JPH1078076A - 流体封入式筒形マウント - Google Patents

流体封入式筒形マウント

Info

Publication number
JPH1078076A
JPH1078076A JP23512396A JP23512396A JPH1078076A JP H1078076 A JPH1078076 A JP H1078076A JP 23512396 A JP23512396 A JP 23512396A JP 23512396 A JP23512396 A JP 23512396A JP H1078076 A JPH1078076 A JP H1078076A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic body
rubber elastic
pressure receiving
load
axial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23512396A
Other languages
English (en)
Inventor
Jiyouji Tsutsumida
讓治 堤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Rubber Industries Ltd filed Critical Tokai Rubber Industries Ltd
Priority to JP23512396A priority Critical patent/JPH1078076A/ja
Publication of JPH1078076A publication Critical patent/JPH1078076A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 それぞれマウント軸直角方向に及ぼされる防
振すべき振動荷重と被連結体間に作用する支持荷重と
が、互いに周方向にずれて入力される場合にも、有効な
防振性能と支持性能が両立して発揮される流体封入式筒
形マウントを提供すること。 【解決手段】 内外筒金具12,14を連結する支持ゴ
ム弾性体16において、受圧室62の周方向両側壁部4
0,42を構成する軸方向中間部分と、受圧室62の軸
方向両側壁部を構成する軸方向両側部分との、各弾性変
形特性を相互に異ならせることにより、該軸方向中間部
分において受圧室62に圧力変化を及ぼし易い荷重入力
方向:Qと、該軸方向両側部分において引張変形が生ぜ
しめられ難い荷重入力方向:Rとを、互いに周方向に所
定角度:θだけずらせて設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、受圧室と平衡室の間での流体の
流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入
式筒形マウントに係り、特にそれぞれ軸直角方向に及ぼ
される防振すべき振動荷重と被連結体間に作用する支持
荷重とが、互いに周方向にずれて及ぼされる状態で装着
される場合に好適に用いられる流体封入式筒形マウント
に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、振動伝達系を構成する被連結体
間に介装されて、それらの被連結体を防振連結せしめる
防振装置の一種として、特公平5−55739号公報や
特開平1−116329号公報、米国特許第46903
89号等に記載されているように、軸金具とその外方に
離隔配置された外筒金具の間において、軸金具を軸直角
方向に挟んで位置する一方の側に支持ゴム弾性体を介装
し、他方の側に軸方向に貫通して周方向に広がるスリッ
トを設けることにより、それら軸金具と外筒金具を支持
ゴム弾性体により実質的に一方の側でだけ連結せしめる
一方、軸金具と外筒金具の間に、壁部が支持ゴム弾性体
で構成されて非圧縮性流体が封入された、振動が入力さ
れる受圧室を形成すると共に、軸金具と外筒金具の間に
おけるスリットの形成部側に、非圧縮性流体が封入され
て容積変化が許容される平衡室を形成し、更にそれら受
圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設けた
構造の流体封入式筒形マウントが知られている。
【0003】かかる筒形マウントは、軸金具と外筒金具
が防振連結される被連結体の各一方に取り付けられて被
連結体間に装着せしめられるが、入力荷重によって軸金
具が外筒金具に対して支持ゴム弾性体側に変位せしめら
れるように装着されることにより、スリットによって支
持ゴム弾性体における引張応力の発生が軽減されて優れ
た耐久性が発揮されると共に、受圧室と平衡室の間でオ
リフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用
等の流動作用に基づいて有効な防振効果が発揮されるこ
ととなる。
【0004】また、かくの如き流体封入式筒形マウント
では、防振すべき振動荷重や、被連結体間に及ぼされる
支持荷重が、何れも、軸直角方向に及ぼされることとな
るが、例えば自動車用エンジンロールマウントとして採
用する場合等において、その装着状態下で、振動荷重の
入力方向と支持荷重の入力方向とが一致せずに、互いに
周方向にずれて及ぼされる場合がある。なお、上記およ
び以下の説明中、マウントの支持荷重は、原則として、
エンジンロールマウントにおけるエンジン荷重やロール
荷重乃至はトルク荷重や振動荷重など、マウントによっ
て支持力が発揮されるべき、マウントに及ぼされる全て
の荷重の合力としての外的荷重をいうものとする。
【0005】ところが、従来の流体封入式筒形マウント
では、その構造上、振動荷重と支持荷重の入力方向の違
いが考慮されていなかったために、例えば、振動荷重の
入力時に受圧室の内圧変化が有効に生ぜしめられてオリ
フィス通路を通じての流体の流動作用に基づく防振効果
が有利に発揮されるようにマウント装着方向を決定する
と、支持荷重の入力によって支持ゴム弾性体に引張応力
が発生して耐久性が不足したり、有効な支持ばね特性が
発揮されなくなったりする場合等があり、流体の流動作
用に基づく有効な防振性能と支持ばね特性を両立して実
現することが難しかったのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、請求項1〜5に記載の発明
(以下、本発明という)は、何れも、上述の如き事情を
背景として為されたものであって、装着状態下における
振動荷重と支持荷重の各入力方向が相互に一致しない場
合にも、流体の流動作用に基づく防振性能と有効な支持
ばね特性とが、簡単な構造をもって、共に高度に両立し
て発揮される、新規な流体封入式筒形マウントを提供す
ることを、目的とする。
【0007】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明の特徴とするところは、軸部
材と該軸部材の外方に離隔配置された外筒部材の間にお
いて、該軸部材を軸直角方向に挟んで位置する一方の側
に支持ゴム弾性体を介装し、他方の側に軸方向に貫通し
て周方向に広がるスリットを設けることにより、それら
軸部材と外筒部材を該支持ゴム弾性体により実質的に前
記一方の側でだけ連結せしめる一方、前記軸部材と前記
外筒部材の間に、軸方向および周方向の各両側壁部が前
記支持ゴム弾性体により構成されて非圧縮性流体が封入
された、振動が入力される受圧室を形成すると共に、前
記軸部材と前記外筒部材の間における前記スリットの形
成部側に、非圧縮性流体が封入されて容積変化が許容さ
れる平衡室を形成し、更にそれら受圧室と平衡室を相互
に連通するオリフィス通路を設けてなり、前記軸部材と
前記外筒部材が防振連結される被連結体の各一方に取り
付けられる流体封入式筒形マウントにおいて、前記支持
ゴム弾性体におけるマウント軸直角方向の弾性変形特性
を、前記受圧室の周方向両側壁部を構成する軸方向中間
部分と、該受圧室の軸方向両側壁部を構成する軸方向両
側部分とで、相互に異ならせて、該支持ゴム弾性体の軸
方向中間部分において前記受圧室に圧力変化を及ぼし易
い荷重入力方向と、該支持ゴム弾性体の軸方向両側部分
において引張変形が生ぜしめられ難い荷重入力方向と
を、互いに周方向にずらせて設定したことにある。
【0008】このような請求項1に記載の発明に従う構
造とされた流体封入式筒形マウントにおいては、支持ゴ
ム弾性体のうち、荷重入力時に弾性変形せしめられて受
圧室に対してピストン的作用を為して受圧室に圧力変動
を生ぜしめることとなる軸方向中間部分と、荷重入力時
における受圧室に対するピストン的作用は少ないが、荷
重入力時に有効なばね剛性を発揮し得る軸方向両側部分
とに対して、互いに異なる設計思想の下に、それぞれの
弾性変形特性が付与されることとなる。そして、かかる
軸方向中間部分においては、そのピストン的作用に基づ
き受圧室に圧力変化を及ぼし易い荷重入力方向を考慮し
て形状等が設計される一方、軸方向両側部分において
は、そのばね剛性に基づき引張応力の発生を押えつつ有
効な弾性支持力を発揮し得る荷重入力方向を考慮して形
状等が設計される。
【0009】従って、かかる請求項1に記載の発明に従
う構造とされた流体封入式筒形マウントにおいては、装
着時における振動荷重入力方向と支持荷重入力方向とが
異なる場合にも、振動荷重入力によって受圧室に有効な
圧力変化が生ぜしめられるように、支持ゴム弾性体の軸
方向中間部分の形状等を設計する一方、支持荷重の入力
時における引張応力発生が抑えられるように、支持ゴム
弾性体の軸方向両側部分の形状等を設定することが出来
るのであり、それによって、流体の流動作用に基づく防
振効果と、支持ゴム弾性体の耐久性とが、両立して高度
に達成可能となるのである。
【0010】なお、このような請求項1に記載の発明に
従う構造とされた流体封入式筒形マウントにあっては、
支持ゴム弾性体の軸方向両側部分に引張変形が生ぜしめ
られ難い荷重入力方向を、支持ゴム弾性体の略周方向中
心線上に設定する一方、受圧室を支持ゴム弾性体の周方
向一方の側に偏倚して形成して、該周方向一方の側に位
置する受圧室の一方の周方向側壁部を他方の周方向側壁
部よりも薄肉とすることにより、受圧室に圧力変化を及
ぼし易い荷重入力方向を、前記支持ゴム弾性体の軸方向
両側部分に引張変形が生ぜしめられ難い荷重入力方向に
対して、該薄肉とされた一方の周方向側壁部側にずらせ
た構成が、好適に採用される。
【0011】このような構成を採用すれば、振動荷重の
入力時における受圧室の圧力変化の発生を充分に確保し
つつ、支持ゴム弾性体の軸方向両側部分における引張変
形の発生をより有利に軽減乃至は防止せしめて、極めて
優れた耐久性を得ることが出来るのである。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明に従う構造とされた流体封入式筒形マウン
トにおいて、前記支持ゴム弾性体の軸方向中間部分にお
ける前記受圧室に圧力変化を及ぼし易い荷重入力方向
に、防振すべき振動荷重が入力される一方、前記支持ゴ
ム弾性体の軸方向両側部分における引張変形が生ぜしめ
られ難い荷重入力方向に、前記被連結体間に作用する支
持荷重が入力されるようにしたことを、特徴とする。
【0013】このような請求項2に記載の発明に従う構
造とされた流体封入式筒形マウントにおいては、振動荷
重の入力時にオリフィス通路を通じて流動せしめられる
流体量が有利に確保されて、流体の流動作用に基づく防
振効果が有効に発揮されると共に、支持荷重による引張
応力の発生が軽減乃至は防止されて、支持ゴム弾性体に
おける亀裂等の発生が抑えられてマウントの耐久性が有
利に確保されるのである。
【0014】さらに、前述の如き課題を解決するため
に、請求項3に記載の発明の特徴とするところは、軸部
材と該軸部材の外方に離隔配置された外筒部材の間にお
いて、該軸部材を軸直角方向に挟んで位置する一方の側
に支持ゴム弾性体を介装し、他方の側に軸方向に貫通し
て周方向に広がるスリットを設けることにより、それら
軸部材と外筒部材を該支持ゴム弾性体により実質的に前
記一方の側でだけ連結せしめる一方、前記軸部材と前記
外筒部材の間に、軸方向および周方向の各両側壁部が前
記支持ゴム弾性体により構成されて非圧縮性流体が封入
された、振動が入力される受圧室を形成すると共に、前
記軸部材と前記外筒部材の間における前記スリットの形
成部側に、非圧縮性流体が封入されて容積変化が許容さ
れる平衡室を形成し、更にそれら受圧室と平衡室を相互
に連通するオリフィス通路を設けてなり、前記軸部材と
前記外筒部材が防振連結される被連結体の各一方に取り
付けられる流体封入式筒形マウントにおいて、前記支持
ゴム弾性体の前記受圧室が設けられた軸方向中間部分に
おける、荷重入力時に周方向両側の圧縮及び剪断応力が
略等しくなる軸直角方向の荷重入力方向と、前記支持ゴ
ム弾性体の該受圧室の周方向両側壁部を構成する軸方向
両側部分における、荷重入力時に周方向両側の圧縮及び
剪断応力が略等しくなる軸直角方向の荷重入力方向と
を、互いに異ならせることによって、かかる支持ゴム弾
性体におけるマウント軸直角方向の弾性変形特性を、そ
れら軸方向中間部分と軸方向両側部分とで相互に異なら
せたことにある。
【0015】なお、上記圧縮及び剪断応力は、単位断面
積あたりの応力でなく、荷重入力方向線を挟んで周方向
両側に位置するそれぞれの全領域において発生する総応
力をいう。
【0016】このような請求項3に記載の発明に従う構
造とされた流体封入式筒形マウントにおいて、支持ゴム
弾性体の軸方向中間部分では、周方向両側の圧縮及び剪
断応力が略等しくなる軸直角方向に荷重が入力された際
に、受圧室内方への弾性変形が効率的に生ぜしめられて
受圧室に有効な圧力変化が生ぜしめられる一方、支持ゴ
ム弾性体の軸方向両側部分では、周方向両側の圧縮およ
び剪断応力が略等しくなる軸直角方向に荷重が入力され
た際に、引張応力の発生を抑えつつ有効なばね剛性によ
って優れた荷重支持特性が発揮されることとなる。
【0017】それ故、かかる請求項3に記載の発明に従
う構造とされた流体封入式筒形マウントにおいても、請
求項1に記載の発明に従う構造とされた流体封入式筒形
マウントと同様、装着時における振動荷重入力方向と支
持荷重入力方向とが異なる場合にも、流体の流動作用に
基づく防振効果と、有効な荷重支持特性を、両立して高
度に達成することが出来るのである。
【0018】なお、請求項1乃至3の何れかに記載の流
体封入式筒形マウントにおいては、例えば、支持ゴム弾
性体の周方向両側面に軸方向中間部分と軸方向両側部分
の間で段差等をつけて、それら軸方向中間部分と軸方向
両側部分における弾性変形特性を相互に異ならせること
も可能であるが、支持ゴム弾性体の成形性や耐久性等の
観点から、スリットをマウント軸方向全長に亘って略一
定断面形状とすることにより、支持ゴム弾性体の周方向
両側面を、軸方向中間部分および軸方向両側部分の全体
として軸方向に平坦面とし、軸方向中間部分に形成され
る受圧室の形状等や、軸方向両側部分の軸方向内外面の
形状等を適当に設定すること等によって、軸方向中間部
分と軸方向両側部分における弾性変形特性を相互に異な
らせることが望ましい。
【0019】さらに、前述の如き課題を解決するため
に、請求項4に記載の発明の特徴とするところは、軸部
材と該軸部材の外方に離隔配置された外筒部材の間にお
いて、該軸部材を軸直角方向に挟んで位置する一方の側
に支持ゴム弾性体を介装し、他方の側に軸方向に貫通し
て周方向に広がるスリットを設けることにより、それら
軸部材と外筒部材を該支持ゴム弾性体により実質的に前
記一方の側でだけ連結せしめる一方、前記軸部材と前記
外筒部材の間に、軸方向および周方向の各両側壁部が前
記支持ゴム弾性体により構成されて非圧縮性流体が封入
された、振動が入力される受圧室を形成すると共に、前
記軸部材と前記外筒部材の間における前記スリットの形
成部側に、非圧縮性流体が封入されて容積変化が許容さ
れる平衡室を形成し、更にそれら受圧室と平衡室を相互
に連通するオリフィス通路を設けてなり、前記軸部材と
前記外筒部材が防振連結される被連結体の各一方に取り
付けられる流体封入式筒形マウントにおいて、前記スリ
ットをマウント軸方向全長に亘って略一定断面形状とす
る一方、前記支持ゴム弾性体における軸方向両端面の周
方向中間部分において凹陥又は突出する偏肉部を形成
し、該偏肉部の周方向中心を、前記受圧室の周方向中心
に対して周方向に相互にずらせることにより、かかる支
持ゴム弾性体におけるマウント軸直角方向の弾性変形特
性を、該受圧室の周方向両側壁部を構成する軸方向中間
部分と、該受圧室の軸方向両側壁部を構成する軸方向両
側部分とで、互いに異ならせたことにある。
【0020】このような請求項4に記載の発明に従う構
造とされた流体封入式筒形マウントにおいては、支持ゴ
ム弾性体の軸方向中間部分が弾性変形によって受圧室に
有効な圧力変化を生ぜしめ得る荷重入力方向を、受圧室
の周方向中心を適当に設定することによって調節するこ
とが出来る一方、支持ゴム弾性体の軸方向両側壁部によ
る適当なばね剛性が、応力の局部的集中等を伴うことな
く発揮される荷重入力方向を、偏肉部の周方向中心を適
当に設定することによって調節することが出来る。
【0021】そして、これら受圧室と偏肉部の各周方向
中心は、相互に独立して且つ周方向に相互にずらせて設
定され得ることから、防振すべき振動荷重の入力方向を
考慮して受圧室の周方向中心を設定すると共に、被連結
体間に作用する支持荷重の入力方向を考慮して偏肉部の
周方向中心を設定することによって、振動荷重の入力方
向と支持荷重の入力方向が互いに異なる場合でも、振動
荷重の入力時に支持ゴム弾性体の軸方向中間部分におけ
るピストン的作用に基づいて流体の流動作用に基づく防
振効果が有効に発揮されると共に、支持荷重に対して支
持ゴム弾性体の軸方向両側部分における圧縮及び剪断応
力に基づいて、局部的な応力集中等を防止しつつ、適当
な支持ばね剛性が良好なる耐久性のもとに発揮されるの
である。
【0022】なお、受圧室と偏肉部の各周方向中心は、
少なくとも何れか一方が周方向に偏倚することによっ
て、互いに周方向にずらされておれば良いが、好ましく
は、支持ゴム弾性体の周方向中心に対して、それら受圧
室と偏肉部の各周方向中心が、互いに周方向反対側に偏
倚して位置せしめられる。
【0023】また、請求項5に記載の発明は、請求項4
に記載の発明に従う構造とされた流体封入式筒形マウン
トにおいて、前記偏肉部の周方向中心に対する前記受圧
室の周方向中心の周方向におけるずれ量が、前記軸部材
と前記外筒部材の間にそれぞれ及ぼされる、防振すべき
振動荷重の入力方向に対する前記被連結体間に作用する
支持荷重の入力方向のずれ量に応じて設定されているこ
とを、特徴とする。
【0024】このような請求項5に記載の発明に従う構
造とされた流体封入式筒形マウントにおいては、防振す
べき振動荷重が受圧室の略周方向中心を通る方向に及ぼ
される一方、支持荷重が偏肉部の略周方向中心を通る方
向に及ぼされるように、装着せしめることが出来るので
あり、それによって、支持ゴム弾性体の軸方向中間部分
におけるピストン的作用がより有効に発揮されて、振動
荷重の入力時にオリフィス通路を通じて流動せしめられ
る流体量が有利に確保されることにより、流体の流動作
用に基づく防振効果が一層有効に発揮されると共に、支
持ゴム弾性体の軸方向両側部分における圧縮ばね剛性が
より有効に発揮されて、支持荷重に対する支持ばね剛性
が一層有効に発揮されることにより、支持ゴム弾性体に
おける耐久性が有利に確保され得るのである。
【0025】ところで、請求項1乃至5の何れかに記載
の発明に従う構造とされた流体封入式筒形マウントにお
いては、支持ゴム弾性体を、軸直角方向断面において、
全体として、軸部材側から外筒部材側に向かって広がる
略扇形の断面形状をもって形成することが好ましい。
【0026】このような支持ゴム弾性体の形状を採用す
れば、支持荷重の入力時において、支持ゴム弾性体の軸
方向中間部分および軸方向両側部分における引張応力の
発生を有利に軽減乃至は防止することが可能となる。
【0027】また、請求項1乃至5の何れかに記載の発
明に従う構造とされた流体封入式筒形マウントにおいて
は、支持ゴム弾性体の外周面に金属スリーブを加硫接着
せしめて、該金属スリーブに外筒金具を外嵌固定すると
共に、金属スリーブに設けた窓部を通じて外周面に開口
するポケット部を外筒金具で閉塞することによって受圧
室を形成する一方、支持ゴム弾性体の軸方向中間部分に
おける受圧室の周方向両側壁部のうち、振動荷重の入力
方向に対して支持荷重の入力方向側に位置せしめられる
受圧室の周方向一方の側壁部、換言すれば支持荷重によ
る圧縮応力が大なる方の周方向側壁部において、その外
周面に接着された金属スリーブを内方に突出させて周方
向に延びる凹溝を形成し、該凹溝の外周面開口部を外筒
金具で覆蓋することにより、受圧室と平衡室を繋ぐオリ
フィス通路を形成せしめると共に、かかる内方に突出す
る凹溝によって、圧縮応力が大なる方の周方向側壁部よ
りも、他方の周方向側壁部の方が、軸直角方向における
弾性変形可能な自由長を大きく設定するようにしても良
い。
【0028】このような構成を採用すれば、支持ゴム弾
性体の軸方向中間部分において支持荷重入力時に引張応
力が発生し易い周方向一方の側壁部に対して、仮に、引
張応力が発生した場合でも、その自由長が大きくされて
いることにより、生ぜしめられる引張歪みの量、即ち単
位長さあたりの引張変形量乃至は単位断面積あたりの引
張応力が小さく抑えられるのであり、その結果、支持ゴ
ム弾性体の軸方向中間部分における耐久性も有利に確保
され得て、マウントの耐久性の更なる向上が図られ得る
のである。
【0029】しかも、かかる構成を採用すれば、支持ゴ
ム弾性体の軸方向中間部分における周方向両側壁部の自
由長を相互に異ならせるために設けられた、金属スリー
ブにおける内方突部(凹溝)を利用して、オリフィス通
路が形成されることから、スペースを有効に利用しつ
つ、オリフィス通路が有利に形成され得るのである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施の形態の一具体例につい
て、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0031】先ず、図1〜3には、本発明に従う構造と
された自動車用エンジンマウント10が示されている。
このエンジンマウント10は、軸部材としての内筒金具
12と、その外方に所定距離を隔てて配設された外筒部
材としての外筒金具14が、それら内外筒金具12,1
4間に介装された支持ゴム弾性体16によって弾性的に
連結された構造とされている。そして、内筒金具12が
パワーユニット側に、外筒金具14がボデー側に、それ
ぞれ取り付けられることにより、パワーユニットとボデ
ーの間に介装されて、パワ−ユニットをボデーに対して
防振支持せしめるようになっている。
【0032】より詳細には、内筒金具12は、ストレー
トな円筒形状を有しており、図示はされていないが、内
孔18に挿通されるボルト等により、自動車のパワーユ
ニット側に固定されるようになっている。
【0033】また、内筒金具12の径方向外方には、全
体として大径の薄肉円筒形状を有する金属スリーブ20
が配設されており、この金属スリーブ20が、内筒金具
12の周りを所定距離を隔てて囲むようにして、且つ内
筒金具12に対して径方向に僅かに偏心して位置せしめ
られている。かかる金属スリーブ20には、その周壁部
の軸方向中央部分において、それぞれ半周には至らない
周方向長さで開口する第一の窓部22と第二の窓部24
が、径方向に対向位置して形成されている。なお、第一
の窓部22は、第二の窓部24よりも、僅かに周方向長
さが短く設定されている。換言すれば、金属スリーブ2
0は、互いに軸方向に所定距離を隔てて同一軸上に配設
された円環形状乃至は円筒形状を有する一対のリング状
部26,26が、それらの軸方向対向面間に跨がって延
びる第一及び第二の軸方向連結部28,30によって一
体的に連結されており、リング状部26,26の軸方向
対向面間の開口が、第一及び第二の軸方向連結部28,
30で仕切られることにより、径方向で対向位置する第
一の窓部22と第二の窓部24が形成されているのであ
る。
【0034】更にまた、金属スリーブ20では、第一の
軸方向連結部28が径方向内方に凹陥せしめられてお
り、それによって、金属スリーブ20の外周面上に開口
し、第一の窓部22と第二の窓部24の間に跨がって周
方向に延びる凹溝が形成されている。このことから明ら
かなように、本実施例では、第一の軸方向連結部28に
よって、他方の軸方向連結部(第二の軸方向連結部)3
0よりも径方向内方に突出する内方突部が構成されてい
る。
【0035】そして、かかる金属スリーブ20は、内筒
金具12に外挿されて、内筒金具12に対して、略第一
の窓部22と第二の窓部24が対向位置する径方向にお
いて、第一の窓部22側で離隔し第二の窓部24側で接
近して位置せしめられる状態で、偏心して配設されてい
る。
【0036】また、金属スリーブ20における第二の窓
部24の周方向中間部分には、溝形のストッパ金具32
が両リング状部26,26間に跨がって配設されて、そ
れらリング状部26,26の内周面に固着されている。
そして、このストッパ金具32が、金属スリーブ20の
内周面から内筒金具12側に向かって溝底部が突出する
状態で、換言すれば金属スリーブ20の第二の窓部24
を通じて溝内部が開口する状態で位置せしめられてお
り、該ストッパ金具32の溝底部が内筒金具12に対し
て、径方向に所定距離を隔てて対向せしめられている。
【0037】さらに、内筒金具12と金属スリーブ20
の径方向対向面間には、それら両部材12,20の偏心
方向における離隔距離が大なる側において、支持ゴム弾
性体16が介装されて、内筒金具12および金属スリー
ブ20に対して加硫接着されており、この支持ゴム弾性
体16によって、内筒金具12と金属スリーブ20が弾
性的に連結されている。この支持ゴム弾性体16は、内
筒金具12が金属スリーブ20に対して第二の窓部24
側に偏心位置せしめられていることに加えて、第一の窓
部22が第二の窓部24よりも周方向開口幅が小さくさ
れており、周囲が略扇形の断面形状をもって形成されて
いるが、実質的には、かかる支持ゴム弾性体16は、内
筒金具12と金属スリーブ20の間において、それら両
部材12,20の偏心方向における離隔距離が大なる側
にだけ介装されている。また、支持ゴム弾性体16は、
周方向両側端面が軸方向全長に亘って略平坦面とされ
て、軸方向全長に亘って略一定の外周形状とされてい
る。
【0038】また、支持ゴム弾性体16には、その内部
をくり抜くようにしてポケット部38が形成されてお
り、このポケット部38が、金属スリーブ20の第一の
窓部22を通じて、外周面に開口せしめられている。要
するに、ポケット部38は、周壁部が支持ゴム弾性体1
6によって構成されているのである。また、かかるポケ
ット部38の周壁部のうち、支持ゴム弾性体16の軸方
向中間部分によって構成されてポケット部38の周方向
両側壁部を構成する第一の周方向側壁部40と第二の周
方向側壁部42は、内筒金具12と第一の軸方向連結部
28の径方向対向面間および内筒金具12と第二の軸方
向連結部30の径方向対向面間に、それぞれ介装されて
いる。
【0039】ここにおいて、ポケット部38は、支持ゴ
ム弾性体16内において、その中心位置が支持ゴム弾性
体16の周方向中心点に対して周方向一方の側に偏倚し
て形成されており、それによって、第二の周方向側壁部
42における周方向の肉厚寸法が、第一の周方向側壁部
40よりも小さくされている。換言すれば、内筒金具1
2側の荷重入力点とポケット部38の周方向中心点を通
る方向線が、内筒金具12側の荷重入力点と支持ゴム弾
性体16の周方向中心点を通る方向線に対して、マウン
ト周方向において第二の周方向側壁部42側に所定量だ
けずれて設定されているのである。
【0040】このように、ポケット部38が支持ゴム弾
性体16に対して周方向に偏倚して形成されていること
により、内筒金具12が外筒金具14に対して径方向に
相対変位した際に第一及び第二の周方向側壁部40,4
2がポケット部38の内方に向かって有利に膨出変形せ
しめられて該ポケット部38の容積が最も大きく変化せ
しめられる、内外筒金具12,14の径方向における相
対変位方向が、支持ゴム弾性体16の周方向中心線の方
向からポケット部38の周方向偏倚方向に所定量だけず
らされているのである。また、見方を変えれば、内筒金
具12が外筒金具14に対して径方向に相対変位した際
に、第一の周方向側壁部40と第二の周方向側壁部42
に生ぜしめられる応力(圧縮および剪断応力)が略等し
くなって且つ引張応力の発生が最も小さくなる、内外筒
金具12,14の相対変位方向が、支持ゴム弾性体16
の周方向中心線の方向からポケット部38の周方向偏倚
方向に所定量だけずらされているのである。
【0041】また、金属スリーブ20が、第一の周方向
側壁部40の外周面が接着された第一の軸方向連結部2
8において、第二の周方向側壁部42の外周面が接着さ
れた第二の軸方向連結部30よりも径方向内方に凹陥せ
しめられ、内筒金具12との径方向の対向面間距離が小
さくされていることによって、内筒金具12と第一の軸
方向連結部28の間に介装された第一の周方向側壁部4
0よりも、内筒金具12と第二の軸方向連結部30の間
に介装された第二の周方向側壁部42の方が、径方向の
自由長が大きく設定されている。なお、第一の周方向側
壁部40の外周面上には、金属スリーブ20の第一の軸
方向連結部28によって、周方向に延びる凹溝43が形
成されている。
【0042】さらに、ポケット部38の周壁部のうち、
支持ゴム弾性体16の軸方向両端部分によって構成され
たポケット部38の軸方向側壁部44,44には、それ
ぞれ、周方向の中間部分の外面において、外周部分が軸
方向外方に突出した軸方向凸部46とされると共に、内
周部分が軸方向内方に凹陥した軸方向凹部48とされた
偏肉部50が、ポケット部38の周方向長さと略同一の
周方向長さで形成されている。これらの偏肉部50,5
0は、何れも、その周方向中心が支持ゴム弾性体16の
周方向中心に対して、ポケット部38のずれ方向とは反
対の周方向、換言すれば第一の周方向側壁部40側に近
づく周方向に、僅かにずれて形成されている。
【0043】このように、各軸方向側壁部44に偏肉部
50が形成されていることにより、軸方向側壁部44に
おける径方向の支持ばね剛性の大きさ等が調節されてい
るのであり、特に、偏肉部50が軸方向側壁部44の周
方向に偏倚して形成されていることにより、支持ばね剛
性が有効に発揮される、内外筒金具12,14の径方向
における相対変位方向が、前記第一の周方向側壁部40
と第二の周方向側壁部42に生ぜしめられる両応力(圧
縮および剪断)が略等しくなって且つ引張応力の発生が
最も小さくなる内外筒金具12,14の相対変位方向に
対して、偏肉部50の周方向偏倚方向に所定量だけずら
されているのである。また、見方を変えれば、内筒金具
12が外筒金具14に対して径方向に相対変位した際、
第一及び第二の周方向側壁部40,42において、周方
向両側で生ぜしめられる応力(圧縮および剪断応力)が
略等しくなって且つ引張応力の発生が最も小さくなる、
内外筒金具12,14の相対変位方向と、各軸方向側壁
部44,44において、周方向両側で生ぜしめられる応
力(圧縮および剪断応力)が略等しくなって且つ引張応
力の発生が最も小さくなる、内外筒金具12,14の相
対変位方向とが、互いに、ポケット部38と偏肉部50
のずれ方向で相互にずれて設定されているのである。
【0044】なお、本具体例では、肉厚および自由長が
相互に異ならしめられた第一及び第二の周方向側壁部4
0,42のばね特性が軸方向側壁部44に及ぼされるこ
とも考慮して、軸方向側壁部44における偏肉部50
が、ポケット部38のずれ方向とは反対側に大きくずら
されているが、第一及び第二の周方向側壁部40,42
のばね特性の影響によって、軸方向側壁部44において
実際に有効なばね剛性が発揮される径方向は、軸方向側
壁部44の周方向中心線と略一致せしめられている。
【0045】一方、内筒金具12と金属スリーブ20の
径方向対向面間における、それら両部材12,20の偏
心方向での離隔距離が小なる側には、支持ゴム弾性体1
6が介在せしめられていない部分を周方向略半周に亘っ
て広がるスリット52が、軸方向に貫通して形成されて
いる。即ち、このスリット52が形成されていることに
より、内筒金具12と金属スリーブ20の偏心方向にお
ける離隔距離が小なる側では、支持ゴム弾性体16によ
るそれら両部材12,20の連結が分断されており、実
質的に両部材12,20の支持ゴム弾性体16による連
結が為されていない状態とされているのである。なお、
内筒金具12の外周面上には、スリット52側に突出す
る第一の緩衝ゴム突起54が、支持ゴム弾性体16によ
って一体形成されており、この第一の緩衝ゴム突起54
を介して、内筒金具12がストッパ金具32に当接せし
められることにより、リバウンド方向のストッパ機能が
発揮されるようになっている。
【0046】また、金属スリーブ20において、スリッ
ト52側に位置せしめられた第二の窓部24の形成部分
には、浅底袋形状を有する袋状ゴム弾性体56が配設さ
れており、この袋状ゴム弾性体56が、金属スリーブ2
0に対して、第二の窓部24を内周側から覆蓋するよう
にして加硫接着されていることにより、袋状ゴム弾性体
56の袋部58が、第二の窓部24を通じて、金属スリ
ーブ20の外周面上に開口せしめられている。更に、こ
の袋部58は、その周方向一方の端部において、金属ス
リーブ20の第一の軸方向連結部28によって形成され
た凹溝43により、支持ゴム弾性体16に形成されたポ
ケット部38に接続されている。
【0047】なお、袋部58の中央部分には、ストッパ
金具32の底部中央から第二の窓部24に向かって突出
する当接部60が、袋状ゴム弾性体56に一体形成され
ている。また、袋状ゴム弾性体56は、支持ゴム弾性体
16と一体的に形成されており、例えば、内筒金具12
と金属スリーブ20をセットせしめたゴムの加硫成形型
内にゴム材料を充填し、支持ゴム弾性体16と袋状ゴム
弾性体56を一体加硫成形すること等によって、有利に
形成され得る。
【0048】そして、このような一体加硫成形品に対し
て、外筒金具14が外挿され、八方絞り加工等により金
属スリーブ20の外周面に嵌着固定されて組み付けられ
ている。これにより、ポケット部38と袋部58の開口
が外筒金具14で覆蓋されて、内部に所定の非圧縮性流
体が封入された受圧室62と平衡室64が形成されてい
ると共に、凹溝43が外筒金具14で覆蓋されて、受圧
室62と平衡室64を相互に連通するオリフィス通路6
6が形成されている。なお、外筒金具14の内周面に
は、略全面に亘って、薄肉のシールゴム層68が形成さ
れており、このシールゴム層68が、金属スリーブ20
と外筒金具14の間で挟圧されることにより、封入流体
の流体密性が確保されるようになっている。また、封入
流体としては、水やアルキレングリコール、ポリアルキ
レングリコール、シリコーン油等が好適に採用され得、
特に流体の共振作用に基づく防振効果を有利に得るため
に、0.1Pa・s以下の低粘性流体が有利に採用され
る。
【0049】そこにおいて、受圧室62は、周壁部が支
持ゴム弾性体16で構成されており、内外筒金具12,
14間への振動入力時に、支持ゴム弾性体16の弾性変
形に基づいて内圧変動が惹起されるようになっている。
一方、平衡室64は、袋状ゴム弾性体によって構成され
た底壁部と周壁部の弾性変形に基づいて、容積変化が容
易に許容されるようになっている。これにより、内外筒
金具12,14間に径方向の振動が入力されると、受圧
室62と平衡室64の相対的内圧差に基づいて、それら
両室62,64間でオリフィス通路66を通じての流体
流動が生ぜしめられることとなり、以て、流体の共振作
用等の流動作用に基づく防振効果が発揮されるようにな
っているのである。
【0050】なお、受圧室62には、ストッパブロック
70が収容されており、金属スリーブ20の第一の窓部
22に嵌め込まれて、外周面を外筒金具14によって支
持されることにより、かかるストッパブロック70が、
受圧室62内に突出し、突出先端面が受圧室62の底面
に対して所定距離を隔てて対向位置せしめられた状態
で、固定的に支持されている。そして、このストッパブ
ロック70が、受圧室62の側面に形成された第二の緩
衝ゴム突起72を介して、内筒金具12に当接せしめら
れることにより、バウンド方向のストッパ機能が発揮さ
れるようになっている。
【0051】そして、このような構造とされたエンジン
マウント10は、内筒金具12がパワーユニット側に、
外筒金具14がボデー側に、それぞれ取り付けられて、
パワユーニットとボデーの間に介装されるのであり、そ
のような装着状態下、内筒金具12と外筒金具14の間
には、防振性能が要求される振動荷重と、支持ばね剛性
が要求される支持荷重とが、それぞれ及ぼされることと
なる。なお、本実施例において、振動荷重は、主として
エンジンロール振動であり、支持荷重は、パワーユニッ
ト荷重等の外的荷重の合力としての大きな入力荷重であ
る。
【0052】また、図1に示されている如く、これらの
振動荷重:Qと、支持荷重:Rは、エンジンマウント1
0の内外筒金具12,14間に対し、パワーユニットの
支持構造等に起因して、互いにマウント周方向に所定角
度:θだけずれた径方向に入力されることとなる。
【0053】ここにおいて、かかるエンジンマウント1
0は、第一及び第二の周方向側壁部40,42において
周方向両側で生ぜしめられる応力(圧縮および剪断応
力)が略等しくなって且つ引張応力の発生が最も小さく
なる内外筒金具12,14の相対変位方向と、各軸方向
側壁部44,44において周方向両側で生ぜしめられる
応力(圧縮および剪断応力)が略等しくなって且つ引張
応力の発生が最も小さくなる内外筒金具12,14の相
対変位方向との、周方向のずれ量が、上記振動荷重:Q
の入力方向と支持荷重:Rの入力方向との周方向のずれ
量:θに対応して設定されている。そして、第一及び第
二の周方向側壁部40,42において周方向両側で生ぜ
しめられる応力(圧縮および剪断応力)が略等しくなっ
て且つ引張応力の発生が最も小さくなる内外筒金具1
2,14の相対変位方向が、振動荷重:Qの入力方向に
略一致すると共に、各軸方向側壁部44,44において
周方向両側で生ぜしめられる応力(圧縮および剪断応
力)が略等しくなって且つ引張応力の発生が最も小さく
なる内外筒金具12,14の相対変位方向が、支持荷
重:Rの入力方向に略一致する状態で、パワーユニット
とボデーの間に装着されているのである。
【0054】このような方向性をもって装着されたエン
ジンマウント10においては、振動荷重:Qの入力方向
が、内外筒金具12,14の相対変位によってポケット
部38の容積変化ひいては受圧室62の圧力変動が極め
て有効に生ぜしめられる内外筒金具12,14の相対変
位方向とされていることから、振動荷重:Qの入力時に
オリフィス通路66を通じての流動せしめられる流体量
が充分に確保されて、流体の共振作用等の流動作用に基
づく防振効果が有利に発揮され得るのである。
【0055】また一方、かかるエンジンマウント10に
おいては、支持荷重:Rの入力方向が、支持ゴム弾性体
16(軸方向側壁部44,44)における支持ばね剛性
が極めて有効に発揮される内外筒金具12,14の相対
変位方向とされていることから、支持荷重:Rの入力時
に、目的とする支持ばね剛性が発揮されると共に、引張
応力の発生が軽減乃至は防止されて、優れた耐久性が発
揮されるのである。
【0056】なお、本具体例においては、振動荷重:Q
の入力方向に対して支持荷重:Rの入力方向が、第一の
周方向側壁部40側にずれていることから、支持ゴム弾
性体16の軸方向中間部分においては、支持荷重:Rの
入力時に、第二の周方向側壁部42における、特に金属
スリーブ20への接着で拘束された外周部分に対して引
張変形が発生し易いが、前述の如く、かかる第二の周方
向側壁部42は、第一の周方向側壁部40よりも、径方
向の自由長が大きく設定されていることから、内外筒金
具12,14の相対的変位量に対する歪量が小さく抑え
られるのであり、それ故、仮に、第二の周方向側壁部4
2に引張変形が発生した場合でも、歪量ひいては引張応
力が抑えられて、優れた耐久性が発揮されるのである。
【0057】また、本具体例では、第一の周方向側壁部
40と第二の周方向側壁部42の交角(中心角):α
が、180度より小さく設定されて、支持ゴム弾性体1
6が扇形の軸直角方向断面形状とされていることによ
り、振動荷重:Qの入力方向を支持金具:Rの入力方向
に対して周方向にずらせてエンジンマウント10を傾斜
配置せしめた場合でも、第二の周方向側壁部42におけ
る引張変形の発生が一層有利に抑えられるのである。
【0058】加えて、本具体例では、バウンドおよびリ
バウンドの両方向のストッパ機構が設けられて、内外筒
金具12,14の過大な相対的変位ひいては支持ゴム弾
性体16の過大な弾性変形が防止されていることから、
それによっても、支持ゴム弾性体16における引張変形
の発生が低減されて、耐久性の向上が図られている。
【0059】また、本具体例では、軸方向側壁部44,
44だけでなく、支持ゴム弾性体16の軸方向中間部分
においても、パワーユニット支持荷重の分担が大きくな
る第一の周方向側壁部40における径方向の有効自由長
が、金属スリーブ20に設けられた径方向内方への凹陥
部分によって、小さくされていることから、この第一の
周方向側壁部40によって有効な支持ばね剛性が発揮さ
れるのである。
【0060】しかも、本具体例のエンジンマウント10
においては、第一の周方向側壁部40における径方向の
有効自由長を短くするために金属スリーブ20に設けら
れた径方向内方への凹陥部分を利用して、第一の周方向
側壁部40の外周面と外筒金具14の間にオリフィス通
路66の形成スペースが有利に確保され得るのであり、
オリフィス通路66が有効なスペース効率と簡単な構造
で形成され得るといった利点もある。
【0061】以上、本発明の一具体例について詳述して
きたが、これは文字通りの例示であって、本発明は、か
かる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0062】例えば、マウントを傾斜配置するに際し
て、支持ゴム弾性体16は、支持荷重の入力時に内筒金
具12が外筒金具14に対して接近方向に変位せしめら
れる側に配設されるものであり、マウントの傾斜配置方
向は、支持荷重の入力方向に応じて適宜に決定されるこ
ととなる。具体的には、前記具体例のエンジンマウント
10では、その装着状態下、内筒金具12の略下方に支
持ゴム弾性体16が位置せしめられていたが、内筒金具
12をボデー側に外筒金具14をパワーユニット側にそ
れぞれ取り付ける場合には、逆に、内筒金具12の上方
に支持ゴム弾性体16が位置せしめられる状態で、装着
されることとなる。
【0063】また、平衡室は、容積変化が容易に許容さ
れるものであれば良く、その構造は何等限定されるもの
でない。
【0064】更にまた、オリフィス通路66の形状や構
造は、マウントに要求される防振特性等に応じて適宜に
設定されるものであり、何等限定されるものでない。
【0065】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに適用したものの一具体例を示した
が、本発明は、その他、各種の流体封入式筒形マウント
に適用され得るものであることは、勿論であり、特に、
支持荷重が振動入力方向に対してずれた方向に入力され
るマウントに対して、有利に適用されることとなる。
【0066】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、請求項
1乃至5に記載の発明に従う構造とされた流体封入式筒
形マウントにあっては、何れも、支持ゴム弾性体の軸方
向中間部分と軸方向両側部分とにおいて、マウント軸直
角方向の弾性変形特性が互いに相違して設定されるので
あり、それら軸方向中間部分と軸方向両側部分の各弾性
変形特性を利用することによって、マウント装着時にお
ける振動荷重入力方向と支持荷重入力方向とが異なる場
合にも、流体の流動作用に基づく有効な防振効果と、良
好な荷重支持特性を、両立して高度に達成することが可
能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一具体例としての自動車
用エンジンマウントを示す横断面図であって、図2にお
けるI−I断面に相当する。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図2における右側面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 内筒金具 14 外筒金具 16 支持ゴム弾性体 38 ポケット部 40 第一の周方向側壁部 42 第二の周方向側壁部 44 軸方向側壁部 50 偏肉部 52 スリット 62 受圧室 64 平衡室 66 オリフィス通路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸部材と該軸部材の外方に離隔配置され
    た外筒部材の間において、該軸部材を軸直角方向に挟ん
    で位置する一方の側に支持ゴム弾性体を介装し、他方の
    側に軸方向に貫通して周方向に広がるスリットを設ける
    ことにより、それら軸部材と外筒部材を該支持ゴム弾性
    体により実質的に前記一方の側でだけ連結せしめる一
    方、前記軸部材と前記外筒部材の間に、軸方向および周
    方向の各両側壁部が前記支持ゴム弾性体により構成され
    て非圧縮性流体が封入された、振動が入力される受圧室
    を形成すると共に、前記軸部材と前記外筒部材の間にお
    ける前記スリットの形成部側に、非圧縮性流体が封入さ
    れて容積変化が許容される平衡室を形成し、更にそれら
    受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設け
    てなり、前記軸部材と前記外筒部材が防振連結される被
    連結体の各一方に取り付けられる流体封入式筒形マウン
    トにおいて、 前記支持ゴム弾性体におけるマウント軸直角方向の弾性
    変形特性を、前記受圧室の周方向両側壁部を構成する軸
    方向中間部分と、該受圧室の軸方向両側壁部を構成する
    軸方向両側部分とで、相互に異ならせて、該支持ゴム弾
    性体の軸方向中間部分において前記受圧室に圧力変化を
    及ぼし易い荷重入力方向と、該支持ゴム弾性体の軸方向
    両側部分において引張変形が生ぜしめられ難い荷重入力
    方向とを、互いに周方向にずらせて設定したことを特徴
    とする流体封入式筒形マウント。
  2. 【請求項2】 前記支持ゴム弾性体の軸方向中間部分に
    おける前記受圧室に圧力変化を及ぼし易い荷重入力方向
    に、防振すべき振動荷重が入力される一方、前記支持ゴ
    ム弾性体の軸方向両側部分における引張変形が生ぜしめ
    られ難い荷重入力方向に、前記被連結体間に作用する支
    持荷重が入力される請求項1に記載の流体封入式筒形マ
    ウント。
  3. 【請求項3】 軸部材と該軸部材の外方に離隔配置され
    た外筒部材の間において、該軸部材を軸直角方向に挟ん
    で位置する一方の側に支持ゴム弾性体を介装し、他方の
    側に軸方向に貫通して周方向に広がるスリットを設ける
    ことにより、それら軸部材と外筒部材を該支持ゴム弾性
    体により実質的に前記一方の側でだけ連結せしめる一
    方、前記軸部材と前記外筒部材の間に、軸方向および周
    方向の各両側壁部が前記支持ゴム弾性体により構成され
    て非圧縮性流体が封入された、振動が入力される受圧室
    を形成すると共に、前記軸部材と前記外筒部材の間にお
    ける前記スリットの形成部側に、非圧縮性流体が封入さ
    れて容積変化が許容される平衡室を形成し、更にそれら
    受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設け
    てなり、前記軸部材と前記外筒部材が防振連結される被
    連結体の各一方に取り付けられる流体封入式筒形マウン
    トにおいて、 前記支持ゴム弾性体の前記受圧室の周方向両側壁部を構
    成する軸方向中間部分における、荷重入力時に周方向両
    側の圧縮及び剪断応力が略等しくなる軸直角方向の荷重
    入力方向と、前記支持ゴム弾性体の該受圧室の軸方向両
    側壁部を構成する軸方向両側部分における、荷重入力時
    に周方向両側の圧縮及び剪断応力が略等しくなる軸直角
    方向の荷重入力方向とを、互いに異ならせることによっ
    て、かかる支持ゴム弾性体におけるマウント軸直角方向
    の弾性変形特性を、それら軸方向中間部分と軸方向両側
    部分とで相互に異ならせたことを特徴とする流体封入式
    筒形マウント。
  4. 【請求項4】 軸部材と該軸部材の外方に離隔配置され
    た外筒部材の間において、該軸部材を軸直角方向に挟ん
    で位置する一方の側に支持ゴム弾性体を介装し、他方の
    側に軸方向に貫通して周方向に広がるスリットを設ける
    ことにより、それら軸部材と外筒部材を該支持ゴム弾性
    体により実質的に前記一方の側でだけ連結せしめる一
    方、前記軸部材と前記外筒部材の間に、軸方向および周
    方向の各両側壁部が前記支持ゴム弾性体により構成され
    て非圧縮性流体が封入された、振動が入力される受圧室
    を形成すると共に、前記軸部材と前記外筒部材の間にお
    ける前記スリットの形成部側に、非圧縮性流体が封入さ
    れて容積変化が許容される平衡室を形成し、更にそれら
    受圧室と平衡室を相互に連通するオリフィス通路を設け
    てなり、前記軸部材と前記外筒部材が防振連結される被
    連結体の各一方に取り付けられる流体封入式筒形マウン
    トにおいて、 前記スリットをマウント軸方向全長に亘って略一定断面
    形状とする一方、前記支持ゴム弾性体における軸方向両
    端面の周方向中間部分において凹陥又は突出する偏肉部
    を形成し、該偏肉部の周方向中心を、前記受圧室の周方
    向中心に対して周方向に相互にずらせることにより、か
    かる支持ゴム弾性体におけるマウント軸直角方向の弾性
    変形特性を、該受圧室の周方向両側壁部を構成する軸方
    向中間部分と、該受圧室の軸方向両側壁部を構成する軸
    方向両側部分とで、互いに異ならせたことを特徴とする
    流体封入式筒形マウント。
  5. 【請求項5】 前記偏肉部の周方向中心に対する前記受
    圧室の周方向中心の周方向におけるずれ量が、前記軸部
    材と前記外筒部材の間にそれぞれ及ぼされる、防振すべ
    き振動荷重の入力方向に対する前記被連結体間に作用す
    る支持荷重の入力方向のずれ量に応じて設定されている
    請求項4に記載の流体封入式筒形マウント。
JP23512396A 1996-09-05 1996-09-05 流体封入式筒形マウント Pending JPH1078076A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23512396A JPH1078076A (ja) 1996-09-05 1996-09-05 流体封入式筒形マウント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23512396A JPH1078076A (ja) 1996-09-05 1996-09-05 流体封入式筒形マウント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1078076A true JPH1078076A (ja) 1998-03-24

Family

ID=16981400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23512396A Pending JPH1078076A (ja) 1996-09-05 1996-09-05 流体封入式筒形マウント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1078076A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006349068A (ja) * 2005-06-16 2006-12-28 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入ブッシュ及びこれを用いた防振リンク装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006349068A (ja) * 2005-06-16 2006-12-28 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入ブッシュ及びこれを用いた防振リンク装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3477920B2 (ja) 流体封入式防振支持体
JP3580279B2 (ja) 流体封入式筒型防振装置
JPH08177945A (ja) 流体封入式筒型防振装置
JP2002327788A (ja) 流体封入式防振装置
JPH11148531A (ja) 流体封入式筒形マウント
JPH0555739B2 (ja)
JP3427593B2 (ja) 流体封入式筒型マウント
JPH1078076A (ja) 流体封入式筒形マウント
JP3601196B2 (ja) 傾斜配置型の流体封入式筒形マウント
JP3736155B2 (ja) 流体封入式筒型防振装置およびその製造方法
JPH1182607A (ja) 流体封入式筒型マウント
JP6431738B2 (ja) 流体封入式筒型防振装置
JP3518451B2 (ja) 流体封入式筒型マウント
JP2678705B2 (ja) 流体封入式筒型マウント
JP3627397B2 (ja) 流体封入式筒形マウント
JPH0625731Y2 (ja) 流体封入式防振ブッシュ
JPH0324914Y2 (ja)
JPH0349316Y2 (ja)
JPH0454099B2 (ja)
JPH0643556Y2 (ja) 流体封入式円筒型マウント
JP2750850B2 (ja) 流体封入式防振ブッシュ
JP2827846B2 (ja) 流体封入式ブッシュ
JPH0643557Y2 (ja) 流体封入式筒型マウント
JP2002021913A (ja) 流体封入式筒型マウント装置
JPH11210812A (ja) 流体封入式筒型マウント装置およびその製造方法