JPH1082735A - 潤滑油中の不溶解分測定装置 - Google Patents

潤滑油中の不溶解分測定装置

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JPH1082735A
JPH1082735A JP23927996A JP23927996A JPH1082735A JP H1082735 A JPH1082735 A JP H1082735A JP 23927996 A JP23927996 A JP 23927996A JP 23927996 A JP23927996 A JP 23927996A JP H1082735 A JPH1082735 A JP H1082735A
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lubricating oil
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measuring
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JP23927996A
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Toru Yoshinaga
融 吉永
Naoya Kato
直也 加藤
Masaki Takeyama
雅樹 武山
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Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンオイルのような潤滑油中の不溶解分
の粒子の光学式濃度測定装置において、潤滑油中に含ま
れている気泡による測定誤差を低減させる。 【解決手段】 測定装置Mは、内燃機関Eのオイルライ
ン1から潤滑油を取り出す流入通路2に接続された光学
式の測定器3を備えており、その測定室では流入する潤
滑油に光を照射して、反射、吸収、散乱、透過等をさせ
ることにより、潤滑油中の不溶解分の粒子の濃度を測定
する。その特徴は、測定室内の潤滑油中に含まれている
気泡を除去するために、上流側にサイクロン型のような
気液分離器5を設けた点にある。この気液分離器5の上
流側には絞りを、下流側にはポンプ59を設け、また、
分離された気泡の溜まる気相部分は真空ポンプ46によ
り排気する。4は油温制御器であって油温を一定に維持
する。26はチェック弁であって油圧を一定に維持し、
いずれも測定精度を向上させるために役立つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンオイルの
ような潤滑油が長期間の使用によって劣化したときに含
まれている比較的大きなカーボン粒子(スーツ)のよう
な不溶解分の濃度を、高い精度で測定するための光学式
濃度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンオイルのような潤滑油には添加
剤の一つとして分散剤が混入されているので、オイルが
新しい間は微粒の炭素のような異物が多少混入しても潤
滑性能に問題を生じるようなことはないが、オイルが古
くなると次第に分散剤が消耗して効果がなくなるので、
微粒の異物が凝集して大きなカーボン粒子(スーツ)の
ようなものに成長し、それが不溶解分となってオイルの
潤滑性能を低下させる。不溶解分が多く含まれている劣
化したオイルを使用していると、エンジン内部の摺動部
分における摩耗が激しくなってエンジンの寿命を縮める
ことになる。従って、エンジンオイルのような潤滑油
は、その中にどの程度の不溶解分が含まれているかとい
うことを監視している必要があり、不溶解分の濃度はエ
ンジンオイルの劣化の程度を示すものとして、その濃度
が所定値を越えたときに速やかにオイルを交換すること
が望ましい。
【0003】このような理由から、エンジンオイルのよ
うな潤滑油中の不溶解分の濃度を検出する装置の一つが
特開平7−72072号公報に記載されている。この検
出装置においては、断面5角形のプリズムの上部におけ
る左右の対称傾斜面に発光部と受光部を付設し、プリズ
ムの底面を検査対象の液体であるエンジンオイルと接触
させて、プリズムの底面において全反射される入射角に
おいて発光部からプリズムの底面に向かって光を照射す
ると、実際には照射された光の全てがプリズムの底面に
おいて反射されないで、照射された光の一部がプリズム
の底面からオイルの中へエバネッセント波として入射す
ると共に、比較的浅い層で反射して再びプリズムの中へ
戻って全反射光と共に受光部に到達する。その時にオイ
ルの中へ入射したエバネッセント波がオイル中の不溶解
分の粒子群に当たって吸収されたり散乱されたりして減
衰する結果、受光部へ到達する光の量が発光部から照射
された光の量よりも減少するので、その減少の程度から
オイル中の不溶解分の濃度を算出するように構成されて
いる。なお、以上の従来技術の他にも、同様な目的で潤
滑油中の不溶解分の濃度を測定するために、潤滑油中に
おける光の透過率の変化を調べるものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらのエンジンオイ
ルに含まれる不溶解分の測定装置は、いずれも自動車用
エンジンに付設されて、エンジンオイルに含まれるスー
ツの濃度が例えば3%というような所定の値に達したと
きに、警告灯を点灯して運転者にオイル交換の時期が来
たことを知らせるための警告装置として開発されたもの
であるから、特に高い測定精度を必要としないものであ
る。そのため、目的とするオイル交換の時期を大まかに
把握する程度のことはできるが、測定結果の精度は決し
て高いとは言えず、潤滑油(エンジンオイル)中のスー
ツ等の濃度を正確に測定するための計測器として使用す
るのには適していない。
【0005】また、エンジンの内部を潤滑油ポンプによ
る加圧と、被潤滑箇所における空気中への噴射による減
圧とを繰り返しながら循環して流れている潤滑油には、
正常な状態として多少とも気泡が混じっているが、気泡
を含んだ潤滑油が光学的な測定装置において披検体にな
ると、例えばプリズムを使用する光反射式の不溶解分測
定装置では、エバネッセント波として潤滑油中に入射す
る比較的少ない量の光を気泡が反射或いは吸収して散乱
或いは減衰させるので、潤滑油中の不溶解分の濃度を正
確に測定することができなくなる。
【0006】更に、潤滑油中に混入している気泡は潤滑
油の油温、油圧、それが接触するプリズムの底面のよう
なガラス面の温度等によって体積が変化するので、気泡
の混入量(重量%)が同じでも、潤滑油中に占める気泡
の容積の割合、即ち容積率が油温又は油圧の変化によっ
て変化するため、気泡の容積率の変化によって光学的な
測定装置の検出結果に誤差を生じる。測定が大気圧程度
の低圧の下で行われると、エンジンの内部で加圧されて
いた潤滑油中の気泡が大きく膨張するため、気泡の影響
が特に顕著に現れる。油圧の変化の影響を軽減するため
に、潤滑油が加圧されている状態で計測を行うことにな
るが、潤滑油を加圧しても含まれている気泡が完全に消
滅する訳ではないので、気泡の混入量及び油圧に応じて
程度の異なる検出誤差が生じて、データを補正するため
の処理が複雑になる。
【0007】本発明は、従来技術におけるこのような問
題に対処して、エンジンオイルのような潤滑油中の不溶
解分の粒子の光学式濃度測定装置において、潤滑油中に
多量の気泡が含まれていても、その気泡による誤差を十
分に低減させて、不溶解分の濃度の測定精度を向上させ
ることができる、改良された潤滑油中の不溶解分測定装
置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項
に記載された潤滑油中の不溶解分粒子の光学式濃度測定
装置を提供する。
【0009】本発明によれば、特許請求の範囲の各請求
項に記載されたいずれの光学式濃度測定装置において
も、内燃機関のオイルラインから取り出される加圧され
た潤滑油は流入通路によって測定器の測定室に流入す
る。潤滑油中の不溶解分粒子の濃度の測定は測定室に設
けられた光を利用するセンサによって、潤滑油中に入射
して反射されるか或いは透過する光の強さを検出するこ
とにより行われる。本発明の共通の特徴は光学式センサ
の上流側に気液分離器が設けられていることであって、
気液分離器が測定室へ流入する潤滑油の中から予め気泡
を除去するので、気泡が測定室内において光を反射した
り、散乱させたり、或いは吸収したりして測定精度を低
下させるのを防止することができる。
【0010】請求項2に記載された発明によれば、更
に、気液分離器をサイクロン式のものとすると共に、そ
の気液分離器のサイクロン室の上流側に絞りと、サイク
ロン室の下流側に潤滑油を吸引するポンプと、更にサイ
クロン室の気相部分に通じる真空ポンプとを設けること
ができる。上流側に絞りを置いてポンプによって潤滑油
が吸引されることによりサイクロン室内は減圧されるの
で、潤滑油がサイクロン室内へ接線方向に流入すると、
潤滑油の中に含まれていた気泡は膨張し、潤滑油の液相
部分との比重の差が大きくなって、サイクロン室内にお
ける旋回流によって容易に気相部分と液相部分に分離
し、気相部分が効率よく真空ポンプによって排出される
ので、気液分離器の気泡除去効果が高くなる。その結
果、測定器の測定精度が一層向上する。
【0011】請求項3に記載された発明によれば、例え
ば測定器の上流側に、潤滑油の冷却及び場合によっては
加熱をも行うことができる油温制御手段が設けられるの
で、それによって、測定室へ流入する潤滑油の油温が実
質的に一定の、可及的に低い値に調整される。従って、
潤滑油中に僅かに気泡が残っていてもそれが膨張するの
を抑制することができる。また、油温が一定であるため
に潤滑油とプリズム等のガラスとの境界面における光の
屈折率も一定になる。その結果、油温が測定精度に及ぼ
す影響を小さくすることができる。
【0012】請求項4に記載された発明によれば、例え
ば測定器の下流側に一定の油圧において開弁するチェッ
ク弁のような油圧制御手段が設けられるので、油圧制御
手段の働きによって測定室へ流入する潤滑油の油圧が実
質的に所定の高さになるように調整される。従って、測
定室へ流入する潤滑油に気泡が含まれていても、その気
泡は圧縮されて比較的小さい一定の体積のものになるた
め、結果として油圧による測定精度への影響を小さくす
ることができる。
【0013】請求項5に記載された発明によれば、光学
式センサがプリズムを備えている光反射式のものとする
ことができ、この場合は、プリズムの底面からそれに接
する潤滑油の中へエバネッセント波として入射する光
が、不溶解分の粒子によって吸収されたり、散乱された
りして減衰することによって、プリズムの底面において
全反射される光の量が減少することを利用して、不溶解
分の粒子の濃度を測定する。この場合も、前述のように
して潤滑油に含まれている気泡の影響が除去されるの
で、高い測定精度を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態の構成を
図1から図4を用いて説明する。本発明の実施形態とし
ての潤滑油中の不溶解分の測定装置(システム)Mは、
全体的に図1に示されているような内燃機関Eの潤滑油
回路に付設される。即ち、測定装置Mは、内燃機関Eの
加圧された潤滑油が流れるオイルライン1から分岐して
いる流入通路2と、後に内部の構成を詳細に説明する測
定器3と、潤滑油の流れに関して測定器3の上流側に設
けられる油温制御手段としての油温制御器4と、本発明
の特徴である気液分離器5等から構成されている。な
お、図面中には示されていないが、測定器3に設けられ
た光学式センサが出力する検出信号に基づく必要な演算
や、その他の制御動作を行うために、例えばマイクロプ
ロセッサを含む電子式の計測・制御装置が必要に応じて
設けられる。
【0015】実施形態の測定装置Mの測定対象である潤
滑油を使用して運転される内燃機関Eにおいては、オイ
ルパン6からストレーナ等を介してオイルポンプ7によ
って汲み上げられて所定の油圧まで加圧された潤滑油
が、図示しない潤滑油フィルタを通って多数の被潤滑箇
所のために共通のオイルライン1へ供給され、そのオイ
ルライン1から分岐している多数の分岐潤滑油通路8へ
分配されたのちに、それらの分岐潤滑油通路8によって
ピストン9の周囲や、カムシャフト10,11、或いは
軸受等の被潤滑箇所へ供給されるように構成されてい
る。実施形態における測定装置Mは、内燃機関Eの内部
を循環している加圧された潤滑油の一部を共通のオイル
ライン1から取り出して、その中に含まれている不溶解
分の濃度を測定器3において測定するが、測定が終わっ
た後の潤滑油は流出通路12を通ってオイルパン6へ戻
るようになっている。
【0016】本発明の実施形態の測定装置Mにおける測
定器3は、図2及び図3に示されているように、ケーシ
ング13内に、内燃機関Eのオイルライン1から分岐し
ている流入通路2から気液分離器5及び油温制御器4を
通じて潤滑油を受け入れて不溶解分の粒子の濃度を測定
するための測定室14と、測定室14に臨んで設けられ
た光学式センサ15を備えている。光学式センサ15の
検出端15aは測定室14の内部に突出して測定室14
内に充満している潤滑油と接触している。測定室14に
は、その中へ油温制御器4から潤滑油を受け入れる入口
部16と、測定の終わった潤滑油を流出通路12を通じ
て内燃機関Eのオイルパン6へ還流させるための出口部
17が開口している。
【0017】図示実施形態におけるセンサ15は光学式
のもの、特に光反射式のものであって、この場合は前述
の特開平7−72072号公報に記載されている液中粒
子濃度検出装置に使用されているような、断面5角形の
プリズム18を備えているものを使用する。また、油温
制御器4の下流側の流入通路2に接続される入口部16
は、概ねセンサ15の検出端15a、即ちプリズム18
の底面に向かって測定室14に開口しており、オイルラ
イン1から供給される加圧された潤滑油が、流入通路2
を通過して入口部16から測定室14内へ流出するとき
に噴流となって検出端15aを洗浄し、プリズム18の
底面に不溶解分の粒子が付着するのを妨げる。
【0018】この作用は、測定室14内に予め幾つかの
クリーニングボール19を封入しておくと、潤滑油の流
れによってクリーニングボール19がプリズム18の底
面に衝突して付着しようとする不溶解分の粒子等を洗浄
するので、潤滑油の流れのみによって洗浄する場合より
も効果的に不溶解分の粒子等付着を防止することができ
る。クリーニングボール19としては、その硬度がプリ
ズム18のガラス材の硬度よりも低い合成樹脂製のボー
ル等を使用する。なお、入口部16及び出口部17に
は、クリーニングボール19の脱出を阻止する金網等を
張っておく。
【0019】本発明は、測定器3或いはセンサ15その
ものに特徴を有するものではないので、ここでは図2に
例示された光反射式の測定器3の構造を簡単に説明する
にとどめる。図において、断面5角形のプリズム18の
上部における左右の対称傾斜面に、発光ダイオードを有
する発光部20と、フォトダイオードを有する反射光受
光部21を付設し、プリズム18の底面を検査対象の液
体である測定室14内の潤滑油(エンジンオイル)と接
触させて、検出端15aであるプリズム18の底面にお
いて、普通の意味で全反射される入射角において発光部
20からプリズム18の底面に向かって光を照射するよ
うに構成する。光の一部はプリズム18の前に設けられ
たビームスプリッタ22によって分光されて、プリズム
18を通らないで直接にフォトダイオードを有する入射
光受光部23へ入射する。受光部21及び入射光受光部
23のフォトダイオードは、それぞれリード線24,2
5によって図示しない電子式の計測・制御装置に接続さ
れる。
【0020】入口部16から測定室14へ流入する加圧
された潤滑油は、測定室14に充満した後に出口部17
と流出通路12を経て内燃機関Eのオイルパン6へ戻る
が、その途中にチェック弁26が設けられている。図示
例におけるチェック弁26は球形の弁体27と、それを
上流側の弁座28に向かって付勢するスプリング29か
らなっており、測定室14内に充満している被検体とし
ての潤滑油の油圧を所定の高さに維持する作用をする。
【0021】図示実施形態では測定精度を高めるため
に、被検体としての測定室14内にある潤滑油の油温を
比較的低い一定の値に調整する油温制御器4を備えてい
る。油温制御器4は、図3に示すように、測定器3の入
口部16に接続される流入通路2の一部を取り巻いて熱
交換器を形成する冷却水套30と、その冷却水套30へ
冷却水を供給するための冷却水導入管31と、その一部
に設けられた電磁弁32と、冷却水套30から冷却水を
排出する冷却水排出管33と、冷却水套30内に設けら
れた電熱ヒータ34と、測定器3の入口部16の近傍に
設けられた熱電対のような油温センサ35と、油温セン
サ35が検出する温度信号に応じて電磁弁32を開閉し
たり、場合によっては電熱ヒータ34に通電して冷却水
套30内の冷却水を加熱するすることもできる油温調節
器36からなっている。従って、油温調節器36は冷却
水の温度と流量を調整して測定室14内へ流入する潤滑
油の油温を比較的低い一定値に維持し、潤滑油に含まれ
ている気泡が膨張するのを抑制して測定精度を高くす
る。
【0022】次に、本発明の実施形態としての不溶解分
測定装置Mにおける最大の特徴部分とも言える気液分離
器5の構成を図4を用いて説明する。図4に示す気液分
離器5は、それぞれ円筒形の上部ハウジング37と下部
ハウジング38を有し、それぞれ内部にサイクロン室3
7aとバッフル室38aと呼ぶ空間を形成している。そ
れらの空間は、隔壁39によって上下に区画されている
が、隔壁39の中心には流通孔40が開口しているの
で、流通孔40によって相互に連通している。なお、隔
壁39の下面には、外周から中心の流通孔40に向かっ
て上向きの傾斜面39aが円錐形をなすように形成され
ている。そして、サイクロン室37aの壁面、即ち上部
ハウジング37の円筒面の一部には、内燃機関Eのオイ
ルライン1から分岐している前述の流入通路2が接線方
向に接続されていて、接線方向の開口41を形成してい
る。そして、開口41の上流側の流入通路2内に絞り4
2が形成されている。
【0023】上部ハウジング37の頂壁43の中央の開
口44には脱気通路45が接続しており、46として略
示する真空ポンプの吸入ポートに通じている。サイクロ
ン室37a内の中央の所定の高さの位置にはフロートを
有する油面センサ47が吊り下げられた形で設けられて
おり、サイクロン室37a内の油面が油面センサ47の
位置まで下がったときに、フロートによってそれを検知
する油面センサ47の出力信号によって真空ポンプ46
の駆動電源回路が閉路されて、真空ポンプ46が回転を
開始するようになっている。48は真空ポンプ46の電
源を示す。
【0024】バッフル室38a内は、相互に連結される
上下の円筒壁49,50と、それらの内部空間を上下に
区画する水平の仕切壁51によって、仕切壁51の上部
の上側室52と、同じく下部の下側室53と、更に上下
の円筒壁49及び50の外側で下部ハウジング38の内
側の外側室54という3つの部分に分割される。水平の
仕切壁51の上面は平坦であるが、下面には中心から外
周に向かって高くなる傾斜面51aが形成されている。
そして円筒壁49の上部には、この場合は円形の流出孔
55が複数個開口していると共に、円筒壁50の上部に
は長方形の流入孔56が複数個開口している。57とし
て示す底壁には、下側室53と外部を接続する流路58
が形成されており、流入通路2のうちで気液分離器5の
下流側の一部分を形成する流路58の途中には、気液分
離器5内から潤滑油を吸引するポンプ59が設けられて
いる。なお、60は気液分離器5の取付脚部を示す。
【0025】本発明の実施形態としての潤滑油中の不溶
解分の量を測定する装置Mはこのように構成されている
ので、測定対象の潤滑油を使用している内燃機関Eの運
転中において、内燃機関Eのオイルライン1から潤滑油
の一部が分流し、図3に示すように流入通路2のノズル
状の入口部16によって方向を与えられて、測定器3の
測定室14内へ噴流となって流入するときに、図2に示
すセンサ15の検出端15aであるプリズム18の底面
を洗浄する。測定室14内の潤滑油にはクリーニングボ
ール19が浮遊しているから、クリーニングボール19
がプリズム18の底面に衝突することによって、その洗
浄作用が強化される。従って、検出端15aに不溶解分
の粒子等の汚れが付着して曇るのを防止することができ
る。測定室14内の潤滑油は出口部17から流出通路1
2へ流出し、再び内燃機関Eのオイルライン1へ戻るの
で、測定室14内の潤滑油は絶えず強制的に循環して流
れており、測定装置Mはこのように内燃機関E内を循環
する潤滑油を満遍なく検査することができる。
【0026】測定が行われるとき、センサ15内の発光
部20からプリズム18内へ照射された光はプリズム1
8の底面において全反射されるが、実際には光の一部が
エバネッセント波として測定室14にある潤滑油内へ滲
み込むようにして入射し、潤滑油の比較的浅い層で反射
されて再びプリズムの底面からプリズム内へ入射される
ことにより、全反射された光と共に受光部に到達する。
このときに潤滑油内へエバネッセント波として入射した
光は不溶解分の粒子の量に応じた分だけ吸収されたり散
乱されて減衰した後に再びプリズム18の底面からプリ
ズム内へ戻る。入射光受光部23において検知された光
の量から推定される発光部20から照射された光の量
と、反射光受光部21において検知された反射光の量と
の比が不溶解分の濃度と比例するという関係から、計測
・制御装置によってが不溶解分の量が算出される。
【0027】しかしながら、前述のように潤滑油の中に
気泡が含まれていると、その気泡が光を散乱させたり吸
収したりするので、センサ15の反射光受光部21にお
いて検出される反射光の量が、潤滑油中の気泡の含有量
(重量%)や、潤滑油の油温とか油圧によって変化する
気泡の容積率(容積%)によって変動し、油温は更に潤
滑油の屈折率にも影響を及ぼすので、それらがいずれも
測定結果に誤差をもたらすことになる。そこで、これら
の問題に対処するために、図1に示す本発明の実施形態
では測定器3への潤滑油の流入通路2の上流側に気液分
離器5と油温制御器4を直列に設けている。
【0028】そこで、まず油温制御器4の具体的な作動
について説明する。油温制御器4は流入通路2(図示実
施形態では、気液分離器5に接続されたポンプ59の図
示しない下流側流路)から測定器3の測定室14へ流入
する潤滑油の油温を可及的に低い一定の値に調整して、
油温の高さの相違によって測定結果に誤差が生じるのを
防止するためのものであるから、図3に示すように、流
入通路2を通過して測定器3へ流入する潤滑油は、油温
制御器4において冷却水套30を流れる冷却水によって
冷却される。冷却の程度は、油温センサ35によって測
定される油温の高さに応じて、油温調節器36によって
開度が制御される電磁弁32によって冷却水套30を流
れる冷却水の流量を増減することにより調整される。暖
機時のように油温が異常に低い時は、油温調節器36が
電熱ヒータ34に必要な程度に通電を行って冷却水を加
熱する。油温調節器36がそのような制御を行うことに
よって、測定器3の測定室14に流入する潤滑油の油温
が所定の値になる。
【0029】図示実施形態においては、測定室14内の
潤滑油の油圧を一定の高さに維持することによって、気
液分離器5を通過した後にも測定室14内の潤滑油に含
まれている僅かな量の気泡の容積率を一定にして、気泡
による測定器3における測定誤差を排除している。即
ち、この例では測定器3の下流側にチェック弁26を付
設しており、測定室14内の油圧が所定の値を超える
と、チェック弁26の弁体27がスプリング29の付勢
力に抗して弁座28から離れて測定室14の出口部17
を流出通路12側へ連通させるので、測定室14内の潤
滑油圧は常に一定の高さに維持され、油圧の変動による
気泡の容積率の変化が原因となる測定誤差が排除され
る。
【0030】このように、測定器3の測定室14内にあ
る潤滑油の油圧をチェック弁26のような油圧制御手段
によって一定の値に維持する場合には、その一定の圧力
値は高い方が良い。その理由は、油圧が高いほど気泡が
圧縮されて縮小する結果、気泡の容積率が小さくなるた
めである。回転数の変化する内燃機関Eの色々な運転条
件において、チェック弁26を設けないで測定室14の
油圧を大気圧とした場合の、気泡の容積率の変化を実際
に測定した結果を図5に示す。図5から判るように内燃
機関Eの回転数が上昇すると混入する気泡の量が増加す
るために、その容積率は著しく上昇する。
【0031】これに対して、測定室14の潤滑油圧を3
50KPaに維持したときの、気泡の容積率を測定した
結果を図6に示す。内燃機関Eの回転数が1000rp
mから6000rpmまで大幅に変化しても、気泡の容
積率の増加は小幅に止まっている。図5及び図6に示す
2つの実験結果の比較から明らかなように、実際に気泡
の含有量が増加している場合でも、測定室14における
油圧を高めることによって気泡の容積率の増加を小幅に
抑えることが可能であるから、この観点から見ても、測
定器3の測定精度を高く維持するために、チェック弁2
6のような手段によって測定室14の油圧を一定の比較
的高い値に維持することは有効である。
【0032】次に、測定器3や油温制御器4の上流側に
設置される気液分離器5の作動を、構造を示す図4の他
に気液分離器5の作動を模式的に示す図7と、比較例の
作動を模式的に示す図8とを用いて説明する。内燃機関
Eのオイルライン1の油圧に加えて、気液分離器5の下
流側に設けられたポンプ59が駆動されることによって
気液分離器5の内部全体を含めて絞り42の下流側に吸
引作用が生じるので、流入通路2から開口41を経てサ
イクロン室37a内へ接線方向に流入する潤滑油は、図
7に示すようにサイクロン室37a内に上部ハウジング
37の内壁面に沿った強力な旋回流を生じる。開口41
の上流側に絞り42が設けられていることによって絞り
42の下流側の油圧が低下するので、流入する潤滑油中
に含まれていた気泡は膨張すると共に集合して成長し、
潤滑油の液相との比重差が大きくなる。そのために旋回
することによって生じる遠心力の差によって、下部外周
寄りに比重の大きい液相部分Rが分離して形成されると
共に、上部中心寄りに比重の小さい気相部分Gがラッパ
状に形成される。
【0033】液相部分Rの旋回流は隔壁39の流通孔4
0を通過して下部ハウジング38内の上側室52まで波
及し、気相部分Gの下端部は細い棒状となって水平の仕
切壁51の上面にまで達するが、殆どの気泡を分離した
後の液相部分Rの潤滑油が流出孔55を通過して半径方
向に下部ハウジング38内の外側室54へ流出するとき
には、潤滑油の旋回流はかなり減衰している。そして、
外側室54から流入孔56を通って仕切壁51の下部に
形成された下側室53へ半径方向に流入するときにも、
旋回流は更に減衰することになる。この間に、下側室5
3内の潤滑油に僅かに残っていた微小な気泡も凝集して
潤滑油との比重差により上昇し、仕切壁51の下部傾斜
面51aに沿って下側室53から外側室54へ戻る。そ
して、外側室54内の僅かな気泡も凝集して潤滑油との
比重差により上昇し、流出孔55を半径方向内側へ通過
し、隔壁39の下面に中心の流通孔40に向かって形成
された傾斜面39aに沿って上昇したのち、流通孔40
からサイクロン室37aへ戻って気相部分Gと合流す
る。
【0034】このように、気液分離器5を通過すること
によって殆ど全部の気泡を除去された潤滑油は、流入通
路2の一部である(気液分離器5の下流側部分)流路5
8とポンプ59を通って、図示実施形態の場合は油温制
御器4に流入し、一定の油温に調整されて測定器3へ供
給され、測定室14において不溶解分の濃度は測定され
ることになるので、潤滑油に気泡が多量に含まれている
場合に比べて、気泡によるエバネッセント波の散乱や吸
収が起こらないため、この面で測定精度を高めることが
できる。
【0035】気液分離器5の作動によって、サイクロン
室37a内と、場合によっては隔壁39の流通孔40を
通過して下部ハウジング38の上側室52まで連続して
ラッパ状の気相部分Gが形成されるが、潤滑油に含まれ
ている気泡が分離されて気相部分Gの占める容積が増大
し、液相部分Rの油面が所定のレベルまで下がって来る
と、その油面をフロートによって検出している油面セン
サ47が信号を送って真空ポンプ46が駆動され、気相
部分Gの気体を吸引して油面が所定の高さになるまで気
体を排出するようになっているから、気液分離器5の作
動は支障なく長期間継続して行われることができる。
【0036】なお仮に、潤滑油に含まれている気泡が測
定器3における測定精度を左右する要因の一つであると
いう原因究明が既になされていた場合には、測定器3の
上流側に、図8に示すような通常の構造のサイクロン型
の気液分離器61を設けて気泡を予め除去するという発
想が容易に得られる可能性があるが、そのような通常の
サイクロン型気液分離器61を使用する場合には、サイ
クロン室61a内に形成されるラッパ形の気相部分Gの
下端が長く流路58まで延びるために、気泡の分離性能
が低く、液相部分Rから分離されない気泡が下流側の測
定器3へ流入する確率が高くなる。これに対して図示実
施形態のような流通孔40を有する隔壁39や、下部ハ
ウジング38内に流出孔55及び流入孔56によって半
径方向に連通する上側室52と外側室54、及び下側室
53を設けたことによって、気泡の分離性能が格段に高
くなり、測定器3へ流入する気泡がきわめて少量とな
る。そして、僅かに残った気泡も油温制御器4や油圧調
整器としてのチェック弁26の作用によって縮小して、
測定室14におけるエバネッセント波を散乱させたり吸
収したりすることがなくなるので、測定器3の測定精度
が従来のものに比べて高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関に付設された状態の、本発明の実施形
態としての測定装置の全体構成を概念的に示す斜視図で
ある。
【図2】測定器の構成を示す概念的な断面図である。
【図3】油温制御器の構成と、関連する測定器の一部の
構成を示す断面図である。
【図4】気液分離器の構造を例示する縦断面図である。
【図5】測定室の油圧が大気圧のときの気泡の容積率の
変化を示す線図である。
【図6】測定室の油圧を高めたときの気泡の容積率の変
化を示す線図である。
【図7】図4に示す気液分離器の作動を説明するための
模式的断面図である。
【図8】通常の気液分離器を使用した場合の作動を説明
する模式的断面図である。
【符号の説明】
E…内燃機関 M…実施形態の測定装置 1…オイルライン 2…流入通路 3…測定器 4…油温制御器 5…気液分離器 6…オイルパン 12…流出通路 14…測定室 15…センサ 15a…センサの検出端 18…プリズム 19…クリーニングボール 20…発光部 21…反射光受光部 22…ビームスプリッタ 23…入射光受光部 26…チェック弁 30…冷却水套 32…電磁弁 34…電熱ヒータ 35…油温センサ 36…油温調節器 37…上部ハウジング 37a…サイクロン室 38…下部ハウジング 39…隔壁 40…流通孔 41…接線方向の開口 42…絞り 44…中央の開口 46…真空ポンプ 47…油面センサ 49,50…円筒壁 51…水平の仕切壁 51a…傾斜面 52…上側室 53…下側室 54…外側室 55…流出孔 56…流入孔 59…ポンプ 61…通常のサイクロン型気液分離器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のオイルラインから加圧された
    潤滑油を取り出す流入通路と、前記流入通路に接続され
    る測定器の測定室と、前記測定室に取り付けられて室内
    へ流入する潤滑油中の不溶解分の濃度を光を用いて検出
    する光学式センサと、前記測定室内へ流入する潤滑油中
    に含まれている気泡を除去するために前記光学式センサ
    の上流側に設けられた気液分離器とを備えていることを
    特徴とする、潤滑油中の不溶解分粒子の光学式濃度測定
    装置。
  2. 【請求項2】 前記気液分離器がサイクロン式のもので
    あって、そのサイクロン室の上流側に絞りと、前記サイ
    クロン室の下流側に潤滑油を吸引するポンプと、更に前
    記サイクロン室の気相部分に通じる真空ポンプとを備え
    ていることを特徴とする、請求項1に記載された光学式
    濃度測定装置。
  3. 【請求項3】 前記測定室へ流入する潤滑油の油温が実
    質的に所定の値になるように調整する油温制御手段が設
    けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載
    された光学式濃度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記測定室へ流入する潤滑油の油圧が実
    質的に所定の値になるように調整する油圧制御手段が設
    けられていることを特徴とする、請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の光学式濃度測定装置。
  5. 【請求項5】 前記光学式センサがプリズムを備えてい
    る光反射式のものであることを特徴とする、請求項1な
    いし4のいずれかに記載の光学式濃度測定装置。
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