JPH10509072A - 電気的移送式作用剤投与を強化するための組成物と方法 - Google Patents

電気的移送式作用剤投与を強化するための組成物と方法

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JPH10509072A JP8516830A JP51683096A JPH10509072A JP H10509072 A JPH10509072 A JP H10509072A JP 8516830 A JP8516830 A JP 8516830A JP 51683096 A JP51683096 A JP 51683096A JP H10509072 A JPH10509072 A JP H10509072A
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Abstract

(57)【要約】 例えばペプチドやタンパク質のような、その上に少なくとも1つの疎水性部位を有する作用剤を電気的移送式投与するための電気的移送式デバイス(10)は、ドナー電極とカウンター電極(12,16及び14,18)、電源及び電気的制御回路(24)を含む。ドナー電極(12,16)は、作用剤の他に、正味電荷を有さない、非イオン界面活性剤又は両性イオン界面活性剤のような電気的移送促進剤を含有する。その上に少なくとも1つの疎水性部位を有する作用剤の電気的移送式流量を高める方法は、作用剤を含有する溶液又は懸濁液中に非イオン界面活性剤又は両性イオン界面活性剤を用いる。少なくとも1つの疎水性部位を有する作用剤を体表を通して電気的移送式投与するための方法は、正味電荷を有さない、非イオン界面活性剤又は両性イオン界面活性剤を該作用剤を含有する溶液又は懸濁液中に混入して、該作用剤の疎水性度を減ずることに依存する。

Description

【発明の詳細な説明】 電気的移送式作用剤投与を強化するための組成物と方法 技術分野 本発明は電気的移送式作用剤投与に関する。さらに詳しくは、本発明は少なく とも1つの疎水性部位を有する、例えばペプチド及びタンパク質のような、作用 剤の電気的移送式投与に関する。このような作用剤の疎水性度を弱め、経皮電気 的移送式流量を高めるために非イオン及び両性イオン界面活性剤が本発明に用い られる。 背景技術 人体へのペプチド及びタンパク質の皮膚を通しての投与又は経皮投与への関心 は、大量にかつ純粋な形で利用可能になる医学的に有用なペプチド及びタンパク 質の数が増大するに連れて、成長し続けている。ペプチド及びタンパク質の経皮 投与はまだ重大な問題に直面している。多くの場合に、皮膚を通してのポリペプ チドの投与速度又は流量は、ポリペプチド上に存在する疎水性部位が皮膚中に存 在する脂質に結合するために、所望の治療効果を生じるために不充分である。さ らに、ポリペプチドとタンパク質は皮膚の浸透中及び浸透後に標的細胞に達する 前に容易に分解可能である。 作用剤の経皮投与を増強するための1つの方法は、体表を横切っての電流の供 給又は電気的移送に依存する。“電気的移送”とは一般に、例えば皮膚、粘膜、 爪等のような体表を通しての有効剤、例えば薬物又は薬物先駆体の通過を意味す る。作用剤を投与するか又は作用剤の投与を強化する電流の供給を生じる電位の 印加によって、作用剤の移送が誘導又は強化される。人体中への作用剤の電気的 移送は種々な方法で達成される。広く用いられる電気的移送式方法の1つはイオ ン導入であり、これは荷電イオンの電気的に誘導される移送を含む。他の種類の 電気的移送方法である電気浸透は、電界の影響下での膜を通しての溶媒と作用剤 との移動を含む。さらに別の種類の電気的移送であるエレクトロポレーション(e lectroporation)は、膜への電気的パルス、高電圧パルスの供給によって形成さ れる孔を通しての作用剤の通過を含む。多くの場合に、これらの方法の2つ以上 が異なる程度に同時に生起することができる。したがって、本明細書では“電気 的移送”なる用語は、作用剤が実際に移送される特定の機構(単数又は複数)に 関係なく、少なくとも1種の荷電作用剤又は無荷電作用剤又はこれらの混合物の の電気的に誘導又は強化された移送を包含するように、その最も広い、可能な解 釈を与えられる。 電気的移送式デバイスは一般に、皮膚、爪、粘膜又は身体の他の膜表面の一部 と電気的に接触する少なくとも2個の電極を用いる。一般に“ドナー”又は“ア クティブ”電極と呼ばれる、1つの電極は、それから作用剤が身体中に投与され る電極である。典型的に“カウンター”又は“リターン”電極と呼ばれる、他方 の電極は、身体を通して電気回路を閉じるために役立つ。例えば、投与されるべ き作用剤がカチオンである、即ち、正に荷電したイオンである場合には、アノー ドがアクティブ又はドナー電極になり、カソードは回路を完成するのに役立つ。 或いは、作用剤がアニオンである、即ち、負に荷電したイオンである場合には、 カソードがドナー電極である。アニオンとカチオンの両方のイオン作用剤を同時 に投与すべきである場合には、アノードとカソードの両方がドナー電極になる。 電気的移送式投与系は一般に、身体に投与されるべき作用剤又は薬物の少なくと も1個の溜め又は供給源を必要とする。このようなドナー溜めの例は、Jaco bsen等への米国特許第4,250,878号に述べられているようなポウチ 又はキャビティ、Jacobsen等への米国特許第4,141,359号に述 べられているような多孔質スポンジ又はパッド、及びWebsterへの米国特 許第4,383,529号に述べられているような予成形ゲル体を特に包含する 。これらの特許の関係する部分は本明細書に援用される。このようなドナー溜め はアノード又はカソードと体表とに電気的に接続して、これらの間に配置されて 、1種以上の作用剤又は薬物の固定した又は再生可能な供給源を形成する。さら に、電気的移送式投与系は典型的に電源、例えば1個以上のバッテリーと、供給 電流のタイミング、振幅及び/又は周波数を調節するように、したがって、薬物 投与のタイミングと速度とを調節するように設計された電気的制御装置を有する 。電 源要素はドナー電極とカウンター電極とに電気的に接続する。任意の電気的移送 式デバイス要素はカウンター作用剤溜め、接着性被膜、絶縁性分離層、及び速度 制御膜を包含する。 電気的移送式投与は一般に、受動的又は非電気的補助経皮投与に比べて、ペプ チド投与速度を高める。しかし、経皮投与速度のさらなる上昇と経皮投与中のペ プチド分解の減少とが非常に望ましい。作用剤の経皮投与速度を高める1つの方 法は、皮膚透過促進剤による皮膚の前処理、或いは皮膚透過促進剤の、有効剤(b eneficial agent)との同時投与(co-delivering)を含む。“透過促進剤”なる用 語は、本明細書では、作用剤が投与される体表に施用されたときに、電気的移送 式流量を増強させる物質を表すために広範囲に用いられる。この機構は作用剤の 皮膚通過に対する体表の電気抵抗の低下、体表の透過性の上昇、体表を通る親水 性通路の形成、及び/又は電気的移送中の作用剤の分解(例えば、皮膚酵素によ る分解)の減少を含む。本明細書で用いられる“体表”なる用語は一般に、動物 の皮膚、粘膜及び爪と、植物の外皮とを意味する。 作用剤と促進剤とが投与される好ましい形式が一般に、用いられる投与系の種 類を決定し、この逆も言える。即ち、拡散によって作用剤を投与する“受動”系 又は電気的移送によって作用剤を投与する電気的動力供給系(electrically powe red system)の選択は、作用剤の形態によって大抵決定される。例えば、受動的 投与系では、作用剤が水溶性塩の形態ではなく、その遊離塩基又は酸形で投与さ れることが好ましいことが一般に認められている(例えば、Gale等への米国 特許第4,588,580号,3欄6〜20行)。他方では、電気的移送式投与 系では、薬物が一般に水に溶解性であるべきであることが認められている(例え ば、Ariura等への米国特許第4,474,570号,7欄5〜7行)。受 動的経皮薬物と電気的移送式薬物投与との経路が異なり、受動投与は皮膚の脂質 領域(即ち、疎水性領域)を通して生起し、電気的移送式投与は例えば毛包及び 汗腺に関連したもののような親水性経路又は孔を通して生起すると、一般に考え られる。したがって、受動的投与のための薬物の好ましい形態は一般に疎水性で あり(例えば、遊離塩基形)、電気的移送式投与のための薬物の好ましい形態は 一般に親水性である(例えば、水溶性塩形)。 トランスメンブラン(transmembrane)作用剤流量の増強に用いられる透過促進 剤の形態も同様に投与形式に依存する。したがって、比較的疎水性の作用剤透過 促進剤と有機溶媒とが受動的作用剤透過促進剤として用いられている。例えば、 米国特許第4,568,343号は受動的経皮投与のための透過促進剤としてポ リ(エチレングリコール)を用いている。Longenecker等への米国特 許第4,994,439号は鼻粘膜を通しての薬物の受動的投与のために胆汁酸 塩(bile salt)又はフシデート(fusidate)をある種の非イオン洗剤と共に用いて いる。同様に、米国特許第4,153,689号は2.5〜4.7のpHにおい て9〜22の親水性−親油性平衡(HLB)を有する非イオン界面活性剤を補助 したインシュリンの受動的鼻投与を開示する。Miyazawa等への米国特許 第5,120,716号は例えば非イオン、両性、半極性又はカチオン界面活性 剤のようなN含有作用剤と、N原子を有さない非イオン作用剤の両方を包含する 受動的経皮組成物を用いている。Sandozへの英国特許第2,127,68 9A号はカルシトニンの受動的鼻投与のために鼻粘膜への使用に適した、塩化ベ ンズアルコニウムと非イオン界面活性剤とを用いている。 他方では、例えばイオン界面活性剤のような比較的親水性の透過促進剤を、電 気的移送式薬物投与の強化のために用いている(例えば、Sanderson等 への米国特許第4,722,726号)。 受動的薬物投与と電気的移送式薬物投与の両方のための透過促進剤として、多 様な界面活性剤が用いられている。しかし、先行技術は例えばポリペプチド又は タンパク質のような、疎水性部位を有する作用剤の電気的移送式投与に特に適し た透過促進剤の種類を認識していない。したがって、電流を補助して投与した場 合に、幾つかの疎水性部位を有する作用剤の流量を高めるために適した組成物を 提供することがまだ必要とされている。 発明の開示 本発明は、ある種のレベルの疎水性度を有する有効剤(例えば、薬物)の体表 を通しての電気的移送式投与を増強する方法に関する。この方法を実施するため に適した電気的移送式投与デバイスも提供する。本発明の方法の好ましい実施で は、有効剤は少なくとも前記レベルの疎水性度を有するポリペプチドであり、こ のレベルの疎水性度は体表を通しての電気的移送式投与時に遭遇される親油性領 域に有効剤を結合させる傾向がある。 本発明によると、非イオン界面活性剤、正味電荷を有さない両性イオン界面活 性剤及びこれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種の電気的移送 促進剤の存在下で有効剤を電気的移送する。有効剤と促進剤とを電気的移送式デ バイスのドナー電極溜めに含まれる組成物として供給することができる。促進剤 は体表を通しての電気的移送式投与中のペプチドの疎水性度を減ずるための有効 量で組成物中に存在する。意外にも、少なくとも前記レベルの疎水性度を有する 、例えばポリペプチドやタンパク質のような、ある種の作用剤の総疎水性度を減 じて、電気的移送式投与中の体表を通しての作用剤流量を高めるために、比較的 疎水性の界面活性剤が最も適することが発見された。これらの比較的疎水性の界 面活性剤の添加は、経皮投与中のエンドペプチダーゼとその他の酵素による例え ばポリペプチドやタンパク質のような作用剤の生分解をも低下させる。 図面の簡単な説明 図1は、本発明による電気的移送式デバイスの1実施態様の断面図を示す。 図2は、電気的移送式流量試験セルの断面図を示す。 図3は、下記条件:(1)界面活性剤の存在下(○)、及び(2)界面活性剤 促進剤なし(□)でのカルシトニンの経皮電気的移送式投与中の生存無毛モルモ ットのカルシトニン血漿濃度の時間的変化を受動的(即ち、電流の供給なし)対 照(△)と比較して示す。 発明の実施態様 本発明は、ヒトにおける疾患の予防又は治療に適した、例えば薬物やプロドラ ッグ(pro-drug)のような、若干疎水性の作用剤の経皮電気的移送式投与に関する 。これらの種類の作用剤、特にポリペプチドやタンパク質の経皮又は経粘膜投与 は、多くの場合に、作用剤分子上の疎水性部位によって妨害される。これらの疎 水性部位は、これらの作用剤が投与される、例えば皮膚や粘膜のような、体表に おけ る親油性領域と相互作用する(例えば、に溶解する)傾向がある。有効剤の疎水 性度を本発明によって低下させ、それによって、電気的移送式投与中の有効剤と 体表に存在する種(例えば、酵素)との好ましくない相互作用を減じる及び/又 は有効剤の電気的移送式流量を高めることができる。作用剤を非イオン界面活性 剤及び/又は正味の電荷を有さない両性イオン界面活性剤と可逆的に結合させる 又は複合体を形成させる(complexing)ことによって、投与される作用剤上の疎水 性部位(単数又は複数)の適当な遮蔽が達成される。界面活性剤は作用剤を充分 に包み及び/又は作用剤を変えるのを助けて、体表(例えば、皮膚)を通しての 電気的移送式投与中の疎水性部位(単数又は複数)の暴露を防止する。作用剤界 面活性剤複合体がひと度皮膚を通って下方の組織及び/又は毛細血管循環中に投 与されたならば、界面活性剤は作用剤から解離し、作用剤の本来の形状と治療特 性とが回復される。 本発明は例えばポリペプチドやタンパク質のような作用剤の経皮電気的移送式 投与に特定の用途を有する。多くのポリペプチド及びタンパク質は、両親媒性α ヘリックスに折り畳まれることができる、それらの分子構造部分を有し、この部 分ではヘリックスの1面は疎水性であり、他の面は親水性である。典型的に、こ れらの作用剤上の疎水性部位は、経皮投与された場合に、体表上の親油性領域( 例えば、皮膚,脂質)と不利に相互作用する(例えば、に溶解する及び/又は粘 着する)傾向がある。この相互作用は皮膚又は他の体表を通る作用剤の通過を妨 害し、作用剤の総流量を減ずる。本発明の非イオン界面活性剤と両性イオン界面 活性剤とは作用剤上の疎水性部位(単数又は複数)を遮蔽して、体表の親油性領 域とのこれらの相互作用を防止する。 作用剤の疎水性度(例えば、溶液中のポリペプチド又はタンパク質のような作 用剤、並びにそれらの相対的な増加又は減少)は作用剤含有溶液を特定の“疎水 性相互作用”ビーズ物質を充填したクロマトグラフィーカラムに通し、(1)作 用剤がカラムを溶出する(即ち、通過する)ために必要な時間又は(2)作用剤 を溶出させるために必要な液体量(即ち、作用剤含有サンプルに用いられる同じ 液体、但し作用剤を除去する)のいずれかを測定することによって決定される。 本発明のために、作用剤の疎水性度はマーカー化合物、中程度の(somewhat mode rate)疎水性度を有するN−アセチルトリプトファナミド(Sigma Che mical,ミズーリ州,セントルイスによって販売)に関した表現で定義され る。疎水性度は、この用語を本明細書で用いるかぎり、13.5μmの平均粒度 を有する架橋寒天ビーズを充填した、5cmの長さを有する5mm直径ガラスカ ラム(即ち、1.0mlのカラム容積)を用いて測定される。適当な疎水性ビー ズ物質の例は、化学的に安定なエーテル結合によって寒天に結合した疎水性配位 子を有する架橋ゲルビーズ(Superose12)[(Superose12 )−O−CH2−CHOH−CH2−O−R]、例えばアルキル−Superos e[Rは−CH2−C(CH33である]及びフェニル−Superose[R はフェニルである]であり、これらの両方ともニュージャージーリ州.ピスカタ ウェイのPharmacia Biotech社によって予め充填されたカラム 形で販売される。カラムから直接下流には、カラムから流出する溶液の連続UV 吸光度測定を可能にするフローセル(flow cell)が配置される。適当なフローセ ルとUV吸光度検出計とはPerkin−Elmer社(Applied Bi osystems,カリフォルニア州,フォスターシティ)によって販売される 。疎水性度測定は、患者に作用剤を(例えば、経皮的に)投与するために用いら れる電気的移送系に用いられる同じ緩衝剤によって32℃において実施される。 疎水性度測定に用いられる緩衝剤系は10mMイオン強度である。本明細書で用 いる“ある程度の疎水性度”なる用語は、カラムから作用剤を溶出するために要 する時間がN−アセチルトリプトファンアミドの溶出に要する時間に対して次の 通りであることを意味する: ta/tm>0.7、好ましくはta/tm>3 式中、 taは、有効剤含有溶液によってカラムを最初に充填するために要する時間( 即ち、死空間保持時間(dead volume retention time))を減じた、フローセル中 で有効剤に関してピークUV吸光度値が記録される時間である; tmは、マーカー含有溶液によってカラムを最初に充填するために要する時間 (即ち、死空間保持時間)を減じた、フローセル中でN−アセチルトリプトファ ナミドマーカーに関してピークUV吸光度値が記録される時間である。 作用剤疎水性度の上記測定は、カラムのサイズ及びカラムを通る流速度に実質 的に無関係である。 疎水性度の他に、本明細書では下記分析方法を説明して、用いる: (1)円二色性分光法による作用剤(例えば、ポリペプチド又はタンパク質) の三次元形状又は楕円率(ellipticity)の測定;及び (2)印加電界の影響下にある液体含有媒質中の作用剤(例えば、ポリペプチ ド又はタンパク質)の移動度(即ち、作用剤の電気泳動移動度)の測定。 本発明の組成物(即ち、一緒にした作用剤と界面活性剤)は約1μg/cm2 ・時より大きい作用剤電気的移送式流量を得るために、好ましくは約3〜10の 範囲内の界面活性剤:作用剤のモル比を有する。同様に、本発明の組成物は約1 μg/cm2・時以上、約20μg/cm2・時までの薬物流量に達するために、 好ましくは約1x10-5cm2/V・秒から約5x10-4cm2/V・秒までの電 気的移送式移動度、及びこれより大きい、より好ましくは約0.75x10-4c m2/V・秒より大きい電気的移送式移動度をも有する。楕円率値は界面活性剤 結合の程度を表示するが、投与される特定の薬物に大きく依存する。一般的に言 うと、約−9000より小さい平均残留楕円率値(mean residue ellipticity va lue)が好ましいが、約−6,000〜−30,000の値が許容可能な範囲内で ある。それ故、作用剤の電気的移送式投与のために最も好ましい組成物は約4カ ラム量未満のHIC溶出量(HIC elution volume)と、約1.0x10-5cm2/ V・秒より大きく、約1x103cm2/V・秒程度の電気泳動移動度とを有する 。しかし、作用剤の実際の電気的移送式流量は明らかに、用いられる特定の電気 的移送式投与条件(例えば、電流密度)と、作用剤及び体表の特徴と、特定の投 与用途に応じて変化しうる他の条件とを包含する、広範囲なパラメータに依存す る。したがって、前記範囲は単なるガイドラインとして提供され、特定の作用剤 と電気的移送促進剤との組合せを限定するように意図されない。 本明細書で用いるかぎり、“非イオン界面活性剤”なる用語は、疎水性部分と 親水性部分とを有するが、荷電した基を有さない界面活性剤として定義される。 本発明に用いるために適した非イオン界面活性剤は、非限定的に、例えばTWE EN(登録商標)20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート )、TWEEN(登録商標)40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノ パルミテート)、TRITON(登録商標)X−100及びTRITON(登録 商標)X−114のようなポリオキシエチレン;例えば、6より大きいpHにお けるドデシルジメチルアミンオキシドのようなアルキルジメチルアミンオキシド ;例えばデシル−β−D−グルコピラノシド、ノニル−β−D−グルコピラノシ ド、オクチル−β−D−グルコピラノシド、ヘプチル−β−D−グルコピラノシ ド、ヘキシル−β−D−グルコピラノシドのような、アルキルグルコシド;例え ばドデシル−β−D−マルトシド及びデシル−β−D−マルトシドのようなアル キルマルトシド;例えばオクチル−β−D−チオグルコピラノシド及びヘプチル −β−D−チオグルコピラノシドのような、アルキルチオグルコシド;例えばデ オキシBigCHAP及びBigCHAPのようなBigCHAPシリーズ種; CHΛPSO;ジギトキシン;グルカミド類;及びこれらの混合物である。本発 明のために好ましい非イオン界面活性剤はTWEEN(登録商標)20とTWE EN(登録商標)40である。 本明細書で用いる“両性イオン界面活性剤”なる用語は、荷電基を有するが、 総合的な正味電荷を有さない界面活性剤を意味する。多くの両性イオン界面活性 剤がある一定のpHにおいてイオン特性(character)を示しうるが、両性イオン 界面活性剤は、両性イオン界面活性剤上の総合電荷がゼロになるようなpHにお いて本発明によって好ましく用いられる。本発明による好ましい両性イオン界面 活性剤を、非限定的に、下記に挙げる。 両性イオン胆汁酸塩とその誘導体類は技術上周知であり、本明細書で詳述する 必要はない。例えば、CHAPS、CHAPSO、及びCalBiochem Catalogue(1994)に記載される同様な化合物を本明細書に述べる ような両性イオン界面活性剤として用いることができる。 電気的移送式促進剤は好ましくは組成物の約0.1〜30重量%、さらに好ま しくは組成物の約10〜20重量%の量で存在する。好ましい実施態様では、本 発明の組成物は低級アルカノール又はジオール、例えばC2−C10アルカノール 又はアルカンジオール、より好ましくはエタノール又はドデカンジオールを組成 物の約0.1〜10重量%の量でさらに含む。他の好ましい実施態様では、本発 明の組成物はまた、組成物の約1〜90重量%の量での水も含む。本発明の組成 物は任意に、イオン導入式投与組成物に関して当該技術分野で知られている、例 えば結合剤、緩衝剤、酸化防止剤、防腐剤、溶媒、抗真菌剤又は抗菌剤等のよう な、1種以上の添加剤を包含する。 例えばポリペプチド又はタンパク質のような作用剤の疎水性を測定する1つの 方法は、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)による方法である。HI Cに関した原理と条件は、Protein Purificatio;Prin ciples,High Resolution Methods,and A pplications,JansonとRyden編集,207〜226頁( 1989)に詳述されており、これの関係部分は本明細書に援用される。この方 法は、組成物を疎水性相互作用カラムに通す工程と、それの完全な溶出のために 必要な溶媒量を測定する工程とを必要とする。作用剤上の疎水性部位は一般に、 カラム内に入れられたビーズに結合した、例えばアリール基のような、疎水性基 に引き付けられる。好ましいカラム材料はフェニル−Superose(Pha rmacia,スエーデン)、ペンダント疎水性アリール基を有するように共有 結合によって(covalently)修飾された架橋多糖である。これらのペンダント基は 皮膚層中の疎水性又は親油性種に類似する。したがって、この疎水性相互作用カ ラムはポリペプチド又はタンパク質の移送に対するバリヤーとしての動物の皮膚 層に近似し、動物の皮膚層の良好なインビトロモデルである。それ故、HIC溶 出、量(volume)又は保持時間を疎水性部位を有する作用剤の相対的経皮電気的移 送式投与速度を予想するために用いることができる。 楕円率はポリペプチド鎖の三次元形状又は構造(conformation)の相対的尺度で ある。楕円率測定値は、J.T.Yang等,Methods in Enzy mology,130:208〜269(1986);R.W.Woody等, 16〜114頁,The Peptide;Analysis,Synthes is,Biology,S.UdenfriendとJ.Meienhofer 編集,Academic Press,ニューヨーク(1985):及びW.C urtiss Johnson,Jr.等,Ann.Rev.Biophys. Chem.17:145(1988)によって述べられている円二色性(CD) 分光法から実験的に得ることができ、これらの関係部分は本明細書に援用される 。例えば、完全なα−ヘリカルタンパク質は約−32,000度−cm2/de cimoleの楕円率を有し、ランダムコイル状ポリペプチド鎖は約−2000 度−cm2/dmolの楕円率を有する。約−2000度−cm2/dmolの楕 円率を有するランダムコイル状ポリペプチド鎖の疎水性側鎖は相互から分離する 傾向があるので、疎水性特性の有意な部分は存在しない。これに反して、α−ヘ リカル構造状にきつく巻かれ、約−32,000度−cm2/dmolの楕円率 を有するポリペプチドは多くの重複する疎水性側鎖を示す。この高濃度の疎水性 側鎖は、非イオン界面活性剤と両性イオン界面活性剤とに結合する傾向を有する 、実質的に疎水性特性の部分を生じる。例えばポリペプチドのような作用剤の非 常に多くの構造が平衡状態にあると想定すれば、α−ヘリカル構造上の疎水性部 位の経皮電気的移送促進剤結合はこの平衡をシフトさせ、大きい楕円率値を生じ る。したがって、大抵の場合に、大きい楕円率値は電気的移送促進剤による疎水 性部位結合の増加の相対的尺度を与え、これは電気的移送式促進剤の流量を増加 させることになる。 電気泳動移動度は印加された電界下でのイオンの移動の定常状態速度に基づき 、これらの条件下でのイオンの速度は一般的に印加電圧に直接比例する。化学種 の電気泳動移動度として定義される比例定数(proportionality constant)は、一 般に、化学種の平均電荷、サイズ及び形状と溶媒の性質とに依存する。電気泳動 移動度の測定値は毛管電気泳動装置から得ることができる。したがって、毛管電 気泳動は電気的移送による体表(例えば、皮膚)を通しての相対的作用剤投与速 度を算出するために用いることもできる。毛管電気泳動の使用はW.G.Kuh r等のCapillary Electrophoresis,Analyti c al Chem.64:389〜407(1992);A.C.Rickard 等,Analytical Biochem.197;197〜207(199 1)によって考察されており、これらの文献の関連部分は本明細書に援用される 。 本発明は、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質を包含した、0.7より大 きく、好ましくは3より大きいta/tmによって定義される、少なくともある一 定の疎水性度を有する作用剤(例えば、薬物又はプロ−ドラッグ)の投与に有用 である。これは、皮膚、粘膜及び爪を包含する、体表及び膜を通して通常投与さ れる広範囲な種類に含まれる作用剤を包含する。本明細書で用いるかぎり、“作 用剤(agent)”なる表現は、生活する生物又は植物に投与されて、所望の効果を 生じる任意の物質(例えば、薬物又はプロドラッグ)としてのそれらの最も広い 解釈を有するように意図される。一般に、これは、主要治療分野の全てにおける 治療剤を包含し、これらの治療剤は、限定する訳ではなく、例えば抗生物質と抗 ウイルス剤のような抗感染薬;鎮痛薬と鎮痛複合薬;麻酔薬;食欲減退薬;抗関 節炎薬;抗喘息薬;抗痙撃薬;抗うつ薬;抗糖尿病薬;下痢止め;抗ヒスタミン 薬;抗炎症薬;抗偏頭痛薬;乗り物酔い治療剤;抗おう吐薬;抗腫瘍薬(antineo plastics);抗パーキンソン病薬;かゆみ止め;抗精神病薬;解熱薬;胃腸及び 尿路を含む鎮痙薬;抗コリン作動薬;交感神経興奮剤(sympathomimetics);キサ ンチン誘導体;カルシウムチャンネル遮断薬を含む心血管系製剤;ベータアゴニ スト;ベータ遮断薬;抗不整脈薬;抗高血圧薬;ACE阻害剤;利尿薬;全身、冠 状、末梢及び脳血管拡張薬を含む血管拡張薬;中枢神経系刺激薬;咳き薬及び風邪 薬;うっ血除去薬;診断薬;例えば上皮小体ホルモンのようなホルモン;催眠薬;免 疫抑制薬;筋弛緩薬;副交感神経遮断薬;副交感神経作用薬(parasympathomimetics )、プロスタグランジン類;タンパク質;ペプチド;精神刺激薬;鎮静薬及びト ランキライザーを包含する。 本発明は、0.7より大きく、好ましくは3より大きいta/tmによって定義 されるある一定の疎水性度を有する、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質又は 他のマクロ分子の制御投与に特に有用である。これらのマクロ分子化合物は今ま で、それらのサイズと疎水性特性とのために、電気的移送によって経皮又は経粘 膜投与することが困難であると実証されてきた。これらのマクロ分子物質は典型 的に少なくとも約300ダルトン、より典型的には約300〜40,000ダル トンの分子量を有する。本発明のデバイスを用いて投与されることができるペプ チド及びタンパク質の例は、非限定的に、LHRH、例えばブセレリン、ゴナド レリン、ナフレリン(naphrelin)及びロイプロリドのようなLHRH類似体、G HRH、GHRF、カルシトニン、インシュリン、インスリノトロピン、ヘパリ ン、カルシトニン、オクトレオチド、エンドルフィン、TRH、NT−36(化 学名:N−[[(S)−4−オキソ−2−アゼチジニル]カルボニル]−L−ヒ スチジル−L−プロリナミド)、リプレシン(liprecin)、下垂体ホルモン(例え ば、hGH,hFSH,hLH,デスモプレシン酢酸)、卵胞ルテオイド、α− ANF、成長因子放出因子(GFRF)、β−MSH、ソマトスタチン、ブラデ ィキニン、血小板由来増殖因子、アスパラギナーゼ、硫酸ブレオマイシン、キモ パパイン、コレシストキニン、絨毛性性腺刺激ホルモン、コルチコトロピン(A CTH)、エリスロポイエチン、エポプロステノール(血小板凝固阻害因子)、 グルカゴン、ヒルログ(hirulog)、ヒアルロニダーゼ、インターフェロン、イン ターロイキン−2、メノトロピン(mentropin)類(ウロフォリトロピン(FSH )とLH)、オキシトシン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性因 子、ウロキナーゼ、バソプレシン、デスモプレシン、ACTH類似体、ANP、 ANPクリアランス阻害因子、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、抗利尿ホ ルモンアゴニスト、抗利尿ホルモンアンタゴニスト、ブラジキニンアンタゴニス ト、CD4、セレダーゼ、CSF類、エンケファリン類、FABフラグメント、 IgEペプチド抑制因子、IGF−1、神経栄養因子、コロニー刺激因子、上皮 小体ホルモンとアゴニスト、上皮小体ホルモンアンタゴニスト、プロスタグラン ジンアンタゴニスト、ペンチゲチド(pentigetide)、プロテインC、プロテイン S、レニン阻害因子、チモシンα−1、血栓溶解薬、TNF、ワクチン、バソプ レシンアンタゴニスト類似体、α−1抗トリプシン(組換え体)及びTGF−β を包含する。本発明によって用いるために好ましいポリペプチドは、例えばイン シュリン、カルシトニン、及びこれらの誘導体のような、かなりの疎水性特性を 有す るようなポリペプチドである。 組成物のpHは、特に作用剤がペプチド又はタンパク質である場合には、ポリ ペプチドの電荷、特性及び構造がしばしばpH依存性であるので、作用剤の電気 的移送式投与速度にかなりの影響を与えると考えられる。イオン導入(イオン化 形での疎水性作用剤の投与)は本発明による電気的移送の好ましい方法である。 イオン導入はイオン化種を必要とするので、組成物のpHを作用剤がイオン化状 態になるように選択することが好ましい。これはタンパク質又はペプチド−含有 溶液のpHを、タンパク質又はペプチドの等電点pHから少なくとも1、好まし くは少なくとも2pH単位離れるように維持することによって達成されることが できる。例えば、インシュリンのような作用剤の電気的移送式投与は、インシュ リンが総合的に正の電荷を示すような約2.5〜4のpHにおいて又はインシュ リン総合的に負の電荷を示すような約8〜10のpHにおいて実施されることが 好ましい。しかし、前記で考察したように、両性イオン界面活性剤を用いる場合 には、界面活性剤が正味の電荷を示さないような、pHであることが好ましい。 このように、ポリペプチドの電気的移送式投与のために好ましいpH範囲は選択 された作用剤及び界面活性剤の性質に依存する。 本発明の組成物は広範囲な電気的移送式デバイスに用いるために適する。本発 明によって使用可能である電気的移送式薬物投与デバイスの1例を参照数字1に よって表示して、図1で説明する。デバイス10は、本明細書でドナー電極12 及びカウンター電極14と呼ばれる、2個の導電性膜を有する。電極12と14 は例えば金属のような導電性物質から構成することができる。例えば、溜め12 と14は金属ホイル、金属スクリーン、例えばカレンダーリング若しくはフィル ム蒸発によって又はバインダーマトリックス中へ金属粉末を混入することによっ て、適当なバッキング上に付着させた又は塗装した金属から形成することができ る。適当な金属の例は銀、亜鉛、塩化銀、アルミニウム、白金、ステンレス鋼、 金及びチタンを包含する。最も好ましくは、アノード電極は銀から構成され、カ ソード電極は塩化銀から構成される。銀はヒトに対して比較的低い毒性を有する ので、銀がアノードとして他の金属よりも好ましい。塩化銀の還元は塩化物イオ ンを生じるが、これは人体にとって内因性であるので、塩化銀がカソードとして 好ましい。或いは、電極を例えば金属粉末、粉状黒鉛、炭素繊維又は他の導電性 フィラー物質のような導電性フィラーを含有するポリマーマトリックスから形成 することもできる。このポリマー主成分(polymer-based)電極は導電性フィラー (例えば、銀又は塩化銀)をポリマーマトリックスに混入することによって製造 することができる。 ドナー及びカウンター電極12と14は、それぞれ、ドナー溜め16とカウン ター溜め18とに隣接して配置される。ドナー溜め16は投与されるべき作用剤 を含有し、カウンター溜め18は典型的に生体適合性の電解質塩(electrolytic salt)を含有する。ドナー溜め16と任意のカウンター作用剤溜め18とは、電 気的移送によるそれらを通る作用剤の移送を可能にするために、それらの中に充 分な量の液体を吸収して保持するために適した任意の物質であることができる。 例えは、綿又は他の、天然と合成の両方の、吸収性布帛から構成されるガーゼ、 パッド又はスポンジを用いることができる。さらに好ましくは、溜め16と18 のマトリックスは少なくとも部分的に親水性ポリマー材料から構成される。水は 好ましいイオン移送媒質であり、親水性ポリマーは比較的大きい平衡水含量を有 するので、親水性ポリマーが好ましい。最も好ましくは、溜め16と18のマト リックスは、少なくとも部分的に不溶性の親水性ポリマーから成る固体ポリマー マトリックスである。不溶性の親水性ポリマーマトリックスは構造的な理由から 溶解性の親水性ポリマーよりも好ましい。 これらのマトリックスは、例えばシラスティック(silastic)マトリックスのよ うに、作用剤成分と適所で架橋することができる、又はセルロース、織物の繊維 パッド及びスポンジの場合のように、ポリマーを予め製造して、溶液から成分を 吸着させることができる。或いは、作用剤溜め16と18は、ポリマーマトリッ クス構造と同様に形成される、ゲルマトリックス構造であることができ、この場 合にゲルは水中で膨潤又は溶解することができる親水性ポリマーから形成される 。このようなポリマーは任意の比で成分とブレンドされることができるが、好ま しくは、溜めの数%から約50重量%までに相当する。ポリマーは線状であるこ と も、架橋されることもできる。適当な親水性ポリマーは、例えばHYTREL( DuPont De Nemours & Co.,デラウェア州,ウィルミン トン)のようなコポリエステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール 、例えばPOLYOX(Union Carbide Corp.)のようなポ リエチレンオキシド、CARBOPOL(BF Goodrich,オハイオ州 ,アクロン)、例えばCARBOPOLをブレンド化たPOLYOXのような、 ポリオキシエチレン又はポリエチレングリコールとポリアクリル酸とのブレンド 、ポリアクリルアミド、KLUCEL、例えばSEPHADEX(Pharma cia Fine Chemicals,AB,スウェーデン,アップセラ)の ような架橋デキストラン、澱粉−グラフト−ポリ(アクリル酸ナトリウム−コ− アクリルアミド)ポリマーであるWATER LOCK(Grain Proc essing Corp.,アイオワ州,ムスカチン)、例えばヒドロキシエチ ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピ ルセルロース及び例えばAc−Di−Sol(FMC Corp.ペンシルバニ ヤ州,フィラデルフィア)のような架橋したNa−カルボキシメチルセルロース のようなセルロース誘導体、例えばポリヒドロキシルエチルメタクリレート(N ational Patent Development Corp.)のよう なヒドロゲル、天然ガム、キトサン、ペクチン、澱粉、グアーガム、イナゴマメ ガム等を、それらのブレンドと共に包含する。このリストは本発明への使用に適 した物質の単なる例示であり、他の適当な親水性ポリマーはScottとRof f(Scott,J.R.とRoff,W.J.,Handbook of C ommon Polymers,CRC Press,(1971)、この文献 の関係部分は本明細書に援用される)に見いだすことができる。 任意に、溜め 16と18のマトリックスは構造剛性を強化するために疎水性ポリマーを含むこ とができる。例えば図1に示す絶縁体20のような隣接成分への溜めの積層を改 良するために、疎水性ポリマーは熱融合性であることが好ましい。溜めマトリッ クスに用いるために適した疎水性ポリマーは、限定する訳ではなく、ポリイソブ チレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレンとポリアルケン、ゴム 、 例えばKRATONのようなコポリマー、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニ ルコポリマー、例えばナイロンのようなポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビ ニル、例えばn−ブタノール、1−メチルペンタノール、2−メチルペンタノー ル、3−メチルペンタノール、2−エチルブタノール、イソオクタノール、n− デカノールのようなアルコールと、アクリル酸若しくはメタクリル酸とのエステ ルの、単独のポリマー又は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド 、メタクリルアミド、N−アルコキシメチルアクリルアミド、N−アルコキシメ チルメタクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、イタコン酸、ア ルキル基が炭素数10〜24であるN−分枝アルキル−マレインアミド酸、グリ コールジアクリレートのようなエチレン系不飽和モノマーと共重合したポリマー のようなアクリル酸樹脂又はメタクリル酸樹脂、並びにこれらのブレンドを包含 する。上記疎水性ポリマーの大部分は熱融合性である。溜めマトリックスは所望 の作用剤、電解質又は他の成分(単数又は複数)に不活性ポリマーを例えばメル トブレンディング(melt blending)、溶液流延又は押出成形のような方法によっ てブレンドすることによって形成されるポリマーマトリックス構造体であること ができる。カウンター溜め18は下記電解質:例えばNaClのようなアルカリ 金属塩、例えば塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩及びリン酸塩のようなアルカリ 土類金属塩;例えばアスコルビン酸塩、クエン酸塩及び酢酸塩のような有機塩; 例えばCu-2、Fe-2、Fe-3、キノン、ヒドロキノン、Ag-2及びIO3 -のよ うなレドックス種を含有する電解質;及び他の生体適合性塩と緩衝剤を包含する 。薬物と電解質との他に、溜め16と18は例えば染料、顔料、不活性フィラー 等のような他の慣用的物質を含むこともできる。 ドナー電極12とドナー溜め16とは、カウンター電極14とカウンター溜め 18とから、電気的短絡を防止する絶縁膜20によって分離される。絶縁体20 はドナー溜め16又はドナー電極12と、カウンター電極14又は任意のカウン ター溜め18との間の直接イオン移送、即ち、短絡を防止する。絶縁体の目的を 想定するならば、絶縁体20は好ましくはイオンと電子の両方の通過に対して不 透過性である疎水性材料から製造される。好ましくは、絶縁性材料は溜めポリマ ーに強度に結合して、デバイスにさらに総合的な構造結合性(structural integr ity)を与えることができる物質である。好ましい絶縁性材料はポリ(イソブチレ ン)とエチレン−酢酸ビニル(EVA)を包含する。 デバイス10は、耐水性で、好ましくは電気絶縁性である物質から構成される バッキング層22も有する。さらに、バッキング層22はデバイスにある程度の 構造結合性を与えることができる。 1個以上のバッテリーを包含する層24として図1に概略的に示す電流発生及 び制御回路によって電力が供給される。例えば、PANASONIC(登録商標 )モデルCR2025のような、1個以上の3ボルトボタン電池バッテリーがデ バイス10に電力を与えるために適する。カウンター電極とドナー電極とが異な る金属製であるか又は異なる半電池反応を有する場合には、系がそれ自体の電力 を発生することができる。電池対物質を形成する典型的な物質は亜鉛ドナー電極 と塩化銀カウンター電極とを包含する。このような組合せは約1ボルトの電位を 生じる。本発明に可能に有用な電池対物質系の他の例は非常に多く存在する。標 準的な電気化学反応とそれぞれの還元電位(reduction potential)とは技術上周 知である(例えば、CRC Handbook of Chemistry a nd Physics,D133〜D138頁,第62版(1981〜1982 )を参照のこと、これは本明細書に援用される)。電極12,14の各々が層2 4中の電源の反対極に電気的に接続するように、層24中の電源は電極12及び 14と電気的に接触する。層24は電気的移送式デバイスの作用を制御するため の電子回路をも包含することができる。したがって、層24は例えば要求時投薬 計画(on-demand medication regime)によるような、患者が系を手動でオン及び オフ切り換えする、又は例えば身体の自然のパターン若しくは日周性パターンに 適合するような、望ましい周期性で系をオン及びオフ切り換えすることができる ように設計された回路を包含することができる。比較的簡単な制御装置又はマイ クロプロセッサーが時間の関数として電流を制御することができる、又は例えば パルス若しくは正弦波のような複雑な電流波形を発生することができる。制御回 路は、バイオシグナル(biosignal)をモニターして、治療を評価し、それに応じ て 薬物投与を調節するバイオセンサー及びある種のフィードバック系を包含するこ ともできる。 この実施態様では、デバイス10は周辺接着剤層28によって体表100に接 着する。体表100とドナー溜め16との間に任意の受動的流量制御膜30をそ れそれ配置する。 さらに、デバイス10は、例えばデバイスの皮膚接触面上の除去可能な保護ラ イナー(図示せず)のような、他の特徴を含むことができる。さらに、デバイス 10のある種の成分は不必要であるか又は任意である。カウンター溜め18は任 意成分の1例である。また、電極12と14とが電池対物質が存在するように選 択されるならば、層24中の独立した電源(例えば、1個以上のバッテリー)は 任意の成分であることができる。このように、図1のデバイス10は、本発明の 組成物によって用いることができる電気的移送式投与デバイスの1例の例示のた めにのみ提供されるに過ぎない。 本発明を一般的に説明したが、下記実施例は上記パラメーターの如何なる変更 が少なくともある一定レベルの疎水性を有する治療有効剤を電気的移送によって 投与するための手段を形成するかを説明する。 実施例 インビトロ経皮流量の測定 A. ヒト皮膚サンプルの調製 ストリップ形状で約1mm厚さの皮膚サンプルを最初に取り出すことによって 、ヒト死体皮膚を調製した。これらの皮膚ストリップをポリエチレンバッグに入 れ、このバッグを密封し、一時的な貯蔵のために約4℃の冷蔵庫に入れた。電気 的移送式セルに用いる前に、皮膚ストリップを60℃の水を含有する1リットル ビーカー中に約90秒間入れて、穏やかに撹拌した。次に、皮膚ストリップを取 り出して、真皮側を下にして、BENCHKOTETM材料片の吸収性側上に載せ た。真皮をフラットチップトピンセット(flat tipped tweezer)を用いて保持し 、各ストリップからラウンドチップスパチュラによって表皮を除去した。各表皮 を、角質層側を上にして、水を充填したPyrexTMガラストレーに移した。各 浮遊する表皮を本質的に平らに伸ばした。水から取り出した後に、無視できる表 面損傷を有する部分から2.22cm(7/8インチ)直径ディスクを打ち抜い た。これらのディスクをそれらの水分を維持するための数滴の水滴と共に密封容 器に入れて4℃において貯蔵した。 B. 電気的移送式セルと組成物のセットアップ 図2に示す二区画透過セルのドナー区画44とレセプター区画46との間に、 ヒト死体表皮ディスクを取り付けた。この透過セルはOリングシール54を有す るポリカーボネート支持構造体52から構成され、ステンレス鋼のボルトとナッ ト56によって結合された。ヒト死体表皮ディスク42を角質層側がドナー区画 44に面するように取り付けた。銀アノード48をドナー区画44に隣接して配 置し、塩化銀カソード50をレセプター区画46に隣接して配置した。移送のた めに暴露されたヒト皮膚ディスク42の面積は約1.26cm2であり、区画4 4と46との各容積は約2mlであった。電極48、50はガルバノスタット(g alvanostat)(図2に示さず)に電気的に接続し、ガルバノスタットは一定の所 定レベルの電流(即ち、100μA/cm2)を得るために必要な電圧を印加す るようにセットされた。 ドナー区画44のポリペプチドの溶液濃度は、他に指定しないかぎり、1mM であった。ドナー区画44の溶液のpHは、他に指定しないかぎり、10mMの ヒスチジン緩衝剤を用いて、約pH6〜7に維持した。ダルベッコ(Dulbecco)の リン酸塩緩衝化生理的食塩水(微量の他のイオンを含む約0.15N NaCl 、pH7.0)をカソードレセプター区画48に入れた。セルの温度は32℃に 維持した。レセプター区画46中の溶液を定期的にサンプリングすることによっ て、ポリペプチド流量を測定した。 円二色性の測定 一般に、緩衝化(buffered)水溶液中のポリペプチドの構造はそれのランダムコ イル形態である部分とα−ヘリックス形態である部分との間で一定の流量である 。下記実施例に用いるポリペプチドに関して、α−ヘリックス形態は結合した界 面活性剤の不存在下では不安定であるので、主要な構造はランダムコイルである 。本発明によると、ポリペプチドの水溶液に界面活性剤を加えると、α−ヘリッ クス構造が安定化される。円二色性は溶液中に存在するα−ヘリックス形態ポリ ペプチド量の尺度である。したがって、円二色性はポリペプチドへの界面活性剤 の結合度の間接的な尺度である(例えば、Epand,R.M.,Epand, R.F.,Orlowski,R.C.,Schuleter,R.J.,Bo ni,L.T.及びHui,S.W.のBiochemistry,22,50 74〜5084(1983);Hui,S.W.,Epand,R.M.,De ll,K.R.,Epand,R.F.及びOrlowski,R.C.のBi ochimica BioPhysica Acta,772,264〜272 (1984):Epand,R.M.,Epand,R.F.及びOrlows ki,R.C.のInternational Journal Peptid e Protein Research,25,105〜111;Epand, R.M.,Epand,R.F.,Orlowski,R.C.,Seyler ,J.K.及びColescott,R.L.のBiochemistry,2 5,1964〜1968;Epand,R.M.,Seyler,J.K.及び Orlowski,R.C.のEuropean Journal Bioch emist ry,159,125〜127(1986);Wiersema,P.H.,L oeb,A.L.及びOverbeek,J.のColloid Interf acc Scicnce,22,78〜99(1966)を参照のこと)。 32℃における2mm経路(path)長さセル(110−Q−2モデル,AVIV ,ニュージャージー州,レイクウッド)中で、界面活性剤/ペプチド円二色性( CD)スペクトルが得られた。このセルに最初に、10mAクロロ酢酸ナトリウ ム(pH3.5)又は10mMのホウ酸ナトリウム(pH9.0)中に約0.2 5mg/mlのペプチドを含有する溶液(0.60ml)を加えた。この溶液の pHに対する温度の影響を最小にし、吸光度を最小にし、それによってシグナル 対ノイズ比(SNR)を最適化するように、緩衝剤を選択した。ペプチド濃度を 分光測光法によって光散乱に関する対数−対数相関関係を用いて測定した。CD セル中に濃縮界面活性剤ストックを滴定した後に、気泡によって混合乱流を生じ ながら、セルを8回転置させることによって、界面活性剤濃度を段階的に高めた 。混合後に、セルをAVIV62CD分光計(AVIV,ニュージャージー州, レイクウッド)中に入れた。温度及び化学的平衡に近づくために、読み取りを行 う5分間前までサンプルを分光計に留めた。1nmの通過幅と、1nmのデータ 間隔と、10秒間のデータ平均時間とを用いて、CDスペクトルを測定した。平 均残留楕円率(mean residue ellipticity)は、アミノ酸残留濃度(dmol/c m3)を乗じた経路長さ(cm)によって除した楕円率である。Methods in Enzymology,130巻,208〜269頁,Yang等,“円 二色性からのタンパク質配座の算出”(1986)を参照のこと。 疎水性度の測定 経皮電気的移送式薬物投与は主として親水性シャント経路(shunt pathway)( 例えば、汗腺及び毛包)を通って生ずることが判明しているので、投与される薬 物/作用剤の疎水性度は経皮電気的移送式投与への適否(suitability)を予測す る。薬物/作用剤の疎水性度が低ければ低いほと、予想される経皮電気的移送式 流量は良好である。疎水性度測定はペプチド/界面活性剤混合物を、5mmx5 cmのフェニルSuperoseカラム(Pharmacia Biotech ,I nc.ニュージャージー州,ピスカタウェイ)と、SCL−6Aポンプ流速度制 御器と、SPD−6AV UV吸光度検出器と、LC−6Aポンプとを包含する 高性能液体クロマトグラフィーカラム、モデルC−R4A Chromatop ac(Shimadzu Instruments,カリフォルニア州,Ple asanton)に通すことによって実施した。ALLTECH330カラムヒ ーター(ALLTECH,イリノイ州,ディアフィールド)によってカラム温度 を32℃に維持した。死空間保持時間は2分間であった。Rheodyn注入器 とHamilton注射器とを用いて注入(50μl)を行った。HIC分析条 件は0.5ml/分の流速度、0.002の吸光度、214nMにおけるUV検 出及び5の減衰であった。全ての緩衝剤は使用前に0.4μフィルターに通して 濾過し、脱気した。 電気泳動移動度の測定 電気泳動移動度(即ち、薬物/作用剤が電界中で移動する能力)は電気的移送 式薬物投与の重要な局面であるので、投与される薬物/作用剤の電気泳動移動度 は経皮電気的移送式投与への適否を予測する。電気泳動移動度の測定はキャピラ リーゾーン電気泳動機器(モデル2100P/ACE機器,Beckman I nstruments,Inc.,カリフォルニア州,パロアルト)を用いて行 った。酸性pH値では、DB−WAX、DB−1、DB−17(J&W Sci entific,カリフォルニア州,Folsom)キャピラリーカラムを50 又は100μ内径カラム及び内径75μのCElect H75(Supelc o、ペンシルバニア州,Bellefonte)キャピラリーカラムと共に用い た。アルカリ性pH値では、長さ57cm、内径75μの非被覆シリカキャピラ リーを20kVの印加電圧で用いた。電気浸透(electroosmotic)流動が存在する 場合には、これを例えば0.01%ベンジルアルコール(SIGMA,ミズーリ 州,セントルイス)又は1/500メシチルオキシド(Applied Bio systems,カリフォルニア州,フォスターシティ)のような中性マーカー を用いて検出した。最適電圧は、各緩衝剤とキャピラリー系に対してオームの法 則試験を実施することによって決定した。キャピラリーカラムの温度は32℃に 設定 し、2秒間加圧注入(two second pressure injection)を実施した。UV検出計 を用いて、214nm又は280nmにおいてペプチドとマーカーをモニターし た。 ペプチドと被覆キャピラリーのキャピラリー内壁との間の明白な相互作用を調 べるために、0.05μ内径と、57、47、37、27cmの異なる全長とを 有するDB−WAXカラム(このため、検出計への異なる長さはそれぞれ50、 40、30及び20cmであった)を用いた。27cm長さのカラムに対しては 電圧注入(voltage injection)を用いなければならなかった。印加電圧はキャピ ラリー長さに依存して変化した。 下記式を用いて、電気泳動移動度μを算出した。 電気浸透流動が検出される場合には、下記式を用いることができる。 μpeptido=μtotal−μneutral market 実施例1タンパク質電気泳動移動度、楕円率及びHIC保持時間に対する非イ オン界面活性剤の影響 上記測定方法を界面活性剤としてTWEEN(登録商標)20(MW=112 6g/mol)を加えた、タンパク質インスリノトロピンの水溶液に対して下記 修正を施して実施した。このインスリノトロピンドナー溶液濃度は0.12mg /mlであった。1つの試験はpH9.0の10mMホウ酸ナトリウム中で実施 し、他の試験はpH3.5の10mMクロロ酢酸ナトリウム中で実施した。結果 は以下の表2と3に示す。 表2はpH9.0における10mMホウ酸ナトリウム中でのTWEEN20濃 度の関数として楕円率と電気泳動移動度を示し、表3はpH3と10mMクロロ 酢酸ナトリウムとに関する同様なデータを記載する。分数変化率(%δ)は一定 界面活性剤濃度における読取り値(Ec)から界面活性剤ゼロにおける読取り値 (E0)を引いた差を、飽和界面活性剤濃度における読取り値(Es)から界面活 性剤ゼロにおける読取り値(E0)を引いた差によって除したものとして定義さ れる、即ち、%δ=(Ec−E0)/(Es−E0)。 両方の実験セットが同じ全体的傾向を示した。TWEEN20の濃度が増加す るにつれて、HIC保持時間は減少する。同様に、HIC保持時間は減少するに つれて、楕円率は減少するが、電気泳動移動度は増大する。 これらのデータは楕円率と電気泳動移動度とのHICに対する全体的な相関を 示す、即ち、他の変数が一定に維持される場合に、楕円率の減少又は電気泳動移 動度の増大はHICカラム保持時間の減少を意味する。実施例2種々な作用剤のHIC保持時間、電気泳動移動度及びインビトロ皮膚 流量 3種類のタンパク質を同じ条件下で試験して、HIC保持時間によって測定さ れるタンパク質疎水性度とインビトロ皮膚流量との間の相関関係を実証した。試 験したタンパク質はチトクロムC、リゾチーム及びリボヌクレアーゼであった。 この試験では界面活性剤は用いなかった。 32℃において10mMイオン強度ヒスチジン緩衝剤による3種類のタンパク 質の各々のドナー水溶液によって、インビトロ皮膚流量を測定した。レセプター 溶液は10mMリン酸ナトリウムpH7を含む150mM塩化ナトリウムであっ た。リボヌクレアーゼのドナー溶液のpHは6であり、チトクロムC溶液とリゾ チーム溶液のpHは7であった。 チトクロムC、リゾチーム及びリボヌクレアーゼに関するHIC保持時間、電 気泳動移動度及びインビトロ皮膚流量の得られた値を以下の表4に報告する。 チトクロムCとリゾチームとの分子量、サイズ、電荷及び電気泳動移動度は同 じである。しかし、これらのインビトロ皮膚流量はかなり異なる。これらの組成 物間の最大の有意差は、HIC保持時間によって測定される、これらの疎水性度 である。結果は、小さいHIC保持時間が大きいインビトロ経皮投与速度を有す ることを示す。例えば、リボヌクレアーゼはリゾチームよりも小さいHIC保持 時間と電気泳動移動度とを有する。この組合せがリゾチームよりも大きいそのイ ンビトロ流量の理由を説明する。 これらのデータを分析すると、上述のような、楕円率と電気泳動移動度との相 関関係と共に、楕円率又は電気泳動移動度とペプチド作用剤経皮流量との間の一 般的な相関関係も明らかになった。さらに詳しくは、この相関関係を次のように 要約することができる。例えばポリペプチドのような作用剤の疎水性度が減少し 、その電気泳動移動度が増大するにつれて、この作用剤の経皮流量は増加する傾 向がある。実施例3作用剤の楕円率に対する非イオン界面活性剤の影響 作用剤としてのインスリノトロピンの水溶液と、界面活性剤としてのTWEE N(登録商標)40(分子量1282g/mol)とに対して、下記の変化を施 した、前述した測定方法を実施した。インスリノトロピン濃度は最初は0.29 mg/mlであり、TWEEN40添加後は0.21mg/mlであり、温度は 32℃に維持した。2種類の試験をTWEEN(登録商標)40の2種類の異な る濃度で実施した。1種類の試験はpH9.0において10mMナトリウムグリ シルグリシネート(sodium glycylglycinate)中で実施し、他の試験はpH3.5 において10mMクロロ酢酸ナトリウム中で実施した。以下の表5はTWEEN 40濃度の関数として得られた楕円率値を示す。同様な値が前記条件に関して得 られた。 この実施例は例えばTWEEN(登録商標)40のような非イオン界面活性剤 によって生じる(洗剤結合に起因する)楕円率のかなりの減少を示す。上記実施 例に示したように、楕円率の全ての減少は疎水性度の低下と一貫して相関する。 これはさらに、疎水性部位を有する、例えばポリペプチドのような作用剤の経皮 流量を高めるために非イオン界面活性剤を用いることの利益を実証する。実施例4ポリペプチドの電気泳動移動度と楕円率とに対するイオン界面活性剤 の影響(比較例) この実施例では、作用剤としてのインスリノトロピンを含有する水溶液と、イ オン界面活性剤としてのドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(DTAC) とに対して、下記の変化を施した、前述した測定方法を実施した。温度は最初約 32℃であり、pHは3.5であり、10mMクロロ酢酸ナトリウム中のDTA C濃度は0.12mg/mlであった。表6はDTAC濃度の関数として楕円率 と電気泳動移動度とを示す。 イオン界面活性剤DTACによって誘出される楕円率減少は実施例1と2のポ リオキシエチレン(TWEEN(登録商標)の対応濃度によって得られる楕円率 減少よりもかなり軽度である。換言すると、同様な楕円率値を得るために、イオ ン界面活性剤よりも有意に低い濃度の非イオン界面活性剤が必要であるに過ぎな い。例えば、−9000の楕円率はTWEEN(登録商標)20では0.3mM 未満で生じ、TWEEN(登録商標)40では0.5mM未満で生ずる。これに 反して、イオン界面活性剤では−9000の楕円率を得るために、約3.0mM DTACの濃度が必要である。それ故、非イオン界面活性剤は幾つかのポリペプ チドの経皮投与に関してイオン界面活性剤に比べた場合にかなり優れている。実施例5作用剤の楕円率、電気泳動移動度及びHICカラム保持時間に対する 両性イオン界面活性剤の影響 作用剤としてのサケカルシトニンの水溶液と、界面活性剤としての両性イオン ドデシルスルホベタインとを用いて、下記修正を加えた、同じ測定方法を実施し た。温度は最初は32℃であり、界面活性剤濃度は30mMまでに変化させ、カ ルシトニン濃度は0.06〜0.08mMであった。以下の表7、8及び9は、 それぞれ、12mMクロロ酢酸ナトリウム中、pH3.5において(表7)、4 mMピペラジンHCl中、pH5.0において(表8)及び15mMナトリウム カコジレート(sodium cacodylate)中、pH6.5において(表9)両性イオン 界面活性剤濃度の関数として表現された、ポリペプチド楕円率に関して得られた 結果を示す。さらに、表8はpH5.0においてフェニルSuperoseカラ ムにおいて電気泳動移動度及びHIC保持時間に関して得られた結果を示す。 明らかに、両性イオン界面活性剤の濃度上昇は作用剤の楕円率を有意に減少さ せる。 上記表8は、pH5.0において両性イオン界面活性剤の濃度上昇による、作 用剤の電気泳動移動度の減少とHIC保持時間の増大とを示す。 これらの結果は、両性イオン界面活性剤濃度が上昇すると、作用剤の楕円率が 有意に減少することを実証する。実施例6促進剤と共に及び促進剤の不存在下での作用剤のインビボ投与(受動 的投与と電気的移送式投与による) 例えばカルシトニン(sCT)、pH6.5において界面活性剤 Tween 20に対してアフィニティを有するタンパク質のような作用剤の、ドナーゲルか らTween20の存在下で作用剤を投与することによって、電気的移送による 経皮投与速度に与える効果を評価するために、試験を実施した。 電極マトリックスの調製 特製の(custmized)電気的移送系と、その溜めマトリックスと、内容物(conten ts)とを以下に述べるように調製した。各試験を通して自給式電力モジュール( ALZA Corp.カリフォルニア州,パロアルト,Code#84166) によって100μAcm-2の低レベル電流を維持した。電気的移送によって投与 するためにペプチド作用剤サケカルシトニン(sCT,UCB−Bioprod ucts S.A.,ベリギー,Chemin du Foriest,All end)を選択した。タンパク質カルシトニンはpH6.5において正の正味電 荷を有するので、正の電極から負の電極方向へアノード的に(anodically)駆動さ れた。電気的移送系によって用いるために3種類のゲルを調製した。アノードゲ ルはアノード電気化学的反応のための適当な環境を提供した。これは48mMヒ スチジン緩衝剤(pH6.5)と0.5%ヒドロキシエチルセルロース(HEC )中のBio−Rad樹脂ビーズ(100〜200メッシュ、塩化物形,Bio −Rad Laboratories,カリフォルニア州,リッチモンド)から 構成した。カソードゲルはカソード電気化学的反応のための適当な環境を提供し た。これはL−ヒスチジン緩衝化HECゲル(pH2.9)と塩化ナトリウムと から構成された。ドナーゲルは2cm2の表面積を占有し、アノード区画から1 キロダルトン(Kdalton)分子量(MW)カットーオフ膜(Millipore Corp.,マサチューセッツ州,ベドフォード)によって分離された。最初に 48mMヒスチジン緩衝剤(pH6.5)と、HECとを混合し、激しく撹流し て、HECを完全に溶解して、ゲルの均質重合を保証することによって、ドナー ゲルを調製した。数分間後に、Tween20(Pierce,イリノイ州,ロ ックフォード)の10%溶液か又は水をカルシトニンのストック溶液と共に加え て、穏やかに混合して、ゲルにした。1ml量(Tween20を含む、又は含 まない)の1%HECゲル中1mM sCTの公称濃度を生じるように、各成分 の量を算出した。このゲルを徐々に回転させて、4℃において一晩平衡させた。 各実験の開始直前に、275〜295μlのドーナーゲルのアリコートを計量し て、電気的移送系のドナー溜めに入れた。これらの3種類のゲルを2つの分離し た構造中に入れた、各ゲル区画は0.081cm(0.032”)厚さ、3.2 cm(1 1/4”)の外径及び1.6cm(5/8”)の内径を有する、打ち 抜かれた両面接着性フォームリングであった。カソードゲル含有区画リングは皮 膚側に開放していた。後ろ側は、3.2cm(1 1/4”)直径の剥離ライナ ーカ バーと、導電性接着性テープの2.2cm(13/15”)直径パンチ(punch) と、1端部において軽度にコイル状であって、このコイルが電極リード(electro de leading out)の中心に置かれた11cm(4 1/2”)銀ワイヤーと、A gCl PIB電極フィルムの1.6cm(5/8”)直径パンチとから成る電 極サンドイッチによって覆われた。ドナーゲル区画も皮膚側に開放していたが、 後ろ側は1,000ダルトンMWカットーオフ膜の2.2cm(13/15”) 直径パンチによって覆われた。次に、アノード区画をドナー区画の頂部に積み重 ね、カソードと同じ電極サンドイッチによって覆った、但し、この場合にはAg Cl PIB電極フィルムの代わりに0.025mm厚さの銀(Ag)ホイル( Johnson Mathey Catalog Co.,マサチューセッツ州 ,ワードヒル)を用いた。カソード区画とアノード区画の両方は皮膚と区画底部 との間に皮膚接着を改良するために3.2cm(1 1/4”)の外径及び1. 6cm(5/8”)の内径を有する接着性ワッシャーをも包含した。系の全ての 成分は予め打ち抜かれてあり、実験日に組み立てられた。 動物準備 雄無毛モルモット(“HGP”,IAF/HA−HO,Charles Ri ver Breeding Laboratories,マサチューセッツ州, ウイルミントン)を一晩(17時間)絶食させ、空腹時体重320〜450gを 計量した。全ての動物をそれらの健康状態を保証するために試験前7日間、隔離 して検疫した。 動物をナトリウムペントバルビタール(Anthony Product C o.,カリフォルニア州,アルカディア,32.5mg/ml,無菌0.9%N aCl(Travenol Laboratories Inc.イリノイ州, ディアフィールド)中,腹腔内注入)によって麻酔した。麻酔は動物の腹腔内に 挿入された18cm長さPE10カテーテル(Clay Adams,ニュージ ャージー州,Parsippany)中に注入されたブースター用量の希釈ペン トバルビタールによって維持した。動物は急性の非外科的手術によって、大動脈 弓に達する左頚動脈カテーテル(斜めに切断された挿入端部から約3cmのとこ ろでその表面に小さなバンプを形成するように熱変性された(heat-modified)P E50チューブ(Clay Adam,Division of Beckto n Dickinson and Co.,ニュージャージー州,Parsip pany))を受容し、全試験中に麻酔状態に維持された。動物を両側腹部で希 薄なアイボリーソープによって完全に洗浄し、水ですすぎ洗いし、ガーゼによっ て乾燥させ、ヒーティングパッド(heating pad)に載せた。血液サンプルをヘパ リン化(Elkins−Sinn,Inc.ニュージャージー州,チェリーヒル )1.5mlマイクロフュージチューブ(microfuge tube)中に、注射器と針を除 去することによって採取し、生理的食塩水をカテーテルから除去させ、チューブ に全血を充填した。 この実施例には、全体で18匹の無毛モルモット(HGP)を3群に分けて用 いた。 (1)試験群 6匹の動物に活性な電気的移送によって治療剤としてのカルシトニン(1mM )と、促進剤としてのTween20とをドナーゲルから投与した。 (2)対照群A 6匹の動物の第2群には活性な電気的移送によってドナーゲルからTween 20を含まない作用剤を投与した。条件は促進剤が存在しないこと以外は上記( 1)と同じであった。 (3)対照群B 6匹の動物の第3群には受動的(即ち、電気的補助なしの)移送によってゲル から促進剤としてのTween20と共に(3動物)及びTween20なしで (3動物)作用剤を投与した。この対照群には受動的投与によってのみで(電流 は供給しなかった)組成物を投与した。 4匹の動物をランダムに選択して、特定の日に同時試験するために異なる群に 割り当てた。動物は上述したように準備し、次に、電気的移送系を組み立て、ア ノードゲルとカソードゲルとを加え、ドナーゲルの重量を算出した。 電気的移送系によって電流を供給する直前と、系を4時間目の時点に及び最後 の時点(6時間)に取り出したときに、全ての動物のヘマトクリット値を測定し た。電気的移送系によって電流を供給する前に1mlの全血を採取し、他の種々 な時点(0.5、1、2、3、3.5、4、4.25、4.5、5、5.5、6 時間)では0.5mlサンプルを採取した。各動物の側腹部に電気的移送系を固 定して、電流を始動させた(活性な投与系のみに対して)。活性な移送試験では 、各時点において電圧と電流とを記録した。 4時間目の時点では、血液とヘマトクリットとを採取して、全ての電気的移送 系を除去した。さらに2時間にわたって、サンプリングを続け、全てのサンプル を遠心分離することができるまで(採取後3分間以内)、氷上に維持した。全て の血漿サンプルを0.5mlSarstedt管(Sarstedt,Inc. ,ノースカロライナ州,ニュートン)に移して、カルシトニン(sCT)濃度を 酵素イムノアッセイ(Cortecs Diagnostics Limite d,イギリス、Deeside,Clwyd,CH5 2NT)によって測定す るまで、−20℃に貯蔵した。結果 上述したように無毛モルモットに活性な電気的移送系を施用した後に、これら の系の電圧は最初の数分間の処置で低下したが、その後はかなり定常に留まった 。定常状態電圧値は1.5〜6.5ボルトの範囲であった。 3群の動物に関する6時間の実験観察中のカルシトニン血漿レベルの変化を図 3に示す。最初の1時間の電気的移送中に、カルシトニン血漿濃度は、活性系を 装着し、電流によって処置される2つの電気的移送式投与群(群(1)と(2) )において迅速に上昇したが、受動的系を装着した動物では、カルシトニンレベ ルは低く、検出限界に留まるか又は検出限界を僅かに越えるに過ぎなかった。 2時間目までに、2つの活性電流群(1)と(2)は定常状態カルシトニンレ ベルに接近した。ゲル組成物がTween20を含有する(1)群の動物はTw een20を含まない作用剤で処置された(2)群の動物の3倍である平均血漿 カルシトニン濃度を有した(5.4μgのsCTcm-2-1対1.2μgのsC Tcm-2-1)。対照群(3)の2つの亜群の動物は試験の最初の4時間を通し て有意なカルシトニン血漿濃度を依然として有さなかった。 2つの活性移送群の動物(群(1)と(2))に関して得られた結果に統計的 な有意差検定を適用すると、これらの2群のカルシトニン血漿プロフィルは相互 に有意に異なることが判明した(p<0.05;分散分析(ANOVA),SA S6.04)。 この試験で得られた結果は、ヒト経皮電気的移送の動物モデルにおいて、例え ばTween20のような固体透過促進剤をドナー組成物に含めた場合に、例え ばカルシトニンのような作用剤の本発明によるインビボ経皮電気的移送が有意に 増強されることを明らかに示す。実施例7促進剤を含む及び含まない両方の場合のデカペプチドのインビトロ経 皮電気的移送式投与 下記のアミノ酸配列を有するモデル デカペプチドのインビトロ経皮電気的移 送式投与に対する2種類の界面活性剤:Tween20とCHAPSO(両方と もPierce,a Prestorc Biotec Co.,イリノイ州, ロックフォードによって販売)の影響を評価するために、この試験を行った: D-Glu-D-Tyr-D-Leu-D-Lys-D-Ata-D-Leu-D-Leu-D-Ser-D-Lys-D-Leu-NH2. このデカペプチドは、用いられるドナー溶液のpHと特定の緩衝剤とに依存し て、ta/tm比によって測定される、可変な疎水性度を有する。pH6.5にお いて10mMヒスチジン(HIS)緩衝剤を用いる場合には、デカペプチドは約 0.8のta/tmを有した。他方では、pH7.0において10mM HIS緩 衝剤を用いる場合には、デカペプチドは僅か0.6のta/tmを有し、pH7. 2に緩衝化されると、デカペプチドは僅か0.5のta/tmを有した。 レセプター水溶液は10mMイミダゾールによってpH7に緩衝化された15 mM塩化ナトリウムであった。少量(0.1%)のウシ血清アルブミンと、この 実験に用いた特定の界面活性剤促進剤とをレセプター溶液に加えて、経皮移送さ れるペプチドがガラス器及び他の系成分に粘着するのを防止した。 ta/tm比、電気泳動移動度及びインビトロ皮膚流量に関して得られた値を表 10と11とに示す。表10はta/tm比が0.7より大きい本発明の組成物を 示す。3mM Tween20の添加は約23%の経皮電気的移送デカペプチド 流量の増加を生じた。 表11は本発明の範囲外の2種類の組成物を示す、両方の組成物は促進剤の不 存在下で0.7未満のta/tm比を有する。これらの“疎水性デカペプチド”へ の非イオン界面活性剤の添加(即ち、3mM Tween20と10mM CH APSO)は経皮電気的移送式流量を増加させなかった。 本発明を一般的に説明し、ある一定の好ましいその実施態様を詳述したが、以 下の請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲から逸脱せずに、本発明の 種々な修正が当業者によってなされうることは容易に明らかであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 バセット,パトリシア・マーガレット アメリカ合衆国カリフォルニア州94063− 1026,レッドウッド・シティ,“ディ ー”・ストリート 110

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.電気的移送によって体表を通して治療剤を投与するためのデバイスであ って、 作用剤及び、非イオン界面活性剤と、正味電荷を有さない両性イオン界面活性 剤とから成る群から選択される少なくとも1種の電気的移送促進剤を含み、作用 剤が少なくともある一定の疎水性度を有するドナー溜め(16) を含むデバイス。 2.ある程度の疎水性度がta/tm>0.7 [式中、 taは、作用剤含有溶液によってカラムを最初に充填するために要する時間を 減じた、32℃において疎水性相互作用カラムを通って流れる有効剤含有緩衝化 溶液に関してピークUV吸光度値が記録される時間であり; tmは、N−アセチルトリプトファナミド含有溶液によってカラムを最初に充 填するために要する時間を減じた、32℃においてカラムを通って流れるN−ア セチルトリプトファナミド含有緩衝化溶液に関してピークUV吸光度値が記録さ れる時間である] として定義される、請求項1記載のデバイス。 3.ta/tm>3である、請求項2記載のデバイス。 4.作用剤がポリペプチドとタンパク質とから成る群から選択される、請求 項1記載のデバイス。 5.作用剤と促進剤とが溶液又は懸濁液の状態でドナー溜め(16)中に存 在し、この溶液又は懸濁液が、ポリペプチドとタンパク質が正味電荷を有するよ うなpHを有する、請求項4記載のデバイス。 6.促進剤が両性イオン界面活性剤を含み、溶液又は懸濁液が、両性イオン 界面活性剤が実質的に中性の電荷を有するようなpHを有する、請求項5記載の デバイス。 7.電気的移送促進剤がポリオキシエチレン、pH約6〜10におけるアル キルジメチルアミンオキシド、アルキルグルコシド、アルキルマルトシド、アル キルチオグルコシド、グルカミド、pH約6〜8におけるアシルカルニチン、ア ルキルスルホベタイン、両性イオン胆汁酸塩とその誘導体、及びこれらの混合物 から成る群から選択される、請求項1記載のデバイス。 8.電気的移送促進剤がポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレ ートとポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテートとから成る群か ら選択される、請求項1記載のデバイス。 9.促進剤が約3〜10の範囲内の界面活性剤:作用剤のモル比を得るため に有効な量で存在する、請求項1記載のデバイス。 10.作用剤と界面活性剤とが溶液又は懸濁液の状態でドナー溜め(16) 中に存在し、溶液又は懸濁液が約0.1〜30重量%の非イオン界面活性剤を含 む、請求項1記載のデバイス。 11.溶液又は懸濁液が約10〜20重量%の非イオン界面活性剤を含む、 請求項10記載のデバイス。 12.作用剤と界面活性剤とが溶液又は懸濁液の状態でドナー溜め(16) 中に存在し、ドナー電極中の溶液又は懸濁液が約0.1〜10重量%のC2−C1 0 アルカノール又はアルカンジオール又はこれらの混合物を含む、請求項1記載 のデバイス。 13.電源と電気的制御回路(24)とをさらに含む、請求項1記載のデバ イス。 14.体表を通る治療剤の電気的移送式流量を高める方法であって、 作用剤と電気的移送促進剤とを溶液又は懸濁液中に入れる工程において、該促 進剤が非イオン界面活性剤と正味電荷を有さない両性イオン界面活性剤とから成 る群から選択され、該作用剤が少なくともある程度の疎水性度を有する工程と; 該溶液又は懸濁液を体表と作用剤伝達関係に配置する工程と; 該溶液又は懸濁液と体表とに通して電流を供給し、それによって作用剤を電気 的移送によって体表を通して投与する工程と を含む方法。 15.ある程度の疎水性度がta/tm>0.7 [式中、 taは、作用剤含有溶液によってカラムを最初に充填するために要する時間を 減じた、32℃において疎水性相互作用カラムを通って流れる有効剤含有緩衝化 溶液に関してピークUV吸光度値が記録される時間であり; tmは、N−アセチルトリプトファナミド含有溶液によってカラムを最初に充 填するために要する時間を減じた、32℃においてカラムを通って流れるN−ア セチルトリプトファナミド含有緩衝化溶液に関してピークUV吸光度値が記録さ れる時間である] として定義される、請求項14記載の方法。 16.ta/tm>3である、請求項14記載の方法。 17.電気的移送促進剤が溶液又は懸濁液中に約3〜10の範囲内の界面活 性剤:作用剤のモル比を得るために有効なな量で存在する、請求項14記載の方 法。 18.作用剤がポリペプチドとタンパク質とから成る群から選択される、請 求項14記載の方法。 19.溶液又は懸濁液が、ポリペプチドとタンパク質が正味電荷を有するよ うなpHを有する、請求項18記載のデバイス。 20.促進剤が両性イオン界面活性剤を含み、溶液又は懸濁液が、両性イオ ン界面活性剤が実質的に中性の電荷を有するようなpHを有する、請求項18記 載の方法。 21.電気的移送促進剤がポリオキシエチレン、pH約6〜10におけるア ルキルジメチルアミンオキシド、アルキルグルコシド、アルキルマルトシド、ア ルキルチオグルコシド、グルカミド、pH約6〜8におけるアシルカルニチン、 アルキルスルホベタイン、両性イオン胆汁酸塩とその誘導体、及びこれらの混合 物から成る群から選択される、請求項14記載の方法。 22.電気的移送促進剤がポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウ レート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート及びこれらの 混合物から成る群から選択される、請求項14記載の方法。 23.溶液又は懸濁液が約0.1〜30重量%の非イオン界面活性剤を含む 、請求項14記載の方法。 24.溶液又は懸濁液が約10〜20重量%の非イオン界面活性剤を含む、 請求項14記載の方法。
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