【発明の詳細な説明】
多重薬剤耐性細胞を抗腫瘍剤に対して感受性にするための多環式ラクタム誘導体
本発明はスタウロスポリン誘導体、その調製のための方法、かかる化合物を含
んで成る薬理組成物、医薬としてのその利用、及びその中間体の調製のための方
法に関する。
本発明に係る誘導体の基礎を成すスタウロスポリンはストレプトマイセス・ス
タウロスポレウス(Streptomyces staurospoureus)アクヤ、タカハシ及びオムラs
p.nov.AM2282 の培養物から1977年に既に単離されている(S.Omuraら、J.An
tibiot.30,275-281(1977)を参照のこと)。今まで、スタウロスポリンの絶対的
ではなく、相対的な形態のみが知られていた。その絶対形態は最近になってやっ
とN.Funato ら、Tetrahedron Letters 35 :8,1251-1254(1994)により公開さ
れ、そしてスタウロスポリンの相対形態を示している論文の中において従来利用
されていた鏡像構造に相当する。従って、Tetrahedron Letters の公開物は文字
通り、「従来一般的に利用されているスタウロスポリンについての立体化学の知
識は修正すべきである」ことを推漿している。今までに絶対形態は知られていな
かったが、それは「スタウロスポリン誘導体」という語により明確に確立されて
いた。本願においては、新しい式を利用する。
スタウロスポリン及び今までに公知のほとんどのスタウロスポリンがタンパク
質キナーゼCに対して強い阻害作用を示す。リン脂質及びカルシウムに依存する
タンパク質キナーゼCは細胞の中でいくつかの形態において存在し、そして様々
な基礎的な過程、例えばシグナル伝達、増殖及び分化、並びにホルモン及び神経
伝達物質の分
泌にも関与する。この酵素の活性化は細胞膜のリン脂質のレセプター媒介型加水
分解により又は一定の腫瘍促進活性剤との直接的な相互作用のいづれかによりも
たらされる。レセプター媒介型シグナル伝達に対する細胞の感受性は(シグナル
伝達物質としての)タンパク質キナーゼCの活性を改変することにより有意に影
響されうる。タンパク質キナーゼCの活性に影響を及ぼす化合物は腫瘍阻害、抗
炎症、免疫調節及び抗菌活性成分として利用でき、そしてアテローム症並びに心
臓血管系及び中枢神経系の障害に対する薬剤としての関心もがもたらされている
。
タンパク質キナーゼCに対する阻害作用は、スタウロスポリンのラクタム窒素
が水素の代わりに別の置換基を担持しているとき、即ち、以降に示す式Iにおけ
る置換基R1が水素以外のとき、約20〜1000分の1に弱まってしまう。特に、以
下の式Iにおける基R2も同時に水素以外であるとき、タンパク質キナーゼCに
対する阻害作用は事実上完全に失われてしまう。式Iにおける置換基R1が水素
以外であるとき、抗腫瘍活性も著しく低下する。近年この分野においてかなりの
研究がなされ、そしてR1が水素である非常に多くの誘導体が調製されているに
もかかわらず、おそらくはこの理由のため、R1が水素以外であるスタウロスポ
リン誘導体は論文においてわずかしか記述されていない。従って、R1がベンジ
ルであり、R2がベンゾイルであり、そしてR3が水素である以下の式Iに対応す
る化合物はほとんどがネガティブコントロールとしてしか挙げられていない。
伝統的な細胞増殖抑制剤に対する耐性の出現は癌の化学治療において大きな問
題である。多くのケースにおいては耐性は活性成分の細胞濃度の低下が伴う。こ
の低下は往々にして膜結合型170キロダルトン糖タンパク質(Pgp)の出現に関連す
る。このタンパク質は幅
広い特異性を有するポンプを担い、そしてよく利用される抗腫瘍剤、例えばビン
カアルカロイド、アントラサイクリン、ポドフィルロトキシン及びアクチノマイ
シンDを細胞の外に輸送してしまうことができる。
驚くべきことに、以降に示す式Iのスタウロスポリン誘導体は、耐性ヒトKB−
8511細胞の例によりとりわけ実証されうる通り、抗腫瘍剤、例えば細胞増殖抑制
剤の作用に対して多重薬剤耐性細胞を完全に再感受性にすることができることを
この度見い出した。これは、上記の通り全ての誘導体がタンパク質キナーゼCに
対して非常に弱い阻害作用しか示さず又はそれに対して全く阻害作用を示さず、
そして抗腫瘍活性も著しく減じられているときでさえも達成される。更に驚くべ
きことはその感作の度合いの高さである。これに関連して、式Iのスタウロスポ
リン誘導体はR1が水素である類似の誘導体とほぼ同等である。慣用の細胞増殖
抑制剤と、抗腫瘍活性及びタンパク質キナーゼCに対する強力な阻害作用を有す
るスタウロスポリン誘導体との組合せと比べ、慣用の細胞増殖抑制剤と以下に示
す式Iのスタウロスポリン誘導体との組合せは、タンパク質キナーゼC阻害作用
に係る副作用が生じない又は非常に弱い形態でしか生じないという利点を有する
。タンパク質キナーゼC阻害性スタウロスポリン誘導体の投与は例えばイヌにお
いて、嘔吐に至る悪心をもたらす。このことは特に蛍光投与式抗腫瘍剤に関して
明らかに不利であり、なぜなら活性成分も嘔吐されてしまうことがあり、有効に
摂取される活性成分の用量が意図する、且つ投与する用量と異なってしまうこと
があるためである。
本発明は式Iのスタウロスポリン誘導体:
(式中、
R1はホルミル、未置換であるかもしくはアリールにより置換された29個まで
の炭素原子を有する脂肪式炭化水素基、又はアリール基であり、
R2はC1−C5アルキルを除く29個までの炭素原子をそれぞれ有する脂肪式、
炭素環式、炭素環−脂肪式、複素環式もしくは複素環−脂肪式基であるか、又は
20個までの炭素原子及び9個までのヘテロ原子をそれぞれ有する複素環式もしく
は複素環−脂肪式基であるか、又はベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル、低
級アルカノイルもしくは遊離もしくは保護されたアミノ基を有するα−アミノア
シルを除く30個までの炭素原子を有するアシル基であり、そして
R3は水素、ヒドロキシ、低級アルコキシ又はオキソである)
及び少なくとも1個の塩形成基を有するかかる式Iの化合物の塩に関連する。
何らかのことわりのない限り、本明細書におい、「低級」と称する有機基は7
個以下、好ましくは4個以下の炭素原子を含む。
29個までの炭素原子を有する未置換の脂肪式炭化水素基R1は29個まで、特に1
8個まで、そして好ましくは12個までの炭素原子を有する非環式炭化水素基であ
り、そして飽和又は不飽和である。不飽和基は1又は複数の、特に共役及び/又
は孤立した多重結合(二重及び/又は三重結合)を含むものである。未置換の脂
肪式炭化水素基は特に直鎖状又は枝分れした低級アルキル、低級アルケニル、低
級アルカジエニル又は低級アルキニル基である。
低級アルキルは、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−
ブチル、イソブチル、sec−ブチルもしくはtert−ブチル、又は更にはn−ペン
チル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、もしくはn−ヘプチルであ
る;低級アルケニルは、例えばアリル、プロペニル、イソプロペニル、2−もし
くは3−メタリル、又は2−もしくは3−ブテニルである;低級アルカジエニル
は、例えば1−ペンタ−2,4−ジエニル;低級アルキニルは、例えばプロパル
ギルもしくは2−ブチニルである。対応の不飽和基において、二重結合は遊離の
結合手(valency)に対してα−位よりも高級な位置に特に配置されている。
アリールにより置換された脂肪式炭化水素基R1は、その脂肪式炭化水素基、
特に最大7個、好ましくは最大4個の炭素原子を有する基、例えば特にメチル、
エチル及びビニルが以下に定義する1又は複数のアリール基を担持している基で
ある。
アリール基は特にフェニル基であるが、しかしナフチル基、例えば1−もしく
は2−ナフチル、ビフェニリル基、例えば特に4−ビフェニリルであるか、又は
アントリル、フルオレニルもしくはアズレニル基、又は1もしくは複数の飽和環
を有するその芳香族類似体でもある。好適なアリール−低級アルキル及びアリー
ル−低級アルケニルは、例えば末端フェニル基を有するフェニル−低級アルキル
又はフェニル−低級アルケニル、例えばベンジル、フェネチル、1−,2−もし
くは3−フェニルプロピル、ジフェニルメチル(ベンズヒドリル)、トリチル及
びシンナミル、そして更には1−もしくは2−ナフチルメチルである。非環式基
、例えば低級アルキルを担持しているアリール基のうち、特に異なる位置におい
てメチル基の配置されたo,m−及びp−ドリル及びキシリル基が挙げられる。
C1−C5アルキルを除く29個までの炭素原子を有する脂肪式基R2は未置換の
C6−C29アルキル基、例えば特にC7−C29アルキル、好ましくはC10−C22ア
ルキル、最も特にはC10−C18アルキルであるか、又は非環式置換基により置換
されたC1−C29アルキル基、特に例えば置換されたC1−C7アルキル基、又は
未置換であるかもしくは非環式置換基により置換された直鎖状もしくは枝分れし
た低級アルケニル、低級アルカジエニルもしくは低級アルキニル基である。
炭素環式基R2は特に単、二もしくは多環シクロアルキル、シクロアルケニル
もしくはシクロアルカジエニル基であるか、又は対応のアリール基である。好適
なのは最大14個、特に12個の環炭素原子及び3−〜8−、好ましくは5−〜7−
、そして特に6−員環を有する基であり、それらは1又は複数の、例えば2個の
非環式基、特に低級アルキル基、又は更には炭素環式基を担持していることも可
能である。シクロアルキルは特に3〜10個の炭素原子を有し、そして例えばシク
ロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチル
及びシクロオクチルであり、そして更にはビシクロ〔2,2,2〕オクチル、2
−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプチル及びアダマンチルであり、それぞれは1,2
又はそれより多くの例えば低級アルキル基、特にメチル基により置換されていて
もよい。シクロアルケニルには、例えば、1−,2−又は3−位に
おいて二重結合を有する上述の単環シクロアルキルのいづれかである。
アリール基は例えば上記のものいづれかである。
炭素環−脂肪式基R2は、その脂肪式基、特に最大7個、好ましくは最大4個
の炭素原を有する基、例えば特にメチル、エチル及びビニルが1又は複数の炭素
環式、所望するならば芳香族基を上記の通りに担持している基である。特に、シ
クロアルキル−低級アルキル及びアリール−低級アルキル基、並びにその環及び
/又は鎖において不飽和であり、且つその鎖の末端炭素原子において環を担持し
ているその類似体が挙げられうる。シクロアルキル−低級アルキル又は−低級ア
ルケニルは、例えば上記のシクロアルキル基のいづれかにより置換されたメチル
、1−もしくは2−エチル、1−もしくは2−ビニル、1−,2−もしくは3−
プロピル又はアリルであり、線形鎖の末端で置換されているものが好ましい。
複素環式基R2は特に単環、更には二−又は多環式のアガ−、チア−、オキサ
−、チアザ−、オキサザ−、ジアザ−、トリアザ−又はテトラアザ−環式基及び
その種の対応の部分飽和、又は特に完全に飽和の複素環式基であり、適宜、かか
る基は、例えば上記の炭素環又はアリール基と同様に、更なる非環式、炭素環式
もしくは複素環式基を担持し、及び/又は官能基により一、二もしくは多置換さ
れていることが可能である。かかる基は特に、1個の窒素、酸素又は硫黄原子を
有する未置換又は置換化単環基、例えば2−アジリジニル、又は特にその種の芳
香基、例えばピリル、例えば2−ピリルもしくは3−ピリル、ピリジル、例えば
2−,3−もしくは4−ピリジル、又は更にはチエニル、例えば2−もしくは3
−チエニル、又はフリル、例えば2−フリルである。1個の窒素、酸素又は硫黄
原子を有する類似の二環基は、例えばインドリル、例えば2−もし
くは3−インドリル、キノリル、例えば2−もしくは4−キノリル、イソキノリ
ル、例えば3−もしくは5−イソキノリル、ベンゾフラニル、例えば2−ベンゾ
フラニル、クロメニル、例えば3−クロメニルもしくはベンゾチエニル、例えば
2−もしくは3−ベンゾチエニルである。複数のヘテロ原子を有する好適な単環
及び二環基は例えばイミゾダゾリル、例えば2−イミダゾリル、ピリミジニル、
例えば2−もしくは4−ピリミジニル、オキサゾリル、例えば2−オキサゾリル
、イソキサゾリル、例えば3−イソキサゾリル、又はチアゾリル、例えば2−チ
アゾリル、及びベンズイミダゾリル、例えば2−ベンズイミダゾリル、ベンズオ
キサゾリル、例えば2−ベンズオキサゾリル、又はキナゾリル、例えば2−キナ
ゾリニルである。対応の部分飽和、又は特に完全飽和した類似の基、例えば2−
テトラヒドロフリル、4−テトラヒドロフリル、2−もしくは3−ピロリジル、
2−,3−もしくは4−ピペリジル、そして更には2−もしくは3−モルホリニ
ル、2−もしくは3−チオモルホリニル、2−ピペラジニル及びN,N’−ビス
−低級アルキル−2−ピペラジニル基も考慮される。
複素環−脂肪式(複素環−非環式)基R2は最大7個、好ましくは最大4個の
炭素原子を有する非環式基、例えば上記のものに由来し、そして1,2又はそれ
より多くの複素環基、例えば上記の基を担持していてよく、環がその窒素原子の
1つを介して鎖に結合していることも可能である。複素環−非環式基における非
環式成分は、例えば対応の炭素環−脂肪式(炭素環−非環式)基に関して挙げた
意味を有する。
置換されているのなら、上記の基は同種又は異種の1,2又はそれより多くの
置換基(官能基)により置換されていてよい;以下の置換基が特に考慮される:
遊離、エーテル化及びエステル化ヒドロ
キシ基;メルカプト、低級アルキルチオ及び未置換又は置換化フェニルチオ基;
ハロゲン原子、例えば塩素及びフッ素、更には臭素及びヨウ素;ホルミル(即ち
、アルデヒド)及びケト基の形態並びに対応のアセタール及びケタールの形態の
オキソ基;慣用の保護基により保護された第一、第二及び好ましくは第三アミノ
基、第一及び第二アミノ基、アシルアミノ基及びジアシルアミノ基、並びに遊離
又は官能基修飾されたスルホ基、例えば塩形態のスルファモイル基又はスルホ基
。これらの官能基はいづれも遊離な結合手が出ている炭素原子に位置しているべ
きでなく、そしてそれらは全て2個以上の炭素原子により互いと隔てられている
のが好ましい。更に考えられる置換基は遊離及び官能基修飾されたカルボキシ基
、例えば塩形態のカルボキシル基もしくはエステル化カルボキシ基、又は任意的
に1もしくは2個の炭化水素基を担持しているカルバモイル、ウレイドもしくは
グアニジノ基、及びシアノ基である。
置換基として存在しているエーテル化ヒドロキシ基は、例えば、低級アルコキ
シ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ又は
tert−ブトキシ基であり、それは置換されていてもよい。例えば、かかる低級ア
ルコキシ基は例えば特に2位においてハロゲン原子により−、二又は多置換され
ていてよく、例えば2,2,2−トリクロロエトキシ、2−クロロエトキシ及び
2−ヨードエトキシ基にあってよく、又は特に2位においてヒドロキシもしくは
低級アルコキシ基により好ましくは−置換されていてよく、例えば2−メトキシ
エトキシ基にあってよい。エーテル化ヒドロキシ基の特に好適な形態はオキサ−
アルキル基において存在し、それにおいては好ましくは線形アルキルにおける1
又は複数個の炭素原子は酸素原子に置き代っており、その原子は複数個(特に2
個)の炭素原子により互いと隔離され、任意的に反復している(−
O−CH2−CH2)n−基(ここでn=1〜14)を構成することが好ましい。かかる
エーテル化ヒドロキシ基は未置換又は置換化フェノキシ及びフェニル−低級アル
コキシ基、例えば特にベンジルオキシ、ベンズヒドリルオキシ及びトリフェニル
メトキシ(トリチルオキシ)、及び複素環オキシ基、例えば特に2−テトラヒド
ロピラニルオキシでもある。メチレンジオキシ及びエチレンジオキシのグループ
分けは特にエーテル化されたヒドロキシ基と認識されうる。この前者は原則とし
て特にアリール基の中の2個の隣接し合う炭素原子を橋渡し、そしてこの後者は
全く同一の炭素原子に結合しており、そしてオキソのための保護基と認められう
る。
「エーテル化ヒドロキシ基」なる表現は本明細書においてはシリル化ヒドロキ
シ基を含むものと解されるべきであり、例えばトリ−低級アルキルシリルオキシ
、例えばトリメチルシリルオキシ及びジメチル−tert−ブチルシリルオキシ、又
はフェニル−ジ−低級アルキルシリルオキシ又は低級アルキル−ジフェニルシリ
ルオキシである。
置換基として存在するエステル化ヒドロキシ基は例えば低級アルカノイルオキ
シである。
置換基として存在するエステル化カルボキシ基は、水素原子が上記に特定した
炭化水素基の1つ、好ましくは低級アルキル又はフェニル−低級アルキル基に置
き換えられたものである。エステル化カルボキシ基の例として、フェニル成分に
おいて未置換又は置換された低級アルコキシカルボニル又はフェニル−低級アル
コキシカルボニル、特にメトキシ−、エトキシ−、tert−ブトキシ−又はベンジ
ルオキシ−カルボニル基、そして更にはラクトン化カルボキシ基が挙げられうる
。
置換基として存在する第一アミノ基−NH2は保護された形態であ
ってもよい。第2アミノ基は2個の水素原子の一方の代わりに、ハイドロカルビ
ル基、好ましくは未置換のハイドロカルビル基、例えば上記のもののいづれか、
特に低級アルキルを担持しており、そしてこれも保護された形態であってよい。
置換基として存在する第3アミノ基は2個の異なる、又は好ましくは同一のハ
イドロカルビル基(複素環基を含む)、例えば上記に特定した未置換のハイドロ
カルビル基、特に低級アルキルを担持する。
好適なアミノ基は式R4(R5)N−のいづれかであり、ここでR4及びR5はそ
れぞれ互いと独立して、水素、未置換の非環式C1−C7ハイドロカルビル(例え
ば特にC1−C4アルキル又はC2−C4アルケニル)又は単環式アリール、アラル
キル又はアラルケニルであって最大10個の炭素原子を有し、且つ未置換であるか
又はC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン及び/もしくはニトロに
より置換されている基であり、ここで炭素含有基は互いと炭素−炭素結合により
又は酸素原子により、硫黄原子により、もしくは未置換のもしくはハイドロカル
ビルによって置換された窒素原子により互いと結合していることが可能である。
かかる場合、それらはアミノ基の窒素原子と共に窒素含有複素環を形成している
。特に好適な遊離アミノ基の例として以下のものが挙げられうる。ジ−低級アル
キルアミノ、例えばジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ
、モルホリノ、チオモルホリノ及びピペラジノもしくは4−メチルピペラジノ、
又はジフェニルアミノ及びジベンジルアミノ(それぞれは未置換であるか、又は
特にフェニル成分において、例えば低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン及
び/又はニトロにより置換されている);並びに保護されたアミノ基、特に低級
アルコキシカルボニルアミノ、例えばtert−ブトキ
シカルボニルアミノ、フェニル−低級アルコキシカルボニルアミノ、例えば4−
メトキシベンジルオキシカルボニルアミノ及び9−フルオレニルメトキシカルボ
ニルアミノ。
好適な置換基はC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、
トリフルオロメチル、更にはカルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、メチ
レンジオキ及び/又はシアノである。
ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル、低級アルカノイル又は遊離もしくは
保護されたアミノ基を有するα−アミノアシル以外の30個までの炭素原子を有す
るアミノ基は例えば任意的に官能基修飾されたカルボン酸、有機スルホン酸、又
は遊離もしくはエステル化リン酸、例えばピロ−又はオルト−リン酸に由来する
。
Ac1と表示した任意的に官能基修飾された任意的に官能基修飾されたカルボン
酸に由来するアシルは、特に部分式Z−C(=W)−(ここでWは酸素、硫黄又
はイミノであり、そしてZはハイドロカルビルR0a、ヒドロキシカルビルオキシ
R0−O−又はアミノ基である)のいづれか、特に式R4(R5)N−のいづれか
である。
ハイドロカルビル(炭化水素基)R0は未置換のベンジル以外の非環式(脂肪
式)炭化水素基、炭素環式炭化水素基又は炭素環−非環式炭化水素基であり、そ
れぞれの基は29個まで、特に18個まで、そして好ましくは12個までの炭素原子を
有し、そして不飽和又は不飽和であり、且つ未置換又は置換されている。それは
1,2又はそれより多くの炭素原子の代わりに、同一又は異なるヘテロ原子、例
えば特に酸素、硫黄及び窒素を非環式及び/又は環式成分においても含みうる;
後者の場合、それは複素環式基(複素環式基)又は複素環−非環式基と称する。
ハイドロカルビル(炭化水素基)R0aはベンジルであるか、又は
未置換のC1−C7アルキル以外の、遊離アミノ基又はアミノ保護基により保護さ
れたアミノ基を有するα−アミノ酸のデカルボキシ基以外の、及び未置換のフェ
ニル以外のハイドロカルビルR0である。
不飽和基は1又は複数個の、特に共役及び/又は孤立した多重結合(二重及び
/又は三重結合)を含むものである。「環式基」なる語は芳香基、例えば少なく
とも1個の6員炭素環又は1個の5〜8員複素環が最大数の非累積(non-cumulat
ed)三重結合を含んでいるものを含む。少なくとも1個の環が6員環芳香環(即
ちベンゼン環)の形態である炭素環基はアリール基と称する。
非環式の未置換の炭化水素基は特に直鎖状又は枝分れした低級アルキル、低級
アルケニル、低級アルカジエニル又は低級アルキニル基である。低級アルキルは
、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチルもしくはtert−ブチルであり、又はn−ペンチル、イソペンチ
ル、n−ヘキシル、イソヘキシル、もしくはn−ヘプチルである;低級アルケニ
ルは、例えばアリル、プロペニル、イソプロペニル、2−もしくは3−メタリル
、又は2−もしくは3−ブテニルである;低級アルカジエニルは例えば1−ペン
タ−2,4−ジエニル;低級アルキニルは例えばプロパルギル又は2−ブチニル
である。対応の不飽和基において、二重結合は遊離の結合手に対してα−位より
も高級な位置に特に配置されている。
炭素環式炭化水素基は特に単、二もしくは多環式シクロアルキル、シクロアル
ケニルもしくはシクロアルカジエニル基、又は対応のアリール基である。最大14
個、特に12個の環炭素原子を有し、そして3〜8、好ましくは5〜7、そして特
に6員環を有する基が好ましく、それらは1個以上、例えば2個の非環式基、例
えば上記の基
、そして特に低級アルキル基又は更には炭素環式基を担持していることも可能で
ある。炭素環−非環式基は、その非環式基、特に最大7個、好ましくは最大4個
の炭素原子を有するもの、例えば特にメチル、エチル及びビニルが1又は複数個
の上記の炭素環式、所望するならば芳香族基を担持しているものである。特にシ
クロアルキル−低級アルキル及びアリール−低級アルキル基、並びに環及び/又
は鎖が不飽和であり、且つ鎖の末端炭素原子において環を担持しているその類似
体が挙げられうる。
シクロアルキル基、アリール基、複素環式基及び複素環−非環式(複素環−脂
肪式)基は例えば上記のものである。
上述の通り、ハイドロカルビル(複素環を含む)は1,2又はそれより多の同
種又は異種の置換基(官能基)により置換されていてよい。上記の置換基が特に
考慮される。
本発明に係る式Iの好適な化合物は、例えばハイドロカルビルR0が非環式ハ
イドロカルビルの以下の好適な意味を有する化合物である:C1−C20アルキル
、C2−C20ヒドロキシアルキル(そのヒドロキシ基は1位から離れた任意の位
置、好ましくは2位に位置する)、シアノ−〔C1−C20〕アルキル(そのシア
ノ基は好ましくは1−もしくはw−位に位置する)、又はカルボキシ−〔C1−
C20〕アルキル(そのカルボキシ基は好ましくは1−w−位に位置し、そして適
宜、塩形態、C1−C4アルキルエステル(C1−C4アルコキシカルボニル)もし
くはベンジルエステル(ベンジルオキシカルボニル)の形態であってよい)、及
びC3−C20アルケニル(その遊離な結合手は二重結合があるものと同一の炭素
原子に位置していない)〔上記の基は全て、C3−C5アルキルの基本構造を有す
るものを除き、直鎖状(枝分れしていない)アルキル鎖を有する〕;更には4〜
20個の鎖員を有する線形(モノ−、ジ−〜ヘキ
サ)−オキサアルキル(ここで直鎖状のC4−C20アルキルのC−3以降の1又
は複数個の炭素原子は酸素原子に置き代わり、その原子は互いと少なくとも2個
の炭素原子により隔てられており、そして好ましくは3,6,9,12,15及び18
位に位置している)。
本発明に係る式Iの好適な化合物は、ハイドロカルビルR0が以下の好適な意
味を有する化合物である:炭素環式もしくは複素環式、又は更には炭素環−非環
式もしくは複素環−非環式ハイドロカルビル;二環もしくは好ましくは単環アリ
ール、特にフェニル、又は更にはナフチル:これらの基は、1又は複数個の以下
の置換基を有しうる:ハロゲン原子、特にフッ素、塩素及び臭素、C1−C4アル
キル基、特にメチル、C1−C4アルコキシ基、特にメトキシ、メチレンジオキシ
、ニトロ基及び/又はカルボキシ基(それらは塩形態、又はC1−C4アルキルエ
ステルの形態、特にメトキシカルボニル又はエトキシカルボニルの形態であって
よい)。好ましくは、アリール基は2個より多くの置換基、特に同種のものを担
持せず、又は一個の置換基のみを担持する。最も特には、それは未置換である。
好適な複素環式ハイドロカルビル(ハイドロサイクリル)は例えば上記に強調し
たアリール基に類似し、且つ1又は2個の炭素原子の代わりに、各ケースにおい
てヘテロ原子、特に窒素を含むもの、例えばピリジルもしくはキノリル、又はキ
ナゾリルであり、それぞれ遊離な結合手は炭素原子に位置し、従って置換されて
いることのあるものでもある。好適な炭素環−非環式及び複素環−非環式ハイド
ロカルビル基は2又は3個、しかし好ましくは1個のみの上記の環式基、好まし
くは未置換の環式基がC1−C3アルキルにより担持されているものであり、それ
らは全て少なくとも1個の炭素原子、好ましくは末端炭素原子に位置している。
未置換のベンジルが最も好ましい。
式Iの特に好適な化合物はR0がC1−C7アルキル、特にC1−C4アルキル、
ヒドロキシ−C2−C18アルキル、特にヒドロキシ−C2−C14アルキル、シアノ
−C1−C7アルキル、特にシアノ−C1−C4アルキル、カルボキシ−C1−C7ア
ルキル、特にカルボキシ−C1−C4アルキル、C1−C7アルコキシ−カルボニル
−C1−C7アルキル、特にC1−C4アルコキシ−カルボニル−C1−C4アルキル
、ベンジルオキシカルボニル−C1−C7アルキル、特にベンジルオキシカルボニ
ル−C1−C4アルキル、C3−C7アルケニル、フェニル、ナフチル、ピリジル、
キノリルもしくはキナゾリル、又はフェニル−C1−C7アルキル、特にフェニル
−C1−C3アルキルである化合物であり、その対応の芳香基はC1−C7アルキル
、特にC1−C4アルキル、C1−C7アルコキシ、特にC1−C4アルコキシ、ハロ
ゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、更にはカルボキシ、C1−C4アルコキシ−
カルボニル、メチレンジオキシ及び/もしくはシアノにより置換されていること
が可能であり、対応の置換されたアルキル基におけるヒドロキシ基は特に2位に
位置しており、そして対応の置換されたアルキル基におけるシアノ、カルボキシ
、アルコキシ−カルボニル、ベンジルオキシ−カルボニル又はフェニル基は1−
又はw−位に位置している。
式Iの特に好適な化合物はR0がC1−C4アルキル、例えばメチルもしくはエ
チル、ヒドロキシ−C2−C14アルキル、例えば2−ヒドロキシ−プロピル、−
ヘキシル、−デシル又は−テトラデシル、シアノ−C1−C4アルキル、例えば2
−シアノエチル、カルボキシ−C1−C4アルキル、例えばカルボキシメチル−C1
−C4アルコキシカルボニル−C1−C4アルキル、例えばメトキシカルボニル−
メチル又は−エチル、C3−C7アルケニル、例えばア
リル、又はフェニルである化合物であり、その対応の置換化アルキルにおけるヒ
ドロキシ基は好ましくは2位に位置し、そしてシアノ、カルボキシ又はアルコキ
シカルボニル基は1−又はw−位に特に位置している。
Ac2を表示した有機スルホン酸由来のアシルは特に部分式R0−SO2−(式中、
R0は上記の一般的な意味を有し、そしてその意味は上記にて強調しており、そ
の後者は本ケースにおいては好適な選択膜も表わしている)のアシルである。
Ac3と表示した遊離又はエステル化リン酸由来のアシルは特に部分式R4O(R5
O)P(=O)−(式中、R4及びR5は互いに独立して上記の一般的な意味を
有し、そしてその意味は上記において強調している)のアシルである。R4及び
R5は好ましくは同一の意味を有する。
好適なアシル基Ac1は部分式R0−CO−により特定され(ここでR0はハイドロ
カルビル基R0の上記の一般的且つ好適な意味のいづれかを有する)、且つ未置
換又は置換された対応の非環式、炭素環式、炭素環−非環式、複素環式又は複素
環−非環式モノカルボン酸に由来するカルボン酸のアシル基である。かかるアシ
ルにおける好適なハイドロカルビルは未置換のC8−C19アルキル、特にC11−
C19−又はC13−C19アルキル、特に直鎖を有するもの、又はC1−C19アルキ
ル、特にC1−C7−であって以下の置換基、即ちカルボキシ基(これは塩の形態
、又はシアノ基もしくはC1−C4アルキルエステル(C1−C4アルコキシカルボ
ニル基)の形態にあってもよく、そして好ましくはw−位に位置している)、又
は1もしくは複数のハロゲン原子、特にフッ素もしくは塩素であり、カルボニル
基の近傍に好適に位置しているもの)も担持しうるものである。その他の好適な
アシルは二環、又は特に単環アロイル、特に
未置換のベンゾイルであり、それは1又は複数の以下の置換基、即ち、ハロゲン
原子、特に塩素もしくはフッ素、ニトロ基、C1−C4アルキル基、特にメチル、
ヒドロキシ基及びエーテル化ヒドロキシ基、特にC1−C4アルコキシ、例えばメ
トキシ、フェノキシ及びメチレンジオキシ、並びにカルボキシ基(これは塩形態
又はシアノ基もしくはC1−C4アルキルエステル(C1−C4アルコキシカルボニ
ル)の形態にあってよい)も担持していてよい。好ましくは、アロイル基は2個
以下、そして特1個のみのかかる置換基を担持する。更には好ましくは、類似の
ヘテロアロイル基、特にピリジン、ピロル、フラン、チオフェン及びイミダゾル
に由来するもの、並びに縮合ベンゾ環(例えばキノリン、イソキノリン、ベンゾ
フラン及びベンズイミダゾール)を有し、且つ上記の通りに未置換又は置換され
たものであるものその類似体に由来するものである。この種の好適なアシル基は
単環アリール−アルケニル、例えば対応のアリール−C2−C5アルケニル、例え
ばベンジル及びスチリル(即ち、フェナセチル及びシンナモイル)に由来し、そ
して上記のように置換されていてもよい。例示として、以下のカルボン酸に由来
するC2-30アシル基R2が挙げられうる:8〜20個の炭素原子を有する脂肪式モ
ノカルボン酸、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸及びステアリン
酸、並びにオレイン酸、エライジン酸、リノレン酸及びリノール酸;ハロゲン化
低級アルカンカルボン酸、例えばクロロ酢酸、トリフルオロ−又はトリクロロ−
酢酸、ブロモ酢酸又はα−ブロモイソ桔草酸;炭素環又は炭素環−非環式モノカ
ルボン酸、例えばシクロプロパン−、シクロペンタン−及びシクロヘキサン−カ
ルボン酸又はシクロペンタン−又はシクロヘキサン−酢酸又は−プロピオン酸;
芳香族炭素環式カルボン酸(安息香酸は除かれ、そしてそれは上記の通り一又は
多置換されていてよい);ア
リール一又はアリールオキシ−低級アルカンカルボン酸及びその類似体であって
鎖内が不飽和のもの、例えばフェニル酢酸又はフェノキシ酢酸(上記した通りに
未置換又は置換されている)、フェニルプロピオン酸及びシンナミン酸;並びに
複素環酸、例えばフラン−2−カルボン酸、5−tert−ブチルフラン−2−カル
ボン酸、チオフェン−2−カルボン酸、ニコチン酸又はイソニコチン酸、4−ピ
リジンプロピオン酸、及びピロル−2−又は−3−カルボン酸(これは未置換又
は低級アルキル基により置換されている);更にはジカルボン酸、例えばシュウ
酸、マロン酸、モノ−又はジ−低級アルキルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、エルカ酸、マレイン酸又はフタル酸、キノリニン酸、イソキノリニ
ン酸又はフェニルコハク酸であって未置換であるか、又はハロゲン、例えばフッ
素、塩素もしくは臭素、及び/又は低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ
及びニトロにより置換されている酸、そして更にはグルタミン酸及びアスパラギ
ン酸(これら2種類の酸は好ましくは保護されたアミノ基を有する)。この場合
、第2カルボキシ基は遊離であるだけでなく、官能基修飾されていてもよく、例
えばC1−C4アルキルエステルの形態、又は塩の形態、好ましくは塩形成塩基成
分との生理学的に寛容される塩の形態であってもよい。特に金属又はアンモニウ
ム塩、例えばアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム又はカルシウム塩、又はアンモニアもしくは適当な有機アミン
とのアンモニウム塩が考慮される。
その他の好適なアシルAc1は炭酸のモノエステルに由来し、そして部分式R0−
O−CO−により特徴付けられる。これらの誘導体における特に好適なハイドロカ
ルビル基R0として、例えば以下が挙げられる:非環式ハイドロカルビル、特に
C1−C20アルキル、好
ましくは直鎖状C1−C20アルキルであってカルボキシ基により置換されている
ことがあり、好ましくは官能基修飾されている形態、例えば塩の形態にある基、
シアノ又はC1−C4アルキルエステルであって好適にはw位に位置する基、又は
4〜20の鎖員を有する類似の直鎖状(モノ−〜ヘキサ−)オキサアルキル。特に
上記において特に好適とされた特定の基が挙げられる。R0の定義内において更
に好ましいのは置換化フェニル基、例えば上記したものが好ましい。
更なる別の好適なアシルAc1は炭酸(又はチオ炭酸)のアミドに由来し、そし
て式R4(R5)N−C(=W)−により特徴付けられる(ここでR4及びR5は上
記の通りであり、そしてWは硫黄又は特に酸素である)。
アシル基Ac2は非環式、炭素環式又は複素環式基、又は更には炭素環−非環式
又は複素環−非環式スルホン酸に由来し、そして上記の部分式R0c−SO2−に対
応する。特に強調すべき基Ac2を担持している本発明に係る化合物はR0がC1−
C7アルキル、又は特に二環又は特に単環アリール、例えば特にフェニルであっ
て上記で強調したアロイル基と似たような態様で置換されていることのある基で
ある化合物である。更に強調すべきものは、類似の構造の二環及び単環芳香複素
環式基であり、それにおいてはその1又は2個の炭素原子がヘテロ原子により置
き換えられているものであり、例えばピリミジル、例えば2−又は4−ピリミジ
ル、キノリル又はイソキノリルである。複素環式基は置換基、特にアロイルに関
して強調したものを担持しうる(この場合、例えばヒドロキシ誘導体は、二重結
合の互変異性シフトにより、ジヒドロオキソ誘導体と同一である)。
リン酸に由来するアシル基Ac3は例えば、リン酸に由来する、又
は特にオルトリン酸に由来するアシル基であり、そしてそれは官能基修飾された
形態、例えば塩の形態、ハイドロカルビルエステル又はアミドでもありうる。R1
がAc3である本発明に係る式Iの化合物のうち、特に強調すべきものはAc3が部
分式R4O(R5O)P(=O)−(式中、R4及びR5は上記の一般式を有し、そ
してその意味は上記において強調しており、そして好ましくは同一であり、そし
て水素又は未置換のC1−C7アルキル、特に直鎖状のC1−C7アルキル、例えば
特にメチル又はエチルであるか、又は他にフェニルであって未置換であるか又は
特にC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン及び/もしくはニトロに
より置換されている基である)に相当するものである。
特に好ましいのはR1が部分式Z−C(=W)−(式中、Wは酸素、更には硫
黄であり、そしてZはC1−C7アルキルであってハロゲン、カルボキシ又はC1
−C4アルコキシ−カルボニルにより置換されていることもある基である)のア
シルである式Iの化合物である。
特に好適なのはR2が部分式Z−C(=W)−(式中、Wは酸素又は更には硫
黄であり、そしてZはフェニル、又は更にはピリジル、フリル、チエニル−イミ
ダゾリル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル又はベンズイミダゾリルで
あり、未置換であるか、又はC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン
、ニトロ、トリフルオロメチル、カルボキシ、C1−C4アルコキシ−カルボニル
、メチレンジオキシ及び/又はシアノにより置換されている)のアシルである式
Iの化合物である。
特に好適なのはR2が部分式R0−CO−(式中、R0はフェニルであってC1−C4
アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン、例えばフッ素又は塩素、ニトロ、
トリフルオロメチル、カルボキシ
又はC1−C4アルコキシ−カルボニルによっても置換されていることのある基で
ある)のアシルである式Iの化合物である。
特に好適なのはR2が部分式R0−SO2−(式中、R0はC1−C7アルキル、特に
C1−C4アルキルである)のアシルである式Iの化合物である。
特に好適なのはR2が部分式R0−SO2−(式中、R0はフェニルであるか、又は
更にはピリジル、フリル、チエニル、イミダゾリル、キノリル、イソキノリル、
ベンゾフラニル又はベンズイミダゾリルであり、そのそれぞれは未置換であるか
、又はC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオ
ロメチル、カルボキシ、C1−C4アルコキシカルボニル、メチレンジオキシ及び
/又はニトロにより置換されている)のアシルである式Iの化合物である。
特に好適なのはR2が部分式R0−SO2−(式中、R0はフェニル又はC1−C4ア
ルキル−又はハロ置換化フェニル又はイソキノリル、例えば5−イソキノリルで
ある)のアシルである式Iの化合物である。
特に好適なのはR2が部分式R0−O−CO-(式中、R0はC1−C7アルキル、特
にC1−C4アルキルである)のアシルである、式Iの化合物である。
特に好適なのはR2が部分式R0−O−CO−(式中、R0はピリジル、フリル、
チエニル、イミダゾリル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル又はベンズ
イミダゾイルであり、そのそれぞれは未置換であるか、又はC1−C4アルキル、
C1−C4アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、カルボキシ、C1
−C4アルコキシ−カルボニル、メチレンジオキシ及び/又はシアノにより置換
されている)のアシルである式Iの化合物である。
特に好適なのはR2が部分式R4(R5)N−C(=W)−(式中、Wは硫黄、
又は特に酸素であり、R4は水素であり、そしてR5はC1−C7アルキル、特にC1
−C4アルキル、C3−C7アルケニル又はフェニル、又は更にはピリジル、フリ
ル、チエニル、イミダゾリル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル又はベ
ンズイミダゾリルであり、そのそれぞれは未置換であるか、又はC1−C4アルキ
ル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、カルボキシ
、C1−C4アルコキシ−カルボニル、メチレンジオキシ及び/又はシアノにより
置換されている)のアシルである式Iの化合物である。
低級アルコキシR3は好ましくはメトキシである。
その性質に依存して、本発明に係る化合物は、それらが塩形成基を含むことを
条件として、塩の形態、特に薬理学的に許容される、即ち、生理学的に寛容され
る塩の形態でもある。単離又は精製の目的のため、薬理学的に不適切な塩を使用
することも可能である。薬理学的に許容される塩は治療用に使用され、それ故好
適である。
遊離の酸性基、例えば遊離のスルホ、ホルホリル又はカルボキシ基を有する式
Iの化合物は塩形成性塩基成分との塩の形態、好ましくは生理学的に寛容される
塩の形態であってよい。特に金属又はアンモニウム塩、例えばアルカリ金属及び
アルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム又はカルシウ
ム塩、又はアンモニア又は適当な有機アミン、特に第三モノアミン及び複素環式
塩基、例えばトリエチルアミン、トリ−(2−ヒドロキシエチル)−アミン、N
−エチルピペリジン又はN,N’−ジメチルピペラジンとのアンモニウム塩が考
えられる。
塩基性の本発明に係る化合物は付加塩の形態、特に無機及び有機酸との酸付加
塩の形態、しかしながら第三塩の形態であってもよい
。即ち、例えば塩基性基、例えはアミノ基を置換基として担持している式Iの化
合物は通常利用されている酸と酸付加塩を形成していてよい。適当な酸は、例え
ばハロゲン化水素酸、例えば塩酸及び臭酸、硫酸、硝酸又はベルクロル酸、及び
脂肪式、脂環式、芳香式又は複素環式カルボン酸又はスルホン酸、例えばギ酸、
酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエ
ン酸、フマル酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、シュウ酸、ピルビン酸、
フェニル酢酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、アントラニリン酸、p−ヒドロ
キシ安息香酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、エンボニン酸(embonic ac
id)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、エ
チレンジスルホン酸、ハロベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレ
ンスルホン酸又はスルファニリン酸、更にはメチオニン、トリプトファン、リジ
ン又はアルギニン、更にはアスコルビン酸でもある。
式Iのスタウロスポリン誘導体は多重薬剤耐性細胞を抗腫瘍剤、例えば細胞増
殖抑制剤の作用に対し、本明細書の実施例の中で耐性ヒトKB−8511細胞のケース
において実証する通り、完全に再感作させることができる。かかる抗腫瘍剤は、
例えばドキソルビシン、ダウノルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、タキソ
ール、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、ミトキサントロン、そして特に
ビンブラスチン及びアドリアマイシンである。式Iのスタウロスポリン誘導体及
び少なくとも一の塩形成基を有するかかる誘導体の薬理学的に許容される塩はそ
れ故腫瘍疾患の処置のための抗腫瘍剤の一つと組合せて利用できうる。
上記の通り、タンパク質キナーゼCに対する式Iの化合物の阻害作用は事実上
なくなるか、又はR1が水素である類似の化合物と比べて大いに弱まる。タンパ
ク質キナーゼCの阻害作用を決定するた
め、ブタ脳のタンパク質キナーゼCを用いた。これはT.Uchida 及びC.R.Filb
urn のJ.Biol.Chem. 259,12311-4(1984)の手順に従って精製した。式Iの化
合物のタンパク質キナーゼCの阻害作用はD.Fabbro ら、Arch.Biochem.Bioph
ys.239, 102-111(1985)の方法論に従って従来から決定されている。上記の方
法に従って利用されるブタ脳のタンパク質キナーゼCはタンパク質キナーゼCの
様々なサブタイプ(アイソタイプ)の混合物である、この理由のため、最近、タ
ンパク質キナーゼCの純粋な組換アイソタイプがブタ脳タンパク質キナーゼCの
代わりにたいてい利用されている。
組換PKC アイソタイプは以下の通りにしてクローニング、発現及び精製した:
バクロウィルスの助けによる様々なタンパク質の調製、並びにSf9昆虫細胞で
のそのクローニング及びそれからの単離はM.D.Summers and G.E.Smith「A m
anual methad for baculovirus vectors and insect cell culture proccdure」
Texas Agricul.Exptl.Station Bull.(1987),1555に記載の通りに実施する。
SF9細胞での PKC−α(ウシ)、PKC−β1(ヒト)、PKC−β2(ヒト)及び PKC
−γ(ヒト/ウシハイブリド)の発現のための組換ウィルスの構築及び単離はSt
abelら〔S.Stabel,M.Liyanage and D.Frith,「Expression of protein kin
ase C isozymes in insect cells and isolation of recombinant proteins」Me
th.Neurosc.(1993)〕に記載の通りにして実施する。Sf9細胞でのPKCアイソ
タイプの調製はStabelら(前記参照)に記載の通りに実施し、そして酵素の調製
はMcGlynn らに公開の方法により実施する〔E.McGlynn,J.Liebetanz,S.Reu
tener,J.Wood,N.B.Lydon,H.Hofstetter,M.Vanek,T.Meyer and D.Fa
bbro「Expression and partial characterization of rat protein kinase C-8
and protein kinase
C−ζ in insect cells using recombinant baculovirus」J.Cell.Biochem
.49,239-250(1992)〕。組換 PKC−δ(ラット)、PKC−ε(ラット)、PKC−
ζ(ラット)及び PKC−η(マウス)の作製並びにその発現及び精製に関しては
、Liyanageら〔「Protein kinase C group B members PKC−δ,−ε,−ζ and
PKC−λ:Comparision of properties of recombinant proteins in vitro and
in vivo」Biochem.J.283, 781-787(1992)」及びMcGlynn ら(前記参照)に
記載の手順が踏まれ、更に PKC−ηの発現のため、トランスファーベクターpAc
360 が使用される〔V.Luckow and M.D.Summers「Trends in the developmenc
of baculovirus expression」Biotechrology 6,47-55(1988)〕。
上記の方法により得られる組換PKC アイソタイプの活性の測定は脂質及びカル
シウム(補因子)の非存在下で実施する。補因子の非存在下でホスホリル化され
る硫酸プロタミンをこのための基質として使用する。酵素の活性はγ−〔32P〕
−ATP から硫酸プロタミンへの32Pの転移を反映する。硫酸プロタミンはそれぞ
れが4つのC末端残基を含んで成るポリペプチドの混合物である。リン酸の組込
みの測定は以下の条件下で実施する:反応混合物100μlは最終濃度において20m
molのTRIS-HCl pH7.4,10mmol のMg[NO3]2,0.5mg/mlの硫酸プロタミン、10μ
mol のATP(0.1μCiのγ−〔32P〕−ATP;10Ci/mol;Amersham,Little Chalfo
nt,United Kingdom)、様々な濃度の阻害物質、及び0.5〜2.5 U(ユニット;1
ユニットは上記のγ−〔32P〕−ATP からヒストンH1〔Sigma、タイプV−S〕
に1ナノモルの32Pを1mgのタンパク質当り1分間で転移させる酵素量である)
の酵素。反応は酵素を加え、32℃に移すことにより開始させる。反応時間は20分
とする。その後、反応は50μlのアリコートをP81クロマトグラフィー紙(What
man,Maidstone,
United Kingdom)に滴下することにより停止させる。未結合のγ−〔32P〕−AT
P 及びヌクレオチド画分をJ.J.Witt and R.Roskoski「Rapid protein kinasc
assay using phospho-cellulose-paper absorption」Anal.Biochem.66,253-
258(1975)に記載の洗浄手順により除去後、基質のホスホリル化をシンチレーシ
ョン測定により決定する。この試験において、式Iの化合物は一般に、R1が水
である類似の化合物に関して認められたIC50よりも約20〜1000倍大きいIC50の濃
度となるまで、タンパク質キナーゼC(PKC)の様々なアイソタイプを阻害するこ
とはない。
好適なのは、タンパク質キナーゼCに対して事実上有意義な阻害作用を有さな
い式Iの化合物である。
更に好適なのは、R1が未置換の低級アルキル以外である式Iの化合物である
。
非常に好適なのは、R1が低級アルキル、例えば特にメチル、又はベンジルで
あり、R2が低級アルコキシカルボニル、例えば特にエトキシカルボニル又はter
t−ブトキシカルボニル、テトラヒドロピラニ−4−イルオキシ−低級アルカノ
イル、例えば特に2−テトラヒドロピラニ−4−イルオキシ−アセチル又は(D
)−O−テトラヒドロピラニ−4−イル−ラクトイルであるか、又は低級アルコ
キシカルボニルにより、例えば特にメトキシカルボニルにより、又はカルボキシ
により置換された低級アルキルであり、そしてR3がヒドロキシ、低級アルコキ
シ又は好ましくは水素、又はオキソである式Iの化合物、及び少なくとも1個の
塩形成基を有するかかる化合物の塩である。
非常に好適なのは、R1が低級アルキル、例えば特にメチル、又はベンジルで
あり、R2が低級テトラヒドロピラニ−4−イルオキシ−低級アルカノイル、例
えば特に2−テトラヒドロピラニ−4−
イルオキシ−アセチル又は(D)−O−テトラヒドロピラニ−4−イル−ラクト
イルであるか、又は低級アルコキシカルボニルにより、例えば特にメトキシカル
ボニルにより、又はカルボキシにより置換された低級アルキルであり、そしてR3
がヒドロキシ、低級アルコキシ又は好ましくは水素、又はオキソである式Iの
化合物、及び少なくとも1個の塩形成基を有するかかる化合物の塩でもある。
非常に好適なのは、R1がベンジルであり、R2が低級アルコキシカルボニル、
例えば特にエトキシカルボニル又はtert−ブトキシカルボニル、テトラヒドロピ
ラニ−4−イルオキシ−低級アルカノイル、例えば特に2−テトラヒドロピラニ
−4−イルオキシ−アセチル又は(D)−O−テトラヒドロピラニ−4−イル−
ラクトイルであるか、又は低級アルコキシカルボニルにより、例えば特にメトキ
シカルボニルにより、又はカルボキシにより置換された低級アルキルであり、そ
してR3がヒドロキシ、低級アルコキシ又は好ましくは水素又はオキソである式
Iの化合物、及び少なくとも1個の塩形成基を有するかかる化合物の塩である。
特に好適なのは実施例に記載の式Iの化合物である。
最も好適なのは実施例に記載の式Iの化合物であるが、N−(tert−ブトキシ
カルボニル)−6−メチル−スタウロスポリンは除く。
式Iの化合物及び少なくとも1個の塩形成基を有するかかる化合物の塩は周知
の方法により調製される。本発明に係る方法は以下を含んで成る:
a)次式IIの化合物
(式中、その置換基は上記の通りであり、それにおいて存在している任意の官
能基は、適宜、保護形態にある)又は少なくとも1個の塩形成基を有するかかる
化合物の塩を、次式の化合物
R1Y (III)
(式中、R1は上記の通りであり、その中に存在している任意の官能基は、適
宜、保護形態にあり、そしてYは離核基又は追加の単結合であり、その他端は基
R1における水素原子と置き代わっている)又は少なくとも1個の塩形成基を有
するかかる化合物の塩と反応させ、そして任意の保護基を除去する;又は
b)次式IVの化合物
(式中、置換基は上記の通りであり、その中に存在している任意の官能基は、
適宜、保護形態にある)又は少なくとも1個の塩形成基を有するかかる化合物の
塩を、次式の化合物
R2X (V)
(式中、R2は上記の通りであり、基R2の中に存在している任意の官能基は、
適宜、保護形態にあり、そしてXは離核基であるか、又は追加の単結合であり、
その他端は基R2における水素原子と置き代わっている)又は少なくとも1個の
塩形成基を有するかかる化合物の塩と反応させ、そして任意の保護基を除去する
;
そして、所望するならば、得られる式Iの化合物を別の式Iの化合物に変換さ
せる、及び/又は遊離形態において得られる式Iの化合物をその塩に変換させる
、及び/又は塩の形態において得られる式Iの化合物をその遊離形態もしくは別
の塩に変換させる。
上記の方法の変更の仕方は以下に詳細する:
一般記事:
式Iの最終生成物は別の式Iの最終生成物の調製のための出発物
質の中の保護基としても利用されうる置換基を含みうる。従って、本明細書の範
囲において、何らかのことわりのない限り、「保護基」なる語は、式Iの特定の
所望される最終生成物の構成部分ではない容易に除去可能な基のみを意味する。
方法a):式II及びIIIの化合物において存在しうる遊離な官能基であって容易
に除去可能な保護基により好適に保護されている官能基は特に遊離のアミノ又は
カルボキシ基である。遊離ヒドロキシを保護することも好都合でありうる。所望
の反応に関与させることを意図する官能基はむろん保護しない。
保護基並びにその導入及び除去方法は例えば「Protective Groups in Organic
Chemistry」Plenum Press,London,New York 1973及び「Methoden der organi
schen Chemie」Houben-Weyl 第4版、Vol.15/1 Georg-Thieme-Verlag,Stuttga
rt 1974及びTheodora W.Greene,「Protective Groups in Organic Synthesis
」John Wiley & Sons,New York 1981に記載されている。保護基の特徴は、それ
らが容易に除去できること、即ち、所望されない第2反応、例えば加溶媒分解、
還元、光分解による反応、又は更には生理学条件下での反応を必要としないこと
にありうる。
保護されたアミノ基は、例えば容易に解裂可能なアシルアミノ、アリールメチ
ルアミノ、エーテル化メルカプトアミノ、2−アシル−低級アルケ−1−エニ−
イル−アミノ、シリルアミノもしくはスタンニルアミノ基の形態、又はアジド基
の形態にあってよい。
対応のアシルアミノ基において、アシルは例えば18個までの炭素原子を有する
有機カルボン酸のアシル基、特に未置換又は置換された、例えばハロ−又はアリ
ール−置換されたアルカンカルボン酸、又は未置換又は置換された、例えばハロ
−、低級アルコキシ−又はニトロ−置換された安息香酸のアシル基、又は炭酸半
エステルのア
シル基である。かかるアシル基は、例えば低級アルカノイル、例えばホルミル、
アセチル又はプロピオニル、ハロ低級アルカノイル、例えば2−ハロアセチル、
特に2−クロロ−、2−ブロモ−、2−ヨード−、2,2,2−トリフルオロ−
又は2,2,2−トリクロロ−アセチル、未置換又は置換された、例えばハロ−
、低級アルコキシ−又はニトロ−置換されたベンゾイル、例えばベンゾイル、4
−クロロベンゾイル、4−メトキシベンゾイル又は4−ニトロベンゾイル、又は
低級アルコキシカルボニルであって低級アルキル基の1位において枝分れしてい
るか又は1−もしくは2−位において適当に置換されている基、例えば特にtert
−低級アルコキシカルボニル、例えばtert−ブトキシカルボニル、1又は2個の
アリール基(好ましくは未置換であるか、又は例えば低級アルキル、特にtert−
低級アルキル、例えばtert−ブチル、低級アルコキシ、例えばメトキシ、ヒドロ
キシ、ハロゲン、例えば塩素及び/又はニトロにより一又は多置換されたフェニ
ルである)を有するアリールメトキシカルボニル、例えば未置換又は置換された
ベンジルオキシカルボニル、例えば4−ニトロベンジルオキシカルボニル、又は
置換されたジフェニルメトキシカルボニル、例えばベンズヒドリルオキシカルボ
ニル又はジ−(4−メトキシフェニル)−メトキシカルボニル、アロイルメトキ
シカルボニル(ここでアロイル基は好ましくは、未置換であるか、例えばハロゲ
ン、例えば臭素により置換されたベンゾイルである)、例えばフェナシルオキシ
カルボニル、2−ハロ−低級アルコキシカルボニル、例えば2,2,2−トリク
ロロエトキシカルボニル、2−ブロモエトキシカルボニル又は2−ヨードエトキ
シカルボニル、又は2−(三置換化シリル)−エトキシカルボニル(ここで各置
換基は独立して、未置換であるか、又は例えば低級アルキル、低級アルコキシ、
アリール、ハロゲン又はニトロにより置
換された15個までの炭素原子を有する脂肪式、芳香族脂肪式、脂環式又は芳香族
炭化水素、例えば対応の未置換又は置換された低級アルキル、フェニル−低級ア
ルキル、シクロアルキル又はフェニルである)例えば2−トリ−低級アルキルシ
リルエトキシカルボニル、例えば2−トリメチルシリルエトキシカルボニル又は
2−(ジ−n−ブチル−メチル−シリル)−エトキシカルボニル、又は2−トリ
アリールシリルエトキシカルボニル、例えば2−トリフェニルシリルエトキシカ
ルボニルである。
アミノ保護基として適当であるその他のアシル基は有機リン酸、ホスホン酸又
はホスフィン酸の対応の基、例えばジ−低級アルキルホスホリル、例えばジメチ
ルホスホリル、ジエチルホスホリル、ジ−n−プロピルホスホリル又はジイソブ
ロピルホスホリル、ジシクロアルキルホスホリル、例えばジシクロヘキシルホス
ホリル、未置換又は置換されたジフェニルホスホリル、例えばジフェニルホスホ
リル、未置換又は置換された、例えばニトロ置換されたジ−(フェニル−低級ア
ルキル)−ホスホリル、例えばジベンジルホスホリル又はジ−(4−ニトロベン
ジル)−ホスホリル、未置換であるか置換されたフェニルオキシ−フェニル−ホ
スホニル、例えばフェニルオキシフェニル−ホスホニル、ジ−低級アルキルホス
フィニル、例えばジエチルホスフィニル、又は未置換であるか又は置換されたジ
フェニルホスフィニル、例えばジフェニルホスフィニルでもある。
モノ−、ジ−又は特にトリ−アリールメチルアミノ基であるアリールメチルア
ミノ基において、アリール基は特に、未置換であるか又は置換されたフェニル基
である。かかる基は、例えばベンジル−、ジフェニルメチル−、そして特にトリ
チル−アミノである。
かかる基により保護されたアミノ基におけるエーテル化メルカプト基は特にア
リールチオ又はアリール−低級アルキルチオであり、
ここでアリールは特に未置換であるか、又は例えば低級アルキル、例えばメチル
又はtert−ブチル、低級アルコキシ、例えばメトキシ、ハロゲン、例えば塩素及
び/又はニトロにより置換されたフェニルである。対応のアミノ保護基は例えば
4−ニトロフェニルチオである。
アミノ保護基として利用できる2−アシル−低級アルケ−1−エニ−1−イル
基において、アシルは例えば低級アルカンカルボン酸の、未置換の、又は低級ア
ルキル、例えばメチルもしくはtert−ブチル、低級アルコキシ、例えばメトキシ
、ハロゲン、例えば塩素及び/もしくはニトロにより置換された安息香酸の、又
は特に炭酸半エステル、例えば炭酸低級アルキル半エステルの対応の基である。
対応の保護基は特に1−低級アルカノイル−プロペ−1−エニ−2−イル、例え
ば1−アセチル−プロペ−1−エニ−2−イル、又は1−低級アルコキシカルボ
ニル−プロペ−1−エニ−2−イル、例えば1−エトキシカルボニル−プロペ−
1−エニ−2−イルである。
好適なアミノ保護基は炭酸半エステルのアシル基、特にtert−ブトキシカルボ
ニル、ベンジルオキシカルボニルであって未置換であるか又は例えば記載の通り
に置換された基、例えば4−ニトロ−ベンジルオキシカルボニル、又はジフェニ
ルメトキシカルボニル、又は2−ハロ−低級アルコキシカルボニル、例えば2,
2,2−トリクロロエトキシカルボニル、更にはトリチル又はホルミルである。
カルボキシ基は通常エステル化形態において保護されており、かかるエステル
基は温和な条件下で容易に解裂できる。このような態様で保護されているカルボ
キシ基はエステル化基として特に1−位において枝分れした又は1−もしくは2
−位において適切に置換された低級アルキル基を含む。エステル化形態における
好適なカルボ
キシ基はとりわけtert−低級アルコキシカルボニル、例えばtert−ブトキシカル
ボニル、アリールメトキシカルボニルであって1又は2個のアリール基(これは
未置換であるか、又は例えば低級アルキル、例えばtert−低級アルキル、例えば
tert−ブチル、低級アルコキシ、例えばメトキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、例え
ば塩素及び/又はニトロにより一又は多置換されているフェニル基である)を有
するアリールメトキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニルであって未
置換であるか又は例えば上記の通りに置換された基、例えば4−メトキシベンジ
ルオキシカルボニル又は4−ニトロベンジルオキシカルボニル、又はジフェニル
メトキシカルボニルであって未置換であるか又は例えば上記の通りに置換された
基、例えばジフェニルメトキシカルボニル又はジ−(4−メトキシフェニル)−
メトキシカルボニル、1−低級アルコキシ−低級アルコキシカルボニル、例えば
メトキシメトキシカルボニル、1−メトキシエトキシカルボニル又は1−エトキ
シメトキシカルボニル、1−低級アルキルチオ−低級アルコキシカルボニル、例
えば1−メチルチオメトキシカルボニル又は1−エチルオチエトキシカルボニル
、アロイルメトキシカルボニル(ここでアロイル基は未置換であるか、又は例え
ばハロゲン、例えば臭素により置換されたベンゾイルである)フェナシルオキシ
カルボニル、2−ハロ−低級アルコキシカルボニル、例えば2,2,2−トリク
ロロエトキシカルボニル、2−ブロモエトキシカルボニル又は2−ヨードエトキ
シカルボニル、又は2−(三置換化シリル)エトキシカルボニル(ここで各置換
基は独立して、未置換であるか、又は例えば低級アルキル、低級アルコキシ、ア
リール、ハロゲン及び/又はニトロにより置換された脂肪式、芳香脂肪式、脂環
式又は芳香族炭化水素基、例えば対応の未置換であるか又は置換された低級アル
キル、フェニル−低級アルキル、シクロ
アルキル又はフェニルである)、例えば2−トリ−低級アルキルシリルエトキシ
カルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル又は2−(ジ−n−ブチ
ル−メチル−シリル)エトキシカルボニル又は2−トリアリールシリルエトキシ
カルボニル、例えば2−トリフェニルシリルエトキシカルボニルである。
上記及び以降の有機シリル及びスタンニル基は好ましくは低級アルキル、特に
メチルを珪素又は錫原子の置換基として含む。対応のシリル又はスタンニル基は
特にトリ−低級アルキルシリル、特にトリメチルシリル、又はジメチル−tert−
ブチル−シリル、又は対応の置換されたスタンニル、例えばトリ−n−ブチルス
タンニルである。
好適な保護されたカルボキシ基はtert−低級アルコキシカルボニル、例えばte
rt−ブトキシカルボニル、そして特にベンジルオキシカルボニルであって、未置
換であるか、又は例えば上記の通りに置換されて基、例えば4−ニトロベンジル
オキシカルボニル、又はジフェニルメトキシカルボニル、特に2−(トリメチル
シリル)エトキシカルボニルである。
ヒドロキシ保護基は、例えばアシル基、例えば未置換又は置換去れた、例えば
ハロ置換された低級アルカノイル、例えば2,2−ジクロロアセチル、又は炭酸
半エステルのアシル基、特にtert−ブトキシカルボニル、未置換又は置換された
ベンジルオキシカルボニル、例えば4−ニトロベンジルオキシカルボニル、又は
ジフェニルメトキシカルボニル、又は2−ハロ−低級アルコキシカルボニル、例
えば2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、更にはトリチル又はホルミル
、又は有機シリル又はスタンニル基、又は容易に除去可能なエーテル化基、例え
ばtert−低級アルキル、例えばtert−ブチル、2−オキサ−又は2−チア−脂肪
式又は−脂環式炭化水素基
、特に1−低級アルコキシ−低級アルキル又は1−低級アルキルチオ−低級アル
キル、例えばメトキシメチル、1−メトキシ−エチル、1−エトキシ−エチル、
メチルチオメチル、1−メチルチオエチル又は1−エチルチオエチル、又は5も
しくは6個の環原子を有する2−オキサ−又は2−チア−シクロアルキル、例え
ばテトラヒドロフリル又は2−テトラヒドロピラニル、又は対応のチア類似体、
そして更には未置換であるか又は置換された1−フェニル−低級アルキル、例え
ば未置換であるか又は置換されたベンジル又はジフェニルメチル(フェニル基の
適当な置換基は例えばハロゲン、例えば塩素、低級アルコキシ、例えばメトキシ
、及び/又はニトロである)である。
式Iの所望の最終生成物の構成要素でない保護基、例えばカルボキシ−、アミ
ノ−、ヒドロキシ−又はカルバモイル−保護基の除去は公知の方法、例えば加溶
媒分解、特に加水分解、アルコール分解又は酸分解、又は還元、特に水添分解、
又は化学還元により、適宜段階式に又は同時に行われ、酵素的方法、例えばアシ
ド−リシス、例えばトリフルオロ酢酸又はギ酸による処理、又は還元、例えば亜
鉛及び酢酸による処理、又は水素による処理、更には水素化触媒、例えばパラジ
ウム・オン・カーボン触媒を使用することが可能である。
複数の保護された官能基が存在しているとき、保護基は複数のかかる基が同時
に除去できるものを選ぶのが好ましい。
保護されたアミノ基は公知の態様で、且つその保護基の種類に従って、様々な
方法、好ましくは加溶媒分解又は還元により遊離にすることができる。2−ハロ
−低級アルコキシカルボニルアミノ(適宜、2−ブロモ−低級アルコキシカルボ
ニルアミノ基の2−ヨード−低級アルコキシカルボニルアミノ基への変換後)、
アロイル−メ
トキシカルボニルアミノ又は4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノは例え
ば適当な化学還元剤、例えば亜鉛による、適当なカルボン酸、例えば水性酢酸の
存在下での処理により解裂されうる。アロイルメトキシカルボニルアミノは求核
試薬、好ましくは塩形成試薬、例えばナトリウムチオフェノレートによる処理に
よっても、そして4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノはアルカリ金属ジ
チオナイト、例えばナトリウムジチオナイトによる処理によっても解裂されうる
。未置換又は置換されたジフェニルメトキシカルボニルアミノ、tert−低級アル
コキシカルボニルアミノ又は2−(三置換化シリル)−エトキシカルボニルアミ
ノは適当な酸、例えばギ酸又はトリフルオロ酢酸による、又は飽和塩酸溶液によ
る酢酸エチル又はジオキサン中での処理により解裂されうる。未置換又は置換さ
れたベンジルオキシカルボニルアミノは、例えば水添分解、即ち水素による、適
当な水素化触媒、例えばパラジウム触媒の存在下での処理により解裂されうる。
未置換又は置換化トリアリールメチルアミノ又はホルミルアミノは、例えば酸、
例えば鉱酸、例えば塩酸、又は有機酸、例えばギ酸、酢酸又はトリフルオロ酢酸
による、適宜水の存在下での処理により解裂されうる;そして有機シリル基によ
り保護されたアミノ基は、例えば加水分解又はアルコール分解により遊離されう
る。2−ハロアセチル、例えば2−クロロアセチルにより保護されたアミノ基は
、チオウレアによる、塩基の存在下での処理、又はチオレート塩、例えばチオウ
レアのアルカリ金属チオレートによる処理、その後の得られる縮合生成物の加溶
媒分解、例えばアルコール分解又は加水分解により遊離されうる。2−置換化シ
リルエトキシカルボニルにより保護されたアミノ基はフッ素化物アニオンをもた
らすフッ素酸の塩による処理によって遊離のアミノ基へと変換されうる。
2位において有機シリル基により置換された、又は1位において低級アルコキ
シもしくは低級アルキルチオにより置換されたtert−低級アルコキシカルボニル
、低級アルコキシカルボニル、又は未置換もしくは置換されたジフェニルメトキ
シカルボニルは例えば適当な酸、例えばギ酸又はトリフルオロ酢酸による処理、
適宜求核性化合物、例えばフェノール又はアンソールの添加により遊離カルボキ
シへと変換されうる。未置換であるか又は置換されたベンジルオキシカルボニル
は、例えば水添分解、即ち、水素による金属水素化触媒、例えばパラジウム触媒
の存在下での処理により遊離されうる。更に、適当に置換されたベンジルオキシ
カルボニル、例えば4−ニトロベンジルオキシカルボニルは、化学還元、例えば
アルカリ金属ジチオナイト、例えばナトリウムジチオナイトによる処理、又は還
元性金属、例えば亜鉛、又は還元性金属塩、例えばクロム(II)塩、例えば塩化
クロム(II)による、通常は金属と一緒になって真性水素を生成できる水素生成
試薬、例えば酸、特に適当なカルボン酸、例えば未置換又は置換された、例えば
ヒドロキシ置換された低級アルカンカルボン酸、例えば酢酸、ギ酸、グリコール
酸、ジフェニルグリコール酸、乳酸、マンデリン酸、4−クロロマンデリン酸又
は酒石酸の存在下での、又はアルコール又はチオールの存在下での処理(水を添
加するのが好ましい)によっても遊離カルボキシへと変換されうる。上記の通り
の還元性金属又は金属塩による処理により、2−ハロ−低級アルコキシカルボニ
ル(適宜、2−ブロモ−低級アルコキシカルボニルの対応の2−ヨード−低級ア
ルコキシカルボニル基への変換後)又はアロイルメトキシカルボニルは遊離カル
ボキシへと変換されもする。アロイルメトキシカルボニルは求核試薬、好ましく
は塩形成試薬、例えばナトリウムチオフェノレート又はヨウ化ナトリウムによる
処理によっても解裂されうる。置換化2
−シリルエトキシカルボニルはフッ化物アニオンを生成するフッ素水素酸の塩、
例えばアルカリ金属フッ化物、例えばフッ化ナトリウム又はカリウムによる、マ
クロ環式ポリエーテル(「クラウンエーテル」)の存在下での処理、又は有機第
四塩基のフッ化物、例えばテトウ−低級アルキルアンモニウムフルオリド又はト
リ−低級アルキル−アリールアンモニウムフルオリド、例えばテトラ−低級アル
キルアンモニウムフルオリド又はトリ−低級アルキル−アリールアンモニウムフ
ルオリド、例えばテトラエチルアンモニウムフルオリド又はテトラブチルアンモ
ニウムフルオリドによる、非プロトン極性溶媒、例えばジメチルスルホキシド又
はN,N−ジメチルアセトアミドの存在下での処理により遊離カルボキシへと変
換されもする。
適当なアシル基、有機シリル基又は未置換もしくは置換された1−フェニル−
低級アルキルにより保護されたヒドロキシ基は対応の保護されたアミノ基と似た
ようにして遊離される。未置換又は置換された1−フェニル−低級アルキル、例
えばベンジルにより保護されたヒドロキシは好ましくは触媒水素添加、例えばパ
ラジウム・オン・カーボン触媒の存在下での処理により遊離される。2,2−ジ
クロロアセチルにより保護されたヒドロキシ基は、例えば塩基性加水分解により
遊離され、そしてtert−低級アルキル又は2−オキサ−もしくは2−チア−脂肪
式もしくは−脂環式炭化水素基によりエーテル化されたヒドロキシ基は酸加水分
解、例えは鉱酸又は強有機カルボン酸、例えばトリフルオロ酢酸による処理によ
り遊離される。有機シリル基、例えばトリメチシリルによりエーテル化されたヒ
ドロキシはフッ化物アニオンを生成するフッ素酸の塩、例えばテトラブチルアン
モニウムフルオリドによっても遊離されうる。
Yが反応性活性化ヒドロキシ基であるとき、Yは基R1における
飽和炭素原子又はカルボニル炭素原子に結合しており、従って特に反応性なエス
テル化ヒドロキシ基、即ち、強無機酸、例えばハロゲン化水素酸(例えば塩酸、
臭酸又はヨウ素酸)により、酸素含有鉱酸、例えばリン酸、そして特に硫酸によ
り、強有機系、例えば脂肪式又は芳香族スルホン酸(例えばメタン−及びエタン
−又はベンゼン−、p−トルエン、p−ニトロベンゼン−及びp−クロロベンゼ
ン−スルホン酸)である。
Yが基R1、例えばフェニル基における芳香族炭素原子に結合しているなら、
Yは特にジアゾニウム基である。
Yが追加の単結合であり、その他端が基R1における水素原子と置き代わって
いるものであるとき、R1Yは例えばアルケン、特にその二重結合が2−メチル
プロペンの如きにおけるように構造特異性により更に活性化された、又は特にア
クリロニトリルにおけるように置換により更に活性化されているものである。Y
の定義の中に更に含まれるのは、単結合であってその他端が基R1における炭素
原子には直接結合していないが、しかし置換基として存在しているヘテロ原子、
例えば酸素(例えばヒドロキシ基における)又は窒素(アミノ基における)(そ
の基の水素原子と置き代わっている)に結合している結合である。この種の特に
好適な試薬はα−エポキシド(オキシラン)又はα−イミン(アジリジン)基を
含み、そして2−ヒドロキシアルキル基又は2−アミノアルキル基のそれぞれを
有する基R0の有利な起源を担う。
もしR1がホルミルであるなら、試薬R1Yは反応性カルボン酸誘導体である。
それにおけるYは例えば反応性エステル化ヒドロキシ基、例えば特にハロゲンで
ある。式IIIのかかる反応性カルボン酸誘導体は特に反応性活性化エステル又は
反応性無水物、又は更には反応性環式アミドであり、アシル化剤として利用され
る式R1−OH
のカルボン酸の活性化は式IIの化合物の存在下でin situ で実施することも可能
である。
酸活性化エステルは、エステル化基の連結炭素原子で不飽和のエステルであっ
て、例えば、ビニルエステル、例えばビニルエステルプロパー(proper)(例え
ば、対応するエステルの酢酸ビニルによるエステル転移により得られる;活性化
ビニルエステル法)、カルバモイルビニルエステル(例えば、その対応する酸を
イソキサゾリウム試薬により処理することにより得られる;1,2−オキサゾリ
ウム又はWoodward法)、又は1−低級アルコキシビニルエステル(例えば、その
対応する酸を低級アルコキシアセチレンにより処理することにより得られる;エ
トキシ−アセチレン法)、又はアミジノ型のエステル、例えば、N,N’−ジ置
換アミジノエステル(例えば、その対応する酸を、好適なN,N’−ジ置換カル
ボジイミド、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドにより処理す
ることにより得られる;カルボジイミド法)、又はN,N−ジ置換アミジノエス
テル(例えば、その対応する酸を、N,N−ジ置換シアナミドにより処理するこ
とにより得られる;シアナミド法)、好適なアリールエステル、特に、求電子置
換により適切に置換されたフェニルエステル(例えば、その対応する酸を、好適
に置換されたフェノール、例えば、4−ニトロフェノール、4−メチルスルホニ
ルフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,3,4,5,6−ペン
タクロロフェノール又は4−フェニルジアゾフェノールにより、縮合剤、例えば
、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在中で、処理することにより
得られる;活性化アリールエステル法)、シアノメチルエステル(例えば、その
対応する酸を、塩基の存在中で、クロロアセトニトリルにより処理することによ
り得られる;シアノメチルエステル法)、チオエステル、特に、置
換されていないか又は置換された、例えば、ニトロ−置換されたフェニルチオエ
ステル(例えば、その対応する酸を、置換されていないか又は置換された、例え
ば、ニトロ−置換されたチオフェノールにより処理することにより、とりわけそ
の無水物又はカルボジイミド法により得られる;活性化チオールエステル法)、
に、アミノもしくはアミド・エステル(例えば、その対応する酸を、N−ヒドロ
キシアミノもしくはN−ヒドロキシアミド化合物、例えば、N−ヒドロキシスク
シニミド、N−ヒドロキシピペリジン、N−ヒドロキシフタドロキシ−3,4−
ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4−オンにより処理すること又は1
−ヒドロキシベンゾトリアゾールにより、例えば無水物又はカルボジイミド法に
より処理することにより得られる;活性化N−ヒドロキシエステル法)、又はシ
リルエステル(例えば、その対応する酸をシリル化剤、例えばヘキサメチルジシ
ラザン〔これはヒドロキシ基とは容易に反応するが、アミノ基とは反応しない〕
により処理することによって得られる)である。
酸の無水物は、その酸の、対称の又は好ましくは混合された無水物であって、
例えば、無機酸との無水物、例えば、酸ハライド、特に酸クロリド(例えば、そ
の対応する酸を、塩化チオニル、5塩化リン又はオギザリル・クロリドにより処
理することにより得られる;酸クロリド法)、アジド(例えば、その対応する酸
エステルから、その対応するヒドラジドを介して、亜硝酸によりそれらを処理す
ることにより得ることができる;アジド法)、炭酸半誘導体との無水物、例えば
、対応のエステル、例えば炭酸低級アルキル半エステル(例えば、その対応する
酸を、ハロギ酸、例えばクロロギ酸低級アルキルエステルにより又は1−低級ア
ルコキシ−カルボニル−2−低級アルコキシ−1,2−ジヒドロキノリン、例え
ば1−低級ア
ルコキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリンにより処理する
ことにより得られる;混合O−アルキル炭酸無水物法)、又はジハロゲン化、特
にジクロロ化されたリン酸との無水物(例えば、その対応する酸を、リン・オキ
シクロリドにより処理することにより得られる;リン・オキシクロライド法)、
又は有機酸との無水物、例えば、有機カルボン酸との混合無水物(例えば、その
対応する酸を、置換されていないか又は置換された低級アルカン−もしくはフェ
ニル−低級アルカン−カルボン酸ハライド、例えば、フェニル酢酸クロリド、ピ
バル酸クロリド又はトリフルオロ酢酸クロリドにより処理することにより得られ
る;混合カルボン酸無水物法)又は有機スルホン酸との混合無水物(例えば、そ
の対応する酸の塩、例えば、アルカリ金属塩を、好適な有機スルホン酸ハライド
、例えば、低級アルカン−もしくはアリール−例えば、メタン−もしくはp−ト
ルエン−スルホン酸クロリドにより処理することにより得られる;混合スルホン
酸無水物法)並びに対称無水物(例えば、その対応する酸をカルボジイミド又は
1−ジエチルアミノプロピンの存在中で縮合することにより得られる;対称無水
物法)である。
好適な環式アミドは、特に、芳香族性をもつ5−員環のジアザ環をもつアミド
、例えば、イミダゾール類、例えばイミダゾール(例えば、その対応する酸をN
,N’−カルボニルジイミダゾールにより処理することにより得られる;イミダ
ゾール法)又はピラゾール類、例えば、3,5−ジメチルピラゾール(例えば、
その酸ヒドラジドを介して、アセチルアセトンによる処理により得られる;ピラ
ゾリド法)をもつアミドである。
先に述べたように、アシル化剤として使用される酸誘導体は、in situで形成
されることもできる。例えば、N,N’−ジ置換アミ
ジノエステルは、式IIの出発物質とアシル化剤として使用される酸との混合物を
、好適なN,N’−ジ置換カルボジイミド、例えば、N,N’−シクロヘキシル
カルボジイミドの存在中で、反応させることにより、in situ で形成されること
ができる。さらに、アシル化剤として使用される酸のアミノ又はアミド・エステ
ルは、その対応する酸とアミノ出発物質との混合物をN,N’−ジ置換カルボジ
イミド、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在中で、又は
N−ヒドロキシアミン又はN−ヒドロキシアミド、例えば、N−ヒドロキシスク
シンイミド、N−ヒドロキシ−ノルボルナン−2,3−ジカルボキシイミド又は
N−ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在中で、適切には、好適な塩基、例えば
、4−ジメチルアミノ−ピリジン又はテトラメチルグアニジンの存在中で反応さ
せることにより、アシル化されるべき式IIの出発物質の存在中で形成されること
ができる。
アシル(ホルミル)以外の基R1を導入するには、方法a)は好ましくはまず
適当な溶媒、例えばジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフラン中の式IIの出
発物質を適当な塩基、例えばナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドとテト
ラヒドロフラン又は水素化ナトリウム中で、好ましくは−20℃〜+70℃、特に0
℃〜室温の温度において反応させ、次いで例えば適当な溶媒、例えばテトラヒド
ロフラン中の式IIIの化合物を加えることにより実施する。
アシル基(ホルミル基)R1を導入するには、方法a)は好ましくは適当な溶
媒、例えば塩化メチレン中の式IIの出発物質を、適当な塩基、例えばトリエチル
アミンの存在下で、式IIIの反応性酸誘導体(これは対応の酸からin situ で形
成することもできうる)と、0℃〜+150℃の温度、例えば還流温度において反
応させることにより実施する。他方、式IIの出発物質をまず適当な溶媒、例えば
無
水テトラヒドロフラン中で適当な塩基、例えばナトリウムビス(トリメチルシリ
ル)アミドのテトラヒドロフラン溶液と、0℃〜室温の温度において反応させ、
次いで式IIIの反応性酸誘導体を加えてよい。
方法b)
式IV及びVの反応体において保護された官能基並びにその目的のために用いる
保護基は方法a)に挙げたものに相当する。所望の反応に関与させることを意図
する官能基、例えば−NH−CH3はむろん保護しない。保護基の導入及び除去は方
法a)に記載と似たような方法でも実施する。式Vの化合物における基Xは式II
Iの化合物における基Yに相当し、そして式Vの試薬は式IIIの試薬と類似する。
アシル以外の基R2を導入するには、好ましくは方法b)は適当な溶媒、例え
ばジメチルホルムアミド又はハロゲン化炭化水素、例えばクロロホルム中の式IV
の出発物質を、適当な塩基、例えばN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在
下で、適当な温度、例えば室温又は約+150℃に至るまでの高温で、式Vの化合
物と反応させることにより実施し、その反応は、特にXが追加の単結合であり、
その他端が基R2における水素原子と置き代わっている結合のとき、例えば式V
の化合物がオキシラン又はアクリロニトリルであるとき、高温において、例えば
密閉槽、例えばボンブチューブの中で加圧して実施する。オキシランとの反応は
溶媒としての好ましくは低級アルカノール、例えばエタノールの中で実施する。
方法a)又はb)により得られる式Iの化合物を別の式Iの化合物に変換する
には、例えばエステル基をカルボキシに加水分解するか、又はカルボニル基を還
元してよい。この加水分解は例えば公知の態様において、低級アルカノール、例
えばエタノール中の希薄な、例えば2規定の水酸化ナトリウム溶液により室温で
行ってよく、
そしてそれは保護基の除去の際も見い出せうる。アミド又はラクタム基の一部を
構成するカルボニル基を含むカルボニル基の還元のために考慮される還元剤は、
例えば複合金属水素化物、例えばアルカリ金属アルミニウム水素化物、ナトリウ
ムボロヒドリド、アルカリ金属ボロヒドリド、例えばリチウムアルミニウムヒド
リド、カリウムボロヒドリド、リチウムボロヒドリド、そして特にナトリウムボ
ロヒドリド、並びに1又は複数の水素原子がアルコキシ基もしくはシアノにより
置換されたその誘導体、例えばメトキシナトリウムボロヒドリド、トリ−(tert
−ブトキシ)リチウムボロヒドリド又はジ−(2メトキシエトキシ)−ジナトリ
ウムリチウムヒドリド又はナトリウムシアノボロヒドリド、そして更にはジボラ
ンである。
式II〜Vの化合物及びその塩における塩形成基は式Iの化合物に関して上記し
たものである。
所望する場合に実施する塩形成又はその塩からの基本構造の遊離化は一般に公
知の慣用の態様で実施する。即ち、カルボキシ基を担持している化合物は、対応
の塩基、特にアルカリ反応を呈する化合物、例えば水酸化物、炭酸塩又は炭酸水
素塩による処理によって塩基との対応の塩、特にアルカリ金属塩に変換させる。
この塩は例えば無機酸、例えば特にハロゲン化水素酸による酸性化により遊離の
カルボキシ化合物に変換させることができる。塩基反応を呈する最終生成物、例
えばアミンは例えば塩形成に適当な塩、例えば上記したものによる処理により酸
とのその塩へと変換させることができる;他方、塩基反応を呈する試薬、例えば
無機水酸化物、炭酸塩及び炭酸水素塩、又は有機塩基及びイオン交換剤により処
理することにより、かかるアミンの塩基性基本構造は遊離される。
塩、例えばピクレートは、遊離化合物を塩に変換し、これらを分離し、そして
再びその塩から遊離化合物を回収することにより、得
られる化合物の精製のためにも利用できる。
該化合物のその遊離形態及びその塩形態における密接な関係の観点において、
遊離化合物についての本明細書における任意の言及は適宜及び対応の塩(第四塩
を含む)も含むものと解すべきである。
式IVに対応するが、R1が水素である出発物質は公知であるか、又は公知の方
法により調製できうる。R1及びR3が水素である式IVに対応する出発物質、即ち
スタウロスポリンは商業的に入手でき、そしてストレプトマイセス・スタウロス
ポリン株による発酵により得られうる。この株は1982年11月11日公告の日本国特
許公告公報第57-53076との関連で日本国発酵研究機関においてFERM P−3725号で
寄託されている(S.Omuraら、J.Antibiot.30,275-281(1977)を参照のこと)
。R3が水素以外である式IVに対応するスタウロスポリン誘導体は例えばI.Taka
hashiら、J.Pharmacol.Exp.Ther. 255(3)(1990)1218-1221及びWO-A-890
7-105-A(出願人:協和発酵工業(株)日本国優先権番号024,571:1988年4月2
日)に記載されている。R3がオキソである式IIの化合物は、例えばR3が水素で
ある式IIの対応の化合物から、ピリジン中での三酸化クロムによる酸化により得
られる。このようにして得られる7−オキソ化合物から、R3がヒドロキシであ
る対応の7−ヒドロキシ化合物はナトリウムボロヒドリドによる還元により得ら
れる。R3がヒドロキシ又はオキソである式Iに対応する化合物はR3が水素であ
る式Iの化合物の合成における副産物としても得られる。公知のスタウロスポリ
ン誘導体から、未だ新規である式II及びIVの出発物質が上記の変異方法a)及び
b)に類似の反応を適当に実施することにより得られる。
R2が2−(テトラヒドロピラニ−4−イル−オキシ)−低級アルカノイルで
ある式Vの出発物質は、例えばテトラヒドロピラノ−
4−オンを対応のクロロ−低級アルカノン酸と反応させることにより得られる。
この手順においては、テトラヒドロピラノ−4−オルをまず適当な不活性非プロ
トン溶媒、例えば非環式又は環式エーテル、例えばジオキサンの中で、適当な塩
基、例えば水素化ナトリウムと反応させる。このようにして得られる懸濁物を適
当な不活性非プロトン溶媒、例えば非環式又は環式エーテル、例えばジオキサン
中のクロロ−低級アルカノン酸の溶液に滴下する。反応は0℃〜150℃、好まし
くは20℃〜100℃、例えば使用する溶媒の還流温度で実施する。
2−(テトラヒドロピラニ−4−イル−オキシ)−低級アルカノイル基を担持
している式Iの化合物はその他のN−アシル−スタウロスポリン誘導体、例えば
N−ベンゾイルスタウロスポリンよりも数倍、例えば10倍以上、水及びその他の
溶媒中で可溶性である。
何らかのことわりのない限り、保護基の除去及び追加の方法手段を含む上記の
方法は、公知の態様、例えば好適な不活性溶媒及び希釈剤の存在下又は非存在下
で、必要ならば縮合剤又は触媒の存在下で、低温又は高温で、例えば約−70℃〜
約+150℃、特に約−20℃〜約+100℃、主として約0℃〜約+70℃、好ましくは
約0℃〜約+50℃、主として室温の温度域で、適当な容器の中で、そして必要な
らば不活性ガス雰囲気下で、例えば窒素雰囲気下で実施する。
これらの方法において、分子中の全ての置換基を考慮すると、必要ならば、例
えば容易に加水分解可能な基が存在しているなら、特に温和な条件、例えば短い
反応時間、低濃度での温和な酸性又は塩基性試薬、化学理論量の比、適当な触媒
、溶媒並びに温度及び/又は条件の選択を利用する。
本発明は更に、この方法の任意の段階において中間体として得られる化合物を
出発物質として利用し、そして残りの段階を実施する
工程、又は任意の段階において工程を中断し、又は出発物質を反応条件下で形成
する、又は反応性誘導体もしくは塩の形態で使用する工程の形態にも関する。使
用する出発物質は好ましくは特に有用であると上述した方法に従って化合物をも
たらすものである。
本発明は新規の出発物質及び/又は中間体並びにその調製方法にも関連する。
使用する出発物質及び選択する反応条件は特に好適とされる本願記載の化合物が
得られるようにする。
本発明は更に式Iの化合物及びその薬理学的に許容される酸付加塩の、好まし
くはヒト又は動物の身体の、特に上記して病気の場合における治療処置のための
薬理組成物の形態における利用にも関連する。本発明は更に、かかる処置を必要
とする温血動物における多重薬剤耐性を排除する及び多重薬剤耐性の発生を阻止
する方法にも関連し、ここで多重薬剤耐性を排除し、且つその発生を回避するの
に有効な用量の式Iの化合物又はその薬理学的に許容される塩を経腸的に、例え
ば経口的に、又は非経口的に、例えば腹腔内的もしくは静脈内的に、温血動物に
投与することを含んで成る。活性成分の用量はとりわけ病気の種類、処置すべき
種及びその大きさ、生体の防御状態及び投与の仕方に依存する。例えば10mg〜10
00mg、主として50mg〜500mg、好ましくは70mg〜300mg、例えば150gの毎日の用
量の式Iの化合物が、例えば経腸的に、例えば経口的に、又は非経口的に、例え
ば静脈内もしくは腹腔内的に約70kgの体重の温血動物に投与されるであろう。こ
の総用量は1日に2又は3回の投与に分けてよい。
本発明は更に有効な量の、特に上記の病気のいづれかの予防又は処置のために
有効な量の活性成分を、局所、結腸、例えば経口又は直腸、又は非経口、例えば
静脈内又は腹腔内投与のために適切な薬理学的に許容される担体(これは無機又
は有機系の固体又は液体で
ありうる)と一緒に含んで成る薬理組成物にも関連する。経口投与のためには、
特に活性成分を、希釈剤、例えばラクトース、デキストロース、スクロース、マ
ンニトール、ソルビトール、セルロース及び/又はグリセロール、及び/又は潤
滑剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸又はその塩、例えばステアリン酸マ
グネシウムもしくはカルシウム及び/又はポリエチレングリコールと共に含んで
成る錠剤又はゼラチンカプセルが利用される。錠剤は更には結合剤、例えばマグ
ネシウムアルミニウムシリケート、デンプン、例えばトウモロコシ、コムギ又は
コメデンプン、ゼラチン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセル
ロース及び/又はポリビニルピロリドン、並びに所望するなら崩壊剤、例えばデ
ンプン、寒天、アルギン酸又はその塩、例えばナトリウムアルギネート及び/又
は発泡混合物、又は収着剤、着色料、風味料及び甘味料も含んで成りうる。非経
口式に投与可能な組成物又は点滴溶液の形態において本発明の薬理学的に活性な
化合物を使用することも可能である。かかる溶液は好ましくは等張水性溶液又は
懸濁物であり、例えば活性成分を単独で、又は担体、例えばマンニトールと共に
含んで成る連結乾燥組成物の場合、かかる溶液又は懸濁物は使用前に調製するこ
とが可能である。薬理組成物は滅菌されているか、及び/又は賦形剤、例えば防
腐剤、安定剤、湿潤剤及び/又は乳化剤、溶解剤、浸透圧調節用塩及び/又は緩
衝剤を含んで成ってよい。所望するならその他の薬理学的に活性な物質、例えば
抗生物質を含んで成りうる課題の薬理組成物は公知の方法、例えば慣用の混合、
顆粒化、糖依化、溶解又は凍結乾燥工程により調製でき、そして約0.01%〜90%
、そして凍結乾燥組成物の場合は 100%に至るまで、特に 0.1%〜約50%、最も
特には1%〜30%の活性成分を含んで成り、局所投与のための組成物に関しては
1%未満の活性成分濃度が特に適当であ
る。
以下の実施例は何ら限定することなく本発明を例証する。Rf値はシリカゲル
薄層プレート(Merck,Darmstadt,Germany より製造)上で決定する。使用する
溶出混合物中の溶出剤同志の比は容量部(v/v)で示し、温度はセッ氏度で示
す。施光の場合、溶媒又は溶媒混合物中の物質の濃度cはパーセンテージ(重量
/容量)で示す。
本明細書において、式Iの化合物を特定するのに以下の命名法を利用する。式
Iにおけるテトラヒドロピラン環における窒素原子N−R2は「N」で表示する
。例えば、N−BOC−スタウロスポリンは基R2がBOCであるスタウロスポリン誘
導体である。他方、窒素原子N−R1は「6」と表示し、それは式Iにおいて付
与した番号付けから明らかとなるであろう。例えば、6−メトキシカルボニルメ
チル−スタウロスポリンは基R1がメトキシカルボニルメチルであるスタウロス
ポリン誘導体である。略語
:
BOC :第三ブトキシカルボニル
DMF :ジメチルホルムアミド
HPLC:高圧液体クロマトグラフィー
THF :テトラヒドロフラン実施例1
:テトラヒドロフラン中のナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド
の1モラーの溶液 2.2mlを室温にて、窒素雰囲気下で、10mlのドライジメチルホ
ルムアミド中の1.13g(0.002mol)のN−BOC−スタウロスポリン(EP−A−29611
0号のExample 36に記載)の溶液に加え、そして撹拌を1時間実施する。2mlの
ジメチルホルムアミド中の0.14ml(0.0022mol)のヨウ化メチルの溶液を滴下し、
そして撹拌を室温で2時間続ける。この反応混合物を氷の上に注ぎ
、そして酢酸エチルで抽出する。その有機相を 0.1規定の塩酸で洗い、硫酸ナト
リウムで乾かし、そしてエバポレーションにより濃縮する。その残渣をシリカゲ
ル(タイプ60,Merck,Darmstadt,Germany)でのフラッシュクロマトグラフィー
により分離した。酢酸エチル/石油エーテル(1:1)を溶出剤として用いる。
互いと分離し合う2種類の化合物が個々の画分から得られる。N−BOC−6−メ
チル−7−オキソ−スタウロスポリンm.p.180−185℃,Rf=0.58(塩化メ
チレン:エタノール=95:5)及びN−BOC−6−メチル−スタウロスポリン
m.p.225−228℃,Rf=0.45(塩化メチレン:エタノール=95:5)。実施例2
:ブロモ酢酸メチルエステル0.12ml(0.0012mol)を室温において8mlの
ジメチルホルムアミド中の0.48g(0.001mol)の6−メチル−スタウロスポリン及
び 0.2ml(0.0016mol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンに加え、そして撹
拌を室温で16時間実施する。この溶液をエバポレーションにより濃縮し、そして
その残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製する(シリカゲル、塩化メ
チレン:エタノール=98:2)。N−メトキシカルボニルメチル−6−メチル−
スタウロスポリンが得られる。m.p.145−150℃,Rf=0.43(塩化メチレン
:エタノール=95:5)。
出発物質は以下の通りにして得られる:工程2.1
:0.7g(0.0012mol)のN−BOC−6−メチル−スタウロスポリン(実施
例1参照)を4mlの酢酸エチルに溶かし、そして室温で、塩酸により飽和となっ
た4mlの酢酸エチル溶液をそれに加える。3.5時間後、その懸濁物を酢酸エチル
と炭酸水素ナトリウム溶液として分配し、そして有機相を分離し、硫酸ナトリウ
ムで乾かし、そしてエバポレーションにより濃縮する。酢酸エチル/エタノール
(8:2)を用いるシリカゲル60でのフラッシュクロマトグラフ
ィーは6−メチル−スタウロスポリンをもたらす。m.p.210−215℃,Rf=0
.28(酢酸エチル:エタノール=8:2)。実施例3
:270mg(0.49mmol)のN−メトキシカルボニルメチル−6−メチル−
スタウロスポリン(実施例2参照)を15mlのメタノールに溶かし、そして室温に
て、0.3ml(0.6mmol)の2規定の水酸化ナトリウム溶液をそれに加える。この反応
混合物を次に14時間還流加熱し、冷やし、0.15mlの氷酢酸で中和し(pH4〜5)
、そして10mlの水で希釈する。その沈殿物を濾過し、水で洗い、そして高真空で
乾かす。N−カルボキシメチル−6−メチル−スタウロスポリンが得られる。m
.p.215−218℃,Rf=0.23(塩化メチレン:メタノール:氷酢酸=50:50:
1)。実施例4
:テトラヒドロフラン中のナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド
の1モラーの溶液1.65mlを室温にて窒素雰囲気下で8mlのドライジメチルホルム
アミド中の0.85g(0.0015mol)のN−BOC−スタウロスポリンの溶液に加え、そ
して撹拌を1時間実施する。0.2ml(0.00165mol)の、そして3時間後に更に0.0
2ml(0.000165mol)の臭化ベンジルをそれに加え、そして撹拌を室温で2時間実施
する。その反応混合物を氷の上に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出する。その有機
相を冷 0.1規定の塩酸で洗い、硫酸ナトリウムで乾かし、そしてエバポレーショ
ンにより濃縮する。その残渣を溶出剤として塩化メチレン/エタノール(98:2
)を用いるシリカゲル60でのフラッシュクロマトグラフィーにより分離する。N
−BOC−6−ベンジル−スタウロスポリン(m.p.205−207℃,R,=0.44(
塩化メチレン:エタノール=98:2))が混合画分と共に得られ、同じ系でのも
う1回のクロマトグラフィーを経て、N−BOC−6−ベンジル−7−オキソ−ス
タウロスポリンが得られる:m.p.115−120℃,Rf=0.59(塩化メチレン:
エタノール=98:2
)。実施例5
:120mg(0.21mmol)の6−ベンジル−スタウロスポリン及び31mg(0.2
4mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを5mlのドライジメチルホルム
アミドに導入し、そして室温で、28mg(0.25mmol)のクロロギ酸エチルエステル
をそれに加える。室温で1時間後、その反応混合物を高真空下でのエバポレーシ
ョンにより濃縮し、そしてその残渣を塩化メチレン/エタノール(98:2)を溶
出剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、N−エトキシカ
ルボニル−6−ベンジル−スタウロスポリンが得られる;融点域 190〜200℃;
Rf=0.28(塩化メチレン:エタノール=98:2)。
出発物質は以下の通りにして調製される:工程5.1
: 工程2.1 に類似して、0.55g(0.84mmol)のN−BOC−6−ベンジル
−スタウロスポリンから、6−ベンジル−スタウロスポリンが得られる;m.p
.187−190℃,Rf=0.34(塩化メチレン:エタノール=95:5)。実施例6
:42.5mg(0.283mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾル及び54.3mg(0.
283mmol)のN−エチル−N’−(3−ジアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
(EDC)を0℃において2mlの無水N,N−ジメチルホルムアミド中の35.0mg(0.21
8mmol)の2−(テトラヒドロピラニ−4−イルオキシ)−酢酸の溶液に加え、そ
して撹拌を0℃にてアルゴン下で3時間実施する。次いでそれを粗6−メチル−
スタウロスポリンの無色の溶液84mg(0.174mmol)に加え(実施例2参照)、そし
て撹拌を0℃で2時間及び室温で18時間実施する。このようにして得られる黄色
溶液を高真空下で40℃にてエバポレーションにより乾くまで濃縮する。その残渣
に3mlの水を加え、そして撹拌を室温において1/4時間実施する。結晶を吸引
濾過し、
そして水で洗う。得られる粗生成物(黄色結晶)を塩化メチレン/エタノール(
95:5)中でのシリカゲル(タイプSi60,Merck 9385;0.040-0.063mm)での0.3
barでのフラッシュクロマトグラフィーにより更に精製する(10mlの画分)。画
分7〜11を合わせ、そして高真空下での30℃でのエバポレーションにより濃縮す
る。70mgの黄色味を帯びた結晶が得られ、これを塩化メチレン/エタノール(95
:5)中でのシリカゲル(タイプSi60,Merck 9385;0.040-0.063mm)での0.3ba
rでの更なるフラッシュククロマトグラフィーにかける(10mlの画分)。画分7
〜12を合わせ、そして高真空下で30℃でのエバポレーションにより濃縮する。こ
のようにして得られるわずかに夾雑した生成物の塩化メチレン/エタノール(95
:5;5mlの画分)中での15gのシリカゲル(タイプSi60,Merck 9385;0.040-
0.063mm)での0.3barでの3回目のフラッシュククロマトグラフィー(黄色味を
帯びた結晶)の後、画分4〜7を合わせ、そして再びエバポレーションにより濃
縮する。3mlの酢酸エチル/シクロヘキサン(1:2)からの残渣の結晶化(黄
色味を帯びた結晶)は、ベージュ色の結晶状のN−〔2−(テトラヒドロピラニ
−4−イルオキシ)−アセチル〕−6−メチル−スタウロスポリンをもたらし、
これは0.33mol(1.0%)の水をまだ含んでいた;〔α〕D 20=+155.9 ±2.3°(
c=0.440;クロロホルム)。実施例7
:アルゴン下で室温で撹拌しなから、30mg(0.75mmol)の水素化ナトリ
ウム(約60%;油中;Fluka,pract.)を15mlの無水テトラヒドロフラン中の305mg
(0.5mmol)のN−〔2−(テトラヒドロピラニ−4−イルオキシ)−アセチル〕
−スタウロスポリンの溶液に加え、そしてこのようにして得られる灰色の懸濁物
を室温でアルゴン下にて3時間撹拌する。128mg(90μl,d=1.437;0.75mmol
)の塩化ベンジル(Fluka,purum)をそれに加え、そして黄色
となった懸濁物を室温で20時間撹拌する。ここで得られる黄色溶液に5mlの水を
加え、そしてそのバッチを80mlの塩化メチレンで希釈する。その有機相を 0.1規
定の塩酸で、1回、30mlの炭酸水素ナトリウム溶液で1回、そして30mlづつの水
で2回洗う。次いで水性相を50mlの塩化メチレンでもう1回抽出する。塩化メチ
レン相を全て合わせ、硫酸マグネシウムで乾かし、濾過し、そして高真空下での
30℃でのエバポレーションにより濃縮する。その残渣(黄色結晶)を30mlの酢酸
エチルに溶かし、そして30mlのジエチルエーテルをこの溶液に加える。沈殿する
物質を吸引濾過し、ジエチルエーテルで洗い、そして5mlのエチルアルコールか
ら再結晶化させる。粗生成物(黄色結晶)を酢酸エチル/石油エーテル(9:1
,25mlの画分)中での 100gのシリカゲル(タイプSi60,Merck 9385;0.040-0.
063mm)での0.4barでのフラッシュククロマトグラフィーにより更に精製する。
画分61−76及び77−92を合わせ、そして高真空下での30℃でのエバポレーション
により乾くまで濃縮する。ベージュ色の結晶(I)が画分61−76より得られ、そ
して黄色結晶(II)が画分77−92から得られる。IIはもう一回フラッシュクロマ
トグラフィーにかける(100gのシリカゲルSi60,Merck 9385;0.040-0.063mm、
溶出剤酢酸エチル/石油エーテル〔9:1;25mlの画分〕)。画分35−47及び48
−70を合わせ、そして再びエバポレーションにより濃縮する。ベージュ色の結晶
(III)が画分35−47から得られ、そして黄色結晶(IV)が画分48−70から得ら
れる。IとIIと合わせ、そして酢酸エチル/石油エーテル(9:1)(20mlの画
分)中での150gのシリカゲル(タイプSi60,Merck 9385;0.040-0.063mm)での
フラッシュククロマトグラフィーにより更にもう一回精製する。画分86−120 を
合わせ、そしてエバポレーションにより濃縮する。残渣(ベージュ色の結晶)は
22mlの酢酸エチル/ジエチルエーテル(
1:10)から結晶化する。N−(2−(テトラヒドロピラニ−4−イルオキシ)
−アセチル〕−6−ベンジル−スタウロスポリンがベージュ色の結晶形態で得ら
れ、m.p.は 177−179℃であり、0.4ml(1.03%)の水をまだ含んでいた。〔
α〕D 20=+106.2 ±2.0°(c=0.509;クロロホルム/メタノール=1:1)
,Rf=0.13(酢酸エチル:石油エーテル=95:5),Rf=0.55(塩化メチレン
:エチルアルコール=95:5),Rf=0.61(アセトン)。実施例8
:実施例7に類似して、315mg(0.5mmol)のN−〔O−(テトラヒドロピ
ラニ−4−イル)−D−ラクトイル〕−スタウロスポリンに、30mg(0.75mmol)
の水素化ナトリウム(油中約60%;Fluka,pract.)及び 128mg(90μl,d=1.43
7;0.75mmol)の塩化ベンジルから、同一の反応時間及び反復する類似のフラッシ
ュクロマトグラフィーで、N−〔O−(テトラヒドロピラニ−4−イル)−D−
ラクトイル〕−6−ベンジル−スタウロスポリンが無色の結晶形態で得られ、m
.p.は268−270℃(262℃より焼結;酢酸エチルより)であり、0.23mol(0.57%)
の水をまだ含んでいた;〔α〕D 20=+112.5 ±2.2°(c=0.446;クロロホル
ム/メタノール=1:1),Rf=0.21(酢酸エチル:石油エーテル=95:5)
,Rf=0.5(塩化メチレン:エチルアルコール=95:5),Rf=0.74(アセ
トン)。実施例9
:ヒトKB−31(感受性)及びKB-8511(薬剤耐性、p−糖タンパク質〔P
gp〕過剰発現)細胞を MEM−アルファー培地中で、5%の二酸化炭素雰囲気下で
、リボヌクレオシド及びデオキシリボヌクレオシドの添加を伴い、並びに5%の
胎児牛血清、50ユニット/mlの抗生物質ペニシリン及び50μg/mlの抗生物質ス
トレプトマイシンの存在下でインキュベーションする。KB−8511細胞を10ng/ml
の抗腫瘍活性物質コルセミド(デメコルシン)の存在下でストッ
クとして保存する。細胞増殖の阻害を決定するため、1500個の細胞のバッチ(コ
ルセミドの添加抜き)を96穴マイクロタイタープレートに含ませ、そして上記の
条件下で一夜インキュベーションする。試験物質(A:抗腫瘍活性物質ビンブラ
スチン;B:式Iの化合物N−BOC−6−メチル−スタウロスポリン)を1日目
に希釈系列で加える。次いでこれらのプレートを上記の条件下で4日間インキュ
ベーションする。その間、コントロール細胞は数回細胞分裂する。インキュベー
ション後、細胞を3.3%(w/v)の水性グルタルアルデヒド溶液で固定し、水
で洗い、そして0.05%(w/v)のメチレンブルー溶液で染色する。洗浄後、そ
の染料を3%(w/v)の水性塩酸で溶出させる。細胞の数に正比例するウェル
当りの光学光度(OD)を光度計で 665nmにおいて測定する。IC50値をコンピュー
ターシステムにより、以下の式を利用して計算する:
〔OD665(試験)−OD665(出発)〕/〔OD665(コントロール)−OD665(出発)〕×10
0
IC50値は、インキュベーション期間の終了時でのウェル当りの細胞の数がコン
トロール培養物中の細胞数の50%しかしないときの活性成分の濃度と定義される
。
実施例10:以下の結果が、試験物質C(=N−エトキシカルボニル−6−ベンジ
ル−スタウロスポリン)を試験物質Bの代わりに用いることにより、実施例9に
類似にして得られる:
実施例11:以下の結果が、試験物質D(=N−〔2−(テトラヒドロピラニル−
4−イルオキシ)−アセチル〕−6−メチル−スタウロスポリン)を試験物質B
の代わりに用いることにより、実施例9に類似にして得られる:
実施例12:以下の結果が、試験物質E(=N−BOC−6−ベンジル−スタウロス
ポリン)を試験物質Bの代わりに用いることにより、実施例9に類似して得られ
る。
実施例13:20mgづつの活性成分、例えば先の実施例に記載の式Iの化合物のいづ
れかを含んで成る錠剤を以下の組成により通常の方法で調製する:組成
活性成分 20mg
コムギデンプン 60mg
ラクトース 50mg
コロイド状珪酸 5mg
タルク 9mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
145mg
調製
活性成分のコムギデンプンの一部と、ラクトース及びコロイド状珪酸と共
に混合し、そしてその混合物をふるいにかける。コムギデンプンの更なる一部を
水浴上で5倍量の水によりペースト状にし、そして粉末混合物そのペーストと一
緒にやや柔軟な塊ができるまで練る。
その柔軟な塊を約3mmのメッシュサイズのふるいにかけ、そして乾かし、そし
て得られる乾燥顆粒をもう一度ふるいにかける。コムギデンプンの残り、タルク
及びステアリン酸マグネシウムを加え、そしてその混合物を圧搾してそれぞれ 1
45mgの重量を有し、且つブレーキングノッチを有する錠剤にする。実施例14
:25mgづつの活性成分、例えば先の実施例に記載の式Iの化合物のいづ
れかを含んで成るカプセルを以下の通りにして調製する:組成
活性成分 25.0mg
ゲルシール(gelucire)44/14 183.3mg
(ゲルシール44/14は飽和C8−C18−脂肪酸とグリセロールとのエステル及び
約1500の分子量を有するポリエチレングリコールの混合物である;Gatte-fosse
F-69800 Saint Priest,Franceにより製造)調製
ゲルシール44/14の一部を50℃〜100℃の温度で溶融させる。活性成分を加熱
したすりばちの中で液状ゲルシールと混合してペーストにする。ゲルシール44/
14の残りも溶融させ、そしてペーストに加える。この混合物を溶液が得られるま
で50℃で撹拌する。これをあたたかいうちにカプセルに導入し、そして冷やす。
このようにして得られるワックスは12重量%の活性成分を含んで成る。
ワックス様の分散体は超音波により水の中に処理して経口投与できる乳液にす
ることもできる。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年6月25日
【補正内容】
1.式Iのスタウロスポリン誘導体
(式中、
R1はホルミル、未置換であるかもしくはアリールにより置換された29個まで
の炭素原子を有する脂肪式炭化水素基、又はアリール基であり、
R2はC1−C9アルキルを除くそれぞれ29個までの炭素原子を有する脂肪式、
炭素環式、炭素環−脂肪式、複素環式もしくは複素環−脂肪式基であるか、又は
ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル、低級アルカノイルもしくは遊離もしく
は保護されたアミノ基を有するα−アミノアシル以外の30個までの炭素原子を有
するアシル基であり、そして
R3は水素、ヒドロキシ、低級アルコキシ又はオキソである)
又は少なくとも1個の塩形成基を有するかかる式Iの化合物の塩。
2.R1が未置換であるかもしくはアリールにより置換され、且つ未置換の低
級アルキルを除く29個までの炭素原子を有する脂肪式炭化水素基であるか、又は
アリール基である、請求項1記載の式Iの誘導体、又は少なくとも1個の塩形成
基を有するかかる式Iの化合物の塩。
3.R1が低級アルキル又はベンジルであり、R2が低級アルコキシカルボニル
もしくはテトラヒドロピラニ−4−イルオキシ−低級アルカノイルであるか、又
は低級アルコキシカルボニルによりもしくはカルボキシにより置換された低級ア
ルキルであり、そしてR3がヒドロキシ、低級アルコキシ、水素又はオキソであ
る、請求項1記載の式Iの誘導体、又は少なくとも1個の塩形成基を有するかか
る式Iの化合物の塩。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07D 209:00)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C
Z,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KG,KP
,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,MG,
MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,S
I,SK,TJ,TM,TT,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 バッカー,オスカル
スイス国,ツェーハー−4059 バーゼル,
レーベンベルクシュトラーセ 60