JPH1062829A - 非線形光学素子及びその製造方法 - Google Patents

非線形光学素子及びその製造方法

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JPH1062829A
JPH1062829A JP8220204A JP22020496A JPH1062829A JP H1062829 A JPH1062829 A JP H1062829A JP 8220204 A JP8220204 A JP 8220204A JP 22020496 A JP22020496 A JP 22020496A JP H1062829 A JPH1062829 A JP H1062829A
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seed crystal
optical
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core
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JP8220204A
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English (en)
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Itaru Yokohama
至 横浜
Atsushi Yokoo
篤 横尾
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NTT Inc
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波路構造を有し、かつ所望の結晶方位を
有する非線形光学素子及びその製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 両端が開放された空孔部41を有するク
ラッド42を加熱装置43により、コアにする結晶材料
の融点以上に加熱し、その片端に種結晶44を接触さ
せ、種結晶44の融液45の一部を毛細管現象により空
孔部41内に入り込ませて空孔部内融液46とし、結晶
状態を維持している種結晶44から空孔部内融液46に
向かって結晶の固化が進むように、クラッド42及び結
晶状態を維持している種結晶44と加熱装置43との相
対位置を移動させていくことにより、種結晶44と同一
の結晶方位の空孔部内結晶47を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路構造を有
し、かつ所望の結晶方位を有する光学素子、特に二次の
非線形光学効果を発現する非線形光学素子及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】まず、二次の非線形光学効果について簡
単に説明する。
【0003】二次の非線形光学効果は、3つの光の間に
相互作用を生じさせるもので、波長変換及びスイッチ素
子等の種々の光学素子への応用が検討されている。
【0004】周知のように非線形光学効果とは、物質中
の分極Pが、 P=εo・(x(1)E+x(2)2+x(3)3,……) ……(1) のように光の電界Eに比例する項以外に、E2,E3に比
例する高次項をもつためにおこる効果である。
【0005】ここで、(1)式における第2項に起因する
効果が二次の非線形光学効果であり、x(2)は二次非線
形感受率である。一般に、二次非線形感受率x(2)は3
階テンソルであり、x(2) ijkと記述される。ここで、
i,j,kはそれぞれ寄与する電界の成分を表す。
【0006】二次の非線形光学効果では、二次非線形光
学定数dijkを用いることが一般的であるが、二次非線
形光学定数dijkも二次非線形感受率と同様に3階テン
ソルであり、一般に、dijk=(1/2)・x(2) ijk
関係にある。3階テンソルdi jkのうち、どの成分が大
きいかは媒質の対称性により定まり、媒質に対する光の
進行方向と偏光方向により、利用できる実効的な二次非
線形光学定数が定まることになる。
【0007】二次の非線形光学効果を効率良く生じさせ
るためには、より大きな実効的な二次非線形光学係数を
利用することと、一般に関与する3つの光の間に位相整
合条件を満足させる必要がある。ここで、位相整合条件
とは、関与する3つの光の波長を、波長の長い順にそれ
ぞれλ1,λ2,λ3とした時、エネルギー保存則1/λ1
+1/λ2=1/λ3を満たす3つの光に対して、二次の
非線形光学効果を有する物質の3つの光の波長に対する
波長変換に関与する偏光の実効屈折率に N(λ3)/λ3−N(λ1)/λ1−N(λ2)/λ2=0 ……(2) の関係を満たすことをいう。ここで、N(λ1),N
(λ2),N(λ3)は、3つの光の波長に対する非線形
物質の波長変換に関与する偏光の実効屈折率である。
【0008】位相整合条件を満たすために一般的に行わ
れているのは、二次の非線形光学効果を有する結晶の複
屈折を用いる方法で、偏光方向による屈折率の違いを利
用して位相整合条件を満たそうとするものである。複屈
折を利用する位相整合の概略を、波長変換の一例である
第二高調波発生(SHG)により説明する。SHGは、
λ1=λ2で、λ3=λ1/2となる波長変換である。
【0009】二軸光学結晶を考え、結晶のx軸,y軸,
z軸方向の偏光の屈折率をそれぞれnx,ny,nzとし
た時、nx>nz>nyであるとする。この場合の屈折率
の波長依存性は、大きな吸収がなければ波長に対して単
調減少となり、各屈折率間の大小関係は保持される。こ
こで、この光学結晶の二次非線形光学係数のうち、d31
1が比較的大きく、このd311をSHG発生に利用するも
のとすると、二次非線形光学定数の添字の1,2,3
は、それぞれx軸成分,y軸成分,z軸成分に対応して
いるので、λ1(=λ2)の光はx軸成分を含む偏光を持
ち、λ3(=λ1/2)の光はz軸成分を含む偏光をもた
なければならない。
【0010】この時の位相整合条件は、 N(λ1)−N(λ3)=0 ……(3) となるが、nx(λ1)−nz(λ3)=0となるのは特殊
な場合に限られるので、一般には、光の進行方向に対し
て結晶のz軸を傾ける。この例の場合には、λ1の光は
x軸偏光にいれ、N(λ1)=nx(λ1)とし、λ3の光
はyz面内に偏光をもつように入射し、y軸とz軸の合
成屈折率を感じるようにする。
【0011】この時、実効屈折率は N(λ3)=(sin2θ/nz 2+cos2θ/ny 2-1/2 ……(4) で与えられる。そして、結晶軸を傾ける角度θを調整す
ることにより、式(3)を満たすようにすることができ、
位相整合条件を満たすことができ、比較的高効率な波長
変換を行うことができる。この方法は角度位相整合と呼
ばれ、二次非線形光学結晶の波長変換に一般的に使用さ
れている。
【0012】以上のように二次の非線形光学効果を有効
に活用するためには、所望の結晶方位に成長した結晶が
ぜひ必要となる。また、二次の非線形光学効果の効率
は、二次非線形光学定数の二乗、光密度及び相互作用長
に比例するため、高効率な光学素子を実現するために
は、大きな二次非線形光学定数を有する結晶を用い、か
つ光導波路構造により伝搬する光を閉じこめて伝搬する
ことが必要となる。このため、無機結晶に比べて、一般
に大きな二次非線形光学定数を有する有機結晶におい
て、所望の結晶方位を有し、かつ光導波路構造を有する
結晶素子が求められていた。
【0013】以下、従来の光導波路構造を有する単結晶
作製法を説明する。
【0014】図1はブリッヂマン−ストックバーガー法
によるガラスキャピラリ内に有機結晶を成長させる方法
を示すものである。
【0015】まず、図1(a)に示すように、ガラスキャ
ピラリ1の一端を結晶融液2中に浸し、該融液2を毛細
管現象によりガラスキャピラリ1の空孔部に吸い上げ、
空孔部内融液3を形成する。続いて、図1(b)に示すよ
うに、ガラスキャピラリ1を冷却し、空孔部内多結晶4
を形成する。続いて、図1(c)に示すように、ガラスキ
ャピラリ1をヒータ5により加熱し、溶融部6を形成す
る。その後、ガラスキャピラリ1をヒータ5より引き出
すことにより、ガラスキャピラリ1の一端より固化させ
ていく。この際、引き出し速度等の条件が適当であれ
ば、固化した結晶7は単結晶となる。
【0016】しかしながら、ガラスキャピラリの長手方
向の結晶方位は、自然成長方位と呼ばれる各々の結晶に
固有の方位であり、その光の導波方向を任意の方向に制
御することはできなかった。
【0017】例えば、3,5−ジメチル−1−(4−ニ
トロフェニル)ピラゾール(以後、DMNPと略す。)
の場合、ガラスキャピラリの長手方向に結晶のx軸が向
くように成長し、2−アダマンチルアミノ5−ニトロピ
リジン(以後、AANPと略す。)の場合、ガラスキャ
ピラリの長手方向に結晶のc軸が向くように成長する。
なお、結晶軸の表記法は、DMNPについては、A.Hara
da等がApplied Physics Letters、第59巻、199
1、pp.1535−1537に、また、AANPについ
ては、S.Tomaru等がApplied Physics Letters、第58
巻、1991、pp.2583−2585に記載したもの
を用いている。
【0018】このため、特定波長等の極めて特殊な場合
を除いて、高効率な二次非線形光学素子を実現すること
はできなかった。
【0019】次に、従来の所望の結晶方位を実現する単
結晶成長方法を説明する。
【0020】図2は間接加熱レーザ溶融ぺデスタル(I
LHPG)法を模式的に示すものである。
【0021】図2において、石英ガラス等で作製された
直管11の一部をCO2レーザ等の赤外光12により加
熱し、直管高温部からの輻射熱13により母材14の上
部を加熱・溶融する。この溶融部15を種結晶16に付
着させ、該種結晶16を速度V2で移動させるとともに
母材14を速度V1で移動させて線引きすることによ
り、単結晶17が作製される。ここで、単結晶17の結
晶方位は種結晶16の方位と同一となる。
【0022】この方法では、所望の結晶方位に成長させ
ることができるが、結晶径を10μm以下にすることは
難しく、有効な光導波路構造を形成することはできなか
った。このため、大きな二次非線形光学定数を有する有
機結晶である2−アダマンチルアミノ5−ニトロピリジ
ン(AANP)を用いた場合でも、第二高調波発生効率
は0.001/W程度であり、高効率な二次非線形光学
素子を実現することはできなかった。
【0023】前述した2つの従来技術を組み合わせた作
製方法として、図3に示すような作製方法が類推でき
る。即ち、前述のブリッヂマン−ストックバーガー法に
よりガラスキャピラリ中に多結晶が入ったものを作製
し、これを前述のILHPG法の母材として使用する方
法である。
【0024】図3はこの場合の作製方法を模式的に示す
ものである。
【0025】まず、図3(a)に示すように、石英ガラス
等で作製された直管21の一部をCO2レーザ等の赤外
光22により加熱する。直管高温部からの輻射熱により
ガラスキャピラリ23内部の多結晶24の上部を溶融
し、キャピラリ内溶融部25を形成する。このキャピラ
リ内溶融部25を種結晶26の下端の種結晶溶融部27
に付着させる。続いて、図3(b)に示すように、種結晶
26及びガラスキャピラリ23を、それぞれの支持棒2
8及び29により上方に移動させ、種結晶26側から固
化させ、単結晶30を形成し、キャピラリ23内へ固化
を進める。
【0026】この方法については発明者が実際に実施し
てみたが、キャピラリ内溶融部25と種結晶溶融部27
との接触の際、気泡が混入し、図3(b)に示すように、
キャピラリ内の気泡31のため、種結晶の結晶方位がキ
ャピラリ内の結晶には、ほとんど伝わらないことがわか
り、従来の結晶成長方法の組み合わせでは、光導波路構
造を有し、かつ所望の結晶方位を有する単結晶を成長が
できないことがわかった。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、波
長変換素子等における二次の非線形光学効果を効率良く
活用するためには、二次非線形光学結晶に光導波路構造
を持たせるとともに所望の結晶方位で成長させる必要が
あるが、従来は、光導波路構造を作製できる方法では結
晶方位が特定の方位に限られ、また、結晶方位を制御で
きる方法では光導波路構造を作製できないという問題が
あった。
【0028】本発明の目的は、光導波路構造を有し、か
つ所望の結晶方位を有する非線形光学素子及びその製造
方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記目的を
達成するため、二次の非線形光学効果を有する光学結晶
をコアとし、該コアの周囲をクラッドで囲んだ光導波路
構造を備えた非線形光学素子において、前記光学結晶の
自然成長方位以外の所望の結晶方位が、前記光導波路構
造における光の導波方向に一致している非線形光学素子
と、DMNPからなる二次の非線形光学効果を有する光
学結晶をコアとし、該コアの周囲をクラッドで囲んだ光
導波路構造を備えた非線形光学素子において、前記光学
結晶のx軸以外の所望の結晶方位が、前記光導波路構造
における光の導波方向に一致している非線形光学素子
と、AANPからなる二次の非線形光学効果を有する光
学結晶をコアとし、該コアの周囲をクラッドで囲んだ光
導波路構造を備えた非線形光学素子において、前記光学
結晶のc軸以外の所望の結晶方位が、前記光導波路構造
における光の導波方向に一致している非線形光学素子と
を提案する。
【0030】また、本発明では、前記目的を達成するた
め、二次の非線形光学効果を有する光学結晶より融点が
高い材料からなる中空体を前記光学結晶の融点以上に加
熱する第1の工程と、前記中空体に前記光学結晶からな
る種結晶を、該中空体の中空部が形成されている方向に
種結晶の所望の結晶方位を一致させながら接触させると
ともに、該種結晶の中空体に接触させた部分及びその近
傍を融解する第2の工程と、前記中空体の中空部内を毛
細管現象により前記融解した種結晶の一部で満たす第3
の工程と、前記融解した種結晶をその固液界面から順次
冷却し結晶化することにより、前記中空体の中空部内に
所望の結晶方位を備えた光学結晶を形成する第4の工程
とからなる非線形光学素子の製造方法を提案する。
【0031】本発明によれば、種結晶の一部が溶融し、
これが毛細管現象によりクラッドを構成する中空体の中
空部に入り込むが、中空体が結晶材料の融点以上に保持
されているため、結晶材料は中空部内において溶融状態
で存在する。このように、中空部への結晶材料の導入に
種結晶の一部を使用するため、種結晶から中空部内への
結晶材料の接続は切れ目なく連続的になされ、中空部内
への気泡の侵入を抑制することができ、溶融せず結晶状
態を維持している種結晶の残存部分の方向へ移動させる
ことにより、連続的に種結晶と同一の結晶方位を、中空
体の中空部内の結晶に実現することができ、中空部内の
結晶をコアとする結晶方位制御光導波路構造を得ること
ができる。
【0032】また、前記方法において、種結晶が接触す
る一端に向かって広がるテーパ状の中空部を有する中空
体を使用すれば、種結晶から中空部内への結晶成長がよ
りスムーズに行われることになり、種結晶及び中空体の
移動速度をより速く行うことができ、結晶性をより向上
させることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】ここで、図4及び図5を参照して
本発明の概念を簡単に説明する。
【0034】まず、図4を用いて、種結晶及び中空体
(クラッド)の位置と加熱装置の位置とを相対的に変化
させる作製方法の概略を説明する。
【0035】図4(a)に示すように、両端が開放された
中空(空孔)部41を有するクラッド42を、加熱装置
43により、コアにする結晶材料の融点以上に加熱して
おく。そして、クラッド42の片端に種結晶44を接近
させる。
【0036】次に、図4(b)に示すように、クラッド4
2の片端に種結晶44を接触させる。その際、種結晶4
4の一部のみが溶融するように、最初から加熱条件を調
整しておく。種結晶44の融液45の一部は毛細管現象
により空孔部41内に入り、空孔部内融液46となる。
この際、結晶状態を維持している種結晶44、種結晶の
融液45及び空孔部内融液46が連続的に接続するよう
にする。
【0037】次に、図4(c)に示すように、結晶状態を
維持している種結晶44から空孔部内融液46に向かっ
て結晶の固化が進むように、クラッド42及び結晶状態
を維持している種結晶44と加熱装置43との相対位置
を移動させていく。
【0038】その結果、図4(c)に示すように、まず、
種結晶44の溶融部が固化し、続いて図4(d)に示すよ
うに、連続的に空孔部内融液46の固化が進み、空孔部
内結晶47が形成されていく。この際、種結晶融液から
空孔部へ連続的に固化が進むため、空孔部内結晶47と
種結晶44とは同一の結晶方位を有することになる。
【0039】そして、図4(e)に示すように、空孔部内
融液の固化がなされ、空孔部内結晶47が形成される。
この結果、空孔部内結晶47をコアとし、クラッド42
をクラッドとする、結晶方位が制御された光導波路構造
結晶を作製できる。
【0040】次に、図5を用いて、加熱装置の加熱状態
を変化させる作製方法の概略を説明する。
【0041】図5(a)に示すように、両端が開放された
空孔部51を有するクラッド52を、加熱装置53によ
り、コアにする結晶材料の融点以上に加熱しておく。そ
して、クラッド52の片端に種結晶54を接近させる。
【0042】次に、図5(b)に示すように、クラッド5
2の片端に種結晶54を接触させる。その際、種結晶5
4の一部のみが溶融するように、最初から加熱条件を調
整しておく。種結晶54の融液55の一部は毛細管現象
により空孔部51内に入り、空孔部内融液56となる。
この際、結晶状態を維持している種結晶54、種結晶の
融液55及び空孔部内融液56が連続的に接続するよう
にする。
【0043】ここまでは、前述した種結晶及びクラッド
の位置と加熱装置の位置とを相対的に変化させる作製方
法と同一である。
【0044】次に、図5(c)に示すように、加熱装置5
3の加熱条件を変え、加熱温度を徐々に下げる。する
と、種結晶54及びクラッド52の温度分布が変化し、
結晶材料の融点以下となる位置が、結晶状態を維持して
いる種結晶54から空孔部内融液56に向かって移動
し、固化が連続的に進み、空孔部内結晶57が形成され
ていく。
【0045】そして、図5(d)に示すように、空孔部内
融液全域の温度が結晶の融点以下になった状態で、空孔
部内結晶57が形成される。この結果、空孔部内結晶5
7をコアとし、クラッド52をクラッドとする、結晶方
位が制御された光導波路構造結晶を作製できる。
【0046】本発明は、クラッドを形成する材料の溶融
もしくは軟化する温度が、コアとして用いる結晶材料の
融点より高ければ適用することができる。このため、特
に融点の低い有機結晶に対して有用といえる。
【0047】コアとして適用可能な有機結晶の例とし
て、以下のようなものがある。即ち、材料としては、3
−ニトロアニリン(m−NA)、2−メチル−4−ニト
ロアニリン(MNA)、3−メチル−(2,4−ジニト
ロフェニル)−アミノプロパノエート(MAP)、3−
メチル−4−ニトロピリジン−1−オキサイド(PO
M)、3−アミノフェニル(m−AP)、2−アダマン
チルアミノ5−ニトロピリジン(AANP)、N−(4
−ニトロフェニル)−L−プロリノール(NPP)、N
−(ニトロフェニル)−N−メチルアミノアセトニトリ
ル(NPAN)、4−ニトロジメチルアニリン(NDM
A)、4−N,N−ジメチルアミノ−2−アセタミド−
4−ニトロアニリン(DAN)、2−(N−プロリノー
ル)−5−ニトロピリジン(PNP)、2−シクロアセ
チルアミノ−5−ニトロピリジン(COANP)、3,
9−ジニトロ−5a,6,11a,12−テトラヒドロ
−[1,4]べンズオキサジノ[3,2−b][1,
4]べンズオキサジン(DNBB)、4’−ニトロベン
ジリデン−3−アセトアミノ−4−メトキシアニリン
(MNBA)、ジシアノビニルアニソール(DIV
A)、(−)4−(4’−ジメチルアミノフェニル)−
3−(2’−ヒドロキシプロピルアミノ)シクロブテン
−3,4−ジオン(DAD)、2−メトキシ−5−ニト
ロフェノール(MNP)、スチルバゾリウム−P−トル
エンスルホン酸(SPTS)、3,5−ジメチル−1−
(4−ニトロフェニル)ピラゾ−ル(DMNP)、N−
メトキシメチル−4−ニトロアニリン(MMNA)等が
ある。
【0048】一方、クラッドとしては、前述したよう
に、クラッドを形成する材料の溶融もしくは軟化する温
度が、コアとして用いる結晶材料の融点より高いことに
加えて、光導波路構造を形成するため、波長変換に関連
する光の波長において少なくとも一つの光の波長におい
て、クラッドの屈折率がコアの屈折率より低いことが条
件となる。この条件を満たせば、ガラス材料、ポリマー
材料、結晶材料及びその他の材料をクラッド材料として
使用できる。
【0049】以下、本発明の具体的な実施の形態につい
て説明する。
【0050】(第1の形態)図6は本発明の第1の実施
の形態を模式的に示すものである。ここでは、クラッド
として、外径1mm、内径0.03mmのガラスキャピ
ラリ61を用い、結晶材料として、3,5−ジメチル−
1−(4−ニトロフェニル)ピラゾール(DMNP)を
用い、ガラスキャピラリ61の長手方向がDMNP結晶
のz軸と垂直でかつx軸と24度になるような結晶方位
を有する種結晶62を用いる。
【0051】種結晶62は、支持棒63及び種結晶押さ
え治具64によりガラス板65に保持される。ガラスキ
ャピラリ61は、キャピラリ押さえ治具66により、ガ
ラスキャピラリの空孔部を塞がないように、ガラス板6
5に保持される。
【0052】また、第1のヒータ67は結晶の融点以上
になるように加熱状態が設定され、第2のヒータ68は
結晶の融点以下になるように設定される。本例では、D
MNPの融点が102度であるため、第1のヒータ67
は120度に設定し、第2のヒータ68は70度に設定
している。
【0053】第1の工程では、ガラスキャピラリ61は
ほぼ第1のヒータ67内に入っており、DMNPの融点
以上の温度に加熱される。この際、種結晶62は第2の
ヒータ68内にあり、結晶状態を維持している。
【0054】第2の工程では、種結晶62はガラスキャ
ピラリ61に接触し、種結晶62の一部が溶融し、種結
晶融液69の一部が毛細管現象によりガラスキャピラリ
61の空孔部に入り、空孔部内融液70となる。図6は
この時の状態を表している。
【0055】第3の工程では、ワイヤー71により、保
持されているガラスキャピラリ61及び種結晶62ご
と、ガラス板65が第2のヒータ68方向に移動され
る。移動速度は、本例では1mm/sである。この結
果、種結晶融液69及び空孔部内融液70は、種結晶か
ら空孔部へと連続的に固化され、空孔部結晶は種結晶6
2と同じ結晶方位を有することになる。
【0056】本例の結果、内径0.03mmの空孔部D
MNP結晶をコアとし、外径1mmのガラスをクラッド
とする光導波路構造を有し、かつガラスキャピラリの長
手方向がDMNP結晶のz軸と垂直でかつx軸と24度
になるような結晶方位を有する結晶光導波路が長さ6m
mに亘って作製できた。
【0057】本結晶方位は、波長1.32μmに対し、
第二高調波発生の位相整合条件を満たす方位であり、作
製した結晶光導波路を用いて、波長1.32μmの第二
高調波発生実験を行ったところ、波長変換効率0.1/
Wが得られた。バルク結晶では波長変換効率0.001
/Wであるため、本例により約2桁の効率改善がなされ
た。
【0058】また、クラッドとして、縦0.03mm、
横2mmの扁平な空孔部を有するガラス板を用いて、本
例と同様な方法でDMNP結晶の作製を行ったところ、
縦0.03mm、横2mmのコア形状の一種のスラブ導
波路が作製できた。この場合の波長変換効率は0.01
/Wで、ガラスキャピラリを用いた場合より低かった
が、これはコア面積がスラブ形状で大きいためである。
結果として、薄膜状の方位制御結晶光導波路が作製され
たわけで、この後の2次加工を施すことにより、3次元
光導波路を作製できる可能性を有するものである。従っ
て、本発明は、クラッドの形状に規定されるものではな
く、両端が開放された空孔部を備えていれば、クラッド
として適用できる。
【0059】(第2の形態)図7は本発明の第2の実施
の形態を模式的に示すものである。ここでは、クラッド
として、外径1mm、内径0.01mmで、空孔部片端
にテーパ形状81を有するガラスキャピラリ82を用
い、結晶材料として、3,5−ジメチル−1−(4−ニ
トロフェニル)ピラゾール(DMNP)を用い、ガラス
キャピラリ82の長手方向がDMNP結晶のz軸と垂直
でかつx軸と24度になるような結晶方位を有する種結
晶83を用いる。
【0060】種結晶83は、支持棒84及び種結晶押さ
え治具85によりガラス板86に保持される。ガラスキ
ャピラリ82は、キャピラリ押さえ治具87により、ガ
ラスキャピラリの空孔部を塞がないように、ガラス板8
6に保持される。
【0061】また、第1のヒータ88は結晶の融点以上
になるように加熱状態が設定され、第2のヒータ89は
結晶の融点以下になるように設定される。本例では、D
MNPの融点が102度であるため、第1のヒータ88
は120度に設定し、第2のヒータ89は70度に設定
している。
【0062】第1の工程では、ガラスキャピラリ82は
ほぼ第1のヒータ88内に入っており、DMNPの融点
以上の温度に加熱される。この際、種結晶83は第2の
ヒータ89内にあり、結晶状態を維持している。
【0063】第2の工程では、種結晶83はガラスキャ
ピラリ82に接触し、種結晶83の一部が溶融し、種結
晶融液90の一部が毛細管現象によりテーパ部81を通
ってガラスキャピラリ82の空孔部に入り、空孔部内融
液91となる。図7はこの時の状態を表している。
【0064】第3の工程では、ワイヤー92により、保
持されているガラスキャピラリ82及び種結晶83ご
と、ガラス板86が第2のヒータ89方向に移動され
る。移動速度は、本例では4mm/sである。この結
果、種結晶融液90及び空孔部内融液91は、種結晶か
ら空孔部へと連続的に固化され、空孔部結晶は種結晶8
3と同じ結晶方位を有することになる。
【0065】本例の結果、内径0.01mmの空孔部D
MNP結晶をコアとし、外径1mmのガラスをクラッド
とする光導波路構造を有し、かつガラスキャピラリの長
手方向がDMNP結晶のz軸と垂直でかつx軸と24度
になるような結晶方位を有する結晶光導波路が長さ8m
mに亘って作製できた。
【0066】この際、ガラスキャピラリ82の空孔部片
端にテーパ構造81を有することにより、種結晶83か
ら空孔部への結晶固化の連続性がよりスムーズになり、
移動速度をテーパ形状がない場合に比して、一般に速く
することができる。
【0067】本結晶方位は、波長1.32μmに対し、
第二高調波発生の位相整合条件を満たす方位であり、作
製した結晶光導波路を用いて、波長1.32μmの第二
高調波発生実験を行ったところ、波長変換効率1.0/
Wが得られた。バルク結晶では波長変換効率0.001
/Wであるため、本例により約3桁の効率改善がなされ
た。
【0068】(第3の形態)図8は本発明の第3の実施
の形態を模式的に示すものである。ここでは、クラッド
として、外径1mm、内径0.01mmで、空孔部片端
にテーパ形状101を有するガラスキャピラリ102を
用い、結晶材料として、2−アダマンチルアミノ5−ニ
トロピリジン(AANP)を用い、ガラスキャピラリ1
02の長手方向がAANP結晶のc軸と垂直でかつb軸
と30度になるような結晶方位を有する種結晶103を
用いる。
【0069】種結晶103は、支持棒104及び種結晶
押さえ治具105によりガラス板106に保持される。
ガラスキャピラリ102は、キャピラリ押さえ治具10
7により、ガラスキャピラリの空孔部を塞がないよう
に、ガラス板106に保持される。
【0070】また、第1のヒータ108は結晶の融点以
上になるように加熱状態が設定され、第2のヒータ10
9は結晶の融点以下になるように設定される。また、第
1のヒータ108と第2のヒータ109との間に、第3
のヒータ110を設置しており、第1のヒータ108の
設定温度と第2のヒータ109の設定温度との中間の温
度に設定される。本例では、AANPの融点が168度
であるため、第1のヒータ108は190度に設定し、
第2のヒータ109は100度に設定し、第3のヒータ
110は154度に設定している。
【0071】第1の工程では、ガラスキャピラリ102
はほぼ第1のヒータ108内に入っており、AANPの
融点以上の温度に加熱される。この際、種結晶103は
第2のヒータ109内にあり、結晶状態を維持してい
る。
【0072】第2の工程では、種結晶103はガラスキ
ャピラリ102に接触し、種結晶103の一部が溶融
し、種結晶融液111の一部が毛細管現象によりテーパ
部101を通ってガラスキャピラリ102の空孔部に入
り、空孔部内融液112となる。図8はこの時の状態を
表している。
【0073】第3の工程では、ワイヤー113により、
保持されているガラスキャピラリ102及び種結晶10
3ごと、ガラス板106が第2のヒータ109方向に移
動される。移動速度は、本例では4mm/sである。こ
の結果、種結晶融液111及び空孔部内融液112は、
種結晶から空孔部へと連続的に固化され、空孔部結晶は
種結晶103と同じ結晶方位を有することになる。
【0074】本例の結果、内径0.01mmの空孔部A
ANP結晶をコアとし、外径1mmのガラスをクラッド
とする光導波路構造を有し、かつガラスキャピラリの長
手方向がAANP結晶のc軸と垂直でかつb軸と30度
になるような結晶方位を有する結晶光導波路が長さ8m
mに亘って作製できた。
【0075】この際、ガラスキャピラリ102の空孔部
片端にテーパ構造101を有することにより、種結晶1
03から空孔部への結晶固化の連続性がよりスムーズに
なり、移動速度をテーパ形状がない場合に比して、一般
に速くすることができる。また、第3のヒータ110の
設置により、固化する近傍の温度勾配の制御をより精密
に行うことができ、結晶成長の歩留まりを向上できる。
【0076】本結晶方位は、波長1.32μmに対し、
第二高調波発生の位相整合条件を満たす方位であり、作
製した結晶光導波路を用いて、波長1.32μmの第二
高調波発生実験を行ったところ、波長変換効率1.8/
Wが得られた。バルク結晶では波長変換効率0.001
/Wであるため、本例により約3桁の効率改善がなされ
た。
【0077】(第4の形態)図9は本発明の第4の実施
の形態を模式的に示すものである。ここでは、クラッド
として、外径1mm、内径0.01mmで、空孔部片端
にテーパ形状121を有するガラスキャピラリ122を
用い、結晶材料として、2−アダマンチルアミノ5−ニ
トロピリジン(AANP)を用い、ガラスキャピラリ1
22の長手方向がAANP結晶のc軸と垂直でかつb軸
と30度になるような結晶方位を有する種結晶123を
用いる。
【0078】図9(a)に示すように、種結晶123は、
ガラス直管124内に支持棒125により上方から保持
される。ガラスキャピラリ122は、ガラス直管124
内に支持棒126により、ガラスキャピラリの空孔部を
塞がないように、下方から保持される。
【0079】また、ヒータ127は結晶の融点以上にな
るように加熱状態が設定される。また、ガラス直管12
4のヒータ127上方の近傍部分は、赤外光である炭酸
ガスレーザ光128により加熱される。
【0080】図9(a)に示すように、種結晶123を上
方からガラスキャピラリ122に接近させると、ガラス
キャピラリ122に接触する前に、炭酸ガスレーザ光1
28により加熱されたガラス直管124からの輻射によ
り加熱され、種結晶123の先端部が溶融し、溶融部1
29を形成する。この状態で、図9(b)に示すように、
溶融部129をガラスキャピラリ122の空孔部片端の
テーパ部121に接触させると、種結晶融液129の一
部が毛細管現象によりテーパ部121を通ってガラスキ
ャピラリ122の空孔部に入り、空孔部内融液130と
なる。
【0081】この後、ガラスキャピラリ122及び種結
晶123は同一の速度で上方に移動される。移動速度
は、本例では4mm/sである。この結果、種結晶融液
129及び空孔部内融液130は、種結晶から空孔部へ
と連続的に固化され、空孔部結晶は種結晶123と同じ
結晶方位を有することになる。
【0082】本例の結果、内径0.01mmの空孔部A
ANP結晶をコアとし、外径1mmのガラスをクラッド
とする光導波路構造を有し、かつガラスキャピラリの長
手方向がAANP結晶のc軸と垂直でかつb軸と30度
になるような結晶方位を有する結晶光導波路が長さ8m
mに亘って作製できた。
【0083】この際、ヒータに加えて赤外光を利用した
加熱を行うことにより、微小な領域での温度制御が可能
になり、結晶成長の歩留まりを向上できる。
【0084】本結晶方位は、波長1.32μmに対し、
第二高調波発生の位相整合条件を満たす方位であり、作
製した結晶光導波路を用いて、波長1.32μmの第二
高調波発生実験を行ったところ、波長変換効率1.8/
Wが得られた。バルク結晶では波長変換効率0.002
/Wであるため、本例により約3桁の効率改善がなされ
た。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光導波路構造を有し、かつ所望の結晶方位を有する、極
めて効率の良い二次非線形光学素子を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の製造方法の一例を示す工程図
【図2】従来の製造方法の他の例を示す工程図
【図3】従来の製造方法のさらに他の例を示す工程図
【図4】本発明の第1の製造方法の概略を示す工程図
【図5】本発明の第2の製造方法の概略を示す工程図
【図6】本発明の第1の実施の形態を示す模式図
【図7】本発明の第2の実施の形態を示す模式図
【図8】本発明の第3の実施の形態を示す模式図
【図9】本発明の第4の実施の形態を示す模式図
【符号の説明】
41,51:空孔部、42,52:クラッド、43,5
3:加熱装置、44,54,62,83,103,12
3:種結晶、45,55,69,90,111,12
9:種結晶の融液、46,56,70,91,112,
130:空孔部内融液、47,57:空孔部内結晶、6
1,82,102,122:ガラスキャピラリ、63,
84,104,125,126:支持棒、64,85,
105:種結晶押さえ治具、65,86,106:ガラ
ス板、66,87,107:キャピラリ押さえ治具、6
7,88,108:第1のヒータ、68,89,10
9:第2のヒータ、71,92,113:ワイヤー、8
1,101,121:テーパ部、110:第3のヒー
タ、124:ガラス直管、127:ヒータ、128:炭
酸ガスレーザ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次の非線形光学効果を有する光学結晶
    をコアとし、該コアの周囲をクラッドで囲んだ光導波路
    構造を備えた非線形光学素子において、 前記光学結晶の自然成長方位以外の所望の結晶方位が、
    前記光導波路構造における光の導波方向に一致している
    ことを特徴とする非線形光学素子。
  2. 【請求項2】 DMNPからなる二次の非線形光学効果
    を有する光学結晶をコアとし、該コアの周囲をクラッド
    で囲んだ光導波路構造を備えた非線形光学素子におい
    て、 前記光学結晶のx軸以外の所望の結晶方位が、前記光導
    波路構造における光の導波方向に一致していることを特
    徴とする非線形光学素子。
  3. 【請求項3】 AANPからなる二次の非線形光学効果
    を有する光学結晶をコアとし、該コアの周囲をクラッド
    で囲んだ光導波路構造を備えた非線形光学素子におい
    て、 前記光学結晶のc軸以外の所望の結晶方位が、前記光導
    波路構造における光の導波方向に一致していることを特
    徴とする非線形光学素子。
  4. 【請求項4】 二次の非線形光学効果を有する光学結晶
    より融点が高い材料からなる中空体を前記光学結晶の融
    点以上に加熱する第1の工程と、 前記中空体に前記光学結晶からなる種結晶を、該中空体
    の中空部が形成されている方向に種結晶の所望の結晶方
    位を一致させながら接触させるとともに、該種結晶の中
    空体に接触させた部分及びその近傍を融解する第2の工
    程と、 前記中空体の中空部内を毛細管現象により前記融解した
    種結晶の一部で満たす第3の工程と、 前記融解した種結晶をその固液界面から順次冷却し結晶
    化することにより、前記中空体の中空部内に所望の結晶
    方位を備えた光学結晶を形成する第4の工程とからなる
    ことを特徴とする非線形光学素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 種結晶が接触する一端に向かって広がる
    テーパ状の中空部を有する中空体を使用したことを特徴
    とする請求項4記載の非線形光学素子の製造方法。
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