JPH108104A - 射出成形体の脱脂方法 - Google Patents

射出成形体の脱脂方法

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JPH108104A
JPH108104A JP16499596A JP16499596A JPH108104A JP H108104 A JPH108104 A JP H108104A JP 16499596 A JP16499596 A JP 16499596A JP 16499596 A JP16499596 A JP 16499596A JP H108104 A JPH108104 A JP H108104A
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JP
Japan
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degreasing
carrier gas
furnace
injection
molded article
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JP16499596A
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English (en)
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Shoji Takahashi
祥二 高橋
Shozo Shimizu
昭三 清水
Kenichi Shimodaira
賢一 下平
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INJIETSUKUSU KK
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INJIETSUKUSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】短い脱脂時間で、均一かつ良好に脱脂を行うこ
と。 【解決手段】金属粉末と結合材とを混合、混練し、該混
練物を用い、射出成形して製造された成形体に対し、脱
脂処理を施す。この脱脂処理は、第1の工程とこれに続
く第2の工程とを有している。第1の工程は、炉1の載
置台3上に成形体10を載置し、キャリアガス供給系6
より処理空間2内へ非酸化性ガスよりなるキャリアガス
を供給しつつ、加熱ヒータ4で加熱して、低温域で脱脂
を行う。第2の工程は、キャリアガス供給系6より処理
空間2内へ同様のキャリアガスを供給しつつ、加熱ヒー
タ4で加熱して、高温域で脱脂を行う。この場合、第2
の工程におけるキャリアガス供給量は、第1の工程にお
けるキャリアガス供給量より大とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼結に供される射
出成形体の脱脂方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属粉末の成形体を焼結して金属製品を
製造するに際し、成形体の製造方法として、金属粉末と
有機バインダーと混合、混練し、この混練物を用いて射
出成形する金属粉末射出成形(MIM:Metal Injectio
n Molding )法が知られている。
【0003】MIM法により製造された成形体は、焼結
に供する前に、脱脂処理(脱バインダー処理)が施され
る。
【0004】従来の脱脂方法としては、加熱炉内での真
空(減圧)脱脂、不活性ガス中での脱脂や、溶媒抽出
法、光化学分解法、熱分解法等がある。これらの脱脂方
法には、それぞれ一長一短があり、目的に応じて適宜選
択されている。これらの脱脂方法のうち、真空脱脂や不
活性ガス中での脱脂は、その他の方法に比べて脱脂効率
が高いという利点を有するが、その反面、脱脂時間が3
0〜100時間程度と極めて長く、そのため、生産性が
低く、製造コストが高いという欠点がある。
【0005】真空脱脂または真空脱脂の工程を含む脱脂
方法では、雰囲気が真空または減圧下(10Torr以下)
であるがゆえに、成形体への熱伝導率が低く、成形体温
度を炉内温度に追従させるために、炉内の昇温速度を遅
く設定せざるを得ないことが、脱脂時間を長くする主な
原因である。
【0006】また、雰囲気が真空または減圧下である場
合、熱伝導率の低さから、炉内および成形体の温度分布
が不均一となり易く、そのため、脱脂にムラが生じ、均
一かつ良好な品質の脱脂体(脱脂済成形体)を安定的に
供給することができないという問題がある。
【0007】また、最初に低温で真空脱脂を行い、次
に、高温下で炉内に不活性ガスを導入する方法も提案さ
れているが、脱脂雰囲気が不活性ガスに切り替わる際
に、急速な温度上昇等のショックで、成形体に膨れ、だ
れ等の欠陥が発生し易いという問題がある。また、この
ような欠陥が生じなかった場合でも、しばしば脱脂が不
均一となったり、脱脂後の成形体中の残留炭素量が多く
なったりする。脱脂体中の残留炭素量が多いと、それを
焼結した焼結体製品中の炭素量も多くなり、その品質
(例えば機械的強度等の物理的特性)が低下する。
【0008】このような欠点を緩和するためには、雰囲
気が不活性ガスとなった後の炉内温度の変化を緩慢にす
ればよいが、そのために、脱脂時間が長くなり、しか
も、不活性ガスの消費量も増大する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、短い
脱脂時間で、均一かつ良好に脱脂を行うことができる射
出成形体の脱脂方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(11)の本発明により達成される。
【0011】(1) 原料粉末と結合材とを含む組成物
を用い、射出成形して得られた成形体を炉内で加熱して
脱脂処理を行う射出成形体の脱脂方法において、前記炉
内に非酸化性ガスよりなるキャリアガスを供給しつつ低
温域で脱脂を行う第1の工程と、前記炉内に前記キャリ
アガスを供給しつつ高温域で脱脂を行う第2の工程とを
有し、前記第2の工程における前記キャリアガスの供給
量が、前記第1の工程における前記キャリアガスの供給
量より大であることを特徴とする射出成形体の脱脂方
法。
【0012】(2) 原料粉末と結合材とを含む組成物
を用い、射出成形して得られた成形体を炉内で加熱して
脱脂処理を行う射出成形体の脱脂方法において、前記炉
内に非酸化性ガスよりなるキャリアガスを供給しつつ低
温域で脱脂を行う第1の工程と、前記炉内に前記キャリ
アガスを供給しつつ高温域で脱脂を行う第2の工程とを
有し、前記第2の工程における前記キャリアガスの供給
量が、前記第1の工程における前記キャリアガスの供給
量の2〜30倍であることを特徴とする射出成形体の脱
脂方法。
【0013】(3) 前記第1の工程と前記第2の工程
とが連続して実行される上記(1)または(2)に記載
の射出成形体の脱脂方法。
【0014】(4) キャリアガス供給量切替温度が2
00〜300℃である上記(1)ないし(3)のいずれ
かに記載の射出成形体の脱脂方法。
【0015】(5) 前記キャリアガスは、窒素ガス、
アルゴンガス、二酸化炭素、アンモニア分解ガスより選
択された少なくとも1種である上記(1)ないし(4)
のいずれかに記載の射出成形体の脱脂方法。
【0016】(6) 前記第1の工程と前記第2の工程
とで、同種のキャリアガスを用いる上記(1)ないし
(5)のいずれかに記載の射出成形体の脱脂方法。
【0017】(7) 前記第1の工程と前記第2の工程
の少なくとも一方において、炉内を撹拌しつつ脱脂を行
う上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の射出成形
体の脱脂方法。
【0018】(8) 前記第1の工程における処理時間
が2〜20時間であり、前記第2の工程における処理時
間が4〜22時間である上記(1)ないし(7)のいず
れかに記載の射出成形体の脱脂方法。
【0019】(9) 前記第2の工程の後、前記炉内に
少量の前記キャリアガスを供給しつつ成形体を冷却する
第3の工程を有する上記(1)ないし(8)のいずれか
に記載の射出成形体の脱脂方法。
【0020】(10) 前記第1の工程の前に、前記炉内
に空気を供給しつつ昇温する前工程を有する上記(1)
ないし(9)のいずれかに記載の射出成形体の脱脂方
法。
【0021】(11) 前記原料粉末は金属粉末であり、
前記成形体中の金属粉末の含有量が75〜95wt%であ
る上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の射出成形
体の脱脂方法。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の射出成形体の脱脂
方法について詳細に説明する。
【0023】[1]成形体の製造 脱脂に供される成形体は、好ましくは金属粉末射出成形
法(MIM法)で成形されたものであるのが好ましい。
金属粉末射出成形法は、複雑で微細な形状の金属焼結品
を高い寸法精度で製造することができる利点を有するの
で、本発明を適用する上でその効果が有効に発揮され、
好ましい。以下、その工程を順次説明する。
【0024】まず、原料粉末である金属粉末と結合材
(有機バインダー)とを用意し、これらを混練機により
混練し、混練物(コンパウンド)を得る。
【0025】金属粉末の金属としては、特に限定され
ず、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、銅、アルミニウ
ム、タングステン、チタン、モリブデン、バナジウム
等、全ての金属元素またはその合金が挙げられる。ま
た、組成の異なる2種以上の金属粉末を混合して(混合
粉)用いることもできる。
【0026】金属粉末の製造方法も特に限定されず、例
えばアトマイズ法、還元法、カルボニル法、粉砕法によ
り製造されたものを用いることができる。
【0027】このような金属粉末の平均粒径は、特に限
定されないが、通常、0.2〜200μm 程度が好まし
く、1〜50μm 程度がより好ましい。
【0028】一方、結合材としては、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
などのポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポ
リブチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチ
レン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、
ポリビニルアルコール、またはこれらの共重合体等の各
種樹脂や、各種ワックス、パラフィン、高級脂肪酸
(例:ステアリン酸)、高級アルコール、高級脂肪酸エ
ステル、高級脂肪酸アミド等が挙げられ、これらのうち
の1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0029】また、さらに可塑剤が添加されていてもよ
い。この可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル
(例:DOP、DEP、DBP)、アジピン酸エステ
ル、トリメリット酸エステル、セバシン酸エステル等が
挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合し
て用いることができる。
【0030】脱脂前の成形体中の金属粉末の含有量は、
75〜95wt%程度であるのが好ましく、80〜92wt
%程度であるのがより好ましい。75wt%未満では、成
形体を焼成した際の収縮率が増大し、寸法精度が低下
し、また、焼結体における空孔率や含有C量が増大する
傾向を示す。また、95wt%を超えると、相対的に結合
材の含有量が減るので、成形時における流動性が乏しく
なり、射出成形が不能または困難となるか、あるいは成
形物の組成が不均一となる。
【0031】なお、混練に際しては、前記金属粉末、結
合材、可塑剤の他に、例えば、潤滑剤、酸化防止剤、脱
脂促進剤、界面活性剤等の各種添加物を必要に応じ添加
することができる。
【0032】混練条件は、用いる金属粉末の粒径、結合
材、添加剤の組成およびその配合量等の諸条件により異
なるが、その一例を挙げれば、混練温度:常温〜200
℃程度、混練時間:20〜210分程度とすることがで
きる。混練物は、必要に応じ、ペレット(小塊)化され
る。ペレットの粒径は、例えば、3〜10mm程度とされ
る。
【0033】次に、前記で得られた混練物または該混練
物より造粒されたペレットを用いて、射出成形機により
射出成形し、所望の形状の成形体を製造する。この場
合、成形金型の選択により、複雑で微細な形状の成形体
をも容易に製造することができる。
【0034】射出成形の成形条件としては、用いる金属
粉末の粒径、結合材の組成およびその配合量等の諸条件
により異なるが、その一例を挙げれば、材料温度(金型
温度)が好ましくは80〜200℃程度、射出圧力が好
ましくは20〜150kgf/cm2 程度とされる。
【0035】なお、上記では、原料粉末として金属粉末
を用いたMIM法について説明したが、本発明におい
て、原料粉末は、例えば、各種セラミックス、サーメッ
トのような金属化合物の粉末であってもよい。さらに
は、これらと前記金属粉末とを混合したものでもよい。
【0036】[2]成形体の脱脂 前記工程[1]で得られた成形体に脱脂処理(脱バイン
ダー処理)を施す。
【0037】まず、脱脂処理に使用する炉の構成を図1
に基づいて説明する。炉1は、その内部にほぼ密閉状態
を保持し得る処理空間2を有している。この処理空間2
には、成形体10を載置する載置台3が設置されてい
る。
【0038】また、炉1には、処理空間2内を加熱する
加熱ヒータ4と、処理空間2の雰囲気を撹拌する撹拌装
置5とが設置されている。撹拌装置5は、モータ51
と、該モータ51により回転される撹拌羽根52とで構
成され、撹拌羽根52は、処理空間2内に位置してい
る。
【0039】加熱ヒータ4は、マイクロコンピュータの
ような制御手段8によりその作動が制御され、処理空間
2内の温度制御、特に昇温パターンの制御がなされる。
【0040】また、炉1には、キャリアガスを処理空間
2へ供給するキャリアガス供給系6と、処理空間2内の
キャリアガスを排気するキャリアガス排気系7とが設置
されている。
【0041】キャリアガス供給系6は、異なる3種のキ
ャリアガスA、B、C(Cは空気でもよい)をそれぞれ
供給する管路61、62、63と、管路61、62、6
3の下流端に設置された選択バルブ64と、選択バルブ
64と処理空間2内とを接続する管路65と、管路65
の途中に設置された流量調節バルブ66とで構成されて
いる。
【0042】このうち、選択バルブ64は、管路61、
62、63のうちの任意の1または2以上と、管路65
との接続を選択するバルブである。また、流量調節バル
ブ66は、管路65を流れるキャリアガスの流量を調節
するバルブである。
【0043】選択バルブ64および流量調節バルブ66
は、それぞれ、電磁バルブで構成され、これらのバルブ
の作動、すなわち、選択バルブ64による選択および流
量調節バルブ66の開度は、制御手段8により制御され
る。
【0044】また、キャリアガス排気系7は、処理空間
2に連通する管路71で構成されている。
【0045】このような炉1を用いた脱脂処理は、以下
に説明する第1の工程と第2の工程とを行うことにより
なされる。また、さらに第3の工程を行うのが好まし
い。
【0046】0.前工程 後述する第1の工程に先立ち、必要に応じ、前工程を行
うことができる。前記工程[1]で得られた成形体10
を炉1の載置台3上に所定の配置で載置し、キャリアガ
ス供給系6を利用するなどして処理空間2内へ空気を供
給しつつ、加熱ヒータ4を作動して、例えば70〜12
0℃程度まで昇温する。
【0047】このときの空気の供給量は、好ましくは1
0〜100リットル/分程度、より好ましくは20〜8
0リットル/分程度とされる。
【0048】1.第1の工程 キャリアガス供給系6により選択バルブ64で選択され
た所定のキャリアガス(例えば窒素ガス、アルゴンガ
ス)を、流量調節バルブ66の開度調節により所定の供
給量(流量)で処理空間2内へ供給しつつ、加熱ヒータ
4のパワーを調整して、低温域で熱処理して脱脂を行
う。処理空間2内は当該キャリアガスに置換され、成形
体10は、処理空間2に充満するキャリアガスを雰囲気
として脱脂がなされる。処理空間2からは、キャリアガ
スの供給量とほぼ同量のキャリアガスが、キャリアガス
排気系7を介して排気される。
【0049】このとき、撹拌装置5を作動して、処理空
間2内を撹拌しつつ脱脂を行う。これにより、処理空間
2内のキャリアガスの組成(濃度)および温度分布は、
均一に保たれ、成形体10は、均一にかつ効率良く脱脂
がなされる。
【0050】キャリアガスとしては、例えば、窒素ガ
ス、アルゴンガス、二酸化炭素、アンモニア分解ガスの
ような非酸化性ガスが挙げられ、これらのうちの1種ま
たは2種以上を混合して用いることができる。これらの
内でも、特に、窒素ガス、アルゴンガスが好ましい。
【0051】キャリアガスの供給量(流量)は、比較的
少量でよく、炉1の容量が2〜8m3の場合、好ましくは
10〜150リットル/分程度、より好ましくは20〜
120リットル/分程度とすることができる。この好適
な供給量は、炉1の容量に応じて増減する。
【0052】また、炉内温度(処理温度)は、60〜3
00℃程度、より好ましくは80〜280℃程度とする
ことができる。この場合、第1の工程における炉内温度
は、経時的に昇温するようなパターンとされるのが好ま
しい。
【0053】第1の工程における処理時間は、特に限定
されないが、通常2〜20時間程度が好ましく、4〜1
6時間程度がより好ましい。2時間未満では、他の条件
によっては脱脂が不十分となることがあり、また、20
時間を超えると、全体の脱脂時間が長くなる。
【0054】2.第2の工程 前記第1の工程に連続して第2の工程が実行される。こ
の第2の工程では、流量調節バルブ66の開度をさらに
大きく設定することにより、キャリアガスの処理空間2
内への供給量(流量)を前記第1の工程より増大させ
る。
【0055】この場合、第2の工程におけるキャリアガ
スの供給量は、第1の工程におけるキャリアガスの供給
量の2〜30倍程度であるのが好ましく、4〜25倍程
度であるのがより好ましい。
【0056】具体的には、キャリアガスの供給量は、炉
1の容量が2〜8m3の場合、好ましくは100〜400
リットル/分程度、より好ましくは150〜350リッ
トル/分程度とすることができる。この好適な供給量
は、炉1の容量に応じて増減する。
【0057】第2の工程におけるキャリアガスの種類、
組成は、第1の工程において使用したキャリアガスと同
一でも異なっていてもよいが、同種のもの、すなわち、
同一組成またはガスの主成分が共通するものが好まし
い。
【0058】また、第2の工程における炉内温度(処理
温度)は、高温域とされ、好ましくは200〜700℃
程度、より好ましくは300〜600℃程度とすること
ができる。この場合、第2の工程における炉内温度は、
経時的に昇温し、高温状態を一定時間保持するようなパ
ターンとされるのが好ましい。
【0059】また、第2の工程においても、前記と同様
に撹拌装置5を作動して、処理空間2内を撹拌する。こ
れにより、処理空間2内のキャリアガスの組成(濃度)
および温度分布は、均一に保たれ、成形体10は、均一
にかつ効率良く脱脂がなされる。
【0060】第2の工程における処理時間は、特に限定
されないが、通常4〜22時間程度が好ましく、6〜2
0時間程度がより好ましい。4時間未満では、他の条件
によっては脱脂が不十分となることがあり、また、22
時間を超えると、全体の脱脂時間が長くなる。
【0061】キャリアガス供給量切替温度(第1の工程
から第2の工程への移行時の温度)は、200〜300
℃程度であるのが好ましく、240〜280℃程度であ
るのがより好ましい。
【0062】3.第3の工程 前記第2の工程の後、第3の工程が実行される。この第
3の工程では、加熱ヒータ4の作動を停止またはパワー
ダウンして、炉内温度を下げ、成形体10を例えば常温
まで冷却する。
【0063】このとき、流量調節バルブ66の開度を小
さく設定して、少量のキャリアガスを処理空間2内へ供
給する。第3の工程におけるキャリアガスの供給量は、
第2の工程におけるキャリアガスの供給量の0.05〜
0.5倍程度であるのが好ましく、0.1〜0.4倍程
度であるのがより好ましい。
【0064】具体的には、キャリアガスの供給量は、前
記と同様の炉1の容量に対し、好ましくは10〜150
リットル/分程度、より好ましくは20〜100リット
ル/分程度とすることができる。
【0065】なお、第3の工程におけるキャリアガス
は、第2の工程において使用したキャリアガスと同種の
ものが好ましい。
【0066】[3]成形体の焼結 以上のようにして得られた脱脂体は、例えば焼結炉で焼
成して焼結され、金属焼結体となる。焼結条件は、特に
限定されず、例えば温度1000〜1400℃程度で1
5〜30時間程度とされる。
【0067】また、焼結雰囲気は、例えば、5×10-2
Torr 以下(特に、1×10-2〜1×10-6 Torr )の
減圧(真空)下、または窒素ガス、アルゴンガス等の不
活性ガスとされる。
【0068】以上のような特徴の脱脂処理を施すことに
より、次のような作用、効果が生じる。
【0069】脱脂処理のほぼ全部の工程において、空
気、非酸化性ガスよりなるキャリアガスを炉内に流すの
で、これらの気体を媒介とした熱伝達がなされ、炉内の
温度分布が安定する。そのため、成形体は、均一かつ効
率的に脱脂がなされるとともに、炉内の昇温速度が大幅
に速くなり、脱脂時間が大幅に短縮される。
【0070】また、脱脂時間が短縮されることで、1回
の脱脂におけるキャリアガスの消費量が低減される。特
に、アルゴンガスのような高価なキャリアガスの消費量
が減ることは、製造コストの低減にとって有利である。
【0071】また、本発明では、低温処理の第1の工程
と高温処理の第2の工程とで、キャリアガスの供給量に
前述したような差異が設けられている。
【0072】すなわち、低温域(第1の工程)では、成
形体中の結合材等の有機成分の分解が徐々に生じている
ため、キャリアガスの供給量は少量でよく、これによ
り、熱損失の抑制およびキャリアガスの消費量の節約が
できる。
【0073】一方、高温域(第2の工程)では、成形体
中の結合材等の有機成分の分解が著しく生じるので、キ
ャリアガスの供給量を増大し、有機成分の分解を促進さ
せるとともに、この分解により生じたガスをキャリアガ
スとともに炉外へ速やかに排出する。これにより、成形
体は、高速で脱脂がなされるとともに、脱脂後の成形体
(脱脂体)中の有機成分の残留量(残炭量)も従来方式
に比べて低減され、また、そのバラツキも少なく、よっ
て、高品質かつ均質な脱脂体(すなわち焼結製品)を短
時間で安価に製造することができる。
【0074】また、第3の工程においても、炉内にキャ
リアガスを流すことにより、冷却効率を向上することが
できるとともに、炉内に残留する分解ガスが、脱脂体に
再付着することを防止することができる。また、その供
給量は少量であるため、キャリアガスの消費量を増大さ
せることもない。
【0075】特に、本発明では、第1〜第3の各工程に
おけるキャリアガスの種類(組成)、供給量を、温度変
化パターンに応じて適宜設定することにより、より一層
優れた前記効果を得ることができる。
【0076】
【実施例】次に、本発明の焼結体の製造方法の具体的実
施例について説明する。
【0077】(実施例1〜4)平均粒径10μm のステ
ンレス(SUS36L)粉末:88wt%と、ポリプロピ
レン(熱可塑性樹脂):5wt%およびワックス:5wt%
から構成される結合材と、ジブチルフタレート(可塑
剤):2wt%とを混合し、これらを混練機にて110
℃、2時間の条件で混練した。
【0078】次に、この混練物を粉砕、分級して平均粒
径3mmのペレットとし、該ペレットを用い、射出成形機
にて金属粉末射出成形し、表1に示す所定形状の成形体
を製造した。射出成形時における成形条件は、金型温度
150℃、射出圧力50kgf/cm2 であった。
【0079】次に、得られた成形体に対し、図1に示す
構成の炉(容量:5m3)を用いて、図2のグラフに示す
温度変化パターンで脱脂処理を行った(成形体単位重量
および総脱脂処理量は、表1参照)。
【0080】脱脂処理は、前工程と、第1、第2および
第3の工程とを含み、前工程では、空気を20リットル
/分の供給量で約2時間供給しつつ、90℃まで昇温し
た。また、第1、第2および第3の工程では、それぞれ
同一のキャリアガスを用いた。用いたキャリアガスの種
類、各工程における供給量、炉内撹拌の有無、キャリア
ガス供給量切替温度を表2に示す。
【0081】また、全ての工程において、撹拌装置を作
動して、炉内を撹拌した。
【0082】(比較例1〜4)図2のグラフに示す温度
変化パターンで脱脂処理を行った以外は、実施例1〜4
と同様とした。
【0083】なお、脱脂処理においては、脱脂雰囲気
を、20時間までは真空(1×10-3Torr )とし、そ
れ以後の第2の工程および第3の工程では、キャリアガ
スの種類、供給量、炉内撹拌の有無、キャリアガス供給
量切替温度を表2に示す通りとした。
【0084】また、第2、第3の工程において、炉内の
撹拌は行わなかった。
【0085】(比較例5〜7)脱脂処理における各工程
の時間を対応する実施例1〜3と同程度に短縮して脱脂
を行った以外は、比較例1〜4と同様とした。第2の工
程および第3の工程におけるキャリアガスの種類、供給
量、炉内撹拌の有無、キャリアガス供給量切替温度は、
表2に示す通りとした。
【0086】前記実施例1〜4、比較例1〜7で得られ
た各脱脂体について、残留炭素量(残炭量)およびその
偏差値σを調べるとともに、脱脂体の表面を目視で観察
し、外観不良の有無を判定した。その結果および脱脂に
要した合計時間(脱脂時間)を表2に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】表2に示すように、実施例1〜4では、い
ずれも、脱脂体の外観は良好であり、残炭量が少なく、
しかもそのバラツキ(偏差値σ)も少なく、よって、高
品質かつ均質な脱脂体が得られている。さらに、このよ
うな脱脂体を極めて短い脱脂時間で製造することができ
た。
【0090】このような脱脂時間の短縮は、第1、第2
の工程において、熱伝導率の高いキャリアガスフローを
連続して行ったこと、特に、炉内の撹拌によりキャリア
ガスの組成および温度分布が均一となったことが、その
主な理由であると推定される。
【0091】また、脱脂後の残炭量およびそのバラツキ
が少ないのは、第2の工程における最高温度部で大量の
キャリアガスを供給したこと、および第1、第2の工程
において、炉内の撹拌を行ったことが、その主な理由で
あると推定される。
【0092】このような残炭量の少ない成形体は、それ
を焼結した焼結体中の残炭量も少なくなり、その焼結体
の機械的強度等の物理的特性が向上する。
【0093】これに対し、比較例1〜4では、外観不良
はないが、残炭量のバラツキが多く、また、脱脂時間が
長いので、生産性が低いとともに、キャリアガスの消費
量も多い。残炭量のバラツキが多いのは、炉内の撹拌を
行わなかったため、炉内の温度分布やキャリアガスの組
成に不均一が生じたことが主な原因であると推定され
る。
【0094】また、比較例5〜7では、脱脂時間を強制
的に短縮したため、脱脂後の残炭量およびそのバラツキ
が多く、しかも、膨れ、だれ等の脱脂欠陥が生じた。
【0095】このような脱脂欠陥は、脱脂雰囲気が、熱
伝導率の極めて低い真空から熱伝導率の高いキャリアガ
スフローに切り替わる際に、急速な温度上昇および温度
ムラが生じたことが主な原因であると推定される。
【0096】なお、実施例1〜4の各脱脂処理で使用し
たキャリアガスの量は、比較例1〜4の各脱脂処理で使
用したキャリアガスの量に比べ、50〜70%程度であ
り、キャリアガスの節約が図れることも確認された。
【0097】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の射出成形体
の脱脂方法によれば、均一かつ良好に脱脂を行うことが
でき、脱脂時間を大幅に短縮することができる。そのた
め、生産性が向上するとともに、キャリアガスの消費量
や脱脂のためのエネルギー消費を低減することができ、
製造コストの低減も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる炉の構成例を模式的に示す
図である。
【図2】脱脂処理における炉内温度の変化パターンを示
すグラフである。
【符号の説明】
1 炉 2 処理空間 3 載置台 4 加熱ヒータ 5 撹拌装置 51 モータ 52 撹拌羽根 6 キャリアガス供給系 61〜63 管路 64 選択バルブ 65 管路 66 流量調節バルブ 7 キャリアガス排気系 71 管路 8 制御手段 10 成形体

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料粉末と結合材とを含む組成物を用
    い、射出成形して得られた成形体を炉内で加熱して脱脂
    処理を行う射出成形体の脱脂方法において、 前記炉内に非酸化性ガスよりなるキャリアガスを供給し
    つつ低温域で脱脂を行う第1の工程と、 前記炉内に前記キャリアガスを供給しつつ高温域で脱脂
    を行う第2の工程とを有し、 前記第2の工程における前記キャリアガスの供給量が、
    前記第1の工程における前記キャリアガスの供給量より
    大であることを特徴とする射出成形体の脱脂方法。
  2. 【請求項2】 原料粉末と結合材とを含む組成物を用
    い、射出成形して得られた成形体を炉内で加熱して脱脂
    処理を行う射出成形体の脱脂方法において、 前記炉内に非酸化性ガスよりなるキャリアガスを供給し
    つつ低温域で脱脂を行う第1の工程と、 前記炉内に前記キャリアガスを供給しつつ高温域で脱脂
    を行う第2の工程とを有し、 前記第2の工程における前記キャリアガスの供給量が、
    前記第1の工程における前記キャリアガスの供給量の2
    〜30倍であることを特徴とする射出成形体の脱脂方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第1の工程と前記第2の工程とが連
    続して実行される請求項1または2に記載の射出成形体
    の脱脂方法。
  4. 【請求項4】 キャリアガス供給量切替温度が200〜
    300℃である請求項1ないし3のいずれかに記載の射
    出成形体の脱脂方法。
  5. 【請求項5】 前記キャリアガスは、窒素ガス、アルゴ
    ンガス、二酸化炭素、アンモニア分解ガスより選択され
    た少なくとも1種である請求項1ないし4のいずれかに
    記載の射出成形体の脱脂方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の工程と前記第2の工程とで、
    同種のキャリアガスを用いる請求項1ないし5のいずれ
    かに記載の射出成形体の脱脂方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の工程と前記第2の工程の少な
    くとも一方において、炉内を撹拌しつつ脱脂を行う請求
    項1ないし6のいずれかに記載の射出成形体の脱脂方
    法。
  8. 【請求項8】 前記第1の工程における処理時間が2〜
    20時間であり、前記第2の工程における処理時間が4
    〜22時間である請求項1ないし7のいずれかに記載の
    射出成形体の脱脂方法。
  9. 【請求項9】 前記第2の工程の後、前記炉内に少量の
    前記キャリアガスを供給しつつ成形体を冷却する第3の
    工程を有する請求項1ないし8のいずれかに記載の射出
    成形体の脱脂方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の工程の前に、前記炉内に空
    気を供給しつつ昇温する前工程を有する請求項1ないし
    9のいずれかに記載の射出成形体の脱脂方法。
  11. 【請求項11】 前記原料粉末は金属粉末であり、前記
    成形体中の金属粉末の含有量が75〜95wt%である請
    求項1ないし10のいずれかに記載の射出成形体の脱脂
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4679769A (en) * 1984-07-27 1987-07-14 Westinghouse Electric Corp. Steam turbine control valve for cyclic duty
US7993576B2 (en) 2007-03-15 2011-08-09 Seiko Epson Corporation Sintered body and method for producing the same
JP3185037U (ja) * 2013-05-17 2013-07-25 サンアロイ工業株式会社 金属焼結体の予備焼結用の焼結炉

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