JPH1087701A - 多孔質セルロース担体およびそれを用いた金属の選択的分離方法 - Google Patents

多孔質セルロース担体およびそれを用いた金属の選択的分離方法

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JPH1087701A
JPH1087701A JP24237396A JP24237396A JPH1087701A JP H1087701 A JPH1087701 A JP H1087701A JP 24237396 A JP24237396 A JP 24237396A JP 24237396 A JP24237396 A JP 24237396A JP H1087701 A JPH1087701 A JP H1087701A
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cellulose
group
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metal
porous
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JP24237396A
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English (en)
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Nabaro Ronarudo
ロナルド、ナバロ
Katsuhiro Sumi
克 宏 角
Masatoshi Matsumura
村 正 利 松
Naoyuki Fujii
井 直 幸 藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属、とりわけ水銀、銅、鉛など重金属に対
して高い親和性を有し、それを選択的に吸着する吸着剤
の提供。 【解決手段】 ポリエチレンイミン側鎖を有するグルコ
ース単位を含んでなるセルロースからなり、該セルロー
スが多孔質であるセルロースが金属とりわけ重金属に対
して選択的な親和性を有する。また、ポリエチレンイミ
ンをグラフトして導入された多孔質セルロースにおい
て、重金属への親和性が更に改善できる。よってこのよ
うなセルロースを金属吸着剤として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、金属、とりわけ水銀、銅、鉛などの重金属に
対して高い親和性を有し、それを選択的に吸着する高分
子修飾多孔質セルロースおよびそれを用いた重金属の選
択的分離方法に関する。
【0002】発明の背景 金属を選択的に分離できる方法の確立は広い応用範囲を
有する。例えば、排水から金属とりわけ重金属を除くこ
とは、金属がしばしば毒性を有するため、環境保全の観
点から非常に重要である。さらに、排水などからの重金
属を回収し再利用できれば、更に好ましいと言える。
【0003】従来、金属の単離または分離法としては、
例えば溶解度定数の大きな塩を形成するアニオンを選
択、添加するいわゆる沈殿法が知られている。さらに、
イオン交換樹脂を用いた方法、キレート剤を用いる方法
などが知られている。
【0004】
【発明の概要】本発明者等は、今般、ポリエチレンイミ
ンを結合させた多孔質セルロースが、金属、とりわけ水
銀、銅、鉛など重金属に対して高い親和性を有し、それ
を選択的に吸着するとの知見を見出した。また、適切な
高分子をセルロースとの間に介在させてポリエチレンイ
ミンをグラフトさせて得られたセルロースにおいて重金
属に対する親和性において更に改善が図られるとの知見
を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。
【0005】従って、本発明は金属とりわけ重金属に対
して高い親和性を有し、それを選択的に吸着する高分子
修飾多孔質セルロースの提供をその目的としている。
【0006】また、本発明は金属とりわけ重金属を選択
的に吸着し、それを除去または回収する方法の提供をそ
の目的としている。
【0007】そして、本発明による多孔質セルロース
は、その第一の態様として、下記の繰り返し単位(I)
を有する側鎖を有するグルコース単位を含んでなるセル
ロースからなり、該セルロースが多孔質であるセルロー
スである。
【0008】 −(NR1 −CH2 CH2 )n− (I) (式中、R1 は水素原子またはグルコース単位への結合
を表し、nは1以上の整数を表す。) また本発明による多孔質セルロースは、その第二の態様
として、下記の繰り返し単位(II)を有する側鎖を有す
るグルコース単位を含んでなるセルロースからなり、か
つ該セルロースが多孔質であるセルロースである。
【0009】
【化4】 (式中、R2 は、水素原子またはメチル基を表し、R3
は、基−CO−、基−CO−O−CH2 CHR4 CH2-
(ここで、R4 は−OHまたは−SHを表す)、または
基−(p-フェニレン)−( CH2 ) q−CHR5 CH2
−(ここで、qは1または2の整数を表し、R5 は−O
Hまたは−SHを表す)を表し、nおよびpは1以上の
整数を表し、Aはグルコース単位への結合を表す) また本発明による多孔質セルロースは、その第三の態様
として、下記の繰り返し単位(III )を有する側鎖を有
するグルコース単位を含んでなるセルロースからなり、
かつ該セルロースが多孔質であるセルロースである。
【0010】
【化5】 (式中、R6 は、基−COHまたは基−CO−低級アル
キルを表し、Xは、ハロゲン原子を表し、nおよびpは
1以上の整数を表し、Aはグルコース単位への結合を表
す) また本発明による多孔質セルロースは、その第四の態様
として、下記の繰り返し単位(IV)を有する側鎖を有す
るグルコース単位を含んでなるセルロースからなり、か
つ該セルロースが多孔質であるセルロースである。
【0011】
【化6】 (式中、R7 は、水素原子、メチル基、またはフェニル
基を表し、R8 は、基−CO−O−(CH2)r−(こ
こで、rは1〜6、好ましくは1〜4の整数を表す)、
基−(p-フェニレン)−(CH2)r−(ここでrは前
記と同義である)、基−(CH2)r−(ここでrは前
記と同義である)、または基p-フェニレンを表し、X
は、ハロゲン原子を表し、nおよびpは1以上の整数を
表し、Aはグルコース単位への結合を表す)
【0012】
【発明の具体的説明】繰り返し単位(I)、(II)、
(III )、および(IV )本発明の第一の態様によれば、
セルロースは前記繰り返し単位(I)を有する側鎖を有
するグルコースを含んでなる。この繰り返し単位(I)
は、ポリエチレンイミンであり、換言すれば本発明によ
る第一の態様のセルロースは、ポリエチレンイミンが導
入されたセルロースということができる。
【0013】本発明の好ましい態様によれば、繰り返し
単位(I)を有する側鎖部分の分子量は70,000以
下であり、より好ましくは300〜20,000であ
る。なお、繰り返し単位(I)の末端基、さらには後記
する繰り返し単位(II)、(III )、および(IV)の末
端基は、その分子量がこれら繰り返し単位が有する分子
量に比較してわずかであるため、その種類は分子の性質
に大きな影響を与えないが、例えば水素、アミノ基であ
ることができる。
【0014】本発明の第二の態様によれば、セルロース
は前記繰り返し単位(II)を有する側鎖を有するグルコ
ースを含んでなる。式中のnは、式中の−(N−CH2
CH2 )n−部分が上記繰り返し単位(I)を有する側
鎖部分と同程度の分子量となるような値とされるのが好
ましい。
【0015】本発明の好ましい態様によれば、この第二
の態様において、R2 が水素原子またはメチル基を表
し、R3 が基−CO−O−CH2 CHR4 CH2 −(こ
こで、R4 は−OHを表す)を表すものが好ましい。
【0016】本発明の第三の態様によれば、セルロース
は前記繰り返し単位(III )を有する側鎖を有するグル
コースを含んでなる。式中、R6 が表す基−CO−低級
アルキルのアルキル基は好ましくはC1-6 アルキル、よ
り好ましくはC1-4 アルキルを表す。また、Xが表すハ
ロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子
を表す。さらに、式中のnは、式中の−(N−CH2
2 )n−部分が上記繰り返し単位(I)を有する側鎖
部分と同程度の分子量となるような値とされるのが好ま
しい。
【0017】本発明の第四の態様によれば、セルロース
は前記繰り返し単位(IV)を有する側鎖を有するグルコ
ースを含んでなる。式中のnは、式中の−(N−CH2
CH2 )n−部分が上記繰り返し単位(I)を有する側
鎖部分と同程度の分子量となるような値とされるのが好
ましい。
【0018】本発明において、繰り返し単位(I)を有
する側鎖、繰り返し単位(II)を有する側鎖のいずれに
あっても、この側鎖はグルコースの−CH2 OH基のH
と置換されて導入されてなるのが好ましい。
【0019】セルロース 本発明におけるセルロースは多孔質体である。本発明の
好ましい態様によれば、セルロースは、空隙率80%以
上、平均孔径0.05〜2.0mmの発泡体であるのが
好ましい。更に好ましくは粒子径1.0〜5.0mm、
空隙率97%以上、平均孔径0.3〜2.0mm、比重
1.4〜1.7g/cm3 のセルロースである。
【0020】セルロースは、天然セルロース(結晶型I
型)、再生セルロース(結晶型II型)のいずれであって
もよい。
【0021】本発明において好ましく用いられるセルロ
ースは、例えば木材から作られた高純度パルプを化学処
理してビスコースとして後、細孔を形成するために第三
成分を加え混合し、金型に注入後、加熱、凝固させ、適
宜この第三成分を除去して得ることができる。この第三
成分としては、発泡体形成後、容易に除去が可能な物質
が用いられる。例えば、水に不溶または難溶性の結晶
物、ワックス類、HLB値の低い界面活性剤、昇華性物
質などが用いられる。この第三成分の除去作業は、第三
成分の性質に従って、例えば有機溶媒による抽出、加熱
による昇華などによって実施される。このような方法に
よれば、第三成分の大きさ、種類、配合量を適宜選択す
ることにより所望の物性(空隙率、細孔径など)を有し
た基材を容易に得ることができる。
【0022】本発明にあっては、市販のセルロースを利
用することも可能であり、好ましいセルロースの例とし
ては、ビーエムアクアセル(商品名)としてバイオマテ
リアル株式会社から市販されているものが挙げられる。
【0023】繰り返し単位を有する側鎖のセルロースへ
の導入 セルロースのグルコース単位への繰り返し単位(I)、
(II)、(III )、または(IV)を有する側鎖の導入
は、側鎖を合成した後、それをグルコースに導入して
も、またグルコースに官能基を導入した後、その官能基
を介してこれら繰り返し単位を有する鎖を重合、成長さ
せることで導入してもよい。これら繰り返し単位を有す
る鎖は合目的的な方法によって製造することができる。
【0024】より具体的には、繰り返し単位(I)を有
する側鎖を有するセルロースは次のようにして製造する
ことができる。まず、グルコースの−CH2 OH基をナ
トリウムメチラートなどによって活性化した後、エピク
ロロヒドリンなどを利用してエポキシなどの官能基を導
入する。さらに、官能基が導入されたセルロースと、ポ
リエチレンイミンとを、反応に関与しない溶媒(例え
ば、DMF)中において、温度90〜100℃程度にお
いて反応させることによって得ることができる。また、
繰り返し単位(II)を有する側鎖を有するセルロースの
うち、R3 が基−CO−であるものは、次のように製造
することができる。まず、セルロースの存在下アクリル
酸またはメタクリル酸を、適当な溶媒(例えば、水)中
で、温度20〜25℃で、0.5〜1時間反応させるこ
とによって重合させる。次に、得られたポリマーを例え
ばチオニルクロライドで酸クロリドとする。この酸クロ
リド体をポリエチレンイミンと適当な溶媒(例えば、テ
トラヒドロフラン)中で、温度20〜25℃で、1〜2
時間反応させて、アミド結合により両者を結合させる。
【0025】また、繰り返し単位(II)を有する側鎖を
有するセルロースのうち、R3 が基−CO−O−CH2
CHR4 CH2-または基−(p-フェニレン)−( CH2 )
q−CHR5 CH2 −であるものは、次のように製造
することができる。まず、セルロースの存在下、グリシ
ジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、チオグ
リシジルアクリレート、チオグリシジルメタクリレー
ト、ビニルベンジルグリシジルエステル、ビニルフェニ
ルグリシジルエステル、ビニルベンジルチオグリシジル
エステル、またはビニルフェニルチオグリシジルエステ
ルを、適当な溶媒(例えば、水)中で、温度20〜25
℃で、1〜2時間反応させることによって重合させる。
得られたポリマーをポリエチレンイミンと、適当な溶媒
(例えば、DMF)中で、温度90〜100℃で、3〜
5時間反応させることによって得ることができる。
【0026】また、繰り返し単位(III )を有する側鎖
を有するセルロースは、次のように製造することができ
る。まず、セルロースの存在下、α−ハロアクリル酸ま
たは低級アルキルα−ハロアクリル酸エステルを、適当
な溶媒(例えば、水)中で、温度20〜25℃で、0.
5〜1時間反応させることによって重合させる。得られ
たポリマーにポリエチレンイミンを、適当な溶媒(例え
ば、DMF)中で、温度80〜100℃で、1〜2時間
反応させる四級化反応(メンシュトキン反応)により導
入することによって得ることができる。
【0027】また、繰り返し単位(IV)を有する側鎖を
有するセルロースは、上記繰り返し単位(III )を有す
る側鎖を有するセルロースの製造法に準じて製造するこ
とができる。すなわち、セルロースの存在下、ハロアル
キルアクリル酸エステル、ハロアルキルメタクリル酸エ
ステル、ハロアルキルスチレン、α−(ハロアルキル)
スチレン、またはハロスチレンを、適当な溶媒(例え
ば、水)中で、温度20〜25℃で、3〜5時間反応さ
せることによって重合させる。得られたポリマーにポリ
エチレンイミンを上記四級化反応(メンシュトキン反
応)に準じて導入することによって得ることができる。
【0028】反応後、得られたセルロースは未反応成分
を十分に洗浄して除くのが好ましい。温度などの反応条
件、モノマーの種類、反応時間などを適宜選択すること
によって分子量その他所望の物性を有するセルロースが
製造可能であることは当業者には明らかであろう。
【0029】重金属の選択的分離 本発明によるセルロースは金属とりわけ重金属に対して
選択的な親和性を有する。よって、本発明によるセルロ
ースは、ある系から金属を選択的に分離するために好ま
しく用いることができる。
【0030】本発明によるセルロースが親和性を有する
金属としては、Hg、Cu、Cd、Pb、Zn、Cr、
Co、Ni、Mn、Alなどが挙げられる。本発明の好
ましい態様によれば、本発明のセルロースは重金属に高
い親和性を有する。特に好ましい重金属としては、H
g、Cu、Cd、およびZnが挙げられ、特にHgに対
して選択的な高い親和性を有する。
【0031】本発明によるセルロースが金属に対して親
和性を有する理由は、その繰り返し単位中に存在する窒
素原子を含む残基部分が複数で金属イオンに配位結合し
てキレート類似の構造を採るからと予想される。
【0032】本発明の好ましい態様によれば、上記の繰
り返し単位(II)、(III )、または(IV)を有するセ
ルロースがその高い吸着容量の観点から好ましい。繰り
返し単位(II)(III )、または(IV)を有するセルロ
ースにあっては、窒素原子を含む残基部分が、繰り返し
単位(I)を含むセルロースの場合より数多く存在する
ことができ、さらにその動きも比較的自由であり、金属
イオンを捕捉しやすいことから有利と考えられる。
【0033】更に本発明によるセルロースは、一旦金属
を吸着した後、酸で洗浄することによりその金属を脱離
させることができる。よって本発明によるセルロース
は、金属の回収のために利用することも可能である。
【0034】更に、酸洗浄後もセルロースの金属に対す
る親和性は維持され、再度、金属の単離に再利用するこ
とができる点でも有利である。
【0035】本発明によるセルロースによる金属の選択
的分離は、金属が含まれている溶液とセルロースとを接
触させることで実施することができる。
【0036】本発明によるセルロースにあっては、その
吸着速度が大きいことから、バッチ処理のみならず、セ
ルロースに流れる溶液を接触させる連続処理によっても
金属を吸着する。
【0037】本発明の好ましい態様によれば、本発明に
よるセルロースは、Hgに関して300mg/g程度の
吸着容量を有する。また、Cu、Cd、およびZnに関
してはそれぞれ、50mg/g程度、40mg/g程
度、15mg/g程度の吸着容量を有する。
【0038】本発明によるセルロースは、具体的には工
業廃水からの金属の分離または回収などに有効に利用す
ることができる。
【0039】
【実施例】本発明を以下の実施例によって詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0040】材料 セルロースは、ビーエムアクアセル(商品名)としてバ
イオマテリアル株式会社から市販されているものを使用
した。このセルロースは、高度に多孔質(細孔径:20
0μm)の立方体(1mm3 近似)の大きさを有する。
【0041】また、対照として、ポリアミンキレート基
で変性されたキトサンであるCS−03吸着剤(細孔
径:0.15mm、富士紡績株式会社製)を用意した。
また、ポリエチレンイミン(PEI)は日本触媒株式会
社から提供された。すべての他の試薬は、和光純薬株式
会社から購入した。
【0042】例A1:多孔質セルロースCell−PE
Iの製造 セルロース(0.50g)を乾燥ジメチルスルホキシド
(DMSO)(30.0ml)の中に60℃において浸
漬し、そして2時間攪拌した。この反応液にナトリウム
メチラート(26.0ml)を添加し、次いで室温にお
いて窒素気流下でさらに1時間攪拌した。得られた生成
物を乾燥DMSOで洗浄した。
【0043】ナトリウムセルロース(1.0g)を5
0.0mlのエピクロロヒドリン(78.0ml)を含
有する乾燥DMSOの中に浸漬し、窒素気流下で50℃
において2時間攪拌した。反応後、生成したエポキシプ
ロピルセルロースを分離し、蒸留水およびエタノールで
洗浄し、その後減圧下で乾燥した。
【0044】得られたエポキシプロピルセルロース(1
g)と、PEI(5倍過剰、分子量300、600、1
200、および20000の四種)とを、ジメチルホル
ムアミド(DMF)の中で、窒素ガス下に、100℃に
おいて一定に攪拌しながら4時間反応させた。得られた
多孔質セルロース(cell−PEI)を濾過により分
離し、熱水(50℃)およびエタノールで十分に洗浄
し、次いで真空乾燥した。
【0045】得られたエポキシプロピルセルロースおよ
びcell−PEIの元素分析結果は次の表に示される
通りであった。
【0046】
【表1】 表から明らかなように、100%に近いエポキシド置換
度のエポキシプロピルセルロース担体が得られた。さら
に滴定実験によって99.1%のエポキシドが確認され
た。
【0047】上記方法に準じて分子量の異なるPEIを
用いてCell−PEIを合成した。得られたCell
−PEIの元素分析結果は次の第2表に示される通りで
あった。
【表2】 また、Cell−PEIの合成では、用いたPEIの分
子量によって、1.66〜2.04の範囲のアミン/エ
ポキシド比(すなわち、アミン/グルコース比)の試料
が得られた。これらの数値は、一つのPEI分子が複数
のエポキシ基と結合していることを示している。
【0048】また、上記と同様に方法によって、エポキ
シプロピルセルロースをエチレンジアミンと反応させる
ことによって、多孔質セルロース−エチレンジアミン
(Cell−ED)を合成した。
【0049】例A2:多孔質セルロースCell−PE
IへのHgの吸着 多孔質セルロースへのHgの吸着を次の様に評価した。
例A1で得られたCell−PEIの所定量を、濃度1
0mg/lのHgCl2 塩溶液20.00mlに加え、
平衡化した。溶液のpHは、0.1mol/lのビス−
トリス−0.1mol/lのHCl緩衝液によって調節
した。この混合物を振盪機により機械的に連続的に混合
した。吸着が完結した後、吸着剤を真空濾過により分離
し、濾液中のHgの濃度を求めた。
【0050】比較のため、上記と同様の操作をcell
−EDについても行った。以上の結果は、図1に示され
る通りであった。図中において、CoはHgの初期濃度
を、Ceは濾液中のHg濃度を示す。
【0051】例A3:多孔質セルロースCell−PE
Iへの重金属の連続吸着 Cell−PEIへのHgの吸着容量を、次の条件下で
評価した。
【0052】内径1cmのガラスのクロマトグラフィー
のカラム(Amicon Co.)に高さ/直径比5.5の(0.
2262gの吸着剤に相当する)となるようにcell
−PEI吸着剤を充填した。約10mg/lの塩化水銀
溶液を25、60、および120ml/時の流速でカラ
ムに供給した。流出液の中の水銀イオン濃度を規則的に
測定した。その結果は、図2に示される通りであった。
【0053】120、60、および25ml/時の流速
において、それぞれ159、239.0、および26
0.0mg/gの吸着容量が得られた。これらの値を使
用して、最小流速(0ml/時)における吸着容量を推
定すると292.0mg/gであった。この値は、バッ
チ式吸着実験から得られた値(288.0mg/g)と
ほぼ一致する。
【0054】例A4:多孔質セルロースCell−PE
Iへの種々の金属の吸着 多孔質セルロースへの、図3記載の種々の金属の吸着
を、pHを7に調整した以外は、例A2に記載の方法に
従い測定した。以上の結果は、図3に示される通りであ
った。
【0055】例A5:金属の吸着および脱離 まず、多孔質セルロースcell−PEIの0.001
5gの4群を、それぞれ水銀濃度10ppmの水銀溶液
20ml中に浸漬し、多孔質セルロースに水銀を吸着さ
せた。このときの水銀の吸着量は、下記の第3表の第1
バッチにCell−PEIとして示される通り、0.1
78〜0.181mgの範囲であった。これら4群の多
孔質セルロースCell−PEIを、0.5M、1.0
M、2.0M、および4.0Mの塩酸に浸漬し、水銀を
脱離させた。水銀の脱離量は、下記の第3表の第1バッ
チの脱離量として示した。
【0056】水銀を脱離させた多孔質セルロースCel
l−PEIを再び水銀濃度10ppmの水銀溶液20m
l中に浸漬し、水銀を吸着させた。その結果、4群の多
孔質セルロースは、下記の第3表の第2バッチの吸着量
として示される量の水銀をそれぞれ吸着した。
【0057】これら4群の多孔質セルロースCell−
PEIを4.0Mの塩酸に浸漬し、再び水銀を脱離させ
た。水銀の脱離量は、下記の第3表の第2バッチの吸着
量として示される通りであった。
【0058】こうして水銀を脱離させた多孔質セルロー
スCell−PEIを、再度、水銀濃度10ppmの水
銀溶液20ml中に浸漬し、水銀を吸着させた。その結
果、4群の多孔質セルロースCell−PEIは、下記
の第3表の第3バッチの吸着量として示される量の水銀
をそれぞれ吸着した。
【0059】以上の結果から明らかなように、多孔質セ
ルロースCell−PEIに吸着された金属は塩酸によ
って脱離させることができる。本実験例においては、
4.0Mの塩酸を用いることで、ほぼ吸着水銀をほぼ完
全に脱離させることができた。また、水銀の脱着を2回
繰り返したにもかかわらず、多孔質セルロースCell
−PEIの水銀吸着能の低下は見られなかった。
【0060】
【表3】
【0061】例B1:多孔質セルロースpoly(CG
MAPEI)の製造 水浴を使用して反応温度を20℃に制御した。所定量の
セルロースと水との混合物をまず15分間加熱して、多
孔質セルロースの内部に捕捉されている微量の空気を除
去し、その後窒素ガス雰囲気下で、反応温度に放冷し
た。クラフト重合は、グリシジルメタクリレートを添加
し、300rpmで激しく攪拌し、硝酸セリウム(I
V)アンモニウム(CAN)(0.1M)の溶液を添加
して行った。反応終了後、得られたポリ(セルロース−
グリシジルメタクリレート)生成物を単離し、テトラヒ
ドロフルフリルで洗浄し、真空乾燥した。
【0062】続いて、例A1に記載のCell−PEI
合成法に従い、ポリエチレンイミン(分子量600)を
上で得られたポリ(セルロース−グリシジルメタクリレ
ート)に導入し(DMF中、100℃)、多孔質セルロ
ースpoly(CGMAPEI)を得た。
【0063】種々の重合時間において合成されたCel
l−PEIおよびポリ(cell−GMA−PEI)の
元素分析および計算された組成は次の第4表に示される
通りであった。元素分析により、Cell−PEIの場
合より高いアミン置換度のポリ(CGMAPEI)が確
認された。グラフト重合により、より大きい密度でエポ
キシドを導入することが示された。
【表4】
【0064】例B2:多孔質セルロースpoly(CG
MAPEI)の製造 例B1に記載の方法において、開始剤CANの濃度をセ
ルロース重量比で変化させて多孔質セルロースpoly
(CGMAPEI)を合成した。合成された多孔質セル
ロースの元素分析は次の第5表に示される通りであっ
た。
【0065】
【表5】 グリジルメタクリレートの架橋は、CANとグルコース
(セルロースの構成単位)の比CAN/Gluが1.5
のとき特に高かった。
【0066】例B3:多孔質セルロースpoly(CG
MAPEI)への重金属の吸着 濃度10mg/lの種々の金属溶液15.00mlに、
例B1およびB2の方法によって製造されたpoly
(CGMAPEI)を接触させ、平衡化することによっ
て金属の吸着を行った。吸着温度およびpH条件は、そ
れぞれ25℃およびpH7とした。吸着後、多孔質セル
ロースを分離し、濾液の中の平衡金属濃度を求めた。
【0067】その結果は、例B1で合成された多孔質セ
ルロースについては図4に、例B2で合成された多孔質
セルロースについては図5に示される通りであった。ま
た、比較のために、cell−PEIおよびCS−03
についても同様にその吸着能を評価した。
【0068】図4から明らかなように、Hg、Cu、C
o、およびZnについて、それぞれ350mg/g、4
5mg/g、8.5mg/g、および17.5mg/g
という吸着容量が達成された。アミン含量の最も少ない
poly(CGMAPEI)30minでさえ、3種類の
金属に対してCell−PEIより高い金属親和性を有
していた。
【0069】例B4:多孔質セルロースpoly(CG
MAPEI)への重金属の連続吸着 poly(CGMAPEI)への金属の吸着容量を、次
のような条件で求めた。60ml/時の流速とし、C
u、Co、およびZnに関し、例A3に準じて測定を行
った。その結果は、図6に示される通りであった。流出
液の濃度はppbレベルの濃度まで減少した。Coおよ
びZnについて、残留濃度は、それぞれ0.5ppmお
よび0.05ppmまで減少した。
【0070】例B5:また、異なる金属を同時にカラム
に吸着させる廃水処理を想定した実験を行った。具体的
には、まず、内径1cmのカラムに高さ/直径が5.5
となるように多孔質セルロースpoly(CGMAPE
I)0.83gを充填した。このカラムに、Ni、P
b、Zn、Cd、Cr、Al、Co、Mn、Cu、Hg
のすべてをそれぞれ10ppmの濃度で含む水溶液を流
速60ml/時で流した。そのときの流出液中の各金属
濃度の初期濃度に対する比を、流出量に対してプロット
した。その結果は、図7に示される通りであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多孔質セルロースへのHgの吸着
量とpHの関係を示す図である。
【図2】本発明による多孔質セルロースへの重金属の連
続吸着を示す図である。
【図3】本発明による多孔質セルロースへの種々の重金
属の吸着量を示す図である。
【図4】ポリエチレンイミンがグラフトされた本発明に
よる多孔質セルロースへの種々の重金属の吸着量を示す
図である。
【図5】ポリエチレンイミンがグラフトされた本発明に
よる多孔質セルロースへの種々の重金属の吸着量を示す
図である。
【図6】ポリエチレンイミンがグラフトされた本発明に
よる多孔質セルロースへの種々の重金属の連続吸着量を
示す図である。
【図7】排水処理を想定し、異なる金属を同時にカラム
に吸着させた際の本発明による多孔質セルロースへの重
金属の吸着量を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロナルド、ナバロ 茨城県つくば市天王台2−1 筑波大学一 の矢宿舎37−105 (72)発明者 角 克 宏 茨城県つくば市並木2丁目14番地301棟205 号室 (72)発明者 松 村 正 利 茨城県つくば市高野1250−2 (72)発明者 藤 井 直 幸 福井県福井市学園3−3−10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の繰り返し単位(I)を有する側鎖を
    有するグルコース単位を含んでなるセルロースからな
    り、該セルロースが多孔質である、セルロース。 −(NR1 −CH2 CH2 )n− (I) (式中、R1 は水素原子またはグルコース単位への結合
    を表し、nは1以上の整数を表す。)
  2. 【請求項2】繰り返し単位(I)を有する側鎖部分の分
    子量が70,000以下である、請求項1または2に記
    載のセルロース。
  3. 【請求項3】下記の繰り返し単位(II)を有する側鎖を
    有するグルコース単位を含んでなるセルロースからな
    り、かつ該セルロースが多孔質である、セルロース。 【化1】 (式中、 R2 は、水素原子またはメチル基を表し、 R3 は、基−CO−、基−CO−O−CH2 CHR4
    2-(ここで、R4 は−OHまたは−SHを表す)、ま
    たは基−(p-フェニレン)−( CH2 ) q−CHR5
    2 −(ここで、qは1または2の整数を表し、R5
    −OHまたは−SHを表す)を表し、 nおよびpは1以上の整数を表し、 Aはグルコース単位への結合を表す)
  4. 【請求項4】R2 が水素原子またはメチル基を表し、R
    3 が基−CO−O−CH2 CHR4CH2 −(ここで、
    4 は−OHを表す)を表す、請求項3記載のセルロー
    ス。
  5. 【請求項5】下記の繰り返し単位(III )を有する側鎖
    を有するグルコース単位を含んでなるセルロースからな
    り、かつ該セルロースが多孔質である、セルロース。 【化2】 (式中、 R6 は、基−COHまたは基−CO−低級アルキルを表
    し、 Xは、ハロゲン原子を表し、 nおよびpは1以上の整数を表し、 Aはグルコース単位への結合を表す)
  6. 【請求項6】下記の繰り返し単位(IV)を有する側鎖を
    有するグルコース単位を含んでなるセルロースからな
    り、かつ該セルロースが多孔質である、セルロース。 【化3】 (式中、 R7 は、水素原子、メチル基、またはフェニル基を表
    し、 R8 は、基−CO−O−(CH2)r−(ここで、rは
    1〜6の整数を表す)、基−(p-フェニレン)−(CH
    2)r−(ここでrは前記と同義である)、基−(CH
    2)r−(ここでrは前記と同義である)、または基 p
    -フェニレンを表し、 Xは、ハロゲン原子を表し、 nおよびpは1以上の整数を表し、 Aはグルコース単位への結合を表す)
  7. 【請求項7】繰り返し単位(I)、(II)、(III )、
    または(IV)で表される側鎖が、グルコースの−CH2
    OHのHと置換されて導入されてなる、請求項1〜6の
    いずれか一項に記載のセルロース。
  8. 【請求項8】セルロースが、空隙率80%以上、平均孔
    径0.05〜2.0mmの発泡体である、請求項1〜7
    のいずれか一項に記載のセルロース。
  9. 【請求項9】セルロースが、粒子径1.0〜5.0m
    m、空隙率97%以上、平均孔径0.3〜2.0mm、
    比重1.4〜1.7g/cm3 である、請求項8に記載
    のセルロース。
  10. 【請求項10】金属の選択的分離に用いられる、請求項
    1〜9のいずれか一項に記載のセルロース。
  11. 【請求項11】金属が重金属である、請求項10記載の
    セルロース。
  12. 【請求項12】金属が含まれている溶液と、請求項1〜
    9のいずれか一項に記載のセルロースとを接触させる工
    程を含んでなる、金属を選択的に分離する方法。
  13. 【請求項13】金属が重金属である、請求項12記載の
    方法。
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