JPH1079305A - 磁気素子 - Google Patents

磁気素子

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JPH1079305A
JPH1079305A JP8234046A JP23404696A JPH1079305A JP H1079305 A JPH1079305 A JP H1079305A JP 8234046 A JP8234046 A JP 8234046A JP 23404696 A JP23404696 A JP 23404696A JP H1079305 A JPH1079305 A JP H1079305A
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JP
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magnetic
layer
film
layers
alloy
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JP8234046A
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English (en)
Inventor
Koichiro Inomata
浩一郎 猪俣
Yoshiaki Saito
好昭 斉藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Publication of JPH1079305A publication Critical patent/JPH1079305A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer

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  • Nanotechnology (AREA)
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  • Magnetic Heads (AREA)
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  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非磁性層を介して配置した磁性層間の互いに
反平行なスピン状態を、反強磁性的交換結合や磁化固着
等によらずに作り出し、これにより磁化曲線のヒステリ
シスを小さくする。 【解決手段】 Si、GeおよびSiGe合金から選ば
れる 1種からなる非磁性層3を介して配置された、C
o、Ni、CoFe合金、NiFe合金およびCoNi
合金から選ばれる 1種から主としてなる複数の磁性層
2、4を有する積層膜を具備する磁気素子である。磁性
層2、4と非磁性層3との界面には、これらの界面反応
層である合金層3aが形成される。磁性層2、4はそれ
ぞれ一軸磁気異方性を有し、かつ非磁性層3を介した磁
性層2、4間の磁気結合は双2次の磁気結合が支配的で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性層と非磁性層
との積層膜を有する磁気素子に関する。
【0002】
【従来の技術】磁性膜は一般に、高周波損失の小さいソ
フト磁心、磁気へッド、磁気センサ、磁気抵抗効果素子
等の種々の磁気素子に用いられている。これらの磁気素
子には外部磁界に対する感度ができるだけ大きいことが
要求されるが、それに加えて共通に要求されることは線
形応答性を有することである。この線形応答性を得る上
で、磁化曲線のヒステリシスはできるだけ小さいことが
望ましく、その対応策として、材料組成の検討や異なる
物質の積層化等、種々の対策がなされている。この様子
を磁気抵抗効果素子を例として、以下に説明する。
【0003】磁気抵抗効果(Magnetoresistance effect)
は、ある種の磁性体に磁界を加えることにより電気抵抗
が変化する現象であり、磁界センサや磁気記録装置の再
生へッド等に利用されている。強磁性体を用いた磁気抵
抗効果素子(以下、MR素子と記す)は温度安定性に優
れ、使用温度範囲が広いという特徴を有している。MR
素子としては、従来、FeNi合金等のパーマロイ薄膜
が使用されてきたが、パーマロイ薄膜の磁気抵抗変化率
は 2〜3%程度と小さいため、これを用いた磁気へッドで
は十分な再生感度が得られないという問題がある。
【0004】一方、近年、巨大磁気抵抗効果を示す材料
として、磁性金属層と非磁性金属層とを数nmの周期で交
互に積層し、非磁性層を介して相対する磁性層の磁気モ
ーメントを反平行状態で磁気的に結合させた積層膜、い
わゆる人工格子膜が注目されている。例えば、Fe/C
rの人工格子膜(Phys. Rev. Lett.61, 2472(1988) 等参
照)や、Co/Cuの人工格子膜(J.Mag. Mag. Mater.
94, L1(1991)、Phys.Rev. Lett.66, 2152(1991)参照)
等が見出されている。このような人工格子膜は磁気抵抗
変化率が大きい反面、反強磁性的交換結合が大きいため
に飽和磁場が大きく、またヒステリシスも非常に大きい
という問題を有している。
【0005】また、非磁性金属層を介して一対の磁性金
属層を積層した、磁性金属層/非磁性金属層/磁性金属
層構造のサンドイッチ膜において、磁性金属層間の交換
結合がなくなる程度に非磁性金属層の膜厚を厚くし、か
つ一方の磁性金属層に接して反強磁性層等を設け、交換
異方性により当該磁性層(磁化固着層)のスピンを固定
すると共に、他方の磁性層(磁化自由層)のスピンのみ
を外部磁場で容易にスイッチできるようにした、いわゆ
るスピンバルブ膜が知られている。この場合、一対の磁
性金属層間を交換結合していないために、小さな磁場で
スピンをスイッチすることができ、よって交換結合のあ
る人工格子膜に比べて感度の高い磁気抵抗効果素子が提
供できる。
【0006】しかし、上述したスピンバルブ膜において
も一般にヒステリシスが存在するために、これを回避す
るために上記交換異方性に対して直角方向にセンス電流
を流し、磁化自由層のスピンを回転磁化過程により変化
させる、いわゆる直交バイアス方式が採用されている。
この回転磁化によって、ヒステリシスは著しく低下する
が、スピンバルブ膜は抵抗が小さく出力電圧が小さいた
めに、大きな出力電圧を得るためにはセンス電流を大き
くする必要があり、加えて直交磁化を得るために必要な
電流がさらに大きくなる。このため、直交バイアス方式
を採用した従来のスピンバルブ膜ではエレクトロマイグ
レーションが問題になっている。
【0007】巨大磁気抵抗効果素子としては他に、上述
したような多層膜に電流を膜面に垂直方向に流す、いわ
ゆる垂直磁気抵抗効果を利用すると、非常に大きな磁気
抵抗効果が得られることが知られている(Phys. Rev. Le
tt. 66, 3060(1991)参照)。さらに、 2つの磁性金属層
間に絶縁層を介在させ、スピンバルブ膜と同様に一方の
磁性金属層の磁化を固定したサンドイッチ膜において、
膜面垂直方向に電流を流して絶縁層のトンネル電流を利
用した磁気抵抗効果素子、いわゆる強磁性トンネル接合
素子が知られている。しかし、強磁性トンネル接合素子
においては、絶縁性の高い絶縁膜を磁性金属層間に形成
することが難しく、再現性のある強磁性トンネル接合素
子は得られていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、巨大
磁気抵抗効果素子では伝導電子のスピンに依存した散乱
により磁気抵抗効果を得ており、大きな磁気抵抗効果は
磁性層間のスピンが反平行状態から平行状態に変化する
際に得られる。そのため、何らかの手段によって反平行
スピン状態を形成する必要があり、従来の人工格子膜で
はこれを磁性層間の反強磁性的交換結合によって実現し
ており、またスピンバルブ膜や強磁性トンネル接合素子
では、一方の磁性層のスピンを固定すると共に他方の磁
性層のスピンを外部磁場で反転させることで実現してい
る。
【0009】しかしながら、従来の人工格子膜では反強
磁性的交換結合が大きいために飽和磁場が大きく、また
ヒステリシスが非常に大きいという問題がある。また、
スピンバルブ膜においては、大きな出力電圧を得るため
のセンス電流に加えて、ヒステリシスを回避するための
直交バイアス方式によりさらに必要な電流が大きくなる
ため、エレクトロマイグレーションが問題になってい
る。さらに、強磁性トンネル接合素子においては、絶縁
性の高い絶縁膜を磁性金属層間に形成することが難し
く、再現性のある強磁性トンネル接合素子は得られてい
る。
【0010】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、非磁性層を介して配置した磁性層間
の互いに反平行なスピン状態を、反強磁性的交換結合や
磁化固着等によらずに新規な方法で作り出すことを可能
にした構造を提案するものであり、これにより磁化曲線
のヒステリシスが小さく、さらには飽和磁場、積層膜の
抵抗値や絶縁性等を改良した磁気素子を提供することを
目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気素子は、請
求項1に記載したように、非磁性層を介して配置された
複数の磁性層を有する積層膜を具備する磁気素子であっ
て、前記磁性層はそれぞれ一軸磁気異方性を有し、かつ
前記非磁性層を介した前記磁性層間の磁気結合は双2次
の磁気結合が支配的であることを特徴としている。
【0012】本発明の磁気素子は、具体的には請求項2
に記載したように、前記磁性層はCo、Ni、CoFe
合金、NiFe合金およびCoNi合金から選ばれる 1
種から主としてなり、前記非磁性層はSi、Geおよび
SiGe合金から選ばれる1種からなることを特徴とし
ており、さらには請求項3に記載したように、前記磁性
層と非磁性層との界面に、前記磁性層と前記非磁性層と
の反応層を有することを特徴としている。
【0013】すなわち、例えばCo、Ni、CoFe合
金、NiFe合金およびCoNi合金から選ばれる 1種
から主としてなる磁性層(以下、M層と記す)と、S
i、GeおよびSiGe合金から選ばれる 1種からなる
非磁性層(以下、SM層と記す)とを交互に積層するこ
とで、SΜ層を介して配置された少なくとも一対のM層
間に弱い双2次の磁気結合が働くことを見出した。
【0014】上述した双2次の磁気結合による相互作用
は、従来の双1次の磁気結合による磁性層間のスピンの
反平行配列とは異なり、磁性層間のスピンを互いに90゜
に向かせる作用を有している。このように、非磁性層を
介した磁性層間の磁気結合が双2次の磁気結合が支配的
であると共に、これら磁性層がそれぞれ一軸磁気異方性
を有する場合に、磁性層間のスピンを互いに反平行に近
い状態とすることができ、かつ一軸磁気異方性に対して
直角の方向に外部磁場を加え、回転磁化過程により一対
の磁性層のスピンを平行磁化状態とすることによって、
ヒステリシスの小さい磁化曲線を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気素子を実施す
るための形態について説明する。
【0016】図1は本発明の磁気素子の一実施形態の要
部を示す断面図である。同図において、1は基板であ
り、この基板1上には基板面に対して平行に第1の磁性
層2、非磁性層3および第2の磁性層4からなる積層膜
5が形成されている。この第1の磁性層2/非磁性層3
/第2の磁性層4からなるサンドイッチ構造の積層膜5
は、スピンバルブ膜、強磁性トンネル接合膜等の巨大磁
気抵抗効果を示す磁気抵抗効果膜として例えば使用され
るものである。
【0017】また、本発明における積層膜の構造は、図
1に示した一対の磁性層2、4間に非磁性層3を介在さ
せたサンドイッチ構造に限らず、図2に示すように、磁
性層6と非磁性層7とを交互に多数積層した多層積層膜
8であってもよい。この多層積層膜8は、人工格子膜、
垂直磁気抵抗効果膜等の巨大磁気抵抗効果を示す磁気抵
抗効果膜として例えば使用されるものである。
【0018】これらサンドイッチ積層膜5や多層積層膜
8は、分子線エピタキシー法(ΜBE法)、各種スパッ
タ法、蒸着法等の通常の薄膜形成法を適用して作製する
ことができる。また、サンドイッチ積層膜5や多層積層
膜8にセンス電流を流す一対の電極を形成することによ
って、例えば磁気抵抗効果素子として利用される。
【0019】上述したサンドイッチ積層膜5や多層積層
膜8における磁性層2、4、6は、それぞれ一軸磁気異
方性を有しており、さらに非磁性層3を介した第1の磁
性層2と第2の磁性層4との磁気結合、および非磁性層
7を介した隣接する磁性層6間の磁気結合は、双2次の
磁気結合が支配的とされている。この磁性層間の双2次
の磁気結合は、磁性層2、4、6および非磁性層3、7
の構成材料の選択、さらには非磁性層3、7の厚さ制御
等により実現することができる。
【0020】すなわち、磁性層間の磁気結合を双2次の
磁気結合が支配的な状態を実現する上で、磁性層2、
4、6にはCo、Ni、CoFe合金、NiFe合金お
よびCoNi合金から選ばれる 1種から主としてなる磁
性層(M層)を適用することが、また非磁性層3、7に
はSi、GeおよびSiGe合金から選ばれる 1種から
なる非磁性層(SM層)を適用することが好ましい。
【0021】例えば、磁性層2、4、6にFe単独の磁
性層を適用すると、通常の双1次の磁気結合が支配的と
なる。特に、M層にCoやCo合金を用いることで、双
2次の磁気結合を大きくすることができる。また、非磁
性層3、7にCuやAu等の導電性金属材料を適用した
場合にも、通常の双1次の磁気結合が支配的となるのに
対し、上述したように非磁性層3、7にSi、Geおよ
びSiGe合金から選ばれる 1種の半導体(SM層)を
用いることで、双2次の磁気結合を実現することができ
る。
【0022】また、上記したようなM層とSM層との界
面には、一般に図1および図2に示すように、M層とS
M層との界面反応層であるM層の構成元素とSM層の構
成元素との合金(SM−M合金)層3a、7aが形成さ
れる。このとき非磁性層3、7の設定膜厚に依存して、
界面がすべてSM−M合金層3a、7aになる場合もあ
るし、図1や図2に示すように一部SΜ層3b、7bが
残存する場合もある。このいずれの膜においても、非磁
性層3、7を介して磁性層(M層)間に弱い双2次の磁
気結合が働く。
【0023】ここで図3に、イオンビームスパッタ(加
速電圧 700V)を用いて熱酸化Si基板上に、非磁性層
としてのSi膜の膜厚を 1.2nmに固定し、磁性層として
のCo膜の膜厚tCo(nm)を変化させた、(tCoCo/1.
2nm Si)6 構造の多層積層膜を作製し、この多層積層
膜について試料振動型磁力計を用いて測定した結果を示
す。図3はCo単位体積当たりの飽和磁化σs (Co)をC
o膜厚の逆数の関数として示す図である。両者はよい直
線関係を示し、σs (Co)=σCo(1− 2△d/tCo)が成
り立つ。ここで、△dはCoとSiの界面合金層の厚さ
である。横軸との交点から 2△d= 1.1nmと求まる。こ
れから、Siは 1.2nmのうち 1.1nmはCoと合金層(S
M−M合金層)を形成し、残りの 0.1nmはSiとして残
留していることが分かる。このSiはアモルファスSi
である。種々のSM膜厚について同様の実験を行った結
果、SM膜厚が 0.8nm以上の場合に、SM−M合金層に
加えて、それを形成しないSM層が残留することが判明
した。
【0024】また、双2次の磁気結合を得るために非磁
性層3、7の厚さは、SM−M合金層3a、7a単独、
およびSM−M合金層3a、7aとSΜ層3b、7bと
の合計膜厚のいずれにおいても、 0.5〜 3nmの範囲とす
ることが好ましい。非磁性層3、7の厚さが 0.5nm未満
では、強磁性的交換結合が生じてしまい、一方 3nmを超
えると交換磁気結合自体が低下してしまう。また、磁性
層(M層)2、4、6の厚さは 0.5〜10nmの範囲とする
ことが好ましい。
【0025】特に、非磁性層3、7の厚さは、図4に示
すように、後に詳述する残留磁化比Μr /Μs (Μs
飽和磁化、Μr は残留磁化)に影響し、残留磁化Μr
小さくすることが可能な範囲、すなわち磁化率が大きい
磁性材料、さらには高感度の磁気抵抗効果素子が得られ
る 1〜 2nmの範囲とすることが好ましい。なお、図4は
図3に測定結果を示した多層積層膜と同様にして、磁性
層としてのCo膜の膜厚を 3nmで固定し、非磁性層とし
てのSi膜の膜厚tSi(nm)を変化させた、(3nmCo/t
SiSi)10構造の多層積層膜の測定結果である。なお、
他のM膜およびSM膜についても同様な結果が得られ
た。
【0026】サンドイッチ積層膜5および多層積層膜8
における磁性層2、4、6は、上述したようにそれぞれ
一軸磁気異方性を有している。この一軸磁気異方性は、
磁場中成膜、磁場中熱処理、基板からの応力誘起、単結
晶基板によるエピタキシャル成長等により導入すること
ができる。この磁性層2、4、6の一軸磁気異方性は、
回転磁化過程で平行磁化状態に近い磁化曲線を得るため
に必要である。
【0027】また、非磁性層3を介した第1の磁性層2
と第2の磁性層4間、および非磁性層7を介した隣接す
る磁性層6間は、双2次の磁気結合が支配的である。こ
の双2次の磁気結合による相互作用は、従来の双1次の
磁気結合による磁性層間のスピンの反平行配列とは異な
り、磁性層間のスピンを互いに90゜に向かせる作用を有
している。そして、このように磁性層2、4、6の一軸
磁気異方性と双2次の磁気結合との共存によって、磁性
層2、4間あるいは磁性層6間のスピンを互いに反平行
状態とすることができ、さらにはヒステリシスの小さい
磁化曲線を得ることが可能となる。
【0028】すなわち、磁性層2、4、6の一軸磁気異
方性と双2次の磁気結合との共存によって、第1の磁性
層2のスピン方向(図中矢印M1 )と第2の磁性層4の
スピン方向(図中矢印M2 )(あるいは隣接する磁性層
6間のスピン方向)は、図5(a)に示すように、外部
磁場零の状態で、互いに90゜〜 180°の間の角度を成
す。この際、一軸磁気異方性が大きいほど、角度は 180
°の反平行に近付く。なお、図5において矢印Xは、磁
性層2、4(6)の一軸磁気異方性の方向を示してい
る。
【0029】このように、双2次の磁気結合によってス
ピンの反平行状態を実現した磁性層2、4(あるいは隣
接する磁性層6)に、図5(b)に示すように、磁性層
2、4(6)の一軸磁気異方性Xに対して直角な方向に
外部磁場Hを加えると、回転磁化過程によりスピンが反
平行状態から平行状態に変化する。この際の磁化曲線の
代表例を図6に示す。
【0030】図6の磁化曲線に示すように、太線部分に
ついてはスピンが反平行状態から平行状態に可逆的に変
化し、特に矢印Aで示す部分ではヒステリシスが極めて
小さいほぼ直線的な磁化曲線が得られる。これは一軸磁
気異方性に直角な方向に外部磁場を印加し、磁化過程を
回転磁化としているためである。これによって、例えば
磁気抵抗効果素子では磁気抵抗変化の良好な線形応答性
を得ることができる。また、スピンバルブ膜や強磁性ト
ンネル接合膜を有する磁気抵抗効果素子については、前
述したように電気抵抗の増大を図ることができる。さら
に、スピンバルブ膜を有する磁気抵抗効果素子に関して
は、バイアス電流によらずにスピンの反平行状態を実現
しているため、より一層センス電流の低減が図れる。よ
って、良好な線形応答性を得た上で、センス電流を大き
くすることなく出力電圧の増大を図ることができ、さら
にはエレクトロマイグレーション等の発生を回避するこ
とが可能となる。また、強磁性トンネル接合膜を有する
磁気抵抗効果素子に関しては、良好な線形応答性を得た
上で、非磁性層3による磁性層2、4間の絶縁を良好に
確保することができる。
【0031】さらに、人工格子膜を有する磁気抵抗効果
素子については、磁性層6間のスピンの反平行状態を弱
い双2次の磁気結合により実現しているため、従来の反
強磁性的交換結合に比べて飽和磁場を小さくすることが
できると共に、ヒステリシスが小さい良好な線形応答性
を得ることができる。またさらに、膜面に対して垂直方
向に電流を流せば、磁気抵抗変化率および出力の大きい
線形応答可能な磁気抵抗効果素子を得ることができる。
【0032】ここで、磁性層の膜面内に一軸磁気異方性
Κu 、磁性層間に双2次の磁気結合J2 が存在する場
合、一軸磁気異方性に対して直角の方向に外部磁場を加
えたときの飽和磁場Hs と残留磁化比Μr /Μs (Μs
は飽和磁化、Μr は残留磁化)は次式で与えられる。な
お、tは磁性層の膜厚である。
【0033】 Hs =Ha +4He …(1) Ha = 2Κu /Μs , He = 2J2 /Μs ・t …(2) Mr /Μs =( 1/2−Ha / 8He )1/2 …(3) 磁性層の一軸磁気異方性に対して直角な方向に外部磁場
を加えた場合、前述したように、磁化過程が回転磁化に
なるために、ヒステリシスの小さいほぼ直線的な磁化曲
線が得られる。この場合、残留磁化Μr および飽和磁場
s が小さいほど零磁場でスピンが反平行に近く、すな
わち図7に示すスピンの成す角度θを大きくすることが
でき、弱い磁場でスピンを揃えることができる。よっ
て、磁化率の大きい磁性材料、さらには高感度の磁気抵
抗効果素子を得ることができる。
【0034】このためには上記した (1)〜 (3)式からH
a /He =4 に近く、かつHa が小さいことが望まし
い。すなわち、Κu (J2 /t)=4 に近く、Κu が小
さいことが望ましい。例えばHs = 100Oe とすると、
Ha =Ηs /2=50Oe となり、Κu =25Μs となる。こ
こで、Μs s=1000emu/cm3 とすると、Ku = 2.5×10
4 erg/cm3 となる。すなわちΚu が104 erg/cm3 のオー
ダのとき、飽和磁場が100Oe 程度と小さくなり、しか
もヒステリシスのない磁化曲線が期待される。従って、
一軸磁気異方性の値は少なくとも105 erg/cm3 以下の値
が望ましい。このような条件を満足させることにより、
ヒステリシスの極めて小さい磁化曲線や磁気抵抗効果曲
線を得た上で、飽和磁場の小さい線形的な磁化曲線が得
られる。なお、本発明の磁気素子は、前述した実施形態
で示した磁気抵抗効果素子に限らず、通常の薄膜磁気ヘ
ッド、磁界センサ、インダクタンス素子等に適用するこ
とも可能であり、これらの場合においてもヒステリシス
が極めて小さいほぼ直線的な磁化曲線は有効である。
【0035】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0036】実施例1 イオンビームスパッタ(加速電圧 700V)を用いて、熱
酸化Si基板およびガラス基板上にそれぞれ、膜厚 3nm
のCo膜と膜厚 1.5nmのSi膜を交互に積層して、(3nm
Co/ 1.5nmSi)10構造の多層積層膜を作製した。熱
酸化Si基板上に作製した(3nmCo/ 1.5nmSi)10
の磁化曲線を図8に、またガラス基板上に作製した(3nm
Co/ 1.5nmSi)10膜の磁化曲線を図9に示す。図8
および図9は、それぞれ互いに直角方向に磁界を印加し
た場合の磁化曲線を示している。図8および図9から、
ガラス基板上の多層積層膜は等方的であるが、熱酸化S
i基板上の多層積層膜は異方的であり、一軸磁気異方性
u が存在していることが分かる。また、熱酸化Si基
板上の多層積層膜の独特なヒステリシスは、Co膜間に
双2次の交換結合J2 が働き、Co膜間のスピンを互い
に90゜に向けようとする力が働いているためである。す
なわち、J2 とΚu の共存のためである。図8のMr
Μs は 0.4であり、これはΚu /(J2 /tCo)= 2.7
に対応し、Co膜間のスピンの成す角度は約 140゜であ
る。一方、ガラス基板上の膜のMr /Μs は約 0.7であ
り、これはJ2 結合のみが存在するためにスピンが互い
に90゜に近い角度になる結果である。
【0037】図8(a)に示す磁化曲線で特徴的なこと
は、広い磁界範囲で磁化が可逆的に変化する(太線部
分)ことである。これは一軸磁気異方性に直角な方向に
磁界が印加されたためであり、磁化過程が回転磁化で起
っているためである。また飽和磁場が50Oe と小さいの
は、一軸磁気記方性および双2次の磁気結合が、Ku
1.4×104 erg/cm3 、J2 = 1.5×10-3erg/cm2 といず
れも小さいためである。このように、熱酸化Si基板上
に作製したCo/Si多層積層膜では、小さな一軸磁気
異方性と双2次の磁気結合が導入されるため、飽和磁場
が小さく、磁化が可逆的に変化する領域が広い磁化曲線
が得られる。また、膜面内に電流を流して電気抵抗を測
定したところ、室温でいずれも 500μΩ/cm以上と大き
かった。 実施例2 実施例1と同様にして、熱酸化Si基板上に 3nmCo/
1.5nmSi/ 8nmCo/ 1.5nmSiの 4層積層膜を作製
した。この膜の磁化曲線を測定したところ、一軸磁気異
方性が存在し、それに直角方向に磁場を印加した場合の
磁化曲線はほとんど直線的で、Μr /Μs は0.15であっ
た。これは零磁場で 2つのCo膜のスピンが互いにほと
んど反平行に向いていることを意味する。
【0038】この積層膜について膜面垂直方向に電流を
流し、磁場を膜面内でかつ一軸磁気異方性に対して直角
方向に印加して、直流4端子法を用いて磁気抵抗効果を
測定した。その結果、ほぼ直線的でヒステリシスのない
磁気抵抗効果曲線が得られ、磁気抵抗変化率は25% 、飽
和磁場は30Oe であった。また、抵抗は零磁場で50Ωと
非常に大きかった。これは界面に合金化していないアモ
ルファスSi層が残存しているためである。
【0039】なお、上記実施例では非磁性層としてSi
を用いた場合について示したが、GeおよびSi−Ge
合金を用いた場合にも同様の結果が得られた。また、磁
性層としてNi、CoFe合金、NiFe合金を用いた
場合にも、同様の結果が得られた。さらに、磁場中成膜
して磁性層の膜面内に一軸磁気異方性を付与した場合に
も同様の結果が得られた。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気素子
によれば、反強磁性的交換結合や磁化固着等によらずに
スピンの反平行状態を実現すると共に、ヒステリシスの
極めて小さい磁化曲線を得ることができる。従って、例
えば磁気抵抗効果素子において、飽和磁場、積層膜の抵
抗値や絶縁性等を改良すると共に、良好な線形応答性を
得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気素子の一実施形態の要部構成を
示す断面図である。
【図2】 本発明の磁気素子の他の実施形態の要部構成
を示す断面図である。
【図3】 (tCoCo/1.2nm Si)6 膜のCo単位体
積当たりの飽和磁化σs (Co)をCo膜厚の逆数の関数と
して示す図である。
【図4】 (3nmCo/tSiSi)10膜のMr /Ms 比と
Si膜厚との関係を示す図である。
【図5】 本発明の磁気素子における磁性層のスピン状
態を模式的に示す図である。
【図6】 本発明の磁気素子の典型的な磁化曲線の例を
示す図である。
【図7】 本発明の磁気素子における磁性層の一軸磁気
異方性およびスピン状態と外部磁場との関係を模式的に
示す図である。
【図8】 本発明の一実施例において熱酸化Si基板上
に作製したCo/Si多層積層膜の磁化曲線を示す図で
ある。
【図9】 ガラス基板上に作製したCo/Si多層積層
膜の磁化曲線を示す図である。
【符号の説明】
2、4、6……磁性層 3、7……非磁性層 3a、7a……SM−M合金層 3b、7b……SM層 5……サンドイッチ積層膜 8……多層積層膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性層を介して配置された複数の磁性
    層を有する積層膜を具備する磁気素子であって、 前記磁性層はそれぞれ一軸磁気異方性を有し、かつ前記
    非磁性層を介した前記磁性層間の磁気結合は双2次の磁
    気結合が支配的であることを特徴とする磁気素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気素子において、 前記磁性層はCo、Ni、CoFe合金、NiFe合金
    およびCoNi合金から選ばれる 1種から主としてな
    り、前記非磁性層はSi、GeおよびSiGe合金から
    選ばれる 1種からなることを特徴とする磁気素子。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の磁気素子において、 前記磁性層と非磁性層との界面に、前記磁性層と非磁性
    層との反応層を有することを特徴とする磁気素子。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の磁気素子において、 前記磁性層と非磁性層とを有する積層膜は、巨大磁気抵
    抗効果を示す磁気抵抗効果膜であることを特徴とする磁
    気素子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004059755A1 (ja) * 2002-12-24 2004-07-15 Fujitsu Limited Cpp磁気抵抗効果素子及びその製造方法、cpp磁気抵抗効果素子を備えた磁気記憶装置
KR100458055B1 (ko) * 2001-03-23 2004-11-26 샤프 가부시키가이샤 실리콘 게르마늄 상에 열적으로 안정한 니켈게르마늄실리사이드를 형성하는 방법
US7428127B2 (en) 2002-12-24 2008-09-23 Fujitsu Limited CPP magnetoresistive effect element and magnetic storage device having a CPP magnetoresistive effect element
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