JPH106211A5 - - Google Patents

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JPH106211A5
JPH106211A5 JP1996166405A JP16640596A JPH106211A5 JP H106211 A5 JPH106211 A5 JP H106211A5 JP 1996166405 A JP1996166405 A JP 1996166405A JP 16640596 A JP16640596 A JP 16640596A JP H106211 A5 JPH106211 A5 JP H106211A5
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【発明の名称】研磨パッドおよび板状材の研磨方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】板状材の表面を研磨するための研磨パッドであって、融点が160℃以上であるか、または、荷重4.6kg/cm における熱変形温度が150℃以上である高分子シートからなることを特徴とする研磨パッド。
【請求項2】前記高分子シートは、ヤング率が0.5GPa以上であり、表面の主要な領域に幅0.1〜2.0mmの溝が溝幅の2〜10倍のピッチで形成されている請求項1記載の研磨パッド。
【請求項3】板状材の表面に、請求項1または2記載の研磨パッドを押圧して、間に遊離砥粒を供給しながら研磨パッドと板状材とを摺動し、研磨することを特徴とする板状材の研磨方法。
【請求項4】軟質シートを介して板状材の裏面を固定保持する請求項3記載の板状材の研磨方法。
【請求項5】板状材がガラス板である請求項3または4記載の板状材の研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、磁気ディスク用ガラス基板等板状材の表面を研磨するため研磨パッドおよびそれを用いた板状材の研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス板等の板状材の表面を酸化セリウムなどの遊離砥粒を含む研磨液を用いて研磨して平坦化する場合、大きな平坦化効率を得るには、研磨速度を上げること、および、少ない研磨量でガラス表面のうねりを効率的に除去できるようにすることの2点が重要である。
【0003】
研磨速度を上げるには、ガラス−研磨パッド間の相対速度を増すか、または、研磨圧力を上げればよい。少ない研磨量でガラス表面のうねりを効率的に除去できるようにするためには、研磨パッドを堅くすることが効果的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、研磨速度を上げ、しかも、堅い研磨パッドを使用して研磨を行うと、ガラス表面に多くの深い傷やマイクロクラックが生じやすい。このように、平坦化効率の向上と研磨品質の確保を両立させることは難しかった。
【0005】
本発明の目的は、従来技術の前述の欠点の解消にある。すなわち、研磨傷のつきにくい研磨パッドを提供すること、特に、板状材の平坦化効率と研磨品質とを両立させうる研磨パッドおよび板状材の研磨方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、板状材の表面を研磨するための研磨パッドであって、融点が160℃以上であるか、または、荷重4.6kg/cm における熱変形温度が150℃以上である高分子シートからなることを特徴とする研磨パッドを提供する。このような高分子シートからなる研磨パッドを板状材の研磨に用いることによって、研磨傷を大幅に低減できる。なお、本明細書において荷重4.6kg/cm における熱変形温度とはASTM材料試験規格D648に基づくものを意味し、以下、単に熱変形温度という。
【0007】
本発明の好ましい態様としては、上記高分子シートは、ヤング率が0.5GPa以上であり、高分子シートの表面の主要な領域に幅0.1〜2.0mmの溝が溝幅の2〜10倍のピッチで形成されている。このような研磨パッドを板状材の研磨に用いることにより、板状材の平坦化効率と研磨品質とを両立させうる。なお、本明細書においてヤング率とはASTM材料試験規格D638に基づくものを意味する。
【0008】
また、本発明は、板状材の表面に、上記研磨パッドを押圧して、間に遊離砥粒を供給しながら研磨パッドと板状材とを摺動し、研磨することを特徴とする板状材の研磨方法を提供する。本発明の好ましい態様としては、軟質シートを介して板状材の裏面を固定保持する。このような研磨方法を採用することによって、特に、小さいうねりも効率よく平坦化できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の研磨パッドを構成する高分子シートは、融点が160℃以上であるか、または、結晶性でなく明確な融点を持たない樹脂の場合は熱変形温度が150℃以上である。好ましくは、融点が190℃以上であるか、または、熱変形温度が180℃以上である。
【0010】
すなわち、本発明者らは、このような研磨パッドを用いることにより、研磨時に発生する傷を大幅に低減し、ひいては、研磨速度を高めても傷が生じにくくなることを発見し、本発明に至ったものである。
【0011】
このような高分子シートの材料としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6/6、芳香族共重合耐熱ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリエステルなどがある。
【0012】
上記研磨パッドが研磨傷の低減に効果があることの理由の詳細は明らかでないが、おおよそ以下のように推定される。
【0013】
研磨傷発生の原因の一つが研磨パッドの耐熱性の不足にあることを本発明者らは見いだした。すなわち、特に、研磨速度が大きい条件では、研磨パッド表面の温度が上昇するため、耐熱性の低い樹脂を研磨パッドの材料として用いると、その表面が軟化または溶融する。この溶融した樹脂が研磨剤または研磨粉とともにガラス表面に付着し、剥離して粗大粒となりガラス表面を傷つける。または、研磨パッド材料の軟化した微粉が接着剤としてふるまい、研磨剤や研磨粉の粗大粒を生じてガラス表面に深い傷を作ることも考えられる。
【0014】
本発明の研磨パッドを構成する材料は、融点が高いか、または、比較的高温まで変形しにくい。そのため、高い研磨速度のもとで発熱量が増大しても、溶融したり著しく軟化したりすることがなく、研磨剤や研磨粉の粗大粒が生じにくい。このことが、本発明の研磨パッドで研磨速度を高くしても傷が生じにくい理由であると推定される。
【0015】
また、本発明の研磨パッドを構成する高分子シートは、0.5GPa以上のヤング率を有する樹脂からなることが好ましい。わずかの研磨量で比較的に緩やかなうねりを効率的に除去できるからである。
【0016】
研磨速度を上げるためには、高分子シートの表面に溝を形成することが好ましい。この溝の幅を0.1〜2mmとすることにより、研磨液の流れを良くし、研磨速度を高いレベルに確保できる。さらに、溝のピッチを溝幅の2〜10倍とすることにより、研磨速度を高いレベルに確保できる。この溝は、放射状や碁盤目状に形成できる。溝の深さは、研磨液の流れを良くする点から0.1mm以上とすることが望ましい。
【0017】
また、研磨パッドを構成する高分子シートの厚さについては、0.5〜10mm、特に1〜5mmとすることが、溝加工を施す際に必要な剛性の点と、研磨定盤に貼付け剥離する際に必要な柔軟性の点から望ましい。
【0018】
高分子シートは、面内の厚さが不均一な場合や面内の平坦度が不充分な場合がある。その場合は、表面を遊離砥粒によるラップ研磨または砥石による研削などの機械的手段を用いて平坦化したのち、研磨パッドとして用いればよい。
【0019】
以下、図面に従って本発明の研磨パッドを用いた板状材の研磨方法について説明する。研磨パッドである高分子シート1の表面には溝2が形成されている。また、高分子シート1は、定盤5に両面粘着テープ6を介して貼着されて、平坦に保持される。軟質シート3はガラス板4の裏面を吸着、保持する。7はガラス板4を保持するための枠である。
【0020】
ガラス板4の裏面を軟質シート3で保持することは、ガラス板表面の小さい周期の凹凸を効率的に除去するのに効果がある。軟質シートは大きい周期の凹凸の形状に応じて変形し、小さい周期の凹凸の形状に応じて変形しないため、比較的小さいピッチのうねりがたいらに伸ばされない状態でガラスが固定できるからである。
【0021】
軟質シート3の材料としては、軟質ゴム、軟質の発泡ポリウレタン樹脂、発泡ポリエチレン樹脂、または発泡なしの軟質ポリエチレン樹脂等が使用できる。軟質シート3の厚さは、0.5〜2mm、特には0.8〜1.5mmとすることが、大きい周期の凹凸の形状に応じて変形し、小さい周期の凹凸の形状に応じて変形しないために望ましい。同様の理由により、軟質シート3の硬さはJIS−S6050で規定される硬さ試験(日本ゴム協会規格SRIS0101で規定される通称「C硬度」)で80以下、特には40〜60、とされるのが好ましい。
【0022】
図1のように、ガラス板4を高分子シート1に押圧しながら、そして、ガラス板4と高分子シート1との間に遊離砥粒を供給しながら研磨パッドである高分子シート1とガラス板4とを摺動することにより、高い平坦化効率と高い研磨品質とを両立させた研磨ができる。
【0023】
なお、図1では、板状材のうち、ガラス板を研磨する場合について説明したが、他の脆性材料の研磨に本発明を適用する場合は、各材料に適した、研磨圧力や研磨スピード(すなわち定盤の回転速度)を選択すればよい。
【0024】
【実施例】
厚さ2mmのナイロン6/6樹脂シート(ヤング率1.2GPa、融点260℃)をオスカー式研磨機の下定盤に両面粘着テープにて固定し、彫刻刀にて表面に放射状に幅1mmの溝を、溝と溝のピッチが3〜6mmとなるように形成した。また、厚さ2mmの軟質発泡ポリウレタンシートと枠を設けた上定盤に、厚さ0.7mm、300mm角の大きさのソーダライムシリカガラス板を取り付けた。この状態で、ガラス板とポリウレタンシートとの間に平均粒径2μmの酸化セリウム砥粒を含む研磨液を供給しながら面圧200g/cm で30秒間研磨を行った。研磨で除去された厚は平均で1μmであった。
【0025】
加工前のガラス板表面には高低差0.4μm、周期10mm前後のうねりが存在していたが、この加工後にはうねりの高低差は0.1μmを下回る値となり、しかも傷の目立たない良好な表面であった。
【0026】
続いてこのガラス板を鏡面研磨するために他のオスカー式研磨機にてスエード調の発泡ポリウレタンパッドを用いて平均粒径1μmの酸化セリウム砥粒で研磨した。研磨で除去された厚は平均で0.5μmであり、傷、マイクロクラックとも認められないきわめて良好な表面を得た。
【0027】
一方、ナイロン6/6樹脂シートに代えて、厚さ2mmのメタクリル樹脂シート(ヤング率3.2GPa、熱変形温度107℃)を研磨パッドとして用いて、同様にガラス板の研磨を行った。加工前のガラス板表面には高低差0.4μm、周期10mm前後のうねりが存在していたが、この加工後にはうねりの高低差は0.1μmを下回る値となった。しかし、ガラス板の表面には無数の筋状の欠点および傷が認められた。続いてこのガラス板を他のオスカー式研磨機にてスエード調の発泡ポリウレタンパッドを用いて平均厚さで1μm研磨したが、筋状欠点と傷の一部は除去できなかった。
【0028】
研磨パッドを構成する高分子シートの材料を変えて同様に行った他の例と上記例をまとめて表1に示す。表1で、筋状欠点本数とは、鏡面研磨する前の1枚あたりの筋状欠点の本数を示し、PBTとは、ポリブチレンテレフタレートを示す例4〜6の高分子シート材料は非結晶質系のポリマーで明確な融点をもたない。例1〜3は実施例、例4〜6は比較例である。融点または熱変形温度が高くなるにしたがって、急激に傷の発生が少なくなることがわかる。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、研磨パッドとして、耐熱性の高い高分子シートを用いているので、研磨速度を上げても、発生する傷や筋状欠点が浅く、少ない。また、研磨パッドに研磨砥粒が目詰まりしないため、研磨パッドのドレッシングが不要となり、稼働率が向上する効果もある。
【0031】
特に、ヤング率の高い高分子シートを研磨パッドとして用いるとともに、その表面に溝を形成することにより、短時間かつ少ない研磨加工量で、うねりが少なく、傷や筋状欠点が浅く少ない板状材表面を研磨により作り出すことができ、大幅な品質の向上、生産量増大およびコスト削減が実現できる。
【0032】
さらに、裏面を軟質シートを介して固定保持した板状材の表面を、上記の研磨パッドで研磨することによって、特に、小さいうねりも効率よく平坦化できる。比較的小さいピッチのうねりがたいらに伸ばされない状態でガラスが固定できるからである。
【0033】
また、板状材の裏面を軟質シートを介して固定保持することにより、ガラスが研磨中に滑ったり、外れたり、浮き上がったりしないこと、研磨が終了して板状材を取り出すときに容易であること、研磨材で板状材の表面が汚れても、容易に清浄化できることなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の断面図
【符号の説明】
1:高分子シート
2:溝
3:軟質シート
4:ガラス板
5:定盤
6:両面粘着テープ
7:枠
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