【発明の詳細な説明】
インターラインCCDセンサー装置
本発明はインターラインCCDセンサー装置に関するものである。
米国特許明細書第4,805,026 号は複数の垂直線上に配置された複数のフォトセ
ンサーを含んでいるインターライン転送型CCD面積映像センサーを開示してい
る。複数の垂直シフトレジスターがフォトセンサーの線のそれぞれ一つに沿って
置かれている。水平シフトレジスターが垂直シフトレジスターから電荷を受け取
るために形成されている。出力回路が水平シフトレジスターを通って転送された
電荷を電気信号に変換する。
インターラインイメージセンサーにより、20msの全フィールド持続期間の間に
スメアーが映像セルから隣接する記憶セルへの漏洩により起こされる。電荷積分
持続期間が20msと等しい場合には、スメアー抑制が、例えば所定のセンサーに対
して約86dBである。しかしながら、電荷積分持続期間が、例えば電子絞りの動作
の結果として 200倍短い場合には、スメアー抑制は40dBだけの丁度許容できる低
いスメアー抑制となる同じ係数により低減される。従って、戸外環境において必
要なような、200を越える範囲を有する電子絞りは不可能になる。
短い露出時間が用いられる場合にも良好なスメアー低減が得られる、インター
ラインCCDセンサー装置を提供することが、特に本発明の目的である。この目
的のために、本発明の第1態様は請求項1に定義されたようなインターラインイ
メージセンサー装置を提供する。本発明の第2態様は請求項3に定義されたよう
なカメラを提供する。好都合な実施例は依存請求項に定義されている。
本発明によると、積分期間の間だけ実質的に透明になるシャッターが用いられ
る。本発明の利点は以下の例によって図解される。戸外環境におけるカメラの動
的領域は、100,000ルックスから下に 0.1ルックスまであり、すなわち最も明る
いシーンは最も暗いシーンよりも 1,000,000倍明るくてもよい。この 1,000,000
のうちの要因50は自動利得制御と抑制とにより取り扱われ得るので、電子絞りは
20,000の動的領域を有さねばならない。要因20,000による元の積分持続期間の低
減は、86dBの元のスメアー抑制から、1/20,000は86dBと等しく、且つ86dB−86dB
=0dBであるから、なにも残らないことを意味する。シャッターが40dB(それは
透明状態における光伝達と不透明状態における光伝達との間のコントラスト比で
ある)を生じる場合には、100,000ルックスにおいて40dBの丁度許容できるスメ
アー抑制が得られる。
「Research Disclosure,May 1993,327」がフレーム転送CCDカメラに用い
るための散乱液晶シャッターを開示していることは注意されるべきである。可能
なかぎりスメアーを回避するために、フレーム転送CCDイメージセンサーの記
憶部分への全画素情報の垂直輸送の間は、シーンがこのCCDイメージセンサー
から遮断される。散乱液晶材料がシャッター用に用いられる場合には、これらの
シャッターが偏光子を必要とせずに良好なオン/オフ光学コントラストと結合さ
れた高速度スイッチングを提供する。これらのシャッターが光感度での損失を与
えないので、これらの散乱液晶シャッターは直列に用いられ得る。このことが、
直列に3個のシャッターを用いることにより、例えば1000:1(開:閉)のコント
ラスト比を与える。120dB以上のスメアー抑制がそのような装置により達成され
得る。
しかしながら、フレーム転送CCDセンサーによって、スメアー現象がインタ
ーラインCCDセンサーによるのと完全に異なる方法で得られる。フレーム転送
CCDセンサーにより、スメアー現象はセンサーの覆われない映像部分を介する
電荷輸送の直接結果であり、且つスメアー現象は従って映像部分から記憶部分へ
のフレーム輸送の間にのみ得られる。従って、フレーム転送CCDセンサーはそ
のフレーム輸送の間だけ覆われる必要がある。対照的に、インターラインCCD
センサーによると、スメアーは二次効果により、すなわち(50Hzシステムにおい
て)20msの全フレーム持続期間の間に映像セルから隣接して覆われた記憶セルへ
の漏洩により起こされる。20msの最大積分持続期間において、それ以上のスメア
ー低減はシャッターにより達成され得ない。その環境におけるスメアー低減はす
でに全く大幅である(約86dB)から、そのような別のスメアー低減はいずれにし
ても必要ない。それで、インターラインCCDセンサーによると、シャッターが
全フィールド期間から積分期間を差し引いた期間の間散乱される必要があり、一
方フレーム転送センサーによると、シャッターはフレーム輸送期間の間散乱する
必要がある。
本発明のこれらの態様は以下に記載される実施例から明らかにり、且つ本発明
のその他の態様が以下に記載される実施例を参照して解明されるだろう。
図において、
図1は本発明によるインターラインイメージセンサー装置を具えているカメラ
の一実施例を示しており、且つ
図2は図1の実施例により用いるためのタイミング図を示している。
図1の実施例において、光LがCCDセンサーSへ対物鏡Oと液晶シャッター
LCSとを通過される。この液晶シャッターLCSは制御回路CCにより制御さ
れている。センサーSの出力信号は映像信号ISを形成するために映像信号処理
回路IPCへ加えられる。この映像信号処理回路IPCと制御回路CCとが、こ
の映像信号ISの何か別の処理と共に用いるために水平及び垂直同期信号H及び
Vも与えるタイミング発生器TGからタイミング信号を受け取る。
液晶シャッターLCSは間に液晶材料が配置されている2枚のガラス板を具え
ている。それらのガラス板の境界線はその液晶材料が間に捕捉されるように接着
剤を設けられている。各ガラス板は強い電界が非常に薄い液晶層(約15μm)を
横切って置かれ得るような接触を有する透明な導電性層を有している。この液晶
シャッターLCSの活性な範囲はCCDセンサーSの活性な範囲を越えるので、
液晶シャッターLCSが不透明である期間の間センサーSは完全に覆われる。
原理的には、二種類の液晶シャッターが用いられ得て、すなわち不透明期間中
完全に不透過性である慣習的な液晶シャッターと、不透明期間中散乱している散
乱液晶シャッターとである。完全に不透過性になる慣習的な液晶シャッターを越
える散乱液晶シャッターの利点は、透明状態の間の伝達が、散乱液晶シャッター
が偏光フィルタを必要としないと言う事実の結果として、80%を越えることであ
る。慣習的な液晶シャッターによると、伝達は偏光フィルタに対する必要を考慮
して理論的に多くとも50%であるが、実際にはその伝達は多分40%又は30%であ
ろう。かくして、散乱液晶シャッターによると、透明状態の間に、80%を越える
非常に高い伝達を得ることができると言う利点が得られ、一方散乱状態の間に、
そのシャッターは拡散でありそれが一様な付加的電荷に帰着する。この一様な付
加的電荷が映像信号処理回路IPCにおいて容易に補償され得る直流成分に帰着
する。
以下の液晶材料が散乱液晶シャッターに対して用いられ得て、すなわち高分子
分散液晶(PDLC)材料、及び重合液晶材料を具えている異方性ゲル(LC gel)で
ある。LC gelシャッターは電圧が印加されない場合に透明であり、且つ交番する
電圧が印加される場合に散乱になる。一般にPDLCシャッターは電圧が印加されな
い場合に散乱であり、且つ交番電圧が印加される場合に透明になる。一実施例に
おいては、その交番電圧は5kHz において 200Vppである。PDLC材料は、欧州特
許明細書第B-0,238,626 号から、及び文献「World Scientific '90」の第14章の
J.W.Doaneによる「Liquid Crystals,appl.and uses」B.Bahadur(編集)か
らそれ自体で既知である。LC gelは米国特許明細書第5,188,760 号から、及び文
献「R.A.M.Hikmett,Adv.Mater.4,679 ('92)」からそれ自体で既知である。
図2のタイミング図に、aにおいて映像信号ISのフィールド期間が示されて
いる。瞬時t2から瞬時t2′までのフィールド持続期間が、PAL信号に対しては
20ms、NTSC信号に対しては16.6ms続く。フィールド帰線期間は瞬時t2とt4と
の間に示されている。
bにおいては、電荷輸送の瞬時t3が示されている。図示のように、それはフィ
ールド帰線期間t2〜t4内に起こっている。
cにおいては、複数の補助パルスが示されている。補助パルスにおいて、画素
に集められる望ましくない電荷が基板へ放電される。何故ならばこれは瞬時t3と
t3′との間の全活性フィールド期間の間、電荷が集められるのに対して、(dに
おいて示される)積分期間の間のみ、電荷積分が必要であり、もっと多くの電荷
収集は不必要である。なるべく、補助パルスは妨害を低減するためにライン帰線
期間内にある。
dにおいては、積分期間が示されている。図2からわかるように、この積分期
間は瞬時t1におけるフィールド内の「最後の」補助パルスから、瞬時t3における
電荷輸送まで続く。補助パルス、及びそれによるフィールド内の「最後の」補助
パルスの瞬時t1の数は、瞬時t1におけるフィールド内の「最後の」補助パルスと
瞬時t3における電荷輸送との間の、より短いか又はより長いタイムスロットを確
立するために変えられ得る。それで、積分期間の持続期間の変動はセンサーの制
御感応度を意味し、すなわち積分期間が長いほど、電荷が集められる期間が長く
なり、且つセンサーが一層感応するようになる。しかしながら、輝度感知におい
ては、長い積分期間は露出オーバー画像となるだけである。
eにおいては、シャッター制御が図解されている。瞬時t0とt3との間はシャッ
ターが透明であり、一方t3とt0′との間はシャッターが散乱である。瞬時t0は液
晶シャッター内に遅いスイッチングを適応させるために、t1(dにおいて示され
るように積分期間の開始)の幾らか前である。瞬時t3はdに示されたように積分
期間の終端である。積分期間がセンサーの感度調節を許容するために可変にされ
る場合には、シャッターが透明である期間t0〜t3は、従って瞬時t0が瞬時t1がど
んなであっても瞬時t1よりもすこしだけ早いビットのままであるように変わらね
ばならない。望ましくない電荷が捨てられる補助パルスの数を変えることにより
得られるセンサー感度制御は、「電子絞り(electronic iris)」として知られて
いる。
前述のように、インターラインセンサーにおいては、全フィールド期間中にス
メアーが得られ、これはフィールド帰線期間中に映像部分から記憶部分までの輸
送に際してのみスメアーが得られるフレーム転送センサーと対照的である。従っ
て、インターラインセンサーにより、実効積分期間t1〜t3がフィールド持続期間
t2〜t2′よりも短い場合にのみシャッターが有効である。液晶シャッターは積分
期間t1〜t3の間透明でなければならない。
好適な実施例によると、本発明はかくして短い露出時間が用いられる場合にス
メアー抑制を改善するために、インターラインCCDセンサーと組み合わせた散
乱液晶シャッターを提案している。散乱液晶シャッターの利点は透明モードにお
ける高伝達である。カラーカメラにおけるシャッターの使用の重要な利点は、こ
のCCDセンサーIC上のカラーフィルタが、そのCCDセンサーにより受け取
られた光の量に依存して、時のたつにつれて徐々に境界を変えると言う事実であ
る。シャッターはCCDセンサーに、豊かな光がある場合に用いられる短い積分
期間において、少しだけの光を受け取らせるので、本発明に従ってシャッターが
存在する場合にチップ上のカラーフィルタの寿命が延ばされる。
前述の実施例は本発明を制限するよりもむしろ図解していること、及びこの技
術に熟達した人々は添付の請求の範囲から離れることなく多くの代わりの態様を
設計できるだろうことは注意されねばならない。液晶シャッターの代わりに、あ
らゆる他の電気的に制御できる光散乱装置が用いられ得る。請求の範囲において
括弧の間に置かれたあらゆる参照符号はその請求の範囲を制限するものとして構
成されるべきではない。シャッターの駆動は幾つかの異なる素子を具えているハ
ードウエアによって、及び適切にプログラムされたコンピュータによって、実行
され得る。