JPH1053422A - 屈折率分布型光学素子の製造方法 - Google Patents
屈折率分布型光学素子の製造方法Info
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Abstract
折率分布型光学素子を製造する。 【解決手段】 ゾルゲル法によって作製したゲル中に濃
度分布付与液を付与した後に濃度分布固定液によって固
定する際に、濃度分布固定液による処理を濃度分布付与
液による処理に比べて高温で処理し、濃度分布の固定速
度を分布付与速度よりも大きくすることによって、濃度
分布付与工程において形成した濃度分布の崩れの少ない
放物線状の屈折率分布を有する屈折率分布型光学素子を
製造する。
Description
内視鏡等の光学素子に応用可能なゾルゲル法による屈折
率分布型光学素子の製造方法に関する。
は、ガラスの骨格となるシリコンのアルコキシドをエタ
ノール等を溶媒とし、塩酸などの触媒下で加水分解反応
させてゾルを調製し、ゾルはさらに重縮合反応により、
ウエットゲルとし、このウエットゲル中の細孔に含まれ
る溶媒を乾燥により除去した後に、焼成することによっ
て緻密化しガラスとする。ゾルゲル法によるガラスの作
製方法を応用して屈折率分布型光学素子を作製する場合
には、上記の基本工程の他に、金属成分を濃度分布をも
ってゲル中に含有させる必要がある。
て連続的に減少しているような凸レンズの作用を有す屈
折率分布型光学素子では、まずゲル中に屈折率分布への
寄与の大きな金属成分を含有させる。ゲル中に金属成分
を含有させる方法としては、金属成分をゾルの段階で添
加しこれをゲル化させる方法と、ゲルを作製した後に金
属成分を含んだ溶液中に浸漬するなどしてゲルに含浸さ
せる方法がある。
た金属成分を、該金属成分を溶出し得る処理液に浸漬す
る方法等により、金属成分に濃度分布を形成する。この
際にゲル中に添加する金属成分としては、金属のアルコ
キシドやその誘導体または金属塩を用いている。
たはその誘導体を用いる方法としては特開昭60−42
239号公報に記載されている方法が知られている。こ
の方法ではゾル調製時に添加した金属アルコキシドがゲ
ル化の時点で、−Si−O−M−O−Si−(M:金属
成分)の様な化学結合を形成し、シリカと同様に骨格の
一部として取り込まれる。この結合を切断し、金属成分
を選択的に溶出し得る酸等にゲルを浸漬し金属成分に濃
度分布を形成する。ゾル中に金属アルコキシドとして添
加した金属成分は塩酸、または硝酸等の酸を利用するこ
とで選択的に溶出することが可能である。濃度分布後の
ゲルは濃度分布形成を停止する目的でメタノール等の有
機溶媒中に浸漬しゲル中の酸を洗浄し、分布を固定す
る。このゲルを乾燥、焼成することによって屈折率分布
型光学素子を作製する。しかし、一般に金属のアルコキ
シドは水との反応性が高いために取り扱いが困難である
ことや、溶解度の制限によりゲル中への多量のドープが
困難である等の問題がある。
る場合には、化学的に安定で安価な物質が多く存在し、
溶解度も比較的高いものが多いため、作製できるガラス
の組成範囲がより広くなり、また、製造も容易である。
特公平6−8179号公報には、シリコンのアルコキシ
ドと金属塩を主体とする溶液を加水分解して得られるゾ
ルをゲル化させ、金属塩に対する溶解度の低い溶液にゲ
ルを浸漬してゲル中に金属塩の微結晶を析出させる方法
が開示されている。
アルコールに金属塩を溶解させた水溶液や、アルコール
溶液として添加するため、金属成分はゲル骨格中の溶媒
中に溶解して存在し、骨格中での溶媒の移動、拡散にと
もない金属成分も移動、拡散しやすい。このため、金属
塩に対する溶解度の低い溶媒にゲルを浸漬して金属成分
を金属塩の微結晶として析出させゲルの骨格中に固定
し、その後に乾燥・焼成し、ガラス化することによって
屈折率分布型光学素子を得るものである。
素子をカメラ、顕微鏡、内視鏡などの光学レンズとして
利用する場合には、屈折率分布型光学素子の媒質中での
光線の屈曲を利用する。この屈折率分布形状を制御する
ことにより各種の収差を補正することが可能となる。一
般的には、光線を効果的に集光させるために要求される
屈折率分布形状は、半径に対する屈折率の値を多項式で
表した場合に、理論上は自乗項の他に高次項を有するも
のが好ましいが、その程度は自乗項に比較して非常に小
さく、実際のレンズ設計を考える上では、自乗分布まで
考慮すれば充分であり、ほぼ放物線状の分布形状を有す
る屈折率分布型光学素子の製造が望まれている(レーザ
ー研究1980年第8巻第5号第748ページ)。
成分布形状に依存するものであるから、有効な屈折率分
布形状を有する屈折率分布型光学素子を作製するために
は、添加する金属成分の組成分布形状を精密に制御する
ことが必要不可欠となる。
分布を有する屈折率分布型光学素子を作製することは困
難であった。これは、濃度分布付与の工程で得られた放
物線状の金属組成分布が、分布固定の操作で良好に固定
されず、再拡散して崩れることが原因と考えられる。す
なわち、金属塩を原料としたゲルでは、組成分布を形成
するための濃度分布付与液として金属成分の溶解度の高
い液体中にゲルを浸漬するとゲルの細孔中に存在してい
た液体が溶解度の高い分布付与液に置換されることにな
る。この状態で、形成した分布形状を固定する目的で金
属成分の溶解度の低い濃度分布固定液中にゲルを浸漬す
ると、濃度分布固定液はゲルの外周部からゲル中に浸透
していくために、ゲルの外周部の金属成分から順に固定
することになる。このように濃度分布固定液は外周部か
らゲルの中心部に向けて徐々に拡散していくものである
ので、濃度分布固定の初期の段階では、ゲルの外周部で
は金属成分の固定が始まるが、ゲルの中心部では金属塩
に対する溶解度の高い濃度分布付与液が残留しているた
め、分布の形成が引き続いて進み、ゲルの外周部と中心
部での濃度分布形状の進行度合いが異なることになる。
心部にも到達するため、中心部でもある程度の濃度分布
固定が行われるが、最終的に得られる屈折率分布型光学
素子の屈折率分布は図1に実線で示すような中心部がつ
ぶれたような形状となっており、効果的に光線を集光す
ることはできず、光学素子としては不適当であった。
ドを用いた場合でも濃度分布の停止のためにアルコール
中に浸漬する場合には、ゲルに浸透していく際に外周部
と中心部では分布停止液の浸透に時間差が生じるため、
同様に中心部の分布形成が進行し中心部がつぶれたよう
な分布形状になりやすい傾向であった。
法として、特開平7−10551号公報には、金属塩を
原料として濃度分布を形成した場合に分布形状を崩さな
いように、ゲル中に添加した金属塩のアニオンと同種の
アニオンを発生する有機酸等の物質を分布液中に添加す
ることによって、平衡状態を調整し分布形状の崩れを防
止する方法が記載されている。ところが、この方法で
は、濃度分布を付与する金属種やその添加量等により、
用いる有機酸の種類や添加量等の条件設定が困難であっ
た。また、金属成分の原料として、金属アルコキシドを
用いる方法には適用することはできなかった。
金属塩を含浸させた多孔質ガラスを、金属成分を溶出し
得る溶液中に浸漬し、濃度分布を付与した後に分布の形
成を停止し、分布を固定する目的で、溶解度の低い0℃
付近の溶媒に多孔質ガラスを浸漬する方法が記載されて
いるが、溶媒の粘性の上昇や、拡散速度が低下するため
に、分布固定溶媒がゲル中に浸透する速度が遅くなるた
めに、溶解度の低下による固定効果が充分に発揮でき
ず、ゲルの中心付近で分布付与が進行し、中心部がつぶ
れたような分布形状になりやすかった。
いて用いる濃度分布付与液は、溶出する金属の種類や、
分布付与液の種類により拡散係数が異なる。J.Am.
Ceram.Soc∵71,2,C−82−C−84
(1988)では、金属アルコキシドを原料として作製
したSiO2−TiO2系およびSiO2−GeO2系ゲル
を塩酸、または水に浸漬することによりTiおよびGe
を溶出するときの拡散係数を導出している。また、J.
Non−Crystalline Solids169
(1994)160−168においては、SiO2−B
aO系 およびSiO2−TiO2系ウェットゲルをエタ
ノール/水混合溶媒、塩酸に各々浸漬してBa、Tiを
溶出する方法により分布を付与したウェットゲルを切断
してバリウムおよびチタン濃度を測定することにより分
布付与の際の拡散係数を論じている。ところが、これら
の文献では、拡散係数を用いて分布挙動を調べるている
ものの、実用レベルの屈折率分布型光学素子の屈折率分
布形状を達成するために適当な分布付与の方法について
は示されていない。
による屈折率分布型光学素子の製造方法において、屈折
率の分布に寄与する金属成分の濃度分布を付与する際
に、濃度分布の付与の後の濃度分布の固定速度がゲルの
中心部と周辺部では異なり、正確な濃度分布を付与する
ことができないという問題点を解決することを課題とす
るものである。
より作製したゲルに金属成分の濃度分布を形成後、濃度
分布を固定する工程において、金属成分の濃度分布を固
定する速度が、金属成分に濃度分布を形成する速度よ
り、速いことを特徴とする屈折率分布型光学素子の製造
方法である。また、ゲル中での濃度分布固定液の拡散速
度が、ゲル中での濃度分布付与液の拡散速度より速い前
記の屈折率分布型光学素子の製造方法である。濃度分布
固定液の温度が、濃度分布付与液の温度より高いもので
ある前記の屈折率分布型光学素子の製造方法である。濃
度分布固定液の粘度が、濃度分布付与液の粘度より低い
ものである前記の屈折率分布型光学素子の製造方法であ
る。
率分布型光学素子の製造方法において、ゲル中に金属成
分の濃度分布を付与する工程において、ゲルを酸または
金属塩を含有する溶液に浸漬した際にゲル中に含有して
いる金属成分のゲル中での拡散係数が、5×10-7cm
2/秒 以下である屈折率分布型光学素子の製造方法であ
る。ゾルゲル法による組成に分布を有した屈折率分布型
光学素子の製造方法において、ゲル中に金属成分の濃度
分布を付与する工程において、ゲル中に含有している金
属成分の溶解度が、5×10-3mol/l以下であり、
1×10-4mol/l以上である液体に浸漬する屈折率
分布型光学素子の製造方法である。また、金属成分の原
料として金属塩を使用した場合に、濃度分布付与液とし
て、水、アルコール、グリコール、エーテル、ケトン、
ヘキサン等の飽和炭化水素、エステル等の溶媒から選ば
れた、前記金属塩の溶解度が異なる少なくとも2種の溶
媒を混合した処理液を用いる前記の屈折率分布型光学素
子の製造方法である
率分布を形成する際に、濃度分布付与時に形成された放
物線状の分布形状を崩れないように固定し、光学的な効
果の高い屈折率分布型光学素子を作製するものである。
すなわち、ゲルはある一定の体積を有するため、分布固
定処理液がゲル中心部まで浸透する時間を完全にゼロと
することは不可能である。特に口径の大きな屈折率分布
型光学素子を作製する場合には、固定液がゲルの中心部
に到達するまでに時間がかかるためゲルの周辺部と中心
部で固定開始の時間差が大きくなりやすく、濃度分布が
くずれやすい。
分布形状の精度にもよるが、濃度分布の形成速度と固定
速度を考えた場合に、濃度分布を固定する処理液がゲル
中心部に到達するまでの間に、実質的に濃度分布形状が
崩れないような条件を設定すれば良い。この条件を具体
的に実現するための手段として、 濃度分布形成速度を遅くする。 濃度分布固定速度を速くする。 上記の条件を同時に成立させる。等が挙げられ
る。
と、金属成分を金属塩として添加したゲルの場合であれ
ば、分布固定の工程で溶解度の低い溶液中にゲルを浸漬
した場合の固定処理液がゲル中心部まで到達するまでの
時間は変わらないが、その時間差で生じる中心部での分
布形状の崩れが進行しにくいために、濃度分布付与工程
終了時に得られた濃度分布形状がほぼそのままの形状で
固定されることになり、放物線状の濃度分布形状を実現
することができる。一方、金属成分を金属アルコキシド
で添加した場合にも同様に、酸等で分布を形成し、アル
コール等で濃度分布付与液を洗浄することによって濃度
分布を停止させて固定するが、この際に濃度分布の形成
速度が遅ければ、濃度分布固定液であるアルコールがゲ
ルの中心部まで到達するまでの時間に、濃度分布付与工
程の終了時に得られた濃度分布形状がほぼそのままの形
状で固定されることになり、放物線状の濃度分布形状を
実現することができる。
速くすることにより、濃度分布形成後に固定の工程に移
行すると同時に濃度分布の固定を行うことができ、固定
が進行する間に、残留する濃度分布付与液による中心部
での濃度分布形成は実質的に起こらなくなるため、濃度
分布形状の崩れがない放物線状の濃度分布形状を実現す
ることができる。
に、濃度分布固定速度を速くするもので、、の効果
を同時に実現できるため、最も効果的に放物分布形状の
屈折率分布型光学素子を作製することができる。に
ついてもの場合と同様に原料の金属成分が金属塩であ
っても、金属アルコキシドまたはその誘導体であっても
同様の効果を示す。これらの方法を実現することにより
屈折率分布は分布付与時に形成された放物線状の分布形
状がそのまま固定されることになり、光学設計上有効な
分布形状を有する屈折率分布型光学素子を作製すること
が可能となる。
は、ゲルを所望の処理液に浸漬し、ゲル中に処理液を浸
透させることによって行っているので、処理速度は処理
液の浸透する速度に関係しており、濃度分布付与液のゲ
ル中への拡散速度と、次工程である濃度分布固定におい
て分布固定液がゲル中へ浸透していく速度を比較した場
合に、分布固定液がゲル中に浸透していく速度が速い場
合には、分布の崩れが起こりにくい。
ゲルに浸透していった分布付与液は、この時点で、ゲル
の外周部付近に存在する。次工程に移行した際にゲル中
に浸透する分布固定液の方がゲル中への拡散速度が速け
れば、外周部に存在していた分布付与液がゲルの中心部
まで到達するより先に、分布固定液がゲルの中心部に存
在していた分布付与液と交換し、先にゲルの中心部まで
到達することになる。このために、中心部の分布形状が
崩れる以前に効果的に分布形状を固定することが可能と
なるのである。
与液の拡散速度と濃度分布固定液の拡散速度の差を大き
くするためには、濃度分布付与液の温度と濃度分布固定
液の温度に差を設け、濃度分布固定液のゲル中への拡散
速度を上昇させる。あるいは、分布の形成速度を低下さ
せることによって分布形状の崩れを防止することが挙げ
られる。すなわち、濃度分布付与の速度に対して相対的
に濃度分布固定速度を速くすることによって効果的に濃
度分布形状の固定を行うことができ、濃度分布形成時に
得られた濃度分布形状を崩さず固定することが可能であ
る。
た場合には、濃度分布固定液の温度のより高いものの方
が分布の固定を迅速に行うことができる。温度の上昇に
よって濃度分布固定液のゲル中への拡散速度が上昇し、
より迅速にゲル中に浸透するため、分布固定液の速度が
速くなり、濃度分布形状を崩さずに固定することが可能
となるものである。また、濃度分布固定液の温度が一定
であり、ゲル中への濃度分布固定液の拡散速度が一定で
ある場合においては、濃度分布付与液の温度をより低く
した場合の方が、溶解度が低下し分布形成速度が低下す
るため、分布形成速度に比較して分布固定速度を相対的
に速く設定できる。このためゲルの中心部に濃度分布固
定液が到達するまでの間におこる分布形状の崩れを抑え
ることができ、効果的に分布形状を固定することが可能
である。
ルの中心部に到達するまでの時間にゲルの中心付近残留
した濃度分布付与液の影響によって、中心付近の分布形
状が崩れるが、その程度が濃度分布付与を低温で行った
場合の方が分布の形成速度が小さいため、崩れの程度も
小さく抑えることが可能であるということである。さら
には、濃度分布の付与の工程を溶液が凝固しない程度の
低温で行い、濃度分布固定の工程を溶液が沸騰しない程
度のより高温で行えば、最も効果的に分布形状を崩さず
に固定することができる。
分に金属塩を用いた場合には、溶解度の温度変化の小さ
いものを用いることが好ましく、温度の上昇により溶解
度が急激に上昇するような処理液は金属成分の再拡散の
原因となるので好ましくない。また金属成分の原料とし
て、金属アルコキシドまたはその誘導体を用いた場合に
も同様に温度変化による拡散速度の制御によって、濃度
分布形成速度を低下させ、濃度分布固定速度を上昇させ
ることによって効果的に分布形状の固定を行うことがで
きる。
を固定する際に用いるアルコール等の濃度分布固定液に
は金属アルコキシドは実質上溶解しないので、温度の上
昇による溶解度の上昇は考慮する必要がなく、濃度分布
付与は処理液の融点以上の低温であれば効果的に分布形
成速度を低下させることが可能であり、分布固定は処理
液の沸点以下の高温であれば濃度分布の固定速度を促進
することができる。また、加圧下で沸点を上昇させるこ
とによってさらに高温の処理液によって処理することも
可能である。
度よりも大きくする手段として、濃度固定液の粘度を濃
度分布付与液の粘度よりも低く設定することが挙げられ
る。これによって、相対的に分布固定処理液のゲル中へ
の浸透速度を上昇させ、固定を確実に行なうことができ
る。
た場合、濃度分布付与液には、金属塩に対する溶解度の
高い溶媒として、低級アルコールまたは水を用いること
が多い。これらの溶媒は粘度が比較的高く、粘度は水で
1.0019cP、メタノールで0.5945cP、エ
タノールで1.17cP程度である。そこで低粘度の溶
媒を濃度分布固定液として選択すれば、分布固定液のゲ
ル中への浸透速度が速くなるために、効果的に濃度分布
の固定が行われることになる。例えばアセトン0.31
6cP、ジエチルエーテル0.2448cP、ヘキサン
0.307cP、酢酸エチル0.449cP等の様に
0.5cP以下の粘度の溶媒を用いることで効果的に分
布の固定を行うことが可能である。これらの溶媒はその
他の物性、例えば、金属塩等に対する溶解度や、沸点等
を考慮して、条件にあわせて混合して用いることも効果
的である。この際に、より粘性率の低いジエチルエーテ
ルのように単独では金属塩に対する溶解度が低すぎ金属
塩の沈澱が生成するような場合でも、混合した場合の粘
度が0.5cPを越えない程度に、他の溶解度の高いア
ルコール等の溶媒と混合して用いることも可能である。
骨格の構造や、細孔径等のゲルの状態や、添加する金属
種、付与する濃度分布形状等の種々の系に適応する条件
を設定することは困難であるが、上記の温度や粘度とい
った条件以外にも、例えば溶媒の極性や分子かさ等の物
性に着目し、溶媒系を選択することが効果的である。
たは金属塩を含有する溶液に浸漬した際にゲル中に含有
している金属成分Mのゲル中での拡散係数Dが、5×1
0-7cm2/秒以下として濃度分布を行うことによっ
て、濃度分布の崩れを防止して屈折率分布型光学素子を
得ることが可能である。また、1×10-9〜5×10-7
cm2/秒が好ましく、1×10-8〜5×10-7cm2/
秒とすることがより好ましい。拡散係数の値が5×10
-7cm2/秒よりも大きくなると、濃度分布固定液に浸
漬した際に、濃度分布固定液が完全に浸透するまでの
間、ゲル中心部に残留する分布付与液中の金属成分Mの
拡散移動が大きくなり、凹状あるいは凸状の屈折率分布
が崩れるので好ましくない。
式の拡散方程式によりシミュレートすることができる。
詳細はJ.Am.Ceram.Soc.,71,(2)
C−82(1988)に記載されている。 dC/dt=(1/r) d/dr(rD dC/dr) (1) C:金属成分濃度、D:拡散係数(cm2/秒) t:浸漬時間(秒)、r:ゲル半径上の位置 この拡散方程式の解は次式となる。 (C-C0)/(C1-C0)=1-2Σexp(-αn 2Dt/r0 2)J0(αnr/r0)/αnJ0(αn) (2) T=D×t/r0 2 (3) として各Tについてプロットすると図7のようになり、
経時変化により濃度分布が変化していく様子がわかる。
そこで、本発明の拡散係数Dを求めるためには、実験に
より分布形状の経時変化を測定することにより、実際の
分布時間が図7に示されるどの段階であるかを判断しそ
のときのT値をもとめ、浸漬時間、ゲル半径とともに
(3)式に代入すればよい。
て、ゲルを浸漬する処理液中の金属成分の濃度の経時変
化を測定することにより、溶出量とゲルの大きさから計
算する方法を用いることもできる。濃度分布を付与した
い金属成分に対して、ある溶液を用いて濃度分布の経時
変化、あるいはゲルを浸漬する溶液への金属成分の溶出
量を調べることにより、金属成分の拡散係数が所望の大
きさとなる処理液の選定を行うことができ、ほぼ放物線
形状の分布を付与できる条件を設定することができるの
である。
係数は、従来ゾルゲル法により屈折率分布型レンズを作
製する時は、金属成分の拡散係数が6×10-7〜7.5
×10-6cm2/秒 のものを用いることが行われていた
が、本発明における拡散係数は、これらの拡散係数と比
較して小さな値となっており、これは、ゆっくりと濃度
分布が付与されることを示す。このように濃度分布の速
度を遅くするような分布付与液を選択する方法は、従来
全く行われていない方法であり新規なものである。金属
成分の拡散速度の遅い濃度分布付与液を用いることによ
り、濃度分布付与時間は長くなるが、光学的に優れた屈
折率分布形状を得ることができる。
度分布の付与を行う場合には、濃度分布付与液は、溶出
しようとする金属塩を溶解する能力をもつ処理液であ
り、金属塩に対する溶解度のできるだけ低い処理液を選
択するとよく、金属アルコキシドを原料に用いた酸への
浸漬による溶出では、濃度分布付与のための化学結合の
切断が可能な範囲で酸濃度のできるだけ薄い溶液を用い
るのが効果的である。
分Mの溶解度が、5×10-3mol/l以下であり、1
×10-4mol/l以上である溶媒からなる濃度分布付
与液に浸漬したときに濃度分布固定時の分布の崩れを最
小限に抑えることができ、ほぼ放物線状の濃度分布を得
ることができるのである。また、2×10-4〜3.2×
10-3mol/lが好ましく、5×10-4〜2.8×1
0-3mol/lとすることがより好ましい。
場合には、濃度分布固定液に浸漬した後に濃度分布固定
液が完全に浸透するまでは、ゲル中心部に金属成分Mの
溶解度が大きい濃度分布付与液が残留するため、金属成
分は濃度分布付与液に溶解したままゲル中を移動可能で
ある。また、金属成分Mの溶解度がこの範囲より小さい
場合には、金属成分Mがほとんど溶解状態とならないた
め、濃度分布はほとんど付与されなくなる。使用する金
属塩の溶解度が上記溶解度範囲を満たす溶媒であれば、
アルコール、グリコール、エーテル、ケトン、およびヘ
キサンなどの飽和炭化水素、エステル等の中から選ばれ
たいずれの溶媒を用いて濃度分布付与を行うことも有効
である。また、上記の溶媒に金属塩を溶解した濃度分布
付与液を使用して、濃度分布付与液中の金属成分とゲル
中の金属成分を交換する場合には、濃度分布付与液中に
溶解する金属塩の濃度を変化させることによっても濃度
分布付与の速度が変化する。
金属成分を凸状に分布させ、正屈折力を持つ屈折率分布
型光学素子を作製するときには、濃度分布付与液中に屈
折率への寄与の小さく、熱膨張係数分布を補正する効果
を持つK、Na等の金属塩を含有させることが多い。こ
れらK、Na等の金属塩の濃度を低くすることによって
交換反応が遅くなり、分布付与速度を遅くすることがで
きる。
属成分を凹状に分布させ、負屈折力を持つ屈折率分布型
光学素子を作製するときには、濃度分布付与液中に屈折
率への寄与の大きい金属塩を含有させておき、ゲルの外
側からこの金属塩を導入していくが、このときには濃度
分布付与液の溶媒として、本発明の溶解度範囲の中で、
比較的大きな溶解度をもつ溶媒を選択することが望まし
い。
塩を充分に溶解することができず、充分な凹形状を付与
することが難しいからである。また、このとき、ゲル中
に予め屈折率への寄与の小さいK、Na等の金属塩を含
有させておき、前述とは逆の交換反応をおこすことか
ら、あらかじめゲル中に含有させる金属塩の種類や濃度
によっても、分布の付与される速度は変化する。
これらの金属塩の濃度も考慮しなければならない。金属
成分の原料として金属塩を使用した場合に、濃度分布付
与液として前記金属塩の溶解度が異なる、水、アルコー
ル、グリコール、エーテル、ケトン、ヘキサン等の飽和
炭化水素、エステル、ケトン、エーテルから選ばれた少
なくとも2種の溶媒を混合して用いることが好ましい。
具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のア
ルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のグリコール類、ジエチル
エーテル等のエーテル、アセトン、ジエチルケトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、2−メチル
ペンタン、ジメチルブタン、ヘプタン等の飽和炭化水
素、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸イソプロピル、酢酸
イソブチル等のエステル類が挙げられる。とくに、金属
塩の溶解度が異なる少なくとも2種の溶媒を混合して用
いることが好ましい。これによって金属塩の溶解能力の
微妙な調製も可能となる。このようにして異種の溶媒を
混合し、溶解する金属塩の溶解度を調整することによ
り、濃度分布付与速度が適度に遅くなるように調整する
ことが可能となり、続いて行う濃度分布固定工程におい
て溶解度の極めて小さい溶液を外周部から浸透させたと
きにも浸透する時間差によって生じやすい分布の崩れを
最小限におさえることができる。
付与工程中には必ずしも一定である必要はなく、濃度分
布付与工程の終点に達する前に、酸濃度を低くした濃度
分布付与能力の小さい溶液に浸漬し、濃度分布を固定す
る工程へ移行する時点でゲル細孔中に濃度分布付与能力
の少ない処理液が存在している場合が好ましい。
金属アルコキシドを使用した場合には、濃度分布付与液
として酸濃度の低い処理液を使用することが有効であ
る。酸濃度が低い処理液を用いることにより、酸による
酸化物骨格の結合を切断する反応速度を遅くすることが
できるので、濃度分布付与を止めるために、ゲル中の酸
を洗い流すアルコール等の濃度分布固定液に浸漬したと
きに濃度分布固定液の浸透する間のゲル中心部の濃度分
布の崩れを最小限に抑えることができる。
は、酸の濃度はその種類や、金属アルコキシドにより導
入された金属種の種類により異なるために、一概に酸濃
度を規定することは難しいが、チタン、タンタル、ニオ
ブ、ジルコニウム等の金属アルコキシドを使用した場合
には1N以下とすることが好ましく、より好ましくは
0.1N以下の硫酸、塩酸、硝酸を用いることが望まし
い。酸濃度の異なる濃度分布付与液で処理する場合に
は、特に分布固定処理を行う前に分布付与能力の少い溶
液に浸漬しておき、濃度分布固定処理へ移行する時点で
ゲル細孔中の溶媒が分布付与能力の少ない溶液となって
いることが望ましい。
や、化学結合の切断という化学反応に基づくものであ
る。この反応速度が反応温度によって変化可能であるこ
とは言うまでもなく、前述の溶解能力の調整手段として
分布時の温度を変化させる方法を適用することも有効で
ある。多くの場合低温では、溶解度は低くなり、また酸
による結合の切断も遅くなるため、濃度分布付与工程
を、常温(25℃)より低く、且つゲル中およびゲルを
浸漬する液体の凝固点以上の温度、具体的には−23℃
から17℃程度の温度において行うことが有効である。
学素子の様に外周部と中心部での距離が大きいものに対
して特に効果的に作用する。また、本文中ではゾルゲル
法によって作製したゲルに対する作用を述べたが、ドラ
イゲル、仮焼ゲル、多孔質ガラス等の多孔体に同様に金
属成分を導入し組成分布を形成する場合に本発明の方法
を適用することが可能である。また、分布の固定が確実
に行えることにより、中心部の分布形状の崩れを抑える
ことが可能であるので、中心部の屈折率の低下が起こら
ず、中心部と外周部の屈折率差△nの大きな屈折率分布
型光学素子を作製することも可能となる。
エタノール83.73mlと2規定塩酸11.48ml
を加えて室温で1時間攪拌し、その溶液にチタンテトラ
n−ブトキシドTi(On−C4H9)4 18.42g
とエタノール83.73mlとを混合した溶液を添加し
て1時間攪拌した。この溶液に、1mol/lの酢酸バ
リウム水溶液95.69mlと、酢酸38.28mlと
を加えて1時間攪拌してゾルを得た。このゾルを直径
9.5mmのフッ素樹脂製容器にキャスティングして、
50℃の恒温槽で放置しゲル化させた後、更に熟成する
ことにより、円柱状のゲルを得た。このゲルを、0.2
5mol/lの酢酸バリウムのイソプロパノール:水=
60:40の混合溶液、エタノール:メタノール=7
5:25の混合溶液、エタノールの順に浸漬処理し、ゲ
ル細孔中に酢酸バリウムの微結晶を析出させた。
カリウムのメタノール中に、16時間浸漬することによ
って、バリウム成分に組成分布を付与した。さらにこの
ゲルを50℃のアセトン中で24時間浸漬処理した。得
られたゲルを30℃の乾燥器中で乾燥し、引き続いて焼
成したところ割れないガラス体が得られた。このガラス
体の波長633nmにおける屈折率分布形状を測定した
ところ、図2に実線で示す様にほぼ放物分布を有すもの
であった。また中心部の屈折率が1.6493、外周部
の屈折率が1.6241の屈折率分布型光学素子であ
り、△n=0.0252であった。またこの屈折率分布
を4次の偶関数に当てはめたところ係数として以下の値
が得られた。この4次の項の係数は非常に小さく、屈折
率分布形状はほぼ放物線であった。 N(r)=1.6493 - 1.2913×10-2×r2 + 2.0858×10-5×r4 比較例1 実施例1と同様の方法によりゲルを作製した。得られた
ゲルを濃度分布付与の温度、濃度分布固定の温度をとも
に30℃にした以外は実施例1と同様の方法で屈折率分
布型光学素子を作製した。このガラス体の波長633n
mにおける屈折率分布形状を測定したところ、図2に破
線で示す様に中心部が放物分布から落ち込んだ分布形状
となった。中心部の屈折率は1.6487、外周部で
1.6241の屈折率分布型光学素子であり、△n=
0.0246であった。またこの屈折率分布を4次の偶
関数に当てはめたところ係数として以下の値が得られ
た。 N(r)=1.6487 − 1.1051×10-2×r2 − 7.558×10-4×r4 この式の4次の項の係数は実施例1と比較して絶対値が
大きく分布形状が放物分布から外れていることを表して
いる。
容器に分注して複数のゲルを作製した。得られたゲルを
0.25mol/lの酢酸バリウムのイソプロパノー
ル:水=60:40の混合溶液、エタノール:メタノー
ル=75:25の混合溶液、エタノールの順に浸漬処理
し、ゲル細孔中に酢酸バリウムの微結晶を析出させた。
さらに、30℃の0.3mo1/lの酢酸カリウムのメ
タノール中で、50時間浸漬することによって、バリウ
ム成分に組成分布を付与した。これらのゲルを、次の4
つの処理液で濃度分布固定を行った。酢酸バリウムのこ
れらの処理液に対する溶解度がほとんどゼロであった。 アセトン:ジエチルエーテル=5:5(容量比、以下
も同様である) アセトン:ヘキサン=5:5 アセトンのみ アセトン:イソプロパノール=5:5 アセトン:n−ブタノール=5:5 それぞれの溶媒の単独での粘性率は、ジエチルエーテル
0.2448cP、ヘキサン0.307cP、アセトン
0.316cP、イソプロパノール2.26cP、n−
ブタノール4.21cPである。溶媒は1から5の順に
粘度が上昇しているが、得られた屈折率分布型光学素子
の分布形状は、図3に示すように粘度の高いものほど分
布の崩れが確認できた。
の係数の値を示す。 N(r)=N0−N1×r2+N2×r4 N0 N1 N2 アセトン:ジエチルエーテル 1.6491 -1.2821×10-2 -2.325×10-5 アセトン:ヘキサン 1.6489 -1.1971×10-2 -3.709×10-4 アセトンのみ 1.6487 -1.1051×10-2 -7.558×10-4 アセトン:イソプロパノール 1.6480 -8.1712×10-3 -1.958×10-3 アセトン:n−ブタノール 1.6478 -7.0710×10-3 -2.232×10
−3 のアセトン:ジエチルエーテル、のアセトン:ヘキ
サンの系では4次の項の係数N2が2次の項の係数N1
と比較して小さく、実質的に放物線分布であった。
トキシド50mlを混合し、次いで0.01規定の塩酸
42mlを加え室温で1時間攪拌し部分加水分解反応を
行なった。さらに1.25mol/lの酢酸鉛水溶液1
80mlと酢酸26mlをあらかじめ混合したものを添
加した。溶液が完全に均一に混ざるまで攪絆を行った
後、直径35mmの円柱状の容器に80mlずつ4本に
分注しゲルを得た。このゲルを30℃の恒温槽中で7日
間の熟成を行った後、イソプロパノール:水=8:2の
混合比とした酢酸鉛の飽和溶液を調製し、60℃の温度
でゲルを浸漬した。引き続いて、イソプロパノール、イ
ソプロパノールとアセトンの8:2(容量比)、および
5:5の混合溶媒、アセトンの順にゲルを浸漬処理し
た。このゲルを濃度分布付与液として0.1mol/l
の酢酸カリウムの粘性率が0.25cPのエチレングリ
コール溶液中で40時間の浸漬処理を行い、濃度分布を
形成した。このゲルを粘性率が4.21cPのn−ブタ
ノール中に24時間浸漬し、さらにアセトンに24時間
浸漬して、濃度分布形状を固定した。このゲルを乾燥
後、焼成することによって得られた屈折率分布型光学素
子の分布形状は図4に実線で示す様なほぼ放物線状分布
であった。またこの屈折率分布を4次の偶関数に当ては
めたところ係数として以下の値が得られた。 N(r)=1.6590 − 9.6250×10-4×r2 + 4.3
50×10-7×r4 。
の処理は同様の浸漬処理を行った。このゲルを0.1m
ol/lの酢酸カリウムのエタノール溶液(粘性率が
1.17cP)中で40時間の浸漬処理を行った。この
濃度分布時間は、実施例3のエチレングリコールでの濃
度分布を行った場合の分布後の溶液中の酢酸バリウム濃
度と同程度となる時間である。このゲルを粘性率が4.
21cPのn−ブタノール中で24時間浸漬し、さらに
アセトンに24時間浸漬して、濃度分布形状の固定を行
った。このゲルを乾燥後、焼成することによって得られ
た屈折率分布型光学素子の分布形状は図4に破線で示す
様に中心がつぶれ、周辺が広がった形状であった。また
この屈折率分布を4次の偶関数に当てはめたところ係数
として以下の値が得られた。 N(r)=1.6578 − 5.3281×10-4×r2 − 7.690×10-6×r4
。
ル50.5mlと混合し、さらにシリコンテトラメトキ
シド53.3gを添加した。均一になるまで攪拌した後
に、1/100規定の塩酸25.2mlを加えて加水分
解反応を行い、直径12mmのポリプロピレン製容器に
分注しウエットゲルを作製した。このゲルを6Nの塩酸
に浸漬し、チタン成分に濃度分布を形成した。濃度分布
処理後のゲルを、以下の溶媒中に浸漬処理し、濃度分布
の形成を停止することにより、濃度分布形状の固定を行
った。 10℃メタノール 30℃メタノール 50℃メタノール 濃度分布固定後のゲルを乾燥し、電気炉で加熱処理する
ことによりガラス化し、屈折率分布型光学素子を得た。
得られたガラスの径方向の屈折率分布の測定結果を図5
に示す。濃度分布固定の温度が高温であるほど放物線に
近い分布形状が得られた。また、屈折率分布を次式に当
てはめた際の係数の値を示す。 N(r)=N0−N1×r2+N2×r4 N0 N1 N2 10℃メタノール 1.7681 -4.0749×10-3 -4.322×10-4 30℃メタノール 1.7688 -5.8249×10-3 -1.296×10-4 50℃メタノール 1.7695 -7.1998×10-3 8.590×10-5 。
成後、以下の溶媒中に30℃で浸漬し、濃度分布の形成
を停止することにより、濃度分布形状の固定を行った。 ジエチルエーテル アセトン メタノール、 n−ブタノール 分布固定後のゲルを乾燥し、電気炉で加熱処理すること
によりガラス化し、得られた屈折率分布型光学素子の径
方向の屈折率分布形状の測定結果を図6に示す。分布固
定液の粘度はからの順に高くなっているが、粘度の
低い処理液であるジエチルエーテル、アセトンで処理を
行ったものでは、ほぼ放物線状の屈折率分布が得られ
た。メタノール、n−ブタノールで固定を行ったものは
分布形状が崩れ中心部がつぶれたような分布形状であっ
た。得られた屈折率分布を次式に当てはめた際の係数の
値を示す。 N(r)=N0−N1×r2+N2×r4 N0 N1 N2 ジエチルエーテル 1.7698 -6.7637×10-3 8.250×l0-7 アセトン 1.7694 -6.6444×10-3 -9.459×10-6 メタノール 1.7688 -5.8249×10-3 -1.296×10-4 n−ブタノール 1.7675 -2.9440×10-3 -6.130×10-4 。
混合した中に、1規定塩酸13gを混合し部分加水分解
を行ったゾルに、酢酸バリウム20gに水55gを加え
て溶解した溶液中に、酢酸37.4gを加えた溶液を添
加し10分間攪拌した。このゾルを円筒状の容器に注ぎ
30℃に静置しゲル化させることにより直径7.4mm
の棒状ゲルを作製した。このゲルを、0.25Mの酢酸
バリウムの水/イソプロパノール溶液に浸漬し、その後
にエタノールに浸漬することによりゲル中に酢酸バリウ
ムの微結晶を析出させた。次にゲル中のバリウム成分に
濃度分布を付与するために、0.2mol/lの酢酸カ
リウムを含有するメタノール:アセトン=70:30溶
液に25時間浸漬した。なお、メタノール:アセトン=
70:30溶液に対する酢酸バリウムの溶解度は、1.
58×10-3mol/lであり、このときのバリウムの
拡散係数は、2.28×10-7cm2/秒 であった。そ
の後このゲルをアセトンに浸漬し分布固定を行い、乾燥
および焼成工程を経て透明な屈折率分布型光学素子を得
た。このガラスを平行平面に研磨し径方向の屈折率分布
形状を測定したところ、 n(r)=n0 + n10r2 + n20r4 (4) n0=1.6482、n10=-1.5152×10-3、n20=8.5041×10-5
により表される、ほぼ放物線状の屈折率分布を有してい
た。
5Mの酢酸バリウムを含む水/イソプロパノール溶液に
浸漬し、その後にエタノールに浸漬することによりゲル
中に酢酸バリウムの微結晶を析出させた。次にゲル中の
バリウム成分に濃度分布を付与するために、0.2mo
l/lの酢酸カリウムを含有するメタノール溶液に3時
間から13時間まで1時間ずつ11通りに浸漬時間を変
えて浸漬を行った。なお、メタノールに対する酢酸バリ
ウムの溶解度は、1.06×10-2mol/lであり、
このときのバリウムの拡散係数は、8.3×10-7cm
2/秒であった。その後これらのゲルをアセトンに浸漬
し濃度分布固定を行い、乾燥および焼成工程を経て透明
な屈折率分布型光学素子を得た。このガラスを平行平面
に研磨し径方向の屈折率分布形状を測定したところ、い
ずれのものも、(4)式でn20の値が負で絶対値が大き
く、放物線と比較して中心部の屈折率が低くなってお
り、光学設計上使用用途の限られるものとなっていた。
キシド42gを混合した中に、0.01規定塩酸50g
を添加し部分加水分解を行ったゾルに、酢酸鉛54gを
水92g溶解した溶液中に、酢酸33.2gを加えた溶
液を添加し10分間攪拌した。このゾルを円筒状の容器
に注ぎ30℃に静置しゲル化させることにより径31m
mのロッド状ゲルを作製した。このゲルを、0.43M
の酢酸鉛を含有する水/イソプロパノールに浸漬し、そ
の後イソプロパノール/アセトン=50/50、30/
70、0/100(体積比)に順次浸漬することにより
ゲル中に酢酸鉛の微結晶を析出させた。次にゲル中の鉛
成分に濃度分布を付与するために、0.3mol/lの
酢酸カリウムを含有するエタノール/アセトン=40/
60の液に52時間浸漬した。この溶液に対する酢酸鉛
の溶解度は1.25×10-3mol/lであった。その
後このゲルをアセトンに浸漬し分布固定を行い、乾燥お
よび焼成工程を経て透明な屈折率分布型光学素子を得
た。このガラスを平行平面に研磨し径方向の屈折率分布
形状を測定したところ、 n(r)=n0 + n10r2 + n20r4 n0=1.6759、n10=-2.1382×10-3、n20=4.5210×10-5 により表される、ほぼ放物線状の屈折率分布を有してい
た。
混合物中に、1規定塩酸15gを混合し部分加水分解を
行ったゾルに、酢酸バリウム11.2g、及び酢酸ラン
タン7.1gに水70gを加えて溶解した溶液に、酢酸
18.4gを加えた溶液を添加し10分間攪拌した。こ
のゾルを円筒状の容器に注ぎ30℃に静置しゲル化させ
ることにより直径5.6mmの棒状ゲルを作製した。こ
のゲルを、0.1Mの酢酸ランタン、0.2Mの酢酸バ
リウムを含む水/エチレングリコール溶液に浸漬し、そ
の後にメタノール/エタノール混合溶液に浸漬すること
によりゲル中に酢酸バリウムおよび酢酸ランタンの微結
晶を析出させた。次にゲル中のバリウム成分およびラン
タン成分に濃度分布を付与するために、0.15mol
/lの酢酸カリウムを含有するメタノール/エーテル/
エチレングリコール=60/20/20溶液に36時間
浸漬した。その後このゲルをアセトンに浸漬し濃度分布
固定を行い、乾燥および焼成工程を経て透明な屈折率分
布型光学素子を得た。このガラスを平行平面に研磨し径
方向の屈折率分布形状を測定したところ、 n(r)=n0 + n10r2 + n20r4 n0=1.6928、n10=-5.0219×10-3、n20=9.2895×10-5 により表される、ほぼ放物線状の屈折率分布を有してい
た。
49gを添加した溶液へ0.02mol/lの塩酸36
gを添加し45分攪拌したのち、Ti(On−C4H9)
4の51.36gとブタノール25gを混合して得た溶
液を添加し、10分間攪拌しその後、0.02mol/
lのアンモニア水を加え加水分解し、内径28mmの円
筒状容器に分注しゲル化させた。このゲルの半数を0.
008Mの塩酸を含有する水/メタノール溶液に浸漬し
132時間濃度分布付与した。このときのチタンの拡散
係数Dは、4.2×10-7cm2/秒であった。その後
ブタノールに浸漬しゲル中の塩酸を洗い流すことにより
濃度分布付与停止した。このゲルを乾燥後、焼結するこ
とにより透明な屈折率分布型ガラス棒を得た。このガラ
スを平行平面に研磨して径方向の屈折率分布形状を測定
したところ、ほぼ放物線状の屈折率分布を有していた。
含有する水溶液に浸漬することにより濃度分布を付与し
た。このときのチタンの拡散係数Dは、8.1×10-7
cm2/秒であった。その後メタノールに浸漬しゲル中
の塩酸を洗い流すことにより濃度分布付与を停止した。
このゲルを乾燥、焼結することにより透明な屈折率分布
型ガラス棒を得た。このガラスを平行平面に研磨し径方
向の屈折率分布形状を測定したところ、放物線と比較し
て中心部の屈折率がやや低くなっており、光学設計上使
用用途の限られるものとなっていた。
混合物中に、1規定塩酸13gを混合し部分加水分解を
行ったゾルに、酢酸バリウム20.1g及び酢酸イット
リウム11.8g、水73gを加えて溶解した溶液中
に、酢酸32gを加えた溶液を添加し10分間攪拌し
た。このゾルを円筒状の容器に注ぎ、30℃に静置しゲ
ル化させることにより直径20mmの棒状ゲルを作製し
た。このゲルを、0.05M酢酸イットリウム、0.1
M酢酸バリウムを含有する水/イソプロパノール溶液に
浸漬して、その後にメタノール/エタノール混合溶液に
浸漬することによりゲル中に酢酸バリウムおよび酢酸ラ
ンタンの微結晶を析出させた。次にゲル中のバリウム成
分およびイットリウム成分に濃度分布を付与するため
に、0.10mol/lの酢酸カリウムおよび0.10
mol/lの乳酸ナトリウムを含有するメタノール/ア
セトン/ヘキサン=70/10/20溶液を25℃に保
ち58時間浸漬した。このときのバリウムの拡散係数D
は、9.2×10-9cm2/秒であり、イットリウムの
拡散係数Dは、4.5×10-9cm2/秒であった。そ
の後、このゲルを45℃に保ったアセトン溶液に浸漬し
分布固定を行い、乾燥および焼成工程を経て透明な屈折
率分布型光学素子を得た。このガラスを平行平面に研磨
し径方向の屈折率分布形状を測定したところ、ほぼ放物
線状の屈折率分布を有していた。
M酢酸鉛を含有する水/イソプロパノール溶液に浸漬
し、その後イソプロパノール/アセトン=50/50、
30/70、0/100(容積比)に順次浸漬すること
によりゲル中に酢酸鉛の微結晶を析出させた。次にゲル
中の鉛成分に濃度分布を付与するために、10℃に保っ
た0.15mol/lの酢酸カリウムを含有するエタノ
ール溶液に、46時間浸漬した。その後このゲルを25
℃のアセトンに浸漬して濃度分布固定を行い、乾燥およ
び焼成工程を経て透明な屈折率分布型光学素子を得た。
このガラスを平行平面に研磨し径方向の屈折率分布形状
を測定したところ、 n(r)=n0 + n10r2 + n20r4 n0=l.6715、n10=-1.1652×10-3、n20=2.3861×10-6 により表される、ほぼ放物線状の屈折率分布を有してい
た。
鏡等のレンズとして用いることのできる屈折率分布型ガ
ラスの分布形状の制御を精密に行うことができ、光学設
計上効果の高いほぼ放物線形状の分布を得ることが可能
となった。
る。
光学素子の屈折率分布形状を説明する図である。
屈折率分布形状を説明する図である。
型光学素子の屈折率分布形状を説明する図である。
屈折率分布形状を説明する図である。
屈折率分布形状を説明する図である。
ョン結果を説明する図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ゾルゲル法により作製したゲルに金属成
分の濃度分布を形成後、濃度分布を固定する工程におい
て、金属成分の濃度分布を固定する速度が、金属成分に
濃度分布を形成する速度より、速いことを特徴とする屈
折率分布型光学素子の製造方法。 - 【請求項2】 ゲル中での濃度分布固定液の拡散速度
が、ゲル中での濃度分布付与液の拡散速度より速いこと
を特徴とする請求項1に記載の屈折率分布型光学素子の
製造方法。 - 【請求項3】 ゾルゲル法による組成に分布を有した屈
折率分布型光学素子の製造方法において、ゲル中に金属
成分の濃度分布を付与する工程において、ゲルを酸また
は金属塩を含有する溶液に浸漬した際にゲル中に含有し
ている金属成分のゲル中での拡散係数が、5×10-7c
m2/秒 以下であることを特徴とする屈折率分布型光学
素子の製造方法。とを特徴とする請求項1または2に記
載の屈折率分布型光学素子の製造方法。 - 【請求項4】 ゾルゲル法による組成に分布を有した屈
折率分布型光学素子の製造方法において、ゲル中に金属
成分の濃度分布を付与する工程において、ゲル中に含有
している金属成分の溶解度が、5×10-3mol/l以
下であり、1×10-4mol/l以上である液体に浸漬
することを特徴とする屈折率分布型光学素子の製造方
法。
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