【発明の詳細な説明】
磁気記録テープの製造における、グラビアコーティングを平滑化するための方法
及び装置
発明の背景 発明の分野
本発明は主として、磁化可能な層を塗布するのにグラビアコーティングを用い
る、磁気記録メディアを製作する方法及び装置に関する。本発明は特に、グラビ
アコーティングやその他のパターン化されたコーティングを平滑化するための方
法及び装置に関する。関連技術の開示
多くの磁気記録メディアの磁化可能な層は、有機バインダ内の磁化可能な微粒
子からなるコーティングによって構成される。磁化可能な粒子の最大寸法は、通
常、1マイクロメートル未満である。磁化可能なコーティングは、均一な厚さ、
通常1.0ミル(25マイクロメートル)未満、を有している必要があり、また、
ピンホールや、すじ、粒子の凝集などの屈曲が生じないようにしなければならな
い。このようなコーティングは、米国特許第3,761,311号明細書(ペリン
トン氏他)に記載されているような直接グラビアコーターによって塗布される。
上記特許の図1が示すところによると、「タンク10には、磁化可能な粒子及び
バインダよりなる分散液11が連続的に供給される。分散液は、グラビアロール
12の細い溝内に取り込まれ、ドクターブレード13によって掻き取られて、溝
内には、実質的には、わずかな物質しか残らない。分散液は、ゴムロール14に
よって、コーティングされていないバッキング部材15に接するように押圧され
移送される。このバッキング部材15は、矢印16に示すように、グラビアロー
ル12と同じ速度で同じ方向に移動している。揮発性ビヒクルが大量に蒸発する
前に、コーティングの刻みパターンは、フレキシブルブレード17によって完全
に平滑化される。次に、コーティングされたバッキング部材は、磁化可能な粒子
を物理的に整列させるべく一対のバー磁石18の間を通り、コーティングを乾燥
すべく、加熱されたオーブン19へと移動する(第4段欄65行目から第5欄4
行目まで)」。
上記ペリントン氏の特許は、フレキシブルブレード17の平滑化作業について
は説明しておらず、また、その構成に関する情報を何ら提供していない。
1975年3月11日に発行された、フジ・フィルム社の特開昭50−228
35号公報は、グラビアコーティングによって塗布された、磁化可能な粒子より
なるウェットコーティングの平滑化に関する。上記公報は、二種類の平滑プラス
チックフィルムシートの試験結果を報告している。作業縁部、すなわち後縁は、
(1)湾曲している、あるいは、(2)対角線上のコーナー以外は直線である、のい
ずれかである。いずれのタイプも、従来の矩形シートに比べて、平滑化作業を改
良することができた。2つの実験のうち、第1の実験では、平滑シートは、厚さ
10マイクロメートル、幅30センチ、長さ12センチのポリ(エチレンテレフ
タレート)とした。第2の実験では、平滑シートは、厚さ20マイクロメートル
、幅30センチ、長さ18センチのトリエチルセルロースとした。この特開昭5
0−22835号公報は、より薄い平滑シートの方が厚いフィルムよりも効果的
であると結論づけている。これは、より薄い平滑シートの方が、コーティングさ
れたバッキング部材により多く接することができるためである。
米国特許第4,547,393号明細書(アサイ氏他、フジ・フォト・フィルム
社に譲渡された)は、高粘稠溶液よりなるコーティングを平滑化するのにフレキ
シブルシートを利用する従来技術として、特開昭47−96469号公報及び特
開昭49−53631号公報を引用している。アサイ氏の特許では、コーティン
グが磁界にさらされている間に、フレキシブルシートが平滑化を行う。アサイ氏
の特許によると、「フレキシブルシートの厚さは、約4ミクロン〜120ミクロ
ンである。シートの材料は、ポリエチレンテレフタレートを含むポリエステルフ
ィルム、セルローストリアセテート及びセルロースジアセテートを含むセルロー
ス誘導体フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチ
レン、ポリプロピレンを含むポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム
、および、ポリ塩化ビニリデンフィルムである(第3欄、45〜52行目)」。ア
サイ氏特許の図1では、フレキシブル平滑シート4は、ペデスタル5に取り付け
ら
れている。「固定ペデスタル5の位置を移動することによって、シート4の縦方
向に線やすじが形成されるのを防止できる(第3欄、15〜17行目)」。図2で
は、フレキシブル平滑シート11は、ロール12上に取り付けられている。「ロ
ール12を図2に示す矢印の方向に回転させることによって、平滑化領域におけ
るシートの接触領域を調節できる。接触領域を調節することによって、シートの
縦方向に線やすじができることが防止される(第3欄28〜32行目)」。
米国特許第4,870,920号明細書(カゲヤマ氏他)は、磁化可能な粒子のウ
ェットコーティングの平滑化を行うのに、剛性の平滑バーを用いており、また、
特開昭54−8646号公報を、「平滑な表面を有し平滑バーと呼ばれるバー型
の剛性部材の利用や、平滑な表面を有し平滑ブレードと呼ばれる変形可能なプレ
ート型剛性部材を用いる工程(第1欄、33〜38行目)」として、引用している
。次いで、「上記フレキシブルシート及びバーを組み合わせて利用する工程」と
して、実開昭55−6008号明細書を引用している。上記組み合わせにおいて
、「フレキシブルシートを備えたバーは、支持体の走行方向に対して垂直に交差
する方向に往復運動を行う(第1欄、60〜63行目)」。カゲヤマ氏の特許の平
滑バーには、平滑バーの往復運動を要することなく、コーティングを横方向に移
動させる溝7が形成されている。
フジ・フィルム社に譲渡された、特開昭60−57387号公報は、磁化可能
な粒子よりなるウェットコーティングの平滑化を行うのに、固体のボデースムー
ザ3(図1)を用いている。この固体ボデースムーザは、ステンレス鋼によって、
上記特開昭60−57387号公報の図2,3に示されている形状を有するよう
に形成されることができる。
発明の概要
本発明は、磁気記録メディアの製造において、磁化可能な粒子及びバインダー
の液状分散液よりなるグラビアコーティングあるいは他のパターン付きコーティ
ングを、フレキシブルバッキングウェブ(二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート
)フィルムなど)に塗布しながら平滑化するための方法および装置を提供する。上
記方法および装置は、厚さが一定でピンホールやすじなどの欠陥を実質的に持た
ない、磁気可能なコーティングを製造する。その一つの理由は、生じかねない欠
陥を直ちに直すべく、作業者が、平滑化の間に、上記新規の装置を容易に調節で
きる点にある。
簡潔に言うと、本発明の平滑化装置は、磁化可能な微粒子を含んでいるウェッ
トグラビアコーティングを、引張状態で長手方向に進行しているフレキシブルバ
ッキングウェブ上で連続的に平滑化するための手段を備えている。上記装置は、
(a)取付手段、
(b)上記取付手段にその一端が固定されているフレキシブルフィルムにして、
該端部と反対側の端部が、該固定されている端部と、上記コーティングに付いて
いる方の上記フレキシブルフィルムの先端との間に弧を形成すべく、上記ウェッ
トコーティング上を引きずることが可能であるフレキシブルフィルム、
(c)上記フレキシブルフィルムの上記弧状の部分を、上記フレキシブルフィル
ムの全幅にわたって横方向に延在する線に沿って、上記コーティングの方向に屈
曲させるための手段、および、
(d)上記横断線の位置を変えて該線の箇所の曲率半径を調節すべく、上記屈曲
手段を移動させるための手段(平坦な金属プレートなど)を備えている。
好ましくは、この新規の平滑化装置は、さらに、
(e)フレキシブルフィルムの自由端を、上記ウェットコーティングの全幅にわ
たって該コーティングに接した状態で保持するための手段を備えている。フレキ
シブルバッキングウェブを平坦な状態で維持するのを助ける特別な保持手段(e)
を、以下の図面の説明において開示する。このような保持手段は、バッキングウ
ェブの横方向にしわがよる恐れがある場合に特に望ましい。しわが寄りやすいの
は、バッキングウェブの厚さが例えば0.4ミル(10マイクロメートル)未満で
ある場合、バッキングウェブの張力が高い場合、あるいは、フレキシブルフィル
ムの引きずりによって、横断線の上流におけるバッキングウェブ張力がほぼゼロ
にまで低減される場合である。磁気記録メディアの製造コストを最小にするのに
必要とされる、極端に高いテープ速度においても、しわが寄りやすい。
ウェットコーティングがフレキシブルフィルムの自由端の引きずりによって平
滑化される間に、熟練した作業者は、移動手段によって、平滑化されたコーティ
ングに生じ得る欠陥の再形成を防止すべく、正確な調節を行うことができる。
フレキシブルフィルムは二軸延伸高分子フィルムが好ましい。この後縁は直線
であるとよい。これは、直線状の縁部の形成は経済的であり、バリや、コーティ
ングの欠陥につながりかねないその他の欠陥がないように調節することができる
ためである。後縁は他の形状を有してもよいが、欠陥を生じないようにすること
はより困難となろう。フレキシブルフィルムが直線状の後縁を有する場合、上記
取付手段は、後縁を、バッキングウェブの長手方向に対して実質的に垂直方向に
延在した状態に維持しなければならない。
フレキシブルフィルムは二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムがよ
い。他の有効なフレキシブル高分子フィルムとしては、ポリカーボネート、ポリ
イミド、ポリオレフィン、ポリ(塩化ビニル)、および、ポリ(塩化ビニリデン)が
あげられる。フレキシブルフィルムは、(ASTM試験法D790で)50〜10
00lb/in2(345〜6900MPa)の曲げ弾性率を持たねばならない。上記
範囲内の曲げ弾性率を有する有効なフィルム高分子フィルムの厚さは、1〜10
ミル(25〜250マイクロメートル)である。フレキシブルフィルムの厚さは、
2〜7ミル(50〜175マイクロメートル)がよい。
上述の新規な装置の取付手段は、好ましくは、フレキシブルフィルムの2つの
小片を取り付けており、一方のフレキシブルフィルムが引き込まれている間に他
方のフレキシブルフィルムでウェットコーティングを平滑化する手段を備えてい
る。これによって、製造工程を中断することなく、フレキシブルフィルムの摩耗
した小片を取り替えることができる。
図面の簡単な説明
図面は全て概略的に示されている。
図1は、磁化可能な粒子及びバインダーよりなる分散液のコーティングをフレ
キシブルバッキングウェブに連続的に塗布し該ウェットコーティングを平滑化す
るための、本発明に係る直接グラビア装置の正面図である。
図2は、図1の装置のサブアセンブリの平面図であって、大きく拡大されてお
り、ウェットコーティングを平滑化するフレキシブルフィルムの後縁を予備引張
(pretensioning)しているところを示している。
図3は、上記サブアセンブリを用いてウェットコーティングを平滑化している
ところを示す、図2の3−3線断面図である。
図4は、図1〜3のサブアセンブリに代わる、本発明の第2のサブアセンブリ
の平面図である。
図5は、上記サブアセンブリを用いてウェットコーティングを平滑化している
ところを示す、図4の5−5線断面図である。
図6は、本発明の第3のサブアセンブリの中央断面図である。該サブアセンブ
リは、図1〜3のサブアセンブリに代わるものであり、ウェットコーティングを
平滑化するのに用いられているところが示されている。
図7は、製造作業を中断することなく、フレキシブルフィルムの摩耗した部分
を交換することができるマウントの中央断面図である。
詳細な説明
図1を参照すると、直接グラビアコーターのパン10には、磁化可能な粒子及
びバインダーよりなる分散液11が連続的に供給される。分散液がグラビアロー
ル12の細い溝内に取り込まれ、ロールはドクターブレード13によってこすら
れるので、実質的には、残った僅かな材料だけが溝内に収められる。弾性ロール
14は、フレキシブルバッキングウェブ15をグラビアロール12に押し付ける
。これにより、弾性ロール及びバッキングウェブはグラビアロールと同じ速度で
同じ方向に駆動する。その結果、(取り出された)ウェットコーティング16は、
グラビアの溝と実質的に鏡像パターンで、バッキングウェブに付着する。
バッキングウェブ15は、グラビアロール12と弾性ロール14との間のニッ
プから排出されるときには、実質的に水平に移動する。次に、非コーティング面
が取出しアイドラロール17に接する。このロールの位置は、グラビアロールの
中央と弾性ロールの中央とを結ぶ線に垂直な線に対して、20°〜45°の範囲
の取出し角αを形成するように、垂直方向に調節することができる。取出し角α
を少し調節することによって、取り出す際の軽微な欠陥を失くすことが可能であ
る。
揮発性ビヒクルが多量に蒸発する前に、ウェットコーティングパターンは、該コ
ーティングの全幅にわたって延在する矩形のフレキシブルフィルム19の自由端
18によって、完全に平滑化される。フレキシブルフィルムの他端は、自由端1
8がコーティング上を引きずることができるように、マウント20によって固定
されている(図2,3参照)。このため、フレキシブルフィルムは、その固定され
ている端部と、ウェットコーティングに付いているフレキシブルフィルムの先端
(convergence)との間で、弧を形成する。コーティングされたバッキングウェブ
は、磁化可能な粒子を物理的に整列させるべく1組のバー磁石22間を通り、引
張ロール23によって引っ張られ、バッキングウェブには後向きの張力が加わる
。次いでバッキングウェブは、加熱されたオーブン24を通り、コーティングは
乾燥される。
上記マウントはさらに、バックアップバー、すなわち、平坦な剛性の矩形プレ
ート21を保持している。その外縁21aは直線をなし、その全幅にわたってフ
レキシブルフィルムと直角に接している。このため、上記直線縁部が接する、フ
レキシブルフィルム19の弧の曲率半径は小さくなる。平坦なプレート21の直
線縁部21aは、バッキングウェブの走行方向に多少丸みを有していてもよいが
、その丸みは、直線縁部21aがフレキシブルフィルムを曲げて形成する曲率半
径に、実質的な影響を及ぼすものであってはならない。
図2及び図3に示しているように、マウント20には、1組の平坦な顎部26
a,26bを含むクランプを有するサブアセンブリ25が取り付けられている。フ
レキシブルフィルム19及び平坦なプレート21は、いずれも上記顎部の間に位
置しており、中央のねじ28に接するように動かし、その後ねじを締める。左右
の2つのねじ30は引っ込んでいるので、フレキシブルフィルムの中央部分が中
央のねじ28によって止まると、各突出縁部32,33を、フレキシブルフィル
ム19の幅の0.5%の長さだけ引っ張ることができる。各突出縁部32,33を
指先で引っ張りながらねじを締め、次に、元々は直線状であるフィルムの後縁3
5をわずかに曲げるべく、フレキシブルフィルムの自由端18を引張し、その後
、中間のねじ36を締める。後縁35を曲げる上記引張力は、フレキシブルフィ
ル
ム19の自由端を、ウェットコーティング16の全幅にわたって接している状態
に保持する手段として作用し、ひいては、バッキングウェブ5を平坦な状態に維
持するのを助ける。このようにすることは、コーティングの幅が広い場合や、バ
ッキングウェブが高速で進行している場合に、特に重要である。
図1に示すように、取出しアイドラロール17は、上流アイドラロール37と
下流アイドラロール38との間の全長にわたってのバッキングウェブの方向を再
決定している。好ましくは、バッキングウェブは、上流アイドラロールと、フレ
キシブルフィルム19がウェットコーティングに最初に接する線との間で、0.
25〜0.6インチ(0.6〜15センチ)の距離を走行する。この距離が実質的に
0.25インチ(0.6センチ)未満の場合には、上流アイドラロールの欠陥がウェ
ットコーティング16の欠陥につながるかも知れない。他方で、この距離が実質
的に6インチ(15センチ)以上の場合には、バッキングウェブは、フレキシブル
フィルムの自由端18が接する部分において十分に支持されないかも知れず、そ
の場合、平滑化されたコーティング16の横方向の厚さが不均一になるかも知れ
ない。これと同じ理由で、上流アイドラと下流アイドラとの間の距離は、50イ
ンチ(125センチ)を越えてはいけないが、少なくとも3インチ(7.5センチ)
はなければならない。
マウント20は、平坦な顎部26a,26bの口部がウェットコーティング16
に対して実質的に平行でありかつ横方向に延在する状態を維持しつつ、マイクロ
メーター単位の正確さで水平方向や垂直方向に移動したりピボット運動を行った
りができるように、平滑化する間も調節可能である。これによって、熟練した作
業者は、フレキシブルフィルム19の弧状の部分の曲率半径を、平坦なプレート
21の直線縁部21aが接している部分で調節することが可能となる。このよう
な調節を行うことによって、平滑化されたコーティングに生じるかも知れない屈
曲の再形成(recurrence)が防止される。作業者は、曲率半径を0.03〜0.5イ
ンチまで(0.075〜1.25センチ)変えられるように、直線縁部の位置を調節
できるとよい。曲率半径が0.03インチ(0.075センチ)未満だと、フレキシ
ブルフィルムは、コーティング16の一部分を削ぎ取ってしまうかも知れない。
反対に、曲率半径が実質的に0.5インチ以上だと、ウェットコーティングを、
実質的に欠陥がない状態に平滑化することはできないだろう。
フレキシブルフィルムの自由端18は、ウェットコーティング上を、0.25
〜30インチ(0.6〜75センチ)の長さだけ、引きずらなければならない。引
きずる長さは0.5〜20インチ(2〜50センチ)が好ましい。上記範囲以下だ
と、フィルムが、コーティングを、一定の厚さを有しかつ実質的に欠陥がない状
態に平滑化することができない恐れがある。上記範囲以下だと、引きずりが大き
すぎて、直線縁部21aの上流のバッキングウェブ15の張力が必要以上に低下
することになる。
図4,5のサブアセンブリ40において、図1〜3と共通の構成要素は同じ参
照番号を有する。バックアップバーは、平坦な剛性の矩形プレート41と、フレ
キシブルシート42とより構成されており、これらはいずれも、顎部26a,26
bによって、矩形のフレキシブルフィルム44に沿って保持されている。このフ
ィルム44は、図1〜3のフレキシブルフィルム19と同様だが、その縁部が左
右のねじ30の方向へと引っ張られて(pull back)いない点で異なる。フレキシ
ブルシート42の外縁45は、フレキシブルフィルム44を、実質的に全幅にわ
たって押圧する。外縁45は凸状であるため、フレキシブルフィルム44の自由
端をウェットコーティング16に接した状態で保持する手段として作用し、これ
により、バッキングウェブ15を平坦な状態に維持するのを助ける。上記目的に
とって効果的であるためには、凸状縁部45の曲率半径は60インチ(150セ
ンチ)以上あってはならないし、また、少なくとも20インチ(50センチ)はあ
るとよい。
フレキシブルシート42の剛性は、厚さ4ミル(100マイクロメートル)の二
軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムの剛性と少なくとも同程度であり
、かつ、フレキシブルフィルム44の剛性と少なくとも同程度でなければならな
い。フレキシブルシート42は比較的剛く、平坦なプレート41からわずかな長
さしか突出していないので、引きずる力によって曲がることはほとんどなく、そ
のため、凸状縁部45をかなり正確に位置決めすることができる。
サブアセンブリ40の平坦な剛性プレート41の自由縁が凸状の場合には、フ
レキシブルシート42はなくてもよい。これは、剛性プレートの凸状縁部が、フ
レキシブルフィルム19の自由端を、ウェットコーティング16の全幅にわたっ
て接している状態に保持するための手段として作用し得るためである。剛性プレ
ート41が凸状縁部を有する場合には、その曲率半径は20〜60インチ(50
〜150センチ)であるとよい。
図6のサブアセンブリ60において、図1〜3と共通の構成要素は同じ参照番
号を有する。サブアセンブリ60は、顎部26aと26bとの間に(矩形のフレキ
シブルフィルム19及び平坦な矩形プレート21の上に)取り付けられた矩形の
フレキシブルシート62を有する点で、図1〜3のサブアセンブリ25と異なる
。フレキシブルシート42と同様に、矩形のフレキシブルシート62は、厚さ4
ミル(100マイクロメートル)の二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィル
ムと少なくとも同程度の剛性を有し、かつ、フレキシブルフィルム64と少なく
とも同程度の剛性を有していなければならない。フレキシブルシート62の自由
端は、フレキシブルフィルム19の自由端18の実質的に全幅にわたって載って
おり、図4のフレキシブルシート42の凸状縁部45と同様の凸状縁部65を有
している。凸状縁部65は、フレキシブルフィルム64の自由端を、ウェットコ
ーティング16の全幅にわたって接している状態に保持するための手段として作
用する。
図1〜3のフレキシブルフィルム19、図4〜5のフレキシブルフィルム44
、および、図6のフレキシブルフィルム64は、それぞれ、厚さ1〜5ミル(2
5〜125マイクロメートル)の二軸延伸高分子フィルムが好ましく、また、図
4〜5のフレキシブルシート42、および、図6のフレキシブルシート62は、
それぞれ、厚さ4〜16ミル(100〜400マイクロメートル)の二軸延伸高分
子フィルムが好ましい。
図7では、マウント70の各端部は一対の平坦な顎部にされている。この顎部
は、図3の顎部26a,26bと同一であって、図2について説明したように、フ
レキシブルフィルムの自由端を引張状態にすることができる。マウントの一方
の端部では、一対の顎部72a,72bは、フレキシブルフィルム73の第1小片
の端部と、平坦な剛性の矩形プレート74とをクランプしている。マウントの他
方の端部では、一対の顎部76a,76bは、フレキシブルフィルム77の第2小
片の端部と、平坦な剛性の矩形プレート78とをクランプしている。マウントの
中央部はシャフト79であって、このシャフト79は、フレキシブルフィルムの
摩耗した小片を交換できるように、180°ずつ(図7に矢印8で示している反
時計回りに)360°回転させることが可能である。180°回転する間に、マ
ウント70は、新しいフレキシブルフィルムを、摩耗したフィルム片があったの
と正確に同じ位置に移動させるために、前後に移動させなければ(矢印82)なら
ない。各回転後、作業者は離れている方の一対の顎部を容易に開いて、摩耗した
片を取り替えることができる。
マウント70の回転は、3つあるステッパモータ(図示せず)の第1ステッパモ
ータによって制御され、マウントの前後の移動は、第2ステッパモータによって
制御されるとよい。第3ステッパモータによって、作業者は、上流アイドラロー
ル37とフレキシブルフィルム73との間の間隔を調節することができるように
なる(矢印84)。
この新規な平滑化装置は、継ぎ足し(splice)の経過において、マウントを自動
的に回転させるための手段を備えているとよい。この手段は、継ぎ足しが行われ
る毎に、あるいは、n回の継ぎ足しを行った後に、上記回転を行うように調節す
ることができる。nは整数である。このマウント回転手段は、
(1)コーティングされたバッキングウェブが、継ぎ足し部を形成するから上記
平滑化装置まで走行する距離を測定するための手段と、
(2)上記接合部が上記距離を走行するのに必要な時間tを計算するための手段
と、
(3)時間t以前にスタックを開ける手段とを備えてもよい。
ほんの少しの長さのウェットコーティングは平滑化されずに通過することができ
るように、回転して再び係合するのを素早く行わねばならない。
例1
図1〜3に示した装置を用いて、磁気記録媒体を製造したが、サブアセンブリ
25を図4〜5のサブアセンブリ40に代えている。フレキシブルフィルム44
は、厚さ5ミル(125マイクロメートル)、幅12,5インチ(3センチ)の二軸
延伸ポリ(エチレンフレフタレート)フィルムとした。このフィルムを顎部から2
.5インチ(6.35センチ)突出させた。プレート41は、厚さ0.05インチ(0
.13センチ)の黄銅とし、このプレート41をクランプの顎部から1.5インチ(
3.8センチ)突出させた。フレキシブルシート42は、厚さ5ミル(1.27マイ
クロメートル)で幅はフレキシブルフィルム4と同じである二軸延伸ポリ(エチレ
ンテレフタレート)フィルムとした。凸状縁部45の湾曲部を、クランプの顎部
から1.9インチ(4.8センチ)突出させた。上流アイドラロール37から下流ア
イドラロールまでの長さは6.25インチ(16センチ)とし、上流アイドラロー
ル37と、フレキシブルフィルム44とコーティングとが最初に接する部分との
間の間隔は3.5インチ(8.9センチ)とした。
この装置を利用して、磁化可能なコーティングをフレキシブルバッキングウェ
ブに塗布した。このウェブは、厚さ0.26ミル(6.6マイクロメートル)、幅1
2.5インチ(31.8センチ)の二軸延伸ポリ(エチレンフレフタレート)フィルム
とした。グラビアロールに、針状のFe2O3の粒子とエチルメチルケトンのポリ
ウレタンバインダーの溶液とよりなる分散液を連続的に供給する一方、バッキン
グウェブは300フィート/分の速度(91.5メートル/分)で走行させた。こ
の分散液は、36%の固形分を有し、10000sec-1の剪断速度(shear rate)
で、28cpsの粘性を有している。この塗布装置は、ランドから分散液を掻き落
とすための鋼ブレードを備えている。取出しアイドラロールを、2°の取出し角
を形成するように調節した。パターン付きコーティングは、一体化した取出しを
有した(すなわち、供給された分散液が、コーティングの隣接するリッジにつな
がる)。上記平滑化装置によって平滑化を行い、磁気的に配向させ、乾燥した後
、得られた磁化可能な層は、0.065ミル(1.65マイクロメートル)の一定の
乾燥厚さを有し、顕微鏡で検査した場合、および、情報の記録・再生を行った場
合のいずれの場合においても、事実上欠陥はなかった。
例2
例1と同様に磁気記録媒体を製造した。例1と異なるのは、(1)サブアセンブ
リ40を図6のサブアセンブリ60に代えた点、(2)厚さ0.18ミル(4.5マ
イクロメートル)のフレキシブルバッキングウェブを採用している点、および、(
3)バッキングウェブが250フィート/分(76メートル/分)の速度で走行し
ている点である。そのフレキシブルフィルム19と矩形プレート21は、例1の
フレキシブルフィルム44及びプレート41とそれぞれ同一とした。フレキシブ
ルシート62は、厚さ7ミル(18マイクロメートル)、幅12.5インチ(31.
8センチ)の二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムとした。その凸状
縁部65の曲率半径は、37.5インチ(95センチ)とした。この凸状縁部を、
クランプの顎部から1.75インチ(95センチ)突出させた。
上記平滑化装置によって平滑化を行い、磁気的に配向させ、乾燥した後、得ら
れた磁化可能な層は、0.062ミル(1.57マイクロメートル)の一定の乾燥厚
さを有し、顕微鏡で検査した場合、および、情報の記録・再生を行った場合のい
ずれの場合においても、事実上欠陥はなかった。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ステンストロム,スコット・ディ
アメリカ合衆国55133−3427ミネソタ州
セント・ポール、ポスト・オフィス・ボッ
クス 33427(番地の表示なし)
【要約の続き】
ティングの全幅にわたって接した状態となるように、引
張を加えてもよい。