JPH1059917A - C−h−酸化合物のニトロソ化方法 - Google Patents

C−h−酸化合物のニトロソ化方法

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JPH1059917A
JPH1059917A JP9144377A JP14437797A JPH1059917A JP H1059917 A JPH1059917 A JP H1059917A JP 9144377 A JP9144377 A JP 9144377A JP 14437797 A JP14437797 A JP 14437797A JP H1059917 A JPH1059917 A JP H1059917A
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C249/00Preparation of compounds containing nitrogen atoms doubly-bound to a carbon skeleton
    • C07C249/04Preparation of compounds containing nitrogen atoms doubly-bound to a carbon skeleton of oximes
    • C07C249/06Preparation of compounds containing nitrogen atoms doubly-bound to a carbon skeleton of oximes by nitrosation of hydrocarbons or substituted hydrocarbons

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般式: X−CHR−X (I) 〔式中Rは水素または有機基を表し、かつXならびに
は同じかまたは異なっていてもよく、電子吸引基を
表す。〕のC−H−酸化合物を、水および不活性有機溶
剤の存在下で、亜硝酸塩からその他の酸により遊離する
亜硝酸と反応させることによる、ニトロソ化の方法を提
供する。 【解決手段】 不活性有機溶剤として、水と少なくとも
部分的に混和可能な不活性有機溶剤または溶剤混合物を
使用し、かつ該溶剤または該溶剤混合物および水の量
を、出発物質(I)、そのニトロソ化生成物、水ならび
に不活性有機溶剤または溶剤混合物、ならびに亜硝酸
塩、および亜硝酸を遊離するその他の酸の少なくとも一
部が、ニトロソ化反応が進行しかつ亜硝酸の遊離の際に
生じる酸の大部分が析出するような均一な液相を形成す
るよう、互いに調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般式X−CHR
−X(I)〔式中Rは水素または有機基を表し、かつ
ならびにXは同じかまたは異なっていてもよく、
かつ電子吸引基を表す〕のC−H−酸化合物のニトロソ
化に関する。
【0002】
【従来の技術】C−H−酸化合物のニトロソ化生成物は
例えば、様々な医薬品および植物保護剤のための作用物
質の合成に必要とされる適切なアミンの製造のための前
生成物として使用される。例としてはマロン酸誘導体の
ヒドロキシイミノ化合物およびニトロソ化合物が挙げら
れる。マロン酸誘導体、例えばエステル、アミド、イミ
ドエステル、またはマロジニトリルのニトロソ化のため
の一連の方法は公知である。J.B.Paine III等著“J.Or
g.Chem.50”(1985), 5598〜5604にはヒドロキシイミ
ノマロン酸ジエチルエステルの製造方法が記載されてお
り、この場合氷酢酸中のマロン酸ジエチルエステルの溶
液に、徐々に亜硝酸ナトリウム水溶液を添加し、均一な
溶液である反応混合物に苛性ソーダ溶液を添加し、かつ
反応生成物をジエチルエーテルで酢酸ナトリウムを含有
する液相から抽出することにより分離する。該方法では
酢酸ナトリウムが水溶液として、かつマロン酸ジエチル
エステルに対して約4倍モル量生じる。
【0003】ドイツ国特許出願公開第2352706号
明細書によれば、シアン酢酸エチルエステルをまず塩化
水素を用いて無水アルコール中でモノイミドマロン酸ジ
エチルエステル塩酸塩に転化させ、かつこれを酢酸に溶
解する。次いで該溶液に少量づつ亜硝酸ナトリウム水溶
液を添加し、かつ該反応混合物にニトロソ化反応終了
後、水を添加する。反応生成物を、生成した酢酸ナトリ
ウムを含有する液相から、再び溶剤を用いた抽出により
分離する。
【0004】ヨーロッパ特許出願公開(A1)第051
7041号明細書にはヒドロキシイミノマロン酸ジエチ
ルエステルの製造例が記載されており、この場合マロン
酸ジメチルエステルおよび水の混合物に亜硝酸ナトリウ
ムおよび酢酸を添加している。該反応混合物を2度ジク
ロロエタンで抽出し、かつこのようにして液相中に残留
している酢酸ナトリウムからヒドロキシイミノマロン酸
ジエチルエステルを分離する。この場合確かにマロン酸
エステル1モル当たり亜硝酸ナトリウム1.2モルの量
で使用するのみであるが、しかし21時間という反応時
間が工業的方法にとっての反応を実質的に使用不可能に
している。さらに該方法は水に難溶のマロン酸エステル
の反応には不適切である。
【0005】前記の方法全てにおいて酢酸ナトリウムは
不純物を含有する、廃水処理が困難な水溶液の形で生じ
る。そのためこれらの方法は、生態学上の理由から工業
規模への転用には不適切である。
【0006】ドイツ国特許第954873号明細書には
ヒドロキシイミノマロン酸ジエチルエステルの製造方法
が記載されており、この場合マロン酸ジエチルエステル
を、水と殆ど混和できない、最終生成物から蒸留により
分離が可能であるような溶剤例えばトルエンに溶解し、
該溶液に亜硝酸ナトリウムを少なくともモル量、ならび
にマロン酸エステルに対して水1〜10重量%を添加
し、懸濁液に30〜70℃の温度でニトロソ化が終了す
るまで氷酢酸を徐々に添加し、反応溶液から未溶解の酢
酸ナトリウムを分離し、かつ該溶液から結晶化したヒド
ロキシイミノマロン酸ジエチルエステルを収得する。該
方法は溶剤抽出なしで行い、かつ少なくとも酢酸ナトリ
ウム約2/3を固体の形で収得する。該方法は「スムー
ズで、かつ迅速な反応および良好な収率」を生じると記
載されている。しかし少なくとも後者は該当しない、と
いうのは収得した、融点86.5〜88℃の結晶生成物
は全くヒドロキシイミノマロン酸ジエチルエステルでは
なく、ヒドロキシイミノマロン酸ジエチルエステルと酢
酸ナトリウムの錯体だったからである。該生成物は、不
純物を多く含有しているため、溶剤として特に有利であ
る無水酢酸中で白金触媒を用いて水素添加しアセトアミ
ノマロン酸ジエチルエステルを生成することが不可能で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の課
題は、C−H−酸化合物、および特に水に難溶のC−H
−酸化合物をもまた、可能な限り僅かな過剰のアルカリ
金属亜硝酸塩を、可能な限り短い反応時間に、高い反応
率かつ良好な収率で反応させ、後続反応で必要とされる
高い純度を有するヒドロキシイミノ化合物またはニトロ
ソ化合物を生成し、この場合に副生成物として生成する
塩を可能な限り十分に再使用が可能な固体の形で収得
し、かつ極めて不純物の多い廃水の生成を十分または完
全に回避する方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】ところで前記課題は本発
明により、不活性有機溶剤として、少なくとも部分的に
水と混和可能な不活性有機溶剤または溶剤混合物を使用
し、かつ該溶剤または該溶剤混合物および水の量を、出
発物質(I)、該出発物質のニトロソ化生成物、水なら
びに不活性有機溶剤、ならびに亜硝酸塩および亜硝酸を
遊離するその他の酸の少なくとも一部が、ニトロソ化反
応が進行し、かつ亜硝酸の遊離の際に生じる塩の大部分
が析出するような均一な液相を形成するように、互いに
調整する場合に、一般式: X−CHR−X (I) 〔式中Rは水素または有機基を表し、かつXならびに
は同じかまたは異なっていてもよく、電子吸引基を
表す〕のC−H−酸化合物を、水および不活性有機溶剤
の存在下で、亜硝酸塩からその他の酸により遊離される
亜硝酸と反応させることにより、解決されることが判明
した。
【0009】一般式Iの有利なC−H−酸化合物でRは
水素を表す。ニトロソ化生成物はこの場合ニトロソ化合
物としてではなく、互変異性のヒドロキシイミノ化合物
の形で生じる。亜硝酸塩から亜硝酸を遊離するその他の
酸がカルボン酸である場合、この他に変動的な量で相応
のO−アシル化ヒドロキシイミノ化合物が生成する。ニ
トロソ化生成物はしたがってC=NOR′基を含有し、
R′は水素またはアシル基を表す。その他の適切な出発
物質(I)でRは、例えば1〜4個の炭素原子を有する
アルキル基のような脂肪族基、または6〜10個の炭素
原子を有するアリール基を表す。
【0010】電子吸引基であるXおよびXは同じか
または異なっていてもよい。 XおよびXは、特に
−COOR、−C(NR)OR、−CONR、−CO
−R基を表し、この場合Rは有利な基を含む、式Iに示
したもの、ならびに−CN、−NOまたは芳香族基、
特に不活性基または原子により置換されていてもよい、
6〜10個の炭素原子を有するアリール基を表す。本発
明による方法のための出発物質として適切なC−H−酸
化合物は例えば次のものである:マロン酸、ならびにマ
ロン酸のエステルおよびイミドエステル、例えばマロン
酸ジメチルエステル、2−メチルマロン酸ジメチルエス
テル、マロン酸ジエチルエステル、2−フェニルマロン
酸ジエチルエステル、マロン酸ジイソブチルエステル、
マロン酸ジ−2−エチルヘキシルエステル、およびモノ
イミドマロン酸ジエチルエステル;マロン酸アミドまた
はマロン酸アミドエステル、例えばマロン酸ジアミド、
N,N′−ジメチルマロン酸ジアミド、N,N,N′,N′
−テトラメチルマロン酸ジアミド、およびN,N−ジメ
チルアミドマロン酸エチルエステル;マロン酸ジニトリ
ル;シアン酢酸のエステル、例えばシアン酢酸およびシ
アン酢酸エチルエステル;2−シアンプロピオン酸のエ
ステル、例えば2−シアンプロピオン酸および2−シア
ンプロピオン酸エチルエステル;β−ケト酸およびβ−
ケト酸の誘導体、例えばアセト酢酸またはベンゾイル酢
酸、およびこれらのエステルまたはアミド、例えばアセ
ト酢酸エチルエステル、アセト酢酸−N,N−ジメチル
アミド、およびベンゾイル酢酸エチルエステル;1,3
−ジケトン、例えばアセチルアセトン、ベンゾイルアセ
トンおよびジベンゾイルメタン;ニトロ化合物、例えば
ジニトロメタン、ニトロ酢酸エチルエステル、およびニ
トロアセトニトリル;−CHR−基が側面に並ぶ電子吸
引性基をもう一つ有する芳香族化合物、例えばフェニル
酢酸エステル、フェニルアセトントリル(ベンジルニト
リル)およびp−ニトロフェニルアセトンニトリルであ
る。
【0011】実際のニトロソ化剤である亜硝酸は現場で
(in situ)亜硝酸塩からその他の酸により遊離する。
適切な亜硝酸塩は特に亜硝酸ナトリウムおよび亜硝酸カ
リウムのようなアルカリ金属亜硝酸塩であり、これらを
一般にC−H−酸化合物(1)1モル当たり3モルまで
の量で使用する。有利にはC−H−酸化合物1モル当た
り、亜硝酸塩を1〜1.5モル、特に1.05〜1.2
モルの量で使用する。
【0012】亜硝酸を亜硝酸塩から遊離するその他の酸
としては、亜硝酸塩を少なくとも部分的にプロトン化す
ることが可能である全ての無機または有機酸が適切であ
る。適切な無機酸は特に塩酸、硫酸、亜硝酸、および燐
酸である。適切な有機酸には特にカルボン酸、例えばギ
酸、酢酸、およびプロピオン酸が挙げられる。特に有利
には硫酸および酢酸である。有利には酸を少なくとも亜
硝酸塩に相当する化学量論的量で使用する。酸の量がよ
り多くても有害ではなく、かつニトロソ化生成物を前も
って分離または洗浄せずに引き続き水素添加してアミン
を生成する場合には、カルボン酸の量がより多いことは
特に好ましい。酸を完全にまたは部分的に酸無水物で代
用することも可能である。このことは特に、 C−H−
酸化合物および/またはそのニトロソ化生成物が水ない
しは水分が多い反応混合物に難溶である場合に好まし
い。つまり酸無水物がニトロソ化反応の際に生じる水を
奪うので、反応混合物に望ましくない量の水が付加され
ることがない。もちろん酸無水物は添加した水を使い果
たす程大量に存在していてはいけない。というのはその
場合前記の均一な液相である反応媒体中の亜硝酸塩の溶
解度が、実地で使用可能な反応速度にとって小さくなり
すぎるからである。
【0013】つまり水は、亜硝酸塩からの亜硝酸の遊離
を可能にしかつ促進するので、反応混合物の必須の成分
なのである。可能な限り完全でかつ迅速な反応を比較的
高い温度で達成するためには、個々の事例の状態によ
る、ある一定の最低量の水がなくてはならない。使用す
る水の量は少なすぎると、亜硝酸塩の一部が未反応のま
ま残留し、かつ反応の際に形成された塩の廃棄処理ない
しは再使用を妨げる可能性がある。他方、水は、特にC
−H−酸化合物および/またはそのニトロソ化生成物が
水に難溶の場合には、可能な限り少量であるべきであ
る。両者の要求は一般に、水と少なくとも部分的に混合
可能な不活性有機溶剤、または溶剤混合物に対して、水
0.01〜50、有利には0.03〜20重量%を併用
すれば満たすことができる。
【0014】そのような溶剤または溶剤混合物の併用は
本発明による方法の重要な特徴である。これにより、マ
ロン酸エステル、β−ケト酸エステル、およびより高級
β−ジケトンの様な、特に水に難溶のC−H−酸化合物
をもまた、有利にニトロソ化することが可能となる。溶
剤または溶剤混合物は、反応混合物の全成分が存在し、
ニトロソ化反応が進行し、かつそこからニトロソ化反応
の際に形成された塩が十分に析出するような、均一な相
の形成に寄与する。該相において亜硝酸塩は全て溶解し
ている必要はない。亜硝酸塩の一部が溶解し迅速な反応
に必要な量の亜硝酸が遊離することができ、他方その他
の部分量は懸濁したままで、かつ溶解した亜硝酸塩がニ
トロソ化反応で使用される量と同量が次第に溶解してい
けば十分である。この条件は、前記の量の水を併用すれ
ば満たされる。反応媒体、つまり前記の均一な相に溶解
しているその他の、亜硝酸塩から亜硝酸を遊離する酸の
量は、もちろん少なくとも溶解した亜硝酸塩の量に相当
しなくてはならない。しかし反応混合物中のその他の酸
は、一般に明らかに亜硝酸塩よりも良好に溶解するの
で、この点では問題はなく、かつその他の酸は通常完全
に溶解している。このことはもちろん特に後述の酸を計
量供給する実施態様にいえるが、しかしまた一般に酸を
一緒に装入する変更例にもいえる。
【0015】部分的に水と混和可能である有機溶剤と
は、本発明との関連において、特に室温で少なくとも水
1重量%、有利には少なくとも3重量%、および特に5
重量%以上を溶解することのできるようなものをいう。
しばしば該有機溶剤はあらゆる量比で水と混和し均一な
溶液を作ることが可能である。水に対して前記の最低溶
解度を有する限り、溶剤混合物も同様に適切である。つ
まり水を殆ど溶解しない溶剤と、水を良好に溶解する
か、または水と良好に混和可能である別の溶剤との混合
物でも、該混合物が水を前記の最低量で溶解する限り、
作業することが可能である。有利には不活性有機溶剤ま
たは有機溶剤混合物をC−H−酸化合物1重量部当たり
0.05〜2.5重量部、有利には0.35〜2.0重
量部使用する。もちろん不活性有機溶剤または溶剤混合
物をより多くの量で使用することも可能であるが、しか
しこのことにより空時収率は低下する。
【0016】適切な不活性有機溶剤は、脂肪族または環
式エーテル、例えばジブチルエーテル、メチル−t−ブ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、ジアルコキシアルカン、(例えば1,2−ジメトキ
シエタン)およびポリエチレングリコエーテル; カル
ボン酸と1〜4個の炭素原子を有するアルコールからな
るカルボン酸エステル、特に酢酸メチルおよび酢酸エチ
ル;および1〜4個の炭素原子を有するカルボン酸の
N,N−2置換カルボン酸アミド、特にN,N−ジメチル
ホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミド;な
らびにニトリル、例えばアセトンニトリルおよびプロピ
オンニトリルである。有利な溶剤は1,4−ジオキサン
である。亜硝酸の遊離に、ギ酸、酢酸、およびプロピオ
ン酸のような有機酸を使用する場合には、これらの酸を
同時に溶剤として用いることも可能である。このこと
は、一方ではニトロソ化反応が均一な相で進行し、かつ
他方では亜硝酸の遊離の際に生じる塩の少なくとも大部
分が析出するように、有機酸および反応混合物のその他
の成分の量を選択する限りにおいて可能である。
【0017】つまり本発明による方法の重要な特徴に従
い、不活性の、少なくとも部分的に水と混和可能な有機
溶剤または溶剤混合物および水の量は、反応媒体として
一方ではC−H−酸化合物およびそのニトロソ化生成物
は完全に、ならびに亜硝酸塩と亜硝酸塩から亜硝酸を遊
離する酸とは少なくとも部分的に溶解し、かつ他方では
ニトロソ化反応の際に生じる塩の少なくとも大部分、有
利には少なくとも60重量%および特に少なくとも80
重量%が固体の形で析出するような均一な液相が生じる
ように、互いに調整する。当業者はある種のニトロソ化
の課題、つまり亜硝酸塩、および亜硝酸塩から亜硝酸を
分離する酸が十分に溶解するために十分な水を使用しな
がら、ニトロソ化反応の際に生じる塩をできる限り十分
に析出させるために、できる限り少量の水を使用すると
いう課題のための矛盾した目標を、オリエンテーション
実験により前記の量が観察されるときに困難なく最善に
解決することができる。いずれにせよ塩の大部分は析出
しかつ水溶液として生じないべきである。
【0018】本発明による方法は有利には温度範囲0〜
100℃で実施する。好ましくは20〜60℃、特に3
0〜40℃の範囲で作業する。0℃未満では反応は極め
て緩慢に進行し、100℃を越えると分解が始まり、お
よび/または副生成物が生じる可能性がある。反応を完
了するために、温度を反応の終わり頃に、前記の範囲内
で上昇させることは望ましい。通例大気圧で作業する。
より高い反応温度でかつ低沸点の、少なくとも部分的に
水と混和可能な不活性有機溶剤、例えばメチルアセテー
トを使用する場合は、溶剤が流出しないように高い圧力
を使用することが有利である。
【0019】本発明による方法の実施には、不活性有機
溶剤、水、亜硝酸塩、およびC−H−酸化合物を撹拌反
応器に装入し、かつ次第に亜硝酸を遊離する酸を添加す
る。別の方法としてはC−H−酸化合物、不活性有機溶
剤、水、および酸を装入し、かつ少量ずつ亜硝酸塩を添
加することも可能である。このような作業方法は、亜硝
酸塩から亜硝酸を遊離するカルボン酸が、同時に不活性
有機溶剤として働く場合に推奨される。いずれの変更例
でも水を一緒に装入せずに、次第に酸ないしは亜硝酸塩
と別々にまたは一緒に供給することも可能である。結局
のところ、水以外の前記の成分を全て装入し、かつ水を
次第に添加することもまた可能である。既述のように、
酸を少なくとも部分的に酸無水物で代用することも可能
であり、これにより反応相の水含有量は望ましくないよ
うな量に増加することがない。これは特に酸を装入せず
に、次第に添加するときに有効である。
【0020】所望の反応温度を一定に保つために、全て
の変更例において場合により冷却する。反応時間は、C
−H−酸化合物の種類、反応温度、冷却容量、ならびに
その他の状態によって決まる。好ましくは温度を酸の添
加の終わり頃に10〜20℃まで上げ、かつこの温度で
後反応させる。これにより最終的な余剰の亜硝酸塩は分
解されるため、析出して生じた塩は実質的には亜硝酸塩
を含まず、かつ残留した酸化窒素ガスは反応混合物から
追出される。ガスの追出は例えば窒素のような不活性ガ
スを導通することにより達成することが可能である。2
0〜60℃の有利な温度では反応は一般に約2時間まで
を必要とする。
【0021】ニトロソ化反応の際に生じる塩の反応相中
の溶解量は、反応相の水の含有量が少ないほど、少なく
なる。水の含有量は、例えば反応混合物に結晶水を付加
する無水塩を添加して後から減少させることが可能であ
る。これにより通例、析出した塩の濾過性もまた改善さ
れる。亜硝酸ナトリウムおよび酢酸または硫酸を亜硝酸
の遊離に使用する場合には、先行するバッチから得ら
れ、予め100〜200℃に加熱することにより脱水し
た酢酸ナトリウムまたは硫酸ナトリウムが考えられる。
【0022】もちろん水を反応終了後に蒸留またはスト
リッピングにより除去することで、反応混合物から取り
除くこともまた可能である。
【0023】生じた塩を分離する前の反応混合物を、メ
チル−t−ブチルエーテル、シクロオクタン、またはイ
ソオクタンのような、可能な限り無極性の、不活性溶剤
で希釈するのが多くの場合において有利であることが判
明した。こうして反応混合物をより良好に処理し、かつ
塩をより良好に濾別することができる。さらに、これに
よりニトロソ化生成物がより純粋な形で得られることが
判明した。このことによりしばしばこれに引き続く接触
水素添加の際の触媒の需要は減少される。
【0024】生じた塩は反応混合物を希釈しなくても著
しい純度で生成し、かつ適切な溶剤例えばメチル−t−
ブチルエーテル、シクロヘキサン、および酢酸エチルで
洗浄しかつ乾燥した後、その他の方法において使用する
ことが可能である。廃水処理が困難な塩溶液は、本発明
による方法ではせいぜい副次的な量で生じるのみであ
る。
【0025】
【実施例】以下の例は本発明による方法をさらに詳述す
るが、しかし本発明による方法の適用範囲を限定するも
のではない。
【0026】例1 マロン酸ジメチルエステル132.0g(1.0モ
ル)、1,4−ジオキサン250.0g、水35.6
g、および亜硝酸ナトリウム80.0g(1.15モ
ル)からなる、35〜40℃に保った、撹拌した混合物
に、2時間以内に酢酸112.2g(96%;1.8モ
ル)を滴加した。50℃で2時間後反応させ、次いで無
水酢酸ナトリウム35gならびにメチル−t−ブチルエ
ーテル400gを添加した。室温まで冷却後、析出した
粗結晶質の固体を吸引濾過し、かつ2度、その都度メチ
ル−t−ブチルエーテル150mlで洗浄した。濾過液
および洗浄液から60℃で水流真空中で低沸点物質を除
去した。融点範囲47〜56℃の固体残留物が残留し
た。これはガスクロマトグラフィー/質量分光分析(G
C/MS)の分析によれば、ヒドロキシイミノマロン酸
ジメチルエステルおよびアセトキシイミノマロン酸ジメ
チルエステルであった。生成物はGC分析によれば、未
反応のマロン酸ジメチルエステル0.5FID面積%未
満を含有していた。
【0027】例2 マロン酸ジエチルエステル320.4g(2.0モ
ル)、1,4−ジオキサン500g、脱塩水71.2
g、および亜硝酸ナトリウム160g(2.3モル)か
らなる、40℃に保った混合物に、2時間以内に酢酸2
24.3gを滴加した。反応混合物を50℃で1時間後
反応させ、室温まで冷却し、かつ均一な混合物にスパチ
ュラの尖端で酢酸ナトリウム−三水化物を接種し、該酢
酸ナトリウム−三水化物上に反応中に形成された0〜3
分子の結晶水を有する酢酸ナトリウムが粗結晶となって
析出した。該混合物を濾過し、フィルターケークを1,
4−ジオキサンで洗浄し、かつ低沸点物質を濾液および
洗浄液から留去した。未反応のマロン酸ジエチルエステ
ル0.6FID面積%未満を含有する、透明で淡黄色の
油状物423.0gが残留した。接触水素添加および粗
生成物の再結晶後、使用したマロン酸ジエチルエステル
に対して、理論値の85%の収率でアセトアミドマロン
酸ジエチルエステルが、99.8FID面積%より高い
純度で得られた。
【0028】例3 例2と同様に実施したが、但しこの場合には反応終了後
無水酢酸ナトリウム(先行するバッチから濾過および1
30℃で水流ポンプ真空中の乾燥により得られた)70
gを添加した。これにより、生成した酢酸ナトリウムを
例2におけるよりも容易に濾別することができた。収量
は未反応のマロン酸ジエチルエステル0.6FID面積
%未満を有する淡黄色の油状物417.2gであった。
粗生成物の接触水素添加および再結晶により、使用した
マロン酸ジエチルエステルに対して理論値の85%の収
率でアセトアミドマロン酸ジエチルエステルを、99.
8%FID面積%より高い純度で収得した。
【0029】例4 例3と同様に実施したが、但しこの場合には無水酢酸ナ
トリウムの添加後、付加的にメチル−t−ブチルエーテ
ル400gを添加した。淡黄色の油状物426gが残留
し、ここから接触水素添加および粗生成物の再結晶によ
り、使用したマロン酸ジエチルエステルに対して、理論
値の88%の収率、および99FID面積%より高い純
度でアセトアミドマロン酸ジエチルエステルが得られ
た。
【0030】例5 マロン酸ジエチルエステル320.4g(2.0モ
ル)、および亜硝酸ナトリウム160g(工業用、2.
3モル)からなる35℃に保った、撹拌した混合物に、
先行するバッチから低沸点物質を留去することにより得
られた1,4−ジオキサン、酢酸、および水からなる混
合物を配量した。その後水12.0gを計量供給し、か
つ2時間以内に酢酸(96%)166g(2.7モル)
を滴加した。該混合物を40℃で2時間後反応させ、か
つ例4に記載したように後処理した。淡黄色の油状物4
25gが残留し、ここから接触水素添加および粗生成物
の再結晶により、使用したマロン酸ジエチルエステルに
対して理論値の86%の収率、および99.8FID面
積%より高い純度でアセトアミドマロン酸ジエチルエス
テルが得られた。
【0031】例6 例2と同様に実施したが、但しこの場合には1,4−ジ
オキサンの代わりにテトラヒドロフランを使用した。未
反応のマロン酸ジエチルエステル1FID面積%未満を
含有する、透明で淡黄色の油状物427gが残留した。
【0032】例7 例3と同様に実施したが、但しこの場合には1,4−ジ
オキサンの代わりに、添加した水の量を20gまで減少
させる酢酸エチル600gを使用し、酢酸の代わりに無
水酢酸166.6gを使用した。淡黄色の油状物425
gが残留し、ここから接触水素添加および粗生成物の再
結晶により、使用したマロン酸ジエチルエステルに対し
て理論値の85%の収率、および99FID面積%以上
の純度でアセトアミドマロン酸ジエチルエステルが得ら
れた。
【0033】例8 例3と同様に実施したが、但しこの場合には1,4−ジ
オキサンの代わりに、同量のポリエチレングリコエーテ
ル(分子量約500)を使用した。ニトロソ化生成物を
含有する溶液921gが得られた。該溶液は未反応のマ
ロン酸ジエチルエステル1FID面積%未満を含有して
いた。
【0034】例9 マロン酸ジイソブチルエステル216.0g(1モ
ル)、1,4−ジオキサン250g、脱塩水35.6
g、および亜硝酸ナトリウム80g(工業用、1.15
モル)からなる、35〜40℃に保った、撹拌した混合
物に、2時間以内に酢酸(96%)112.2gを滴加
した。反応混合物を50℃で2時間後反応させ、かつ次
いで無水酢酸ナトリウム35.0gならびにメチル−t
−ブチルエーテルを添加した。該混合物の冷却後、析出
した酢酸ナトリウム−三水化物の粗結晶を濾別しかつメ
チル−t−ブチルエーテルで洗浄した。低沸点物質を6
0℃で水流真空中で留去後、主にヒドロオキシイミノマ
ロン酸ジイソブチルエステルからなる残留物258.7
g(理論値の88.6%)が得られた。未反応のマロン
酸ジイソブチルエステルの含有量は0.4FID面積%
であった。
【0035】例10 シアン酢酸エチルエステル113.1g(1.0モ
ル)、1,4−ジオキサン250g、脱塩水35.6
g、および亜硝酸ナトリウム80g (工業用、1.1
5モル)からなる、25℃に保った、撹拌した混合物に
2時間以内に濃硫酸57.0gを滴加した。該混合物を
25℃で2時間追反応させ、メチル−t−ブチルエーテ
ル400gを添加し、該混合物を室温まで冷却し、かつ
得られた懸濁液を濾過した。フィルターケークを2度、
その都度メチル−t−ブチルエーテル100mlで洗浄
した。濾液および洗浄液から60℃で低沸点物質16m
mHgを除去した。未反応のシアン酢酸エチルエステル
0.4FID面積%未満を含有する油状/結晶質残留物
136.7gが残留した。
【0036】例11 アセト酢酸エチルエステル130.2g、1,4−ジオ
キサン250g、脱塩水35.6g、および亜硝酸ナト
リウム80gからなる、35℃に保った、撹拌した混合
物に、2時間以内に酢酸112.2g (96%;1.
8モル)を滴加した。反応混合物を50℃で2時間後反
応させ、得られた透明な溶液にメチル−t−ブチルエー
テル200gを添加し、かつ室温まで冷却した。析出し
た固体の濾別および洗浄後、濾過液および洗浄液を60
℃で水流真空中で濃縮した。アセトキシイミノアセト酢
酸エチルエステル170.4g(理論値の99%)が残
留し、未反応のアセト酢酸エチルエステルの含有量は
0.5FID面積%であった。
【0037】例12 ジベンゾイルメタン224.0g、1,4−ジオキサン
250g、脱塩水35.6g、および亜硝酸ナトリウム
(工業用)80gからなる、35℃に保った、撹拌した
混合物に、2時間以内に酢酸112.2g (96%;
1.8モル)を配量した。混合物を最高40℃で2時間
後反応させ、メチル−t−ブチルエーテル600gを添
加し、かつ該混合物を室温まで冷却した。析出した酢酸
ナトリウムの濾別および洗浄後、濾液および洗浄液から
60℃で水流真空中で低沸点物質を除去した。未反応の
ジベンゾイルメタンの含有量が4FID面積%未満の、
結晶質残留物216.6gが残留した。
【0038】例13 マロン酸ジアミド51.0g、脱塩水41.8g、1,
4−ジオキサン250g、および亜硝酸ナトリウム(工
業用)19.9gからなる、20℃に保った、撹拌した
混合物に3時間以内に硫酸28.2gを滴加した。30
℃で2時間後反応させ、該混合物に酢酸エチル300m
l、および次いで無水硫酸ナトリウム20.0gを添加
し、かつ室温まで冷却した。析出した固体を濾別し、か
つ数回酢酸メチルで洗浄した。濾液および洗浄液から減
圧下で低沸点物質を除去した。残留物として融点範囲1
58℃〜167℃、および未反応のマロン酸ジアミド2
FID面積%未満を含有するニトロソ化生成物が残留し
た。
【0039】例14 マロン酸ジエチルエステル320g(2モル)、脱塩水
15g、および亜硝酸ナトリウム160g(2.3モ
ル)からなる、35℃に保った、撹拌した混合物に2時
間以内に酢酸225.0gを滴下した。50℃で2時間
後反応させ、次いで該混合物を濾過し、かつフィルター
ケークを若干の氷酢酸で洗浄した。濾液および洗浄液か
ら60℃で水流真空中で低沸点物質を除去した。残留物
として透明で淡黄色の油状物410.1gが残留し、該
油はクロマトグラフィーの分析により、ヒドロキシイミ
ノマロン酸ジエチルエステルおよびO−アセトキシイミ
ノマロン酸ジエチルエステル以外に未反応のマロン酸ジ
エチルエステル5FID面積%を含有していた。分離し
た酢酸ナトリウムを水流真空中で60℃で乾燥した(秤
量160.0g)。該酢酸ナトリウムは脱塩水に完全に
可溶性であった。
【0040】例15 例14と同様に実施したが、但しこの場合には反応終了
後にメチル−t−ブチルエーテル800gを添加し、該
混合物を室温で濾過した。透明で淡黄色の油状物が残留
し、該油はクロマトグラフィーの分析によりヒドロキシ
イミノマロン酸ジエチルエステルおよびO−アセトキシ
イミノマロン酸ジエチルエステル以外に未反応のマロン
酸ジエチルエステル5FID面積%を含有していた。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: X−CHR−X (I) 〔式中Rは水素または有機基を表し、かつXならびに
    は同じかまたは異っていてもよく、電子吸引基を表
    す〕のC−H−酸化合物を、水および不活性有機溶剤の
    存在下で、亜硝酸塩からその他の酸により遊離する亜硝
    酸と反応させることにより、ニトロソ化する方法におい
    て、不活性有機溶剤として、水と少なくとも部分的に混
    和可能な不活性有機溶剤または溶剤混合物を使用し、か
    つ該溶剤または該溶剤混合物および水の量を、出発物質
    (I)、そのニトロソ化生成物、水ならびに不活性有機
    溶剤または溶剤混合物、ならびに亜硝酸塩および亜硝酸
    を遊離するその他の酸の少なくとも一部が、ニトロソ化
    反応が進行しかつ亜硝酸の遊離の際に生じる塩の少なく
    とも大部分が析出するような均一な液相を形成するよう
    に、互いに調整することを特徴とするC−H−酸化合物
    のニトロソ化方法。
  2. 【請求項2】 式I中XおよびXが−COOR、−
    C(NR)OR、−CONR、−CO−R、−CN、
    −NOまたは芳香族基を表し、この場合Rが式I中の
    ために定義したものを表す、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 Rが水素、1〜4個の炭素原子を有する
    アルキル基、または6〜10個の炭素原子を有するアリ
    ール基を表す、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 亜硝酸塩がアルカリ金属亜硝酸塩で、か
    つ式Iの化合物1モル当たり1〜1.5モルの量で使用
    する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 亜硝酸を遊離する酸として、アルカリ金
    属亜硝酸塩を少なくとも部分的にプロトン化することが
    可能である酸を、場合により完全にあるいは部分的に無
    水物の形で、しかも使用する亜硝酸塩の量と少なくとも
    同量で使用する、請求項1から4までのいずれか1項記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 該酸が酢酸または硫酸である、請求項5
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 水と少なくとも部分的に混和可能である
    不活性有機溶剤として、亜硝酸を亜硝酸塩から遊離する
    ような脂肪族または環式エーテル、カルボン酸エステ
    ル、カルボン酸アミドまたはカルボン酸を使用する、請
    求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 ニトロソ化終了後の反応混合物に水と結
    合する物質を添加する、請求項1から7までのいずれか
    1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 ニトロソ化反応終了後の反応混合物から
    蒸留またはストリッピングにより水を除去する、請求項
    1から8までのいずれか1項記載の方法。
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