JPH1087652A - ケトンパーオキサイド組成物およびそれを用いる不飽和ポリエステル樹脂の硬化方法 - Google Patents

ケトンパーオキサイド組成物およびそれを用いる不飽和ポリエステル樹脂の硬化方法

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JPH1087652A
JPH1087652A JP24361196A JP24361196A JPH1087652A JP H1087652 A JPH1087652 A JP H1087652A JP 24361196 A JP24361196 A JP 24361196A JP 24361196 A JP24361196 A JP 24361196A JP H1087652 A JPH1087652 A JP H1087652A
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JP
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peroxide
weight
composition
curing
ketone peroxide
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JP24361196A
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English (en)
Inventor
Tatsuie Kojima
達家 小島
Norihisa Ujigawa
典久 氏川
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Original Assignee
NOF Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不飽和ポリエステル樹脂などの樹脂の硬化に
際し、樹脂に添加してからゲル化に至るまでの可使時間
を長く維持でき、得られる樹脂成形物の硬化度と表面硬
度を高くできるケトンパーオキサイド組成物およびそれ
を用いる不飽和ポリエステル樹脂の硬化方法を提供す
る。 【解決手段】 ケトンパーオキサイド組成物は、過酸化
水素と、下記一般式(1)において式中n=1で示され
るモノマーパーオキサイドと、一般式(1)において式
中n=2で示されるダイマーパーオキサイドと、一般式
(2)で示される環状トリマーパーオキサイドと、希釈
剤とを、所定の比率で含有する。このケトンパーオキサ
イド組成物を硬化剤として、不飽和ポリエステル樹脂を
硬化させることができる。 【化1】 【化2】 (式中、R、R’は同一または異なり、かつそれぞれC
1 〜C6 の直鎖または分岐アルキル基、またはRとR’
とで構成されるシクロ環が炭素数C2 〜C5 であるシク
ロアルキル基である。ただしn=1または2である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば不飽和ポ
リエステル樹脂の硬化剤などとして使用されるケトンパ
ーオキサイド組成物およびそれを用いる不飽和ポリエス
テル樹脂の硬化方法に関する。より詳しくは、不飽和ポ
リエステル樹脂の硬化剤として用いた場合、樹脂に添加
してからゲル化に至るまでの可使時間が長く、成形物の
硬化度が高く、表面硬度が高いケトンパーオキサイド組
成物およびそれを用いる不飽和ポリエステル樹脂の硬化
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マトリックス樹脂として不飽和ポリエス
テル樹脂を使用した繊維強化プラスチックスをハンドレ
イアップ法やスプレイアップ法などの方法により常温ま
たは低温加熱状態で成形する場合において、硬化剤とし
てケトンパーオキサイド組成物が広く使用されている。
【0003】例えば、過酸化水素、モノマーパーオキサ
イドおよびダイマーパーオキサイドの組成の異なるメチ
ルエチルケトンパーオキサイドと、コバルト促進剤の併
用系における不飽和ポリエステル樹脂の25℃での硬化
系が開示されている(プロシーディングアニュアルカン
ファレンス、レインフォースドプラスティクス/コンポ
ジッツインスティチュート、ザソサエティーオブザプラ
スティクスインダストリー Proc., Annu. Conf., Rein
f. Plast. /Compos. Inst.,Soc. Plast. Ind (1977), 3
2,Sect. 3B)。すなわち、この硬化系においては、メチ
ルエチルケトンパーオキサイドの組成に対する硬化性能
が検討され、過酸化水素とモノマーパーオキサイドが多
いほど硬化性能は速くなることが開示されている。
【0004】また、モノマーパーオキサイドおよびダイ
マーパーオキサイドの組成の異なるメチルエチルケトン
パーオキサイドと、コバルト促進剤の併用系における不
飽和ポリエステル樹脂の30℃での硬化系についても開
示されている(プロシーディングアニュアルカンファレ
ンス、レインフォースドプラスティクス/コンポジッツ
インスティチュート、ザソサエティーオブザプラスティ
クスインダストリーProc., Annu. Conf., Reinf. Plas
t. /Compos. Inst.,Soc. Plast. Ind (1977),32,Sect.
3E)。すなわち、この硬化系ではダイマーパーオキサイ
ドが多いほど硬化性能は遅くなることが開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、不飽和ポリ
エステル樹脂を硬化する際、特に夏期の気温が高いとき
に、ケトンパーオキサイドを樹脂に添加してからゲル化
に至るまでの可使時間を確保するため、ケトンパーオキ
サイドや促進剤の添加量を少なくして成形が行われる。
しかしながら、このような場合、ゲル化に至るまでの可
使時間を長くできるものの、得られる不飽和ポリエステ
ル樹脂硬化物の硬化度や表面硬度が低くなるという問題
がある。
【0006】この発明は、このような従来技術の問題に
着目してなされたものである。その目的とするところ
は、不飽和ポリエステル樹脂などの樹脂の硬化に際し、
樹脂に添加してからゲル化に至るまでの可使時間を長く
維持できるとともに、得られる樹脂成形物の硬化度が高
く、しかも表面硬度が高い硬化特性を発揮できるケトン
パーオキサイド組成物およびそれを用いる不飽和ポリエ
ステル樹脂の硬化方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討した結果、特定の組成を有する
ケトンパーオキサイドを用いることによって、樹脂に添
加してからゲル化までの可使時間が長く、成形物の硬化
度が高く、表面硬度が高いケトンパーオキサイド組成物
が得られることを見出し、この発明を完成させた。
【0008】すなわち、第1の発明のケトンパーオキサ
イド組成物は、過酸化水素が3重量%以下、下記一般式
(1)において式中n=1で示されるモノマーパーオキ
サイドが3〜22重量%、一般式(1)において式中n
=2で示されるダイマーパーオキサイドが13〜43重
量%、一般式(2)で示される環状トリマーパーオキサ
イドが10重量%以下および希釈剤を含有し、前記モノ
マーパーオキサイドと、ダイマーパーオキサイドと、環
状トリマーパーオキサイドとの重量比が5〜60/30
〜95/40以下である。
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R、R’は同一または異なり、か
つそれぞれC1 〜C6 の直鎖または分岐アルキル基、ま
たはRとR’とで構成されるシクロ環が炭素数C2 〜C
5 であるシクロアルキル基である。ただしn=1または
2である。) また、第2の発明のケトンパーオキサイド組成物は、第
1の発明において、前記モノマーパーオキサイドと、ダ
イマーパーオキサイドと、環状トリマーパーオキサイド
との重量比が10〜30/70〜90/20以下であ
る。
【0012】さらに、第3の発明の不飽和ポリエステル
樹脂の硬化方法は、第1または第2の発明のケトンパー
オキサイド組成物を硬化剤として用い、不飽和ポリエス
テル樹脂を硬化させるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施形態につ
いて詳細に説明する。ケトンパーオキサイド組成物は、
前述のように、過酸化水素が3重量%以下、前記一般式
(1)において式中n=1で示されるモノマーパーオキ
サイドが3〜22重量%、一般式(1)において式中n
=2で示されるダイマーパーオキサイドが13〜43重
量%、一般式(2)で示される環状トリマーパーオキサ
イドが10重量%以下および希釈剤を含有し、前記モノ
マーパーオキサイドと、ダイマーパーオキサイドと、環
状トリマーパーオキサイドとの重量比が5〜60/30
〜95/40以下のものである。
【0014】このケトンパーオキサイド組成物は、過酸
化水素とケトンを反応することにより得られる組成物
で、前記一般式(1)または一般式(2)で示される化
合物などの混合物である。例えば、メチルエチルケトン
パーオキサイドはメチルエチルケトンと過酸化水素から
合成され、一般式(1)において式中R=CH3 、R’
=C2 5 、n=1で示されるモノマーパーオキサイド
(2、2−ジハイドロパーオキシブタン)、一般式
(1)において式中R=CH3 、R’=C2 5 、n=
2で示されるダイマーパーオキサイド(2、2’−ジハ
イドロパーオキシ−2、2’−ジブチルパーオキサイ
ド)、一般式(2)においてR=CH3 、R’=C2
5 で示される環状トリマーパーオキサイド(1、4、7
−トリメチル−1、4、7−トリエチル−1、4、7−
シクロノナトリパーオキサン)などからなる混合物であ
る。
【0015】上記ケトンパーオキサイドとしては、アル
キル基の炭素数が1から6の直鎖または分岐アルキルケ
トン類、アルキル基の炭素数が3から6のシクロアルキ
ルケトン類など、ケトンを原料とする有機過酸化物であ
って、不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤として用いられ
るものであればいずれでも良い。このケトンパーオキサ
イドとしては、例えばメチルエチルケトンパーオキサイ
ド、ジエチルケトンパーオキサイド、メチルプロピルケ
トンパーオキサイド、メチルイソプロピルケトンパーオ
キサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、メ
チルアミルケトンパーオキサイド、メチルヘキシルケト
ンパーオキサイド、メチル−t−ヘキシルケトンパーオ
キサイド、シクロプロパノンパーオキサイド、シクロブ
タノンパーオキサイド、シクロペンタノンパーオキサイ
ド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘ
キサノンパーオキサイド、3、3、5−トリメチルシク
ロヘキサノンパーオキサイド等が挙げられる。これらの
うち、汎用性があって、適用範囲が広い点から、メチル
エチルケトンパーオキサイドまたはメチルイソブチルケ
トンパーオキサイドが好ましい。
【0016】このケトンパーオキサイド組成物中の過酸
化水素の割合は、3重量%以下であり、0.1〜2重量
%の範囲が好ましい。3重量%を越えると、樹脂に添加
した際にゲル化の速度が速く、可使時間を確保すること
が困難となるため、成形加工工程上不適当である。
【0017】ケトンパーオキサイド組成物中のモノマー
パーオキサイドの割合は、3〜22重量%であり、好ま
しくは3〜14重量%である。3重量%未満では表面硬
度が低くなるため不適当である。22重量%を越えると
可使時間が短くなり、また成形物の硬化度が低くなるた
め加工工程上不適当である。
【0018】このケトンパーオキサイド組成物中のダイ
マーパーオキサイドの割合は、13〜43重量%であ
り、好ましくは18〜43重量%である。13重量%未
満では成形物の硬化度が低くなり、不適当である。ま
た、43重量%を越えると硬化物の表面硬度が低くなる
ため不適当である。
【0019】ケトンパーオキサイド組成物中の環状トリ
マーパーオキサイドの割合は、10重量%以下であり、
好ましくは0. 2〜8重量%である。10重量%を越え
ると成形物の硬化度が低くなるために不適当である。
【0020】このケトンパーオキサイド組成物中のモノ
マーパーオキサイドは、硬化促進剤によりレドックス分
解して不飽和ポリエステル樹脂と速やかに反応するが、
成形物の硬化度は低い。ダイマーパーオキサイドは、硬
化促進剤との反応は遅いため可使時間は長く、さらに成
形物の硬化度を高くするが、反応が遅いために硬化中に
空気の影響を受けて硬化物の表面硬度は低くなる。トリ
マーパーオキサイドは、硬化促進剤との反応はさらに遅
いが、熱などにより分解して不飽和ポリエステル樹脂を
硬化することができる。
【0021】このため、モノマーパーオキサイドとダイ
マーパーオキサイドと環状トリマーパーオキサイドとを
適量併用することにより、可使時間が長く、樹脂成形物
の硬化度が高く、さらに表面硬度も高い硬化特性を有す
るケトンパーオキサイド組成物を得ることができる。
【0022】このケトンパーオキサイド組成物におい
て、モノマーパーオキサイドとダイマーパーオキサイド
と環状トリマーパーオキサイドとの重量比は、5〜60
/30〜95/40以下であり、好ましくは10〜50
/50〜90/0. 5〜20であり、より好ましくは1
0〜30/70〜90/0. 5〜20である。モノマー
パーオキサイドの重量比が60を越えると可使時間が短
くなり、不適当である。ダイマーパーオキサイドの重量
比が30未満では成形物の硬化度が低くなるので不適当
である。また、トリマーパーオキサイドの重量比が40
を越えると、樹脂成形物の硬化度が低くなるので不適当
である。
【0023】次に、ケトンパーオキサイド組成物の活性
酸素量は、組成物中のすべての過酸化物の活性酸素量の
和で表され、8〜13%が好ましく、9.5〜11.0
%がさらに好ましい。この活性酸素量が8%未満では、
硬化物の硬化度が低くなり好ましくない。また、13%
を越えるとゲル化が速くなるために可使時間の確保が困
難になるとともに、ケトンパーオキサイド組成物の取扱
い性が低くなるために好ましくない。ここで、過酸化物
の活性酸素量とは、活性酸素(−O−)の原子量を、そ
の過酸化物の分子量で除した百分率をもって表され、以
下の式で各々計算される。
【0024】活性酸素量(%)=(16×過酸化結合の
数/過酸化物の分子量)×100 次に、希釈剤としては、通常使用されている可塑剤や水
溶性溶剤を使用することができる。この可塑剤や水溶性
溶剤としては、ケトンパーオキサイドの合成および得ら
れた硬化物の物性に悪影響を与えないものであればいず
れのものでも良い。可塑剤としては、例えばジメチルフ
タレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシ
ルフタレートなどのフタル酸エステル類、ジメチルグル
タレート、ジブチルグルタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルグルタレートなどのグルタル酸エステル類、ジメチ
ルサクシネート、ジブチルサクシネート、ジ−2−エチ
ルヘキシルサクシネートなどのコハク酸エステル類、ジ
メチルアジペート、ジブチルアジペート、ジ−2−エチ
ルヘキシルアジペートなどのアジピン酸エステル類、ジ
メチルマレエート、ジブチルマレエート、ジ−2−エチ
ルヘキシルマレエートなどのマレイン酸エステル類、ジ
メチルフマレート、ジブチルフマレート、ジ−2−エチ
ルヘキシルフマレートなどのフマル酸エステル類、トリ
エチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリク
レジルホスフェートなどのリン酸エステル類などが挙げ
られる。
【0025】水溶性溶媒としては、例えばエチレングリ
コールのようなアルキレングリコール類、ポリエチレン
グリコールのようなポリアルキレングリコール類、エチ
レングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレング
リコールモノアルキルエーテル類などが挙げられる。こ
れらの可塑剤や水溶性溶媒は、50〜64重量%の範囲
で使用することが望ましい。50重量%未満ではケトン
パーオキサイド組成物の活性酸素量が高くなり、64重
量%を越えると活性酸素量が低くなるために好ましくな
い。
【0026】なお、ケトンパーオキサイド組成物には、
ケトンパーオキサイドの経時安定性を向上させる目的と
して、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルホルムアミドやマロン酸ナトリウム、
エチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどの安定剤が必要
により添加される。
【0027】さらに、ケトンパーオキサイド組成物に
は、硬化剤の仕込みミスの防止あるいは混合および硬化
終了の状態をチェックするために、樹脂硬化時に退色す
る染料を配合することができる。この染料は樹脂の硬化
時に即座に退色し、かつケトンパーオキサイドに悪影響
を与えないものであればいずれのものでも良い。このよ
うな染料としては、例えばカラーインデックス名でいえ
ば、ディスパース レッド 11、13、17、24、
27、60、111、132、145、152、15
3、154、181、ソルベント レッド 19等の赤
色染料、ディスパース ブルー 106等の青色染料、
ディスパース イエロー 4等の黄色染料などが挙げら
れる。これらの染料の含有量は、通常5重量%以下であ
る。5重量%を越えると経済的に好ましくない。
【0028】このケトンパーオキサイド組成物は、モノ
マーパーオキサイド、ダイマーパーオキサイドおよび環
状トリマーパーオキサイドを各々単独で合成し、それを
過酸化水素や可塑剤などと適宜混合することにより得ら
れる。また、ケトンと過酸化水素を希釈剤の存在下、ケ
トンに対する過酸化水素のモル比、使用する無機酸、有
機酸等の酸触媒または陽イオン交換樹脂等の酸触媒作用
物質の種類と量、希釈剤の種類と量、反応温度、反応時
間等を適宜選択して反応させ、所望の組成としてもよ
い。
【0029】このとき、未反応の原料のケトンは、5重
量%以下、水は10重量%以下含まれていてもよい。ケ
トンが5重量%を越えるとケトンパーオキサイド組成物
の引火点が低くなり、取扱い性が低下するために好まし
くない。また、水が10重量%を越えると、ケトンパー
オキサイド組成物に溶けずに白濁しやすくなるので好ま
しくない。さらに、ケトンパーオキサイド組成物が第1
または第2の発明に規定する条件の範囲内であれば、前
記一般式(1)で示されるnが3〜6のケトンパーオキ
サイドが含まれてもよい。
【0030】次に、不飽和ポリエステル樹脂の硬化方法
においては、不飽和ポリエステル樹脂の硬化時に硬化剤
(重合開始剤)として上記のようなケトンパーオキサイ
ド組成物が用いられる。このとき、使用される不飽和ポ
リエステル樹脂としては、不飽和二塩基酸、飽和二塩基
酸および多価アルコールを特定の割合で脱水縮合させて
得られる不飽和アルキッド樹脂に、共重合性単量体を混
合した混合物である。そして、硬化剤として上記のよう
なケトンパーオキサイド組成物を用い、不飽和アルキッ
ドと共重合性単量体とを共重合させて、不飽和ポリエス
テル樹脂、すなわちアルキッド樹脂を硬化させる。
【0031】ここで、不飽和二塩基酸としては、無水マ
レイン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。飽
和二塩基酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸などが
挙げられる。多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、水素化ビスフェノールA、エ
チレンオキシド、プロピレンオキシドなどが挙げられ
る。共重合性単量体としては、スチレン、ビニルトルエ
ン、メタクリル酸メチル、ジアリルフタレートなどが挙
げられる。
【0032】不飽和ポリエステル樹脂の硬化方法におけ
る硬化温度は0〜80℃が好ましく、0〜40℃がさら
に好ましい。また、ケトンパーオキサイド組成物と不飽
和ポリエステル樹脂との割合は、通常樹脂100重量部
に対し、ケトンパーオキサイド組成物が0.5〜3重量
%である。0.5重量%未満では硬化時間が長くなりす
ぎたり、硬化物の物性が悪くなるため、加工工程上好ま
しくない。また、3重量%を越えると発生したラジカル
同士が結合してしまい、効率の良い硬化反応にはなら
ず、硬化物の物性が悪くなるため好ましくない。
【0033】この硬化方法において、ケトンパーオキサ
イド組成物は、単独あるいはレドックス系を形成する硬
化促進剤を併用して不飽和ポリエステル樹脂を硬化させ
ることができる。この硬化促進剤としては、例えばナフ
テン酸コバルトなどの高級脂肪酸の金属塩、アセチルア
セトンなどのβ−ジケトン、ジメチルアニリンなどのア
ミン、五酸化バナジウムなどのバナジウム化合物、2−
メルカプトベンゾチアゾールなどのメルカプタン類、四
級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0034】これらの硬化促進剤は、硬化剤との組み合
わせにより促進効果が異なるため適宜選択する必要があ
るが、ケトンパーオキサイド組成物中のケトンパーオキ
サイド純分とその硬化促進剤との割合は、所望の硬化速
度に応じて重量比で95/5〜5/95の範囲内で選択
される。この重量比が95/5未満では硬化反応を促進
する効果が小さく、5/95を超えると可使時間を確保
することが困難になる。
【0035】この硬化方法においては、硬化速度、最高
発熱温度あるいは硬化物の物性を調節する目的で通常使
用される重合禁止剤や重合調節剤を使用することができ
る。この重合禁止剤としては、ハイドロキノン、1、4
−ベンゾキノン、1、4−ナフトキノンなどのキノン
類、ピロガロール、4、6−ジフェニルピロガロールな
どのピロガロール類、カテコール、4−t−ブチルカテ
コールなどのカテコール類等が挙げられる。
【0036】また、重合調節剤としては、最高発熱温度
を高くさせるアスコルビン酸、最高発熱温度を低くさせ
るα−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。これら
重合禁止剤および重合調節剤の使用量は、必要に応じて
適宜選択されるが、通常樹脂100重量部に対して0〜
10重量%が好ましい。10重量%を越えると経済的に
好ましくない。
【0037】この硬化方法においては、成形品の強度向
上の目的でロービングクロス、チョップドストランド、
チョップドストランドマット等のガラス繊維、あるいは
炭素繊維のような補強剤や、炭酸カルシウム、クレー、
水酸化アルミニウムなどのような充填剤が使用される。
さらに、目的に応じて酸化マグネシウム等のアルカリ土
類金属の酸化物あるいは水酸化物等の増粘剤や、熱可塑
性の単独重合体、その共重合体、あるいはブロック共重
合体、グラフト共重合体等の低収縮剤、ステアリン酸亜
鉛のような離型剤が使用される。
【0038】以上の実施形態により発揮される効果につ
いて、以下に記載する。 (1) モノマーパーオキサイドはナフテン酸コバルト
などの硬化促進剤に対する反応性が高いため可使時間が
短くなるが、ダイマーパーオキサイドは硬化促進剤との
反応性が低いため、ダイマーパーオキサイドを相対的に
多く含むケトンパーオキサイド組成物は硬化反応が遅
い。従って、不飽和ポリエステル樹脂の硬化に際し、ケ
トンパーオキサイド組成物を樹脂に添加してからゲル化
に至るまでの可使時間が長い。 (2) ダイマーパーオキサイドはモノマーパーオキサ
イドより硬化反応を開始する効率が良い。このため、ダ
イマーパーオキサイドを相対的に多く含むケトンパーオ
キサイド組成物は、得られる樹脂成形物の硬化度を高く
することができる。 (3) 硬化促進剤に対する反応性が高いモノマーパー
オキサイドと硬化反応の開始効率が良いダイマーパーオ
キサイドを併用することにより、得られる樹脂成形物の
表面硬度を高めることができる。 (4) 従って、実施形態で示したケトンパーオキサイ
ド組成物は、不飽和ポリエステル樹脂を硬化させるため
の硬化剤として好適である。 (5) 実施形態のケトンパーオキサイド組成物は、不
飽和ポリエステル樹脂以外の熱硬化性樹脂を硬化させた
り、その他の樹脂を硬化させるための重合開始剤として
も使用できる。
【0039】
【実施例】次に、参考例、実施例および比較例により、
この発明を更に具体的に説明する。なお、各実施例およ
び比較例における評価方法を次に示す。 〔示差走査熱量測定法(DSC)〕DSCとして、セイ
コー電子工業(株)製DSC200を使用し、窒素(N
2)雰囲気下、アルミニウム製密封容器を使用して測定
した。具体的には、不飽和ポリエステル樹脂(日本触媒
社製:エポラック G110AL)10gに6%ナフテ
ン酸コバルト(和光純薬工業社製)を0.1重量%加
え、ケトンパーオキサイド組成物を1重量%添加して1
分間混合した。
【0040】試料約20mgを密封容器に秤り取り、2
5℃で走査して発熱の開始時間、発熱のピーク時間、発
熱の終了時間および等温での発熱量QISO (J/g) を求
め、発熱が見られなくなった後に昇温速度10℃/minで
走査して硬化反応の残存する熱量QR (J/g) を求めた。
等温での発熱量および残存する熱量の和(QISO
R)を硬化系の全発熱量QT (J/g) として硬化度αを
以下の式により求めた。
【0041】α=QISO /QT (カップゲル化時間)プリンカップに不飽和ポリエステ
ル樹脂20gと6%ナフテン酸コバルト0.1重量%お
よびケトンパーオキサイド組成物を1重量%添加して1
分間混合した後、25℃の恒温水槽中に放置し、ゲルが
発生するまでの時間をカップゲル化時間として求めた。 (残存スチレン量)150mm×100mm×2mmのガラス
板と2mm厚のシリコーンゴムのスペーサーを用いた簡易
型に、6%ナフテン酸コバルト0.1重量%およびケト
ンパーオキサイド組成物を1重量%添加して混合した不
飽和ポリエステル樹脂を注入した。そして、これを25
℃の空気循環式恒温槽内に24時間放置した後、脱型し
て注型板を作成した。得られた注型板を粉砕し、硬化後
に残存するスチレンをジクロロメタンで抽出し、内部標
準法によりガスクロマトグラフィー(島津製作所製:G
C−14A)で定量した。 (ケーニッヒ硬度)予めポリエステルフィルムを貼った
150mm×100mm×2mmのガラス板上に、6%ナフテ
ン酸コバルト0.1重量%およびケトンパーオキサイド
組成物を1重量%添加して混合した不飽和ポリエステル
樹脂を0.5mmの厚さに塗布した。これを25℃の空気
循環式恒温槽内に24時間放置して硬化させた。得られ
た硬化物の表面硬度を、ケーニッヒ硬度計(エリクセン
社製)を用いて、硬化物上に設置した振り子が6度〜3
度までを往復する回数によって測定した。 (参考例1)60%過酸化水素水溶液680.4gにメ
チルエチルケトン86.5gを5〜10℃で10分間か
けて滴下した。1時間熟成後、分液ロートで有機層と水
層に分け、有機層からジエチルエーテル250mlでモノ
マーパーオキサイドを抽出し、飽和硫酸アンモニア水溶
液200mlで4回洗浄した後に水150mlで6回抽出し
た。再度ジエチルエーテル300mlで抽出し、硫酸マグ
ネシウム5重量%で脱水して濾過した。その後、ジエチ
ルエーテルを減圧留去してジメチルフタレート10.0
gを加え、活性酸素量15.2%、メチルエチルケトン
パーオキサイドのモノマーパーオキサイド含有率56.
2重量%のジメチルフタレート溶液を得た。 (参考例2)60%過酸化水素水溶液22.7gに水
4.1gと98%硫酸10.0gを10℃以下で混合し
た。これにメチルエチルケトン28.9gを−1〜1℃
で12分間で滴下した。4時間熟成した後に、ペンタン
130mlで生成した有機物を抽出し、飽和硫酸アンモニ
ア水溶液60mlで2回、水100mlで3回洗浄した。そ
の後、硫酸マグネシウム5重量%で脱水して濾過し、ド
ライアイス/アセトンで冷却したところ、メチルエチル
ケトンパーオキサイドのダイマーパーオキサイドを含む
白色固体が得られた。この白色固体を濾過して集め、1
倍量のペンタンで3回再結晶して活性酸素量22.3
%、純度97.7%のダイマーパーオキサイドを得た。 (参考例3)参考例2と同様に反応を行い、ダイマーパ
ーオキサイドを濾過した後の濾液からペンタンを減圧留
去し、得られた油状液体に2倍量のメチルアルコールを
加え、ドライアイス/アセトンで冷却したところ、メチ
ルエチルケトンパーオキサイドの環状トリマーパーオキ
サイドを含む白色固体が得られた。この白色固体を濾過
して集め、1倍量のメチルアルコールで2回再結晶して
活性酸素量18.0%、純度99.1%の環状トリマー
パーオキサイドを得た。 (参考例4)参考例1において、ジメチルフタレートの
代わりにジブチルフマレート10gを配合した以外は、
参考例1に準じてメチルエチルケトンパーオキサイドの
モノマーパーオキサイドを製造した。その結果、活性酸
素量15.0%、モノマーパーオキサイド含有率56.
0重量%のジブチルフマレート溶液を得た。 (参考例5)参考例1において、メチルエチルケトンの
代わりにメチルイソブチルケトン120.2gを配合し
た以外は、参考例1に準じてメチルイソブチルケトンパ
ーオキサイドのモノマーパーオキサイドを製造した。そ
の結果、活性酸素量11.9%、モノマーパーオキサイ
ド含有率54.0重量%のジメチルフタレート溶液を得
た。 (参考例6)参考例2において、メチルエチルケトンの
代わりにメチルイソブチルケトン40.1gを配合した
以外は、参考例2に準じてメチルイソブチルケトンパー
オキサイドのダイマーパーオキサイドを製造した。その
結果、活性酸素量17.5%、純度97.1%のダイマ
ーパーオキサイドを得た。 (実施例1)ジメチルフタレートに過酸化水素を0.1
重量%、参考例1で製造したモノマーパーオキサイドを
10.5重量%、参考例2で製造したダイマーパーオキ
サイドを36.2重量%、参考例3で製造した環状トリ
マーパーオキサイドを0.3重量%混合して、活性酸素
量11.0%のメチルエチルケトンパーオキサイド組成
物を製造した。このメチルエチルケトンパーオキサイド
組成物の組成を表1に示した。また、この組成物につい
て、DSCによる硬化性能の評価、カップゲル化時間、
残存スチレン量およびケーニッヒ硬度の測定を行った。
この結果を表1〜表3に示す。 (実施例2)ジメチルフタレートに過酸化水素を0.1
重量%、参考例1で製造したモノマーパーオキサイドを
9.5重量%、参考例2で製造したダイマーパーオキサ
イドを32.9重量%、参考例3で製造した環状トリマ
ーパーオキサイドを0.3重量%混合して、活性酸素量
10.0%のメチルエチルケトンパーオキサイド組成物
を製造した。このメチルエチルケトンパーオキサイド組
成物の組成を表1に示した。また、この組成物について
実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1〜表3に
示した。 (実施例3)ジメチルフタレートに過酸化水素を0.1
重量%、参考例1で製造したモノマーパーオキサイドを
9.0重量%、参考例2で製造したダイマーパーオキサ
イドを31.3重量%、参考例3で製造した環状トリマ
ーパーオキサイドを0.3重量%混合して、活性酸素量
9.5%のメチルエチルケトンパーオキサイド組成物を
製造した。このメチルエチルケトンパーオキサイド組成
物の組成を表1に示した。また、この組成物について実
施例1と同様の評価を行い、その結果を表1〜表3に示
した。 (実施例4)ジメチルフタレートに参考例1で製造した
モノマーパーオキサイドを8.6重量%、参考例2で製
造したダイマーパーオキサイドを29.7重量%、過酸
化水素を2.0重量%、参考例3で製造した環状トリマ
ーパーオキサイドを0.3重量%混合して、活性酸素量
10.0%のメチルエチルケトンパーオキサイド組成物
を製造した。このメチルエチルケトンパーオキサイド組
成物の組成を表1に示した。また、この組成物について
実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1〜表3に
示した。 (実施例5)ジメチルフタレートに過酸化水素を0.1
重量%、参考例1で製造したモノマーパーオキサイドを
5.6重量%、参考例2で製造したダイマーパーオキサ
イドを31.5重量%、参考例3で製造した環状トリマ
ーパーオキサイドを7.5重量%混合して、活性酸素量
10.0%のメチルエチルケトンパーオキサイド組成物
を製造した。このメチルエチルケトンパーオキサイド組
成物の組成を表1に示した。また、この組成物について
実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1〜表3に
示した。 (実施例6)ジメチルフタレートに過酸化水素を0.1
重量%、参考例1で製造したモノマーパーオキサイドを
5.5重量%、参考例2で製造したダイマーパーオキサ
イドを36.9重量%、参考例3で製造した環状トリマ
ーパーオキサイドを0.4重量%混合して、活性酸素量
10.0%のメチルエチルケトンパーオキサイド組成物
を製造した。このメチルエチルケトンパーオキサイド組
成物の組成を表1に示した。また、この組成物について
実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1〜表3に
示した。 (実施例7)ジブチルフマレートに過酸化水素を0.1
重量%、参考例4で製造したモノマーパーオキサイドを
9.5重量%、参考例2で製造したダイマーパーオキサ
イドを32.9重量%、参考例3で製造した環状トリマ
ーパーオキサイドを0.3重量%混合して、活性酸素量
10.0%のメチルエチルケトンパーオキサイド組成物
を製造した。このメチルエチルケトンパーオキサイド組
成物の組成を表1に示した。また、この組成物について
実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1〜表3に
示した。 (実施例8)ジメチルフタレートに過酸化水素を0.1
重量%、参考例5で製造したモノマーパーオキサイドを
12.0重量%、参考例6で製造したダイマーパーオキ
サイドを41.3重量%、参考例3で製造した環状トリ
マーパーオキサイドを0.4重量%混合し、活性酸素量
10.0%のメチルイソブチルケトンパーオキサイド組
成物を製造した。このメチルイソブチルケトンパーオキ
サイド組成物の組成を表1に示した。また、この組成物
について実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1
〜表3に示した。 (実施例9)ジメチルフタレートに過酸化水素を0.1
重量%、参考例1で製造したモノマーパーオキサイドを
14.4重量%、参考例2で製造したダイマーパーオキ
サイドを26.9重量%、参考例3で製造した環状トリ
マーパーオキサイドを0.3重量%混合し、活性酸素量
10.0%のメチルエチルケトンパーオキサイド組成物
を製造した。このメチルエチルケトンパーオキサイド組
成物の組成を表1に示した。また、この組成物について
実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1〜表3に
示した。 (実施例10)ジメチルフタレートに過酸化水素を0.
2重量%、参考例1で製造したモノマーパーオキサイド
を19.0重量%、参考例2で製造したダイマーパーオ
キサイドを21.9重量%、参考例3で製造した環状ト
リマーパーオキサイドを0.2重量%混合し、活性酸素
量10.0%のメチルエチルケトンパーオキサイド組成
物を製造した。このメチルエチルケトンパーオキサイド
組成物の組成を表1に示した。また、この組成物につい
て実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1〜表3
に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】(比較例1)ジメチルフタレートに過酸化
水素を0.3重量%、参考例1で製造したモノマーパー
オキサイドを28.6重量%、参考例2で製造したダイ
マーパーオキサイドを11.0重量%、参考例3で製造
した環状トリマーパーオキサイドを0.1重量%混合
し、活性酸素量10.0%のメチルエチルケトンパーオ
キサイド組成物を製造した。このメチルエチルケトンパ
ーオキサイド組成物の組成を表4に示した。また、この
組成物について実施例1と同様の評価を行い、その結果
を表4〜表6に示した。 (比較例2)ジメチルフタレートに過酸化水素を0.3
重量%、参考例1で製造したモノマーパーオキサイドを
38.2重量%混合して、活性酸素量10.0%のメチ
ルエチルケトンパーオキサイド組成物を製造した。この
メチルエチルケトンパーオキサイド組成物の組成を表4
に示した。また、この組成物について実施例1と同様の
評価を行い、その結果を表4〜表6に示した。 (比較例3)ジメチルフタレートに参考例1で製造した
モノマーパーオキサイドを7.3重量%、参考例2で製
造したダイマーパーオキサイドを25.2重量%、過酸
化水素5.0重量%、参考例3で製造した環状トリマー
パーオキサイドを0.2重量%混合して、活性酸素量1
0.0%のメチルエチルケトンパーオキサイド組成物を
製造した。このメチルエチルケトンパーオキサイド組成
物の組成を表4に示した。また、この組成物について実
施例1と同様の評価を行い、その結果を表4〜表6に示
した。 (比較例4)ジメチルフタレートに参考例1で製造した
モノマーパーオキサイドを2.5重量%、参考例2で製
造したダイマーパーオキサイドを32.1重量%、環状
トリマーパーオキサイドを11.1重量%混合して、活
性酸素量10.0%のメチルエチルケトンパーオキサイ
ド組成物を製造した。このメチルエチルケトンパーオキ
サイド組成物の組成を表4に示した。また、この組成物
について実施例1と同様の評価を行い、その結果を表4
〜表6に示した。 (比較例5)ジメチルフタレートに参考例1で製造した
モノマーパーオキサイドを2.2重量%、参考例2で製
造したダイマーパーオキサイドを41.0重量%、参考
例3で製造した環状トリマーパーオキサイドを0.4重
量%混合して、活性酸素量10.0%のメチルエチルケ
トンパーオキサイド組成物を製造した。このメチルエチ
ルケトンパーオキサイド組成物の組成を表4に示した。
また、この組成物について実施例1と同様の評価を行
い、その結果を表4〜表6に示した。 (比較例6)ジメチルフタレートに参考例2で製造した
環状トリマーパーオキサイドを55.1重量%混合し
て、活性酸素量10.0%のメチルエチルケトンパーオ
キサイド組成物を製造した。このメチルエチルケトンパ
ーオキサイド組成物の組成を表4に示した。また、この
組成物について実施例1と同様の評価を行い、その結果
を表4〜表6に示した。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】表2および表3に示したように、実施例1
〜10で示したケトンパーオキサイド組成物を使用した
不飽和ポリエステル樹脂の硬化は、いずれもDSCにお
ける発熱の開始時間が遅く、カップゲル化時間も長い。
すなわち、これらのケトンパーオキサイド組成物を使用
すると可使時間の確保が可能となり、樹脂を成形する際
の作業性が良い。
【0050】また、実施例1〜10で示したケトンパー
オキサイド組成物を使用した不飽和ポリエステル樹脂の
硬化は、等温硬化時の発熱量Qiso が大きく、硬化度α
も高い。このため、成形物中の残存スチレン量も少な
い。また、ケーニッヒ硬度が大きく、成形物の表面硬度
が高い。すなわち、これらのケトンパーオキサイド組成
物を使用すると残存スチレン量が少なく、硬化度が高
く、表面硬度が高い成形物が得られる。
【0051】一方、表5および表6に示したように、比
較例1〜3で示したケトンパーオキサイド組成物を使用
すると、DSCにおける発熱の開始時間は短く、カップ
ゲル化時間も短い。このため、可使時間を確保すること
は困難であり、樹脂を成形する際の作業性が悪い。
【0052】また、比較例2〜4で示したケトンパーオ
キサイド組成物を使用すると、等温硬化時の発熱量が小
さいために硬化度αが低く、成形物中の残存スチレン量
も多い。さらに、比較例4、5で示したケトンパーオキ
サイド組成物を使用すると、ケーニッヒ硬度が低いため
に表面硬度が低い。すなわち、これらのケトンパーオキ
サイド組成物を使用すると残存スチレン量が多く、硬化
度が低い成形物や表面の硬化度が低い成形物が得られ
る。加えて、比較例6で示したケトンパーオキサイド組
成物を使用すると、25℃では硬化しなかった。
【0053】なお、前記実施形態より把握される技術的
思想について、以下に記載する。 (1) 前記過酸化水素の含有量を0. 1〜2重量%、
環状トリマーパーオキサイドの含有量を0. 2〜8重量
%およびモノマーパーオキサイドと、ダイマーパーオキ
サイドと、環状トリマーパーオキサイドとの重量比を1
0〜50/50〜90/0. 5〜20に設定した請求項
1に記載のケトンパーオキサイド組成物。
【0054】このように構成した場合、組成物のゲル化
を抑制して可使時間を確実に保持することができるとと
もに、樹脂成形物の硬度を高めることができる。 (2) 活性酸素量が8〜13%である請求項1または
2に記載のケトンパーオキサイド組成物。
【0055】このように構成した場合、組成物の可使時
間を確保することができるとともに、樹脂成形物の硬度
を高くすることができる。 (3) 前記希釈剤は、可塑剤または水溶性溶剤である
請求項1に記載のケトンパーオキサイド組成物。
【0056】このように構成することにより、ケトンパ
ーオキサイド組成物の活性酸素量を所定範囲に容易に設
定でき、ケトンパーオキサイド組成物の性能を十分に発
揮することができる。 (4) 前記希釈剤の含有量は、50〜64重量%であ
る請求項1に記載のケトンパーオキサイド組成物。
【0057】このように構成した場合、ケトンパーオキ
サイド組成物の活性酸素量を所定範囲に確実に設定する
ことができる。 (5) 請求項1または2に記載のケトンパーオキサイ
ド組成物を硬化剤として用い、硬化促進剤を併用して不
飽和ポリエステル樹脂を硬化させる不飽和ポリエステル
樹脂の硬化方法。
【0058】このように構成すれば、特にモノマーパー
オキサイドにより、不飽和ポリエステル樹脂の硬化を促
進させることができる。 (6) 前記ケトンパーオキサイドは、メチルエチルケ
トンパーオキサイドまたはメチルイソブチルケトンパー
オキサイドである請求項1または2に記載のケトンパー
オキサイド組成物。
【0059】このように構成した場合、汎用性があり、
適用範囲を広げることができる。
【0060】
【発明の効果】以上記述したように、この発明によれ
ば、次のような優れた効果を奏する。すなわち、第1の
発明のケトンパーオキサイド組成物によれば、樹脂に添
加してからゲル化に至るまでの可使時間を長くでき、夏
期の気温が高いときなどに可使時間を確保することが可
能となり、しかも樹脂成形物の硬化度を高め、表面硬度
を向上させることができる。
【0061】第2の発明のケトンパーオキサイド組成物
によれば、第1の発明の効果をより向上させることがで
きる。第3の発明の不飽和ポリエステル樹脂の硬化方法
によれば、第1または第2の発明のケトンパーオキサイ
ド組成物を用いることにより、組成物の可使時間を維持
した状態で、不飽和ポリエステル樹脂を効率良く硬化さ
せることができ、得られた樹脂成形物の硬化度と表面硬
度を高めることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過酸化水素が3重量%以下、下記一般式
    (1)において式中n=1で示されるモノマーパーオキ
    サイドが3〜22重量%、一般式(1)において式中n
    =2で示されるダイマーパーオキサイドが13〜43重
    量%、一般式(2)で示される環状トリマーパーオキサ
    イドが10重量%以下および希釈剤を含有し、前記モノ
    マーパーオキサイドと、ダイマーパーオキサイドと、環
    状トリマーパーオキサイドとの重量比が5〜60/30
    〜95/40以下であるケトンパーオキサイド組成物。 【化1】 【化2】 (式中、R、R’は同一または異なり、かつそれぞれC
    1 〜C6 の直鎖または分岐アルキル基、またはRとR’
    とで構成されるシクロ環が炭素数C2 〜C5 であるシク
    ロアルキル基である。ただしn=1または2である。)
  2. 【請求項2】 前記モノマーパーオキサイドと、ダイマ
    ーパーオキサイドと、環状トリマーパーオキサイドとの
    重量比が10〜30/70〜90/20以下である請求
    項1に記載のケトンパーオキサイド組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のケトン
    パーオキサイド組成物を硬化剤として用い、不飽和ポリ
    エステル樹脂を硬化させる不飽和ポリエステル樹脂の硬
    化方法。
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