【発明の詳細な説明】
押し出し水硬性組成物中へのフィラメントの配置発明の背景 1.発明の分野
本発明はフィラメント(即ち、連続した繊維)を含んだ水硬性混合物から工業
製品を製造する方法及びシステムに関し、特に、水硬性混合物を所望する形状及
び製品に押し出すと同時に、押し出した製品の構造マトリックス内にフィラメン
トを配置する方法及びシステムに関するものである。水硬性混合物はミクロ構造
的に設計され、その混合物のレオロジー特性は、圧力をかけると簡単に押し出し
可能で、押し出された後、生状態即ち非硬化状態でも、ただちに形状安定になる
ようにされている。押し出される製品の水硬性マトリックス内に導入したフィラ
メントはその製品の特性を向上させる。その特性には、例えば、引っ張り強度、
曲げ強度、破裂強度(パイプ又は中空の製品の場合)、弾性率、破壊前の伸張及
びたわみ等がある。2.関連技術
例えば、水硬セメント又は水硬性石膏のような水硬性バインダーを含んだ材料
である水硬性材料(以後「水硬性」、「水硬」、「セメント性」組成、材料、又
は混合物)は、一般に大きく、耐久性と強度を持ち、比較的安価な構造物を作る
のに何千年もの間用いられてきた。水硬セメントは粘土及び石灰岩から抽出され
た水硬性バインダーであり、石膏は天然に存在する鉱物である。両方とも本質的
に枯渇するものではない。
水硬性バインダー、水、及びある種の骨材を混合して水硬性混合物が作られ、
それは例えばコンクリートのような水硬性材料に硬化する。通常、混合したての
水硬性混合物は粘性がなく、半流体的スラリー状で、手で混合し成型可能である
。水硬性混合物は、その流体的性質のため、金型に注ぎ大きな空気泡を取り除い
たのち放置して固化させ成型される。
通常の水硬性混合物が適当な加工性を持つためには高い流動性が必要なため、
コンクリート及び他の水硬性材料の用途は、大きく、重く、嵩のある、単純な形
状に限定され、しかも十分に硬化するまでの長い期間その形状を保持するため機
械的外力をかける必要があった。従来の水硬性混合物即ちスラリーの他の面は、
それらが少ししか或いは全く形状安定性を持たないため、外から支持された境界
又は壁を持つ空間にその混合物を注入して最終的形状に成型しなくてはならない
ことである。低い形状安定性の問題は、ほとんどのコンクリートの場合長い硬化
時間のためより深刻である。ほとんどのセメント性混合物が十分な強度を持ち破
損せずに金型から取り外せるようになるには数日かかるし、構造マトリックス中
の欠陥を防ぐには数週間を要する。
コンクリートの特性、即ち、引っ張り強度に対する圧縮強度比が通常約10:1と
高いため水硬性材料の用途はさらに制限されていた。このコンクリートの強度に
対する制限は大きなサイズの構造物を成型することで解決することがしばしば可
能である。これは、ほとんどのコンクリートが著しく安価なため可能なのである
。そのような大きな構造物の引っ張り強度及び曲げ強度は大きな金属棒即ち「リ
バー(rebar)」を大量に用いて大きくすることが可能である。同様に、より「微
視的」レベルに於いて、水硬性構造マトリックス内に比較的短く切断された不連
続な繊維を入れることにより、例えば、硬化した水硬性製品の強度特性及び伸張
特性並びに靭性を増加することが可能である。生の水硬性混合物内で繊維を完全
に混合することにより、マトリックス内にできる内部欠陥を最小にして繊維と水
硬性マトリックス間の強い相互作用を得ることが可能である。
他の研究者らにより、マット、コード、ヤーン、又はフィラメント状の連続繊
維をセメント性構造マトリックス中に導入することが試みられたが、非常に強く
頑丈な製品を製造する点では大きな成功を収めていない。そのような一つの方法
は「レイアップ法」であるが、それは、適当な連続繊維(マットやコードのよう
な)を通常金型内で所望する構成に配置し、その後適当な水硬性混合物を金型に
注入し、水硬性混合物がその連続繊維を通過しそれを取り囲むようにするもので
ある。しかし、連続繊維で規定される空間、特に連続繊維又はフィラメントが比
較的密になっている空間に、水硬性混合物を完全につめることは一般的に困難な
ため、通常、硬化した水硬性構造マトリックス中に好ましくない多くの空隙即ち
欠陥が形成される。多くの場合、好ましくない空隙を完全に除去し水硬性混合物
をつめることは、連続繊維が充填された水硬性材料に圧力をかけたりそれを振動
させたりしても不可能であることが確かめられている。レイアップ法で連続繊維
が中に入ったセメント性混合物はセメント性混合物に連続繊維がもたらすはずの
強度特性をしばしば相殺してしまうのである。
セメント性混合物中に連続フィラメントを配置する方法を改良するため従来の
フィラメント巻き付けが試みられた。この方法では、成型された生のセメント性
混合物を心棒で支持回転し、その周り及び内部に連続フィラメントを巻き付ける
。エフ・ストラボ等、「繊維コンクリートの新設計」、デンマーク工業大学、19
87年4月(F.Strabo et al.,“Nye Formgivningsmetoder til Fiberbeton”,
Byggeteknik Institute,April 1987)を参照されたい。この方法の一つの利点
は、非常に異なった濃度の連続フィラメントをセメント性材料内に配置できるこ
と、さらにフィラメントが巻かれるパイプや円柱の軸に対して色々な角度でフィ
ラメントを配置できることである。従来のフィラメント巻き付け法を用いてフィ
ラメントをら旋状や十字交差するように配置することも可能である。連続フィラ
メントの濃度、及び/又は、配向を変化させることにより最終的に硬化したセメ
ント性製品の強度、靭性、及び他の所望する特性が大きく変化することが期待さ
れる。
一般に、フィラメントの巻き付けは中空チューブ即ちパイプの周強度又は破裂
強度を増加するのに用いられ、そのようなチューブやパイプの内部破損圧力を大
幅に増加させる。フィラメントの巻き付けを、フィラメントを十字交差するよう
に又は互いに重なり合うようにしたり、チューブやパイプの軸に対して比較的大
きなオフセット角を持つようにしたり、ファイバーが巻かれる材料に比べて比較
的大きな濃度にすることにより破裂強度をより一層増加させることができる。
ストラボ等に記載されたフィラメント巻き付け法は最終セメント性製品の品質
を著しく改良したが、この方法は時間がかかり高価であるだけでなく、フィラメ
ントを巻き付けたセメント性材料を大規模に製造する経済的に実行可能な方法を
示していない。それに加えて、そのようなフィラメントを巻き付けたセメント性
材料の表面状態は、フィラメントが生のセメント性材料の表面をとおり内部にま
で侵入するため良くない。フィラメントが配置されたセメント性材料を有効にま
とめるため、手や他の時間のかかる方法で表面を滑らかにすることがしばしば必
要となる。
レイアップ法も従来のフィラメント巻き付け法も、水硬性材料から製品を安価
で連続的に大量生産する方法でないことは明らかである。例えばパイプや棒のよ
うなセメント性製品を連続生産するためセメント性材料を押し出すことが試みら
れた。ハンフリー(Humphrey)に付与された米国特許 3,857,715及びバーシュ等
(Bache et al.)に付与された米国特許 5,588,443を参照されたい。しかし、こ
れらの特許は、そこで開示されているセメント性材料が従来の押し出し機及びダ
イ装置を用いて押し出し可能であると主張しているが、そのような押し出しは実
験室で単に実験的条件でのみ行われたものである。今日までセメント性混合物を
連続的に押し出す実用的工程又は材料は、板状のシートを製作する以外は存在し
ない。例えば、早川等に付与された米国特許 5,047,086、シャーマン(Sherman
)に付与された米国特許 4,613,627及びニールセン(Nielsen)に付与された米国
特許 4,655,981を参照されたい。さらに、上の特許で説明された材料は形状安定
性を欠いているため、押し出しに適しているのは、十分に硬化するまでコンベヤ
ーベルト又はプラットフォームで支えられた平らな板又は厚いシートだけである
。
加工性(及び押し出し性)と形状安定性との間の兼ね合いから、従来の方法で
水平に「押し出され」、セメント性材料で作られた中空物体(例えばパイプ)の
壁の厚さは空洞部分の断面の約25%でなくてはならない。垂直に押し出す場合に
は壁の厚さと空洞部分の断面の比は約1:16位にまですることができる。
前述した押し出し特許で開示されたセメント性材料も含め通常のセメント性材
料は、完全に硬化した時でも、その引っ張り強度及び曲げ強度は、紙、金属、又
はプラスチックのような他の材料に比べて比較的低い。さらに、これらの特許は
、フィラメントを平行に配置したり又はフィラメントを巻き付けたりして押し出
したセメント性製品を連続的に強化する方法を教示していない。したがって、そ
のような押し出し可能な材料でも、主に大きく、嵩のある、重量の重い物体への
用途に限られてきた。それ故、複雑な形状を持つ物体や非常に厳しい許容値を持
つ種々の物体を水硬性材料から製造できればそれは当分野において大きな進歩で
ある。特に、水硬性材料がほとんどの材料に比べて非常に安価であることを考慮
す
るとこのことは真である。また、そのような水硬性製品を連続繊維と共に製造し
製品の強度及び靭性を増加させ、パイプ、窓枠、ツーバイフォー、モールディン
グ、棒等の製造に現在用いているプラスチック、金属、木材、又は粘土のような
従来の材料と置き換えることができるなら、それはより大きな進歩を当分野にも
たらすであろう。
長寿命の構造部品及び使い捨て製品を大量に製造するため、プラスチック、金
属、木材を大量に用いることから生じる環境問題がだんだんと明らかになってく
るにつれ、そのような材料に置き代わる環境的に健全な材料を見つけることが急
務になってきた。そのような環境的に健全な代替え材料の一つは水硬性材料であ
る。そのような圧力及び必要性があるにもかかわらず、プラスチック、金属、木
材に置き代わり多種多様にわたる製品を作ることができ水硬性材料を経済的に大
量生産する技術が今まで存在しなかったのである。
水硬性材料は環境的に健全であるが、その理由は、水硬性材料は、砂や粘土の
ような地質学的自然材料からなる骨材を含み、この骨材は、水硬性バインダーと
水との反応生成物により結合され、さらに水硬性バインダーもまた構造的及び化
学的観点からは本質的に「岩石状」であるからである。水硬性材料は最後には地
中に廃棄されるが、この材料は地球と本質的に同じ化学的構造的組成を持ってい
る。
さらに、プラスチック、金属、木材は通常の水硬性材料(セメント性材料も含
む)に比べはるかに高価である。プラスチック、金属、木材材料とはるかに安価
な水硬性材料を置き換えることにより必然的に生じる経済的利点に気が付かない
事業はないので、実際それが行われない唯一の理由はこの置き換えを可能にする
技術が存在しないことである。
前述のことから、現在公知の水硬性組成に固有な強度及び成型性に限界がある
ため今まで不可能であった製品及び形状に水硬性材料を押し出すと同時にフィラ
メントも配置することを可能にする組成、方法、及び装置を提供することは当分
野の進歩であろう。
従来の水硬性材料に比べ引っ張り強度/圧縮強度比が大きな水硬性製品内にフ
ィラメントを配置し水硬性製品を押し出すための組成、方法、及び装置を提供す
ることは当分野のもう一つの進歩であろう。
水硬性混合物を連続的に押し出しその中へフィラメントを同時に配置し、押し
出された製品又は形状が、押し出しダイから出てきた時の生状態で即座に形状安
定(即ち、外部支持無しでその形状を維持するのに十分な強度を持った状態)に
なるような機能を持つ組成、方法、及び装置を提供することは当分野の大きな進
歩であろう。
そのような組成、方法、及び装置が水硬性混合物内に種々の所望する濃度でフ
ィラメントを連続的に配置することが可能であればそれは当分野でもう一つの改
良となるであろう。
それに加えて、押し出された製品の軸方向に関して種々の異なった配向即ち角
度で水硬性混合物内に連続フィラメントを配置することができればそれは当分野
の大きな進歩であろう。
そのような組成、方法、及び装置が、非常に大きな周強度又は破裂強度を持つ
形状安定なパイプやチューブを押し出すことができればそれは重要な進歩であろ
う。
そのような組成、方法、及び装置が、連続的に配置されたフィラメントの周り
及びその中にセメント性混合物を有効に充填圧縮し、内部空隙又は欠陥の数及び
体積を最小にしそれにより実質的に均一で安定して高強度の硬化した水硬性構造
マトリックスを得ることができればそれは当分野の著しい進歩であろう。
そのような組成、方法、及び装置により、フィラメントが連続的に配置される
押し出された水硬性製品で、セメント性材料にフィラメントを巻く従来の方法に
比較して優れた表面特性を持ち表面欠陥が非常に少ない水硬性製品が作れるなら
それは当分野のもう一つの進歩であろう。
さらに、そのような組成、方法、及び装置により、高度に厳しい許容値又は寸
法精度を要する製品を含む種々の壁厚の薄い水硬性製品ができるならそれは当分
野の一つの進歩であろう。
プラスチック、粘土、金属、木材のような従来の材料から現在製造されている
製品に置き代わる水硬性製品を押し出しその中にフィラメントを配置するのに用
いることが可能な組成、方法、及び装置を提供できればそれは当分野の大きな進
歩であろう。
そのような水硬性組成が粘土に類似したレオロジーを持ち且つプラスチック状
の振る舞いをし、粘土押し出し機を用いてその組成の押し出しができるならそれ
は当分野の進歩であろう。
そのような組成、方法、及び装置を用いて、プラスチック、粘土、金属、又は
木材からできる製品の製造コストと同程度又はそれに勝るコスト及び生産速度で
(即ち大量に)多種にわたる水硬性製品を連続的に製造することが可能ならそれ
は著しい進歩であろう。
このような組成、方法、及び装置がここに開示され特許請求される。発明の開示
本発明は、新しい水硬性組成、方法、並びに、種々の製品を形成するため水硬
性組成の押し出し及び水硬性組成内への連続フィラメントの配置を同時に行う装
置を取り扱う。そのようなフィラメントは縦方向に配向されても良いし、縦軸に
対して角度をなしても良いし、あるいはそれらの組み合わせでも良い。好ましい
水硬性組成は一般に、多成分、マルチスケール、繊維強化したミクロ複合物質と
よばれる。相乗的に関係した異なった特性を与える種々の異なった材料(水硬性
バインダー、無機骨材、レオロジー調整剤、及び繊維を含む)を注意して取り入
れることにより、強度、靭性、環境的健全性、大量生産性、及び低価格の優れた
特性を有するミクロ複合物質の独特の類を作りだすことが可能である。
そのような組成は、非常に簡単なものから高度な許容度及び薄い壁を持つ製品
に至る種々の形状に押し出すことが可能である。押し出し工程及びフィラメント
配置工程の連続性のため、非常に費用効果的にまた経済的にそのような製品を生
産することが可能である。さらに、本発明の水硬性材料は環境的に中性で、地球
と本質的に同じ品質及び性質を持つ材料からできている。
ミクロ構造設計の手法を用いて、レオロジー(加工性、降伏応力、粘性、生強
度を含む)及び最終効果強度に関する所望する特性を水硬性混合物に設計するこ
とが可能である。それに加え、大きな粒子充填密度、靭性、引っ張り強度、伸張
性のような特性もまた混合物に予め設計しておくことができる。それに加え、強
度及び柔軟性に関して所望する特性を持つフィラメントを種々の配向及び濃度で
配置することにより、さらに大きな強度、耐久性、柔軟性、及び靭性を持つ強化
製品を連続的に製造することが可能になる。
典型的な水硬性混合物に固有の通常の問題、即ち、良好な加工性と大きな生強
度との間の兼ね合いが、特に押し出し工程の高圧高せん断に曝される時低い粘性
と比較的高い降伏応力を見掛け上持つようになる水硬性混合物を作ることにより
解決することが可能である。この方法により、本発明で、押し出し時に高い加工
性を持ち、その後即座に形状安定性が得られるようにすることが可能になる。
本発明の水硬性混合物の押し出し性及び大きな生強度(即ち、形状安定性)は
、これまで類似しているとは思われていなかった粒子充填の最適化及び水分欠乏
という特性の組み合わせにより得られる。ここで水分欠乏は、高い降伏応力を持
ち、比較的剛性があり、押し出しに付随する高い圧力及びせん断応力の下では高
い加工性を持つ材料を形成する。変化するが注意深く選ばれたサイズ分布(“PS
D”)、及び充填密度を持つ骨材を選ぶことにより、大きな粒子間の空間を小さ
な粒子で、また小さな粒子間にできた空間をさらに小さな粒子で満たすことによ
り粒子間の空隙を減少さすことが可能である。このようにして粒子充填密度を約
65%から約99%までの高さの範囲にすることが可能である。即ち、乾燥した水硬
性混合物の体積の約65%から約99%は固体材料が占め、その約35%から約1%が
空隙が占めることになる。
水硬性混合物に加える水量を注意深く制御して、注意深く選択された「水分欠
乏」度を持つ混合物を作ることができる。以下に詳細に述べるように、水は主に
二つの理由で水硬性混合物に加えられる。即ち、(1)水硬性バインダーと化学
的に反応(即ち「水和」)するため、及び、(2)粒子間の隙間を満たし粒子間
の摩擦を減らしそれらを潤滑し、混合物に適当な可塑性及び凝集性を与えるため
である。もし水量が欠乏しているなら粒子間の摩擦は大きく、したがって剛性が
高い材料ができる。水量又は他の添加材(例えば、粒子を潤滑したり分散させた
りする分散剤)により、当業者は注意深くレオロジーを制御し圧力をかけた時所
望する加工性が生じるようにすることができる。
大きな充填度を持つ混合物には空隙を満たすための水が少なくてすむ。したが
って、所望する水分欠乏を得るために加える水量は水を加える前に決められるの
が好ましい。ここで添加する水量は、主に粒子充填効率及び押し出し工程で予想
される圧縮に基づいて決められる。
適当な水硬性混合物が作られると、それは押し出し機に入れられ圧力がかけら
れる。それに伴う圧縮により、粒子が互いに押しつけられ充填密度が大きくなり
、混合物の個々の粒子間の空隙の体積が減少する。これは「有効」水分欠乏を減
少させ、これにより、粒子を潤滑できる水量(及び押し出しダイを通って動く水
硬性混合物を潤滑する水量)が増加し、水硬性混合物が大きな加工性を持ち流れ
ることができるようになる。これに加え、押し出し工程中に混合物を圧縮するこ
とにより、押し出しダイと混合物との間に薄い水の膜ができ、これがダイと混合
物の間の表面を潤滑する。押し出しダイを加熱し、押し出される水硬性混合物と
押し出しダイの間に蒸気の「クッション」即ち障壁を形成し、それによって摩擦
を減少し、押し出しを容易にしても良い。その後、混合物を圧縮することによっ
て内部に形成される毛細管又はメニスカスにより内部凝集力が生じ、押し出し工
程後混合物の形状安定性が増加する。
加圧下の混合物の大きな加工性及び流動性のため、混合物は押し出しダイの開
口部を通して押し出され所望する製品又は形状が形成される。水硬性混合物が押
し出し性を持ち且つ良好な形状安定性を持つようにするには以下の二つのどちら
かを行えば良い。第一は、本発明のほとんどの水硬性混合物は概してビンガム流
体、又は擬可塑体として振る舞うため、圧力の形で臨界せん断速度を越えると混
合物の粘性が減少する。言い換えれば、本発明の水硬性混合物は、例えば高圧が
かけられる押し出し機を用いて、圧力(したがってせん断(シア))を増すと「
シアシニング(shear thinning)」が起きる。したがって、高圧(それによるせ
ん断)を加えることにより、ほとんどの本発明の水硬性混合物は押し出し可能に
なる。
高圧を加える代わり、あるいはそれに加えて、降伏応力に対する粘性の比がで
きるだけ低い水硬性混合物を設計するのが有利である。粘性が低くなるにつれ、
材料降伏応力以上で混合物を流動的にするのに必要な応力が減少する。低圧押し
出しが望ましい場合にはこの方法は特に有用である。
押し出された時には、水硬性混合物は押し出し機の圧縮力及びせん断力をもは
や受けないため、混合物は、大きな剛性、粘性、凝集性、形状安定性、及び生強
度を得る。本発明の組成、方法、及び装置で得られる生強度は、従来の組成、方
法、及び装置で得られる生強度よりはるかに大きなものになる。
本発明の水硬性組成は、水硬性バインダー、水、及び骨材以外にレオロジー調
整剤、分散剤、及び繊維のような他の成分を含むことも可能である。レオロジー
調整剤を加えると、水硬性混合物の降伏応力、凝集強度、及び可塑性が増加し、
一方分散剤を加えると、少ない水量で同様な流動性を持つ混合物が得られる。最
終的に硬化した製品の靭性、引っ張り強度、曲げ強度、時には圧縮強度を増加さ
せるためには、通常繊維が添加される。
特に、レオロジー調整剤は、「可塑性」即ち混合物が成型されたり押し出され
たりする時混合物がその形を保持する性質を増加させる。適当なレオロジー調整
剤には、種々のセルロース系材料、澱粉系材料、蛋白質系材料があり、これらは
イオン的でも非イオン的でもよく、水をゲル化し、水硬性混合物内で個々の水硬
性バインダー粒子と他の粒子を架橋する。水硬性混合物の「可塑的」安定性を増
加させることにより、レオロジー調整剤は、高い形状安定性を持つ製品の押し出
し性を増加させる。(半水石膏を加えることにより、水との大きな反応性により
形状安定性を増加させ、水硬性混合物に短時間存在する毛細管水の量を減少させ
ても良い。このようにして、ある場合には半水石膏はレオロジー調整剤の役をす
る。)
一方、分散剤は、個々の水硬性バインダー粒子を分散させることにより混合物
の粘性及び降伏応力を下げる。このことにより適当な加工性を維持して水量を減
らすことができ、大きな水分欠乏を得ることができる。適当な分散剤には、水硬
性バインダー粒子の表面に吸着し、通常粒子の表面又はコロイド二重層内に負の
電荷を作り粒子を分散させる全ての材料が含まれる。カオリン、マイカ、炭酸カ
ルシウム、又はベントナイトのような充填材も分散剤を用いて分散される。
しかし、分散剤とレオロジー調整剤の両方を用いる場合、夫々の効果を有効に
得るには分散剤を最初に加えレオロジー調整剤を次に加えるのが通常有利である
。そうでなく、もしレオロジー調整剤がバインダー粒子により最初に吸着される
と、それは保護コロイドを形成し、粒子による分散剤の吸着が大きく抑制され、
した
がって水硬性混合物中の分散剤の分散効果が減少する。
種々の径、形状、サイズ、及び特性(例えば、比重、嵩密度、表面状態)を持
つ骨材を添加するのに加えて、異なった強度及び断熱性を持つ骨材を含めるのが
望ましい場合もある。このようにして、押し出し工程に有用なレオロジー又は流
動特性及び硬化した材料の最終特性の両観点から水硬性混合物を最適化すること
が可能である。
最後に、本発明の新しい主な特長は、押し出し工程中に、押し出し製品の構造
材料にフィラメント即ち連続繊維を導入することができることである。押し出し
工程中のフィラメント導入は、混合物中にフィラメントを配置することが含まれ
るが、混合物はフィラメントを水硬性混合物中に包み込み押し出し方向に引っ張
り込む。押し出し工程中に混合物にかかる内部圧力の結果水硬性混合物は圧縮さ
れ、混合物内の内部空隙即ち欠陥の数及び体積を最小にし、水硬性混合物とフィ
ラメントとのインターフェイスを最大にする。フィラメントとマトリックスとの
間のインターフェイスを増加させることにより、フィラメントは水硬性構造マト
リックス内にしっかりと固定される。
押し出される水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する装置の異なっ
た実施例を用いることにより、フィラメントは種々の構成即ち配向に配置される
ことが可能になる。これらには、平行構成、ら旋構成、十字交差構成、及びこれ
らの構成の組み合わせが含まれる。「平行構成」では、フィラメントは一般に水
硬性製品の縦軸即ち押し出し方向に同心である。逆に、「ら旋構成」及び「十字
交差構成」(ら旋構成の変形に過ぎない)では、フィラメントは縦軸から外れて
いる。一般にこの角度αは少なくとも約5°から最高約90°の範囲で、ここでは
「オフセット角」、「巻き付け角」、又は「ら旋角」とよぶ。(フィラメント配
置手段の回転方向、即ち時計方向又は反時計方向により、角度αは正又は負にな
るが、90°は越えない。91°は−89°と同等である。)
本発明の押し出し水硬性製品内に配置したフィラメントの配向角、及び/又は
、濃度を変えることにより、広い範囲の強度、伸張、及び靭性特性が得られる。
小さな巻き付け角を持つフィラメントは一般にフィラメントが配置されるパイプ
又は円柱の楕円断面を規定する。巻き付け角が90°に近づくに従い、フィラメン
ト
は横幅(croos width)が小さな楕円を規定するようになる。角度が90°になると
フィラメントは円形の断面を規定する。押し出される製品がパイプ、円柱、又は
一般に円形の断面を有する他の製品と仮定する時、それは一般に縦軸に垂直な半
径を持つであろう。フィラメントによってもたらされる強度の大きさと方向を定
義するために、フィラメントによってもたらされる強度を縦軸方向と半径方向に
対応したベクトル成分を持つものと定義することは有用であろう。フィラメント
のオフセット角が0°よりも大きく90°よりも小さい場合には必ず、フィラメン
トはいつも縦軸ベクトル成分と半径ベクトル成分を持つ。巻き付け角度が45°よ
り小さい場合には、一般に縦軸強度ベクトルは半径強度ベクトルより大きくなる
ことが期待されるであろう。同様に、巻き付け角度が45°より大きい場合には、
一般に半径強度ベクトルは縦軸強度ベクトルより大きくなることが期待されるで
あろう。
一般に、縦軸強度ベクトルが半径強度ベクトルより大きな、縦軸方向よりに配
向したフィラメントは、水硬性製品の縦軸方向即ち長さ方向の引っ張り強度を増
加させる。逆に、縦軸に関してオフセット角が大きなフィラメント、即ち、半径
強度ベクトルが縦軸強度ベクトルより大きなフィラメントは外周力(パイプ又は
他の中空構造の場合には周強度又は破裂強度として知られている)を増加させる
。大きなオフセット角及び小さなオフセット角を持つフィラメントを組み合わせ
ることにより、これらの特性の両方を与えることができる。
装置は、押し出される水硬性混合物内に連続的にフィラメントを配置する手段
を備え、それは押し出し機の内部チャンバーであるフィラメント配置チャンバー
に直接つながっている。装置はさらに、フィラメントを貯蔵し少なくとも一つの
配置手段にフィラメントを連続的に供給する手段を備える。
配置手段は水硬性構造マトリックスの表面上又はその内部にフィラメントを配
置し、水硬性混合物は混合物が前進するに従いフィラメントを引っ張っていく。
配置手段は、回転可能で、配置手段を回転する手段によりフィラメント配置チャ
ンバーの周りを時計方向又は反時計方向に回転し、従って、製品内で押し出し方
向と同じ軸方向に伸び、ら旋構成にフィラメントを巻くことができる。配置手段
は、固定型のものでもよく、定常のままでフィラメントを平行構成に配置する。
少なくとも2つの配置手段を異なった速さ又は方向に操作し、縦軸からのオフセ
ット角度が異なったフィラメントを持つ製品を得ることができる。
各配置手段は、少なくとも1本のフィラメントを配置手段に受け入れる手段、
受け取ったフィラメントを配置手段を通してチャネルする手段、及びフィラメン
ト配置チャンバーにフィラメントを挿入する手段を備える。挿入手段は、水硬性
構造マトリックスの表面上又はその内部にフィラメントを配置させることができ
るものならいかなる形状を持つものでもよく、また変化する断面をもっても良い
。挿入手段の例としては、チャネリング手段からフィラメント配置チャンバーに
伸びたニブエンド、スクープエンド、又は中空針が含まれる。
フィラメントを貯蔵し少なくとも一つの配置手段にフィラメントを連続的に供
給する手段はスプールのようなフィラメントディスペンサを備える。フィラメン
トを貯蔵し少なくとも一つの配置手段にフィラメントを連続的に供給する手段は
さらに、少なくとも一つのフィラメントディスペンサを支持するフィーダーリン
グを備える。フィラメントを貯蔵しフィラメントを連続的に供給する手段は、回
転配置手段と共に回転することも可能であるし、また固定配置手段と共に用いる
ため不動のままであっても良い。フィラメントディスペンサはフィラメントに張
力を加えるためテンショナーを備えても良い。
水硬性構造マトリックス内のフィラメントの配置深さは配置手段の位置を変化
させることにより変化させることができる。配置深さはまた、テンショナーを用
い繊維にかかる張力を選択的に調整することにより変えることが可能である。一
般に張力が大きければフィラメントの配置深さはそれだけ深くなる。それに加え
、押し出し圧力及び混合物のレオロジーもまたある程度フィラメントの配置深さ
に影響を与える。
フィラメントが配置される角度αは前方向の押し出し速度(“Ve”)及び配置手
段の回転速度(“Vr”)の関数である。実際、角度αの正接が押し出し速度に対す
る回転速度の比(Vr/Ve)に比例する。したがって、他の全てが同じであれば、押
し出し速度が大きければ、フィラメントの巻き付け角度は小さくなる。逆に、配
置手段の回転速度が大きければ、フィラメントの巻き付け角度が大きくなる。
押し出し製品の水硬性マトリックス内のフィラメントの濃度は、フィラメント
の数及びフィラメントの平均角度αに直接比例する。すなわち、フィラメントの
数及び平均角度αが増すと濃度が増加する。フィラメントの濃度が大きいほど、
個々のフィラメント間の距離が小さくなる。また、濃度が大きいほど、押し出し
製品の水硬性マトリックスにフィラメントが与える効果が大きくそして均一にな
る。一般に、繊維の径が小さく密に配置されるほど、例えば、強度、柔軟性、及
び靭性といった所望する特性が均一になる傾向がある。
最後に、その化学組成に依存して、フィラメント自身の引っ張り強度、せん断
強度、柔軟性、及び伸張性が大きく変化する。そのような特性は、フィラメント
の径又はフィラメントが一本の糸からなるか若しくは何本かの糸を捩じったもの
か若しくは何本かの糸を他の方法で一本のフィラメントにしたものかに影響され
る。
前述の組成、方法、及び装置を用いて、製品内の水硬性マトリックス内に連続
フィラメントが分散された広範囲の形状を持つ製品を押し出すことが可能である
。そのような押し出し製品には、一般に、正方形、矩形、円、又は楕円の棒又は
条材、板、「I-ビーム」、「ツーバイフォー」、簡単な多細胞構造、パイプ、チ
ューブ、又は他の中空構造、窓枠、レンガ、又は屋根タイル等が含まれる。この
ような製品は、高度に圧縮された水硬性マトリックス内に連続フィラメントを配
置することからその特長が生じるが、必要な場合には高度に厳しい許容度を維持
することができる。
このような製品は、プラスチック、木材、粘土、又は金属のような他の材料か
ら作られる同様な製品と同じような、また時にはそれより優れた特性を持つ。し
かし、水硬性材料は、これら他の材料に比べてコストが通常はるかに低いという
特長を持つ。それに加え、本発明により作られる水硬性製品は、普通、現在生産
に用いられる従来の材料に比べ環境的により中性である。図面の簡単な説明
上で述べた本発明の利点及び他の利点が得られる方法を明確にするため、添付
図面に示された特定の実施例を参照しながら上で概説した本発明をより具体的に
記述する。これらの図面は本発明の単なる典型的な実施例を示しているだけであ
り、発明の範囲を制限するものではないことを理解した上で、本発明を以下の図
面を用いて具体的また詳細に記述する。
図1は、比較的高い自然粒子充填密度70%を有する水硬性混合物内の粒子配列
の大きく拡大した立面断面図である。
図2は、図1で示した混合物の大きく拡大した立面断面図、並びにその混合物
中で粒子が占める体積及び粒子間の空隙が占める体積を定量化したグラフを示す
。
図3は、図1で示した混合物の空隙の体積と当量の水を加えた時の混合物の大
きく拡大した立面断面図、並びにその混合物中で粒子が占める体積及び粒子間に
ある水が占める体積を定量化したグラフを示す。
図4は、図1で示した混合物に空隙の体積より少量の水を加え水分欠乏した混
合物ができた時の混合物の大きく拡大した立面断面図、並びにその混合物中で粒
子が占める体積、粒子間にある水が占める体積、及び粒子間の空隙が占める体積
を定量化したグラフを示す。
図5は、図4で示した混合物に圧縮力(即ち、圧力)をかけ粒子がより充填し
た配列になった混合物の大きく拡大した立面断面図、並びにその混合物中で粒子
が占める体積、粒子間にある水が占める体積、及び粒子間にまだ存在する空隙が
占める減少した体積を定量化したグラフを示す。
図6はオーガ押し出し機の断面図である。
図7はピストン押し出し機の断面図である。
図8は、水硬性混合物中にフィラメントを配置し同時に水硬性混合物を押し出
す装置の縦方向の断面図で、混合物がフィラメントに向かって押し出されている
様子を示す。
図9は、水硬性混合物中にフィラメントを配置し同時に水硬性混合物を押し出
す装置の縦方向の断面図で、棒の製作中にら旋構成に配置されたフィラメントを
混合物が封じ込めている様子を示す。
図10は、水硬性混合物中にフィラメントを配置し同時に水硬性混合物を押し出
す装置の面10に沿った横方向の断面図で、スクープエンドを有する配置手段がフ
ィラメントを配置している様子を示す。
図11は、水硬性混合物中にフィラメントを配置し同時に水硬性混合物を押し出
す装置の縦方向の断面図で、スクープエンドを有する配置手段で平行構成に配置
されたフィラメントを混合物が封じ込めている様子を示す。
図12は、水硬性混合物中にフィラメントを配置し同時に水硬性混合物を押し出
す装置の縦方向の断面図で、ニブエンドを有する配置手段で平行構成に配置され
たフィラメントを混合物が封じ込めている様子を示す。
図13は、水硬性混合物中にフィラメントを配置し同時に水硬性混合物を押し出
す装置の面13に沿った横方向の断面図で、ニブエンドを有する配置手段がフィラ
メントを配置している様子を示す。
図14は、水硬性混合物中にフィラメントを配置し同時に水硬性混合物を押し出
す装置の縦方向の断面図で、中空針を有する配置手段で平行構成に配置されたフ
ィラメントを混合物が封じ込めている様子を示す。
図15は、水硬性混合物中にフィラメントを配置し同時に水硬性混合物を押し出
す装置の縦方向の断面図で、二組の回転配置手段で十字交差構成にフィラメント
が配置される様子を示す。
図16は、水硬性混合物中にフィラメントを配置し同時に水硬性混合物を押し出
す装置の縦方向の断面図で、一組の固定配置手段で平行構成に、さらに二組の回
転配置手段で十字交差構成にフィラメントが配置される様子を示す。
図17は、I-ビームの形状をしたフィラメント配置チャンバー(切り取り図に示
す)を有する装置の透視図で、フィラメントが長さ方向に平行構成に配置された
水硬性I-ビームが製作される様子を示す。
図18は、フィラメントがシートの長さ方向に平行構成に配置された水硬性シー
トを製作する装置の透視図である。
図19は、長さ方向に沿って一端で円形の断面(切り取り図に示す)を持ち出口
で矩形の断面を持つフィラメント配置チャンバーを有する装置の透視図で、フィ
ラメントが縦軸に沿ってら旋構成に、また隅及び周辺には平行構成に配置された
矩形の断面を持つ水硬性製品が製作される様子を示す。
図20は、一端で円形の断面を持ちそれが長さ方向に沿って徐々に正方形の断面
に変化するフィラメント配置チャンバー(切り取り図に示す)及びそのフィラメ
ント配置チャンバー内に示されやはり円形の断面から正方形の断面に変化するマ
ンドレルを有する装置の透視図で、縦軸方向の周りにら旋構成と平行構成にフィ
ラメントが配置され中空正方形の断面を有するチューブ状水硬性製品が製作され
る様子を示す。
図21は、複数のマンドレル(切り取り図に示す)を含むフィラメント配置チャ
ンバーを有する装置の透視図で、長さ方向に平行構成にフィラメントが配置され
た水硬性レンガが製作される様子を示す。
図22は、水硬性混合物中にフィラメントを配置し同時に水硬性混合物を押し出
す装置の透視図である。
図23は、水硬性混合物中にフィラメントを配置し同時に水硬性混合物を押し出
す装置の側面立面図である。
図24は、水硬性混合物中にフィラメントを配置し同時に水硬性混合物を押し出
す装置の面24に沿った縦方向の断面図である。
図25は、水硬性混合物中にフィラメントを配置し同時に水硬性混合物を押し出
す装置の分解透視図である。
図26は、平行構成で長さ方向に伸びたフィラメントを有する水硬性パイプを形
成する装置の透視図で、ここでフィラメントは、固定フィーダーリング上のフィ
ラメントスプールから供給され、切り取り図に示された固定チャネルキャリッジ
中にある一組の固定配置手段により水硬性パイプ中に配置される。
図27は、ら旋構成で長さ方向に伸びたフィラメントを有する水硬性パイプを形
成する装置の透視図で、ここでフィラメントは、回転フィーダーリング上のフィ
ラメントスプールから供給され、切り取り図に示された回転チャネルキャリッジ
中にある一組の回転配置手段により水硬性パイプ中に配置される。
図28は、十字交差構成で長さ方向に伸びたフィラメントを有する水硬性パイプ
を形成する装置の透視図で、ここでフィラメントは二組の回転配置手段により水
硬性パイプ中に配置され、一組の回転配置手段は切り取り図に示された回転チャ
ネルキャリッジ中にあり、フィラメントは回転フィーダーリング上のフィラメン
トスプールから供給される。
図29は、平行構成及び十字交差構成で長さ方向に伸びたフィラメントを有する
水硬性パイプを形成する装置の透視図で、ここでフィラメントは一つの固定配置
手段及び二組の回転配置手段により水硬性パイプ中に配置され、一組の回転配置
手段は切り取り図に示された回転チャネルキャリッジ中にあり、フィラメントは
回転フィーダーリング上のフィラメントスプールから供給される。
図30は、ら旋状に巻かれたフィラメントを含み従来の方法で生産された水硬性
製品の破裂強度と製品中のフィラメントの成分比の関係を示すグラフである。
図31は、ら旋状に巻かれたフィラメントを含み従来の方法で生産された水硬性
製品の破裂強度と製品中のフィラメントの巻き付け角度の関係を示すグラフであ
る。
図32は、ら旋状に巻かれたフィラメントを含み従来の方法で生産された水硬性
製品の弾性率と製品中のフィラメントの成分比の関係を示すグラフである。
図33は、ら旋状に巻かれたフィラメントを含み従来の方法で生産された水硬性
製品の弾性率と製品中のフィラメントの巻き付け角度の関係を示すグラフである
。好ましい実施例の詳細な説明
本発明は、水硬性混合物を所望の製品に押し出す工程中にその水硬性混合物中
にフィラメントを連続的に配置するための新しい組成、方法、及び装置を包含す
る。連続フィラメントは、水硬性製品の曲げ強度、引っ張り強度、周強度、さら
にはその靭性、柔軟性及び伸張性を増加させる。種々の製品を形成することが可
能であるが、それには薄い壁、複雑な形状、及び/又は、厳しい許容度を有する
ものが含まれる。それに加えて、本発明の組成、方法、及び装置を用いて、「ツ
ーバイフォー」や他の構造物のような比較的大きく厚い壁を有する物体を有効に
押し出しその中にフィラメントを挿入することが可能である。そのような押し出
し製品は、押し出されると即座に(数秒で)形状安定になる。
この新しい水硬性組成を、一般に、多成分、マルチスケール、繊維強化したミ
クロ複合物質と呼ぶことができる。相乗的に関係した異なった特性を与える種々
の異なった材料(無機物質及び繊維を含む)を注意して導入することにより、強
度、靭性、環境的健全性、大量生産性、及び低価格の優れた特性を有するミクロ
複合物質の独特の類を作りだすことが可能である。
「多成分」という用語は、本発明の水硬性材料が、繊維、フィラメント、無機
骨材材料、有機骨材材料、有機レオロジー調整剤、分散剤、水、及び他の液体の
ような通常3つ以上の化学的又は物理的に異なった材料又は相を含んでいるとい
う事実を表している。これらの大きな材料の類の夫々はそれから(及び製品を形
成するのに用いる混合物から)押し出された最終製品に一つ以上の独特な特性を
与える。これらの大きな類の中からさらに異なった成分(2つ以上の無機骨材又
は繊維のような)を用いることも可能であり、これらの異なった成分は、押し出
し製品に異なっているが相補的な特性を与えることが可能である。このことが、
押し出し工程と関連した所望する製品の特性の設計を可能にするのである。
「マルチスケール」という用語は、本発明の組成及び材料は異なったレベル又
はスケールで規定できるという事実を表している。特に、本発明の水硬性材料内
には、約0.01 mmから約 10 mmの範囲の巨視的成分組成、約10ナノメートルから
約10ミクロンの範囲の微視的成分組成、及びサブミクロン成分が含まれている。
これらのレベルはフラクタルとは異なるであろうが、それらは通常お互いに類似
しており、各レベル中では均質で均一である。
「繊維強化した」という用語は、それ自身で明らかであるが、これは繊維だけ
でなくフィラメントによる強化にも適用できる。本発明の水硬性材料の構造マト
リックスは、水硬性バインダー、無機骨材、レオロジー調整剤、繊維、フィラメ
ント間の結合即ち相互作用に依存している。繊維及びフィラメントの主な機能は
、成分を強化し特に延性、引っ張り強度、曲げ強度、周強度、柔軟性、伸張を増
加することである。
最後に、「ミクロ複合物質」という用語は、当水硬性材料は単に一つの化合物
でも混合物でもなく、異なったサイズ、形状、及び化学的組成を持つ特殊な個々
の材料をミクロレベルで設計したマトリックスであるという事実を表している。
それらの材料は十分によく結合され相互作用しているため各材料の独特の特性が
最終複合物質に現れる(例えば、マトリックスの引っ張り強度は繊維成分及びフ
ィラメント成分の引っ張り強度と直接の相関を持ち、また、中空製品の破裂強度
又は周強度はフィラメントの強度、直径、配置角度、及び配向に直接の相関を持
つ、等)。
これらの定義及び原理に照らして、水硬性バインダー、無機骨材、水、(任意
により)繊維(有機、無機とも)、及び(任意により)有機レオロジー調整剤を
含む材料を混合し種々の製品に押し出すことが可能である。そのような製品は種
々の異なった強度、靭性、密度を有することが可能であり、また高い許容度を有
することも可能である。このことは本発明の水硬性材料を連続的に押し出すこと
を可能にし、例えばプラスチック、金属、木材、又は粘土から現在作られている
種々の製品にフィラメントを巻き付ける(ゆえに大量生産する)ことを可能にす
る。
以下でより詳しく説明するように、本発明のセメント性混合物の基本的パラメ
ータには、(1)粒子充填密度、(2)水硬性バインダー(通常水硬セメント)
の量、(3)水量、(4)押し出し圧力、(5)レオロジー(降伏応力及び生強
度)、(6)硬化した最終製品の強度(圧縮強度及び引っ張り強度を含む)が含
まれる。I.一般論
A.押し出し工程の一般論
水硬性製品は、セメント性材料及びそれらを用いる方法を含め、過去何千年も
の間にわたって知られてきた。セメント性水硬性製品又は他の水硬性製品には数
多くの多種多様の種類が存在するが、それらは一般的に大きく嵩があるという共
通点を持っている。特に、セメント性物体は、所望する強度及び他の性能を達成
するためには大きなサイズと重量を必要とするのが一般的である。通常のセメン
ト性材料は、比較的長い凝固時間及び硬化時間を経た後に初めてそれらを金型か
ら取り外すことができるようになる。ほとんどの水硬性混合物の成型性、及び/
又は、押し出し性は、加工性と形状安定性の間の兼ね合いによって一般に制限さ
れている。一般に、一方を増加させれば他方が減少するので、許容可能なレオロ
ジーの範囲は狭いものになる。
本発明は、押し出された後即座に又は短時間で形状安定になる可塑性の高い凝
集力のある水硬性混合物を作ることにより、この押し出し性と形状安定性間の兼
ね合いを解決した。「可塑性」という用語は、加工性があり、圧力を加えると流
れ、十分な凝集力を持つため生状態(生強度及び形状安定性とは即座又は数秒以
内のことである)で形状安定になる水硬性混合物のことをいう。
本発明によって作られる水硬性混合物の独特な特性は、以下でより詳しく説明
するが、粒子充填密度を最適化し、水を少量にすることによりレオロジーを注意
深く制御することにより生じる。水を少量にすると、比較的固く即ち粘性の高い
水硬性混合物を生じるが、その理由は、粒子間の空隙を完全に満たす十分な水が
なく、粒子を潤滑化する十分な水がないからである。水分が最初少ない場合には
、水硬性混合物は、凝集力がなく一つの物体をなさない乾燥した小粒からできて
いるように見えるかも知れない。
しかし、オーガ又はピストン押し出し機により、さらに、空隙内から空気を十
分に排気するため混合物を真空に引くことにより、水分欠乏した混合物に圧力を
加え、水硬性混合物内の粒子をお互いに圧縮し合いその充填密度を増加させるこ
とができる。これは、有効水分欠乏を減少させることになり、したがって、より
高密度に充填された粒子間の空隙をより完全に水分が満たすことができるように
なる。空隙を満たすために得られる水分が見かけ上増加することにより、粒子の
潤滑をよくし、粒子間の摩擦を減少させ、さらに、降伏応力を一時的に減少させ
ることにより混合物の流れを容易にする。そのうえ、混合物を振動させても水分
欠乏した混合物の粘性を減少させることができる。
ダイから出る時水硬性混合物にかかっていた圧力が減少するため、材料が少し
膨張し、充填密度の最適状態から少し低い状態に戻る。これにより毛細管内に真
空が生じ、水硬性材料を結合する強いメニスカス力が生じる。圧力が急に減少す
ること(及び低いせん断率)により材料の粘性が増加し、せん断率がゼロにおけ
る高い降伏応力と共に、粒子を潤滑するのに必要な水分が減少し形状安定性が即
座に増加する。
水硬性混合物のレオロジーは、セメント性混合物内に入れた、セルロース系、
澱粉系、蛋白系、又は合成有機レオロジー調整剤のような他の添加物によっても
影響されるが、それらは混合物の降伏応力を増加させる一方粘性を非加工性にな
るまで大きく増加も減少もさせない。オーガ又はピストン押し出し機内の、高せ
ん断条件下では、高い降伏応力は打ち負かされ、可塑性粘性は一時的に低下し、
混合物の流動性が増加する。水硬性材料が押し出されせん断力が取り去られると
レオロジー調整剤はより凝集力のある形状安定な押し出し製品を作るのに役立つ
。それ故、レオロジー調整剤は、シアシニングな、揺変性のある、擬可塑性の振
る舞いをする水硬性混合物、即ち、圧力、振動等のせん断力をかけると粘性を減
少
させる物質を作るのに役に立つ。
混合物内の粒子充填の最適化は、混合物に所望するレオロジー特性を与えるだ
けでなく、水硬性マトリックス内の水分及び空気を減少させることにより硬化し
た製品の最終強度を大幅に増加させる。下の強度公式に示すように、硬化したセ
メント性製品の圧縮強度は添加した水分及び空隙に入った空気の量に反比例する
ことが知られている(σは硬化したセメント性製品の総括的強度。kは空隙水分
及び空気がないと仮定して得られる最大理論強度であり、通常は約 300-500 MPa
で、押し出した製品が耐圧機で硬化されるような場合には 800 MPaにまでなるこ
ともある。Vcはセメントの体積;Vwは水分の体積。Vaはセメント性混合物内の空
気又は空隙の体積である)。
σ = k[Vc/(Vc + Vw + Va)]2 MPa
通常の圧縮していないセメントペーストでは、k = 340 MPa で、高度に圧縮し
たシステムでは k = 500 MPaである。したがって、kの大きさは工程の方法に依
存するが、同じ工程法に対しては一定である。一般的に、水硬性混合物中の空気
及び水分を減少させると、最終的に固化した材料の強度が増加する。以下により
詳しく述べるように粒子充填密度を増加させると水硬性混合物の加工性を増加さ
せながら水と空気の双方を減らすことが可能である。それに加え、押し出し工程
中の押し出し圧力及びそれから生じる圧縮を増加させることによっても空隙内の
空気を大幅に減少させ水分が少ない場合でも適当な流動性を維持可能である。
水硬性混合物の粒子充填密度がここで述べる範囲内の高い値に最適化され、空
隙内のほとんどの空気を除去可能な比較的高い押し出し圧力が用いられ、始めに
少しの水しか添加されない場合には、500 MPa より高い圧縮力、例えば耐圧機を
用いた場合には 800 MPa程にも到達するような圧縮力を持つ水硬性マトリックス
を有する工業製品を押し出すことが可能である。
実験室の条件で、空隙内の空気及び水分が少ない高強度のコンクリート製品が
製作されたということは事実である。しかし、それは通常、約 70 MPa 以上の高
圧成型による、非常に大きな高圧下の静水圧圧縮(しばしば乾燥充填)により形
成される。しかし、これらの方法は、セメント性材料の経済的大量生産に適用で
きないばかりか、最も簡単で初歩的な形状しか成型できない。また、これらの方
法は、本発明の組成及び方法を用いると可能なように、形状安定な水硬性製品を
押し出しにより大量に連続形成することはできない。押し出し法は、断面が一定
の形と大きさを持つ比較的長く細いある種の製品を大量連続生産するためには従
来の成型工程に比べ優れている。
フィラメントを水硬性マトリックスに導入する以外に、後に詳述するように、
例えば、ラミネート構造を得るため、又は他の材料を水硬性マトリックス内に入
れたり又はその表面上に押し出したりした押し出し製品を得るために、水硬性混
合物を他の材料と共に共押し出すのが望ましい場合もある。本発明の押し出し可
能な水硬性混合物と共に共押し出しをするものとして、他の水硬性混合物(しば
しば異なった相補的特性を持つ)、繊維マット、グラファイト(鉛筆用)、コー
ティング材料、重合体、粘土、及び、その他のほとんどの(金属のような)連続
片、ワイアー、又はシートが含まれる。例えば、水硬性シート及び繊維マットを
共に共押し出し法で結合することによって最終製品は強度、靭性、及び他の必要
な特性に関して相乗的効果を示すことが知られている。
水硬性混合物が所望する形状に押し出された後それはその形状で硬化される。
この硬化工程を、制御した高い相対湿度又は高圧耐圧機内での加熱のように、物
体を加熱することにより加速しても良い。あるいは、シートの厚さを減少させ、
及び/又は、シートの表面状態を向上させるためシートを一対のローラー間を通
過させるように、押し出した形状をさらに変化させても良い。押し出した物体を
曲げたり、切断したり、又は既知の成型工程を用いてさらに成型したりして種々
の他の物体や形状にしても良い。
B.押し出し形状及び製品
本明細書及び特許請求範囲で用いられる「押し出し形状」、「押し出し製品」
、及び「水硬性製品」のような用語は、本発明の水硬性組成を連続的に押し出し
且つフィラメントを導入することにより形成される公知の又は将来設計される形
状又は製品を含むものとする。本発明に基づいて製造される押し出し形状又は押
し出し製品の例には、矩形、正方形、楕円、又は円柱状の棒又は条材、コンクリ
ートのリバー(rebar)、パイプ、チューブ、ストロー、円柱、多細胞構造、板、I
-ビーム、「ツーバイフォー」、窓枠、レンガ、屋根瓦、及び鉛筆等が含まれる
が、
これらが全てを尽くしているのではない。
それに加え、「押し出し製品」、「押し出し形状」、及び「水硬性製品」とい
う用語はさらに、本発明の組成を押し出し、その押し出した製品にフィラメント
を入れて形成し、その後他の形状又は製品に変形される先行形状又は先行製品の
全てをも含む。例えば、最初まっすぐな押し出した条材又はパイプを曲げて曲が
った条材にしても良い。まっすぐな条材又はパイプは双方とも本発明の範疇に入
るし、「押し出し製品」、「押し出し形状」、及び「水硬性製品」の定義に入る
ものとする。
これらの用語はさらに、他の製品に含まれるように設計されたすべての押し出
し製品又は形状も含む。この際、この押し出し製品又は形状を入れる製品はこの
特許の範囲に入っても入らなくても良い。押し出された製品の組み合わせ、又は
押し出された製品と他の製品との組み合わせは、独立に特許可能な特徴を有する
場合もあるが、本発明の方法及び装置を用いて得られる小部品は、小部品のすべ
ての組み合わせと同様、「押し出し物体」、「押し出し製品」、及び「水硬性製
品」という用語の定義内に入るものとする。
C.ミクロ構造設計
前述したように本発明の水硬性組成は、水硬性マトリックスに予め決められた
必要な特性が与えられるよう、ミクロ構造設計及び材料化学の手法を用い、同時
にコスト及び他の製造上の問題をよく認識しながら開発された。さらに、このミ
クロ構造設計解析法により、従来の試行錯誤ミックス/テスト法とは対照的に、
種々の水硬性物体を以前よりもより効率的に押し出すために必要な特性、即ち、
強度、重量、断熱性、コスト、及び環境的中立性を持つ水硬性材料を設計するこ
とが可能になった。
ある一つの製品を設計するために入手可能な原材料の数は膨大なもので、5万
から8万と推定される。それらは、金属、高分子、エラストマー、セラミック、
ガラス、複合材料、及びセメントといった広範囲の類から選ばれる。一つの類の
中では、特性、処理法、応用等の点に置いてある程度の共通性がある。例えば、
セラミックスは高い弾性率を持つが、ポリマーは低い弾性率を持つ。また、金属
は鋳造又は鍛造によって成形されるが、複合材料にはレイアップ法又は特殊モー
ルド技術が要求される。水硬セメントから作られるような水硬性材料は歴史的に
低い屈曲強度を持つが、エラストマーは大きな屈曲強度を持つようなものである
。
しかし、材料の特性をそのように区分することには危険が伴う。それは専門化
(冶金家はセラミックスのことは何も知らない)や、保守的思考(「いつも使用
しているので今回も金属を使おう」)につながる可能性がある。ある程度、まさ
にこの専門化と保守的思考が、特に比較的薄い壁、複雑な形状、又は高い許容度
を有する押し出し製品のような種々の製品に水硬性材料を応用するという考えを
押し殺してきたのである。
しかし、水硬性材料には非常に広い応用があり、ミクロ構造設計法で設計でき
ることに気が付けば、水硬性材料を種々の製品へ応用することは自明である。水
硬性材料は他の従来の材料に比べて、その特性が比較的穏やかで非破壊的な条件
下で得られるという利点がある。(他の材料では、高エネルギー、高温、又は材
料の成分に大きく影響する苛酷な化学処理が必要である。)それ故、正しく設計
されれば、繊維を含めた多くの非水硬性材料を水硬性材料に破損することなく導
入し、驚くべき相乗的特性又は結果を得ることができる。
本発明で用いる組成の設計は、まず設計が要求する主要な条件を与え、次に成
分の性能を最大にする材料のサブセットを求めることにより開発され狭められた
。しかし、コスト的に競争力のある工程で製作できる製品を設計する必要性を開
発中常に考慮することが非常に重要である。
製品が成功するために重要な、成分設計の性質から、材料選択に対する主要な
条件が課せられる。押し出し製品に関しては、これらの主要条件には、所望する
重量及び所望する強度(例えば、圧縮強度、引っ張り強度、曲げ強度、及び周強
度)、靭性、及び他の性能条件が含まれており、同時に、コストをプラスチック
、木材、粘土、及び金属のものと同じ程度に押さえることである。
前述したように、水硬性材料が過去に持っていた一つの問題は、その材料を通
常型に流し込み、作業をした後、硬化させるのに典型的に数日ないしは数週間の
長い期間放置しなければならないことであった。従来のコンクリート製品が最大
の強度に達するには少なくとも1箇月かかるというのが専門家の一般的に一致し
た意見である。高価な「硬化加速剤」を用いてもこの強度を得るのに数日を要す
る。そのような時間は、本発明が意図する水硬性製品を大量生産するのには明ら
かに非現実的である。
したがって、本発明の重要な特長は、水硬性材料が所望する形状又は製品に押
し出される時、それが生状態であっても外部の支持なくその形を保つ(即ち、重
力や加工装置中の搬送のような弱い力に対して自分自身の重量を支持する)こと
である。さらに、製造の視点からすると、生産が経済的であるためには、押し出
された物体が早く(数秒間で)十分な強度に達し、水硬性材料がまだ生状態で完
全に硬化していなくても通常の製造処方を用いて取り扱えることが重要である。
本発明で用いるミクロ構造設計法及び材料科学の方法の他の利点は、典型的な
従来の技術に比べ構造マトリックスの断面がより均一になる組成を開発すること
が出来ることである。理想的には、水硬性マトリックスの約 1-2 mm3の任意の2
つのサンプルを取り出した時、両者には実質的に同量の水硬性バインダー粒子、
水硬性バインダーゲル、骨材、繊維、フィラメント、レオロジー調整剤、及び他
の添加物が含まれることである。
水硬性材料をミクロ構造的に設計する際に材料科学解析を用いるプロセスは、
最も簡単な方式として、以下のものの特性づけ、解析、及び(もし必要なら)修
正が含まれる。即ち、(a)骨材、(b)粒子充填、(c)システムのレオロジー、(d)製
造システムの工程とエネルギーである。骨材を特性づけする際、平均粒子径が決
定され、その粒子の自然充填密度(これは粒子の大きさと形態の関数である)が
決定され、さらに粒子の強度が確認される。(非反応又は既に反応した水硬性バ
インダー粒子は骨材と見做しても良い。)
この知識を基に数学的モデルにしたがって粒子充填が計算される。加工性、形
状安定性、収縮、嵩密度、断熱性、引っ張り強度、圧縮強度、屈曲強度、弾性、
耐久性、コスト最適化等の最終製品に対する所望条件を設計する上で粒子充填が
一番重要な因子であることが既に確立されている。粒子充填は、粒子及び骨材の
特性付けだけでなく、水の量及び充填した骨材の空隙体積と水との関係にも依存
する。
システムのレオロジーは、マクロレオロジー及びミクロレオロジー双方の関数
である。マクロレオロジーとは、固体粒子の相互間の関係であり粒子充填として
定義される。ミクロレオロジーとは、システムの潤滑剤成分比の関数である。潤
滑剤(これには水、レオロジー調整剤、可塑剤、分散剤、他の材料、又はそれら
の組み合わせがある)を変えることにより粘性及び降伏応力を変化させることが
できる。ミクロレオロジーは、粒子の形及びサイズを変えることにより物理的に
も変化させることができる。例えば、細かく切られた繊維、平面状のマイカ、丸
い形をしたシリカフューム、斜方形の溶融シリカ、又は粉砕され角張った小粒の
水硬性バインダー粒子等を用いても良いが、これらは夫々潤滑剤に異なる作用を
する。
最後に、製造工程を、加工性と形状安定性間のバランスを調整するように変化
させることができる。一般に、混合物の粘性を下げると加工性がよくなるが、降
伏応力を増加すると押し出した材料の形状安定性が増加する。本発明で適用する
ように、所望する降伏応力を最小に保ち、粘性を最小にするのが一般的に最適で
ある。材料の成型又は変形は水硬性混合物の降伏応力よりも大きな力がかけられ
た時にのみ起きる。
押し出された物体の降伏応力及び形状安定性は化学添加剤を加えるか(例えば
、レオロジー調整剤を添加する)システムにエネルギーを加える(例えば、押し
出し機又は押し出された材料を加熱する)ことによっても増加させることが可能
である。例えば、材料が押し出される時にそれを加熱すると澱粉添加剤が活性化
し押し出された材料の降伏応力を増加させることができる。それに加え、加熱す
ることにより水硬性バインダーと水との間の水和反応が加速され、ある場合には
、反応速度は通常の10倍又は20倍にもなる。実際、本発明が当分野で重大な進歩
をもたらしたのは、一方では形成工程中の流動性を確保すると共に水硬性組成の
形状安定性を増大させる水硬性組成を調整する方法を発見したことである。
以下の議論を通し、水硬性混合物の各成分材料及び工程パラメータが押し出し
可能な水硬性混合物の主要な設計条件にどのように寄与し、広い範囲の種々の押
し出し製品が生産されるようになるかが理解できるであろう。各成分の性能を最
大限に発揮して、いくつかの望ましい特性の組み合わせを達成する方法を示すた
め、具体的な成分比を後述の例で説明する。D.水硬性物質
本発明の押し出し製品を製造するのに用いる材料は、水硬セメント、硫酸カル
シウム(石膏)半水和物(時に、「硬石膏」として知られる無水石膏と混合され
る)、及び他の水に曝されると硬化する物質のような水硬性バインダーと水との
化学反応を通して強度を増加させる。鉱滓、高炉滓、フライアッシュ、又はシリ
カフュームでさえ活性化され、「水硬性バインダー」として働く。
本明細書及びそれに付随する特許請求で用いる「水硬性材料」という用語は、
構造マトリックスを持ち且つ水硬性バインダーの硬化から生じる強度特性を持つ
すべての材料を意味する。これらには、セメント性材料、プラスター、及びここ
で定義される他の水硬性材料が含まれる。本発明で用いる水硬性バインダーは、
重合化非水溶性有機セメント、にかわ、又は接着剤のような他の接合材又はバイ
ンダーと区別すべきものである。
ここで用いる「水硬性材料」、「水硬セメント材料」又は「セメント性材料」
という用語は、今迄にどれだけの水和即ち硬化が起きたかに関係なく水硬性バイ
ンダー及び水の双方を含む組成及び材料を定義するものである。従って、「水硬
性材料」という用語は、水硬ペースト即ち生(硬化していない)状態の水硬性混
合物、及び、硬化した水硬性製品即ちコンクリート製品を含んでいるものとする
。生状態の水硬性材料は「水硬性混合物」とも呼ばれることがある。1.水硬性バインダー
この明細書及び付随の特許請求で用いる「水硬性バインダー」又は「水硬バイ
ンダー」という用語は、(水硬セメント、半水石膏、酸化カルシウム、又はそれ
らの混合物のような)全ての無機バインダーで、水と反応することにより、また
ある場合には水と大気中の二酸化炭素と反応することにより強度特性及び硬度を
増加さすものを含むものとする。この明細書及び付随の特許請求で用いる「水硬
セメント」又は「セメント」という用語は、セメントクリンカー及び粉砕過程の
種々の段階にあり、色々な粒径を持つ圧搾された、すり砕かれた、破砕された、
処理されたクリンカーを含むものとする。
当分野で知られた通常の水硬セメントの例としては、広範な種類のポートラン
ドセメント(石膏を含まない通常のポートランドセメントを含む)、MDF セメン
ト、DSP セメント、デンシット型セメント、ピラメント型セメント、アルミ酸カ
ルシウムセメント(セットレギュレータなしのアルミ酸カルシウムセメントを含
む)、プラスター、ケイ酸塩セメント(β−ケイ酸二カルシウム、ケイ酸三カル
シウム、及びその混合物を含む)、石膏セメント、リン酸塩セメント、高アルミ
ナセメント、微粒セメント、スラッグセメント、マグネシウムオキシクロライド
セメント、微粒セメントの粒子でコートされた骨材等が含まれる。「水硬セメン
ト」という用語は、さらに、水和条件下で水硬性を持つように出来る、α−ケイ
酸二カルシウムのような当分野で知られた他のセメントも本発明の範疇に含まれ
るものとする。
例えばポートランドセメントの基本的な化学成分は、CaO、MgO、SiO2、Al2O3
、Fe2O3、SO3の色々な組み合わせと色々な組成比を持つものである。これらは、
水の存在下で一連の複雑な反応をし、不溶性のケイ酸カルシウム水和物、炭酸塩
(大気及び加えられた水分中のCO2から)、硫酸塩、及び他の塩即ちカルシウム
、マグネシウム、アルミニウム、鉄の生成物及びそれらの水和物が生成される。
これらには、アルミ酸三カルシウム、ケイ酸二カルシウム、ケイ酸三カルシウム
、及びアルミナフェライト四カルシウムが含まれる。アルミニウム及び鉄の成分
は、上記の材料の精巧な錯体に取り入れられていると考えられている。硬化した
セメント製品は、石のように複雑に互いに繋がりあった不溶性の水和物及び塩の
複雑なマトリックスである。この物質は高度に不活性で、自然の石や土と同様な
物理化学的性質を持っている。
石膏もまた水和し、硬化した結合剤になる得る水硬性バインダーである。石膏
の水和可能な形態は半水化硫酸カルシウムであり、これは一般に「半水石膏」と
して知られている。石膏の水和した形態は二水化硫酸カルシウムで、一般に「二
水石膏」として知られている。半水化硫酸カルシウムはまた、「無水石膏」又は
単に「硬石膏」として一般に知られている無水硫酸カルシウムと混合することも
できる。
石膏バインダー又は酸化カルシウムのような他の水硬性バインダーは一般に水
硬セメント程の強度はないが、ある応用では大きな強度が他の性質(例えば、硬
化速度)に比べ必ずしも重要とは限らない。石膏及び酸化カルシウムは水硬セメ
ントよりも比較的安価であるのでコスト面で利点がある。
それに加えて、半水石膏は、従来のセメントに比べてずっと短時間で硬化する
ことが知られている。実際、本発明で用いる時には、約30分以内で硬化し、最終
強度とほぼ同程度の強度に達する。従って、半水石膏は単独で用いても良いし、
又は、本発明の範疇の他の水硬性材料と組み合わせて用いても良い。バインダー
として水硬セメントを含んだ水硬性混合物に半水石膏を加えると、混合物を、低
い水分/セメント比を持ち、したがって強度公式により高い強度を持つようにす
ることができることが知られている。
「水和した」又は「硬化した」水硬性混合物、水硬性材料、又は水硬性マトリ
ックスという用語は、潜在的即ち最終最大強度の大部分の強度を持つ水硬性製品
を得るのに十分な水触媒反応の程度のことをいう。しかし、水硬性材料は、大き
な硬度及び実質的に最終最大強度を得た後も長く水和を続けるのである。
水硬性混合物に関連して用いられる「生」或いは「生状態」とは、その最終強
度の大部分の強度にまだ達していない混合物のことをいうが、その強度が強制乾
燥、硬化、或いは他の方法によって得られるものかどうかは問題ではない。水硬
性混合物は、所望する形に成型される直前及び直後に「生」又は「生状態」にあ
るといわれる。水硬性混合物がもはや「生」でなくなった、又は「生状態」でな
くなったという時点は、必ずしもはっきりした境界線で表されない。その理由は
、一般にそのような混合物では最大強度の大部分が時間を掛けて徐々に得られる
からである。勿論、水硬性混合物は、「生」状態でありながら「生強度」を増加
させることは可能である。この理由のため、ここでの議論では、生状態の水硬性
混合物の「形状安定性」にしばしば言及する。
前述のように、好適な水硬性バインダーとしては、ポートランド白セメント、
ポートランド灰色セメント、微粒セメント、高アルミナセメント、スラッグセメ
ント、半水石膏、及び酸化カルシウム等が挙げられるが、その主な理由は、それ
らが安価であるということと、もう一つには、本発明の製造工程に適しているか
らである。このセメントのリストは全てを網羅しているものではないし、ここに
付随する特許請求の範囲の水硬性容器を作るのに有用なバインダーの型を限定す
るものでもない。ポートランド灰色セメントは、他の種類のセメントに比べて、
生の水硬性混合物の凝集性を向上させることが知られている。
他の種類の水硬セメント組成物には、二酸化炭素が水硬セメントと水と共に混
合されているものが含まれている。この方法で作られた水硬セメント組成物では
生強度がより早く得られるということが知られている。この種の水硬セメント組
成物は、1993年8月3日付けでハムリン・エム・ジェニングス(Hamlin M.Jenn
ings)及びサイモン・ケイ・ホドソン(Simon K.Hodson)に発行された米国特許N
o.5,232,496 で述べられているが、そこでは、水と水硬セメントが、二酸化炭
素、一酸化炭素、炭酸塩、又はその混合物の炭酸塩源が存在する下で混合される
。開示のため、ここにおいて、この特許を特に引用することにより本発明の一部
とする。2.水硬ペースト
本発明の各実施例において、水硬性ペースト(セメントペーストをふくむ)は
重要な成分であり、最終的には押し出し物体を硬化しその強度特性を増加させる
。「水硬ペースト」という用語は水と混合した水硬性バインダーのことをいう。
より具体的には、「セメントペースト」という用語は、水と混合した水硬セメン
トのことをいう。「水硬性」、「水硬」又は「セメント性」混合物とは、生状態
の時、あるいは硬化した後などに関係なく骨材、繊維、レオロジー調整剤、分散
剤、又は他の物質を添加した水硬セメントペーストのことをいう。水硬ペースト
に添加される他の成分は、固化していない状態又は固化した状態の性質を変化さ
せる。それらの性質には、引っ張り強度、圧縮強度、収縮性、柔軟性、嵩密度、
色、多孔度、表面仕上げ、きめ等があるが、これらに限るものではない。
水硬性バインダーは、水硬性混合物を硬化させその材料強度の大部分を得る成
分として理解されているが、ある種の水硬性バインダーもまたより強い初期凝集
力及び生状態の強度を増加させるのに役に立つ。例えば、水硬セメント粒子は、
硬化する前においても水との初期ゲル化反応を行うことが知られているが、これ
は混合物の内部凝集力に寄与する。
アルミ酸、即ち、ポートランド灰色セメントでよく用いられるようなもの(ア
ルミ酸三カルシウム及びアルミナフェライト四カルシウムの形)は、水和の初期
の段階でセメント粒子間にコロイド相互作用を引き起こすといわれている。これ
は、引き続き、ある段階のフローキュレーション/ゲル化をセメント粒子間に引
き起こす。そのようなバインダーのゲル化、コロイド、フローキュレーティング
の効果は、それから出来た水硬性混合物の成型性(即ち、可塑性)を増加させる
ことが示された。
混合物全体に於ける水硬性バインダーの比率は、他の添加成分の種類により変
化する。しかし、好ましい水硬性バインダーの量は、湿った水硬性混合物の約1
重量%から約90重量%の範囲であり、より好ましくは、約8%から約60%の範囲
であり、最も好ましくは、約10%から約45%の範囲である。ここで説明される開
示及び実施例から、この広い範囲の重量比は、水硬性混合物を押し出して形成さ
れる多くの異なった種類の製品に適用できることが分かるであろう。
上述したことにもかかわらず、全ての濃度及び量は最終製品に必要な品質及び
性質に大きく依存していることが分かるであろう。例えば、大きな強度を必要と
する非常に薄い壁構造(0.05 mm程の薄さでさえ)に於いては、水硬性バインダ
ーの成分比を非常に高くし、骨材を少量又は皆無にするのが経済的である場合も
ある。そのような場合には、多くの繊維を含ませ柔軟性及び靭性を増加させるこ
とも好ましいであろう。
水硬ペーストの他の重要な成分は水である。定義から、水は、本発明の範疇に
はいる水硬性材料の必須の成分である。水硬バインダーと水との水和反応が生成
する反応物により水硬性材料は硬化し強度を得るようになる。
本発明の大部分の応用に於いて、押し出し後の生状態で自立可能な水硬性混合
物を得るためには水硬性バインダーに対する水の比率を注意深く制御することが
重要である。しかし、水の必要量は種々の要因に依存しており、それには、水硬
性バインダー、骨材、繊維材料、レオロジー調整剤、及び水硬性混合物内の他の
材料又は添加物等の種類及び量、さらに、押し出し条件、押し出し製品、及びそ
の特性等が含まれる。
どの応用においても好ましい水の量は、主に2つの重要な変数による。即ち、
(1)バインダーと反応し水和するために必要な水分、及び、(2)水硬性混合物に対
し必要なレオロジー及び加工性をもたらす水分である。
生の水硬性混合物が適当な加工性を持つためには、各成分を濡らし、粒子間(
例えば、バインダー粒子、骨剤、繊維材料を含んだ)の空隙を少なくとも部分的
に満たすのに十分な量の水を加えなければならない。また、溶解性の添加物が含
まれている場合には、溶解するか、そうでなければその添加物と反応するのに十
分なだけの水を加えなくてはならない。分散剤が添加されているような場合には
水を少なくしても加工度を増加させることが可能である。
水硬性混合物に十分に加工性を持たすと同時に水分を減らすと生状態の強度及
び硬化した時の押し出し製品の最終強度の双方を増加させることができることを
考慮して注意深く水の量を調整しなくてはならない。これらの要求を満たすため
の適切なレオロジーを降伏応力を用いて定義することができる。水硬性混合物が
所望する製品に押し出された時適当な生状態強度及び形状安定性を持つようにす
るには、水硬性混合物が約 2 kPa以上の降伏応力を持つのが好ましく、10 kPa以
上がより好ましく、100 kPa 以上が最も好ましい。これらの数字は好ましい最低
値を示しているだけである。降伏応力に制限はなく、それは、水分欠乏、粒子の
形態、混合物内のレオロジー調整剤の量といった多くの因子にもよるが、もっと
高い場合もある。押し出しされる製品又は形状により降伏応力の望ましいレベル
を調整することが可能である(必ず必要であるかも知れない)。
本発明の水硬性混合物はシアシニング(shear thinning)を示すので、一つの
好ましい粘性というものは存在しない。しかし、勿論、混合物の粘性は形状安定
になるのに十分高くなくてはならないが、また同時に押し出し機を用いることが
できるよう流動的で十分低くなくてはならない。しかし、一般的には、見掛けの
粘性は、0s-1 のせん断速度で約 107ポイズ以上で、20 s-1のせん断速度で約 1
04ポイズ以上で、1000 s-1のせん断速度で約 2 x 102ポイズ以上である。
骨材及び他の水分を吸収する添加物が多く含まれている時には、同程度の作業
性を得るためまた水硬性バインダーを水和するための水分を供給するため、それ
に応じて水/水硬性バインダー比を大きくとらなくてはならないことは当業者に
は理解できるであろう。この理由は、骨材の濃度が大きくなると、水硬性バイン
ダーの体積の一部として粒子間の空隙の体積がそれだけ増え、水がそれを満たさ
なくてはならないためである。多孔性の骨材はまた、空洞の比率が大きいため大
量の水をその内部に吸収する。上述の条件に基づくと、本発明の範疇にある水硬
性混合物の水/水硬性バインダー比は通常約 0.05 から約4であり、より好まし
くは約 0.1から約1で、最も好ましくは約 0.15 から約 0.5である。
本発明の通常の混合物内の水硬性バインダー粒子の粒子充填密度が高いため、
水硬性混合物の水硬ペースト成分の比重は(高強度が必要な場合)約 2.2以上で
あることが好ましく、約 2.5以上であることがより好ましく、約 2.6以上である
ことが最も好ましい。
水硬性バインダーは水硬性混合物に対して内部乾燥効果を持つ。その理由は、
バインダー粒子は化学的に水と反応し、粒子間の空隙内にある自由な水分を減少
さすからである。半水石膏のような反応力の強い水硬性バインダーを反応力の弱
い水硬セメントと混ぜて用いることにより内部乾燥効果を高めることが可能であ
る。3.水分欠乏
水硬性混合物に所望するレオロジーを与えバインダーを水和するのに必要な水
量は、体積比又は「水分欠乏」でより正確に記述できるであろう。水分欠乏度は
、全空隙の体積から自由な空隙水を引き、その結果を全空隙で割ることにより求
められる。
水分欠乏 =(Vspace−Vwater)/Vspace
水分欠乏の概念を示す一つの例として、水硬性混合物に水が添加されているにも
かかわらず 100%水分欠乏している(即ち、空隙に水分が存在しない)場合があ
る。この場合は、全ての水は骨材の孔に吸収されているか水硬性バインダーと反
応しているかである。
勿論、水硬性バインダーと水が混合された後のどの時点でも水硬性バインダー
と実際に反応した水量は、そのバインダーをほとんど水和するのに要する化学当
量の水の計算値に比べて著しく少ないのが通常である。水和反応の機構のため、
水分は水硬性バインダーと即時に完全に反応するのではなく、材料が押し出され
た後一般に硬化の段階で時間をかけて反応するのである。
したがって、バインダーと反応しない理論化学当量の水分の一部は(骨材材料
に吸収されないなら)一般に粒子間の空隙を満たすのに使われる。水硬性バイン
ダーと化学的に反応しない水分は、ゲル水、又は毛細管水と分類される場合があ
る。どちらも最終的に硬化した材料の強度を弱める傾向にあるので、できるだけ
少なくするのが良い。空隙を満たす水量は水硬性混合物の加工性及びレオロジー
に直接影響するので、粒子を潤滑し空隙を満たすのに使われ水和に使われていな
い化学当量の水量を混合を行った後の全ての時点において求める必要がある。も
っとも、水和反応は遅いので、最初は添加したほとんどの水は結合されていない
。
理論化学当量の水分の何%が水硬性バインダーと実際に反応するかを決定する
いくつかの因子には、バインダーの反応性(反応速度)、混合物の温度、バイン
ダー粒子の大きさ、混合の度合い、混合物全体中の成分のぬれ性、及び水を加え
てから経過した時間等が含まれる。
例えば、反応速度が速い水硬性バインダーは、反応速度が遅いバインダーより
も速く水を吸収したり水と反応したりする。ほとんどの反応と同様、温度が高け
れば一般に全ての水硬性バインダーの反応速度は速くなり、したがって、バイン
ダーの水分除去速度も増加する。
さらに、粒子サイズが小さな水硬性バインダーは水分との反応が速い傾向にあ
るが、その理由は、バインダーが全体として大きな表面積を持ち、多くの水と接
触し反応するからである。勿論、水硬性バインダー粒子が水と反応する傾向は混
合の度合いにも依存する。十分にブレンドした混合物では水と粒子の接触が大き
く、したがって、水分との反応が大きくなる。
未だ平衡状態に達していない反応の進行度は反応物が混合されてから経過した
時間にも依存する。水硬性混合物中の水硬性バインダーが水と長い時間接触して
いる場合には、水とバインダーの反応進行度が大きくなることは明らかである。
しかし、分散剤が添加されている場合には、長い時間混合していると分散剤の吸
着に対する比表面積が増加し、そのため、始めは混合物がより流動的になる。一
般的には、5時間以内に水硬セメントの実質的な硬化が生じる。
水硬性バインダーと水との反応の機構とは別に、水硬性混合物内の他の成分も
バインダー粒子による水の吸収又はバインダー粒子と水との反応にある程度影響
を与える。水溶性レオロジー調整剤のようなある種の添加剤はバインダー粒子と
競合し、実際水分を吸収する。
それに加え、分散剤のような他の添加物は水と水硬性バインダー粒子間の反応
を阻害する。あるミックスデザインを設計する時、ある成分又は反応条件が、水
と水硬性バインダー粒子間の反応を促進するのか阻害するのかを注意して決めな
くてはならない。しかし、当業者は、ある成分又は反応条件が水と水硬性バイン
ダー間の反応に与える傾向を、少なくとも経験によって予測することができるで
あろう。
セメントと実際に反応する水量が決まれば、次のステップは、この反応した即
ち吸収された量にさらにどれくらいの「空隙水」を加えるかを決定することであ
る。空隙水は空隙を満たすのに使われる水分で、水硬性混合物の加工性に直接影
響するものである。必要な空隙水の好ましい量はいくつかの因子により決められ
るが、それには、混合物の粒子充填密度、混合物の圧縮性、押し出し機が混合物
にかける圧力等が含まれる。
粒子充填密度を知ることにより、最初に空隙水が満たす、圧縮されていない混
合物内の空隙の体積を決めることが可能になる。また、混合物の圧縮性及びそれ
にかかる圧力を知ることにより、水硬性混合物が押し出し工程で加えられる圧力
下で空隙の体積の減少を予想することが可能である。
粒子充填密度が低い場合には、混合物全体の体積に対する比率として空隙体積
が大きくなり、この体積を満たすために必要な水分が多くなる。逆に、粒子充填
密度が高い場合には、混合物全体の体積に対する比率として空隙体積が小さくな
り、この体積を満たすために必要な水分が少なくてすむ。充填密度の最適化に関
しては以下に述べる。
同様に、押し出し工程中に水硬性混合物に大きな圧力がかけられる場合には、
この圧縮工程により空隙の体積が大きく減少するが、このことは、必要なレオロ
ジーを得るために元々必要な空隙水が少なくてすむことを意味している。さらに
、水分が少ない(欠乏が大きい)と圧縮工程中に粒子がより近くに来るようにな
り、最終的に硬化した製品は、多孔性が少なく、高密度になり、強度がより高く
なる。
逆に、押し出し工程中に水硬性混合物に小さな圧力しかかけられない場合には
、この圧縮工程による空隙の体積変化は小さいが、このことは、必要なレオロジ
ーを得るために元々必要な空隙水が多く必要なことを意味している。砂のような
ある種の骨材の圧縮性は比較的低い。(水硬性混合物内の骨材の一体性を破壊す
ることなくその混合物にどれだけの圧力をかけられるかはその骨材の圧縮強度に
依
存する。)
重要なのは、押し出し工程中に混合物に圧力がかかる時、実質的に空隙を満た
すのに丁度十分な水量を加えることである。押し出し混合物を圧縮する工程中に
空隙を満たす以上の水を加えると押し出し製品の生強度だけでなく硬化した材料
の最終的強度も弱くする(強度公式による)。
前述のことに照らして、高い圧力がかかる水硬性混合物の適切な加工性は水分
欠乏がある時に得られることが分かっている。水量は体積%で表すことができ、
もし欠乏の時は水量は空隙の体積よりも小さく、その体積は1から自然充填密度
を差し引いたものである。例えば、自然充填密度が65%の場合、混合物に含まれ
ている水量が混合物の約35体積%より少ないならその混合物は水分欠乏している
といわれる。適切な加工性を得るのに必要な水量は、水硬性バインダー粒子、骨
材、及び繊維のような混合物の成分の量にある程度依存する。しかし、所望する
レオロジー特性及び可塑特性を有する水硬性混合物を得るために加えるべき水量
を決めるのは、一般に、成分の種類又は相対量ではなく、成分の全体の体積及び
充填密度である。
したがって、添加水量は、混合物が押し出し工程中に圧縮される以前の「水分
欠乏」で表される。粒子充填及び水分欠乏の原理に基づいて必要なレオロジーを
得る混合物においては、水分欠乏度は約1%と約90%の広い範囲にある。好まし
い水分欠乏度は、水硬性混合物の成分、混合物のレオロジー、粒子充填効率、及
び押し出し製品の所望する特性など他の多くの変数に強く依存しているので、こ
れに関してこれ以上狭い範囲を設定することはできない。高いレベルのレオロジ
ー調整剤が用いられる場合、過剰の水分(「負」の水分欠乏)を持つ混合物を押
し出すことが可能になる場合がある。
しかし、ある混合物が与えられた時、所望する押し出し圧力下でそれが流動性
を持ち、混合物から製品が押し出された時それが一体性を保つような内部凝集力
を持つために必要な最低限の水量をその混合物が含むことが通常好ましい。水硬
性混合物が流動性を持つのに必要な最低水量は、可塑剤又は分散剤のような混合
剤を添加することによりさらに減少させることができる。これについては以下に
詳しく述べる。水量を非常に少なくする場合には、水硬性混合物の押し出し性を
増すため混合物をペレット状にすることが必要な場合がある。
しかし、一般に、水分欠乏が大きな混合物は堅く、最初低い加工性を有する。
逆に、水分欠乏が小さな混合物は低い粘性を持ち、最初大きな加工性を有する。
ある混合物に対して必要な剛性、粘性、加工性はある状況の押し出し工程に依存
する。勿論、水硬性混合物が圧縮される押し出し工程中に水分欠乏度は減少する
が、その減少はしばしば非常に大きい。それは、0%に近くなり、さらに0%を越
えることもある。(負の水分欠乏は水分が過剰になることを意味する。即ち、押
し出し工程中に圧縮された後水分の体積が固体粒子間の空隙の体積を越える。)
しかし、高い粒子充填密度を持つ水硬性混合物は、低い粒子充填密度を持つ水
硬性混合物に比べ、一般に大きな水分欠乏を持ちしかも圧力をかけると大きな押
し出し性を持たせることが可能であろう。例えば、自然充填密度が50%の水硬性
混合物の粒子充填密度は65%に増加するかも知れないが、充填密度が80%のもの
は95%に増加するかも知れない。前者の場合の空隙体積の減少(50%から35%)
は、後者に比べ(20%から5%)わずかである。後者は4倍の減少になっている
。したがって、高い粒子充填密度を持つ混合物は、見掛けの水分欠乏においてよ
り大きな減少を示すことになる。
混合物の粘性を減少させ加工性を増加させるため、空隙を満たすのに必要な量
以上の「過剰水分」を添加するのが好ましい場合もある。しかし、そのような場
合、即座に高い生強度を得るためには、加熱したダイを用い押し出し製品の表面
を加熱し「過剰水分」の一部又は全部を取り除くことが必要である。それに加え
、半水石膏を添加し、過剰水分の一部又は全部と反応させ、押し出し製品の形状
安定性を増加させても良い。
水硬性混合物が大きな加工性を持つよう多量の水分又は分散剤が最初に添加さ
れている場合、押し出し物体又は形状を、例えば即座に加熱トンネル又は真空チ
ャンバーを通すことによりその形状安定性を増加させることが可能である。これ
により、水分の一部が蒸気又はスチームの形で製品の表面から放出され、空隙内
の水分の体積を減少させ、粒子間の摩擦を増加させ、形状安定性を即座に増加さ
せる。しかし押し出し製品を熱し過ぎ急激に乾燥させると製品のミクロ構造を損
傷し製品の強度を弱めることになる。E.レオロジー調整剤
レオロジー調整剤を入れることにより水硬性混合物の可塑性又は凝集性を増加
させ、それが成型可能、即ち押し出し可能な粘土のように振る舞うようにするこ
とが出来る。レオロジー調整剤は、水硬性混合物の粘性を大きく変化させずに混
合物の降伏応力を高かめ水硬性混合物を濃くする傾向がある。粘性に相対的に降
伏応力を上げることにより、材料は、より可塑性を持ち(粘土状で)成型しやす
いものになり、一方、形状安定性即ち生強度を大幅に増加させることができる。
粘性、降伏応力、水溶性等の特性が大きく異なった、種々の天然又は合成の有
機レオロジー調整剤を用いることが出来る。本発明の範疇に入る多くのレオロジ
ー調整剤は高い水溶性を持つが、水硬セメントと水との反応生成物が不溶性であ
るため、それがレオロジー調整剤を閉じ込め、押し出し製品が水にさらされた時
にもレオロジー調整剤が溶解するのを防いでいる。
本発明の範疇に入る種々のレオロジー調整剤は、概略次のように分類される。
即ち、(1)多糖類及びその誘導体、(2)蛋白質及びその誘導体、(3)有機合成材
料である。多糖類のレオロジー調整剤はさらに以下のように分割される、即ち、
(a)セルロース系材料及びその誘導体、(b)澱粉系の材料及びその誘導体、(c)他
の多糖類である。
セルロース系のレオロジー調整剤の例として、メチルヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、メ
チルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
エチルプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられ
る。可能な置換体の数は膨大なのでここには列挙しないが、それらと同様又は類
似の特性を有するセルロース材料もまた適切なものであろう。
澱粉系のレオロジー調整剤で適切なものの例として、アミロペクチン、アミロ
ース、シーゲル、アセテート澱粉、ヒドロキシルエチルエーテル澱粉、イオン性
澱粉、長鎖アルキル澱粉、デキストリン、アミン澱粉、リン酸塩澱粉、ジアルデ
ヒド澱粉等が挙げられる。
他の天然多糖類系のレオロジー調整剤で適切なものの例としては、アルギル酸
、ピココロイド、寒天、アラビアゴム、グアールゴム、イナゴマメゴム、カラヤ
ゴ
ム、トラガカントゴム等が挙げられる。
シから抽出されたプロラミン)、ゼラチンやニカワのような動物の連結組織から
抽出されるコラーゲン誘導体、及びカゼイン(牛乳の主蛋白質)等が挙げられる
。
最後に、有機合成可塑剤で適切なものの例として、ポリビニルピロリドン、ポ
リエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポ
リアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアクリル酸、ポリビニルアクリル
酸塩、ポリアクリルイミド、エチレンオキシド重合体、ポリ乳酸、合成粘土、及
びラテックス(これはスチレンブタジエン共重合体の場合もある)等が挙げられ
る。ポリ乳酸のレオロジーは熱により大きく変化するが、単独でもあるいは上述
のレオロジー調整剤のいずれと混合しても用いることが出来る。
現在よく用いられるレオロジー調整剤は、メチルヒドロキシエチルセルロース
が、それらは共にドイツ、フランクフルトにある Hoechst Aktiengesellschaft
混合物を濃くするというより可塑性にし潤滑にするが、これは押し出し工程に於
いて流動性を高める。他の有用なレオロジー調整剤はヒドロキシポリメチルセル
特に、低分子量レオロジー調整剤は、粒子を潤滑にすることにより水硬性押し
出し工程を向上させる。これは、粒子同士の摩擦の他に混合物とその近くにある
押し出し機の表面との間の摩擦も減少させる。メチルヒドロキシエチルセルロー
スレオロジー調整剤が好ましいが、必要な特性を与える殆ど全ての無害なレオロ
ジー調整剤(上にリストアップした全てのものを含めて)を使用することが可能
であろう。
る他の好ましいレオロジー調整剤は、分子量が約 20,000 と 35,000 の間にある
ポリエチレングリコールである。ポリエチレングリコールは、むしろ潤滑剤とし
て働き、混合物に滑らかさを付加する。ポリエチレングリコールはこの理由のた
めより正確には「可塑剤」と呼ばれても良い。その上、それは成型された水硬性
材料の表面を滑らかにする。ステアリン酸も水硬性混合物を潤滑にするのに用い
ても良い。
最後に、澱粉系のレオロジー調整剤は本発明の範囲内で特に興味がある。それ
べて比較的安価であるためである。通常澱粉はゲル化するのに熱及び/又は圧力
を必要とするが、澱粉を変化させ前反応をさせておき室温でゲル化するようにす
ることが可能である。澱粉はもとより先に挙げた他のレオロジー調整剤の多くの
ものは広い範囲の溶解度、粘性、レオロジーを有するが、このことにより、ミッ
クスデザインの特性が望ましいものになるように注意深く調整し、それが、所望
する押し出し製品の特別な製造条件及び性能条件に合うようにすることが可能で
ある。
本発明の水硬性材料内のレオロジー調整剤の組成比は、好ましくは、水分を除
いた水硬性混合物の約 0.1重量%から約5重量%の範囲であり、より好ましくは
、約 0.25 重量%から約2重量%の範囲であり、最も好ましくは、約 0.5重量%
から約1重量%の範囲である。実際に用いる量は押し出す製品の性質に依存する
。
F.骨材
コンクリート業界でよく用いられる骨材を本発明の水硬性混合物に用いても良
い。比較的薄い壁を持つ製品を押し出す場合で、混合物が小さな断面積のダイを
通して押し出し可能であるためには、用いる骨材の直径は大抵の場合、押し出す
製品の構造マトリックスの最小断面積の約25%より小さくしなければならない。
骨材は、圧縮強度を高めるため、充填物として加えコストを下げるため、水硬
性混合物の粒子充填密度を変えるために添加される。特に平面状骨材は滑らかな
表面仕上を得るためにも有用である。骨材の引っ張り強度及び圧縮強度はしばし
ば最終硬化製品の引っ張り強度及び圧縮強度に影響を与える。
有用な骨材の例としては以下のものがある。即ち、砂、ドロマイト、砂利、岩
、ボーキサイト、玄部岩、花崗岩、石灰岩、砂岩、ガラスビーズ、エアロゲル、
キセロゲル、シーゲル、マイカ、粘土、合成粘土、アルミナ、シリカ、フライア
ッシュ、シリカフューム、薄層アルミナ、カオリン、ガラスミクロスフェア、セ
ラミック球、二水石膏、炭酸カルシウム、アルミ酸カルシウム、ゾノトラ石(結
晶
ケイ酸カルシウムゲル)、軽量膨張粘土のような軽量膨張地質材料、水和又は未
水和水硬セメント粒子、未反応のセメント粒子、及び他の地質材料などである。
水和したセメント粒子及び未水和のセメント粒子も、水硬性マトリックス内の分
布及び導入されている性質にもよるが、広い意味では「骨材」と考えても良い。
廃棄されたシート、容器、ボード、又は本発明の他の物体のような廃棄された水
硬性材料自身も骨材充填材及び強化材として用いることができる。シリカフュー
ム及びフライアッシュも水硬性混合物の多孔性を減らし加工性及び圧縮性を増す
ために添加しても良い。
骨材の量は用途又は目的により変わるが、それは、生の水硬性混合物の0重量
%から約90重量%の範囲で大きく変化しても良い。より好ましくは、約3重量%
から約70重量%の範囲にあり、最も好ましくは、約20重量%から約50重量%の範
囲にあるのが良い。
粘土及び石膏は特に重要な骨材材料であるが、その理由はそれらが簡単に入手
できること、非常にコストが安いこと、加工性、成形の容易なことのためである
。半水石膏も十分な量を添加すればある程度の結合力及び強度も得られる。粘土
は、水とペーストを作り乾燥すると硬化する全ての土類を示す一般的な用語であ
る。大部分の粘土は(陶器、タイル、れんが、パイプを作るのに用いる)シリカ
及びアルミナ並びにカオリナイトを含んでいる。二つのカオリナイト粘土は、化
学式Al2O3・3SiO2・2H2Oで表されるアノーキサイト及び化学式 Al2O3・4SiO2・H2
O で表されるモンモリロナイトである。しかし、粘土はさらに広範囲の種々の
物質を含んでもよく、それには酸化鉄、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化ジル
コン、黄鉄鉱等がある。
さらに、粘土は何千年もの間使われ、焼かなくても硬度を得るが、そのような
焼いていない粘土は水に対して分解し、非常に危弱で、強度が低い。しかし、粘
土は水硬性構造マトリックス中で良好で安価な骨材となる。
同様に、半水石膏は水和可能で、水の存在下で硫酸カルシウムの二水和物を作
る。したがって、石膏は、半水和物又は二水和物のどちら(及びその割合)を水
硬性混合物に添加するか、によって骨材及びバインダーの両方の性質を示すこと
もある。
本発明によると、水硬性バインダー粒子と骨材粒子との空隙をより完全に埋め
ることができるよう異なったサイズの複数の骨材を用いるのが多くの場合好まし
い。粒子充填密度を最適化することにより所望する加工性を得るのに必要な水量
を減らすことができる。それは、最適化により隙間が減少し、本来は「毛細水」
と呼ばれる水で満たされるべき隙間がなくなるためである。それに加え、水分を
少なくすることは最終硬化製品の強度を増すことにもなる(強度公式による)。
充填密度を最適化するため、約0.01μm から約4mm の範囲の大きさの異なった
骨材を用いても良い。(勿論、製造される製品の目的及び厚さによって用いる骨
材粒子の大きさが決定される。)
本発明のある好ましい実施例に於いては、骨材の特性や性質(強度、低密度、
又は高断熱性のような)を最大限に発揮するため、水硬性混合物内の骨材の量を
最大にすることが望ましい場合がある。骨材の量を最大にするため水硬性材料内
で粒子充填法を用いても良い。
粒子充填に関する詳しい説明は、本発明の発明者の一人が共著である次の論文
に述べられている:ブイ・ヨハンセン(V.Johansen,)及びピー・ジェイ・アン
デルセン(P.J.Andersen)、「粒子充填とコンクリートの特性(Particle Packi
ng and Concrete Properties)」、Material Science of Concrete II、111-147
、The American Ceramic Society(1991)。また、ピー・ジェイ・アンデルセン
の博士論文、「コンクリート生産の制御及び監視--粒子充填及びレオロジーの研
究(Control and Monitoring of Concrete Production - A Study of Particle
Packing and Rheology)」、The Danish Academy of Technical Sciencesにも詳
しく述べられている。粒子充填の教示のため、ここに於いて、前述の論文及び博
士論文を特に引用することにより本発明の一部とする。
あるミックスデザイン条件を満たすため骨材の組み合わせ及び骨材粒子サイズ
をどのようにして選ぶかに関する詳しい説明は、1993年8月18日付けでパー・ジ
ャスト・アンデルセン(Per Just Andersen,PhD)及びサイモン・ケイ・ホッド
ソン(Simon K.Hodson)により出願された同時係属中の米国特許出願番号 No.08
/109,100「ミクロ構造設計セメント性混合物に対する設計最適化した組成及び工
程(Design Optimized Compositions And Process For Microstructurally En
gineering Cemetitious Mixture)」に述べられている。
G.繊維
本明細書及びそれに付随した特許請求で用いるように、「繊維」、「不連続繊
維」、及び「繊維状材料」という用語は無機繊維及び有機繊維双方を含んでいる
。繊維は、骨材の一種であり、凝縮力、伸張度、たわみ性、靭性、破損エネルギ
ー、曲げ強度、引っ張り強度、圧縮強度等を増加させるために水硬性混合物に添
加されるものである。繊維状材料は、押し出された水硬性物体に強い断面力が掛
かった時それが粉々になるという確率を減少させる。
構造マトリックスに入れられる繊維には、好ましくは、アサ、綿、サイザルア
サ、木の葉、木材、又は茎等から抽出されるセロース繊維のような天然有機繊維
、又は、ガラス、ポリビニールアルコール、合成繊維(例えば、ケルバー(ポリ
アラミド)及びポリプロピレン繊維)、シリカ、セラミック、又は金属等から作
られる繊維がある。ガラス繊維は耐アルカリ処理がされているのが好ましい。
好ましい繊維には、ガラス繊維、合成繊維、マニラアサ、バガス、木材繊維(
堅木又は軟木で、それの例として、南方堅木、ダイオウマツがある)、セラミッ
クファイバー(例えば、アルミナ、チッ化シリカ、炭化シリカ、グラファイト)
、及び綿がある。リサイクルした紙の繊維も用いることができるがあまり好まし
くない。その理由は、その紙の製造工程及びリサイクルの工程で繊維の劣化が起
きているからである。しかし、強度及び柔軟性を与えるいかなる同等な繊維も本
発明の範囲内に入る。マニラアサはフィリピンのイサログ社(Isarog Inc.)から
得られ、Cemfill ィ のようなガラスファイバーは英国のピルキントン社(Pilkin
gton Corp.)から得ることが出来る。
本発明の水硬性材料を形成するのに用いる繊維は、長さ/幅の比(「アスペク
ト比」)が大きなものが好ましいが、その理由は、長く細い繊維は混合物の嵩と
質量を著しく増やさずマトリックスの強度を増すことができるからである。繊維
の平均アスペクト比は約 10:1 以上なくてはならず、好ましくは少なくとも約 1
00:1で、より好ましくは少なくとも約 200:1でなくてはならい。しかし、繊維の
アスペクト比が増加すると最終製品の靭性及び引っ張り強度が増加するが、小さ
なアスペクト比を有する繊維は安価で粒子充填性がよく水硬性混合物中に分散さ
せるのが容易である。
水硬性マトリックスに添加する繊維の量は、最終製品に対してどのような特性
を所望するかによって異なってくるが、強度、靭性、柔軟性、コストがどのミッ
クスデザインにおいても添加する繊維の量を決める主要な特性である。ほとんど
の場合繊維は、生の水硬性混合物の約 0.5体積%から約30体積%の範囲にあるが
、約1体積%から約20体積%の範囲がより好ましく、約2体積%から約10体積%
の範囲が最も好ましい。押し出し工程は繊維を縦方向に配向する傾向にあり粘り
強い製品ができる。
しかし、使用する繊維の量を決定するのに繊維の強度が非常に重要である。あ
る製品にたいして同一の引っ張り強度を得るには、繊維の引っ張り強度が大きけ
れば、繊維の量を少なくすることができる。勿論、ある繊維は大きな引っ張り強
度を有するが、他の繊維では引っ張り強度は小さいが弾性は大きいということも
ある。したがって、大きな引っ張り強度及び高い弾性等の複数の特性を最大にす
る製品を得るためには、二つ以上の繊維を組み合わせて用いるのが望ましい。
それに加え、セラミック繊維は通常天然繊維又はガラス繊維よりはるかに高価
であるが、その優れた引っ張り強度特性のためむしろ経済的になる場合もある。
押し出し物体のコストに対する制限が弛められると高価な繊維を用いるのがより
経済的になることは明らかであるが、競合する材料から作られる製品が比較的高
価な場合がその一例である。
ダイオウマツやマニラアサのような繊維は大きな引き裂き、破裂強度を有する
のに反し、綿のような他の繊維は強度は小さいが柔軟性がある。高い柔軟性並び
に高い引き裂き強度及び破裂強度が必要な場合には、種々の特性を有する繊維を
組み合わせて混合物に加えても良い。
繊維が混入された水硬性マトリックスの強度特性は、その繊維がマトリックス
内で「機械的に固定されている」かあるいは「化学的に固定されている」かによ
り大きく異なってくる。「機械的に固定されている」という用語は、繊維と水硬
性マトリックスの他の成分との相互作用が主に機械的なもので、繊維と水硬性マ
トリックスとの結合力又はインターフェイスが繊維の強度より一般に弱いことを
意味する。その結果、押し出し製品に歪みが加えられると、繊維は破壊されずに
、
水硬性マトリックス内の位置から「引き抜かれる」のが一般的である。この引き
抜き効果、及びそれに伴う滑り時に生じる摩擦エネルギーが押し出し製品の靭性
及び破損エネルギーを増加させるが、その一つの理由は、押し出し製品に加えら
れた歪みにより生じたクラックを繊維が接続するからであり、また水硬性マトリ
ックス内に分散した乱雑に配向した繊維がマトリックスを通して長いクラック伝
搬経路を形成するからである。しかし、機械的に固定された繊維の引き抜き効果
のため、そのような繊維は押し出し製品の引っ張り強度及び曲げ強度を大きく増
加させることはないであろう。以下で詳しく説明するように、本発明の押し出し
製品の引っ張り強度及び曲げ強度は押し出し製品中に配置されたフィラメントに
より大幅に増加するのである。
機械的に固定された繊維に対し、「化学的に固定されている」という用語は、
繊維と水硬性マトリックスの他の成分との相互作用が主に化学的なもので、繊維
と水硬性マトリックスとの結合力又はインターフェイスが繊維の強度より一般に
強いことを意味する。その結果、押し出し製品に歪みが加えられると、繊維の「
引き抜き」効果はなく、製品にかかる応力が製品を破壊するまで繊維は水硬性マ
トリックス内にしっかりと固定されている。押し出し製品が破壊する時化学的に
固定された繊維は破裂する。その結果、化学的に固定された繊維は引っ張り強度
(即ち、破損前最大負荷)及び曲げ強度を著しく増加させることができる。しか
し、化学的に固定された繊維は押し出し製品の靭性を増加させず、そのような製
品は最大負荷で破局的破壊が起こる。
繊維の化学的性質を水硬性バインダーに類似させることにより、その繊維が水
硬性マトリックス内で化学的に固定される傾向を高めることができる。これは、
例えば、種々の繊維を沈殿したシリカ又はエトリンガイトでコートすることによ
り行っても良い。さらに、ガラス繊維及びアルミナ繊維は、例えば、ケルバー又
はポリプロピレン繊維に比較して化学的に固定される傾向が強い。異なった繊維
の組み合わせを添加することにより化学的固定と機械的固定の双方の利点を得る
のが望ましい場合が数多くある。
H.フィラメント
本明細書及び特許請求で用いられる「フィラメント」、「連続したフィラメン
ト」、又は「連続した繊維」は、押し出し工程中に水硬性混合物に導入される個
々の連続した繊維又は連続的又は不連続的繊維の連続した集合を含むものとする
。フィラメントは、不連続的即ち細かく切断された繊維で水硬性混合物に混合さ
れ一般に乱雑な配向(押し出し工程の結果ある程度の整列を呈するが)を持つ繊
維と区別される。
水硬性マトリックス中に連続したフィラメントを配置することにより、フィラ
メントは不連続な繊維に比べ十分長い距離にわたって固定され、最終的に固化し
た製品には短い繊維とは非常に異なった特性が与えられる。水硬性構造マトリッ
クス中のフィラメントは、フィラメントの配向によるが、固化した水硬性製品の
引っ張り強度、曲げ強度、及び周強度又は外周強度を増加させる。水硬性構造マ
トリックス中のフィラメントはまた、水硬性製品の靭性及び伸張性も増加させる
傾向がある。製品の強度に独立して寄与するためには、フィラメントが十分な引
っ張り強度及びせん断強度を持つことが好ましい。
フィラメントが製品内の非常に長い距離にわたって固定されているためフィラ
メントが動くことは困難になり、フィラメントの「引き抜き」効果は非常に小さ
くなる傾向がある。「引き抜き」効果が非常に小さくなる結果、機械的に固定さ
れたフィラメントと化学的に固定されたフィラメントととの違いは不連続繊維の
場合に比べその重要性がうすくなる。
無機繊維及び有機繊維を含め、全ての種類のフィラメントを水硬性混合物内に
配置することができ、また、フィラメントは押し出し製品に対して必要な強度、
長さ、厚さ、又は他の特性に対応して種々の巾又は太さを持つことができる。フ
ィラメントは、個々のフィラメントとして又は連続的若しくは不連続的繊維の連
続的集合として水硬性マトリックス中に配置することができる。フィラメントの
集合としては従来のものも含めいかなるものを用いても良い。従来のものの例と
しては、捩じれていないフィラメントの集合である織り糸、捩じれたフィラメン
トの集合であるヤーン、捩じれのない「織り糸」又は捩じれた「ヤーン」のよう
なフィラメントの集まりである「粗紡糸」、織り糸の捩じれのない束である「ト
ウ」、又は、フィラメントのシートである「マット」がある。
水硬性マトリックスに配置するフィラメントの数又は体積は、最終製品に対し
てどのような特性を所望するかによって異なってくるが、強度、靭性、柔軟性、
コストがどの混合物においても添加するフィラメントの量を決める主要な特性で
ある。通常、製品中のフィラメントの体積は、水硬性構造マトリックスの約 0.5
体積%から約30体積%の範囲にあるが、約1体積%から約20体積%の範囲がより
好ましく、約2体積%から約10体積%の範囲が最も好ましい。
しかし、使用するフィラメントの量を決定するのにフィラメントの強度が非常
に重要である。ある製品にたいして同一の引っ張り強度を得るには、フィラメン
トの引っ張り強度が大きければ、フィラメントの量を少なくすることができる。
勿論、あるフィラメントは大きな引っ張り強度を有するが、他のフィラメントで
は引っ張り強度は小さいが弾性は大きいということもある。したがって、大きな
引っ張り強度及び高い弾性等の複数の特性を最大にする製品を得るためには、二
つ以上のフィラメントを組み合わせて用いるのが望ましい。
それに加え、所望する特性を得るのに必要なフィラメントの量は、押し出し工
程中に水硬性構造マトリックス内にフィラメントがどのように配置されるかによ
っても影響される。水硬性構造マトリックス中にいくつかの異なった構成でフィ
ラメントを配置することができるし、また製品の表面から深さを変えて配置する
こともできる。押し出し方向に強度が高い異方性を持つ製品を得るには、フィラ
メントが製品中で押し出し方向と同じ軸に沿って伸び互いに平行になるように配
置しても良い。製品が押し出される時フィラメントを逆方向にら旋状に巻くこと
により十字交差してフィラメントを配置させると繊維の必要量を減らすことが可
能である。それに加え、平行構成とら旋構成にフィラメントを配置し、両者の利
点を得ても良い。
本発明で用いられる一般的な連続繊維は、ガラス繊維、ポリアラミド繊維、グ
ラファイト繊維、炭素繊維、ポリエチレン繊維、及び他の有機繊維である。しば
しばガラス繊維が用いられるが、その理由は、コストが低いこと、寸法の安定性
、良好な衝撃特性、相応な強度及び引っ張り応力、並びに取り扱いやすさのため
である。ポリアラミド繊維は普通ケブラー(Kevlarィ)と呼ばれるが、これは非常
に高い比強度及び引っ張り応力を持ち、比較的弱いせん断特性及び圧縮特性を持
つ。ポリアラミド繊維は、しばしばせん断応力及び圧縮応力がかからない圧力容
器に
用いられる。グラファイト繊維は最も広い範囲の強度及び引っ張り応力を与える
が、それは、比較的安価にほとんどのパラメータを満足させるように設計するこ
とができる。前記のフィラメントは以下の製造元から購入可能である。即ち、ユ
タ州マグナのハーキュリース・エアロスペース、ミネソタ州セントポールのスリ
ーエム、オハイオ州トレドのオウエンス・コーニング・ファイバーガラス、コロ
ラド州マンビルのピッツバーグ板ガラス、ヴェトロテックス・セントゴーベイン
、デュポン、アライドファイバース、アムコ等である。
これ以外にフィラメントは、綿、アサ、ジュートのような天然有機繊維から作
ることもできる。このような繊維の引っ張り強度は比較的低いが、その価格はガ
ラス繊維、ポリアラミド繊維、グラファイト繊維に比べ格段に安価である。低い
応力しか掛からないような製品には天然有機繊維を用いるのが経済的である。
I.分散剤
「分散剤」という用語は以後、同じ流動特性を維持するため添加すべき水分の
量を減少させるために添加される材料のことを意味する。分散剤は水硬性混合物
の粘性及び降伏応力を減少させる役目をする。分散剤の利用に関する説明は、P.
J.アンデルセン(Andersen)の修士論文「有機超可塑化混合材及びその成分のゼ
ータポテンシャルへの効果及びそれに関連したセメント材料の特性(Effects of
Organic Superplasticizing Admixtures and Their Components on Zeta Potent
ial and Related Properties of Cement Materials)」(1987)により詳しく述べ
られている。開示のため、ここにおいて、前記論文を特に引用することにより本
発明の一部とする。
一般に分散剤は、水硬性バインダー粒子の表面に吸着されることにより、及び
/又は、そのバインダー粒子のコロイド二重層近辺に吸着されることによって作
用する。これは粒子の表面の周りに負の電荷を作るためこれら粒子はお互いに反
発し合う。この粒子の反発力は、「摩擦」即ち、粒子に大きな相互作用を生じる
引力を減少さすことにより「潤滑度」を増加させる。そのため最初に加える水の
量を少なくしても水硬性混合物の加工性を保つことが出来るのである。
粘土状特性、凝集性、及び/又は、形状安定性がそれ程重要でない場合又は最
初に水分を少なくする必要がある場合には、粘性及び降伏応力を大幅に減少させ
ることが望ましいかもしれない。ほんのわずかしか水を加えなかった場合、とく
に水分「欠乏」がある場合でも、分散剤を加えることにより水硬性混合物の加工
性を維持することが可能である。それ故、分散剤を添加することにより水分欠乏
をさらに増加させることができる、ただし分散剤を添加し過ぎると押し出し製品
の形状安定性は幾分減少する。しかし、強度公式によれば最初に水分を少なくす
れば理論的には最終的に硬化した製品の強度が増加する。
水分欠乏が存在するかどうかは、バインダーを水和するのに必要な化学当量の
水量及び水硬性混合物内の粒子間の空隙を満たすのに必要な水量の両者の関数で
ある。ここで、水硬性混合物内の粒子とは、水硬バインダー自身のほか骨材材料
及び繊維材料内の粒子も含まれる。前述したように粒子充填を増加させると、水
硬性バインダー粒子と骨材粒子間の空隙の体積、及び空隙を満たすことにより水
硬性混合物の加工性を維持し且つバインダーを完全に水和するのに必要な水量が
減少する。
しかし、分散剤のコーティング機構のため、分散剤を混合物に加える順序が多
剤を添加する場合には、最初に分散剤を加え、固形剤はその後で加えなくてはな
らない。もしそうしなければ、分散剤が水硬性バインダー粒子の表面に吸着しに
子の表面に非可逆的に吸着し、互いに反発させ合うのではなくそれらを結合して
しまうからである。
好ましい分散剤はスルフォン化ナフタレン−フォルムアルデヒド凝縮液で、そ
の例として、バルチモアのダブリュ・アール・グレース(W.R.Grace)社から売
り出されている WRDA 19がある。同様によく作用する他の好ましい分散剤として
は、スルフォン化メラミン−フォルムアルデヒド凝縮液、リグノスルフォン酸塩
、アクリル酸等がある。水硬セメントと水が十分な時間を持ち初期硬化物(エト
リンガイトのような)を形成しセメント粒子の比表面積を増加させた後で、スル
フォン化ナフタレン−フォルムアルデヒド凝縮液のナトリウム塩を添加しても良
い。これにより粒子の分散がさらに大きくなる。
低圧力下で水硬性混合物の流動性を向上させる他の方法は、シリカフュームの
ような大きな比表面積を持つ他の反応性製品を添加することである。これは降伏
応力を増加させ、したがって押し出し製品の形状安定性も増加させる。
添加する分散剤の量は一般に水硬性バインダーの最高約5重量%までの範囲に
あり、より好ましくは、約 0.25 重量%から約4重量%の範囲であり、最も好ま
しくは、約 0.5重量%から約2重量%の範囲である。分散剤は、例えば水硬セメ
ントと水との間の水和反応を弱める傾向があるので、多く入れ過ぎないようにす
ることが重要である。実際、分散剤を多く入れ過ぎると水和を阻害し、水硬ペー
ストの結合力を破壊することになる。
本発明の範疇の分散剤は、コンクリート産業界では「超可塑剤」、「水分減少
剤」、又は「高域水分減少剤」と時に呼ばれるものである。分散剤と、しばしば
可塑剤として機能するレオロジー調整剤との区別をはっきりするため、「超可塑
剤」という用語は本明細書では用いない。
J.急結剤
適当な急結剤を水硬性混合物に加えることにより、水硬性混合物の初期凝結を
加速し、押し出し製品の初期形状安定性を得ることが望ましい場合がある。これ
らには、Na2CO3、KCO3、KOH 、Na2OH、CaCl2、CO2、トリエタノ−ラミン、アル
ミン酸塩、並びに、HCl 、HNO3、及びH2SO4のような強酸の無機アルカリ塩が含
まれる。実際、石膏及びCa(OH)2の溶解度を増加させる全ての化合物は、水硬性
混合物、特にセメント性混合物の初期凝結を加速する傾向がある。
個々の水硬性混合物に添加される急結剤の量は、その混合物にどれほどの急結
が必要かによって決まってくる。これはまた、種々の要因に依存するが、それに
は、ミックスデザイン、成分の混合工程と水硬性混合物の成形又は押し出し工程
間の時間間隔、混合物の温度、及び、急結剤の種類等が含まれる。当業者は、水
硬性混合物の凝結時間を最適化するため、個々の製造工程のパラメータにしたが
って、急結剤の量を調整することが可能である。
K.コーティング
シール材、ペイント、及び他の保護コーティングで押し出した水硬性物体をコ
ートすることは本発明の範囲に入る。適切なコーティング材料には、炭酸カルシ
ウム、メラミン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテイ
ト、ポリアクリレイト、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレング
リコール、アクリル製品、ポリウレタン、ポリエチレン、合成重合体、ポリ乳酸
、
ワックス(蜜ろう又は石油ベースのワックス)、エラストマー、カオリン粘土、
ポリアクリレイト、及び生物分解可能な重合体を含む合成重合体等がある。バイ
例えば、水溶性(pH=7)であるが耐酸性のケイ酸ナトリウムを含んだコーティ
ング材は特に有用なコーティング材である。例えば、押し出しパイプが酸性の液
体を運搬するのに用いられるような場合には耐酸性が重要となる。押し出し物体
を塩基性の物質から保護することが望ましい場合には、紙製品又はボール紙製品
をコートするのに用いるような適当な重合体又はワックスでその物体をコートし
ても良い。押し出し物体が食品と接触する場合には、コーティング材料は FDA認
可のコーティング材料を用いるのが好ましい。
押し出し製品へ施されるコーティングは、当分野で公知のいかなる方法を用い
て行っても良い。コーティングは、上述したコーティング材料を押し出し物体に
スプレイして行っても良いし、適当なコーティング材料が入ったバットに製品を
浸して行っても良い。一般に平らな表面又は規則的に湾曲した表面にコート材料
をスプレーするような場合には、直線的又は湾曲したドクターブレードを物体の
上方ある距離をおいて設置するか、又は物体表面上に直接配置するかしてコート
材料を引き延ばしたり滑らかにしたりすることが出来る。それに加え、押し出し
物体と共にコーティング材を共押出しにし、コーティング工程と押出し工程とを
一体化しても良い。II .水硬性混合物の押し出し
本発明の押し出し製品の基本的構造成分は水硬性マトリックスであるが、それ
は、水硬性バインダーと水との反応生成物から形成されている。基本的構造マト
リックス中には、他の特性を加えるため、繊維、骨材、レオロジー調整剤、分散
剤、急結剤等の他の成分も含まれている。ミクロ構造設計及び材料化学の手法を
用いることにより、形状安定性に関する所望する特性、並びに最終硬化製品の最
終強度、靭性、及び他の性能に関する所望する特性を混合物にもたらすため、こ
れらの種々の成分を種々の量と割合で含むことができるようになる。
水硬性混合物を押し出す基本的工程は以下のようなものである。即ち、(1)
寸法及び強度特性を含めた、水硬性混合物から押し出される製品の特質及び属性
を選択する工程、(2)押し出し機の種類、ダイオルフィスの形、押し出し圧力
、押し出し速度、押し出し温度を含めた所望する押し出し工程パラメータを選択
する工程、(3)所望する製品の特質及び属性並びに所望する押し出し工程パラ
メータに合った水硬性混合物の組成及びレオロジー又はレオロジーの範囲を最適
化する工程、(4)適当な組成及びレオロジーを有する適切な水硬性混合物を作
成する工程、(5)所望する製品又は所望する製品に形作られる前の前駆製品に
水硬性混合物を押し出す工程、そして(6)押し出し製品又は押し出した後にさ
らに変形させる製品を乾燥する工程である。任意により、例えば、半硬化製品を
耐圧機に入れたり又は高湿度の環境に置くことにより硬化工程を加速しても良い
。
A.製品特質の設計
ここで説明する組成及び方法を用い、所望する形状又は所望する製品に形作ら
れる前の前駆製品の形状に水硬性混合物を押し出すことにより非常に広範囲の製
品が大量生産される。本発明の押し出し法を用いて形成される製品は、高い圧縮
強度、高い引っ張り強度、及び高い曲げ強度、並びに固体骨材と水硬性バインダ
ー粒子の高充填密度により特徴付けられている。これにより、今までより高密度
で小さな多孔性を持つ水硬性材料ができるようになる。また、これにより、湿気
の浸透と拡散が小さな製品が生まれるようになる。ミクロ構造設計の手法を用い
所望する特性及び性能を予め材料に設計しておくことによりこれらの特質が可能
になる。
押し出し製品の高い粒子充填密度は、(1)寸法及び形状の予め決められた分
布を持つ骨材を選択し自然粒子充填密度を最適化すること、及び(2)水硬性材料
を一般に高圧下で押し出すことによって得られる。(2)により、特に水分欠乏
がある場合には、粒子は自然充填よりさらに高い充填密度に圧縮される。
高い粒子充填密度、及び初期水分欠乏による水硬性バインダーに対する水の低
い比率により、押し出し製品が非常に低い多孔性を持ち、したがって強度公式に
より高い強度を持つようになる。分散剤を用いると、最初の水量をさらに少なく
し、水分欠乏がさらに大きいが高圧化で押し出し可能な水硬性混合物を作ること
ができるようになる。
用いる骨材の種類は、主に最終硬化製品に対する強度及び密度並びにコストに
依存する。粉砕した砂、粉砕した花崗岩、粉砕した玄部岩、シリカ、石膏、及び
粘土は非常に安価で、押し出し製品の製造コストを引き下げる。このような骨材
はまた高い密度及び高い圧縮強度を持つ。
ポートランド灰色セメント又はポートランド白色セメントのような水硬性バイ
ンダーを含めると最終的に硬化した製品が一般に耐水性になり水及び他の液体に
対して耐浸透性を持つようになる。しかし、半水石膏のような他の水硬性バイン
ダーは耐水性が弱く、それからできる最終的に硬化した製品は低い耐水性になる
。耐水性が高い製品が必要な場合には押し出し製品の表面に適当なコーティング
を施すのが良いであろう。
繊維やフィラメント並びに他の高強度の充填材を含めると最終的に硬化した製
品の引っ張り強度、曲げ強度、又は周強度を大幅に増加させることができる。引
っ張り強度は、一つの方向又はいくつかの方向に沿って強い場合もあるし一様に
強い場合もあるが、それは繊維が整列しているかあるいは水硬性マトリックス内
で乱雑に分散しているか、及びフィラメントが構造マトリックス内で平行か、ら
旋状かによる。押し出し工程そのものが繊維を押し出しの方向に配向する傾向が
ある。
異なった繊維及びフィラメントは、切り裂き強度、破裂強度、柔軟性、引っ張
り強度、伸張性及び剛性等に関し非常に異なった値を持つ。水硬性材料に導入さ
れる繊維の種類は製品に要請される特性によるであろう。したがって、異なった
種類の繊維の利点を得るため、二つ以上の異なった種類の繊維を水硬性材料に混
合するのが好ましい場合もある。
前述のことに照らし、硬化した押し出し製品の引っ張り強度は好ましくは約15
MPa以上であろう。ミックスデザイン、水の比率、押し出し圧力にもよるが、多
くの場合押し出し製品の引っ張り強度は約30 MPa以上であり、約50 MPa以上であ
る場合さえもある。ほとんどのセメント性製品で通常見られる空隙の大きな部分
を取り除くことができるため、本発明の硬化した押し出し水硬性材料の引っ張り
強度/圧縮強度比は約1:7で、通常のコンクリート製品が持つ1:10に比べ高
い。さらに、高い引っ張り強度を持つ繊維を十分に用いた場合には、本発明によ
れば、引っ張り強度/圧縮強度比が約1:3の硬化した押し出し水硬性材料を得
ることも可能である。
内部に大きな空洞を有する比較的薄い壁の製品を押し出すことができるため、
そのような押し出し製品が比較的低い嵩密度を持つことが可能である。多細胞構
造を有する押し出し製品は好ましくは約 1.5 g/cm3より小さな嵩密度を持つであ
ろう。壁厚/空洞比が当分野で現在可能なものよりはるかに低い多細胞製品を押
し出すことが可能なため、嵩密度が約 0.7 g/cm3より小さな製品を押し出すこと
が可能であり、嵩密度が約 0.3 g/cm3より小さな製品を押し出すことさえ可能な
場合もある。押し出し製品の嵩密度が低いか、中間程度か、又は高いかは、一般
に製品の用途に必要な性能に依存し、さらに製品の固体壁の体積と内部空洞の比
に依存する。製品の固体壁の比重は一般にここで述べた範囲内にある。
前述のことに照らし、本発明の押し出し製品の引っ張り強度/嵩密度比は従来
のセメント性製品に比較して通常著しく高い。押し出し製品の引っ張り強度/嵩
密度比は約 5 MPa-cm3/g以上が好ましく、約 15 MPa-cm3/g 以上がより好ましく
、約 30 MPa-cm3/g 以上が最も好ましい。
B.押し出し工程の選択
用いる押し出し工程は、押し出される水硬性混合物の性質及び押し出し製品に
持たせる特性により変わってくる。本発明の水硬性ミックスデザインは注意深く
制御されたレオロジー及び可塑的特性をもっているので他の成型工程にも適する
が、本発明の製品の基本的特長はそれが連続的に押し出され製品になり、その製
品が押し出し工程後すぐに又は短時間で形状安定性を得ることである。この押し
出し工程の連続的性質が経済的で安価な方法で広範囲の製品を形成することを可
能にするのである。
前述したように、粒子充填密度、水分欠乏、及び押し出し工程中の圧縮が不連
続なレオロジーを持つ水硬性混合物を作る。押し出し工程の一つの重要な条件は
、与えられたミックスデザインに対し適当な圧力又はある範囲の圧力をかけるこ
とができる押し出し機を持つことである。粒子充填密度を増やし、それに伴い空
隙
の体積を減らし、したがって混合物の有効水分欠乏を減らすために適当な範囲の
圧力が必要である。これが粒子の潤滑をよくし、加工性及び流動性を増加させる
。
一般に最善の特性は、混合物内の粒子充填、水分欠乏、及び骨材強度と釣り合
った圧力をかけることにより得られる。圧力が小さすぎると水硬性混合物に適当
な流動性を与えられない。逆に圧力が大きすぎると水硬性混合物内のある骨材を
砕き、混合物が過剰水分を持つようになるまで圧縮される。過剰水分は水硬性混
合物の粘性、及び/又は、降伏応力を減少させることがあり、混合物の形状安定
性が十分でなくなる場合がある。
所望する圧力及び水硬性混合物に加えるせん断の種類又は大きさにより、ピス
トンタイプ又はオーガタイプの押し出し機を用いることができる。ピストンタイ
プの押し出し機の利点は大きな圧力をかけることができることである。100,000
psi にもなる非常に大きな圧力をかけることができる唯一の押し出し機はピスト
ンタイプの押し出し機である。
通常、オーガタイプの押し出し機はピストンタイプの押し出し機程大きな圧力
をかけられないため非常に大きな圧力が必要でない場合に好ましい。オーガタイ
プの押し出し機は、オーガスクリューを回転させることにより内部せん断を与え
ることができ、さらに、その中で連続して水硬性混合物を真空に引き混合物内の
不必要な空気を取り除くことができる。複式オーガ押し出し機は主に実験的に使
われてきたが、これは二つの平行なオーガスクリューを持つため、巾の広い押し
出しダイと大きな押し出し圧力を用いることを可能にする。他のほとんどの面で
は複式オーガ押し出し機は単式オーガ押し出し機と同様である。
しかし、水分欠乏の大きな水硬性混合物を用いる場合、大きな圧力を加え混合
物を流動的にするためピストン押し出し機を用いる必要性がしばしば生じる。そ
のような場合、水硬性混合物は、ドラムで成分を混合して得られた乾燥した小粒
状の材料の趣を呈するかも知れない。小粒はピストン押し出し機のチャンバーに
入れられ、真空に引かれ、ピストンで高圧力で圧縮され押し出される。デューア
ルバッチピストン押し出し機で半連続押し出し工程が可能になる。
産業分野で大規模な混合及び押し出しに現在よく用いられているシステムには
、水硬性混合物に導入される材料が自動的且つ連続的に、計量され、混合され、
空
気抜きされ、単式又は複式オーガ押し出し機装置により押し出される装置が含ま
れる。単式又は複式オーガ押し出し機装置は、低せん断混合部、高せん断混合部
、排気部、及びポンプ部といった特別の機能をするセクションに分かれている。
単式又は複式オーガ押し出し機装置は、異なったフライトピッチ及び配向を持ち
、各セクションが夫々の機能を実行できるようになっている。
押し出し機の種類の主要なものには、粘土押し出し機、プラスチック押し出し
機、食品押し出し機がある。粘土押し出し機は通常非常に高いピッチとフライト
高さを有する押し出し機を有し、ピッチが押し出しダイから90°の場合もしばし
ばである。高いピッチはオーガの刃と押し出される材料との間のインターフェイ
スの表面積を増し、ピッチを増すこと及びそれによって起きる表面積の増加は押
し出し機の圧力及びせん断率を増加させる。
一方、プラスチック押し出し機又は食品押し出し機は粘土押し出し機に比べは
るかに低いフライト高さ及びピッチを持つ。この場合、圧力及びせん断率はオー
ガスクリューのRPM を調節することにより行われる。勿論、粘土押し出し機でも
、オーガスクリューのRPM を増加させるとその圧力及びせん断率を増加させるこ
とができる。
C.水硬性混合物の設計
適当な水硬性混合物を設計するのに用いる二つの主要な条件は、押し出し工程
中及びその前後の混合物のレオロジー並びに最終的に硬化した押し出し製品の特
性である。前述したように、水硬性混合物のレオロジーが、与えられた押し出し
工程のパラメータの下で混合物が流動性を持ち押し出されその後即座に又はごく
短時間で形状安定になるように設計されるのが好ましい。
1 .混合物のレオロジーの設計
先に述べたように水硬性混合物のレオロジーは最初以下のことを制御して決定
される。即ち、(1)骨材粒子及び水硬性バインダー粒子の粒子充填密度、(2)
水分欠乏を含めた添加水量、及び(3)有機重合体レオロジー調整剤、可塑剤、
又は分散材の種類及びその量である。これらの材料及び条件がどのように相互に
関係しているかについては詳しく述べてきた。
それに加え、水硬性混合物のレオロジーは、せん断力を加え水分欠乏した混合
物のシアシニング即ち擬可塑性を生じさせることにより、また圧縮力を加え骨材
粒子及び水硬性バインダー粒子を互いに近付け水分欠乏を減少させることにより
変化させることが可能である。このことに照らし、水分欠乏は、水硬性混合物に
加えられる圧縮力及びせん断力に応じて決めなくてはならない。即ち、一般に、
押し出し工程に付随した圧縮力及びせん断力を増せば最初添加する水量を減らす
必要がある。
水硬性混合物を所望する製品に押し出す時圧縮力及びせん断力を開放すれば、
毛細管水の内部凝集力即ちメニスカスにより一体となった形状安定な製品が生じ
る。しかし、これらの内力は、押し出された製品内の材料の毛細管内にある水分
の量に依存する。もし水分が少なすぎれば、適当な凝集力を維持するのに十分な
毛細管力は生じない。また逆に水分が多すぎれば、形状安定性を維持するのに適
当な降伏応力が得られないことになる。残った水分は、最初加えた水分及び押し
出し工程中の圧縮力の関数である。
水和により、押し出された水硬性材料はその最終強度特性を得ていく。材料の
圧縮強度は強度公式により決められるが、それは主に最終硬化材料の多孔性の関
数である。このことは、硬化材料の引っ張り強度及び曲げ強度に対してもある程
度正しい。多孔性は、初期粒子充填密度を増加させることにより、また最初に加
える水量を減らす(水分欠乏を増加させる)ことにより減らすことができる。必
要な圧縮強度は所望する製品の性能により決められる。
圧縮強度は強い骨材を用いることによっても増加させることができる。逆に、
軽量の骨材は、強度が弱くても軽量の製品が必要な場合に用いられる。引っ張り
強度及び曲げ強度は添加する繊維の量を変化させることにより変えることができ
る。セラミック繊維のような短く強い繊維は高い引っ張り強度及び曲げ強度を持
つ比較的堅い最終硬化製品を生む。セルロース繊維のような他の繊維は、低い引
っ張り強度を持ち、安価で、柔軟であるので、柔軟性と靭性が重要な場合には適
当であろう。
a .粒子充填密度の最適化
必要とするレオロジー特性及び最終強度特性を持つ水硬性混合物を得るために
は水硬性混合物の固体材料内で粒子充填配置を最適化するのが望ましい。乾燥し
た混合物の粒子充填密度を求めれば、必要な水分欠乏を得るのに混合物に添加す
る水量を計算することができる。水硬性混合物内の固体粒子の粒子充填密度を正
確に且つ再現よく最適化するのに必要な理論、モデル、及び手順の詳しい説明は
、「ミクロ構造的に最適設計したセメント性混合物の組成及び工程(Design Opt
imized Compositions and Processes for Microstructually Engineering Cemen
titious Mixtures)」と題し、パー・ジャスト・アンデルセン(Per Just Ander
sen,PhD)及びサイモン・ケイ・ホドソン(Simon K.Hodson)により1993年8月1
8日に出願された係属中の米国特許出願 No.08/109,100 に詳しく述べられてい
る。開示のため、ここにおいて、この出願をとくに引用することにより本発明の
一部とする。これに加え、混合物の粒子充填密度を決定し定量化するための数学
的グラフィックモデルがブイ・ヨハンセン(V.Johansen)及びピー・ジェイ・ア
ンデルセン(P.J.Andersen)著の「粒子充填とコンクリート特性(Particle Pack
ing and Concrete Properties)」、コンクリートの材料化学 II(Material Sci
ence of concrete II)pp118-22(The American Ceramic Society,Inc.,1991
)に説明されている。開示のため、ここにおいて、この論文をとくに引用するこ
とにより本発明の一部とする。
水硬性バインダー及び骨材を含む水硬性混合物内の種々の粒子の所望する充填
密度を得るには粒子は少なくとも2つの範囲の大きさを持たなくてはならない。
粒子充填密度をそれよりも高い理論値にまで増加させるには3つ以上の異なった
範囲の大きさの粒子を持つのが好ましい場合がある。粒子充填に関し、2つの異
なった範囲の大きさの粒子を含む混合物を「二成分系」とよび、3つの異なった
範囲の大きさの粒子を含む混合物を「三成分系」・・・とよぶ。簡単のため、二
成分系の2つの異なった成分を微細成分及び粗大成分と呼び、三成分系の3つの
成分は、微細成分、中間成分、粗大成分と呼ぶ。
粒子充填の好ましいレベルを得るためには、一つの大きさの範囲の粒子平均サ
イズが、一つ小さい大きさの範囲の粒子サイズの少なくとも7.5 倍が好ましく、
少なくとも約10倍がより好ましく、少なくとも約12.5倍が最も好ましい。(多く
の場合この比はもっと大きい。)例えば、二成分系では、粗大成分の平均粒子サ
イズが微細成分の平均粒子サイズの少なくとも約7.5 倍であることが好ましい。
同様に、三成分系では、粗大成分の平均粒子サイズが中間成分の平均粒子サイズ
の少なくとも7.5 倍で、そしてこの中間成分の平均粒子サイズが微細成分の平均
粒子サイズの少なくとも約7.5 倍であることが好ましい。しかし、さらに多くの
異なった大きさの粒子が使われるに従って、粒子サイズの大きさ間の比はいつも
このように大きい必要はない。
三成分系では、微細骨材粒子の直径が約0.01ミクロンから約2ミクロンの範囲
内にあり、中間サイズの骨材粒子の直径が約1ミクロンから約20ミクロンの範囲
内にあり、そして、粗大サイズの骨材粒子の直径が約100 ミクロンから約2ミリ
の範囲内にあることが好ましい。二成分系では、これらの範囲のどの2つの範囲
のものでも良い。これより大きい粒子又は小さい粒子を用いても良い。又、異な
った粒子の種類の数により異なった範囲内にある粒子を用いても良い。
本明細書及びそれに付随した特許請求範囲において、骨材、水硬性バインダー
、及び他の固体粒子に関して用いられる「型」という用語は、使用される材料の
種類及び粒子サイズの範囲を双方含むものとする。例えば、粗大骨材の粒子径は
通常約100 ミクロンから約2ミリの範囲内にあるが、一つの型の粗大骨材のサイ
ズが約200 ミクロンから約500 ミクロンの範囲にあり、もう一つの型の粒子のサ
イズが約700 ミクロンから約1.2 mmの範囲にあるようになっていても良い。ここ
で述べたように、混合物の最適な粒子充填は、異なった型の骨材を選択的に組み
合わせて得ることができる。骨材の各々の型は、はっきりとした平均粒子サイズ
を有する。しかし、粒子サイズにギャップを持たせると良好な充填が得られるが
、粒子サイズが連続的に変化するものに比べて低い加工性を示すことが研究から
分かっている。
一般に、二成分充填系では、全体としての充填密度が約80%以上になることは
まれであるが、三成分系の上限は約90%である。二成分系又は三成分系でより広
くより最適化した粒子サイズを選ぶことにより、夫々80%又は90%以上の粒子充
填が得ることもできるが、より高い粒子充填を得るには、殆どの場合、4つ又は
それ以上の成分を加えることが必要である。
本発明で用いられる水硬性バインダーは、通常水硬セメント、石膏、又は酸化
カルシウムであるが、ある場合には、フライアッシュ、シリカフュームを含む。
水硬セメントは、水との反応でできる水和生成物によって特徴づけられる。水硬
セメントの粒子サイズは一般に0.1 μm から100 μm の範囲である。タイプ1の
ポートランドセメントの平均粒子サイズは約10ミクロンから約25ミクロンの範囲
である。
本発明で用いられる骨材及び水硬セメントは、さらに、その粒子型の平均直径
(d′)及び自然充填密度(φ)によって決められる。これらの値は実験的に決
定されるもので、出来上がった水硬性混合物の充填密度を計算するのに必要であ
る。
各種の材料の自然充填密度は、その材料の最大粒子径の少なくとも10倍の直径
を持つ円筒にその材料を満たすことによって決定される。続いて、その円筒を堅
い表面に対してとんとんと叩いてその材料が十分に充填されるようにする。その
円筒中の材料の高さ及び重量を測定し、充填密度はつぎの公式から計算される。
φ = WM/(SGM・VM) (1)
ここで、WM=材料の重量、
SGM =材料の比重
VM =材料の体積、である。
勿論、2種類以上の水硬性バインダーを混合物に加えても良い。しかし、水硬
性バインダーの粒子サイズは通常非常に小さいので、異なった種類の水硬性バイ
ンダーを組み合わせても混合物の充填密度に大きな影響を及ばさないのが普通で
ある。しかし、ある状況では、異なった種類の水硬性バインダーの組み合わせは
意味がある。これらの状況では、水硬性バインダーの型は、微細骨材及び粗大骨
材に対するのと同じ方法で、疑似粒子として表すことができる。
上述したプロセスは、与えられた原料の全ての可能な組み合わせに対する充填
密度を決定する方法を教示する。レオロジー的な効果に関していえば、粒子充填
密度を増やすと水分を減らすことができると共に、混合物に対して同程度の加工
性と擬プラスチック性を維持することができる。粒子充填密度を最大にすると、
生状態の混合物のレオロジー的性質を向上させる以外に、空気、水、又はその両
方の組み合わせで満たされる空隙の体積が減少するため硬化した最終硬化製品の
強度も増大する(強度公式による)。
しかし、粒子の充填系の「最適化」が単に粒子充填密度を最大にすることによ
って得られないことに注意しなくてはならない。一般的規則として、粒子充填密
度を最大にすると粒子充填を通して得られる望ましい性質が増加する傾向がある
。しかし、ある種の骨材に対するコスト、及び/又は、入手の容易さのような制
限のため、ある特別の目的に対して適当なレオロジー的性質を持つ混合物が得ら
れるなら、低い粒子充填密度でも良い場合がある。
粒子充填密度を増やすことによって水硬性混合物のレオロジー的性質の制御を
容易にできることは分かっていたが、従来の技術の最大充填密度は約65%であっ
た。それと対照的に、前述した粒子充填法を用いると65%以上、あるいは99%の
大きさにも及ぶ自然粒子充填密度を得ることができる。
一般に、粒子充填密度は約0.65から約0.99の範囲内が好ましく、約0.70と約0.
95の間がより好ましく、約0.75と約0.90の間が最も好ましい。(99%の粒子充填
密度を得るのに掛かる費用は多くの場合非常に高いため、最も好ましい充填密度
はそれより幾分小さいものである。)
図1は粒子充填の概念を示すもので、効率よく充填された粒子の断面を示す(
粒子充填密度 0.70)。図1で通常空気で満たされる大きな粒子間の空間が小さな
骨材で満たされていることが分かる。さらに、通常空気で満たされる大きな粒子
と小さな粒子間の空間がさらに小さな骨材粒子で満たされている。このようにし
て、空隙を占める空気の体積は大きく減少し、粒子充填密度は大きく増加する。
図2は、典型的な充填システム(粒子充填密度 0.70)において混合物の全体の
体積が固体粒子の体積(70%)と空隙(30%)の体積にどのように分布されてい
るかを示すことにより実際の充填密度をグラフで示し定量化している。加えた水
はこの空隙に入るのであり、それにより個々の粒子が潤滑され、特に加圧下で混
合物が押し出される時充填密度が一時上昇し水硬性混合物が適当な加工性と流動
性を持つようになる。
b.水分欠乏
前述したように水硬性混合物に加える水量は、必要な加工性及びレオロジー特
性が得られるよう注意深く計量する必要がある。しかし、水硬性混合物に加える
水量は乾燥した水硬性混合物の体積又は重量には関係ないことがしばしばで、そ
れは充填密度、即ち混合物内の空隙の量、に直接対応することに注意する必要が
ある。
この点を明らかにするため、図3A及び3Bに、全体の体積が同じで水分欠乏が0%
の2つの粒子充填システムを示す。即ち、粒子間の空隙を完全に満たすのに必要
な水量が加えられている。これらの混合物は、加えた水量は非常に異なるが同様
なレオロジーを示す。図3A及び3Bにグラフで示すように、65%の充填密度を持つ
混合物(図3A)は、95%の充填密度を持つ混合物(図3B)の水量の7倍の水量を
含んでいる。(勿論、強度公式によれば、高い充填密度を持つ混合物は硬化した
時大きな強度を持つことが予想される。)
図4は最適化された粒子充填システムを示す。このシステムでは、水分欠乏が
50%で、空隙の半分だけが水分で満たされている(空隙の50%又は全混合物の体
積の15%)。比較として、全体の体積が同じで加えた水量が同じの2つの水硬性
混合物でも粒子充填密度が異なる場合には異なった水分欠乏を持つ。充填密度が
小さいほど空隙の体積が大きいので水分欠乏が大きくなる。
図5は、例えば押し出し機で水硬性混合物に圧力を加えると、どのようにして
混合物の粒子がより充填され、したがって充填密度が増加するかを示している。
粒子及び水は実際上圧縮されないので、空隙の体積が大きく減少し、粒子を潤滑
するのに利用される水分が見掛け上増加する。空気の圧縮性は大きく前述した圧
縮工程に対して大きな抵抗は示さないが、真空を引き空気を除去するのは圧縮力
を開放した時空気が再膨張するのを防ぐ上で利点がある。
水硬性混合物に加える水量は、水を実際に加える前に注意深く計算し、又水を
加えた後で確認しなくてはならない。前述したように水硬性バインダーは、バイ
ンダーを水和するのに必要な理論当量の水分の全てと必ずしも反応しない。実際
、この水分の一部は、水硬性バインダーと時間をかけて反応するまで少なくとも
一時的に空隙を満たすことになる。
勿論、水分欠乏が水硬性混合物のレオロジーを決定する唯一の因子ではない。
分散剤及びレオロジー調整剤のような他の添加材が、混合物の粘性、加工性、及
び他のレオロジー特性に影響を与える。当業者は、所望する特性を持つように水
硬性混合物に添加した分散剤、及び/又は、レオロジー調整剤の量に基づき水分
欠乏を調節することができるであろう。
D.水硬性混合物の準備
前述したように、どの混合手段であってもそれがある製造工程に適当であれば
、その手段は良好な粒子充填をもたらすが、最善の粒子充填密度は、水を加える
前に水硬性バインダー粒子と骨材を混合することによって得られると思われる。
必要な水を加える準備ができた時いかなる混合工程を用いても良い。例えば以下
で詳しく述べる高せん断混合機のような手段を用いて高せん断を水硬性混合物に
加えると非常に均質な混合物を作ることができる。低いせん断が必要な場合には
、粘土混練機のような混練混合機がしばしば好ましい。最後に、材料は共に混合
され、単式又は複式押し出し機で押し出される。成分を混合するのを容易にする
ため混合工程と共に高振動数の振動を加えても良い。
適当な成型可能な混合物を商業用に作成する現在の好ましい実施例には、成型
可能な混合物に入れられる材料を自動的且つ連続的に計量し、混合し(又は混練
し)、空気抜きを行い、そしてオーガ押し出し機で押し出す装置が含まれる。必
要に応じていくつかの成分を容器内で予め混合し、その混合された成分を混練混
合機に吸い上げることも可能である。
好ましい種類の混合機は押し出し用オーガ付き二重シャフトシグマブレード混
練機である。この混合機は RPMが調節でき、異なった成分に対して異なったせん
断を与えることができる。通常成型可能な混合物は最高約60分間混合され、その
後混合機から押し出される。
高せん断混合機でいくつかの成分を混合しよく分散した均質な混合物を形成す
るのが望ましい場合がある。例えば、ある繊維では固まりからお互いを完全にほ
ぐすためそのような混合が必要な場合がある。高せん断混合は均一に混ざった混
合物を作るが、これは、硬化していない成型可能な混合物の再現性を向上させ最
終硬化シートの強度を増加させる。これは、高せん断混合が繊維、骨材粒子、バ
インダーを混合物内でより均一に分散し、硬化したシート内でより均質な構造マ
トリックスを作るからである。
ここで述べたような均質な混合物を得るのに有用な高せん断混合機には、米国
特許 No.4,225,247「混合攪拌機(Mixing and Agitating Device)」、米国特許
No.4,552,463「コロイド混合物生成の方法と装置(Method and Apparatus for
Producing a Colloidal Mixture)」、米国特許 No.4,889,428「回転ミル(Rota
ry Mill)」、米国特許 No.4,944,595「セメント建築材料生産装置(Apparatus f
or Producing Cement Building Materials)」、及び米国特許 No.5,061,319「
セメント建築材料生産工程(Process for Producing Cement Building Material
s」等で開示され特許請求なされたものがある。開示のため、ここにおいて、前
記特許をとくに引用することにより本発明の一部とする。これらの特許の範疇に
ある高せん断混合機は、本発明の譲受人でカリフォルニア州サンタバーバラにあ
るカショギ産業(E.Kahshoggi Industries)から入手することができる。
異なった混合機を用いると成型可能な混合物に異なったせん断力を与えること
ができる。例えば、混練機は通常のセメント混合機に比べて高いせん断力を与え
るが、それはアイリック強化混合機即ち複式オーガ食品押し出し機よりも弱い。
しかし、高せん断高速混合は通常混合物の粘性が比較的低い時にのみ有効であ
る。凝集力が大きい可塑的混合物を得たい場合には、水を含めたいくつかの成分
を高せん断混合機でブレンドし、その後低せん断混練混合機で、繊維や骨材のよ
うな固体の濃度を増していくのが望ましいかも知れない。
多くの場合、混合の順序によって水硬性混合物の特性が変わってくる。分散剤
及びレオロジー調整剤を双方とも用いる現在の好ましい実施例では、水硬性バイ
ンダー及び水を高せん断混合機を用いて最初に混合するのが好ましい。そして水
硬性バインダー粒子が十分にぬれた後分散剤を添加するのが好ましい。水硬性バ
インダーに分散剤が大部分吸着した後、レオロジー調整剤が混合物に添加される
。
E.水硬性混合物からの製品の押し出し
成型可能な混合物が適切に混合されると、それは次に、オーガ押し出し機、ピ
ストン押し出し機、又は複式オーガ押し出し機のような押し出し手段に搬送され
押し出される。本発明の水硬性ミックスデザインは注意深く制御されたレオロジ
ー特性及び可塑特性を有し他の成型工程に適するようになっているが、本発明の
製品の重要な特長はそれらを連続的に押し出すことができることである。そして
この連続押し出し工程が広範囲の物体及び形状を経済的にしかも安価に形成する
のである。
前述のように、粒子充填密度、水分欠乏、及び押し出し工程中の圧縮が組み合
さり水硬性混合物が不連続のレオロジー特性を持つようになる。したがって、ど
の押し出し工程においても重要な条件は、全てのミックスデザインに対して予め
注意深く決められた圧力を加えることができる押し出し機を選択することである
。これは、押し出し機の圧縮力が粒子充填密度を一時的に増加させ、空隙の体積
を減少させ、混合物の有効水分欠乏を減少させるからである。このことは粒子の
潤滑をよくし、加工性及び流動性を向上させることを意味する。
しかし、最善の特性は、一般に粒子充填、水分欠乏、及び混合物内の骨材の強
度に合った圧力を加えることにより得られる。圧力が小さすぎると水硬性混合物
に適当な流動性を与えることができない。逆に圧力が大きすぎると多くの問題を
生じるが、それらには、水硬性混合物内のある種の骨材が粉砕すること、押し出
される材料が押し出しダイから連続的に出てくるのではなく突発的に飛び出す傾
向があること、即ちダイを通しての不均一な流れが含まれる。
水硬性混合物に加える必要な圧力の大きさ及びせん断の種類によりピストン押
し出し機又はオーガ押し出し機が用いられる。オーガ押し出し機(図6)は、ピ
ストン押し出し機のように高圧力で押し出しを行うことはできないが、いくつか
の利点がある。これらの利点には、オーガスクリューを回転させることにより連
続的内部せん断が得られること及び水硬性混合物内の不必要な空気を除去するた
めオーガ押し出し機内の混合物の真空を連続的に引くのが容易なことが含まれる
。ある場合には、成型可能な混合物の混合と押し出しの両方ができる装置を用い
、工程を簡素化しシステム内の種々の構成部分の整合の必要性を最小にするよう
にしても良い。ピストン押し出し機が図7に示されているが、その利点は大きな
圧力をかけることができることである。100,000 psi にもなる非常に大きな圧力
をかけるためにはピストン押し出し機又はローラミリング/押し出し工程を用い
ることである。ピストン押し出し機のピストン及びオーガ押し出し機のオーガは
、水硬性混合物を流動的にしダイを通して混合物を押し出すのに十分な押し出し
圧力を加えることができる手段の単なる例であり、他の手段も同様に用いること
ができる。
図6はオーガ押し出し機20のクローズアップで、フィーダー22は成型可能な混
合物を押し出し機20の第1の内部チャンバー24に送り込む。第1の内部チャンバ
ー24内には第1オーガスクリューがあり、これは成型可能な混合物に前向きの圧
力を加え、混合物を第1の内部チャンバー24を通して排気チャンバー28に運ぶ。
通常、排気チャンバー28は真空に引かれ、成型可能な混合物内の不必要な空気が
除去される。
その後、成型可能な混合物は第2の内部チャンバー30に送り込まれる。第2の
オーガスクリュー32は混合物をダイヘッド34の方へ運ぶ。ここでダイヘッド34は
、ダイ幅38及びダイ厚さ39の横型スリット36を持つ。ダイスリット36の断面の形
は、所望する幅と厚さを持つシートができるように作られているが、それらは各
々一般にダイ幅38及びダイ厚さ39に一致している。
あるいは、図7に示すように、押し出し機は、オーガ押し出し機20の代わりに
ピストン押し出し機20′を備えても良い。ピストン押し出し機はオーガスクリュ
ー22の代わりにピストン22′を用い、成型可能な混合物に前向きの圧力を加え、
内部チャンバー24′を通して混合物を押し進める。ピストン押し出し機を用いる
利点は成型可能な混合物に大きな圧力を加えることができる点である。しかし、
通常本発明で使われる混合物が大きな可塑性を持つため、オーガ押し出し機を用
いて得られる以上の圧力をかける必要はないのが普通で利益にもならない。
商業用に大規模に混合し押し出しを行う現在の好ましいシステムには、水硬性
混合物に入れる材料を自動的且つ連続的に計量し、混合し、空気抜きを行い、そ
して複式オーガ押し出し機装置で押し出す装置が含まれる。複式オーガ押し出し
機装置は、低せん断混合部、高せん断混合部、排気部、ポンプ部といった特殊な
機能を持ったセクションを備えている。複式オーガ押し出し機装置は、異なった
フライトピッチ及び配向を持ち、各セクションが夫々の機能を実行できるように
なっている。
必要に応じていくつかの成分を容器内で予め混合し、その混合された成分を複
式オーガ押し出し機装置に吸い上げることも可能である。好ましい複式オーガ押
し出し機装置は、オーガが同一方向に回転する均一回転オーガを用いている。オ
ーガが逆方向に回転する逆回転複式オーガ押し出し機も同じ機能を行う。パグミ
ルも同様な目的に使われる。これらの仕様に合う装置は、ミネソタ州ミネアポリ
スにあるブーラー・ミアグ社(Buhler Miag,Inc.)から求めることができる。
成型可能な混合物を押し出すのに必要な圧力は、ダイヘッドを通して混合物を
通過させるのに必要な圧力と所望する押し出し速度に依存する。ある場合には、
例えば、切断工程、及び/又は、押し出し製品の再形成工程のようなその後に続
く工程の速度に押し出し製品形成速度が対応するよう押し出し速度を慎重に制御
しなくてはならない。最適な押し出し速度を決定する重要な因子は押し出し製品
の最終的厚さである。厚い製品には材料が多くいるので、必要な材料を供給する
ため速い押し出し速度が必要であり、逆に、薄い製品には材料が少なくてすむの
で、必要な材料を供給するため遅い押し出し速度が必要である。
成型可能な混合物をダイヘッドから押し出す容易さ及びその速度は一般に混合
物のレオロジー及びその機械の操作パラメータと特性の関数である。水量、水硬
性バインダー、レオロジー調整剤、分散剤、粒子充填密度、混合物の成分による
水分の吸収率又は反応性のような因子が全て混合物のレオロジー特性に影響を与
える。
前述したように、成型可能な混合物がある程度の粒子充填最適化が行われ水分
欠乏している場合には、混合物の加工性を一時的に上げるため適当な圧力を加え
ることが必要である。水分が欠乏している混合物では、粒子と粒子の間の空間(
空隙)に、通常の条件で十分な加工性を得るための粒子を潤滑するのに必要な水
が十分に含まれていない。しかし、混合物が押し出し機で圧縮されると、この圧
縮力は粒子同士を押しつけ、粒子間の空隙の体積を減少させ、粒子を潤滑するの
に必要な見掛けの水量を増加させる。このようにして、混合物がダイヘッドから
押し出されてしまうまで加工性が増加し、押し出された時には、減圧のため混合
物は剛性と生強度を即座に増加させる。これは一般に望ましいことである。
上で述べた因子の各々を考慮して、成型可能な混合物を押し出すために押し出
し機が加える圧力は、約10バールと7000バールの範囲にあるのが好ましく、約20
バールと約3000バールの範囲がより好ましく、約50バールと約200 バールの範囲
が最も好ましい。
ダイヘッドを通して成型可能な混合物を押し出しすると、成型可能な混合物内
の個々の繊維は、「Y」方向、即ち押し出された製品の長さ方向に沿い一方向に
配向する傾向がある。
前述したように、水硬性混合物と共に他の材料を共押し出しし、例えば、水硬
性マトリックス内に他の材料が入った押し出し製品又はラミネート構造を得るこ
とが望ましい場合もある。本発明の押し出し可能な水硬性混合物と共に共押し出
しされるものとして、他の水硬性混合物(異なった特性又は相補的特性を持つ場
合が多い)、繊維マット、コーティング材料、重合体、粘土、グラファイト(鉛
筆用)、又は種々の材料(例えば金属)の連続した繊維、ストリップ、ワイアー
、シート等がある。例えば、水硬性シートと繊維マットを共押し出しで結合する
ことにより、最終製品が強度、靭性、及び他の特性に相乗効果を示すことが分か
っている。
F.加速乾燥
本発明の水硬性材料は高い生強度をすばやく得ることができるが、押し出し材
料の硬化をさらに加速することが望ましい場合がある。これは、水硬性混合物内
、特に最も大きな生強度が必要な表面からある部分の水分を除去することにより
行うことができる。混合物内に過剰の水分がある場合、押し出し製品の粘性や降
伏応力を増加させ所望する形状安定性を急速に得るには加熱することが特に好ま
しい。
押し出し工程の性質のため、押し出し工程中に水分を除去するため押し出しダ
イをある温度以上に過熱することは通常利益がない。ダイを過熱すると、押し出
し混合物が膨張し、即ち高圧蒸気のポケットが形成され、そのため水硬性混合物
が押し出しダイから「爆発」的に飛び出すことがある。(しかし、ある程度の加
熱により蒸気の障壁を作り押し出し材料と押し出しダイ間の摩擦を減らすことが
望ましいかも知れない。)水硬性混合物のレオロジーを注意深く制御し押し出し
ダイを適当に加熱することにより、押し出し製品が押し出し後すぐに取り扱える
ような強度を持つようにすることは一般的に可能である。
G.加速硬化
押し出された水硬性混合物の水分欠乏が大きくセメント又は他の水硬性バイン
ダーを適切に水和する水分が十分に含まれていない場合には、押し出し物体を水
又は湿度の高い空気にさらすのが有用かもしれない。典型的なバインダー、特に
水硬セメントの吸湿性のため、バインダーは大気から必要な水和水を文字どおり
吸収する。これは自然に起きることであるが(少なくとも水硬セメントの場合に
は)、非常に水分欠乏した押し出し物体を湿度の高い空気にさらすことにより、
この水分の吸収及びバインダー粒子の水和速度が大きく増加する。特に、最終硬
化製品の強度を大きく増加させるため耐圧機を用いるのが有用な場合がある。III .押し出し工程中のフィラメントの配置
本発明は、水硬性混合物を連続的に押し出し同時に混合物内にフィラメントを
配置し、フィラメントで強化した水硬性構造マトリックスを有する新工業製品を
形成する装置及び方法を提供することである。連続フィラメントを導入する主要
な目的は、弾性率、伸張率、引っ張り強度、曲げ強度、靭性、及び製品の破裂最
大負荷を増加させることである。製品の外周強度、破裂強度、又は周強度もまた
、フィラメントの角αを増すことにより増加させることができる。これらの強度
は、パイプ、容器、及び他の全ての圧力容器、特に壁の薄い圧力容器(半径に対
する壁の厚さの比が 0.1以下)の機能に重要なものである。フィラメントは水硬
性構造マトリックス内のどこにでも配置することができ、構造マトリックスの内
部でも、及び/又は、表面でも良い。
水硬性混合物にフィラメントを配置する手段を用い押し出し機のダイにフィラ
メントを導入する(水硬性混合物が押し出されると同時に)ことにより水硬性構
造マトリックス内のどの方向にもフィラメントを配置することができる。これに
よりフィラメントは押し出される水硬性混合物に「引き抜かれる」。水硬性混合
物はフィラメントを取り巻き、押し出し工程中に混合物に加えられる内部圧力の
ため圧縮され、したがって混合物内の空隙即ち欠陥の体積が最小になり水硬性混
合物とフィラメントとのインターフェイスが最大になる。フィラメントとマトリ
ックス間のインターフェイスを増加させると水硬性マトリックス中のフィラメン
トをよりしっかりと固定することができる。
押し出される水硬性混合物中にフィラメントを連続的に配置する装置に対する
異なった実施例を用いることにより、フィラメントを種々の構成又は配向に配置
することが可能である。これらの構成には、平行構成、ら旋構成、十字交差構成
、又はこれらの構成の組み合わせ等がある。「平行構成」ではフィラメントは、
一
般に水硬性製品の縦方向、即ち押し出し方向と同軸になっている。逆に、「ら旋
構成」及び「十字交差構成」(これは単にら旋構成の変形である)に於いては、
フィラメントは縦軸から外れている。この角度αは最小約5°から最大90°で、
ここでは「オフセット角」、「巻き付け角」又は「ら旋角」とよばれる。(フィ
ラメントを配置中の配置手段の回転方向、即ち時計方向又は反時計方向により、
角度αは正又は負とし、90°は越えない。91°は−89°と同等である。)
フィラメントが押し出しダイの内部チャンバーに導入されるがフィラメントを
巻き付けたり又はそれに似た動作をせずに水硬性混合物内にフィラメントを配置
すると、押し出し製品内にフィラメントの平行同軸構成が得られる。押し出しダ
イにフィラメントを導入する際フィラメントを巻き付けると、水硬性構造マトリ
ックス内にフィラメントのら旋構成を持つ製品が生産される。十字交差構成は、
先に巻いたフィラメントの方向と反対の方向にフィラメントを巻くことにより得
られる。特に、一方のフィラメントを時計方向に巻き、他のフィラメントを他の
反時計方向に巻くことにより十字交差構成で重なり合った繊維が得られる。この
際、一方のフィラメントは縦軸に対し正の角度を持ち、他のフィラメントは縦軸
に対し負の角度を持つ。
押し出し製品のフィラメントの濃度、即ち、水硬性マトリックスの体積に対す
るフィラメントの体積は、フィラメントの数、断面積、及び巻き付け角度αの大
きさに比例する。これらの変数のどれを増加させても水硬性マトリックス内のフ
ィラメントの濃度又は体積を増加させることになる。特に、巻き付け角度αの大
きさを増すと巻き付け頻度を増すことになり、同時に巻き付け間の距離が減り、
したがって、押し出し製品の単位長さ当りのフィラメントの濃度(及び体積)が
増すことになる。
本発明の押し出し水硬性製品内のフィラメントの濃度、及び/又は、巻き付け
角度αを変化させることにより、広い範囲の強度特性、伸張特性、靭性特性が得
られる。これに加え、その化学組成に依存して、フィラメント自身の引っ張り強
度、せん断強度、柔軟性、及び伸張性が大きく変化する。そのような特性は、フ
ィラメントの径又はフィラメントが一本の糸からなるか若しくは何本かの糸を捩
じったものか若しくは何本かの糸を他の方法で一本のフィラメントにしたものか
に影響される。
フィラメントを巻き付けて変化する最終硬化製品の特性に最も大きな影響を与
える因子はオフセット角である。オフセット角で影響を受ける特性のいくつかは
、製品の周強度、引っ張り強度、柔軟性である。好ましいオフセット角度は多く
の因子によるが、それには、押し出し製品の形状、フィラメントの種類、製品の
所望する強度、及びコストが含まれる。小さな巻き付け角度を持つフィラメント
は、フィラメントがパイプや円柱に巻かれると一般に楕円形の断面を規定する。
巻き付け角度が90°に近づくと規定される楕円の横巾(cross width)は小さくな
る。角度が90°ではフィラメントは円形の断面を規定する。
押し出される製品がパイプ、円柱、又は一般に円形の断面を有する他の製品と
仮定する時、それは一般に縦軸に垂直な半径を持つであろう。フィラメントによ
ってもたらされる強度の大きさと方向を定義するために、フィラメントによって
もたらされる強度を縦軸方向と半径方向に対応したベクトル成分を持つものと定
義することは有用であろう。フィラメントのオフセット角が0°よりも大きく90
°よりも小さい場合には必ず、フィラメントはいつも縦軸ベクトル成分と半径ベ
クトル成分を持つ。巻き付け角度が45°より小さい場合には、一般に縦軸強度ベ
クトルは半径強度ベクトルより大きくなることが期待されるであろう。同様に、
巻き付け角度が45°より大きい場合には、一般に半径強度ベクトルは縦軸強度ベ
クトルより大きくなることが期待されるであろう。
一般に、縦軸強度ベクトルが半径強度ベクトルより大きな、縦軸方向よりに配
向したフィラメントは、水硬性製品の縦軸方向即ち長さ方向の引っ張り強度を増
加させる。逆に、縦軸に関してオフセット角が大きなフィラメント、即ち、半径
強度ベクトルが縦軸強度ベクトルより大きなフィラメントは外周強度(パイプ又
は他の中空構造の場合には周強度又は破裂強度として知られている)を増加させ
る。大きなオフセット角及び小さなオフセット角を持つフィラメントを組み合わ
せることにより、これらの特性の両方を与えることができる。
フィラメントが配置される角度αは前方向の押し出し速度る(“Ve”)及び配置
手段の回転速度(“Vr”)の関数である。実際、角度αの正接が押し出し速度に
対する回転速度の比(Vr/Ve)に比例する。したがって、他の全てが同じであれば
、
押し出し速度が大きければ、フィラメントのオフセット角度は小さくなる。逆に
、配置手段の回転速度が大きければ、フィラメントの巻き付け角度が大きくなる
。
押し出し製品の水硬性マトリックス内のフィラメントの濃度は、フィラメント
の数及びフィラメントの平均角度αに直接比例する。すなわち、フィラメントの
数及び平均角度αが増すと濃度が増加する。フィラメントの濃度が大きいほど、
個々のフィラメント間の距離が小さくなる。また、濃度が大きいほど、押し出し
製品の水硬性マトリックスにフィラメントが与える効果が大きくそして均一にな
る。一般に、繊維の径が小さく密に配置されるほど、例えば、強度、柔軟性、及
び靭性といった所望する特性が均一になる傾向がある。
最後に、種々の個々のフィラメントの相対的配置深さはフィラメントの空間的
配向に影響を与え、濃度及び巻き付け角度と同様に最終硬化製品の強度、柔軟性
、及び他の特性に影響を与える。個々のフィラメントの配置深さが均一な分布を
するほど、最終製品のフィラメント分布は均一になり、押し出し製品に加わる負
荷又は衝撃がうまく分散される。
ほとんどの場合、製品の強度が均一になるようにフィラメントを配置するのが
一般に好ましい。しかし、一つの製品にある特別な性能特性をもたせるためその
中のフィラメントの最適な配置が決定される場合もある。フィラメントを最初か
ら最適な深さに配置することもできるし、最初配置された場所からフィラメント
を混合物内に深く引っ張り込み水硬性構造マトリックス内でフィラメントの位置
を変えることもできる。多くの独立した因子がフィラメントの配置深さに影響を
与えるが、それらには、フィラメントの張力、混合物の粘性、混合物の押し出し
速度、及び配置手段の回転速度等が含まれる。
フィラメントは配置手段から、主に混合物とフィラメント間の摩擦力を利用し
て、混合物により引っ張られる。この摩擦力は少なくとも部分的には混合物の粘
性を制御して調整できる。しかし、前述したように、水硬性混合物の加工性を上
げ混合物の押し出しコストを最低に抑えるためるためには、適当な降伏応力を維
持し形状安定性を維持しながら混合物の粘性を下げることが好ましい。好ましい
実施例では、これらの合い反する条件が最適化される。粘性が高すぎるとエネル
ギーが浪費され、混合物の押し出しが不可能になり、又はフィラメントが切断さ
れる場合がある。また、粘性が低すぎるとフィラメントが混合物内で滑るためフ
ィラメントの均一な分布が損なわれる。前述したように、混合物の粘性は多くの
方法で変化させることができるが、それらには充填密度の変更、水量の増加、分
散剤又は減水材のような混合材の添加等がある。
フィラメントが巻かれる時フィラメントに最適な張力を与えることにより、フ
ィラメントを、配置手段から最初に引っ張られた位置より水硬性構造マトリック
スの深い位置へ移動させることが可能である。フィラメントに掛かる張力のため
、配置手段の回転によりフィラメントは水硬性構造マトリックス内に引かれる。
押し出し製品内へのフィラメントの侵入度は、押し出し製品の外周で定義され
る弧が弧に沿った二点により定義される弦よりも長いので、与えられた回転距離
間に置かれたフィラメントの長さに反比例する。この長さは、又、フィラメント
に掛かる張力に反比例する。言い換えれば、巻き付けるフィラメントに掛かる張
力を増すことにより、回転配置手段の回転中に置かれるフィラメントの長さが減
少する。これにより、フィラメントが押し出される材料内に引っ張り込まれる。
フィラメントの張力、回転速度、及び押し出し速度を調整することにより、当業
者は押し出される材料内のフィラメントの深さを制御することができる。
図8-29 に、所望する製品に押し出される水硬性組成の中にフィラメントを連
続的に配置する手段を備えた装置により水硬性混合物中にフィラメントが配置さ
れる様子を示す。図8-21はフィラメントが本発明の押し出し機のダイ又は内部チ
ャンバーに導入される様子を示す。内部チャンバーは、ここでは、「フィラメン
ト配置チャンバー」、「内部ダイチャンバー」又は単に「ダイ」と呼ばれる。水
硬性組成内にフィラメントを連続的に配置する装置の具体的な実施例が図 22-29
に示されている。
以下に述べる方法及び装置は、当分野で公知の又はこれから開発されるいかな
るプラスチック材料と共に用いることが可能である。本明細書及び特許請求項で
用いられる「プラスチック材料」という用語は以下に挙げるような全ての材料又
は混合物のことをいう。即ち、水硬性混合物(セメント性混合物を含む)、有機
−重合体−結合混合物、粘土と水の混合物、熱可塑材、樹脂、及び重合体等で、
十分に可塑性を持ち、加圧下で連続的に押し出し可能で、しかしダイから出ると
即座に十分に形状安定になる材料又は混合物である。限定するのではなく単に例
として、圧力下で連続的に押し出し可能な有機−重合体−結合混合物には以下の
係属中米国特許出願に記載の有機重合体バインダー及び混合物がある。この特許
出願は、パー・ジャスト・アンデルセン(Per Just Andersen,PhD)及びサイモン
・ケイ・ホドソン(Simon K.Hodson)により1994年3月25日に出願された「無機
物充填した有機重合体材料を有する製品の成型方法(Methods Of Moldin gArticl
es Having An Inorganically Filled Organic Polymer Matrix)」と題する米国
特許出願 No.08/218,971 である。開示のため、ここにおいて、この出願を特に
引用することにより本発明の一部とする。
本発明の方法及び装置と共に用いられる「プラスチック材料」の形状安定性は
プラスチック材料にフィラメントを多く入れるほど増加する。特に、ら旋状に配
向したフィラメントは効果的で、十字交差配向したフィラメントはさらに効果的
である。したがって、フィラメント無しで押し出されると通常形状安定性が低い
「プラスチック材料」でも、押し出し工程及びフィラメント配置工程で生プラス
チック混合物内に配置されるフィラメントの強化効果のため形状安定性をより大
きく増加することができる。
図8-10には、フィラメントが押し出し機のダイに導入され、水硬性混合物内に
配置され、ら旋構成に巻かれる様子を示している。図8には、水硬性混合物52を
押し出す時にフィラメントを配置する装置50の縦方向の断面を表している。図8
はまた、水硬性混合物の押し出し手段(通常オーガ又はピストン押し出し機)の
フィラメント配置チャンバー54を通して水硬性混合物52が押し出される様子を示
す。配置チャンバー54は、一つの連続ダイの場合もあるし、お互いにつながった
複数のダイ又はチャンバーの場合もある。水硬性混合物は、配置チャンバー54中
で矢印56で示された方向に、フィラメントを水硬性混合物中に配置する手段の方
へと進む。
各配置手段はフィラメント配置チャンバー54の壁の内側に少なくとも部分的に
設置され、配置チャンバー54及び装置の外部表面につながっている。したがって
それは配置チャンバー54への入口となる。フィラメントは装置50の外部表面から
入り、フィラメント配置チャンバー54中の水硬性混合物に挿入され、内部摩擦又
は水硬性混合物の粘性により配置手段から引き抜かれる。各配置手段は、外部表
面から配置手段へフィラメントを受け入れる手段、受け取ったフィラメントを配
置手段を通してチャネリングする手段、及びフィラメント配置チャンバー54内の
水硬性混合物にフィラメントを導入する導入手段を備える。装置50の外部表面、
受け入れ手段、チャネリング手段、導入手段、フィラメント配置チャンバー54は
連続してつながっており、フィラメント配置チャンバー54では水硬性混合物が押
し出されるにつれ水硬性混合物中にフィラメントが連続的に配置される。
図8に示す装置の実施例では、フィラメントを配置手段に受け入れる手段はフ
ィラメント入口58を持つ。受け取ったフィラメントを配置手段を通してチャネリ
ングする手段はチャネル60を持つ。また、フィラメント配置チャンバー54の水硬
性混合物にフィラメントを導入する手段はスクープエンド62を有する。フィラメ
ント64は各フィラメント入口58から挿入され、チャネル60を通して伸び、スクー
プエンド62によりフィラメント配置チャンバー54に導入される。図8には円形の
断面を持つフィラメント配置チャンバー54の一部が示されているが、フィラメン
ト配置チャンバー54はいかなる断面、長さ、又は所望する製品を製造するのに必
要な形状をもっても良い。
図8のフィラメント配置チャンバー54はその出口に向かって直径又は断面積が
小さくなるようにテーパーを付けシステムに背圧をかける手段が設けられている
。背圧は、フィラメント配置チャンバー又はダイ内の圧力を一定に維持するのに
役立ち、これにより水硬性混合物の圧縮が大きくなり、その結果として水硬性マ
トリックスとフィラメントとのインターフェイスが向上する。フィラメントの周
りの水硬性混合物の圧縮によりフィラメントの閉じ込めがよくなり、均一性が増
し、混合物内の空隙が減少する。これらによって水硬性マトリックスとフィラメ
ントとのインターフェイスが最適化され、フィラメントが硬化した製品内でしっ
かりと固定される。フィラメント配置チャンバー54内の背圧は、フィラメントが
水硬性構造マトリックスに配置される工程で水硬性構造マトリックスを切って中
へ入り込む時にできる(通常フィラメントを巻く時)溝や孔を効率的に閉じる。
特に、フィラメント配置チャンバー54が長い時、及び多量のフィラメントを水硬
性構造マトリックス内へ導入する時、適当な背圧をかけるのが望ましい。
図8-10に示す配置手段は回転可能で、水硬性混合物が押し出される時水硬性マ
トリックスに一般にフィラメントをら旋状に巻く手段を形成する。配置手段を回
転する手段は(図8-11には図示していない)フィラメント配置チャンバー54の周
りに配置手段を回転する。配置手段は又ダイに対して不動即ち固定されていて、
フィラメントが押し出し方向と同じ軸に沿って実質上平行構成になるようにして
も良い。配置手段は、例えば粗紡糸又はマットのような非円柱又は変わった形の
フィラメントを配置できるよういかなる形をしていても良い。
混合物が押し出されていくと、それはスクープエンド62の周りを通過し(図9
の縦方向の断面で示されているように)、スクープエンド62から伸びたフィラメ
ントを取り囲み、押し出し方向56にフィラメントを引っ張っていく。フィラメン
トは、水硬性混合物の内部摩擦又は粘性によりスクープエンド62から引っ張られ
る。水硬性混合物が硬化すると、フィラメントは水硬性マトリックス内にしっか
りと取り入れられ、前述した強化及び強度特性をもたらす。フィラメントと水硬
性混合物は共になって種々の長さの連続押し出し製品66を形成する。押し出し製
品はまた所望するいかなる長さにも切断可能であるため比較的小さな製品の連続
生産も可能である。単に例として、図9で形成される製品66は棒又は条材である
。
配置手段の設計の仕方により、混合物内のフィラメント構成及び水硬性マトリ
ックス内のフィラメントの配置深さがある程度決まる。図10は面10に沿った横断
面で、フィラメント配置チャンバー54に伸びたスクープエンド62及び押し出され
た後の製品66の周囲68を示す。配置深さは、少なくとも部分的に、配置手段がフ
ィラメント配置チャンバー54中に伸びた部分の長さによって決まる。配置深さは
フィラメントの張力を増すことにより増すことができる。
配置手段の角度はフィラメントの出角度(即ち、フィラメントが配置手段を出
る角度)に直接対応するが、これはまた、フィラメントが水硬性混合物に巻かれ
る時フィラメントにかかる歪みに影響する。一般に、フィラメントにかかる歪み
は、巻き付け角度とフィラメントの出角度の差が最小の時最小になる。この差は
、出角度が巻き付け角度と実質的に同じになるように配置手段を設計することに
より最小にすることができる。フィラメントの巻き付け角度と出角度の差を増す
と配置手段とフィラメント間の摩擦を増加させる傾向になり、したがって配置す
る
フィラメントに大きな歪みを与えることになる。前述したようにフィラメントの
張力を増すとフィラメントの配置深さが好ましくない風に増加する場合が多い。
前述したように、図8-10 に示した配置手段はまた、図11に示すように固定す
ることもできる。図11は、フィラメント配置チャンバー54の縦軸に沿って伸びた
平行構成のフィラメントを得る装置の縦方向断面図である。配置手段の他の実施
例を図12、13、14に示すが、これらは回転しても固定してもどちらでも良い。図
12は、フィラメント入口70、チャネル72、ニブエンド74のある導入部を備えた配
置手段を有する装置の縦方向断面を示す。図12の配置手段は固定されており水硬
性マトリックス内に平行構成のフィラメントを配置する。図13は、図12の面13に
沿った配置手段とフィラメント配置チャンバー54の横断面を示し、さらにニブエ
ンド74がフィラメント配置チャンバー54に入った様子及び製品が押し出された時
の形状を示す。
図14は配置手段の他の実施例の縦方向断面図である。図14の各配置手段はフィ
ラメント入口76、チャネル78、及び中空針80を持つ導入部を備えている。配置手
段の他の実施例では、中空針をチャネル中に設置し、チャネル内で移動可能にし
、フィラメント配置チャンバー54の順次深い位置に設置して水硬性構造マトリッ
クス内のフィラメントの配置深さを変えることも可能である。それに加えて、配
置手段のどの実施例においても、その導入手段をフィラメントが予め決められた
深さに配置されるように設計することによりフィラメントを予め決められた深さ
に配置することができる。図8-14で具体化された配置手段は例を示しているもの
であり制限を加えるものではなく、水硬性構造マトリックス内にフィラメントを
配置可能な他の構造に具体化しても良い。
形成される製品の強度は、一つ以上の配置手段を第1の配置手段から離して置
き、それによってフィラメントを混合物中に配置することによりさらに強化する
ことが可能である。例えば、第2のフィラメントを先に配置したフィラメントに
比ベマトリックスの表面に近い深さに配置することができる。それに加え、回転
可能な又は固定した多数の配置手段を組み合わせて用い、フィラメントを種々の
組み合わせ又は構成に配置することが可能である。たとえば、水硬性混合物中に
先に巻かれたフィラメントとは反対方向にフィラメントを巻くこともできる。
図15は、水硬性混合物52を矢印56で示した押し出し方向に押し出す装置50の縦
方向断面図で、この装置は同時にフィラメントを、水硬性混合物52中に「十字交
差」構成に配置する。フィラメント入口70、チャネル72、及びニブエンド74を備
えた2つの回転配置手段が反対方向に回転し、構造マトリックス中に反対方向に
フィラメントを巻きフィラメントの十字交差構成を形成する。十字交差構成にフ
ィラメントを配置するのに用いる配置手段は、配置手段、少なくとも一つのフィ
ラメントを予め決められた速度でダイに対して第1の方向に回転する手段、及び
少なくとももう一つのフィラメントを予め決められた速度で第1の方向と反対の
第2の方向に回転する手段を備える。2つの反対方向がなす角度は通常約10°か
ら約180°の範囲内である。十字交差したフィラメントの角度が約10°以下の場
合もあるが、約10°以下の角度を持つ十字交差したフィラメントは、約5°以下
の角度で巻かれたフィラメントと同様、実際上平行構成と考えられるであろう。
図16は、押し出し方向56に水硬性混合物52を押し出す装置50の縦方向断面図で
、この装置は、水硬性混合物52中に平行構成及び十字交差構成にフィラメント64
を同時に配置する。フィラメントは最初、フィラメント入口70、チャネル72、及
びニブエンド74を備えた固定配置手段により押し出し方向56に平行構成配置され
る。次に、2つの回転配置手段により平行なフィラメントの上からフィラメント
が十字交差構成に配置される。これらの回転配置手段もフィラメント入口70、チ
ャネル72、及びニブエンド74を備え、反対方向に回転し水硬性混合物中でフィラ
メントを反対方向に巻く。
通常フィラメントの絶対強度が大きければ繊維がそれだけ少なくてすむが、フ
ィラメントが製品内で十分に分散され製品全体に所望する強度特性が分配される
のが好ましい。材料科学の当業者は、所望する特性を得るため水硬性マトリック
ス内に配置するフィラメントの実際のサイズ、強度、数、及び配向を、前以て又
はここで述べる教示に基づいた簡単な実験をすることにより求めることが可能で
あろう。
同一製品内に異なった種類のフィラメントを配置するのが望ましい場合もある
。それに加え、水硬性混合物やフィラメントと共に他の材料を共押し出しするこ
とが可能である。他の材料の周りに水硬性混合物とフィラメントを共押し出しし
て
も良いし、他の材料を混合物とフィラメントの周りに共押し出ししても良い。例
えば、混合物とフィラメントを鉛の周りに共押し出しし鉛筆を形成することがで
きるし、混合物とフィラメントの周りにコーティング材料を共押し出しすること
もできる。
本発明の方法及び装置の主な利点の一つは、種々の形状を有する製品内の選ば
れた位置に種類や数にかかわらずフィラメントを配置することが可能なことであ
る。製品の形状は主に、フィラメント配置チャンバー54の形状、特に、水硬性混
合物が連続的に押し出し製品として出口のフィラメント配置チャンバー54の断面
によって決まる。また、押し出し機と配置手段と共に水硬性混合物を中空製品に
押し出す手段を用いて空洞又は中空内部を持つ製品を製造することも可能である
。水硬性構造マトリックス内に配置されるフィラメントの構成即ち空間的配向は
、フィラメントが導入される深さ及び配置手段の回転速度を含む配置手段の設計
に依存する。
所望する製品の設計に当たって、主に製品にかかる応力を基にしてフィラメン
トが選択されその構成が決められる。例えば、横方向の力がかかる I−ビームで
は中心軸から離れた場所の張力がかかる部材部分にフィラメントを配置し、ビー
ムの柔軟性及び破損最大負荷を増加させることになるだろう。図17は I字型をし
たフィラメント配置チャンバー54の周りに設置された配置手段を備えた装置50の
透視図である。ここでフィラメント配置チャンバー54は切り取り図で示されてい
る。図17は装置50が連続 I−ビームの形状をした製品を形成するのを示している
。押し出し物即ち製品は、押し出し物切断手段により個々の I−ビームに切断す
ることができる。この切断手段は、回転刃82、ギロチンのような固定刃、鋸、又
は水硬性構造マトリックス及びフィラメントを切断可能な他の構造物を含んでも
良い。
板、「ツーバイフォー」、合板、カウンタートップ、波状構造、平板、屋根か
わらのような製品は、水硬性混合物を押し出し、フィラメントをマトリックス内
に平行構成に配置して形成可能である。図18はスリットの形状をしたフィラメン
ト配置チャンバー54及びフィラメント配置チャンバー54の周りに位置した固定配
置手段を備えた装置50の透視図で、フィラメントを平行構成に配置した平らな水
硬性シート66の形成を示す。
非円形の断面を持ち、しかも押し出し方向に対して実質的にら旋配向したフィ
ラメントを含む製品を形成することも可能である。そのような製品は、実質的に
円形の断面を持つ第1のチャンバー及び実質的に非円形の断面を持つ第2のチャ
ンバーを有するフィラメント配置チャンバーを通して水硬性混合物を押し出して
形成することができる。一般に、第2のチャンバーは、空間的に実質上固定され
、第1のチャンバーと通じ、第1のチャンバーに対して押し出し方向に位置し、
水硬性混合物を押し出す出口手段即ちポートを提供する。配置手段は第1のチャ
ンバーと通じ、水硬性混合物が第1のチャンバーを通過する時混合物内にフィラ
メントを配置する。水硬性混合物は、第1のチャンバーを通過する時一般に実質
的に円形の断面を持つが、第2のチャンバーを出る時には、第2のチャンバーの
断面の形状によるが、非円形の断面を持っても良い。混合物が第1のチャンバー
から第2のチャンバーに入る時の断面形状は徐々に変化しても急激に変化しても
良い、しかし押し出し製品の断面形状及びフィラメント配置構成を持つことがで
きるように設計されてなくてはならない。
図19に示す装置50の透視図において、製品は非円形の断面を持ち、しかも押し
出し方向にら旋配向のフィラメントが配置されたマトリックスを持つ。図19の装
置50は長さ方向の切り取り図に示すフィラメント配置チャンバー54を備えている
が、それは、出口手段及び所望する製品の形状に対応した異なった断面を持つ「
出口」又は「出口ダイ」まで伸びている。製品のコーナー及び周辺は任意により
平行フィラメントで強化しても良い。
水硬性混合物を中空製品に押し出す手段をフィラメント配置チャンバー54内に
設置し、パイプ又はチューブのような中空断面を持つチューブ状の製品を形成す
ることも可能である。制限を与えるのではなく単に一例として、水硬性混合物を
中空製品に押し出す手段は、フィラメント配置チャンバー54内に設置したマンド
レルでも良い。マンドレルは、混合物をその周りから押し出すことが出きるかぎ
りどのような形状及び断面をもっても良い。マンドレルは、フィラメント配置チ
ャンバーの最初の部分の径が終点部の径より小さくなるようにテーパーが付けら
れているのが望ましい。テーパーが付いたマンドレルはシステムが背圧を維持す
る機能を強化し、混合物を圧縮し、混合物とフィラメントのインターフェイスを
増加するのに役立つ。
マンドレルはまた、押し出し方向に実質的にら旋配向したフィラメントを含み
、しかも非円形の内径及び非円形又は円形の外径を持つチューブ製品を形成する
のに有用である。非円形の内径、円形の外径、実質的にら旋配向したフィラメン
トを持つ製品を形成するのに用いるマンドレルは、押し出し方向に沿って実質的
に円形の断面から非円形の断面へと変化する。配置手段はフィラメント配置チャ
ンバー54の壁の中に設置され、実質的に円形の断面を持つマンドレル部の周りを
混合物が通過する時フィラメントを混合物に巻きつける。
押し出し方向に沿って実質的に円形の断面から非円形の断面へと変化するマン
ドレルの周りで押し出される水硬性混合物内のフィラメントは、元の配置位置に
留まるようにもできるし、あるいは、水硬性構造マトリックスの断面内のフィラ
メントの位置が、混合物がフィラメント配置チャンバー54を出るところのマンド
レルの形状にほぼ対応するように再配置することもできる。マンドレルの形状変
化がフィラメントを実質的にマトリックスの内部に移動させるようマンドレルの
十分近くにフィラメントを配置することにより、フィラメントの最終的位置をそ
れがフィラメント配置チャンバー54の出口の場所のマンドレルの径に対応するよ
う設計することができる。マンドレルの形状が円形の断面から非円形の断面に変
化してもマンドレルの径を実質上一定に保つことにより、フィラメントの位置を
出口のマンドレルの径の形状に非常によく対応させることができ、したがって、
フィラメントを実質的にら旋配向にし、形成される製品の内径形状に対応するよ
うに配置することができる。
押し出し方向に実質的にら旋配向したフィラメントを含み、非円形の内径及び
非円形の外径を持つチューブ製品は、押し出し方向に沿って実質的に円形の断面
から非円形の断面へと変化するマンドレルの周りで水硬性混合物を押し出すこと
により形成される。フィラメント配置チャンバー54は、実質的に円形の断面を持
つマンドレルの部分に対応する実質的に円形の断面を持つ第1のチャンバー及び
前述のように実質的に非円形の断面を持つ第2のチャンバーを有する。混合物が
第1のチャンバーから第2のチャンバーに入る時の断面形状は徐々に変化しても
急激に変化しても良い。
図20に示す装置50の透視図において、そのような製品は、切り取り図で示され
たチャンバー54及びマンドレル84を用いて製作されるが、チャンバー54は
回転配置手段のある位置では円形の断面を持ち次第に非円形の断面に変化し、マ
ンドレル84もまた円形の断面から非円形の断面に同様な変化をする。マンドレ
ル84はまた、マンドレルの長さ方向に沿って形状が変化する断面を持ちその周
囲がほぼ等しくなるように設計できるが、これによりら旋巻きの形状及び強度が
強化される。
それに加え、フィラメント配置チャンバー内に複数のマンドレルを設置し、中
空レンガ、ハニーコム、又は他の多細胞構造のような多室製品を形成することが
可能である。図21は中空レンガが形成される様子を示すが、その装置は、フィラ
メント配置チャンバー54の切り取り図に示した3つのマンドレル84、及び矩形の
断面を持つフィラメント配置チャンバー54の周りにある配置手段を備える。他の
押し出し物と同様、連続「レンガ」は、カッター82のような切断手段により必要
な長さに切断し個々のレンガを形成することが可能である。
図22−29は、ら旋構成、十字交差構成、平行構成、又はその組み合わせにフィ
ラメントを配置可能な装置50の他の実施例を示す。フィラメントは、図22−29に
示すように、水硬性混合物の押し出し工程中に装置50により配置される。水硬性
混合物の押し出しとフィラメントの配置が同時に行えることによりら旋巻きのフ
ィラメントで強化された製品の連続生産が可能になる。
図22は装置50の透視図で、図23はその側面図であるが、装置50は、ピストン押
し出し機20の内部チャンバー24′につながったフィラメント配置チャンバー54を
備えている。フィラメント配置チャンバー54の外部には一般に100 、102 、104
で示された3つのフィーダーリングがあり、これらはフィラメントの貯蔵手段及
びフィラメント64を配置手段(図23、24には図示されていない)に連続的に供給
する手段を備え、この配置手段は、フィラメント配置チャンバー54内にフィラメ
ントを導入する。一組の固定配置手段がフィラメント配置チャンバー54の周りに
設置され、この配置手段に対し実質的に定常な固定フィーダーリング100 からフ
ィラメントを受け取る。また一組の回転配置手段は回転フィーダーリング102 か
らフィラメントを受け取りそれと共に回転する。もう一組の回転配置手段は回転
フィーダーリング104 からフィラメントを受け取り、他の組の回転配置手段とは
反対方向に共に回転する。回転フィーダーリング102 及び104 は回転配置手段に
対し実質的に固定されており、ダイに対してフィーダーリングを回転する手段は
また配置手段をダイに相対的に回転させ、したがってら旋構成にフィラメントを
配置する。
各フィーダーリングは、フィーダーリングフレーム106 及び少なくとも一つの
、フィラメントスプール108 のような、フィラメントディスペンサ又はクリール
を持つ。フィラメントディスペンサはフィーダーリング100 、102 、104 上に設
置される。フィラメントディスペンサは、フィラメントを貯蔵し配置手段に連続
的に供給する手段を含むためフィーダーリングなしに用いることも可能である。
制限を与えるのではなく単に例として、フィーダーリング上に設置されずフィラ
メントを貯蔵し連続的に供給することができるフィラメントディスペンサは従来
のフィラメントの巻き付け法で用いられる従来のクリールである。
フィラメントディスペンサは、張力なしで錘上を自由に回転しても良いし、フ
ィラメントに予め決められた張力をかける張力手段を用いテンショナー110 のよ
うなフィラメントディスペンサから供給されるフィラメント64の張力を変化させ
ることもできる。配置手段がフィラメント配置チャンバー54に対し回転する時、
張力手段は水硬性混合物内にフィラメントを深く引っ張りこむ。図22に示された
実施例の各テンショナー110 は、フィラメントスプール108 の頭部にかみ合い可
能なボルトヘッド112 をもったねじ切りボルト(図示なし)を受け入れる内部ね
じ切り(図示なし)をもった中空錘(図示なし)を有する。通常ねじ切りボルト
を強く絞めたりゆるくしたりすることにより、フィラメントスプール108の頭部
とボルトヘッド112 の間の接触を増減させ、供給されるフィラメントの張力を調
整することができる。テンショナーは、錘の周りでフィラメントスプール108 の
頭部とボルトヘッド112 の間にばねを備えても良い。張力手段の他の実施例には
スプール108 を電動で動かすことが含まれる。
配置手段を回転する手段は回転フィーダーリング102 及び104 にかみ合い、フ
ィーダーリングは回転配置手段に固く取り付けられているので、回転配置手段を
回転する。図23に示した回転手段の実施例は、モーター114 、ベルト116 、各回
転フィーダーリング上でベルトを受けるための溝118 を有する。各モーター114
は各ベルト116 を回転させ、ベルトは各回転フィーダーリングを回転させる。モ
ーター114 は、押し出し機20に取り付けた支持台120 に取り付けられている。支
持台はさらにクランプ124 に取り付けた部材122 により装置を支持する。
回転手段の他の実施例はモーターを有し、そのモーターがスプロケットを回転
し、スプロケットが鎖のリンクにかみ合い、それがさらにフィーダーリングの周
りにある歯にかみ合い、したがって回転フィーダーリングを回転する。回転手段
のもう一つの実施例では、モーターがフィーダーリングの周りにある歯に直接か
み合ったスプロケットを回転し、したがって回転フィーダーリングを回転する。
回転手段は精度を上げるためデジタル制御を行っても良い。回転手段は、押し出
し速度に対する回転速度を監視し制御するためフィードバック機構を持つ制御を
含む。回転手段は、配置手段を直接回転することにより又は配置手段が取り付け
られたフィーダーリングを回転することにより、配置手段を回転することが可能
な他のいかなる構造として具体化されても良い。勿論、前述の回転手段は単に例
を示すだけであり制限を与えるものではない。
装置50の部分及び装置50中を通る水硬性混合物の通路は図24、25に最も詳しく
示されている。装置50の断面図である図24及び装置の透視展開図である図25を参
照して、フィラメント配置チャンバー54は、入口ダイ132 のボア130 、回転チャ
ネルキャリッジ136 のボア134 、もう一つの回転チャネルキャリッジ140 のボア
138 、及び出口ダイ144 のボア142 により規定される。水硬性混合物は、内部チ
ャンバー24′から入口ダイ132 のボア130 へ、回転チャネルキャリッジ136 及び
140 のボア134 及び138 を通り出口ダイ144 のボア142 から連続的に押し出され
る。
フィラメント配置チャンバー54の断面は、フィラメント配置チャンバー54の全
長を通してほぼ一定であっても良いし、その面積と形状が変化しても良い。フィ
ラメント配置チャンバー54の断面は、円、正方形、楕円、三角形を含むどんな形
状を取っても良い。ただし、上の例は制限を与えるものではない。図24では、フ
ィラメント配置チャンバー54の断面は、フィラメント配置チャンバーの全長を通
して円形で、その径は押し出し方向にわずか小さくなっている。水硬性混合物は
一つのボアからそれよりも径が小さなボアに押し出されるため、混合物は圧縮さ
れ、フィラメントが水硬性構造マトリックス内に配置される。前述したように、
フィラメント配置チャンバーの断面が出口即ちダイに向かってだんだんと小さく
なることは一般に望ましく、それによりシステムの背圧が維持され、水硬性構造
マトリックスにフィラメントを配置する時にできる溝が埋まるのである。
図24の84で示されるようにフィラメント配置チャンバーはマンドレルを備え、
パイプのようなチューブ状製品を形成することもできる。マンドレルは、テーパ
ー無しでも、あるいは図24に示すようにテーパー付きでシステムに対する背圧を
維持するのを助けても良い、また、前述のように、テーパー付き又はテーパー無
しのフィラメント配置チャンバーと共に用いることができる。マンドレルをピス
トン押し出し機20と共に用いる時は、マンドレル84と押し出し機20の間にあるス
パイダ150 でマンドレルを押し出し機に取り付けなくてはならない。スパイダ15
0 には中心から周囲に向けて放射状に伸びたテーパー付きの足があり、水硬性混
合物は足152 の周りを離れて流れその後再び一緒になることができる。装置50が
オーガ押し出し機に取り付けられている時にはスパイダ152 は不要である。
水硬性マトリックス内にフィラメントの平行構成を得るには、固定フィーダー
リング100 上にあるスプール108 から入口ダイ132 の周りにある配置手段を通し
てフィラメント配置チャンバー54にフィラメントを送る。固定フィーダーリング
100 は入口ダイ132 の周りに配置され、それに固定されている。水硬性混合物は
入口ダイ132 のボア130 から入り、回転チャネルキャリッジ136 のボア134 に入
る。フィラメントは、フィラメント入口58及びチャネル60を通してスクープエン
ド62に供給され、水硬性マトリックスの表面下に配置される。
水硬性マトリックス内にフィラメントのら旋構成を得るには、回転フィーダー
リング102 又は104 を回転し、同時にスプール108 から配置手段にフィラメント
を供給する。この配置手段は、フィラメントをマトリックス中に配置し回転フィ
ーダーリングと共に回転する。回転フィーダーリング102 は、締め付けカラー16
0 により回転フィーダーリング102 に固定された回転チャネルキャリッジ136 内
にある配置手段にフィラメントを供給する。
回転チャネルキャリッジ136 は前部162 及び後部170 を有し、前部162 は平坦
面164 及び溝168 のある凸面166 を有し、後部170 は平坦面172 及び凹面174 を
有する。前部162 の凸面166 及び後部170 の凹面174 は互いにかみ合いの関係で
ボルト止めされている。
回転チャネルキャリッジ136 内にあるフィラメント入口58、チャネル78、及び
ニブエンド74が、フィラメントを水硬性マトリックスに配置する配置手段を構成
する。チャネル78は、凸面166 と凹面174 がかみ合った時凸面166 の溝168 と凹
面174 により形成される。フィラメントが水硬性混合物に入る角度は、凸面166
と凹面168 のピッチを変えることにより変えることができる。
締め付けカラー160 は前部162 の平坦面内にあるボールベアリングアセンブリ
178 を固定し、もう一つの締め付けカラー180 は後部170 の平坦面164 内にある
ボールベアリングアセンブリ182 を固定する。各ボールベアリングアセンブリは
チューブ状のネック184 及びリップ186 を有する。ボア134 の端がボールベアリ
ングアセンブリ178 及び182 のチューブ状ネック184 内に伸びそれと同心になっ
ている。ボールベアリングアセンブリ178 のリップ186 は入口ダイ132 のリップ
186 と共にクランプ124 内の溝内に設置される。ボールベアリングアセンブリ17
8は、回転チャネルキャリッジ136 が回転する時比較的定常のままである。
押し出し方向に沿って、混合物は、回転チャネルキャリッジ136 のボア130 か
ら入りもう一つの回転チャネルキャリッジ140 のボア138 へ入る。ボア138 内で
フィラメントは配置手段により水硬性混合物中に配置されるが、この配置手段は
、回転チャネルキャリッジ140 内にあるフィラメント入口58、チャネル78、及び
ニブエンド74を備えている。フィラメントは、回転フィーダーリング104 上のス
プール108 から配置手段に送られ、回転フィーダーリング104 は、締め付けカラ
ー188 により回転チャネルキャリッジ140 に固定されている。
回転チャネルキャリッジ140 は回転チャネルキャリッジ136 と構造的に同一で
あることが示されている。回転チャネルキャリッジ140 は前部190 及び後部198
を有し、前部190 は平坦面192 及び溝168 のある凸面194 を有し、後部198 は平
坦面200 及び凹面202 を有する。前部190 の凸面194 及び後部198 の凹面202 は
互いにかみ合いの関係でボルト止めされている。
回転チャネルキャリッジ140 内にある配置手段はフィラメント入口58、チャネ
ル78、及びニブエンド74を備えている。チャネル78は、凸面194 と凹面202 がか
み合った時凸面194 の溝204 と凹面202 により形成される。フィラメントが水硬
性混合物に入る角度は、凸面194 と凹面202 のピッチを変えることにより変える
ことができる。凸面194 と凹面202 のピッチを調節し、水硬性混合物中に配置さ
れる時のフィラメントの歪みを減らしフィラメント配置チャンバー54の背圧に抗
するようにすることも可能である。
ボールベアリングアセンブリ206 は前部190 の平坦面192 内に締め付けカラー
188 により固定され、ボールベアリングアセンブリ208 は後部198 の平坦面200
内に締め付けカラー210 により固定される。ボールベアリングアセンブリ206 及
び210 はチューブ状のネック184 及びリップ186 を有する。ボールベアリングア
センブリ206 及び208 のネック184 内で回転するのは回転チャネルキャリッジ14
0のボア138 で、ボールベアリングアセンブリ206 及び208 は比較的定常のまま
である。ボールベアリングアセンブリ182 のリップ186 はボールベアリングアセ
ンブリ206 のリップ186 と共にクランプ124 内の溝の中に設置される。
回転チャネルキャリッジ136 及び回転フィーダーリング102 の構造は回転チャ
ネルキャリッジ140 及び回転フィーダーリング104 と同一であるが、回転チャネ
ルキャリッジ136 及び回転フィーダーリング102 は回転チャネルキャリッジ140
及び回転フィーダーリング104 とは反対方向に回転する。構造は同一の構成を持
つように示されているが、配置深さ、出口角度、及び巻き付け角度が変わるよう
構造が異なっていても良い。
水硬性混合物及びフィラメントは、回転チャネルキャリッジ140 のボア138
から、フィラメント配置チャンバー54の終端である出口ダイ144 のボア142 に入
る。出口ダイ144 はリップ186 を有するが、これはボールベアリングアセンブリ
208 のリップ186 と共にクランプ124 内の溝の中に設置される。ボールベアリン
グアセンブリ208 及び出口ダイ144 は回転チャネルキャリッジ140 が回転する時
比較的定常のままである。
装置50の動作において、水硬性混合物がフィラメント配置チャンバー54を通し
て押し出される時、配置手段により配置されたフィラメントは、押し出される水
硬性混合物の表面又は表面近くに粘着するので、混合物が進むにつれてフィラメ
ントが配置手段から引き抜かれる。製品のマトリックス内に配置するため、フィ
ラメントを一つのフィーダーリングにより供給し所望するフィラメント構成を得
ることもできるし、2つ以上のフィーダーリングにより供給し複数のフィラメン
ト構成を得ることもできる。フィラメントの十字交差構成は、回転フィーダーリ
ング102 及び104 と共に回転する配置手段からフィラメントが配置される時に得
られる。それに加え、水硬性マトリックス内の十字交差構成及び平行構成は、固
定フィーダーリング100 並びに回転フィーダーリング102 及び104 から配置手段
にフィラメントを供給することにより得ることができる。
図26、27、28、及び29は、装置50により、種々のフィラメント構成を持つ製品
66がパイプ状に押し出される様子を示す。フィラメント構成は図26−29に影線で
表されている。図26−29は、図22−25で示された装置50の種々の実施例とそれら
種々の実施例が製品内に種々のフィラメント構成を形成する機能を示している。
図26はパイプを示すが、フィラメントは、平行構成でこのパイプの長さ方向に
伸び、フィラメント配置チャンバー54の周りに円周状に設置され固定チャネルキ
ャリッジ214 内にある一組の固定配置手段により配置される。固定チャネルキャ
リッジ214 は切り取り図で示されている。また、図27はパイプを示すが、フィラ
メントは、ら旋構成でこのパイプの長さ方向に伸び、フィラメント配置チャンバ
ー54の周りに円周状に設置され回転チャネルキャリッジ136 内にある一組の回転
配置手段により配置される。回転チャネルキャリッジ136 は切り取り図で示され
ている。
図28はパイプを示すが、フィラメントは、十字交差構成でこのパイプの長さ方
向に伸びている。フィラメントは、回転フィーダーリング106 上にあるフィラメ
ントスプール108 から回転チャネルキャリッジ140 内にある回転配置手段へ供給
される。回転チャネルキャリッジ140 は切り取り図で示されている。回転フィー
ダーリング102 が影線で示されているが、これは、フィラメントが他の組の回転
配置手段へ供給され混合物内に配置されることを示している。図29は図28と同様
であるが、装置50は影線で示された固定フィーダーリング100 を有するように示
されており、フィラメントが一組の固定配置手段へ供給され混合物内に配置され
ることを示している。図29に示されたパイプのフィラメントは、夫々の組の配置
手段により配置され、十字交差構成及び平行構成でこのパイプの長さ方向に伸び
ている。図29に示された実施例の一つ又は2つのフィーダーリングとそれに対応
した配置手段の組を用い図26−28で示したフィラメント構成を得ることも可能で
ある。IV .好適な実施例
今日までに種々の組成を持つ種々の水硬性混合物のレオロジー的特性及び押し
出し特性を比較する多くの試験が行われた。以下に本発明にしたがって押し出し
が行われた組成の具体例を述べる。これらの実際例には、押し出し中の水硬性混
合物内にフィラメントを仮定的に配置した時の説明も含める。それに加え、押し
出された実際のミックスデザイン又は経験から以下に述べる特性が得られると期
待されるミックスデザインを基にして、多くの仮定的又は「予言的」実施例も含
められた。実際に行われた実施例の説明には過去型を用い仮定的な実施例には現
在型を用い、二つの違いを示す。
一般に、これらの実施例は水硬性混合物内にフィラメントを配置するようにさ
れる。ここで水硬性混合物は、加圧化で押し出された時の流動特性及び製品が押
し出され圧力が開放された時の形状安定性が色々な値を取るように水分欠乏及び
粒子充填密度を変化させ、さらに例えば、水硬性バインダー、骨材、繊維、レオ
ロジー調整剤、及び他の混合材の量を変化させて作成されている。
実施例 1-9
FL15002 50 gを含み、水量をいろいろ変化させた水硬性混合物を準備し、それを
ピストン押し出し機を用いダイを通して押し出した。微細シリカ砂の自然粒子充
填密度は約 0.55 で、その粒子径は約 30-50ミクロンの範囲であった。平均粒子
径が約 10-25ミクロンの範囲のポートランドセメント・タイプ1と混合した時、
それによってできた乾燥混合物の自然粒子充填密度は約 0.65 で、夫々の自然粒
子充填密度に比べ適度な増加を示しているに過ぎない。セメント及び砂の自然充
填体積は 5.504リットルで空隙部分は 1.924リットルであった。
水量は以下のように変化させ、色々の水分欠乏における混合物の押し出し性を
決定した:
実施例1及び2で、「水分欠乏(%)」の欄の括弧は過剰の水が使われたことを
表している。即ち、空隙(1.924リットル)の体積以上の水が加えられた。その結
果これらの混合物は「非常に流動的」と分類され、押し出された物体が外部から
の支持なく形状を維持するだけの十分な形状安定性のある押し出しを行えなかっ
た。同様に、実施例3及び4の流動性は実施例1及び2より小さく「非常に柔ら
かい」と分類されるが、外部からの支持なく形状を完全に維持するだけの安定性
のある押し出しは行えなかった。しかし、水量をさらに減らし、したがって水分
欠乏を増やしていくと、押し出された材料の形状安定性は増加し、押し出された
物体が外部の支持なくその形状を維持するまでになった。
実施例5の混合物は「柔らかい」と分類されたが、比較的低い圧力で良好な形
状安定性を持つ物体が押し出された。実施例6−9の混合物は、水量が減少する
につれ、押し出し圧力を増加させると押し出し可能になり、形状安定性も増加し
た。水分欠乏及び押し出し圧力を増すにつれ混合物の圧縮度も増加し、押し出さ
れた材料の粒子の充填が大きくなり密度が高くなった。硬化させた各混合物の引
っ張り強度は MPaの単位でそれぞれ、2.4 、3.1 、5.2 、15.2、28.2、30.3、32
.2、35.0、及び 38.0 であった。
混合物内にフィラメントを配置することにより、混合物及びそれを硬化させて
できる物体の特性、特に物体の引っ張り強度を大幅に変化させることができる。
ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、ポリエチレン繊維、
及び他の有機繊維を含めたいかなる繊維を用いても良い。
実施例5-9 の混合物は、ハニコム(即ち、多細胞)構造、条材、窓枠、等に押
し出すことができた。実施例6-9 の混合物はまた、種々の壁厚を持つパイプに押
し出すことができた。実施例7の混合物から押し出したパイプの壁厚はパイプの
空洞部の25% であった。また、実施例8の混合物から押し出したパイプの壁厚は
パイプの空洞部の15% であった。さらに、実施例9の混合物から押し出したパイ
プの壁厚はパイプの空洞部の10% であった。パイプをフィラメントで強化すると
この壁厚をさらに減らすことが可能である。
実施例10-13
以下の量の繊維が実施例5-9 の混合物に添加された。そこに示された百分率は
水硬性混合物の固体成分の体積に対する繊維の体積である。
実施例 繊維
10 1%
11 2%
12 3%
13 3%
添加される繊維の種類は押し出し製品の特性又は性能により決まる。しかし、
一般に繊維の引っ張り強度を増すと押し出し製品の引っ張り強度も増加する。し
かし、アスペクト比、長さ、水硬性混合物との反応性のような他の因子が、応力
や歪みが加えられた時水硬性混合物内で繊維が固定される度合い又は引き抜かれ
る度合いに影響を与える。繊維の量が増えると、硬化した物体の引っ張り強度及
び延性も増加する。しかし、フィラメントが水硬性混合物内に配置されると、物
体の引っ張り強度及び延性への繊維の寄与は比較的小さい。
実施例14
増やすことにより、粒子同志の潤滑並びに粒子と押し出し機の壁及びダイヘッド
との間の潤滑が大きくなるため、押し出し工程が容易になった。これに加え、タ
もっとも2倍までにはならなかった。混合物がフィラメントを引き抜く機能は、
性が大きく増加していないためである。
実施例15
分散剤としてスルフォン化ナフタレンホルムアルデヒド濃縮 160 gが混合物に
添加された以外、実施例1-9 で行われたのと同じ手続きが繰り返された。まず、
水硬セメント、水、分散剤、及び少なくとも骨材の一部が共に高せん断混合機を
骨材が混合物に加えられ低せん断混合機を用いて混合された。分散剤を加えたた
め同じ水量に対しより流動的な混合物が得られた。
このようにしてできた水硬性混合物は実施例1-9 の混合物に比べ低い粘性を持
つため、低い圧力で容易に押し出しができた。しかし、粘性が低くなると混合物
がフィラメントを引っ張る機能が弱くなる。それに加え、押し出した製品は実施
例1-9 から得られたものに比べ概して形状安定性に劣る。しかし、実施例1-9 と
同じ度合いの押し出し性及び形状安定性を持つ混合物を得るのに必要な水量は本
実施例では非常に少なかった。これにより、強度公式にしたがい、水硬性混合物
内の水量が少ないため強度が大きな最終硬化製品が得られた。
実施例16
シリカフューム 0.8 kg が各混合物に添加された以外、実施例1-9 及び15で行
われたのと同じ手続きが繰り返された。シリカフュームが高い比表面積を持つた
め、シリカフュームを含む混合物は、特に分散剤が添加された時には、より大き
な分散を示した。
シリカフュームが入った混合物では、同じ加工性を得るにはより多くの水が必
要と予想されるであろうが、水硬性混合物内の他の粒子と比べてシリカフューム
の粒子の大きさが極端に小さいため粒子充填密度が大幅に増加した。したがって
、混合物の空隙が非常に少なく、このため粒子を潤滑するのに必要な水量が減少
した。この結果、シリカフュームを含む混合物の押し出し性は、シリカフューム
を含まない混合物と同程度であった。しかし、シリカフュームにより混合物の降
伏応力及び凝集性は増加し、それから作られた製品の形状安定性も増加した。し
かし、フィラメントを引き抜く機能も増加し、フィラメントにかかる張力を増加
させてフィラメントの配置を制御するのがより難しくなる。フィラメントが水硬
性構造マトリックスの他の成分とより良く接触するほど、硬化した製品内のフィ
ラメントの引き抜き効果は減少する。
以下の実施例では、混合物の粒子充填密度を増加させるため、シリカ砂骨材の
粒子の大きさを増加させた。このようにして得られた大きな粒子充填密度のため
、より高い強度の押し出し製品ができた。これは、最終硬化製品の密度、したが
ってその強度を増加させるためには入手可能な最も細かな粒子を用いるのが良い
という従来の知恵に反するものである。それに反して、シリカ砂粒子の大きさを
順次増加させ、セメント粒子に対する骨材粒子の大きさの比を好ましい範囲及び
より好ましい範囲まで増加させることにより、混合物の密度を実際増加させるこ
とができた。
実施例17-36
実施例1-9 にしたがい、同じ量と種類の水硬性バインダー及び骨材が用いられ
たが、添加水量は以下のようにより細かく変化させた。
これらの実施例の混合物を押し出すために必要な押し出し圧力は実施例1-9 の
混合物を押し出すのに必要なものと同様であった。前述のように、実施例17-22
の混合物は流動的過ぎ、押し出し後適当な形状安定性が得られなかった。それに
加え、最初過剰の水分を含んでいたため、強度公式にしたがい比較的低い強度を
示した。実施例23は押し出し可能であったが、外部の支持がない時には、大きな
断面と簡単な形状を持つ製品のみしかその形状を維持できなかった。実施例24−
33の混合物は、実施例5−9の混合物に対する圧力と同じ範囲内の圧力で押し出
し可能であった。しかし、実施例34−36の混合物は発明者が用いることができた
装置では押し出すことができなかった。流動的過ぎる混合物の粘性は適当ではな
く、そのような流動的混合物にフィラメントが配置されてもフィラメントを引っ
張ることはできない。
実施例37−53
g を含み、水量をいろいろ変化させた水硬性混合物を準備し、それをピストン押
し出し機を用いダイを通して押し出した。シリカ砂の自然粒子充填密度は約 0.5
5 で、その粒子径は約 50-80ミクロンの範囲であった。平均粒子径が約 10-25ミ
クロンの範囲のポートランドセメント・タイプ1と混合した時、それによってで
きた乾燥混合物の自然粒子充填密度は約 0.7で、実施例1−9で得られたものに
比べ、夫々の自然粒子充填密度より大きな増加を示した。
水量は以下のように変化させ、色々の水分欠乏における混合物の押し出し性を
決定した:
実施例37−41で、「水分欠乏(%)」の欄の括弧は過剰の水が使われたことを表
している。前述のように、これらの混合物は「非常に流動的」で、押し出された
物体が外部からの支持なく形状を維持するだけの十分な形状安定性がある押し出
しを行えなかった。実施例42-50 の混合物は、ハニコム構造、条材、窓枠を含む
種々の形状安定な製品に押し出すことができた。実施例1−9に比べて実施例37
−53の混合物は高い粒子充填効率を持つため、水量を一定に保っても混合物の水
分欠乏は低く、したがって流動性は高く粘性は低かった。高い粒子充填のため、
フィラメントは水硬性構造マトリックスの他の成分との接触が大きくなり、この
ような混合物から形成される硬化製品中でフィラメントが強く固定される。
水分欠乏が大きくなるにつれ、より薄い壁厚のパイプを押し出すことができた
。それに加え、最終硬化押し出し製品は、それよりも低い粒子充填密度を持つ混
合物から押し出された製品に比べて高い強度を示した。これは強度公式と合致し
ている。
しかし、水量が 0.4 kg 以下になり水分欠乏が約75%以上になると、我々に手
に入る装置を用いてそれらの混合物を押し出すことはできなかった。もっとも、
より高圧の押し出し機を用いると押し出しが可能になると思われるが、そのよう
な混合物を押し出すのは実用的ではないであろう。したがって、実施例51−53の
混合物は押し出し不可能であった。
これらの実施例から、固体粒子の充填密度を増加させ、加える水量を一定に保
つことにより水分欠乏が少ない混合物ができることが分かる。これにより、同じ
水量を用い低い圧力をかけ充填が高い混合物の押し出しが可能になる。それに加
え、充填密度が増加するとフィラメントとの摩擦が増加し、混合物に配置される
フィラメントを引っ張るのが容易になる。
実施例54−67
粒子の大きさが約60−120 ミクロンの範囲にあるシリカ砂を用いた以外実施例
40−53の水硬性混合物が繰り返された。それによってできた砂とセメントの混合
物の粒子充填密度は約 0.75 であった。加える水量を実施例40−53と同様に保ち
以下の水分欠乏を持つ混合物が得られた。
前述のように、加える水量を一定に保ち粒子充填密度を増加させることにより
低い押し出し圧力で押し出しができる水硬性混合物が得られるが、これは、フィ
ラメントが混合物内に配置される時のフィラメントにかかる歪みを減らし、フィ
ラメントの張力に基づいて行う配置を制御する機能を高める。それに加え、最終
硬化押し出し製品は強度公式により高い強度を持つ。しかし、実施例54−57の混
合物は押し出し後の形状安定性に欠けているが、実施例58−65の混合物は前述し
たものを含め多くの製品に押し出しが可能である。最後に、実施例66及び67の混
合物は水分が少なく粘性が高すぎ、発明者が用いることができた装置では押し出
すことができない。また、粒子充填密度が高くなると、フィラメントが水硬性構
造マトリックスの他の成分とより良く接触するため、このような混合物から形成
される硬化製品内のフィラメントの固定はより強固になる。
実施例68−79
実施例25−36で得られた水硬性混合物で、微細シリカ砂を4kgに減らし、平均
粒子径が約1ミクロンの沈殿炭酸カルシウムを2kg加えて実施例68−79を形成し
た。これにより粒子充填密度が約 0.8の水硬性混合物が生じた。夫々の水量に対
する水分欠乏は以下の通りである。
前述のように、加える水量を一定に保ち粒子充填密度を増加させることにより
低い押し出し圧力で押し出しができる水硬性混合物が得られるが、これは、フィ
ラメントが混合物内に配置される時のフィラメントにかかる歪みを減らし、フィ
ラメントの張力に基づいて行う配置を制御する機能を高める。それに加え、最終
硬化押し出し製品は強度公式により高い強度を持つ。また、粒子充填密度が高く
なると、フィラメントが水硬性構造マトリックスの他の成分とよりよく接触する
ため、このような混合物から形成される硬化製品内のフィラメントの固定はより
強固になる。
実施例80−89
実施例44−53で得られた水硬性混合物で、微細シリカ砂を 4 kg に減らし、平
均粒子径が約1ミクロンの沈殿炭酸カルシウムを 2 kg 加えて実施例80−89を形
成した。これにより粒子充填密度が約 0.85の水硬性混合物が生じた。夫々の水
量に対する水分欠乏は以下のとおりである。
前述のように、加える水量を一定に保ち粒子充填密度を増加させることにより
低い押し出し圧力で押し出しができる水硬性混合物が得られるが、これは、フィ
ラメントが混合物内に配置される時のフィラメントにかかる歪みを減らし、フィ
ラメントの張力に基づいて行う配置を制御する機能を高める。それに加え、最終
硬化押し出し製品は強度公式により高い強度を持つ。
また、粒子充填密度が高くなると、フィラメントが水硬性構造マトリックスの
他の成分とよりよく接触するため、このような混合物から形成される硬化製品内
のフィラメントの固定はより強固になる。
実施例90−95
実施例62−67で得られた水硬性混合物で、微細シリカ砂を4kgに減らし、平均
粒子径が約1ミクロンの沈殿炭酸カルシウムを2kg加えて実施例90−95を形成し
た。これにより粒子充填密度が約 0.9の水硬性混合物が生じた。夫々の水量に対
する水分欠乏は以下の通りである。
前述のように、加える水量を一定に保ち粒子充填密度を増加させることにより
低い押し出し圧力で押し出しができる水硬性混合物が得られるが、これは、フィ
ラメントが混合物内に配置される時のフィラメントにかかる歪みを減らし、フィ
ラメントの張力に基づいて行う配置を制御する機能を高める。それに加え、最終
硬化押し出し製品は強度公式により高い強度を持つ。
また、粒子充填密度が高くなると、フィラメントが水硬性構造マトリックスの
他の成分とよりよく接触するため、このような混合物から形成される硬化製品内
のフィラメントの固定はより強固になる。
実施例96
平均粒子径を小さくするが粒子充填密度及び水分欠乏のレベルは維持すること
以外、実施例1−9で行われたのと同じ手続きが繰り返された。このようにして
できた水硬性混合物はより大きな擬可塑性を示した。言い換えると、小さな平均
粒子径を持つ混合物の見掛けの粘性は同じせん断速度に対して小さくなり、降伏
応力は大きくなる。これにより、低い圧力で押し出し可能であるが大きな形状安
定性を示す混合物が得られる。低い圧力下での押し出しは、フィラメントが混合
物内に配置される時のフィラメントにかかる歪みを減らし、フィラメントの張力
に基づいて行う配置を制御する機能を高める。このような混合物の形状安定性は
混合物内にフィラメントを配置することにより著しく大きくなる。
実施例97
実施例90−95の手続きが繰り返されるが、この実施例では押し出し製品は、40
0°C、圧力24バールの耐圧器内で12時間硬化される。最終硬化製品の圧縮強度
は約800 MPa で、引っ張り張力は約 100 MPaである。最終硬化製品の引っ張り張
力は混合物内にフィラメントを配置することにより著しく大きくなる。
実施例98
のと同じ手続きが繰り返される。できた水硬性混合物の流動性は大きくなり、混
合物がフィラメントを引っ張る機能には大きな影響を与えず良好な表面仕上を持
つ押し出し製品が得られる。強度特性はほぼ同じである。
実施例99
潤滑剤としてステアリン酸カルシウム又はステアリン酸マグネシウムが25g 添
加される以外、実施例1-9 で行われたのと同じ手続きが繰り返される。できた水
硬性混合物の流動性は大きくなり、混合物がフィラメントを引っ張る機能には大
きな影響を与えず良好な表面仕上を持つ押し出し製品が得られる。強度特性はほ
ぼ同じである。
実施例100
潤滑剤として平均分子量約35,000のポリエチレングリコールが25g 添加される
以外、実施例1-9 で行われたのと同じ手続きが繰り返される。できた水硬性混合
物の流動性は大きくなり、混合物がフィラメントを引っ張る機能には大きな影響
を与えず良好な表面仕上を持つ押し出し製品が得られる。強度特性はほぼ同じで
ある。
実施例101
以下の成分を用いて押し出し可能な水硬性混合物が形成される。
フライアッシュ 90 g
ポートランドセメント 10 g
NaOH 10 g
水 20 g
水酸化ナトリウムは水硬性混合物の溶液相のpHを約14にまで上げ、それにより
フライアッシュが活性化され水硬性バインダーの振る舞いを示す。最終硬化製品
の圧縮強度及び引っ張り強度を夫々約20 MPa及び約105 MPa にまで上げるためポ
ートランドセメントが添加される。フライアッシュは安価なため、本実施例の混
合物は、ポートランドセメントと従来の骨材を多く含むものより安価になる。勿
論、低い強度ですむ場合には、ポートランドセメントをさらに減らすか若しくは
ゼロにしても良い。フライアッシュはさらに、フィラメントとの摩擦を増加させ
、これにより混合物がフィラメントを引っ張る機能が増し水硬性構造マトリック
ス中にフィラメントをより堅く固定する。
実施例102
以下の成分を用いて押し出し可能な水硬性混合物が形成される。
これらの成分を高速混合機を用いて10分間混合して非常に均質な水硬性混合物
を形成する。その後、混合物は多細胞構造に押し出される。その一つは「ハニカ
ム」構造で、これは、特に押し出し製品のオープンセルの性質に照らすと、非常
に高い圧縮強度を持つ。
この硬化した材料は多細胞構造のため同じ水硬性混合物から作られる中が詰ま
った同様な物体に比べはるかに軽量である。多細胞構造のブロック密度はただの
1.02 g/cm3 である。その上、硬化材料の圧縮強度は約75 MPaで、引っ張り強度
は約 2 8MPa である。多細胞構造の空間の量により、ブロック密度は約 0.5 g/c
m3から約 1.6 g/cm3の範囲に簡単に入る。混合物内にフィラメントを配置するこ
とにより引っ張り強度を大幅に上げることが可能であり、ブロック密度をさらに
引き下げることも可能になる。
実施例103-105
アバカ繊維を以下に示すように種々な量(体積%)添加することを除き実施例
102 と同様にして押し出し可能な水硬性混合物が形成される。
実施例 アバカ繊維
103 1%
104 2%
105 3%
この結果できた押し出し多細胞構造は、実施例102 の構造に比べ、生状態及び
硬化した後の強度が大きくなる。さらに、これらの実施例で形成された多細胞構
造は、延性が増し、脆さが少なくなる。特に水硬性混合物に添加される繊維が増
えるとこの傾向が強い。混合物内にフィラメントを配置するとさらに構造の延性
が増え、脆さが減少する。
実施例106-108
ガラス繊維を以下に示すように種々な量(体積%)添加することを除き実施例10
2 と同様にして押し出し可能な水硬性混合物が形成される。
実施例 ガラス繊維
106 1%
107 2%
108 3%
この結果できた押し出し多細胞構造は、実施例102 の構造に比べ、生状態及び
硬化した後の強度が大きくなる。さらに、これらの実施例で形成された多細胞構
造は、延性が増し、脆さが少なくなる。同様に、混合物内にフィラメントを配置
すると大幅に延性が増え、脆さが減少する。
以下の例は、以下の変数が変化する時押し出された水硬性混合物の強度が増え
るか減るかを示す。それらの変数は、粒子充填密度、水/セメント比、及び、混
合物の固体成分に対するセメントの百分率である。
実施例109-114
ポートランドセメント1.0 kg及び砂 6.0 kg を含む押し出し可能な水硬性混合
物が形成される。各混合物においてポートランドセメントは乾燥した混合物の 1
4.3 重量%含まれている。砂粒子の大きさは、混合物の粒子充填密度が 0.05 毎
に 0.65 から 0.90 まで変化するように変化させてある。それに加え、添加水量
を変化させ、所望する水分欠乏を持つ混合物ができるようにする。最初の実施例
の組では水分欠乏は50%である。
以下に示すように、ポートランドセメント及び砂の重量%が一定な水硬性混合
物の圧縮強度は次のいずれかの場合に増加する。即ち、(1)水分欠乏を一定に保
ち粒子充填密度を増やす、又は(2)充填密度を一定に保ち水分欠乏を増やす場
合である。水量は kg 単位、圧縮強度は MPa単位で表される。「W/C比」とは水
/セメント比のことである。
これらの実施例は、押し出された製品の強度が、粒子充填密度が増えるにした
がい、セメントと砂の絶対量が一定に保たれていても、大きくなることをはっき
りと示している。これは、粒子充填密度が増えると空気及び水の量が両者とも減
少する故、強度公式との相関を示す。しかし、水分欠乏が一定に保たれているた
め、混合物の加工性はよく似た値をもち、したがって同様な押し出し圧力を用い
て押し出し可能であろう。充填密度が増加するとフィラメントと水硬性構造マト
リックスの他の成分との摩擦が増加し、これにより混合物がフィラメントを引っ
張る機能が増し水硬性構造マトリックス中にフィラメントをより堅く固定する。
実施例115-120
60%の水分欠乏が得られるように実施例109-114 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例109-114 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は水量が減るにしたがって増加する。水量を減らすと
圧縮強度が増加することは、フィラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が
減少する傾向を相殺するために有用であろう。
実施例121-126
70%の水分欠乏が得られるように実施例109-114 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例109-114 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は水量が減るにしたがって増加する。水量を減らすと
圧縮強度が増加することは、フィラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が
減少する傾向を相殺するために有用であろう。
実施例127-132
80%の水分欠乏が得られるように実施例109-114 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例109-114 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は水量が減るにしたがって増加する。水量を減らすと
圧縮強度が増加することは、フィラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が
減少する傾向を相殺するために有用であろう。
実施例133-138
90%の水分欠乏が得られるように実施例109-114 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例109-114 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は水量が減るにしたがって増加する。実施例109-138
で得られた結果を比較すると、強度と水硬性混合物内の水の絶対量との間に密接
な関係があることが分かる。このことは、混合物が与えられた時高強度と加工性
を同時に得るようにするには、加圧下で混合物の流動性を増加させるために水量
を増加させるより粒子充填密度を上げるのが有利であることを示している。
以下の実施例の組は、ポートランドセメントの量が乾燥混合物の25重量%に増
やされる以外は、実施例109-138 と実質的に同じである。これらの実施例の目的
は、水硬性バインダーの量を増やすしても少し強度が増すだけであるが、粒子充
填密度を増やし且つ混合物内の水量を減らすことにより非常に大きな強度の増加
を達成できることを示すためである。
実施例139-144
ポートランドセメント2.0 kg、砂 6.0 kg を含んだ押し出し可能な水硬性混合
物が形成される。砂粒子の大きさは、混合物の粒子充填密度が 0.05 毎に 0.65
から 0.90 まで変化するように変化させてある。それに加え、添加水量を変化さ
せ、所望する水分欠乏を持つ混合物ができるようにする。最初の実施例の組では
水分欠乏は50%である。
水硬性混合物の圧縮強度は水量が減るにしたがって増加する。水量を減らすと
圧縮強度が増加することは、フィラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が
減少する傾向を相殺するために有用であろう。
実施例145-150
60%の水分欠乏が得られるように実施例138-139 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例138-139 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は水量が減るにしたがって増加する。水量を減らすと
圧縮強度が増加することは、フィラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が
減少する傾向を相殺するために有用であろう。
実施例151-156
70%の水分欠乏が得られるように実施例138-139 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例138-139 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は水量が減るにしたがって増加する。水量を減らすと
圧縮強度が増加することは、フィラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が
減少する傾向を相殺するために有用であろう。
実施例157-162
80%の水分欠乏が得られるように実施例138-139 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例138-139 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は水量が減るにしたがって増加する。水量を減らすと
圧縮強度が増加することは、フィラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が
減少する傾向を相殺するために有用であろう。
実施例163-168
90%の水分欠乏が得られるように実施例138-139 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例138-139 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は、粒子充填が増加し水量が減るにしたがって増加す
る。実施例139-168 は、強度と水硬性混合物内の水の絶対量との間に密接な関係
があることを示している。実施例139-168 の混合物内のポートランドセメントの
量を増やすと混合物の全体の強度は増加するが、この増加は、粒子充填密度を増
やし且つ混合物内の水量を減らすことにより得られる強度の増加よりも小さい。
以下の実施例の組は、ポートランドセメントの量が乾燥混合物の33重量%に増
やされる以外は、実施例139-168 と実質的に同じである。
実施例169-174
ポートランドセメント3.0 kg、砂 6.0 kg を含んだ押し出し可能な水硬性混合
物が形成される。砂粒子の大きさは、混合物の粒子充填密度が 0.05 毎に 0.65
から 0.90 まで変化するように変化させてある。それに加えて、添加水量を変化
させ、所望する水分欠乏を持つ混合物ができるようにする。最初の実施例の組で
は水分欠乏は50%である。
水硬性混合物の圧縮強度は水量が減るにしたがって増加する。水量を減らすと
圧縮強度が増加することは、フィラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が
減少する傾向を相殺するために有用であろう。
実施例175-180
60%の水分欠乏が得られるように実施例169-174 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例169-174 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は水量が減るにしたがって増加する。水量を減らすと
圧縮強度が増加することは、フィラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が
減少する傾向を相殺するために有用であろう。
実施例181-186
70%の水分欠乏が得られるように実施例169-174 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例169-174 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は水量が減るにしたがって増加する。水量を減らすと
圧縮強度が増加することは、フィラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が
減少する傾向を相殺するために有用であろう。
実施例187-192
80%の水分欠乏が得られるように実施例169-174 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例169-174 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は水量が減るにしたがって増加する。水量を減らすと
圧縮強度が増加することは、フィラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が
減少する傾向を相殺するために有用であろう。
実施例193-198
90%の水分欠乏が得られるように実施例169-174 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例169-174 の組成が繰り返される。
実施例169-198 の異なった組成の強度を粒子充填の関数として比較すると、強
度と水硬性混合物内の水の絶対量との間に密接な関係があることが分かる。実施
例169-198 の混合物内のポートランドセメントの量を増やすと混合物の全体の強
度が増加するが、この増加は、粒子充填密度を増やし且つ混合物内の水量を減ら
すことにより得られる強度の増加よりも小さい。
以下の実施例の組は、ポートランドセメントの量が乾燥混合物の40重量%に増
やされる以外は、実施例169-198 と実質的に同じである。
実施例199-204
ポートランドセメント4.0 kg、砂 6.0 kg を含んだ押し出し可能な水硬性混合
物が形成される。砂粒子の大きさは、混合物の粒子充填密度が 0.05 毎に 0.65
から 0.90 まで変化するように変化させてある。それに加えて、添加水量を変化
させ、所望する水分欠乏を持つ混合物ができるようにする。最初の実施例の組で
は水分欠乏は50%である。
水硬性混合物の圧縮強度は、粒子充填が増加し且つ水量が減るにしたがって増
加する。粒子充填を増加し且つ水量を減らすと圧縮強度が増加することは、フィ
ラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が減少する傾向を相殺するために有
用であろう。
実施例205-210
60%の水分欠乏が得られるように実施例199-204 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例199-204 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は、粒子充填が増加し且つ水量が減るにしたがって増
加する。粒子充填を増加し且つ水量を減らすと圧縮強度が増加することは、フィ
ラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が減少する傾向を相殺するために有
用であろう。
実施例211-216
70%の水分欠乏が得られるように実施例199-204 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例199-204 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は、粒子充填が増加し且つ水量が減るにしたがって増
加する。粒子充填を増加し且つ水量を減らすと圧縮強度が増加することは、フィ
ラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が減少する傾向を相殺するために有
用であろう。
実施例217-222
80%の水分欠乏が得られるように実施例199-204 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例199-204 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は、粒子充填が増加し且つ水量が減るにしたがって増
加する。粒子充填を増加し且つ水量を減らすと圧縮強度が増加することは、フィ
ラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が減少する傾向を相殺するために有
用であろう。
実施例223-228
90%の水分欠乏が得られるように実施例199-204 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例199-204 の組成が繰り返される。
実施例199-228 の異なった組成の強度を粒子充填の関数として比較すると、
強度と水硬性混合物内の水の絶対量との間に密接な関係があることが分かる。実
施例199-228 の混合物内のポートランドセメントの量を増やすと混合物の全体の
強度を増加させるが、この増加は、粒子充填密度を増やし且つ混合物内の水量を
減らすことにより得られる強度の増加よりも小さい。
以下の実施例の組は、ポートランドセメントの量が乾燥混合物の45.5重量%に
増やされる以外は、実施例199-228 と実質的に同じである。
実施例229-234
ポートランドセメント5.0 kg、砂 6.0 kg を含んだ押し出し可能な水硬性混合
物が形成される。砂粒子の大きさは、混合物の粒子充填密度が 0.05 毎に 0.65
から 0.90 まで変化するように変化させてある。それに加えて、添加水量を変化
させ、所望する水分欠乏を持つ混合物ができるようにする。最初の実施例の組で
は水分欠乏は50%である。
水硬性混合物の圧縮強度は、粒子充填が増加し且つ水量が減るにしたがって増
加する。粒子充填を増加し且つ水量を減らすと圧縮強度が増加することは、フィ
ラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が減少する傾向を相殺するために有
用であろう。
実施例235-240
60%の水分欠乏が得られるように実施例229-234 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例229-234 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は、粒子充填が増加し且つ水量が減るにしたがって増
加する。粒子充填を増加し且つ水量を減らすと圧縮強度が増加することは、フィ
ラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が減少する傾向を相殺するために有
用であろう。
実施例241-246
70%の水分欠乏が得られるように実施例229-234 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例229-234 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は、粒子充填が増加し且つ水量が減るにしたがって増
加する。粒子充填を増加し且つ水量を減らすと圧縮強度が増加することは、フィ
ラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が減少する傾向を相殺するために有
用であろう。
実施例247-252
80%の水分欠乏が得られるように実施例229-234 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例229-234 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は、粒子充填が増加し且つ水量が減るにしたがって増
加する。粒子充填を増加し且つ水量を減らすと圧縮強度が増加することは、フィ
ラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が減少する傾向を相殺するために有
用であろう。
実施例253-258
90%の水分欠乏が得られるように実施例229-234 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例229-234 の組成が繰り返される。
実施例229-258 の異なった組成の強度を粒子充填の関数として比較すると、強
度と水硬性混合物内の水の絶対量との間に密接な関係があることが分かる。実施
例229-258 の混合物内のポートランドセメントの量を増やすと混合物の全体の強
度を増加させるが、この増加は、粒子充填密度を増やし且つ混合物内の水量を減
らすことにより得られる強度の増加よりも小さい。
以下の実施例の組は、ポートランドセメントの量が乾燥混合物の50重量%に増
やされる以外は、実施例229-258 と実質的に同じである。
実施例259-264
ポートランドセメント6.0 kg、砂 6.0 kg を含んだ押し出し可能な水硬性混合
物が形成される。砂粒子の大きさは、混合物の粒子充填密度が 0.05 毎に 0.65
から 0.90 まで変化するように変化させてある。それに加えて、添加水量を変化
させ、所望する水分欠乏を持つ混合物ができるようにする。最初の実施例の組で
は水分欠乏は50%である。
水硬性混合物の圧縮強度は、粒子充填が増加し且つ水量が減るにしたがって増
加する。粒子充填を増加し且つ水量を減らすと圧縮強度が増加することは、フィ
ラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が減少する傾向を相殺するために有
用であろう。
実施例265-270
60%の水分欠乏が得られるように実施例259-264 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例259-264 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は、粒子充填が増加し且つ水量が減るにしたがって増
加する。粒子充填を増加し且つ水量を減らすと圧縮強度が増加することは、フィ
ラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が減少する傾向を相殺するために有
用であろう。
実施例271-276
70%の水分欠乏が得られるように実施例259-264 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例259-264 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は、粒子充填が増加し且つ水量が減るにしたがって増
加する。粒子充填を増加し且つ水量を減らすと圧縮強度が増加することは、フィ
ラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が減少する傾向を相殺するために有
用であろう。
実施例277-282
80%の水分欠乏が得られるように実施例259-264 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例259-264 の組成が繰り返される。
水硬性混合物の圧縮強度は、粒子充填が増加し且つ水量が減るにしたがって増
加する。粒子充填を増加し且つ水量を減らすと圧縮強度が増加することは、フィ
ラメントを加えると最終硬化製品の圧縮強度が減少する傾向を相殺するために有
用であろう。
実施例283-288
90%の水分欠乏が得られるように実施例259-264 の夫々において水量を減らす
以外は実質的に実施例259-264 の組成が繰り返される。
実施例259-288 の異なった組成の強度を粒子充填の関数として比較すると、強
度と水硬性混合物内の水の絶対量との間に密接な関係があることが分かる。実施
例259-288 の混合物内のポートランドセメントの量を増やすと混合物の全体の強
度を増加させるが、この増加は、粒子充填密度を増やし且つ混合物内の水量を減
らすことにより得られる強度の増加よりも小さい。
実施例の次の組は、二成分系(即ち、ポートランドセメント及び砂)全体の粒
子充填密度が砂成分及びポートランドセメント成分の夫々の自然充填密度にどの
ように影響されるかを示す。これらの実施例に含まれた情報を用いて当業者は実
施例109-288 で説明した組成の粒子充填を持つ水硬性混合物を設計することがで
きる。以下に示すように、全体の粒子充填密度は、セメント及び砂成分の個々の
自然充填密度に影響されるだけでなく、セメント及び砂成分の平均粒径にも影響
される。
異なった砂骨材が同一の平均径を持つにもかかわらず充填密度が大きく異なっ
ている場合もある。ある平均径を持つ骨材の自然充填密度は、粒子径の分布の仕
方によって大きくなったり小さくなったりする。一般に、ある骨材が与えられた
時、粒子間の大きさの変化が大きいほど自然充填密度は大きくなる。
実施例289-294
ポートランドセメント1.0 kg、砂 6.0 kg を含んだ水硬性混合物が形成される
。これは乾燥成分の重量%で、セメント 14.3%、砂骨材85.7%に対応する。ポー
トランドセメントの平均粒子の大きさは15ミクロンで、自然充填密度は 0.580で
ある。平均径を基にして分類した5種類の砂骨材が選ばれ、乾燥混合物の所望す
る全体充填密度が得られるようにする。これら5種類の骨材は、「骨材1」、「
骨材2」、等と呼ばれ、夫々の平均粒径は、0.1 mm、0.2 mm、0.5 mm、1.0 mm,
1.25 mm である。
これら5種類の砂骨材の夫々は、以下に述べるように、自然充填密度を基にし
てさらに区別される。以下の表は、異なった粒子充填密度を持つ5種類の骨材と
前述したポートランドセメントとの混合が全体の粒子充填密度に与える効果を示
している。各「骨材」の欄の数字はその骨材の自然充填密度を表す。また「充填
密度」は全体の粒子充填密度である。
これらの実施例から分かるように、全体の粒子充填密度を大きくするには、骨
材の平均径を一定に保ち骨材の自然充填密度を増やすか、又は、自然充填密度を
一定に保ち骨材の平均径を増やすれば良い。後者の方法を用いて得られる充填効
果の増加は、平均骨材粒子の大きさとセメント粒子の大きさとの違いが増大する
ことに起因する。しかし、ある骨材の自然充填密度を変化させる方が全体の充填
密度をより大きくすることができるようである。充填密度が増加するとフィラメ
ントと水硬性構造マトリックスの他の成分との摩擦が増加し、これにより混合物
がフィラメントを引っ張る機能が増し水硬性構造マトリックス中にフィラメント
をより堅く固定する。
実施例295-298
水硬性混合物がポートランドセメント2.0 kg、砂骨材 6.0 kg を含むこと以外
実施例289-294 で説明された組成、手順、仮定がそのまま繰り返される。この混
合物は全乾燥成分の重量%で、セメント 25 %、砂骨材75%に対応する。以下の
実施例のポートランドセメント及び5種類の砂骨材の平均粒子の大きさは実施例
289-294 と同様である。
これらの実施例で示されるように、ポートランドセメントの量が増えると、全
体の充填密度が高い混合物を二成分系から作るのが困難になる。これは砂骨材に
比較してポートランドセメントの粒子の大きさが一般的に均一なためである。一
般に粒子の均一性がよければ高い粒子充填密度が得にくくなる。
実施例299-302
水硬性混合物がポートランドセメント3.0 kg、砂骨材 6.0 kg を含むこと以外
実施例289-294 で説明された組成、手順、仮定がそのまま繰り返される。この混
合物は全乾燥成分の重量%で、セメント33.3%、砂骨材66.7%に対応する。以下
の実施例のポートランドセメント及び5種類の砂骨材の平均粒子の大きさは実施
例289-294 と同様である。
実施例303-305
水硬性混合物がポートランドセメント4.0 kg、砂骨材 6.0 kg を含むこと以
外実施例289-294 で説明された組成、手順、仮定がそのまま繰り返される。この
混合物は全乾燥成分の重量%で、セメント 40%、砂骨材60%に対応する。以下の
実施例のポートランドセメント及び5種類の砂骨材の平均粒子の大きさは実施例
289-294 と同様である。
実施例306-308
水硬性混合物がポートランドセメント5.0 kg、砂骨材 6.0 kg を含むこと以外
実施例289-294 で説明された組成、手順、仮定がそのまま繰り返される。この混
合物は全乾燥成分の重量%で、セメント 45.5%、砂骨材54.5%に対応する。以下
の実施例のポートランドセメント及び5種類の砂骨材の平均粒子の大きさは実施
例289-294 と同様である。
実施例309-310
水硬性混合物がポートランドセメント6.0 kg、砂骨材 6.0 kg を含むこと以外
実施例289-294 で説明された組成、手順、仮定がそのまま繰り返される。この混
合物は全乾燥成分の重量%で、セメント 50 %、砂骨材50%に対応する。以下の
実施例のポートランドセメント及び5種類の砂骨材の平均粒子の大きさは実施例
289-294 と同様である。
実施例311-316
ら旋状に巻き付けられたフィラメントを含んだ水硬性製品が従来のフィラメン
ト巻き付け法を用いて作られた(即ち、生の水硬性混合物がマンドレルの周りに
チューブの形状に作られ、その後混合物内部の周り及び内部にフィラメントが巻
き付けられた。)水硬性製品の周り及び内部に巻かれたフィラメントの比率を少
しづつ増やしていったが、巻き付け角度は45°に固定し、フィラメントが巻かれ
た製品の破裂強度に対するフィラメント濃度の効果を測定した。以下に数量化し
ているように、フィラメントの最初の3%の導入により破裂強度は飛躍的に大き
くなった。その後、フィラメントの比率が増えていくに伴い破裂強度も増えるが
、その増え方は緩やかである。
各製品の破裂強度が各製品の周り及び内部に巻かれたフィラメントの比率の関
数としてプロットされ図30に示されている。
前述のことから、同様なミックスデザイン及びフィラメントを用いまた本発明
の方法及び装置を用いて形成された製品は、従来のフィラメント巻き付け法を用
いて形成された製品と比較して同じかそれ以上の破裂強度を持つことが期待され
るであろう。押し出し製品の優れた圧縮、充填、及び低い多孔性に起因して水硬
性構造マトリックスとフィラメント間のインターフェースが向上するため、本発
明で形成される製品の破裂強度はそれ以上に大きくなることが期待される。それ
に加え、製品は押し出されるため表面の品質がより優れていることが期待される
であろう。
実施例317-319
ら旋状に巻き付けられたフィラメントを含んだ水硬性製品が、実施例311-316
で説明された従来のフィラメント巻き付け法を用いて作られた。しかし、フィラ
メントの濃度を3.0%に固定し、巻き付け角度を35°、45°、及び65°と変化させ
、フィラメントを巻き付けた製品の破裂強度に与える巻き付け角度の効果を調べ
た。以下に見るように、巻き付け角度が増えるにしたがい製品の破裂強度は飛躍
的に大きくなった。
各製品の破裂強度が水硬性構造マトリックスのフィラメントの巻き付け角度の
関数としてプロットされ図31に示されている。
前述のことから、同様なミックスデザイン及びフィラメントを用いまた本発明
の方法及び装置を用いて形成された製品は、従来のフィラメント巻き付け法を用
いて形成された製品と比較して同じかそれ以上の破裂強度を持つことが期待され
るであろう。押し出し製品の優れた圧縮、充填、及び低い多孔性に起因して水硬
性構造マトリックスとフィラメント間のインターフェースが向上するため、本発
明で形成される製品の破裂強度はそれ以上に大きくなることが期待される。それ
に加え、製品は押し出されるため表面の品質がより優れていることが期待される
であろう。
実施例320-324
ら旋状に巻き付けたフィラメントを含んだ水硬性製品が、実施例311-316 で説
明された従来のフィラメント巻き付け法を用いて作られた。水硬性製品の周り及
び内部に巻かれたフィラメントの比率を少しづつ増やしていったが、巻き付け角
度は45°に固定し、フィラメントが巻かれた製品の弾性率に対するフィラメント
濃度の効果を測定した。以下に数量化しているように、フィラメントの百分率が
増加するにしたがい、弾性率は安定した大きな増加を示した。
各製品の水硬性構造マトリックスの周り及び内部に巻かれたフィラメントの比
率の関数として各製品の弾性率がプロットされ図32に示されている。
前述のことから、同様なミックスデザイン及びフィラメントを用いまた本発明
の方法及び装置を用いて形成された製品は、従来のフィラメント巻き付け法を用
いて形成された製品と比較して同じかそれ以上の弾性率を持つことが期待される
であろう。押し出し製品の優れた圧縮、充填、及び低い多孔性に起因して水硬性
構造マトリックスとフィラメント間のインターフェースが向上するため、本発明
で形成される製品の弾性率はそれ以上に大きくなることが期待される。それに加
え、製品は押し出されるため表面の品質がより優れていることが期待されるであ
ろう。
実施例325-329
ら旋状に巻き付けたフィラメントを含んだ水硬性製品が、実施例311-316 で説
明された従来のフィラメント巻き付け法を用いて作られた。しかし、フィラメン
トの濃度を3.0%に固定し、巻き付け角度を35°、45°、55°、65°、及び75°と
変化させ、フィラメントを巻き付けた製品の弾性率に与える巻き付け角度の効果
を調べた。以下に数量化しているように、巻き付け角度が65°まで増えるにした
がい製品の弾性率は飛躍的に大きくなったが、その後巻き付け角度を75°に増す
と、増加率は少し落ちるがそれでも大きな増加を示した。
各製品の水硬性構造マトリックスの周り及び内部に巻かれたフィラメントの角
度の関数として各製品の弾性率がプロットされ図32に示されている。
前述のことから、同様なミックスデザイン及びフィラメントを用いまた本発明
の方法及び装置を用いて形成された製品は、従来のフィラメント巻き付け法を用
いて形成された製品と比較して同じかそれ以上の弾性率を持つことが期待される
であろう。押し出し製品の優れた圧縮、充填、及び低い多孔性に起因して水硬性
構造マトリックスとフィラメント間のインターフェースが向上するため、本発明
で形成される製品の弾性率はそれ以上に大きくなることが期待される。それに加
え、製品は押し出されるため表面の品質がより優れていることが期待されるであ
ろう。V.まとめ
前述のことから、本発明は、公知の水硬性組成の固有の強度及び成型性に制限
があるため今まで不可能であった製品及び形状に水硬性材料を押し出す工程中に
フィラメントを同時に配置する組成、方法、及び装置を提供する。
それに加え、本発明は、従来の水硬性材料に比べ引っ張り強度/圧縮強度比が
大きな水硬性製品内にフィラメントを配置し水硬性製品を押し出しするための組
成、方法、及び装置を提供する。
本発明は、水硬性混合物を連続的に押し出しその中へフィラメントを同時に配
置し、押し出された製品又は形状が、押し出しダイから出てきた時の生状態で即
座に形状安定(即ち、外部支持無しでその形状を維持するのに十分な強度を持っ
た状態)になるような機能を持たせる組成、方法、及び装置を提供する。
本発明はさらに、押し出される水硬性混合物内に種々の濃度でフィラメントを
連続的に配置することを可能にする組成、方法、及び装置を提供する。
それに加えて、本発明は、押し出される製品の軸方向に関して種々の異なった
配向即ち角度で水硬性混合物内に連続フィラメントを配置することを可能にする
。
本発明はさらに、非常に大きな周強度又は破壊強度を持つ形状安定なパイプや
チューブを押し出すことが可能な組成、方法、及び装置を提供する。
本発明はさらに、連続的に配置されたフィラメントの周り及びその中にセメン
ト性混合物を有効に圧縮し充填し、内部空隙又は欠陥の数及び体積を最小にしそ
れにより実質的に均一で安定して高強度の硬化した水硬性構造マトリックスが得
られる組成、方法、及び装置を提供する。
それに加え、本発明は、フィラメントが連続的に配置される押し出された水硬
性製品であり、セメント性材料にフィラメントを巻く従来の方法に比較して優れ
た表面特性をもち表面欠陥が非常に少ない水硬性製品が作られる組成、方法、及
び装置を提供する。
本発明はさらに、高度に厳しい許容値又は寸法精度を要する製品を含む種々の
壁厚の薄い水硬性製品を作られる組成、方法、及び装置を提供する。
本発明はさらに、プラスチック、粘土、金属、木材のような従来の材料から現
在製造されている製品に置き代わる水硬性製品を押し出しその中にフィラメント
を配置するために用いることが可能な組成、方法、及び装置を提供する。
それに加え、本発明は、粘土に類似したレオロジーを持ち且つプラスチック状
の振る舞いをし、粘土押し出し機を用いて押し出しができる水硬性組成を提供す
る。
最後に、本発明は、プラスチック、粘土、金属、又は木材からできる製品の製
造コストと同程度又はそれに勝るコスト及び生産速度で(即ち大量に)多種にわ
たる水硬性製品を連続的に製造することが可能な組成、方法、及び装置を提供す
る。
本発明は、その精神及び本質的性質から逸脱することなく他の形式で実現でき
るかもしれない。上述した実施例は、全ての点に於いて例としてのみ考えられる
べきであって、いかなる制限をも与えるものではない。それ故、本発明の範囲は
、前記の説明ではなく以下の特許請求項により示されている。請求項が意味する
範囲内及び等価である範囲内での修正はそれら請求項の範囲に含まれるものとす
る。
【手続補正書】
【提出日】1997年4月7日
【補正内容】
1.請求の範囲を次の通り補正する。
「 請求の範囲
1.工業製品として押し出される水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、
加圧下で押し出される時にはダイを通って流動しまたダイを出た時には即座
に形状安定になる水硬性混合物が形成されるように、水硬性バインダー、骨材材
料、レオロジー調整剤、及び水を相対的比率で混合する工程と、
該水硬性混合物を加圧下でダイを通して押し出し、該水硬性混合物がダイを
通して押し出される時該水硬性混合物内に少なくとも1本のフィラメントを連続
的に配置し、ダイを出た時には即座に形状安定になりまた少なくとも1本のフィ
ラメントを含む押し出し製品を形成する工程と、及び
工業製品の水硬性マトリックスを形成するため押し出された該水硬性混合物
を硬化させる工程とを、
有することを特徴とする方法。
2.請求の範囲1に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該ダイは縦軸を含み、該配置手段により該ダイの縦軸に対して一般
に平行配向な1本のフィラメントを含む製品が得られることを特徴とする方法。
3.請求の範囲1に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該ダイは縦軸を含み、該配置工程は、少なくとも1本のフィラメン
トを、該フィラメントが該縦軸に対し約5°以上の巻き付け角度を有するように
水硬性混合物内に巻き付ける工程を含むことを特徴とする方法。
4.請求の範囲3に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該フィラメントは該縦軸に対し約35°以上の巻き付け角度を有する
ことを特徴とする方法。
5.請求の範囲3に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該フィラメントは該縦軸に対し約50°以上の巻き付け角度を有する
ことを特徴とする方法。
6.請求の範囲3に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該フィラメントは該縦軸に対し約75°以上の巻き付け角度を有する
ことを特徴とする方法。
7.請求の範囲1に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該ダイは縦軸を含み、該配置工程により、一般に平行配向を有する
フィラメント及び該縦軸に対し約5°以上の巻き付け角度を有する他のフィラメ
ントを有する製品が得られることを特徴とする方法。
8.請求の範囲1に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該水硬性バインダーはポートランドセメントを含むことを特徴とす
る方法。
9.請求の範囲1に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該製品は、円形、矩形、正方形、楕円系、又は三角形の断面を有す
ることを特徴とする方法。
10.請求の範囲1に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該製品は窓枠を含むことを特徴とする方法。
11.請求の範囲1に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該製品はチューブ状の物体を含むことを特徴とする方法。
12.請求の範囲1に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該製品はシートを含むことを特徴とする方法。
13.工業製品として押し出される水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、
加圧下で押し出される時にはダイを通って流動しまたダイを出た時には即座
に形状安定になる水硬性混合物が形成されるように、水硬性バインダー、骨材材
料、及び水を相対的比率で混合する工程と、
縦軸及び内室部を備えたダイを通して加圧下で該水硬性混合物を押し出す工
程であって、該混合物は押し出し工程中に該ダイの該内室部を通過し、該水硬性
混合物が該ダイの該内室部を通して押し出される時該水硬性混合物内に少なくと
も1本のフィラメントを連続的に配置し、該少なくとも1本のフィラメントの巻
き付け角度が該縦軸に関して約5°以上で、該ダイを出た時には即座に
形状安定になりまた少なくとも1本のフィラメントを含む押し出し製品を形成す
る工程と、及び
工業製品の水硬性マトリックスを形成するため押し出された該水硬性混合物
を硬化させる工程とを、
有することを特徴とする方法。
14.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該混合工程は、少なくとも部分的に、高せん断混合機手段を
用いて行われることを特徴とする方法。
15.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該水硬性バインダー及び骨材材料は、自然充填密度が約0.65
から約0.99の範囲にある個々の粒子からなることを特徴とする方法。
16.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該水硬性バインダー及び骨材材料は、自然充填密度が約0.75
から約0.9 の範囲にある個々の粒子からなることを特徴とする方法。
17.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該水硬性バインダーは水硬セメントからなることを特徴とす
る方法。
18.請求の範囲17に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該水硬セメントはポートランドセメントを含むことを特徴とする方
法。
19.請求の範囲17に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該水硬セメントは、微粒セメント、スラッグセメント、アルミ酸カ
ルシウムセメント、プラスター、ケイ酸塩セメント、石膏セメント、リン酸塩セ
メント、白セメント、高アルミナセメント、マグネシウムオキシクロライドセメ
ント、微粒セメントの粒子でコートされた骨材、以上の混合物、及び以上の誘導
体からなる群から選択されることを特徴とする方法。
20.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該水硬性バインダーは、強い塩基で活性化されたフライアッ
シュを含むことを特徴とする方法。
21.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該混合工程は、水硬性混合物に繊維材料を添加する工程を含
むことを特徴とする方法。
22.請求の範囲21に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該繊維材料はセルロース繊維を含むことを特徴とする方法。
23.請求の範囲22に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該セルロース繊維は、綿、バガス、アサ、マニラアサ、サイザルア
サ、木材、以上の混合物、及び以上の誘導体からなる群から選択されることを特
徴とする方法。
24.請求の範囲21に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該繊維材料は、セラミックファイバー、ガラス繊維、炭素繊維、金
属繊維、以上の混合物、及び以上の誘導体からなる群から選択される繊維を含む
ことを特徴とする方法。
25.請求の範囲21に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該繊維材料は有機重合体繊維を含むことを特徴とする方法。
26.請求の範囲21に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該繊維材料は、該水硬性混合物に対し約0.5 体積%から約30体積%
の範囲の濃度を有することを特徴とする方法。
27.請求の範囲21に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該繊維材料は、該水硬性混合物に対し約1体積%から約20体積%の
範囲の濃度を有することを特徴とする方法。
28.請求の範囲13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該混合工程は、レオロジー調整剤を添加する工程を含むことを特徴
とする方法。
29.請求の範囲1又は28に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該レオロジー調整剤は、水を除いた該水硬性混合物に対し約
0.1 重量%から約5重量%の範囲で含まれていることを特徴とする方法。
30.請求の範囲1又は28に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該レオロジー調整剤は、水を除いた該水硬性混合物に対し
約0.5 重量%から約1重量%の範囲で含まれていることを特徴とする方法。
31.請求の範囲1又は28に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該レオロジー調整剤はセルロース系材料又はその誘導体を含
むことを特徴とする方法。
32.請求の範囲31に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該セルロース系材料は、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシメチルエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルプロピルセルロース、以上の混合物、及び以
上の誘導体からなる群から選択されることを特徴とする方法。
33.請求の範囲1又は28に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該レオロジー調整剤は澱粉系材料又はその誘導体を含むこと
を特徴とする方法。
34.請求の範囲33に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該澱粉系材料は、アミロペクチン、アミロース、シーゲル、アセテ
ート澱粉、ヒドロキシルエチルエーテル澱粉、イオン性澱粉、長鎖アルキル澱粉
、デキストリン、アミン澱粉、リン酸塩澱粉、ジアルデヒド澱粉、以上の混合物
、及び以上の誘導体からなる群から選択されることを特徴とする方法。
35.請求の範囲1又は28に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該レオロジー調整剤は蛋白質系材料又はその誘導体を含むこ
とを特徴とする方法。
36.請求の範囲35に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該蛋白質系材料は、プロラミン、コラーゲン誘導体、ゼラチン、ニ
カワ、カゼイン、以上の混合物、及び以上の誘導体からなる群から選択されるこ
とを特徴とする方法。
37.請求の範囲1又は28項に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配
置する方法であって、該レオロジー調整剤は有機合成材料を含むことを特徴とす
る方法。
38.請求の範囲37に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該有機合成材料は、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコー
ル、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸塩、ポリビニルアクリル酸、ポリビニルアクリル酸塩、ポリ乳酸、ポ
リアクリルイミド、エチレンオキシド重合体、ラテックス、以上の混合物、及び
以上の誘導体からなる群から選択されることを特徴とする方法。
39.請求の範囲1又は28に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該レオロジー調整剤は、アルギル酸、ピココロイド、寒天、
アラビアゴム、グアールゴム、イナゴマメゴム、カラヤゴム、トラガカントゴム
、以上の混合物、及び以上の誘導体からなる群から選択されることを特徴とする
方法。
40.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該混合工程は該水硬性混合物に分散剤を添加する工程を含む
ことを特徴とする方法。
41.請求の範囲40に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該分散剤は、スルフォン化ナフタレン−フォルムアルデヒド凝縮液
、スルフォン化メラミン−フォルムアルデヒド凝縮液、リグノスルフォン酸塩、
アクリル酸、及び、以上の塩、以上の混合物、及び以上の誘導体からなる群から
選択されることを特徴とする方法。
42.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該骨材材料は粘土を含むことを特徴とする方法。
43.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該骨材材料は、砂利、砂、アルミナ、シリカ砂、融解石英、
シリカフューム、フライアッシュ、粉砕石灰岩、粉砕砂岩、粉砕花崗岩、粉砕玄
部岩、粉砕ボーキサイト、及び以上の混合物からなる群から選択されることを特
徴とする方法。
44.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該骨材材料の濃度は該水硬性混合物に対し約3重量%から約
90重量%の範囲であることを特徴とする方法。
45.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該骨材材料の濃度は水硬性混合物に対し約20重量%から約70
重量%の範囲であることを特徴とする方法。
46.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該水硬性混合物は初期純水分欠乏であることを特徴とする方
法。
47.請求の範囲46に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該初期純水分欠乏は約10%以上であることを特徴とする方法。
48.請求の範囲46に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該初期純水分欠乏は約25%以上であることを特徴とする方法。
49.請求の範囲46に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該初期純水分欠乏は約50%以上であることを特徴とする方法。
50.特許請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に
配置する方法であって、該押し出し工程はオーガ押し出し機を用いて行われるこ
とを特徴とする方法。
51.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該押し出し工程はピストン押し出し機を用いて行われること
を特徴とする方法。
52.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該押し出し工程は、該水硬性混合物から空気を取り除くため
混合物に負の圧力をかける工程を含むことを特徴とする方法。
53.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該押し出し圧力は約10バールから約7000バールの範囲にある
ことを特徴とする方法。
54.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該押し出し圧力は約20バールから約3000バールの範囲にある
ことを特徴とする方法。
55.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該押し出し圧力は約50バールから約200バールの範囲にある
ことを特徴とする方法。
56.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該押し出し工程は、該水硬性混合物を中空製品に押し出す工
程を含むことを特徴とする方法。
57.請求の範囲56に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該ダイは、中空製品を形成するためその内部に内室及びマンドレル
を含むことを特徴とする方法。
58.請求の範囲56に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該中空製品の嵩密度は最高約1.5 g/cm3であることを特徴とする方
法。
59.請求の範囲56に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、中空製品の嵩密度は最高約0.3 g/cm3であることを特徴とする方法
。
60.請求の範囲56に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該中空工業製品の該水硬性マトリックスの破裂強度は約10 N/mm2以
上であることを特徴とする方法。
61.請求の範囲56に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該中空工業製品の水硬性マトリックスの破裂強度は約30 N/mm2以上
であることを特徴とする方法。
62.請求の範囲56に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該中空工業製品の水硬性マトリックスの破裂強度は約50 N/mm2以上
であることを特徴とする方法。
63.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該配置工程は、該水硬性混合物に対して約0.5 体積%から約
30体積%の量のフィラメントを配置する工程を含むことを特徴とする方法。
64.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該配置工程は、該水硬性混合物に対して約1体積%から約20
体積%の量のフィラメントを配置する工程を含むことを特徴とする方法。
65.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該配置工程は、該水硬性混合物に対して約2体積%から約
10体積%の量のフィラメントを配置する工程を含むことを特徴とする方法。
66.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該フィラメントは、ガラス繊維、ポリアラミド繊維、グラフ
ァイト繊維、炭素繊維、ポリエチレン繊維、以上の混合物、及び以上の誘導体か
らなる群から選択されることを特徴とする方法。
67.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、フィラメントはまとまった複数の個々の繊維を含むことを特
徴とする方法。
68.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該配置工程は、巻き付け角度が該ダイの該縦軸に対し約20°
以上のフィラメントを含む製品を作りだすことを特徴とする方法。
69.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該配置工程は、巻き付け角度が該縦軸に対し約45°以上のフ
ィラメントを含む製品を作りだすことを特徴とする方法。
70.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該配置工程は、巻き付け角度が該縦軸に対し約65°以上のフ
ィラメントを含む製品を作りだすことを特徴とする方法。
71.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該配置工程は、巻き付け角度が該縦軸に対し約85°以上のフ
ィラメントを含む製品を作りだすことを特徴とする方法。
72.請求の範囲13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該配置工程は、巻き付け角度が該縦軸に対し約5°以上の該少なく
とも1つのフィラメントに加えて巻き付け角度が該縦軸に対し約5°以下の少な
くとも1つのフィラメントを含む製品を作りだすことを特徴とする方法。
73.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該配置工程は一般に平行配向のフィラメントを含む製品を作
りだすことを特徴とする方法。
74.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該配置工程は十字交差配向をした少なくとも2本のフィラ
メントを含む製品を作りだすことを特徴とする方法。
75.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該配置工程は、所望する巻き付け角度を持ったフィラメント
を有する製品を作りだすため、予め決められた回転速度でフィラメントを巻く工
程を含むことを特徴とする方法。
76.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該押し出し工程は、所望する巻き付け角度を持ったフィラメ
ントを有する製品を作りだすため、予め決められた押し出し速度で水硬性混合物
を押し出す工程を含むことを特徴とする方法。
77.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該配置工程は、所望するフィラメント濃度を有する製品を作
りだすため、予め決められた数のフィラメントを水硬性混合物内に配置する工程
を含むことを特徴とする方法。
78.請求の範囲77に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該製品は少なくとも約10本のフィラメントを含むことを特徴とする
方法。
79.請求の範囲77に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該製品は少なくとも約25本のフィラメントを含むことを特徴とする
方法。
80.請求の範囲77に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該製品は少なくとも約50本のフィラメントを含むことを特徴とする
方法。
81.請求の範囲77に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該製品は少なくとも約100 本のフィラメントを含むことを特徴とす
る方法。
82.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該配置工程は、所望するフィラメント濃度を有する製品を作
りだすため、水硬性混合物内に予め決められた角度にフィラメントを配置する工
程を含むことを特徴とする方法。
83.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該配置工程は、所望する強度特性を有する製品を作りだすた
め、水硬性混合物内に予め決められた複数の角度にフィラメントを配置する工程
を含むことを特徴とする方法。
84.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該配置工程は、水硬性混合物内に予め決められた深さにフィ
ラメントを配置する工程を含むことを特徴とする方法。
85.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該水硬性混合物は、該水硬性混合物がダイを通して押し出さ
れる時フィラメントを信頼性よく引き抜くのに十分な粘性を持つことを特徴とす
る方法。
86.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該少なくとも1本のフィラメントは、フィラメントの配置を
容易にするため、予め決められた張力をかけられていることを特徴とする方法。
87.請求の範囲86に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、該水硬性混合物が押し出される時該押し出される水硬性混合物内の
所望する深さにフィラメントを巻くため、該フィラメントの張力が予め決められ
ていることを特徴とする方法。
88.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該水硬性混合物を硬化させる該工程は該押し出された水硬性
混合物を耐圧機に入れることを特徴とする方法。
89.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該水硬性混合物を硬化させる該工程は該押し出された水硬性
混合物を熱エネルギー源の近傍に配置することを特徴とする方法。
90.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該工業製品の該硬化した水硬性マトリックスの引っ張り強度
は約 15 MPa 以上であることを特徴とする方法。
91.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該工業製品の該硬化した水硬性マトリックスの引っ張り強度
は約 30 MPa 以上であることを特徴とする方法。
92.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該工業製品の該硬化した水硬性マトリックスの引っ張り強度
は約 50 MPa 以上であることを特徴とする方法。
93.請求の範囲1又は13に記載の水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置
する方法であって、該製品はパイプを含むことを特徴とする方法。
94.業製品に押し出される水硬性混合物内にフィラメントを連続的に配置する方
法であって、
加圧下で押し出される時にはダイを通って流動しダイを出た時には即座に形
状安定になる水硬性混合物が形成されるように、水硬性バインダー、骨材材料、
レオロジー調整剤、及び水を相対的比率で混合する工程と、
縦軸及び内室部を備えたダイを通して加圧下で該水硬性混合物を押し出す工
程であって、該混合物は押し出し工程中に該ダイの該内室部を通過し、該水硬性
混合物が該ダイの該内室部を通して押し出される時該水硬性混合物内に少なくと
も1本のフィラメントを連続的に配置し、該少なくとも1本のフィラメントの巻
き付け角度が該縦軸に関して約5°以上で、該ダイを出た時には即座に形状安定
になり少なくとも1本のフィラメントを含む押し出し製品を形成する工程と、及
び
工業製品の水硬性マトリックスを形成するため押し出された該水硬性混合物
を硬化させる工程とを、
有することを特徴とする方法。
95.硬化した水硬性マトリックス及び該マトリックス中に少なくとも1本のフィ
ラメントを有する押し出し工業製品であって、該押し出し製品の該水硬性マトリ
ックスは水硬性バインダー、少なくとも1つの骨材材料、及び水を含む水硬性混
合物から形成され、該少なくとも1本のフィラメントは連続で十分に柔軟なため
該水硬性混合物が加圧下でダイを通って押し出される時該少なくとも1本のフィ
ラメントがある巻き付け角度で該水硬性混合物内に配置されることが可能であり
、また、該硬化した製品はダイを出ると即座に形状安定になる水硬
性マトリックスを有し、該製品は縦軸を持ち、該少なくとも1本のフィラメント
の該巻き付け角度は該縦軸に対し約5°以上であることを特徴とする工業製品。
96.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該製品はパイプを含む工業製品。
97.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該少なくとも1本のフィラメント
の巻き付け角度は該ダイの該縦軸に対し約20°以上であることを特徴とする工業
製品。
98.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該少なくとも1本のフィラメント
の巻き付け角度は該ダイの該縦軸に対し約35°以上であることを特徴とする工業
製品。
99.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該少なくとも1本のフィラメント
の巻き付け角度は該ダイの該縦軸に対し約50°以上であることを特徴とする工業
製品。
100.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該少なくとも1本のフィラメント
の巻き付け角度は該ダイの該縦軸に対し約75°以上であることを特徴とする工業
製品。
101.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該配置工程は十字交差配向をした
少なくとも2本のフィラメントを含む製品を作りだすことを特徴とする工業製品
。
102.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該配置工程は該ダイの該縦軸に対
し一般に平行配向の少なくとももう1つのフィラメントを含む製品を作りだすこ
とを特徴とする工業製品。
103.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該フィラメントは、ガラス繊維、
ポリアラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、ポリエチレン繊維、以上の混
合物、及び以上の誘導体からなる群から選択されることを特徴とする工業製品。
104.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該水硬性バインダーはポートラン
ドセメントを含むことを特徴とする工業製品。
105.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該水硬性バインダーは、微粒セメ
ント、スラッグセメント、アルミ酸カルシウムセメント、プラスター、ケイ酸塩
セメント、石膏セメント、リン酸塩セメント、白セメント、高アルミナセメント
、マグネシウムオキシクロライドセメント、微粒セメントの粒子でコートされた
骨材、以上の混合物、及び以上の誘導体からなる群から選択されることを特徴と
する工業製品。
106.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該水硬性バインダーは、強い塩基
で活性化されたフライアッシュを含むことを特徴とする工業製品。
107.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該水硬性混合物は初期水分欠乏で
あることを特徴とする工業製品。
108.請求の範囲107 に記載の工業製品であって、該初期水分欠乏は約10%以上で
あることを特徴とする工業製品。
109.請求の範囲107 に記載の工業製品であって、該初期水分欠乏は約25%以上で
あることを特徴とする工業製品。
110.請求の範囲107 に記載の工業製品であって、該初期水分欠乏は約50%以上で
あることを特徴とする工業製品。
111.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該水硬性混合物はさらに実質的に
均一に分散した繊維を含むことを特徴とする工業製品。
112.請求の範囲111 に記載の工業製品であって、該繊維は有機繊維を含むことを
特徴とする工業製品。
113.請求の範囲111 に記載の工業製品であって、該繊維は無機繊維を含むことを
特徴とする工業製品。
114.請求の範囲111 に記載の工業製品であって、該繊維の濃度は水硬性混合物に
対して約0.5 体積%から約30体積%の範囲であることを特徴とする工業製品。
115.請求の範囲111 に記載の工業製品であって、該繊維の濃度は水硬性混合物に
対して約1体積%から約20体積%の範囲であることを特徴とする工業製品。
116.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該水硬性混合物はさらに分散剤を
含むことを特徴とする工業製品。
117.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該水硬性混合物はさらにレオロジ
ー調整剤を含むことを特徴とする工業製品。
118.請求の範囲117 に記載の工業製品であって、該レオロジー調整剤は水分を除
いた水硬性混合物に対し約0.1 重量%から約5重量%の範囲で含まれていること
を特徴とする工業製品。
119.請求の範囲117 に記載の工業製品であって、該レオロジー調整剤は水分を除
いた水硬性混合物に対し約0.5 重量%から約1重量%の範囲で含まれていること
を特徴とする工業製品。
120.請求の範囲117 に記載の工業製品であって、該レオロジー調整剤はセルロー
ス系材料又はその誘導体を含むことを特徴とする工業製品。
121.請求の範囲117 に記載の工業製品であって、該レオロジー調整剤は澱粉系材
料又はその誘導体を含むことを特徴とする工業製品。
122.請求の範囲117 に記載の工業製品であって、該レオロジー調整剤は蛋白質系
材料又はその誘導体を含むことを特徴とする工業製品。
123.請求の範囲117 に記載の工業製品であって、該レオロジー調整剤は多糖類系
材料又はその誘導体を含むことを特徴とする工業製品。
124.請求の範囲117 に記載の工業製品であって、該レオロジー調整剤は有機合成
材料を含むことを特徴とする工業製品。
125.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該製品は、円形、矩形、正方形、
楕円系、又は三角形の断面を有することを特徴とする工業製品。
126.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該製品は窓枠を含むことを特徴と
する工業製品。
127.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該製品はチューブ状の物体を含む
ことを特徴とする工業製品。
128.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該混合工程は、少なくとも部分的
に、高せん断混合機手段を用いて行われることを特徴とする工業製品。
129.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該水硬性バインダー及び骨材材料
は、自然充填密度が約0.65から約0.99の範囲にある個々の粒子からなることを特
徴とする工業製品。
130.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該水硬性バインダー及び骨材材料
は、自然充填密度が約0.75から約0.9 の範囲にある個々の粒子からなることを
特徴とする工業製品。
131.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該骨材材料は粘土を含むことを特
徴とする工業製品。
132.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該骨材材料は、砂利、砂、アルミ
ナ、シリカ砂、融解石英、シリカフューム、フライアッシュ、粉砕石灰岩、粉砕
砂岩、粉砕花崗岩、粉砕玄部岩、粉砕ボーキサイト、及び以上の混合物からなる
群から選択されることを特徴とする工業製品。
133.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該骨材材料の濃度は該水硬性混合
物に対し約3重量%から約90重量%の範囲であることを特徴とする工業製品。
134.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該骨材材料の濃度は該水硬性混合
物に対し約20重量%から約70重量%の範囲であることを特徴とする工業製品。
135.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該製品の嵩密度は約1.5 g/cm3以
下であることを特徴とする工業製品。
136.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該製品の嵩密度は約0.3 g/cm3以
下であることを特徴とする工業製品。
137.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該工業製品の該硬化した水硬性マ
トリックスの破裂強度は約10 N/mm2以上であることを特徴とする工業製品。
138.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該工業製品の該硬化した水硬性マ
トリックスの破裂強度は約30 N/mm2以上であることを特徴とする工業製品。
139.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該工業製品の該硬化した水硬性マ
トリックスの破裂強度は約50 N/mm2以上であることを特徴とする工業製品。
140.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該フィラメントの濃度は該押し出
し水硬性混合物に対し約0.5 体積%から約30体積%であることを特徴とする工業
製品。
141.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該フィラメントの濃度は該押し出
し水硬性混合物に対し約1体積%から約20体積%であることを特徴とする工業製
品。
142.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該フィラメントの濃度は該押し出
し水硬性混合物に対し約2体積%から約10体積%であることを特徴とする工業
製品。
143.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該製品は少なくとも約10本のフィ
ラメントを含むことを特徴とする工業製品。
144.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該製品は少なくとも約25本のフィ
ラメントを含むことを特徴とする工業製品。
145.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該製品は少なくとも約50本のフィ
ラメントを含むことを特徴とする工業製品。
146.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該製品は少なくとも約100 本のフ
ィラメントを含むことを特徴とする工業製品。
147.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該工業製品の該硬化した水硬性マ
トリックスの引っ張り強度は約 15 MPa 以上であることを特徴とする工業製品。
148.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該工業製品の該硬化した水硬性マ
トリックスの引っ張り強度は約 30 MPa 以上であることを特徴とする工業製品。
149.請求の範囲95に記載の工業製品であって、該工業製品の該硬化した水硬性マ
トリックスの引っ張り強度は約 50 MPa 以上であることを特徴とする工業製品。
150.少なくとも1本のフィラメントを含む生の押し出し水硬性混合物を有する工
業製品であって、該製品は、
加圧下で押し出される時にはダイを通って流動しまたダイを出た時には即座
に形状安定になる水硬性混合物が形成されるように、水硬性バインダー、少なく
とも1つの骨材材料、及び水を相対的比率で混合する工程と、
縦軸及び内室部を備えたダイを通して加圧下で該水硬性混合物を押し出す工
程であって、該混合物は押し出し工程中に該ダイの該内室部を通過し、該水硬性
混合物が該ダイの該内室部を通して押し出される時該水硬性混合物内に少なくと
も1本のフィラメントを連続的に配置し、該少なくとも1本のフィラメントの巻
き付け角度が該縦軸に関して約5°以上で、該ダイを出た時には即座に形状安定
になりまた該縦軸に対して約5°以上の巻き付け角度を有する少なくとも1本の
フィラメントを含む生の押し出し水硬性混合物が形成される工程とを
有する工程で形成されることを特徴とする工業製品。
151.水硬性バインダーと水との反応生成物、骨材材料、及びレオロジー調整剤を
含み実質的に硬化した押し出し水硬性混合物を有する押し出し工業製品であって
、該製品は縦軸を有し、該水硬性混合物は、該製品の該縦軸に対し約5°以上の
巻き付け角度を持つ少なくとも1本の柔軟で連続したフィラメントを含むことを
特徴とする工業製品。
152.水硬性バインダーと水との反応生成物、骨材材料、及びレオロジー調整剤を
含み実質的に硬化した押し出し水硬性混合物を有する押し出し工業製品であって
、該製品は中空の中心部を有し、該水硬性混合物は十字交差配向をした少なくと
も2本の柔軟なフィラメントを含み、該少なくとも2本の柔軟なフィラメントが
約10°以上の角度をなすことを特徴とする工業製品。」
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