【発明の詳細な説明】
造影用テクネチウム−99m標識ペプチド
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、放射線診断薬およびペプチド、ならびに標識された放射性診断薬の
製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、ペプチド、かかるペプチドを製
造するための方法およびキット、ならびにテクネチウム−99m(Tc−99m
)との中性錯体を形成する放射性標識結合部分を介してTc−99mで標識した
哺乳動物体における部位を造影するためにかかるペプチドを使用するための方法
に関する。
2.従来技術の説明
核医学の分野では、少量の内部投与された放射性標識したトレーサー化合物(
放射性トレーサーまたは放射性医薬と称される)の分布を検出することによって
、ある種の病的状態が位置確認されるか、または、その程度が評価される。これ
らの放射性医薬の検出方法は、一般的に、造影または放射性造影方法として知ら
れている。
放射性造影において、放射性標識は、ガンマ線放射用放射性核種であり、放射
性トレーサーは、ガンマ線検出用カメラを用いて位置確認される(このプロセス
は、しばしば、ガンマシンチグラフィーと称される)。造影部位は、放射性トレ
ーサーが病的部位に局在化するように選択される(陽性造影と称される)か、ま
たは、別法としては、該放射性トレーサーがかかる病的部位に特異的には局在化
しないように選択される(陰性造影と称される)ので、検出可能である。
ヒトにおける最適な放射性造影のために多くの因子を考慮しなければならない
。検出効率を最大にするために、100〜200keV範囲でガンマエネルギーを
放射する放射性核種が好ましい。患者への吸収放射量を最小にするために、放射
性核種の物理的半減期は、造影方法が許す限り短くあるべきである。実験がいつ
でもおよび何時でも行われるように、臨床部位で常に利用可能な放射性核種の供
給
源を有するのが好都合である。
67Ga、99mTc(Tc−99m)、111In、123I、125Iおよび169Ybを含む種々
の放射性核種は、放射性造影に有用であることが知られている。Tc−99mは
、それが140keVでガンマ線を放射し、6時間の物理的半減期を有しており、
モリブデン−99/テクネチウム−99mジェネレーターを用いてon-siteで容
易に利用可能であるので、好ましい核種である。
放射性標識ペプチドを用いるイメージング方法の感度は、放射性ペプチドの特
異的結合が関心のある領域に放射性シグナルを集中するので、当該技術分野で知
られている他の放射性医薬よりも非常に高い。関心のある標的に特異的に結合す
る小さな合成ペプチドは、放射性トレーサーのための基剤として好都合に用いら
れてもよい。これは、以下の理由のためである:1.それらは、化学的に合成さ
れる(細菌または哺乳動物細胞のような生物系におけるそれらの産生、またはタ
ンパクのフラグメントのような生物学的に誘導された物質からの単離を必要とす
ることと反対である);2.それらは、小さく、したがって、非標的結合放射性
トレーサーは、体から迅速に排除され、これにより、バックグラウンド(非標的
)放射性を減少させ、標的を良好に定義させる;3.小さなペプチドは、特定の
結合部位に対するそれらの親和性を最適にするために化学的に容易に操作される
。
小さな容易に合成される標識ペプチド分子は、慣用の放射性医薬として好まし
い。患者に直接注射することができ、病理的部位に局在させることによって該病
理的部位を造影するであろう小さな合成標識ペプチドが明らかに必要である。
放射性標識ペプチドは、従来技術において開示されている。
Egeら、U.S.特許第4,832,940号には、局在したTリンパ球を造影す
るための放射性標識ペプチドが開示されている。
Olexaら、1982、欧州特許出願第823017009号には、架橋結合し
たフィブリンから単離したフラグメントE1、架橋結合したフィブリンから単離
したフラグメントE2、ならびにフラグメントE1およびE2の間のアミノ酸配列
中間体を有するペプチドから選択される医薬的に許容される放射性標識ペプチド
が開示されている。
Ranbyら、1988、PCT/US88/02276には、放射性標識化合物
をフィブリンに共有結合させることからなる動物におけるフィブリン付着を検出
するための方法が開示されている。
Hadleyら、1988、PCT/US88/03318には、(a)患者に標
識弱毒化血栓崩壊性タンパクを投与する工程(ここで、標識は、フィブリン結合
ドメイン以外の血栓崩壊性タンパクの一部に選択的に結合される);(b)患者
において標識血栓崩壊性タンパクの分布のパターンを検出する工程からなるin v
ivoでのフィブリン−血小板クロットの検出方法が開示されている。
Leeら、1989、PCT/US89/01854には、動脈造影のための放
射性標識ペプチドが開示されている。
Sobel、1989、PCT/US89/02656には、放射性標識した酵素
的に不活性な組織プラスミノーゲン活性化因子を用いる動物における1個以上の
血栓部位を位置確認するための方法が開示されている。
Stuttle、1990、PCT/GB90/00933には、in vivoでアルギ
ニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)結合部位に結合する能力を有する、
配列アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)からなる3〜10個のア
ミノ酸を含有する放射性標識ペプチドが開示されている。
Maraganoreら、1991、PCT/US90/04642には、(a)阻害
部分;(b)リンカー部分;および(c)陰イオン結合部位部分からなる放射性
標識血栓阻害剤が開示されている。
Rodwellら、1991、PCT/US91/03116には、「分子認識単位
」の「エフェクタードメイン」とのコンジュゲートが開示されている。
Tubisら、1968、Int.J.Appl.Rad.Isot.19:835−840には
、ペプチドをテクネチウム−99mで標識することが開示されている。
Sundrehagen、1983、Int.J.Appl.Rad.Isot.34:1003には、
ポリペプチドをテクネチウム−99mで標識することが開示されている。
ポリペプチドを放射性標識するためのキレート剤の使用、ペプチドをTc−9
9mで標識するための方法は、従来技術で知られており、同時係属中のU.S.特
許出願第07/653,012号および第07/807,062号に開示されてい
る(出典明示により本明細書の一部とする)。
放射性イメージングのために最適ではあるが、Tc−99mの化学は、全体と
して、他の元素の化学ほど研究されておらず、このために、テクネチウムによる
放射性標識方法は、豊富ではない。Tc−99mは、通常、モリブデン−99/
テクネチウム−00mジェネレーターから、Tc−99mペルテクニタート(Tc
O4 -;+7価酸化状態のテクネチウム)として得られる。しかしながら、ペプチ
ドを放射性標識するために、Tc−99mペルテクニタートは、別の形態に転換
しなければならない。テクネチウムは、水溶液中で安定なイオンを形成しないの
で、それは、不溶性二酸化テクネチウムに転換するかまたはペルテクニタートに
戻される分解を防止するために充分な速度論的および熱力学的安定性を有する配
位錯体の形態でかかる溶液中に保持されなければならない。
Tc−99mのかかる配位錯体(+1〜+6酸化状態)が知られている。しか
しながら、これらの錯体の多くは、配位錯体の分子幾何学により放射性標識のた
めに不適切である。放射性標識化のためには、テクネチウムイオンの周囲の供与
基の全てが単一のキレートリガンドによって提供されるキレートとして形成され
るべき配位錯体のために特に好都合である。これは、キレートTc−99mを、
キレーターとペプチドの間に単一のリンカーを介してペプチドに共有結合させる
。
これらのリガンドは、しばしば、キレート部分およびリンキング部分を有する
二官能性キレート剤と称される。かかる化合物は、従来技術で知られている。
Byrneら、U.S.特許第4,434,151号には、造影されるべき器官または
組織において局在化する能力を有する末端アミノ含有化合物に放射性核種を結合
させることができるホモシステインチオラクトン誘導二官能性キレート化剤が開
示されている。
Fritzberg、U.S.特許第4,444,690号には、2,3−ビス(メルカプト
アセトアミド)プロパノアートに基づく一連のテクネチウム−キレート化剤が開
示されている。
Byrneら、U.S.特許第4,571,430号には、造影されるべき器官または
組織において局在化する能力を有する末端アミノ含有化合物に放射性核種を結合
させることができる放射性核種をキレート化するための新規ホモシステインチオ
ラクトン二官能性キレート化剤が開示されている。
Byrneら、U.S.特許第4,575,556号には、造影されるべき器官または
組織において局在化する能力を有する末端アミノ含有化合物に放射性核種を結合
させることができる放射性核種をキレート化するための新規ホモシステインチオ
ラクトン二官能性キレート化剤が開示されている。
Davisonら、U.S.特許出願第4,673,562号には、主に腎機能モニター
リング剤として用いられるビスアミド−ビスチオ−リガンドおよびその塩のテク
ネチウムキレート錯体が開示されている。
Nicolottiら、U.S.特許第4,861,869号には、抗体などの生物分子と
のコンジュゲートを形成するのに有用な二官能性カップリングが開示されている
。
Fritzbergら、U.S.特許第4,965,392号には、タンパクを標識するた
めの種々のS−保護メルカプトアセチルグリシルグリシンをベースとするキレー
ト剤が開示されている。
Fritzbergら、欧州特許出願第86100360.6号には、テクネチウム標
識イメージング剤の製造のために有用なジチオール、ジアミノまたはジアミドカ
ルボン酸またはアミン錯体が開示されている。
Deanら、1989、PCT/US89/02634には、タンパクおよびペ
プチドを放射性標識するための二官能性カップリング剤が開示されている。
Flanaganら、欧州特許出願第90306428.5号には、1組の有機キレー
ト分子を介する合成ペプチドフラグメントのTc−99m標識化が開示されてい
る。
Albertら、欧州特許出願WO 91/01144には、成長因子、ホルモン、
インターフェロンおよびサイトカインに関しており、放射性核種キレートグルー
プに共有的に結合する特異的認識ペプチドからなる放射性標識ペプチドを用いる
放射性イメージングが開示されている。
Dean、同時係属中のU.S.特許出願第07/653,012号には、in vivo
で放射性イメージングするための特異的結合ペプチドに共有的に結合したTc−
99mキレートグループからなるペプチドの製造のための試薬および方法が開示
されている(出典明示により本明細書の一部とする)。
BaidooおよびLever、1990、Bioconjugate Chem.1:132−137
には、陽イオンテクネチウム錯体を与えるビスアミンビスチオール基を用いる生
物分子を標識するための方法が開示されている。
システインまたはメルカプト酢酸などのチオール含有部分を簡単に添加するこ
とによってペプチドを放射性標識することが可能である。かかる方法は、従来技
術に開示されている。
Schochatら、U.S.特許第5,061,641号には、少なくとも1個の「ペ
ンデント」スルフィドリル基からなるタンパクの直接放射性標識が開示されてい
る。
Deanら、同時係属中のU.S.特許第07/807,062号には、遊離チオー
ルを含有する付着基によりペプチドを放射性標識することが開示されている(出
典明示により本明細書の一部とする)。
Goedemansら、PCT出願WO89/07456には、環状チオール化合物、
特に、2−イミノチオランおよび誘導体を用いて放射性標識することが開示され
ている。
Thornbackら、EPC出願第90402206.8号には、チオール含有化合
物、特に、2−イミノチオランを用いる放射性標識タンパクまたはペプチドの製
造および使用が開示されている。
Stuttle、PCT出願WO90/15818には、RGD含有オリゴペプチド
のTc−99m標識化が開示されている。
Burnsら、1985、欧州特許出願第85104959.3号には、小さな中
性Tc−99m脳イメージング剤を製造するためのビスアミンビスチオール化合
物が開示されている。
Kungら、1986、欧州特許出願第86105920.2号には、小さなTc
−99mイメージング剤を製造するためのビスアミンビスチオール化合物が開示
されている。
Bergsteinら、1988、欧州特許出願第88102252.9号には、小さ
なTc−99mイメージング剤を製造するためのビスアミンビスチオール化合物
が開示されている。
Brysonら、1988、Inorg.Chem.27:2154−2161には、過剰
のリガンドに対して不安定なテクネチウム−99の中性錯体が開示されている。
Misraら、1989、Tet.Let.30:1885−1888には、放射性標
識のためのビスアミンビスチオール化合物が開示されている。
Brysonら、1990、Inorg.Chem.29:2948−2951には、中性
Tc−99錯体を形成する2つのアミド基、チオール基および置換ピリジンを含
有するキレート剤が開示されている。
Taylorら、1990、J.Nucl.Med.31:885(Abst)には、脳イメ
ージングのための中性Tc−99m錯体が開示されている。
ペプチドを放射性標識するためのキレート化剤の使用、およびペプチドをTc
−99mで標識化するための方法は、従来技術で知られており、同時係属中のU
.S.特許出願第07/653,012号、第07/807,062号、第07/8
71,282号、第07/886,752号、第07/893,981号、第07
/955,466号、第08/019,864号、第08/073,577号、第
08/210,822号、第08/236,402号および第08/241,62
5号に開示されており、血栓を造影するためのシンチグラム造影剤として有用な
放射性標識したペプチドは、従来技術で知られており、同時係属中のU.S.特許
出願第07/886,752号、第07/893,981号および第08/044
,825号ならびに国際特許出願PCT/US92/00757、PCT/US
92/10716、PCT/US93/02320、PCT/US93/036
87、PCT/US93/04794、PCT/US93/05372、PCT
/US93/06029、PCT/US93/09387、PCT/US94/
01894、PCT/US94/03878およびPCT/US94/0589
5に開示されている(出典明示により本明細書の一部とする)。
発明の要約
本発明は放射活性に標識したペプチドであるシンチグラフィーイメージング剤
を提供する。本発明の放射性標識されたペプチドは、イン・ビボにて標的に特異
的に結合するペプチドからなり、放射性同位元素に結合する放射性標識結合部に
共有結合している。放射性標識結合部がペプチドからなるアミノ酸残基の側鎖に
共有結合することが本発明の利点である。
多くの理由からこの共有結合の態様が有利である。第1に、ペプチドのアミノ
酸構成部の側鎖との共有結合により、特定の結合ペプチドの特定の結合特性を有
する共有結合した放射性標識結合部の干渉が回避される。第2に、このアレンジ
メントは、遊離アミノまたはカルボキシ末端を有しないことにより、本明細書に
開示されている環状ペプチドを、シンチグラフィーイメージング剤として有用で
ある放射性標識結合部と一緒に用いることを可能となる。第3に、構成アミノ酸
の側鎖に対する共有結合は、本発明のシンチグラフィーイメージング剤が最適な
効能の増加および抗原性の減少等を達成するようにより柔軟に設計することがで
きるようになる。アミノ酸側鎖への結合はまた、放射性標識部をアミノ酸コンジ
ュゲートとして合成の間に、またはペプチドの合成が完了した後に、ペプチドに
加えらることを可能とする。最後に、環状ペプチドはエキソプロテアーゼ消化に
対して耐性であることが知られており、そのためイン・ビボにおけるかかるペプ
チドの改良された安定性が本発明のシンチグラフィーイメージング剤に組み込ま
れる。
本発明の第1の態様にて、放射性標識されたペプチドは哺乳動物の体内の部位
をイメージングする能力を提供する。該ペプチドはアミノ酸配列を有する特定の
結合ペプチドおよび該ペプチドに共有結合する放射性標識結合部からなる。さら
には、放射性標識結合部は該ペプチドからなるアミノ酸の側鎖に共有結合する。
好ましい具体例において、放射性標識結合部は、アミンまたはチオールからなる
側鎖を有するアミノ酸の側鎖に共有結合する。そのアミノ酸は、好ましくは、リ
シンまたはホモシステインである。別の好ましい具体例において、放射性標識は
テクネチウム−99mである。
本発明の一の態様は、哺乳動物の体内の部位をイメージするためのシンチグラ
フィーイメージング剤を製造するための試薬であって、放射性標識結合部がペプ
チドのアミノ酸のアミノ酸側鎖を介してペプチドに共有結合する特定の結合ペプ
チドからなり、その放射性標識結合部が、式:
C(pgp)s−(aa)−C(pgp)s I
[ここに、C(pgp)sは保護システインであり、(aa)はチオール基を含有
しないいずれの第一α−またはβ−アミノ酸をも意味する]
で示される試薬を提供する。好ましい具体例において、アミノ酸はグリシンであ
る。
もう一つ別の態様において、本発明は哺乳動物の体内の部位をイメージするた
めのシンチグラフィーイメージング剤を調製するための試薬であって、放射性標
識結合部がペプチドのアミノ酸のアミノ酸側鎖を介してペプチドに共有結合する
特定の結合ペプチドからなり、放射性標識結合部が、式:
A−CZ(B)−{(C(R1R2)}n−X II
[式中、AはH、HOOC、H2NOC、(アミノ酸またはペプチド)−NHO
C、(アミノ酸またはペプチド)−OOCまたはR4;BはH、SHまたは−NH
R3、−N(R3)−(アミノ酸またはペプチド)またはR4;ZはHまたはR4;Xは
SHまたは−NHR3、−N(R3)−(アミノ酸またはペプチド)またはR4;R1
、R2、R3およびR4は、独立して、Hまたは直鎖または分岐鎖あるいは環状低
級アルキル;nは0、1または2であり、ここに(ペプチド)は2ないし約10
個のアミノ酸のペプチドであって、(1)Bが−NHR3または−N(R3)−(ア
ミノ酸またはペプチド)である場合、XはSHであって、nは1または2であり
;(2)Xが−NHR3または−N(R3)−(アミノ酸またはペプチド)である場合
、BはSHであって、nは1または2であり;(3)BがHまたはR4である場
合、AはHOOC、H2NOC、(アミノ酸またはペプチド)−NHOC、(アミノ
酸またはペプチド)−OOCであり、XはSHであって、nは0または1であり
;(4)AがHまたはR4であって、BがSHである場合、Xは−NHR3または
−N(R3)−(アミノ酸またはペプチド)であり、XがSHである場合、BはNH
R3または
−N(R3)−(アミノ酸またはペプチド)であり;(5)XがHまたはR4である場
合、AはHOOC、H2NOC、(アミノ酸またはペプチド)−NHOC、(ア
ミノ酸またはペプチド)−OOCで、BはSHであり;(6)Zがメチル、Xが
メチル、AがHOOC、H2NOC、(アミノ酸またはペプチド)−NHOC、
(アミノ酸またはペプチド)−OOCであり、BがSHである場合、nは0であ
り;(7)BがSHで、XがSHである場合、nは0以外の数であり;ここにチ
オール基は還元された形態であり、(アミノ酸)はチオール基を有しないいずれ
の第一α−またはβ−アミノ酸であってもよい。
この態様の本発明の特定の具体例において、放射性標識結合基は、すなわち、
式:
IIa.-(アミノ酸)1-(アミノ酸)2-{A-CZ(B)-(C(R1R2)}n-X}
IIb.-{A-CZ(B)-(C(R1R2)}n-X}-(アミノ酸)1-(アミノ酸)2
IIc.-(第一α,ω-またはβ,ω-ジアミノ酸)-(アミノ酸)1-{A-CZ(B)-{C
(R1R2)n-X}または
IId.-{A-CZ(B)-{C(R1R2)n-X}-(アミノ酸)1-(第一α,β-またはβ,
γ-ジアミノ酸)
[式中、(アミノ酸)1および(アミノ酸)2は、各々、独立して、チオール基を
含有しない、天然に存在する、修飾した、置換したまたは変換したα−またはβ
−アミノ酸;AはH、HOOC、H2NOC、(アミノ酸またはペプチド)−N
HOC、(アミノ酸またはペプチド)−OOCまたはR4;BはH、SHまたは
−NHR3、−N(R3)−(アミノ酸またはペプチド)またはR4;ZはHまたは
R4;XはSHまたは−NHR3、−N(R3)−(アミノ酸またはペプチド)また
はR4;R1、R2、R3およびR4は、独立して、Hまたは直鎖または分岐鎖ある
いは環状低級アルキル;nは01または2のいずれかの整数;(ペプチド)は2
ないし約10のアミノ酸のペプチドであって;(1)Bが−NHR3または−N(
R3)−(アミノ酸またはペプチド)である場合、XはSHであって、nは1または
2であり;(2)Xが−NHR3または−N(R3)−(アミノ酸またはペプチド)で
ある場合、BはSHであって、nは1または2であり;(3)BがHま
たはR4である場合、AはHOOC、H2NOC、(アミノ酸またはペプチド)−N
HOC、(アミノ酸またはペプチド)−OOCであり、XはSHであって、nは0
または1であり;(4)AがHまたはR4であって、BがSHである場合、Xは
−NHR3または−N(R3)−(アミノ酸またはペプチド)であり、XがSHである
場合、BはNHR3または−N(R3)−(アミノ酸またはペプチド)であり;(5)
XがHまたはR4である場合、AはHOOC、H2NOC、(アミノ酸またはペプ
チド)−NHOC、(アミノ酸またはペプチド)−OOCで、BはSHであり;
(6)Zがメチル、Xがメチル、AがHOOC、H2NOC、(アミノ酸または
ペプチド)−NHOC、(アミノ酸またはペプチド)−OOCであり、BがSH
である場合、nは0であり;(7)BがSHで、XがSHである場合、nは0以
外の数であり;ここにチオール基は還元された形態である。
もう一つ別の具体例において、本発明は哺乳動物の体内の部位をイメージする
ための放射性標識されたペプチドであって、放射性標識結合部がペプチドのアミ
ノ酸のアミノ酸側鎖を介してペプチドに共有結合する特定の結合ペプチドからな
り、その放射性標識結合ペプチドが、式:
{本発明の目的のために、この構造を有する放射性標識結合部を、ピコリン酸(
Pic)ベース部と称する}
または
{本発明の目的のために、この構造を有する放射性標識結合部をピコリルアミン
(Pica)ベース部と称する}
[式中、XはHまたは保護基;(アミノ酸)はいずれかのアミノ酸;放射性標識
結合部はペプチドに共有結合し、放射性標識結合部と放射性標識の複合体は電気
的に中性である]
で示されるペプチドを提供する。
好ましい具体例において、アミノ酸はグリシンであり、Xはアセトアミドメチ
ル保護基である。さらに好ましい具体例において、ペプチドはアミノ酸、最も好
ましくはグリシンを介して放射性標識結合部に共有結合し、放射性標識はテクネ
チウム−99mである。
本発明のさらに別の具体例において、哺乳動物の体内の部位をイメージするた
めの放射性標識されたペプチドであって、特定の結合ペプチドと、ペプチドのア
ミノ酸側鎖を介してペプチドに共有結合するビスアミノビスチオール放射性標識
結合部とからなるペプチドが得られる。本発明のこの具体例のビスアミノビスチ
オール放射性標識結合部は、式:
[式中、Rは、各々、独立してH、CH3またはC2H5であり;(pgp)sは、
各々、独立してチオール保護基またはHであり;m、nおよびpは、独立して2
または3であり;Aは線状または環状低級アルキル、アリール、ヘテロサイクリ
ル、組み合わせまたはその置換誘導体;およびXはペプチドを意味する]、およ
び
[式中、Rは、各々、独立してH、CH3またはC2H5;m、nおよびpは、独
立して2または3;Aは線状または環状低級アルキル、アリール、ヘテロサイク
リル、組み合わせまたはその置換誘導体;VはHまたはCO−ペプチド;R'は
Hまたはペプチドを意味する;ただし、VがHである場合、R'はペプチドであ
り、R'がHである場合、Vはペプチドである。]
で示される化合物からなる群より選択される。{本発明の目的のため、これらの
構造を有する放射性標識結合部を「BAT」部と称する。好ましい具体例におい
て、ペプチドはアミノ酸、最も好ましくはグリシンを介して放射性標識結合部に
共有結合し、放射性標識はテクネチウム−99mである。
前記した本発明の態様の好ましい具体例において、特定の結合化合物は、3と
100の間のアミノ酸からなるペプチドである。放射性標識の最も好ましい具体
例はテクネチウム−99mである。
本発明により得られる特定の結合ペプチドは、限定するものではないが、以下
の配列を有するペプチドを包含する:
本発明の試薬は、特定の結合化合物または放射性標識結合部を多価結合部に共
有結合させることで形成される。本発明の多価結合部は、特定の結合化合物また
は放射性標識結合部に共有結合する能力を有する、少なくとも2個の同一のリン
カー官能基を有する。好ましいリンカー官能基は、第一または第二アミン、ヒド
ロキシル基、カルボン酸基またはチオール反応基である。好ましい具体例におい
て、多価結合部はビス−スクシンイミジルメチルエーテル(BSME)、4−(
2,2−ジメチルアセチル)安息香酸(DMAB)、トリス(スクシンイミジル
エチル)アミン(TSEA)、N{2−(N',N'−ビス(2−スクシンイミド
エチル)アミノエチル)」−N6,N9−ビス(2−メチル−2−メルカプトプロ
ピル)−6,9−ジアザノナンアミド(BAT−BS)、ビス−(アセトアミド
エチル)エーテル、トリス(アセトアミドエチル)アミン、ビス−(アセトアミ
ドエチル)エーテル、ビス−(アセトアミドメチル)エーテル、α,ε−ビスア
セチルリシン、リシンおよび1,8−ビス−アセトアミド−3,6−ジオキサオク
タンからなる。
本発明はまた、本発明のペプチドとTc−99mの複合体および本発明のペプ
チドをTc−99mで放射性標識する方法を提供する。本発明で得られる放射性
標識された複合体は、本発明のペプチドを還元剤の存在下でTc−99mと反応
させることにより形成される。好ましい還元剤は、限定するものではないが、亜
ジチオン酸イオン、第一錫イオンおよび第一鉄イオンを包含する。本発明の複合
体はまた、ここで得られた予備還元されたTc−99m複合体をリガンド交換に
付すことにより、本発明のペプチドをTc−99mで標識することで形成される
。
本発明はさらにTc−99mで放射性標識された本発明のペプチドを調製する
ためのキットを提供する。本発明のペプチドをTc−99mで標識するキットは
、本発明の所定量のペプチドと該ペプチドをTc−99mで標識するのに十分な
量の還元剤とからなる。
本発明は、イン・ビトロ(in vitro)化学合成による本発明のペプチドの製法を
提供する。好ましい具体例において、ペプチドは固相ペプチド合成によって合成
する。
本発明は、イン・ビボ(in vivo)ガンマ・シンチグラフィー・イメージをを得
ることによって哺乳動物体内部位をイメージングするためのTc-99m標識ペ
プチドの使用方法を提供する。これらの方法は、有効診診断量の本発明のTc-
99m放射性同位体標識ペプチドを投与し、哺乳動物体内の部位に局在したTc
-99mによって放射されるγ線を検出することを特徴とする。
本発明の特に好ましい具体例は、以下のある種の好ましい具体例および請求の
範囲のより処す会いな記載から明らかとなるであろう。
図面の簡単な説明
図1は、腫瘍を患ったラットにおける99mTc-P587のイメージを示してい
る。
発明の詳細な説明
本発明は、アミノ酸側鎖を介して放射性同位体標識-結合基に共有結合したア
ミノ酸配列よりなり、ここに放射性同位体標識-結合基が放射性同位体に結合す
る、哺乳動物体内の標的部位をイメージングするためのTc-99m標識ペプチ
ドを提供する。
Tc-99mでの標識は本発明の利点である。なぜならば、この放射性同位体
の核および放射能特性が、それを理想的なシンチグラフィー・イメージング剤と
するからである。この放射性同位体は140keVの単一光子エネルギーを有し
、6時間の放射能半減期を有し、99Mo-99mTcジェネレーターから容易に入手
可能である。先行技術で公知である他の放射性核種は、より長い(例えば、IIII
nは67.4時間の半減期を有する)か毒性(例えば、125I)である。
本発明により提供されるチオール保護基[(pgp)s]に共有結合するチオール
を含むかかる基への放射性同位体標識結合基およびペプチドの結合においては、
該チオール-保護基は同一または異なっていてもよく、限定するものではないが:
−CH2アリール(アリールはフェニルまたはアルキルもしくはアルキルオキ
シ置換フェニル);
−CH(アリール)2(アリールはフェニルまたはアルキルもしくはアルキル
オキシ置換フェニル);
−CH(アリール)3(アリールはフェニルまたはアルキルもしくはアルキル
オキシ置換フェニル);
−CH2−(4−メトキシフェニル);
−CH−(4−ピリジル)(フェニル);
−C(CH3);
−9−フェニルフルオレニル
−CH2NHCOR(Rは非置換または置換アルキルまたはアリール);
−CH2NHCOOR(Rは非置換または置換アルキルまたはアリール);
−CONHR(Rは非置換または置換アルキルまたはアリール);
−CH2−S−CH2−フェニル;
である。
好ましい保護基は式−CH2−NHCOR(式中、Rは1ないし8個の炭素原
子を有する低級アルキル、フェニルもしくは低級アルキル、ヒドロキシ、低級ア
ルコキシ、カルボキシまたはアルコキシカルボニルで置換されたフェニルである
)を有する。最も好ましい保護基はアセトアミドメチル基である。
本発明の各特異的結合ペプチド含有具体例はアミノ酸の配列からなる。本明細
書で用いるアミノ酸なる語は、すべてのL-およびD-アミノ酸、天然発生および
他のアミノ酸を含むことを意図する。
本発明のペプチドはイン・ビトロで化学合成し得る。本発明のペプチドは、一
般的にアミノ酸シンセサイザー上で有利に調製する。本発明のペプチドは、当業
者によく知られている技術を用いて、放射性同位体標識-結合基がイン・ビトロ
化学合成の間にペプチドに共有結合するように合成し得る。合成の間に放射性同
位体標識-結合基に共有結合するかかるペプチドは有利である。なぜならば、共
有結合の特異的部位を決定し得るからである。
放射性同位体標識-結合部位が、標的特異的結合ペプチドのアミノ酸側鎖を介
して該ペプチドに共有結合することは、本発明の特に有利な点である。このこと
は、特定のアミノ酸側鎖との共有結合の形成によって放射性同位体標識結合基を
ペプチドにカップリングさせるか、またはペプチド合成の間に放射性同位体標識
-結合基にコンジュゲートしたアミノ酸の導入を介することによってなし得る。
前者の場合においては、例えば、(とりわけ、システイン残基のチオール基の
テインの側鎖イオウ原子に共有結合していることは理解されよう。
別法として、ペプチド合成の間に、調製したリジン誘導体Nα(Fmoc)-Nε(
N9-(t-ブトキシカルボニル)-N6,N9-ビス(2-メチル-2-トリフェニルメチ
ルチオプロピル)-6,9-ジアザノナノイル)リジンを用いることによって、放射
性同位体標識-結合基BAT(N6,N9-ビス(2-メルカプト-2-メチルプロピル)-
6,9-ジアザノナン酸)を白血球結合ペプチドであるホルミル.Met-Leu-Phe-
Lys.アミドに導入する。
本発明の他の放射性同位体標識結合基は、ペプチド合成の間に標的特異的ペプ
チドに導入し得る。ピコリン酸-含有放射性同位体標識-結合基はリジンのε-ア
ミノ基に共有結合させて、例えば、αN(Fmoc)-Lys-εN[Pic-Gly-Cys(保護
基)]が得られ、これはペプチド鎖のいずれの位置にも導入し得る。この配列は特
に有利である。なぜならば、それは、標的結合ペプチドへの導入の簡便な様式を
提供するからである。
本発明のペプチドで放射性テクネチウムの錯体を形成することにおいて、テク
ネチウム錯体、好ましくはTc-99m過テクネチウム酸の塩を、還元剤存在下
にて本発明のペプチドと反応させる。好ましい還元剤は、ジチオン酸、第一スズ
および第一鉄イオンが含まれ;最も好ましい還元剤は塩化第一スズである。さら
なる好ましい具体例において、該還元剤は固相還元剤である。錯体およびかかる
錯体を調製する手段は、標識すべき所定量の本発明のペプチドおよび該ペプチド
をTc-99mで標識するに十分な量の還元剤を含有する密閉バイアルよりなる
キット形態で簡便に提供される。別法として、該錯体は、本発明のペプチドとテ
クネチウムの予め形成したラービル錯体および移動リガンドとして公知である他
の化合物とを反応させることによって形成し得る。該方法はリガンド交換として
公知であり、当業者によく知られている。ラービル錯体は、例えば、酒石酸、ク
エン酸、グルコネートまたはマンニトールのごとき移動リガンドを用いて形成し
得る。本発明に有用なTc-99m過テクネチウム酸塩の中には、ナトリウム塩
またはアンモニウム塩のごときアルカリ金属塩、あるいは低級アルキルアンモニ
ウム塩が含まれる。
本発明の好ましい具体例において、テクネチウム-標識ペプチド調製用のキッ
トが提供される。本発明のペプチドは、当業者によく知られ以下に記載する方法
および手段を用いて化学合成し得る。かくして、調製したペプチドは、3〜10
0アミノ酸残基よりなり、放射性同位体標識-結合基に共有結合していて、ここ
に該放射性同位体標識結合基は放射性同位体に結合する。塩化第一スズまたは固
相還元剤のごとき、ペプチドをTc-99mで標識するに十分な量の還元剤を含
むバイアルに、適量のペプチドを導入する。(例えば、酒石酸、クエン酸、グル
コネートまたはマンニトールのごとき)前記した適量の移動リガンドを含有させ
ることもできる。本発明によるテクネチウム-標識ペプチドは、以下の実施例3
に記載する条件下にて適量のTc-99mまたTc-99m錯体をバイアルに添加
することによって調製し得る。
本発明によって提供される放射性標識ペプチドは、適量の放射能を有して提供
される。Tc-99m放射性錯体の形成においては、約0.01ミリキュリー(m
Ci)〜100mCi/mLの濃度の放射能を含有する溶液中で放射性錯体を形成
するのが好ましい。
本発明により提供されるテクネチウム-標識ペプチドは、哺乳動物体内の部位
を視覚化するのに用いることができる。本発明によれば、テクネチウム-標識ペ
プチドを単一ユニット注射用量で投与する。滅菌生理食塩水または血漿のごとき
当業者に公知であるいずれかの通常の担体を用いて、放射性同位体標識後、注射
溶液を調製するために利用して、本発明による種々の組織、腫瘍などを診断的に
イメージすることができる。一般的に、投与すべき単位用量は、約0.01mC
i〜約100mCi、好ましくは1mCi〜20mCiの放射能を有する。単位
用量で注射すべき溶液は約0.01mL〜約10mLである。静脈内投与後に、
組織および腫瘍のイメージングは、数分で起こし得る。しかしながら、所望によ
り、放射性同位体標識ペプチドを患者に注射した後、数時間またはそれより長い
時間後にイメージングを起こすこともできる。大部分の例において、十分量の投
与用量は、イメージすべき空間に約0.1時間以内で蓄積してシンチフォトを採
ることができる。診断目的のシンチグラフィー・イメージングのいずれの従来法
も、本発明により利用し得る。
本発明により提供されるテクネチウム-標識ペプチドおよび錯体は、生理食塩
水媒質のごとき静脈内注射用のいずれの従来の媒質中または血漿媒質中で静脈内
投与し得る。また、かかる媒質は、例えば、浸透圧調整用の医薬上許容される塩
、緩衝剤、保存料などのごとき従来の医薬調整材を含有することもできる。好ま
しい媒質の中には、通常の生理食塩水および血漿が含まれる。
これらの化合物を製造し標識する方法を以下の実施例でより十分に説明する。
これらの実施例は、前記した方法および有利な結果のある種の態様を説明してい
る。これらの実施例は例示的に示されるものであって、限定するものではない。
実施例1
固相ペプチド合成
固相ペプチド合成(SPPS)は、0.25ミリモル(mmol)スケールで、Applie
d Biosystems Model 431Aペプチド合成器を用い、9−フルオレニルメチルオ
キシカルボニル(Fmoc)アミノ−末端保護を用いて、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド/ヒドロキシベンゾトリアゾールまたは2−(1H−ベンゾトリアゾル−
1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩/ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール(HBTU/HOBT)でカップリングして、カルボ
キシ−末端酸のためのp−ヒドロキシメチルフェノキシメチルポリスチレン(H
MP)樹脂またはカルボキシ−末端アミドのためのRinkアミド樹脂を用いて、行
われた。レジン−結合生成物を、100:5:5:2.5:2の比で調製したト
リフルオロ酢酸、水、チオアニソール、エタンジチオール、およびトリエチルシ
ランからなる溶液を用い、1.5〜3時間、室温で通常の方法で切断した。
適当な場合には、αN−ホルミル基は、98%ギ酸中の過剰な無水酢酸で切断
し、脱保護すること、ならびに、約18時間撹拌した後HPLC精製することに
より誘導した。適当な場合には、N−末端アセチル基は、20%v/v 無水酢
酸でレジンに結合した遊離のN−末端アミノペプチドをNMP(N−メチルビロ
リジノン)中で30分間処理することにより誘導した。
適当な場合には、2−クロロアセチルおよび2−ブロモアセチル基を、SPP
Sの間にカップルさせる最終残基としての適当な2−ハロ−酢酸を用いるか、ま
たは樹脂に結合させたN−末端遊離アミノペプチドをNMP中2−ハロ酢酸/ジ
イソプロピルカルボジイミド/N−ヒドロキシスクシンイミドまたはNMP中2
−ハロ−無水酢酸/ジイソプロピルエチルアミンで処理することにより導入した
。適当な場合には、HPLC−精製の2−ハロアセチル化ペプチドを、0.5〜
1.0mMのEDTAと共にまたは無しで、1ないし48時間、重炭酸塩または
アンモニア干渉駅(pH8)中、0.1〜1.0mg/ml溶液を撹拌することに
より環化し、つづいて酢酸で酸性にし、凍結乾燥し、HPLC精製に付した。適
当な場合には、Cys-Cysジスルフィド結合環化は、前駆体のシステインを含まな
いチオールペプチドを0.1mg/mlにてpH7の緩衝液中、0.006M K3
Fe(CN)6で、安定な黄色の色が持続するまで処理することにより行った。過
剰な酸化剤が過剰なシステインによって還元され、混合物を凍結乾燥し、次いで
HPLCによって精製した。
適当な場合には、「Pica」基は、ピコリルアミンを、ジイソプロピルカルボジ
イミドおよびN−ヒドロキシスクシンイミドを用いて、前駆体ペプチドに共役さ
せることにより誘導した。適当な場合には、BATリガンドは、SPPSの間に
共役する最後の残基として適当なBAT酸を用いるか、あるいはNMP中で、レ
ジンに結合したN−末端遊離アミノペプチドを、BAT酸/ジイソプロピルカル
ボジイミド/N−ヒドロキシスクシンイミドで処理することにより誘導した。適
当な場合には、[BAM]は、まず、ペプチドカルボン酸を、ジイソプロピルカ
ルボジイミド/N−ヒドロキシスクシンイミド、またはDMF、NMPまたはC
H2Cl2中のHBTU/HOBtの混合物で活性化することによって共役させ、
次いで、ジイソプロピルエチルイミンの存在下、共役させた。共役後、共役物は
上記記載のごとく脱保護した。
適当には、単一チオール-含有ペプチド(50mMリン酸ナトリウム緩衝液、p
H8中の5〜50mg/mL)と、アセトニトリルに予め溶解した0.5モル当量
のBMME(ビス-マレイミドメチルエーテル)とを室温にて約1-18時間反応す
ることによってBSME付加物を調製した。該溶液を濃縮し、生成物はHPLC
によって精製した。
適当には、1モル当量のトリエタノールアミンが存在または不存在で、単一チ
オール-含有ペプチド(DMF中の10〜100mg/mLのペプチド、または5
0mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH8)/アセトニトリルまたはTHF中の5〜
50mg/mL濃度のペプチド)と、アセトニトリルまたはDMFに予め溶解した
0.33モル当量のTMEA(トリス(2-マレイミドエチル)アミン;出典明示し
て本明細書の一部とみなす米国特許第08/044,825号に開示されている)
とを室温にて約1-18時間反応することによってTSEA付加物を調製した。
付加物を含有するかかる反応混合物を濃縮し、ついで、該付加物をHPLCを用
いて精製した。
適当な場合には、単一チオール含有ペプチド(50mMリン酸ナトリウム(p
H8)中2ないし50mg/mLのペプチド濃度)を、適当には1〜18時間室
温でアセトニトリルまたはTHF中に前溶解された0.5モラー当量のBAT−
BM(N−[2−(N',N'−ビス(2−マレイミドエチル)アミノエチル)]
−N9−(t−ブトキシカルボニル)−N6,N9−ビス(2−メチル−2−トリフ
ェニルメチルチオプロピル)−6,9−ジアザノナンアミド;US第08/04
4825号(参照により本明細書に記載とみなす)に開示)と反応させることに
よりBAT−BS付加物を調製した。次いで、溶液を蒸発乾固し、[BAT−B
S]ペプチド抱合体を10mLのTFAおよび0.2mLのトリエチルシランで
1時間処理することにより脱保護した。溶液を濃縮し、生成した付加物をエーテ
ルで沈殿させ、次いで、HPLCにより精製した。
Waters Delta Pak C18カラムおよびアセトニトリルを変化させる水中0.1%
トリフルオロ酢酸(TFA)のグラジエント溶離を用いて、粗ペプチドを調製用
高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製した。溶離フラクションか
らアセトニトリルを蒸発させ、次いで、凍結乾燥した。高速原子衝撃質量スペク
トル法(FABMS)により各生成物の同一性を確認した。
実施例3
Tc−99mで放射性ラベルする一般的方法
実施例2のように調製した0.1mgのペプチドを、0.1mlの水または50
mM リン酸カリウム緩衝液(pH=5.6または7.4)に溶解した。Glucosca
n vial(イー・アイ・デュポン・ド・ネモール,インコーポレイテッド(E.I.Du
pont de Nemours,Inc.))を、Tc−99m グルセプテートを、200mCi
を上限として含有する1.0mlのTc−99 過テクネチウム酸ナトリウムで
再構成することによって調製し、15分間室温で放置した。次いで、このペプチ
ドに25μlのTc−99mグルセプターゼを添加し、室温または100℃で1
5〜30分間、反応を進行させた後、0.2μmフィルターで濾過した。
Tc−99m標識ペプチドの純度は、以下の条件を用いたHPLCによって決
定した:ウォーターズ・デルタピュア(Waters DeltaPure)RP−18、5μ、
150mm×3.9mm分析用カラムに各放射標識ペプチドを装填し、これらペ
プチドを1mL/分に相当する溶媒流量で溶出させた。勾配溶出は、10%溶媒
A(0.1%CF3COOH/H2O)から初めて、40%溶媒B90(0.1%CF3
COOH/90%CH3CN/H2O)まで、20分間にわたって実施した。
放射活性な成分は、統合する記録計に接続したイン−ラインのラジオメトリッ
ク検出器によって検出した。Tc−99m グルセプテートおよびTc−99m
過テクネチウム酸ナトリウムは、これらの条件下で1分から4分の間で溶出し
、一方でTc−99m 標識ペプチドは非常に時間がたってから溶出された。
以下の表は、本明細書中で記載された方法を用いた実施例2に従い調製された
ペプチドの成功したTc−99m標識を例示する。
アミノ酸の1文字略記法は、G.Zubay,Biochemistry(2d.ed),1988(MacMillen P
ublishing:New York)p33に見いだされる。Ac=アセチル;Pic=ピコリノイ
ル(ピリジン−2−カルボニル)=6−アミノカプロン酸;Hly=ホモリジン
;Acm=アセトアミドメチル;pGlu=ピログルタミン酸;Mob=4−メ
トキシベンジル;Pica=ピコリルアミン(2−(アミノメチル)ピリジン);A
pc=1−[S−(3−アミノプロピル)]システイン;FD=D−フェニルア
ラニン;WD=D−トリプトファン;YD=D−チロシン;Cpa=L−(4−ク
ロロフェニル)アラニン;Thp=4−アミノ−テトラヒドロチオピラン−4−
カルボン酸;ma=メルカプト酢酸;D−Nal=D−2−ナフチルアラニン;D
pg=ジプロピルグリシン;Nle=ノルロイシン;BAT=N6,N9−ビス(
2−メルカプト−2−メチルプロピル)−6,9−ジアザノナン酸;BAT酸(
保護)=N9−(t−ブトキシカルボニル)−N6,N9−ビス(2−メチル−2−
トリフェニルメチルチオプロピル)−6,9−ジアザノナン酸;BAM=N1,N4
−ビス(2−メチル−2−トリフェニルメチルチオプロピル)−1,4,10−ト
リアザデカン;[BAT−BM]=N−[2−(N',N'−ビス(2−マレイミ
ドエチル)アミノエチル]−N9−(t−ブトキシカルボニル)−N6,N9−ビス
(2−メチル−2−トリフェニルメチルチオフェニル)−6,9−ジアザノナン
アミド;[BAT−BS]=N−[2−(N',N'−ビス(2−サクシンイミド
エチル)アミノエチル]−N6,N9−ビス(2−メルカプト−2−メチルプロピ
ル)−6,9−ジアザノナンアミド;[BMME]=ビス−マレイミドメチルエ
ーテル;[BMSE]=ビス−サクシンイミドメチルエステル;[DTPA]=
ジエチレントリアミンペンタ酢酸;Amp=4−アミジノフェニルアラニン
実施例3高コレステロールウサギモデルにおけるTc−99m標識化合物P215を用い るアテローム動脈硬化プラークの局在化およびインビボイメージング
22匹の両方の性別の、体重2〜3kgのニュージーランドホワイト(NZW
)ウサギを2群に分ける。対照群のウサギを飼育し、市販のウサギ用エサ(Puri
na)を与える。HC群には、標準化されたコレステロール豊富食(1%w/w濃
度のコレステロールと混合したウサギ用エサ)を、7週齢から28週齢まで与え
る。すべての動物に水を自由に取らせる。
Tc−99m標識P215({BAT}.RALVDTLKFVTQAEGA
K.アミド)を実施例1記載のごとく調製する。約250〜400μgのペプチ
ドを140〜160mCiのTc−99mで標識し、0.2mLの投与体積中7
〜8mCi(12.5〜20.0μg/ウサギ;6〜7μg/kg)の1回分とし
て調製する。成体ウサギにTc−99m標識ペプチドを、横側の耳の静脈に濃縮
塊注入することにより静脈注射する(約0.1mL/分)。Tc−99m用にセ
ットされ正確に500000カウントまたは所望時間のスキャン用にプログラム
したピンホールコリメーター(5mm離して)およびエネルギー窓を装備したガ
ンマカメラを用いてイメージを得る。イメージング直前に、動物をケタミンおよ
びキシラジン混合物(5:1、1mL/kg筋肉内注射)で麻酔する。
心臓のちょうど上方40〜45°においてガンマカメラのイメージ(左前方斜
位像)を収集する。注射後、1時間、および2時間、場合によっては3時間およ
び5時間においてイメージを得る。各イメージ収集前に適宜補足麻酔を注射する
。
2.5時間(2時間におけるスキャン後)において、ペントバルビタールを静
脈投与して動物を屠殺する。剖検により、動脈を取り、動脈弁から腹部中央部ま
での分枝血管を切除する。パラレルホールコリメーターを用いて、動脈もex cor
poraでイメージングする。次いで、動脈をたてに切開し、SudanIVで染色し、そ
のことによりアテローム動脈硬化プラークは深紅レンガ色となる。これらの条件
下では、脂質不含かつ損傷のない動脈内皮はその正常な光沢のある白みががった
ピンク色の外観を呈する。
in vivoならびにex corporaでのTc−99m P215のイメージおよびHC
処理ウサギの動脈におけるSudanIVの着色パターンの間の積極的な関連は、この
本発明シンチグラフィーイメージング剤はアテローム動脈硬化をイメージングす
る能力があることを示す。
実施例4Tc−99m標識化合物P357を用いる、イヌ・モデルにおける深部静脈血栓 のインビボイメージング
雑種犬(25〜35ポンド、一晩絶食)を、ケタミンおよびアセプロザミン混
合物を筋肉内注射して鎮静化させ、次いで、ペントバルビタールナトリウムを静
脈注射して麻酔する。各動物において、18ゲージの血管カテーテルを右大腿部
静脈の遠位の半分に挿入し、5mmまたは8mmのDacronRのからまったステン
レス鋼閉塞コイル(Cook Co.,Bloomington IN)を、大腿部のほぼ中央部の大腿
部静脈中に入れる。カテーテルを除去し、傷を縫合し、コイルの設置をX線で見
た。次いで、動物を一晩回復させる。
コイル設置1日後、各動物を再麻酔し、各前足にセイライン静脈滴注を行い、
尿を集めるために膀胱カテーテルを挿入する。低エネルギー全目的コリメーター
を装備したガンマカメラの下に動物をうつむけて置き、Tc−99mに関してフ
ォトピークする。NucLear Macコンピューターシステムによりイメージを得る。
Tc−99m標識P357
{185〜370mBq(5〜10mCi)Tc−99mおよび0.2〜0.4m
g P357}をそれぞれ、一方の前足の挿入位置において静脈ライン中に注入
する。第2のラインを血液の収集のために維持する。
ガンマカメライメージングを注入と同時に開始する。最初の10分間において
動的研究として心臓上の腹側のイメージを得て、次いで、注入後1、2、3およ
び4時間目に静的イメージを得る。注入後約10〜20分、次いで、約1、2、
3および4時間目に足の上の腹側のイメージを500000カウントまたは20
分間(いずれか短い方)得た。膀胱上に配置した鉛シールドを用いて足のイメー
ジを収集する。
最後のイメージを集めた後、ペントバルビタールで各動物を深く麻酔する。ヘ
パリン処理シリンジを用いて2つの血液試料を収集した後、心臓内または濃縮塊
静脈注射により安楽死量の塩化カルシウム飽和溶液を投与する。次いで、血栓を
含んでいる大腿部静脈、対側(対照)の足の静脈の同様の部分、血栓に近い部分
の血管の部分、およびふとももの筋肉の試料を注意深く切除する。次いで、血栓
、コイルおよびコイル状Dacronファイバーを血管から切除する。血栓、セイライ
ン洗浄した血管試料、コイルおよびコイル状DacronRファイバーを分離し、前以
て秤量しておいた試験管に各試料を入れる。試料を秤量し、注入量のわかってい
るフラクションとともに、Tc−99mチャンネル中のガンマウェルカウンター
でカウントする。
新鮮血栓を秤量し、安楽死直前に血栓および血液中の注入量パーセント値(%
ID)/g得て、血栓/血液および血栓/筋肉比を決定する。コンピューターに
蓄えたイメージから、血栓および隣接する筋肉上に描かれた対象領域において測
定されたカウント数/ピクセルの分析により、血栓/バックグラウンド比を決定
する。
これらの結果を用いて、深部静脈血栓を迅速かつ効果的にインビボで位置決め
することができることが示される。
実施例5
Tc−99m標識ペプチドのシンチグラフィーイメージングおよび生体分配
上記Tc−99m標識試薬の有効性を示すために、ヌイージーランドホワイト
(New Zealand White)ウサギの左ふくらはぎに、イー・コリ(E.coli)の有効
株を筋肉内注射した。24時間後、ケタミンおよびキシラジンを筋肉内注射する
ことにより動物を鎮静化させ、次いで、Tc−99m標識ペプチド(≦150μ
g、2〜10mCi)を静脈注射した。ガンマカメラ(LEAPコリメーター/
Tc−99mに関してフォトピーク)の視野内に動物を仰向けに置き、注射後半
時間かけてイメージを得て、次いで、注射後3時間まで約1時間間隔でイメー
ジを得た。イメージを得るまでの間に動物を回復させ、そして再麻酔した。
最終イメージを得た後、過剰のフェノバルビタール静脈注射により各動物を屠
殺し、切開して血液および感染筋肉組織および対照筋肉組織の試料を得た。組織
試料を秤量し、標準量の注射量とともにガンマカウンターを用いてカウントし、
組織中に残存する注射量のパーセント値(組織1グラムあたり)を決定した。感
染組織対非感染筋肉組織のグラム当たり、および感染筋肉組織対血液の注射量の
割合を各ペプチドについて計算した。ホルミルMLFK(BAT).アミドなる式
を有する本発明Tc−99m標識試薬に関するこれらの結果を下表に示す。
実施例6ラットにおけるソマトスタチン受容体(SSTR)発現腫瘍の局在化およびイン ビボでのイメージング
ラット・所要細胞により発現されるソマトスタチン受容体のインビボでのイメ
ージングを、実質的にはBakker et al.(1991,Life Sciences 49:1593〜1601)に
より記載されてようにして行った。
凍結物を融解して得た腫瘍ブライであるCA20948ラット・膵臓腫瘍細胞
を、0.05〜0.1mL/動物の懸濁液として、6週齢のLewisラットの右後ろ
足のふとももに筋肉内移植した。腫瘍を増殖させて約0.5ないし2gとし、収
集し、腫瘍ブライを用いて2回目の無処理のLewisラットのセットに移植した。
このやり方で継代を繰り返して、連続した世代の腫瘍保有動物を得た。インビボ
研究に用いる腫瘍保有動物は、通常は、3代ないし5代継代したものであり、0
.2ないし2gの腫瘍を保有していた。
腫瘍における放射性トレーサーの局在化の特異性の研究のために、放射性トレ
ーサー注射30分前に、選択された動物にSSTR遮断量(4mg/kg)のオ
クトレオチドを皮下注射した(このプロトコールはBakker et al.により示され
、111In−[DTPA]オクトレオチドの腫瘍への取り込みを40%低下させる
)。
3代ないし5第継代したCA20948腫瘍保有Lewisラットを拘束し、0.2
〜0.4mL中3ないし8μgのペプチドに相当する量の0.15〜0.20mC
iの99mTc−標識ペプチドを、尾の背側の静脈から注射した。
選択された時間において、頸部脱きゅうにより動物を屠殺し、選択された剖検
を行った。集めた組織試料を秤量し、ガンマウェルカウンターで注射量の一部と
ともにカウントした。
選択された放射性標識ペプチドの90分における生体分配結果を表Iに示す。99m
Tc−P587、99mTc−P617、99mTc−P726、および99mTc−
P736は、高い腫瘍取り込みおよび腫瘍/血液比を明確に示し、標的(腫瘍)
組織へのそれらの高い特異的取り込みが示された。
図1は、腫瘍保有ラットにおける99mTc−P587のイメージを示す。下肢
(矢印)の腫瘍における高い取り込みがはっきりと見える。
ラットの腫瘍への99mTc−P587取り込みを、インビボでソマトスタチン
受容体に結合することが知られているソマトスタチンアナログであるオクトレオ
チドでの前注射の有無について比較した。これらの実験において、99mTc−P
587投与前のオクトレオチド投与による受容体遮断により、放射性標識したペ
プチドの腫瘍への特異的な取り込みが76%減少した。これらの結果により、イ
ンビボにおいて99mTc−P587はSSTR特異的であることが確認された。
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(72)発明者 マックブライド,ウィリアム
アメリカ合衆国03102ニューハンプシャー
州 マンチェスター、ゴルフビュー・ドラ
イブ110番
(72)発明者 リスター−ジェイムズ,ジョン
アメリカ合衆国03110ニューハンプシャー
州 ベッドフォード、オールド・ストー
ン・ウェイ25番
(72)発明者 シビテロ,エドガー・アール
アメリカ合衆国03054ニューハンプシャー
州 マリマック、キンバリー・ドライブ17
−32番