JPH1076155A - 非脂溶性物質含有マイクロカプセルおよびその製造方法 - Google Patents
非脂溶性物質含有マイクロカプセルおよびその製造方法Info
- Publication number
- JPH1076155A JPH1076155A JP23225896A JP23225896A JPH1076155A JP H1076155 A JPH1076155 A JP H1076155A JP 23225896 A JP23225896 A JP 23225896A JP 23225896 A JP23225896 A JP 23225896A JP H1076155 A JPH1076155 A JP H1076155A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- yeast
- yeast cells
- lipid
- soluble substance
- cell
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
- Fats And Perfumes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 非脂溶性物質の含有量が高い酵母マイクロカ
プセルを提供する。 【解決手段】 泥状酵母菌体と非脂溶性物質を混練する
ことを特徴とするマイクロカプセルの製造方法、およ
び、外部添加した非脂溶性物質を酵母菌体内部に10重
量%以上含有してなるマイクロカプセル。
プセルを提供する。 【解決手段】 泥状酵母菌体と非脂溶性物質を混練する
ことを特徴とするマイクロカプセルの製造方法、およ
び、外部添加した非脂溶性物質を酵母菌体内部に10重
量%以上含有してなるマイクロカプセル。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部添加した非脂
溶性物質を芯物質とし、酵母の細胞壁をカプセル化基材
とするマイクロカプセル及びその製造方法に関する。
溶性物質を芯物質とし、酵母の細胞壁をカプセル化基材
とするマイクロカプセル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロカプセルは狭義には、様々な状
態、特性の有用物質を内包し、そのまわりを薄い皮膜で
均一に覆った1μm〜数百μmの大きさの微粒子であ
る。それらの製造方法としては、コアセルベーション
法、界面重合法、in situ 法等が有力な方法として知ら
れている。また広義には、マイクロスフェア等に代表さ
れるように、微粒子の形態をとってはいるが、有用物質
とカプセル化基材が単に混在しているだけで必ずしも完
全に被覆していないものもマイクロカプセルの概念に含
まれる。現在、無色及び有色染料、医薬品、農薬、香
料、飼料素材及び食品素材などを内包させたマイクロカ
プセルが工業的に製品化されている。
態、特性の有用物質を内包し、そのまわりを薄い皮膜で
均一に覆った1μm〜数百μmの大きさの微粒子であ
る。それらの製造方法としては、コアセルベーション
法、界面重合法、in situ 法等が有力な方法として知ら
れている。また広義には、マイクロスフェア等に代表さ
れるように、微粒子の形態をとってはいるが、有用物質
とカプセル化基材が単に混在しているだけで必ずしも完
全に被覆していないものもマイクロカプセルの概念に含
まれる。現在、無色及び有色染料、医薬品、農薬、香
料、飼料素材及び食品素材などを内包させたマイクロカ
プセルが工業的に製品化されている。
【0003】一方、これらとは全くその製法を異にす
る、微生物を利用したマイクロカプセルがこれまでにい
くつか提唱されている。微生物マイクロカプセルは、微
生物の細胞壁をカプセル化基材として利用するため、芯
物質を既に出来上がっているカプセル化基材に内包させ
ることにより得られる。微生物マイクロカプセルは他の
製法で作られたマイクロカプセルと比較し、粒径が均一
で、カプセル化基材が天然で安全であるという利点があ
る。しかし内包する対象となる物質は概ね脂溶性に限ら
れていた(米国特許第4001480号、特開昭58−
107189号、特公平7−032870号)。
る、微生物を利用したマイクロカプセルがこれまでにい
くつか提唱されている。微生物マイクロカプセルは、微
生物の細胞壁をカプセル化基材として利用するため、芯
物質を既に出来上がっているカプセル化基材に内包させ
ることにより得られる。微生物マイクロカプセルは他の
製法で作られたマイクロカプセルと比較し、粒径が均一
で、カプセル化基材が天然で安全であるという利点があ
る。しかし内包する対象となる物質は概ね脂溶性に限ら
れていた(米国特許第4001480号、特開昭58−
107189号、特公平7−032870号)。
【0004】現在、非脂溶性物質をマイクロカプセル化
するための代表的な手段としては、芯物質を直接ワック
スなどでコーティングする方法があるが、これらは少量
の芯物質に対して多量のカプセル化基材が必要であり、
水への分散性が極めて悪く、また食品飼料に用いるには
嗜好性が悪いなどといったような欠点が指摘されてい
る。
するための代表的な手段としては、芯物質を直接ワック
スなどでコーティングする方法があるが、これらは少量
の芯物質に対して多量のカプセル化基材が必要であり、
水への分散性が極めて悪く、また食品飼料に用いるには
嗜好性が悪いなどといったような欠点が指摘されてい
る。
【0005】微生物マイクロカプセルとは異なる概念の
産物ではあるが、酵母の代謝活性を利用し酵母の菌体内
に非脂溶性物質を高い含有率で含有させたものが、米国
特許第3986933号、特開昭61―274676
号、特開平03―91477号、特開平03―1834
74号において提案されている。これらの物質並びに製
法は、いずれも培養法の改良、変異株選抜による育種な
ど、酵母菌体自身で非脂溶性物質を作らせていることを
特徴とする。ところが、これらの酵母菌体に高い含有率
で含有させることができる非脂溶性物質の種類は限られ
ており、その応用範囲は狭いものであった。
産物ではあるが、酵母の代謝活性を利用し酵母の菌体内
に非脂溶性物質を高い含有率で含有させたものが、米国
特許第3986933号、特開昭61―274676
号、特開平03―91477号、特開平03―1834
74号において提案されている。これらの物質並びに製
法は、いずれも培養法の改良、変異株選抜による育種な
ど、酵母菌体自身で非脂溶性物質を作らせていることを
特徴とする。ところが、これらの酵母菌体に高い含有率
で含有させることができる非脂溶性物質の種類は限られ
ており、その応用範囲は狭いものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記の従来技術の欠点を克服したマイクロカプセルおよび
その製造方法を提供することを目的とする。
記の従来技術の欠点を克服したマイクロカプセルおよび
その製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酵母菌体スラリー
から菌体外の水分を除去した泥状酵母菌体を得たのち、
該泥状酵母菌体と非脂溶性物質を混練することによっ
て、該非脂溶性物質の含有量が高いマイクロカプセルを
製造することに成功し、本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、泥状酵母菌体と非脂溶性物質を混練
することを特徴とするマイクロカプセルの製造方法を提
供する。また、本発明は、外部添加した非脂溶性物質を
酵母菌体内部に10重量%以上含有してなる酵母マイク
ロカプセルを提供する。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酵母菌体スラリー
から菌体外の水分を除去した泥状酵母菌体を得たのち、
該泥状酵母菌体と非脂溶性物質を混練することによっ
て、該非脂溶性物質の含有量が高いマイクロカプセルを
製造することに成功し、本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、泥状酵母菌体と非脂溶性物質を混練
することを特徴とするマイクロカプセルの製造方法を提
供する。また、本発明は、外部添加した非脂溶性物質を
酵母菌体内部に10重量%以上含有してなる酵母マイク
ロカプセルを提供する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、カプセル化基材としては、酵母菌体を用いる。
酵母とは、出芽もしくは分裂により増殖する微生物の総
称であり、本発明においてはいかなる酵母を用いてもよ
い。麦酒酵母菌、パン酵母菌、トルラ酵母菌等を使用す
ることができ、具体的には、例えば、サッカロマイセス
属のサッカロマイセス・セレビッシェ(Saccharomyces
cerevisiae)、サッカロマイセス・ルーキシ(Saccharo
myces rouxii)、サッカロマイセス・カールスバーゲン
シス(Saccharomyces carlsbergensis)、キャンディダ
・ウティリス(Candida utilis)、キャンディダ・トロ
ピカリス(Candida tropicalis)、キャンディダ・リポ
リティカ(Candida lipolytica)、およびキャンディダ
・フレーベリ(Candida flaveri)等を使用することが
できる。これらは、単独あるいは組み合わせで使用する
ことができる。酵母の形状は種類によって種々の形があ
るが、なるべく球形に近い形態のものが好ましい。ま
た、粒径は1〜20μmの範囲が好ましい。本発明で使
用されるこれらの酵母は、生酵母でも良いが、生酵母を
酵素処理などにより菌体内成分を可溶化除去したもの
(例えば、自己消化酵母)が好ましく、さらに酵素処理
酵母を酸性水溶液で処理したもの(酸処理酵母)が好ま
しい。本発明で用いる酵母菌体は、泥状の様相を呈して
おり、このような泥状酵母菌体は、酵母菌体スラリー
(例えば、ビール発酵終了後のタンク沈殿物)から菌体
外の水分を除去することにより得られ、その固形分は約
20〜30%であるとよく、特に約22〜25%である
と好ましい。酵母菌体スラリーから菌体外の水分を除去
する方法としては、例えば4500rpm、10分以上
の遠心分離か、フィルタープレス等の圧搾か、もしくは
ヌッチェ等の吸引濾過を挙げることができる。
おいて、カプセル化基材としては、酵母菌体を用いる。
酵母とは、出芽もしくは分裂により増殖する微生物の総
称であり、本発明においてはいかなる酵母を用いてもよ
い。麦酒酵母菌、パン酵母菌、トルラ酵母菌等を使用す
ることができ、具体的には、例えば、サッカロマイセス
属のサッカロマイセス・セレビッシェ(Saccharomyces
cerevisiae)、サッカロマイセス・ルーキシ(Saccharo
myces rouxii)、サッカロマイセス・カールスバーゲン
シス(Saccharomyces carlsbergensis)、キャンディダ
・ウティリス(Candida utilis)、キャンディダ・トロ
ピカリス(Candida tropicalis)、キャンディダ・リポ
リティカ(Candida lipolytica)、およびキャンディダ
・フレーベリ(Candida flaveri)等を使用することが
できる。これらは、単独あるいは組み合わせで使用する
ことができる。酵母の形状は種類によって種々の形があ
るが、なるべく球形に近い形態のものが好ましい。ま
た、粒径は1〜20μmの範囲が好ましい。本発明で使
用されるこれらの酵母は、生酵母でも良いが、生酵母を
酵素処理などにより菌体内成分を可溶化除去したもの
(例えば、自己消化酵母)が好ましく、さらに酵素処理
酵母を酸性水溶液で処理したもの(酸処理酵母)が好ま
しい。本発明で用いる酵母菌体は、泥状の様相を呈して
おり、このような泥状酵母菌体は、酵母菌体スラリー
(例えば、ビール発酵終了後のタンク沈殿物)から菌体
外の水分を除去することにより得られ、その固形分は約
20〜30%であるとよく、特に約22〜25%である
と好ましい。酵母菌体スラリーから菌体外の水分を除去
する方法としては、例えば4500rpm、10分以上
の遠心分離か、フィルタープレス等の圧搾か、もしくは
ヌッチェ等の吸引濾過を挙げることができる。
【0009】生酵母の菌体には、水もしくは極性溶剤に
可溶性の酵素及び蛋白質、アミノ酸成分、糖質分、核酸
成分などの菌体内成分が存在しており、これらの成分は
酵母菌体内への非脂溶性物質の内包を阻害しうる。従っ
て、非脂溶性物質をより大量に酵母菌体内に内包させる
ためには、予め酵素処理法により、これらの菌体内成分
を菌体外に放出させた後の酵母菌残さを用いるとよい。
この酵素処理法としては、任意の公知の方法を用いるこ
とができ、その例としては、Babayan, T.L. and Bezruk
ov, M.G., Acta Biotechnol.0,5, 129-136 (1985)に
記載の自己消化酵素を活用するのが最も経済的である。
それ以外にも、プロテアーゼによる処理、あるいは、ヌ
クレアーゼ、β−グルカナーゼ、エステラーゼおよびリ
パーゼからなる群より選択される少なくとも一種の酵素
をプロテアーゼと組合せた処理を行ってもよい。プロテ
アーゼの例としては、アルカラーゼ、ニュートラーゼ
(ノボ社)、プロテアーゼA、M、N等、パパイン、ニ
ューラーゼF(アマノ社)などを挙げることができる。
具体的には、自己消化酵素を有する酵母菌体の水分散液
あるいは上記のような酵素を添加した酵母菌体の水分散
液を30〜60℃で、1〜48時間、好ましくは、40
〜50℃で15〜24時間インキュベーションすること
により酵母菌体を酵素処理することができる。酵素で処
理した酵母菌体の水分散液を遠心分離等により、上清と
酵母菌残さに分離し、この酵母菌残さを用いればよい。
一般に、4500rpmで15分間遠心分離した場合、
このように酵素処理された酵母菌体残さの固形分は約1
9〜21%で、水分が約79〜81%である。
可溶性の酵素及び蛋白質、アミノ酸成分、糖質分、核酸
成分などの菌体内成分が存在しており、これらの成分は
酵母菌体内への非脂溶性物質の内包を阻害しうる。従っ
て、非脂溶性物質をより大量に酵母菌体内に内包させる
ためには、予め酵素処理法により、これらの菌体内成分
を菌体外に放出させた後の酵母菌残さを用いるとよい。
この酵素処理法としては、任意の公知の方法を用いるこ
とができ、その例としては、Babayan, T.L. and Bezruk
ov, M.G., Acta Biotechnol.0,5, 129-136 (1985)に
記載の自己消化酵素を活用するのが最も経済的である。
それ以外にも、プロテアーゼによる処理、あるいは、ヌ
クレアーゼ、β−グルカナーゼ、エステラーゼおよびリ
パーゼからなる群より選択される少なくとも一種の酵素
をプロテアーゼと組合せた処理を行ってもよい。プロテ
アーゼの例としては、アルカラーゼ、ニュートラーゼ
(ノボ社)、プロテアーゼA、M、N等、パパイン、ニ
ューラーゼF(アマノ社)などを挙げることができる。
具体的には、自己消化酵素を有する酵母菌体の水分散液
あるいは上記のような酵素を添加した酵母菌体の水分散
液を30〜60℃で、1〜48時間、好ましくは、40
〜50℃で15〜24時間インキュベーションすること
により酵母菌体を酵素処理することができる。酵素で処
理した酵母菌体の水分散液を遠心分離等により、上清と
酵母菌残さに分離し、この酵母菌残さを用いればよい。
一般に、4500rpmで15分間遠心分離した場合、
このように酵素処理された酵母菌体残さの固形分は約1
9〜21%で、水分が約79〜81%である。
【0010】酵素処理を速やかに行う目的で、酵母の酵
素処理の前に、高圧ホモジナイザーなどにより前処理を
行ってもよい。具体的には、高圧ホモジナイザーを用い
て100〜600kg/cm2の圧力下で分散することによ
り、前処理を行うことができる。上記のように酵素処理
した酵母菌体残さを酸性水溶液で処理したものは、本発
明を実施する上でさらに好適である。このような処理に
より、酵母菌表面の負の電荷が低減し、酵母菌体へのカ
プセル化すべき物質の浸透性が増加する。具体的には、
酵素処理後の酵母菌残さを酸性水溶液に懸濁し、所望に
より、適当な酸濃度に調整した後、この懸濁液に所定時
間、加熱および撹拌を施すとよい。酸性水溶液として
は、塩酸、燐酸、硫酸、乳酸、クエン酸、酢酸、アスコ
ルビン酸等からなる群から選ばれた少なくとも1つの酸
の水溶液を用いることができるが、特に限定はされな
い。酸性水溶液のpHは2.0以下が適当であり、0〜
1が好ましく、0〜0.5がより好ましい。また、酵母
菌残さは、酸性水溶液に固形分濃度1〜10%、好まし
くは2〜5%となるように懸濁させるとよい。この懸濁
液の加熱温度および時間は系のpHやイオン強度に依存
して設定されることが好ましいが、例えば、pHが0〜
0.5の酸性水溶液により処理される場合には、50℃
以上100℃以下、好ましくは85℃以上100℃以下
の温度で、5分以上1時間以下、好ましくは10分以上
30分以下加熱するとよい。この際、pHが0〜0.5
の酸性水溶液により1時間以上という長時間の加熱処理
を行ったりpHが0以下という過度な酸性水溶液での処
理を行えば、酵母の細胞壁の強度がそれに応じて低下
し、酸処理した酵母の収率の低下を招く場合がある。上
記のような酸性水溶液による処理に際しては、必要に応
じて各種有機溶剤、分散剤、防腐剤を添加することも可
能である。有機溶剤としては、メタノール、エタノール
等の各種アルコール、アセトン、ヘキサン等を、分散剤
としては、ショ糖エステル、グリセリンエステル等を、
防腐剤としては、安息香酸、ソルビン酸、サリチル酸等
を単独で、または併用して使用することができる。
素処理の前に、高圧ホモジナイザーなどにより前処理を
行ってもよい。具体的には、高圧ホモジナイザーを用い
て100〜600kg/cm2の圧力下で分散することによ
り、前処理を行うことができる。上記のように酵素処理
した酵母菌体残さを酸性水溶液で処理したものは、本発
明を実施する上でさらに好適である。このような処理に
より、酵母菌表面の負の電荷が低減し、酵母菌体へのカ
プセル化すべき物質の浸透性が増加する。具体的には、
酵素処理後の酵母菌残さを酸性水溶液に懸濁し、所望に
より、適当な酸濃度に調整した後、この懸濁液に所定時
間、加熱および撹拌を施すとよい。酸性水溶液として
は、塩酸、燐酸、硫酸、乳酸、クエン酸、酢酸、アスコ
ルビン酸等からなる群から選ばれた少なくとも1つの酸
の水溶液を用いることができるが、特に限定はされな
い。酸性水溶液のpHは2.0以下が適当であり、0〜
1が好ましく、0〜0.5がより好ましい。また、酵母
菌残さは、酸性水溶液に固形分濃度1〜10%、好まし
くは2〜5%となるように懸濁させるとよい。この懸濁
液の加熱温度および時間は系のpHやイオン強度に依存
して設定されることが好ましいが、例えば、pHが0〜
0.5の酸性水溶液により処理される場合には、50℃
以上100℃以下、好ましくは85℃以上100℃以下
の温度で、5分以上1時間以下、好ましくは10分以上
30分以下加熱するとよい。この際、pHが0〜0.5
の酸性水溶液により1時間以上という長時間の加熱処理
を行ったりpHが0以下という過度な酸性水溶液での処
理を行えば、酵母の細胞壁の強度がそれに応じて低下
し、酸処理した酵母の収率の低下を招く場合がある。上
記のような酸性水溶液による処理に際しては、必要に応
じて各種有機溶剤、分散剤、防腐剤を添加することも可
能である。有機溶剤としては、メタノール、エタノール
等の各種アルコール、アセトン、ヘキサン等を、分散剤
としては、ショ糖エステル、グリセリンエステル等を、
防腐剤としては、安息香酸、ソルビン酸、サリチル酸等
を単独で、または併用して使用することができる。
【0011】上記のように酸性水溶液で処理した酵母菌
体の懸濁液を遠心分離等により、上清と酵母菌残さに分
離し、この酵母菌残さを用いればよい。一般に、450
0rmpで15分間遠心分離した場合、このように酸処
理された酵母菌体残さの固形分は約9〜11%で、水分
が約89〜91%である。上記のような酵素処理および
酸性水溶液による処理を施して得られる酵母菌体の細胞
壁は、グルカン、マンナン、キチン層から構成される物
理的、化学的に比較的丈夫な皮膜であり、これはマイク
ロカプセルとして具備すべき内包物質の保護機能を損な
うこと無く、より多量の非脂溶性物質を内包することが
できる。
体の懸濁液を遠心分離等により、上清と酵母菌残さに分
離し、この酵母菌残さを用いればよい。一般に、450
0rmpで15分間遠心分離した場合、このように酸処
理された酵母菌体残さの固形分は約9〜11%で、水分
が約89〜91%である。上記のような酵素処理および
酸性水溶液による処理を施して得られる酵母菌体の細胞
壁は、グルカン、マンナン、キチン層から構成される物
理的、化学的に比較的丈夫な皮膜であり、これはマイク
ロカプセルとして具備すべき内包物質の保護機能を損な
うこと無く、より多量の非脂溶性物質を内包することが
できる。
【0012】本発明でいう非脂溶性物質とは、水分子と
の間に結合をつくりやすい官能基、例えば、水酸基、カ
ルボキシル基、アミノ基、ケトン基、スルフォ基等を分
子構造の一部に有する比較的低分子の物質であり、好ま
しくは、水、酸性水溶液もしくはアルカリ性水溶液に対
して5g/100ml以上の溶解度を持つ物質であって、か
つ室温において固体である物質、例えばアミノ酸、有機
酸、糖類などがある。具体的なアミノ酸としてはプロリ
ン、スレオニン、リジン、アルギニン、メチオニン等お
よびそれらの金属塩、エステル、またはそれらアミノ酸
が結合したペプチドがあげられる。次いで有機酸として
はリンゴ酸、クエン酸、カルミン酸、グルコン酸の他、
それらの金属塩やエステル等などがあげられる。また、
リン酸の金属塩やエステルでもよい。糖類として、マル
トース、グルコース、トレハロース等があげられる。そ
の他に、塩化カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩
類も挙げられる。以上は、代表的な例であって、これら
に限定されるものではないことはいうまでもない。
の間に結合をつくりやすい官能基、例えば、水酸基、カ
ルボキシル基、アミノ基、ケトン基、スルフォ基等を分
子構造の一部に有する比較的低分子の物質であり、好ま
しくは、水、酸性水溶液もしくはアルカリ性水溶液に対
して5g/100ml以上の溶解度を持つ物質であって、か
つ室温において固体である物質、例えばアミノ酸、有機
酸、糖類などがある。具体的なアミノ酸としてはプロリ
ン、スレオニン、リジン、アルギニン、メチオニン等お
よびそれらの金属塩、エステル、またはそれらアミノ酸
が結合したペプチドがあげられる。次いで有機酸として
はリンゴ酸、クエン酸、カルミン酸、グルコン酸の他、
それらの金属塩やエステル等などがあげられる。また、
リン酸の金属塩やエステルでもよい。糖類として、マル
トース、グルコース、トレハロース等があげられる。そ
の他に、塩化カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩
類も挙げられる。以上は、代表的な例であって、これら
に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0013】前記した非脂溶性物質を単独であるいは組
み合わせて、必要に応じて酵素処理及び/又は酸処理を
施した泥状酵母菌体と混合し、カプセル化を行う。具体
的には、非脂溶性物質を泥状酵母菌体と一緒に混練すれ
ばよい。カプセル化工程における混練温度は特に限定は
されないが、芯物質である非脂溶性物質の安定性に応じ
て設定することが望ましい。また、混練時間は、非脂溶
性物質の内包されるべき量、カプセル化工程の温度など
に応じて適宜設定すればよい。混練は、メカノミルNEW:
岡田精工(株)に代表されるミルを用いて、100〜3
000rpm、好ましくは100〜500rpmの速度
で行うとよい。カプセル化を有利に行うために、カプセ
ル化の前に、酵母の菌体内水分を他の液体で置換しても
よい。酵母菌体内に内包できる非脂溶性物質の最大量
は、酵母菌体内水分に対する溶解度に依存するので、カ
プセル化すべき非脂溶性物質をより多量に溶解する他の
液体で菌体内水分を置換することにより、酵母菌体内に
おける非脂溶性物質の含有量を上げることができる。
み合わせて、必要に応じて酵素処理及び/又は酸処理を
施した泥状酵母菌体と混合し、カプセル化を行う。具体
的には、非脂溶性物質を泥状酵母菌体と一緒に混練すれ
ばよい。カプセル化工程における混練温度は特に限定は
されないが、芯物質である非脂溶性物質の安定性に応じ
て設定することが望ましい。また、混練時間は、非脂溶
性物質の内包されるべき量、カプセル化工程の温度など
に応じて適宜設定すればよい。混練は、メカノミルNEW:
岡田精工(株)に代表されるミルを用いて、100〜3
000rpm、好ましくは100〜500rpmの速度
で行うとよい。カプセル化を有利に行うために、カプセ
ル化の前に、酵母の菌体内水分を他の液体で置換しても
よい。酵母菌体内に内包できる非脂溶性物質の最大量
は、酵母菌体内水分に対する溶解度に依存するので、カ
プセル化すべき非脂溶性物質をより多量に溶解する他の
液体で菌体内水分を置換することにより、酵母菌体内に
おける非脂溶性物質の含有量を上げることができる。
【0014】上記のようにして作製された、非脂溶性物
質を内包する酵母菌体は、遠心分離、吸引濾過等の方法
により回収することができる。回収された酵母菌体は、
さらに、ゼラチン、ツェイン、アルギン酸などでコーテ
ィングされてもよい。この他必要に応じ、酵母の洗浄、
脱水、pH・温度・圧力の調整等の操作を組み入れるこ
とも可能である。また、得られた酵母カプセルを、熱風
乾燥、凍結乾燥などにより乾燥しても良い。このように
して得られたマイクロカプセルは食品、飼料などの素材
に使用することができる。
質を内包する酵母菌体は、遠心分離、吸引濾過等の方法
により回収することができる。回収された酵母菌体は、
さらに、ゼラチン、ツェイン、アルギン酸などでコーテ
ィングされてもよい。この他必要に応じ、酵母の洗浄、
脱水、pH・温度・圧力の調整等の操作を組み入れるこ
とも可能である。また、得られた酵母カプセルを、熱風
乾燥、凍結乾燥などにより乾燥しても良い。このように
して得られたマイクロカプセルは食品、飼料などの素材
に使用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例により詳
細に説明する。なお本発明の範囲はこれらの実施例に限
定されるものではない。実施例中に示された酵母菌重量
は、すべて実状態での重量である。また、%で表示して
ある酵母菌体中のカプセル化率は、全て重量比%であ
る。
細に説明する。なお本発明の範囲はこれらの実施例に限
定されるものではない。実施例中に示された酵母菌重量
は、すべて実状態での重量である。また、%で表示して
ある酵母菌体中のカプセル化率は、全て重量比%であ
る。
【0016】[実施例1]カプセル化基材として、ビー
ル工場より副生物として入手したビール酵母スラリ―を
4500rpm、10分の条件で遠心分離して得られた
泥状生酵母を用い、また芯物質にはプロリン(溶解度:
167g/100ml)を用いて、以下の方法でカプセ
ル化を行った。
ル工場より副生物として入手したビール酵母スラリ―を
4500rpm、10分の条件で遠心分離して得られた
泥状生酵母を用い、また芯物質にはプロリン(溶解度:
167g/100ml)を用いて、以下の方法でカプセ
ル化を行った。
【0017】泥状酵母50g(固形分22.5%)に対
し、プロリンを25gから100gまで段階的に加え
て、メカノミルNEW:岡田精工(株)を用いて、回転速
度200rpmで30分間混練したところ、全般にわた
って菌体内水分が菌体外へ吐出され、泥状菌体が再びス
ラリー化する現象が認められた。添加量25g〜65g
の範囲においては添加量が増すにつれて吐出水量も増え
たが、65gを越えると逆に減少していった(図1の
●)。25〜65gの範囲では、添加したプロリンが菌
体と一体化しているように観察されたが、65gを越え
た場合では明らかにプロリンが菌体とは別々に存在して
いることが確認できた。このことから、菌体外への水分
の吐出現象はプロリンの菌体内水分への浸潤、即ち菌体
内水分への内包化に伴い補償的に起きていることが推定
された。尚、吐出水量がピークのとき、遠心分離して得
られた菌体よりプロリンを抽出して測定したところ、酵
母マイクロカプセルのカプセル化率(〔カプセル化酵母
菌体中のプロリン重量/カプセル化酵母菌体の乾燥重
量〕×100(%))は52.6%であった。
し、プロリンを25gから100gまで段階的に加え
て、メカノミルNEW:岡田精工(株)を用いて、回転速
度200rpmで30分間混練したところ、全般にわた
って菌体内水分が菌体外へ吐出され、泥状菌体が再びス
ラリー化する現象が認められた。添加量25g〜65g
の範囲においては添加量が増すにつれて吐出水量も増え
たが、65gを越えると逆に減少していった(図1の
●)。25〜65gの範囲では、添加したプロリンが菌
体と一体化しているように観察されたが、65gを越え
た場合では明らかにプロリンが菌体とは別々に存在して
いることが確認できた。このことから、菌体外への水分
の吐出現象はプロリンの菌体内水分への浸潤、即ち菌体
内水分への内包化に伴い補償的に起きていることが推定
された。尚、吐出水量がピークのとき、遠心分離して得
られた菌体よりプロリンを抽出して測定したところ、酵
母マイクロカプセルのカプセル化率(〔カプセル化酵母
菌体中のプロリン重量/カプセル化酵母菌体の乾燥重
量〕×100(%))は52.6%であった。
【0018】[実施例2]カプセル化基材として、実施
例1の泥状生酵母400gに対して水600gの割合で
混合した懸濁液をpH未調整のまま50℃17時間イン
キュベートした後、4500rpm、15分の条件で遠
心分離して得られた泥状の自己消化酵母(固形分20
%)を用い、芯物質としてプロリンを用いて、実施例1
と同様な処理を行ったところ、全般にわたって菌体内水
分が菌体外へ吐出され、泥状菌体が再びスラリー化する
現象が認められた(図1の▲)。尚、吐出水量がピーク
のとき、遠心分離して得られた菌体よりプロリンを抽出
して測定したところ、酵母マイクロカプセルのカプセル
化率は64.3%であった。
例1の泥状生酵母400gに対して水600gの割合で
混合した懸濁液をpH未調整のまま50℃17時間イン
キュベートした後、4500rpm、15分の条件で遠
心分離して得られた泥状の自己消化酵母(固形分20
%)を用い、芯物質としてプロリンを用いて、実施例1
と同様な処理を行ったところ、全般にわたって菌体内水
分が菌体外へ吐出され、泥状菌体が再びスラリー化する
現象が認められた(図1の▲)。尚、吐出水量がピーク
のとき、遠心分離して得られた菌体よりプロリンを抽出
して測定したところ、酵母マイクロカプセルのカプセル
化率は64.3%であった。
【0019】[実施例3]カプセル化基材として、実施
例2の泥状自己消化酵母を、固形分5%で最終塩酸濃度
が1Nになるような懸濁液を作製し、さらに80℃で1
0分処理した後、4500rpm、15分の条件で遠心
分離して得られた泥状の酸処理酵母(固形分10%)を
用い、芯物質にプロリンを用いて、実施例2と同様な処
理を行ったところ、全般にわたって菌体内水分が菌体外
へ吐出され、泥状菌体がスラリー化する現象が認められ
た。また本実施例での水の吐出現象は先の実施例1、2
での水の吐出現象に比べてよりドラスティックなレベル
で認められた(図1の■)。尚、吐出水量がピークのと
き、遠心分離して得られた菌体よりプロリンを抽出して
測定したところ、酵母マイクロカプセルのカプセル化率
は78.1%であった。
例2の泥状自己消化酵母を、固形分5%で最終塩酸濃度
が1Nになるような懸濁液を作製し、さらに80℃で1
0分処理した後、4500rpm、15分の条件で遠心
分離して得られた泥状の酸処理酵母(固形分10%)を
用い、芯物質にプロリンを用いて、実施例2と同様な処
理を行ったところ、全般にわたって菌体内水分が菌体外
へ吐出され、泥状菌体がスラリー化する現象が認められ
た。また本実施例での水の吐出現象は先の実施例1、2
での水の吐出現象に比べてよりドラスティックなレベル
で認められた(図1の■)。尚、吐出水量がピークのと
き、遠心分離して得られた菌体よりプロリンを抽出して
測定したところ、酵母マイクロカプセルのカプセル化率
は78.1%であった。
【0020】[実施例4]実施例3の泥状酸処理酵母5
0g(固形分10%)とカルミン酸(常温で紫色の粉体
で、水に溶かすと赤色を示す。溶解度は80g/100
ml水でエタノールには不溶)32gを混練した後、遠
心分離して回収した酵母スラリーをエタノールで洗浄し
て遠心分離により泥状酵母を得るという操作を以下3回
繰り返すことで、カルミン酸を酵母菌体に内包させると
ともに、酵母の外部に付着しているカルミン酸を物理的
に酵母菌体と引き離した。そのようにして得られたもの
を、顕微鏡観察したところ、菌体内部が赤く染まってお
り、芯物質が存在していることが確認された。尚、この
とき、カプセル化率77.8%の酵母マイクロカプセル
が得られた。
0g(固形分10%)とカルミン酸(常温で紫色の粉体
で、水に溶かすと赤色を示す。溶解度は80g/100
ml水でエタノールには不溶)32gを混練した後、遠
心分離して回収した酵母スラリーをエタノールで洗浄し
て遠心分離により泥状酵母を得るという操作を以下3回
繰り返すことで、カルミン酸を酵母菌体に内包させると
ともに、酵母の外部に付着しているカルミン酸を物理的
に酵母菌体と引き離した。そのようにして得られたもの
を、顕微鏡観察したところ、菌体内部が赤く染まってお
り、芯物質が存在していることが確認された。尚、この
とき、カプセル化率77.8%の酵母マイクロカプセル
が得られた。
【0021】[実施例5]実施例3と同様な手法で、芯
物質として塩酸リジン、塩酸アルギニンのそれぞれを用
いて、酵母マイクロカプセルを作製した。このとき、塩
酸リジンを芯物質とした場合は、カプセル化率55.8
%の酵母マイクロカプセルが得られ、また塩酸アルギニ
ンを芯物質とした場合は、カプセル化率60.2%の酵
母マイクロカプセルが得られた。
物質として塩酸リジン、塩酸アルギニンのそれぞれを用
いて、酵母マイクロカプセルを作製した。このとき、塩
酸リジンを芯物質とした場合は、カプセル化率55.8
%の酵母マイクロカプセルが得られ、また塩酸アルギニ
ンを芯物質とした場合は、カプセル化率60.2%の酵
母マイクロカプセルが得られた。
【0022】[実施例6]実施例3と同様な手法で、芯
物質がメチオニン(溶解度:3g/100ml水)であ
る酵母マイクロカプセルを作製した。このとき、カプセ
ル化率8.7%の酵母マイクロカプセルが得られた。
物質がメチオニン(溶解度:3g/100ml水)であ
る酵母マイクロカプセルを作製した。このとき、カプセ
ル化率8.7%の酵母マイクロカプセルが得られた。
【0023】[実施例7]実施例3のようにして泥状酸
処理酵母(固形分10%)を得た後、酵母菌体100g
あたり5N塩酸溶液が300gの割合で混合した懸濁液
を調製し、3日間懸濁し続けることで、菌体内水分を5
N塩酸と充分に置換したのち、4500rpm、15分
の遠心条件で遠心分離して、菌体内水分が5N塩酸に置
換された泥状酸処理酵母を得た。上記の操作で得られた
泥状酸処理酵母50gとメチオニン36g(溶解度:8
0g/100ml・5N塩酸)を直接混練させて、メチ
オニンを含有する酵母マイクロカプセルを作製した。こ
のとき、カプセル化率55.8%の酵母マイクロカプセ
ルが得られた。
処理酵母(固形分10%)を得た後、酵母菌体100g
あたり5N塩酸溶液が300gの割合で混合した懸濁液
を調製し、3日間懸濁し続けることで、菌体内水分を5
N塩酸と充分に置換したのち、4500rpm、15分
の遠心条件で遠心分離して、菌体内水分が5N塩酸に置
換された泥状酸処理酵母を得た。上記の操作で得られた
泥状酸処理酵母50gとメチオニン36g(溶解度:8
0g/100ml・5N塩酸)を直接混練させて、メチ
オニンを含有する酵母マイクロカプセルを作製した。こ
のとき、カプセル化率55.8%の酵母マイクロカプセ
ルが得られた。
【0024】[実施例8]実施例3と同様な手法で、芯
物質としてリンゴ酸、無水クエン酸、グルコン酸ナトリ
ウムをそれぞれ用いて、酵母マイクロカプセルを作製し
た。このとき、リンゴ酸を芯物質とした場合は、カプセ
ル化率83.2%の酵母マイクロカプセルが得られ、ま
た無水クエン酸を芯物質とした場合は、カプセル化率8
5.6%の酵母マイクロカプセルが得られ、さらにグル
コン酸ナトリウムを芯物質とした場合は、カプセル化率
71.3%の酵母マイクロカプセルが得られた。
物質としてリンゴ酸、無水クエン酸、グルコン酸ナトリ
ウムをそれぞれ用いて、酵母マイクロカプセルを作製し
た。このとき、リンゴ酸を芯物質とした場合は、カプセ
ル化率83.2%の酵母マイクロカプセルが得られ、ま
た無水クエン酸を芯物質とした場合は、カプセル化率8
5.6%の酵母マイクロカプセルが得られ、さらにグル
コン酸ナトリウムを芯物質とした場合は、カプセル化率
71.3%の酵母マイクロカプセルが得られた。
【0025】[実施例9]実施例1の泥状酵母50gに
対し、マルトースを加えて混練していったところ、添加
量20〜36gの範囲においては、添加したマルトース
は菌体と一体化しているように観察されたが、これまで
試みたカルボキシル基を有する化合物で一様にみられた
水の吐出現象は確認されなかった。また36gを越える
とマルトースが菌体とは別々に存在していることが確認
できた。尚、マルトースの添加量が36gのとき、計算
上カプセル化率87.8%の酵母マイクロカプセルが得
られた。
対し、マルトースを加えて混練していったところ、添加
量20〜36gの範囲においては、添加したマルトース
は菌体と一体化しているように観察されたが、これまで
試みたカルボキシル基を有する化合物で一様にみられた
水の吐出現象は確認されなかった。また36gを越える
とマルトースが菌体とは別々に存在していることが確認
できた。尚、マルトースの添加量が36gのとき、計算
上カプセル化率87.8%の酵母マイクロカプセルが得
られた。
【0026】[実施例10]酵母マイクロカプセルが芯
物質を内包していることの証明を以下のようにして行っ
た。まず、フレンチプレスを利用して各圧力(0、20
0、1000、1200および1500atm)で処理した
泥状酸処理酵母菌体50gとマルトース30gを直接混
練させた。次に混練したサンプル16gに対し水200
mlを流し込み、各時間ごとに上清をサンプリングし
て、その中に含まれるマルトース量を測定した。その結
果、図2に示すようにフレンチプレスで処理をしていな
いものについては、芯物質の徐放性が認められたが、1
000気圧以上で処理した酵母菌体においては徐放性は
認められなかった。これらの事実から、実施例9によっ
て得られた菌体は外部添加したマルトースをその内部に
含有していることが判明した。
物質を内包していることの証明を以下のようにして行っ
た。まず、フレンチプレスを利用して各圧力(0、20
0、1000、1200および1500atm)で処理した
泥状酸処理酵母菌体50gとマルトース30gを直接混
練させた。次に混練したサンプル16gに対し水200
mlを流し込み、各時間ごとに上清をサンプリングし
て、その中に含まれるマルトース量を測定した。その結
果、図2に示すようにフレンチプレスで処理をしていな
いものについては、芯物質の徐放性が認められたが、1
000気圧以上で処理した酵母菌体においては徐放性は
認められなかった。これらの事実から、実施例9によっ
て得られた菌体は外部添加したマルトースをその内部に
含有していることが判明した。
【0027】[実施例11]実施例3と同様な手法で芯
物質をトレハロース、塩化ナトリウムとしたときの酵母
マイクロカプセルを作製した。また、実施例7と同様な
手法で芯物質を5'−GMPとしたときの酵母マイクロ
カプセルを作製した。このとき、トレハロースを芯物質
とした場合は、カプセル化率87.9%の酵母マイクロ
カプセルが得られ、また塩化ナトリウムを芯物質とした
場合は、計算上カプセル化率72.2%の酵母マイクロ
カプセルが得られ、さらに5'−GMPを芯物質とした
場合は、カプセル化率84.8%の酵母マイクロカプセ
ルが得られた。
物質をトレハロース、塩化ナトリウムとしたときの酵母
マイクロカプセルを作製した。また、実施例7と同様な
手法で芯物質を5'−GMPとしたときの酵母マイクロ
カプセルを作製した。このとき、トレハロースを芯物質
とした場合は、カプセル化率87.9%の酵母マイクロ
カプセルが得られ、また塩化ナトリウムを芯物質とした
場合は、計算上カプセル化率72.2%の酵母マイクロ
カプセルが得られ、さらに5'−GMPを芯物質とした
場合は、カプセル化率84.8%の酵母マイクロカプセ
ルが得られた。
【0028】
【発明の効果】本発明の酵母マイクロカプセルは、次の
点で有用である。 1)単に酵母と芯物質が混合した状態では、芯物質が外
部環境下に直接接することから、酵素による修飾、光、
熱などによる変性が起こりやすくなるが、芯物質を酵母
でカプセル化することによりこれらの外界の環境ストレ
スからは完全に遮断することが可能となる。 2)本発明で得られた酵母マイクロカプセルは、造粒、
乾燥などの加工特性(可塑性、成形性)という点におい
て、通常のワックスコーティングされたカプセルなどに
くらべて優れており、それ故、製造が容易である。
点で有用である。 1)単に酵母と芯物質が混合した状態では、芯物質が外
部環境下に直接接することから、酵素による修飾、光、
熱などによる変性が起こりやすくなるが、芯物質を酵母
でカプセル化することによりこれらの外界の環境ストレ
スからは完全に遮断することが可能となる。 2)本発明で得られた酵母マイクロカプセルは、造粒、
乾燥などの加工特性(可塑性、成形性)という点におい
て、通常のワックスコーティングされたカプセルなどに
くらべて優れており、それ故、製造が容易である。
【図1】図1は、50gの酵母残さと種々の量のプロリ
ンを混練したときの吐出水量を示す。
ンを混練したときの吐出水量を示す。
【図2】図2は、各圧力で処理した酸処理酵母における
マルトースの放出を示す。
マルトースの放出を示す。
Claims (13)
- 【請求項1】 泥状酵母菌体と非脂溶性物質を混練する
ことを特徴とするマイクロカプセルの製造方法。 - 【請求項2】 泥状酵母菌体が酵母菌体スラリーから酵
母菌体外の水分を除去したものである請求項1記載の製
造方法。 - 【請求項3】 酵母菌体外の水分を除去する手段が、遠
心分離、圧搾または吸引濾過のいずれかである請求項2
記載の製造方法。 - 【請求項4】 非脂溶性物質が、水、酸性水溶液または
アルカリ性水溶液100mlに対して5.0g以上の溶
解度を有し、かつ室温において固体である請求項1〜3
のいずれか1項に記載の製造方法 - 【請求項5】 酵母菌体が、生酵母菌体、生酵母菌体か
ら菌体内成分を可溶化除去した菌体残さ、または該菌体
残さを酸性水溶液で処理したもののいずれかである請求
項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項6】 泥状酵母菌体と非脂溶性物質との混練
が、100rpm以上の剪断力により行われる請求項1
〜5のいずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項7】 泥状酵母菌体と非脂溶性物質を混練する
前に、酵母菌体内の水分を他の液体に置換する請求項1
〜6のいずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項8】 他の液体が、非脂溶性物質に対する溶解
性が水よりも大きい液体である請求項7記載の製造方
法。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項記載の方法
により製造されるマイクロカプセル。 - 【請求項10】 外部添加した非脂溶性物質を酵母菌体
内部に10重量%以上含有してなるマイクロカプセル。 - 【請求項11】 非脂溶性物質が、水、酸性水溶液また
はアルカリ性水溶液100mlに対して5.0g以上の
溶解度を有し、かつ室温において固体である請求項10記
載のマイクロカプセル。 - 【請求項12】 酵母菌体が、生酵母菌体、生酵母菌体
から菌体内成分を可溶化除去した菌体残さ、または該菌
体残さを酸性水溶液で処理したもののいずれかである請
求項10または11記載のマイクロカプセル。 - 【請求項13】 請求項1〜8のいずれか1項記載の方
法により製造することができる、請求項10〜12のいずれ
か1項記載のマイクロカプセル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23225896A JPH1076155A (ja) | 1996-09-02 | 1996-09-02 | 非脂溶性物質含有マイクロカプセルおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23225896A JPH1076155A (ja) | 1996-09-02 | 1996-09-02 | 非脂溶性物質含有マイクロカプセルおよびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1076155A true JPH1076155A (ja) | 1998-03-24 |
Family
ID=16936454
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23225896A Pending JPH1076155A (ja) | 1996-09-02 | 1996-09-02 | 非脂溶性物質含有マイクロカプセルおよびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1076155A (ja) |
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2003041509A1 (en) * | 2001-11-15 | 2003-05-22 | San-Ei Gen F.F.I., Inc. | Microcapsules and oral compositions containing the same |
| KR100429951B1 (ko) * | 2000-11-30 | 2004-05-03 | 주식회사농심 | 효모 세포벽 성분을 이용한 미세캡슐의 제조방법 |
| JP2007538062A (ja) * | 2004-05-20 | 2007-12-27 | エーデン リサーチ ピーエルシー | テルペン成分封入中空グルカン粒子または細胞壁粒子を含有する組成物、それらを製造および使用する方法 |
| KR100911075B1 (ko) * | 2004-01-12 | 2009-08-06 | 피르메니히 에스아 | 향 마이크로캡슐을 포함하는 식용 제품 |
| US9066971B2 (en) | 2010-07-01 | 2015-06-30 | Postech Academy-Industry Foundation | Method for treating and diagnosing cancer by using cell-derived microvesicles |
| US10258033B2 (en) | 2005-11-30 | 2019-04-16 | Eden Research Plc | Compositions and methods comprising terpenes or terpene mixtures selected from thymol, eugenol, geraniol, citral and L-carvone |
| US10383329B2 (en) | 2012-11-21 | 2019-08-20 | Eden Research Plc | Preservatives |
| US10667512B2 (en) | 2005-11-30 | 2020-06-02 | Eden Research Plc | Terpene-containing compositions and methods of making and using them |
| US10729130B2 (en) | 2004-01-23 | 2020-08-04 | Eden Research Plc | Nematicidal compositions and methods of using them |
| DE102019002572A1 (de) * | 2019-04-08 | 2020-10-08 | RUHR-UNIVERSITäT BOCHUM | Verfahren zur Verkapselung eines flüssigen Wertstoffes in Hefezellen |
-
1996
- 1996-09-02 JP JP23225896A patent/JPH1076155A/ja active Pending
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100429951B1 (ko) * | 2000-11-30 | 2004-05-03 | 주식회사농심 | 효모 세포벽 성분을 이용한 미세캡슐의 제조방법 |
| WO2003041509A1 (en) * | 2001-11-15 | 2003-05-22 | San-Ei Gen F.F.I., Inc. | Microcapsules and oral compositions containing the same |
| KR100911075B1 (ko) * | 2004-01-12 | 2009-08-06 | 피르메니히 에스아 | 향 마이크로캡슐을 포함하는 식용 제품 |
| US10729130B2 (en) | 2004-01-23 | 2020-08-04 | Eden Research Plc | Nematicidal compositions and methods of using them |
| JP2007538062A (ja) * | 2004-05-20 | 2007-12-27 | エーデン リサーチ ピーエルシー | テルペン成分封入中空グルカン粒子または細胞壁粒子を含有する組成物、それらを製造および使用する方法 |
| US10638750B2 (en) | 2004-05-20 | 2020-05-05 | Eden Research Plc | Compositions containing a hollow glucan particle or a cell wall particle encapsulating a terpene component, methods of making and using them |
| US10258033B2 (en) | 2005-11-30 | 2019-04-16 | Eden Research Plc | Compositions and methods comprising terpenes or terpene mixtures selected from thymol, eugenol, geraniol, citral and L-carvone |
| US10667512B2 (en) | 2005-11-30 | 2020-06-02 | Eden Research Plc | Terpene-containing compositions and methods of making and using them |
| US9066971B2 (en) | 2010-07-01 | 2015-06-30 | Postech Academy-Industry Foundation | Method for treating and diagnosing cancer by using cell-derived microvesicles |
| US10383329B2 (en) | 2012-11-21 | 2019-08-20 | Eden Research Plc | Preservatives |
| DE102019002572A1 (de) * | 2019-04-08 | 2020-10-08 | RUHR-UNIVERSITäT BOCHUM | Verfahren zur Verkapselung eines flüssigen Wertstoffes in Hefezellen |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Golubev | Perfect state of Rhodomyces dendrorhous (Phaffia rhodozyma) | |
| KR100418544B1 (ko) | 캡슐화된생성물 | |
| CA1301682C (en) | Microbial encapsulation | |
| DE2721829A1 (de) | Verfahren zur herstellung eines hydrophilen komplexen gels zur immobilisierung mikrobieller zellen | |
| US8679797B2 (en) | Method for preparing glucan and mannan, glucan preparation and mannan preparation produced thereby and use thereof | |
| US5288632A (en) | Encapsulation of material in microbial cells | |
| JPH1076155A (ja) | 非脂溶性物質含有マイクロカプセルおよびその製造方法 | |
| US5521089A (en) | Process for treating yeast with B-1, 3-glucanase to produce microcapsules for enclosing hydrophobic liquids | |
| JPH0732870B2 (ja) | マイクロカプセルの製造方法 | |
| JP2010527230A (ja) | 発酵プロポリスの製造方法 | |
| JP3349677B2 (ja) | コーティング剤 | |
| WO2002072722A1 (en) | Film coating material | |
| JPH08243378A (ja) | マイクロカプセルの製造方法 | |
| Knorr et al. | An enzymatic method fob yeast autolysis | |
| JPH0832225B2 (ja) | マイクロカプセルの製造方法 | |
| JP3034069B2 (ja) | マイクロカプセルの製造方法 | |
| JPS6388033A (ja) | マイクロカプセルの製造方法 | |
| JPH0732871B2 (ja) | マイクロカプセルの製造方法 | |
| JP2978299B2 (ja) | マイクロカプセルの製造方法 | |
| JPS62294079A (ja) | マイクロカプセルの製造方法 | |
| CN1273249A (zh) | 真菌细胞壁结构性多糖及其制备方法和用途 | |
| JPH0515770A (ja) | マイクロカプセルの製造方法 | |
| JP2525529B2 (ja) | リボフラビン発酵からの噴霧乾燥生成物中のリボフラビン含有量を増加する方法 | |
| JP2003095987A (ja) | 揮発、昇華防止剤 | |
| JPH05138010A (ja) | マイクロカプセルの製造方法 |