JPH10503187A - コルチコトロピン放出因子−結合タンパク質インヒビターおよびその使用 - Google Patents

コルチコトロピン放出因子−結合タンパク質インヒビターおよびその使用

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JPH10503187A
JPH10503187A JP8505177A JP50517796A JPH10503187A JP H10503187 A JPH10503187 A JP H10503187A JP 8505177 A JP8505177 A JP 8505177A JP 50517796 A JP50517796 A JP 50517796A JP H10503187 A JPH10503187 A JP H10503187A
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ドミニク ピー. ベハン,
フィリップ ジェイ. ローリー,
ウィリー ダブリュー. ジュニア バール,
スティーブン シー. ヘインリッヒ,
スティーブン ダブリュー. サットン,
ジーン イー. エフ. リビア,
エロル デサウザ,
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ザ ユニバーシティ オブ レディング
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Abstract

(57)【要約】 脳内の遊離コルチコトロピン放出因子(CRF)のレベルは、CRF/CRF結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターの患者への投与により上昇する。リガンドインヒビターは、CRF結合タンパク質に結合し、CRFの放出を引き起こす。リガンドインヒビターはCRFまたは関連タンパク質由来のペプチド、あるいは非ペプチドであり得る。リガンドインヒビターの投与は学習および記憶の改善を提供し得、食物摂取の減少を生じ、あるいは脳内の低レベルのCRFに関連する病気、特にアルツハイマー病の処置を提供し得る。哺乳動物へのインビボ投与に特に有効なCRFアンタゴニストを選択するための化合物のスクリーニング方法もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 コルチコトロピン放出因子−結合タンパク質インヒビターおよびその使用 本発明のいくつかの局面は、米国国立衛生研究所により付与された認可番号DK -26741およびHD-13527の下で政府の支援を受けた。政府は、本発明に一定の権利 を有する。the University of Readingおよびthe Medical Research Council of Great Britainが本出願に対して一定の権利を有する。関連出願の引用 本出願は、1994年7月15日に出願された米国特許出願第08/276,240号の一部継 続出願である。技術分野 本発明は、一般に、神経ペプチドの内因性レベルを上昇させる方法に関し、そ して詳細には、脳内のコルチコトロピン放出因子レベルを上昇させる方法に関す る。発明の背景 最近の臨床データは、CRFが神経精神疾患、およびアルツハイマー病のような 神経変性疾患に関連していることを示している。アルツハイマー病は、進行性の 記憶喪失および痴呆をもたらす神経変性脳疾患である。最近の見積りによると、 合衆国において200万人を超える個体がこの病気にかかっている。特に、いくつ かの系列の証拠は、CRFがアルツハイマー病(AD)に関連していることを示して いる。第1に、CRFが劇的に(50%以上)減少し、(Bissetteら、JAMA 254:3067 、1985;DeSouzaら、Brain Research 397:401、1986;Whitehouseら、Neurology 37:905、1987;DeSouza、Hospital Practice 23:59、1988;Nemeroffら、Regul .Peptides 25:123、1989)、そしてADで影響を受ける大脳皮質領域のCRFレセプ ターが逆に増加する(DeSouzaら、1986;DeSouza、1988)が、CRFもCRFレセプタ ー もいずれも皮質の影響を受けない領域では量は変化しない(DeSouzaら、1986) 。第2に、化学的親和性架橋研究は、ADにおいて大脳皮質で増加したCRFレセプ ター集団は正常な生化学的特性を有することを示す(Grigoriadisら、Neurophar macology 28:761、1989)。さらに、脳脊髄液におけるCRF濃度の低下が観察され ること(Mouradianら、Neural Peptides 8:393、1986;Mayら、Neurology 37:53 5、1987)は、神経精神学的損傷の等級全体に有意な相関関係があり、これは、 より大きな認識損傷が脳脊髄液中のより低いCSF濃度に関連することを示唆する (Pomaraら、Biological Psychiatry 26:500、1989)。 痴呆の処置のために利用可能な治療は非常に限定されている。最近承認された 薬物であるTacrineTMは、アルツハイマー患者においてかろうじて記憶の改善を 生じるにすぎず、そして肝酵素を上昇させる望ましくない副作用を有する。 脳CRF含量の変化はまた、パーキンソン病および進行性核上麻痺においても見 出されており、これらはADとともに一定の臨床的および病理学的特徴を共有する 神経学的疾患である。パーキンソン病の場合は、CRF含量は減少し、そしてADの 症例に類似の染色パターンを示す(Whitehouseら、1987;DeSouza、1988)。進 行性核上麻痺の場合は、CRFは、前頭葉、側頭葉、および後頭葉においてコント ロール値の約50%に減少する(Whitehouseら、1987;DeSouza、1988)。 いくつかの鬱疾患もまたCRFのレベルの減少と関連する。季節性鬱病の鬱状態 の患者および慢性疲労症候群の患者は、脳脊髄液においてCRFのより低いレベル を示す(Vanderpoolら、J.Clin.Endocrinol.Metab.73:1224、1991)。 場合によって鬱病は高い改善率を有し、そして多くの場合は結果的に自己限定 性であるが、患者の回復速度に主要な差異がある。治療の主要な目標は、徴候の 強度を低減させてこのタイプの鬱病の回復速度を促進すること、ならびに再発お よび回帰を防止することである。代表的には抗鬱剤が投与されるが、重篤な副作 用(例えば、フルオキセチンによる自殺行動、ブプロピオンによる痙攣)が生じ 得る。(Klermanら、Clinical Evaluation of Psychotropic Drugs: Principles and Guidelines、R.F.PrienおよびD.S.Robinson(編)、Raven Press,Ltd.N. Y.、1994、281頁を参照のこと)。 低いCRFレベルにより示されるようなストレス系の機能低下は、他の疾患にお いても同様に役割を果たし得る。例えば、肥満症のいくつかの形態は、機能低下 した視床下部-下垂体-副腎軸によって特徴づけられ(Kopelmanら、Clin.Endocr inol(Oxford)28:15、1988;Berniniら、Horm.Res.31:133、1989)、外傷後 ストレス症候群の患者は低いコルチゾル排泄を有し(Masonら、J.Neu.Men.Di s.174:145、1986)、そして禁煙中の患者はアドレナリンおよびノルアドレナリ ンの排泄の減少、ならびに血中のコルチゾル量の減少を有する(Westら、Psycho pharmacology 84:141、1984;Puddyら、Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.11:42 3、1984)。CRFが視床下部-下垂体-副腎軸の主要なレギュレーターであるので、 これらの発現は全てこれらの疾患におけるCRFの中心的役割を示す。 これらの疾患の処置はあまり有効性がない。例えば、肥満症を処置するために 最も有効なアプローチは、行動変更プログラムである。しかし、目標体重に到達 する参加者はほとんどなく、そして再発率が高い(Halmiら、Clinical Evaluati on of Psychotropic Drugs: Principles and Guidelines、R.F.PrienおよびD.S . Robinson(編)、Raven Press,Ltd.N.Y.、1994、547頁を参照のこと)。 このような疾患および病気の処置における欠点を考慮すると、より有効な処置 が必要とされる。本発明は、低減したCRFレベルと種々の神経生理学に基づく疾 患および病気との相関関係を利用して、遊離CRFのレベルを上昇させることによ りこのような病気を効果的に処置し、そしてさらに他の関連の有利点を提供する 。発明の要旨 本発明は、有効量のCRF/CRF結合タンパク質(CRF/CRF-BP)複合体のリガンド インヒビターを患者に投与することにより、脳内の遊離CRFレベルを上昇させる 方法を提供する。リガンドインヒビターの投与はCRF結合タンパク質からのCRFの 放出を引き起こす。リガンドインヒビターは、CRFの「放出」を引き起こし得る ものであれば、CRF由来のペプチド、CRFに相同なペプチド、またはCRFに関連の ないペプチドであり得る。リガンドインヒビターはまた、天然または合成化学物 質ライブラリーから単離される非ペプチド化合物であり得る。本発明の1つの実 施態様の範囲内では、リガンドインヒビターはh/rCRF(アミノ酸6〜33)、h/rC RF(アミノ酸9〜33)、およびh/rCRFからなる群より選択されるペプチドである 。 関連する局面の範囲内で、治療組成物が提供され、これはリガンドインヒビター を、生理学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせて含有する。 本発明の他の局面の範囲内では、学習および記憶を改善する方法、食物摂取を 減少させる方法、CRF神経回路系(neurocircuitry)を活性化する方法、脳内の低 レベルのCRFに関連する病気を処置する方法、アルツハイマー病に関連する徴候 を処置する方法、肥満症を処置する方法、異型鬱病を処置する方法、分娩後鬱病 を処置する方法、加齢性関連の記憶喪失を処置する方法、および物質乱用の禁断 症状を処置する方法が提供される。このような方法の範囲内では、治療有効量の CRF/CRF結合タンパク質のリガンドインヒビターが、これらの症状の処置のため に患者に投与される。治療用の候補物質を選択するための基準、ならび処置の有 効性を評価する方法を示す。 特定の治療目的を達成する目的で、ヒトCRF-BPに対して高い親和性を有する特 定の薬剤が投与され得ることが見出されている。この薬剤は、CRF-BPとの複合体 形成においてヒトCRFと効果的に競合し、そしてこのようにして、内因性hCRFの 哺乳動物での有効インビボ濃度、および/またはこのような薬剤とともに任意に 投与されるCRFアゴニストまたはCRFアンタゴニストの有効濃度を上昇させる。す なわち、これらの薬剤は、CRF-BPの効果をブロックし、このためCRF-BPが存在す る身体の領域における内因性CRFの濃度を上昇させるために用いられる。より詳 細には、約19〜28残基の間の長さのペプチドは、hCRF-BPに対する高い親和性を 有するが、それ自体がCRFレセプターに結合する傾向が比較的少ないことを示す ことが発見されている。結果として、このようなペプチドは、特定の領域からの 内因性CRFのクリアランスを抑制するために投与され得、それによってインビボ てのCRFの生物学的効果を刺激し、そしてある場合には、CRFまたはCRFアゴニス トとともにこのようなペプチドを投与することが有利であり得る。これらの薬剤 の真の性質は、潜在的な望ましくない副作用が最小化されるかあるいは全体的に 除去されることである。特にCRFアンタゴニストがhCRF-BPに対してかなり高い結 合親和性を有する場合、これらの薬剤はまた標的領域からのいくつかのCRFアン タゴニストのクリアランスを抑制するためにCRFアンタゴニストとともに投与さ れ得る。しかし、その効果は、その他の点でCRF-BPに結合される内因性CRFの放 出によってある程度まで妨げられる。これらの薬剤は、妊娠において分娩を促進 するための、呼吸系を刺激するための、肥満症に対処するための、ならびにアル ツハイマー病および慢性疲労症候群の影響を妨げるための治療処置に有用である ;しかし、これらの適応のいくつかは、薬剤が、脳内に送達されるような方法で 投与されなければならない。 さらに、CRFが天然のCRFレセプターに結合する能力をブロックする能力を決定 するために、そしてこのような候補CRFアンタゴニストとhCRF-BPとの間の結合親 和性を決定するためにも、このような可能性のあるアンタゴニストの二重スクリ ーニングアッセイを行うことにより、特に有効なCRFアンタゴニストをスクリー ニングする方法が提供される。 神経ペプチド結合タンパク質をスクリーニングするための方法もまた提供され る。関連する局面では、神経ペプチド/神経ペプチド結合タンパク質複合体のリ ガンドインヒビター、特にCRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターをスクリー ニングする方法が提供される。1つの実施態様の範囲内では、この方法は、水溶 液中でリガンドインヒビターの存在下でCRFをCRF-BPと接触させる工程、さらに 非イオン性界面活性剤中で混合する工程、非イオン性界面活性剤と水溶液とを分 離する工程、および水溶液中のCRF量を検出し、それによってリガンドインヒビ ターがCRF/CRF-結合タンパク質複合体を破壊するか否かを決定する工程を包含す る。ある実施態様では、混合は非イオン性界面活性剤の曇り点より高い温度で行 われ、そしてオクチルフェノキシポリエトキシエタノールが好適な非イオン性界 面活性剤である。 これらおよび他の局面は以下の詳細な説明および添付の図面を参照にして明ら かになる。図面の簡単な説明 図1は、ヒト由来CRF(hCRF)(配列番号1)およびヒツジ由来CRF(oCRF)( 配列番号4)のアミノ酸配列を示す。 図2は、CRF-BPに結合したCRFおよび遊離CRFのレベルを示すグラフである。CR Fレベルは、アルツハイマー病患者および正常な年齢に適したコントロールから の脳組織において測定した。CRF-BPリガンドインヒビターであるα-ヘリックス ヒツジCRF(9-41)を添加して、または添加しないで、レベルを確立させた。 図3は、正常コントロールまたはアルツハイマー病患者から採取した脳組織の 4つの領域におけるCRF(パネルA)およびCRF-BP(パネルB)のレベルを示す グラフである。 図4は、ビヒクルまたはCRF(6-33)またはCRF(1-41)の脳室内(ICV)注射後のMor ris水中迷路(water maze)および高架式迷路(elevated plus-maze)のテスト結果 を示す。ラットに対し、7〜10匹のグループで、テストを行う15分前にICV注射 を行った。Morris水中迷路テストでは、プラットフォームに達する時間を記録し た。高架式迷路テストでは、オープンアームにおいて費やされたパーセント時間 を記録した。星印は、統計学的に有意差があることを示す。 図5は、Y迷路テストにおけるラットのテスト結果を示す図である。7〜10匹 のラットのグループに、テストを行う15分前に、ICV注射で0、1、5、または2 5μgのいずれかのCRF(6-33)を与えた。正確な応答のパーセントを測定した。星 印は、統計学的に有意差があることを示す。 図6は、依存症誘導レベルのニコチンの連続注入(依存症期)間および2週間 禁断(禁断症状期)間のラットの体重変化および食物摂取のテスト結果を示す。 体重は、ハッチング棒で示し、グラム表示される;食物摂取は、線で示し、グラ ム表示される。 図7は、リガンドインヒビターであるh/r CRF(6-33)の投与後の食物摂取にお けるニコチン依存症からの禁断症状の影響を示す図である。発明の詳細な説明 本発明を記載する前に、本明細書中で以後に用いられる用語の定義を記載する ことは、本発明を理解するために有用であり得る。 「CRF」は、下垂体からのアドレノコルチコトロピン(ACTH)、β-エンドルフィ ン、および他のプロオピオメラノコルチン(POMC)由来ペプチドの放出を調節する ペプチドのことである。ヒト、ラット、および他の種において、CRFのアミノ酸 配列は決定されており、これを図1に示す(配列番号1)。ラットCRFおよびヒ トCRFのアミノ酸配列は同一であり、そしてこのタンパク質を「h/rCRF」と称す る。「遊離CRF」は、CRF結合タンパク質またはCRFレセプターに複合体化または 結合していないCRFのことである。 「CRF結合タンパク質」(CRF-BP)は、ヒト血漿中の可溶性因子として存在する か、または細胞膜と結合して存在する1つまたは複数のタンパク質のことである 。これは、以下の2つの方法のうち一方で測定されるように、CRFの機能を阻害 する能力を有する:(1)下垂体培養細胞または灌流ラット下垂体前葉系からのCRF 誘導ACTH放出、または(2)CRFレセプターを有する細胞またはクローン化CRFレセ プターでトランスフェクトした細胞からのCRF誘導cAMP形成。CRF-BPをコードす るcDNAクローンの例は、ヒト肝臓およびラット脳から単離されている(Potterら 、Nature 349:423,1991)。 「CRF/CRF-BP」は、CRFとCRF-BPとの複合体のことである。CRFとCRF-BPとの結 合は、疎水性相互作用、イオン性相互作用、または共有結合相互作用により行わ れ得る。 「ヒトCRF結合タンパク質」(hCRF-BP)は、インビトロおよびインビボにおいて 、hCRFを特異的に結合することにより、ACTH分泌促進物質としてのhCRFを不活性 化する37kDa血清タンパク質のことである。ヒトCRF-BPは、hCRFに対して高い親 和性を有し、そしてoCRFに対して低い親和性を有する。これにより、hCRF-BPが 、末梢血漿hCRFの除去を促進させることが示唆される。hCRFは、hCRF-BPに結合 されたとき、インビトロおよびインビボにおいて、ACTHを刺激する能力を喪失す る。C末端が主にレセプター親和性の原因となるが、CRFの最初の8アミノ酸が レセプター活性化に関与していると考えられる。hCRF-BPは、中央部のドメイン に結合することにより、hCRFが副腎皮質刺激ホルモン産生細胞を刺激することを 防ぐようであり、このためリガンドがレセプターと相互作用できず、ACTH放出が 起こらない。CRF/CRF 結合タンパク質のリガンドインヒビター 上述したように、本発明は、CRFがCRF-BPから放出されるように、有効量のCRF /CRF-BP複合体のリガンドインヒビターを投与することにより、脳内の遊離CRFレ ベルを増加させる方法を示す。 「CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビター」は、可逆性または不可逆性のい すれかの様式でCRFを置換する。置換は、結合CRF分子が遊離CRFになるようにす ることにより、起こり得る。さらに、リガンドインヒビターの結合は、ヒトhCRF -BPへの高い親和性のために遊離CRFのCRF-BPへの結合を阻害し得、hCRF-BPへの 結合に関して内因性CRFと競合する。CRFの可逆性または不可逆性の置換は、CRF 結合部位に直接結合するリガンドインヒビターによるか、またはCRF結合部位で はない部位に結合し、結合CRFのアロステリック置換を引き起こすリガンドイン ヒビターにより、媒介され得る。リガンドインヒビターは、CRFまたはCRF関連配 列に由来するペプチド、または結合CRFの置換を引き起こすように設計されたラ ンダムペプチドであり得る。さらに、リガンドインヒビターは、小分子の天然ラ イブラリーに由来する非ペプチド分子、天然分子の合成アナログ、CRF/CRF-BP結 合複合体の物理的特性に基づいて特異的に設計された小分子、または他のリガン ドインヒビターであり得る。リガンドインヒビターはまた、投与化合物の代謝産 物であり得る。リガンドインヒビターは、CNSにより投与されるか、または全身 投与されて、脳に到達できるものでなければならない。好ましくは、リガンドイ ンヒビターの特性は、そのインヒビターがCRFレセプターで低い親和性のアンタ ゴニストである(Ki≧1μM)か、またはCRF結合タンパク質に対する100倍の 選択性を有する(Ki≦10nM)ような特性である。CRF-BPリガンドインヒビター はまた、CRFレセプターで幾分かの中程度のアゴニスト活性を示し得る(Ki≧50 nM)。 CRF-BPに結合し、かつ内因性CRFを置換するペプチド配列は、CRFペプチド配列 、CRF関連ペプチド配列、または非関連ペプチド配列に由来し得る。長さ約19お よび28残基の間の比較的短いペプチドが、hCRF-BPに競合的に結合するのに有効 であり、同時にCRFレセプターに対して非常に低い親和性を示すことが分かって いる。結果として、この特定のペプチド群は、hCRF-BPに結合するが、CRFレセプ ターには実質的に結合せず、かつ/またはこのレセプターと相互作用しない。単 独で与えられる場合、これらのペプチドは、内因性遊離CRFの量を増加させる効 果を有する。このことは、CRFレセプターと相互作用し得る状態を維持する。従 っ て、これらのペプチドが用いられて、特定の領域または身体器官における内因性 CRFの効果を確実にするかまたは増大させ得る。これらのペプチドは、カクテル においてCRFレセプターのアゴニストまたはアンタゴニストと共に与えられる場 合、同様に、これらの物質の効率を増大させるために用いられ得る。しかし、CR Fアンタゴニストとの投与は、内因性CRFの放出により幾分か中和される。CRF関 連タンパク質の例は、ウロテンシン(urotensin)およびソーバギン(sauvagine)を 含む。好ましいペプチドは、h/rCRFに由来するペプチドである。この点において 、多くの異なるペプチドが、内因性結合CRFを置換するために、本発明の情況内 で用いられ得る。このようなペプチドは、αヘリックスoCRF(ヒツジCRF)(9-41 )(括弧内の数はアミノ酸を指す)、h/rCRF(6-33)、h/rCRF(9-33)、ウロテンシ ンI、ソーバギン、およびh/rCRFである。好ましいペプチドは、h/rCRF(6-33)、 h/rCRF(9-33)、およびh/rCRF(1-41)OHである。これらのペプチドは、適当な親和 性でCRF-BPに結合するがCRFレセプターには結合しないからである。C末端の遊 離酸(OH)は、天然CRFにおいて見出されるアミド化よりも、特に好ましい。h/rCR FのC末端アミノ酸の脱アミド化は、CRF-BPに対する結合親和性に影響を与えな いが、CRFレセプターに対するh/rCRFの親和性を大きく減少させる。これらの因 子のN末端は、アシル化による分解(例えば、アセチル(Ac)による)に対して保 護され得、このような修飾ペプチドは等価物であるとみなされる。CRFレセプタ ーと有意に相互作用することなくCRF-BPに結合することが見出されたCRFの最小 配列は、アミノ酸9〜33である。特に、アミノ酸残基22〜25は、CRF-BPへの結合 において重大な役割を果たしているようである。 他のペプチドは、上記ペプチドシリーズに対する相同性に基づいて設計され得 る。上述したように、ペプチドを設計する場合には、C末端アミノ酸は遊離酸基 を含有することが好ましい。図1は、既知のCRFおよびCRF関連分子のアミノ酸配 列の比較を示す。上述したように、残基9〜33は、CRF-BPへの結合に必要とされ る最小配列を含み、そして残基22、23、および25は、結合において重大な役割を 果たしていると考えられる。ペプチドの設計において好ましい指針は、残基22に 相当するアミノ酸残基はアラニンであり、残基23に相当するアミノ酸残基は塩基 性アミノ酸(アルギニンまたはリジン)であり、そして残基25に相当するアミノ 酸残基はグルタミン酸である。 適切なペプチドの例は、以下の配列を有するヒトCRFのフラグメント、すなわ ちhCRF(1-41)を含む: Ser-Glu-Glu-Pro-Pro-Ile-Ser-Leu-Asp-Leu-Thr-Phe-His-Leu-Leu-Arg-Gl u-Val-Leu-Glu-Met-Ala-Arg-Ala-Glu-Gln-Leu-Ala-Gln-Gln-Ala-His-Ser-Asn-Ar g-Lys-Leu-Met-Glu-Ile-Ile(配列番号1)。 用いられる1つの好ましいフラグメントは、以下の配列を有するhCRF(6-33)で ある:Ile-Ser-Leu-Asp-Leu-Thr-Phe-His-Leu-Leu-Arg-Glu-Val-Leu-Glu-Met-Al a-Arg-Ala-Glu-Gln-Leu-Ala-Gln-Gln-Ala-His-Ser(配列番号1)。このフラグ メントは、配列において残基を除去することにより、N末端で4残基まで、かつ /またはC末端で5残基まで短縮され得る。このフラグメントは、例えば、hCRF (9-33)、hCRF(6-30)、およびhCRF(8-29)である。代わりに用いられ得る他のペプ チドの例は、例えば、以下のようなhCRF(6-33)アナログを含む:[Nle21]-hCRF(6 -33)、[Nle21]-hCRF(9-33)、[Ile24]-hCRF(6-33)、[Asn26]-hCRF(6-33)、[Nle18 ,21 ]-hCRF(6-33)、[Ile27]-hCRF(6-33)、[Va28]-hCRF(6-33)、[Asn29,30]-hCRF( 6-33)、[Lys16]-hCRF(6-33)、[Asp17]-hCRF(6-33)、[Leu12]-hCRF(6-33)、[Arg1 3 ]-hCRF(6-33)、[Glu9]-hCRF(6-33)、[Va31]-hCRF(6-33)、[Thr33]-hCRF(6-33) 、[Arg32]-hCRF(6-33)、[Ile10]-hCRF(6-33)、および[Ile14]-CRF(6-33)。 この目的において用いられ得る他のペプチドは、以下の配列(配列番号2)に より定義される:Xaa4-Xaa5'-Xaa6-Xaa7-Xaa8-Xaa9-Xaa10-Xaa11-Xaa12-Xaa13-X aa14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Xaa21-Ala-Xaa23-Xaa24-Glu-Xaa26 -Xaa27-Xaa28-Xaa29-Xaa30-Xaa31-Xaa32-Xaa33または生物学的に活性なそれらの フラグメント。このフラグメントは、配列中でN末端から1〜8残基、または配 列中でC末端から1〜5残基、またはその両方の欠失により形成される。ここで 、Xaa23は、ArgまたはLysであり、Xaa24は、Ala、Ile、Asn、Met、Nle、またはL euであり、そして残りの各Xaaは、ヒトCRF(1-41)においてそれぞれの位置に存在 する残基、または別の天然に存在するアミノ酸、好ましくは天然に存在する残基 の保存的置換を表す。 別の好ましいペプチド群は、以下の配列(配列番号2)により定義される:Xa a4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8-Xaa9-Xaa10-Xaa11-Xaa12-Xaa13-Xaa14-Xaa15-Xaa16-Xa a17-Xaa18 -Xaa19-Xaa20-Xaa21-Ala-Xaa23-Xaa24-Glu-Xaa26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-Xaa30-Xaa31 -Xaa32-Xaa33、および生物学的に活性なそれらのフラグメント。このフラグメ ントは、配列中でN末端から1〜8残基、または配列中でC末端から1〜5残基 、またはその両方の欠失により形成される。ここで、Xaa6はIle、Met、Leu、ま たはNleであり;Xaa8は、LeuまたはIleであり;Xaa14は、Leu、Met、またはNle であり;Xaa17は、GluまたはAsnであり;Xaa18は、Val、Met、Leu、またはNleで あり;Xaa19は、LeuまたはIleであり;Xaa20は、GluまたはHisであり;Xaa21は 、Met、Leu、Nle、またはArgであり;Xaa23は、ArgまたはLysであり;Xaa24は、 Ala、Ile、Asn、Met、Nle、またはLeuであり;Xaa26は、Gln、ASn、またはGlyで あり;Xaa27は、Leu、Glu、またはGlnであり;Xaa28は、AlaまたはArgであり;X aa29は、GlnまたはGluであり;Xaa32は、His、Glu、またはLeuであり;Xaa33は 、Ser、Leu、またはIleであり;そして残りの各Xaaは、ヒトCRF(1-41)において それぞれの位置に存在する残基、または別の天然に存在するアミノ酸、好ましく は天然に存在する残基の保存的置換を表す。好ましくは、2〜5残基までがN末 端から欠失される。最も好ましくは、Xaa7は、Serであり、Xaa9は、Aspであり、 Xaa10は、Leuであり、Xaa11は、Thrであり、Xaa12は、Pheであり、Xaa13は、His であり、Xaa15は、Leuであり、Xaa16はArgであり、Xaa30はGlnであり、そしてXa a31は、Alaである。 別の好ましいペプチド群は、以下の配列(配列番号3)により定義される:Pr o-Pro-Ile-Ser-Xaa8-Asp-Leu-Thr-Phe-His-Leu-Leu-Arg-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Glu -Xaa21-Ala-Arg-Xaa24-Glu-Xaa26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-Gln-Ala-Xaa32-Xaa33、ま たは生物学的に活性なそれらのフラグメント。このフラグメントは、配列中でN 末端から1〜8残基、または配列中でC末端から1〜5残基、またはその両方の 欠失により形成される。ここで、Xaa8は、LeuまたはIleであり;Xaa17は、Gluま たはAsnであり;Xaa18は、Val、Met、Leu、またはNleであり;Xaa19は、Leuまた はIleであり;Xaa21は、Met、Leu、またはNleであり;Xaa24は、Ala、Ile、また はAsnであり;Xaa26は、GlnまたはAsnであり;Xaa27は、Leu、Glu、またはGlnで あり;Xaa28は、AlaまたはArgであり;Xaa29は、GlnまたはGluであり;Xaa32は 、HisまたはGluであり;そしてXaa33は、SerまたはLeuである。 後者の群のうち、hCRFの上述のフラグメント以外に特に好ましいペプチドは、 以下のアナログを含む: [Ile8,19,24、Asn17,26、Met18、Glu27,29、Arg28、Gly32、Leu33]-hCRF(6-33) [Asn17,26、Nle18、Ile19,24、Glu27,29、Arg28、Gly32、Leu33]-hCRF(9-33) [Ile8,19,24、Asn17,26、Met18、Glu27、Arg28]-hCRF(4-28) [Ile19,24、Asn17,26、Nle18、Glu27、Arg28]-hCRF(7-31) [Ile8,19、Asn17,24,26、Met18、GLN27、Arg28、Glu29、Gly32、Leu33]-hCRF(6- 33) [Asn17,24,26、Met18、Ile19、Gln27、Arg28、Glu29、Gly32、Leu33]-hCRF(9-33 ) [Ile8,19、Asn17,24,26、Met18、Gln27、Arg28]-hCRF(8-28) [Ile8,19、Asn17,24,26、Nle18、Gln27、Arg28、Glu29、Gly32]-hCRF(8-32) [Ile8,19、Asn17,24,26、Nle18、Gln27、Arg28、Glu29、Gly32]-HCRF(8-32) [Met6,14,18,24、Ile8,19,33、Asn17、His20、Arg21,28、Lys23、Gly26、Glu27, 29 、Leu32]-hCRF(6-33) [Ile8,19,33、Met14,18,24、Asn17、His20、Arg21,28、Lys23、Gly26、Glu27,29 、Leu32]-hCRF(9-33)。 [Nle6,14,18,24、Ile8,19,33、Asn17、His20、Arg21,28、Lys23、Gly26、Glu27, 29 、Leu32]-hCRF(6-33)。 [Ile8,19、Nle14,18,24、Asn17、His20、Arg21,28、Lys23、Gly26、Glu27,29]-h CRF(8-30)。 ペプチド命名法は、SchroderおよびLubke,「The Peptides」、Academic Pres s(1965)に見出され得、ここでは、従来の表示に従って、アミノ基を左側に、そ してカルボキシル基を右側に記載する。標準的な3文字表記を用いてαアミノ酸 残基を同定し、そしてこのアミノ酸が異性体を有する場合、他に何も示されてい ない限り、表示アミノ酸はL型である。例えば、Ser=L-セリン、Orn=L-オルニ チン、Nle=L-ノルロイシン、Nva=L-ノルバリン、Har=L-ホモアルギニン、お よびCML=L-CαMeLeu。 ペプチドは、適切な方法により合成される。この方法としては、もっぱら固相 合成によるか、部分的固相合成によるか、フラグメント縮合によるか、または古 典的な解離付加(solution addition)による。ペプチドの化学合成は、適切な保 護基での種々のアミノ酸部分の不安定側鎖基の保護を用い、その部位で起こる化 学反応を防ぎ、最後にこの基を除く。ほとんどの方法はアミノ酸またはフラグメ ント上のαアミノ基を保護し、一方その保護したものはカルボキシル基で反応し 、次いでこのαアミノ保護基を選択的に除去することにより、次の反応をその位 置で生じさせる。このような代表的なペプチド合成の例は、米国特許第5,235,03 6号(1993年8月10日発行、この開示内容は本明細書中に参考として援用される )において提供される。 hCRF(6-33)およびhCRF(9-33)のようなペプチドならびに上記に特に述べた他の アナログは、米国特許第4,489,163号(この開示内容は、本明細書中に参考とし て援用される)に記載のように、固相法を用いて手動で合成されるか、またはBe ckman Model 990ペプチド合成機で自動合成される。簡単に述べれば、第3級ブ トキシカルボニル(Boc)をαアミノ保護のために用い、そしてTFA-CH2Cl2(3:2)を 脱保護のために用いる。標準的カップリングは、1,3-ジイソプロピルカルボジイ ミド(DIC)により媒介され、一方困難なカップリングは、2-(1H-ベンゾトリアゾ ール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸(HBTU)を 用いて達成される。保護化ペプチド樹脂は、3%硫化メチルの存在下で無水フッ 化水素酸(HF)を用いて開裂され、HFは、真空下で続けて除去される。粗ペプチド は、多段階逆相HPLCを用いて精製される。 ポリペプチドアナログは、本明細書中に特に示される配列と実質的に同一のア ミノ酸残基配列を有する任意のポリペプチドを含む。このポリペプチドでは、1 つまたはそれ以上の残基が、上述した位置において、別のアミノ酸残基と置換さ れている。保存的置換は、そのポリペプチドが遊離CFRの増加を引き起こす能力 を(例えば、CRF-BPに強く結合することにより)示すのであれば、機能的に類似 する側鎖を有する残基を用いて行われ得る。保存的置換の一般的な例は、ある非 極性(疎水性)残基(例えば、イソロイシン、バリン、アラニン、グリシン、ロ イシン、またはメチオニン)と別の残基を置換すること;ある極性(親水性)残 基と別の残基を置換すること(例えば、リジンのアルギニンへの置換、アスパラ ギンのグルタミンへの置換、セリンのトレオニンへの置換);ある塩基性残基( 例えば、リジン、アルギニン、またはヒスチジン)と別の残基を置換すること; およびある酸性残基(例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸)と別の残基 を置換することを含む。表現「保存的置換」はまた、そのようなポリペプチ ドが所望の結合活性を示すのであれば、非誘導化残基の代わりに化学的誘導化残 基を用いることも含む。上述したように、このような保存的置換は、残基Xaa6〜 Xaa21およびXaa26〜Xaa33の1つまたはそれ以上の残基について行われ得る;好 ましい保存的置換の例を以下の表1に示す。 「化学的誘導体」とは、官能性側鎖の反応により化学的に誘導体化される1つ 以上の残基を有する対象ポリペプチドをいう。このような誘導体化分子としては 、例えば、遊離アミノ基が誘導体化され、アミン塩酸塩、p-トルエンスルホニル 基、カルボベンゾキシ基、t-ブチルオキシカルボニル基、クロロアセチル基また はホルミル基を形成する分子が挙げられる。遊離カルボキシル基は誘導体化され 、塩、メチルエステルおよびエチルエステルあるいは他のタイプのエステルまた はヒドラジドを形成し得る。遊離ヒドロキシル基は誘導体化され、O-アシル誘導 体またはO-アルキル誘導体を形成し得る。ヒスチジンのイミダゾール窒素は誘導 体化され、N-im-ベンジルヒスチジンを形成し得る。化学的誘導体はまた、標準 のアミノ酸の天然に存在するアミノ酸誘導体の1つ以上を含有するペプチドを包 含する。例えば、プロリンは、4-ヒドロキシプロリンで置換され得、リジンは、 5-ヒドロキシリジンで置換され得、ヒスチジンは、3-メチルヒスチジンで置換さ れ得、セリンは、ホモセリンで置換され得、そしてリジンは、オルニチンで置換 され得る。 さらに、ランダムペプチドが合成され、続いてスクリーニングされ、以下によ り詳細に議論するように、CRF/CRF-BP複合体由来のCRFの置換の機能的基準を満 足するペプチドを同定し得る。ランダムペプチドは、生物学的方法によるか、ま たは組合わせ化学技術により生成され得る(Gallopら、J.Med.Chem.37:1234、1 994を参照のこと)。 ランダムペプチドを生成する生物学的方法としては、少なくとも4つの異なる 方法が挙げられる。第1に、ランダムヌクレオチドは、微生物の表面上にペプチ ドを提示するために宿主遺伝子に挿入され得る(Charbitら、Embo.Journal 5:30 29、1986;Agterbergら、Gene88:37、1990;Fuchsら、Bio/Tech 9:1369、1991; Theryら、Appl.Environ.Microbiol.55:984、1989)。このような方法では、細 菌の種々の細胞表面タンパク質は、オリゴヌクレオチドが挿入される融合パート ナーとして使用され、タンパク質の細胞外ループの1つに融合されたペプチドを 産生する。LamB、OmpA、PhoE、PAL、およびピリンタンパク質は全て、細菌上の ペプチド提示のためのビヒクルとして機能する。バクテリオファージの表面上に ペプチドを提供する別の系が、好ましい方法である。使用されるベクターは、線 維状ファージ(例えば、M13、f1、およびfd)由来である。代表的には、コー トタンパク質(例えば、pIIIまたはpVIII)は、ペプチド発現ビヒクルとして機 能する。(Smith、Science 228:1315、1985;ParmleyおよびSmith、Gene 73:305 、1988;Cwirlaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6378、1990;Marklandら、 Gene 109:13、1991、米国特許第5,223,409号)。ファージ提示および細菌提示方 法の両方を用いると、ペプチドとペプチドをコードするDNAとの間の物理的連結 が存在し、これによりDNA配列の容易な単離および増殖が可能となる。第3に、 ペプチドをそのC末端でDNA結合タンパク質LacIに融合することにより、ペプチ ドはプラスミドに結合され得る(Cullら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1865 、1992)。次いで融合タンパク質を、ペプチドがそれをコードするDNA配列と特 異的かつ安定に結合するようにプラスミド上のLacオペレーターに結合する。第 4に、ペプチドは失速翻訳(stalling translation)後にポリソーム上で提示さ れ得る。それらをコードするRNAになお連結されている発生期のペプチドを含むR NAおよびポリソームの蓄積を引き起こすことにより(Gallopら、J.Medicinal C hem.37:1233、1994)、ペプチドをコードする遺伝物質を回収し得る。これらの 全ての方法において、先導ペプチドとしてCRFに基づく変異体のライブラリーは 、挿入されている「不正確な」塩基の比例するレベルを制御することにより合成 され得る。 生物学的方法に加えて、組合わせ化学技術に基づくアプローチが、ランダムペ プチドを生成するために使用され得る。種々の方法が、アッセイに利用可能な複 数の均質ペプチドを合成するために開発されている。これらの方法としては、マ ルチピン(multi-pin)合成(Geysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998 、1984;Valerio、Anal.Biochem.197:168、1991;Brayら、Tetrahedron Lett .32:6163、1991)および「ティーバッグ(tea bag)」法(Houghtenら、Proc. Natl.Acad.Sci.USA 82:5131、1985;Houghtenら、Int.J.Pept.Protein Re s.27:673、1986)が挙げられる。複数の縮重ペプチドがまた、使用のために合 成され得る。アミノ酸混合物の単一の樹脂支持体への同時結合は、複数のペプチ ドを合成するための一般的方策である。近年、可溶性ペプチド(Houghtenら、Na ture 354:84、1991;Houghtenら、Biotechniques 13:412、1992)および固体支 持体に結合したペプチド(Lamら、Nature 354:82、1991)の組合わせライブラリ ーが、 「分割合成(split synthesis)」法により合成されている。ペプチド構造に対 する識別子を含むビーズ上でのペプチド合成(PCT WO 93/06121)を包含する、 これらの合成に対する多数の改変法が開発されている(概説のため、Gallopら、 前出を参照のこと)。このような識別子の1つは、オリゴヌクレオチド配列であ る(Needelsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10700、1993)。ランダムペプ チドの他の合成は周知であり、当業者により容易に実施され得る。 天然または合成の非ペプチド小分子もまた、リガンドインヒビターとして使用 され得る。CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターについてスクリーニングさ れる小分子のライブラリーは、土壌サンプル、植物抽出物、海洋微生物、発酵ブ ロス、真菌ブロス、薬学的化学ライブラリー、組合わせライブラリー(化学的お よび生物学的の両方)などから得られる。このようなライブラリーは、種々の供 給源(市販および私有の両方)から得られ得る。 候補化合物と類似であるが、同一ではない構造を有する分子は、下記のように 合成され、そしてリガンド阻害について試験され得る。小ペプチド配列は、CRF の溶液NMR構造に関して設計され得る。上記のように、CRF-BPへの結合のためのC RFにおける鍵となる接触残基は、残基22、23、および25である。従って、残基20 〜27由来のペプチド配列は、ヒトCRFの参照溶液構造から設計され得、この構造 は1H NMRおよび制限された分子動力学(restrained molecular dynamics)をと もなう隔りの幾何学形状(distance geometry)により決定される(Protein Eng ineering 6:149、1993)。インタクトのCRF分子が、設計の基礎として使用され る。なぜなら、欠失が大きくなると、CRFのαらせん構造が失われる可能性があ るからである。次いで、重要な接触残基にまたがる小ペプチドの3-D構造は、ペ プチド構造を模倣する非ペプチド分子についてのコンピューターバンクを検索す るために使用され得る。出発分子よりも低いIC-50値を有する分子が選択される 。さらなる分子は、開始化合物およびそれらの分子の物理的および生化学的特性 に基づいて合成される。特に好ましい候補は、10nM以下のIC-50値を有する。 上記の任意のインヒビターが必要な特性を有するかどうかの決定は、インヒビ ターのCRF/CRF-BP結合複合体からCRFを置換する能力をアッセイし、次いでイン ヒビターのCRFレセプターを結合する能力を評価することによりなされ得る。 候補リガンドインヒビターは、生物学的アッセイまたはインビトロアッセイに より、CRF/CRF-BP複合体からCRFを置換するそれらの能力についてスクリーニン グされ得る。1つの適切な生物学的アッセイは、培養した下垂体細胞からのACTH 放出の測定である。このアッセイは、以下の方法で実施される。ラット由来の下 垂体前葉は、無菌HEPES緩衝液で6回洗浄され、そしてコラゲナーゼを含有する 溶液に移される。続いて25mlのBellco分散フラスコに移した後、下垂体を37℃で 30分間撹拌し、すりつぶし、さらに30分間インキュベートし、そして再度すりつ ぶす。次いで部分的に分散した細胞を、遠心分離により採集する。細胞ペレット は、10mlのノイラミニダーゼに再懸濁され、そして再度遠心分離により採集され る。このペレットを25mlのBBM-P(BBM(Irvine Scientific)+100μg/L コルチ ゾル、1μg/L インスリン、0.1μg/L EGF2、0.4μg/L T3、0.7μg/L PTH、10μ g/L グルカゴン、および2%ウシ胎児血清)中で再構築し、再度遠心分離し、そ して得られるペレットを最終的にBBM-P中で再構築する。次いで細胞は、50,000 〜100,000/ウェルの密度で48ウェルプレートにプレートされ、そして2日間イン キュベートされる。アッセイ当日に、細胞は、ペプチド候補またはCRFでの刺激 の準備に、BBM-Tで1回洗浄される。細胞はh/rCRF(1nM)の最大刺激用量で刺 激され、ACTH放出はRIAまたは免疫放射性分析アッセイにより測定される。阻止 濃度のCRF-BPが添加される場合、放出されるACTHの量は減少し、そして最大放出 の画分として発現される。リガンドインヒビターは、種々の用量で添加される。 CRF-BPからCRFを置換するペプチドの能力は、与えられたCRF単独により引き起こ された最大放出の画分として発現されるACTH放出の量により測定される。 候補リガンドインヒビターをスクリーニングする好ましい様式は、インビトロ リガンド免疫放射性分析アッセイ(LIRMA)による。LIRMAについて、CRF-BPは、 脳組織、血清または組換え形態を発現する細胞から単離され得る。組換えhCRF-B Pは、pSG5-hA3およびRSV-neoプラスミドを有するチャイニーズハムスター卵巣( CHO)細胞において産生され得る。安定なCHOトランスフェクタントは、G418(Si gma Chemical、St.Louis、MO)選択下で希釈することによりクローン化され、 そして2mM L-グルタミンおよび3%ウシ胎児血清を補充したDulbeccoの改変イ ーグル培地中に維持される。hCRF-BPの産生をスケールアップするために、 トランスフェクトされたCHO細胞は、10,000 MWCOバイオリアクター(Cell Pharm Micro Mouse、Unisyn Technologies、Tustin、CA)に接種される。富化培地は 、バイオリアクターから毎日採取され、そして精製まで-20℃で保存される。あ るいは、組換え細胞および組織培養培地を含む閉鎖ローラーボトル(closed rol ler bottle)(37℃の環境でゆっくり回転させる)が使用され得る。 hCRF-BPは、各工程由来の画分が下記のアッセイを用いて評価される3つの工 程のプロセスにより精製され得る。第1に、富化培地は、Bio Pilotクロマトグ ラフィー装置(Pharmacia LKB Biotechnology、Uppsala、Sweden)を用いてアフ ィニティー精製される。ヒトCRFは、N-ヒドロキシスクシンイミドを用いて、1 級アミノ基を介してAffi-Prep 10(Bio Rad Laboratories、Richmond、CA)に結 合される。結合後、アフィニティーゲルは、XK16または等価なカラム(Pharmaci a LKB Biotechnology、Uppsala、Sweden)に充填される。アフィニティー精製は 、富化培地を2ml/分でカラムに通して濾過する工程、5ml/分で10ベッド容量の 100mM HEPES HCl(pH7.5)で洗浄する工程、および5ml/分で20%アセトニトリ ルを含有する80mMトリエチルアンモニウムホルメート(pH3.0)を用いて1ベッ ド容量の画分を溶出する工程からなる。あるいは、穏和な塩基性条件(例えば、 pH約10.5)下での溶出が使用され得る。 第2の精製はゲルクロマトグラフィーを利用する。アフィニティー的に純粋な hCRF-BPは、凍結乾燥され、そして0.1M酢酸アンモニウム(pH4.75)で緩衝化さ れた6Mグアニジン-HCl中で再構築される。FPLC装置は、この精製工程のために 直列に連結された2つのSuperose 12 HR 10/30カラム(Pharmacia LKB Biotechn ology、Uppsala、Sweden)と共に使用される。アフィニティー的に純粋なhCRF-B Pは、1ml中で充填され、続いて0.4ml/分で6Mグアニジン HCl/0.1M酢酸アンモ ニウム(pH4.75)で溶出され、毎分画分が採集される。 次いで、第2の精製からの活性画分は、逆相HPLCに供される。HPLC装置は、2 つのmodel 100Aポンプ(Beckman、Palo Alto、CA)、Axxiom HPLCコントローラ ー(Cole Scientific、Calabasas、CA)、Spectroflow 773吸光度検出器セット (214nmに対する)(Kratos Analytical、Ramsey、NJ)、およびPharmacia.mod el 482チャートレコーダー(Pharmacia LKB Biotechnology、Uppsala、Sweden) からなる。緩衝液Aは、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)/5%アセトニトリルで あり、緩衝液Bは、0.1% TFA/80%アセトニトリルである。続いて、アフィニ ティー的に純粋な、同サイズのhCRF-BPの1ml注入液を、25% B緩衝液中2.5ml/ 分の流速で、イソクラチックな条件下で半分取C4 HPLCカラム(Vydac、Hesperia 、CA)に付与する。最終塩ピークの通過後、単一勾配の溶出を、25% B緩衝液 から始めて30分かけて95% B緩衝液まで増加させて実施する。次いで、優勢な 吸光度ピークを、hCRF-BP IRMAおよびアミノ酸分析により定量する。 LIRMAにおいて、脳組織、血清、または組換え形態を発現する細胞から単離さ れたCRF-BPは、結合緩衝液(50mMリン酸緩衝化生理食塩水中の0.02% NP-40)中 で、96ウェルプレートのウェル、小さなポリプロピレンミクロ微小遠心管、また はホウケイ酸ガラスチューブに添加される。125I-h/rCRF(New England Nuclear )および10μMの候補リガンドインヒビターが添加され、そして反応物は室温で 1時間インキュベートされる。適切に希釈された抗CRF-BP抗体(例えば、ウサギ 抗hCRF-BP(Potterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4192-4196、1992)を、 各チューブに添加し、そしてさらなるインキュベーション後、結合複合体は、ヤ ギ抗ウサギ抗体をさらに添加することにより沈澱する。125I-CRFを含む沈殿物を 、遠心分離により採集し、そしてペレット中の放射活性の量を、ガンマ線カウン ターにより測定する。候補リガンドインヒビターがCRF-BPからCRFを置換する場 合、ペレットは、候補ペプチドが添加されないコントロールと比較して、含まれ る放射活性が少ない。125I-h/rCRFのCRF-BPへの結合の最大阻害(すなわち、100 %)は、10μMのCRF-BPペプチドリガンドh/rCRF(6-33)とのインキュベーショ ン後にペレットに残存する放射活性の量により定義される。従って、候補リガン ドインヒビターの結合能力は、標準h/rCRF(6-33)の能力に対して測定される。 好ましくは、リガンドインヒビターが存在する場合、少なくとも50%の阻害が存 在する。 阻害の結合アフィニティー定数(Ki)は重要である;このアッセイから、0.17 +0.01ナノモーラー(nM)であると見出されるヒトCRFに対するKiに対するその値 に従って適切な予想で調査される。従って、hCRFのKiよりも低いKiを有するリガ ンドは、hCRF自体よりもhCRF-BPに強力に結合し、そしてより高い値を有するリ ガンドは、相対的により低い結合アフィニティーを有する。それゆえ、hCRF-BP との結合に対してhCRFと合理的かつ効果的に競合することが望まれるので、試薬 またはペプチドがより低いKi値を有するほど、この目的に対してより有益である 。好ましくは、試薬は、約20nM以下のKi値、より好ましくは約10nM以下のKi値、 最も好ましくは約5nM未満のKi値を有する。hCRF(6-33)はアッセイされ、3.5+ 0.44nMのKi値を有することが見出された。この試薬はまた、ヒトCRFレセプター に対して低い結合アフィニティー(すなわち、1000nMを超える阻害の結合定数) を有し、そしてoCRFの約0.1%未満のCRFアゴニズム(agonism)を示すので、本 発明の方法における使用に対して優れた選択であると考えられる。ヒトCRF(9-3 3)は11+0.36nMのKi値を有し、そしてそれはまた1000nMを超えるレセプターKiを 有し、かつより弱いCRFアゴニストでもあるので、これもまた本発明の方法に非 常に有用である。他の類似の試薬およびペプチド(特に、19と28との間の残基を 有するようなhCRFのアナログ)が合成され、そしてこの簡単な方法で試験され、 インビボでの内因性hCRFの有効濃度を増加するためのこれらの有益な方法におけ るそれらの有効性を測定し得る。本明細書中に特に列挙されるペプチドは、特に 有益であるように思われる。例えば、(Ile8,19,4、Asn17,26、Met18、Glu27、Ar g28]-hCRF(4-28)は、1.7+1.2のKiおよびhCRFレセプターに対して比較的低い結合 アフィニティーを有する。 従って、記載されるようなLIRMAアッセイまたはACTH放出および2-部位ELISAを 包含する他の方法を用いる高処理量スクリーニングが使用され、CRF/CRF-BP複合 体からCRFを置換する小分子を同定し得る。スクリーニングの第1ラウンドにお いて、全ての潜在的候補は、10μMの単一用量でアッセイされる。次いで、10μM で50%を超える阻害を与える任意の化合物は、さらなるスクリーニングのために 選択される。この基準を満足する全ての候補の活性は、6ポイントの用量応答曲 線を用いてスクリーニングの第2ラウンドにより確認される。IC-50値が計算さ れ、そして10μM〜100μMの範囲の値を有する候補がさらに試験され、候補化合 物がCRF/CRF-BP複合体からCRFを置換し、そしてCRF-BPへの抗体結合を妨害しな いことを確実にする。CRFの特異的置換は、非標識CRF-BPの代わりに0.2nM 125I- hCRF-BPを添加したこと以外は、LIRMAについて記載されるように実施したアッセ イにおいて証明される。 リガンドインヒビターはまた、結合CRFおよび遊離CRFが界面活性剤相分離によ り分離されるインビトロアッセイによりスクリーニングされ得る。簡潔に述べれ ば、1つの実施態様内で、上記のように単離されたCRF-BPは、結合緩衝液(50mM リン酸緩衝化生理食塩水中の0.02% NP-40)中、125I-h/rCRFおよび10μMの候補 リガンドインヒビターとインキュベートされる。室温で1時間〜2時間のインキ ュベーション後、界面活性剤(例えば、オクチルフェノキシポリエトキシエタノ ール、Triton X-114TMとして市販されている)が添加され、そしてボルテックス により混合される。Triton X-114TMおよび他の非イオン性界面活性剤は、それら の曇点を超える温度では水に不溶である。この温度で、微視的相分離が起こる。 この温度未満では、界面活性剤は透明なミセル溶液を形成し、この温度を超える と、透明な2相(1つの相は界面活性剤が枯渇し、もう一方の相は界面活性剤が 濃縮されている)が形成される。Triton X-114TMの曇点温度は20℃である。この ように、Triton X-114TMが好ましい。両親媒性αらせんを有するCRFは、Triton X-114TM中により可溶であり、それゆえ界面活性剤相に分配される。対照的に、C RF-BPに結合したCRFは、水溶液中により可溶である。従って、Triton X-114TMと 水溶液との相分離は、結合CRFおよび遊離CRFを分離する。相分離は、遠心分離に より都合良く達成される。水相(上部)が取り出され、125I-h/rCRFの量が測定 され得る。リガンドインヒビター非存在下で得られた放射活性に対する放射活性 の減少は、リガンドインヒビターがCRF-BPからCRFを置換したことを意味する。1 25 I-h/rCRFのCRF-BPへの結合の最大阻害(すなわち、100%)は、10μMのCRF-BP ペプチドリガンドh/rCRF(6-33)とのインキュベーション後の水相中の放射活性 の量により定義される。従って、候補リガンドインヒビターの結合能力は、標準 h/rCRF(6-33)の能力に対して測定される。好ましくは、リガンドインヒビター が存在する場合、少なくとも50%の阻害が存在する。 さらに、このアッセイは、神経ペプチド結合タンパク質一般のスクリーニング において広範な用途を有する。いくつかの神経ペプチド(例えば、NPY)は、CRF と類似の物理特性を有する。なぜなら、両方とも非常に疎水性であり、そしてα らせんを有するからである。このように、NPYは、水溶液中よりも非イオン性界 面活性剤(例えば、Triton X-114TM)中により可溶であるべきである。目的のNP Yまたは他の神経ペプチドが、一般に、Triton X-114TM界面活性剤相に分配され ると仮定すると、上記の方法は、一般的に使用され、神経ペプチド結合タンパク 質をスクリーニングし得る。簡潔に述べれば、例示により、種々の器官由来の組 織は、1% NP-40/PBS可溶化緩衝液中で均質化される。粒子状物質は、3000 x g で10分間遠心分離することにより取り除かれる。上清からの50μlのアリコート は、500pMの125I-標識神経ペプチドとインキュベートされ、そしてアッセイは上 記のように実施される。血清または血漿もまた、神経ペプチド結合タンパク質の 潜在的供給源として使用され得る。所定の濃度範囲(0.1nM〜1000nM)の非標識 神経ペプチドは、放射標識神経ペプチドと同時インキュベートされ、推定の結合 タンパク質が放射標識神経ペプチドを特異的に結合するかどうかを評価する。結 合が特異的である場合、Triton X-114TM分離後の水相中に残存する放射活性は減 少する。この方法を用いて、IC-50値は、神経ペプチドおよび組織抽出物の各々 に対して確立され得る。 さらに、この方法が使用され、その神経ペプチド結合タンパク質に対する神経 ペプチドのリガンドインヒビターについてスクリーニングされ得る。簡潔に述べ れば、放射標識神経ペプチドを、神経ペプチド結合タンパク質または可溶性レセ プターとインキュベートし、そして反応を上記のように実施する。これらのアッ セイには、組換え神経ペプチド結合タンパク質またはレセプター、あるいは組織 サンプルから単離された粗神経ペプチド結合タンパク質のいずれかが使用され得 る。 好ましいリガンドインヒビターは、CRFレセプターに対して低いアフィニティ ーアンタゴニスト効果を有するか、またはCRF結合タンパク質に対して100倍の選 択性を有するかのいずれかである。従って、10μM〜100μMの範囲のIC-50値およ びCRF/CRF-BP複合体の特異的阻害を有する化合物は、CRFレセプターに対する結 合についてさらに試験される。リガンドインヒビターのCRFレセプターについて 拮抗する能力は、cAMP産生アッセイにおいて評価される。このアッセイは、CRF レセプターに結合する遊離CRFのレベルを増加し、そしてcAMP産生を刺激するリ ガンドインヒビターの能力を比較する。試験細胞株は、安定なトランスフェクタ ントとしてCRFレセプターを発現する。このアッセイは、わずかな改変を有するB attagliaら(Synapse 1:572、1987)に従って実施される。試験細胞は、種々のC RF濃度およびリガンドインヒビター濃度で1時間インキュベートされる。細胞を 洗浄し、そして細胞内cAMPは、16時間〜18時間の細胞のインキュベーションの際 に放出され、続いて20mM HCl、95%エタノール中に抽出される。溶解液は凍結乾 燥され、続いて酢酸ナトリウム緩衝液中に可溶化される。cAMPのレベルは、単一 の抗体キット(例えば、Biomedical Technologies(Stoughton、MA)製のキット )を用いて測定される。 前記の競合インビトロ評価アッセイを実施するための代替物として、リガンド インヒビターは、ヒトCRFレセプターを用いる結合アッセイにおいて評価され得 る。ヒトCRFレセプターならびにこのようなレセプターおよびヒトCRFのための結 合アッセイは、Chenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:8967-8971、1993(こ の開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載されている。試薬は、放 射標識された[Nle21、Tyr32]oCRFを用いて評価され、阻害の結合アフィニティー 定数(Ki)を計算し得る。好ましくは、試薬は、少なくとも約100nM、より好ま しくは1000nMを超えるレセプターKiを有する。あるいは、ラットCRFレセプター の使用は満足のいくものである。なぜなら、ヒトCRFとラットCRFとは、同一のア ミノ酸配列を有するからである。 ACTH分泌を測定するための、ラット下垂体前葉細胞を用いるさらなるアッセイ が実施され、リガンドインヒビターがhCRFレセプターのCRFアゴニストとして機 能するかどうかを決定し得る。使用される手法は、リガンドインヒビターのみが 細胞に添加されること以外は、一般に上記に示す通りである。アンタゴニスト作 用は、攻撃誘発用量のCRF存在下でアッセイを実施することにより決定され得る 。リガンドインヒビターの性能は、この目的のための標準のアンタゴニストとな る物(例えば、CD-Phe12、Nle21,38]-rCRF(12-41)またはαらせんCRF(AHC)のフ ラグメント(例えば、AHC(9-41)の性能と比較される。 ACTH分泌の刺激の見地からCRFアゴニスト活性およびアンタゴニスト活性を測 定するための上記で同定したインビトロアッセイは、hCRF(6-33)およびhCRF(9-3 3)を用いて実施され得る。このようなアッセイの結果として、hCRF(6-33)は、仮 に1.0であると考慮される標準のoCRFよりもかなり低いCRFアゴニストの生物活性 を有することが示される。このペプチドは、実質的なCRFアンタゴニスト活性を 示さない。このペプチドは、標準のペプチドの約0.1%未満のCRFアゴニスト活性 しか有さないので、この見地から受容可能である。ペプチドhCRF(9-33)は、oCRF の活性の0.01%未満しか実質的に有さない弱いCRFアゴニストでもある。使用さ れる試薬は、CRFレセプターに強力に結合しないことが望まれる。試薬は、oCRF のCRFアゴニスト活性の約25%未満しか有さないべきであり、そして実質的なCRF 競合アンタゴニスト活性を示すべきでないと、一般に考えられる。好ましくは、 試薬は、本発明の標準ペプチド[DPhe12、Nle21,38]-hCRF(12-41)のアンタゴニス ト活性の5%未満しか有さないべきである。しかし、CRFレセプターへの結合の 結果として、潜在的阻止効果が最小になるので、このようなアッセイにおいてそ の値が低下すれば、この方法において試薬がより良好に機能することが理解され るべきである。 治療的処置の方法を提供することに加えて、本発明はまた、哺乳動物へのイン ビボ投与に用いる、より効果的なCRFアンタゴニストを選択するためのペプチド または他の薬剤をスクリーニングする方法を提供する。このスクリーニング手順 を行うために、候補ペプチドをまず、前記の周知のアッセイで評価する。このア ッセイは、試験用量のCRFによるラット下垂体前葉(interior)細胞の培養物から のACTH分泌の刺激を阻害する、候補ペプチドの生物学的効果を測定することによ って行われる。次いで、候補ペプチドは、そのKiを決定するために、前記のhCRF -BP競合結合アッセイで評価される。Kiは前記のようにhCRF-BPへの結合親和性の 指標であり、これは注入したペプチドが指向する標的細胞の部位からの注入ペプ チドの除去の傾向を示す。これらの2つのアッセイの結果の評価に基づいて、特 に有効なCRFアンタゴニストが選択され得る。このアンタゴニストは、CRFアンタ ゴニズムアッセイで高い値を有し、さらに、高い(CRF-BP)Kiもまた有しており、 相対的に低いhCRF-BPへの結合親和性を表すことを示している。現在の実験標準 品であるCRFアンタゴニスト[D-Phe12,Nle21、38]-hCRF(12-41)は、培養された下 垂体細胞からのACTH分泌によって測定したときに、非常に良好なアンタゴニスト 特性を有しており、Ki値は、約60±10nMである。その(CRF-BP)Kiは、300±20nM である。別の良好なCRFアンタゴニスト、すなわちAHC(9-41)、これは現在の標準 品ほど有効ではないが、非常に低い0.10±0.036nMというKi値を有する。[D-Phe1 2 ,Nle21、38,CML37]-hCRF(12-41)は、下垂体細胞培養でACTH分泌アッセイを行っ たときに、1000nMより大きい(CRF-BP)Kiを有し、そして45±11nMのIC50を有して いた。従って、現在の実験標準品よりもいっそう高く位置づけられる。従って、 これらのスクリーニングアッセイに基づけば、後者のペプチドまたはこの実験標 準品は、AHC(9-41)と比較してえり抜きのペプチドであり、インビボでhCRF-BPに より複合体化されそして除去されるより大きな傾向を有する。このように、この スクリーニングアッセイは、新規に合成されたペプチドをスクリーニングして、 インビボ処置のための潜在的なCRFアンタゴニストとしての、これらのペプチド の相対的な価値を全体的に評価するための貴重な道具を提供する。CRF のレベルの上昇 本発明は、CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターの投与を介して、脳中の 遊離CRFのレベルを上昇させる方法を提供する。遊離CRFのレベルの上昇は、イン ビトロアッセイ(例えば、ELISA、ACTH放出の刺激、あるいはcAMP生成の刺激) により測定され得る。任意のこれらのアッセイにおいて、リガンドインヒビター の投与による遊離CRFの増加は、参照リガンドインヒビター(この場合はh/rCRF( 6-33))と比較して測定される。最少の許容される増加値は、h/rCRF(6-33)につ いての値の10%である。中程度の値は50%であり、好ましい値は80%であり、そし て特に好ましい値は、100%である。 本明細書に記載された方法の範囲内では、遊離CRFのレベルが、脳サンプル、 脳脊髄液あるいは他の身体の組織および体液のホモジネートに対する2-部位ELIS Aで測定され得る。総CRFはまず、以下のように定量される。ELISAプレートのウ ェルを抗-CRF抗体(例えば、プロテインG精製-ヒツジ抗-CRF)でコートする。プ レートを洗浄し、そして無関係なタンパク質(例えば、カゼイン、ウシ血清アル ブミン等)でプレート上の非結合部位をブロックする。調製した組織サンプルお よび既知の量のCRFを含む標準品をウェルに加え、そして室温で結合させる。結 合後、プレートを再度洗浄し、そして異なる抗-CRF抗体(例えば、RC-70、ウサ ギの抗-ヒトCRF抗体)を加える。RC-70は、異なる種から得られるだけではなく 、プレートをコートするのに用いたヒツジ抗CRF以外の異なるエピトープを検出 する。洗浄後、RC-70を検出する酵素接合抗体あるいはその等価物を加える。あ るいは、RC-70抗体が酵素と接合され得る。好適な接合物は、西洋ワサビペルオ キシダーゼおよびアルカリホスファターゼであるが、しかし当業者には、多くの 異なる、許容し得る代替物(酵素の代わりに放射ラベルを含む)が利用できるこ とが認識される。酵素基質が添加され、そして発色させる。反応終了後、吸光度 測定を用いて、組織サンプル中に存在する総CRF量を定量する。当業者にはモノ クローナル抗体または抗体フラグメントが、このアッセイにおいてポリクローナ ル抗体の代わりに使用され得ることが認識される。 同様な方法で、プレートを抗CRF-BP抗体でコートし、次いで、結合したCRFを 抗CRF抗体で検出するELISAにより、結合したCRFが定量され得る。結合したCRFは 、CRF-BPリガンドαらせんoCRF(9-41)によって特異的に置換され、検出されるシ グナルが減少する。αらせんoCRF(9-41)は、RC-70(抗CRF抗体)と交差反応しない ので、置換に用いられる。さらに、次いで、上清中の置換されたCRFは、上記の2 -部位ELISAでアッセイされ得る。次いで、遊離CRFは、次に総CRFと結合CRFの間 の差異を計算することによって、あるいは直接的アッセイにより測定され得る。 直接的アッセイにおいては、結合複合体を抗CRF-BPモノクローナル抗体によって 捕獲した後に、上清を取り、そして遊離CRFを上記の2-部位ELISAにおいて測定す る。 リガンドインヒビターであるαらせんヒツジCRF、が正常個体およびアルツハ イマー病患者の両方の脳組織中の遊離CRFレベルを上昇させることが、本明細書 に示されている。2-部位ELISAを用いて、総CRFおよび結合CRFの量を測定した。 αらせんヒツジCRFの添加により、すべての結合CRFが放出された(図2および実 施例5を参照のこと)。 組織あるいは脳脊髄液中の総CRF、結合CRFおよび遊離CRFの量を測定する記載 したインビトロアッセイに加えて、他の手順がインビボで行われ得る。これらに は、MRI、PETSCAN、分光走査(spectscanning)あるいはその他の類似の画像化技 術が含まれ、これらのうちのいくつかは、CRF-BPまたはCRFレセプターに対する 放射標識リガンドを用いる。好ましい方法は、PET陽電子射出(position-emittin g)リガンド(例えば、11C、18F)または単光子放出リガンド(例えば、CRF-BPあ るいはCRFレセプターに対する123I標識されたリガンド)を用いる画像解析であ る。遊離CRFレベルは、放射標識リガンドの結合量と相関する。遊離CRFレベルの 上昇は、CRF-BPおよびCRFレセプターに対する放射標識リガンドの結合の減少に より明らかになる。この画像化技術の範囲内では、約10〜30%またはそれ以上の 遊離CRFレベルの上昇が、本発明の関係においては、十分である。 本発明の関係においては、CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターの有効量 を投与を用いて、CRFレベルが減少している疾患または症候群の処置が行われ得 る。CRFレベルは、脳脊髄液においてまたは脳内で、画像化法によって直接、あ るいは他の方法(例えば、cAMP産生、ACTH放出または2-部位ELISA)によって、 測定され得る。このような疾患または症候群は以下を包含する:痴呆または学習 および記憶喪失の症状、肥満症、慢性疲労症候群、異型鬱病、分娩後鬱病、季節 性鬱病(seasonal depression)、甲状腺機能低下、外傷後ストレス症候群、ニコ チン禁断症状、炎症性疾患に対する感受性(vulnerability to inflammatory dis ease)。これらの症候群(肥満症、慢性疲労症候群、および炎症性疾患に対する 感受性を除く)の定義は、Diagnosis and Statistical Manual of Mental Disor ders(第4版)、American Psychiatric Association,Washington,D.C.,1994 (以下、DSM-IV)に提供されている。学習と記憶の改善 上記のように、本発明は、CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターの治療的 有効量を患者に投与して学習および記憶を改善する方法を提供する。このような 患者は、痴呆、または学習および記憶喪失の症状に基づく臨床診断を通して同定 され得る。健忘的障害を有する個体は、新情報を学習する能力が損なわれている か、または以前に学習した情報または過去の事象を思い出せない。記憶欠損は、 自発的想起を必要とする課題において最も明らかであり、そしてまた試験者が個 人に後の時点で想起するように刺激を提供した場合に明らかである。記憶障害は 、社会的あるいは職業的機能の著しい欠陥を引き起こす程十分に重篤でなければ な らず、そして以前の機能レベルからの有意な変化を示さなければならない。 痴呆は、以前の機能レベルからの有意な変化を表す多数の臨床的に重要な認識 欠損により特徴付けられる。新しい題材を学習できないこと、または以前に学習 した題材を忘れることを含む記憶欠陥は、痴呆の診断をするのに必要とされる。 記憶は、正式には、個人に情報の記録、保持、想起および認識を質問することに より試験され得る。痴呆の診断はまた、以下の少なくとも一つの認識障害が必要 である:失語症、失行症、失認、あるいは実行機能の障害。それぞれ、言語、運 動動作、対象認識、および抽象的思考におけるこれらの欠損は、記憶欠損と関連 して職業的機能または社会的機能の欠陥を引き起こすために十分に重篤であるに 相違なく、そして以前のより高い機能レベルからの低下を示すに相違ない。 さらに、CRFのレベルと損なわれた学習および記憶との相関関係を示す多数の 生化学的試験が利用され得る。例えば、脳脊髄液中の遊離CRFのレベルが、ELISA あるいはRIAにより測定され得る。さらに、またはこのアッセイの代わりに、上 記のCRF-BPまたはCRFレセプターに特異的な標識リガンドを用いる脳の画像化を 用いて、遊離のレセプターあるいはCRF-BPを定量し得る。従って、遊離CRFが減 少したことを知ることができる。最後に、結合していないCRFに特異的なリガン ドを用いる脳の画像化は、脳中の遊離CRFの量を直接アッセイするために用いら れ得る。 患者のミニメンタル(minimental)状態が、学習および記憶のミニメンタル試験 で記録される。この試験は、患者が損なわれた学習および記憶を有するか否かを 決定するために臨床医により用いられる標準的な試験である(Folsteinら、J.Psy chiatric Res.12:185,1975)。この試験は、多数の簡単な課題と書面の質問を 含んでいる。例えば、「対連合子」の学習能力は、頭部の外傷、コルサコフ病, または卒中を患う患者を含むいくつかのタイプの健忘症患者において損われる(S quire,1987)。10組の無関係な言葉(例えば、軍隊知能検査表(army-table))を 被験体に読ませる。次いで、被験体はそれぞれの組の第一の言葉を与えられたと きに第二言葉を思い出すために質問される。記憶欠陥の尺度は、対応コントロー ル群に対応する、思い出した対連合子の言葉の減少数である。これは、痴呆傾向 の障害または健忘障害の初期段階で急速に衰退する種類の短期作動記憶の指標と して供される。 学習と記憶の改善は、(a)プラセボ群のメンバーの作業と比較してリガンド-イ ンヒビター処置患者の作業との間の統計的に有意な差;または、(b)疾患モデルに 適切な尺度における正常性の方向への作業の統計的に有意な変化、のいずれかを 構成する。このストラテジーは、記憶の改善に治療的に有用なコリン作動性物質 の同定にうまく適用されている。疾患の動物モデルまたは臨床例は、定義によっ て正常のコントロールから区別できる症状を示す。従って、効果的な薬物療法の 尺度は、有意であるが、しかし必ずしも完全でない、症状の逆転である。記憶作 業の遂行を改善するように作用する臨床的に有効な「認識強化」薬剤によって、 記憶病理学の動物モデルおよびヒトモデルの両方において改善が促進され得る。 例えば、アルツハイマー型の痴呆および記憶喪失を患う患者における置換療法で コリン作動性物質として作用する認識エンハンサーは、対連合子課題のような範 例において、短期作動記憶を著しく改善する(DavidsonおよびStern,1991)。記 憶欠陥に対する治療的介入への他の潜在的な適用は、加齢マウスにおける最近の 記憶の長期的研究によって、効果的にモデル化される作業における加齢性欠損に より示唆されている(ForsterおよびLal,1992)。 動物において、学習および記憶のいくつかの樹立されたモデルを利用して、CR F-感受性ニューロンの活性化の有益な認識強化効果および潜在的な不安関連副作 用効果を検討する。認識強化効果は、モリス迷路(StewartおよびMorris、Behavi oral Neuroscience,R.Saghal編(IRL Press,1993)107頁)およびY迷路(Britsら 、Brain Res.Bull.6,71(1981))試験により測定される;不安関連効果は高架 式プラス迷路(elevated plus-maze)試験により評価される(Pellowら、J.Neuros ci.Meth.14:149,1985)。 モリス水迷路は、学習および記憶の最も有効なモデルの一つであり、そして種 々の薬理学的薬剤の認識強化効果に対して感度がよい(McNamaraおよびSkelton,B rain Res.Rev.18:33,1993)。迷路の中で行われる課題は、脳の海馬の操作に 対して、特に感度がよい。海馬は、動物における空間的学習およびヒトにおける 記憶強化にとって重要な脳の領域である。さらに、モリス水迷路行動における改 善は、化合物の認識エンハンサーとしての臨床的効力を予測させる。例えば、コ リンエステラーゼインヒビターまたは選択的ムスカリン様コリン作用性アゴニス トを用いる処置は、学習および記憶についてのモリス迷路動物モデル、ならびに 痴呆を有する臨床個体群における学習欠損を逆転する(MacNamaraおよびSkelton, 1993;DavidsonおよびStern,1991;McEnteeおよびCrook,1992;Dawsonら、1992) 。さらに、この動物範例は、加齢に伴う欠陥の増加程度(Levyら、1994)、およ び、予備試験の遅延または干渉に対する記憶痕跡の増加した感受性(vulnerabili ty)(StewartおよびMorris、1993)(これは健忘症患者の特徴である)を正確にモ デル化する。 この試験は、単純な空間的学習課題であり、ここでは、動物が粉ミルクの添加 により不透明であるぬるま湯の中に置かれる。動物は、迷路および試験部屋の中 に位置する視覚的な合図に関連するプラットホームの位置を学習する;この学習 を、場所学習という。 以下により詳細に述べる(実施例6参照)ように、1〜3日目のそれぞれの訓練 の15分前に、動物群に、コントロール溶液か、あるいは0.1、1、5、または25μg のリガンドインヒビターペプチドh/rCRF(6-33)またはh/rCRF(これは、そのうえ に、CRFレセプターにおけるアゴニストである)のICV注入を与える。非ペプチド インヒビターを用いる場合、注入量はそれに応じて調整される。コントロール動 物は典型的には、3日間の訓練後、5から10秒以内にプラットホームに到着する 。リガンドインヒビターの記憶調整効果の尺度は、この時間のシフトである。リ ガンドインヒビターの投与により、シナプスCRFの有効性における用量依存性増 加ならびに習得および記憶保持における行動の用量依存性増加となる。毎日の試 験前のh/rCRFおよびh/rCRF(6-33)の投与により、モリス水迷路試験で学習を有意 に強化した(図4、上のパネル)。学習と記憶の増加を生むためにはもう少し高 いCRF(6-33)の用量が必要であった。 視覚的弁別に基づくY迷路試験は、動物における学習および記憶の別のアッセ イである。この迷路では、迷路の2つのアームの末端が半透明のプラスチックパ ネルになっており、このパネルの後ろには40ワットの電球がある。スタートボッ クスは、第3のアームから手動のギロチンドアで分離されている。最初の試行で は、すべての動物に5分間迷路を探査させ、そして各アームでは食餌ペレットが 入手可能である。2日目には、それぞれの動物をドアを閉めたスタートボックス におく。ドアをあけると、動物はアームに沿って移動して、両方のアームに置い てある食餌ペレットを摂食することができる。第3日目には、3匹づつのグルー プで6回の試行を受ける。このとき、1つのアームは、選択ポイントで閉じられ ており、識別し得る刺激はなく、そして2つの食餌ペレットが、開いたゴールボ ックスで入手可能である。第4〜10日目には、食餌ペレットのあるアーム末端の ライトが照らされており、そして再び3匹づつのグループで10回の試行を行う。 動物が食餌ペレットに到達するために要する時間を記録する。 Y迷路における学習および記憶を改善するリガンドインヒビターの効果を以下 のように試験する。それぞれのブロックの第4〜10日目の訓練試行の15分前に、 動物群にコントロールか、あるいは1、5、または25μgのペプチドリガンドイン ヒビターのICV注入を行う。さらに、非ペプチドリガンドインヒビターを用いる 場合、用量はそれに応じて調整される。コントロール動物は、50%の正しい選択 をすると期待される。記憶に対する処置の効力の尺度は、正しい応答の増加であ る。毎日の試験前のCRF(6-33)リガンドインヒビターの投与により、正しい応答 の有意な増加が示された(図5)。 高架式プラス迷路試験は、接近回避状況における不安により生ずる応答(anxio genic response)を測定するが、この状況は、暗い閉鎖空間に対する開放された 光を照射する空間を含んでいる。両方の空間とも高所にあり、そしてプラスの記 号の形態で交差している2つの走路として組み立てられる。このタイプの接近回 避状況は、「情緒性」の古典的な試験であり、そして脱抑制およびストレスを生 み出す処置に非常に感度が高い。動物は迷路の中心に置かれ、そして5分間の試 験期間に全ての4つのアームに自由に出入りできる。それぞれのアームで過ごし た時間を記録する。 学習及び記憶を増加させる、ICV注入によるh/rCRFの用量の毎日の試験前の投 与はまた、これは高架式プラス迷路試験の結果により示されるように不安を生じ た(図4、下のパネル)。用量依存性の探査の抑制が観察された。このように、 記憶および学習の欠損(これは、CRFのレベルが減少することによる)の処置に 対するCRFレセプターアゴニスト(即ち、Ki≦1nM)の有用性は、これに伴う副作 用のために、あいまいな価値がある。著しく対照的に、リガンドインヒビターで あるCRF(6-33)(これは、CRFレセプターに対して低い親和性を有する)は、高架 式プラス迷路試験における不安の行動を変えなかった(図4、下のパネル)。さ らに、h/rCRFの投与で示されたような明白な行動の変化はなかった。これらのデ ータは、認識強化および不安効果が別々に制御され得ることを示す。これらのデ ータはまた、CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターを投与する治療的価値を 示す。 ヒトにおいて、学習および記憶を改善する方法は、ウェックスラー記憶スケー ルまたは対連合子記憶課題のような試験によって測定され得る。ウェックスラー 記憶スケールは、認識機能および記憶容量の、広く用いられている鉛筆と紙の試 験である。正常な個体群では、標準検査は平均100および標準偏差15を得る。そ のため、軽度の健忘症では、この点数が10〜15点減少することで検出され得、よ り重度の健忘症では、20〜30点減少する、等である(Squire,1987)。臨床面接の 間に、ミニメンタル試験、ウェックスラー記憶スケール、あるいは、対連合子学 習を含むが、これらに限定されない一連の試験が症候性記憶喪失の診断に適用さ れる。これらの試験は、一般的な認識欠陥および学習/記憶容量の特定の損失の 両方に一般的な感度を提供する(Squire,1987)。痴呆症あるいは健忘障害の特定 の診断とは別に、これらの臨床器具はまた、加齢性関連の認識低下を同定する。 この認識低下は、その人の年齢に与えられる正常な制限内にある加齢プロセスの 結果として起こる精神機能における他覚的な低下を反映する(DSM IV,1994)。上 記のように、学習および記憶における「改善」は、例えば、リガンドインヒビタ ー処置患者とプラセボ群のメンバーとの行動間で、または同じ患者に与えられる 連続する試験間で、統計学的有意差が対連合子試験において正常性の方向に存在 すれば、本発明の範囲内にある。減少する食物摂取 上記のように、本発明は、CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターの治療的 有効量を患者に投与することを介して、食物摂取を低減させる方法を提供する。 このような患者は、肥満であることにより同定され得る。肥満個体は、その人の 年齢、性別、および身長について正常と考えられる目標体重より重く、そして客 観的に、同じ参照個体群の百分位数の85番目またはそれ以上の体重指数(BMI-体 重(Kg)/身長(m)2として計算される)により同定され得る(National Center for Health Statistics,“Obese and Overweight Adults in the United States.” 第11集,第BO集,U.S.Government Printing Office,Washington D.C.,1983)。 さらに、特定の個人にCRFが関与する証拠は、脳脊髄液中のCRFレベルの減少を示 すことによって、または上記の脳画像化によって、得られ得る。視床下部は、食 物摂取および内分泌パラメターに対するCRFの効果を媒介する共通の脳領域であ るので、下垂体ホルモン濃度の変化もまた、視床下部CRFのレベルの変化を反映 し得る。 食物摂取の減少は、食事開始の遅延および食物消費の継続時間または量の全体 の減少により測定され得る。Smith、「Satiety and Problem of Motivation,」 、D.W.Pfaff(編)、The Physiological Mechanisms of Motivation,Springer-Ve rlag,New York,133-143頁,1982。さらに、食物選択状況下の特定栄養の選択 は、特定の空腹の補足的な尺度として役に立つ(Rozin,Adv.Study Behav.6:21 ,1976)。 食欲調節の2つの樹立動物モデルがある。第1は、単純な食物摂取の測定であ り、そして第2は、カフェテリア環境下での食物の自己選択の測定である。第1 の方法では、食物摂取は24時間制限され、次いで、動物の家庭用ケージ内の予め 重量を測定した実験食物に2時間、アクセスさせる。食物摂取は、60分と120分 に、残りのペレットを計量することにより測定される。これらの試験はまた、遺 伝的変異による肥満動物にも行われ得、そしてこれは、過食および混乱した栄養 ingら、Endocrinol.132:1939,1993)。 カフェテリア環境において、食物を、多量養素(例えば、炭水化物、タンパク 質、および脂肪)の異なる割合で特別に処方し、感覚的誘因性または食物摂取後 の利益に基づく特定の栄養素に対する嗜好を測定できるようにした。食物の選択 は、広い種類の神経化学的システムによって、一部、変化する。これらの試験は 、食物摂取調節の微妙な変化の検出に有用である。食物摂取調節は、熱望あるい は 空騒ぎのような現象に強く影響し、そして摂取障害(例えば、神経性食欲不振お よび肥満症)の診断に関連している。動物のベースラインを確立した後、それぞ れの動物は、試験の15分前にコントロール溶液か、あるいは1、5、または25μg の用量のペプチドリガンドインヒビター、あるいは適切な用量の非ペプチドリガ ンドインヒビターのICV注入を受ける。食物の摂取は、摂取試験でまたはカフェ テリア環境下での食物の自己選択で記載したように測定され、そして試験結果は ベースラインと比較される。 ヒトにおいては、肥満症は過食に関連するだけではなく、甘味食物あるいは脂 肪性食物の不釣り合いな大量摂取などの栄養的に不均衡な食物の消費にも関連し 得る。(Drewnowskiら、Am.J.Clin.Nutr.46:442,1987)。このように食事調 節の臨床的発現は、制御された実験食物、または量、食事時間および選択の見地 から摂取パターンを記録するカフェテリア自己選択プロトコールを用いることに より、容易に検出される。(Kissileff,Neurosci.Biobehav.Rev.8:129,1984 )。これらの試験では、個体それぞれのベースラインの決定後、食物摂取または カフェテリア環境下の自己選択の測定が測定される。肥満症処置に関連する改善 は、プラセボ群のメンバーと比較して処置患者により表される、体重の減少また は食物摂取の減少を構成する。さらに、このストラテジーは、肥満症に対するセ ロトニン作用性のアゴニストの同定に成功している。低レベルCRFに関連する疾患 上述したように、本発明は、CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターを治 療有効量で患者に投与することによって低レベルCRFに関わる疾患を治療するた めの方法を提供する。このような患者は、摂取障害、神経内分泌障害およびアル ツハイマー病などの認知障害の診断により同定することができる。さらに、異形 鬱病、季節性鬱病、慢性疲労症候群、肥満症、炎症疾患に対する脆弱性、心的外 傷後ストレス障害、精神刺激剤禁断症状などのCRFレベルの減少に伴うその他の 病態により、甲状腺機能不全症のプロフィールおよびストレス系活性の低下が現 れることが多い。これらは、尿遊離コルチゾールおよび血漿ACTHの減少によって 特徴的に同定される。このため、これらの疾患および病態は、脳内CRFレベルの 修復または効力によって一部は解決されると思われる(ChrousosおよびGold,JAM A 267:1244,1992)。 このようなヒトにおける様々な疾患状態は、脳内CRFの乱れ(derangement)を伴 うと考えられる下垂体-副腎軸の調節異常(dysregulation)によって同定される。 したがって、CRF/下垂体-副腎系を実験動物において実験的に変化させることに より、上述した症候群、すなわち行動上の自暴自棄(despair)(Pepinら、1992)、 運動に対する倦怠感(RivestおよびRichard,1990)、肥満症(Rothwell,1989)お よび精神刺激剤禁断症状に関連している過喚起症(hyperarousal)(Koobら、1993; Swerdlowら、1991)の主な特徴が再現されるという事実は、内因性CRFレベルを 正常化するよう設計された薬物治療の広範な実用性を示唆する。 季節性鬱病(季節パターンを有する重症鬱病性障害)の主な特徴は、1年のうち の特徴的な時期での重症鬱病症状の発症の開始および緩解である。ほとんどの症 例において、発症は秋または冬に始まり、春には緩解する。季節パターンで起こ る重症鬱病発症は、顕著なアネルギー、睡眠過剰、過食、体重増加および炭水化 物に対する渇望によって特徴付けられることが多く、少なくとも2週間持続する 。この間は、殆ど全ての活動において憂鬱な気分になるかまたは興味や歓びが失 われる。 心的外傷後ストレス障害の主な特徴は、実際の死または瀕死の状態あるいは個 体自身または他人の肉体的な完全性に対する重篤な傷害を包含する事象に対する 直接的な個人経験を包含する極端な心的外傷ストレッサーに曝された後に、特徴 的な症状が発症することである。この事象に対する個人応答には、強烈な怖れ、 無力感、または恐怖が含まれている。払っても消えない記憶または悪夢として外 傷性事象を再び経験し、これがきっかけとなって強烈な心理学的窮迫または生理 学的反応が引き起こされる。1ヶ月を超える期間にわたって完全な症状状態が存 在し、臨床的に顕著な窮迫あるいは社会的橙能または職業上の機能に欠陥が引き 起こされる。 ニコチン禁断症状(ニコチン誘導性障害)の主な特徴は、長期間(少なくとも数 週間)ニコチンを含有している製品を使用し、その使用を急に中止または使用回 数を少なくした後に発症する特徴的な禁断症状症候群が存在することである。ニ コチン禁断症状と診断されるには、精神不安または憂鬱な気分、不眠症、癇癪ま たは怒り、不安、集中不可、落ち着きがなくなるまたは短気になる、心拍数の減 少および食欲増進または体重増加のうち4つ以上が当てはまることが必要である 。これらの症状は、臨床的に顕著な窮迫あるいは社会的機能または職業上の機能 の欠陥を引き起こす。 改善は、(a)疾患モデルに関連する尺度に基づいてベースラインまたは治療前 の状態と比較した、治療した個体の症状の統計的に有意な変化または、(b)リガ ンドインヒビターで治療した患者とプラセボ群のメンバーとの統計的に有意な症 状の差異のいずれかからなる。疾患の臨床例には、定義により、正常なコントロ ールとは区別される症状が見られる。鬱病については、いくつかの鬱病評価スケ ールが使用される。(Klermanら、Clinical Evaluation of Psychotropic Drugs: Principles and Guidelines,PrienおよびRobinson(編),Raven Press,Ltd., New York,1994を参照のこと)。鬱病の評価には、ハミルトンの鬱病評価スケー ル(Hamilton Rating Scale for Depression)というテストが広く用いられている 。このテストは、処置応答における症状の変化を評価するのにも使用されている 。その他のテストや評価については、DSM-IVマニュアルに記載されている。ニコ チン禁断症状およびその他の障害については、障害の重篤度の評価用のテストが DSM-IVマニュアルに記載されている。アルツハイマー病 上述したように、本発明は、CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターを治 療有効量で患者に投与することによってアルツハイマー病を処置するための方法 を提供する。他の原因には起因しない痴呆または学習能喪失および記憶喪失の症 状に基づいて、臨床的に診断することによりこのような患者は同定される。さら に、核磁気共鳴映像法による脳萎縮の診断により患者であると同定することもで きる。 CRFレベル減少はアルツハイマー病に関与することが分かっている。ADに罹患 した10の個体および神経学的に正常な10のコントロールから死後に得た脳を研究 用に選択した。大脳前頭極、頭頂極、大脳側頭極および大脳後頭極の標準的な領 域を新鮮な脳から切断し、ドライアイス中で凍結し、-70℃で保存した後、CRPラ ジオイムノアッセイおよびCRF-BPアッセイによって処理した。大脳皮質および海 馬のホルマリン固定試料をパラフィン中に埋め、続いて切片にしてヘマトキシリ ン/エオシンおよび銀浸漬によって染色した。AD患者の脳から得た染色切片を試 験したところ、ADに典型的な大量の神経炎プラークおよび神経細線維のもつれが 示されたが、コントロール患者では何も示されなかった。 アルツハイマー患者およびコントロールの大脳皮質におけるCRFおよびCRF-BP のレベルを測定した。ラットの脳、ヒツジの脳およびヒトの血漿においてCRF-BP を予め同定して特徴付けした。ここで研究した脳の大脳皮質では、CRF-BPの大部 分(>85%)が膜と結合していた。コントロールまたはAD患者のヒト脳膜のいずれか からの可溶化させたCRF-BPの薬理学的な特徴は、可溶性血漿CRF-BPの組換え形態 と比較して、CRFおよびリガンドインヒビターに対する結合特性に何ら差異はな いことが分かった。アルツハイマー患者の脳において、前頭、頭頂および側頭の 大脳皮質におけるCRFレベルは正常な脳と比較すると大幅に減少したが、後頭皮 質におけるレベルは僅かに減少したのみであった(図3A)。これとは対照的に、CR F-BPレベルは、AD患者の脳と正常なコントロールの脳とで類似していた(図3B)。 これらのデータは、正常な脳組織およびAD脳組織にCRF-BPが存在しているという 直接的な証拠となり、そしてADにおいて認められたCRFレベルの低下はニューロ ンの喪失によるものではなく、CRFの合成量の減少または分解量の増加に起因し 得ることを示唆する。ADにおいてニューロンが喪失されると、CRF-BPは非CRFニ ューロンに対して優先的に局在定位され得る。 CRF-BPに対する複合体化したCRFの比率を脳組織およびフリープール(free poo l)で測定することによって、ヒトの脳組織におけるCRFとCRF-BPとの相互作用の 性質を決定した。総CRFおよび結合CRFに特異的なアッセイを使用したところ、正 常大脳皮質抽出物では総CRFの約40%、アルツハイマー大脳皮質抽出物では総CRF の約60%がCRF-BPと複合体化されていることが分かった。さらに、CRFはCRF-BPに 可逆的に結合していた。なぜならヒトCRF(6-33)またはα-らせんoCRF(9-41)で組 織を処理すると、CRF/CRF-BP複合体からCRFが追い出されたからである(図2)。こ れらのデータから、CRF-BPリガンドインヒビターはCRFの遊離濃度を増加させる ということが直接的に示される。さらに、CRF-BPインヒビターで処理することに よって、正常な脳における遊離CRFレベルに対してAD脳における遊離CRFレベルは 上昇した。 コリン作動性低下に的を絞って確立された何例かのアルツハイマー病動物モデ ルが利用可能である。コリン作動性低下のADにおける主な役割は十分に確立され ている。ADでは、前頭葉、後頭葉および側頭葉におけるコリンアセチルトランス フェラーゼ活性の減少とCRFレベルの減少との間に有意な正相関が認められる(De Souzaら、1986)。同様に、これら3カ所の皮質(Id)においてコリンアセチルトラ ンスフェラーゼ活性の減少とCRFレセプター数の増加との間には負相関が認めら れる。その他2つの神経変性疾患では、パーキンソン病でCRFとコリンアセチルト ランスフェラーゼ活性との間に極めて有意な相関が認められるが、進行性核上麻 痺における相関はわずかしかない(Whitehouseら、1987)。 ラットにおける解剖学的研究および行動上の研究から、CRFとコリン作動系と の間の相互作用が証明される。第1に、いくつかの脳幹核において、CRFとアセチ ルコリンエステラーゼは共に局在化され、そしてコリン作動性ニューロンの中に はCRFを含有しているものもある。第2に、CRFはカルバコール誘導性挙動(カルバ コールはムスカリン性コリン作動性レセプターのアンタゴニストである)を阻害 し、このことからCRFはコリン作動系に影響を及ぼすことが示唆される(Crawley ら、Peptides 6:891,1985)。もう1つのムスカリン性コリン作動性レセプターの アンタゴニストであるアトロピンての処置は、CRFレセプターの増加をもたらす( DeSouzaおよびBartaglia,Brain Res.397-401,1986)。総合すると、これらの データからCRFとコリン作動系とはヒトおよび動物において同様に相互作用する ということがわかる。 スコポラミンは、アセチルコリンによるシナプス後部レセプターの刺激をブロ ックする非選択性シナプス後部ムスカリン性レセプターのアンタゴニストである 。スコポラミンを投与することによって、コリン作動性低下に的を絞ったアルツ ハイマー病の動物モデルを得る。これらの動物において、受動的回避または遅延 適合対位置(delayed-matching-to-position)テストによる測定により記憶喪失が 容易に明らかになる。これらのテストによって、実験処置の運動性低下または知 覚 低下と健忘症または認識増強効果とは区別される。このように、スコポラミン誘 導性健忘症後にMorris迷路テストおよびY迷路テストを使用して、記憶力低下お よびその後のリガンドインヒビター投与後の記憶力増強度をテストする。Morris 迷路では、本質的に上述したように実験を設計するが、1〜3日目は毎日トレーニ ング30分前にスコポラミン臭化水素酸をip注射して処置する(0.3 mg/kg)ように 修正する。スコポラミンが健忘症用量になると、ラットにおける空間学習パラダ イムおよび回避学習パラダイムの獲得および保持に障害を及ぼす。ペプチドリガ ンドインヒビター1μg、5μgまたは25μgあるいは適切な用量の非ペプチドリガ ンドインヒビターの抗健忘症効果は、スコポラミンを与えられたまたは与えられ ていない同時並行コントロール群に比較して測定される。Y迷路を使用するスコ ポラミン誘導性健忘症の可逆性に対するリガンドインヒビターの評価は、上述し たY迷路テストと同様に行われる。5〜10日目は、毎日トレーニングの30分前にス コポラミン臭化水素酸をip注射して処置する(0.3 mg/kg)ようにテストを修正す る。1μg、5μgまたは25μgのICV投与されたペプチドリガンドインヒビターある いは中枢神経投与または全身投与された等用量の非ペプチドリガンドインヒビタ ーの抗健忘症効果は、同時並行コントロールおよびスコポラミン処置コントロー ル群と比較して測定される。 ADにおける認知挙動を測定するいくつかのテスト設計がされている。(Gershon ら、Clinical Evaluation of Psychotropic Drugs: Principles and Guidelines , PrienおよびRobinson(編),Raven Press,Ltd.,New York,1994,p.467を参 照のこと。)これらのテストのうちの1つであるBCRSでは、集中力、記銘力、過去 の記憶、順応性、機能性およびセルフケアを測定する。BCRSは認知機能のみを測 定するよう設計されている。このテストおよびウェシュラー記憶スケール(Wesch ler Memory Scale)およびアルツハイマー病関連スケール(Alzheimer's Disease- Associated-Scale)を使用して、リガンド阻害による治療処置後の改善を測定し 得る。上述したように、ウェシュラー記憶スケールテストにおいて、例えばリガ ンドインヒビター処置患者とプラセボ群のメンバーとの行動を比較した場合、ま たは同一の患者に対してなされるその後のテスト間で、正常性に統計的に有意な 差異が認められる場合、アルツハイマー病における「改善」は本発明の意図する 改善とされる。さらに、ヒトにおけるスコポラミン誘導性健忘症をモデル系とし て使用してリガンドインヒビターの有効性をテストし得る。リガンドインヒビターの投与 本明細書中で使用される用語「薬学的に受容可能な」、「生理学的に許容可能 な」およびこれらの文法上の変形は、組成物、キャリア、希釈液および薬剤を指 す場合には互換的に用いられるものとする。好ましくは、これらの物質は、吐気 、目眩感、胃の不調などの望ましくない生理学的効果を生じることなく哺乳動物 に投与し得る。 CRF/CRF-BP複合体のリガンドインヒビターを治療有効量で患者に投与する。治 療有効量とは、脳の遊離CRFレベルを増加させる、学習および記憶力を改善する 、食物摂取を減少させる、脳のCRF神経回路系を活性化する、脳の低CRFレベルに 関わる疾患を治療する、アルツハイマー病に関する症状を治療する、肥満を治療 する、異形鬱病を治療する、薬物乱用禁断症状を治療する、分娩後鬱病または加 齢性記憶喪失を治療する、のいずれかの所望の効果を達成するために算出された 量である。特定の治療により、そしてペプチドリガンドインヒビターまたは非ペ プチドリガンドインヒビターのいずれを投与するかにより、投与経路が変わり得 ることは当業者には明らかである。投与経路は非観血的であっても観血的であっ てもよい。非観血的な投与経路としては、経口、頬/舌下、直腸、鼻、局部(経 皮および眼を含む)、膣、膀胱内および肺などが挙げられる。観血的な投与経路 としては、ICV、動脈内、静脈内、皮内、筋肉内、皮下、腹腔内、クモ膜下腔内 および眼内が挙げられる。 動物において以下のように脳室内(ICV)注射を実施する。ハロタンで動物を麻 酔し、KOPF定位器に固定する。ステンレス鋼製の2つのねじと歯科用セメントに よって、側脳室上に的をあてたガイドカニューレを頭蓋に移植して固定する。注 射のために、60cmのPE 10チューブに取り付けた30ゲージのステンレス鋼製カニ ューレを、先端から1mm出るところまでガイドを介して挿入する。流れが生じる まで単にチューブを動物の頭より高く上げることで、重力流によって1分間かけ て2マイクロリットのリガンドインヒビタールを注射する。その他の投与経路に ついての手順は当該分野において周知である。 特定の処置および投与経路によって必要な用量は変化し得る。一般に、ペプチ ドリガンドインヒビターの用量は、脳組織1.5gあたり約50〜125μgすなわち組織 1.5gあたり15〜38nmolの最終濃度が得られるような量とする。しかしながら、タ ンパク質またはポリペプチドの大きさに応じて、比較的大用量または少用量にす ることもできる。これらの処置を1週間に2、3回実施する。治療効果を維持する ために処置を連続的なものとすることが必要になる場合もある。上述したように 画像化することによって大脳脊髄液または脳におけるCRFレベルを評価すること によって患者をモニタリングする。さらに、各処置について説明したように様々 なテスト下での行動を評価することによって患者をモニタリングする。 治療投与は医師の指導下で行い、そして薬学的組成物は薬学的に受容可能なキ ャリア中にリガンドインヒビターを含有する。これらのキャリアは当該分野にお いて周知であり、代表的には非毒性塩および緩衝液を含有する。このようなキャ リアは、生理学的に緩衝化された生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水などの緩 衝液、グルコース、マンノース、スクロース、マンニトールまたはデキストラン のような炭水化物、グリシンなどのアミノ酸、酸化防止剤、EDTAまたはグルタチ オンなどのキレート剤、アジュバントおよび保存剤を含有し得る。受容可能な非 毒性塩としては、酸添加塩または例えば亜鉛、鉄、カルシウム、バリウム、マグ ネシウム、アルミニウムなどとの金属錯体(本発明の目的では添加塩として考え られる)が挙げられる。このような酸添加塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸 塩、硫酸塩、リン酸塩、タンニン酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩 、アルギン酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩 、リンゴ酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩などが挙げられる。活性成分を錠剤 形態で投与する場合、錠剤は、トラガカント、コーンスターチまたはゼラチンの ような結合剤;アルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑 剤を含有す得る。液体形態での投与が望ましい場合には、甘味料および/または 香料を使用し得、等張生理食塩水、リン酸緩衝液中での静脈内投与も有効であり 得る。 医師の指導下で投与されるペプチドは、通常はリガンドインヒビターおよび従 来の薬学的に受容可能なキャリアを含有する薬学的組成物の形態である。通常、 投薬量は1日あたり宿主動物の体重1kgあたりペプチド約1〜約1000マイクログラ ムであり、多くの場合には約100μgと約1mgとの間であるが、最大約10mgまで変 化させ得る。これらのペプチドでの被験体の処置を実施して、症状を軽減したり 、アルツハイマー病患者および慢性疲労症候群患者に起こる比較的低い周囲CRF レベルの特徴である有害な症状の発現を矯正することが可能である。前者の場合 、処置によって短期記憶および中期記憶が改善される。しかしながら、食欲抑制 を包含するこれらの徴候の多くについては脳にペプチドを送達する必要があり、 好ましくはこのペプチドと血液-脳関門を透過することのできる薬剤とを結合さ せる。静脈内、筋肉内または皮下注射による投与によってコルチゾールレベルが 高まり、疲労を軽減し得る。これらのリガンドインヒビターでの被験体の処置を 実施して、脳に達する投与によって遊離CRFの生物学的有効濃度を急激に上昇さ せ、ヒトの呼吸系を刺激することも可能である。物質または病理学的な薬剤によ る心臓血管停止およびショックなどの医療上の救急時における状態での処置のた めに、静脈内、筋肉内または皮下注射で投与することによってコルチゾールレベ ルを上昇させ得る。妊娠時に分娩を促進するために、必要に応じてhCRF(または そのアナログ)をさらに含むリガンドインヒビターを投与して血漿中の遊離hCRF 濃度を少なくとも約250pmole/l、好ましくは少なくとも約0.1ng/mlまで高めるこ とができる。また、コルチゾール濃度が低いことの多いAIDS罹患患者に同様に投 与し得、その結果、このようなCRF-BPブロック剤(blocker)によってACTHおよび コルチゾールを上昇させ得る。 CRFまたはCRFのアゴニストと共に薬剤を投与する場合、このようなCRFペプチ ドは、宿主動物の体重1kgあたりCRFペプチド約1〜約200マイクログラムの日用量 で投与し得る。適切なCRFのアゴニストの例として、米国特許第4,415,558号、第 4,489,163号、第4,594,329号、第5,112,809号、第5,235,036号および第5,278,14 6号(これらの開示は、本明細書中に参考として援用する)に記載されているよ うなアゴニストが挙げられる。CRFのアンタゴニストと共に試薬を投与する場合 、このCRFのアンタゴニストは、宿主動物の体重1kgあたりペプチドが約0.01〜約 10mgとなる量で投与し得る。適切なCRFのアンタゴニストとして、米国特許第4,6 05, 642号、5,109,111号および5,245,009号(これらの開示は、本明細書中に参考と して援用する)に開示されているようなアンタゴニストが挙げられる。好ましい CRFのアンタゴニストとしては、[D-Phe12,N21,38]-hCRF(12-41)および[D-Phe12 ,Nle21,38,CML37]-hCRF(1241)が挙げられる。好ましいCRFのアゴニストとして は、[His20,Nle21,Leu38]-hCRF、[D-Phe12,Nle21,38,Leu36]-hCRF、[D-Pro4 ,D-Phe12,Asp25,Nle21,38]-hCRFおよび[D-Pro4,D-Phe12,Nle21,38,CML37] -hCRFが挙げられる。 以下の実施例は例示のためのものであり、限定されるものではない。 実施例1 CRF-BR からCRFを追い出すリガンドインヒビターの能力を アッセイするためのリガンド-免疫放射線アッセイ(LIRMA) 600μlのポリプロピレン遠心チューブまたは96ウェルプレートにおいてアッセ イを実施する。まず、50μlの精製組換えCRF-BP(250ng/ml)を150μlのPBS結合緩 衝液(50mMリン酸ナトリウム、0.15M NaClおよび0.02%NP-40)に添加する。次に、125 I-h/r CRFを最終濃度200pMになるように添加し、そして10〜100μM濃度のリ ガンドインヒビター50μlを添加して室温にて1時間インキュベートする。反応に 対し、アッセイ緩衝液て1:1000に希釈した50μlの抗CRF-BP抗体5144を各チュー ブに添加し、さらに1時間室温にて結合させる。アッセイ緩衝液で全チューブの 総容量を300μlに調節する。1%正常ウサギ血清、4%PEG、50mMリン酸ナトリウム 、0.1%アジ化ナトリウム中の沈澱したヤギ抗ウサギ(GAR)二次抗体(20:1)を添 加することによって結合複合体を沈澱させた後、室温にて1時間インキュベート する。次に、Beckman GS-15R遠心機にて4℃で20分間遠心分離(3000×g)すること によって抗体結合125I-CRF沈澱物を回収する。Beckman Biomer 1000ロボットワ ークステーションを使用することによって、チューブを吸引し、PBSおよび0.02% NP-40(600μl)で1回洗浄する。次に、ペレットを含むチューブを12×74mmの計 数チューブに移し、γカウンタで計数する。 Munsonら、Anal.Biochem.107:220,1980のLIGANDコンピュータプログラムお よびVax/VMSコンピュータシステムで算出されたパラメータを使用して、阻害結 合親和定数(Ki)値を測定する。誤差は、3連の結合アッセイの平均標準誤差を表 す。 実施例2 CRF のCRF-BRからのリガンドインヒビターの追い出しをアッセイするためのデタ ージェント相分離 200ng/mlのヒト組換えCRF-BPを放射線標識125I-h/r CRF(80pM)と一緒に結合緩 衝液(リン酸緩衝塩水、pH7.4/0.02% NP-40)中にて室温で2時間インキュベートす る。インキュベート後、アッセイ緩衝液オクチルフェノキシポリエトキシエタノ ール(octylphenoxypolyethoxyethanol)(SIGMA)中のTriton X-114TMの1:10希釈液 を添加することによって結合CRFおよび遊離CRFを分離する。Triton X-114TMは室 温では水に不溶であり、水溶液中ではデタージェント相に分離される。Triton X -114TMを添加した後、チューブをボルテックスで撹拌し、速やかに12,000×gで5 分間室温にて遠心分離を行う。デタージェント相はチューブの底に認められ、水 相は上に残ったままである。両親媒性αらせんとしてのCRFは分離してデタージ ェント相になる。しかしながら、CRFがCRF-BPと結合している場合には、CRF/CRF -BP複合体は水相に残る。したがって、水性相のアリコート50μlを12×74mmのプ ラスチックチューブに移して計数する。上清に残った放射線活性の量を測定する 。 実施例3 遊離CRFのACTH放出アッセイ 4匹のラットを断頭して屠殺し、下垂体前葉を取り出す。この下垂体前葉を滅 菌HEPES緩衝液で6回洗浄し、20mlのコラゲナーゼ溶液(4mg/ml)に移す。次に、コ ラゲナーゼ中の下垂体を25mlのBellco分散フラスコに移し、37℃で30分間攪拌す る。30分後、10mlのピペットで下垂体を吸い出すことによって下垂体細胞懸濁物 を粉砕し、さらに30分間インキュベートした後にさらに粉砕する。細胞懸濁物を さらに45分間インキュベートし、部分的に分散した細胞を50mlの減菌チューブに 移し、4000rpmで4分間遠心分離する。細胞ペレットを10mlのノイラミニダーゼ(8 μg/ml)中にて再構成し、ボルテックスする。懸濁物を、9分間水浴中におき、再 度4分間ボルテックスにして再度遠心分離する。上清を注ぎ出し、BBM-P(BBM-T 2 50mlプラス2%ウシ胎仔血清5ml)25ml中でボルテックスにすることによって細胞ペ レットを再構成する。遠心分離によって細胞を収集し、最後に懸濁物をBBM-P 22 ml中で再構成する。次に、48ウェルプレート中に50〜100,000/ウェルの密度で 細胞をプレートし、加湿CO2チャンバ内にて2日間インキュベートする。アッセイ 当日、細胞を、種々の関連類似物での刺激のためにBBM-Tで1回洗浄する。 ブロッキング濃度のCRF-BP(5nM)の存在下および非存在下で最大刺激容量のh/r CRF(1nM)で細胞を刺激する。この濃度のCRF-BPは、h/rCRFに結合することにより 下垂体細胞から放出されるACTHの量を減らす。この減少量は、CRF-BPの非存在下 で1nM CRFによって放出されるACTHの量の分数として表される。h/rCRF(1nM)と結 合しているCRF-BP(5nM)を、ある濃度範囲のリガンドインヒビター(例えばCRF-BP リガンドh/rCRF(6〜33)の一般的な濃度は、0.1〜1000nMである)とともにインキ ュベートする。リガンドインヒビターはCRF-BPと結合し、そして複合体をCRFに 置き換える。これによって、CRF-BPによるh/rCRF誘導されたACTH分泌の阻害の可 逆性は用量依存になる。CRF-BPリガンドの効力は、1nM CRF単独での刺激によっ て得られるACTH放出の分数として表される。 実施例4 遊離CRFを測定するためのcAMP産生アッセイ CRF刺激アデニル酸シクラーゼ活性を検出するためのアッセイを、わずかな修 正を加えた以外は上述した(Battaglia ら、.,1987)ように実施する。標準アッ セイ混合物は、DMEM緩衝液中に2mM L-グルタミン、20mM HEPES、1mM IBMX(イソ ブチルメチルキサンチン(isobutylmethyl xanthine))を含有する。刺激研究にお いて、CRFレセプターをコード化するクローンでトランスフェクトされた細胞を 、24ウェルプレートにプレートし、種々の濃度のCRF関連ペプチドおよびCRF非関 連ペプチドとともに37℃で1時間インキュベートする。インキュベーションの後 、培地を吸引し、新鮮な培地でウェルを穏やかに1回洗浄し、吸引する。95%エタ ノールおよび20mM HClの溶液300μl中で20℃にて16〜18時間細胞を溶解した後に 細胞内cAMPの量を測定する。ライゼートを1.5mlのEppendorfチューブに移し、ウ ェルをさらに200μlのEtOH/HClでウェルを洗浄し、そして洗浄物をライゼートと 一 緒にプールする。ライゼートを凍結乾燥させ、pH6.2の酢酸ナトリウム緩衝液500 μlに再懸濁し、cAMPを、Biomedical Technologies Inc.(Stoughton,MA)由来の 単一抗体キットで測定する。CRFレセプターアンタゴニストの機能を評価するた めに、cAMP生成を80%刺激する単一濃度のCRFまたは関連のペプチドを、種々の濃 度(10-12〜10-6M)の競合組成物とともにインキュベートする。cAMPに関するイン キュベーション条件および測定条件を上述したように実行する。 実施例5 CRF 濃度を測定するための2部位ELISA A.脳組織試料の調製 剖検試料を秤量し、10%スクロース5ml中で均質化した。各試料1mlを室温にて1 0分間10,000×gで遠心分離し、これによって得られた膜ペレットをSPEA(0.25%ウ シ血清アルブミン(BSA)および1%NP-40を含有する50mMリン酸ナトリウム、pH7.4 、0.1M NaCl、25mM EDTA、0.1%アジ化ナトリウム)で再構成した。TTBS(0.5% Tw een-20、1% NP-40、1% BSAを有するTris緩衝化生理食塩水)200μlを添加するこ とによって大脳皮質ホモジネート(10%スクロース中)800μlをさらに抽出し、1分 間ボルテックスした。試料を室温にて10分間10,000×gで遠心分離した。上記の ようにして得られた上清を、2部位CRF ELISAを用いる「全CRF」「結合CRF」(す なわち、CRF-BPに結合したCRF)および「遊離CRF」の分析のために保存した。 B.全CRFの測定 簡単に説明すると、ELISAプレートを、37℃で2時間、pH9.5の50mM炭酸水素ナ トリウム緩衝液中に希釈したタンパク質G精製ヒツジ抗CRF抗体(20μg/ml)で被覆 した。プレートをTTBSで1回洗浄し、TBS中の1%カゼインで室温にて1時間ブロッ クした。100μlの試料またはスタンダードを各ウェルに添加し、室温で結合させ た。TTBSでプレートを5回洗浄した。RC-70ウサギ抗ヒトCRF抗体(TTBS/1%BSA中に 1:1000に希釈)を添加した。室温にて1時間インキュベーションの後、プレートを TTBS緩衝液で5回洗浄し、次にプレートを西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ヤギ 抗ウサギ(GAR)二次抗体に室温にて1時間曝露した。プレートを、最後にTTBSで5 回洗浄し、TMBマイクロウェルペルオキシダーゼ基質溶液(Kikegaard and Perry Laboratories,Inc.)100μlの添加により発色させた。450nMでの吸光度を測定し た。 C.結合CRFの測定 抗ヒトCRF-BPモノクローナル抗体(pH9.5の50mM炭酸水素ナトリウム緩衝液中の 抗体5μg/ml)で予め被覆したウェルにおけるCRF/CRF-BP複合体の捕捉によって結 合CRFを測定した後、本質的に全CRF ELISAについて上述したようにしてRC-70抗 ヒトCRF抗体で結合CRFを検出した。 D.遊離CRFの測定 抗CRF-BPモノクローナル抗体によって結合複合体を捕捉した後、上清において 遊離CRFを測定する。試料物質の結合の後、上清をプロテインG精製ヒツジ抗CRF 抗体で被覆した新たなELISAプレートに移す。次に上述したようにしてアッセイ を実施して全CRFレベルを測定する。 実施例6 リガンドインヒビターのスクリーニング 候補リガンドインヒビターを、CRF/CRF-BP複合体をCRFに置き換える能力につ いて、スクリーニングし得る。培養下垂体細胞からのACTH放出(実施例2参照)ま たは2部位LIMRA(実施例1参照)などの適切なアッセイを使用して、それぞれ遊離 CRF濃度およびCRF-BP濃度を測定する。 LIMRAアッセイでは、実施例1の手順にほぼ従う。濃度10μMのリガンドインヒ ビターを125h/rCRFと一緒に反応に添加する。候補リガンドインヒビターがCRF-B PをCRFに置き換える場合、ペレットは、候補ペプチドを添加していないコントロ ールと比較すると低い放射線活性を含有する。6点用量曲線を使用して候補ペプ チドを再スクリーニングする。IC-50値を算出する。 リガンドインヒビターヒトCRF、α-らせんヒツジCRF(9−41)、ヒトCRF(6−33) およびヒツジCRFをCRF/CRF-BP複合体に対してこの方法でスクリーニングした。 クローン化ヒト下垂体CRFレセプターに対するこれらのペプチドの親和性を、予 め特徴付けされた放射リガンド結合アッセイを使用して、LtK-マウスの線維芽細 胞におけるレセプターの安定したトランスフェクタントの膜調製物において測定 した(DeSouza,J.Neurosci.7:88,1987)。 これらのアッセイの結果を以下の表に示す。さらに、これらのリガンドインヒ ビターを、アルツハイマー病に罹患した個体およびコントロール個体の大脳皮質 のCRF-BPについてテストした。 これらの結果は、ヒトCRF、α-らせんヒツジCRF(9-41)、およびヒトCRF(6〜33 )は、CRF/CRF-BP複合体をCRFに置き換えることにおいてほぼ等しく効果的であっ たことを示す。対照的に、ヒツジCRFはCRFの置き換えには有効ではなかった。罹 患個体または正常な個体由来の大脳皮質におけるCRF-BPは、組換え形態と等価で あった。これら3種類の最も優れたリガンドインヒビターのうち、ヒトCRFおよび α-らせんヒツジCRF(9-41)は、ほぼ同じようにヒトCRF-Rと結合した。これとは 極めて対照的に、ヒトCRF(6〜33)は、2〜3log低効率で結合する。 実施例7 リガンドインヒビターによる処理 アルツハイマー患者から得た5つの大脳皮質試料および同一年齢の正常なコン トロールから得た5つの大脳皮質試料を、実施例4のようにして調製してプール した。全CRF、結合CRF、および遊離CRFの濃度を実施例4に記載のようにして測 定した。図2に示されるように、正常な個体から得た脳抽出物では全CRFの40%が CRF-BPと複合体化し、そしてアルツハイマー病患者から得た脳抽出物では総CRF の60%がCRF-BPと複合体化していた。 高親和性CRF-BPリガンドの結合CRFを置き換える効果を、50nMのα-らせんヒツ ジCRF(9-41)の存在下におけるCRF/CRF-BP複合体のモノクローナル捕捉の後に評 価した。置き換えられた遊離CRFを、CRF ELISAによってCRF-BPモノクローナル抗 体捕捉した後に残った上清において測定した。図2に示されるように、脳組織を リガンドインヒビターで処理することによって、アルツハイマー病の組織とコン トロール組織のいずれにおいても全ての結合CRFが放出された。さらに、アルツ ハイマー病の大脳皮質をリガンドインヒビターで処理することによって、遊離CR F濃度は、同一年齢のコントロールに見られるレベルにまで戻った。 組織をまた、50nMのリガンドインヒビターα-らせんヒツジCRF(9-41)とともに インキュベートした。次に、上清を、実施例4に記載した2部位ELISAアッセイに より、置き換えられたCRFについてアッセイした。 実施例8 Morris 水迷路試験 Morris水迷路試験は、最小限のストレスおよび経験しか必要ない簡単な空間学 習課題である。ショックや食物摂取量の減少などの動機付けの強制は必要ない。 動物を、粉乳の添加により不透明になっている生ぬるい水の中に入れる。隠れた プラットホームを見つけるまでの潜在時間をモニタリングする。動物は、迷路お よび試験室内にある目に見える手がかりに対するプラットホームの位置を学習す る;この学習を位置学習と呼ぶ。この試験は、動物における空間学習およびヒト における記憶固定に関与する重要な脳領域である海馬の操作に対して特に敏感な ものである。 この試験で使用した装置は、不透明な水(22℃〜25℃)を23cmの深さまで満たし たプール(直径46.4cm、高さ45.7cm)である。加重した標的プラットホームの一番 上の直径10cmの部分を、水面から1〜2cm下に位置させる。プールの4つの四分円 を内面のデザインによって区別する。動物を、タンクの決められた四分円に入れ 、隠れたプラットホームに近づいて登るまでの時間を測定する;被検体を置く位 置およびプラットホームの位置は実験中を通して一定にする。プラットホームの 一番上に登った後、動物を20秒間休ませる。60秒以内にプラットホームを見つけ なかった被検体をプラットホームの上に置き、20秒間休ませる。 ラットを、試験の15分前にリガンドインヒビターh/rCRF(6〜33)またはCRFレセ プターアゴニストh/rCRFのいすれかのICV注射により処理した。h/rCRF(6〜33)の 用量は、0、1、15、25、50または125μgであった。h/rCRFの用量は、0、0、1、1 または2.5μgであった。1グループあたり7〜10匹のラットを処理した。統計的な 分析によって、h/rCRF(6〜33)(p<0.05)またはCRF(p<0.05)で処理した後の行動に は顕著な改善が見られることが確認された(図4)。時間が経過した後にも同様に 行動に有意な改善が見られた(p<0.0001)。 実施例9 Y 迷路可視区別試験 Y迷路可視区別試験は、動物に最小限のストレスを与えて学習に対する正の強 化を利用する学習試験である。被検体に食餌を与えず、訓練セッションの終了後 にのみ食餌を与える。動物は応答しないという選択肢を選ぶこともあるが、ほと んどの場合には、通常の餌よりもラットが好む食餌ペレットの正な強化特性のた めに応答する。 Y迷路は、同じ長さ(長さ61cm、幅14cm、高さ30cm)のアームを含有する。1本の アームはスタートボックスとして使用され、手動式のギロチンドアによって他の 2本のゴールアームと分離されている。2本の遠位のアームの端の垂直面には、 8ワットの電球が備えられている。訓練の1日目に、各ゴールアームの端に2個 の食餌ペレット(45mg Noyes)を置き、体重の80%まで食餌を与えられていないラ ッ トを5分間迷路に放した。2日目に、各ラットをペレットをおいた各ゴールアー ムの下を1トリップさせた。3日目に、選択した点で1本のゴールアームを閉じ 、開いたゴールボックスで45mgのペレット2個を得られるようにしてはあるが、 区別するための可視的な刺激は与えずに(ライトをオフにしておく)3匹の動物か らなるグループでラットに6つの空間試験をした。オープンアームを6回の試験を 通して左から右に往復させ、被検体から被検体へと往復させた。4日目から10日 目では、両方のゴールアームを開いてゴールアームの端のライトに灯りをつけた 。試験と試験との間の時間が約90秒になるように3例の動物からなるグループで1 日10回の試験を行った。訓練の最後に毎日かごの中で被検体に実験室食餌15gを 与えた。 4〜10日目に、試験直前にリガンドインヒビターのICV注射をすみやかに与えた 。7〜9匹のラットからなるグループに0、1、5、または25μgのいずれかリガンド インヒビターh/rCRF(6〜33)を与えた。パーセント補正応答を記録した。5μgお よび25μgのCRF(6〜33)を与えられたラットは、0または1μgのリガンドインヒビ ターを与えられたラットよりも統計的に顕著に良好な行動をした。 実施例10 高架プラス迷路試験 高架プラス迷路試験によって、露出されて照明のあてられた空間に対して暗い 閉じられた領域に関する近接回避状況に動物がどのように応答するかを予測する ことができる。迷路において、両空間を地面から持ち上げ、プラスの符号の形に 交差している2つの通路を構成する。この種の近接回避状況は、「情緒性」につ いての古典的な試験であり、脱抑制(鎮静剤または催眠剤)およびストレスを生じ させる処理に対して極めて敏感である。動機付けの強制は必要なく、動物は暗闇 の中に居続けるか、またはオープンアームから外に出ることができる。 高架プラス迷路装置は、互いに直交して床から持ち上げられて(50cm)いる4本 のアーム(長さ50cm、幅10cm)を有する。これらのアームのうちの2本は壁(高さ40 cm)で囲まれ、そして2本のアームは壁を有しない(オープンアーム)。被検体をそ れぞれ迷路の中央におき、5分間の試験期間中は4本のアーム全てに自由に接近し 得るようにした。光電池の光線およびコンピュータインタフェースによって各ア ームに滞在した時間を自動的に記録した。 7〜10匹のラットからなるグループにリガンドインヒビターh/rCRF(6〜33)また はh/rCRF(1〜41)のICV注射を与えた。ラットにh/rCRF(1〜41)を0、0.1、1または 25μg与えた。h/rCRF(1〜41)の1および25μgの用量では、オープンアームにおい て統計的に顕著により多い時間滞在し、不安度が増したことを示した(第5図)。 これとは極めて対照的に、CRF(6〜33)の記憶改善用量ならびに2〜5倍多い用量(5 0〜125μg)では、行動に変化はなく、h/rCRF(1〜41)に匹敵する明白な挙動変化 は産生されなかった。h/rCRF(1〜41)はCRFレセプターアゴニストであることが知 られている。したがって、これらのデータは、リガンドインヒビターについての 効率的な認知改善および不安誘発性(anxiogenic)副作用の明瞭な機能的解離を 示す。 実施例11 肥満動物モデル 肥満は、エネルギー消費量を上回る量のエネルギーを摂取することで生じる過 剰の体脂肪に関する。臨床集団における肥満の複合病因は、過食、異常な脂質代 謝、インスリン過剰および運動不足に関与し得る。これらの現象および結果とし て生じる体の大きさの増加は、遺伝的に肥満状態のラットおよびマウス、脳の視 床下部領域に病変を有する動物、様々な投薬処理を長期にわたって施された動物 を用いて、動物においてモデル化し得る。 中枢投与されたCRFは、遺伝的に肥満状態のZuckerラットにおける過剰な体重 増加を停止させる上で効果のある食欲不振作用を生じる。内因性CRFの食欲抑制 作用については、CRF/CRF-結合タンパク質複合体すなわちCRF(6〜33)を使用して 最近解明されつつある。このリガンドインヒビターは、間接的なCRFアゴニスト として作用し、脳の遊離非結合CRFのシナプスレベルを増加させる。24時間断食 させた動物に飼料を2時間与える直前にh/rCRF(6〜33)を中枢投与したところ、食 欲に用量依存抑制が認められる。CRFと比較して、h/rCRF(6〜33)は、食欲減退に おいて効力は有意に少なく効率も低い。CRFとは対照的に、断食をしていない被 検体における2時間平均の摂取量を変化させない。さらに、別の試験で、h/rCRF( 6〜33)の食欲不振用量は、CRF自体を中枢投与した後に予期される恐れのような 挙動を誘導しなかった。これらの結果は、h/rCRF(6〜33)での薬学的処置が、内 因性CRFレベルにおいて生理学的に意味のある増大を刺激することによって選択 的かつ適度に食欲が抑制されることが分かる。 体重増加および過食は、ニコチンの禁断症状の好ましくない特徴であり、エネ ルギーバランスおよび食欲制御のために、脱制御された生物学的および神経化学 的物質を薬学的に標的化することによって解決され得る。空腹感の増大および体 重増加は少なくとも6ヶ月続き、喫煙をやめた後1年間で平均4〜6ポンド体重が増 えることが多い。喫煙をやめた喫煙者の3/4を上回る人に生じるこのような状況 肥満は、標準的な挙動体重減少ストラテジーでは効率よく修復されてはいない。 臨床現象の例として、禁酒をしている女性の体重は、カロリー摂取量は正常な範 囲内にあったが、飲酒をやめた後26週間でベースラインよりも9ポンドも多くな ったと報告した調査員がいる。このような長期にわたる禁断症状は、喫煙にかわ って主要な役割をはたし得る。 禁煙後の食欲および体重の障害は、動物でモデル化したニコチン離脱症候群の 再現可能な構成要素である。図6は、依存誘導濃度で2週間を超える日数にわた ってニコチンを連続的に注入し、ニコチン投与をやめた後2週間離脱させて得た 実験室ラットにおける体重および食物摂取量の変化を示す。慢性的にニコチンを 投与するとビヒクル処理したグループに対して食物摂取量および体重増加率が減 少するが、これに続くニコチンの禁断症状によって過食およびコントロールに対 して体重の正常化が誘導される。ニコチン置換治療は禁断症状における食欲およ び体重の乱れに対して解毒作用的なものであるため、喫煙停止のエネルギーバラ ンスに対する影響はニコチンを突然取り除くことによって生じるように思われる 。この臨床観察は、ニコチン注入停止後24時間の時点で測定された挙動の乱れお よび全体としての離脱徴候が、ニコチンの急激な全身投与により緩和される動物 モデルによって確認される。 ニコチンの禁断症状誘導性過食においてCRF-BPアンタゴニストの有利な食欲不 振特性を証明するために設計された実験において、ニコチン投与停止後4日目の2 時間にわたる食餌の直前に非依存およびニコチン離脱被検体にh/rCRF(6〜33)を 投与した。図7は、リガンドインヒビターWrCRF(6〜33)はニコチン未処置コント ロールにおいて食欲を変化させることはなかったが、ニコチン離脱被検体は食物 摂取レベルが増し、これはh/rCRF(6〜33)を投与することによって有意に減少す るということを示す。まとめると、これらの結果は、全く食餌を与えなかった動 物または自然に空腹になった動物の食欲を変化させない用量のリガンドインヒビ ターが、食物断食またはニコチンの禁断症状により刺激された過剰な食欲を効果 的に減弱することを開示している。 以上から、本発明の特定の実施例について例示の目的で説明したが、本発明の 趣旨および範囲を逸脱することなく様々な改変を施し得ることが明らかである。 したがって、本発明は添付の請求の範囲以外には限定されない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,C Z,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KG,KP ,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,MD,MG, MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SI,S K,TJ,TM,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 バール, ウィリー ダブリュー. ジュ ニア アメリカ合衆国 カリフォルニア 92037, ラ ホヤ,バルデズ 1643 (72)発明者 ヘインリッヒ, スティーブン シー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92037, ラ ホヤ,ビア マローカ ナンバーシ ー 8611 (72)発明者 サットン, スティーブン ダブリュー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92014, デル マー,ピー.オー.ボックス 2964 (番地なし) (72)発明者 リビア, ジーン イー. エフ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92037, ラ ホヤ,ブラックゴールド ロード 9674 (72)発明者 デサウザ, エロル アメリカ合衆国 カリフォルニア 92014, デル マー,サウス レーン 4507

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.脳内の遊離CRFレベルを上昇させる医薬品の製造に使用するための、CRF/C RF結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合タンパク質 からCRFの放出を引き起こし得るか、または遊離CRFのCRF結合タンパク質への結 合を抑制し得る、リガンドインヒビター。 2.前記リガンドインヒビターが、h/rCRF(アミノ酸6〜33)、h/rCRF(アミ ノ酸9〜33)、およびh/rCRFからなる群より選択されるペプチドである、請求項 1に記載のリガンドインヒビター。 3.前記リガンドインヒビターがペプチドである、請求項1に記載のリガンド インヒビター。 4.前記リガンドインヒビターが非ペプチドである、請求項1に記載のリガン ドインヒビター。 5.学習および記憶を改善する医薬品の製造に使用するための、CRF/CRF結合 タンパク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合タンパク質からCRF の放出を引き起こし得るか、または遊離CRFのCRF結合タンパク質への結合を抑制 し得る、リガンドインヒビター。 6.食物摂取を減少させる医薬品の製造に使用するための、CRF/CRF結合タン パク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合タンパク質からCRFの放 出を引き起こし得るか、または遊離CRFのCRF結合タンパク質への結合を抑制し得 る、リガンドインヒビター。 7.脳内の低レベルのCRFに関連する病気を処置する医薬品の製造に使用する ための、CRF/CRF結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結 合タンパク質からCRFの放出を引き起こし得るか、または遊離CRFのCRF結合タン パク質への結合を抑制し得る、リガンドインヒビター。 8.前記病気がアルツハイマー病である、請求項7に記載のリガンドインヒビ ター。 9.前記病気が、慢性疲労症候群、異型鬱病、肥満症、分娩後鬱病、および加 齢性記憶喪失からなる群よれ選択されるか、あるいは遊離CRFのCRF結合タンパク 質への結合を抑制している、請求項7に記載のリガンドインヒビター。 10.前記リガンドインヒビターがペプチドである、請求項5〜9のいずれか に記載のリガンドインヒビター。 11.前記リガンドインヒビターが非ペプチドである、請求項5〜9のいずれ かに記載のリガンドインヒビター。 12.前記リガンドインヒビターが薬学的に受容可能なキャリア中で投与され る、請求項5〜9のいずれかに記載のリガンドインヒビター。 13.アルツハイマー病に関連する徴候を処置する医薬品の製造に使用するた めの、CRF/CRF結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合 タンパク質からCRFの放出を引き起こし得るか、または遊離CRFのCRF結合タンパ ク質への結合を抑制し得る、リガンドインヒビター。 14.肥満症を処置する医薬品の製造に使用するための、CRF/CRF結合タンパ ク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合タンパク質からCRFの放出 を引き起こし得るか、または遊離CRFのCRF結合タンパク質への結合を抑制し得る 、リガンドインヒビター。 15.異型鬱病を処置する医薬品の製造に使用するための、CRF/CRF結合タン パク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合タンパク質からCRFの放 出を引き起こし得るか、または遊離CRFのCRF結合タンパク質への結合を抑制し得 る、リガンドインヒビター。 16.物質乱用の禁断症状を処置する医薬品の製造に使用するための、CRF/CR F結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合タンパク質か らCRFの放出を引き起こし得るか、または遊離CRFのCRF結合タンパク質への結合 を抑制し得る、リガンドインヒビター。 17.分娩後鬱病を処置する医薬品の製造に使用するための、CRF/CRF結合タ ンパク質複合体のリガンドインヒビターであって、CRF結合タンパク質からCRFの 放出を引き起こし得るか、または遊離CRFのCRF結合タンパク質への結合を抑制し 得る、リガンドインヒビター。 18.前記リガンドインヒビターがペプチドである、請求項13〜17のいず れかに記載のリガンドインヒビター。 19.前記リガンドインヒビターが非ペプチドである、請求項13〜17のい ずれかに記載のリガンドインヒビター。 20.活性治療物質としての使用のために、CRF結合タンパク質からCRFの放出 を引き起こし得るか、または遊離CRFのCRF結合タンパク質への結合を抑制し得る 、リガンドインヒビター。 21.リガンドインヒビターをスクリーニングするための方法であって、 候補リガンドインヒビターをCRF/CRF結合タンパク質複合体とともにインキュ ベートする工程;および アッセイにより遊離CRFを測定する工程、 を包含する方法。 22.遊離CRFがインビトロリガンド免疫放射アッセイにより測定される、請 求項21に記載の方法。 23.遊離CRFが生物学的アッセイにより測定される、請求項21に記載の方 法。 24.CRFまたはCRFアナログのインビボでの活性を増強させる医薬品の製造に 使用するための、ヒトCRF結合タンパク質に対する高い親和性を有しかつヒトCRF レセプターに対する低い親和性を有する薬剤であって、CRFレセプターへの結合 に利用可能な内因性hCRFの濃度を上昇させるために十分なCRF-BPとの複合体を形 成するために効果的である、薬剤。 25.CRF、またはアゴニストもしくはアンタゴニストであるCRFのアナログを さらに含む、請求項24に記載の薬剤。 26.前記薬剤が約19〜約28残基の間の長さのペプチドである、請求項24に 記載の薬剤。 27.前記ペプチドがhCRF(9-33)である、請求項26に記載の薬剤。 28.前記ペプチドがhCRF(6-33)である、請求項26に記載の薬剤。 29.請求項26に記載の薬剤であって、前記ペプチドが、配列(配列番号2 ):Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Xaa8-Xaa9-Xaa10-Xaa11-Xaa12-Xaa13-Xaa14-Xaa15-Xa a16-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Xaa21-Ala-Xaa23-Xaa24-Glu-Xaa26-Xaa27-Xaa28- Xaa29-Xaa30-Xaa31-Xaa32-Xaa33、あるいは、配列中のN末端から1〜8残基、 または配列中のC末端から1〜5残基、または両方を欠失することにより形成さ れるその生物学的に 活性なフラグメントを有し、ここで、Xaa23がArgまたはLysであり;Xaa24がAla 、Ile、ASn、Met、NleまたはLeuであり、そして他のそれぞれのXaaが独立して天 然のアミノ酸の残基である、薬剤。 30.各Xaaが独立してヒトCRF(1-41)のそれぞれの位置に存在する残基または その保存的置換を示す、請求項29に記載の薬剤。 31.請求項29に記載の薬剤であって、前記ペプチドが、配列(配列番号3 ):Pro-Pro-Ile-Ser-Xaa8-Asp-Leu-Thr-Phe-His-Leu-Leu-Arg-Xaa17-Xaa18-Xaa19 -Glu-Xaa21-Ala-Arg-Xaa24-Glu-Xaa26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-Gln-Ala-Xaa32-Xaa33 、あるいは、配列中のN末端から1〜8残基、または配列中のC末端から1〜 5残基、または両方を欠失することにより形成されるその生物学的に活性なフラ グメントを有し、ここで、Xaa8がLeuまたはIleであり;Xaa17がGluまたはAsnで あり;Xaa18がVal、Met、Leu、またはNleであり;Xaa19がLeuまたはIleであり; Xaa21がMet、Leu、またはNleであり;Xaa24がAla、Ile、またはAsnであり;Xaa2 6 がGlnまたはAsnであり;Xaa27がLeu、Glu、またはGlnであり;Xaa28がAlaまた はArgであり;Xaa29がGlnまたはGluであり;Xaa32がHisまたはGluであり;そし てXaa33がSerまたはLeuである、薬剤。 32.前記ペプチドが式:(Ile8,19,24、Asn17,26、Met18、Glu27、Arg28]-h CRF(4-28)である、請求項29に記載の薬剤。 33.前記ペプチドが式:(Ile8,19,24、Asn17,26、Met18、Glu27,29、Arg28 、Gly32、Leu33]-hCRF(6-33)である、請求項29に記載の薬剤。 34.前記ペプチドが式:(Asn17,24,26、Met18、Ile19、Gln27、Arg28、Glu29 、Gly32、Leu33]-hCRF(9-33)である、請求項29に記載の薬剤。 35.妊娠雌における分娩を促進する医薬品の製造に使用するための、ヒトCR F結合タンパク質に対する高い親和性を有しかつヒトCRFレセプターに対する低い 親和性を有する薬剤であって、血漿中の遊離hCRFの濃度を少なくとも約250ピコ モル/リットルのレベルに上昇させるために十分な量で存在する、薬剤。 36.前記薬剤がペプチドである、請求項35に記載の薬剤。 37.アルツハイマー病の処置のための請求項35に記載の薬剤であって、該 薬剤がペプチドであり、そして脳内の遊離の内因性CRFの増加の結果、短期から 中期の記憶の改善を生じるために有効な量で存在する、薬剤。 38.配列(配列番号3):Pro-Pro-Ile-Ser-Xaa8-Asp-Leu-Thr-Phe-His-Leu -Leu-Arg-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Glu-Xaa21-Ala-Arg-Xaa24-Glu-Xaa26-Xaa27-Xaa28 -Xaa29-Gln-Ala-Xaa32-Xaa33、あるいは、配列中のN末端から1〜8残基、また は配列中のC末端から1〜5残基、または両方を欠失することにより形成される その生物学的に活性なフラグメントを有するペプチドであって、ここで、Xaa8が LeuまたはIleであり;Xaa17がGluまたはAsnであり;Xaa18がVal、Met、Leu、ま たはNleであり;Xaa19がLeuまたはIleであり;Xaa21がMet、Leu、またはNleであ り;Xaa24がAla、Ile、またはAsnであり;Xaa26がGlnまたはAsnであり;Xaa27が Leu、Glu、またはGlnであり;Xaa28がAlaまたはArgであり;Xaa29がGlnまたはGl uである;Xaa32がHisまたはGluであり;そしてXaa33がSerまたはLeuである、ペ プチド。 39.hCRF(6-33);hCRF(9-33);[Ile8,19,24、Asn17,26、Met18、Glu27,29、 Arg28、Gly32、Leu33]-hCRF(6-33);[Asn17,24,26、Met18、Ile19、Glu27、Arg2 8 、Glu29、Gly32、Leu33]-hCRF(9-33);[Met6,14,18,24、Ile8,19,33、Asn17、H is20、Arg21,28、Lys23、Gly26、Glu27,29、Leu32]-hCRF(6-33);およびhCRF-BP に対して高親和性で結合するC末端および/またはN末端短縮されたそれらのフ ラグメントからなる群より選択される、請求項38に記載のペプチド。 40.哺乳動物へのインビボ投与に有効なCRFアンタゴニストを選択するため のスクリーニング方法であって、 (a)ヒトCRFレセプター(hCRF-R)を著しく活性化することなく該レセプターに 結合する各候補ペプチドの親和性、および(b)hCRF結合タンパク質(hCRF-BP)に 結合する各候補ペプチドに対する親和性を決定するために、CRFアンタゴニスト 候補ペプチドの群をスクリーニングする工程; 該親和性決定(a)および(b)の両方を各候補について比較する工程;および 該レセプターを著しく活性化することなくhCRF-Rへの結合に比較的高い親和性 を示し、そしてhCRF-BPへの結合に対して比較的低い親和性も示す、候補ペプチ ドを選択する工程、 を包含する方法。 41.前記第1に記載の決定(a)が、培養された下垂体細胞を用い、そしてCRF のチャレンジ用量によるACTHの分泌をブロックする効果について各候補を試験す ることにより成し遂げられる、請求項40に記載の方法。 42.前記第2の決定(b)が、各候補ペプチドが、hCRF-BPとhCRF-BPに対する 公知の結合親和性を有する適切に標識された所定量のリガンドとを有する溶液中 に配置される阻害結合親和性アッセイを行うことにより成し遂げられる、請求項 40に記載の方法。 43.CRF/CRF結合タンパク質複合体のリガンドインヒビターをスクリーニン グする方法であって、 (a)水溶液中で候補リガンドインヒビターの存在下でCRFをCRF-BPと接触させる 工程; (b)該工程(a)の溶液に非イオン性界面活性剤を加える工程; (c)該水溶液から該非イオン性界面活性剤を分離する工程;および (d)該水溶液中の結合CRF量または該非イオン性界面活性剤中の遊離CRF量のい ずれかを検出し、それによって該候補リガンドインヒビターがCRF/CRF-結合タン パク質複合体を破壊するか否かを決定する工程、 を包含する方法。 44 工程(b)が前記非イオン性界面活性剤の曇り点より高い温度で行われる 、請求項43に記載の方法。 45.前記非イオン性界面活性剤がオクチルフェノキシポリエトキシエタノー ルである、請求項43に記載の方法。
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