(白石工業(株)製、白艶華O、平均粒子サイズ:40mμ、 モース硬度:3)] α−アルミナ(硬質無機粉末) 5部 [(平均粒子サイズ:200mμ、モース硬度:9)] ニトロセルロース樹脂 140部 ポリウレタン樹脂 15部 ポリイソシアネート 40部 ポリエステル樹脂 5部 分散剤:オレイン酸銅 5部 銅フタロシアニン 5部 硫酸バリウム 5部 メチルエチルケトン 2200部 酢酸ブチル 300部 トルエン 600部
【0061】上記バックコート層を形成する各成分を連
続ニ−ダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させ
た。得られた分散液を1μmの平均孔径を有するフィル
ターを用いて濾過し、バックコート層形成用塗布液を調
製した。
【0062】[磁気テープの作製]得られた非磁性層形
成用塗布液と磁性層形成用塗布液を、乾燥後の非磁性層
の厚さが2.2μmとなるように、またこの上に乾燥後
の磁性層の厚さが0.3μmとなるように長尺状のポリ
エチレンテレフタレート(PET)支持体(厚さ:6.
0μm)上に同時重層塗布を行った。次いで、両層がま
だ湿潤状態にあるうちに、3000ガウスの磁束密度を
持つコバルト磁石と1500ガウスの磁束密度を持つソ
レノイドを用いて配向処理を行った。その後乾燥を行
い、非磁性層及び磁性層を設けた。その後、支持体の他
方の側(磁性層とは反対側)に、上記バックコート層形
成用塗布液を乾燥後の厚さが、0.5μmとなるように
塗布し、乾燥してバックコート層を設け、支持体の一方
の面に非磁性層と磁性層とが、そして他方の面にバック
コート層がそれぞれ設けられた磁気記録積層体ロールを
得た。得られた磁気記録積層体ロールを、金属ロールの
みから構成される7段のカレンダー処理機(温度80
℃、線圧300kg/cm2 )に通してカレンダー処理
を行い、次いで1/2インチの幅にスリットした。得ら
れた磁気テープをDLT用カートリッジに巻き込み、本
発明に従うコンピュータデータ記録用磁気テープを製造
した。なお、得られたバックコート層の表面粗さ(R
a:カットオフ0.08mmの中心線平均粗さ)は、
0.04μmであった。
【0063】[実施例2]〜[実施例4] 実施例1において、磁性層を下記表1に示すような厚み
になるように塗布したこと以外は、実施例1と同様にし
て本発明に従う磁気テープを作製した。なお、得られた
磁気テープの各バックコート層の表面粗さは、実施例1
と同じであった。
【0064】[実施例5]〜[実施例6] 実施例1において、厚みが6.5μm(実施例5)、又
は4.5μm(実施例6)のポリエチレンテレフタレー
ト(非磁性支持体)を用いたこと以外は、実施例1と同
様にして本発明に従う磁気テープを作製した。なお、得
られた磁気テープの各バックコート層の表面粗さは、実
施例1と同じであった。
【0065】[実施例7]〜[実施例9] 実施例1の研磨剤を含む分散液の調製において、平均粒
子サイズが、0.25μm、0.15μm、又は0.1
0μmのα−Al22 (アルミナ)を用いたこと以外
は、同様にして研磨剤を含む分散液(:0.25μ
m、:0.15μm、:0.10μm)をそれぞれ
調製した。実施例1において、磁性層に添加する研磨剤
を含む分散液として、上記で調製した分散液((実施
例7)、(実施例8)、及び(実施例9))を用い
たこと以外は、実施例1と同様にして本発明に従う磁気
テープを作製した。なお、得られた磁気テープの各バッ
クコート層の表面粗さは、実施例1と同じであった。
【0066】[実施例10]〜[実施例13] 実施例1の研磨剤を含む分散液の調製において、平均粒
子サイズが、0.06μmのα−Al22 (アルミ
ナ)を用いたこと以外は、同様にして研磨剤を含む分散
液(:0.06μm)を調製した。実施例1におい
て、非磁性層に添加する研磨剤を含む分散液として、前
記実施例7〜9で調製した分散液((実施例10)、
(実施例11)、及び(実施例12))、及び上記
で調製した分散液((実施例13))を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして本発明に従う磁気テープを
作製した。なお、得られた磁気テープの各バックコート
層の表面粗さは、実施例1と同じであった。
【0067】[実施例14]〜[実施例15] 実施例1において、非磁性支持体上に非磁性層形成用塗
布液、及び磁性層形成用塗布液を塗布した後、乾燥能力
をコントロールすることにより(具体的には、温度、風
速により乾燥する間の溶剤の残っている時間を調整する
ことにより)、磁性層表面上に突出している研磨剤の量
及びその表面性を下記の表1に示すように変更したこと
以外は、実施例1と同様にして本発明に従う磁気テープ
を作製した。なお、得られた磁気テープの各バックコー
ト層の表面粗さは、実施例1と同じであった。
【0068】[実施例16]〜[実施例17] 実施例1において、磁性層中の強磁性金属粉末として、
粒子サイズがそれぞれ0.12μm(実施例16)、又
は0.05μm(実施例17)の強磁性金属粉末を用い
たこと以外は、実施例1と同様にして本発明に従う磁気
テープを作製した。なお、得られた磁気テープの各バッ
クコート層の表面粗さは、実施例1と同じであった。
【0069】[比較例1]研磨剤を直接粉体のまま実施
例1の研磨剤重量割合で用いて磁性層形成用塗布液及び
非磁性層形成用塗布液をそれぞれ調製した(即ち、研磨
剤を他の磁性層形成用成分、あるいは非磁性層形成用成
分と分離し、研磨剤を含む分散液として用いることな
く、全ての磁性層形成用成分、あるいは全ての非磁性層
形成用成分を一緒に混合してそれぞれ塗布液を調製し
た)。得られた磁性層形成用塗布液、及び非磁性層形成
用塗布液を用いて磁性層、及び非磁性層を形成したこと
以外は、実施例1と同様にして比較用の磁気テープを作
製した。なお、得られた磁気テープのバックコート層の
表面粗さは、実施例1と同じであった。
【0070】[比較例2]研磨剤を直接粉体のまま実施
例1の研磨剤重量割合で用いて磁性層形成用塗布液を調
製した(即ち、研磨剤を他の磁性層形成用成分と分離
し、研磨剤を含む分散液として用いることなく、全ての
磁性層形成用成分を一緒に混合して塗布液を調製し
た。)。得られた磁性層形成用塗布液を用いて磁性層を
形成したこと以外は、実施例1と同様にして比較用の磁
気テープを作製した。なお、得られた磁気テープのバッ
クコート層の表面粗さは、実施例1と同じであった。
【0071】[比較例3]実施例1において、磁性層の
乾燥後の厚みが0.5μmとなるように塗布したこと以
外は、実施例1と同様にして比較用の磁気テープを作製
した。なお、得られた磁気テープのバックコート層の表
面粗さは、実施例1と同じであった。
【0072】[比較例4]〜[比較例5] 実施例1において、非磁性支持体上に非磁性層形成用塗
布液、及び磁性層形成用塗布液を塗布した後、乾燥能力
をコントロールすることにより(具体的には、温度、風
速により乾燥する間の溶剤の残っている時間を調節する
ことにより)、磁性層表面上に突出している研磨剤の量
及びその表面性を下記の表1に示すように変更したこと
以外は、実施例1と同様にして比較用の磁気テープを作
製した。なお、得られた磁気テープの各バックコート層
の表面粗さは、実施例1と同じであった。
【0073】以上のようにして得られたサンプルについ
て、磁性層上に突出している研磨剤の量、及び磁性層の
表面粗さRaを以下の方法で測定した。 (A)磁性層表面上に突出している研磨剤の量の測定 電子顕微鏡(一万倍)で観察して、最大径が0.3μm
以上の研磨剤の数を計数した。 (B)磁性層の表面粗さ(Ra)の測定 磁性層の表面粗さは、WYKO社製TOPO3Dを用い
てMIRAU法(3D−MIRAU法)で約250×2
50μmの中心線表面粗さを測定した。
【0074】[磁気テープとしての評価]得られたサン
プルを下記の評価方法にて評価した。 (1)磁気ヘッドの摩耗量 DLT型磁気記録再生システムのドライブのヘッド部を
図1に示すようなヘッド治具に変え、このドライブにカ
セットテープ(DLT用のカートリッジに収容した磁気
テープ)を装着し、以下の条件でテープを走行させた。
そして、走行後のフェライトのテープ走行面の摩耗幅を
測定し、摩耗体積を算出し、磁気ヘッドの摩耗量とし
た。 ヘッド治具に取り付けたヘッド部の材質: フェライト(フィリップス社製、3H7(Mn、Zn、
Fe)) ヘッド部の形状:正四角柱状のバー(寸法:4.5mm
×4.5mm×18mm) テープ走行速度:2.54mm/秒 測定したテープの長さ:500フィート パス回数:200パス
【0075】(2)出力 DLT型記録再生システムを用いて標準テープ(強磁性
金属粉末を磁性体とするテープ)を100%として出力
(2F)を測定した。
【0076】(3)ヘッド汚れ DLTシステムで24時間プレイ走行させ、走行後のヘ
ッド面を観察した。その結果、また、上記実施例、及び
比較例の全てのサンプルにおいては、ヘッド表面の汚れ
は殆ど生じていなかった。サンプル(磁気テープ)の特
徴、及びその評価結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】上記表1の結果から、本発明に従う磁気テ
ープ(実施例1〜17)は、塗布液の調製に際し、予め
研磨剤を各層の他の成分と別に分散して用いているため
(研磨剤を含む分散液として調製後、これを各層の他の
成分と混合、分散して用いているため)、磁性層上に突
出している研磨剤の量、及びその表面粗さが適度に調整
されている。このため、ヘッドの摩耗量が少なく、また
出力の低下も少ないことがわかる。
【0080】一方、比較例1〜2のように、磁性層形成
用塗布液の調製に際し、磁性層の成分をそれぞれ全て一
緒に混合、分散して調製した分散液を用いた場合には、
層中の研磨剤の分散性は充分ではないため、従って得ら
れた磁性層の表面性(Ra)も余り良くなく、また磁性
層上に突出した研磨剤の量も多く、ヘッド摩耗量の上昇
や出力の低下が見られた。また磁性層を本発明で規定す
る範囲より厚く形成した場合(比較例3)には、充分な
出力を得ることができない。非磁性層形成用塗布液及び
磁性層形成用塗布液を塗布後、乾燥工程において、乾燥
能力の調整により、磁性層表面上に突出した研磨剤の量
を本発明の範囲より多くなるようにコントロールした場
合には(比較例4及び5)、出力の低下は少ないが、ヘ
ッドの研磨量が多くなった。
【0081】
【発明の効果】本発明のコンピュータデータ記録用磁気
テープは、その磁性層の表面上に突出している研磨剤の
量及びその表面粗さが適度に調整されているため、ヘッ
ド摩耗量の低減化を図ることができ、ヘッド寿命を長く
保つことができる。また出力の低下も殆ど生じない。更
にヘッド汚れに伴う信号のエラーの発生なども抑えるこ
とができる。従って、本発明の磁気テープは、DLT型
磁気記録再生システムなどのテープの高速走行性が要求
されるリニアトラックシステムに適したテープというこ
とができる。また、一般に大きな記録容量が求められる
薄型の磁気テープにおいては、その使用環境によって性
能に影響を受け易くなる。特に幅広で薄型のテープは、
高温多湿、低温低湿などの厳しい条件下で使用した場合
には、ヘッド汚れが発生し、ドロップアウトによる信号
のエラーも増大し易くなる。しかし、磁性層及び非磁性
層中の研磨剤の分散性の高められた本発明の磁気テープ
では、環境条件の変動のよる性能への影響も比較的少な
く、従ってヘッド汚れに伴う信号のエラーの発生を抑制
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ヘッドの摩耗量の測定に使用したヘッド治
具を模式的に示した図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺状の非磁性支持体の一方の側に、非
    磁性粉末及び結合剤を含む実質的に非磁性である厚さ
    0.5〜3.0μmの非磁性層、及び強磁性粉末および
    結合剤を含む厚さ0.1〜0.4μmの磁性層をこの順
    に有し、そして他方の側にバックコート層を有する、テ
    ープの幅に対するテープの厚みの割合が3.5×10-4
    〜7.5×10-4である1/2インチ幅のコンピュータ
    データ記録用磁気テープであって、 該非磁性支持体の厚みが、3.0〜6.5μmの範囲に
    あり;非磁性層及び磁性層が共に研磨剤を含有してお
    り;磁性層の表面に突出している研磨剤の量が、1〜8
    個/100μm2 の範囲にあり、かつ3D−MIRAU
    法による磁性層の表面粗さRaが、2〜6nmの範囲に
    あることを特徴とするコンピュータデータ記録用磁気テ
    ープ。
  2. 【請求項2】 磁性層中の研磨剤が、0.1〜0.25
    μmの範囲の平均粒子径を有する請求項1に記載の磁気
    テープ。
  3. 【請求項3】 磁性層が、予め調製した研磨剤及び結合
    剤を含む分散液と、残りの磁性層形成用成分とを混合分
    散することにより調製された塗布液を用いて形成された
    ものである請求項1に記載の磁気テープ。
  4. 【請求項4】 非磁性層中の研磨剤が、0.06〜0.
    25μmの範囲の平均粒子径を有する請求項1に記載の
    磁気テープ。
  5. 【請求項5】 非磁性層が、予め調製した研磨剤及び結
    合剤を含む分散液と、残りの非磁性層形成用成分とを混
    合分散することにより調製された塗布液を用いて形成さ
    れたものである請求項1に記載の磁気テープ。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の磁気テープを固定磁気
    ヘッドを用いたリニア記録再生方式によりコンピュータ
    データの記録再生を行う磁気記録再生方法。
JP21776096A 1996-07-31 1996-07-31 コンピュータデータ記録用磁気テープ及び磁気記録再生方法 Pending JPH1049859A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21776096A JPH1049859A (ja) 1996-07-31 1996-07-31 コンピュータデータ記録用磁気テープ及び磁気記録再生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21776096A JPH1049859A (ja) 1996-07-31 1996-07-31 コンピュータデータ記録用磁気テープ及び磁気記録再生方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1049859A true JPH1049859A (ja) 1998-02-20

Family

ID=16709314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21776096A Pending JPH1049859A (ja) 1996-07-31 1996-07-31 コンピュータデータ記録用磁気テープ及び磁気記録再生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1049859A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6703107B2 (en) Magnetic tape
JPH11250449A (ja) 磁気テープ
JP2006054000A (ja) 磁気記録媒体
JPH11238225A (ja) 磁気テープ
JPH09265626A (ja) コンピュータデータ記録用磁気テープ
JP2000057561A (ja) 磁気テープ
JP2002183942A (ja) 磁気テープ
JP4335998B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生方法
JP2000155935A (ja) 磁気記録媒体
JP2000090431A (ja) 磁気テープ及びその製造方法
JP2007265547A (ja) 磁気記録媒体
JP3852198B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH11296839A (ja) 磁気テープ
JPH09326111A (ja) コンピュータデータ記録用磁気テープ
JPH10134337A (ja) コンピュータデータ記録用磁気テープ
JPH1196545A (ja) コンピュータデータ記録用磁気テープ
JPH09293229A (ja) コンピュータデータ記録用磁気テープ
JPH1049859A (ja) コンピュータデータ記録用磁気テープ及び磁気記録再生方法
JP2001006151A (ja) 磁気記録媒体
JPH1011736A (ja) コンピュータデータ記録用磁気テープ
JPH1069628A (ja) コンピュータデータ記録用磁気テープ
JPH10134343A (ja) コンピュータデータ記録用磁気テープ
JP2000105919A (ja) 磁気記録媒体
JP3955681B2 (ja) コンピュータデータ記録用磁気テープ
JP2002123934A (ja) 磁気テープの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040519

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040601

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060217

A521 Written amendment

Effective date: 20060419

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20060627

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20060908

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061213