JPH1086387A - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの製造方法

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JPH1086387A
JPH1086387A JP23938196A JP23938196A JPH1086387A JP H1086387 A JPH1086387 A JP H1086387A JP 23938196 A JP23938196 A JP 23938196A JP 23938196 A JP23938196 A JP 23938196A JP H1086387 A JPH1086387 A JP H1086387A
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JP
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diaphragm
concave portion
etching
substrate
ink
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JP23938196A
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Inventor
Kenichiro Hashimoto
憲一郎 橋本
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電気力を利用したインクジェットヘッドに
おいて、安価かつ高精度で個体バラツキの少ない振動板
を提供する。 【解決手段】 シリコン基板1に、振動板16の厚さh
1に相当するエッチング終点検出用パターンとしての深
さd1の第1の凹部3をあらかじめ設ける。次に、水酸
化カリウム水溶液で上下両方向よりエッチングを行うこ
とにより、第1の凹部3の部分はインク加圧室等のパタ
ーン4よりもd1(=h1)だけ先行してエッチングが進
み、基板1全体も薄くなる。第1の凹部3の部分がシリ
コンを貫通した時点でエッチングを終了することによ
り、インク加圧室17の底面である振動板16は所望の
厚さh1を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク液滴を吐出
して記録媒体にインクを付着させるインクジェットヘッ
ドの振動板の製造方法に関し、特に、その駆動方式とし
て静電気力を利用するインクジェットヘッドの振動板に
用いて好適なインクジェットヘッドの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、 記録時の騒音が極めて少ないこと、 高速印字が可能であること、 インクの自由度が高く、安価な普通紙を使用すること
ができること、など多くの利点を有している。
【0003】インクジェット記録装置の中でも記録の必
要な時にのみインク液滴を吐出する、いわゆる、オンデ
マンド方式が、記録に不要なインク液滴の回収を必要と
しないので、現在では主流となってきている。
【0004】このオンデマンド方式のインクジェット方
式として、例えば、特開平6−71882号公報に開示
されているような、駆動手段に静電気力を利用したイン
クジェットヘッド記録装置がある。この方式は、小型高
密度,高印字品質および長寿命であるという利点を有し
ているが、この静電気力を利用した静電型ヘッドは、1
0〜30μm程度の薄い振動板と0.05μm〜2.0μ
m程度のギャップを精度よく製作する必要がある。
【0005】前記特開平6−71882号公報には、そ
の振動板とギャップの製作方法がいくつか記載されてい
る。振動板の製作方法として、その一つの方法は、厚さ
200μmのシリコン基板に、深さ170μmのアルカ
リ液による異方性エッチングを施し、厚さが30μmの
振動板を形成するものである。
【0006】また、別の方法として、p型シリコン基板
の下面にn型Si層をエピタキシャル成長させたシリコ
ン基板を、電気化学的アルカリ異方性エッチングによ
り、p型シリコン基板の一部を選択的にエッチング除去
する方法が挙げられている。
【0007】さらに、別の方法として、振動板形成領域
を高濃度Bドープ層とし、アルカリ異方性エッチングに
おいて、Bドープ層が露出した時点でエッチングレート
が極端に小さくなる、いわゆる、エッチングストップ技
術により振動板を形成する方法が挙げられている。
【0008】また、ギャップの製作方法として、SiO
2膜にパターニングし、SiO2膜をギャップとする方法
とパイレックススパッタ膜をパターンニング形成し、パ
イレックススパッタ膜をギャップとする方法が挙げられ
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平6−718
82号公報に記載されている方法は、何れも厚さ200
μmの薄いシリコン基板を用いたものである。しかし、
200μm程度の薄いシリコン基板はなかなか手に入り
づらく、多くのシリコン基板の厚さは500μmなの
で、その基板を200μmの厚さまで両面研磨するとコ
スト高になってしまう。また、基板が薄いために研磨中
あるいは研磨後に破損しやすく、歩留まりが悪くなって
しまう。
【0010】また、振動板製作のために、厚さ200μ
mのシリコン基板に、深さ170μmのアルカリ液によ
る異方性エッチングにより、30μmの振動板を形成す
る方法では、温度やへたりなどのエッチング液の状態が
エッチング速度に寄与するので、時間を決めてエッチン
グを行っても、実際のエッチング量がばらつき、結果と
して振動板の厚さもばらついてしまう。
【0011】また、エッチングの深さを固定するので、
シリコン基板の厚さの公差がそのまま振動板の厚さの誤
差となる。シリコン基板の厚さには数μm〜10μmの
公差があるので、厚さ200μmのシリコン基板の誤差
としては小さいものであっても、厚さ10〜30μmの
振動板の厚さに対する数μm〜10μmの誤差は非常に
大きな誤差となってしまう。振動板の厚さは、静電型ヘ
ッドにおいて重要なパラメータなので、これらの誤差
は、インクの吐出性能に大きな影響を与える。しかし、
この振動板の厚さの誤差をエッチング時間により制御す
ることは、実際のところ難しい。
【0012】また、p型シリコン基板の下面にn型Si
層をエピタキシャル成長させたシリコン基板を用いる方
法は、精度よく振動板を形成するために有効な方法であ
るが、エピタキシャル層を形成したシリコン基板は高価
であり、また、電気化学的アルカリ異方性エッチングが
必要なため、製作のための装置が大がかりなものとなっ
てしまい、コストがかかるという問題がある。
【0013】また、高濃度Bドープ層を用いる方法で
は、エッチングストップ技術が使えるほど、Bドープ層
のエッチングレートを小さくするには、かなり高濃度の
Bドープ層が必要となり、そのような高濃度Bドープ層
を形成するのは困難であり、また、そのような高濃度B
ドープ層ができたとしても、非常に高価なものとなって
しまうという問題がある。
【0014】SiO2膜を使ったギャップの製作方法で
は、振動板の製作プロセスにおいて、SiO2膜の膜減
りが起こるので、ギャップを精度よく制御することが困
難である。電極をシリコン基板に形成し、振動板を形成
したシリコン基板と接合する場合、シリコン−シリコン
の直接接合で接合するが、直接接合では、1100℃の
熱を加えるので、電極に金属を用いることができず、B
ドープしたp型層を用いる。しかし、そのような不純物
層では電気抵抗値が大きくなってしまい、効率が悪くな
る。そのため、パイレックスガラス基板に電極を製作
し、300℃程度の低温で接合することができる陽極接
合が有効である。
【0015】陽極接合では、低温で接合するため、電極
としてAuまたはAlなどの融点が摂氏数100℃であ
るような金属膜の使用が可能なので、電極の電気抵抗値
を低減することができ、これにより、インクジェットヘ
ッドの駆動周波数を向上することが可能となる。しか
し、シリコン基板とパイレックスガラス基板との間にギ
ャップ形成のためのSiO2膜のような絶縁膜が存在す
ると、接合強度の低下を招き、歩留まりや信頼性に問題
が生じる。
【0016】ギャップにパイレックススパッタ膜を使っ
た場合には、電極を形成する基板にシリコンを使用する
ことによって陽極接合が可能である。しかし、研究段階
では、接合状態の観察,アクチュエータの評価が容易で
ある透明なガラスの方が良く、生産段階でも同じ条件で
ガラス基板を用いた方が好ましい。また、シリコン基板
はガラス基板に比べて高価で、しかも、シリコン基板は
導電性があるので電極との間に絶縁膜を形成しなければ
ならない。
【0017】また、振動板をウエットプロセス、ギャッ
プをドライプロセスというように、同一基板に異なるプ
ロセスを組み合わせて製作するので、それぞれのプロセ
スの条件が決まっても、連続して流すと不具合が生じる
などの問題があり、条件出しが難しい。また、パイレッ
クススパッタ膜は剥がれることがあるので歩留まりの低
下を招くという問題もある。
【0018】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、安価に、しかも精度よく振動板とギャップ
を形成することにより、安価かつ高精度で個体バラツキ
の少ない静電気力を利用したインクジェットヘッドを提
供することを目的としてなされたものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、イン
ク液滴を吐出する単一または複数のノズル孔と、前記ノ
ズル孔のそれぞれに連通するインク加圧室と、該インク
加圧室の少なくとも壁の一部を構成する振動板とを有す
るインクジェットヘッドの製造方法において、前記振動
板をエッチングによって形成するに際し、該振動板基板
の完成した振動板と関係ない位置の表面にあらかじめ形
成しようとする振動板の厚さに相当する深さの第1の凹
部を設けておき、該第1の凹部を含めて前記振動板基板
を上下方向よりエッチングし、前記第1の凹部のエッチ
ングが完了した時点でエッチングを停止し、前記第1の
凹部の深さに相当する厚さの振動板を形成するようにし
たことを特徴とし、歩留まりが向上し、また、生産性が
向上するようにしたものである。
【0020】請求項2の発明は、インク液滴を吐出する
単一または複数のノズル孔と、前記ノズル孔のそれぞれ
に連通するインク加圧室と、該インク加圧室の少なくと
も壁の一部を構成する振動板と、該振動板に対して所定
のギャップをもって対向して配設された電極とを有する
インクジェットヘッドの製造方法において、前記振動板
をエッチングによって形成するに際し、該振動板基板の
完成した振動板に対応する位置の表面にあらかじめ形成
しようとするギャップの深さを有する第2の凹部を設
け、かつ、前記振動板基板の完成した振動板と関係ない
位置の表面にあらかじめ形成しようとする振動板の厚さ
に相当する深さに前記ギャップの深さを加算した深さの
第1の凹部を設けておき、前記第2の凹部および前記第
1の凹部を含めて前記振動板基板を上下方向よりエッチ
ングし、前記第1の凹部のエッチングが完了した時点で
エッチングを停止し、所望の厚さの前記振動板および所
望の深さのギャップを形成するようにしたことを特徴と
し、振動板を破損する可能性を小さくし、また、プロセ
ス条件出しを容易にするようにしたものである。
【0021】請求項3の発明は、請求項1あるいは2に
記載のインクジェットヘッドの製造方法において、前記
振動板基板の周囲に前記第1の凹部を設けることを特徴
とし、生産性の向上およびコストダウンを図ることがで
きるようにしたものである。
【0022】請求項4の発明は、請求項1あるいは2に
記載のインクジェットヘッドの製造方法において、前記
ノズル孔と、前記インク加圧室と、前記振動板とからな
る素子の周囲を囲むように前記第1の凹部を断続して設
けることを特徴とし、生産性の向上およびコストダウン
を図ることができるようにしたものである。
【0023】請求項5の発明は、請求項1あるいは2に
記載のインクジェットヘッドの製造方法において、前記
ノズル孔と、前記インク加圧室と、前記振動板とからな
る素子の周囲を囲むように前記第1の凹部を連続して設
けることを特徴とし、生産性の向上およびコストダウン
を図ることができ、また、基板の厚さムラに依存しない
振動板を製作することができるようにしたものである。
【0024】請求項6の発明は、請求項1乃至5のいず
れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法におい
て、前記振動板基板の両面に前記第1の凹部を設けるこ
とを特徴とし、基板の面積を有効に使うことができるよ
うにしたものである。
【0025】請求項7の発明は、請求項1乃至6のいず
れかに記載のインクジェットヘッドの製造方法におい
て、前記エッチングをする際に、前記第1の凹部に光を
照射して透過する光を検出することにより、前記第1の
凹部のエッチングの完了を検知することを特徴とし、生
産の自動化をすることができるようにしたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用されるイン
クジェットヘッドの一例を説明するための分解斜視図
で、図中、11,12,13は基板、14はインクジェ
ットヘッド、15はノズル孔、16は振動板、17はイ
ンク加圧室、18はオリフィス、19は共通インク室、
20はノズル溝、21,23,28は凹部、22は細
溝、24は電極、25はリード部、26は端子部、27
は絶縁部、29はインク供給口、30は接続パイプ、3
1はチューブ、32は配線、33は発振回路である。
【0027】図1に示した例は、基板の端部に設けたノ
ズル孔15からインク液滴を吐出させるエッジシュータ
タイプのインクジェットヘッドで、3枚の基板11,1
2,13を重ねて接合した積層構造となっている。
【0028】中間の第1の基板11は、結晶方位(10
0)の単結晶シリコン基板であり、複数のノズル孔15
を構成するように、基板11の一端より平行にかつ等間
隔に基板11の表面に形成された複数のノズル溝20
と、それぞれのノズル溝20に連通し、底壁を振動板1
6とするインク加圧室17を構成することになる凹部2
2と、凹部22の後部に設けられたオリフィス18を構
成することになるインク流入口のための細溝23と、そ
れぞれのインク加圧室17にインクを供給するための共
通インク室19を構成することになる凹部23を有して
いる。
【0029】第1の基板11の下面に接合される下側の
第2の基板12には、振動板16に対応するそれぞれの
位置に、振動板16の形状と類似した形状に金を0.1
μmスパッタすることにより、振動板16とほぼ同じ形
状の金パターンを形成して電極24としている。第1の
基板11の上面には第3の基板13を接合する。
【0030】図2は、本発明によるインクジェットヘッ
ドの一実施例を説明するための図で、図中、1はシリコ
ン基板、2はSiO2膜、3は第1の凹部、4はインク
加圧室等のパターン、d1は第1の凹部3の深さ、h1
振動板16の厚さで、その他、図1と同じ作用をする部
分には図1と同じ符号が付してある。
【0031】以下、図2に基づいて振動板16の製作方
法について説明する。振動板16の厚さh1はインクジ
ェットヘッドの重要なパラメータであり、インク吐出性
能に大きな影響を与えるので、精度良く制御しなければ
ならない。
【0032】図2(A)に示したように、(100)面
方位のシリコン基板1に、あらかじめ、エッチング終了
を検出するためのパターンとして、振動板16の厚さh
に相当する第1の凹部3を設け、振動板16の厚さh1
として15μmを狙うため、第1の凹部3の深さd1
15μmとしてある。シリコン基板1の上面には厚さ2
μmのSiO2膜2が形成されており、シリコン基板1
のエッチング時に対エッチング材として働く。フォトリ
ソにより、ノズル孔15,インク加圧室17,オリフィ
ス18、および、共通インク室19に相当するパターン
4がSiO2膜2に形成してある。
【0033】次に、アルカリ液によるシリコン基板1の
異方性エッチングを行う。単結晶シリコンにおいては、
周知のごとく水酸化カリウム水溶液やヒドラジン等のア
ルカリ液でエッチングする場合、結晶面によるエッチン
グ速度の差が大きいため、異方性エッチングが可能とな
る。具体的には、(111)結晶面のエッチング速度が
最も小さいため、エッチングの進行と共に(111)面
が平滑面として残留する構造が得られる。
【0034】エッチング液として44wt%の水酸化カ
リウム水溶液を用い、第1の凹部3およびSiO2膜2
によるパターンが形成されたシリコン基板1を水酸化カ
リウム水溶液に侵漬し、エッチングを開始すると、第1
の凹部3の部分とインク加圧室パターン4部分は同じ環
境下にあるので、同じエッチング速度でエッチングさ
れ、第1の凹部3の部分は、インク加圧室等のパターン
4部分よりも15μmだけ先行してエッチングが進む。
一方、シリコン基板1の裏面は対エッチング材であるS
iO2膜がないので全面がエッチングされ、基板1全体
が薄くなる。
【0035】図2(B)に示したように、第1の凹部3
の部分がシリコン基板1を貫通した時点でエッチングを
終了すると、インク加圧室17の底面である振動板16
の厚さh1は15μmとなる。振動板16の厚さh1は第
1の凹部3の深さd1にのみ依存し、シリコン基板1の
厚さやエッチング速度には依存せず、シリコン基板1の
厚さ誤差やエッチング液の温度誤差があっても正確に狙
った厚さの振動板16を製作することができる。実際に
は、第1の凹部3の部分が貫通してからエッチングを終
了するまでに時間差が生じてしまうが、そのようなとき
には、あらかじめ、その時間差を見積もっておき、第1
の凹部3の深さd1をその分大きくしておけばよい。
【0036】上述のように、請求項1の発明によれば、
シリコン基板1を、振動板16の製作と共に薄くするの
で、従来技術のように、研磨することにより薄くした高
価なシリコン基板を用いる必要がなく、エッチング前の
工程において基板が厚いので、基板を破損するようなこ
とが少なくなり、歩留まりが向上する。例えば、エッチ
ング加工前の板の厚さ500μmの基板1を用いて、1
5μmの振動板16を製作した場合、インク加圧室17
の深さは242.5μmとなり、加工後の基板の厚さは
257.5μmとなる。
【0037】このとき、(100)面方位のシリコン基
板の異方性エッチングでは、(111)面は基板表面で
ある(100)面に対して54.7°の角度をもって交
わっている。第1の凹部3の部分が基板1を貫通するに
はそのことを考慮して第1の凹部3の開口の大きさを設
計しなければならない。エッチング加工前の板の厚さ5
00μmの基板1により15μmの厚さの振動板16を
製作するには、第1の凹部3の開口の一辺の長さを50
0μmとすれば、十分貫通孔を形成することができる。
【0038】また、従来技術の例において述べたような
厚さ200μmの基板を用いて15μmの厚さの振動板
を本発明により製作するには、エッチング加工前の板の
厚さ385μmの基板を用いればよい。加工後の基板の
厚さが200μmとなり、15μmの厚さの振動板が形
成される。また、エッチング加工前の板の厚さ200μ
mの基板を用いて厚さ15μmの振動板を製作した場
合、インク加圧室の深さは92.5μmとなる。
【0039】従来技術と本発明において、同じ厚さの基
板を用いて同じ厚さの振動板を製作する場合、本発明に
よる振動板製作のためのエッチング時間は従来技術によ
る時間の半分になる。
【0040】図3は、図2に示した実施例の第1の凹部
3の形成方法の一実施例を説明するための図で、図中、
5は第1の凹部パターンで、その他、図1あるいは図2
と同じ作用をする部分には、図1あるいは図2と同じ符
号が付してある。
【0041】まず、シリコン基板の両面を研磨し、その
シリコン基板1の上面に厚さ2μmのSiO2膜2を形成
する(図3(A))。
【0042】次いで、SiO2膜2の上に、ノズル孔1
5,インク加圧室17,オリフィス18,共通インク室
19を形成するフォトレジストパターン、および、第1
の凹部3を形成する開口の形状に相当するフォトレジス
トパターンを形成してフッ酸系エッチング液にてSiO2
膜2の露出部分をエッチング除去し、その後、フォトレ
ジストパターンを除去することにより、ノズル孔15,
インク加圧室17,オリフィス18,共通インク室19
を形成するSiO2パターン4および、第1の凹部3を形
成する開口の形状に相当するSiO2パターン5が形成さ
れる(図3(B))。
【0043】次いで、第1の凹部3の開口パターン5部
分のみをエッチング液に浸して15μmのエッチングを
行い、第1の凹部3を形成する(図3(C))。
【0044】エッチング液として、HF−HNO3系の
組成の液を用いることにより、シリコンの等方性エッチ
ングが可能で、第1の凹部3の大きさを制御するにはエ
ッチング速度の遅い方が良いが、生産性をよくするに
は、エッチング速度の速い方が良い。エッチング速度と
して、0.5〜15μm/min、好ましくは、1〜5μm
/minがよい。
【0045】このようなエッチング速度を実現する組成
としては、例えば、(1)900ml HNO3,95ml
HF,5ml CH3COOH,14g NaClO2(エッ
チング速度15μm/min)、(2)10HNO3(65
%),1HF(50%)(エッチング速度12〜15μm
/min)、(3)9HF,75HNO3,30CH3CO
OH(エッチング速度7μm/min)、(4)1HF,
3HNO3,8CH3COOH(エッチング速度0.7〜
3μm)、(5)15HNO3,5HF,3CH3COO
H(エッチング速度0.5μm/min)などが挙げられ
る。
【0046】また、希釈液に酢酸を用いることにより、
エッチング形状のHF−HNO3濃度依存性の許容度を
水に比べて増大させることができる。
【0047】図4は、図2に示した実施例の第1の凹部
3の形成方法の他の実施例を説明するための図で、図1
乃至図3と同じ作用をする部分には、図1乃至図3と同
じ符号が付してある。
【0048】凹部3のエッチングは、アルカリ液やヒド
ラジンなどによる異方性エッチングでもよい。エッチン
グ液に水酸化カリウム水容液を用いた場合、室温ではエ
ッチング速度が小さく非常に時間がかかる。温度を高く
すると、エッチング速度は大きくなるが、エッチング液
に浸していないパターンがエッチング液のベーパによる
影響を受けることがある。
【0049】このような場合には、図4に示したよう
に、フォトリソを2回することにより解決することがで
きる。まず、両面研磨して両面にSiO2膜2を形成した
シリコン基板1の両面にレジスト(図示せず)を塗布
し、表面に第1の凹部3を形成する開口の形状に相当す
るフォトレジストパターン5を形成し、前述と同様に、
フッ酸系エッチング液にてSiO2膜2の露出部分をエッ
チング除去して、その後、フォトレジストパターン5を
除去する(図4(B))。
【0050】次いで、エッチング液に浸し、15μmの
エッチングを行い、第1の凹部3を形成する(図4
(C))。次に、この基板の表面のみにレジスト(図示
せず)を塗布し、ノズル孔15,インク加圧室17,オ
リフィス18,共通インク室19に相当するフォトレジ
ストパターン4を形成する。
【0051】この基板1には第1の凹部3が形成されて
いるので、レジストをスピンコートすると第1の凹部3
周辺にレジストが載りづらいことがあるが、このような
場合には、ディッピングやelectrodepositionなどの方
法を用いればよい。その後、フッ酸系エッチング液に
て、表面のSiO2膜2の露出部分および裏面のSiO2
2をエッチング除去した後、フォトレジストパターンを
除去することにより、第1の凹部3の部分のみが15μ
mエッチングされたノズル孔15,インク加圧室17,
オリフィス18,共通インク室19を形成するSiO2
ターン4が得られる(図4(D))。
【0052】この方法によれば、ノズル孔15,インク
加圧室17,オリフィス18,共通インク室19に相当
するパターン4は、第1の凹部3の部分のエッチングの
影響を受けることがない。
【0053】上述のようにして、図1に示した第1の基
板11が形成される。第1の基板11の下面に接合され
る下側の第2の基板12には、パイレックスガラス(ホ
ウ珪酸系ガラス)を使用し、図1に示したように、この
基板12に電極24を装着するための凹部28を0.5
μmエッチングすることにより、第1の基板11と第2
の基板12を接合した後、振動板16と第2の基板12
上の電極24とのギャップを形成する。
【0054】この凹部28は、その内部に電極24,リ
ード部25および端子部26を装着できるように、電極
部形状に類似したやや大きめの形状にパターン形成し、
電極24は、凹部28内にITOを0.1μmスパッタ
し、ITOパターンを形成することにより製作する。
【0055】また、端子部26にのみボンディングのた
めの金をスパッタし、さらに、電極端子部26を除き、
SiO2,Si34等のスパッタ膜を全面に0.1μm被
覆して絶縁層27としている。尚、図1では、絶縁層2
7が平担に描かれているが、実際には、凹部28上の部
分が凹んだ状態になっている。
【0056】第1の基板11の上面に接合される上側の
第3の基板13には、第2の基板12と同じくパイレッ
クスガラスを使用し、図1に示したように、この基板1
3の接合により、ノズル孔15,インク加圧室17,オ
リフィス18および共通インク室19を構成する。基板
13には、共通インク室19に連通するインク供給口2
9を設け、インク供給口29は、接続パイプ30および
チューブ31を介してインクタンク(図示せず)に接続
する。
【0057】次に、第1の基板11と第2の基板12の
温度を300℃、電圧500Vの印加により陽極接合
し、同条件で第1の基板11と第3の基板13を接合
し、インクジェットヘッドを組み立てる。陽極接合後に
おいて、振動板16と第2の基板12上の電極24との
ギャップは0.4μmとなる。また、振動板16と電極
24上の絶縁部27との空隙間隔は0.3μmとなる。
【0058】上述のようにインクジェットヘッドを組み
立てた後は、基板11と電極24の端子部26間に、そ
れぞれ配線32により発振回路33を接続し、インクジ
ェット記録装置を構成する。インクは、インクタンク
(図示せず)よりインク供給口29を介して基板11の
内部に供給され、共通インク室19,インク加圧室17
などを満す。
【0059】図2乃至図4に示したように、(100)
面方位のシリコン基板を両面研磨して両面に2μmのS
iO2膜を形成し、この基板に15μmの第1の凹部3を
製作して、上述のような振動板16を製作した。シリコ
ンのエッチング液として、44wt%の水酸化カリウム
水容液を用いて、エッチング液の温度を88±1℃に制
御したものと、88±5℃と温度を振ったものについて
エッチングを行った結果、両方の条件において、振動板
5の厚さを15±0.5μmで制御することができた。
【0060】また、第1の凹部3をノズル孔15,イン
ク加圧室17,オリフィス18,共通インク室19に相
当するパターン4とは異なる基板に製作し、一緒にエッ
チング液に浸けることにより、エッチング液の温度等の
条件によらずにエッチング量の制御をすることができる
が、振動板16の厚さをより正確にしたいときは、基板
によって厚さにバラツキがあるので、第1の凹部3に相
当するパターン5とノズル孔15,インク加圧室17,
オリフィス18,共通インク室19に相当するパターン
4を同一の基板に設けた方が良い。
【0061】図2乃至図4に示した実施例では、第1の
凹部3に相当するパターン5をノズル孔15,インク加
圧室17,オリフィス18,共通インク室19に相当す
るパターン4と同じ面に設けたが、第1の凹部3を基板
の裏面に設けても良い。
【0062】図5は、本発明によるインクジェットヘッ
ドの他の実施例を説明するための図で、図中、6は第2
の凹部、d2は第2の凹部6の深さ、h2はギャップの深
さで、その他、図1乃至図4と同じ作用をする部分に
は、図1乃至図4と同じ符号が付してある。
【0063】図5に示した実施例は、図1に示した第1
の基板11の下面にギャップ用の第2の凹部6を形成し
たもので、シリコン基板1の裏面にギャップ用の第2の
凹部6を設けたものである。
【0064】ギャップ用の第2の凹部6は、第1の凹部
3と同様の方法により製作することができる。今、ギャ
ップ用の第2の凹部6の深さd2を0.5μmとし、この
基板1を水酸化カリウム水溶液に侵漬し、エッチングを
開始すると、基板1の表面は、第1の凹部3の部分とイ
ンク加圧室等のパターン4の部分は同じ環境下にあるの
で、同じエッチング速度でエッチングされ、第1の凹部
3の部分はインク加圧室等のパターン4の部分よりもd
1(15μm)だけ先行してエッチングが進む。
【0065】一方、シリコン基板1の裏面は対エッチン
グ材であるSiO2膜がないので全面がエッチングされ
る。そのとき、裏面のギャップ用の第2の凹部6の形状
はそのまま保存される。図5(B)に示したように、第
1の凹部3の部分がシリコン基板1を貫通した時点でエ
ッチングを終了すると、インク加圧室17の底面である
振動板16の厚さh1は15μmとなり、振動板16の
下には深さh2=0.5μmのギャップ用の凹部6が形成
される。
【0066】上述のように、請求項2の発明によれば、
振動板16の厚さh1およびギャップ用の第2の凹部6
の深さh2は、それぞれ第1の凹部3の深さd1と初期の
ギャップ用の凹部6の深さd2にのみ依存し、シリコン
基板1の厚さやエッチング速度には依存せず、シリコン
基板1の厚さの誤差やエッチング液の温度の誤差があっ
ても、正確に狙った厚さの振動板16とギャップ用の凹
部6を製作することができる。
【0067】図6は、図5に示した実施例による第1の
基板11と第2の基板12を接合する例を説明するため
の図で、図中、G1,G2はギャップで、その他、図1乃
至図5と同じ作用をする部分には、図1乃至図5と同じ
符号が付してある。
【0068】図1に示した第1の基板11の下面に接合
される下側の第2の基板12には、パイレックスガラス
(ホウ珪酸系ガラス)を使用し、図6(A)に示したよ
うに、基板12の振動板16に対応するそれぞれの位置
に振動板16の形状と類似した形状に金を0.1μmス
パッタし、振動板16とほぼ同じ形状に金パターンを形
成して電極24とし、さらに、パイレックススパッタ膜
を全面に0.2μm被覆して絶縁層27とし、インクジ
ェットヘッド駆動時の絶縁破壊やショートを防止するた
めの膜を形成している。
【0069】次に、図6(B)に示したように、第1の
基板11と第2の基板12を温度300℃、電圧500
Vの印加により陽極接合し、同条件で第1の基板11と
第3の基板13を接合し、インクジェットヘッドを組み
立てる。陽極接合後において、振動板16の下にギャッ
プが形成され、振動板16と第2の基板12上の電極2
4とのギャップG1は0.4μmとなり、振動板16と電
極24上の絶縁層27とのギャップG2は0.2μmとな
る。
【0070】図5および図6に示した実施例によれば、
ギャップ用の第2の凹部6がシリコンで形成されるの
で、第2の基板12をシリコンより安価なガラスを用い
ることにより、低温で接合することが可能な陽極接合を
することができ、低温での接合が可能となり、第2の基
板12の電極24として電気抵抗値の低くて安定な導体
膜を使用することが可能である。
【0071】また、図5および図6に示した実施例で
は、金属膜として金を用いたが、これに限るものではな
く、酸化しづらく低抵抗である白金,銀,銅,ニッケ
ル,パラジウムなどの金属膜やITOなどの透明電極な
どでも良い。
【0072】また、シリコンとガラスの接合に用いる陽
極接合において、シリコンとガラスの間にはギャップ形
成のためのSiO2膜のような絶縁膜は存在しないた
め、強い接合強度が得られ、歩留まりや信頼性が向上す
る。
【0073】また、振動板16を製作した後にギャップ
用の第2の凹部6を形成する場合には、フォトリソによ
りギャップ用の第2の凹部6のパターンを製作する際
に、振動板16の上のインク加圧室17や共通インク室
19などを保護する必要がある。
【0074】また、振動板16は非常に薄いので、ギャ
ップ用の第2の凹部6の製作工程で破損する恐れがある
が、図5および図6に示した実施例では、振動板16を
形成する前にギャップ用の第2の凹部6を形成するの
で、インク加圧室17や共通インク室19などを保護す
る必要もなく、振動板16を破損する可能性も小さい。
また、この実施例では、振動板16とギャップ用の第2
の凹部6を同じプロセスで製作するので、プロセス条件
出しが容易である。
【0075】尚、図1に示した実施例は、エッジシュー
タ方式の例であるが、ノズルがインク加圧室17の位置
に対応する第3の基板13の位置にあり、インクが第3
の基板13に設けたノズルから、基板13の垂直方向に
吐出するサイドシュータ方式でも同様である。
【0076】また、第1の凹部3やギャップ用の第2の
凹部6の製作には、ウェットエッチのみならず、ドライ
エッチ,ダイシングや研磨などの機械的手段、あるい
は、レーザ加工やレーザアブレーション等の手段を用い
て製作することも可能である。
【0077】また、上述の実施例では、(100)面方
位のシリコン基板を例として挙げたが、(110)面方
位のシリコン基板を用いることもできる。(110)面
方位のシリコン基板では、周知のように(111)面が
(110)面基板表面と〈211〉方向で垂直に交わっ
ており、すなわち、アルカリ液を用いた異方性エッチン
グにより基板表面に対して垂直な壁構造を形成すること
ができるので、このことを利用し、ノズル孔15やイン
ク加圧室17などからなるインクジェット構成単位を多
数配置する場合のピッチ間隔を挟めて、ノズルの高密度
化を実現することができる。また、(110)面方位の
基板では垂直な壁構造が形成されるので第2の凹部の開
口が小さくてすみ、シリコン基板の面積を有効に使うこ
とができる。
【0078】図7は、本発明によるインクジェットヘッ
ドの製造方法の他の実施例を説明するための図で、図
中、図1乃至図6と同じ作用をする部分には、図1乃至
図6と同じ符号が付してある。
【0079】請求項3の発明は、図7(A)および図7
(B)に示したように、第1の凹部3を基板1の周囲に
設けたもので、第1の凹部3を基板1の周囲に設けるこ
とにより、ノズル孔15,インク加圧室17,オリフィ
ス18,共通インク室19などのパターン4を製作する
ための面積を大きく取ることができ、また、機械的な方
法による第1の凹部3の製作が容易にできるようにした
ものである。
【0080】図8は、本発明によるインクジェットヘッ
ドの製造方法の他の実施例を説明するための要部構成図
で、図中、7は素子で、その他、図1乃至図7と同じ作
用をする部分には、図1乃至図7と同じ符号が付してあ
る。
【0081】請求項4の発明は、図8に示したように、
ノズル孔15,インク加圧室17,オリフィス18,共
通インク室19などのパターン4を取り巻くように、そ
れらの周辺に断続した第1の凹部3を設けたもので、第
1の凹部3がシリコン基板1を貫通すると、個々の素子
7の切断線となり、エッチング後、個々の素子7を容易
に分離することができるようにしたもので、これによ
り、エッチング後のダイシング等による切断の工程を設
ける必要がないようにしたものである。
【0082】図9は、本発明によるインクジェットヘッ
ドの製造方法の他の実施例を説明するための要部構成図
で、図中、8はエッチング液、9はコンベアで、その
他、図1乃至図8と同じ作用をする部分には、図1乃至
図8と同じ符号が付してある。
【0083】請求項5の発明は、図8に示したような断
続した第1の凹部3ではなく、図9(A)に示したよう
に、連続した第1の凹部3を設けることにより、第1の
凹部3が貫通すると、各素子7が自動的に基板1から切
断されるようにしたもので、切断されて沈んだ素子7
は、図9(B)に示したように、コンベア9によってエ
ッチング液8から出されてリンス工程に運ばれるように
したものである。この場合、第1の凹部3の貫通からリ
ンスまでの時間差を考慮して最初の第1の凹部3の大き
さを設定する。
【0084】請求項5の発明によれば、シリコン基板1
の厚さの小さい部分の素子7は、早く段差が貫通して切
断されるので、1枚のシリコン基板1の厚さのムラが存
在しても、個々の素子7の振動板16の厚さの均一なも
のを得ることができる。
【0085】図10は、本発明によるインクジェットヘ
ッドの製造方法の他の実施例を説明するための要部構成
図で、図中、図1乃至図9と同じ作用をする部分には、
図1乃至図9と同じ符号が付してある。
【0086】請求項6の発明は、図10に示したよう
に、第1の凹部3を基板1の両面に形成したもので、両
面の第1の凹部3,3の大きさの和により振動板16の
厚さを決定するようにしたもので、第1の凹部3をエッ
チングで製作する場合、深さに比例した時間を要するの
で、両面に第1の凹部を設けることにより、その時間を
半分にすることができ、コストダウンを図ることが可能
である。
【0087】また、振動板16を異方性エッチングで製
作した場合、前述のように基板1を貫通するための開口
の大きさが必要であり、両面に第1の凹部3を設けるこ
とにより、その開口の大きさが小さくてすみ、基板1の
面積を有効に使用することができる。
【0088】また、第1の凹部3を基板1の片面に形成
したときよりも、第1の凹部3の深さを小さくすること
ができるので、この第1の凹部3を形成した基板1にレ
ジストを塗布する場合に、レジストが載りやすくなる。
【0089】請求項7の発明は、ランプ,レーザ光ある
いはLED光などを一方から第2の凹部パターンに照射
し、他方に設置した受光素子によって貫通孔が形成され
たことを検出することができるようにしたもので、第1
の凹部3が貫通したことは、貫通穴あるいは泡の発生が
なくなることを見ることにより、作業者の目視観察でも
行うことができるが、この発明により、エッチング終了
の検出を自動化することができ、生産性の向上を図るこ
とができるようにしたものである。
【0090】基板がシリコンの場合、光の波長が短いと
吸収係数が大きくなるので、短波長光源の方が好まし
く、特に、波長が980nm以下で吸収係数が大きくな
るので、980nm以下の光を用いるのが好ましい。ま
た、自然光の光源よりもスペクトル幅の小さいレーザ光
を用いた方が好ましい。
【0091】シリコンが極薄になると、わずかに光を透
過するので、貫通孔が形成されても検出光強度はデジタ
ル的には変化しないが、そのような場合は、検出光の閾
値を設定し、その閾値以上になったとき、貫通孔が形成
されたとする。
【0092】また、同一基板内で厚さムラが存在する場
合は、1枚の基板内に複数の第2の凹部を設けて、それ
ぞれの第2の凹部において貫通孔の検出を行い、例え
ば、半数の第2の凹部が貫通した時点でエッチングを終
了するというような方法を取る。複数の第2の凹部にお
ける貫通孔の検出には、受光素子を複数個設けるか、あ
るいは、受光素子を走査することにより行う。
【0093】請求項7の発明は、貫通孔を通過する光の
検出により、エッチング終了を検知するが、第2の凹部
パターンでの反射光を検出するようにしても良い。
【0094】
【発明の効果】請求項1の発明は、インク液滴を吐出す
る単一または複数のノズル孔と、前記ノズル孔のそれぞ
れに連通するインク加圧室と、該インク加圧室の少なく
とも壁の一部を構成する振動板とを有するインクジェッ
トヘッドの製造方法において、前記振動板をエッチング
によって形成するに際し、該振動板基板の完成した振動
板と関係ない位置の表面にあらかじめ形成しようとする
振動板の厚さに相当する深さの第1の凹部を設けてお
き、該第1の凹部を含めて前記振動板基板を上下方向よ
りエッチングし、前記第1の凹部のエッチングが完了し
た時点でエッチングを停止し、前記第1の凹部の深さに
相当する厚さの振動板を形成するようにしたので、研磨
することにより薄くした高価なシリコン基板を用いなく
ても良く、エッチング前の工程では基板が厚いので、基
板を破損するようなことが少なくなり、歩留まりが向上
する。また、従来のように薄い基板を用いた場合には、
振動板製作のためのエッチング時間は半分になり、生産
性が向上する。
【0095】請求項2の発明は、インク液滴を吐出する
単一または複数のノズル孔と、前記ノズル孔のそれぞれ
に連通するインク加圧室と、該インク加圧室の少なくと
も壁の一部を構成する振動板と、該振動板に対して所定
のギャップをもって対向して配設された電極とを有する
インクジェットヘッドの製造方法において、前記振動板
をエッチングによって形成するに際し、該振動板基板の
完成した振動板に対応する位置の表面にあらかじめ形成
しようとするギャップの深さを有する第2の凹部を設
け、かつ、前記振動板基板の完成した振動板と関係ない
位置の表面にあらかじめ形成しようとする振動板の厚さ
に相当する深さに前記ギャップの深さを加算した深さの
第1の凹部を設けておき、前記第2の凹部および前記第
1の凹部を含めて前記振動板基板を上下方向よりエッチ
ングし、前記第1の凹部のエッチングが完了した時点で
エッチングを停止し、所望の厚さの前記振動板および所
望の深さのギャップを形成するようにしたので、フォト
リソにより、ギャップ用の第1の凹部パターンを製作す
る際に、インク加圧室や共通インク室などを保護する必
要もなく、振動板を破損する可能性も小さい。また、振
動板とギャップ用の第1の凹部を同じプロセスで製作す
るので、プロセス条件出しが容易である。
【0096】請求項3の発明は、請求項1あるいは2の
発明において、前記振動板基板の周囲に前記第1の凹部
を設けるので、基板の面積を有効に使うことができ、生
産性の向上およびコストダウンを図ることができる。
【0097】請求項4の発明は、請求項1あるいは2の
発明において、前記ノズル孔と、前記インク加圧室と、
前記振動板とからなる素子の周囲を囲むように前記第1
の凹部を断続して設けるので、エッチング後にダイシン
グせずに個々の素子を切り放すことができ、生産性の向
上およびコストダウンを図ることができる。
【0098】請求項5の発明は、請求項1あるいは2の
発明において、前記ノズル孔と、前記インク加圧室と、
前記振動板とからなる素子の周囲を囲むように前記第1
の凹部を連続して設けるので、エッチングが終了すると
個々の素子が自動的に切り放され、切断の工程が不要で
あり、生産性の向上およびコストダウンを図ることがで
きる。また、1枚の基板に厚さムラがあっても、厚さム
ラに依存しない振動板を製作することができる。
【0099】請求項6の発明は、請求項1乃至5の発明
において、前記振動板基板の両面に前記第1の凹部を設
けるので、第1の凹部製作のためのエッチング時間が短
く、異方性エッチングした場合、第1の凹部の開口が小
さくてすむので、基板の面積を有効に使うことができ
る。また、第1の凹部の深さを小さくできるので、この
第1の凹部を形成した基板にレジストを塗布する場合
に、レジストが載りやすくなる。
【0100】請求項7の発明は、請求項1乃至6の発明
において、前記エッチングをする際に、前記第1の凹部
に光を照射して透過する光を検出することにより、前記
第1の凹部のエッチングの完了を検知するので、生産の
自動化をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるインクジェットヘッドの
一例を説明するための分解斜視図である。
【図2】 本発明によるインクジェットヘッドの製造方
法の一実施例を説明するための図である。
【図3】 図2に示した実施例の第1の凹部3の形成方
法の一実施例を説明するための図である。
【図4】 図2に示した実施例の第1の凹部3の形成方
法の他の実施例を説明するための図である。
【図5】 本発明によるインクジェットヘッドの製造方
法の他の実施例を説明するための図である。
【図6】 図5に示した実施例による第1の基板と第2
の基板を接合する例を説明するための図である。
【図7】 本発明によるインクジェットヘッドの製造方
法の他の実施例を説明するための図である。
【図8】 本発明によるインクジェットヘッドの製造方
法の他の実施例を説明するための要部構成図である。
【図9】 本発明によるインクジェットヘッドの製造方
法の他の実施例を説明するための要部構成図である。
【図10】 本発明によるインクジェットヘッドの製造
方法の他の実施例を説明するための要部構成図である。
【符号の説明】
1…シリコン基板、2…SiO2膜、3…第1の凹部、4
…インク加圧室等のパターン、5…第1の凹部パター
ン、6…第2の凹部、7…素子、8…エッチング液、9
…コンベア、11,12,13…基板、14…インクジ
ェットヘッド、15…ノズル孔、16…振動板、17…
インク加圧室、18…オリフィス、19…共通インク
室、20…ノズル溝、21,23,28…凹部、22…
細溝、24…電極、25…リード部、26…端子部、2
7…絶縁部、29…インク供給口、30…接続パイプ、
31…チューブ、32…配線、33…発振回路、d1
第1の凹部3の深さ、d2…第2の凹部6の深さ、h1
振動板16の厚さ、h2…ギャップの深さ、G1,G2
ギャップ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク液滴を吐出する単一または複数の
    ノズル孔と、前記ノズル孔のそれぞれに連通するインク
    加圧室と、該インク加圧室の少なくとも壁の一部を構成
    する振動板とを有するインクジェットヘッドの製造方法
    において、前記振動板をエッチングによって形成するに
    際し、該振動板基板の完成した振動板と関係ない位置の
    表面にあらかじめ形成しようとする振動板の厚さに相当
    する深さの第1の凹部を設けておき、該第1の凹部を含
    めて前記振動板基板を上下方向よりエッチングし、前記
    第1の凹部のエッチングが完了した時点でエッチングを
    停止し、前記第1の凹部の深さに相当する厚さの振動板
    を形成するようにしたことを特徴とするインクジェット
    ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 インク液滴を吐出する単一または複数の
    ノズル孔と、前記ノズル孔のそれぞれに連通するインク
    加圧室と、該インク加圧室の少なくとも壁の一部を構成
    する振動板と、該振動板に対して所定のギャップをもっ
    て対向して配設された電極とを有するインクジェットヘ
    ッドの製造方法において、前記振動板をエッチングによ
    って形成するに際し、該振動板基板の完成した振動板に
    対応する位置の表面にあらかじめ形成しようとするギャ
    ップの深さを有する第2の凹部を設け、かつ、前記振動
    板基板の完成した振動板と関係ない位置の表面にあらか
    じめ形成しようとする振動板の厚さに相当する深さに前
    記ギャップの深さを加算した深さの第1の凹部を設けて
    おき、前記第2の凹部および前記第1の凹部を含めて前
    記振動板基板を上下方向よりエッチングし、前記第1の
    凹部のエッチングが完了した時点でエッチングを停止
    し、所望の厚さの前記振動板および所望の深さのギャッ
    プを形成するようにしたことを特徴とするインクジェッ
    トヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記振動板基板の周囲に前記第1の凹部
    を設けることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の
    インクジェットヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ノズル孔と、前記インク加圧室と、
    前記振動板とからなる素子の周囲を囲むように前記第1
    の凹部を断続して設けることを特徴とする請求項1ある
    いは2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ノズル孔と、前記インク加圧室と、
    前記振動板とからなる素子の周囲を囲むように前記第1
    の凹部を連続して設けることを特徴とする請求項1ある
    いは2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記振動板基板の両面に前記第1の凹部
    を設けることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに
    記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記エッチングをする際に、前記第1の
    凹部に光を照射して透過する光を検出することにより、
    前記第1の凹部のエッチングの完了を検知することを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェ
    ットヘッドの製造方法。
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