JPH10507929A - 高い安定性と生物活性をもつ酸性繊維芽細胞増殖因子の類似体 - Google Patents
高い安定性と生物活性をもつ酸性繊維芽細胞増殖因子の類似体Info
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- JPH10507929A JPH10507929A JP8517875A JP51787596A JPH10507929A JP H10507929 A JPH10507929 A JP H10507929A JP 8517875 A JP8517875 A JP 8517875A JP 51787596 A JP51787596 A JP 51787596A JP H10507929 A JPH10507929 A JP H10507929A
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Abstract
(57)【要約】
本発明によると、FGFファミリーのタンパク質の類似体が提供される。これらの類似体は対応する天然タンパク質よりも安定である。タンパク質のアミノ酸配列中の特定ループ形成領域でより低いループ形成力価をもつアミノ酸残基をより高いループ形成力価をもつ少なくとも1個のアミノ酸で置換することにより、高い安定性を達成することができる。本発明の類似体は治療用途に特に有用である。
Description
【発明の詳細な説明】高い安定性と生物活性をもつ酸性繊維芽細胞増殖因子の類似体
発明の背景
創傷や火傷等の組織損傷後の複雑な治癒過程は、軟組織成長因子とも呼ばれる
多数のタンパク質因子により媒介される。これらの因子は、新しい細胞を増殖及
び分化させ、破壊した組織に置き換えるために必要である。この軟組織成長因子
の群に含まれるものとして、繊維芽細胞成長因子(FGF)のタンパク質ファミ
リーが挙げられる。FGFは上皮、間葉及び神経起源の種々の細胞のマイトジェ
ン及び化学走化性因子である。更に、FGFは血管新生促進因子であり、血管の
形成を刺激することができる。FGFファミリーのメンバーには酸性FGF、塩
基性FGF、KGF、Int−2、HST、FGF−5及びFGF−6が含まれ
る。
酸性FGF(aFGF)と塩基性FGF(bFGF)はFGFファミリーの2
つの「原」メンバーであるとみなされる。aFGFとbFGFはいずれも同一祖
先遺伝子に由来すると考えられ、両者の分子は同一イントロン/エキソン構造以
外に約55%の配列一致をもつ。酸性FGFとbFGFは同一レセプ
ターに結合することも知られているが、特異的なaFGF及びbFGFレセプタ
ーの存在も否定されていない。種々の組織に数種の分子量形態のaFGFとbF
GFが存在する。しかし、サザンブロッティング実験によると、aFGFとbF
GFの各々に1個の遺伝子しか存在しないことが示唆されており、これらの分子
間の差異は恐らく翻訳後プロセシングに起因すると思われる。酸性及び塩基性F
GFはいずれも中胚葉及び神経外胚葉起源の多種多様の細胞型のマイトジェンで
あり、インビトロ及びインビボの両者で血管形成を誘導することができる(例え
ばGospodarowiczら(1979),Exp.Eye Res., 28
:501−514参照)。これらの2類の生物活性範囲はほぼ同一であるが
、bFGFは殆どのバイオアッセイ系でaFGFよりも約10倍強力である。
KGFは種々の細胞に対して強力なマイトジェン活性を示し、aFGFとbF
GFも結合し得るBalb/MKケラチノサイト上の細胞表面レセプターと結合
する(Bottaroら(1990),J.Biol.Chem.,265:1
2767−12770)。他方、KGFは繊維芽細胞又は内皮細胞のマイトジェ
ンでない点が公知FGF(例えばaFGF及びbFGF)
と異なる(Rubinら(1989),Proc.Natl.Acad.Sci
.USA,86:802−806)。KGFは更に、KGFと相互作用すること
ができないaFGF及びbFGFのレセプターとは異なるレセプターをNIH/
3T3繊維芽上にもつ(Bottaroら)。
aFGFとbFGFに共通する特徴の1つは、これらの因子がヘパリンに強く
結合する傾向があることである。ヘパリンに対するaFGFの親和性はbFGF
よりも弱いと考えられ、aFGFはアニオン性等電点をもつ(Thomasら(
1984),Proc.Nat.Acad.Sci.USA,82:6409−
6413)。aFGFとbFGFのヘパリン結合特性は、これらの因子の精製に
大いに役立っている。
FGFが固定化ヘパリンに対する強い親和性をもつことが発見され、FGFの
インビボ生物学におけるヘパリン様分子の調節役割に関する研究に一層拍車がか
かった。ヘパリンの完全な機能はまだ解明されていないが、ヘパリンはいくつか
の方法でFGF機能を調節できることが知られている(Lobb(1988),
Eur.J.Clin.Invest.,18:321−326)。例えば、ヘ
パリン様分子はaFGFの活性化又
は強化といったFGFの機能に直接的な役割を果たし得る(Uhllrichら
(1986),Biochem.Biophys.Res.Comm.,137
:1205−1213)。
しかし、固定化ヘパリンに対するFGFの親和性と可溶性ヘパリンによるその
強化能の間に直接的相関は存在しない。この点で、ヘパリンの強化能はaFGF
に選択的であると思われる。他えば、前出のUhllrichら(1986)は
、純aFGFの強化度が純bFGFの約10倍であり、aFGFの力価をbFG
Fとほぼ同一レベルまで引き上げられることを知見した。しかし、ウシ胎児血清
の存在下では、ヘパリンの強化作用は有意に低下することが判明した(Uhll
richら(1986),前出)。
FGFタンパク質を使用すると、外傷を受けた組織の治癒を促進するのに有効
であると考えられる。FGFは血管形成特性をもつため、深い創傷の治癒に特に
有用である。bFGF天然タンパク質は心筋梗塞の治療に有用であると報告され
ている(米国特許第4,296,100号及び4,378,347号)。更に、
ヒトbFGFはラット胎児海馬ニューロンでニューロン保存と神経突起伸長を増
進することが判明し、この因子
がアルツハイマー病やパーキンソン病等の変性神経系障害の治療にも有用であり
得ることを示唆している(Wallickeら(1986),Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA,83:3012−3016)。
治療用としてのaFGFの有効利用を阻む大きな障害の1つは、その生物活性
がbFGFに比較して有意に低いことに関係すると思われる。ヘパリンの研究に
よると、aFGFとbFGFの間に認められる力価の差は、ヘパリンを使用して
aFGFの活性をbFGFと同等のレベルまで高めることにより実質的に縮める
ことができると予想されるが、薬剤でヘパリンを使用するのは必ずしも望ましい
とは言えない。この点で留意しなければならないこととして、ヘパリンは不均一
構造の高硫酸化グリコサミノグリカンであり、抗トロンビンIII がホメオスタシ
スのプロテアーゼを不活性化する速度を加速することによって機能する抗凝血剤
として知られている(Jacques(1980),Pharmacol Re
v,31:99−166)。深い創傷を治療するのに用いる薬剤では適正な治癒
を達成するためにある程度の凝血が望ましいと思われるが、このような薬剤でヘ
パリンを使用するのが有害であるか否かはわかっていな
い。
更に、ヘパリンを創傷治療用薬剤に組み込む場合には実地上の問題も生じると
予想できる。薬剤送達では、患者の体内に投与後に(aFGFとヘパリンを併有
する)薬剤の組成を制御することが問題になる。更に、(Uhllrichらの
知見によると)ウシ胎児血清はヘパリンのaFGF強化作用に負の効果があり、
aFGFの活性化又は強化因子として薬剤にヘパリンを配合することによって得
られる利点は、患者自身の血清に接触すると全く無効になるか又は失われると考
えられる。
本発明の1つの目的は、天然形態のタンパク質に比較して高い安定性をもつF
GFファミリーからのタンパク質類似体を提供することである。本発明の別の目
的は、ヘパリンの不在下で高い安定性と生物活性を示すaFGFの類似体を提供
することである。本発明の更に別の目的は、治療用aFGF類似体を提供するこ
とである。
発明の要約
本発明はFGFファミリーのタンパク質の新規類似体を提供する。このような
類似体の1例は、天然aFGFよりも安定性が高く、ヘパリンの不在下で高い生
物活性を示すaFGF類似
体である。このような類似体の別の例は、天然KGFよりも高い熱安定性をもつ
KGF類似体である。高い安定性は、天然タンパク質のループ形成配列Asn−
His−Tyr−Asn−Thr−Tyr中又はその付近に存在する低ループ形
成力価のアミノ酸残基を、より高い低ループ形成力価をもつ少なくとも1個のア
ミノ酸で置換することによって達成される。aFGFの場合には、このループ形
成配列はほぼアミノ酸92〜96の領域に存在する。KGFの場合には、このル
ープ形成領域はほぼアミノ酸115〜119の領域に存在する。本発明の好適類
似体は、ループ形成配列中のヒスチジン残基を、より高いループ形成力価をもつ
アミノ酸で置換したものである。
図面の簡単な説明
図1は組換えウシ[Ala47,Gly93]aFGFの核酸及びアミノ酸配列を
示す。
図2は組換えヒト[Gly93]aFGFのアミノ酸配列を示す。
図3は疎水性相互作用クロマトグラフィーを使用したウシ[Ala47]及び[
Ala47,Gly93]aFGF類似体の溶離曲線を示す。
図4A及び4Bはウシ[Ala47]及び[Ala47,Gly93]aFGF類似
体の円二色性スペクトルを示す。
図5はアミドI’(重水素化タンパク質のC=O範囲)領域におけるウシ[A
la47]及び[Ala47,Gly93]aFGF類似体の二次導関数FTIRスペ
クトルを示す。
図6は最大刺激百分率に対するウシ[Ala47]及び[Ala47,Gly93]
aFGF類似体とヒト[Ser70,Ser88]bFGFの濃度の対数のプロット
を示すグラフである。
図7はヒト[Ser70,Ser88]bFGFに比較したヘパリンの不在下のウ
シ[Ala47]及び[Ala47,Gly93]aFGF類似体の経時的活性損失を
示すグラフである。
図8はX線結晶分析により決定した本発明のウシ[Ala47]及び[Ala47
,Gly93]aFGF類似体の構造を示す。
図9は天然KGFの核酸及びアミノ酸配列を示す。
図10は組換え[Gly116]KGFの核酸及びアミノ酸配列を示す。
発明の詳細な説明
本発明によるとFGFファミリーの新規類似体が提供される。これらの類似体
は対応する天然タンパク質に比較して改善され
た安定性を示す。本発明のaFGF類似体の場合には、類似体はヘパリンの不在
下で高い安定性と生物活性を示す。本発明のKGF類似体の場合には、類似体は
高い熱安定性を示す。本発明の類似体は、天然形態に存在するループ形成配列A
sn−His−Tyr−Asn−Thr−Tyr中又はその付近に、対応する天
然タンパク質とは異なる少なくとも1個のアミノ酸残基をもつ。aFGFの場合
にはループ形成配列は(図1に示すようにウシaFGFの公知アミノ酸配列のナ
ンバリングに基づいて)ほぼアミノ酸残基92〜96の領域に存在する。KGF
の場合には、ループ形成配列は図9及び10に示すように、ほぼアミノ酸残基1
15〜119の領域に存在する。天然タンパク質と異なるアミノ酸は、類似体の
この領域を安定化できるように、より高いループ形成力価をもつように選択され
る。比較的高いループ形成力価をもつアミノ酸としては、グリシン、プロリン、
チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン及びセリンが挙げられる[Leszc
ynskiら(1986),Science,234:849−855(198
6)(ループ形成力価の相対値は天然分子のループ構造における出現頻度に基づ
いて決定される)]。ループ形成配列中のヒスチジン残
基を、より高いループ形成力価をもつ別のアミノ酸で置換するのが好ましい。よ
り好ましくは、ループ形成配列中のヒスチジンをグリシン残基で置換する。
本発明の類似体は他の付加、置換及び/又は欠失も含み得る。例えば、類似体
は場合により非保存システイン残基(例えばウシaFGF分子の47位のシステ
イン残基及びヒトaFGF分子の16位のシステイン残基)のアミノ酸置換も含
み得る。更に、大腸菌宿主細胞から発現される本発明の類似体は、(例えば図1
に示すように−1位に)開始メチオニンアミノ酸残基を含んでいてもよい。ある
いは、対応する天然タンパク質の高い生物活性を実質的に維持しながら、当業者
に公知のようにDNA配列から末端アミノ酸残基の1個以上を欠失させてもよい
。
本発明の類似体の全部又は一部をコードするDNA配列も提供される。このよ
うな配列としては好ましくは、選択された大腸菌宿主株による「発現」に好適な
コドン(「大腸菌発現コドン」)を組込んだものや、制限エンドヌクレアーゼに
よる切断部位を提供するもの、及び/又は容易に発現されるベクターの構築を助
長する付加的な開始、末端又は中間DNA配列を提供するものなどが挙げられる
。これらの新規DNA配列としては、
真核及び原核両者の宿主細胞(例えば大腸菌)で本発明の類似体の発現を確保す
るのに有用な配列が挙げられる。
より特定的には本発明のDNA配列は、ほぼアミノ酸92〜96の領域のアミ
ノ酸残基をコードする少なくとも1個のコドンが、より高いループ形成力価をも
つ別のアミノ酸残基をコードするコドンで置換された図1に示すDNA配列(以
下、「aFGF類似体配列」又は「類似体配列」と呼ぶ)と、類似体配列の1種
又はそのフラグメントにハイブリダイズするDNA配列と、遺伝暗号の縮重を別
にして類似体配列の1種にハイブリダイズするDNA配列を含み得る。
同様に本発明のDNA配列は、ほぼアミノ酸115〜119の領域のアミノ酸
残基をコードする少なくとも1個のコドンが、より高いループ形成力価をもつ別
のアミノ酸残基をコードするコドンで置換された図10に示すDNA配列(以下
、「KGF類似体配列」又は「類似体配列」と呼ぶ)と、類似体配列の1種又は
そのフラグメントにハイブリダイズするDNA配列と、遺伝暗号の縮重を別にし
て類似体配列の1種にハイブリダイズするDNA配列を含み得る。
本発明の類似体は、当業者に公知の多数の組換え技術の任意
のものによりコード化、発現及び精製することができる。好適製造方法は、材料
のコスト及び入手し易さや他の経済的要因を含めた多数の因子により種々多様で
ある。当業者は最小限の実験で所与の状況に最適な製造方法を決定できよう。本
発明の類似体は大腸菌宿主細胞を使用して特に高いレベルで発現させることがで
き、その後、当業者に公知の方法を使用して発現産物をほぼ均質まで精製するこ
とができる。典型的な精製方法の1例では、まず類似体を含む抱合体を可溶化し
た後、イオン交換クロマトグラフィーにかけ、次いでタンパク質を再生させ、最
後に疎水性相互作用クロマトグラフィーにかける。
本発明の類似体は驚くほど高度の安定性を示す。天然aFGFとは異なり、本
発明のaFGF類似体はヘパリンの不在下で高い安定性と生物活性を示す。(例
えば公開PCT特許出願第88/04189号に開示されているように)所定の
システイン残基をセリン又は他の中性アミノ酸で置換することにより安定性の高
いbFGF類似体が得られることは知られているが、天然ウシaFGFの47位
の非保存システイン残基を置換するだけでは、aFGF類似体の生物活性及び/
又は安定性を有意に増加できるとは考えられない。これは、後記実施例に記載す
るように、(システイン置換した)ウシ[Ala47]aFGF類似体が(aFG
F分子の残基92〜96領域に所望のアミノ酸置換をもつ)ウシ[Ala47,G
ly93]aFGF類似体に比較して低い活性を示すことから明らかである。具体
的に言うと、ウシ[Ala47,Gly93]類似体はbFGFに比較するとまだ低
力価であるが、ウシ[Ala47]aFGF類似体の約10倍の力価をもつことが
判明した。45μg/mlのヘパリンを加えると、全3種の形態のFGFの生物
活性は増加し、ウシ[Ala47,Gly93]類似体、ウシ[Ala47,Gly93
]類似体及びヒト[Ser70,Ser88]bFGF類似体は実質的に等しい力価
をもつ。
ヘパリンの不在下でウシ[Ala47,Gly93]aFGF類似体のマイトジェ
ン活性及び安定性がウシ[Ala47]aFGFよりも増加する理由は、明確には
わかっていない。33位のヒスチジン残基をグリシンで置換すると、aFGF分
子は多少疎水性になるように思われたが、円二色性及びFTIR分光分析による
と、その三次構造を激変させるようには思われなかった。他方、ウシ[Ala47
,Gly93]aFGF類似体と(47位のみを置換した)ウシ[Ala47]aF
GF類似体の
インビトロバイオアッセイでは活性に相対的差異が認められ、ウシ[Ala47,
Gly93]aFGF類似体のグリシンで置換したアミノ酸93位は、レセプター
結合に関与する領域の内側又はその付近に位置するのではないかと予想された。
aFGFにおけるレセプター結合領域は決定されていないが、aFGFの93位
はレセプター結合領域の内側又は付近に存在すると報告されているbFGF内の
領域に対応する(Bairdら(1988),Proc.Nat.Acad.S
ci.USA,85:2324−2328)。
更に、ウシ[Ala47]類似体は短時間で活性を失ったが、本発明のウシ[A
la47,Gly93]aFGF類似体はウシ[Ala47]類似体と異なり、250
時間にわたってヘパリンの不在下で元のマイトジェン活性を維持しながら高い安
定性を示した。
ウシ[Ala47,Gly93]aFGF類似体を結晶化し、得られた結晶をX線
結晶分析により試験した。これらの結晶の試験から得られたX線結晶分析データ
は、残基93が溶媒に暴露され、即ち93位のヒスチジンをグリシンで置換する
ことにより分子が低親水性になるという疎水性相互作用クロマトグラフ
ィーデータからの示唆に裏付けを与える。93位付近のウシ[Ala47,Gly93
]aFGF類似体を詳細に試験した結果、ほぼ90位のグルタミン酸残基から
ほぼ97位のチロシン残基までの領域で高いループ形成力価をもつ約8個のアミ
ノ酸が集合していることが判明した。アミノ酸の相対ループ形成力価は報告され
ており、グリシンは全アミノ酸のうちで最高のループ形成力価をもつアミノ酸残
基であることが確認されている(Leszcynskiら,前出)。このように
グリシン残基はヒスチジンに比較して著しく高いループ形成力価をもつため、ヒ
スチジンをグリシンで置換すると推定ループを安定化できると考えられる。
本発明のKGF類似体も、KGFの対応領域がレセプター結合に関与し得る溶
媒暴露ループであることが立証された。具体的に言うと、本発明の[Gly116
]KGF類似体は後記実施例に記載するように、天然KGFとは異なる低いマイ
トジェン活性を示すことが判明した。[Gly116]KGF類似体は天然KGF
よりも5〜7℃高い熱安定性をもつことも判明した。
本発明は、本明細書に具体的に説明する好適な[Gly93]aFGF及び[G
ly116]KGF類似体以外の他の類似体も
包含する。当業者は本明細書の教示に従ってこれらの他の類似体を容易に作成で
きよう。例えば、15種以上のアミノ酸がヒスチジンよりも高いループ形成力価
をもつと報告されている(Leszcynskiら(1986),前出)。これ
らのアミノ酸は(ループ形成力価の高い順に)グリシン、プロリン又はチロシン
、アスパラギン酸又はアスパラギン、セリン、システイン、グルタミン酸、トレ
オニン、リシン、シスチン、グルタミン、アルギニン、フェニルアラニン及びト
リプトファンである。天然タンパク質のループ形成配列中のヒスチジン残基をこ
れらの残基の任意のもので置換すると、高い安定性をもつ本発明の類似体が得ら
れると予想できる。当然のことながら、例えば付加的システイン又はシスチン残
基の挿入により望ましくないジスルフィド結合を形成するなどの潜在的な負の効
果を生じることなしに、できるだけ高いループ結合力価をもつアミノ酸でループ
形成配列中のヒスチジン残基を置換することが好ましい。従って、ループ結合配
列中のヒスチジン残基を置換するのに好適な(グリシン以外の)アミノ酸として
は、プロリン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン
酸、トレオニン、リシン、グルタミン、アルギニン、フェニ
ルアラニン及びトリプトファンが考えられる。
本発明は更に、天然aFGFのアミノ酸92〜96領域(即ちアミノ酸92と
94〜96)及び天然aFGFのアミノ酸115〜119領域(即ちアミノ酸9
2と115〜117〜119)に含まれる他のアミノ酸残基を、高いループ形成
力価をもつアミノ酸で置換することも包含する。本発明のaFGF類似体は、例
えば天然aFGFの96位のトレオニン残基を好ましい順にグリシン、プロリン
もしくはチロシン、アスパラギン酸もしくはアスパラギン、セリン、又はグルタ
ミン酸で置換したaFGF類似体も含むが、トレオニンをグルタミン酸で置換し
てもこれらの2種のアミノ酸のループ形成力価は同等であるため、安定性及び/
又は生物活性は最小限しか増加しないと予想される。
天然aFGFの92、94、95及び97位のアミノ酸残基(それぞれアスパ
ラギン、チロシン、アスパラギン及びチロシン)は十分高いループ形成力価をも
つので、これらの特定残基を置換しても最小限の利益しか期待できない。
本発明の類似体は、下記ループ形成アミノ酸配列:
をもつヒト及び動物(例えばウシ)起源の類似体並びに全形態のタンパク質を包
含するものとみなされる。
例えば、ヒト及びウシ両形態のaFGFは知られており、92及び96位に同
一の(上記)アミノ酸配列をもつことが確認されている。更に、ヒト及びウシa
FGFの間には約92%の配列一致があり、97%の「相同度」がある(即ちこ
れらの2形態のaFGF形態の合計8%の差異のうちの5%は「保存性」である
)。ヒト及びウシ両形態の天然aFGFは実質的に同一のインビトロマイトジェ
ン活性を示す。
本発明の新規生物活性aFGF類似体は、ヘパリンの不在下で高い安定性と生
物活性をもつので、医師及び/又は獣医が哺乳動物種の多種の創傷の治療用薬剤
で使用するのに特に適している。本発明のKGF類似体は熱安定性が高いため、
同様に薬剤で使用するのに適している。このような治療に使用する生物活性類似
体の量は当然のことながら、治療しようとする創傷の重度、選択する投与経路、
及び類似体の特定活性又は純度に依
存し、主治医又は獣医により決定される。「治療薬として有効な類似体の」量な
る用語は、哺乳動物で治療応答を生じるように決定された類似体の量を意味する
。このような治療薬として有効な量は当業者に容易に決定される。
本発明の類似体は治療する創傷又は症状に任意の経路で投与することができる
。本発明の類似体を治療薬として投与して治療すると有益であると考えられる症
状の非限定的な例としては、表面創傷の治癒、骨治癒、血管形成、神経再生及び
臓器発生及び/又は再生が挙げられる。
獣医学及びヒト用の両者の本発明の組成物は、治療薬として有効な量の類似体
と共に1種以上の医薬的に許容可能なキャリヤーと場合により他の治療成分を含
有する。キャリヤーは組成物の他の成分と適合性であり且つレシピエントに無害
であるという意味で「許容可能」でなければならない。組成物は簡便に単位剤形
にでき、当該技術分野で周知の方法の任意のものにより製造することができる。
全方法は1種以上の補助成分を構成するキャリヤーと活性成分を混合する段階を
含む。一般に、組成物は類似体を液体キャリヤー又は微粉砕固体キャリヤー又は
その両者と均質に混和することによって製造される。
以下の実施例は本発明の理解し易くする目的であり、本発明の真の範囲は請求
の範囲に記載する通りである。発明の趣旨から離れずに手順を種々に変形できる
とみなされる。
実施例1
[Ala47,Gly93]aFGF類似体の製造 合成
部位特異的突然変異誘発を使用して[Ala47,Gly93]aFGF類似体と
[Gly116]KGF類似体を作成した。但し、本発明のこれらの類似体及び他
の類似体は化学的合成などの他の方法でも作成できることが理解されよう。[A
la47,Gly93]aFGF類似体の場合にはウシ配列を使用した。具体的に説
明すると、[Ala47,Gly93]aFGF類似体は次のように作成した。
本発明によるウシaFGF類似体を作成し、以下の実施例で試験した。このウ
シ[Ala47,Gly93]aFGF類似体は図1に示すように、aFGF分子の
残基92〜96ループ形成配列中に所望のアミノ酸置換(93位のヒスチジンを
グリシンで置換)を含むと共に、47位の非保存システイン残基をアラニンで付
加的にアミノ酸置換するように構築した。所望のウシ
[Ala47,Gly93]aFGF類似体の対照として使用するために、システイ
ンをアラニンでアミノ酸置換しただけのウシ[Ala47]aFGF類似体も作成
した。これらの実施例は本発明のウシaFGF類似体に関するものであるが、相
同度の高いヒトaFGF類似体でも同一の結果が得られる。例えば、本発明の対
応するヒト[Gly93]aFGF類似体のアミノ酸配列は図2に示す通りである
。
合計28個の成分オリゴヌクレオチドからのウシaFGFの[Ala47,Gl
y93]類似体をコードする合成遺伝子を2セクションで構築した。Gimene
z−Gallegoら(1985),Science,230:1385−13
88のアミノ酸配列をこの遺伝子の基礎として使用し、大腸菌で類似体の発現を
最適にできるようにコドンを選択した(Gimenez−Gallegoら(1
985),前出)。セクションIは16個のオリゴヌクレオチドから構築し、X
baI及びXhoI制限エンドヌクレアーゼ部位でプラスミドベクターに挿入可
能な287ヌクレオチドフラグメントを得た。セクションIIは12個のオリゴヌ
クレオチドから構築し、XhoI及びBamHI適合性末端により結合した17
0ヌクレオチドフラ
グメントを得た。3成分連結でXbaI及びBamHIで予め消化しておいた発
現プラスミドpCFM1156に2つのセクションを挿入し、λpLプロモータ
ーの制御下の完全aFGF遺伝子を得た。
プラスミドpCFM1156は公知プラスミドpCFM836から作成される
。プラスミドpCFM836の作成は米国特許第4,710,473号に記載さ
れており、同明細書の該当部分、特に実施例1〜7は参考資料として本明細書の
一部とする。pCFM836からpCFM1156を作成するためには、2つの
内因性NdeI制限部位を切断し、露出した末端をT4ポリメラーゼで充填し、
充填した末端を平滑末端連結する。
次に、得られたプラスミドをClaI及びKpnIで消化し、切り出したDN
Aフラグメントを下記配列:
のDNAオリゴヌクレオチドで置換する。
このプラスミドで形質転換した大腸菌細胞を(Foxら(1988),J.B
iol.Chem.,263:18452−
18458に記載されているように)容量16リットルの発酵容器で増殖させた
。
オリゴ部位特異的突然変異誘発を使用してウシ[Gly93,Ala47]aFG
Fをコードする遺伝子を[Ala47]形態に変換した。まずaFGF遺伝子をフ
ァージベクターM13mp18に移入し、突然変異誘発反応の鋳型として用いる
1本鎖DNAを調製した。このDNA約0.5μgを突然変異誘発プライマー(
5’−GAAGAAAACCATTACAACAC−3’)及びDNA配列決定
に使用するM13汎用プライマー各5ピコモルと混合し、65℃まで3分間加熱
し、ゆっくりと放冷させた。アニールした鋳型−プライマーをATP、dNTP
混合物、DNAポリメラーゼIの大きいフラグメント及びT4 DNAリガーゼ
と混合した後、15℃で4時間インキュベートした。この反応混合物のアリコー
トをコンピテント大腸菌JM101細胞に加え、0.7%L−寒天にプレーティ
ングした。得られたプラークをニトロセルロースフィルターに移し、フィルター
を32P標識突然変異誘発プライマーとハイブリダイズさせた。ハイブリダイズし
たファージから調製したDNAを配列決定した処、所望の突然変異誘発事象が有
効に完了しているこ
とが確認された。得られた遺伝子を次にpCFM1156ベクターに戻して組換
えタンパク質を発現させた。aFGF類似体の精製
組換えタンパク質を発現する大腸菌細胞を機械的に溶解して遠心分離すること
により得た不溶性フラクションからウシ[Gly93,Ala47]及び[Ala47
]aFGF類似体の両者を精製した。ペレットフラクションを8M尿素、0.1
Mグリシン(pH2.5)で可溶化し、遠心分離して不溶分を除去した。6M尿
素、10mMグリシン(pH3.0)で平衡化しておいたS−Sepharos
e(登録商標)(Pharmacia,Uppsala,スウェーデン)カラム
に上清を添加し、6M尿素、20mMクエン酸ナトリウム(pH6.5)で洗浄
した。カラムに結合したタンパク質を20mMクエン酸ナトリウム(pH6.5
)中0→0.5M塩化ナトリウム直線勾配で溶離した。aFGFを含むフラクシ
ョンをプールし、20mMクエン酸ナトリウム、0.1M硫酸アンモニウムで2
0倍に希釈し、遠心分離して沈殿を除去した。上清を20mMクエン酸ナトリウ
ム、2M硫酸アンモニウム1容量と混合し、20mMクエン酸ナトリウム、1M
硫酸アンモニウム(pH6.5)で平衡化
しておいたフェニル−Sepharose(登録商標)カラムに添加した。結合
したタンパク質を硫酸ナトリウムの直線下降勾配(1M→0M)でカラムから溶
離した。aFGFを含むフラクションをプールし、20mMクエン酸ナトリウム
(pH6.5)で透析した。この生成物は、図4に示すようにSDSゲル中にク
ーマシーブルー以外のバンドが現れないことから実質的に均質であると判断され
た。
実施例2
aFGF類似体のゲル濾過クロマドラフィー
Pharmacia FPLCシステム(Pharmacia,Uppsal
a,スウェーデン)でSuperose(登録商標)−12カラムを使用して室
温でゲル濾過を実施した。カラムは20mMクエン酸ナトリウム、0.2M塩化
ナトリウム(pH6.5)中0.5ml/分で操作した。
ゲル濾過クロマトグラフィーの結果、精製ウシ[Ala47]及び[Ala47,
Gly93]aFGF類似体はリボヌクレアーゼA(Mr=13,700)と同一
の溶出位置で単一ピークとして溶出することが判明した。このことから、2種の
タンパク質はモノマーであり、同一の流体力学的半径をもつと考えられ
るが、両形態のタンパク質がカラムマトリックスと相互作用してカラムからの溶
出が遅れたとも考えられる。
実施例3
aFGF類似体の疎水性相互作用クロマトグラフィー
Pharmacia FPLCシステムでフェニル−Superose(登録
商標)カラムを使用して室温で疎水性相互作用クロマトグラフィーを実施した。
2M硫酸アンモニウムで予め平衡化しておいたカラムに2M硫酸アンモニウム、
20mMクエン酸ナトリウム(pH6.5)中の試料を添加した。2M硫酸アン
モニウムで洗浄後、残留タンパク質を2M→0Mの硫酸アンモニウム下降勾配で
溶離した後、20mMクエン酸ナトリウム(pH6.5)で最終洗浄した。
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)におけるタンパク質の溶出位置
は折り畳まれた状態の疎水性領域の暴露に強く依存するので、この方法は類似す
るタンパク質のコンホメーション均質性の高感度プローブを提供する。図3はウ
シ[Ala47]及び[Ala47,Gly93]aFGF類似体の溶離曲線を示す。
[Ala47]aFGFは0.25M硫酸アンモニウムで溶出する主要ピークを示
したが、[Ala47,Gly93]a
FGF類似体は0.13M硫酸アンモニウムで単一ピークを示し、2種のタンパ
ク質が主に単一の別個のコンホメーションで存在すると予想された。[Ala47
,Gly93]aFGFのほうが低い塩濃度で溶出したことから、[Ala47]形
態よりも多少疎水性であると予想される。この知見は、93位のヒスチジン残基
が溶媒に暴露されるようなタンパク質のコンホメーションの場合にこの残基がグ
リシンで置換されているという仮説に一致する。あるいは、この残基の置換によ
って分子のコンホメーションに全体的な変化が生じ、高疎水性構造を生じたとも
考えられる。
実施例4
aFGF類似体の分光分析 円二色性
Jasco Model J−500C分光旋光計(ジャスコ、東京)にOk
i If 800 Model 30コンピューター(沖電気、東京)を接続し
て室温で円二色性スペクトルを測定した。測定は、それぞれ近及び遠紫外範囲で
1及び0.02cmのキュベットを用いて1nmの帯域幅で実施した。データは
、どちらの形態のaFGFにも113の平均残基重量
を使用して計算した平均残基楕円率[θ]として表した。
ウシ[Ala47,Gly93]及び[Ala47]aFGF類似体の円二色性(C
D)スペクトルはそれぞれ図4A及び4Bに示すように遠及び近紫外領域の両者
でほぼ同一であった。これらの類似体のCDはヒトbFGF(Arakawaら
(1989),BBRC,161:335−341)に報告されているスペクト
ルにも非常によく似ていた。近紫外領域におけるスペクトルの類似はFGFの三
次構造の類似に一致する。熱遷移
熱プログラミング及び熱キュベットホルダーを装備したResponse I
I分光光度計(Gilford,Medfield,Massachusett
s)でタンパク質の熱遷移を測定した。試料を0.1℃/分又は0.5℃/分の
増分で加熱し、287nmの吸光度をモニターした。bFGFでは0.98、2
種のウシaFGF類似体では1.04の消光係数を使用して0.1%タンパク質
について280nmでタンパク質濃度を分光光度により測定した。
20mMクエン酸ナトリウムのpHを6.5及び7.0としてヘパリンの存在
下及び不在下でaFGF類似体の熱変性を試
験した。いずれの場合も温度が上昇するにつれてタンパク質は沈殿した。吸光度
の急増が生じた温度を変性温度とみなした。ヘパリンの不在下では、この温度は
ウシ[Ala47,Gly93]類似体のほうがウシ[Ala47]aFGF類似体よ
りも約10℃高かった。1.4倍又は8倍(w/w)量のヘパリンを加えると、
使用した温度上昇率に依存して両形態とも変性温度は14〜20℃上昇した。2
形態の変性温度の差は約10℃のままであった。1.4倍又は8倍(w/w)量
のヘパリンは240〜340nm範囲で各タンパク質のCDスペクトルに明白な
効果を生じなかったが、8倍量のヘパリンの場合には、240〜260nm領域
のaFGFスペクトルはヘパリン自体の吸光度が重なった。フーリエ変換赤外(FTIR)分光分析
両者aFGFのコンホメーションの類似を更に試験するためにフーリエ変換赤
外(FTIR)スペクトルを測定した。FTIR分光分析のために、タンパク質
を水で十分に透析した。各タンパク質はD2O(Sigma Chemical
Co.,99.9%同位体純度)中で調製した20mMイミダゾール緩衝液の
2%溶液として調製した。CaF2窓と100μmス
ペーサーを備えるIRセルに溶液を入れた。各スペクトルで1500インターフ
ェログラムを収集し、ゲルマニウム被覆KBrビームスプリッターとDTGSデ
テクターを取り付けたNicolet 800 FTIRシステムでコード化し
た。光学ベンチを連続的に乾燥窒素ガスでパージした。(Susiら(1988
),Biochem.Biophys.Res.Comm.,115:391−
397に記載されているように)二次導関数スペクトルを計算した。水蒸気を差
し引いたスペクトルに9点平滑化関数を適用した。
図5はアミドI’(重水素化タンパク質のC=O範囲)領域における[Ala47
]及び[Ala47,Gly93]ウシaFGF類似体の二次導関数スペクトルを
示す。ポリペプチド及びタンパク質については、この領域における成分バンドの
周波数は二次構造含量に関連付けられる。Surewiczら(1988),B
iochem.Biophys.Acta,952:115−130。スペクト
ルは1630及び1685cm-1に強いバンドを示し、2種のタンパク質に有意
量のβ構造が存在することを示す。1647cm-1付近の強いバンドは不整又は
無秩序構造の存在を示す。1666及び1673cm-1付近の
弱いピークターンは回転構造に起因する。どちらのタンパク質のスペクトルにも
1651cm-1付近に小さいピークが存在する。この周波数付近のアミドI’成
分は一般にαヘリックスに起因するとされている。しかし、このバンドはループ
構造に起因するらしいことが最近になって報告された(Wilderら(199
0),Abstracts of the Fourth Symposium
of the Protein Society,San Diego.)。
図5に示すように、CDと異なり高解像FTIRスペクトルはβ構造と回転の存
在をはっきりと示しており、ウシ[Ala47]aFGF類似体及びウシ[Ala47
,Gly93]aFGF類似体のスペクトルはほぼ重ね合わすことができ、これ
らの2種のタンパク質はやはり類似のコンホメーションをもつと予想された。
二次導関数スペクトルは2種のaFGF類似体間のコンホメーションの相違を
明示しなかった。しかし、凍結乾燥したタンパク質をD2O溶液で平衡化する間
に、ウシ[Ala47,Gly93]aFGF類似体よりもウシ[Ala47]aFG
F類似体のほうが迅速に交換可能なプロトンの重水素化が生じることは明白であ
った。2種のタンパク質は類似のコンホメーションを
もつので、H−D交換速度に認められる相違を両者の間の交換可能なプロトンの
照射度の差から説明することはできない。[Ala47]aFGF類似体のほうが
柔軟な構造をもつために、アミドプロトンを溶剤に接触させ易いと考えるほうが
妥当である。
実施例5 [Ala47,Gly93]aFGF類似体のヘパリンクロマトグラフィー
ヘパリン−sepharose(登録商標)(Pharmacia)を1×8
cmカラムに充填し、10mM Tris・HCl(pH7.2)で平衡化した
。カラムに試料を添加し、10mM Tris・HCl(pH7.2)で洗浄し
、Pharmacia FPLCシステムを使用して0.5ml/分の流速で同
一緩衝液中0→2.8M塩化ナトリウムの直線勾配で溶離した。
酸性及び塩基性FGFはヘパリン及びヘパリン様分子に強く結合する特徴があ
る。ウシ[Ala47,Gly93]及び[Ala47]aFGF類似体はいずれも1
0mM Tris・HCl(pH7.2)中1.54M塩化ナトリウムで溶出す
る単一ピ
ークを示した。
実施例6
aFGF類似体の生物活性 インビトロバイオアッセイ
上記実施例からのaFGF類似体がNIH 3T3細胞に及ぼすマイトジェン
活性を下記のように測定した。更に、公開PCT特許出願第88/04189号
に記載されているように調製したヒト[Ser70,Ser88]bFGF類似体も
aFGF類似体と平行して生物活性アッセイで試験した。
NIH 3T3細胞はATCCから入手した。10%ウシ血清、10単位/m
lペニシリン、2mMグルタミン及び10単位/mlストレプトマイシンを補充
したDMEで細胞を増殖させた。細胞を毎週2回1:40の比で継代した。アッ
セイの1日目に、亜集密培養物をトリプシンで分散し、上記培地に各ウェル1m
lずつ20,000細胞/mlの濃度で24穴プレートにプレーティングした。
5日目に、血清を含有せず且つ上記濃度でペニシリン、ストレプトマイシン及び
グルタミンを含有するDMEM 1ml/ウェルに培地を交換した。6日目に実
験試料を100μl以下の容量で培地に加えた。18時間後に、
37℃で三重水素化チミジン2〜10μCiを含む上記培地1mlを細胞に1時
間パルスした。パルス後、細胞を培地で1回洗浄し、次いで250mMスクロー
ス、10mMリン酸ナトリウム、1mM EDTA(pH8)を加え、プレート
を37℃で10分間インキュベートして細胞を遊離させた。細胞をSkatro
nハーベスター(Skatron,Inc.,Sterling,Virgin
ia)で回収した。フィルターを乾燥してシンチレーション液に入れ、Beck
manシンチレーションカウンター(Beckman Instruments
,Inc.,Fullerton,California)で計数した。
NIH 3T3に対するウシ[Ala47,Gly93]及び[Ala47]aFG
F類似体のマイトジェン活性を図6に示すように試験した。ヘパリンの不在下で
[Ala47]aFGF類似体は1〜100ng/mlの範囲で3H−チミジン取
り込みの薬量依存性刺激を生じ、半最大刺激薬量は25ng/mlであった。同
一アッセイ条件下で[Ala47,Gly93]aFGF類似体は著しく低いタンパ
ク質濃度で同一マイトジェン効果を生じることができ、半最大薬量は約1ng/
mlであった。
組換えbFGFは[Ala47,Gly93]aFGFの4〜5倍強力であり、半最
大薬量は220pg/mlであった。4.5μg/mlのヘパリンを両者類似体
に加えると、そのインビトロ活性は増加したが、[Ala47,Gly93]aFG
F類似体のほうが強力であることは変わらなかった。45μg/mlのヘパリン
の存在下では活性は増大し、全3種の分子の薬量応答はほぼ同一であり、半最大
薬量は90pg/mlであった。
1mg/mlのヘパリンの存在下及び不在下で37℃で20mMクエン酸ナト
リウム(pH7)中各FGF類似体0.1mg/mlの溶液をインキュベートし
てそれぞれのマイトジェン活性の維持を調べることにより、aFGF類似体の安
定性を試験した。ヘパリンの不在下では、ウシ[Ala47]aFGF類似体は迅
速に活性を失い、図7に示すように半減期は約13時間であった。他方、ヘパリ
ンの存在下ではウシ[Ala47]aFGF類似体は250時間の実験にわたって
生物活性を失わなかった。これに対して、ウシ[Ala47,Gly93]aFGF
類似体とヒト[Ser70,Ser88]bFGF類似体はヘパリンの有無に拘わら
ず、250時間にわたって活性の損失を全く示さなかった。
実施例7
[Ala47,Gly93]aFGF類似体の結晶分析
0.2M NH4 SO4、2M NaCl、0.099Mクエン酸ナトリウム
及び0.02Mリン酸ナトリウムカリウム(pH5.6)で蒸気拡散によりウシ
[Ala47,Gly93]aFGF類似体の結晶を成長させた。タンパク質液滴は
等容量のレザバー溶液と10mg/mlタンパク質溶液を含んでいた。結晶は三
方晶系(空間群P3121、a=78.6Å、c=115.9Å)であり、2.5
Å分解まで回折した。18kw回転アノード発電機に取り付けたSiemens
(Madison,Wisonsin)マルチワイヤーエリアデテクターで強度
データを収集した。Siemensのプロセシングプログラムセットを使用して
データ編集した。性能係数0.68で2つの導関数から多重同形置換(mir)
位相を3Å分解まで計算した。溶媒平坦化後、不斉単位中の2個の独立したaF
GF分子に対応する領域が確認された。これらの分子間の一般非結晶学的対称関
係を回転関数、実空間並進関数及び密度相関試験から決定した。修正したB.C
.Wangアルゴリズムを用いて平均aFGF分子の周りの分子エンベロープを
決定した。分子
平均化及び溶媒平坦化により位相を反復修正した。
初期マップは図8に示すように、小さい分子エンベロープにより、ループ面取
りされたβシート構造の広がった領域を示した。(Rouldら,(1989)
,Science,246:1135−1142に記載されているように平均化
位相に対して再修正した重原子のパラメーターからの)mir位相でモデル構築
用最終マップを計算し、初期モデルの原子位置の周囲に6Å球を配置することに
より形成した分子エンベロープで反復平均化した。3Å分解で平均化すると、実
測構造因子と平均化及び溶剤平坦化マップから計算される構造因子の間の17.
8%の最終R因子に収束した。C.CambillauによりSilicon
Graphics 4D80用に作成されたグラフィックプログラムTOM/F
RODOを使用してaFGF配列の残基10〜136から平均化電子密度マップ
を構築した。
結晶分析結果は、90〜97領域がループ構造に関係するという仮説を裏付け
た。この領域が(Bairdら(1988),前出により示唆されているように
)実際にレセプター結合に関与するならば、ループを安定化する全アミノ酸置換
は分子の生物活性を安定化及び/又は強化できるであろう。これが、ウシ
[Ala47,Gly93]aFGFで認められた活性強化達成の機序であると推定
される。
実施例8
[Gly116]KGF類似体の製造 合成
[Gly116]KGF類似体を作成するために、まず天然KGFをコードする
配列を獲得した後、類似体をコードする配列を得るようにアミノ酸116のコド
ンを改変した。
天然KGFをコードする配列は、ヒト繊維芽細胞(細胞系AG1523)から
分離したRNAを出発材料として使用して獲得し、当該技術分野で公知の標準技
術を使用してKGFのcDNAを作成した。次にKGF cDNAをポリメラー
ゼ連鎖反応(PCR)で鋳型として使用してKGF遺伝子を増幅した。KGF遺
伝子には内部NdeI部位が存在するため、PCRDNAをまず2つのフラグメ
ントとして作成し、固有のBsmI部位で連結した。(下記に示す)オリゴヌク
レオチド238〜21及び238〜24を使用してDNA産物を作成した後、B
smI及びBamHIで切断して分離すると、KGFの188塩基対フラグメン
トが得られた。オリゴヌクレオチド238
〜22及び238〜24を使用してDNA産物を作成してからNdeI及びBs
mIで切断すると、KGFの311塩基対フラグメントが得られた。2つのDN
Aフラグメントを相互に連結すると、図9に示す天然KGFの遺伝子が得られる
。
所望の[Gly116]KGF類似体をコードする配列を得るためには、KGF
遺伝子中のHis116コドンをグリシンコドンで置換することが必要であった。
これは、[Gly116]KGF類似体をコードするように適当に塩基対を改変し
たHis116領域に対応するKGF DNA配列をコードするオリゴヌクレオチ
ド315〜17及び315〜18を用いてPCR重複オリゴヌクレオチド突然変
異誘発により実施した。PCRのKGF DNA鋳型は、図10に示すようにK
pnI及びEcoRI部位間のDNA配列を化学的に合成したDNAで置換した
以外は図9に示すものと同一であった。オリゴヌクレオチド238〜22及び2
38−24等のように、部位特異的突然変異のKGF DNA領域5’−及び3
’−に対応するものであれば任意の適当なオリゴヌクレオチドを使用して重複突
然変異誘発PCRの外部プライマーとすることができる。[Gly116]KGF
類似体をコードする配列を含むEco
RI−BamHI DNAフラグメントを次に、既にKGF遺伝子を含んでいる
上述の発現プラスミドpCFM1156に連結し、KGF遺伝子の対応領域を、
[Gly116]KGF類似体をコードするために必要な変異を含むコーディング
配列で置換した(図10)。次に連結DNAをFM5(ATCC#53911)
宿主に形質転換し、pCFM1156[Gly116]KGF類似体プラスミドを
含むコロニーを分離した。次に、標準発酵技術を使用してFM5/pCFM11
56 KGF[Gly116]KGF類似体株を発酵させ、細胞ペーストを回収し
た。
[Gly116]KGF類似体の精製
約4リットルの20mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.2M NaC
lに大腸菌細胞ペースト665gを懸濁した後、懸濁液を9,000psiのG
aulinホモジナイザー
に3回通すことにより、上記発酵からの[Gly116]KGF類似体を含む細胞
を先ず破壊した。次に、懸濁液をBeckman JA−10ローター(Bec
kman Instruments,Fullerton,Californi
a)で10,000rpmで4℃で30分間遠心分離した。
20mMリン酸ナトリウム(pH7.5)、0.2M NaClで平衡化して
おいたS−Sepharose(登録商標)Fast Flow(Pharma
cia,Uppsala,スウェーデン)カラム(5×23cm、450ml総
容量)に遠心分離した懸濁液からの上清を25ml/分の流速で添加することに
より、イオン交換クロマトグラフィーを実施した。次にカラムを2Lの20mM
リン酸ナトリウム(pH7.5)、0.4M NaClで洗浄し、[Gly116
]KGF類似体を20mMリン酸ナトリウム(pH7.5)中0.4M→0.6
M NaClの直線勾配で溶離した。総勾配容量は7L(カラム容量の約16倍
)であった。KGFを含むフラクションをプールし、撹拌機付き容量400ml
のセルでYM(登録商標)−10膜(Amicon)で約22倍に濃縮した。
20mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.5M Na
NaClで平衡化しておいたSephadex(登録商標)G−75(Phar
macia)カラム(4.4×85cm)総容量1300ml)にイオン交換ク
ロマトグラフィーから得た濃縮KGF(総容量80ml)の半量を添加した後、
カラムをこの緩衝液で展開することにより、サイズ排除クロマトグラフィー(S
EC)を実施した。濃縮KGF調製物の残りの半量で同一プロセスを繰り返した
。
次に、まず[Gly116]KGF類似体のモノマー形態に対応するSECフラ
クションをプールした後、プールしたフラクションを5容量の2mMリン酸ナト
リウム(pH6.8)、0.2M NaClで希釈し、20mMリン酸ナトリウ
ム(pH6.8)、0.4M NaClで平衡化しておいたS−Sepharo
se(登録商標)Fast Flow(Pharmacia)カラム(5×23
cm、総容量450ml)に希釈フラクションを添加することにより、第2回目
のイオン交換クロマトグラフィーを実施した。次に、このカラムを約1.5Lの
20mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.4M NaClで洗浄した。精
製した[Gly116]KGF類似体を20mMリン酸ナトリウム(pH6.8)
中0.4M→
0.6M NaClの直線勾配で溶離した。総勾配容量は10L(カラム容量の
約22倍)であった。SDS−PAGEにより[Gly116]KGF類似体を含
むことが確認された試料をプールし、KGF含量をUV吸収により測定した。
実施例9
KGF類似体の分光分析 フーリエ変換赤外(FTIR)分光分析
20mMリン酸ナトリウム、0.5M NaCl(pH6.8)中のタンパク
質溶液をD2O(Sigma,99.9%+同位体純度)中で調製した20mM
リン酸ナトリウム、0.15M NaCl(pD6.8)緩衝液で透析濾過する
ことにより、赤外分光分析用試料を調製した。pD値は、Covingtonら
(1968),Anal.Chem.,40:700−706に従ってガラス電
極pHメーターからのpH読み取り値に0.45を加えることにより決定した。
最終タンパク質濃度は30mg/mlであった。CaF2窓と100μM Te
flonスペーサーを備えるIRセルにタンパク質溶液を入れた。
構造特性決定のために、両面に256インターフェログラム
を同時に加え、Nicolet 800FTIRシステムを使用してHapp−
genzelアポディゼーション関数の適用後にフーリエ変換した。分解能は2
cm-1に設定した。Nicoletソフトウェアを使用してSusiとByle
r(1983),Biochme.Biophys Res.Comm.,11 5
:391−397に従って導関数スペクトル及びフーリエ自己解析を実施した
。プログラムPeakfit(登録商標)(Jandel Scientifi
c Co.)を使用して曲線調整を行った。KGFの赤外スペクトルはbFFF
及びaFGFと強い類似性を示し、これらの3種のタンパク質が構造的に似てい
ることを示した。
自動温度制御器(Specac Inc.,Fairfield,Conne
cticut)により制御される電気加熱ジャケットにIRセルを入れることに
より、天然KGFと[Gly116]KGF類似体の熱安定性試験を実施した。温
度を0.5℃/分の速度で上昇させた。8cm-1分解能でIRスペクトルを収集
した。
50℃未満の温度では、スペクトルは周囲温度のスペクトルから殆ど変化しな
いようであった。温度が50℃を越えると、
スペクトルは天然KGFがこの時点でサーモトロピック遷移することを示した。
スペクトルには1616及び1685cm-1付近のピークが明白であり、65℃
までではこれらのピークがスペクトルで優勢であり、1643cm-1に対応する
強度損失があった。このスペクトル遷移は、天然KGFの協同的変性を表す。観
察された熱遷移は可逆的でなかったので、変性したタンパク質が凝集したためで
あると思われる。天然KGFの融点Tmは60℃であると推定され、[Gly116
]KGF類似体のTmは天然KGFよりも5℃高く65℃であると推定され、[
Gly116]KGF類似体は天然KGFよりも高い相対熱安定性をもつと思われ
る。紫外線分光分析
Response II UV分光光度計(Gilford,Medfiel
d,Massachusetts)にPeltier温度制御器及び熱プログラ
マーを取り付けて[Gly116]KGF類似体と天然KGFの両者の熱変性を試
験した。20mMリン酸ナトリウム(pH6.8)中のKGF溶液を最終タンパ
ク質濃度約0.5mg/ml及び最終グアニジンHCl濃度0〜2Mとなるよう
に8MグアニジンHCl又
は20mMリン酸ナトリウムと混合した。熱走査速度は0.5℃/分に設定し、
モニター波長は286nmとした。少量のグアニジンHClを加えて熱変性中の
タンパク質の沈殿を除去したが、変性は可逆的にならなかった。従って、比較し
ようとする試料を同時に試験した。
UV分光分析を用いた熱変性実験は、0及び1MのグアニジンHClの存在下
では加熱すると濁りが生じるため、成功しなかった。しかし、[Gly116]K
GF類似体よりも天然KGFのほうが低温で濁りが生じたので、天然KGFのほ
うが低温で変性し、従って凝集すると考えられる。1.5MグアニジンHCl中
では、287nmの吸光度はタンパク質が変性するにつれて減少し、その後、凝
集により増加した。吸光度の増減が生じた温度は[Gly116]KGF類似体で
はそれぞれ25及び44℃であった。2MグアニジンHClを加えると、25℃
では天然KGFと[Gly116]KGF類似体の両者で部分的変性が生じた。温
度を上げるとタンパク質は完全に変性し、天然KGFは37℃、[Gly116]
KGF類似体は46℃で変性を終了した。これらの結果は、[Gly116]KG
F類似体のほうが融点の点で数度熱安定性であることを示し、
[Gly116]KGF類似体のTmが天然KGFよりも約5℃高いという赤外分析
に一致する。
実施例10
[Gly116]KGF類似体のマイトジェン活性
Rubinら(1989),Proc.Natl.Acad.Sci.USA
,86:802−806のマイトジェン分析アッセイを使用して[Gly116]
KGF類似体のマイトジェン活性を分析した。[Gly116]KGF類似体は天
然KGFで観察されるよりも少量の3H−チミジン取り込みを示し、[Gly116
]KGF類似体のほうが特異活性が低いことを示した。
─────────────────────────────────────────────────────
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C12P 21/02 A61K 37/24 AAA
//(C12P 21/02
C12R 1:19)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
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,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,C
A,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI
,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,
KR,KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,M
G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT
,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,
TT,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 フオツクス,ギヤリイ・マイケル
アメリカ合衆国、カリフオルニア・91320
−1789、ニユーベリー・パーク、ウエス
ト・ケリイ・ロード・35
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.FGFファミリーの天然タンパク質の類似体であって、前記天然タンパク質 の−Asn−His−Tyr−Asn−Thr−のループ形成配列中の少なくと も1個のアミノ酸がより高いループ形成力価をもつ別のアミノ酸の残基で置換さ れている前記類似体。 2.前記天然タンパク質がKGFである請求項1に記載の類似体。 3.置換される前記アミノ酸がアミノ酸116である請求項2に記載の類似体。 4.より高いループ形成力価をもつ前記アミノ酸がグリシン、プロリン、チロシ ン、アスパラギン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン酸、トレオニン、リシ ン、グルタミン、アルギニン、フェニルアラニン及びトリプトファンから構成さ れる群から選択される請求項3に記載の類似体。 5.より高いループ形成力価をもつ前記アミノ酸がグリシンである請求項4に記 載の類似体。 6.図10に示すアミノ酸配列をもつ請求項5に記載の類似体。 7.前記類似体が前記高い生物活性を実質的に維持しながら少なくとも1個の末 端アミノ酸残基が欠失している請求項6に記載の類似体。 8.前記天然KGFの少なくとも1個のシステイン残基が中性アミノ酸の残基で 置換されている請求項7に記載の類似体。 9.請求項1に記載の類似体の原核又は真核発現をコードするDNA配列。 10.前記類似体が請求項6に記載の類似体である請求項10に記載のDNA配 列。 11.治療薬として有効な量の請求項1に記載の類似体と1種以上の医薬的に許 容可能なアジュバントを含む医薬組成物。 12.前記類似体が請求項6に記載の類似体である請求項11に記載の医薬組成 物。 13.治療薬として有効な量の請求項1に記載の類似体を創傷に投与することを 特徴とする創傷の治療方法。 14.前記類似体が請求項6に記載の類似体である請求項13に記載の方法。 15.図1に示すアミノ酸配列をもつ請求項5に記載の類似体。 16.図2に示すアミノ酸配列をもつ請求項5に記載の類似体。
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