【発明の詳細な説明】
2の異種系におけるウシ・パラインフルエンザ・ウイルス・タイプ3の血球凝
集素/ノイラミニダーゼ(HN)糖蛋白質の発現
発明の背景
発明の分野
本発明は、ウシ・パラインフルエンザ・ウイルス・タイプ3(Bovine Parainfl
uenza Virus Type 3)の分野およびその治療のためのワクチンに関する。
情報の開示
米国特許第4,847,081号[(ジョン・エム・ライス(John M.Rice))、
1989年7月11日発行)]
米国特許第4,703,011号[(マロンおよびソール・キット(Malon and Sa
ul Kit))、1987年10月27日発行]
米国特許第4,992,051号[(マロンおよびソール・キット(Malon and Sa
ul Kit))、1991年2月12日発行]
アール・ダブリュ・モルガン(R.W.Morgan)ら、アビアン・ディジージズ(Avi
an Diseases)、36:858−870(1992)、ワイ・サカイ(Y. Sakai)ら、
ジャーナル・オブ・バイロロジー(J.Virol.)、63:3661−8(1989
)、ティ・シオダ(T.Shioda)ら、バイロロジー(Virology),162:338−9
6(1988)、エス・スズ(S.Suzu)ら、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ(
Nucleic Acids Res.),15:2945−58(1987)、カー・エル・ファン
・ワイク・ソエリンフ(K.L.Van Wyke Coelingh)ら、バイロロジー(Virology)
,160:465−472(1987)。
背景
ウシ・パラインフルエンザ・ウイルス−3(BPIV−3)はパラミクソウイ
ルス科(Paramyxoviridae)のパラミクソウイルス属(Paramyxovirus)に属する。ビ
リオンは多様の形がある、殻に包まれた粒子であって、一本鎖RNAゲノムを
包含するヌクレオキャプシドを含む。ゲノムは、核蛋白質(NP)、マトリック
ス蛋白質(M)、融合蛋白質(F)、血球凝集素−ノイラミダーゼ蛋白質(HN
)、およびラージ・プロテイン(L)の6のユニークな構造蛋白質の転写鋳型と
して働く。
HNおよびF蛋白質はスパイク-様構造としてビリオン表面から突出しており
、感染した細胞の表面上でも発現する。HN蛋白質はアミノ末端で強疎水性であ
り、このドメインは、蛋白質をビリオンエンベロープおよび宿主細胞膜中に固定
させる際に重要である。第二のドメインは、C−末端に近く、感染の初期の間に
、シアル酸を含有する宿主細胞レセプターのビリオンへの付着を媒介する。(ア
ール・エム・シャノツク(R.M.Chanock)ら、バイロロジー(Virology)、ビー・
フィールズ(B.Fields)編(1990))。
血球凝集反応は、血清診断および実験的実験室研究において広く用いられてい
るが、またこの型の相互作用の発現であり、この糖蛋白質が血球凝集素と命名さ
れた理由である。感染の後期に、HN蛋白質はまたノイラミニダーゼ活性により
ビリオン表面からシアル酸残基を切断する。
細胞への付着後、該ウイルスはヌクレオキャプシドを細胞質に輸送しなければ
ならず、これは、第二の表面糖蛋白質であるF蛋白質によって媒介される。これ
は、ウイルスのリポ蛋白質エンベローブと、宿主細胞のリポ蛋白質表面との融合
を引き起こす。F蛋白質は、感染した細胞の表面でも発現され、このことにより
、接触感染した細胞と非感染細胞との融合が起こることを可能とし、シンシチウ
ム形成および感染の拡大に導く。これらの2の蛋白質が感染プロセスで有する極
めて重要な役割および感染細胞の表面上のそれらの存在は、それらを免疫系の明
らかな標的とし、感染から回復した動物が、これらの両糖蛋白質に対する中和抗
体を有することが研究によって示された。
病原体としてのBPIV−3の重要性は、ウシ呼吸器疾患複合体(BRDC)
との関連である。BRDCは、ウシの罹患および死亡の主たる原因であり、非常
な経済的損失につながる。。共通に持たれる見地は、ウイルス、細菌およびスト
レスが相互作用して、疾患を引き起こすということである。最もよく関係するウ
イルスは、ウシ・ヘルペスウイルス・タイプ−1(BHV−1)、BPIV−3
、ウシ・ウイルス性下痢ウイルスである。感染に対する感受性の増大につながる
ストレスにより、ウイルス病原体は気管上皮への初期の障害を引き起こすと考え
られており、これは次いで細菌の侵入が起こし臨床的徴候をさらに悪化させる[
アール・ジェイ・ヤンシー(R.J.Yancey),ジャーナル・オブ・デアリー・サイ
エンス(J Dairy Sci.),76:2418−36(1993)]。
1以上のウイルス病原体が一度に関与するとしばしば推定されており、事実、
BRDCにおけるウイルス単離および血清学的証拠がこの見地を支持する。この
理由により、この病気を予防するため開発されたほとんどのウイルスワクチンは
、これらのウイルスの各々に対して抗原を含む。
BDRCと関連するウイルス病原体に対するワクチンの広範囲の組合せが入手
できるにかかわらず、この疾患複合体は依然ウシ産業の経済的損失の主たる源で
ある。通常用いられるワクチン調製物は、不活化ウイルス(IV)および修飾さ
れた生きたウイルス(MLV)のさまざまな組合せからなり、それぞれの調製物
が安全性および効率を個々に調整する。しかしながら、全ての場合において、コ
ンビネーションワクチンは、様々なウイルスワクチンの調製を別途に必要とし、
これはかなり生産に複雑さと費用を加える。加えて、多数のウイルスワクチン調
製物の様々な成分のための最適な貯蔵および投与プロトコルにおける相違は、幾
つかの成分の潜在能力および安定性と妥協しうる。
本発明は、BDRC複合体の成分によって引き起こされる、BPIV−3およ
び/またはBHV−1の予防のために有効なワクチンを使用者に提供する。
発明の概要
本発明は、ウシにおいて呼吸器疾患と戦う新規なワクチンからなる。該ワクチ
ンは、ウシ・パラインフルエンザウイルスの血球凝集素/ノイラミニダーゼ(H
N)糖蛋白質をコードするcDNAを、該蛋白質が対応するウイルスによって発
現されるように、ウシ・ヘルペスウイルス・タイプ1(BHV−1)またはバキ
ュロウイルスへ挿入することによって生産される。本発明は、複製する非病原性
ウイルスからなり、これは、ウシ・ヘルペスウイルスタイプ1(BHV−1)の
適
当な遺伝子座に挿入されそこで発現される血球凝集素/ノイラミニダーゼ(NH
)糖蛋白質をコードする遺伝子または遺伝子の組合せ、血球凝集素/ノイラミニ
ダーゼ(NH)糖蛋白質をコードする遺伝子または遺伝子組合せがウシ・パライ
ンフルエンザ・ウイルスタイプ3(BPIV−3)からのものであるウイルス、
血球凝集素/ノイラミニダーゼ(HN)糖蛋白質をコードする遺伝子または遺伝
子の組合せがBHV−1のチミジンキナーゼ遺伝子座に挿入され、そこで発現さ
れるウイルスからなる。ウシ・パラインフルエンザウイルスタイプ−3(BHV
−3)によって引き起こされる病気の予防のためのワクチンであって、ウシ・ヘ
ルペスウイルスタイプ1(BHV−1)の適当な遺伝子座に挿入されそこで発現
される血球凝集素/ノイラミニダーゼ(NH)糖蛋白質をコードする遺伝子また
は遺伝子の組合せを含む複製する非病原性ウイルスからなるワクチン、血球凝集
素/ノイラミニダーゼ(HN)糖蛋白質をコードする遺伝子または遺伝子の組合
せがウシ・パラインフルエンザウイルスタイプ3(BPIV−3)からのもので
あるワクチン、血球凝集素/ノイラミニダーゼ(HN)糖蛋白質をコードする遺
伝子または遺伝子の組合せがBHV−1のチミジンキナーゼ遺伝子座に挿入され
、そこで発現されるワクチン。バキュロウイルス発現系中に挿入され、そこで発
現される血球凝集素/ノイラミニダーゼ(NH)糖蛋白質をコードする遺伝子ま
たは遺伝子の組合せからなるワクチン、血球凝集素/ノイラミニダーゼ(HN)
糖蛋白質をコードする遺伝子または遺伝子の組合せがウシ・パラインフルエンザ
タイプ−3(BPIV−3)からのものであるワクチン。ウイルスワクチンのた
めに適切な医薬組成物、担体、希釈剤、アジュバントもまた提供されるか、当業
者によって理解されるであろう。
図面の簡単な説明
図1.BHV−1 tk遺伝子座におけるBPIV−3 HN遺伝子(および
他の遺伝子)の発現のためのシャトルベクターの構築。
図2.バキュロウイルス発現系内でのBPIV−3HN遺伝子の発現のための
組み換えバキュロウイルス導入ベクターの構築。
図3.BHV−1およびバキュロウイルスからのBPIV−3 HNの発現を
示す感染−細胞溶解物の免疫沈降。
図4.BHV−1およびバキュロウイルス組換え体におけるノイラミニダーゼ
活性。
本発明のさらなる記載および好ましい具体例定義
以下で使用される全ての用語は当業者によって容易に理解されるであろう。多
くの場合において、器具または試薬の製造者の名称は、器具または製造者の名称
が挙げられた後で丸括弧の中に入って提供されるであろう。「プラスミド」、「ク
レノウ断片」、「平滑末端」、「トリス」のごとき試薬およびEDTAのごときキレート
剤のような通常使用される用語は、さらに説明なしに言及される。
本発明で使用される化合物の構築の定義において、標準的な分子生物学的技術
が使用され、本明細書中に手短に名付けられる。これらの技術の詳細な説明はエ
フ・エム・アースベル(F.M.Ausubel)ら(1993)およびジェイ・サムブル
ック(J.Sambrook)ら(1989)の標準的実験マニュアルに見い出される。
「BV」、「BT細胞」、「BDRC」、「BPIV−3」および「BHV−
1」のごとき、当業者が必ずしも容易に理解できない略語は全て、それらの最初
の使用に基づき定義され、たいていさらに考察無しにその後用いられる。組成物および投与
−本発明の医薬的有効量のワクチンは、医薬的に許容される担
体、希釈剤またはアジュバントと共に、ウシ、羊およびヤギのごとき動物中にお
いてBHV−1およびBPIV−3に対するワクチンとして使用される。
本発明中で有用である医薬上許容される担体または希釈剤の例は、BHV−1
に対する抗体を含まない、すなわちBHV−1につき血清学的に陰性である、約
2.5ないし15%の血清を含む、約pH7.0ないし7.4の、いかなる生理学
的に緩衝された媒体をも含む。ガンマアルブミンを含有しない血清は、ガンマグ
ロブリンを含む血清よりも好ましい。本発明で使用される血清の例は、胎児ウシ
血清、子ヒツジ血清、馬血清、ブタ血清、およびヤギ血清を含む。約0.5ない
し3.0%の間の量の、ブタアルブミンまたはウシ血清アルブミン(以後「BS
A」と呼ぶ)のごとき血清蛋白質は、血清代替物として使用できる。しかしなが
ら、ワクチン接種される動物中でアレルギー反応を誘導するであろう担体または
希釈剤だは外来蛋白質の使用を避けるのが望ましい。医薬上許容されるアジュバ
ントの例は、水中の油、油中の水、サポニン、およびリポ多糖(LPS)等の、
非−複製抗原を増強するために通常使用されるものである。
該ウイルスは、リン酸緩衝液、グルタミン酸塩、カシトン、およびショ糖また
はソルボースを含むか、リン酸緩衝液、乳糖、デキストランおよびグルタミン酸
塩を含む通常のいずれかの安定化溶液中に希釈されていてもよい。
本発明のワクチンウイルスは、70℃ないし−90℃にて少くとも105ない
し106PFU/mlの力価にて、あるいは凍結乾燥状態で、2℃ないし7℃に
て、保存されるのが好ましい。凍結乾燥ウイルスは、滅菌蒸留水で、またはゲン
タマイシンおよびアンホテリシンBまたはストレプトマイシンのごとき保存剤を
含む水性希釈剤を使用して、使用のために復元することができる。
投与されるべき有用な用量は、ワクチン接種される動物の年令、体重および種
ならびに投与の様式に依存するであろう。適当な用量は、例えば、約104.5な
いし107PFU/動物、好ましくは104.5ないし105.5PFUであり得る。
本発明のワクチンは、鼻孔内、膣内、および筋肉内投与され得る。鼻孔的投与
は、BHV−1成分に対してより好ましい投与の様式であり、筋肉内投与は、バ
キュロウイルス成分の投与のより好ましい様式である。本発明の化合物および該化合物の調製
本発明の化合物の調製で使用する具体的な方法を以下に示す。これらの方法は
、いかなる当業者にも、特許請求された発明を再現することを可能とするであろ
う。代替方法は、クローニング、形質転換、組織培養および免疫学的検出を含め
たこれらの様々な操作に対し可能であり、標準的な実験マニュアルに記載されて
いる[エフ・エム・アースベル(F.M.Ausubel)ら(1993)およびジェイ・
サムブルック(J.Sambrook)ら(1989)]。これらの代替方法もまた、当業
者が本発明を再現することを可能とするであろう。
BPI−3 HN遺伝子のcDNAクローンは、当該分野でよく知られた方法
あるいはワイ・サカイ(Y.Sakai)ら、ジャーナル・オブ・バイオロジー(J.Vi
rol.),63:3661−8(1989)およびエイチ・シバタ(H.Shibata)ら
、バイロロジー(Virology),155:688−96(1986)(ここに引用し
て本明細書の一部とする)に記載された方法により構築することができる。この
cDNAは、前記した手法により得られるか、または東京大学のヒロシ・シバタ
(HIroshi Shibata)博士から得られるが、BHV−1およびバキュロウイルス(
BV)中での組換えおよび発現のためのシャトルベクター中に挿入される。BH
V−1中への導入のためには、HN遺伝子をシャトルベクター pHAS4DB
Xex-1(この構築はこの節に記載される)に挿入する。該挿入は、HN遺伝子
が、BHV−1チミジンキナーゼ遺伝子を破壊するようになされる。バキュロウ
イルス発現のためには、HN遺伝子を、ポリヘドロンプロモーターの制御下、標
準的で、商業的に入手可能なシャトルベクター(PVL1392、ファルミンゲ
ン(Pharmingen)、サンディエゴ(San Diego)、カリフォルニア(CA))に挿入する。
シャトルプラスミドの、その各ウイルスゲノムとの共トランスフェクションに続
き、tk−陰性BHV−1およびポリヘドロン陰性BVを単離し、HN遺伝子の
存在をサザンハイブリダイゼーションでスクリーニングし、HNの発現をラジオ
免疫沈降によりスクリーニングする。
細胞およびウイルス
ウシ鼻甲介(BT)細胞は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション
(ATCC、ロックビレ(Rodkville)、メリーランド州(MD))から入手可能である。
BT細胞は、ペニシリン、ストレブトマイシン、必須でないアミノ酸および10
%馬血清を補足した、ダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)中で増殖させる。チ
ミジンキナーゼ欠損ウサギ皮膚細胞(RabBU)は、ソール・キット(Saul Ki
t)およびマロン・キット(Malon Kit)により提供された;しかしながら、BHV−
1の増殖を支持するいかなる他のチミジンキナーゼ欠損細胞系も、本発明を再現
するのに使用可能である。tk欠損細胞は、ペニシリン、ストレプトマイシン、
10%ウシ胎児血清を補足したDMEM中で増殖させ、定期的に100μg/m
l 5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(BDUR,シグマ(Sigma),セント・
ルイス(St.Louis),ミズーリ州(MO))中で継代した。スポドプテラ・
フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(SF9)細胞は、ペニシリン、ストレプ
トマイシン、フンギゾンおよび10%ウシ胎児血清を補足したグレース培地(完
全)(Grace's Media)(complete)中で増殖させた。組織培養培地、補足物および血
清は全てギブコ/ビーアールエル(Gibco/BRL)(グランド・アイランド(Grand Islan
d)、ニューヨーク州(NY))から得た。ウシ・ヘルペスウイルス・タイプ1(BHV
−1)株「アイオワ(Iowa)」は、ナショナル・アニマル・ディージースセ・セン
ター・オブ・ザ・ユーエスエイディーエー(National Animal Diasease Center o
f the USDA)(アメス(Ames)、アイオワ(Iowa))から得られた。他のBHV−1
株も使用可能である。ウシ・パラインフルエンザウイルスタイプ3(BHIV−
3)のSF−4攻撃株は、ナショナル・ベタラネリ・サービシズ・ラボラトーリ
(National Veterinary Services Laboratory)(アメス(Ames)、アイオワ(IA))から
得られた。本発明の効果は、しかしながら、BPIV−3病のためのいかなる有
効な攻撃モデルに対しても示すことができる。
ウイルスは、当業者によく知られた標準的方法により増殖させ、力価ーを計算
した。最初のプラーク単離は、0.8%アガロースの下で行い、プラーク精製は
、96ウェルプレート中での限界希釈により達成した。
分子クローニングおよびDNA精製技術
記載された分子クローニング技術のために使用される方法は、標準的文献[エ
フ・エム・アースベル(F.M.Ausubel)ら(1993)およびジェイ・サムブル
ック(J.Sambrook)ら(1989)]に見い出すことができる。制限および修飾
酵素は、ニュー・イングランド・バイオラブズ((New England Biolabs)、ビバル
リー(Beverly)、マサチューセッツ州(MA))、ギブコ/ビーアールエル(Gibco/BRL)、
タカラ((TaKaRa)マディソン、ウィスコンシン州(WI))またはベーリンガー・マン
ハイム・バイオケミカルズ((Boehringer Mannheim Biochemicals)(BMB)、イン
ディアナポリス(Indianapolis)、(インディアナ州(IN))のごとき供給者から購入
可能であり、製造者の記述に従い使用すべきである。組換えプラスミドはDH5
αのごとき受容可能なイー・コリ(E.coli)に形質転換する。
凍結した受容可能細胞は、ギブコ/ビーアールエル(Gibco/BRL)または他の提
供者から購入可能である。アガロースゲルから切り出したDNA断片は、キアエ
ックス(Qiaex)(キアゲン(Qiagen)、チャットワース(Chatworth)、カリフォルニア
(CA))を使用するか、または他の方法により精製可能である。プラスミドDNAは
キアゲンカラム(Qiagen solumns)(キアゲン(Qiagen))または他の方法により精製
可能である。BHV−1 DNAは、実質的にはWallboomersおよびTer Shegett
によって記載される方法(J.M.Wallboomersら,Virology,74:256-258(1976))に
より、感染BT細胞からヨウ化ナトリウム勾配上で精製されるか、あるいは小ス
ケールの調製に対しては、エンゲル(Engel)らによって記載された「ミニ−プ
レップ」法(ジェィ・ビイ・エンゲル(J.P.Engel)ら、バイロロジー(Virology)
,192:112-120(1993)によって、感染したBT細胞から精製される。ウイルスDN
A制限消化物のDNAハイブリダイゼーションは、ジーニアス・キット(Genius
Kit)(BMB)によって提供されるジゴキシゲニン/抗ジゴキシゲニン試薬を用い
て、または他の適用できる方法によって行う。
以前にクローン化されたDNA断片
プラスミドDNAは、ベクターpUC18にクローン化されたBHV−1 H
indIII「A」断片(クーパー(Cooper)株由来)の、2.7kbのサブフラグメン
トである。このプラスミドは、当該分野でよく知られた方法により、または、こ
こに引用して本明細書の一部とする、ジェイ・イー・メイフィールドら(J.E.M
ayfield et al.)の、ジャーナル・オブ・バイロロジー(J.Virol)、47:259
−264(1983)によって記載される方法により組み立てることができる。
このSalI断片は、完全なチミジンキナーゼ(tk)遺伝子、HSV−1 U
L24遺伝子のBHV−1ホモログ、およびBHV−1糖蛋白質H遺伝子の小さ
い部分を含む(エル・ジェイ・ベロ(L.J.Bello)ら、バイロロジー(Virology)、1
89:407−414(1992)、ジェイ・ジー・ヤコブソン(J.G.Jacobson
)ら、バイロロジー(Virology)、63:1839−1843(1989)、エイ
・エル・メイアー(A.L.Mayer)ら、ビオシミカ・ビオフィジカ・アクタ(Biochi
m Biophys Acta)、1090:267−9(1991)、ジェイ・シー・ウィッ
トベック(J.C.Whitbeck)ら、バイロロジー(Virology),200:263
−270(1994))。424bp欠失は、BglIIおよびXhoIで消化し
、満たした末端を平滑末端連結させることによってなされる。この操作によりB
glII部位が再生し、得られたプラスミドはpHAS4DBXと命名される。
BHV−1 tk遺伝子座における外来遺伝子の発現のためのシャトルベクタ
ーの創製
BHV−1中での様々な異なるウイルス抗原を発現させるために、シャトルベ
クターであるpHAS4DBXex-1を創製して、外来遺伝子の、ウイルスチミジ
ンキナーゼ遺伝子座への組換えを可能とした。このベクターの構築は図1で詳し
く述べる。pHAS4で始まり、完全なtkの遺伝子およびいずれかの側にフラ
ンキング領域を含む2.7kbのBHV−1 SalI断片。pHAS4(pUC
18ベクターにクローン化。当業者によく知られたDNAクローニングベクター
(ジェイ・サムブルック(J.Sambrook)ら、(1989)))に存在する一つのHin
dIII制限酵素部位を、HindIIIで消化し、末端を満たし、再連結することに
よって除去した。酵素BglIIおよびXhoIで消化し、付着末端を満たし、得
られた平滑末端を再連結することによって、424bpの欠失をtk遺伝子で行
い(この操作はBglII制限部位を再生する)、プラスミドpHAS4DBXを
得る。このBglII制限部位に、ヒト・サイトメガロウイルス(HCMV)の即
時型初期プロモーターおよびウシ・成長ホルモンからのポリアデニル化シグナル
(これらは発現されるべき外来遺伝子の挿入のための唯一のHindIII制限部
位によって隔てられている)からなる発現カセットを挿入する(アール・ジェイ
・ブリジュー(R.J.Brideau)ら、ジャーナル・オブ・ジェネテック・バイロロ
ジー(J Gen Virol),74:471−477(1993))。このシャトルベク
ターはpHAS4DBXex-1と呼ばれる。図1に示されるように、このベクター
中のプロモーター/ポリアデニル化シグナルカセットは、本来のtk遺伝子の向
きと反対の転写の向きに挿入される。
HN遺伝子は、MR株からのクローン化されたMR2−9trであった(ワイ
・サカイ(Y.Sakai)ら、ジェイ・バイロル(J.Virol.),63:3661−8(1
989)、エイチ・シブタ(H.Shibuta)ら、バイロロジー(Virology),155
:688−96(198))。このcDNAは、オカヤマおよびバーグタイプのク
ローニングベクター(エイチ・オカヤマ(H.Okayama)ら、モレキュラー・アンド・
セルラー・バイロロジー(Molec Cel Biol),2:261−170(1982))
にクローン化された完全なHN mRNAを含む。このHN遺伝子クローンは、
当該分野で公知の方法か、またはワイ・サカイ(Y.Sakai)ら、ヌクレイック・ア
シッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research),15:2927−44(1987
)に記載される方法により得ることができるか、あるいは構築することができる
。
組換えBHV−1およびバキュロウイルスの創製
組換えBHV−1を得るために、注目する配列を含む単位長のウイルスDNA
およびプラスミドを、グラハムおよびファン・デル・エブ(Graham and Van der
Eb)ら(アール・エル・グラハム(R.L.Graham))ら、バイロロジー(Virology),5
2:456−467(1973))によって記載され、ローレンスら(ダブリュー
・シー・ローレンス(W.C.Lawrence)ら、ジェイ・バイロル(J.Virol),60
:405−14(1986)によって修飾されたリン酸カルシウム法によってB
T細胞に共コトランスフェクトする。共トランスフェクションに先立ち、シャト
ルプラスミドは、Sse8387Iでの消化により線状化し、得られた線状化断
片を、キアエックス・グラス・マトリックス(Qiaex glass matris)(キアゲン(Qi
agen))を製造者の提供する方法により使用することによって酵素から精製する。
共トランスフェクションから生じたtk陰性ウイルスは、100ug/ml B
DURの存在下でRabBUで2回継代することにより選択する。選択されたB
DUR耐性ウイルスは、次いで、BT細胞上(BDURの非存在下)、限界希釈
により3回プラーク精製する。
バキュロゴールド・システム(BaculoGold System(ファルミノゲン(Pharminog
en),サン・ディエゴ(San Diego),カリフォルニア州(CA))は、製造者によって提
供されるプロトコルを用いて、組換えバキュロウイルス(BV)の創製に用いる
ことができる。この系において、注目する外来遺伝子を担うシャトルプラスミド
を、シャトルプラスミド上のフランキング領域の組換えによって救済したゲノ
ムのみが野生型細胞で生存可能なように、AcNPVの欠損ゲノムと共に共トラ
ンスフェクトする。かくして、トランスフェクションからのウイルスの子孫は、
プラーク精製され、注目する遺伝子の発現のためにスクリーニングされるだけで
よい。
感染細胞の代謝的ラベリング
免疫沈降のため(このセクションで後に記載される)、細胞をBHV−1また
はBPIV−3で感染させることができ、SF9細胞を、5−10の感染多重度
で、組換えBVによって感染させることができる。BT細胞の感染のためには、
正常な培地を、感染8時間後に、10%の冷メチオニンおよび100uCi/m
lの35S−メチオニン(50mCI/mMol)、アマシャム(Amersham),ア
ーリントン・ハイツ(Arlington Heights)、イリノイ州(IL))を含む培地と置換
し、細胞はさらに24時間標識する。SF9感染細胞のためには、感染24時間
後に、培地は、100UCi/mlの35S−メチオニンを含む、メチオニンを含
まないグレースの培地(Grace's media)で置換し、ラベリングはさらに24時間
継続させる。
ノイラミニダーゼアッセイ
ノイラミニダーゼ活性は、マイアーズら(Meyers et al.)(アール・ダブリュ・
マイアーズら(R.W.Meyers))、アナル・バイオケム(Anal Biochem)、101
:166−174(1980))の方法により、蛍光基質2’−(4−メチルウ
ムベリフェリル)−a−D−N−アセチルノイラミン酸(シグマ(Sigma))を用い
て分析する。分析はpH5.1で行い、これは、シブタ(Shibuta)ら(エイチ・シ
ブタ(H.Shibuta)ら、インフェクト・イムノ(Infect Immun),41:780−78
8(1983))によりBP13株MRのHN蛋白質に対して最適であることが
示されている。手短に言えば、225cm2フラスコのBT細胞(約6×106細
胞)を、1のMOIにて注目するBHV−1ウイルスで感染させ、感染は、10
0%のCPEが観察されるまで(約36時間)進められる。SF9細胞のスピナ
ーフラスコ(約5×107細胞)を、注目するバキュロウイルスで1のMOIに
て感染させ、感染は48時間進行させる。収穫後、様々な収穫された細胞ペ
レットを1.0mlの冷PBSに再懸濁し、ドライアイス/エタノール浴中の3
回の凍結/解凍サイクルに付し、次いで、12000×gで15分間4℃にて遠
心する。得られた上清は、BCAプロテイン・アッセイ(BCA protein assay)(
ピアス(Pierce),ロックフォード(Rockford).イリノイ州(IL))を使用して1mg
/mlに調整する。蛋白質試料(各50ug)を、次いで、80mmoleの基
質と共に、100μlの全容量の50mM 酢酸ナトリウム(pH5.1)中、
37℃にて0−60分間インキュベートする。反応は、3.0mMの250mM
グリシン(pH10.4)の添加により停止させ、蛍光の強度は、パーキン・エ
ルマー・エルエス50−ビー・ルミネッセンス・スペクトロホトメーター(Perki
n Elmer LS50-V luminescence spectrophotometer)(360nmでの励起、10.
0nmのスリット幅、発光、440nm、2.5nmのスリット幅)上、または
適当な他の適当な器具で読むことができる。4−メチルウムベリフェロン(シグ
マ(Sigma)のナトリウム塩を標準として用いることができ、上記の条件下で、
0.2nmoleから10nmoleの間の直線範囲が得られる。
免疫学的方法
免疫沈降のために、35S−メチオニンで標識した感染したまたは偽感染の細胞
を、RIPA緩衝液(10mM トリス−HCl(pH7.5)、150mM
NaCl、0.1% SDS、1% トリトンX−100、1%デオキシコール
酸ナトリウムおよび1mg/mlのオブアルブミン)中、1時間室温にて可溶化
し、次いで、不溶性画分を、15K×gで10分間、室温にて微量遠心機中で遠
心により除去する。次いで、清澄化された溶解物を、4℃で1時間ゆらすことに
よって、100μlのプロテイン・エイ・セファロース・4B(protein A Sepha
rose 4B)(ファルマシア(Pharmacia)、100mg/mlのTris-緩衝セーラ
イン,pH8.0)で予備吸着させる。予備吸着マトリックスを取り出した後、溶
解物を適量の抗血清(通常20−25μl、未希釈)と混合し、4℃にて2時間
ゆらしながらインキュベートする。
各試料に対して、50μlのプロテインAセファロースを添加され、4℃にて
のゆらしをさらに1時間継続する。かくして、免疫複合体をプロテインAセファ
ロースに吸着させ、HO緩衝液(10mM トリス−HCl(pH7.5)、1
00mM NaCl,1mM EDTA,1% NP40,およびデオキシコー
ル酸ナトリウム)で3回洗浄し、次いで、2−メルカプトエタノール(シグマ)
を含む50μlのSDS試料緩衝液に再懸濁し、5分間沸騰させ、免疫複合体を
マトリックスから解離させる。試料を、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動およびフルオログラフィーにより解析する。実施例
BPIV−3 HN遺伝子を2の異種系で発現させる;組換えヘルペスウイル
スおよび組換えバキュロウイルスを記載する。組換え蛋白質は、抗原性および電
気泳動移動度については天然のHNにたいへん類似しており、以下の実施例に例
示されるように、天然のNHに期待されるノイラミニダーゼ活性を保持する。
実施例1.BPIV−3 HNのBHV−1への導入および組換えウイルスの
選択
BPIV−3 HN cDNAクローンおよびそのBHV−1シャトルベクタ
ーへの挿入のマップを図1に示す。BHV−1へのクローニングのために、HN
遺伝子をcDNAクローニングベクターからHindIIIとBamHIで除去す
る(この断片は、cDNAのクローニングから保有された3’ポリAテイルを含
み、また、ベクター中に存在するSV40ポリアデニル化領域の小さい部分も含
む)。HindIII部位はATG開始コドンの80bp上流にある。図1
BamHIおよびHindIIIにより生じたインサートの突出する一本鎖末端
を満たした後に、HN遺伝子を、pHAS4DBXex-1の同様に満たしたHin
dIII部位に連結する。プラスミドを含むインサートの形質転換および選択によ
り、HN遺伝子およびベクター内の非対称部位の制限マッピングによって、CM
Vプロモーターに対してインサートの適切な向きを決定する。
BPIV−3 HN遺伝子を含む線状化BHV−1シャトルベクターを、プラ
スミドのBT細胞および単位長のBHV−1株「Iowa」DNAへの共トラン
スフェクションを介し、野生型BHV−1 tk遺伝子座と組み換える。「Io
wa」は、BHV−1の高度に毒性のある病気単離株である。加えて、プラスミ
ドpHAS4DBX(挿入したプロモーターまたは遺伝子を含まないBHV−1
tk遺伝子の欠失したバージョンを含む)をBHV−1 Iowaで共トラン
スフェクションし、挿入した遺伝子の無いtk欠失対照ウイルスを得る。これら
の共トランスフェクションからのtk陰性の子孫を、BDURの存在下で、Ra
bBU細胞での継代により選択し、単離する。これらのウイルスからのDNAを
、制限消化および、BPIV−3 HN遺伝子またはpHAS4のいずれかをプ
ローブとして用いるサザーンハイブリダイゼーションのために単離する。BDU
R耐性トランスフェクション子孫から、HN遺伝子と個々にハイブリダイズした
二つのBHV−1ウイルスクローン、HN16およびHN21が単離された。こ
の後者のウイルスは、BHVDtkHNとして動物実験(以下の「本発明の有用性
」参照)で言及する。これらのクローンにおけるpHAS4断片のサイズの低下
によって評価して、tk欠失を含むいくつかのBDUR耐性トランスフェクショ
ン子孫も単離した。代表的なウイルスを単離し、IowaDtkと呼んだ(BH
VDtkとして動物実験で言及する)。
実施例2.BPIV−3 HNのバキュロウイルスへの導入および組換えウイ
ルスの選択
BV系での発現のため、本発明者らは、HN遺伝子を、ポリヘドリンをベース
とする導入ベクターであるpVL1392にクローン化した。図2はこのベクタ
ーへのNHの挿入を示す。HN遺伝子をHindIIIで消化し、一本鎖突出末端
をクレノウで満たし、次いで、インサートを、プラスミドベクターpSP72か
ら、BamHIでの消化により切り出す。プラスミドpVL1392をBglII
で消化し、末端をクレノウ断片で満たし、次いで、プラスミドをBamHIで消
化する。HNインサートを、一つの平滑末端および一つの付着末端を介して、消
化したpVL1392ベクターに連結し、発現のために正しい向きを保証する。
HN遺伝子は、pVL1392に適当にクローン化されたが、BaculoGo
ldDNAのSF9細胞への共トランスフェクションを介してAcNPVゲノム
へ組み換える。
実施例3.BHV−1およびバキュロウイルスにおけるHN蛋白質の発現およ
び生物学的活性の証明
ウイルスHN21およびHN16に感染したBT細胞およびバキュロ−HNに
感染したSF9細胞は、ラジオ免疫沈降によって判断すると、高レベルのHN蛋
白質を発現した。代謝的に標識した感染細胞溶解物を、BPIV−3(NVSL
、アメス(Ames)、アイオワ(IA)から得られた)に対するポリクローナ
ル・ウシ抗血清とインキュベートした。図3に示すように、BV/HNトランス
フェクションから精製した代表的なウイルスクローン(レーン6、バキュロHN
と表される)と共に、HN21、HN16(レーン3およびレーン4)は、天然
のBPIV−3 HN(レーン2)と同時に移動するように見えた、大量の約7
0KDのBPIV−3免疫反応性蛋白質を発現した。この蛋白質は、野生型BH
V−1感染(レーン1)または偽感染BT細胞中に存在しないだけでなく(デー
タは示さず)、不適切な組換えバキュロウイルスで感染したSF9細胞中にも存
在しなかった(レーン5)。
BHV−1およびバキュロウイルスで発現されたNH抗原の豊富さは、天然N
Hに対するこれらの糖蛋白質のサイズを正確に定めることを困難とした。しかし
ながら、BHV−1およびバキュロウイルス発現物質を用いた引き続いてのラジ
オ免疫沈降は、BHV−1 HN蛋白質が、実際、SDS−PAGEにおいて、
天然のHN蛋白質と共に移動するが、一方、バキュロウイルス発現物質は、わず
かにより迅速に移動することを示した(データは示さず)。本発明者らはいずれ
の種類の糖複合体分析も行わなかったが、同じ細胞系で増殖したPI−3および
BHV−1発現蛋白質が、同様に修飾されることを期待する。バキュロウイルス
が発現した物質のより小さいサイズは、容易に説明される。というのは、N連結
糖鎖付加部位を認識し修飾するが、昆虫細胞は脊椎動物細胞で観察される複合オ
リゴ糖を合成しないからである。
BHV−1およびBVにおいて発現されるBPIV−3 HN蛋白質の生物学
的活性を試験するために、本発明者らは、ノイラミニダーゼ(NA)活性につき
感染細胞溶解物を分析した。ウイルスHN21およびバキュロHNは、共に、2
’−(4−メチルウムベリフェリル)−a−D−N−アセチルノイラミン酸の加
水分解により測定し場合、有意なNA活性を示した(図4)。この活性は、BH
V−1 IowaDtkウイルスおよびBHV−1 gIII蛋白質を発現してい
る組換えバキュロウイルスからなる陰性対照には存在しなかった。
本発明者らは、本発明者らがウイルス蛋白質を単離し、NAの分析をするため
に用いた条件下では、本発明者らが陰性対照として用いたSF−4 BPIV−
3 株ではNAの活性を検出できなかった。株MRは、他のBPIV−3株と比
較して、有意に高いNA活性を有することが公知であるが(エイチ・シブタ(H.S
hibuta)ら、Infect Immun 41:780−788(1983))、このことは、
我々の組換え体におけるSF−4と比較した高レベルのNA活性を説明するであ
ろう。実際、以前の研究により、いくつかのBPIV−3株において、NA活性
を検出することは非常に難しいことが示された(エイチ・シブタ(H.Shibuta)ら、
インフェクト・イムノ(Infect Immun)34:262−267(1981))。し
かしながら、本発明者らは、これらの結果から、HN21およびBVHNは、生
物学的に活性なHN蛋白質を発現すると結論を下すことができる。
発明の有用性
本発明は、BPIV−3およびBHV−1によって引き起こされた病気の予防
のために有効なワクチンを使用者に提供しようとするものである。病原体として
のBPIV−3の重要性は、ウシ・呼吸器疾患複合体(BRDC)とのその関連
である。
本発明のワクチンは、病気の、好ましくは予防を通した治療を意図してなされ
ている。予防する、または予防のために、出願人は、受容者を病気の兆候から遠
ざけておく、または、病気の影響を軽減することを意図し、これは典型的な病気
の状態を避けることである。予防は、病気の発病を停止し、妨げまたは遅らせる
ための決定的な作用を意味する。予防は、以下の概念を含むことができる:妨げ
る、失敗させる;遮る、可能なら禁ずる、妨げるまたは起こらないようにする。
「起こらないようにする」は、病気の状態の発病が、起こらないか、または病気
の病原が、病気の状態を引き起こすには非常に無力であることを示唆する。予防
するまたは予防は、病気の状態が機先を制されることを意味することができ、病
気を予防または妨げるための予想しての行為が起こったが、病気を作り出す状態
が未だ除去されてないことを意味する。
本発明の有用性は、BPIV−3病に対する有効な保護を提供するためのワク
チンの能力によって示される。
この病気のためのワクチン接種は、HN糖蛋白質に対する強い中和抗体を誘導
することを含む。本発明は、組換えバキュロウイルスおよび組換えウシ・ヘルペ
スウイルスを含めた異なる具体例からなる。これらの組換えウイルスは、ウシ・
パラインフルエンザ・ウイルス−3からのHN蛋白質を発現し、かくして、ワク
チン接種された動物に保護的効力を与える。
8ないし12週令の初乳をあまり与えられなかった子ウシを、ワクチン接種間
に別々の収容設備中で飼い、抗原投与の前に一緒に一つの群とした。ワクチン接
種前に、動物を、BVDVおよびBPIV−3の両抗体を有しないことを確認す
るために試験した。19の動物を5の群に分けた。群1(3匹の動物)はBHV
Dtk対照ウイルスを摂取させ、群2(5匹の動物)はBHVDtk−HNウイ
ルスを摂取させ、群3(5匹の動物)はバキュロ−HNウイルスで感染したSF
9細胞を摂取させ、群4(3匹の動物)は、陰性対照バキュロウイルスで感染し
たSF9細胞を摂取させ、群5(3匹の動物)は、ワクチン接種されていない対
照として供した。2×107のSF9細胞を摂取した動物を、28日の間隔をあ
けて、2回の時に分けて、組換えまたは対照バキュロウイルスで予め72時間感
染させた。2ml体積中での接種を皮下投与した。BHV−1ウイルスを、28
日の間隔をあけて、2回の時に分けて、経鼻的に、2mlの体積にて、106T
CID50/子ウシの割合で与えた。全ての動物を、4×107BPIV−3で
経鼻的なワクチン接種の42日後に、抗原投与した。動物を、ワクチン接種の2
1および42日後に採血して、BPIV−3に対する血清中和抗体のレベルを見
積もった。抗原投与後、ワクチン効力を、鼻の分泌物(抗原投与の14日後に、
滅菌綿棒を用いて動物から単離した)中に放出された攻撃ウイルスの継続と量を
測定することによって評価した。
ワクチン接種に対する不利な兆候は見られなかった。表Iは、様々な調製物で
ワクチン接種した動物の50%血清中和力価の逆数を示す。動物2481、24
78、および2489はBHV−1対照ワクチンを接種した。動物2472、2
493、2479、2462、および2435は、組換えBHV−HNウイルス
を接種した。動物2477、24487、2476および2494は組換えバキ
ュロ−NHウイルスを接種した。動物2488、2480および2482はバキ
ュロウイルス対照として供した。動物2152および2175は非ワクチン接種
対照として供した。HN組換えウイルスを接種した動物は、BPIV−3に対す
る血清中和抗体の増加したレベルを示し、本発明の両具体例の免疫原性を示す。
動物は、抗原投与後、臨床的な病気の兆候をほとんど示さないか、または全く示
さなかった。また、本発明で特許請求するHN組換えウイルスを接種した動物は
、攻撃ウイルスの放出の持続によって示されるように、攻撃から保護された。表
II。ウイルスの放出は、攻撃後のそれぞれの日に対し、四角内の描影により図示
し、7および14日におけるウイルス排出のパーセントは、表の右の二の欄に示
す。三の対照群、BHVΔtk、バキュロ対照および非ワクチン接種対照は、25
%の組換えバキュロからの単離割合で、74%の組換えヘルペスからの単離割合
で、最初の7日にわたって採取された試料の86および95%に単離された。こ
の、単離割合における顕著な低下は、14日の単離割合で再び観察された。また
、ウイルス単離割合の低下と同様、鼻の分泌物中で見いだされた攻撃ウイルスの
量は、BHV−1Dtk HNおよびバキュロHNウイルスでワクチン接種され
た子ウシにおける対照と比較して低下した(データは示さず)。図面の完全な記述
図1.BHV−1 tk遺伝子座におけるBPIV−3 HN遺伝子(および
他の遺伝子)の発現のためのシャトルベクターの構築。pHAS4はBHV−1
ゲノムからのDNA断片である。該断片中にコードされる遺伝子および遺伝子の
断片が認められる。pHAS4DBXは、tk遺伝子でなされた424bpの欠
失を示す。pHAS4DBXに挿入された様々なカセットを標識する。pHAS
4DBXex1は、CMV−IEプロモーターとウシ・成長ホルモン・ポリアデニ
ル化シグナルのtk欠失への挿入によって作製された。pHAS4DBXex1:
:HN(底部)において、HNの転写の方向は矢印で示される。
図2.BPIV−3 NH遺伝子のバキュロウイルス発現系での発現のための
組換えバキュロウイルス導入ベクターの構築。上部:pVL1392、外来遺伝
子の発現のための、ポリヘドリンプロモーターに基づく導入ベクター。下部:H
N遺伝子のこのベクターへの挿入。
図3.BPIV−3 HNのBHV−1およびバキュロウイルスからの発現を
示す感染細胞溶解物の免疫沈降。免疫沈降物は、BPIV−3に対するポリコー
ナル抗血清(ウシ由来)で沈降した。レーン1−4は、代謝的に標識された感染
(または偽感染)BT細胞であり、レーン5および6は、代謝的に標識された感
染したSF−9細胞であった。レーン1:偽感染細胞、レーン2:BPIV−3
株SF4(HN蛋白質は約70kDにて泳動する)、レーン3:HN16(組換
えBHV−1)、レーン4:HN21(組換えBHV−1)、レーン5:対照バ
キュロウイルス(不適切な組換え体)、およびレーン6:バキュロHN。
図4.BHV−1およびバキュロウイルス組換え体におけるHN活性。グラフ
は、様々なウイルス調製物の凍結−解凍溶解物によって触媒される、2’−(4
−メチルウムベリフェリル)−a−D−N−アセチルメルアミン酸基質からの、
経時的4−メチルウムベリフェロン(4−MUBF)の酵素的放出を示す。X軸
は分での時間である。Y軸は、放出された4−MUBFのナノモルである。キー
:白抜き四角、HN21(BHVDtk−HN);黒ダイアモンド、バキュロHN
;白抜き丸、BHVDtk;黒四角、バキュロ−gC(BHV−1のgC蛋白質
を発現する組換えバキュロウイルス、ここで陰性対照として用いられる);黒丸
、BPIV−3。放出されたMUBFのナノモルは、4−MUBF濃度一対−蛍
光強度の標準曲線から計算した(r=0.999)。
遺伝物質の寄託
本発明は、本発明の一つの態様の一つの例示として意図される、本明細書中に
開示した具体例の寄託された物質によってその範囲かせ限定されるべきでなく、
これらの多くは機能的に同等であって、本発明の範囲内にある。実際、本明細書
中で示され記載されるものに加えて、本発明の様々な修飾は、これまでの記載か
ら、当業者に明らかであろう。そのような修飾は、特許請求の範囲の範囲内にあ
る。
ヌクレオチドとペプチドに与えられる全ての塩基対とアミノ酸残基の数は、お
およそのものであり、記載の目的のために使用されることも理解されるべきであ
る。
全ての刊行物を引用して本明細書の一部とする。
当業者は、本発明の様々な具体例の全てを、書かれた記述のみを用いることに
より再び構築することが可能てあるはずである。しかしながら、完全さのために
、実施可能性を保証し、および、他人が本発明を製造し使用するあらゆる機会を
提供するために、本発明のある遺伝的構築物は、ブダペスト条約に基づいて、知
られた寄託機関に寄託した。
ウイルスは、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type
Culture Collection)、12301・パークローン・ドライブ,ロックビレ、メ
リーランド、ジップコード20852、ユーエスエイ(12301,Parklawn Drive,
Rockville,Maryland,zip code 20852,USA)に寄託した。この寄託物は、アッ
プジョン・カンパニーによりUC VR−59と示され、寄託機関により以下の
番号を与えられた、ATCC No.VR2478、これは、本明細書中に”H
N21”または”BHVDtk HN”と記載されたウイルスに対応する。この
寄託は、1994年9月14日にアメリカン・タイプカルチャー・コレクション
(American Type Culture Collection)寄託機関に受理された。
表
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U
G),AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,B
Y,CA,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES
,FI,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG,
KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LU,LV,M
D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL
,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,
TJ,TM,TT,UA,US,UZ,VN