JPH107867A - 電磁波吸収性樹脂組成物 - Google Patents

電磁波吸収性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH107867A
JPH107867A JP16489396A JP16489396A JPH107867A JP H107867 A JPH107867 A JP H107867A JP 16489396 A JP16489396 A JP 16489396A JP 16489396 A JP16489396 A JP 16489396A JP H107867 A JPH107867 A JP H107867A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
resin composition
electromagnetic wave
weight
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16489396A
Other languages
English (en)
Inventor
Chiko Fujishima
智晃 藤嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP16489396A priority Critical patent/JPH107867A/ja
Publication of JPH107867A publication Critical patent/JPH107867A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊に変性されたポリエステル樹脂をビヒク
ルにした電磁波シ−ルド材に、吸収性を併せもたせた塗
料タイプの電磁波吸収材であって、酸化変質せず、駆体
に密着性のある薄い層として塗布または配設でき、且つ
広範囲に亘る周波数帯域に対応できる新規な電磁波吸収
性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 イソブチルメタアクリレ−トとブチルア
クリレ−トの共重合体からなる変性ポリエステル樹脂を
溶剤に溶かした液体組成物からなる電磁波吸収性樹脂組
成物において、該共重合体中のイソブチルメタアクリレ
−トとブチルアクリレ−トとの組成割合が重量比で1/1
〜3/1であり、かつ、該共重合体100重量部に対し100〜
500重量部のスピネル型フェライト焼結体粉末及び/又
は100〜500重量部の誘電損失をもつカ−ボン粉末を配合
し、更に0.1〜1重量部の酸化防止剤を添加してなる電磁
波吸収性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波吸収性樹脂
組成物に関し、特に、特殊に変性された三次元の架橋構
造をもつポリエステル樹脂中に、粉末にした磁気損失材
料及び/又は誘電損失材料を配合し、広範囲な周波数帯
域に対して優れた電波吸収能を有するとともに、加工性
及び電波吸収性能を低下させることなく塗布可能で、か
つ密着性のすぐれた電磁波吸収性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年コンピュ−タ−やテレビ、電子機器
の性能が飛躍的に向上するにつれて、電磁波障害(EM
I)に対する対策が急務になってきた。即ち、高層建築
の電波反射による受像テレビのゴ−スト現象や、自動
車,船舶,列車の運行に支障をきたすレ−ダ−の鏡像現
象、また携帯電話から発信される電波による医療機器の
誤動作などが社会問題になっている。
【0003】この対策として、従来から、これらの電波
の反射を防ぎ、電磁波のエネルギ−を熱のエネルギ−に
かえる多種多様な電波吸収材が用いられてきた。(な
お、金属板は、厚みの如何に拘らず一般にその表面で電
波を反射してしまい、吸収能力はない。)
【0004】かかる電波吸収の働きをする抵抗体の代表
的なものがカ−ボンである。即ち、カ−ボンは、優れた
導電損失材であって、通常この粉末とそれを保持するた
めの保持材からなっている。保持材には、ゴムやプラス
チックが多用されている。また、酸化物磁性体であるフ
ェライトも代表的な磁性損失材であって、これを焼結し
て粉末にし、ゴムやプラスチックに配合して用いられて
いる。
【0005】この両者を比較した場合、カ−ボンは、フ
ェライトに比べて電波吸収能が低く、吸収体の厚みがフ
ェライトの場合の数倍必要になる。しかし、両者の使用
される周波数帯域が異なり、高周波数帯域では、カ−ボ
ンが汎用されている。
【0006】ところで、このような電波吸収体は、一般
に20dB以上の吸収特性を持つことが必要とされている
が、ゴムやプラスチック中にカ−ボンのような導電性材
料を添加すると、その添加量とともに電波吸収のパラメ
−タ−となる誘電損失、即ち“誘電率と損失係数の積
値”は上昇する。しかしながら、ピ−ク値が低く、或る
濃度以上加えると逆に誘電損失は減少する。したがっ
て、導電性材料だけで或る波長をカットするためには一
定の厚みが必要となるが、100MHZ以下の電波を吸収
させようとするとその厚みが増大することになり、その
ため、これまで実用可能な電波吸収材は得られていな
い。
【0007】また、前記したフェライトは、材料固有の
性質によって複素透磁率が周波数によって大きく変化
し、高周波になるとこの値が小さくなる。即ち、磁気損
失の周波数分散を利用しているため、25dB以上の吸収
特性を持つ周波数域が50〜300MHZと狭い範囲にあ
り、最近問題になっている自動車や電車によって生ずる
広い周波数にまたがる障害電波、特に低周波の周波数帯
域に対して適切な材料とは言えなかった。例えば、VH
Fの周波数帯域でdB(反射減衰量)が25dB以上の優れ
た吸収特性を示すスピネル型フェライト焼結体であって
も、電波暗室の規格である30MHZ〜1GHZの広帯域
で20dB以上の反射減衰量は得られない。
【0008】一方、400MHZ〜1GHZのような高い
周波数帯域では、波長が短くなるため、前述のカ−ボン
を保持材に混入した電波吸収体では、周波数分散が少な
いので好適な材料と言える。即ち、厚さを変えれば吸収
できる周波数も変わってくるためである。したがって、
塗布による薄膜吸収体でも対応できるが、前記した低い
周波数帯域では、吸収体の厚さが増えてきて、樹脂成膜
による塗装被覆では困難になってくる。
【0009】そこで、入射した電波が金属粉に当って散
乱し、この散乱光が抵抗体である金属粉の中で熱エネル
ギ−に変換される割合が、金属粉の持つ固有の抵抗値で
決められている点に着目し、共振効果以外に散乱効果も
併せもつ金属材料を探せば、薄い材料でも広周波数帯域
に対応できるので、その方向での材料選択に関する研究
が行われてきた。また、それと平行して、磁性体,誘電
体,導電体を夫々組み合せて、それらを積層にしたり、
複合させたりする研究も数多くなされてきた。
【0010】そもそも導電性を持たないプラスチック
は、渦電流(エッジカレント)を生ぜず、このため電磁波
を吸収したり遮蔽したりすることが出来ないが、このプ
ラスチックに如何にして安価に、且つ効果的に導電性を
付与するかという技術を開発するにあたっては、予想さ
れた以上に困難な障害がある。
【0011】即ち、プラスチックに導電性を付与するに
あたって、プラスチック本来の性能を損なわずに添加で
きる金属粉やカ−ボンの量には限界があり、また、金属
粉の量が少ないと吸収効果がないという矛盾が生ずる。
更に加えて、添加した金属粉やカ−ボンは、長年月に亘
る使用により、それが酸化して吸収性能が低下すること
も懸念される。
【0012】そこで、原点に立ち戻って、使用するプラ
スチック自体の選定から検討がなされるようになった。
このような観点に立って開発されたプラスチックが、チ
−グラ−ナッタ触媒を用いて合成されたポリアセチレン
やポリチオフェン,ポリアニリンのような分子が一次元
に配位されて薄膜で得られる高分子ポリマ−である。こ
れらを沃素や5弗化砒素でド−ピング処理することによ
って、導電性を付与することが可能になった。
【0013】本発明者等は、先に、電磁波遮断(シ−ル
ド)用樹脂組成膜についての新規な組成物に関する発明
を提案した(特開平1−288438号公報参照)。この既提案
の発明で開示されているように、この種のコ−テイング
材は、コ−テイングされた成形品や構築物,機器類が電
磁波の透過をどの程度減衰できるかという“シ−ルド効
果”及び“密着性”が最重要機能であることを指摘し
た。
【0014】電磁波吸収体の場合も、上記既提案の技術
思想と共通するものがあり、広い意味でとらえた場合、
単にシ−ルドを目的にした反射材料から、更に、入射し
た電磁波エネルギ−を吸収してこれを熱エネルギ−に変
えることにより、同様なシ−ルド効果を目的とした吸収
材料まで幅広く存在する。
【0015】シ−ルドの場合、対象になる電磁波の周波
数帯域が“10KHZ〜1MHZ”であり、この帯域の電
磁波を25dB以上(望ましくは50dB以上)減衰させる必
要があるのに対して、吸収の場合は、その周波数帯域が
“30MHZ〜1GHZ”と広範囲に亘っていて、しか
も、この帯域の電磁波を少なくとも25dB以上減衰させ
なければならない。しかしながら、一つの材料で広範囲
に亘る周波数帯域に対処することは至難であった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、前記
のような種々の問題を抱えており、このため、国の内外
を問わず、多数のメ−カ−がこの分野の開発を急いでお
り、提案された公知の技術も数多く存在する。
【0017】ゴム質や樹脂の中に粉末にした「磁気損失
材料及び/又は誘電損失材料(充填材)」を均一に配合す
る、いわゆる“充填材分散法”の問題点は、上記充填材
の分散不均一性及び充填量増加に伴う「樹脂基体の機械
的強度」と「密着性の低下」、更に、塗膜表面に充填材
が露出することによる「二次塗装の必要性」などであ
る。
【0018】そこで、本発明は、上記充填材を夫々に含
む特に指定された組成の樹脂膜において、入射する電磁
波の周波数帯域の如何によっては、単層の樹脂膜を、又
は、その上に重ねて塗装する複合樹脂、即ち分散複合二
重塗装法を用いることによって、磁気損失と誘電損失を
ともに利用し、これまでの問題点を解決すると共に、い
かなる周波数帯域に対しても優れた電磁波吸収性能を有
する樹脂組成物を提供するに到ったものである。
【0019】すなわち、本発明は、上記点に鑑み成され
たもので、その目的(技術課題)は、特殊に変性されたポ
リエステル樹脂をビヒクルにした電磁波シ−ルド材に、
吸収性を併せもたせた塗料タイプの電磁波吸収材であっ
て、酸化変質せず、駆体に密着性のある薄い層として塗
布または配設でき、且つ広範囲に亘る周波数帯域に対応
できる新規な電磁波吸収性樹脂組成物を提供することに
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】そして、本発明は、前記
目的(技術課題)を達成する構成として、「イソブチルメ
タアクリレ−トとブチルアクリレ−トとの共重合体から
なる変性ポリエステル樹脂を溶剤に溶かした液体組成物
からなる電磁波吸収性樹脂組成物において、前記共重合
体中のイソブチルメタアクリレ−トとブチルアクリレ−
トとの組成割合が重量比で1/1〜3/1であり、かつ、該
共重合体100重量部に対し、100〜500重量部のスピネル
型フェライト焼結体粉末及び/又は100〜500重量部の誘
電損失をもつカ−ボン粉末を配合し、更に0.1〜1重量部
の酸化防止剤を添加してなることを特徴とする電磁波吸
収性樹脂組成物。」(請求項1)を要旨とする。
【0021】また、本発明は、同じく前記目的(技術課
題)を達成する構成として、「前記請求項1に記載の樹
脂組成物を下層とし、その上に重ねて塗装する上層から
なる電磁波吸収性樹脂組成物であって、前記上層の樹脂
組成物が、ブチルアクリレ−トとα−メチルスチレンと
の共重合体からなる変性ポリエステル樹脂を用い、該樹
脂100重量部に対し、100〜500重量部のスピネル型フェ
ライト焼結体粉末及び/又は100〜500重量部の誘電損失
を持つカ−ボン粉末を、界面活性剤を添加した水に分散
配合してなることを特徴とする電磁波吸収性樹脂組成
物。」(請求項2)を要旨とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電磁波吸収性
樹脂組成物について詳細に説明する。本発明に係る電磁
波吸収性樹脂組成物(請求項1,2に係る樹脂組成物)に
使用する樹脂としては、“変性ポリエステル樹脂”と呼
ばれている高分子ポリマ−であって、 ・有機溶剤に溶かして使う“ミネラルタイプ”(この有
機溶剤としては、イソプロピルアルコ−ル,ケロシンま
たはアセトンなどの有機溶剤を使用する)と、 ・界面活性剤を添加した水に分散させて使う“アクアタ
イプ”と、 の2種類がある。
【0023】“ミネラルタイプ”の主成分は、イソブチ
ルメタアクリレ−トとブチルアクリレ−ト及び第三成分
(スピネル型フェライト焼結体粉末及び/又は誘電損失
をもつカ−ボン粉末)である[本発明の請求項1に係る
樹脂組成物に相当する]。一方、“アクアタイプ”の主
成分は、ブチルアクリレ−トとα-メチルスチレン及び
第三成分(スピネル型フェライト焼結体粉末及び/又は
誘電損失をもつカ−ボン粉末)である[本発明の請求項
2に係る樹脂組成物に相当する]。
【0024】本発明で前記変性ポリエステル樹脂を選定
した理由は、該樹脂は、他のABS樹脂やポリエチレン
樹脂などに比べて、上記第三成分(スピネル型フェライ
ト焼結体粉末及び/又は誘電損失をもつカ−ボン粉末)
の添加による“伸びの低下”が極めて小さく、可撓性に
優れており、またコンクリ−トやセメントモルタル表面
への接着性が抜群によく、そのため、該樹脂に少量の前
記第三成分を添加しても、高い電磁波吸収能を示すから
である。
【0025】これは、前記樹脂が分子構造の内部にカル
ボキシル基(COOH基)を有しており、コンクリ−トや
セメントモルタルの主成分である“Ca”と上記カルボ
キシル基の“H”とが反応して強固な化学結合をするた
めである。また、これも前記樹脂の持つ分子構造による
が、分子量がGPC法で測定して300,000〜1,000,000と
いう高い重合度を示し、且つゴム鞠のように三次元に絡
んだ状態になっているからである。
【0026】さらに、前記樹脂の耐電圧は約10,000ボル
トであり、この耐電圧が高いということは、樹脂の表面
から裏側に直流電流が導通しにくいということである。
即ち、前記樹脂の誘電率が大きいということである。こ
の値が大きい程、入射電波の吸収体内部での実効波長が
短くなり、電波吸収体の厚さを薄くできる。したがっ
て、同じ量のスピネル型フェライト焼結体粉末及び/又
はカ−ボン粉末を添加しても、見かけの粉体間距離が短
くなるために、大きな渦電流を生じることになる。
【0027】本発明において、スピネル型フェライト焼
結体粉末及び/又はカ−ボン粉末を含む前記樹脂(本発
明の請求項1に係る樹脂組成物)は、狭い周波数帯域に
対して単層で使用することにより、また、広範囲な周波
数帯域に対しては、この単層の上に更に上層(本発明の
請求項2に係る樹脂組成物)を重ね塗りすることによ
り、耐熱性,耐候性,耐水性などの物性が著しく向上
し、公知の技術を凌駕する優れた電磁波吸収能を示すも
のである。
【0028】本発明の請求項1に係る樹脂組成物(単層
として用いる樹脂組成物)は、イソブチルメタアクリレ
−トとブチルアクリレ−トとの共重合体からなる変性ポ
リエステル樹脂を溶剤(イソプロピルアルコ−ル,ケロ
シンまたはアセトンなどの溶剤)に溶かした液体に“ス
ピネル型フェライト焼結体粉末及び/又は誘電損失をも
つカ−ボン粉末”を加え、それに“酸化防止剤”を添加
して作られる。
【0029】上記変性ポリエステル樹脂において、共重
合体中のイソブチルメタアクリレ−トとブチルアクリレ
−トとの組成割合としては、重量比で1/1〜3/1であ
る。この比が3/1を超えると、得られた樹脂の重合度が
大となり、その結果、溶剤に溶け難くなるので好ましく
ない。一方、1/1未満の場合、逆に重合度の小さいもの
が得られ、所望の作用効果が生じなくなるので、同じく
好ましくない。この重合度としては30万〜100万が望ま
しい。
【0030】このような共重合体からなる変性ポリエス
テル樹脂に配合するスピネル型フェライト焼結体粉末,
誘電損失をもつカ−ボン粉末について説明すると、スピ
ネル型フェライト焼結体粉末の使用は、ニッケルや銅な
どの金属粉と異なり、本発明で意図する電磁波吸収作用
を生じさせるためである。(なお、或る周波数帯域で
は、上記金属粉と同様、電磁波を反射させる作用も生じ
る。) また、誘電損失をもつカ−ボン粉末の使用は、同じく本
発明で意図する電磁波吸収作用を生じさせるためであ
る。なお、カ−ボン粉末は、該粉末による導電ネットワ
−クが密に形成され、電磁波エネルギ−が変換されてジ
ュ−ル熱が発生しやしくなる。
【0031】本発明の請求項1に係る樹脂組成物におい
て、スピネル型フェライト焼結体粉末及び/又は誘電損
失をもつカ−ボン粉末の配合割合は、前記共重合体100
重量部に対していずれも100〜500重量部である。100重
量部未満では、本発明で意図する充分な電磁波吸収能が
得られず、一方、500重量%を超えると、樹脂の劣化を
まねき、しかも被塗装体面への接着低下をきたすので好
ましくない。
【0032】また、同じく変性ポリエステル樹脂に添加
配合する酸化防止剤は、0.1〜1重量部が好ましい。この
酸化防止剤は、前記共重合体からなる変性ポリエステル
樹脂を溶剤に溶解させる際や、該樹脂組成物の保存時,
使用時における酸化を防止するためである。0.1重量部
未満では、上記目的を達成することができず、一方、1
重量%を超えてもその耐酸化性に格別の効果が生じるも
のではないので、経済的観点からその上限を1重量%と
した。なお、本発明で用いる酸化防止剤としては、特に
限定するものではないが、フェノ−ル系の酸化防止剤、
例えばスワノツクス(丸善石油社製:商品名),アイオノ
−ル(シェル社製:商品名)などが望ましい。
【0033】本発明の請求項2に係る樹脂組成物[請求
項1に係る樹脂組成物を下層とし、その上に重ねて塗装
する上層(トップコ−ト)からなる電磁波吸収性樹脂組成
物]は、ブチルアクリレ−トとα−メチルスチレンとの
共重合体からなる変性ポリエステル樹脂に、スピネル型
焼結体粉末及び/又は誘電損失を持つカ−ボン粉末を加
え、界面活性剤を添加した水に分散させることにより作
られる。
【0034】該エマルジョン中の“共重合体/水”比は
30〜60%が好ましく、また、スピネル型焼結体粉末及び
/又は誘電損失を持つカ−ボン粉末は、共重合体100重
量部に対して100〜500重量部であり、一方、界面活性剤
の添加量は、0.01〜10重量部が好ましい。
【0035】スピネル型焼結体粉末,誘電損失を持つカ
−ボン粉末の配合量が100重量部未満では、本発明で意
図する充分な電磁波吸収能が得られず、一方、500重量
%を超えると、樹脂の劣化をまねき、しかも下層(請求
項1に係る樹脂組成物)との接着性劣るので好ましくな
い。(なお、スピネル型焼結体粉末,誘電損失を持つカ
−ボン粉末を配合する理由は、前記と同様である。)
【0036】また、界面活性剤の添加量:0.01〜10重量
部は、前記変性ポリエステル樹脂,スピネル型焼結体粉
末及び/又はカ−ボン粉末を水に均一に分散させるため
であり、安定なエマルジョンを生成させるためである。
なお、使用する界面活性剤としては、カチオン系が最も
望ましく、特にTND-102(竹本油脂社製のポリビニ−
ルベンジル型カチオン:商品名)が好適である。(な
お、アニオン系やノニオン系は、本樹脂のエマルジョン
化にはあまり効果がない。)
【0037】以上の請求項1,2に係る樹脂組成物を製
造するにあたっては、バンバリ−ミキサ−,回転翼ミキ
サ−などで充分すぎる程に混合することが必要である。
カ−ボン粉末を混合する場合は、分散媒でカ−ボン粒子
の導電ネットワ−クを形成させる必要があるが、攪拌条
件が適切でないと、空気を巻き込み、酸化を受けて劣化
し易い。特に“アクアタイプ”は、水中に組成物をエマ
ルジョン化して懸濁させるため、この混合、攪拌は極め
て重要な操作である。
【0038】このようにして得られた樹脂組成物をスプ
レ−塗装またはハケ塗りにより対象物の表面に均一塗装
する。この塗装膜厚みは、重ね塗りする場合でも10数μ
〜数10μのオ−ダ−である。
【0039】実施の態様の一つとして広く用いられてい
るものとしては、被塗装体がコンクリ−トの場合、ある
いは、“アクアタイプ”の該組成物をセメントモルタル
と練り合わせて構造物に塗装する場合である。この際の
塗装厚みは、躯体のセメントモルタルの厚みを考慮に入
れても、たかだか3mm程度である。この種の躯体は、
多量のシリカを成分として含んでおり、シリカが電磁波
の遮蔽や吸収に有効であることは公知であるが、シリカ
と本発明に係る樹脂組成物との相乗効果により、予期し
た以上の効果があることを本発明者等が見い出したもの
である。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0041】(電波吸収効果を測定するための供試材の
作製)まず、本発明に係る樹脂組成物の一例であるアン
ダ−コ−ト(下塗り)用樹脂組成物とトップコ−ト(上塗
り)用樹脂組成物の2種類の液を調製した。
【0042】下塗り用の組成物は、イソブチルメタアク
リレ−トとブチルアクリレ−トとの共重合体樹脂をケロ
シン中に固形分換算で30wt%溶かした溶液とし、この
溶液100gに対して、ニッケル・亜鉛系のスピネル型フ
ェライト焼結体粉末を100g投入混合して組成液をつく
り、この組成液に酸化防止剤アイオノ−ル(シェル社
製:商品名)0.5gを加えたものである。
【0043】上塗り用の組成物は、ブチルアクリレ−ト
とα−メチルスチレンとの共重合体樹脂100gを、界面
活性剤を添加した水150gに分散懸濁せしめたエマルジ
ョン水溶液をつくり、このエマルジョン水溶液100gに
対し10,000ブレ−ン(2.5〜3ミクロン)のグラファイトカ
−ボン超微粉末50gを投入混合したものである。
【0044】供試材の基板として15×15(cm)角の厚い
鉄板を用意し、この鉄板に前記下塗り用組成物を約100
ミクロン塗布し、約48時間放置して乾燥した。次に、上
層として、前記上塗り用組成物100gに対しセメントモ
ルタルを600g、界面活性剤(竹本油脂社製のTND-10
2)を0.15gの割合で添加し、混練りした泥状組成物と
し、これを約2mmの厚さに塗布した。
【0045】このようにして得た供試材を約4週間の養
生期間経たのち、塗料の減衰特性試験に供した。この試
験のための測定方法は、供試材をアルミ枠で囲い、塗装
面の前面に電波発信器と電波受信器を配設し、この発信
器から1〜18GHZの電波を発振させ、上記受信器でそ
の反射波を受信し、次の式(1)により減衰量(dB)を計
算し、その結果を図1に示した。
【0046】 ・式(1)………減衰量(dB)=20・Log(H1/H2) [H1:反射波の強度,H2:入射波の強度]
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電磁
波吸収性樹脂組成物は、特殊な分子構造に変性されたポ
リエステル樹脂を主成分とするマトリックス中に“スピ
ネル型フェライト焼結体粉末及び/又はグラファイトカ
−ボン微粉末”を分散含有させて作られた液体組成物で
あり、実施の態様としては、該組成物をそのまま構造物
や機器,構築物に薄く塗布または配設するか、或いは、
セメントモルタルと混練りしたものとして構築物に塗布
し、これにより、幅の狭い周波数帯域に対しては単層
で、また、広い範囲に亘る周波数体域に対しては複層で
用いることによって、充分な電波吸収効果を発揮すると
いう顕著な効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電磁波吸収性樹脂組成
物の「塗料の減衰特性」を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08J 7/06 CEY C08J 7/06 CEYZ C09D 5/32 PRB C09D 5/32 PRB

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソブチルメタアクリレ−トとブチルア
    クリレ−トとの共重合体からなる変性ポリエステル樹脂
    を溶剤に溶かした液体組成物からなる電磁波吸収性樹脂
    組成物において、前記共重合体中のイソブチルメタアク
    リレ−トとブチルアクリレ−トとの組成割合が重量比で
    1/1〜3/1であり、かつ、該共重合体100重量部に対
    し、100〜500重量部のスピネル型フェライト焼結体粉末
    及び/又は100〜500重量部の誘電損失をもつカ−ボン粉
    末を配合し、更に0.1〜1重量部の酸化防止剤を添加して
    なることを特徴とする電磁波吸収性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の樹脂組成物を下層
    とし、その上に重ねて塗装する上層からなる電磁波吸収
    性樹脂組成物であって、前記上層の樹脂組成物が、ブチ
    ルアクリレ−トとα−メチルスチレンとの共重合体から
    なる変性ポリエステル樹脂を用い、該樹脂100重量部に
    対し、100〜500重量部のスピネル型フェライト焼結体粉
    末及び/又は100〜500重量部の誘電損失を持つカ−ボン
    粉末を、界面活性剤を添加した水に分散配合してなるこ
    とを特徴とする電磁波吸収性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記スピネル型フェライト焼結体粉末
    が、銅・亜鉛系,ニッケル・亜鉛系,マンガン・亜鉛
    系,ニッケル・鉄(パ−マロイ)系であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の電磁波吸収性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記カ−ボン粉末が、グラファイトカ−
    ボンの超微粉であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の電磁波吸収性樹脂組成物。
JP16489396A 1996-06-25 1996-06-25 電磁波吸収性樹脂組成物 Pending JPH107867A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16489396A JPH107867A (ja) 1996-06-25 1996-06-25 電磁波吸収性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16489396A JPH107867A (ja) 1996-06-25 1996-06-25 電磁波吸収性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH107867A true JPH107867A (ja) 1998-01-13

Family

ID=15801883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16489396A Pending JPH107867A (ja) 1996-06-25 1996-06-25 電磁波吸収性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH107867A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100395930B1 (ko) * 2000-07-14 2003-08-27 삼성전자주식회사 전자렌지용 승압 트랜스포머
KR100416692B1 (ko) * 2000-03-30 2004-01-31 (주)에드텍 전자파 차폐용 벽지
KR100544429B1 (ko) * 2001-04-09 2006-01-24 주식회사 포스코 전자파 차폐용 수지코팅재 및 저탄소 수지코팅 강판
JP2007008982A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Fujikura Kasei Co Ltd 電波吸収性塗料組成物および塗装物
CN100497504C (zh) 2006-01-16 2009-06-10 侯立安 抗毒消毒雷达波防伪涂料及其制备方法和应用
CN101328381B (zh) 2008-07-21 2011-04-13 侯立安 可见、近红外波段的抗毒防毒型防伪涂料
EP2136613A4 (en) * 2007-04-11 2011-09-28 Toda Kogyo Corp SHEET FOR PREVENTING ELECTROMAGNETIC INTERFERENCE, FLAT CABLE FOR HIGH FREQUENCY SIGNAL, FLEXIBLE SUBSTRATE FOR PRINTING, AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME
TWI383477B (zh) * 2006-06-06 2013-01-21 日東電工股份有限公司 球狀燒結肥粒鐵粒子及使用其之半導體封包用樹脂組成物暨自其所得之半導體裝置
CN104875441A (zh) * 2015-05-26 2015-09-02 苏州斯迪克新材料科技股份有限公司 电子产品用屏蔽保护膜

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100416692B1 (ko) * 2000-03-30 2004-01-31 (주)에드텍 전자파 차폐용 벽지
KR100395930B1 (ko) * 2000-07-14 2003-08-27 삼성전자주식회사 전자렌지용 승압 트랜스포머
KR100544429B1 (ko) * 2001-04-09 2006-01-24 주식회사 포스코 전자파 차폐용 수지코팅재 및 저탄소 수지코팅 강판
JP2007008982A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Fujikura Kasei Co Ltd 電波吸収性塗料組成物および塗装物
US7615281B2 (en) 2005-06-28 2009-11-10 Fujikura Kasei Co., Ltd. Radio wave absorbing coating composition and coated object therewith
CN100497504C (zh) 2006-01-16 2009-06-10 侯立安 抗毒消毒雷达波防伪涂料及其制备方法和应用
TWI383477B (zh) * 2006-06-06 2013-01-21 日東電工股份有限公司 球狀燒結肥粒鐵粒子及使用其之半導體封包用樹脂組成物暨自其所得之半導體裝置
EP2136613A4 (en) * 2007-04-11 2011-09-28 Toda Kogyo Corp SHEET FOR PREVENTING ELECTROMAGNETIC INTERFERENCE, FLAT CABLE FOR HIGH FREQUENCY SIGNAL, FLEXIBLE SUBSTRATE FOR PRINTING, AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME
US8723054B2 (en) 2007-04-11 2014-05-13 Toda Kogyo Corporation Electromagnetic noise suppression sheet, flat cable for high-frequency signals, flexible printed circuit board, and process for producing the electromagnetic noise suppression sheet
CN101328381B (zh) 2008-07-21 2011-04-13 侯立安 可见、近红外波段的抗毒防毒型防伪涂料
CN104875441A (zh) * 2015-05-26 2015-09-02 苏州斯迪克新材料科技股份有限公司 电子产品用屏蔽保护膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101128593B1 (ko) 수지 조성물
JP5360947B2 (ja) 樹脂組成物
US5085931A (en) Microwave absorber employing acicular magnetic metallic filaments
AU2002226708B2 (en) Electric-wave absorber
JPH107867A (ja) 電磁波吸収性樹脂組成物
CN109971300A (zh) 一种吸波涂层及其制备方法
JPS63128794A (ja) 電波吸収材
JPS6312198A (ja) 電波吸収電磁シ−ルド材料
EP0380267B1 (en) Microwave absorber employing acicular magnetic metallic filaments
KR100923210B1 (ko) 전파 흡수체
JPH0697691A (ja) 電磁波遮蔽構造体
JP2001329137A (ja) 電磁波吸収性樹脂組成物
JP2000357893A (ja) 電磁波シールド膜および電磁波シールド塗料
JPH1027986A (ja) 電波吸収体
KR100522537B1 (ko) 광대역 전자기파 흡수용 벽지 및 그의 제조방법
Byoung Taek Lee et al. Prediction of electromagnetic properties of MnZn ferrite-silicone rubber composites in wide frequency range
JP2001068889A (ja) 電磁波シールド材
JPH01230299A (ja) 電波吸収体皮膜の形成方法および電波吸収体組成物
JP2001320191A (ja) 電磁波吸収材
JPH06152178A (ja) 電波反射防止体および電波反射防止方法
JP3802532B2 (ja) 電波吸収体
JP2004043705A (ja) 電磁波吸収組成物及びそれを用いて形成した成型品
JPH04357900A (ja) 電波吸収体
JP2002241679A (ja) 電磁波吸収塗料および電磁波吸収体ならびにその施工方法
JPH05275880A (ja) X−バンドに優れた吸収を示す電波吸収体

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040204

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02