JPH1088244A - 方向性電磁鋼板製造時における焼鈍分離剤用のMgO - Google Patents
方向性電磁鋼板製造時における焼鈍分離剤用のMgOInfo
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- JPH1088244A JPH1088244A JP8241608A JP24160896A JPH1088244A JP H1088244 A JPH1088244 A JP H1088244A JP 8241608 A JP8241608 A JP 8241608A JP 24160896 A JP24160896 A JP 24160896A JP H1088244 A JPH1088244 A JP H1088244A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 大型の電磁鋼板コイルに対して、ロータリキ
ルン焼成のMgOを焼鈍分離剤の主成分として用いた場合
でも、優れた被膜特性と磁気特性を有する方向性電磁鋼
板を得る。 【解決手段】 水酸化マグネシウムのロータリキルン焼
成により得られる方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤用のMgO
であって、(1) 該焼成MgO粉末を2種類以上混合するこ
と、(2) 混合に際し、該焼成MgOの配合割合を、予め設
定しておいた所定目標値または/および許容量上限値か
らの±偏差量に応じて調整し混合すること、(3) 混合後
のMgOとして、各目標値は所定の範囲以内に、また許容
量上限値は各許容上限値以下に調整すること、を全て満
足させる。
ルン焼成のMgOを焼鈍分離剤の主成分として用いた場合
でも、優れた被膜特性と磁気特性を有する方向性電磁鋼
板を得る。 【解決手段】 水酸化マグネシウムのロータリキルン焼
成により得られる方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤用のMgO
であって、(1) 該焼成MgO粉末を2種類以上混合するこ
と、(2) 混合に際し、該焼成MgOの配合割合を、予め設
定しておいた所定目標値または/および許容量上限値か
らの±偏差量に応じて調整し混合すること、(3) 混合後
のMgOとして、各目標値は所定の範囲以内に、また許容
量上限値は各許容上限値以下に調整すること、を全て満
足させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、変圧器や発電機
の鉄心に利用される方向性電磁鋼板のフォルステライト
系絶縁被膜形成のために用いられる焼鈍分離剤用のMgO
に関するものである。
の鉄心に利用される方向性電磁鋼板のフォルステライト
系絶縁被膜形成のために用いられる焼鈍分離剤用のMgO
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は、2次再結晶現象を利
用して、鋼板を構成する結晶の方向を磁化させるのに有
利な(110)〔001〕方位に揃えた鋼板である。2
次再結晶の方法は、微細に分散析出させたAlN、MnSお
よびMnSeなどのインヒビターが1次再結晶粒の成長を抑
制する作用を利用し、結晶方位の優れた核のみを異常粒
成長させることによって、方位の優れた粒からなる結晶
組織の製品を得るものである。
用して、鋼板を構成する結晶の方向を磁化させるのに有
利な(110)〔001〕方位に揃えた鋼板である。2
次再結晶の方法は、微細に分散析出させたAlN、MnSお
よびMnSeなどのインヒビターが1次再結晶粒の成長を抑
制する作用を利用し、結晶方位の優れた核のみを異常粒
成長させることによって、方位の優れた粒からなる結晶
組織の製品を得るものである。
【0003】かかる方向性電磁鋼板は、一般的に、次に
述べる方法によって鋼板表面に絶縁被膜が形成されてい
る。すなわち、所望の板厚に冷間圧延した電磁鋼板を、
湿水素中にて 700〜900 ℃の温度で脱炭焼鈍し、その後
MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してからコイルに
巻取り、2次再結晶と鋼板の純化を目的とする最終仕上
げ焼鈍を施す。この時、脱炭焼鈍で鋼板表面に生成した
SiO2を含むサブスケールと塗布されたMgOとが反応する
ことで絶縁被膜が形成される。
述べる方法によって鋼板表面に絶縁被膜が形成されてい
る。すなわち、所望の板厚に冷間圧延した電磁鋼板を、
湿水素中にて 700〜900 ℃の温度で脱炭焼鈍し、その後
MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してからコイルに
巻取り、2次再結晶と鋼板の純化を目的とする最終仕上
げ焼鈍を施す。この時、脱炭焼鈍で鋼板表面に生成した
SiO2を含むサブスケールと塗布されたMgOとが反応する
ことで絶縁被膜が形成される。
【0004】かかる絶縁被膜は、少量のスピネル(MgAl2
O4) や窒化チタン(TiN)を含有することはあっても、
主成分がフォルステライト(Mg2SiO4) からなるので、フ
ォルステライト被膜、フォルステライト質あるいはフォ
ルステライト系被膜と呼称されており、製品の外観や電
気絶縁性の良否を決定するもので、不均一な被膜の場合
は製品の製造歩留りを低下させる。また、フォルステラ
イト系被膜の生成過程は、鋼板表層のインヒビター分解
挙動にも影響を与え、2次再結晶ともかかわってくるの
で、かような被膜の良否が製品の磁気特性の良否にも少
なからぬ影響を及ぼす。従って、かかる被膜の特性を向
上させることは、方向性電磁鋼板の製造技術において極
めて重要な位置を占めている。
O4) や窒化チタン(TiN)を含有することはあっても、
主成分がフォルステライト(Mg2SiO4) からなるので、フ
ォルステライト被膜、フォルステライト質あるいはフォ
ルステライト系被膜と呼称されており、製品の外観や電
気絶縁性の良否を決定するもので、不均一な被膜の場合
は製品の製造歩留りを低下させる。また、フォルステラ
イト系被膜の生成過程は、鋼板表層のインヒビター分解
挙動にも影響を与え、2次再結晶ともかかわってくるの
で、かような被膜の良否が製品の磁気特性の良否にも少
なからぬ影響を及ぼす。従って、かかる被膜の特性を向
上させることは、方向性電磁鋼板の製造技術において極
めて重要な位置を占めている。
【0005】フォルステライト系被膜形成反応の一方の
原料である焼鈍分離剤の主要構成物であるMgOは、かか
る被膜形成反応に多大な影響を及ぼすことが知られてお
り、これに関しては、これまでにも数多くの研究がなさ
れてきた。例えば、特公昭41−3726号公報には、焼鈍分
離剤として用いるMgOの1次粒子粒度に着目し、1次粒
子の粒径が 170〜280 Å( 0.017〜0.028 μm ) の範囲
に入るような水和反応が容易に進行する種類のMgOをス
ラリーとして塗布し、鋼板を実質的に純粋の水酸化マグ
ネシウムで被覆する方法が提案されている。また、特公
昭45-14162号公報には、不純物の含有量が 0.2%以下の
水酸化マグネシウムを低温と高温の2段階で焼成して得
られた3μm 以下の大きさの粒子を少なくとも70%以上
含むMgOを用いることが提案されている。さらに、特公
昭54-14566号公報には、44μm 以上の粒子を1〜20%含
有する不活性MgOの利用が提案されている。
原料である焼鈍分離剤の主要構成物であるMgOは、かか
る被膜形成反応に多大な影響を及ぼすことが知られてお
り、これに関しては、これまでにも数多くの研究がなさ
れてきた。例えば、特公昭41−3726号公報には、焼鈍分
離剤として用いるMgOの1次粒子粒度に着目し、1次粒
子の粒径が 170〜280 Å( 0.017〜0.028 μm ) の範囲
に入るような水和反応が容易に進行する種類のMgOをス
ラリーとして塗布し、鋼板を実質的に純粋の水酸化マグ
ネシウムで被覆する方法が提案されている。また、特公
昭45-14162号公報には、不純物の含有量が 0.2%以下の
水酸化マグネシウムを低温と高温の2段階で焼成して得
られた3μm 以下の大きさの粒子を少なくとも70%以上
含むMgOを用いることが提案されている。さらに、特公
昭54-14566号公報には、44μm 以上の粒子を1〜20%含
有する不活性MgOの利用が提案されている。
【0006】その他、特公昭57-45472号公報には、所定
の純度と比表面積、1次粒子径を有する低活性のMgO
で、クエン酸との反応における活性度において活性度分
布の狭いMgOが提案されている。また、特公昭56-15787
号公報には、MgO中のCaOと水和量の合計値を所定範囲
以下に制御する技術が開示されている。さらに、特開平
1−177376号公報には、水酸化マグネシウム、炭酸マグ
ネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化マグネシウム、高純度酸化マグネシウムを原料
として焼成するMgO中のCaOとBの含有量の積の値およ
びクエン酸活性度の値を所定範囲に制御したMgOが提
案されている。またさらに、特公平7−45322 号公報に
は、Clを含有したMg(OH)2 にホウ素化合物を所定量添加
し、高水蒸気分圧下で焼成したMgOが提案されている。
の純度と比表面積、1次粒子径を有する低活性のMgO
で、クエン酸との反応における活性度において活性度分
布の狭いMgOが提案されている。また、特公昭56-15787
号公報には、MgO中のCaOと水和量の合計値を所定範囲
以下に制御する技術が開示されている。さらに、特開平
1−177376号公報には、水酸化マグネシウム、炭酸マグ
ネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化マグネシウム、高純度酸化マグネシウムを原料
として焼成するMgO中のCaOとBの含有量の積の値およ
びクエン酸活性度の値を所定範囲に制御したMgOが提
案されている。またさらに、特公平7−45322 号公報に
は、Clを含有したMg(OH)2 にホウ素化合物を所定量添加
し、高水蒸気分圧下で焼成したMgOが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の技術によって、
被膜の点状欠陥(ベアスポット)、密着性不良、被膜形
成不良(テンパーカラー)、被膜模様および白膜等の問
題は解決されてきたが、近年次に述べるような新たな問
題が発生してきた。すなわち、方向性電磁鋼板の製造コ
スト低減のためコイルの大型化が進行したこと、および
MgOの製造コスト低減のためその焼成法として従来のマ
ッフル炉を用いる方法からロータリキルンを用いる方法
に変更されてきたことに伴い、鋼板板幅方向中央部にお
いて被膜の変色や密着性の劣化および磁気特性の劣化が
頻繁に生じるようになってきたのである。
被膜の点状欠陥(ベアスポット)、密着性不良、被膜形
成不良(テンパーカラー)、被膜模様および白膜等の問
題は解決されてきたが、近年次に述べるような新たな問
題が発生してきた。すなわち、方向性電磁鋼板の製造コ
スト低減のためコイルの大型化が進行したこと、および
MgOの製造コスト低減のためその焼成法として従来のマ
ッフル炉を用いる方法からロータリキルンを用いる方法
に変更されてきたことに伴い、鋼板板幅方向中央部にお
いて被膜の変色や密着性の劣化および磁気特性の劣化が
頻繁に生じるようになってきたのである。
【0008】前述したように、フォルステライト被膜
は、脱炭焼鈍後の鋼板表面に生成したSiO2を含むサブス
ケールとMgOとの反応により最終仕上げ焼鈍時に形成さ
れるが、この反応の時期が被膜特性や磁気特性を制御す
る上で重要である。例えば、低温度から被膜形成反応が
進行する場合、被膜にはテンパーカラーや黒色模様、点
状欠陥等が発生し、また磁気特性は方位の劣る2次再結
晶粒が成長するために劣化する。逆に、高温度になって
被膜形成反応が進行する場合には、被膜は白膜や密着性
不良となり、磁気特性は2次再結晶不良のためやはり劣
化する。
は、脱炭焼鈍後の鋼板表面に生成したSiO2を含むサブス
ケールとMgOとの反応により最終仕上げ焼鈍時に形成さ
れるが、この反応の時期が被膜特性や磁気特性を制御す
る上で重要である。例えば、低温度から被膜形成反応が
進行する場合、被膜にはテンパーカラーや黒色模様、点
状欠陥等が発生し、また磁気特性は方位の劣る2次再結
晶粒が成長するために劣化する。逆に、高温度になって
被膜形成反応が進行する場合には、被膜は白膜や密着性
不良となり、磁気特性は2次再結晶不良のためやはり劣
化する。
【0009】従って、被膜形成反応の活性を調節するこ
とが重要であり、このため反応の一翼を担うMgOの活性
度を制御することが従来から行われてきた。しかしなが
ら、この反応の活性は、当然のことながらMgOの活性度
のみに依存しているわけではなく、脱炭焼鈍板表面に生
成したSiO2を含むサブスケールの活性度およびコイルサ
イズなどによって変化する最終仕上げ焼鈍時のコイル層
間の雰囲気とも相関がある。
とが重要であり、このため反応の一翼を担うMgOの活性
度を制御することが従来から行われてきた。しかしなが
ら、この反応の活性は、当然のことながらMgOの活性度
のみに依存しているわけではなく、脱炭焼鈍板表面に生
成したSiO2を含むサブスケールの活性度およびコイルサ
イズなどによって変化する最終仕上げ焼鈍時のコイル層
間の雰囲気とも相関がある。
【0010】さて、脱炭焼鈍時の酸化によって鋼板表面
に生成したサブスケールの活性度は、脱炭焼鈍温度や雰
囲気酸化性が低くなるに従って低下する。また、鋼中に
SbやAlが含有されることによってもサブスケールの活性
度は低下する。一方、最終仕上げ焼鈍時のコイル層間の
雰囲気は、焼鈍分離剤中のMgOの水和水から発生する H
2Oの分圧や通入雰囲気のH2分圧によって変化し、雰囲気
の酸化性が高くなると反応が抑制される。特に、コイル
が大型になるとコイル中心部のコイル層間の雰囲気の酸
化性が過剰に高くなり、被膜欠陥や磁気特性の劣化が生
じる傾向が強くなる。
に生成したサブスケールの活性度は、脱炭焼鈍温度や雰
囲気酸化性が低くなるに従って低下する。また、鋼中に
SbやAlが含有されることによってもサブスケールの活性
度は低下する。一方、最終仕上げ焼鈍時のコイル層間の
雰囲気は、焼鈍分離剤中のMgOの水和水から発生する H
2Oの分圧や通入雰囲気のH2分圧によって変化し、雰囲気
の酸化性が高くなると反応が抑制される。特に、コイル
が大型になるとコイル中心部のコイル層間の雰囲気の酸
化性が過剰に高くなり、被膜欠陥や磁気特性の劣化が生
じる傾向が強くなる。
【0011】従来、マッフル炉で焼成されたMgOの活性
度分布は極めて広く、また方向性電磁鋼板のコイルも小
型であったため、鋼板成分の差異や脱炭焼鈍温度、雰囲
気酸化性の変更によるサブスケールの活性度の変化に対
しても十分に対応することができ、従って上述したよう
な問題は生じなかった。しかしながら、ロータリキルン
で焼成されたMgOは、特公昭57-45472号公報に示される
ように本来的に活性度分布が極めて狭く、コイルの大型
化や脱炭焼鈍板表面サブスケールの活性度の変化に対し
て十分に対応することができないため、上述したような
鋼板板幅方向の中央部における被膜欠陥や磁気特性の劣
化が発生し、大きな問題となってきたのである。また、
ロータリキルンで焼成したMgOは、焼成ロット内におけ
る均一性は極めて優れているが、焼成時間が短いためロ
ット間でのバラツキが大きいことから、製造チャンスに
よって製品の良、不良の大きな波が発生するという問題
も起きている。
度分布は極めて広く、また方向性電磁鋼板のコイルも小
型であったため、鋼板成分の差異や脱炭焼鈍温度、雰囲
気酸化性の変更によるサブスケールの活性度の変化に対
しても十分に対応することができ、従って上述したよう
な問題は生じなかった。しかしながら、ロータリキルン
で焼成されたMgOは、特公昭57-45472号公報に示される
ように本来的に活性度分布が極めて狭く、コイルの大型
化や脱炭焼鈍板表面サブスケールの活性度の変化に対し
て十分に対応することができないため、上述したような
鋼板板幅方向の中央部における被膜欠陥や磁気特性の劣
化が発生し、大きな問題となってきたのである。また、
ロータリキルンで焼成したMgOは、焼成ロット内におけ
る均一性は極めて優れているが、焼成時間が短いためロ
ット間でのバラツキが大きいことから、製造チャンスに
よって製品の良、不良の大きな波が発生するという問題
も起きている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題に対して、
前述した先行技術では満足いく対処ができず、有効な効
果をあげることができなかったため、その解決が望まれ
ていた。この発明は、上記の要請に有利に応えるもの
で、大型の電磁鋼板コイルに対して、ロータリキルン焼
成のMgOを焼鈍分離剤の主成分として用いた場合でも、
優れた被膜特性と磁気特性を有する方向性電磁鋼板を製
造することができる、焼鈍分離剤用のMgOを提案するこ
とを目的とする。
前述した先行技術では満足いく対処ができず、有効な効
果をあげることができなかったため、その解決が望まれ
ていた。この発明は、上記の要請に有利に応えるもの
で、大型の電磁鋼板コイルに対して、ロータリキルン焼
成のMgOを焼鈍分離剤の主成分として用いた場合でも、
優れた被膜特性と磁気特性を有する方向性電磁鋼板を製
造することができる、焼鈍分離剤用のMgOを提案するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】さて、発明者らは、上記
の問題に対しては、特公昭45-14162号公報に開示されて
いるような幅広い粒度分布を有するMgOの利用が適切で
はないかと考え、ロータリキルンで焼成した各種MgOを
混合することを試みた。すなわち、ロータリキルンで焼
成した粒度分布の狭い各種のMgOを混合して、粒度分布
を拡大させたMgOを使用する試みである。しかしなが
ら、ロータリキルンで焼成した狭い粒度分布を有するMg
Oを混合し、粒度分布を従来のマッフル炉焼成並みに拡
大したMgOを使用してみたが、必ずしも所望の効果を挙
げることはできなかった。
の問題に対しては、特公昭45-14162号公報に開示されて
いるような幅広い粒度分布を有するMgOの利用が適切で
はないかと考え、ロータリキルンで焼成した各種MgOを
混合することを試みた。すなわち、ロータリキルンで焼
成した粒度分布の狭い各種のMgOを混合して、粒度分布
を拡大させたMgOを使用する試みである。しかしなが
ら、ロータリキルンで焼成した狭い粒度分布を有するMg
Oを混合し、粒度分布を従来のマッフル炉焼成並みに拡
大したMgOを使用してみたが、必ずしも所望の効果を挙
げることはできなかった。
【0014】この理由は、上記のようにして混合された
MgOは必然的に広い活性度分布を有する、つまり鋼板表
面サブスケールとの反応活性度が一致しない極端に低活
性のMgOや逆に高活性のMgOを多量に含有しているた
め、鋼板が本来有している被膜特性と磁気特性を最高の
レベルで引き出すことができないことによるものと考え
られる。すなわち、この発明で対象としている大型コイ
ルの焼鈍分離剤用のMgOとしては、厳密にその粒度分布
が目標値に向けて制御されたもので、しかも活性度や、
その他の特性が最適であることが必要とされるのであ
る。
MgOは必然的に広い活性度分布を有する、つまり鋼板表
面サブスケールとの反応活性度が一致しない極端に低活
性のMgOや逆に高活性のMgOを多量に含有しているた
め、鋼板が本来有している被膜特性と磁気特性を最高の
レベルで引き出すことができないことによるものと考え
られる。すなわち、この発明で対象としている大型コイ
ルの焼鈍分離剤用のMgOとしては、厳密にその粒度分布
が目標値に向けて制御されたもので、しかも活性度や、
その他の特性が最適であることが必要とされるのであ
る。
【0015】しかしながら、上記の実験において、ロー
タリキルン焼成のMgOを混合したものでも、僅かとはい
え極めて良好な被膜特性と磁気特性を有する製品が得ら
れる場合があった。すなわち、2種以上の焼成MgOを混
合することにより、ロータリキルン焼成MgOの欠点であ
る1次粒子の凝集を効果的に抑制し、焼鈍分離剤塗布の
均一性を高め、被膜特性や磁気特性の鋼板内における均
一性を高め得る可能性が見い出されたのである。
タリキルン焼成のMgOを混合したものでも、僅かとはい
え極めて良好な被膜特性と磁気特性を有する製品が得ら
れる場合があった。すなわち、2種以上の焼成MgOを混
合することにより、ロータリキルン焼成MgOの欠点であ
る1次粒子の凝集を効果的に抑制し、焼鈍分離剤塗布の
均一性を高め、被膜特性や磁気特性の鋼板内における均
一性を高め得る可能性が見い出されたのである。
【0016】この発明は、上記の知見に立脚するもので
ある。すなわち、この発明は、ロータリキルン焼成によ
るMgO諸特性の均一性という長所を有効に活かす一方、
欠点である焼成チャンスによる変動を効果的に低減する
ことおよび混合することにより得られる塗布の均一性と
いう利点を活用することにより、完成されたものであ
る。なお、先行技術である特公昭57-45472号公報には、
このような工夫が手されていなかったために、電磁鋼板
コイルの大型化に十分対応できなかったものでと考えら
れる。
ある。すなわち、この発明は、ロータリキルン焼成によ
るMgO諸特性の均一性という長所を有効に活かす一方、
欠点である焼成チャンスによる変動を効果的に低減する
ことおよび混合することにより得られる塗布の均一性と
いう利点を活用することにより、完成されたものであ
る。なお、先行技術である特公昭57-45472号公報には、
このような工夫が手されていなかったために、電磁鋼板
コイルの大型化に十分対応できなかったものでと考えら
れる。
【0017】この発明の要旨構成は次のとおりである。 1.水酸化マグネシウムを、ロータリキルンを用い焼成
して得られる方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤用のMgOであ
って、(1) 該焼成MgO粉末を2種類以上混合すること、
(2) 混合に際し、下記に示すA種目標値からの±偏差量
に応じて該焼成MgOの配合割合を調整し混合すること、
あるいは下記に示すA種目標値とB種目標値群とF種許
容量上限値から選ばれる1種以上の目標値または/およ
び許容量上限値に加えて、同じく下記に示すC種目標値
とD種目標値群とE種許容量上限値群から選ばれる1種
以上の目標値または/および許容量上限値について、該
焼成MgOの配合割合を上記選定した所定目標値または/
および許容量上限値からの±偏差量に応じて調整し混合
すること、(3) 混合後のMgOとして、A種目標値につい
ては各目標値の±20%以内の値に、B種目標値群につい
ては各目標値の±30%以内の値に、C種目標値について
は目標値の±50%以内の値に、D種目標値群については
各目標値の±90%以内に、さらに許容量上限値について
は各種許容上限値以下に調整すること、をそれぞれ満足
することを特徴とする方向性電磁鋼板製造時における焼
鈍分離剤用のMgO。 記 ・A種目標値 活性度または活性度分布としての酸との所定割合の反応
における反応時間目標値 ・B種目標値群 比表面積の目標値 平均1次粒子径の目標値 Ig.loss の目標値 ・C種目標値 CaO含有量目標値 ・D種目標値群 CO2 含有量目標値 SO3 含有量目標値 ・E種許容量上限値群 K,Naの合計含有量許容量上限値 Bの含有量許容量上限値 ・F値許容量上限値 F,Clの合計含有量許容量上限値
して得られる方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤用のMgOであ
って、(1) 該焼成MgO粉末を2種類以上混合すること、
(2) 混合に際し、下記に示すA種目標値からの±偏差量
に応じて該焼成MgOの配合割合を調整し混合すること、
あるいは下記に示すA種目標値とB種目標値群とF種許
容量上限値から選ばれる1種以上の目標値または/およ
び許容量上限値に加えて、同じく下記に示すC種目標値
とD種目標値群とE種許容量上限値群から選ばれる1種
以上の目標値または/および許容量上限値について、該
焼成MgOの配合割合を上記選定した所定目標値または/
および許容量上限値からの±偏差量に応じて調整し混合
すること、(3) 混合後のMgOとして、A種目標値につい
ては各目標値の±20%以内の値に、B種目標値群につい
ては各目標値の±30%以内の値に、C種目標値について
は目標値の±50%以内の値に、D種目標値群については
各目標値の±90%以内に、さらに許容量上限値について
は各種許容上限値以下に調整すること、をそれぞれ満足
することを特徴とする方向性電磁鋼板製造時における焼
鈍分離剤用のMgO。 記 ・A種目標値 活性度または活性度分布としての酸との所定割合の反応
における反応時間目標値 ・B種目標値群 比表面積の目標値 平均1次粒子径の目標値 Ig.loss の目標値 ・C種目標値 CaO含有量目標値 ・D種目標値群 CO2 含有量目標値 SO3 含有量目標値 ・E種許容量上限値群 K,Naの合計含有量許容量上限値 Bの含有量許容量上限値 ・F値許容量上限値 F,Clの合計含有量許容量上限値
【0018】2.上記1において、MgO混合のための各
種目標値または各種許容量上限値を、1次再結晶焼鈍後
の方向性電磁鋼板表面のサブスケールの活性度に応じて
変更することを特徴とする、方向性電磁鋼板製造時にお
ける焼鈍分離剤用のMgO。
種目標値または各種許容量上限値を、1次再結晶焼鈍後
の方向性電磁鋼板表面のサブスケールの活性度に応じて
変更することを特徴とする、方向性電磁鋼板製造時にお
ける焼鈍分離剤用のMgO。
【0019】3.上記1または2において、鋼中にAlを
0.010〜0.040 wt%含有する方向性電磁鋼板の焼鈍分離
剤用のMgOについて、選ばれた目標値または許容量上限
値からの±偏差量に応じて2種以上の焼成MgOを混合す
るに際し、各種目標値および許容量上限値を下記の各種
目標値範囲および各種許容量上限値範囲から選び設定す
ることを特徴とする、方向性電磁鋼板製造時における焼
鈍分離剤用のMgO。 記 ・各種目標値範囲 活性度分布のとして40%CAA の目標値範囲として72〜10
8 秒間、80%CAA の目標値範囲として 250〜420 秒間 CaOの目標値範囲として0.20〜0.60wt%、 CO2 の目標
値範囲として0.05〜0.3 wt%、SO3 の目標値範囲として
0.10〜0.40wt% 比表面積の目標値範囲として12〜20 m2/g レーザー回折式粒度分布測定による50%累積重量平均粒
子径の目標値範囲として 0.5〜3μm Ig.loss の目標値範囲として 0.8〜1.3 wt% ・各種許容量上限値範囲 KとNaの合計含有量の許容量上限値範囲として 0.001〜
0.007 wt% B含有量の許容量上限値範囲として0.05〜0.35wt% FとClの合計含有量の許容量上限値範囲として0.02〜0.
07wt%
0.010〜0.040 wt%含有する方向性電磁鋼板の焼鈍分離
剤用のMgOについて、選ばれた目標値または許容量上限
値からの±偏差量に応じて2種以上の焼成MgOを混合す
るに際し、各種目標値および許容量上限値を下記の各種
目標値範囲および各種許容量上限値範囲から選び設定す
ることを特徴とする、方向性電磁鋼板製造時における焼
鈍分離剤用のMgO。 記 ・各種目標値範囲 活性度分布のとして40%CAA の目標値範囲として72〜10
8 秒間、80%CAA の目標値範囲として 250〜420 秒間 CaOの目標値範囲として0.20〜0.60wt%、 CO2 の目標
値範囲として0.05〜0.3 wt%、SO3 の目標値範囲として
0.10〜0.40wt% 比表面積の目標値範囲として12〜20 m2/g レーザー回折式粒度分布測定による50%累積重量平均粒
子径の目標値範囲として 0.5〜3μm Ig.loss の目標値範囲として 0.8〜1.3 wt% ・各種許容量上限値範囲 KとNaの合計含有量の許容量上限値範囲として 0.001〜
0.007 wt% B含有量の許容量上限値範囲として0.05〜0.35wt% FとClの合計含有量の許容量上限値範囲として0.02〜0.
07wt%
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明を由来するに至っ
た実験について述べる。Si:3.36wt%を含有し、かつイ
ンヒビター成分として、Al:0.024 wt%、N:0.0085wt
%、Mn:0.07wt%およびSe:0.018 wt%を含有する組成
になり、板厚:0.22mmで板幅:1000mm、総重量:15トン
の脱炭焼鈍後の鋼板を、11コイル用意し、鋼板表面に11
種類の焼鈍分離剤を塗布してから、再び巻取ったのち、
最後仕上げ焼鈍を施した。この時、焼鈍分離剤として
は、いずれもMgO:100 重量部に対し、TiO2:8重量部
とSnO2:2重量部を配合したものを用いたが、MgOにつ
いては下記(A)から(K)の11種類のものを使用し
た。すなわち、イオン苦汁を出発原料として、これと石
灰乳とを反応させることによって水酸化マグネシウムを
作り、この水酸化マグネシウムを焼成してMgOを製造し
たが、その焼成法および混合法を下記に示すように変化
させた。なお、MgO(B)とMgO(C)の配合量は、Mg
O(A)に合わせて活性度分布が広くなるように設定し
たものである。
た実験について述べる。Si:3.36wt%を含有し、かつイ
ンヒビター成分として、Al:0.024 wt%、N:0.0085wt
%、Mn:0.07wt%およびSe:0.018 wt%を含有する組成
になり、板厚:0.22mmで板幅:1000mm、総重量:15トン
の脱炭焼鈍後の鋼板を、11コイル用意し、鋼板表面に11
種類の焼鈍分離剤を塗布してから、再び巻取ったのち、
最後仕上げ焼鈍を施した。この時、焼鈍分離剤として
は、いずれもMgO:100 重量部に対し、TiO2:8重量部
とSnO2:2重量部を配合したものを用いたが、MgOにつ
いては下記(A)から(K)の11種類のものを使用し
た。すなわち、イオン苦汁を出発原料として、これと石
灰乳とを反応させることによって水酸化マグネシウムを
作り、この水酸化マグネシウムを焼成してMgOを製造し
たが、その焼成法および混合法を下記に示すように変化
させた。なお、MgO(B)とMgO(C)の配合量は、Mg
O(A)に合わせて活性度分布が広くなるように設定し
たものである。
【0021】 MgO種類 焼成方法および混合方法 ・MgO(A) マッフル炉で焼成 (従来法) 昇温4時間、最高温度 950℃、30分間維持 ・MgO(B) ロータリキルンを用い (比較例) 下記の条件で焼成した第1回目のMgOを下記の配合割合で混合 850 ℃、15分間焼成したもの:3割 900 ℃、15分間焼成したもの:6割 950 ℃、15分間焼成したもの:1割 ・MgO(C) ロータリキルンを用い (比較例) 下記の条件で焼成した第2回目のMgOを下記の配合割合で混合 850 ℃、15分間焼成したもの:3割 900 ℃、15分間焼成したもの:6割 950 ℃、15分間焼成したもの:1割 ・MgO(D) ロータリキルンで (比較例) 910 ℃、15分間焼成したMgO ロット第1番の焼成品 ・MgO(E) ロータリキルンで (比較例) 910 ℃、15分間焼成したMgO ロット第2番の焼成品 ・MgO(F) ロータリキルンで (比較例) 910 ℃、15分間焼成したMgO ロット第3番の焼成品 ・MgO(G) ロータリキルンで (比較例) 910 ℃、15分間焼成したMgO ロット第4番の焼成品 ・MgO(H) 下記MgOの混合品 (適合例) MgO(D):2割 MgO(E):5割 MgO(F):3割 ・MgO(I) 下記MgOの混合品 (比較例) MgO(D)、MgO(E)およびMgO(F)を均等量混合 ・MgO(J) 下記MgOの混合品 (適合例) MgO(E):4割 MgO(F):2割 MgO(G):4割 ・MgO(K) 下記MgOの混合品 (比較例) MgO(E)、MgO(F)およびMgO(G)を均等量混合
【0022】最終仕上げ焼鈍としては、800 ℃まではN2
雰囲気で、 800℃から1050℃までは25%のN2と75%のH2
の混合雰囲気で、1050℃から1200℃までおよび1200℃で
5時間の均熱はH2雰囲気で行ない、降温は 800℃までH2
中で強制冷却し、800 ℃以下をN2中で冷却する熱サイク
ルと雰囲気を採用した。最終仕上げ焼鈍後は、未反応焼
鈍分離剤を除去したのち、50%のコロイダルシリカとり
ん酸マグネシウムからなる張力コートを塗布、焼付けて
製品とした。各製品から、圧延方向に沿ってエプスタイ
ンサイズの試験片を板幅方向全体にわたって切り出し、
800℃で3時間の歪取焼鈍を施したのち、1.7 Tの磁束
密度における鉄損値(W17/50)および磁束密度(B8)を
測定した。さらに最も劣化し易い製品板幅方向中央部に
おける被膜外観と被膜密着性も調査した。なお、被膜密
着性については、円筒に製品の鋼板を巻き付け被膜が剥
離しない円筒の最小の径でもってこれを表した。得られ
た結果を表1に示す。
雰囲気で、 800℃から1050℃までは25%のN2と75%のH2
の混合雰囲気で、1050℃から1200℃までおよび1200℃で
5時間の均熱はH2雰囲気で行ない、降温は 800℃までH2
中で強制冷却し、800 ℃以下をN2中で冷却する熱サイク
ルと雰囲気を採用した。最終仕上げ焼鈍後は、未反応焼
鈍分離剤を除去したのち、50%のコロイダルシリカとり
ん酸マグネシウムからなる張力コートを塗布、焼付けて
製品とした。各製品から、圧延方向に沿ってエプスタイ
ンサイズの試験片を板幅方向全体にわたって切り出し、
800℃で3時間の歪取焼鈍を施したのち、1.7 Tの磁束
密度における鉄損値(W17/50)および磁束密度(B8)を
測定した。さらに最も劣化し易い製品板幅方向中央部に
おける被膜外観と被膜密着性も調査した。なお、被膜密
着性については、円筒に製品の鋼板を巻き付け被膜が剥
離しない円筒の最小の径でもってこれを表した。得られ
た結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1に示したとおり、従来の焼成方法であ
るマッフルで焼成したMgO(A)や、それに合わせ広い
粒度分布となるようにロータリキルン焼成品を一定配合
割合で混合したMgO(B)およびその第2回目の試行品
であるMgO(C)では、比較的、磁気特性や被膜特性は
安定しているものの、最高の特性は得られていない。ま
た、ロータリキルンで同一条件で焼成したMgO(D) 、
MgO(E)、MgO(F)やMgO(G)については、同一
の焼成条件で焼成したにも拘わらずMgOの特性は各ロッ
ト間で異なり、しかも方向性電磁鋼板の製品の磁気特性
や被膜特性において大きなバラツキが発生し、これによ
っても最高の製品が得られていない。これに対し、ロー
タリキルン焼成品を混合したMgO(H)、MgO(I)、
MgO(J)およびMgO(K)においては、磁気特性や被
膜特性の大きな変動は認められなかった。なかでも、単
味(混合なしの1種類)で使用したMgO(D)からMgO
(G)のなかで特性の比較的良好であったMgO(E)や
MgO(G)の配合量を増加させて混合したMgO(H)お
よびMgO(J)の場合には、一定の混合割合としたMgO
(I)やMgO(K)に比較して、格段に優れた磁気特性
および被膜特性の製品を得ることができた。このような
高特性は、単味で使用した場合には得られなかったもの
であり、多種のMgOを混合した効果に他ならない。
るマッフルで焼成したMgO(A)や、それに合わせ広い
粒度分布となるようにロータリキルン焼成品を一定配合
割合で混合したMgO(B)およびその第2回目の試行品
であるMgO(C)では、比較的、磁気特性や被膜特性は
安定しているものの、最高の特性は得られていない。ま
た、ロータリキルンで同一条件で焼成したMgO(D) 、
MgO(E)、MgO(F)やMgO(G)については、同一
の焼成条件で焼成したにも拘わらずMgOの特性は各ロッ
ト間で異なり、しかも方向性電磁鋼板の製品の磁気特性
や被膜特性において大きなバラツキが発生し、これによ
っても最高の製品が得られていない。これに対し、ロー
タリキルン焼成品を混合したMgO(H)、MgO(I)、
MgO(J)およびMgO(K)においては、磁気特性や被
膜特性の大きな変動は認められなかった。なかでも、単
味(混合なしの1種類)で使用したMgO(D)からMgO
(G)のなかで特性の比較的良好であったMgO(E)や
MgO(G)の配合量を増加させて混合したMgO(H)お
よびMgO(J)の場合には、一定の混合割合としたMgO
(I)やMgO(K)に比較して、格段に優れた磁気特性
および被膜特性の製品を得ることができた。このような
高特性は、単味で使用した場合には得られなかったもの
であり、多種のMgOを混合した効果に他ならない。
【0025】上記のような良好な結果が得られた理由に
ついて、発明者らは鋭意研究を進めた結果、MgO(H)
やMgO(J)の特性は、用いた方向性電磁鋼板の脱炭焼
鈍板の表面サブスケールの活性度に最も適した特性に調
合されており、これは、各ロットのMgOの特性に応じて
混合割合を変えたことに起因するものであることが究明
された。従って、ロータリキルン焼成品の混合において
は、最も好適なMgOの特性からの偏差量に応じて配合量
を調整し、かかる特性を所定の範囲に収めることが重要
なわけである。
ついて、発明者らは鋭意研究を進めた結果、MgO(H)
やMgO(J)の特性は、用いた方向性電磁鋼板の脱炭焼
鈍板の表面サブスケールの活性度に最も適した特性に調
合されており、これは、各ロットのMgOの特性に応じて
混合割合を変えたことに起因するものであることが究明
された。従って、ロータリキルン焼成品の混合において
は、最も好適なMgOの特性からの偏差量に応じて配合量
を調整し、かかる特性を所定の範囲に収めることが重要
なわけである。
【0026】さらに、ロータリキルン焼成のMgOについ
ては、MgO(D)、MgO(E)、MgO(F)およびMgO
(G)のように単味で使用した場合には、MgOの1次粒
子の凝集が起こり易く、そのため焼鈍分離剤の塗布性が
劣り鋼板表面塗布状態が不均一となり、これが被膜の不
均一性を助長する作用があることも判明した。この点、
混合すれば、ロータリキルン焼成のMgOが有するかよう
な欠点を有利に改善することができるのである。
ては、MgO(D)、MgO(E)、MgO(F)およびMgO
(G)のように単味で使用した場合には、MgOの1次粒
子の凝集が起こり易く、そのため焼鈍分離剤の塗布性が
劣り鋼板表面塗布状態が不均一となり、これが被膜の不
均一性を助長する作用があることも判明した。この点、
混合すれば、ロータリキルン焼成のMgOが有するかよう
な欠点を有利に改善することができるのである。
【0027】さて、一定範囲に調整すべきMgOの特性と
しては、CAA 活性度や活性度分布、比表面積だけでな
く、MgOの平均1次粒子径、Ig.loss や製造時に混入す
る各種不純物等があること、そしてこれらの範囲につい
てもそれぞれ適正値が存在することが判明した。このう
ち、不純物については、多くのものが原料の水酸化マグ
ネシウムの段階でバラツキを低減しておくことが必要で
あることはいうまでもないが、この発明の方法によって
適宜MgOを混合することによって一定の目標範囲に収め
ることが可能となる。また、水酸化マグネシウムは、苦
汁もしくは海水中に石灰乳を投入して生成した水酸化マ
グネシウムを沈降分離して得たり、MgOを水和させて得
るが、その結晶粒子径は焼成後のMgOの特性に大きな影
響を及ぼすことから、この発明の効果をさらに高めるた
めには、その結晶粒子径を一定に揃えることが好適であ
り、特にa軸方向の粒子径を 0.2〜20μm とすることが
良好であることの知見を得た。以上の実験と調査に基づ
いて、この発明は完成されたものである。
しては、CAA 活性度や活性度分布、比表面積だけでな
く、MgOの平均1次粒子径、Ig.loss や製造時に混入す
る各種不純物等があること、そしてこれらの範囲につい
てもそれぞれ適正値が存在することが判明した。このう
ち、不純物については、多くのものが原料の水酸化マグ
ネシウムの段階でバラツキを低減しておくことが必要で
あることはいうまでもないが、この発明の方法によって
適宜MgOを混合することによって一定の目標範囲に収め
ることが可能となる。また、水酸化マグネシウムは、苦
汁もしくは海水中に石灰乳を投入して生成した水酸化マ
グネシウムを沈降分離して得たり、MgOを水和させて得
るが、その結晶粒子径は焼成後のMgOの特性に大きな影
響を及ぼすことから、この発明の効果をさらに高めるた
めには、その結晶粒子径を一定に揃えることが好適であ
り、特にa軸方向の粒子径を 0.2〜20μm とすることが
良好であることの知見を得た。以上の実験と調査に基づ
いて、この発明は完成されたものである。
【0028】
【作用】次に、この発明の焼鈍分離剤用MgOの限定理由
について述べる。この発明のMgOは、水酸化マグネシウ
ムを焼成して得られるMgO粉末である。原料となる水酸
化マグネシウムは、食塩などの製造過程で発生する苦汁
や海水中に石灰乳などを投入して生成する水酸化マグネ
シウムまたはMgOを水和して得られる水酸化マグネシウ
ムを用いる。この時、不純物のバラツキをできるだけ抑
えることおよび水酸化マグネシウムの結晶粒子径をでき
るだけ揃えることがこの発明の効果を一層高める上で役
立つ。特に、水酸化マグネシウムの結晶粒子径、とりわ
けa軸方向の結晶粒子径は焼成MgO粒の粉体物性に及ぼ
す影響が大きいので0.2 〜20μm の範囲とすることが望
ましい。というのは、a軸方向の結晶粒子径が 0.2μm
未満の場合には、焼成MgOについて所定の1次粒子径を
得るために高温度での焼成が必要となり、その結果MgO
の活性度が低下する傾向となって所望のMgOが得られ難
くなり、逆に20μm を超える場合はろ過時の目詰まり傾
向が強くなり水酸化マグネシウムの沈降分離に時間を要
するようになるからである。
について述べる。この発明のMgOは、水酸化マグネシウ
ムを焼成して得られるMgO粉末である。原料となる水酸
化マグネシウムは、食塩などの製造過程で発生する苦汁
や海水中に石灰乳などを投入して生成する水酸化マグネ
シウムまたはMgOを水和して得られる水酸化マグネシウ
ムを用いる。この時、不純物のバラツキをできるだけ抑
えることおよび水酸化マグネシウムの結晶粒子径をでき
るだけ揃えることがこの発明の効果を一層高める上で役
立つ。特に、水酸化マグネシウムの結晶粒子径、とりわ
けa軸方向の結晶粒子径は焼成MgO粒の粉体物性に及ぼ
す影響が大きいので0.2 〜20μm の範囲とすることが望
ましい。というのは、a軸方向の結晶粒子径が 0.2μm
未満の場合には、焼成MgOについて所定の1次粒子径を
得るために高温度での焼成が必要となり、その結果MgO
の活性度が低下する傾向となって所望のMgOが得られ難
くなり、逆に20μm を超える場合はろ過時の目詰まり傾
向が強くなり水酸化マグネシウムの沈降分離に時間を要
するようになるからである。
【0029】ロータリキルンは、回転する円筒炉の中に
水酸化マグネシウムを通入、移動させながら短時間で焼
成する方法で、温度分布がマッフル炉に比較して均一で
あるので粒度分布や活性度分布の狭い均一なMgOを得る
ことができる反面、焼鈍時間が短いので焼成チャンスが
異なる場合品質が大きく変化する傾向がある。このよう
なロータリキルンで焼成したMgO粉について2種以上を
配合して混合することがこの発明の特徴で、特にこの配
合方法に工夫を加え、所定目標値からの±偏差量に応じ
て配合割合を調整して混合する点に、この発明の第1の
特徴がある。
水酸化マグネシウムを通入、移動させながら短時間で焼
成する方法で、温度分布がマッフル炉に比較して均一で
あるので粒度分布や活性度分布の狭い均一なMgOを得る
ことができる反面、焼鈍時間が短いので焼成チャンスが
異なる場合品質が大きく変化する傾向がある。このよう
なロータリキルンで焼成したMgO粉について2種以上を
配合して混合することがこの発明の特徴で、特にこの配
合方法に工夫を加え、所定目標値からの±偏差量に応じ
て配合割合を調整して混合する点に、この発明の第1の
特徴がある。
【0030】すなわち、ロータリキルンで焼成したMgO
を単味(1種類)で用いた場合には、1次粒子の凝集が
起こり易く、そのため焼鈍分離剤の塗布性が劣り鋼板表
面塗布状態が不均一となり、これが被膜の不均一性を助
長する作用がある。また、ロータリキルンでの焼成は、
焼成ロット内の均一性は極めて良好ではあるが、焼成時
間が短いため同一焼成条件で焼成してもロット間で大き
なバラツキが生じ、方向性電磁鋼板コイルの大型化に伴
って大量の不良品を発生するおそれがある。このような
欠点に対し、ロータリキルンで焼成したMgOを2種以上
混合することにより、上記不良品の発生を格段に低減す
ることが可能になると共に、MgOの特性が所定目標値に
より接近するため、被膜特性や磁気特性に関し極めて優
れた方向性電磁鋼板が得られる利点がある。
を単味(1種類)で用いた場合には、1次粒子の凝集が
起こり易く、そのため焼鈍分離剤の塗布性が劣り鋼板表
面塗布状態が不均一となり、これが被膜の不均一性を助
長する作用がある。また、ロータリキルンでの焼成は、
焼成ロット内の均一性は極めて良好ではあるが、焼成時
間が短いため同一焼成条件で焼成してもロット間で大き
なバラツキが生じ、方向性電磁鋼板コイルの大型化に伴
って大量の不良品を発生するおそれがある。このような
欠点に対し、ロータリキルンで焼成したMgOを2種以上
混合することにより、上記不良品の発生を格段に低減す
ることが可能になると共に、MgOの特性が所定目標値に
より接近するため、被膜特性や磁気特性に関し極めて優
れた方向性電磁鋼板が得られる利点がある。
【0031】各焼成MgOの配合割合を決定する方法とし
ては、所定目標値や許容上限値からの±偏差量を基にし
て、偏差量を差し引いた値の比率を割り当てる方法、偏
差量の逆数の比率を割り当てる方法および偏差量の少な
い順に比率を徐々に低減していく方法など、広い自由度
があり、いずれの方法であっても良い。要は、偏差量に
応じて、配合割合を調整し混合後のMgOの特性に反映さ
せることが肝要である。
ては、所定目標値や許容上限値からの±偏差量を基にし
て、偏差量を差し引いた値の比率を割り当てる方法、偏
差量の逆数の比率を割り当てる方法および偏差量の少な
い順に比率を徐々に低減していく方法など、広い自由度
があり、いずれの方法であっても良い。要は、偏差量に
応じて、配合割合を調整し混合後のMgOの特性に反映さ
せることが肝要である。
【0032】また、配合割合を決定する手順としては、
各種の所定目標値や許容上限値に対して独立の解を求め
全てを満たす最適解を求める手順でもよいし、多変数線
形結合の式を解くことによって最適解を求めるような手
法、また各特性での評点の平均値を用いるような手法を
採用しても良い。上述したように、要は混合後のMgOに
ついて、各特性や成分が所定の範囲を満たすように配合
すれば問題なく、この発明の方法により製造したMgOを
焼鈍分離剤用に使用すれば、如何なる場合であっても常
に安定して良好な磁気特性と被膜特性を有する方向性電
磁鋼板を製造することが保証されるのである。
各種の所定目標値や許容上限値に対して独立の解を求め
全てを満たす最適解を求める手順でもよいし、多変数線
形結合の式を解くことによって最適解を求めるような手
法、また各特性での評点の平均値を用いるような手法を
採用しても良い。上述したように、要は混合後のMgOに
ついて、各特性や成分が所定の範囲を満たすように配合
すれば問題なく、この発明の方法により製造したMgOを
焼鈍分離剤用に使用すれば、如何なる場合であっても常
に安定して良好な磁気特性と被膜特性を有する方向性電
磁鋼板を製造することが保証されるのである。
【0033】これに対し、実験例のMgO(B)やMgO
(C)の例に代表されるように、一定割合で配合した場
合は焼成したMgOのロット間のバラツキの影響を直接受
けて、方向性電磁鋼板の特性は不安定なものとなるし、
焼鈍分離剤のなかに不適合となるMgO構成成分を多量に
含有することになる。
(C)の例に代表されるように、一定割合で配合した場
合は焼成したMgOのロット間のバラツキの影響を直接受
けて、方向性電磁鋼板の特性は不安定なものとなるし、
焼鈍分離剤のなかに不適合となるMgO構成成分を多量に
含有することになる。
【0034】次に、配合量を決定する指標となる各種目
標値や許容上限値の選定について述べる。ロータリキル
ンで焼成したMgOは、活性度分布が極めて狭く、方向性
電磁鋼板の被膜形成反応活性との不適合が発生し易くな
るので、活性度または活性度分布を所定目標範囲に合致
させるべく調合することが必須の要件となる。MgOの特
性としては、水酸化マグネシウムに強く依存するもの
(CaO、CO2 、SO3 およびBの含有量)と焼成条件に強
く依存するもの(1次粒子径、比表面積、Ig.loss 、Cl
やFの含有量)に大きく類別されるが、活性度や活性度
分布にはこれらの影響も反映されるので、操作の繁雑性
を考慮すれば、活性度や活性度分布を所定目標範囲とす
べく調合する方法を採用しても良い。しかしながら、活
性度に加えて水酸化マグネシウムに強く依存する項目お
よび焼成条件に強く依存する項目からそれぞれ1種以上
選び調合する方法の方が、この発明の目的により有利に
適合することは明らかである。
標値や許容上限値の選定について述べる。ロータリキル
ンで焼成したMgOは、活性度分布が極めて狭く、方向性
電磁鋼板の被膜形成反応活性との不適合が発生し易くな
るので、活性度または活性度分布を所定目標範囲に合致
させるべく調合することが必須の要件となる。MgOの特
性としては、水酸化マグネシウムに強く依存するもの
(CaO、CO2 、SO3 およびBの含有量)と焼成条件に強
く依存するもの(1次粒子径、比表面積、Ig.loss 、Cl
やFの含有量)に大きく類別されるが、活性度や活性度
分布にはこれらの影響も反映されるので、操作の繁雑性
を考慮すれば、活性度や活性度分布を所定目標範囲とす
べく調合する方法を採用しても良い。しかしながら、活
性度に加えて水酸化マグネシウムに強く依存する項目お
よび焼成条件に強く依存する項目からそれぞれ1種以上
選び調合する方法の方が、この発明の目的により有利に
適合することは明らかである。
【0035】混合前の単味(1種類)のMgOについて
は、これを特に限定する必要はない。ロータリキルン焼
成品は各ロット間でのバラツキが大きく、また原料とな
る水酸化マグネシウムのバラツキやその原料の変更に伴
うバラツキを考慮するならば、ロータリキルンの焼成条
件を一定とすることの意味はさほど大きくなく、これら
を混合することおよび混合する際の配合割合の決定方法
に重要な意味がある。従って、上記MgOとしては同一条
件下でロータリキルンを用いて焼成した各ロットを対象
としてもよいし、焼成条件を変更したMgOや原料を異に
するMgOを対象としてもよい。しかしながら、本来望ま
しいMgOの諸特性の目標値に近いものとなるように各製
造工程条件を選定して製造したMgOが好ましいことはい
うまでもない。
は、これを特に限定する必要はない。ロータリキルン焼
成品は各ロット間でのバラツキが大きく、また原料とな
る水酸化マグネシウムのバラツキやその原料の変更に伴
うバラツキを考慮するならば、ロータリキルンの焼成条
件を一定とすることの意味はさほど大きくなく、これら
を混合することおよび混合する際の配合割合の決定方法
に重要な意味がある。従って、上記MgOとしては同一条
件下でロータリキルンを用いて焼成した各ロットを対象
としてもよいし、焼成条件を変更したMgOや原料を異に
するMgOを対象としてもよい。しかしながら、本来望ま
しいMgOの諸特性の目標値に近いものとなるように各製
造工程条件を選定して製造したMgOが好ましいことはい
うまでもない。
【0036】管理すべきMgOの特性としては次のものが
ある。すなわち、酸との反応による活性度および活性度
分布、比表面積、1次平均粒子径、Ig.loss 、CaOの含
有量、CO2 の含有量、SO3 の含有量、また許容上限値と
してK,Naの合計量、F,Clの合計含有量、Bの含有量
である。さらに、これらMgOの諸特性の目標値の好適範
囲や許容量上限値は、方向性電磁鋼板の1次再結晶焼鈍
板(通常は脱炭をも必要とするので、多くの場合脱炭焼
鈍板であるが)表面のサブスケールの活性度によって微
妙に異なるので、混合の際のMgOの諸特性の目標値や許
容量上限値をサブスケールの活性度に適合させておく方
が良い。適合させるための方法としては、事前に各種Mg
Oを何度か使用し適合するMgOの特性を把んでおく方法
でもよいし、特開平7-103938号公報に示されるような鋼
板表面の電解挙動を測定するような電気化学的な方法で
求めたものでもよいし、最も一般的に行われる方法であ
る鋼板表面サブスケールの酸素目付量に適合させるもの
であっても良い。
ある。すなわち、酸との反応による活性度および活性度
分布、比表面積、1次平均粒子径、Ig.loss 、CaOの含
有量、CO2 の含有量、SO3 の含有量、また許容上限値と
してK,Naの合計量、F,Clの合計含有量、Bの含有量
である。さらに、これらMgOの諸特性の目標値の好適範
囲や許容量上限値は、方向性電磁鋼板の1次再結晶焼鈍
板(通常は脱炭をも必要とするので、多くの場合脱炭焼
鈍板であるが)表面のサブスケールの活性度によって微
妙に異なるので、混合の際のMgOの諸特性の目標値や許
容量上限値をサブスケールの活性度に適合させておく方
が良い。適合させるための方法としては、事前に各種Mg
Oを何度か使用し適合するMgOの特性を把んでおく方法
でもよいし、特開平7-103938号公報に示されるような鋼
板表面の電解挙動を測定するような電気化学的な方法で
求めたものでもよいし、最も一般的に行われる方法であ
る鋼板表面サブスケールの酸素目付量に適合させるもの
であっても良い。
【0037】ここで、以下に各特性についてその作用と
管理すべき理由を説明する。活性度 活性度は、一般に一定量のMgOと一定濃度の酸との反応
時間を測定すること、すなわちMgOの化学的反応性を測
定することで得られる。さらに活性度分布については、
特公昭57-45472号公報に開示されているように、活性度
の測定においてMgOと酸との最終反応率を変化させるこ
とにより得られる。活性度分布は、分布が広い場合、最
終反応率の増加と共に急激に反応時間が増大し、逆に分
布が狭い場合、最終反応率の増加に対してさほど反応時
間は増加しない傾向を有することにより測定される。さ
らに、酸の種類としてはクエン酸を用いることが一般的
で、CAA(Citric Acid Activity) と呼称されている。活
性度は、MgOと方向性電磁鋼板表面のサブスケールとの
反応活性を近似的に表すもので、活性度が低すぎる(反
応時間が長すぎる)場合、被膜形成が高温度から開始さ
れるため白膜や密着性不良の被膜が形成されたり、2次
再結晶不良に起因する磁気特性の劣化が生じる。逆に活
性度が高すぎる(反応時間が短すぎる)場合、被膜形成
が低温度から開始されることに加え、必然的に水和量も
多くなるのでテンパーカラーや点状被膜欠陥が発生し、
方位の劣る2次再結晶の生成による磁気特性の劣化も発
生する。水酸化マグネシウム中の不純物が多い場合や高
温でMgOが焼成された場合にも活性度は低下する。
管理すべき理由を説明する。活性度 活性度は、一般に一定量のMgOと一定濃度の酸との反応
時間を測定すること、すなわちMgOの化学的反応性を測
定することで得られる。さらに活性度分布については、
特公昭57-45472号公報に開示されているように、活性度
の測定においてMgOと酸との最終反応率を変化させるこ
とにより得られる。活性度分布は、分布が広い場合、最
終反応率の増加と共に急激に反応時間が増大し、逆に分
布が狭い場合、最終反応率の増加に対してさほど反応時
間は増加しない傾向を有することにより測定される。さ
らに、酸の種類としてはクエン酸を用いることが一般的
で、CAA(Citric Acid Activity) と呼称されている。活
性度は、MgOと方向性電磁鋼板表面のサブスケールとの
反応活性を近似的に表すもので、活性度が低すぎる(反
応時間が長すぎる)場合、被膜形成が高温度から開始さ
れるため白膜や密着性不良の被膜が形成されたり、2次
再結晶不良に起因する磁気特性の劣化が生じる。逆に活
性度が高すぎる(反応時間が短すぎる)場合、被膜形成
が低温度から開始されることに加え、必然的に水和量も
多くなるのでテンパーカラーや点状被膜欠陥が発生し、
方位の劣る2次再結晶の生成による磁気特性の劣化も発
生する。水酸化マグネシウム中の不純物が多い場合や高
温でMgOが焼成された場合にも活性度は低下する。
【0038】活性度分布については、上述したように、
分布が広いと方向性電磁鋼板の1次再結晶焼鈍板の多様
な変化(成分の変化、焼鈍条件のバラツキ、コイル重量
の増大)に対応可能で比較的安定して方向性電磁鋼板が
製造できる反面、1次再結晶焼鈍板の活性度に対応でき
ないMgOも多く含むため、最高の品質の方向性電磁鋼板
を得ることはできない。一方、活性度分布が狭い場合に
は、上記と逆の理由で1次再結晶焼鈍板とMgOの活性度
が一致している場合最高の品質の方向性電磁鋼板が得ら
れるが、MgOの活性度のわずかなずれによって大きく製
品の品質が劣化するため、製造の安定性に欠ける傾向が
ある。
分布が広いと方向性電磁鋼板の1次再結晶焼鈍板の多様
な変化(成分の変化、焼鈍条件のバラツキ、コイル重量
の増大)に対応可能で比較的安定して方向性電磁鋼板が
製造できる反面、1次再結晶焼鈍板の活性度に対応でき
ないMgOも多く含むため、最高の品質の方向性電磁鋼板
を得ることはできない。一方、活性度分布が狭い場合に
は、上記と逆の理由で1次再結晶焼鈍板とMgOの活性度
が一致している場合最高の品質の方向性電磁鋼板が得ら
れるが、MgOの活性度のわずかなずれによって大きく製
品の品質が劣化するため、製造の安定性に欠ける傾向が
ある。
【0039】これら活性度および活性度分布の値は、方
向性電磁鋼板の品質に最も大きな影響を及ぼすため、各
目標値から±20%の範囲に収めることが必要である。活
性度については、一般に30℃におけるクエン酸と40%の
最終反応率である40%CAA の値が用いられるが、この方
法に限定されるものではない。また、酸の種類について
も、クエン酸、塩酸、酢酸、蟻酸など任意に選択でき
る。活性度分布としては、例えば40%CAA と80%CAA の
2点を比較する方法や特公昭57−45472 号公報に開示さ
れるように20%、40%、60%、70%といった4点で表さ
れる場合など最終反応率の測定点や個数など任意に設定
でき、これにより活性度分布の測定は可能となる。
向性電磁鋼板の品質に最も大きな影響を及ぼすため、各
目標値から±20%の範囲に収めることが必要である。活
性度については、一般に30℃におけるクエン酸と40%の
最終反応率である40%CAA の値が用いられるが、この方
法に限定されるものではない。また、酸の種類について
も、クエン酸、塩酸、酢酸、蟻酸など任意に選択でき
る。活性度分布としては、例えば40%CAA と80%CAA の
2点を比較する方法や特公昭57−45472 号公報に開示さ
れるように20%、40%、60%、70%といった4点で表さ
れる場合など最終反応率の測定点や個数など任意に設定
でき、これにより活性度分布の測定は可能となる。
【0040】さらに、これら活性度や活性度分布の目標
値の好適範囲は、方向性電磁鋼板の1次再結晶焼鈍板の
表面のサブスケールの活性度によって微妙に異なるの
で、混合の際のMgOの目標値をサブスケールの活性度に
適合させておく方が良い。ちなみにAlをインヒビター成
分として含有する場合(Al含有量 0.010〜0.040 wt%)
には、この発明のMgOの活性度分布として40%CAA の目
標値として72〜108 秒間の範囲に、80%CAA での目標値
として 250〜420 秒間の範囲に設定することが好適であ
る。
値の好適範囲は、方向性電磁鋼板の1次再結晶焼鈍板の
表面のサブスケールの活性度によって微妙に異なるの
で、混合の際のMgOの目標値をサブスケールの活性度に
適合させておく方が良い。ちなみにAlをインヒビター成
分として含有する場合(Al含有量 0.010〜0.040 wt%)
には、この発明のMgOの活性度分布として40%CAA の目
標値として72〜108 秒間の範囲に、80%CAA での目標値
として 250〜420 秒間の範囲に設定することが好適であ
る。
【0041】比表面積 比表面積は、粉体特性を表す一般的な指標の一つであっ
て、単位重量当たりの粉体の表面積であるため、焼成温
度が高くかつ焼鈍時間が長くなり、粉体粒子の径が大き
くなった場合には小さな値となる。しかしながら、粒子
径だけに依存しているのではなく、例えば粉体粒子表面
の微妙な凹凸の存在により比表面積は増加し、これはMg
Oの反応性を高めることになるので、比較的重要とされ
る目標値であり、目標管理項目として採用された場合に
はその好適範囲として目標値の±30%以内に収めること
が必要となる。すなわち、この値が低すぎる場合、サブ
スケールとの反応性が劣化し、白膜や密着性不良の被膜
が形成されたり、2次再結晶不良に起因した磁気特性の
劣化が生じる。逆に、この値が高すぎる場合、被膜形成
においてテンパーカラーや被膜模様が発生し、さらに方
位の劣る2次再結晶粒が成長することに起因して磁気特
性の劣化を招く。これらの目標値やその設定範囲も、方
向性電磁鋼板の脱炭焼鈍板の表面のサブスケールの活性
度によって微妙に異なり、Alをインヒビター成分として
含有する場合 (Al含有量 0.010〜0.040 wt%)には、こ
の発明におけるMgOの比表面積の目標値としては、12〜
20 m2/g 程度に設定することが好ましい。
て、単位重量当たりの粉体の表面積であるため、焼成温
度が高くかつ焼鈍時間が長くなり、粉体粒子の径が大き
くなった場合には小さな値となる。しかしながら、粒子
径だけに依存しているのではなく、例えば粉体粒子表面
の微妙な凹凸の存在により比表面積は増加し、これはMg
Oの反応性を高めることになるので、比較的重要とされ
る目標値であり、目標管理項目として採用された場合に
はその好適範囲として目標値の±30%以内に収めること
が必要となる。すなわち、この値が低すぎる場合、サブ
スケールとの反応性が劣化し、白膜や密着性不良の被膜
が形成されたり、2次再結晶不良に起因した磁気特性の
劣化が生じる。逆に、この値が高すぎる場合、被膜形成
においてテンパーカラーや被膜模様が発生し、さらに方
位の劣る2次再結晶粒が成長することに起因して磁気特
性の劣化を招く。これらの目標値やその設定範囲も、方
向性電磁鋼板の脱炭焼鈍板の表面のサブスケールの活性
度によって微妙に異なり、Alをインヒビター成分として
含有する場合 (Al含有量 0.010〜0.040 wt%)には、こ
の発明におけるMgOの比表面積の目標値としては、12〜
20 m2/g 程度に設定することが好ましい。
【0042】1次粒子径 1次粒子径は、焼鈍温度や時間により変化するが、これ
が変化すると当然MgOの活性度が変化し、上述のように
方向性電磁鋼板の製品の品質を左右する。すなわち、1
次粒子径が大きい場合、サブスケールとの反応性が劣化
し、白膜や密着性不良の被膜が形成されたり、2次再結
晶不良に起因した磁気特性の劣化が生じる。逆に、この
値が小さすぎる場合、被膜形成においてテンパーカラー
や被膜模様が発生し、さらに方位の劣る2次再結晶粒が
成長することに起因して磁気特性の劣化を招く。しかし
ながら、この値は、活性度ほど厳格に制御する必要はな
く、目標管理項目として選ばれた場合には目標値に対し
て±30%の範囲に収めれば十分である。
が変化すると当然MgOの活性度が変化し、上述のように
方向性電磁鋼板の製品の品質を左右する。すなわち、1
次粒子径が大きい場合、サブスケールとの反応性が劣化
し、白膜や密着性不良の被膜が形成されたり、2次再結
晶不良に起因した磁気特性の劣化が生じる。逆に、この
値が小さすぎる場合、被膜形成においてテンパーカラー
や被膜模様が発生し、さらに方位の劣る2次再結晶粒が
成長することに起因して磁気特性の劣化を招く。しかし
ながら、この値は、活性度ほど厳格に制御する必要はな
く、目標管理項目として選ばれた場合には目標値に対し
て±30%の範囲に収めれば十分である。
【0043】一般に、1次粒子径の測定法には種々の方
法があり、測定方法によって値が変わるが、これらの値
には強い相関関係があるのでいずれの方法によって測定
した値でも目標値として採用できる。平均1次粒子径の
測定は、光透過式粒度分布計や沈降式粒度分布計など多
くの方法があり、いずれの方法であっても有効である
が、通常、レーザー回折式粒度分布測定法で測定した50
%累積重量平均値がよく使用される。これらの目標値の
範囲も、当然,方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍板の表面のサ
ブスケールの活性度によって微妙に異なり、Alをインヒ
ビター成分として含有する場合(Al含有量 0.010〜0.04
0 wt%)には、この発明のMgOにおけるレーザー回折式
粒度分布測定による50%累積重量平均粒子径として、目
標値は 0.5〜3μm の範囲に設定される。
法があり、測定方法によって値が変わるが、これらの値
には強い相関関係があるのでいずれの方法によって測定
した値でも目標値として採用できる。平均1次粒子径の
測定は、光透過式粒度分布計や沈降式粒度分布計など多
くの方法があり、いずれの方法であっても有効である
が、通常、レーザー回折式粒度分布測定法で測定した50
%累積重量平均値がよく使用される。これらの目標値の
範囲も、当然,方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍板の表面のサ
ブスケールの活性度によって微妙に異なり、Alをインヒ
ビター成分として含有する場合(Al含有量 0.010〜0.04
0 wt%)には、この発明のMgOにおけるレーザー回折式
粒度分布測定による50%累積重量平均粒子径として、目
標値は 0.5〜3μm の範囲に設定される。
【0044】Ig.loss Ig.loss は、MgOを1000℃まで加熱した時の加熱減量率
で示され、1000℃までの加熱においてMgOから散逸する
H2O、CO2 などの成分の総含有量を示す。この値は、焼
鈍条件によって影響を受け、焼鈍温度が高くまた焼鈍時
間が長くなるにしたがってIg.loss の値は小さくなる。
MgOが有するH2O は、最終仕上げ焼鈍中に鋼板表面を酸
化させて、FeO やFe3O4, Fe2O3を鋼板表面に生成し、被
膜形成の際、鋼板表面に生成するオリヴィン((MgX Fe
1-X )2SiO4) を維持、保護するのに有効で、被膜の均一
性、密着性を向上させるが、過剰に含有する場合には点
状欠陥を増大させる。従って、Ig.loss が大きい場合、
サブスケールとの反応性が劣化し、白膜や密着性不良の
被膜が形成されたり、2次再結晶不良に起因した磁気特
性の劣化が生じる。逆に、この値が小さすぎる場合、被
膜形成においてテンパーカラーや被膜模様が発生し、さ
らに方位の劣る2次結晶粒が成長することに起因して磁
気特性劣化が発生する。しかしながら、この値も、活性
度ほど厳格に制御する必要はなく、目標管理項目として
選ばれた場合には目標値に対して±30%の範囲に収めれ
ば十分である。この目標値の範囲も、当然、方向性電磁
鋼板の脱炭焼鈍の表面のサブスケールの活性度によって
微妙に異なり、Alをインヒビター成分として含有する場
合(Al含有量 0.010〜0.040 wt%)には、この発明のMg
OにおけるIg.loss の目標値として 0.8〜1.3 wt%の範
囲とすることが好ましい。
で示され、1000℃までの加熱においてMgOから散逸する
H2O、CO2 などの成分の総含有量を示す。この値は、焼
鈍条件によって影響を受け、焼鈍温度が高くまた焼鈍時
間が長くなるにしたがってIg.loss の値は小さくなる。
MgOが有するH2O は、最終仕上げ焼鈍中に鋼板表面を酸
化させて、FeO やFe3O4, Fe2O3を鋼板表面に生成し、被
膜形成の際、鋼板表面に生成するオリヴィン((MgX Fe
1-X )2SiO4) を維持、保護するのに有効で、被膜の均一
性、密着性を向上させるが、過剰に含有する場合には点
状欠陥を増大させる。従って、Ig.loss が大きい場合、
サブスケールとの反応性が劣化し、白膜や密着性不良の
被膜が形成されたり、2次再結晶不良に起因した磁気特
性の劣化が生じる。逆に、この値が小さすぎる場合、被
膜形成においてテンパーカラーや被膜模様が発生し、さ
らに方位の劣る2次結晶粒が成長することに起因して磁
気特性劣化が発生する。しかしながら、この値も、活性
度ほど厳格に制御する必要はなく、目標管理項目として
選ばれた場合には目標値に対して±30%の範囲に収めれ
ば十分である。この目標値の範囲も、当然、方向性電磁
鋼板の脱炭焼鈍の表面のサブスケールの活性度によって
微妙に異なり、Alをインヒビター成分として含有する場
合(Al含有量 0.010〜0.040 wt%)には、この発明のMg
OにおけるIg.loss の目標値として 0.8〜1.3 wt%の範
囲とすることが好ましい。
【0045】含有成分(有効不純物) MgOは、水酸化マグネシウム生成工程や水洗工程、焼成
工程において不純物が混入したり、除去されたりする。
このうち、方向性電磁鋼板の製造に有用な不純物もいく
つかあり、これらについてはその含有量を以下に述べる
範囲に制御することが好ましい。Caは、苦汁や海水に石
灰乳を投入して水酸化マグネシウム結晶を析出させる工
程で石灰乳から不純物として混入する。Caは、被膜の平
滑性を増し、鋼板の純化も促進させる有用元素である
が、過剰に含有されると被膜の密着性が阻害されるので
一定の含有量の範囲内に収めることが必要である。この
Caは、CaOとして含有量を算定される。CaOが目標管理
項目として選ばれた場合には、含有量の有効範囲は目標
値の±50%であることが要求される。Alをインヒビター
成分として含有する場合(Al含有量 0.010〜0.040 wt
%) には、この発明のMgOにおけるCaO含有量の目標値
として、0.20〜0.60wt%の範囲に収めることが好まし
い。
工程において不純物が混入したり、除去されたりする。
このうち、方向性電磁鋼板の製造に有用な不純物もいく
つかあり、これらについてはその含有量を以下に述べる
範囲に制御することが好ましい。Caは、苦汁や海水に石
灰乳を投入して水酸化マグネシウム結晶を析出させる工
程で石灰乳から不純物として混入する。Caは、被膜の平
滑性を増し、鋼板の純化も促進させる有用元素である
が、過剰に含有されると被膜の密着性が阻害されるので
一定の含有量の範囲内に収めることが必要である。この
Caは、CaOとして含有量を算定される。CaOが目標管理
項目として選ばれた場合には、含有量の有効範囲は目標
値の±50%であることが要求される。Alをインヒビター
成分として含有する場合(Al含有量 0.010〜0.040 wt
%) には、この発明のMgOにおけるCaO含有量の目標値
として、0.20〜0.60wt%の範囲に収めることが好まし
い。
【0046】Cは、海水中の炭酸成分や石灰乳中の炭酸
成分から混入する他、空気中の二酸化炭素を吸収して増
加する。MgO焼成では、相当の量が気相中に散逸する
が、一部は逆に吸収されるものもあり、焼成条件によっ
て一定化はしない。Cは、含有量が少量であればMgOの
塗布性を増し、鋼板表面塗布後の焼鈍分離剤の均一性が
向上するので被膜特性を向上させる効果があるが、逆に
多量である場合は鋼板内に侵入して磁気特性を劣化させ
る。従って、一定の含有量の範囲内に収めることが必要
である。このCは、CO2 として含有量を算定される。C
は、極く少量で塗布性を向上させることができるし、磁
気特性の劣化をもたらすには相当量の含有量を必要とす
るので、CO2 の適正範囲は広い。従って、CO2 が目標管
理項目として選ばれた発明には、含有量の有効範囲は目
標値の±90%で十分である。Alをインヒビター成分とし
て含有する場合(Al含有量 0.010〜0.040 wt%)には、
この発明のMgOにおける CO2の目標値として、0.05〜0.
3 wt%の範囲内に収めることが好ましい。
成分から混入する他、空気中の二酸化炭素を吸収して増
加する。MgO焼成では、相当の量が気相中に散逸する
が、一部は逆に吸収されるものもあり、焼成条件によっ
て一定化はしない。Cは、含有量が少量であればMgOの
塗布性を増し、鋼板表面塗布後の焼鈍分離剤の均一性が
向上するので被膜特性を向上させる効果があるが、逆に
多量である場合は鋼板内に侵入して磁気特性を劣化させ
る。従って、一定の含有量の範囲内に収めることが必要
である。このCは、CO2 として含有量を算定される。C
は、極く少量で塗布性を向上させることができるし、磁
気特性の劣化をもたらすには相当量の含有量を必要とす
るので、CO2 の適正範囲は広い。従って、CO2 が目標管
理項目として選ばれた発明には、含有量の有効範囲は目
標値の±90%で十分である。Alをインヒビター成分とし
て含有する場合(Al含有量 0.010〜0.040 wt%)には、
この発明のMgOにおける CO2の目標値として、0.05〜0.
3 wt%の範囲内に収めることが好ましい。
【0047】Sは、海水中の硫酸成分や石灰乳中の硫酸
塩成分からの混入により増加し、水酸化マグネシウムの
洗浄により減少する。MgOの焼成時には極く一部は散逸
されるが大部分はMgO中に残存する。Sは、含有量が少
量であれば鋼板内に侵入し表層部のインヒビター抑制力
の強化に有効で磁気特性の向上に効果があるが、逆に多
量である場合は抑制力が過剰となり方位の劣る2次再結
晶粒が発現して磁気特性を劣化させ、また被膜に点状欠
陥が発生するようになる。従って、一定の含有量の範囲
内に収めることが必要である。このSはSO3 として含有
量を算定される。Sの磁気特性向上効果は極く少量で発
現するし、磁気特性の劣化をもたらすには相当量の含有
量を必要とするので、SO3 の適正範囲は広い。従って、
SO3 が目標管理項目として選ばれた場合には、含有量の
有効範囲は目標値の±90%で十分である。Alをインヒビ
ター成分として含有する場合(Al含有量 0.010〜0.040
wt%)には、この発明のMgOにおけるSO3 の目標値は、
0.10〜0.40%の範囲とされる。
塩成分からの混入により増加し、水酸化マグネシウムの
洗浄により減少する。MgOの焼成時には極く一部は散逸
されるが大部分はMgO中に残存する。Sは、含有量が少
量であれば鋼板内に侵入し表層部のインヒビター抑制力
の強化に有効で磁気特性の向上に効果があるが、逆に多
量である場合は抑制力が過剰となり方位の劣る2次再結
晶粒が発現して磁気特性を劣化させ、また被膜に点状欠
陥が発生するようになる。従って、一定の含有量の範囲
内に収めることが必要である。このSはSO3 として含有
量を算定される。Sの磁気特性向上効果は極く少量で発
現するし、磁気特性の劣化をもたらすには相当量の含有
量を必要とするので、SO3 の適正範囲は広い。従って、
SO3 が目標管理項目として選ばれた場合には、含有量の
有効範囲は目標値の±90%で十分である。Alをインヒビ
ター成分として含有する場合(Al含有量 0.010〜0.040
wt%)には、この発明のMgOにおけるSO3 の目標値は、
0.10〜0.40%の範囲とされる。
【0048】上記した有効成分の含有量は、あくまでも
MgO中の不純物の含有量であって、特定の効果を狙って
焼鈍分離剤中に添加する場合においては、焼鈍分離剤中
の含有量が上記した有効範囲以上になり得ることは明ら
かである。また、この他にも特に管理する必要はない
が、存在した方が好ましい不純物として MnOやFe2O3, S
iO2 等があり、少量であればMgOへの含有は許容され
る。
MgO中の不純物の含有量であって、特定の効果を狙って
焼鈍分離剤中に添加する場合においては、焼鈍分離剤中
の含有量が上記した有効範囲以上になり得ることは明ら
かである。また、この他にも特に管理する必要はない
が、存在した方が好ましい不純物として MnOやFe2O3, S
iO2 等があり、少量であればMgOへの含有は許容され
る。
【0049】含有成分(要排除不純物) MgO中には、被膜形成、磁気特性上、有害な成分が存在
するので、これら成分の許容上限値を厳守することが好
ましい。アルカリ金属は、被膜形成を抑制し、被膜の密
着性を低下させるので、総量を規制することが好まし
い。MgO中に含有されるアルカリ金属は、海水成分から
混入するNaとKであり、目標管理項目として選ばれる場
合には、両者の合計総量の許容上限値を厳守することが
必要である。ここでAlをインヒビター成分として含有す
る場合(Al含有量 0.010〜0.040 wt%)には、この発明
のMgOにおけるKとNaの合計含有量の許容上限値は 0.0
01〜0.007 wt%の範囲に設定する必要があり、これを超
えた場合には被膜に有害な影響がでる。
するので、これら成分の許容上限値を厳守することが好
ましい。アルカリ金属は、被膜形成を抑制し、被膜の密
着性を低下させるので、総量を規制することが好まし
い。MgO中に含有されるアルカリ金属は、海水成分から
混入するNaとKであり、目標管理項目として選ばれる場
合には、両者の合計総量の許容上限値を厳守することが
必要である。ここでAlをインヒビター成分として含有す
る場合(Al含有量 0.010〜0.040 wt%)には、この発明
のMgOにおけるKとNaの合計含有量の許容上限値は 0.0
01〜0.007 wt%の範囲に設定する必要があり、これを超
えた場合には被膜に有害な影響がでる。
【0050】ハロゲン元素も、被膜形成を局部的に阻害
し有害であるので、総量を規制することが好ましい。Mg
O中に含有されるハロゲンも海水成分から混入するもの
で、FとClが主要成分である。これらは、焼成時に大部
分が気相中に散逸し焼成温度の上昇や焼成時間の増加に
伴って含有量が低減する。これらは被膜形成に極めて有
害であるので目標管理項目として選ばれる場合には、両
者の合計総量の許容上限値を厳守することが必要であ
る。ここでAlをインヒビター成分として含有する場合
(Al含有量 0.010〜0.040 wt%)には、この発明のMgO
におけるFとClの合計含有量の許容上限値は0.02〜0.07
wt%の範囲で設定する必要があり、これを超えた場合に
は被膜に有害な影響がでる。
し有害であるので、総量を規制することが好ましい。Mg
O中に含有されるハロゲンも海水成分から混入するもの
で、FとClが主要成分である。これらは、焼成時に大部
分が気相中に散逸し焼成温度の上昇や焼成時間の増加に
伴って含有量が低減する。これらは被膜形成に極めて有
害であるので目標管理項目として選ばれる場合には、両
者の合計総量の許容上限値を厳守することが必要であ
る。ここでAlをインヒビター成分として含有する場合
(Al含有量 0.010〜0.040 wt%)には、この発明のMgO
におけるFとClの合計含有量の許容上限値は0.02〜0.07
wt%の範囲で設定する必要があり、これを超えた場合に
は被膜に有害な影響がでる。
【0051】Bは、海水中に存在し、水酸化マグネシウ
ムの結晶析出の際に混入し含有される。MgO焼成時には
若干が気相中に散逸されるが大部分はMgO中に残存す
る。Bが大量にMgO中に存在すると、被膜の密着性を低
下させたり、被膜と地鉄との境界にFeBの合金を形成
し、ベンド特性や磁気特性を劣化させる。しかしなが
ら、かかる悪影響が発現するのは高含有量になってから
である。Bは低減しても他の条件が同一であれば、さし
て悪影響は現われないが、Bを低減するためには余分な
コストを必要とし、また水酸化マグネシウムの結晶サイ
ズを大きく成長させることが困難になるなど原料生産上
の問題が発生する場合がある。Bが目標管理項目に選ば
れる場合には、許容量の上限値を厳守することが必要で
あるが、その上限値は大きな値が許される。ここでAlを
インヒビター成分として含有する場合(Al含有量0.010
〜0.040 wt%)には、この発明のMgO中に含有するBの
含有量の許容上限値は、0.05〜0.35wt%の範囲で設定す
る必要がある。
ムの結晶析出の際に混入し含有される。MgO焼成時には
若干が気相中に散逸されるが大部分はMgO中に残存す
る。Bが大量にMgO中に存在すると、被膜の密着性を低
下させたり、被膜と地鉄との境界にFeBの合金を形成
し、ベンド特性や磁気特性を劣化させる。しかしなが
ら、かかる悪影響が発現するのは高含有量になってから
である。Bは低減しても他の条件が同一であれば、さし
て悪影響は現われないが、Bを低減するためには余分な
コストを必要とし、また水酸化マグネシウムの結晶サイ
ズを大きく成長させることが困難になるなど原料生産上
の問題が発生する場合がある。Bが目標管理項目に選ば
れる場合には、許容量の上限値を厳守することが必要で
あるが、その上限値は大きな値が許される。ここでAlを
インヒビター成分として含有する場合(Al含有量0.010
〜0.040 wt%)には、この発明のMgO中に含有するBの
含有量の許容上限値は、0.05〜0.35wt%の範囲で設定す
る必要がある。
【0052】かかるMgOは必要な添加剤を混合して焼鈍
分離剤として方向性電磁鋼板の1次再結晶焼鈍板の表面
に塗布される。この時、添加剤としては TiO2, SnO2, S
rSO4, Sr(OH)2, MgSO4, TiN, MnN,(MgO)n B2O3等従
来公知の添加剤いずれもが適合する。1次再結晶焼鈍板
は多くの場合に脱炭焼鈍を兼ねているが、C含有量が低
く脱炭が必要でない場合は表面にサブスケールが形成さ
れる程度に酸化されていればよい。この発明に従い、こ
のサブスケールの活性度に合わせて最も有利なMgOを製
造し、方向性電磁鋼板の被膜特性および磁気特性の最高
値を得ることが可能となる。
分離剤として方向性電磁鋼板の1次再結晶焼鈍板の表面
に塗布される。この時、添加剤としては TiO2, SnO2, S
rSO4, Sr(OH)2, MgSO4, TiN, MnN,(MgO)n B2O3等従
来公知の添加剤いずれもが適合する。1次再結晶焼鈍板
は多くの場合に脱炭焼鈍を兼ねているが、C含有量が低
く脱炭が必要でない場合は表面にサブスケールが形成さ
れる程度に酸化されていればよい。この発明に従い、こ
のサブスケールの活性度に合わせて最も有利なMgOを製
造し、方向性電磁鋼板の被膜特性および磁気特性の最高
値を得ることが可能となる。
【0053】1次再結晶板への塗布の方法としては、ス
ラリー状にした後、塗布乾燥する方法や静電塗装など従
来公知の方法が利用できる。塗布後の鋼板は、コイル状
に巻かれて、最終仕上げ焼鈍に供される。最終仕上げ焼
鈍では2次再結晶と被膜形成および鋼中不純物成分の純
化が行われ、基本的な製品の特性がここで得られる。そ
の後は、未反応の焼鈍分離剤を除去したのち、必要に応
じて平坦化焼鈍を兼ねた絶縁コーティングを塗布焼き付
けで製品とする。
ラリー状にした後、塗布乾燥する方法や静電塗装など従
来公知の方法が利用できる。塗布後の鋼板は、コイル状
に巻かれて、最終仕上げ焼鈍に供される。最終仕上げ焼
鈍では2次再結晶と被膜形成および鋼中不純物成分の純
化が行われ、基本的な製品の特性がここで得られる。そ
の後は、未反応の焼鈍分離剤を除去したのち、必要に応
じて平坦化焼鈍を兼ねた絶縁コーティングを塗布焼き付
けで製品とする。
【0054】なお、1次再結晶焼鈍板には、磁区細分化
のために、コイル長手方向を横切る方向に多数の溝を鋼
板表面に設けても良く、また最終仕上げ焼鈍後の鋼板表
面にレーザーやプラズマジェットを照射し歪付与による
磁区細分化処理や突起ロールでの溝付与による磁区細分
化処理を施しても良いのはいうまでもない。
のために、コイル長手方向を横切る方向に多数の溝を鋼
板表面に設けても良く、また最終仕上げ焼鈍後の鋼板表
面にレーザーやプラズマジェットを照射し歪付与による
磁区細分化処理や突起ロールでの溝付与による磁区細分
化処理を施しても良いのはいうまでもない。
【0055】
実施例1 C:0.001 wt%、Si:3.35wt%、Mn:0.07wt%、Cu:0.
10wt%、Se:0.019 wt%、Al:0.022 wt%、Sb:0.02wt
%およびN:0.008 wt%を含み、残部は不可避的不純物
とFeの組成になり、板厚:0.22mm、板幅:1000mm、総重
量:10トンの脱炭焼鈍後の鋼板で、鋼板の幅方向に磁区
細分化処理として幅:100 μm 、深さ:20μm の溝を多
数形成した鋼板を、10コイル用意し、鋼板表面に11種類
の焼鈍分離剤を塗布し、再び巻取った後、最終仕上げ焼
鈍を施した。
10wt%、Se:0.019 wt%、Al:0.022 wt%、Sb:0.02wt
%およびN:0.008 wt%を含み、残部は不可避的不純物
とFeの組成になり、板厚:0.22mm、板幅:1000mm、総重
量:10トンの脱炭焼鈍後の鋼板で、鋼板の幅方向に磁区
細分化処理として幅:100 μm 、深さ:20μm の溝を多
数形成した鋼板を、10コイル用意し、鋼板表面に11種類
の焼鈍分離剤を塗布し、再び巻取った後、最終仕上げ焼
鈍を施した。
【0056】この時、焼鈍分離剤はいずれも、MgO:10
0 重量部に対し、TiO2:8重量部とSnO2:2重量部を配
合したものを用いたが、MgOについては下記(L)から
(U)までの10種類のものを使用した。すなわち、イオ
ン苦汁を出発原料として、これと石灰乳とを反応させる
ことにより水酸化マグネシウムを作り、この水酸化マグ
ネシウムを焼成してMgOを製造したが、その焼成法およ
び混合法を下記に示すように変化させた。なお、MgO
(M)とMgO(N)の配合量はMgO( L)に合わせて活
性度分布が広くなるように設定したものである。
0 重量部に対し、TiO2:8重量部とSnO2:2重量部を配
合したものを用いたが、MgOについては下記(L)から
(U)までの10種類のものを使用した。すなわち、イオ
ン苦汁を出発原料として、これと石灰乳とを反応させる
ことにより水酸化マグネシウムを作り、この水酸化マグ
ネシウムを焼成してMgOを製造したが、その焼成法およ
び混合法を下記に示すように変化させた。なお、MgO
(M)とMgO(N)の配合量はMgO( L)に合わせて活
性度分布が広くなるように設定したものである。
【0057】 MgO種類 焼成方法および混合方法 ・MgO(L) マッフル炉で焼成 (従来法) 昇温4時間、最高温度950 ℃、30分間維持 ・MgO(M) ロータリキルンを用い (比較例) 下記の条件で焼成した第1回目のMgOを下記の配合割合で混合 850 ℃、15分間焼成したもの:2割 900 ℃、15分間焼成したもの:6割 950 ℃、15分間焼成したもの:2割 ・MgO(N) ロータリキルンを用い (比較例) 下記の条件で焼成した第2回目のMgOを下記の配合割合で混合 850 ℃、15分間焼成したもの:2割 900 ℃、15分間焼成したもの:6割 950 ℃、15分間焼成したもの:2割 ・MgO(O) ロータリキルンで (比較例) 900 ℃、15分間焼成したMgO ロット第1番の焼成品 ・MgO(P) ロータリキルンで (比較例) 900 ℃、15分間焼成したMgO ロット第2番の焼成品 ・MgO(Q) ロータリキルンで (比較例) 900 ℃、15分間焼成したMgO ロット第3番の焼成品 ・MgO(R) ロータリキルンで (比較例) 900 ℃、15分間焼成したMgO ロット第4番の焼成品 ・MgO(S) 下記MgOの混合品 (適合例) MgO(O), MgO(P), MgO(Q)の80%CAA 値を測定し、目 標値を 325秒間とし、目標値からのずれの逆数の比率で配合量を 分配し下記の割合で混合した。 MgO(O):8.6 % MgO(P):78.6% MgO(Q):12.8% ・MgO(T) 下記MgOの混合品 (比較例) MgO(O), MgO(P)およびMgO(Q)を均等量混合 ・MgO (U) 下記MgOの混合品 (適合例) MgO(P), MgO(Q), MgO(R)の80%CAA 値を測定し、目 標値を325 秒間とし、目標値からのずれの逆数の比率で配合量を 分配し下記の割合で混合した。 MgO(P):79.0% MgO(Q):12.9% MgO(R): 8.1%
【0058】最終仕上げ焼鈍としては、800 ℃まではN
2 雰囲気で、 800℃から1050℃までは25%のN2 と75%
のH2 の混合雰囲気で、1050℃から1200℃までおよび12
00℃で5時間の均熱はH2 雰囲気で行い、降温は 800℃
までH2 中で強制冷却し、800 ℃以下をN2 中で冷却す
る熱サイクルと雰囲気を採用した。最終仕上げ焼鈍後は
未反応焼鈍分離剤を除去した後、50%のコロイダルシリ
カとリン酸マグネシウムからなる張力コートを塗布焼き
付けて製品とした。各製品より圧延方向に沿ってエプス
タインサイズの試験片を板幅方向の全体から切り出し 8
00℃, 3時間の歪取焼鈍を施した後、1.7 Tの磁束密度
における鉄損の値W17/50 および磁束密度B8 を測定し
た。また、被膜特性が最も不良となる製品板幅中央部の
被膜外観と被膜密着性も調査した。なお、被膜密着性に
ついては円筒に製品の鋼板を巻き付け被膜が剥離しない
円筒の最小の径でもってこれを表わした。得られた結果
を表2に示す。
2 雰囲気で、 800℃から1050℃までは25%のN2 と75%
のH2 の混合雰囲気で、1050℃から1200℃までおよび12
00℃で5時間の均熱はH2 雰囲気で行い、降温は 800℃
までH2 中で強制冷却し、800 ℃以下をN2 中で冷却す
る熱サイクルと雰囲気を採用した。最終仕上げ焼鈍後は
未反応焼鈍分離剤を除去した後、50%のコロイダルシリ
カとリン酸マグネシウムからなる張力コートを塗布焼き
付けて製品とした。各製品より圧延方向に沿ってエプス
タインサイズの試験片を板幅方向の全体から切り出し 8
00℃, 3時間の歪取焼鈍を施した後、1.7 Tの磁束密度
における鉄損の値W17/50 および磁束密度B8 を測定し
た。また、被膜特性が最も不良となる製品板幅中央部の
被膜外観と被膜密着性も調査した。なお、被膜密着性に
ついては円筒に製品の鋼板を巻き付け被膜が剥離しない
円筒の最小の径でもってこれを表わした。得られた結果
を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】表2に示したとおり、この発明に従うMgO
(S)やMgO(U)を焼鈍分離剤用のMgOとして使用し
た場合には、被膜特性に優れ、かつ磁気特性にも優れた
方向性電磁鋼板を安定して製造することができた。
(S)やMgO(U)を焼鈍分離剤用のMgOとして使用し
た場合には、被膜特性に優れ、かつ磁気特性にも優れた
方向性電磁鋼板を安定して製造することができた。
【0061】実施例2 C:0.04wt、Si:3.30〜3.38wt%、Mn:0.07wt%、Sb:
0.02wt%、Se:0.016〜0.020 wt%およびMo:0.012 wt
%を含有し、残部は不可避的不純物とFeの組成になり、
板厚:0.30mm、板幅:1000mm、総重量:20トンの冷間圧
延鋼板を、820℃でP(H2O)/P(H2)=0.55の酸化性雰囲
気中で均熱2分間の連続脱炭焼鈍を行ったのち、2分割
し、各鋼板の表面にそれぞれ2種類の焼鈍分離剤を塗布
した後、1200℃で8時間の焼鈍を行い、その後平坦化焼
鈍を兼ねる張力コーティングの塗布と焼き付けを行い製
品とした。
0.02wt%、Se:0.016〜0.020 wt%およびMo:0.012 wt
%を含有し、残部は不可避的不純物とFeの組成になり、
板厚:0.30mm、板幅:1000mm、総重量:20トンの冷間圧
延鋼板を、820℃でP(H2O)/P(H2)=0.55の酸化性雰囲
気中で均熱2分間の連続脱炭焼鈍を行ったのち、2分割
し、各鋼板の表面にそれぞれ2種類の焼鈍分離剤を塗布
した後、1200℃で8時間の焼鈍を行い、その後平坦化焼
鈍を兼ねる張力コーティングの塗布と焼き付けを行い製
品とした。
【0062】ここで、焼鈍分離剤としては、下記の2種
類のMgOを用意し、いずれもMgO:100 重量部に対しTi
O2:2重量部と SrSO4:3重量部を添加配合して用い
た。 (1) イオン苦汁から製造した結晶粒子径:5μm の水酸
化マグネシウムの各ロットを2分割し、一方をマッフル
炉に入れ 950℃で4時間焼成し粉砕後用いる(従来
例)。 (2) 残りの水酸化マグネシウムを、ロータリキルンで 9
40℃、10分間焼成し、MgOの目標特性として、40%CAA
: 90 s、比表面積:18 m2/g を用いて各焼成ロット
につき偏差量を測定し、偏差量の逆数に比例する割合と
してのCAA からの配合割合と比表面積からの配合割合を
求め、各CAA と比表面積の配合割合の平均をとって実際
の配合割合とし、焼成ロット4ロットを単位として混合
した。この混合後のMgOにつき40%CAA の値および比表
面積を再び測定し、前者については目標値の±20%以内
に後者については目標値の±30%以内にそれぞれあるこ
とを確認して焼鈍分離剤用のMgOとし使用した。この再
測定の値が上記範囲からはずれた場合には、第5番目の
ロットと混合後のMgOとで目標値からの偏差量に応じて
再び配合割合を決定し、混合、再測定を行い良否を判断
した(発明例)。
類のMgOを用意し、いずれもMgO:100 重量部に対しTi
O2:2重量部と SrSO4:3重量部を添加配合して用い
た。 (1) イオン苦汁から製造した結晶粒子径:5μm の水酸
化マグネシウムの各ロットを2分割し、一方をマッフル
炉に入れ 950℃で4時間焼成し粉砕後用いる(従来
例)。 (2) 残りの水酸化マグネシウムを、ロータリキルンで 9
40℃、10分間焼成し、MgOの目標特性として、40%CAA
: 90 s、比表面積:18 m2/g を用いて各焼成ロット
につき偏差量を測定し、偏差量の逆数に比例する割合と
してのCAA からの配合割合と比表面積からの配合割合を
求め、各CAA と比表面積の配合割合の平均をとって実際
の配合割合とし、焼成ロット4ロットを単位として混合
した。この混合後のMgOにつき40%CAA の値および比表
面積を再び測定し、前者については目標値の±20%以内
に後者については目標値の±30%以内にそれぞれあるこ
とを確認して焼鈍分離剤用のMgOとし使用した。この再
測定の値が上記範囲からはずれた場合には、第5番目の
ロットと混合後のMgOとで目標値からの偏差量に応じて
再び配合割合を決定し、混合、再測定を行い良否を判断
した(発明例)。
【0063】かかるMgOを用いて方向性電磁鋼板の製造
の長期間にわたり、各40コイルを試験した。この結果を
図1に示す。図1における磁気特性は鋼板板幅方向全体
の試料についてのものであり、被膜特性は最も不良発生
率が高い製品板幅中央部について行った。図1から明ら
かなように、従来例に比較して、発明例は磁気特性も被
膜特性においても安定して良好な値が得られている。
の長期間にわたり、各40コイルを試験した。この結果を
図1に示す。図1における磁気特性は鋼板板幅方向全体
の試料についてのものであり、被膜特性は最も不良発生
率が高い製品板幅中央部について行った。図1から明ら
かなように、従来例に比較して、発明例は磁気特性も被
膜特性においても安定して良好な値が得られている。
【0064】実施例3 C:0.05wt%、Si:3.05wt%、Mn:0.08wt%、Al:0.01
4 wt%およびN:0.008 wt%を含み、残部は不可避的不
純物とFeの組成になり、板厚:0.35mm、板幅:1000mm、
総重量:15トンの冷間圧延板コイルを、830 ℃でP(H
2O)/P(H2)=0.50の酸化性雰囲気中で均熱2分間の連続
脱炭焼鈍を行った後、各鋼板の表面に下記の各種MgOに
それぞれ、MgO:100 重量部に対しTiO2:4重量部とSn
O2:3重量部と SrSO4:2重量部を添加した焼鈍分離剤
をそれぞれ4コイルずつ、塗布チャンスを変え、塗布チ
ャンスの度に新たにMgOを焼成し、必要に応じ混合し
て、鋼板表面に塗布しコイル状に巻取った後、1200℃で
5時間の最終仕上げ焼鈍を施し、さらに平坦化焼鈍を兼
ねて張力コーティングを塗布焼き付けて製品とした。得
られた製品の磁気特性と被膜特性について調査した結果
を表3に示す。
4 wt%およびN:0.008 wt%を含み、残部は不可避的不
純物とFeの組成になり、板厚:0.35mm、板幅:1000mm、
総重量:15トンの冷間圧延板コイルを、830 ℃でP(H
2O)/P(H2)=0.50の酸化性雰囲気中で均熱2分間の連続
脱炭焼鈍を行った後、各鋼板の表面に下記の各種MgOに
それぞれ、MgO:100 重量部に対しTiO2:4重量部とSn
O2:3重量部と SrSO4:2重量部を添加した焼鈍分離剤
をそれぞれ4コイルずつ、塗布チャンスを変え、塗布チ
ャンスの度に新たにMgOを焼成し、必要に応じ混合し
て、鋼板表面に塗布しコイル状に巻取った後、1200℃で
5時間の最終仕上げ焼鈍を施し、さらに平坦化焼鈍を兼
ねて張力コーティングを塗布焼き付けて製品とした。得
られた製品の磁気特性と被膜特性について調査した結果
を表3に示す。
【0065】 MgOの種類 混合方法を含む製造方法 ・MgO(V) 海水法によりa軸径:3μm の水酸化マグネシウムを製造し、マ (比較例) ッフル炉で 930℃、6時間焼成したもの ・MgO(W) 海水法によりa軸径:4μm の水酸化マグネシウムを製造し、ロ (比較例) ータリキルンで 800℃、 850℃および 900℃で20分間焼成し、こ れらを等量ずつ混合したもの ・MgO(X) 海水法によりa軸径:4μm の水酸化マグネシウムを製造し、ロ (発明例) ータリキルンで 800℃、 820℃、 840℃および 860℃で20分間の 焼成を行いこれらを混合してMgOとした。各MgOの混合割合は、 この方向性電磁鋼板に使用して良好な結果が得られることを予め 確認しておいた目標値である、Ig.Loss として 1.1wt%、平均1 次粒子径として 1.5μm 、CaOの含有量目標値:0.30wt%からの 各MgOの測定値の偏差量を求め、偏差量の少ない順から4,3, 2,1の評点値を与えて各MgOの評点値の平均を求め、この平均 評点値の比率を各MgOの配合比率として混合した。混合後のMgO についても、Ig.loss 、平均1次粒子径およびCaOの含有量を測 Ig.loss については目標値の±20%以内、平均1次粒径について は目標値の±30%以内、CaO含有量については目標値の±50%以 内にあることを確認して、焼鈍分離剤用のMgOとして使用した。 これらのいずれかの条件を満たさない場合は、最も目標値に近い 特性であったMgOの条件で再度ロータリキルンで焼成し、このMg Oと混合MgOとの間で上記混合の操作手順を用いて配合比率を決 定し混合した ・MgO(Y) 海水法によりa軸径:0.1 μm の水酸化マグネシウムを製造し、 (発明例) ロータリキルンで 800℃、 820℃、 840℃および 860℃で20分間 の焼成を行い これらを混合してMgOとした。混合の方法はMgO (X)と同一の方法を採用した
【0066】
【表3】
【0067】表3から明らかなように、この発明に従う
MgO(X)やMgO(Y)を用いた場合には、被膜特性に
ついても磁気特性についても極めて安定して良好な製品
を得ることができた。
MgO(X)やMgO(Y)を用いた場合には、被膜特性に
ついても磁気特性についても極めて安定して良好な製品
を得ることができた。
【0068】
【発明の効果】かくして、この発明に従うMgOを使用す
れば、極めて優れた磁気特性ならびに被膜特性を有する
方向性電磁鋼板を安定して製造することが可能になる。
れば、極めて優れた磁気特性ならびに被膜特性を有する
方向性電磁鋼板を安定して製造することが可能になる。
【図1】この発明の焼鈍分離剤用MgOと従来の焼鈍分離
剤用MgOを長期間にわたって使用した場合の被膜特性お
よび磁気特性の変動を比較して示したグラフである。
剤用MgOを長期間にわたって使用した場合の被膜特性お
よび磁気特性の変動を比較して示したグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 上 力 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 渡辺 誠 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内
Claims (3)
- 【請求項1】 水酸化マグネシウムを、ロータリキルン
を用い焼成して得られる方向性電磁鋼板の焼鈍分離剤用
のMgOであって、(1) 該焼成MgO粉末を2種類以上混合
すること、(2) 混合に際し、下記に示すA種目標値から
の±偏差量に応じて該焼成MgOの配合割合を調整し混合
すること、あるいは下記に示すA種目標値とB種目標値
群とF種許容量上限値から選ばれる1種以上の目標値ま
たは/および許容量上限値に加えて、同じく下記に示す
C種目標値とD種目標値群とE種許容量上限値群から選
ばれる1種以上の目標値または/および許容量上限値に
ついて、該焼成MgOの配合割合を上記選定した所定目標
値または/および許容量上限値からの±偏差量に応じて
調整し混合すること、(3) 混合後のMgOとして、A種目
標値については各目標値の±20%以内の値に、 B種目標値群については各目標値の±30%以内の値に、
C種目標値については目標値の±50%以内の値に、D種
目標値群については各目標値の±90%以内に、さらに許
容量上限値については各種許容上限値以下に調整するこ
と、をそれぞれ満足することを特徴とする方向性電磁鋼
板製造時における焼鈍分離剤用のMgO。 記 ・A種目標値 活性度または活性度分布としての酸との所定割合の反応
における反応時間目標値 ・B種目標値群 比表面積の目標値 平均1次粒子径の目標値 Ig.loss の目標値 ・C種目標値 CaO含有量目標値 ・D種目標値群 CO2 含有量目標値 SO3 含有量目標値 ・E種許容量上限値群 K,Naの合計含有量許容量上限値 Bの含有量許容量上限値 ・F値許容量上限値 F,Clの合計含有量許容量上限値 - 【請求項2】 請求項1において、MgO混合のための各
種目標値または各種許容量上限値を、1次再結晶焼鈍後
の方向性電磁鋼板表面のサブスケールの活性度に応じて
変更することを特徴とする、方向性電磁鋼板製造時にお
ける焼鈍分離剤用のMgO。 - 【請求項3】 請求項1または2において、鋼中にAlを
0.010〜0.040 wt%含有する方向性電磁鋼板の焼鈍分離
剤用のMgOについて、選ばれた目標値または許容量上限
値からの±偏差量に応じて2種以上の焼成MgOを混合す
るに際し、各種目標値および許容量上限値を下記の各種
目標値範囲および各種許容量上限値範囲から選び設定す
ることを特徴とする、方向性電磁鋼板製造時における焼
鈍分離剤用のMgO。 記 ・各種目標値範囲 活性度分布のとして40%CAA の目標値範囲として72〜10
8 秒間、80%CAA の目標値範囲として 250〜420 秒間 CaOの目標値範囲として0.20〜0.60wt%、 CO2 の目標
値範囲として0.05〜0.3 wt%、SO3 の目標値範囲として
0.10〜0.40wt% 比表面積の目標値範囲として12〜20 m2/g レーザー回折式粒度分布測定による50%累積重量平均粒
子径の目標値範囲として 0.5〜3μm Ig.loss の目標値範囲として 0.8〜1.3 wt% ・各種許容量上限値範囲 KとNaの合計含有量の許容量上限値範囲として 0.001〜
0.007 wt% B含有量の許容量上限値範囲として0.05〜0.35wt% FとClの合計含有量の許容量上限値範囲として0.02〜0.
07wt%
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