JPH10502249A - 免疫調節剤 - Google Patents

免疫調節剤

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JPH10502249A JP8503628A JP50362896A JPH10502249A JP H10502249 A JPH10502249 A JP H10502249A JP 8503628 A JP8503628 A JP 8503628A JP 50362896 A JP50362896 A JP 50362896A JP H10502249 A JPH10502249 A JP H10502249A
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グレンヘイ・ラーセン,クリスチャン
イエセール,ボルバラ
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スティーノ・リサーチ・グループ・アクティーゼルスカブ
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Abstract

(57)【要約】 この発明はヒトインターロイキン10以外のポリペプチドであって、以下の性質のうちの少なくとも1を有するものに関する:a)ヒト単球によるIL−8の自発産生阻害の誘導、b)ヒト末梢血液単核球(PBMC)によるIL−1β誘導性IL−8産生の阻害の誘導、c)ヒト単球によるインターロイキン−1受容体アンタゴニスト様タンパク質(IRAP)産生の誘導、d)インビトロにおけるCD8+ヒトTリンパ球の化学走化性遊走の誘導、e)rhIL−10に対する非反応を誘導する、ヒトCD8+T細胞の脱感作、f)IL−8によるCD4+ヒトT白血球の化学走化反応の抑制、g)MCAF/MCP−1に対するヒト単球の化学走化反応の抑制、h)ヒトIL−10と異なり、ヒト単球上へのクラスII MHCの発現を阻害しない、i)正常ヒトCD4+T培養細胞のIL−4産生の誘導、j)ヒト混合リンパ球反応におけるTNFαの産生の減少。特に、本発明はノナペプチドAla-Tyr-Met-Thr-Met-Lys-Ile-Arg-Asnおよびその類縁体および変異体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 免疫調節剤発明の分野 本発明は、インターロイキン10(IL−10)アゴニストである物質の薬剤 としての使用に関する。特に本発明の物質の、免疫抑制性メデイエーター類、特 にサイトカイン類の産生および/または機能の低下に関係した、および/または 免疫炎症性メディエーター、特にサイトカイン類の産生および/または機能の昂 進に関係した疾病の予防または治療のための医薬を製造するための使用に関する 。詳細には、本発明は本発明の物質を自己免疫疾患(真性糖尿病、タイプI糖尿 病;胃腸の炎症性疾患;慢性間接リューマチ)、尿酸性関節炎(痛風)、皮膚ア レルギー、皮膚、肺および気管支内のアレルギー性反応(気管支ゼンソクを含む );低血圧/虚血による組織ダメージ(梗塞;再循環);アテローム性動脈硬化 症;乾癬;肉芽腫症疾患;慢性骨髄性白血病;急性骨髄性白血病;癌;移植片対 宿主反応および移植拒絶に関する症状;肺繊維症;肝臓繊維症;肺の慢性非感染 性炎症;糸球体腎症;早期分娩;歯根膜炎;ウイルス感染に起因する免疫応答; 骨粗鬆症、敗血症ショックなどの疾患の予防および/または治療のための医薬組 成物の製造および/または避妊薬の製造に、本発明の物質を用いることに関する 。発明の背景 この20年間の研究により、炎症反応の開始、調節および終了は哺乳動物内に おける増殖と分化の調節と同様に、一般にサイトカインと呼ばれる一群のシグナ ルポリペプチドによる厳しい制御下にあることが示されて来た。サイトカイン類 はポリペプチドであってほとんどの有核細胞により産生され、細胞間の調節シグ ナルを伝達して、生体内の同じあるいは異なった種類の細胞間のコミュニケーシ ョンネットワークを形成している。サイトカイン類は非常に強いメディエーター であり、10-15Mの低濃度でも活性である。サイトカイン類はまた、細胞の免 疫反応の発達の鍵となる因子であり、このため、感染、アレルギー、外傷、移植 片 対宿主反応および自己免疫疾患に起因する炎症の臨床的な発現の基礎ともなって いる。アレルギーおよび自己免疫疾患は免疫系の異常、特にT白血球媒介細胞性 免疫の異常によって特徴付けられるが、一般に、これらの疾患の病因は不明であ る。インビトロの研究、動物実験および臨床試験において、サイトカイン類が自 己免疫疾患、アレルギー、虚血、再開通手術、外傷、感染、に関する炎症反応に 重要な病原性役割を果たしていること、および癌、アテローム性動脈硬化症、妊 娠および胎児の成長、骨のホメオスタシスの発達に重要であることがわかってい る。サイトカイン類は他の免疫炎症性および増殖性疾患に関与する場合もあり、 そのことについては、以下に説明する。 このような疾患は通常慢性となり、治療は曠直的、すなわち該疾患に関して処 方されるほとんどの薬物が症状を鎮めるためのであって、治療効果の無いもので ある。他の治療としてはいわば置換療法とでもいうものがあり、患者の内部生産 が減少したか、あるいは不十分である物質、例えばホルモンを、一生涯患者に投 与し続ける行為を含むものである。かかる治療は不十分なことが多く、望ましく なく、そしてしばしば重篤である副作用をもたらし、疾患の進行を停止させると いうより遅らせるだけのものである。従って、より良い治療方法、より良い医薬 組成物が高く望まれている。 インターロイキン10(IL−10)は近年、天然の内因性免疫抑制性サイト カインとして報告されており、ネズミおよびヒトの両方にて同定されている。ネ ズミのインターロイキン10(mIL−10)はもともとはTH2ヘルパーT細 胞クローンから放出されるサイトカイン合成抑制因子として報告されたが、この 因子はまた、白血球の様々なサブセットに対する増殖作用、例えばCD4-,8+ ネズミ脾臓T細胞のクローニング効率に対する増強効果(4)を含む、を有する ことが示された。ヒトインターロイキン10(hIL−10)は近年配列が決定 され、mIL−10とDNA配列レベルおよび同様にアミノ酸レベルにて高い相 同性を保持していることが明らかにされた。さらに、豚のインターロイキン10 が最近配列決定されて、ヒトIL−10とDNAレベルおよびアミノ酸レベルに て高い相同性を保持していることも明らかにされた(88)、図2も参照のこと 。 さらに、hIL−10はエプステイン−バールウイルスゲノム、BCRF1内の オープンリーディングフレームと高いホモロジー有し、ウイルスIL−10はh IL−10と同様のいくつかの活性を示す。図1(5)参照。 ヒトIL−10は活性化T細胞クローンおよび不死化B細胞により産生され、 いくつかのプロ免疫性サイトカイン類およびコロニー刺激因子の産生を抑制する サイトカイン合成抑制因子(CSIF)活性に加えて、天然のインターロイキン 1受容体アンタゴニストタンパク質/ペプチド(IRAP)の単核球による産生 を誘導し、これによって間接的にIL−1の活性を抑制する作用も有する。IL −10はまた自己の単球による産生をダウンレギュレートし、クラスII MHC の発現を抑制する作用も有する(12)。さらに、hIL−10はヒトT細胞お よびCD4+T細胞クローンの抗原特異的増殖を、抗原提示細胞として単球が用 いられた場合に減少させる。ネズミにおけるインビボ実験ではレーシュマニア(L eishmania)感染を克服するのは、応答したCD4+T白血球からのサイトカイン プロファイルに依存することが示されている(13)。レイシュマニア感染抵抗 性のC57BL/6マウスでは、リンパ節から流出するCD4+T細胞がINF −γおよびIL−2サイトカインのアップレギュレーションを行う一方、感受性 のBALB/cマウスでは、リンパ節からの流出物ににCD4+反応性T細胞を 含み、これがIL−4およびIL−10を放出し、このことが疾患の進行と関連 付けられることが示されている(13)。即ち、IL−10は免疫反応への強い 調節効果を、インビトロ、インビボの両方において示すのである。さらに、ヒト インターロイキン10はCD8+T細胞に対して特異的な化学走化因子であるた め、IL−10は化学運動性に対して非常に強い影響を及ぼす。その一方で、I L−10はT細胞化学走化性サイトカインIL−8に応答して遊走するCD4+ の活性を阻害するがCD8+については抑制しない(14)。IL−10はまた 、他のケモカイン類、MCP−1/MCAFおよびRANTES(75)の化学 走化性活性も阻害する。IL−10が単球/マクロファージ機能の不活性化剤で あり、Th1活性の阻害剤であることから、IL−10の活性の全部あるいは一 部を有する薬物はサイトカイン産生および/または活性の不均衡により特徴付 けられる疾患に対する治療効果を有することが期待される。 先にhIL−10またはvIL−10を含有する医薬組成物を調製すること、 あるいはhIL−10またはvIL−10を敗血症性または毒素性ショック、リ ューマチ性関節炎、移植片対宿主疾患、組織拒絶、糖尿病、自己免疫不全、白血 病および癌のごとき様々な疾患の治療のための医薬品の製造のための使用が提案 されており、例えばWO93/02693号およびWO94/04180号に開 示されている。さらに、IL−10アンタゴニスト、例えばIL−10に特異的 に結合する抗体が、例えばEP405 980およびWO94/06473に開 示されており、かかる抗体はHIV感染患者の治療に有用であり得ることが予測 されている。発明の要旨 本発明は、ヒトインターロイキン−10以外の物質であって以下のうちの1ま たはそれ以上の性質: a)ヒト単球によるIL−8の自発産生阻害の誘導、 b)ヒト末梢血液単核球(PBMC)によるIL−1β誘導性IL−8産生の阻 害の誘導、 c)ヒト単球によるインターロイキン−1受容体アンタゴニスト様タンパク質( IRAP)産生の誘導、 d)インビトロにおけるヒトCD8+Tリンパ球の化学遊走の誘導、 e)rhIL−10に対する非反応を誘導する、ヒトCD8+T細胞の脱感作、 f)IL−8によるCD4+ヒトT白血球の化学走化反応の抑制、 g)MCAF/MCP−1に対するヒト単球の化学走化性応の抑制、 h)ヒトIL−10と異なり、ヒト単球上へのクラスII MHCの発現を阻害し ない、 i)正常ヒトCD4+T培養細胞のIL−4産生の誘導、 j)ヒト混合リンパ球反応におけるTNFαの産生の減少 を有する物質に関する。例えば、Ala-Tyr-Met-Thr-Met-Lys-Ile-Arg-Asnのアミ ノ酸配列を含むポリペプチドまたはこの配列の類縁体もしくは変異体(hIL− 10と配列の相同性を有するノナペプチド、IT9302)、およびその誘導体 であって特定の炎症プロセスの予防および/または治療、特に免疫および/また はホルモン系に関与する形の予防および/または治療に有用な物質を提供する。 以下の免疫機構の説明にて詳しく述べるように、活性機構は免疫系のメディエー ター類の活性への干渉を介するものであり、このメディエーターとしては特にモ ノカイン、リンホカイン、ケモカインおよびモノカインレセプターアンタゴニス トなどが例示されるサイトカイン類である。そして、本発明の物質は特定のサイ トカイン類の産生および/活性に対して干渉/抑制することによって、組織のダ メージをもたらす病原的プロセスを抑制する、本発明の物質は、天然のモノカイ ンレセプターアンタゴニストの産生を誘導し、これによって特定のサイトカイン 類の活性に対して干渉あるいはこれを抑制し、これによって組織のダメージにつ ながる病気のプロセスを抑制するものである。 本発明における重要な態様はしたがって、活性成分として本発明の物質を含有 する医薬組成物に関する。本発明の他の態様は、上記a)からg)の活性のうち の1またはそれ以上を中和できる物質であり、例えば抗体およびかかる物質を含 有する医薬組成物が例示される。 さらに本発明は、本発明の物質の、サイトカイン関連生理活性を実質的に阻害 するための医薬組成物の製造への本発明の物質の使用に関する。すなわち、本発 明の物質を、IL−1レセプターアンタゴニストタンパク質/ペプチド、リンホ カイン、モノカイン、インターロイキン、インターフェロン、ケモカインまたは コロニー刺激因子として使用することに関する。他には本発明の物質の、サイト カイン系の障害、例えばIL−1レセプターアンタゴニストタンパク質/ペプチ ド、リンホカイン、モノカイン、インターロイキン、インターフェロン、ケモカ インまたはコロニー刺激因子系の障害に関連する症状の予防または治療のための 医薬組成物の製造への使用に関する。他の点において、本発明はまた、サイトカ イン系の障害に関連するヒトの症状の治療のための方法にも関する。この方法に は、本発明の物質の有効量を患者に投与することを含む。 細胞免疫系は感染、炎症および悪性腫瘍に関するような疾患の進行に役割を果 たしている。免疫コンピテント細胞およびその産生物は炎症症状の発達の開始、 悪化および慢性化に重要な役割を果たしている。これらの不全はしばしば原因が 不明であり、真性糖尿病、関節リューマチ、胃腸および皮膚の炎症性疾患のごと き一般的な疾患を含む。これらの例以外に、細胞媒介性免疫もしくは前炎症性メ ディエーター類、もまた多くの他の炎症性および増殖性疾患に関与している(表 2参照)。 サイトカイン類: T−白血球は細胞媒介免疫反応をつかさどり、T細胞のサイトカイン産生物( リンホカイン類)は免疫反応を開始させ、調節する(1、2)。抗原提示細胞に より産生されるリンパ球活性化メディエーター(リンホカイン類)は、サイトカ インと呼ばれるポリペプチドのグループに属する。サイトカイン類は生理的条件 下および病気の状態の両方に於いて細胞−細胞コミュニケーションの伝達物質で あり、免疫系と他の組織および器官とのシグナルを提供するホルモンとしても働 いている。サイトカイン類は免疫系外の細胞により産生される場合もあり、一般 にはすべての有核細胞が1または複数のサイトカインを産生することができると 考えられている。したがって、例えばケラチノサイトやフィブロブラストは強い サイトカイン産生細胞であり、この系においてサイトカインは免疫系から独立し て、オートクリンまたはパラクリンホルモンとして機能する(3)。インターロイキン10: ネズミのインターロイキン10(mIL−10)はもともと、TH2ヘルパー T細胞クローンから放出されるサイトカイン合成阻害因子(CSIF)として報 告されたが、様々なリンパ球のサブセットに対する増殖作用も有することがわか った。この効果にはCD4−8+ネズミ脾臓T細胞のクローニング効率を増強さ せる効果も含む(4)。ヒトのインターロイキン10(hIL−10)は最近報 告され(5)、エプステインーバールウイルスゲノム、BCRF1のオープンリ ーディングフレームと高い相同性を有し、ウイルスのIL−10はhIL−10 と類似の活性を示す。以下に、IL−10の生化学、生物学、生理学及び予測さ れる病原性的役割をまとめる。IL−10の構造: マウス(mIL−10)とヒト(hIL−10)のIL−10の一次構造にお いては、高率での配列の相同性(>80%)が全長にわたって認められる(4、 5)。唯一の顕著な違いは、hIL−10cDNAクローンの3'−未翻訳領域 にヒトAlu繰り返し配列エレメントが挿入されていることである。mIL−10 とhIL−10のcDNAは非常に類似した178アミノ酸のオープンリーディ ングフレーム(ORF)をコードしているが、このフレームは疎水性リーダー配 列を含み、73%のアミノ酸相同性を示す。mIL−10はネズミ細胞に対して 活性を示すがヒトの細胞に対する有意な交差反応性は示さない。hIL−10は 18kDaのポリペプチドであり、検出可能な炭化水素を欠いているが、mIL −10はN末端付近の部位がN−グリコシル化されている。このグリコシル化部 位はhIL−10には無い。mIL−10および組換えhIL−10(rhIL −10)は非共有結合性ホモダイマーとして発現される。mIL−10またはh IL−10モノマーの生理活性の程度については、まだよくわかっていない。ポ リペプチドの「タグ」について、少なくとも8アミノ酸のタグをN末端に、少な くとも21アミノ酸のタグをC末端に有する場合に、mIL−10およびhIL −10では検出可能な活性の減少は無いことが、ヒトIL−10の配列を最初に 決定したモール(Moore)らの報告に示されている(6)。全長のIL−10の CおよびN末端にタグをつけることが、必ずしも機能の変化をもたらすというわ けではない、というのはタグ付加は臨時のものであるかまたは偶発的なものだか らである。以下に説明する、より多くのアミノ酸を機能を欠失させないで置換す ることができることはまた一方でタグにより機能が変化しないことを支持する。 組換えmIL−10およびhIL−10はCDS7細胞、マウス骨髄腫細胞、チ ャイニーズハムスター卵母細胞、バキュロウイルス発現系および大腸菌内に発現 されている。これらrIL−10タンパク質の生理活性はこれまで分離不可能で あった(6)。 mIL−10遺伝子は約5.1kbのDNA上に配された5つのエクソンを有 する。染色体クローン自身は発現可能なmIL−10タンパク質をコード化する 。mIL−10およびhIL−10遺伝子はマウスおよびヒトクロモソーム1に ある(6、7)。 mIL−10およびhIL−10は、エプステイン−バールウイルスのオープ ンリーディングフレームと強いDNAおよびアミノ酸配列のホモロジーを示すが 、このホモロジーは成熟タンパク質コード配列に限られており、シグナル配列ま たは5’−または3’−未翻訳配列には認められない(5)。3つの配列のうち 、mIL−10とhIL−10はDNAレベルでより近接した対の関係を示す( 81%)。一方、成熟hIL−10とBCRF1タンパク質をコード化するDN A配列は71%の相同性を示す。IL−10とBCRF1のアミノ酸レベルの相 同性は84%である。mIL−10およびhIL−10遺伝子が共通の祖先から 進化し、一方BCRF1が進化的加工を受け、細胞のサイトカイン遺伝子を捕ら え、BCRF1タンパク質がhIL−10に類似するように構築されたものと予 測される。BCRF1はEBVの溶菌サイクルにおいて発現される。BCRF1 のORFは17kDa分泌型ポリペプチドをコードするが、このタンパク質はh IL−10と同様、ほとんどあるいは全くグリコシル化されていない。BCRF 1はいくつかのIL−10様活性を示し、ウイルス性IL−10(vIL−10 )と呼ばれている。しかし、その活性の程度はhIL−10の10%であること が認められている。サイトカイン産生に対するIL−10の活性: hIL−10は数多くのサイトカイン類、例えばインターフェロンγ(IFN −γ)、腫瘍壊死因子α(TNF−α)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因 子(GM−CSF)、顆粒球CSF(G−CSF)、IL−1α、IL−1β、 IL−2,IL−6、IL−8および単球化学走化ポリペプチド−1(MCP− 1/MCAF)の、単球/マクロファージおよび/またはTリンパ球による産生 を阻害する(4、5)。IL−10はまた、単球のケモカインMCP−1/MC AF応答性遊走能を阻害する(75)。さらに、hIL−10は内因性天然イン ターロイキン受容体アンタゴニスト(IRAP)の産生を誘導し(6)、これが IL−1αおよびIL−1βの活性を、受容体結合において競合することによっ て阻害する。IL−8はIL−1αおよびIL−1βによって強く誘導されるた め、IL−10はIL−1受容体アンタゴニストIRAPの産生を刺激すること によるIL−8産生の阻害作用の一部を活性化する。この最後の機構は本発明に おいてかなり重要であると考えられるため、以下に解説および例を示す。IRA Pは抗炎症作用を示し(9)、その関節リューマチにおける治療効果が示唆され ている(10)。またIRAPは敗血症症候群の治療に有用であることが示され ており、フィッシャー(Fisher)らの研究により用量依存的な28日間生存効果が IRAP投与群には認められている(p=0.015)(11)。IRAPはま た抗炎症効果の一部をケモカイン産生、例えばIL−8の産生、を抑制すること によって発揮し得る。IL−10と抗原の発現: IL−10はヒト単球上のクラスII MHCの発現を阻害する(8)。構造 的、およびIL−4もしくはIFN−γ誘導性のHLA−DR/DPおよびDQ の発現がhIL−10により阻害される(12)。さらに、単球をIL−10と 共にプレインキュベートしたものは、その後のIL−4またはIFNγによるク ラスIIMHC発現の誘導に抵抗性である。IL−10はヒト単球のLPSによる 活性化後のクラスII発現を抑制する(17、26)。1から10mgのIL− 10を致死濃度のLPSと同時に投与した場合、BALB/cマウスは死亡から 保護される(6)。 IL−10は窒素中間体およびスーパーオキシドアニオンを阻害する。IL− 10はまた、IFNγによる活性化の後のマクロファージによる反応性窒素中間 体(NO)と同様に反応性酸素中間体(H22)を阻害する。IL−10とT細胞の活性: IL−10はまたT細胞の機能/活性の調節効果を有する。即ち、hIL−1 0は強いCD8+Tリンパ球の化学走化因子であり、一方hIL−10はCD4 +T細胞に対しては化学走化性を示さない(14)。さらに、IL−10はCD 4+T細胞のβケモカインRANTESおよび同様にα−ケモカインIL−8の 化学走化信号に対する応答能を抑制する。hIL−10はまた、直接的にヒト末 梢血T細胞およびCD4+細胞クローンの増殖を阻害する(14)。IL−10とBリンパ球: hIL−10はB細胞表面Igの固定化抗IgM抗体による架橋により誘導さ れるBリンパ球の増殖を活性化し、この効果はB細胞が自身のCD40抗原と抗 CD40抗体が架橋することによって刺激された場合およびヒトFcγRII/ CD32を発現するマウスL細胞によって活性化された場合に増強される。IL −10の活性化ヒトB細胞の増殖および分化に及ぼす効果は、T細胞がhIL− 10を発現してB細胞応答性を補助することにおいて優れた効果を示すことを説 明する。免疫系のホメオスタシーを保持する因子としてのIL−10: IL−10の機能の生理学的な重要性については上記に述べたが、これは免疫 系のホメオスタシーをもかなり担っていると考えられている。IL−10は明ら かにヘルパーT細胞の機能を阻害し、そしておそらくT細胞のサップレッサー機 能を刺激する。したがって、IL−4と同様、IL−10はT細胞のTh1とT h2サイトカインの性質の間のバランスを調節しているものと考えられる。特に 、IL−10はTh1細胞の分化を阻害すると考えられている。Th1細胞は細 胞性免疫応答に関与するサイトカイン類(IFN−γおよびIL−2)の産生に 特徴付けられ、Th2細胞は、液性応答に関与して、細胞性免疫応答を抑制する サイトカイン類(IL−4、IL−5およびIL−10)の産生に特徴付けられ るため、IL−10はT細胞の媒介する免疫反応、例えば遅延型過敏反応など、 を抑制する一方で、液性反応を促進している。 上記のごときIL−10の性質故に、IL−10の活性はマクロファージおよ びTh1サイトカイン合成の阻害剤として報告されてきた。したがって、IL− 10産生および/または活性の欠陥が、過剰な細胞性免疫反応がその疾患におい て重要な要素となっていると考えられている疾患、例えば自己免疫疾患や炎症、 において、何らかの役割を果たしているかどうかについて研究されている。抗I L−10抗体で処理されたマウスはより強い炎症反応をモノカイン誘導性の炎症 に対して示し、モノカイン媒介炎症反応であるLPS−誘導性敗血症ショックに おいてより死亡率が高い(16)。また、IL−10ノックアウトマウスは自発 的に腸の炎症反応および自発的に大腸の潰瘍を生じる(17)。さらに、IL− 10が異なった寄生虫、微生物またはウイルス感染において何か役割を果たして いるかどうかが調べられ、IL−10はシストソーマ・マンソーニ(Schistosoma mansoni )による感染に関与する免疫不全において、病原性の役割を担っているこ とが明らかにされている(18)。また、マイコバクテリウム・レプラ(Mycobac terium leprae )の感染における関与も示唆されている。最近、予後のよくないA IDS患者において高いレベルの血漿IL−10が認められており、IL−10 がAIDSにより発生する免疫不全に寄与していることが示唆されている(19 )。治療への適用: インビボの結果/データはIL−10が細胞媒介性、モノカイン増幅性免疫性 炎症の調節においてホメオスタシーを保つのに重要な役割を示していることを示 唆し、またIL−10もしくはIL−10様活性を有する薬品を減少した/不十 分なIL−10の産生および/または活性に特徴付けられる疾患の治療において 広い範囲の治療に適用することができることを示す。本発明の物質を代表するI T9302は以下のごときIL−10様活性を示す: 1)ヒト単球のIRAP産生を誘導する、 2)ヒト単球のIL−8の自発産生を阻害する、 3)末梢血単核球(PBMC)のIL−1β刺激によるIL−8の産生を阻害す る、 4)ヒトTリンパ球CD8+の化学遊走を刺激するが、CD4+については刺激 しない、 5)CD8+T細胞のrhIL−10による化学遊走に対して脱感作する、 6)IL−8誘導性ヒトCD4+T細胞化学走化を阻害する、 7)MCP−1/MCAF誘導性ヒト単球化学走化を阻害する、 8)培養正常ヒトCD4+T細胞によるIL−4の産生を誘導する、 9)ヒト混合リンパ球反応におけるTNFα産生を減少させる。 このポリペプチドおよび類縁体はhIL−10と同じ治療可能性を有すると考え られる。表3にIL−10様免疫調節剤またはIL−10様活性の免疫調節剤が 治療効果を示すと考えられる疾患を例示した: 発明の詳細な説明 IL−10様活性を有するIL−10様ノナペプチドの開発: 9アミノ酸長を有するhIL−10の一部の配列を、vIL−10とhIL− 10の間で高いホモロジーを有するが、mIL−10とは可能な限り低いホモロ ジーであるとの原則に従い選んだ。この戦略はvIL−10がhIL−10と一 部分交差反応をするがmIL−10はhIL−10と交差反応性が無いというこ とに基づく(上記参照)。従って、ヒトの臓器内のある活性に寄与しているhI L−10の配列上のドメインは、hIL−10とvIL−10の間では高いホモ ロジーを示すが、mIL−10とは低いホモロジーである部分であると考えられ る。 hIL−10のシグナルポリペプチドは最初の18のアミノ酸からなると考え られている。成熟タンパク質は19位のアミノ酸(機能性タンパク質の1位、こ れはセリンである)からはじまり、全タンパク質は160のアミノ酸を含有する 。ヒトおよびウイルスのIL−10のCOOH末端配列のドメイン、特に157 位と159位のリジンおよびアルギニン残基、がレセプター結合性の一部に寄与 していることが見いだされた(図1および2)。 化学合成により得た、いくつかの候補のIL−10様活性のスクリーニングの 後、合成ノナペプチドIT9302がhIL−10に類似した免疫抑制活性を示 すことがわかった。このことについては以下の実施例でさらに詳しく紹介する。 IT9302はhIL−10のC末端配列ノナペプチドに該当し、以下のアミノ 酸配列を有する: IT9302はhIL−10C末端のアミノ酸の152位から160位に対して 100%のホモロジーを有している。さらに、このポリペプチド配列中の6アミ ノ酸はウイルスvIL−10の対応する位置において共通している。図1および 2参照のこと。これは6/9、即ち66%のアミノ酸が本明細書の定義により、 ホモロガスであることを意味うる。また4アミノ酸がmIL−10と共通してお り、従って比は4/9または44%となる。このノナペプチドはhIL−10か ら得られたもしくは誘導された唯一の配列であり、実施例で示された特別な性質 を有する今までで唯一の配列でもある。本発明の前に、この配列が機能性ドメイ ンであると示唆した者はいない。 最も広い概念としては本発明はhIL−10アゴニスト活性を示す物質に関す る。すなわち本発明は、ヒトインターロイキン10以外の物質であって以下に示 す1または複数の性質を有するものに関する a)ヒト単球の自発IL−8産生阻害の誘導、 b)IL−1βにより誘導される、ヒト末梢血単球のIL−8産生阻害の誘導、 c)ヒト単球によるインターロイキン受容体アンタゴニストタンパク質(IRA P)産生の誘導、 d)インビトロにおけるヒトCD8+T細胞の化学走化性誘導、 e)ヒトCD8+T細胞を脱感作し、その結果rhIL−10に対する応答がな くなる、 f)ヒトCD4+Tリンパ球のIL−8に対する化学走化応答の抑制、 g)ヒト単球のMCAF/MCP−1に対する化学走化応答の抑制、 h)ヒトIL−10と異なり、ヒト単球上へのクラスII MHC分子発現を抑制 しない、 i)培養正常ヒトCD4+T細胞によるIL−4産生の誘導、 j)ヒト混合リンパ球反応におけるTNFα産生の減少、 これらの活性のうち、d)からg)は最もユニークであると考えられる。本発 明の一つの重要な態様は、上記のhIL−10アゴニスト活性を示す物質であっ て、アミノ酸配列Ala-Tyr-Met-Thr-Met-Lys-Ile-Arg-Asn、またはその類縁体も しくはこの配列の変異体を有する物質である。この配列および本発明の明細書お よび請求の範囲に記載の他のすべてのポリペプチド配列は特に言及しない限りは 通常通N末端からC末端へ向けて記載している。 ノナペプチドIT9302は様々な機能を非常に強く誘導し、非常に安定であ り、またレセプターと間違って結合することができないと考えられる。ノナペプ チドを選んだのは、あるタンパク質内でユニークなのは、一般に9アミノ酸のポ リペプチド配列だからである。しかしながら、hIL−10の最末端の6アミノ 酸が最も重要なペプチドであることには留意すべきである。本発明にはしたがっ て、Ala-Tyr-Met-Thr-Met-Lys-Ile-Arg-Asn(配列番号1)のサブ配列を有する 物質もしくはポリペプチドも含まれる。 いくつかのアミノ酸置換はここに規定するhIL−10アゴニスト活性を、ス レオニン、リシンおよびアルギニンが存在し、1つのアミノ酸がこの間で置換さ れている場合には、失うことがないと考えられる。 最も広い観点において本発明は、以下の式: を含有するポリペプチドを提供する。式中、X4およびX5は独立してMet、Ile、 Leu、およびValからなる群から選択される。そしてX6はAsp、GlnおよびGluから なる群から選択される。 さらなる観点において、本発明は以下の式: を含有するポリペプチドを提供する。式中、X3、X4およびX5は独立してMet、 Ile、LeuおよびValからなる群から選択される;X6はAsp、GlnおよびGluからな る群から選択される。 さらに他の観点から、本発明は以下の式: を含有するポリペプチドを提供する。式中、X2はTyrまたはPhe、X3、X4およ びX5は独立してMet、Ile、LeuおよびValからなる群から選択される;X6はAsp 、GlnおよびGluからなる群から選択される。 本発明の好ましい態様は、以下の式: を含有するポリペプチドを提供する。式中、X1はAlaまたはGlyである、X2はTy rまたはPheである、X3、X4およびX5は独立してMet、Ile、LeuおよびValから なる群から選択される;X6はAsp、GlnおよびGluからなる群から選択される。 上記のhIL−10アゴニスト活性が予測される特定のポリペプチドの例を示 す: 比較のために、IT9301の名前で呼ばれる他のノナペプチドであってhI L−10の配列と100%のホモロジーを示すものを合成した。このポリペプチ ドIT9301はhIL−10のN末端から始まるノナペプチドに該当し(19 位から27位のアミノ酸、成熟タンパク質の最初の9アミノ酸)、以下の配列を 有する: このポリペプチドはIL−10様活性を示さないことが以下に示す手法を用い て判明しているが、hIL−10のもう一方の末端であるというだけで選んだも ので、ほとんどネガティブコントロールとして用いる。本発明の化合物は、vI L−10とのホモロジーおよびレセプター結合に適したアミノ酸という、C末端 配列のごとき性質を有していない。IT9301を、IL−1β誘導性末梢血単 核細胞系IL−8産生について試験したが、この細胞からのIL−8の産生の抑 制作用は全く示さなかった。 本明細書において、「本発明のhIL−10アゴニスト物質」には全ての薬理 活性を有し、薬学上許容される物質を含み、該物質はIT9302と同一あるい は構造的に類似であり、IT9302に類似した相対的生理活性を示し、IT9 302の誘導体、特に薬学上許容されるその塩、エステルおよびソルベート類、 および同様にペプチドミメティクスを含むIT9302またはIT9302誘導 体の配合体(conjugates)が例示される。IT9302のNH2末端が適当な担体 、例えばポリエチレングリコールまたは糖と共有結合カップリングしている物質 はインビボにおけるポリペプチドの半減期を延長するものと期待される。 本明細書においては、以下の定義を用いる。 「サイトカイン」は特定の刺激の応答として主に免疫系の細胞から(この細胞 に限定されるわけではない)放出されるタンパク質性メディエーターを示す一般 的な用語である。特定の刺激としては、特定の抗原またはアロ抗原;または非特 異的、ポリクローナル活性化剤、例えばエンドトキシンまたは他のグラム陰性菌 の細胞壁成分が例示される。 「リンホカイン」は感作されたリンパ球から、刺激剤への応答として放出され るタンパク質性メディエーターとして一般的な用語であり、刺激剤としては例え ば特異抗原またはアロ抗原が例示される。または、ポリクローナルな活性剤、例 えばエンドトキシンまたは他のグラム陰性菌の細胞壁成分等にチャレンジされた リンパ球からも放出される。 「インターロイキン」は、限定はされないが主にマクロファージ、T細胞、B 細胞またはNK細胞から、刺激剤に応答して産生されるタンパク質性メディエー ターである。刺激剤としては、特異抗原またはアロ抗原が例示される;またはポ リクローナルな活性剤、例えばエンドトキシンや他のグラム陰性細菌の細胞壁成 分によりチャレンジされたリンパ球からも放出される。 「モノカイン」は、限定はされないが主に単核貧食細胞(例えば単球、マクロ ファージまたはクッパー細胞(肝臓)またはランゲルハンス細胞(皮膚))から 何らかの刺激に応じて産生されるタンパク質メディエーターを示す一般的な用語 である。 「ケモカイン」はタンパク質性化学走化性物質および/または白血球活性化メ ディエーターであって、限定はされないが主に免疫系の細胞から特異的刺激物質 、例えば特異的抗原あるいはアロ抗原;または非特異的な、ポリクローナル活性 化剤、例えばエンドトキシンや他のグラム陰性菌の細胞壁成分による刺激に応答 して放出されるものであって、ケモカインαまたはケモカインβのいずれかの遺 伝子ファミリーに属するものを示す一般的な用語である。 「インターフェロン」はタンパク質性抗ウイルスおよび/または単球活性化メ ディエーターであって、限定はされないが主に免疫系の細胞から、ウイルスある いはポリヌクレオチドのごときインターフェロンインデューザーの刺激に応答し て放出されるものを示す一般的用語である。免疫系における特定の細胞が、特異 的な刺激剤、例えば特異的抗原あるいはアロ抗原;または非特異的ポリクローナ ル活性化剤、例えばエンドトキシンまたは他のグラム陰性菌の細胞壁成分の刺激 によって放出する。 「コロニー刺激因子」は、タンパク質性造血性コロニー刺激メディエーターで あって、限定されないが主に免疫系の細胞から特異的刺激剤、例えば特異的抗原 またはアロ抗原;または非特異的ポリクローナルな刺激、たとえばエンドトキシ ンや、他のグラム陰性菌の細胞壁成分による刺激に応答して放出されるものであ る。 本明細書において「ポリペプチド」という語は、少なくとも2個、多くとも1 0個のアミノ酸残基からなる短いペプチドを意味する場合にも、オリゴペプチド (11〜100アミノ酸残基)を意味する場合にも、またはより長いペプチドを 意味する場合にも(通常「ポリペプチド」と言う用語は、長さがアミノ酸残基1 00以上を示すものと理解される)、タンパク質を示す場合にも用いられる(少 なくとも1のペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチドを含有する機能性物質は 、グリコシル化、リピド化、あるいはプロステティック基により修飾されていて もよい)。ポリペプチドの定義にはまた、天然のヒトのペプチド/タンパク質お よび任意の種類の発現ベクターが任意の種類の宿主をトランスフォームして産生 させた組み替えタンパク質又はペプチド及び化学合成したペプチドを含む。 本発明のある態様は、ヒトIL−10の配列のサブ配列を有し、vIL−10 とのホモロジーが66%であり、mIL−10とのホモロジーが44%であるポ リペプチドであり、特に配列番号1で示されるものを提供する。「ホモロジー」 という語は2またはそれ以上のアミノ酸断片におけるアミノ酸配列と、ポリペプ チドのアミノ酸とを同一性および位置に関してマッチさせた場合の同一性を意味 する。 本明細書において「ホモロジー」と言う用語は、2つのアミノ酸(またはヌク レオチド)配列の間の同一性の尺度を意味するのに使用する。ホモロジーは、2 つの配列(長さが異なっていても良い)を並べて比較した場合の、一致アミノ酸 (塩基)のパーセンテージを意味する。「並べて比較」という用語は(76)に 定義されている意味で用いる。大まかに言えば、最小数の「ブランク」あるいは 「ヌル」塩基の挿入によって両者の間の重複を最大となるようにした2つの配列 を、一致塩基(アミノ酸)数が最大となるような並べ方で比較することである。 「ホモロガス」という語はすなわちあるポリペプチドを構成するアミノ酸配列 と、IT9302のアミノ酸配列とを比較した場合の同一性を表示するのに用い られる。IT9302のアミノ酸配列と比較するアミノ酸配列は、DNAまたは RNA配列のごとき核酸配列から演繹したもの、例えば以下に定義するハイブリ ダイゼーションによって得られる配列、または従来から知られているアミノ酸配 列決定方法によって得られる配列であってもよい。ホモロジーの程度は好ましく は成熟ポリペプチドにおいて、すなわち全てのリーダー配列を考慮に入れないで 決定する。一般に、ヌクレオチド配列のホモロジーを比較する際にはコード領域 のみが比較に用いられる。 hIL−10およびvIL−10に対する有意なホモロジーが好ましいのであ るが、hIL−10のサブ配列のサブ配列であってvIL−10に対する低いホ モロジー、例えば50%、55%または60%がまた、hIL−10アゴニスト 活性を示すこともある。さらに上記のごとく、hIL−10に対するホモロジー の程度が絶対に100%であることは必要ない。本発明の範囲内には、hIL− 10に対するホモロジーが100%であるものが最も好ましいが、75%、80 %、85%、90%または95%であるものも含まれる。 かかるポリペプチドはノナペプチドとアナロガスであると考え得る。「アナロ ガスまたはバリアント」の用語は、アミノ酸配列Ala-Tyr-Met-Thr-Met-Lys-Ile- Arg-Asn(配列番号1)の完全なものは有していないが、上に定義したhIL− 10アゴニスト活性を有しているものを意味する。一般に、かかるポリペプチド は後の実施例で述べるIT9302と比較した場合に、例えば、アミノ酸組成に おいてある程度の変化があったり、または翻訳後修飾、例えばグリコシル化やリ ン酸化を受けたようなポリペプチドであってもよい。 「類縁体(analogue)」または「変異体(variant)」という用語は、本明細書に おいては、IT9302のアミノ酸配列といくらか異なるが、しかしなお同様の アミノ酸配列を有するタンパク質またはポリペプチドを意味し、このなかにはア ミノ酸配列の変化、例えば欠損、位置特異的変異、別のアミノ酸の挿入またはこ れらの組み合わせによるもの、によって作成したIT9302の類縁体ポリペプ チドも含まれる。 位置特異的変異誘発は天然のタンパク質の保存的アミノ酸置換を行う一つの便 利な手法である。これに代えて類縁体を得るために液相または固相合成によって 、ポリペプチド配列の内の個々のアミノ酸を連続的にカップリングさせていって も、またはポリペプチドを、個々のアミノ酸をカップリングさせてフラグメント を合成し、各フラグメントを所望のポリペプチドを得るようにさらにカップリン グしてもよい。 「保存的」という用語は本明細書では(i)変化が構造的に可能な限りニュー トラルであるように、すなわち、変異タンパク質の三次構造が、天然タンパク質 と比べたときに最小の変化しか示していないようなものであること(ii)変化 が抗原的にも可能な限りニュートラルであること、即ち、天然のタンパク質と比 べて変異タンパク質の抗原決定基の変化が最小であることをいう。構造的にニュ ートラルであることは、生理活性の保存に望ましく、抗原的にニュートラルであ るということは、本発明の物質を用いて治療される患者又は動物において、免疫 原性応答のトリガーになることを避けるために望ましい。どの変異体が構造的お よび抗原的にニュートラルであるかという点を絶対的な正確さで選択するのは難 しいが、当業者が構造的および抗原性にニュートラルであることを保持したまま で変異させるためのガイドとなるルールがあり、例えば(77)および(78) に詳しい。重要なルールとしては(1)疎水性残基の置換は抗原性に変化を及ぼ しにくい、というのは、これらはタンパク質の内部に存在することが多いからで ある(例えば、ベルゾフスキー(Berzofsky)(上記引用文献)およびボワイエら(上 記引用文献);(2)物理化学的に同一、すなわちシノニムな(synonymous)、 残基による置換は、構造の変化を生じさせにくい、というのは、置換するアミノ 酸が置換されるアミノ酸と同一の構造的役割を担うからである;および(3)進 化において保存されている配列の変化は、構造に有害な影響を及ぼしやすい、と いうのは、進化における保存は機能的に重要な配列を示唆するからである。配列 の変異についてのこれらの基本的なルールに加えて、活性確認のためおよび操作 した分子の配置を調べるためにアッセイも用いられる。本発明の物質のための生 物学的アッセイは実施例に詳しく説明する。配置の変化は2つのよく知られたア ッセイによって試験することができる:マイクロコンプリメントフィクセーショ ンメソッド、例えば(79)および(80)、この手法はタンパク質の三次元構 造の進化的研究において広く使用されている:および構造特異的モノクローナル 抗体に対するアフィニティーによるもの、例えば(81)に記載されている。本 発明の重要な態様はしたがって、少なくとも1のアミノ酸残基が異なるアミノ酸 残基で置換されているポリペプチド、および/または少なくとも1のアミノ酸残 基が欠失または付加されいるポリペプチドに関し、これらの変異によって以下に 示すように定義されるアミノ酸配列またはサブ配列と異なるアミノ酸配列を有す るポリペプチドであるが、本質的に上記に定義するhIL−10アゴニスト活性 を有するものを得ることに関する。 本発明における興味深い態様には、本発明のポリペプチドの類縁体および/ま たは少なくとも一部を含有するポリペプチドであって、その長さが10から10 0アミノ酸であるもの、例えば少なくとも12アミノ酸、少なくとも15アミノ 酸、少なくとも20アミノ酸または30アミノ酸のものが含まれる。 本願の好ましい態様において、物質またはポリペプチドは実質的に純粋な形で 用いる。このような、純粋なポリペプチドを得るためには、ポリペプチドの精製 が必要となる。ポリペプチドの精製のために採用される手法としては、(i)免 疫沈降または抗体によるアフィニティークロマトグラフィー、(ii)適当なリ ガンドによるアフィニティークロマトグラフィー、(iii)ゲル濾過、イオン交 換または高速液体クロマトグラフィーもしくは上記の操作の変法のごとき他のク ロマトグラフィー、(iv)ポリアクリルアミドゲル電気泳動、変性ポリアクリ ルアミドゲル電気泳動、アガロースゲル電気泳動および等電点電気泳動のような 電気泳動法、(v)他の全ての特異的可溶化および/または精製手法が挙げられ る。 本発明の範囲には、上記に定義したごときポリペプチドをコードするヌクレオ チドも含まれ、特に配列番号1のアミノ酸配列を含有するか当該配列自身をコー ドするヌクレオチド配列、例えばヌクレオチド配列GCC TAC ATG ACA ATG AAG AT A CGA AAC(配列番号23)または該アミノ酸配列を有するポリペプチドをコー ドするヌクレオチド配列が含まれる。さらに、上記のヌクレオチド配列と少なく とも1のヌクレオチドが欠失、置換または修飾されているか、または少なくとも 1つのヌクレオチドが挿入されている点において異なっており、一方でhIL− 10アゴニスト活性を有するポリペプチドをコードするようなヌクレオチド配列 もまた、本発明の範囲内である。 本明細書および請求の範囲において、「サブ配列」の語は好ましくは少なくと も18ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも21ヌクレオチト、最も好まし くは少なくとも24ヌクレオチドからなる大きさである配列を示す。本発明の多 くの態様において、本発明のヌクレオチド配列のサブ配列または類縁体は少なく とも27ヌクレオチド、例えば少なくとも30ヌクレオチドもしくは少なくとも 45ヌクレオチドを含有する。「サブ配列」によりコードされるポリペプチドは 少なくとも上記a)〜g)の性質のうちの1つを示し、および/または「サブ配 列」ヌクレオチドは配列番号23のヌクレオチド配列と厳しい条件下でハイブリ ダイズするものである。 「厳しい条件下」という語をハイブリダイゼーションの条件に関して用いる場 合、この用語は当業者においては融点、Tmの5〜10℃以下と定義されている 、例えばサンブルックら、1989第11.45〜11.49頁。 本明細書において、本発明のDNAフラグメントの「類縁体」という語は、こ のDNAがコードするポリペプチドと同一または実質的に同一なポリペプチドを コードするヌクレオチド配列を含む。同じアミノ酸が複数のコドンによりコード されることはよく知られている、従って、該ヌクレオチド配列を生物が発現しや すいようにされるのである。すなわち、本発明のDNAフラグメントの1または 複数のヌクレオチドまたはコドンは、発現される場合にこのDNAフラグメント によりコードされるものと同一または実質的に同一のポリペプチドになるような 、他のものと交換されていてもよい。 「類縁体」という用語および「サブ配列」という用語はさらに、配列中に置換 、挿入(イントロンを含む)、付加および1または複数のヌクレオチドの再修飾 のごとき変化を許容することを意図しており、これらの変化はこのDNAフラグ メントまたはそのサブ配列によりコードされるポリペプチドのhIL−10アゴ ニスト活性に影響を及ぼさないものである。本発明はまた配列番号1のアミノ酸 配列のサブ配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列も含有する 。 本発明のポリペプチドは組換えDNA手法を用いて調製してもよい。本発明の 重要な態様において、本発明のヌクレオチド配列を含む発現系を提供する。従っ て、本発明の範囲には、本発明のヌクレオチド配列を含む発現系、例えばこのヌ クレオチド配列を担持し、その発現の媒介をし得る複製可能発現ベクター、を含 む。 本発明のポリペプチドの産生のために用いられる生物は、高等生物、例えば動 物でも、下等生物、例えば大腸菌、酵母、原生動物のごとき微生物もしくは多細 胞生物、例えば黴、昆虫細胞、植物細胞、哺乳類細胞またはセルラインから誘導 された細胞等であって上記の発現系を有しているものであればよい。 用いる生物にかかわりなく、本発明のDNAフラグメントは直接または適当な ベクターのいずれかによって当該生物内へ誘導される。または、ポリペプチドは 本発明のDNAフラグメントまたはその類縁体もしくはサブ配列を、直接または 発現ベクターによって導入した哺乳類のセルラインによって産生させてもよい。 本発明のポリペプチドはまた、上述の化学合成により産生してもよい。 本発明はさらに、本発明のポリペプチドをコードするかまたはここで定義する 融合ポリペプチドをコードするDNA配列を含有するプラスミドベクターに関す る。ある重要な態様においては、本発明のDNAフラグメントまたはその類縁体 もしくはサブ配列、またはここに定義する本発明の融合DNAフラグメントは宿 主生物体内またはセイルライン内において複製し得る複製可能発現ベクターによ って運ばれる。 このベクターは特に、プラスミド、ファージ、コスミド、ミニクロモソームま たはウイルスであってもよい。本発明の興味深い態様においては、ベクターが宿 主細胞内に導入された場合に、宿主細胞のゲノムに統合されるものである。 上述のように産生されるポリペプチドの翻訳後あるいは合成後修飾を、熱処理 、化学処理(ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドなど)または酵素処理(ペ プチダーゼ、プロテイナーゼ、およびタンパク質修飾酵素)の処理によって行っ てもよい。このポリペプチドはある生物内で産生された場合には、その生物が本 来産生するタンパク質と比して異なった方法で加工され得る。例えば、グリコシ レーションはしばしばポリペプチドが酵母またはより好ましくは哺乳類のごとき 高等生物の細胞に発現される場合に認められる。グリコシレーションは通常アミ ノ酸残基Asn、Ser、Thrまたはヒドロキシリジンに認められる。 本発明のひとつの態様は、以下の工程を有する、上記に定義されるポリペプチ ドの製法に関する: (a)発現ベクター内に上記定義のヌクレオチド配列を挿入する、 (b)適当な宿主生物を(a)のベクターによって形質転換する、 (c)(b)で得られた宿主生物をポリペプチド発現のための適当な培養条件に て培養する、 (d)ポリペプチドを収穫する、および (e)所望によりポリペプチドを翻訳後修飾にかける。 hIL−10またはvIL−10に対して作用するアンタゴニストは、ノナペ プチドIT9302と特異的に結合する抗体から得られ、そしてこれが高濃度の IL−10を中和するための治療に使用できることが予測される。 従って他の点において、本発明は本発明のポリペプチドに特異的に結合する抗 体に関する。 「抗体」の語は哺乳類の細胞、またはより正確には哺乳類由来の細胞であって 、免疫系に属しているものが本発明のポリペプチド抗原への暴露に応答して産生 す る物質を意味する。本明細書において「抗体」という用語は、本質的に特異結合 基礎ユニットである2つの重鎖と2つの軽鎖により構成されるものであると定義 する。抗体の一番広い概念のとしては、しかしながら該基礎ユニットの例えばダ イマーまたはペンタマーも含むべきである。 抗体のバリアントドメインは、可変および定常配列から構成されている。該ド メインの可変部分は抗体のイディオタイプと呼ばれている。抗体のこの部分は抗 原との相互作用、抗原結合を司っている。この文脈において、抗体の語は抗体分 子全体または該分子のいずれかのフラグメントとして理解される。抗体は産生の 最中および/または後にフラグメント化され得る。抗体を最初にフラグメントの 形態に製造して、そのままで、あるいは他のフラグメントと結合させた後に用い るようにしてもよい。特に興味のあるフラグメントは本発明の抗体の結合フラグ メント、例えばFabまたはFab’フラグメントである。 抗体のイディオタイプ(抗原結合性)構造は抗原性であり、このイディオタイ プ構造に対して指向する特異抗原を発生し得る。イディオタイプに対抗するよう に生じた抗体は抗イディオタイプ抗体と呼ばれる。かかる抗体はオリジナルの抗 原構造のミミックであり得、従ってオリジナルの抗原と同様の機能を有し得る。 かかる抗体は、オリジナルの抗原に換えて、本発明のオリジナルポリペプチドの 機能、利用性および性質の一部あるいは全てをもたらすことができる。 本発明の抗体にはポリクローナル抗体もモノクローナル抗体も同様に含まれる 。 抗体またはそのフラグメントは、単一の特異性を有する(ポリクローナル)種 類のものであってよい。単一の特異性を有する抗体は、適当な動物に実質的に純 粋な本発明のポリペプチドの調製品を注射することによって得てもよい。次いで 1又は複数のブースターを適当な間隔を置いて注射し、最初の採血を行えばよい 。各免疫化から約5〜7日後に動物の採血を行う。抗体は所望により血清から標 準的な抗体精製方法によって単離すればよい。 本発明のポリペプチドに結合する抗体の調製に用いる動物は、好ましくはウサ ギ、サル、ヒツジ、ヤギ、マウス、ラット、ブタ、ウマおよびモルモットからな る群から選択される。抗体を産生する細胞は脾臓細胞または抹消血リンパ球であ っ てよい。 モノクローナル抗体またはそのフラグメントはポリペプチドの重要な成分、す なわちエピトープに対抗するように生じさせてもよい。モノクローナル抗体は従 来の方法(ケーラーとミルスタイン、1975)、即ちハイブリドーマセルラインを 用いて産生させても、またはそのクローンもしくはサブクローンにより産生させ ても、あるいは該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマセルラインから の遺伝子情報を有する細胞に産生させてもよい。モノクローナル抗体は該モノク ローナル抗体を産生する細胞と適当なセルラインを融合させ、得られるモノクロ ーナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞をクローニングすることによって産生 させることができる。または、モノクローナル抗体は不死化した融合していない セルラインであって該モノクローナル抗体を産生するものに作らせてもよい。モ ノクローナル抗体は細胞増殖培地から最終的に回収することができる。モノクロ ーナル抗体を調製するためのハイブリドーマ細胞はインビトロまたは動物の体腔 内で増殖させればよい。モノクローナル抗体またはそのフラグメントはまた、リ コンビナントDNA手法を用いて調製してもよい(フセら、1988) モノクローナル抗体はまた、適当な動物を本発明のポリペプチドの非精製品に より免疫して調製してもよい。得られるモノクローナル抗体を分泌するハイブリ ドーマクローンを、ポリペプチドまたはその類縁体に対する結合能力によりスク リーニングすればよい。 高い特異性が必要でない場合には、抗体はポリクローナル抗体であってもよい 。ポリクローナル抗体は、例えばハーボーとインギルド(Harboe and Ingild)が 記載するごとく(上記)して得ればよい。より詳細には、ポリクローナル抗体を 得ようとする場合には、本発明のポリペプチドまたはその類縁体は、好ましくは 、フロインドの不完全あるいは完全アジュバントのごとき、適当なアジュバント を添加した後動物に注射すればよい。動物は例えば1週間の間隔で、常法どおり に採血すればよく、得られた血液は抗体含有血清フラクションに分け、所望によ り該フラクションをさらなる抗体精製のための従来の方法に供してもよく、およ び/または精製されたポリペプチドまたはその類縁体を使用した操作により精製 し てもよい。 抗体としてはまた、抗−イディオタイプ抗体に対する抗−抗−イディオタイプ 抗体であってもよく、これは該抗原上のエピトープと反応性の抗体の部位を指向 する抗体である。抗−イディオタイプ抗体は、上記にモノクローナルまたはポリ クローナル抗体を製造するために概説した方法と同様の方法で調製すればよい。 本発明の範囲には、上記に定義した物質またはポリペプチドと結合する抗体、 特にアミノ酸配列 Ala-Tyr-Met-Thr-Met-Lys-Ils-Arg-Asnを有するポリペプチ ドと特異的に結合する抗体が含まれる。 広い概念では、本発明は従って、hIL−10活性a)〜j)のうちの1また は複数を中和することができる物質に関する。即ち、hIL−10アンタゴニス ト活性を有するこれらの物質の抗体のごとき物質が含まれる。モノクローナル抗 体19F1(82)は特異的にIL−10に結合する公知のものであるが、LP S刺激単球により産生される内因性IL−10をブロックする事ができるもので ある。表1を参照せよ(82)。この抗体は天然の折り畳まれたIL−10を認 識するが、必ずしも機能性ドメインの全体を認識しているわけではなく、この抗 体はIT9302には特異的に結合することはない。 本発明の範囲には、かかる物質を含有する医薬組成物および同様に本発明の物 質またはポリペプチドを含む医薬組成物もまた含まれる。 本発明の非常に重要な観点においては、本発明は上記に定義したhIL−10 アゴニスト活性またはhIL−10アンタゴニスト活性を有する物質および薬学 上許容される賦形剤を含有する医薬組成物に関する。組成物には例えば精製され た合成タンパク質あるいは精製された組換えポリペプチド、モノクローナルまた はポリクローナル抗体または他のa)〜j)の性質を満たすか、またはhIL− 10アンタゴニスト活性を有する場合には、a)〜j)のいずれかの性質を中和 することができるいずれかの物質を含有する。 本発明において用いられるIL−10のアゴニストまたはアンタゴニストは、 薬学上許容される媒体、例えば生理的食塩水、リン酸緩衝生理的食塩水(PBS )、リンガー液、デキストロース/セーライン、ハンクス液、およびグルコース な ど、とともに処方すればよい。組成物には所望の物性に応じて薬学上許容される 助剤、例えばバッファー剤、等張化剤、湿潤剤、界面活性剤のごときものを添加 してもよい。添加物にはまた、他の活性成分、例えば抗生物質や、安定化剤を添 加してもよい。患者に投与する量は何を投与するか、投与の目的即ち予防なのか 治療なのか、宿主の状態および投与方法等に依存して変わる。 本発明の医薬組成物は、典型的には経皮あるいは非経口投与、例えば静脈、皮 下または筋肉内投与を目的としている。経口投与可能な剤型もまた好ましく、組 成物が胃内の環境を迂回できるように修飾してもよい。組成物は予防および/ま たは治療のための処置に用いることができる。好ましくは医薬組成物は静脈内投 与する。したがって本発明はIL−10アゴニストまたはアンタゴニスト物質を 許容される担体、好ましくは水性担体に溶解もしくは懸濁させたものを含有する 医薬組成物を提供する。かかる組成物は従来の滅菌方法により滅菌してもよく、 または濾過滅菌によって滅菌してもよい。 得られる水性溶液はそのまま使用するために封入してもよく、凍結乾燥しても よい。凍結乾燥した処方は投与に先だって滅菌水性担体と混合すればよい。IL −10のアゴニストまたはアンタゴニストはまた、第2の生理活性物質、例えば 標準的な化学療法剤、とともに投与してもよい。かかる剤にはビンクリスチン(v incristine)、ダウノルビシン(daunorubicin)、L−アスパルギナーゼ(L-aspara ginase)、ミトキサントロン(mitoxantrone)、アムサクリン(amsacrine)などが挙 げられるがこれらに限定されない。 治療のための投与において、医薬組成物を患者に投与する量は所望の効果が生 み出されるのに十分な量とすればよく、これを「治療有効用量」と定義する。I L−10アゴニストまたはアンタゴニストの治療有効用量は、例えば処置を行う 対象、投与方法、患者の健康状態および症状および診断した医師の処方箋に従っ て決定される。例えば持続的点滴のための用量は代表的には70kgの患者1日 あたり約500ngから約800μg、好ましくは約10μgから約300μg である。代表的な用量は700ng/kg/日から16μg/kg/日である。 IL−10アゴニストまたはアンタゴニストの医薬処方中の濃度は広い範囲で 変えることができる、即ち約10μg/mlから約5mg/ml、好ましくは約 100μg/mlから約2mg/mlである。この濃度は通常、原則的には特定 の投与方法を選択し、それに応じた液体の量、粘度などによって選択される。従 って、静脈内点滴のための本発明の代表的な医薬組成物は250mlのデキスト ロース/生理的食塩水溶液と2.5mgのIL−10アゴニストまたはアンタゴ ニストを含有するように調製される。 固形組成物の調製のため、従来の非毒性固形担体を用いることができる。この 担体には例えば薬品等級のマンニトール、ラクトース、スターチ、ステアリン酸 マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、グルコース、シ ュークロース、炭酸マグネシウム等が例示される。経口投与のための薬学上許容 される非毒性組成物は、通常採用される賦形剤、例えば上述の担体など、および 一般に10〜95%、好ましくは25〜75%の活性成分、即ちIL−10アゴ ニストまたはアンタゴニスト物質を含んで調製される。 エアロゾル投与用には、IL−10アゴニストまたはアンタゴニストは好まし くは界面活性剤と抛射薬と共に細かく分散された状態で供給される。IL−10 アゴニストまたはアンタゴニストの典型的な割合は、0.01〜20重量%、好 ましくは1〜10重量%である。界面活性剤は当然、非毒性でなくてはならず、 好ましくは抛射薬に可溶である。かかる剤の代表としては6から22炭素原子を 有する脂肪酸のエステルまたは部分エステル、他えばカプロン酸、オクタン酸、 ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、オレステ リン(olesteric)酸およびオレイン酸と、脂肪族多価アルコールまたはその環状 無水物、例えばエチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、アラビト ール、マンニトール、ソルビトール、ソルビトール由来無水ヘキシトール、ポリ オキシエチレンおよびポリオキシプロピレン誘導体、のエステルが例示される。 混合エステル、例えば混合あるいは天然グリセライドもまた用い得る。 界面活性剤は組成物の0.1〜20重量%、好ましくは0.25〜5重量%を 占める。組成物の残部は通常の抛射薬である。液体化された抛射薬は典型的には 大気中では気体となる、加圧下で圧縮されているものである。好ましい液体化抛 射薬には炭素原子数が5までの低級アルケン類、例えばブタンおよびプロパンが 例示され;そして好ましくはフッ素化またはフッ素化塩化アルカンが例示される 。かかる物質の混合物もまた用い得る。エアロゾルの産生の際は、適当なバルブ を取り付けた容器内に、微細に分散されたポリペプチド(類)および界面活性剤 を含む適当な抛射薬を投入すればよい。バルブの作用により放出されるまで、内 容物には高圧をかけておく。 血清内半減期を高めるため、IL−10アゴニストまたはアンタゴニストをカ プセルに封入しても、リポソーム内に導入しても、コロイドとして調製してもよ く、またはその他のポリペプチドの寿命を延ばすための従来からの技術を採用し てもよい。従って、ある態様においてIL−10アゴニストまたはアンタゴニス トはリポソーム内にカプセル化されている。リポソームの調製のために用い得る さまざまな方法は、例えば文献(83)、(84)、(85)および(86)に 記載されている。 本発明の重要な態様の一つは高濃度のhIL−10および/またはvIL−1 0を減少させるかまたは中和する物質の使用、例えば卵巣癌および/またはAI DS(87、19)の治療または予防のための医薬組成物の製造のためのhIL −10アンタゴニスト様性質を有する物質の使用に関する。 本発明の範囲内には、卵巣癌および/またはAIDSの治療および/または予 防方法を含み、この方法には処置が必要な患者に対して治療または予防有効量の hIL−10アンタゴニスト物質を投与することが含まれる。同様に、hIL− 10アンタゴニスト活性を有する化合物を卵巣癌および/またはAIDSの処置 のための医薬組成物の製造のための使用も本発明の範囲内である。本発明の物質の使用 本発明において、IT9302およびその類縁体および変種が、先に記載した 疾病症状において病原性であることが知られているサイトカイン類の影響を予防 するのに有用であることを見いだしたのは上述の通りである。 従って、本発明のポリペプチドまたはその類縁体または誘導体を用いる治療能 力はhIL−10および/またはIRAPの治療効果が期待されるすべての疾患 について予測され、また調べられるべきである(上記および表3参照)。 本発明の非常に重要な態様は、本発明の物質もしくはポリペプチドの、表3に 示した疾患のうちの1または複数の疾患の治療または予防のための使用、本発明 の物質もしくはポリペプチドの、表3に示した疾患のうちの1または複数の疾患 の治療または予防のための医薬組成物の製造のための使用、および本発明の物質 もしくはポリペプチドを、処置を必要とする患者に対して治療もしくは予防有効 量投与することを含む、表3に示した疾患のうちの1または複数の疾患の治療ま たは予防方法に関する。 本発明の重要な態様は、IT9302またはその機能性誘導体の、ヒトにおけ るサイトカイン、例えばリンホカイン、インターロイキン、モノカイン、ケモカ イン、インターフェロン、コロニー刺激因子、プロスタグランジンおよび/また はロイコトリエンなど、に関係する生理活性を実質的に抑制するための医薬組成 物の製造のための使用、およびサイトカイン系、例えばリンホカイン、インター ロイキン、モノカイン、ケモカイン、インターフェロンまたはコロニー刺激因子 系および/またはプロスタグランジンおよび/またはロイコトリエン系、の乱れ に関連する症状の予防または治療のための使用に関する。本明細書において「医 薬組成物」という用語には上記に詳述したごときヒトに投与するのに適したすべ ての組成物を含むものとする。 本発明は特に、IT9302またはその機能性誘導体を以下の用途への使用に 関する: −ヒトにおいてサイトカインに関与する生理活性を実質的に抑制して、サイ トカイン系の乱れに関連する症状の予防または治療を行う; および/または −ヒトにおいてリンホカインに関与する生理活性を実質的に抑制して、リン ホカイン系の乱れに関連する症状の予防または治療を行う; および/または −ヒトにおいてインターロイキンに関与する生理活性を実質的に抑制して、 インターロイキン系の乱れに関連する症状の予防または治療を行う; および/または −ヒトにおいてモノカインに関与する生理活性を実質的に抑制して、モノカ イン系の乱れに関連する症状の予防または治療を行う; および/または −ヒトにおいてケモカインに関与する生理活性を実質的に抑制して、ケモカ イン系の乱れに関連する症状の予防または治療を行う; および/または −ヒトにおいてリンホカインに関与する生理活性を実質的に抑制して、リン ホカイン系の乱れに関連する症状の予防または治療を行う; および/または −ヒトにおいてインターフェロンに関与する生理活性を実質的に抑制して、 インターフェロン系の乱れに関連する症状の予防または治療を行う; および/または −ヒトにおいてコロニー刺激因子に関与する生理活性を実質的に抑制して、 コロニー刺激因子系の乱れに関連する症状の予防または治療を行う; および/または −ヒトにおいてプロスタグランジンに関与する生理活性を実質的に抑制して 、プロスタグランジン系の乱れに関連する症状の予防または治療を行う; および/または −ヒトにおいてロイコトリエンに関与する生理活性を実質的に抑制して、ロ イコトリエン系の乱れに関連する症状の予防または治療を行う。図面の簡単な説明 図1はmIL−1、hIL−1およびBCRF1の予測されるアミノ配列配列 の比較を示す。アミノ酸配列の同一部分は縦線で結んだ。 図2は9アミノ酸を含むIL−10のC末端ポリペプチド配列を示す。また、 豚、ヒト、BCRF1およびマウスのタンパク質を比較している。 図3はIT9302が純粋培養したヒト単球からのIL−8の自発産生を阻害 することを示す図である。 図4はIT9302がヒト末梢血単核球のIL−1誘導性(1ng/ml)I L−8産生を阻害することを示す図である。 図5はIT9302で刺激されたヒト単球によるIRAP産生を示す説明する 。 図6はIL−10で刺激されたヒト単球によるIRAP産生を示す説明する。 図7はCD8+T細胞における、IT9302の化学走化性活性を示す説明す る。 図8はCD8+T細胞がIT9302による脱感作により、CD8+T細胞が IL−10(10ng/ml)誘導化学走化に対して応答しなくなることを示す 説明する。 図9はIT9302によるIL−8活性の抑制を説明する。 図10はIT9302がMCAF/MCP−1誘導単球化学走化を阻害するこ とを示す図である。 図11はCD4+T細胞のサイトゾルフラクションにおけるIL−4の産生を 、ECL−ウエスタンブロッティングにより示した図である。 図12はヒト混合リンパ球培養物のサイトゾルフラクションにおけるTNF− αの産生をECL−ウエスタンブロッティングにより示したものである。TNF −αウエスタンブロッティングは、ウサギ抗ヒトTNFα抗体(ペプロ・テック ・インコーポレイテッド(Pepro Tech.Inc.)(英国、ロンドン)とホースラディ ッシュパーオキシダーゼ標識二次抗体(カタログ番号P217、デンマーク、デ コ(Dako))を用いた以外はIL−4について「材料と方法」の欄で説明した通り に行った。 図13はLPS誘導性ショックおよび白血球減少症がIT9302により制御 されることを、全リンパ球数により示す図である。 実施例 材料および方法 サイトカインおよび化学誘因物質 組換hIL-10をペプロ・テク・インコーポレイテッド(Pepro Tec h Inc.,)(ニュージャージー)〔Cat.No.200 10〕から入手した 。組換体hIL-1βおよび組換体hIL-8はダイニッポン・ファーマシューテ ィカル(Dainippon Phermaceutical)社(大阪、日本 )から提供されたものであった。培地はRPMI 1640 GIBCOを、リミ ュラス・アメボサイト・リセイト・アッセイ(Limulus Amoeboc yte Lysate assay)〔Sigma社、E-TOXATE Kit Cat.No.210-Al〕にしたがってLPSフリーとした。rhMCAF/ MCP-1はコウジ・マツシマ教授(金沢、日本)により提供された。白血球化学走化性アッセイ T細胞化学走化性 CD4またはCD8のいずれかの抗原を発現している特徴をもつCD4+およ びCD8+Tリンパ細胞亜群をヘパリンを添加した正常なドナーの血液から精製 した。こうして末梢血液単核細胞(PBMC)は、ヘパリン添加血液100ml をハンクス(Hanks)の緩衝塩類溶液(HBSS)で1:1に希釈し、次い で「リンフォパック(Lymphopac;商標)」〔ニコミット・ファーマ( Nycomed Pharma)社、オスロ、ノルウェー)〕上に細胞を層状に 分離することにより分離し、そのあと2000rpmで20分間傾斜遠心分離に かけた。単核細胞をHBSS中で3回洗い、細胞ペレットを1%ウシ胎児血清を 含む4mlのHBSSで希釈して、CD4またはCD8抗原に対するモノクロー ナル抗体を被覆したダイナビーズ(Dynabeads)〔Dynabeads M-450CD4 Cat.No.111.16、Dynabeads M-450 CD8 Cat.No.111.08、DETACHaBEAD Cat.No.12 5.04〕を用いて4℃で類別した。ビーズ:細胞の比は10:1で、インキュ ベーション時間は1時間であった。ビーズはメーカーの指示にしたがってポリク ローナルアンチ-マウス抗体を加えてはずした。 化学走化性アッセイは上記(74;参考文献3および14参照)のように48 -ウェルミクロチャンバー法〔ニューロプローブ社、ロックビル、メリーランド 〕を用いた。化学誘引物質をRPMI1640〔GIBCO社、Cat.No.6 1870-010〕中で、滅菌濾過した1%のウシ胎児血清で希釈し、下部の2 5μlチャンバーに入れた。T細胞化学走化性を測定する場合は、T細胞(5× 106/ml)を培地中に懸濁し、その50μlを、タイプIVコラーゲン〔Si gma社、Cat.No.C 0543〕を被覆したポリビニルピロリドンを含ま ないポアサイズ5μmのポリカーボネートフィルターで下部チャンバーと分離さ れた上部チャンバーへ入れた。細胞は5%炭酸ガス雰囲気中で37℃で2時間自 由に移動させた。次いでフィルターを注意深く取り除き、70%メタノール中に 固定し、クーマッシー(Coomassie)のブリリアントブルー中で5分間 染色した。フィルターの下部表面に付着した細胞の数を、ディジタル解析用コン ピューターシステムに接続し、化学走化的遊走という目的評価用のソフトウエア ーを備えた顕微鏡のビデオカメラを用いて計測した。T細胞の約5%(12,0 00〜13,000に相当)が自発遊走した;これは日によって変わるかもしれ ないが、同一日の実験ではほとんど変わらない。以前に(参考文献3および14 )記載されているように、試料および自発遊走を反映する負のコントロールとの 遊走細胞数の比として結果を報告することにした。この比率はケモタクティック インデックス(CI)と呼ばれる。すべての試料は3回解析し、各ウェルの細胞 遊走を3つの場で測定した後、面積の中間値を評価した。いくつかの実験では化 学走化性膜はコラーゲンで被覆していなかった、したがって本アッセイでは遊走 した細胞は化学走化性試験チャンバーの下部のウェルの底へ落下するであろう。 第1の実験では、CD8+T細胞に及ぼすIT9302の化学走化活性を、下 部チャンバーへ加えたIT9302の一連の希釈物を試験し、上記の方法で化学 走化性を評価して調べた。 第2の実験では、rhIL-10(10ng/ml)に対する応答としてのC D8+ T細胞の移動を鈍らせるIT9302の能力の研究を、化学走化を行う 30分前に標的細胞へIT9302を加えることにより行った。IT9302は 一連の濃度のものを加え、rhIL-10の化学走化性応答性を上記のようにし て評価した。 第3の実験では、rhIL-8(10ng/ml)に対するCD4+ T細胞の 化学走化性応答性を抑制するIT9302の能力の研究は化学走化を実施する3 0分前にIT9302を標的細胞へ添加することにより行った。IT9302は 一連の濃度のものを加え、rhIL-8の化学走化性応答性を上記のようにして 評価した。単球の化学走化性 単球化学走化性はT細胞について上記で記載したと同じボイデン(Boyde n)のチャンバー装置を用いて測定した。化学誘引物質であるMCAF/MCP -1をRPMI 1640培地中で0.5%BSAで希釈し、濃度10ng/ml で下部チャンバーに添加した。正常な人のPBMCから標準プラスチック接着技 術によって精製し、上記のようにして得られた単球を、RPMI 1640媒体 中で0.5%BSAにより懸濁し、次いで異なる濃度のIT9302の存在下で 30分間インキュベートした。次に細胞を106細胞/mlの濃度で上部化学走 化性試験チャンバーへ加えた。上部と下部のチャンバーはポリビニルピロリドン を含まないポアサイズ8μmのポリカーボネートフィルター〔ヌクレオポア(N ucleopore)社製;プレザントン(Pleasanton)、カリフォ ルニア〕により分離されていた。チャンバーは37℃で90分インキュベートし た。移動細胞を含む膜を上記のように処理し、ケモタクティックインデックスを 上記の方法で計算した。正常な人末梢血単核細胞(PBMC)によるIL-8の産生 PBMCは正常な人から提供されたヘパリン添加血液から精製した。リンホプ レップ(Lymphoprep:商標)〔ニコミッド.ファーマ社製;オスロ、 ノルウェー〕によって傾斜遠心分離したのち、単核細胞を、1%の滅菌濾過した 熱脱活ウシ胎児血清とペニシリン(10,000IE/ml)、ストレプロマイ シン(10mg/ml)およびジェンタマイシン(2.5mg/ml)を含むL PSを含まないRPMI 1640媒体〔ギブコ社製;Cat.No.6187-0 10〕中で2×106細胞/mlに希釈した。細胞を24ウエルのナンク・ミク ロ・プレート(Nunc Micro Plates)〔ナンク社製;デンマーク 〕中で、種々の濃度(0.1μg、100ng、10ng、1ng、0.1ng、 0.01ng/ml)のIT6302の存在下で24時間培養した。24時間培 養後、IT6302をもう一度添加し、1時間後細胞培養物にrhIL-1β( 1ng/ml)を加えた。全48時間の培養後、浮遊物を集め、分泌されたIL -8の濃度をIL-8 エリサキット(ELISA Kit)〔ダイニッポン・ファ ーマシューティカル(株)製;大阪、日本〕を用いてIL-8エリサにより測定 した。簡単には、標準物質と細胞浮遊物とをマイクロプレートシェーカ上で20 ℃で1時間培養し、それを2回繰り返した。次に、洗浄後、第2の抗体を1時間 かけて添加し、それからパーオキシダーゼで標識したヤギの抗-ラビットIgG とともに1時間培養した。洗浄後、オルトフェニレンジアミンを加えて反応を進 めた。30分後1.6規定硫酸により反応を停止した。490nmの光学密度( OD)をエリサ読み取り機で測定した。IL-8の濃度を、標準IL-8の濃度と 未知吸光度との間のカリブレーションカーブを用いて測定した。IRAP濃度の決定 PBMCを上記のようにして精製した。PBMCを10%の滅菌した熱脱活し たウシ胎児血清(ペニシリン10,000IE/ml、ストレプトマイシン10 mg/ml、ジェンタマイシン2.5mg/mlを含有する)を含むRMPI 1 640中で培養し、細胞濃度は5×106細胞/mlであった。次いで単球を標 準プラスチック接着法により精製した。次に単球を、2%のFCS(2.5×1 06細胞/ml)と共に、および希釈度の異なるrhIL-10またはIT930 2と共にRMPI 1640中で培養した。細胞を24時間刺激し、IRAPを 測定するために浮遊物を集めた。IRAPエリサを、アール・アンド・ディー・ システムズ・ユアロップ(R&D Systems Europe)社〔Cat. No.DRA 00;アビングドン(Abingdon)、オキソン(Oxon) 、英国〕のヒューマン・IL-1ra・クァンティキン・イミュノアッセイ・キ ット(Quantikin Immunoassay Kit)を用いて行った。単球上でのクラスIIMHC抗原発現の測定 PBMCを上記のようにして精製し、単球をプラスチック接着法により単離し た。次いで単球を、ペニシリン10,000IE/ml、ストレプロマイシン1 0mg/ml、ジェンタマイシン2.5mg/mlを含む2%FCSとともに、 細胞濃度3×106/mlで、RMPI 1640中で培養した。細胞を100n g/mlのrhIL-10または1μg/ml、100ng/ml、10ng/ mlのIT9302とともにマイクロウエルズ〔ナンク社;デンマーク〕中で4 0時間刺激した。刺激が終了した時点で、浮遊物を取り除き、−20℃で20分 間冷凍して細胞をプラスチックからはずした。細胞を、1%FCSとともに冷H BSS1ml中に集めて、HLAクラスIIβ-鎖〔Cat.No.210.03〕用 モノクローナル抗体を被覆した50μl/mlのダイナビーズM450を用いて 20℃で類別した。20分間のインキュベーションの後、細胞を1%FCSを含 む冷HBSSで3回洗浄し、磁気分離装置上に集めた。細胞を上記緩衝液中に希 釈し、メチレンブルーで染色し、次いでロゼット細胞(HLAクラスIImAbを もつダイナビーズを付けた細胞)を計数した。CD4+ Tリンパ細胞によるIL4の産生の測定 細胞培養 CD4+ Tリンパ細胞をヘパリン添加正常ヒト血液から精製した。「リンフォ プレップ(Lymphoprep;商標)」〔ニコミット・ファーマ(Nyco med Pharma)社、オスロ、ノルウェー〕による傾斜遠心分離にかけた のち、単核細胞を更にモノクローナル抗-CD4抗体を被覆したダイナビーズ〔 ダイナル(Dynal)社製、ノルウェイ〕を用いて4℃で類別した。ポリクロ ーナル抗-マウス抗体〔ダイナル社製、ノルウェイ〕を添加してビーズをはずし た。ポジティブとして選択された細胞の純度はFACS解析により判定して99 %以上であった。IL-8-刺激したT細胞によるIL4の新規(de novo )産生物を評価するに当たり、T細胞を5×106細胞/ml濃度で、1%の滅 菌濾過した、熱失活したウシ胎児血清(FCS)、ペニシリン(10,000I U/ml)、ストレプトマイシン(10mg/ml)およびジェンタマイシン( 2.5mg/ml)を含むLPSフリーのRPMI 1640中で培養した。T細 胞を、rIL-8(100ng/ml)、rIL-10(100ng/ml)、I T9302(10ng/ml)およびIFN-γ(10ng/ml)を用いて3 日間刺激した。組換体ヒトIL-8(rh IL-8)はダイニッポンファーマシ ューティカルズ社から提供されたものであり、IFN-γはベーリンガー・イン ゲルヘイム・アム・ライン(Boehringer Ingelheim Am Rhein)社(独)からの購入品であった。IL-8刺激の特異的な阻害を行 うために、中和するモノクローナル抗IL-8抗体(WS.4)はドクター・ケイ ・マツシマ(日本)からのものを使用した。組換体IL-10はプロプ・テク( Prop.Tech.)社(ロンドン、英国)からの購入品であった。細胞原料およびゲル電気泳動用培養浮遊物の調製 培養したT細胞と培地とを2000rpm、5分の遠心分離により分離した。 浮遊物は凍結乾燥し、次いで100μlの溶解バッファー中に溶解した。細胞を 100μlのゲル溶解バッファー(9)中に直接再懸濁した。物質は次の試験ま で−80℃で保存した。CD4+ T細胞誘導蛋白質のECL-ウェスタンブロッティング 細胞または凍結乾燥した細胞培養浮遊物をIL-4蛋白質含量評価用として使 用した。一次元15%SDS-PAGEゲルからの蛋白質をブロッティングによ りHybond-ECLニトロセルロース膜〔アマーシャム(Amersham )社、RPN 2020D、英国〕上に転移させ、0.1%ツィーン-20(Tw een-20)を含むトリス緩衝液(Tris baffer saline)p H7.8中で5%のウシ血清アルブミン(シグマ社)でブロックした。それから そのブロットをポリクローナルヤギ抗ヒトIL-4抗体〔R&Dシステムズ、英 国〕とともに、統いて西洋ワサビパーオキシダーゼで標識した第二の抗体〔Ca t.No.RPN 2106 ECL、アマーシャム、英国〕とともにインキュベー トし、フィルム〔コダック社製、「X-OMAT-S」、米国〕を90秒間さらす ことにより免疫染色が検出された。IT9302アミノ酸配列の特異性 他の既知の蛋白質とのIT9302配列の同一性を調べるために、ドクター・ ヘンリック.レファーズ(Dr.Henric Leffers)、インスティ チュート・フォー・メディカル・バイオケミストリー(Institute f or Medical Biochemistry)、アールハス(Aarhus )大学(デンマーク)の親切な助力を得てEMBO蛋白質データベースにより調 査を行った。IT9302のアミノ酸配列特異性 1994年6月10日に完成したEMBO蛋白質データベース(ハイデルベル ク)からの情報によれば、IT9302はヒトIL-10の配列とは100%一 致しており、vIL-10と同一のエプシュタイン−バールウィルス(Epst ein−Barr virus)誘導蛋白質の配列とは75%一致している。フ ァージT7およびトマト黄葉カールウィルスのような他のウィルス蛋白質はそれ ぞれ75%および85%の同一性を有することが解明した。結果 発明の概念は1992年10月および11月になされ、そのときIT9302 と名付けたノナペプチドを上記で概要を説明した方法にしたがってデザインし、 第1のプロトタイプ(IT9302)の化学合成は1992年11月27日に決 定され、注文された。このノナペプチドは、ある程度IL-10の活性に類似し た免疫調節活性を発現するはずであると期待され、以下の対照実験(実施例)も この期間に計画された。IT9302の化学合成は自動ポリペプチド合成装置を 用いて、発明者により依頼されたカールバイオテク(Carlbiotech) 社(デンマーク)によって行われた。その後に、蛋白質はHPLCによって精製 され、純度はHPLCにより95%を越えることが確認された。これにより合成 生成物は1992年10月および11月に発明者によって指定されたIT930 2と同一であることが確認された。実施例 1 ヒト単球による自発IL-8産生のIT9302による阻害 「正常なヒト末梢血単核細胞(PBMC)によるIL-8の産生」に記載され たようにして試験を行った。単球はプラスチック接着法により精製し、3.0× 106細胞/mlを40時間刺激した。図3に示すように、IT9302は単球 によるIL-8の産生を阻害し、0.1ng/mlのIT9302でIL-8の産 生は、インビトロでの自発産生の35%に抑制された。通常、細胞の生存率は培 養1日後に80%を越え、本実施例や以下の実施例において、IT9302が0 .1から1000ng/mlの濃度範囲ではIT9302は生存率に影響を及ぼ さなかった(IT9302分子量:1,127ダルトン、rhIL-10の予想分 子量:18,400ダルトン)。実施例 2 ヒト末梢血単核細胞(PBMC)によるIL-1β誘導IL-8産生のIT930 2による阻害 「ヒト正常末梢血単核細胞(PBMC)によるIL-8の産生」に記載された ようにして試験を行った。図4に示したように、IT9302は、投与量に依存 して、インビトロでのヒト末梢血単核細胞によるIL-1β誘導IL-8産生を阻 害した。IL-8産生の抑制はIT9302濃度が0.01〜100ng/mlの ところで一定値に達した。実施例 3 ヒト単球によるインターロイキン−1受容体拮抗蛋白質(IRAP)のIT93 02誘導産生 試験は「IRAP濃度の決定」中に記載されたようにして行った。図5に示す ように、IT9302はヒト単球によるIRAPの産生を投与量依存的に誘導し た。IT9302を10ng/mlより高い濃度で使用したとき産生量は著しく 増加した。図6はrhIL-10によるIRAPの誘導を示しており、IT93 02より約20倍大きいため、IT9302の10ng/mlはモル数ではrh IL-10の200ng/mlに等しい。したがってIT9302とrhIL− 1 0の能力は低濃度ではIRAPの誘導に関して同等であり、ほぼ等しい。10n g/mlをこえるIT9302濃度では、IRAPの産生量は著しく増加し、約 700ng/mlのレベルに達した。実施例 4 ヒトCD8+ Tリンパ細胞に及ぼすIT9302の化学走化性効果 試験は「白血球化学走化性アッセイ」に記載されているようにして行った。図 7に示すように、IT9302はインビトロでCD8+ ヒトTリンパ細胞の化 学走化的移動を誘導し、一方CD4+ T細胞(データは示されていない)には 影響がなかった。この試験において示されたIT9302の能力は、やはり先に 示した(引用文献14)rhIL-10のそれに匹敵する。実施例 5 IT9302はヒトCD8+ T細胞を脱感作し、その結果ヒトCD8+ T細胞 はrhIL-10に応答しなくなる 試験は、「白血球化学走化性アッセイ」に記載されたようにして行った。CD 8+ T細胞のrhIL-10に対する化学走化性応答性を試験する30分前に、 IT9302をCD8+ T細胞の懸濁液中に加えた。図8に示すように、細胞 をあらかじめIT9302とともにインキュベートしておくことによって、CD 8+ T細胞はrhIL−10に対して応答性が低下する。これは、IT930 2がrhIL-10のIL-10受容体への結合に影響する可能性があることを示 している。実施例 6 IT9302はIL−8に対するCD4+ Tリンパ細胞の化学走化性応答性を 低下する 試験は「白血球化学走化性アッセイ」に記載のようにして行った。図9に示す ように、ヒトCD4+Tリンパ細胞懸濁液に添加することにより、添加量に依存 して、CD4+ T細胞のIL−8に対する応答性を阻害する。実施例 7 IT9302はMCAF/MCP−1に対するヒト単球の化学走化応答性を抑制 する 試験は「単球の化学走化性」に記載のようにして行った。図10に示すように 、ヒト単球の懸濁液に添加することにより、添加量に依存してIT9302はM CAF/MCP−1に対する単球の化学走化性応答性を阻害する。実施例 8 IT9302はクラスIIMHC分子のヒト単球上での発現を阻害しない 試験は「材料と方法」に記載されたようにして行ない、rhIL-10がクラ スIIMHC発現を阻害するが、表4に示すようにIT9302は阻害しないこと を示している。 試験に関する議論 本データは、IL−8の産生および単球および/またはT細胞遊走を含む前炎 症活性を反映するプロセスに及ぼす合成ノナペプチドであるIT9302の投与 量依存的阻害作用を示している。このように、IT9302は終夜にわたって培 養したヒト単球によるIL−8の自発産生を抑制することができた。これは、I L−8 mRNA産生および/または続く蛋白質産生および/または放出に及ぼ す直接の阻害作用として説明することができる。もうひとつの機構は、インビト ロで培養された単球がIL−1を発現および産生するであろうこと、そしてそれ が今度はIL-8の産生を誘導するとの事実によって説明することができる。こ れは、IT9302が単球からのIRAPの産生を強く誘導することが示されて いるという事実によって支持される。したがってIT9302はまたIL−1の 活性に干渉することによりIL−8の自発産生を阻害するのかもしれない。培養 物に添加されたIT9302はIL−1の誘導によるIL−8の産生に抗する作 用をするが、それは培養物にIL−1を添加する少なくとも16時間前に添加さ れた場合だけであるから、観察されたIT9302によるIRAPの誘導は、生 物学的に活性なIRAPを誘導するように見える。これは、IT9302がIR APの生産を誘導し、それが次に受容体を介してIL−1の活性を遮蔽すること によってIL−1誘導によるIL−8の産生を阻害することを意味するとするこ とができる。もしIT9302が直接IL−8の産生を阻害するのであれば、 IL−1の添加1時間前に培養物にIT9302を添加すればIL−8の産生を 阻害することが予想されたであろうが、実際はそうではない(データは示してい ない)。したがって、IT9302による観察されたIL−8産生の阻害はIL −8産生を直接阻害するというよりもIRAPの産生を誘導したことによるよう に思われる。IT9302のこれらの作用はまた、hIL−10についても見い だされており、IT9302がIL−10と同様の活性を有することを示してい る。IT9302はまたCD4+ T細胞がIL−8に対する応答として遊走す る能力を抑制する点でもIL−10活性と類似している。IL−8は多くの異な る炎症状態に関係しており、CD+4 T細胞は、皮膚アレルギーのようなT細 胞-媒介免疫性炎症の初期の浸潤物中に現れるので、この性質は、T細胞媒介免 疫性炎症をコントロールするための重要な治療価値を有することが証明されるか もしれない。 また示されたIT9302のCD8+ T細胞化学走化性活性はIL−10の それと平行しており、したがってIT9302はT細胞媒介免疫性炎症の終結に 寄与する抑制活性をもったT細胞集団を活性化するかもしれない。したがって、 IL−10および/またはIRAPも治療的価値を有している病気の場合には、 上記で示した実施例のIT9302は、治療的価値を有している。加えて、IL −10および/またはMCAFまたはIL−1が発病性役割を有している病気の 場合には、IT9302は治療的価値を有しているかもしれない。実施例 9 IT9302およびIL−10はCD4+ Tリンパ細胞におけるIL-4の産生 を誘導する 背景 IL−10と同様、IL−4はTH2タイプのCD4+ T細胞の産生物である 。組換体ヒトIL−10は培養されたヒトCD4+ T細胞によるIL−4の産 生を誘導することが観察された。これは、それ自身の免疫抑制機能に加えて、I L−10はまた他の免疫抑制物質サイトカイン、IL−4の産生を誘導すること を意味する。したがって、IT9302もまたCD4+ T細胞によるIL−4 の産生を誘導するかどうかを試験した。 このように、「T細胞化学走化のための方法」に記載されたようにして精製し、 “CD4+ Tリンパ細胞によるIL−4産生の測定”のセクションに記載され たようにして培養したCD4+ T細胞をIT9302(10ng/ml)また はIL−10(100ng/ml)によって3日間刺激した。サイトゾルフラク ションを集めて、ウェスタン・ブロッティング(図11)およびヤギの抗-ヒト IL−4ポリクローナル抗体を用いてそのIL−4含量を解析した。 図11に示されているように、IL−10およびIT9302は、培養された 正常なヒトCD4+ T細胞によりIL−4の産生を誘導することが観察された 。実施例 10 IT9302は混合白血球反応(MLR)中のTNF-αの産生を阻害する 混合白血球反応は部分的に、反応中のTNF-αの産生に依存することが示さ れてきている。IT9302はMLRをそれほど減少させないで、MLR中のT NF-αの産生をかなり減少させることがわかった。 このように、MLRは、ヒト白血球を精製し次いで同種異系のドナーからの細 胞100万個/mlを4日間培養して行った。培養が完了する前に、ひとつの細 胞群を2分間β線照射した。サイトゾル蛋白質フラクションを「CD4+ Tリ ンパ細胞によるIL−4産生の測定」のセクションに記載されたようにして精製 し、うさぎの抗−ヒトTNF-α抗体を用いてウェスタン・ブロッティングを行 った。 図12に示されているように、ヒト混合白血球反応中にTNF-αの産生にお けるかなりの減少が観察された。実施例 11 ブタのLPS誘導ショックおよび白血球減少症のIT9302を用いた調節 IT9302が、TNF-αおよびIL-8を含むサイトカイン産生を調節する ことが見いだされ、ブタのIL-10の公表された配列(ブランコ(Bolan cho)他、1995年)(参照:COOH末端ペプチドに対する同一性に関す る図2)によって支持されて以来、IT9302がブタにおけるLPS誘導白血 球減少症の過程を調節することができるかどうかを試験した(図13)。 予備試験では、0.1mg/kgのIT9302を静脈注射することにより、 2μg/kgのLPSをブタ(N=3)に静脈注射した作用をどのように調節さ れるかを試験した。IT9302はLPS注射の30分前に注射し、図13に記 載の通り血液試料を抜き出した。全白血球数および微分細胞数を測定し、好中球 白血球の全数をこれらの結果から計算した。 示したように、LPS注射により一時的なロイコペニアが起こることが観察さ れた。しかし図に示されるように、IT9302の注射により白血球減少が予防 された。実施例 12 合成ポリペプチドIT9302に対する抗体 合成ポリペプチドIT9302の95%以上の高純度のものをケム・エン・テ ック(Kem-En-Tec)社〔コペンハーゲン、デンマーク〕から購入した。 このポリペプチドはまたメーカーによりキーホール・リンペット・ヘモシアニン (Keyhole Limpet Hemocyanin;KLH)に結合されて いる。可溶性のIT9302/KLHはポリペプチド単独よりもより免疫原性が あり(immunogenic)、ELISAまたはウェスターンブロッティン グのコントロール蛋白質として用いることもできる。ウサギの免疫 KLHに結合し、完全なフロイント(Freund)の補助薬と一緒にエマル ジョンとした250μgのIT9302を、腹孔内および皮下注射用として用い た。注射は2週間間隔で4回繰り返し、ウサギはその後8日目と12日目に採血 した。その後、不完全フロイント補助薬中にIT9302/KLHの250μg を補助注射として、皮下注射で1カ月間隔で投与した。ドット-ブロット イミュ ノアッセイまたはウェスタン・ブロッティングによりIT9302抗体の形成を 試験した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 39/395 9356−4H C07K 16/24 9358−4B C12P 21/08 C07K 7/06 9051−4C A61K 37/02 ADU 14/52 ABD 16/24 ADY // C12P 21/08 AED (C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,CZ,DE,DK,EE,ES,FI ,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LU,LV,M D,MG,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SK, TJ,TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒトインターロイキン10以外のポリペプチドであって、以下の性質: a)ヒト単球によるIL−8の自発産生阻害の誘導、 b)ヒト末梢血液単核球(PBMC)によるIL−1β誘導性IL−8産生の阻 害の誘導、 c)ヒト単球によるインターロイキン−1受容体アンタゴニスト様タンパク質( IRAP)産生の誘導、 d)インビトロにおけるCD8+ヒトTリンパ球の化学走化性遊走の誘導、 e)rhIL−10に対する非反応を誘導する、ヒトCD8+T細胞の脱感作、 f)IL−8によるCD4+ヒトT白血球の化学走化反応の抑制、 g)MCAF/MCP−1に対するヒト単球の化学走化性反応の抑制、 h)ヒトIL−10と異なり、ヒト単球上へのクラスII MHCの発現を阻害し ない、 i)正常ヒトCD4+T培養細胞のIL−4産生の誘導、 j)ヒト混合リンパ球反応におけるTNFαの産生の減少 の少なくとも一つを有するポリペプチド。 2.下式: (式中、X4およびX5はそれぞれ独立してMet、Ile、LeuおよびValからなる群か ら選択される、X6はAsp、GlnおよびGluからなる群から選択される) で示される構造を有するポリペプチド。 3.下式: (式中、X3、X4およびX5はそれぞれ独立してMet、Ile、LeuおよびValからな る群から選択される、X6はAsp、GlnおよびGluからなる群から選択される) で示される構造を有するポリペプチド。 4.下式: (式中、X2はTyrまたはPheである、X3、X4およびX5はそれぞれ独立してMet 、Ile、LeuおよびValからなる群から選択される、X6はAsp、GlnおよびGluから なる群から選択される) で示される構造を有するポリペプチド。 5.下式: (式中、X1はAlaまたはGlyである、X2はTyrまたはPheである、X3、X4および X5はそれぞれ独立してMet、Ile、LeuおよびValからなる群から選択される、X6 はAsp、GlnおよびGluからなる群から選択される) で示される構造を有するポリペプチド。 6.X1がAlaである、請求項2〜5いずれかに記載のポリペプチド。 7.X1がGlyである、請求項2〜5いずれかに記載のポリペプチド。 8.X2がTyrである、請求項2〜7いずれかに記載のポリペプチド。 9.X2がPheである、請求項2〜7いずれかに記載のポリペプチド。 10.X3がMetである、請求項2〜9いずれかに記載のポリペプチド。 11.X3がIleである、請求項2〜9いずれかに記載のポリペプチド。 12.X3がLeuである、請求項2〜9いずれかに記載のポリペプチド。 13.X3がValである、請求項2〜9いずれかに記載のポリペプチド。 14.X4がMetである、請求項2〜13いずれかに記載のポリペプチド。 15.X4がIleである、請求項2〜13いずれかに記載のポリペプチド。 16.X4がLeuである、請求項2〜13いずれかに記載のポリペプチド。 17.X4がValである、請求項2〜13いずれかに記載のポリペプチド。 18.X5がMetである、請求項2〜17いずれかに記載のポリペプチド。 19.X5がIleである、請求項2〜17いずれかに記載のポリペプチド。 20.X5がLeuである、請求項2〜17いずれかに記載のポリペプチド。 21.X5がValである、請求項2〜17いずれかに記載のポリペプチド。 22.X6がAspである、請求項2〜21いずれかに記載のポリペプチド。 23.X6がGlnである、請求項2〜21いずれかに記載のポリペプチド。 24.X6がGluである、請求項2〜21いずれかに記載のポリペプチド。 25.請求項2〜24いずれかに記載のアミノ酸配列を有する物質またはポリ ペプチド。 26.ヒトIL−10のサブ配列または配列を含有し、vIL−10に対する ホモロジーが66%であり、mIL−10に対するホモロジーが44%である、 ポリペプチド。 28.以下の群: からなる群より選択される、ポリペプチド。 29.実質的に純粋な形態である、請求項1〜28いずれかに記載の物質また はポリペプチド。 30.請求項2〜29いずれかに記載のポリペプチドをコードするヌクレオチ ド配列。 31.請求項1〜29いずれかに記載の物質またはポリペプチドに対して特異 的に結合する抗体。 32.配列番号1のアミノ酸配列を有するポリペプチドに特異的に結合する抗 体。 33.ポリクローナル抗体である、請求項31または32いずれかに記載の抗 体。 34.モノクローナル抗体である、請求項31または32いずれかに記載の抗 体。 35.請求項1のa)からg)に記載の活性の1または複数を中和することが できる請求項31〜34いずれかに記載の抗体。 36.請求項1のa)からj)に記載の活性の1または複数を中和することが でき、モノクローナル19F1ではない物質。 37.請求項36記載の物質を含有する医薬組成物。 38.請求項36記載の物質の、高濃度のhIL−10および/またはvIL −10を減少もしくは中和するための使用。 39.卵巣癌および/またはエイズの治療または予防のための医薬組成物を製 造するための請求項36記載の物質の使用。 40.卵巣癌および/またはエイズの処置が必要な患者に対して、請求項36 記載の物質の治療または予防有効量を投与することを含む、卵巣癌および/また はエイズを予防および/または治療する方法。 41.hIL−10アンタゴニスト活性を有する物質の、卵巣癌および/また はエイズの治療または予防のための医薬組成物の製造のための使用。 42.卵巣癌および/またはエイズの処置が必要な患者に対して、hIL−1 0アンタゴニスト活性を有する物質の治療または予防有効量を投与することを含 む、卵巣癌および/またはエイズを予防および/または治療する方法。 43.請求項1〜29いずれかに記載の物質またはポリペプチドを含有する医 薬組成物。 44.表3に示した疾患の1または複数の治療への、請求項1〜29いずれか に記載の物質またはポリペプチドの使用。 45.表3に示した疾患の1または複数を治療するための医薬組成物の製造の ための、請求項1〜29いずれかに記載の物質またはポリペプチドの使用。 46.卵巣癌および/またはエイズの処置が必要な患者に対して、請求項1〜 29いずれかに記載の物質またはポリペプチドの治療または予防有効量を投与す ることを含む、卵巣癌および/またはエイズを予防および/または治療する方法 。
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