JPH1096039A - 切削性および耐食性に優れた耐摩耗性アルミニウム合金材 - Google Patents
切削性および耐食性に優れた耐摩耗性アルミニウム合金材Info
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Abstract
耐食性を有し、特にT6調質後の切削性、耐摩耗性に優
れたアルミニウム合金材を提供する。 【解決手段】 Si:3〜9 %、Fe:0.02 〜0.5 %、M
g:0.5〜1.5 %、Sn:0.1〜2.0 %を含有し、さらにM
n:0.1〜1.0 %、Ti:0.01 〜0.3 %の1種または2種
を含有し、残部Alおよび不純物からなる。さらにC
u:0.1〜0.9 %を含有してもよい。
Description
優れ、公害の問題となるPbを含まないことを特徴と
し、耐摩耗性も良好なアルミニウム合金材に関する。
Al−Cu系の2011合金、Al−Mg−Si系の6262合
金等が知られている。しかし、これらの合金は、切削性
を向上させるために、低融点金属であるPbが添加され
ている。近年、有毒物質であるPbを含むアルミニウム
合金材は公害問題を生じる材料として取り上げられ,リ
サイクルにも適しておらず、とくに、耐食性があまり良
好でない2011合金においては、悪環境下で長期間使用し
た場合、Pbが外界に溶けだして問題が生じる可能性が
ある。
は、Si、Cu、Niなどが含有しているため、比較的
切削性が良好であるが、切削加工時に、Siを11〜13.5
%含むため初晶Siの晶出により工具の寿命が短くなる
という難点がある。自動車用部材において、6061,6262
合金などの耐摩耗性を得るために、表面にアルマイト処
理を施したり、鋼製のライナーによりアルミニウム素地
を保護するなどの手段を講じることも必要とある。ま
た、これらの部材において切削加工を施す場合、6061合
金では深いドリル加工などにおいて、切削屑がうまく排
出されず、生産性を低下させることが少なくない。
比較的少なく、耐摩耗性も良好なアルミニウム合金材と
して、Si:2〜12%、Fe:0.1〜1.0 %、Mg:0.2〜0.
8 %、Cu:1〜5 %、Ti:0.005〜0.2 %、Sn:0.5〜
2 %を含有し、またはさらにMn:0.2〜1.2 %を含有
し、残部Alおよび不純物からなるアルミニウム合金材
が提案されているが(特開昭60-190542 号公報) 、例え
ば、自動車部材などとして適用した場合、腐食環境によ
っては十分な耐食性が得られないという問題点がある。
性アルミニウム合金における上記の問題点を解消し、良
好な耐食性をそなえ、耐摩耗性にも優れた切削用アルミ
ニウム合金材を得るために、合金組成と上記諸特性との
関係について、種々の角度から実験、検討を加えた結果
としてなされたものであり、その目的は、従来合金と同
等以上の耐食性を保持し、同時に、T6処理後において
優れた切削性および耐摩耗性を有するアルミニウム合金
材を提供することにある。
めの本発明による切削性および耐食性に優れた耐摩耗性
アルミニウム合金材は、Si:3〜9 %、Fe:0.02 〜0.
5 %、Mg:0.5〜1.5%、Sn:0.1〜2.0 %を含有し、
さらにMn:0.1〜1.0 %、Ti:0.01 〜0.3 %の1種ま
たは2種を含有し、残部Alおよび不可避的不純物から
なることを構成上の第1の特徴とする。
有することを第2の特徴とし、これらのアルミニウム合
金材にBi:0.1〜1.5 %、In:0.1〜2.0 %の1種また
は2種を含有すること、Cr:0.01 〜0.3 %、Zr:0.0
1 〜0.3 %、V:0.01 〜0.1%、B:0.08 %以下のうち
の1種または2種以上を含有すること、Sr:0.005〜0.
1 %、Sb:0.01 〜0.3 %、Na:0.001〜0.01%、C
a:0.01 〜0.05%のうちの1種または2種以上を含有す
ること、およびNi:0.3〜0.9 %を含有することを、そ
れぞれ第3、第4、第5および第6の特徴とする。
理由について説明すると、Siは、Mgと共存してMg
2 Si粒子を析出し強度を向上させる。また、共晶Si
相のの分布により切削性、耐摩耗性を向上させる。好ま
しい含有量は3 〜9 %の範囲であり、下限未満では効果
が少なく,上限を越えると粗大な初晶Siが晶出し切削
性、特に切削工具の寿命を低下させる。Siのさらに好
ましい含有範囲は4.0〜8.0 %である。
Fe(−Si)系の粒子が析出し、再結晶粒を微細化さ
せ切削性を向上させる。好ましい含有量は0.02〜0.5 %
の範囲であり、下限未満ではその効果が小さく、上限を
越えるとAl−Fe−Si系の粗大な晶出物が増加し、
切削性を低下させる。さらに好ましいFeの含有量は0.
1 〜0.3 %の範囲である。
て強度を上昇させ切削性,耐摩耗性を向上させる。好ま
しい含有量は0.5 〜1.5 %の範囲であり、下限未満では
効果が少なく、上限を越えると耐食性を悪くする。Mg
のさらに好ましい含有量は、0.6 〜1.0 %の範囲であ
る。
好ましい含有範囲は0.1 〜2.0 %であり、下限未満では
効果が小さく、上限を越えるとMgとの共存によりMg
2 Snを生成し、強度を低下させ、また晶出物の分散に
より靱性、耐食性を低下させる。Snのさらに好ましい
含有量は0.4 〜1.2 %の範囲である。
粒子が析出することによって,再結晶粒を微細化させ、
切削性を向上させる。好ましい含有量は0.1 〜1.0 %の
範囲であり、下限未満では効果は少なく、上限を越える
と切削性を害する。Mnのさらに好ましい含有量は0.2
〜0.8 %の範囲である。
析出し,再結晶粒を微細化させ,切削性を向上させる。
好ましい含有量は0.01〜0.3 %の範囲であり、下限未満
では効果は少なく、上限を越えると鋳造時に粗大な金属
間化合物を形成して切削性を悪くする。Tiのさらに好
ましい含有範囲は0.03〜0.15%である。
を向上させる。好ましい含有範囲は、それぞれ0.1 〜1.
5 %および0.1 〜2.0 %であり、下限未満では効果が小
さく、上限を越えると、低融点の晶出物が過剰に分散
し、強度、靱性、耐食性を低下させる。Bi、Inのさ
らに好ましい含有範囲は0.4 〜1.2 %である。
Cu−Mg系の粒子が析出し強度を上昇させ、切削性、
耐摩耗性を向上させる。好ましい含有量は0.1 〜0.9 %
の範囲であり、下限未満では効果が小さく、上限を越え
ると耐食性を悪くする。Cuのさらに好ましい含有範囲
は0.1 〜0.5 %である。
化に効果があり、合金の強度を高め、切削性を向上させ
る。好ましい含有量は、Cr:0.01 〜0.3 %、Zr:0.0
1 〜0.3 %、V:0.01 〜0.1 %、B:0.08 %以下の範囲
であり、それぞれ下限未満では効果が少なく、上限を越
えて含有すると、粗大な晶出物を生成し切削工具の寿命
を低下させる。さらに好ましい含有範囲は、Cr:0.05
〜0.20%、Zr:0.05〜0.20%、V:0.01 〜0.05%、B:
0.02 %以下である。
微細にし、切削性、耐摩耗性を向上させる。好ましい含
有量は、Sr:0.005〜0.1 %、Sb:0.01 〜0.3 %、N
a:0.001〜0.01%、Ca:0.01 〜0.05%の範囲であり、
それぞれ下限未満では効果が少なく、上限を越えても効
果が弱くなる。さらに好ましい含有範囲は、Sr:0.005
〜0.05%、Sb:0.05 〜0.20%、Na:0.001〜0.005
%、Ca:0.02 〜0.04%である。
を生成し、耐摩耗性、切削性を向上させる。好ましい含
有量は0.3 〜0.9 %の範囲であり、下限未満では効果が
小さく、上限を越えると、粗大な化合物が生成して切削
工具の寿命の低下を招き、押出加工性を害する。Niの
さらに好ましい含有範囲は0.5 〜0.8 %である。なお、
本発明のアルミニウム合金材においては、0.3 %以下の
Znが含まれていてもその特性に影響を与えることはな
い。Znが0.3 %を越えると耐食性が低下し易くなる。
上記の組成を有するアルミニウム合金を、例えば半連続
鋳造により鋳造し、得られた鋳塊を均質化処理したの
ち、例えば押出加工を行い、押出工程においてダイクエ
ンチ後、または押出材を焼入れ後、時効処理を行ってT
6調質状態とする。その後、切削加工し、従来のアルマ
イト処理や鋼製のライナーによる保護なしでも耐摩耗性
を有する部材として用いることができる。
明する。 実施例1 表1に示す組成のビレット(直径10インチ) に均質化処
理を施し,間接押出機により直径60mmの押出棒を作製し
た。得られた押出棒を用いて、耐摩耗性、切削性、耐食
性の3項目について以下に示す基準で評価を行った。評
価結果を表2に示す。
摩耗速度1m/s、摩耗距離200m、荷重3.2kg 、相手材S50C
(HV750)で試験を実施し、比摩耗量で比較した。 ○:7.0 ×10-7mm2/kg未満 △:7.0 〜10.0×10-7mm2/kg ×:10.0×10-7mm2/kg以上
の溶体化処理した後、水焼入を行い、ついで170 ℃-8h
の人工時効処理を施し、切削試験を行った。切削試験
は、試験片の中心部にドリルを用いて穴をあけ、切削性
評価を行った。切削性の評価は、切削屑100 個あたりの
重量(g/100 個)を測定することにより、以下に示す基
準で切削屑の排出性について判定した。なお、切削は、
切削工具としてストレートドリル( 標準JIS ドリル、高
速度鋼、直径20mm) を使用し、回転数1500rpm 、送り15
0mm/min.、潤滑油としてエマルションタイプの潤滑油を
使用する条件で行った。 ◎:20未満 ○:20以上50未満 △:50以上100 未満 ×:100 以上
の評価用サンプルを削り出した。得られた試験材に500
℃- 2hの溶体化処理した後、水焼入を行い、170 ℃-8h
の人工時効処理を施し、耐食性の評価を行った。耐食性
は、幅50mm×長さ50mm×厚さ5mm の平板をASTM B117 に
基づき、塩水噴霧試験を1000h 行った後の重量減少によ
り評価した。 ○:1.0mg/cm2 未満の重量減 △:1.0 〜2.0mg/cm2 の重量減 ×:2.0mg/cm2 以上の重量減
-7mm2/kg未満の比摩耗量、50g/100個未満の切削屑排出
性、重量%減1.0mg/cm2 未満の腐食量を示し、優れた耐
摩耗性、切削性、耐食性をそなえている。
mm) を、実施例1と同様に処理し、実施例1と同じ条件
で耐摩耗性試験、切削性試験、耐食性試験を行った。結
果を表4に示す。なお、表3において、本発明の条件を
外れたものには下線を付した。
は、それぞれSi、Mgが下限未満のため、耐摩耗性お
よび切削性が劣っている。試験材No.21 〜23,26〜30は
Si、Fe、Mn、Ti、Snが下限未満、または上限
を越えているため切削性が劣っている。試験材No.25 は
Mgが上限を越えているため、耐食性が劣る。試験材N
o.31 〜34は、それぞれSn、Cu、Bi、Inが上限
を越えているため耐食性が劣っている。また、試験材N
o.35 は従来の2011合金であり、No.36 は6262合金、No.
37 は6061合金、No.38 は4032合金で、いずれも本発明
の成分を外れているため、耐摩耗性,切削性,耐食性の
いずれかが劣っている。
切削用アルミニウム合金と同等以上の耐食性を有し、特
にT6調質後の切削性、耐摩耗性にも優れたアルミニウ
ム合金材が提供される
Claims (6)
- 【請求項1】 Si:3 〜9 %(重量%、以下同じ)、
Fe:0.02〜0.5 %、Mg:0.5 〜1.5 %、Sn:0.1
〜2.0 %を含有し、さらにMn:0.1 〜1.0%、Ti:
0.01〜0.3 %の1種または2種を含有し、残部Alおよ
び不可避的不純物からなることを特徴とする切削性、耐
食性に優れた耐摩耗性アルミニウム合金材。 - 【請求項2】 Si:3 〜9 %、Fe:0.02〜0.5 %、
Mg:0.5 〜1.5 %、Sn:0.1 〜2.0 %、Cu:0.1
〜0.9 %を含有し、さらにMn:0.1 〜1.0%、Ti:
0.01〜0.3 %の1種または2種を含有し、残部Alおよ
び不可避的不純物からなることを特徴とする切削性、耐
食性に優れた耐摩耗性アルミニウム合金材。 - 【請求項3】 アルミニウム合金材が、さらにBi:0.
1 〜1.5 %、In:0.1 〜2.0 %の1種または2種を含
有することを特徴とする請求項1〜2記載の切削性、耐
食性に優れた耐摩耗性アルミニウム合金材。 - 【請求項4】 アルミニウム合金材が、さらにCr:0.
01〜0.3 %、Zr:0.01〜0.3 %、V:0.01〜0.1 %、
B:0.08%以下の1種または2種以上を含有することを
特徴とする請求項1〜3記載の切削性、耐食性に優れた
耐摩耗性アルミニウム合金材. - 【請求項5】 アルミニウム合金材が、さらにSr:0.
005 〜0.1 %、Sb:0.01〜0.3 %、Na:0.001〜0.0
1%、Ca:0.01〜0.05%の1種または2種以上を含有
することを特徴とする請求項1〜4記載の切削性、耐食
性に優れた耐摩耗性アルミニウム合金材。 - 【請求項6】 アルミニウム合金材が、さらにNi:0.3
〜0.9 %を含有することを特徴とする請求項1〜5記載
の切削性および耐食性に優れた耐摩耗性アルミニウム合
金材。
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| JP27303996A JP3835629B2 (ja) | 1996-09-24 | 1996-09-24 | 切削性および耐食性に優れた耐摩耗性アルミニウム合金材 |
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