JPH1078492A - 原子炉の制御棒駆動機構とその制御装置及び運転方法 - Google Patents

原子炉の制御棒駆動機構とその制御装置及び運転方法

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JPH1078492A
JPH1078492A JP8233922A JP23392296A JPH1078492A JP H1078492 A JPH1078492 A JP H1078492A JP 8233922 A JP8233922 A JP 8233922A JP 23392296 A JP23392296 A JP 23392296A JP H1078492 A JPH1078492 A JP H1078492A
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JP
Japan
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control rod
drive mechanism
induction motor
nuclear reactor
drive shaft
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JP8233922A
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English (en)
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Masahiko Ariyoshi
昌彦 有吉
Fujio Matsumoto
富士男 松本
Koji Matsumoto
浩二 松本
Kunihiko Kinugasa
邦彦 衣笠
Yoshihiko Nara
義彦 奈良
Kiyomaro Otama
清麿 大玉
Takao Mikami
隆夫 三上
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原子炉における制御棒操作をシリンダー型リニ
アモータにより駆動軸を電気導体として直接的に直線駆
動させると共に駆動軸の任意な移動速度と停止保持が容
易な原子炉の制御棒駆動機構とその制御装置及び運転方
法を提供する。 【解決手段】請求項1記載の発明に係る原子炉の制御棒
駆動機構は、原子炉容器1内に設置された炉心2内に制
御棒4の挿入又は引抜きを行って炉心制御を行う制御棒
駆動機構28において、前記制御棒4を連結して上下移動
させる駆動軸32を電気導体として電磁力で駆動するリニ
アインダクションモータ30と、前記制御棒4の位置を検
出する位置検出器37と、前記駆動軸32を脱着自在に保持
する電磁石35と、前記電磁石35を介して駆動軸32をワイ
ヤ34で吊下げるワイヤ保持機構33とからなることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速増殖炉型原子
炉及び軽水型原子炉において炉制御を行うための原子炉
の制御棒駆動機構とその制御装置及び運転方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高速増殖炉型原子炉(Fast Breeder Rea
ctor, 以下、FBRと略称する)及び軽水型原子炉(Li
ght Water Reactor )においては、制御棒を炉心から引
き抜くか、又は炉心へ挿入することにより、原子炉の反
応度を調整して出力制御を行っている。この制御棒の引
抜き及び挿入は、制御棒に連結している駆動軸を上部に
設けた制御棒駆動機構により、上下移動させることによ
り行われているが、以下、FBRを例にして説明する。
【0003】図8の概略縦断面図に示すように、FBR
の原子炉容器1の内部には循環流通する冷却材2中に炉
心3が収納されていて、この炉心3の内部には複数の制
御棒4が挿抜自在に配置されている。この各制御棒4の
引抜き又は挿入操作を行うそれぞれの制御棒駆動機構5
は、原子炉容器1の上部を封止する原子炉容器蓋である
遮蔽プラグ6、あるいは回転プラグ7の上に設置した制
御棒駆動機構ハウジング8の内部と、その下部で原子炉
容器1内の炉心上部構造9の中に収容されている。
【0004】さらに、制御棒駆動機構5の下部は長尺の
駆動軸10を介して制御棒4と連結されている。また、前
記炉心上部構造9は冷却材2中に浸漬されているが、そ
の上部は遮蔽プラグ6との間に封入されたカバーガス11
中に位置している。
【0005】従来の制御棒駆動機構5の単体は図9の縦
断面図に示すように、駆動軸10の下端は燃料交換時等に
グリッパ爪開閉ロッド12により着脱されるグリッパ爪13
を介して前記制御棒4と連結されている。また、駆動軸
10の上部はボールねじ14とボールナット15を介して設け
られた電磁コイル16と、この電磁コイル16により駆動さ
れる駆動軸ラッチ機構17に係合されており、さらに、前
記ボールねじ14はモータ18の回転軸と連結している。
【0006】従って、モータ18を運転して回転軸を正逆
回転させることにより、ボールねじ14が正逆回転して、
ボールナット15は駆動軸10を上下に移動させて、制御棒
4の引抜き又は挿入の操作が行われる。
【0007】なお、前記モータ18とボールねじ14、ボー
ルナット15及び電磁コイル16と駆動軸ラッチ機構17は、
制御棒駆動機構ハウジング8の内部に設けられている
が、前記グリッパ爪開閉ロッド12とグリッパ爪13、及び
急速挿入機構であるスプリング19とダッシュラム20は上
部案内管21内に位置して、下部案内管22内の制御棒4と
共に冷却材2中に浸漬している。
【0008】また、上部案内管21の内部には、上記制御
棒駆動機構ハウジング8と気密に仕切るベローズ23,24
が設けられており、回転プラグ7とは遮蔽体25と遮蔽体
シール機構26、及びハウジングシール機構27により、原
子炉容器1の内部と外部を気密に遮断している。
【0009】なお、原子炉スクラム時には制御棒4を急
速に炉心3内に挿入する必要があることから、前記電磁
コイル16により駆動軸ラッチ機構17を駆動して、駆動軸
10を切離すと共に急速挿入機構におけるスプリング19の
力、あるいは図示しないガス圧力で制御棒4を炉心3に
迅速に全挿入する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の制御棒駆動機構
5においては、モー夕18の回転により制御棒4を駆動軸
10を介して上下移動させる駆動機構として、軽快な作動
を行わせるためにボールネジ14とボールナット15が採用
されているが、その構造が複雑であり製作に高精度の加
工技術が要求されることから高価であった。
【0011】また、運転操作に際して特定位置での上下
移動が多用されると、当該部分における磨耗が他の部分
より多くなることが考えられることから、原子炉スクラ
ム時等の全挿入時と併せて、常に円滑な作動状態を確保
して信頼性を維持するには、保守及び点検を頻繁に行う
必要があり定期検査期間の長期化と作業員の負担となっ
ていた。
【0012】さらに、ボールネジ14及びボールナット15
はその構造上から、モータ18を駆動して前記駆動軸10を
急速に移動させることが難かしく、従って、原子炉スク
ラムに際して迅速な制御棒4の全挿入を行うためには、
別途スプリング19の弾力、あるいはガス圧力による構造
が複雑な急速挿入機構を必要としていた。
【0013】本発明の目的とするところは、原子炉にお
ける制御棒操作をシリンダー型リニアモータにより駆動
軸を電気導体として直接的に直線駆動させると共に、駆
動軸の広範囲で任意な移動速度と停止保持が容易な原子
炉の制御棒駆動機構とその制御装置及び運転方法を提供
することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明に係る原子炉の制御棒駆動機構は、
原子炉容器内に設置された炉心内に制御棒の挿入又は引
抜きを行って炉心制御を行う制御棒駆動機構において、
制御棒を連結して上下移動させる駆動軸を電気導体とし
て電磁力で駆動するリニアインダクションモータと、前
記制御棒の位置を検出する制御棒位置検出装置と、前記
駆動軸を脱着自在に保持する電磁石と、前記電磁石を介
して駆動軸をワイヤで吊下げるワイヤ保持機構とからな
ることを特徴とする。
【0015】制御棒を連結した駆動軸をリニアインダク
ションモータの二次側に相当する電気導体としているの
で、リニアインダクションモータの電磁力により駆動軸
は直線的に直接駆動されて、上下移動と共に停止保持が
行なわれる。
【0016】また、制御棒の位置は駆動軸を介して制御
棒位置検出装置により検出されると共に、前記駆動軸は
スクラム挿入の際に釈放する電磁石を介してワイヤ保持
機構と連結されている。このワイヤ保持機構は、制御棒
を連結した駆動軸の上下移動中はその移動を妨げない
が、駆動軸の停止に伴い停止位置で保持をする。
【0017】請求項2記載の発明に係る原子炉の制御棒
駆動機構は、リニアインダクションモータを原子炉容器
外で原子炉容器蓋等に設置した制御棒駆動機構ハウジン
グ内に設けたことを特徴とする。原子炉容器外で原子炉
容器蓋等に制御棒駆動機構ハウジングを設置し、この内
部にリニアインダクションモータを設けて、このリニア
インダクションモータにより原子炉容器内の制御棒を駆
動軸を介して上下移動させる。
【0018】請求項3記載の発明に係る原子炉の制御棒
駆動機構は、原子炉のスクラム時の制御棒急速挿入用と
してリニアインダクションモータ駆動と共に、スプリン
グ力あるいはガス圧力による急速挿入機構を備えたこと
を特徴とする。原子炉を緊急に停止する原子炉スクラム
に際して、制御棒を炉心内に急速全挿入するスクラム挿
入操作を、リニアインダクションモータ駆動と急速挿入
機構を併用するか、いずれかをバックアップとして使用
する。
【0019】請求項4記載の発明に係る原子炉の制御棒
駆動機構は、リニアインダクションモータの固定子を複
数に分割して配置したことを特徴とする。リニアインダ
クションモータの電気導体である駆動軸で、軸方向の複
数箇所に分散して電磁力が加わるので、駆動軸の曲りと
鉄心等への接触を防止する。
【0020】請求項5記載の発明に係る原子炉の制御棒
駆動機構は、リニアインダクションモータを複数台設置
したことを特徴とする。駆動軸の軸方向で複数箇所に分
散して電磁力が加わるので、駆動軸の曲りと鉄心等への
接触を防止すると共に、運転台数を選択することにより
制御棒の操作条件に合わせた速度制御等ができる。
【0021】請求項6記載の発明に係る原子炉の制御棒
駆動機構は、駆動軸をワイヤで吊下げるワイヤ保持機構
を荷重軽減機構のスプリングバランサーを介して保持し
たことを特徴とする。制御棒と駆動軸及び電磁石等の移
動部分の荷重をスプリングバランサーにて平衡させるこ
とにより見掛け荷重が軽減することから、制御棒操作に
際して応答性が向上し、リニアインダクションモータの
出力容量と所用電力が削減できる。
【0022】請求項7記載の発明に係る原子炉の制御棒
駆動機構は、リニアインダクションモータ等の制御棒駆
動機構を原子炉容器内に配置したことを特徴とする。リ
ニアインダクションモータ等の制御棒駆動機構を原子炉
容器内に配置したことにより、原子炉容器蓋上部に機器
類が突出せず、原子炉容器内外の密閉機構が簡易で信頼
性が高く、部品数が削減することから保守点検も容易に
なる。
【0023】請求項8記載の発明に係る原子炉の制御棒
駆動機構は、リニアインダクションモータの固定子を非
磁性耐蝕金属により密封したキャンド型としたことを特
徴とする。制御棒駆動機構の原子炉容器内配置に伴い、
リニアインダクションモータの固定子が冷却材に触れた
り浸漬されることから、固定子を非磁性耐蝕金属で密封
したキャンド型とすることで、冷却材による腐食防止と
共に保守点検時の汚染洗浄が容易になる。
【0024】請求項9記載の発明に係る制御棒駆動機構
の制御装置は、原子炉における制御棒操作に係る各種指
令信号と制御棒位置信号からワイヤ保持機構操作信号と
電磁石操作信号及び制御棒操作信号を出力する制御棒位
置制御装置と速度制御装置及びインバータとからなる制
御装置により、前記リニアインダクションモータを駆動
して制御棒を連結した駆動軸の移動速度を任意に設定し
て停止時には緩やかに停止させると共に、リニアインダ
クションモータとワイヤ保持機構による駆動軸保持の分
担制御と制御棒位置検出装置による制御棒の位置決め制
御及び電磁石の励磁と釈放制御を行うことを特徴とす
る。
【0025】制御棒駆動機構の制御装置は、各種指令信
号と制御棒位置信号からリニアインダクションモータに
対する駆動電力を制御棒の操作条件に対応して可変する
ことにより、制御棒の上下方向の決定と移動、及び移動
速度と移動距離、さらに停止後の連続した停止位置保持
を行う。なお、前記制御棒の操作条件により、リニアイ
ンダクションモータへの駆動電力の接断制御と、ワイヤ
保持機構における巻取りと繰出し及び引き止め制御と、
電磁石の励磁と釈放の制御を行う。
【0026】請求項10記載の発明に係る制御棒駆動機構
の運転方法は、リニアインダクションモータの駆動速度
を所定の制御棒挿人又は引抜き速度からスクラム挿入速
度まで可変とすることを特徴とする。制御棒駆動機構の
制御装置から出力されるリニアインダクションモータに
供給する駆動電力を制御することにより、制御棒を連結
した駆動軸に加わる駆動力を可変することにより、制御
棒の移動速度を所定の挿人又は引抜き速度からスクラム
挿入速度までの広範囲に変化させる。
【0027】請求項11記載の発明に係る制御棒駆動機構
の運転方法は、リニアインダクションモータにより制御
棒の停止時に駆動軸を連続して保持することを特徴とす
る。制御棒駆動機構の制御装置から出力されるリニアイ
ンダクションモータに供給する駆動電力を制御すること
により、駆動軸における駆動力で制御棒を停止位置にて
連続的に保持する。
【0028】請求項12記載の発明に係る制御棒駆動機構
の運転方法は、原子炉プラントに生じた過渡現象の検知
信号に対応してリニアインダクションモータにより制御
棒を連結した駆動軸を急速駆動して制御棒の炉心への急
速挿入又は引抜きにより原子炉の出力制御を行うことを
特徴とする。
【0029】制御棒駆動機構の制御装置から出力される
リニアインダクションモータに供給する駆動電力を制御
することにより、原子炉プラントに生じた過渡現象に対
処して、制御棒の急速挿入又は急速引抜き操作により応
答性良く原子炉の出力制御をして、過渡現象を収束させ
る。
【0030】請求項13記載の発明に係る制御棒駆動機構
の運転方法は、原子炉のスクラム時にリニアインダクシ
ョンモータにより制御棒を急速挿入することを特徴とす
る。原子炉のスクラム時に制御棒駆動機構の制御装置か
ら出力されるリニアインダクションモータに供給する駆
動電力を制御することで、リニアインダクションモータ
の駆動力により制御棒が急速挿入されるので原子炉は緊
急停止する。また、この際に制御棒を連結している駆動
棒と結合している電磁石の釈放も行う。
【0031】請求項14記載の発明に係る制御棒駆動機構
の制御装置は、インバータの電源側にバッテリーと無停
電インバータによる無停電電源装置、又はフライホィー
ルとインダクションモータ及び無停電インバータによる
無停電電源装置を接続したことを特徴とする。
【0032】制御棒を操作する制御棒駆動機構の制御装
置に供給される外部電源系統が、停電あるいは瞬時電圧
降下しても、バッテリー又はフライホィールとインダク
ションモータを電源として、無停電インバータにより無
停電で制御棒駆動機構の制御装置に電力が供給される。
これにより、制御棒駆動機構による制御棒操作は、外部
電源系統における不具合の影響を受けずに行なわれる。
【0033】請求項15記載の発明に係る制御棒駆動機構
とその制御装置及び運転方法を、高速増殖炉型原子炉に
適用することを特徴とする。高速増殖炉型原子炉におけ
る制御棒の上下移動と停止位置の保持操作を、リニアイ
ンダクションモータを採用した制御棒駆動機構と、その
制御装置及び運転方法により行う。
【0034】請求項16記載の発明に係る制御棒駆動機構
とその制御装置及び運転方法を、軽水型原子炉に適用す
ることを特徴とする。軽水型原子炉における制御棒の上
下移動と停止位置の保持操作を、リニアインダクション
モータを採用した制御棒駆動機構と、その制御装置及び
運転方法により行う。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明における一実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。なお、上記した従来技術
と同様にFBRを例として、その構成部分が同様のもの
については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
第1実施の形態は請求項1乃至請求項5と請求項15に係
り、図1の縦断面図に単体を示すように複数の制御棒駆
動機構28は、それぞれFBRの原子炉容器1の上部を封
止する原子炉容器蓋である遮蔽プラグあるいは回転プラ
グ7上に制御棒駆動機構ハウジング29を設置している
(請求項15)。
【0036】この制御棒駆動機構ハウジング29内には、
シリンダ型のリニアインダクションモータ30の一次側に
相当する固定子31を設置すると共に、この固定子31の中
心に二次側に相当する電気導体の駆動軸32を上下移動自
在に挿通している(請求項2)。前記駆動軸32の上端
は、前記制御棒駆動機構ハウジング29に設置したワイヤ
保持機構33から繰出しと巻取り、及び引止めを行うワイ
ヤ34に吊られた電磁石35により脱着自在に保持されてい
る。
【0037】前記電磁石35と結合される駆動軸32の上端
部には、反射板36を取付けると共に、この反射板36と対
応した位置検出器37を制御棒駆動機構ハウジング29内に
設置して、制御棒位置検出装置を形成している。また、
前記駆動軸32の下端には、グリッパ爪開閉ロッド12によ
り着脱されるグリッパ爪13を介して制御棒4が連結され
ている。
【0038】なお、前記ワイヤ保持機構33と電磁石35、
及び位置検出器37とリニアインダクションモータ30の固
定子31は、原子炉容器1外部の制御棒駆動機構ハウジン
グ29の内部に設けられている(請求項3)。しかし、前
記グリッパ爪開閉ロッド12とグリッパ爪13、及び急速挿
入機構であるスプリング19とダッシュラム20は上部案内
管21内に位置して、下部案内管22内の制御棒4と共に原
子炉容器1内で冷却材2中に浸漬されている。
【0039】また、上部案内管21の内部には、上記制御
棒駆動機構ハウジング8と気密に仕切るベローズ23,24
が設けられており、かつ、回転プラグ7とは遮蔽体25と
遮蔽体シール機構26、及びハウジングシール機構27によ
り、原子炉容器1の内部と外部を気密に遮断している。
従って、リニアインダクションモータ30において駆動軸
32を上下移動させることにより、制御棒4は炉心3に対
する挿入又は引抜き操作が行われるように構成されてい
る(請求項1)。
【0040】前記リニアインダクションモータ30につい
ては、図2(a)の固定子の平面図と、図2(b)の図
2(a)におけるA−A線に沿った縦断面図、また図2
(c)の駆動軸の一部正面図と、図2(d)の図2
(c)におけるB−B線に沿った横断面図に示す。
【0041】図2(a),(b)に示すように、リニア
インダクションモータ30の一次側に相当する固定子31
は、放射状に配置した鉄心38の内側に溝が設けられてい
て、この溝にコイル39を巻回装着して構成されている。
また、リニアインダクションモータ30の二次導体に相当
するものが、制御棒4を支持する駆動軸32であり、図2
(c),(d)に示すように長尺の磁性ステンレス鋼管
40の外周に電気伝導管41を被覆した構成としている。
【0042】なお、この駆動軸32の外径寸法42は、前記
鉄心38の内径寸法43より細く形成して(外径42<内径4
3)、固定子31内を貫通して挿通した駆動軸32が、鉄心3
8と非接触で円滑に上下移動が可能に構成している。ま
た、前記リニアインダクションモータ30の変形例とし
て、図示しないが固定子31を複数に分割して、駆動軸32
の軸方向に離隔して配置した構成とする(請求項4)。
【0043】上記構成によれば、固定子31が単体の場合
では、長尺の駆動軸32において局部的として加わる電磁
吸引力や、発生する駆動力の機械的支持点を軸方向に分
散させることができる。これにより、駆動軸32において
電磁吸引力による曲り、あるいは機械的振動に起因する
鉄心38との接触を防止することができる。
【0044】さらに他の変形例として、図示しないリニ
アインダクションモータ30を複数台設置して構成する
(請求項5)。これにより、上記変形例と同様に駆動軸
32における電磁吸引力による曲り、あるいは機械的振動
に起因した鉄心38との接触を防止することができると共
に、複数台のリニアインダクションモータの運転台数
を、必要に応じて適宜選択することにより駆動軸32の駆
動力制御が容易となる。
【0045】従って、制御棒4の急速移動や広範囲な速
度制御、停止時の制動あるいは停止位置における連続的
な保持等が容易にできて、単一機に比べて各リニアイン
ダクションモータを専用化することで、設計の自由度が
増すと共に各リニアインダクションモータの負担が軽減
できる。
【0046】次に、上記構成による作用について説明す
る。制御棒駆動機構28においては、駆動軸32の下端でグ
リッパ爪13により制御棒4を連結している。また、駆動
軸32の上端は電磁石35により結合され、ワイヤ34を介し
てワイヤ保持機構33により制御棒駆動機構ハウジング29
内に吊下げられている。さらに、前記駆動軸32とこれを
挿通した固定子31とで、制御棒4の挿入又は引抜きと停
止位置保持等を行うリニアインダクションモータ30を構
成している。
【0047】このリニアインダクションモータ30におい
ては、一次側に相当する固定子31のコイル39に所定の電
圧と周波数及び位相の電流を、連続的あるいは間欠的に
流すことにより磁気吸引力が生じる。これにより、二次
導体に相当する駆動軸32に電流が誘導され、移動方向で
ある軸方向に対する駆動力が発生する。
【0048】従って、固定子31のコイル39に流す電流を
制御することにより、駆動軸32を所定の方向と距離に任
意の速度で直線移動させると共に、設定位置での停止と
停止位置において、駆動軸32及び制御棒4の自重等を荷
重として連続的に保持することができる。また、ワイヤ
保持機構33は、前記制御棒4の移動に伴う駆動軸32の上
下移動に、ワイヤ34を追従して巻取り又は繰出しを行な
い、停止時には引止めを行うことにより駆動軸32及び制
御棒4等を保持することができる。
【0049】第2実施の形態は請求項6に係り、図3の
縦断面図に単体を示すように、制御棒駆動機構44は、制
御棒駆動機構ハウジング29内において制御棒駆動機構ハ
ウジング29とワイヤ保持機構33との間に荷重軽減機構と
して、たとえばスプリングバランサー45を設けた構成と
している。なお、その他は上記第1実施の形態と同様で
あるので、以下、異なる構成部分における作用について
のみ説明する。
【0050】荷重軽減機構であるスプリングバランサー
45は、予め保持する荷重値を設定することにより、内蔵
するスプリング力により前記保持する荷重と平衡をと
り、見掛けの保持荷重を零に近く維持する機能を備えて
いる。従って、前記ワイヤ保持機構33と電磁石35、及び
駆動軸32と制御棒4等のスプリングバランサー45に加わ
る、制御棒4の移動に伴う自重を全荷重とすると、予め
スプリングバランサー45において、前記全荷重とほぼ同
一荷重値を所定の保持荷重として設定する。
【0051】これにより、見掛け上で前記全荷重をほぼ
零に近くすることが可能となるので、リニアインダクシ
ョンモータ30が負担する制御棒4の停止状態の保持力、
及び挿入又は引抜き操作に際して上下移動のためには、
始動と制動時に加わる慣性力と機械的摩擦における荷重
の極めて小さな駆動力で済む。これにより、当該リニア
インダクションモータ30は、その出力容量及び所要電力
と共に小形化することができる。
【0052】第3実施の形態は請求項7と請求項8に係
り、図4の縦断面図に単体を示すように制御棒駆動機構
46は図示しない原子炉容器1内に配置すると共に、上部
案内管21内にスプリングバランサー45とワイヤ保持機構
33、位置検出器37と電磁石35、及び駆動軸32とリニアイ
ンダクションモータ30、さらに、急速挿入機構のスプリ
ング19とダッシュラム20を設けている。
【0053】また、下部案内管22内には制御棒4が収納
されて、前記上部案内管21と共に冷却材2中に浸漬され
ている。なお、上部案内管21の上部は回転プラグ7との
間に封入されたカバーガス11中に位置している(請求項
7)。
【0054】なお、前記リニアインダクションモータ30
については、冷却材2のナトリウム金属に触れることか
ら、鉄心38とコイル39からなる固定子31の非磁性耐蝕性
金属のキャン47で密封してキャンド型に構成している
(請求項8)。なお、その他は上記第1実施の形態と同
様であるので、異なる構成部分における作用についての
み説明する。
【0055】制御棒駆動機構46は全体が原子炉容器1内
に設けられていることから、原子炉上部の原子炉容器蓋
の上に設置される機器が削減されると共に、原子炉容器
蓋である回転プラグ7において、遮蔽体25と遮蔽体シー
ル機構26により外部と気密に遮断されている。
【0056】従って、ハウジングシール機構27や上部案
内管21内を気密に仕切るベローズ23,24を設ける必要が
ないので、原子炉容器1における内部と外部との気密遮
断が簡易化されると共に、シール機構等の部品点数が少
ないことから、信頼性と保守点検性、さらに安全性及び
経済性が向上する。
【0057】また、リニアインダクションモータ30の固
定子31を非磁性耐蝕性金属のキャン47で密封して、キャ
ンド型モータとしたことにより、鉄心38とコイル39が冷
却材2に触れて腐食することがなく信頼性が向上する。
さらに、キャンド型としたことにより、冷却材2に触れ
て汚染した表面の洗浄による除染が容易となり、保守検
査時の作業員の被曝低減の効果もある。
【0058】第4実施の形態は請求項9乃至請求項13に
係り、図5のブロック回路図に示すように制御棒駆動機
構の制御装置48は、上記制御棒駆動機構28,44,46を運
転制御するもので、位置制御装置49と速度制御装置50、
及び駆動電力変換のインバータ51とから構成されてい
る。
【0059】前記位置制御装置49は、各種指令信号であ
る制御棒位置指令信号52と制御棒スクラム指令信号53、
及び位置検出器37からの制御棒位置信号54を入力して、
ワイヤ保持機構33にワイヤ保持機構操作信号55と、電磁
石35に電磁石操作信号56を出力すると共に、速度制御装
置50に対して制御棒操作信号57を出力する。なお、前記
ワイヤ保持機構操作信号55は、ワイヤ保持機構33による
ワイヤ34の巻取りと繰出し及び引止めと解放を、また電
磁石操作信号56は、電磁石35の励磁と釈放による駆動軸
32の結合と解放を行う。
【0060】速度制御装置50では、入力した制御棒操作
信号57に対応した速度と方向等の制御棒制御信号58をイ
ンバータ51に出力する。また、インバータ51は外部電源
系統である電源59から入力した電力を、前記制御棒制御
信号58に従った電圧と周波数及び位相の電流とした駆動
電力60に変換して、リニアインダクションモータ30の固
定子31に供給する。
【0061】これにより、固定子31は二次導体で先端に
制御棒4を連結した駆動軸32に対し、起動と指令信号に
伴う所定速度による加速及び減速をして、上下の指定さ
れた方向に所定距離を移動させると共に、停止した後の
駆動軸32と制御棒4の自重を保持して、任意位置におけ
る停止操作を行う(請求項9)。
【0062】次に、上記構成による作用について説明す
る。原子炉の炉心2における制御棒4の挿入又は引抜き
操作については、前記制御棒駆動機構28に対して前記制
御装置48による適切な運転方法により実施される。
【0063】原子炉の運転中に制御棒4を上下移動し
て、炉心2における制御棒位置を調整することにより原
子炉出力が制御されることから、制御棒4の移動方向と
移動速度及び移動距離、さらに、停止状態からの立上が
り速度、あるいは停止させるための制動時等における諸
条件は、各制御棒4でそれぞれ異なる場合と、複数本を
同様に実施する場合とがあり、いずれも原子炉の制御内
容により異なる。また、所定の位置に到達した場合に
は、直ちに制御棒4を停止して、その位置を維持しなけ
ればならない。
【0064】前記制御装置48においては、位置検出器37
からの制御棒位置信号54により常時制御棒4の位置を確
認しながら、入力された制御棒位置指令信号52に従っ
て、リニアインダクションモータ30で駆動軸32を駆動す
ることで制御棒4を上下移動させる。この時に前記ワイ
ヤ保持機構33は、制御棒4の移動中はワイヤ34を解放し
て巻取りと繰出しを行い、停止した際には引止めにより
保持をする。また電磁石35は、通常時には駆動軸32と結
合しており、原子炉スクラムの際には解放する。
【0065】リニアインダクションモータ30は、インバ
ータ51から供給される駆動電力60の電圧と周波数、及び
位相と電流を可変とし、しかもその供給を接断すること
で、駆動軸32の停止位置保持と、停止からの移動方向と
加速、及び移動速度と移動距離、さらに停止のための減
速制動を行う。
【0066】なお、前記駆動軸32の移動速度について
は、通常の原子炉運転における原子炉出力制御のための
応答性として要求される制御棒4の微速からの所定速度
と、原子力プラントにおける過渡現象に対処する急速
度、さらに、原子炉スクラム時は迅速な挿入速度が要求
される。しかし、制御装置48において駆動電力60を変化
させることで、リニアインダクションモータ30により上
記の広範囲な速度制御を容易に行うことができる(請求
項10)。
【0067】なお、前記リニアインダクションモータ30
を複数台設置する場合には、その運転台数あるいは用途
により専用化して、適切な機種及び台数を選択すること
で広範囲な速度対応や停止位置保持等が容易になる。
【0068】前記原子炉の出力制御に係る制御棒4の上
下移動時に、駆動軸32は制御棒4及び電磁石35と一体と
なって上下移動するが、この移動に先立ちリニアインダ
クションモータ30が、少なくとも駆動軸32の停止状態を
保持できる駆動力を発生するまで、又は所定の方向に移
動を開始する駆動力を発生するまでの間は、ワイヤ保持
機構33はワイヤ保持機構操作信号55によりワイヤ34の引
止めを行う。
【0069】しかしながら、リニアインダクションモー
タ30による駆動軸32の移動中は、ワイヤ保持機構33は駆
動軸32の移動を妨げないように、引止めを解除して駆動
軸32の移動に伴ってワイヤ34の巻取りと繰出し操作を行
う。
【0070】なお、駆動軸32が停止して所定時間経過し
た完全停止に際してワイヤ保持機構33は、再びワイヤ34
の引止めを行って、前記一体とした駆動軸32と制御棒4
及び電磁石35等の荷重を保持する。従って、制御棒4の
所定位置における完全停止中は、リニアインダクション
モータ30の駆動力は不要となるので、インバータ51から
の駆動電力60を遮断して、ワイヤ保持機構33のみにて制
御棒4等の保持を行う。
【0071】しかしながら、制御棒4の所定位置への到
達後にもかかわらず、炉出力の微制御とか過渡現象対応
等で微速移動や、停止が短時間であって完全停止が行わ
れない場合、又はワイヤ保持機構33の作動遅れ、あるい
はワイヤ保持機構33の故障時等の場合には、ワイヤ保持
機構33における駆動軸32の保持が行われない。
【0072】従って、以上のような停止位置到達後の短
時間は、駆動軸32を介して制御棒4の停止状態を連続的
に維持する必要がある。この際には、制御装置48からの
駆動電力60を可変することにより、リニアインダクショ
ンモータ30の駆動力で、停止位置における駆動軸32に加
わる駆動軸32及び制御棒4の自重等を荷重として保持す
る(請求項11)。
【0073】これにより、制御棒4が停止位置から移動
を開始する時、及び所定の停止位置あるいは近傍におい
て完全停止が行われない状態や、ワイヤ保持機構33の作
動遅れ、あるいはワイヤ保持機構33の故障等の場合に
も、リニアインダクションモータ30の駆動力のみで、安
全に所定位置に制御棒4を保持することができるので信
頼性と安全性が向上する。
【0074】原子力プラントにおいて、原子炉の過大な
圧力上昇あるいは急激な温度低下等の過渡事象が生じる
と、その過渡現象の信号に対応して原子炉は極力応答性
の高い出力制御を行って、前記過渡事象を回避させるこ
とになるが、この時には制御棒4の急速挿入あるいは急
速引抜き操作が、過渡現象が収束されるまで行うことに
なる。
【0075】この際にも、前記制御装置48からの駆動電
力60を可変することにより、リニアインダクションモー
タ30は、応答性良くしかも急速度で制御棒4の挿入又は
引抜き操作を容易に実施する(請求項12)。このよう
に、制御棒4の挿入又は引抜きを応答性良くしかも急速
度で実施するには、上記の駆動軸32を含む制御棒4と電
磁石35等の見掛け荷重を軽減するスプリングバランサー
45を設けることにより、特に小さい駆動力で、しかも応
答性高く効果的に操作することができる。
【0076】定期検査等で原子炉の運転を停止する場合
には、所定の速度と順序で全制御棒4を炉心2内に全挿
入させるが、この際は必ずしも緊急性は要求されないの
で、リニアインダクションモータ30により、駆動軸32を
介して制御棒4を所定速度で全挿入する。しかしなが
ら、万一原子力プラントの故障等で原子炉を緊急に停止
させる原子炉スクラムに際しては、いわゆるスクラム挿
入として、全制御棒4を炉心2内に迅速に全挿入させな
ければならない。
【0077】位置制御装置49は制御棒スクラム指令信号
53を入力すると、電磁石操作信号56により電磁石35を釈
放して駆動軸32と結合を解除する。次に制御装置48から
の駆動電力60は、駆動軸32に対して下方向で迅速移動に
よる全挿入とする駆動力を供給する。これにより、電磁
石35との結合が解放されて荷重が軽減した駆動軸32と一
体の制御棒4は、前記リニアインダクションモータ30の
駆動力により、迅速に炉心3に全挿入される(請求項1
3)。
【0078】この際に、上記の急速挿入機構であるスプ
リング19とダッシュラム20によるスプリング力、あるい
は図示しないガス圧力による制御棒4のスクラム挿入を
リニアインダクションモータ30と併用すると、さらに、
迅速に全挿入することができる。
【0079】また、リニアインダクションモータ30によ
る制御棒4のスクラム挿入に対して、別途急速挿入機構
によるスクラム挿入をバックアップとして組合わせるこ
ともできる(請求項3)。これにより、原子炉スクラム
に際して制御棒4のスクラム挿入による原子炉の緊急停
止と共に、原子力プラントにおける信頼性と安全性が向
上する。
【0080】以上のように、制御棒4を上下移動の操作
をする時は、ワイヤ保持機構33でワイヤ34を保持したま
ま、リニアインダクションモータ30に駆動電力60を供給
して、駆動力が駆動軸32の停止保持が可能な大きさに到
達した後にワイヤ保持機構33を解除して、引続きリニア
インダクションモータ30により駆動軸32を駆動して制御
棒4を操作する。
【0081】また、制御棒4を所定の位置に挿入又は引
抜きした後は、そのままリニアインダクションモータ30
で連続的に停止状態に保持する。なお、停止時間が長い
場合は、ワイヤ保持機構33によりワイヤ34を引止めさせ
て、ワイヤ保持機構33のみで連続的に保持する。
【0082】なお、制御棒駆動機構ハウジング29内の上
部にスプリングバランサー45を取付けて、ワイヤ保持機
構33と電磁石35を介して駆動軸32を吊り、制御棒4と駆
動軸32及び連結部の荷重の一部を分担して支えることに
より、リニアインダクションモータ30の負荷を軽減し
て、モータの容量を小さくしてモータ所用電力の軽減と
小形化が計れる。
【0083】第5実施の形態は請求項14に係り、上記第
4実施の形態の制御棒駆動機構の制御装置48の変形例を
示す。従って、上記第4実施の形態と異なる構成部分と
その作用及び効果について説明するが、その他について
は上記第4実施の形態と同様であるので省略する。
【0084】図6のブロック回路図に示すように、制御
棒駆動機構の制御装置61は、位置制御装置49と速度制御
装置50、及び駆動電力変換のインバータ51の他に、無停
電電源装置62を設けていて、この無停電電源装置62を前
記インバータ51に入力される電源59に接続して構成す
る。なお、前記無停電電源装置62は、バッテリー63と無
停電インバータ64により形成されていて、バッテリー63
は常時直流電力が充電されている。
【0085】上記構成による作用としては、外部電源系
統である電源59に停電や瞬時電圧降下が生じると、無停
電インバータ64はこの電源59の停電及び瞬時電圧降下を
検出して、電源59が正常に回復する間だけ、バッテリー
63に充電されている直流電力を無停電インバータ64にお
いて交流電力に変換し、無停電で前記電源59の代わりに
安定した電力をインバータ51に供給する。
【0086】これにより、電源59の停電や瞬時電圧降下
等の変動はリニアインダクションモータ30による制御棒
4の駆動操作に支障を与えることがない。特に、緊急性
と信頼性が重要な原子炉スクラム時の制御棒4のスクラ
ム操作は、常時支障なく行える態勢となることから、原
子炉運転における信頼性と安全性が向上する。
【0087】第6実施の形態は請求項14に係り、上記第
5実施の形態と同様に上記第4実施の形態の制御棒駆動
機構の制御装置48の他の変形例である。従って、上記第
5実施の形態の制御棒駆動機構の制御装置61と異なる部
分について作用及び効果について説明するが、その他に
ついては上記第4実施の形態及び第5実施の形態と同様
である。
【0088】図7のブロック回路図に示すように、制御
棒駆動機構の制御装置65は、位置制御装置49と速度制御
装置50及び電源装置であるインバータ51の他に、無停電
電源装置66を設けていて、この無停電電源装置66を前記
インバータ51に入力される電源59に接続して構成してい
る。
【0089】前記無停電電源装置66は、フライホィール
67と連結したインダクションモータ68及び無停電インバ
ータ64により形成されていて、慣性の大きなフライホィ
ール67は、常時インダクションモータ68に駆動されて回
転している。従って、インダクションモータ68を含むフ
ライホィール67には、回転による慣性エネルギーが蓄積
されている。
【0090】ここで、電源59に停電や瞬時電圧降下が発
生すると、無停電インバータ64はこの電源59の停電及び
瞬時電圧降下を検出すると共に、電源59が正常に回復す
る間だけ、フライホィール67に蓄積されている慣性エネ
ルギーをインダクションモータ68において交流電力とし
て引出し、無停電インバータ64を介して無停電にて、前
記電源59の代わりに安定した電力をインバータ51に供給
する。
【0091】これにより、リニアインダクションモータ
30による制御棒4の駆動操作に支障を与えない。特に、
原子炉スクラム時の制御棒4のスクラム操作が可能なこ
とから、原子炉運転における信頼性と安全性が向上す
る。なお、前記無停電電源装置66において常時運転する
インダクションモータ68への電力を、前記電源59から供
給した場合には、電源59の停電が長引くとフライホィー
ル67に蓄積されている慣性エネルギーが消滅することに
なる。
【0092】しかしながら、インダクションモータ68へ
供給する電力を、前記電源59と別系統から得ることによ
り、無停電電源装置66の信頼性をさらに向上することが
できる。なお上記した各実施の形態で示す本発明につい
て、上記はFBRを例として説明したが、軽水型原子炉
に適用しても同様の作用と効果を得ることができるもの
である(請求項16)。
【0093】
【発明の効果】以上本発明によれば、原子炉の炉心にお
ける核反応度を調節して出力制御を行う複数の原子炉の
制御棒駆動機構において、構成部分が少なく構造が簡素
なリニアモータの採用により、制御棒を連結した駆動軸
に対して直接で直線的に駆動することから、円滑で広範
囲速度の駆動が可能となり、制御棒の駆動条件に適した
速度による挿入又は引抜き操作が容易に行えるので、原
子炉運転の応答性と信頼性を向上することができる。。
【0094】また、制御棒操作の応答性が高いことか
ら、リニアモータによるスクラム対応も可能で、従来の
スプリング力又はガス圧力による急速挿入機構を併設す
ることにより、スクラム操作時の信頼性が向上する。さ
らに、駆動機構の簡素化から保守点検作業が軽減される
と共に、原子炉の出力変動及び原子炉外部電源変動等に
よる原子力プラントの過渡現象を緩和し、原子力プラン
トの性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施の形態のFBR用の制御
棒駆動機構の縦断面図。
【図2】本発明に係るリニアインダクションモータで、
(a)は一次側である固定子の平面図、(b)は図2
(a)におけるA−A線に沿った矢視断面図、(c)は
一次側である駆動軸の一部正面図、(d)は図2(c)
におけるB−B線に沿った矢視断面図。
【図3】本発明に係る第2実施の形態のFBR用の制御
棒駆動機構の縦断面図。
【図4】本発明に係る第3実施の形態のFBR用の制御
棒駆動機構の縦断面図。
【図5】本発明に係る第4実施の形態の制御棒駆動機構
の制御装置のブロック回路図。
【図6】本発明に係る第5実施の形態の制御棒駆動機構
の制御装置のブロック回路図。
【図7】本発明に係る第6実施の形態の制御棒駆動機構
の制御装置のブロック回路図。
【図8】FBR原子炉容器と制御棒駆動機構の概略縦断
面図。
【図9】従来のFBRの制御棒駆動機構の縦断面図。
【符号の説明】
1…FBRの原子炉容器、2…冷却材、3…炉心、4…
制御棒、5,28,44,46…制御棒駆動機構、6…遮蔽プ
ラグ、7…回転プラグ、8,29…制御棒駆動機構ハウジ
ング、9…炉心上部構造、10,32…駆動軸、11…カバー
ガス、12…グリッパ爪開閉ロッド、13…グリッパ爪、14
…ボールネジ、15…ボールナット、16…電磁コイル、17
…駆動軸ラッチ機構、18…モータ、19…スプリング、20
…ダッシュラム、21…上部案内管、22…下部案内管、2
3,24…ベローズ、25…遮蔽体、26…遮蔽体シール機
構、27…ハウジングシール機構、30…リニアインダクシ
ヨンモータ、31…固定子、33…ワイヤ保持機構、34…ワ
イヤ、35…電磁石、36…反射板、37…位置検出器、38…
鉄心、39…コイル、40…磁性体ステンレス鋼管、41…電
気伝導管、42…駆動軸の外径寸法、43…鉄心の内径寸
法、45…スプリングバランサー、47…キャン、48,61,
65…制御棒駆動機構の制御装置、49…位置制御装置、50
…速度制御装置、51…インバータ、52…制御棒位置指令
信号、53…制御棒スクラム指令信号、54…制御棒位置信
号、55…ワイヤ保持機構操作信号、56…電磁石操作信
号、57…制御棒操作信号、58…制御信号、59…電源、60
…駆動電力、62,66…無停電電源装置、63…バッテリ
ー、64…無停電インバータ、67…フライホィール、68…
インダクションモータ。
フロントページの続き (72)発明者 衣笠 邦彦 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 奈良 義彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 大玉 清麿 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 三上 隆夫 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉容器内に設置された炉心内に制御
    棒の挿入又は引抜きを行って炉心制御を行う制御棒駆動
    機構において、制御棒を連結して上下移動させる駆動軸
    を電気導体として電磁力で駆動するリニアインダクショ
    ンモータと、前記制御棒の位置を検出する制御棒位置検
    出装置と、前記駆動軸を脱着自在に保持する電磁石と、
    前記電磁石を介して駆動軸をワイヤで吊下げるワイヤ保
    持機構とからなることを特徴とする原子炉の制御棒駆動
    機構。
  2. 【請求項2】 前記原子炉の制御棒駆動機構において、
    前記リニアインダクションモータを原子炉容器外で原子
    炉容器蓋等に設置した制御棒駆動機構ハウジング内に設
    けたことを特徴とする請求項1記載の原子炉の制御棒駆
    動機構。
  3. 【請求項3】 前記原子炉の制御棒駆動機構において、
    原子炉のスクラム時の制御棒急速挿入用としてリニアイ
    ンダクションモータ駆動と共に、スプリング力あるいは
    ガス圧力による急速挿入機構を備えたことを特徴とする
    請求項1記載の原子炉の制御棒駆動機構。
  4. 【請求項4】 前記原子炉の制御棒駆動機構において、
    前記リニアインダクションモータの固定子を複数に分割
    して配置したことを特徴とする請求項1記載の原子炉の
    制御棒駆動機構。
  5. 【請求項5】 前記原子炉の制御棒駆動機構において、
    前記リニアインダクションモータを複数台設置したこと
    を特徴とする請求項1記載の原子炉の制御棒駆動機構。
  6. 【請求項6】 前記原子炉の制御棒駆動機構において、
    前記駆動軸をワイヤで吊下げるワイヤ保持機構を荷重軽
    減機構のスプリングバランサーを介して保持したことを
    特徴とする請求項1記載の原子炉の制御棒駆動機構。
  7. 【請求項7】 前記原子炉の制御棒駆動機構において、
    前記リニアインダクションモータ等の制御棒駆動機構を
    原子炉容器内に配置したことを特徴とする請求項1記載
    の原子炉の制御棒駆動機構。
  8. 【請求項8】 前記リニアインダクションモータの固定
    子を非磁性耐蝕金属により密封したキャンド型としたこ
    とを特徴とする請求項6記載の原子炉の制御棒駆動機
    構。
  9. 【請求項9】 原子炉における制御棒操作に係る各種指
    令信号と制御棒位置信号からワイヤ保持機構操作信号と
    電磁石操作信号及び制御棒操作信号を出力する制御棒位
    置制御装置と速度制御装置及びインバータとからなる制
    御装置により、前記リニアインダクションモータを駆動
    して制御棒を連結した駆動軸の移動速度を任意に設定し
    て停止時には緩やかに停止させると共に、リニアインダ
    クションモータとワイヤ保持機構による駆動軸保持の分
    担制御と制御棒位置検出装置による制御棒の位置決め制
    御及び電磁石の励磁と釈放制御を行うことを特徴とする
    原子炉の制御棒駆動機構の制御装置。
  10. 【請求項10】 前記原子炉の制御棒駆動機構におい
    て、リニアインダクションモータの駆動速度を所定の制
    御棒挿人又は引抜き速度からスクラム挿入速度まで可変
    とすることを特徴とする原子炉の制御棒駆動機構の運転
    方法。
  11. 【請求項11】 前記原子炉の制御棒駆動機構におい
    て、リニアインダクションモータにより制御棒の停止時
    に駆動軸を連続して保持することを特徴とする制御棒駆
    動機構の運転方法。
  12. 【請求項12】 前記原子炉の制御棒駆動機構におい
    て、原子炉プラントに生じた過渡現象の検知信号に対応
    してリニアインダクションモータにより制御棒を連結し
    た駆動軸を急速駆動して制御棒の炉心への急速挿入又は
    引抜きにより原子炉の出力制御を行うことを特徴とする
    制御棒駆動機構の運転方法。
  13. 【請求項13】 前記原子炉の制御棒駆動機構におい
    て、原子炉のスクラム時にリニアインダクションモータ
    により制御棒を急速挿入することを特徴とする制御棒駆
    動機構の運転方法。
  14. 【請求項14】 前記制御棒駆動機構の制御装置におい
    て、インバータの電源側にバッテリーと無停電インバー
    タによる無停電電源装置、又はフライホィールとインダ
    クションモータ及び無停電インバータによる無停電電源
    装置を接続したことを特徴とする請求項9記載の制御棒
    駆動機構の制御装置。
  15. 【請求項15】 前記リニアインダクションモータを用
    いて制御棒を駆動する制御棒駆動機構とその制御装置及
    び運転方法を、高速増殖炉型原子炉に適用することを特
    徴とする請求項1乃至請求項14記載の原子炉の制御棒
    駆動機構とその制御装置及び運転方法。
  16. 【請求項16】 前記リニアインダクションモータを用
    いて制御棒を駆動する制御棒駆動機構とその制御装置及
    び運転方法を、軽水型原子炉に適用することを特徴とす
    る請求項1乃至請求項14記載の原子炉の制御棒駆動機
    構とその制御装置及び運転方法。
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