JPH10500014A - ランダム切断されたcDNA/ゲノムDNA又はクローン化遺伝子を含むファージ/ファージミド表現ライブラリー - Google Patents

ランダム切断されたcDNA/ゲノムDNA又はクローン化遺伝子を含むファージ/ファージミド表現ライブラリー

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JPH10500014A
JPH10500014A JP7529557A JP52955795A JPH10500014A JP H10500014 A JPH10500014 A JP H10500014A JP 7529557 A JP7529557 A JP 7529557A JP 52955795 A JP52955795 A JP 52955795A JP H10500014 A JPH10500014 A JP H10500014A
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Abstract

(57)【要約】 所定構造に対して生物特異的親和性を有する1個以上のペプチドを同定する方法であって、該方法は、(a)クローン化遺伝子、cDNA又はゲノムDNA由来のDNA断片をヘルパーファージの表面タンパク質の遺伝子と融合するように連結させてファージ/ファージミドライブラリーを作成する段階、及び(b)所定構造に結合するファージ粒子を選択する段階を含む。該ファージ/ファージミドライブラリーは、ファージに対して異種であり且つクローン化遺伝子、cDNA又はゲノムDNA由来のDNA断片に融合した表面タンパク質の遺伝子を有する個々のメンバーを有し、該断片によりコードされるペプチドは個々のファージ粒子メンバーの表面上の表面タンパク質との融合の際に暴露される。

Description

【発明の詳細な説明】 ランダム切断されたcDNA/ゲノムDNA又はクローン化遺伝子を含むファー ジ/ファージミド表現ライブラリー技術分野 本発明は、所定の標的構造に結合するペプチドの新規な同定法に関する。さら に本発明は、新規なウイルスライブラリー、同定されたペプチドの産生法及び該 ペプチドをコードするDNA断片に関する。本発明のライブラリーの個々のメン バー間に認められる変異は、クローン化DNA、cDNA又はゲノムDNAから 得られたDNA断片に由来し得る。 原則として本発明はウイルスライブラリー全般に適用し得る。細菌系には重要 な実用的利点が存在するので、本発明の技術分野におけるこれまでの研究はE. coliのバクテリオファージに向けられてきた。本発明は、宿主細胞としてE .coliを用いたファージ/ファージミドライブラリーにより例示される。こ れは、本発明のファージ/ファージミドという概念が、特に断りのない限り、ウ イルス全般に対応する単位と解釈されることを意味する。本発明に用いられてい るファージミドは、ファージ/ウイルス の表面上で発現され得るファージ/ウイルス表面タンパク質の遺伝子又はその修 飾形を有している。 「ペプチド」という用語は、3個以上、好ましくは5個以上のアミノ酸残基を 有するオリゴペプチド及びポリペプチドを意味する。従って、本発明は主として 、3個以上、好ましくは5個以上のアミノ酸残基を有するペプチドのマッピング 及び選択に関する。 「核酸断片」及び「ヌクレオチド配列」(DNA断片)という用語は、5個以 上、好ましくは10個以上又は15個以上の塩基対/塩基を有するオリゴヌクレ オチド及びポリヌクレオチドを意味する。 「ファージライブラリー」という用語は、特に断りのない限り、ファージ粒子 並びにファージミド粒子のライブラリーを意味する。従来の技術及び該技術に係わる問題点 短いランダムペプチドのライブラリーはかなり前から所定結合特異性を有する ペプチドを選択するストックとして用いられている。これに関連して、個々のペ プチドメンバーをウイルス/ファージ粒子の表面タンパク質との融合タンパク質 として発現させることが一般的になっている。従 って、構築されたファージライブラリーは、ファージ粒子の表面(ファージ表現 )及びDNAレベルの点で変異を有していた。該技術の第1の変異形では、各ペ プチドをコードする個々のオリゴヌクレオチドメンバーを天然のファージDNA と融合させた。このような方法は本質的に限界を有することを意味する。という のは、ファージのE.coli感染能を破壊しないようにするためには、オリゴ ヌクレオチド(挿入体)が比較的短くなければならないからである。後にファー ジベクターを、ヘルパーファージと組み合わせたファージミドベクターに取り換 えたが、該系において、ファージミドベクターは、ファージの遺伝子間領域及び ファージ表面タンパク質遺伝子の担体であった。ヘルパーファージ、ファージミ ド及び表面タンパク質は主として、好ましい表面タンパク質(タンパク質III) としてノーズ(nose)タンパク質(受容タンパク質)を含むいわゆる線状フ ァージ由来であった。一般にこれまで用いられてきた表面タンパク質は同一ファ ージ粒子上に数個のコピーとして存在するが、これは、ファージミドベクターを 用いてファージ粒子上に融合表面タンパク質を暴露させると、同一ファージ粒子 上に1個以上のコピーが出現することを 意味する。本発明の技術分野におけるさらなる詳細については、例えば:Smi thら,Science 228(1985)1315−17;Cwirlaら ,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87(1990)6378 −82;Devlinら,Science 249(1990)404−406 ;Stephenら,J.Mol.Biol.225(1992)577−58 3;Koivunenら,J.Biol.Chem.225(1993)577 −583;Parmleyら,73(1988)305−308を参照されたい 。 タンパク質III以外の潜在的に有用な表面タンパク質の例は、タンパク質IIIと 同じ様なファージの表面上に数個のコピーを出現するタンパク質であるタンパク 質VIIIである。タンパク質VIIIは、ファージの感染力に関して確認された受容体 機能を全く有していない〔Kayら,Proc.Natl.Acad.Sci. USA 88(1991)4363−66〕。用いられている他のタンパク質は タンパク質VIである〔Jespersら,Biotechnology13(1 995)378−382〕。 ファージ表現(phage display)法は、完全 抗体の可変ドメインを発現するファージからなる一本鎖抗体(ScFv)ライブ ラリー〔McCaffertyら,Nature 348(1990)552− 554;及びClacksonら,Nature 352(1991)624− 628〕並びに組合わせ抗体断片(Fab)ライブラリー〔Barbasら,P roc.Natl.Acad.Sci.USA 88(1991)7978−7 982;Hoogenboomら,Nucl.Acids Res.19(19 91)4133−4137;及びHogrefeら,Gene 128(199 3)119−126〕の構築にも用いられている。該方法は、Ig Fab領域 に特異的な特定のPCRプライマーを用いてFab領域をコードするヌクレオチ ド配列を作製することを含む。ファージライブラリーで該配列を発現させること により、研究者が異なる抗原に特異的に結合する抗体の一部を表現するファージ を選択することが可能になった。このような方法は、PCRを実施するためには DNA配列がわかっていなければならず、そのためには、mRNAのFab領域 に特異的なPCRプライマーにアクセスする必要があるという欠点を有している 。 従来技術の方法は、所定構造に結合するペプチドの選択にファージ/ファージ ミドライブラリーを用いる方法であると要約し得る。該方法は、 (i)比較的短い合成オリゴヌクレオチド又は免疫グロブリンのFab領域をコ ードするmRNAをPCR増幅して得られたcDNA断片からなるオリゴヌクレ オチド又はポリヌタレオチドライブラリーを作成する段階; (ii)段階(i)で作成されたライブラリーの個々のメンバーをファージ粒子の 表面タンパク質をコードする遺伝子と連結して、各ファージ粒子の表面上で、そ れぞれ表面タンパク質との融合タンパク質として、挿入オリゴヌクレオチド又は 挿入cDNA断片によってコードされるペプチドを暴露させる段階; (iii)段階(ii)で得られたライブラリーから所定構造に結合する能力に関し てファージを選択する段階; その後で、 (iv)所望なら、選択されたファージを選択圧力下に増幅して融合遺伝子を形 成し、ファージ表面上で融合タンパク質を発現させる段階;及び (v)所望なら、選択されたファージ上に存在し且つ挿入 されたヌクレオチド配列(それぞれ、オリゴヌクレオチド配列及びcDNA断片 )によりコードされるペプチドのアミノ酸配列、及び/又は前記アミノ酸配列を コードするヌクレオチド配列を決定する段階 を含む。 段階(ii)で実施される連結は、段階(i)で作成されたライブラリーの全て のメンバーを、同じように制限酵素で消化した1組のファージミド分子(ファー ジミドベクター)と接触させることを意味する。連結は、ファージミド分子に挿 入されるどのDNA断片に関してもランダムとなる。本発明 本発明の特徴は、ファージの表面タンパク質をコードする遺伝子に連結される DNA断片が、クローン化遺伝子、cDNA又はゲノムDNAに対応する核酸( DNA)由来であるということにある。 DNA断片の起源の核酸は、オリゴ/ポリペプチドをコードする領域を含んで いなければならないが、真核細胞起源のものであっても原核細胞起源のものであ ってもよい。原則として、選択される遺伝子又はペプチドの配列につい てはそれ以上知る必要はない。cDNAは、それ自体公知の方法によりmRNA から例えば真核細胞ペプチドをコードする逆転写酵素を用いて作製し得る。真核 細胞mRNAの逆転写により、個々のメンバーが異なるcDNA断片を含む種及 び組織特異的ファージ/ファージミドライブラリーを作成し得る。その例として は、ヒト特異的ライブラリーや、選択されたヒト組織、細胞及び器官特異的ライ ブラリー、例えば腎臓特異的ライブラリーがある。 核酸のランダム断片は多くの方法で得ることができる。DNAを非特異的に断 片化する方法を用いるのが好ましいが、最も好ましいのは、完全にランダムであ るか、ランダムに近い方法である。適切な方法の例としては、超音波による音波 処理、及びDNA配列の如何に拘わらず、種々の位置でDNAを非特異的に切断 するDNアーゼI又は他の酵素での消化が挙げられる。mRNAからcDNAの ランダム断片を作製するために標準化法に従って逆転写酵素及びランダムプライ マー(市販)を用いることも潜在的に可能である。ランダムプライマー及び逆転 写酵素により得られるcDNA断片は、本発明の場合、cDNAのランダム切断 により形成されるcDNA断片と同等であり得る。 ファージDNAに挿入されるDNA断片の適当な大きさは20〜10,000 塩基対の範囲である。より狭い範囲が好ましい場合が多いが、該範囲は適切な断 片化法を選択することにより得られる。幅広の範囲は、分別例えば電気泳動によ り狭め得る。 通常、ファージミドは抗生物質耐性をコードする遺伝子を有しており、該遺伝 子により本発明のファージ/ファージミドライブラリーを増幅し、それ自体公知 の方法を用い、適切な宿主細胞中で当該抗生物質の存在下に該ファージ/ファー ジミドを培養して個々のメンバーをクローン化し得る。ファージミドベクターラ イブラリーの増幅は、用いられる宿主細胞(例えば、E.coli)が上記のD NA断片に連結されたファージミドで初期に形質転換されている場合には、該宿 主細胞を培養・溶菌した後で実施し得る。ファージミドを移入した宿主細胞にヘ ルパーファージを感染させると、該細胞は完全なファージ粒子を形成する。その 結果、一部のファージ粒子が融合遺伝子を含むファージミドベクターを有し、他 のファージ粒子が天然のファージDNA(融合遺伝子を欠く)を有するファージ ライブラリーが得られる。該ファージの表面上で、天然表面タンパク 質は0又は1個以上の分子と融合した表面タンパク質と結合する。各ライブラリ ーのファージミドベクターメンバーは、挿入されたDNA断片の大きさがそれぞ れ異なっており、例えば、20〜10,000塩基対の範囲の大きさを有し得る 。さらに、各ライブラリーのファージ粒子は、挿入されたDNA断片によりコー ドされるアミノ酸配列(ペプチド)の点で異なっている。通常、アミノ酸配列は 6〜3,300アミノ酸残基を含んでいる。 DNA断片をファージミドベクターに連結する前に、その末端をベタターの利 用切断部位に適合させる。該断片が音波処理又は他の方法により種々のタイプの 末端(種々の粘着性末端及び平滑末端)を形成している場合、該末端は、ファー ジミドの挿入位置にもマッチする全く同一タイプのものに形質転換する必要があ る。本出願人は、該末端を平滑末端としてから、これも末端を平滑化したファー ジミドベクターに連結することを選択した。 優先日の時点では、好ましいファージミドベクターは挿入断片に対する融合パ ートナーとしてのノーズタンパク質(nose protein)遺伝子(例え ば、遺伝子III)であった(実施例1〜3)。優先年の終わりの時点では、 好ましい融合パートナーは、タンパク質VIIIのような多重コピー表面タンパク質 遺伝子に変っていた(実施例4)。 本出願人が用いたファージミドベクターは、DNA断片の挿入位置の前又は後 に(及び常に表面タンパク質をコードするヌクレオチド配列の前に)いわゆる滑 り配列(slippery sequence)を有している。滑り配列とは、 リボソームが滑って、読み取りフレームを変化させ得ることを意味する。優先日 の時点では、本出願人は、挿入体のヌクレオチド配列が同様にシフトしても、挿 入されたDNA及び表面タンパク質をコードするヌクレオチド配列への正しい読 み取りフレームを確保するためにはこの滑り配列が必須であると考えた。「ヌク レオチド配列の分析」の結果については実施例1及び4を参照されたい。 滑り配列は既に記載されている。考察には、Atkinsら,Cell 62 (1990)413−423を参照されたい。滑り配列の例としては、微量tR NAによって認識されるいわゆるハングリーコドン、特にタンデムハングリーコ ドン〔Parker,Microbiol.Rev.53(1989)273− 298及びSpanjardら,Proc.Natl.Acad.Sci.US A,85, 1988)7967−7971)〕又は逐次配置された3個、4個又はそれ以上 の同一塩基(例えばアデニン)即ちタンデムコドンを含むmRNA中でループを 形成する配列である。 さらに、本出願人が用いたファージミドベクターは、断片の挿入部位と表面タ ンパク質をコードするヌクレオチド配列との間にいわゆるアンバー終止コドンを も有していた。挿入されたDNA断片によりコードされるペプチド(非融合形態 で得られる)がアンバー抑制能を欠く宿主細胞中でファージミドベクターから直 接発現され得るので、アンバー終止コドンの存在は有用であり得る。実施例1の 「ペプチドの精製」を参照されたい。ファージミドベクター中にアンバー終止配 列が存在するということは、本発明のファージ粒子ライブラリーの形成及び増幅 にアンバー抑制性の宿主細胞を用いる必要があることを意味する。 ライブラリーからの関連ファージの選択はそれ自体公知の方法(将来の方法も 含む)で実施され、本発明のファージライブラリーを、ファージ粒子が所定構造 に結合(通常、生物特異的親和性により)するのにマッチしたアミノ酸配列を暴 露させ得る条件下に、所定構造と接触させるように 企図されている。その後で、結合していないファージ粒子を混合物から除去し、 結合したファージ粒子を選択的に所定構造から遊離(解離)させ得る。結合構造 は、高次又は低次複合体、例えば、単一のタンパク質、単一のエピトープ、全細 胞、ウイルス、組織、炭水化物構造、脂質、抗体(例えばポリクローナル又はモ ノクローナル抗体)などであってよい。本出願人は、パンニングを用いたが、パ ンニングとは、選択したい結合構造が既に固定されている表面と、ファージライ ブラリーとを接触させることを意味する。他の代替え法は、溶解形態及び/又は 天然形態(例えば、細胞表面受容体が細胞として存在し得る)の結合構造をとる ものである。 特に、パンニングにより選択すると、しばしば比較的高いバックグラウンド( 所定構造又は該構造を固定し得る表面へのファージの非特異的結合)が生じる。 より精選された選択を必要とする場合、おおざっぱな選択の後で又は該選択に代 えて、例えば、選択されたファージミドをクローン化し、各クローンを溶解形態 の所定構造に結合する能力を有するペプチド含量について調べてもよい。 所定構造に対する特異的結合により選択されたファージ 粒子の場合、挿入断片(連結されたDNA断片)及び対応ペプチドの配列は、そ れ自体公知の方法で決定し得る。 本発明の1つの態様は、所定構造に結合するペプチドの産生法である。該態様 は、本発明に従って結合ペプチドを選択することから出発し、次いで該ペプチド のアミノ酸配列及び/又は対応ヌクレオチド配列についての知識を用い、それ自 体公知の方法で該ペプチド又はその修飾形態(融合形態及び化学誘導体並びに将 来開発されるであろう方法を含む)を産生させることである。 本発明の別の態様は、所定構造に結合するペプチドをコードするDNA断片を 作製する方法である。該方法は、上記のようにファージ/ファージミドを選択し 、それ自体公知の方法で、選択されたファージ/ファージミド粒子からその断片 を得ることである。 本発明のさらに別の態様は、ファージに対して異種の種々のDNA断片に融合 した表面タンパタ質の遺伝子が様々に異なる個々のメンバーを有するファージ/ ファージミドライブラリーである。企図されているDNA断片は、クローン化遺 伝子、cDNA又はゲノムDNA由来である。挿入されたDNA断片によりコー ドされるペプチドを該ラ イブラリーのファージ粒子上の表面タンパク質と融合させる際に暴露させる。 「ファージ/ファージミドライブラリー」という用語は、ファージ粒子及び/ 又はファージミドベクターからなるライブラリーを意味する。 本願出願日の時点では、本発明は主として新規且つこれまで知られていなかっ た結合ペプチドの選択及びタンパク質の結合領域のマッピングに有用であると考 えられていた。極めて重要な価値を有すると思われる副次態様は、結合構造の高 次又は低次複合混合物中の免疫原性エピトープ、特に免疫優性エピトープを決定 するために、タンパク質、ウイルス、細菌などに対するポリクローナル抗体をマ ッピングすることである。実施例3を参照されたい。 本発明は、本明細書の一部である添付特許請求の範囲においてより厳密に限定 される。 実施例 実施例1 .遺伝子IIIとの融合.所定結合特異性を有するタ ンパク質についての生物ゲノムのスクリーニン グ.発現したタンパク質のマッピング. 序説: Staphylococcal aureus 8325−4が、プロテインA (IgG結合タンパク質)及びフィブロネクチン結合タンパク質(該タンパク質 はどちらも早期にクローン化されている)を発現させることは知られて c.Natl.Acad.Sci.USA 86(1989) ochem.292(1991)1041−48〕。S.aureus及びこれ ら2種のタンパク質の結合能を本発明のテストモデルとして用いた。材料及び方法 細菌株及びヘルパーファージ:E.coli株TGI(アンバー抑制性)をライ ブラリーの構築及びファージストックの産生に用いた。E.coli 株MC1 061をヌクレオチド配列決定用DNAの作製及び精製用組換えタンパク質の調 製に用いた。ファージR408(Promega)をヘルパーファージとして用 いた。 ライブラリーの構築:全てのDNA操作は標準条件を用いて行った。制限酵素及 び修飾酵素はAmersham(イ ギリス)及びBoehringer−Mannheim(ドイツ)から得た。 Staphylococcus aureus 8325−4から染色体DNA を分離した。該DNAを音波処理して断片化し、ゲル電気泳動により約100〜 700bpの大きさの断片を分離した。得られた断片の末端をT4 DNAポリ メラーゼを用いて平滑化した。ファージミドベクターpHEN1〔Hoogen boomら,Nucl.Acids Res.19(1991)4133−37 〕をPst1で消化し、末端を平滑化し且つウシ腸アルカリホスファターゼで脱 リン酸化した。処理したベクターDNA10μgを、200μl容量中15μg の染色体断片と連結させた。エタノールで沈殿させた後、連結したDNAを20 μlの水に溶解し、100mlのルリアブイヨン(LB)培地中で1時間非選択 的に増殖させた後、それぞれ1μlのDNAを用いて10回のE.coli TG 1電気形質転換を行い、9.2×106個の形質転換細胞を得た。形質転換細胞 を100mlLB、1%グルコース及び50μgアンピシリン/ml中で一晩増 殖させた。該細胞を、10mlのLB中で1時間MOI20のヘルパーファージ R4 08に感染させ、50μg/mlのアンピシリンを含む100ml LB中で5 時間増殖させた。これによって、最終力価が2.6×1010ファージミド粒子/ mlのライブラリーを得た。 パンニング手順:0.05M NaHCO3、pH9.7中のヒトIgG(500 μg/ml)又は500mM NaClを加えた同一緩衝液中のウシフィブロネ クチン(100μg/ml)200μlを用いて4℃で一晩マイクロタイタープ レートをコートした。次いで、1%BSAを補っ でウエルをブロックした。PBS−Tweenで5回洗浄した後、200μlの ファージミドライブラリーを3個のウエルそれぞれに加え、20℃で4時間イン キュベートし 後、結合ファージを、150mM NaClを加えた50mM クエン酸ナトリウ ム(3×200μl)を用い、減少pH(5.5、4.5、3.3、2.3及び 1.8)で段階的に溶離した。3つのウエルからの溶離物をプールし、60μl の2M Tris pH8.6を加えて中和した。50μlの新鮮なE.coli TG1−細胞及び100μl のLBに、5〜50μlの溶離物を加えた。室温で30分間非選択的にインキュ ベーションした後、懸濁液を、50μg/mlのアンピシリン及び2%グルコー スを含むLAプレート上にまき、プレートを37℃で一晩インキュベートした。 再パンニング:一次パンニングの後で溶離されたファージをTG1細胞の感染に 用いた。LAプレート上でのアンピシリン(50μg/ml)選択の後、耐性コ ロニーを、2%グルコース及びアンピシリン(50μg/ml)を補った10m l LB培地に移し、4時間増殖させた後、細胞を遠心して捕集した。細胞を1 mlのLB培地に懸濁し、R408ファージ(MOI20)に1時間感染させ、 次いで、10mlのLB培地中で5時間増殖させた。この手順を日常的に行って 108〜1010CFUのファージミド力価を得た。 IgG及びフィブロネクチン結合クローンの同定:アンピシリン/グルコースプ レートからのコロニーをニトロセルロースフィルターに移し、LA−アンピシリ ンプレート上で4時間インキュベートした。その後、コロニーをクロロホルム蒸 気中で溶菌した。細胞破片をPBS−Twee キュベートした。次いでフィルターを、PBS−Tween中のビオチニル化I gG又はフィブロネクチン(約5μg/10ml)を含む溶液に移した後、PB S−Tween中1:1000に希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識スト レパビジン(Boehringer−Mannheim,Germany)と共 にインキュベートした。基質として4−クロロ−1−ナフトール及び過酸化水素 を補ったPBSを用いて酵素活性を測定した。 ウシフィブロネクチン(Sigma,USA)及びヒトIgGをN−ヒドロキ シスクシンイミド(Sigma)でビオチニル化した〔Bayerら,154( 1986)367−70〕。 6 SSC、0.5%SDS及び3×Denarchの溶液中のオリゴヌクレ オチドプローブCB及びDを用い37℃でハイブリダイゼーションを実施した。 6×SSC及び0.5%SDS中60℃で洗浄した。オリゴヌクレオチドをSc andinavian Gene Synthesis AB(スウェーデン)に より合成し、配列:CB:5′−ACC ACC TGG GTT TGT ATC TTC TTC ATA TT C AAC AAC ATC AGC−3′及びD:5′−GTG TGC TTA TTG AAT CCG TGA ATA TGT GGC ACA CTG TCG− 3′を得た。 表現された挿入断片の配列決定:二本鎖DNAを分離するためにファージミドを E.coli株MC1061に移した。US Biochemical製のSe quenase2.0バージョンDNA配列決定キットを用い、ジデオキシ鎖成 長終結法により挿入断片の配列を両末端から決定した。プライマーとして用いた オリゴヌクレオチドPe及びMyをScandinavian Gene Syn thesis AB(スウェーデン)を用いて合成し、以下の配列:Pe:5′ −TTG CCT ACG GCA GCC GCT GAA−3′及びMy:5′− TGC GGC CCC ATT CAG ATC CTC−3′を得た。 得られた配列の操作にはPC−遺伝子プログラムIntelligeneti csを用いた。 ペプチドの精製:アンバー抑制機能を欠き、従って、ペプチドを産生するがタン パク質IIIには融合しないE.coli株 MC1061をIgG結合ペプチドの 産生に用いた。ファージミドを含む細胞を、アンピシリン(50μg/m l)及びグルコース(2%)を補った200mlのLB培地中OD550=0.5 〜0.7に増殖させた。細胞をペレット化し、アンピシリン(50μg/ml) 及び1mm イソプロピル−β−D−チオガラクトシドを補った200mlのL Bに再懸濁し、一晩増殖させた。細胞をペレット化し、リゾチームで溶菌して、 ペプチドをIgG セファロー ogy,スウェーデン)上のアフィニティークロマトグラフィーにより精製した 。 IgGのS.aureus株Cowan 1への結合の阻害:Staphylo coccus aureus Cowan 1細胞を10ml Tryptic S oya Broth中37℃で一晩増殖させた。細菌を遠心して捕集し、 A(0.1%)を補ったPBS〕中で3回洗浄し、10mlのPBS−TBに再 懸濁した。 精製ペプチドを最終容量100μlのPBS−TB中の(18,000cpm )125I−IgGと混合した。混合物を室温で30分間インキュベートした後、 20μlの細菌を加え、さらに10分間インキュベーションを継続した。 PBS−TBで2回洗浄して遊離IgGを除去した。残留ペレットの放射能をγ 計数器(Searle,USA)で測定した。 製造業者の指示に従い、IODO−BEADSヨウ素化試薬(Pierce, USA)を用いてヒトIgGをヨウ素化した。結果 ファージライブラリーの構築及びパンニング:S.aureus 8325−4 由来のDNAを音波処理して断片とし、約100〜700bpの大きさの断片を ファージミドベクターpHEN1に連結した。連結したDNAを電気泳動により E.coli TG1に導入し、次いでLB培地中でアンピシリン耐性菌の選択 及び強化(enrichment)を行った。一晩増殖させた後、耐性菌を遠心 し、LB培地に再懸濁し、R408ヘルパーファージ(MOI20)に感染させ た。得られたライブラリーは、9.2×106個のクローンを含んでおり、その 力価は、2.6×1010ファージミド粒子/mlであった。ライブラリーからの 0.6ml部分を、マイクロタイタープレートのウエルに固定されたリガンド、 IgG又はフィブロネクチンに 対する親和パンニングに用いた。ファージを2〜4時間結合させ、次いでPBS −TBで慎重に洗浄した。クエン酸緩衝液を用いてpHを低下させながら段階的 に溶離した後、溶離ファージを、アンピシリンプレート上にまいたE.coli TG1細胞に感染させた。アンピシリン耐性クローンをIgG又はフィブロネ クチン結合についてスクリーニングした。 pH5.5、4.5及び3.3で溶離した後では、約1〜5%のクローンがI gGに結合したのに対し、pH2.3又は1.8で溶離すると、わずか数個の陽 性クローンが放出されたに過ぎなかった(表1)。 標識フィブロネクチンに対する親和性がクローン毎に明らかに異なるために、 一次パンニング後のフィブロネクチン結合クローンの頻度の測定はより困難であ った。このために、フィブロネクチン結合クローンの検出に、2つの既知のフィ ブロネクチン結合ドメインをカバーする、ビオチン標識したフィブロネクチン及 びDNAプローブであるオリゴヌタレオチドCB及びDの両方を用いた。IgG 結合ファージの場合とは反対に、「陽性」ファージの頻度は高pHで溶離した場 合には低かったのに対し、pH2.3及 び1.8で溶離した場合には約10%のフィブロネクチン結合クローンを得た( 表1)。 IgGに対する二次パンニングの場合、pH5.5、4.5及び3.3で溶離 したファージに感染させて得た細菌コロニーを捕集して、ファージストックの調 製に用いた。フィブロネクチンに対する再パンニングに用いたファージストック をpH3.3、2.3及び1.8での溶離物から捕集した。「結合ファージ」と いう用語は、リガンドに結合するペプチドをコードするファージミドを有するフ ァージを指す。 * fnbA遺伝子によりコードされる2つの結合ドメインの一部をカバーする 2つのオリゴヌクレオチドプローブ (CB及びDと称する)を用いて結合クローンを検出した。再パンニング:一次 IgG及びフィブロネクチンパンニングからの増幅ファージミドストックをリガ ンドに対する二次パンニングに用いた。(異なる一次パンニングからの)数種の 異なるファージミドストックを用いても、同一ではないが類似の結果を得た。I gGに対する2回の再パンニング実験の結果を表1に示す。殆どの実験において 、二次パンニング後には陽性クローンは約10%に増大したが、結果は実験毎に (約5〜20%陽性クローンの範囲にわたり)様々であった。フィブロネクチン に対する再パンニングにより、低pHで高頻度の「陽性ファージ」が得られ、得 られたコロニーの20〜40%がフィブロネクチンに結合していた(表1)。 ヌクレオチド配列の分析:さらなる実験のために7個のIgG結合クローンを選 択し、挿入断片のDNA配列を決定した。6個のクローンの中同一挿入断片を有 する2個は、 lら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80(1983)69 7−701〕の一部を含んでいた。挿入断片はその大きさが169〜648bp にわたって異な nら,J.Biol.Chem.259(1984)1695−1702〕を構 成するプロテインAの結合領域をコードする全配列を表す。 残りのIgG結合クローン(Tg4)は、第2のS.aureus IgG結 合タンパク質をコードする今まで知られていなかった遺伝子からなる挿入断片を 含んでいた。この挿入断片は84個のアミノ酸からなるペプチドをコードし、そ の配列は異なるが、ブドウ球菌のプロテインAとの見かけ相同性を有していた。 プローブとしてクローンIg4中の挿入断片を用いたサザーンブロットハイブリ ダイゼーションにより、該挿入断片のヌクレオチド配列がS.aureus株 8325−4並びに実験した他のS.aureus株にも存在することが示され た(データ示さず)。 5個のフィブロネクチン結合クローンを配列決定すると、いずれのクローンも フィブロネクチン結合タンパク質をコ roc.Natl.Acad.Sci.USA 86(1989)699−70 3〕を起源とする挿入断片を有していることが示された。該クローンは、それぞ れ、2つの公知 フィブロネクチン結合ドメインであるCBドメイン及び反 を含んでいた。fnbBに対応するクローンは全く認められなかった。表2参照 。 クローン化断片によりコードされるアミノ酸の位置(各タンパク質についての 欄の右側)。ナンバリングは、〔U ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86(1989)699 −703(FnbA)〕により決定されたシグナル配列中の最初のアミノ酸から 始める。 クローンの配列分析により、全てのクローンで挿入断片への読み取りフレーム は正しかったが、驚くべきことには、 挿入断片からタンパク質IIIの遺伝子への読み取りフレームはいずれの場合も正 しくなかったことが示された。むしろ、これまでに分析したクローンは1つを除 いて全て(合計45個以上の種々のクローン及び他のファージミドライブラリー からのクローンも含む)、挿入断片からの読み取りフレーム中に+1又は−1の シフトを有している。このシフトは挿入断片中のヌクレオチドの数に依存してい た。この結果は予期せぬものであった。というのは、1回目のパンニングで、フ ァージタンパク質IIIとの融合を必要とする、表面上で結合ペプチドを表現する ファージに対する確かな選択が得られたからである。次いで、遺伝子IIIと共に 正しい読み取りフレーム中に挿入断片を有するファージしか予想していなかった 。この現象から2つの事柄が示唆される。先ず、遺伝子IIIと共に正しい読み取 りフレーム中に挿入断片を有するファージに対する強力な選択が存在する筈であ る。第2に、これらのファージは莫大な他のファージから親和精製されたもので あるから、挿入されたDNAはファージ表面で表現されるペプチドをコードする 筈である。この現象には2つの説明が考えられる。挿入断片は元々正しい読み取 りフレームを有していたが、後続段階で突然変異 したか、あるいは、タンパタ質IIIとの融合タンパク質を産生するリボソームの 滑り(slippage)が存在するかである。いくつかの理由から、第1の説 明はとてもありそうもないと思われる。例えば、読み取りフレームを破壊する突 然変異が常に同一位置、即ち、挿入断片の3′末端で生ずるとは考えられない。 そうではなくて、リボソームの滑りが最もありそうな説明である。これをテスト するために、正しくない読み取りフレームを有する本発明のファージミドクロー ン2つからファージストックを調製し、次いで該ストックをパンニング実験に用 いた。次いで、本発明のファージミドクローンを含むファージストックを親和パ ンニングにより富化した。これは、ベクター中の挿入断片がかなり高頻度でタン パク質IIIとの融合体として発現されることを強力に示唆している。読み取りフ レームの+1及び−1シフトの頻度に著しい偏りは見られなかった。挿入断片と 遺伝子IIIの出発部位又は出発部位の直ぐ後との間に、+1及び−1読み取りフ レームのどちらにも存在するTGA終止コドンが存在し、これは、リボソームの 滑りがこの位置の前で発生することを示唆している。+1及び−1フレームシフ トはどちらも、いわゆる滑り配列、即ち、 例えばバクテリオファージT7中の4個以上の単一塩基リピート列で発生するこ とは公知となっている〔Condronら,J.Bact.173(1991) 6998−7003〕。考察には、Atkinsら,Cell 62(1990 )413−23を参照されたい。そのような滑り配列の1つが、挿入断片と遺伝 子IIIとの間に位置するc−myg標識中に存在し、少なくともリボソームの滑 りの一部を構成し得る。滑りはmRNAの高次構造のループを形成する配列にも 係わっている。 分離されたファージミドクローンを用いたパンニング:正しくない読み取りフレ ームを有する本発明のファージミドクローンが親和選択され得る粒子を生成した かどうかを調べるために、表2に示されているIgG結合クローン中の2個のク ローンからファージストックを捕集した。これらのファージストックを逐次希釈 し、非関連ファージストック(同様な方法によるが、別の細菌種から調製したフ ァージライブラリー)からの一定数のファージと混合し、次いで、IgGに対し てパンニングし、E.coli TG1細胞を溶離ファージに感染させた。得ら れたコロニーをIgG結合についてスクリーニングすると、極めて高富化の IgG結合ファージが示された(表3)。 阻害アッセイ:E.coli MC1061中で産生されたファージミドクロー ンIg2,Ig4及びIg6により た(データは示さず)。精製ペプチドを125I−標識IgGと種々の濃度で混合 し、標識IgGとS.aureusCowan1細胞との結合を測定した。該ペ プチドはIgGとCowan 1細胞との結合を濃度依存的に阻害したのに対し 、10mlのE.coli MC1061細胞由来の粗溶解物は結合に影響を与 えなかった(データは示さ ードされるペプチドの結合も、該ペプチドによるIgGとS.aureus細胞 との結合の阻害も、同定されたクローンが新規なIgG結合ペプチドをコードす ることを実証した。実施例2 :遺伝子IIIとの融合.クローン化遺伝子の断片形 成により得られたDNAライブラリーに基づく 単一タンパク質のマッピング 序説: タンパク質MAG及びZAGは、それぞれ、動物のブドウ球菌種である、S. dysgalactiae及びS.zooepidemicus由来の細胞表面 タンパク質である。この2種のタンパク質はヒトC群及びD群streptoc occi由来の周知のIgG結合プロテインGと密接な関係を有する〔Guss ら,EMBO J(1986) Chem.266(1991)39−405〕。プロテインGによっても示され るIgGと血清アルブミンとの結合のほかに、タンパク質MAG及びZAGは血 漿プロテイナーゼ阻害剤α2−マクログロブリン(α2M)に対する親和性を有し ている。タンパク質MAG及びZAGの遺伝子の クローン化及び配列決定は最近記載された〔Jonssonら,Gene 14 3(1994)85−89及びJonssonら,前掲〕。タンパク質MAG及 びZAGのα2−M結合活性はどちらのタンパク質においてもN末端部分に局在 化していた。しかし、配列全体を比較すると、2つのドメイン間の配列相同性は 極く限られたものであることが示された。 材料及び方法 細菌株及びヘルパーファージ:これらは実施例1の場合と同様であった。 ファージミドライブラリーの構築:それぞれ、タンパク質MAGのα2M−結合 ドメイン及びタンパク質ZAG全体をコードするクローンpMAG2及びpSZ G40〔Jonssonら,Gene 143(1994)85−89及びJo nssonら,前掲〕からのプラスミドDNAを標準法〔Sambrookら, (1989)Molecular Cloning:A Laboratory manual,第2版、Cold Spring Harbor,NY,Cold Spring Harbor Laboratory Press〕に従って精製 した。精製プラスミドD NAを音波処理して断片化し、分取アガロースゲル電気泳動により約50〜30 0bpの範囲の断片を分離した。分離した断片をT4DNAポリメラーゼで処理 して平滑末端を得、次いで、ファージミドベクターpHEN1〔Hoogenb oomら,Nucl.Acids Res.19(1991)4133−37〕 の本発明修飾形pHENH5にクローン化した。該修飾ベタターは、配列[5′ −CCC GGG(GTG)6CA−3′及び5′−GCA(CCA)5CCC C GG GTG CA−3′]を有する2つのオリゴヌクレオチドをPstI部位に 連結して作製した挿入断片を含んでいた。5μgの精製ベクターDNAをSma Iで切断し、ウシ腸ホスファターゼで処理し、それぞれpMAG2及びpSZG 40からのプラスミドDNAのゲル精製断片5μgと連結した。連結及びエタノ ール沈殿の後、連結した物質を20μlのdH2Oに溶解し、1μlアリコート を2回のE.coli TG1細胞の電気形質転換に用いた。形質転換混合物を プールし、LB培地+2%グルコースで100mlに希釈し、抗生物質を選択せ ずに、1時間増殖させた。アンピシリン耐性クローン数を測定するために試料を 採取した後、アンピシリンを50μg/mlの最終濃度になるま で加え、培養を37℃で一晩増殖させた。翌日、細胞をペレット化し、10ml のLB培地に再懸濁し、MOI20でヘルパーファージR408に感染させた。 1時間後、細胞をLB培地で100mlに希釈し、アンピシリンを50μg/m lの最終濃度になるまで加え、培養物をさらに5時間インキュベートした。最後 に、細菌をペレット化し、ファージを含む増殖培地を滅菌濾過し、4℃で保存し た。zag遺伝子由来のライブラリーは、1.2×105タローンからなり、伝 播後のファージミド力価は9×108CFUであった。mag遺伝子由来のライ ブラリーは、0.9×104クローンからなり、そのファージミド力価は7×1 08CFUであった。 ファージライブラリーのパンニング:マイクロタイタープレート(Maxiso rp Nunc,Copenhagen,Denmark)を、200μlのウ シα2M(Boehringer Mannheim,Germany)を用い、 0.05M NaHCO3,pH9.7中100μg/mlの濃度で一晩4℃でコ ートした。次いで、ウエルを、 200μlのファージミドライブラリーを加え、室温で4時間インキュベートし た。パンニングした後、ウエルをP 下させならが(5.5,3.3及び1.8)150mM NaClを含む50m M クエン酸ナトリウム200μlで段階的に溶離した。3つのウエルからの溶 離物をプールし、60μlの2M Tris pH8.6を加えて中和した。プー ルした溶離物50μlを50μlのE.coli TG1細胞に感染させた。LB 培地を添加して全容量を200μlに調整した。室温で30分インキュベートし た後、該細胞を、50μg/mlのアンピシリン及び2%グルコースを含むLA プレートにまき、37℃で一晩インキュベートした。 α2M−結合クローンの同定:α2Mに対してパンニングして得られたファージミ ド粒子に感染させたE.coli TG1細胞からのコロニーを、アンピシリン (50μg/ml)を含むLAプレート上に置いたニトロセルロースフィルター に移した。4時間後、フィルターを取り出し、クロロホルム蒸気中に10分間置 き、コロニーを溶菌した。 除去し、次いで、同一緩衝液中37℃で30分間飽和した。飽和後、フィルター を、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識α2Mを5μg/mlの濃度で 含むPBS−T 洗浄した後、HRP基質4−クロロ−1−ナフトールを添加して結合α2Mを検 出した。 ファージミドクローンの配列決定:α2M結合アッセイで陽性であったクローン をマスタープレート上で同定し、二本鎖プラスミドDNAを作製するために、小 規模で増殖させた。配列決定用DNAを作製するために、得られたDNAをE. coli MC1061に電気形質転換した。Sequenase2.0バージョ ンDNA配列決定キット(US Biochemical)を用い、ジデオキシ 法により挿入断片の配列を決定した。配列の分析には、PC GENEタンパク 質及びDNA操作プログラム(Intelligenetics)を用いた。 α2MのS.zooepidemicus細胞への結合の阻害: 凍結乾燥したS.zooepidemicus細胞Z5 株(該細胞株からzag遺伝子をクローン化した)をマイ ry Res.59(1992)273−85〕にコートした。ウエルを飽和し た後、ウエルに、PBS−Tween /ml)と共に4つの結合ドメインそれぞれを表すペプチドを発現するE.co li MC1061細胞から作製した漸増量の溶解物を加えた。該アッセイには ベクターのみを含むクローンからの対照溶解物を含めた。室温で1時間イ り返し洗浄し、酵素用の基質として100μlの3,3′,5,5′−テトラメ チルベンジジン(Boehringer Mannheim,Germany) を加えた。5分後、100μlの1M HClを添加して反応を停止し、450 nmのELISA読み取り装置でプレートの読み取りを行った。 結果: 挿入断片のヌクレオチド配列:mag遺伝子ライブラリー由来の7個の配列決定 クローンのうち6個はユニークであった。zag遺伝子由来のクローンの対応数 は11個のユ ニークなクローンであった。全ての挿入断片は、初期にα2M−結合活性をコー ドすると定義された遺伝子〔Jonssonら,Gene 143(1994) 85−89及びJonssonら,前掲〕のドメイン由来であった。種々のクロ ーンの局在部位を表1に示す。zag遺伝子ライブラリー由来のクローンは、初 期に同定された結合領域を2つの部位に分割する2個のリピート、R1及びR2 のいずれかをカバーする。しかし、それぞれR1及びR2リピートをカバーする クローンの間には最短でも18ヌクレオチド長のオーバーラップが存在する。z ag遺伝子由来のコロニーから推定されるアミノ酸配列は、91〜66アミノ酸 長の差がある。 mag遺伝子由来の6個のコロニー中5個は、ドメインの最初のα2M結合部 位をカバーしており、zag遺伝子によりコードされるリピートとは殆ど相同で はない。mag遺伝子由来のクローン中1個は、さらに下流に位置し、タンパク 質MAGのα2M結合ドメインを2つの別個のα2M結合部位に分割している。表 4参照。 α2MのS.zooepidemicusへの結合の阻害:ヌクレオチド配列決 定により定義された種々のα2M結合部位を表す4個のクローンを阻害実験用に 選択した(2個はタンパク質MAG由来の結合部位を表し、2個はタンパク質Z AG由来の2つの異なる部位を表していた)。挿入断片の無いベクターを含むク ローン1個を対照として用いた。α2M−結合モチーフをコードするクローンは 全て、マイクロタイターウエルに固定されたS.zooepidemicus株 Z5細胞へのα2Mの結合を効率的に 阻害した。対照溶解物もわずかではあるが、高濃度でα2Mへの結合を阻害した 。 阻害アッセイに用いる前に、溶解物をSDS−PAGEにかけ、ウエスターン ブロット法でテストした。溶解物のタンパク質含量は同一範囲内にあり、HRP 標識α2Mを用いたウエスターンブロット法では、mag及びzag遺伝子の一 部を発現するクローンのみが検出された(データは示さず)。実施例3 .遺伝子IIIとの融合.ヒトフィブロネクチンに対するポリクローナル 抗体のマッピング。cDNA由来のDNA断片のスクリーニング。予備実験及び結果 :出発DNAは、ヒトフィブロネクチンタンパク質〔Dufo urら,Exp.Cell.Res.113(1991)331−38〕をコー ドするcDNAを含むプラスミドクローンであった。このcDNAを用いて本発 明のファージ発現ライブラリーを作製した。 該ライブラリーを、ヤギ(Ninolab)又はウサギ(Sigma)中で発 育させたヒトフィブロネクチンに対する親和精製抗体に対してパンニングした。 該ファージをpHを低下させながら溶離し、E.coli TG1細胞へ の感染に用いた。抗体結合エピトープを発現する細菌コロニーを分離し、ファー ジミドの挿入断片を配列決定した。ヤキ抗体に対してパンニングして得られたフ ァージミドクローンの挿入断片は、cDNA中の約2900〜3200ヌクレオ チドの1つの大きな部位(10個中6個のクローン)としてフィブロネクチン中 に結合していた。1方がcDNA中約2600〜2800ヌクレオチド(10個 中3個のクローン)に位置し、他方が1820〜2100ヌクレオチド(1個の クローン)に位置する、他の2つのエピトープも検出された。ウサギ抗体もフィ ブロネクチンタンパク質上の1つの大きなエピトープとして認識された。という のは、24個中22個のクローンが約2960〜3140ヌクレオチドの挿入断 片を有していたからである。ウサギ抗体には他の2つのエピトープも検出され、 cDNA中の約2500〜2700及び2770〜2900ヌクレオチドの挿入 断片として同定された。 この実験は最近始めたものであり、結果は未だ完全ではない。実施例4 :遺伝子VIIIとの融合.所定結合特異性を有するタンパク質についての 生物ゲノムのスクリーニング。 材料及び方法 細菌株及びヘルパーファージ:これらは実施例1の場合と同様であった。 ファージミドベクターの構築:全てのDNA操作は標準法を用いて実施したが、 但し、連結には、製造業者の指示に従い、Ready to Go T4 DNAリ ガーゼ(Pharamacia Biotech AB,Sweden)を用いた 。制限酵素はAmersham及びBoehringer−Mannheimか ら得た。オリゴヌクレオチドは、Scandinavian Gene Synt hesis AB(Falkenberg,Sweden)により合成した。ベ クターは、pHEN1〔Hoogenboom,Nucl.Acids Res .19(1991)4133−4137〕から構築したが、但し、2段階で修飾 を行った。先ず、6個のヒスチジン残基をコードするテールを導入してポリペプ チドの精製を可能にした。ヒスチジンテールをコードするオリゴヌクレオチド、 5′−GCA CCA CCA CCA CCA CCA CCC CGG CTG C A−3′及び5′−CCC GGG GTG GTG GTG GTG GTG GT G CTG CA−3′並びにSma1部位を、pHEN1ベクターのP st1制限部位に挿入した。さらに、このリンカーに、遺伝子IIIの発現を減少 させるためにフレームシフト突然変異を導入した。この修飾pHEN1ベクター をpHENH6と称した。第2に、遺伝子IIIを遺伝子VIIIに取り換えてpG8 H6を形成した。遺伝子VIIIは、プライマー、5′−GGC AAT AAG C TT GAG GGT GAC GAT CCC GCA AAAー3′及び5′−T TT CCC GAA TTC ATC GGT TTA TCA GCT TGC TT T CG−3′を用いてPCR増幅によりファージR408から得た。該断片を 分取ケル電気泳動により精製し、EcoR1及びHindIIIで消化した。同様 に、ポリリンカー、ヒスチジンテール及びc−myc標識を含むpHENH6の 断片を、プライマー、5′−TTT CCC AAG CTT CTA TGC GG C CCC ATT CAG ATCC−3′及び5′−TTG CCT ACG G CA GCC GCT GAA−3′を用いて増幅し、次いで、ゲル精製し、Nc oI及びHindIIIで消化した。これら2つの断片を、前もってEcoRI及 びNcoIで消化し、ウシ腸アルカリホスファターゼで脱リン酸化しておいたp HENH6ベクターに連結した。E.coli MC1061に形質転換した後 、プラスミドDNAを作製し、その配列を、pUC/M13前進及び逆 進プライマーを用いて両挿入断片の配列を制限分析並びにDNA配列決定により 確認した。 ライブラリーの構築:実施例1と実質的に同じ様にしてライブラリーを構築した 。staphylococcus aureus株8325−4由来の短い染色 体DNAを音波処理によりランダムに断片化して、分取ゲル電気泳動により約3 00〜800bpの大きさの断片を分離した。該断片の末端をT4DNAポリメ ラーゼにより平滑化し、前もってSmaIで消化し、ウシ腸アルカリホスファタ ーゼで脱リン酸化しておいたpG8H6ベクターに連結した。連結は、5つの管 に5μgの断片を装入したReady toGo連結キット(Pharmaci a Biotech AB,Sweden)を用いて行った。連結した物質をフェ ノール及びクロロホルムで抽出し、EtOHで2回沈降させ、10μlのH2O に溶解した。10回のE.coli TG1(各1μl)への電気形質転換によ り、1×107個のアンピシリン耐性形質転換細胞を得た。37℃で一晩増殖さ せた後、形質転換細胞のアリコート(2ml)をMO150でヘルパーファージ R408に感染させ、37℃で15分間インキュベートした。その後、感染細胞 を100 mlの0.5%軟質寒天と混合し、アンピシリン(50μg/ml)を含む20 個のLAプレート上に注いだ。一晩インキュベートした後、100mlのLB中 の軟質寒天を3時間激しく振盪して、ファージ粒子を溶離した。懸濁液を40, 000gで10分間遠心し、上清を滅菌濾過し、ストックをアリコートに分けて 凍結し、これらアリコートをパンニングに用いた。遠心及び滅菌濾過後、E.c oli TG1細胞に感染させ、次いで、アンピシリンを含むLAプレート上で 平板培養してライブラリーの力価を測定した。 パンニング手順:マイクロタイターウエル(Maxisorp.Nunc)を、 ヒトIgG(100μg/ml、Pharmacia AB,Sweden)、 ヒト血清アルブミン(100μg/ml,Sigma,St.Luis.USA )、フィブロネクチン(100μg/ml,Sigma又はBional Lt d,Estonia)又はフィブリノーゲン(100μg/ml,Sigma) でコート でブロックした。3つのウエルそれぞれに200μlのライブラリーを加え、室 温で4時問インキュベートした。そ 50mM クエン酸ナトリウム/140mM NaCl pH5.5で2回徹底的 に洗浄し、最後に結合したファージを同一緩衝液中でpHを低下させながら(3 .7及び2.1)で段階的に溶離した。3つのウエルからの溶離物をプールし、 2M Tris pH8.7で中和した。溶離物のアリコートにE.coli TG 1細胞を感染させ、次いで、これを、2%グルコース及び50μg/mlのアン ピシリンを補ったLAプレート(1.5%寒天を含むLB培地)上で一晩増殖さ せた。 TG1細胞に一次パンニングでpH3.7及び2.1で溶離したファージを感 染させた後で得られたコロニーを捕集し、富化ストックを調製するために、ヘル パーファージR408(1010pfu)に感染させた。その後、感染細菌を5m lの0.5%軟質寒天と混合し、アンピシリンを含むLAプレート上にまいた。 一晩インキュベートした後、5ml中の軟質寒天を3時間激しく振盪して、ファ ージ粒子を溶離した。懸濁液を40,000gで10分遠心し、上清を滅菌濾過 し、上記のパンニング用のストックとして用いた。この手順を日常的に行って、 1ml当たり109 〜1010コロニー形成単位(cfu)のファージミド力価を得た。 発現装入物のヌクレオチド配列決定:Wizards(商標)Miniprep s(Promega)を用い、プラスミドDNAを作製し、その配列を実施例1 に記載のようにして決定した。 IgG結合の同定:これは、実質的に実施例1と同じように行ったが、但し、検 出には、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で標識したIgGを用いた。 結果及び説明 遺伝子VIIIベクター及びファージライブラリーの構築:実施例1に示されている データは、機能性pIII融合ペプチドを発現させるにはリボソームの滑りが必要 であることを示した。予想融合ペプチドの前にHis標識を挿入するのが、Hi s標識を含む融合ペプチドを確実に得るための安全な方法である。 pG8H6ベクターを用い、約300〜800bpの範囲の大きさの断片を有 するS.aureus 8325−4由来の染色体DNAからライブラリーを構築 した。得られたライブラリーは、107個のクローンからなり、ヘルパ ーファージに感染させた後では、2×1010cfuの力価を有していた。 種々のリガンドに対するライブラリーのパンニング:パンニングを数回繰り返し たが、1つの典型的な実験から得られた結果を表5に示す。100〜1000c fuに対応する、pH2.1及び3.7で溶離したファージの画分をE.col i TG1細胞の感染に用い、特定のリガンドに特異的なファージストックを得 、これを、2回目のパンニングに用いた。パンニングでの富化がリガンドに対す る親和選択によるものであり、ファージとプラスチックとの非特異的相互作用に よるものではないことを確認するために、各ストックを特異的リガンド及び2つ の独立リガンドに対して再パンニングした。表5の結果は、一次パンニングと同 じリガンドに対して再パンニングすると、多大な集積が得られ得ることを示して いる(IgG及びフィブリノーゲン、溶離されたファージミド粒子数が104〜 105倍に増大)。これは特異的な富化である。というのは、非関連リガンドに 対してパンニングした同じファージストックでは結合ファージミド粒子の数が1 000倍以上も少なかったからである。しかし、フィブロネクチンに対する種々 のパ ンニング及びその後の再パンニングにより、結合ファージミド粒子の数は著しく 増大した。フィブロネクチンに対して再パンニングした後では、結合ファージミ ド粒子の数は、約5倍と極くわずかしか増大しなかったが、非関連リガンドに対 してパンニングした同じファージストックでは、結合ファージミド粒子の数は著 しく少なく、これは結合が特異的であることを示唆している。HSAに対して一 次パンニングした後では、わずか数個のファージミド粒子が溶離されたに過ぎず 、再パンニングしてもその数はさして増加しなかったが、これは、細菌が特異的 受容体をコードしないリガンドに対してパンニングを行っても富化が生じないこ とを示唆している。 IgGに対する一次及び二次パンニングの後、溶離ファージに感染させて得ら れたアンピシリン耐性菌クローンをペルオキシダーゼ標識IgGとの結合につい てスクリーニングした。結果は解釈が難しく、実施例1と同様なスクリーニング の場合とは明らかに異なっていた。一次パンニングの後で得られた数個のコロニ ーを標識IgGの結合についてアッセイすると、明瞭且つ強力なシグナルが得ら れた。しかし、数個のコロニーは、バックグラウンドから見分け にくい弱い結合能しか有していないようであった。二次パンニング後に得られた コロニーのスクリーニングでは、実施例1に示されている結果とは反対に、殆ど 100%のコロニーから弱いIgG結合シグナルが得られた(データは示さず) 。 親和選択されたクローンのヌクレオチド配列分析:それぞれIgG、フィブリノ ーゲン及びフィブロネクチンに対 して二次パンニングした後で16個のコロニーをランダムに取り出して、配列分 析した。表5を参照されたい。IgG結合クローンの場合、16個の挿入断片中 16個がブドウ球菌のプロテインAをコードする遺伝子由来であった。フィブリ ノーゲン結合クローンの場合は、16個中13個が公知のフィブリノーゲン結合 タンパク質をコードする挿入断片を含んでおり、そのうちの1個はfib遺伝子 を表し、残りの12個のクローンはcoa遺伝子を表していた 994)599−606及びMcDevittら,Mol.Microbiol .11(1994)237−248〕。フィブロネクチンの場合、対応数は16 個中12個であり、fnbA遺伝子は11個のクローンで表され、fnbB遺伝 子は1個のクローンで表されていた。 興味深いことには、正しい挿入断片を有する41個のクローンの中唯一つが実 施例1に記載のように挿入断片とベクターとの間の読み取りフレームのシフトを 有している。他のクローンは全て挿入断片とc−myc標識との間で結合した正 しい読み取りフレームを有している。しかし、挿入断片を入れるPelBリーダ ーからの読み取りフレーム はこれらのどの場合にもフレーム外にある、即ち、ベクター中のPelB配列と 挿入断片との間の読み取りフレームに+1又は−1のシフトが存在する。この結 果は予想外であり、実施例1におけるように、ベクター配列と結合した挿入断片 の正しい読み取りフレームを有するクローンに対する強力な選択が存在すること を示唆している。パンニングに用いた種々のリガンドに対する結合親和性を有す るポリペプチドを発現するクローンを確実に選択するために、挿入断片は、主要 コートタンパク質との融合の際に発現し、それによってファージ表面に位置する 筈である。恐らく、リボソームの滑りがこの現象に対する説明であり(実施例1 参照)、該現象は、出発ベクター中にHis標識として挿入された6個の同一タ ンデムコドンによって引き起こされ得る。さらに、該ベクターの構築により、S mal部位に一列の4個のシトシンが形成された。なぜ遺伝子IIIを遺伝子VIII と取り換えると、挿入断片の外でなく挿入断片内に正しくない読み取りフレーム を有するクローンに対する選択が生ずるかは説明できないが、この結果は、Ig Gに対する一次パンニングの後では、結合活性が強いクローンも弱いクローンも 検出されるが、二次パンニングの後では、 殆ど全てのクローンが極く弱い結合活性しか示さなかったという本出願人の知見 とびったり一致する。この弱い結合能は、プロテインAのいくつかのIgG結合 リピートを含んでいるために低親和性を有するポリペプチドが発現されるからで はなく、むしろ、リボソームの滑りが挿入断片によりコードされるポリペプチド の発現に必要だからである。さらに、本出願人は、一次パンニングの後でHRP 標識IgGに対して強力なシグナルを生成した5個のクローンの配列決定をした が、これらの場合、挿入断片は、PelBリーダーと結合した正しい読み取りフ レームを有しているか、又は発現を調節する挿入断片自身の内在プロモーターを 有していた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.所定構造に対して生物特異的親和性を有する1個以上のペプチドを同定する 方法であって、 (i)クローン化遺伝子、cDNA又はゲノムDNA由来のDNA断片をヘルパ ーファージの表面タンパク質の遺伝子と融合させる際に連結させてファージ/フ ァージミドライブラリーを作成する段階、及び (ii)所定構造に結合するファージ粒子を選択する段階を含む前記方法。 2.断片が、例えば、音波処理によってDNAをランダム切断することにより作 製されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。 3.DNA断片の起源のcDNAが、単一又は多細胞生物、例えばヒトのような 哺乳動物のmRNAの逆転写により得られ、その場合、該mRNAは特に特定の 組織から誘導され得ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。 4.DNA断片が、20〜10,000塩基対の範囲の大きさを有することを特 徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。 5.DNA断片が連結されたファージ/ファージミドが、 (a)DNA断片の挿入部位の前又は後に位置し、且つ (b)該DNA断片の挿入により読み取りフレームにシフトが生じても該挿入断 片及び表面タンパク質をコードするヌクレオチド配列の読み取りフレームを正し く確保する滑り配列を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項 に記載の方法。 6.滑り配列が、縦列の3個、4個又はそれ以上の反復同一塩基、ハングリーコ ドン、タンデムハングリーコドン及び/又はタンデムコドンを有することを特徴 とする、請求項5に記載の方法。 7.ファージ/ファージミドが、挿入されたDNA断片と表面タンパク質をコー ドする配列との間にアンバー終止配列を有することを特徴とする、請求項1から 6のいずれか一項に記載の方法。 8.融合遺伝子が、ファージミド又はその修飾形上に位置し、該ファージミドが 、E.coli中でファージ粒子を産生させるために天然形態の表面タンパク質 をコードする遺伝子を有するヘルパーファージと組み合わせて用いられ、但し、 該ファージ/ファージミドがアンバー終止配列を含 む場合には、宿主細胞はアンバー抑制性のE.coli株であることを特徴とす る、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。 9.生物特異的親和性により所定構造に結合するペプチドを産生させる方法であ って、 (i)該構造に結合するペプチドを請求項1から8のいずれか一項に記載の方法 により同定し、 その後で、 (ii)所定構造に結合する能力を有する同定ペプチド又はその修飾形を産生させる ことを特徴とする前記方法。 10.選択されたペプチドをコードするヌクレオチド配列又はその変性変異体を 適切な宿主細胞中で発現させることを特徴とする、請求項9に記載のポリペプチ ドを産生させる方法。 11.各メンバーが、ファージに対して異種であり且つクローン化遺伝子、cD NA又はゲノムDNA由来であるDNA断片に融合した表面タンパク質の遺伝子 を有し、該断片によりコードされるペプチドが個々のファージ粒子メンバーの表 面上で表面タンパク質との融合の際に暴露される ことを特徴とするファージ/ファージミドライブラリー。 12.ファージミドライブラリーであることを特徴とする、請求項11に記載の ライブラリー。 13.ファージ粒子ライブラリーであることを特徴とする、請求項12に記載の ライブラリー。 14.DNA断片が、例えば音波処理により、クローン化遺伝子、cDNA又は ゲノムDNAを切断することにより得られ、該cDNAが、例えば、ヒトを含む 哺乳動物のような単一又は多細胞生物の特定の組織由来のmRNAの逆転写によ り得られたことを特徴とする、請求項11から13のいずれか一項に記載のライ ブラリー。 15.DNA断片の大きさが、20〜10,000塩基対の範囲内で選択される ことを特徴とする、請求項11から14のいずれか一項に記載のライブラリー。 16.融合遺伝子が、 (a)DNA断片の挿入位置の前又は後に位置し、且つ (b)該DNA断片の挿入により読み取りフレームにシフトが生じても該挿入断 片及び表面タンパク質をコードするヌクレオチド配列の読み取りフレームを正し く確保する滑り配列を含むことを特徴とする、請求項11から15の いずれか一項に記載のライブラリー。 17.滑り配列が、3個、4個又はそれ以上の逐次反復される同一塩基、又は縦 列の数個の同一コドン若しくはハングリーコドンを有することを特徴とする、請 求項15に記載のライブラリー。 18.融合遺伝子が、挿入されたヌクレオチド配列と表面タンパク質をコードす る配列との間にアンバー終止配列を有することを特徴とする、請求項11から1 5のいずれか一項に記載のライブラリー。
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