JPH1096156A - 使い捨て衣料用基布 - Google Patents

使い捨て衣料用基布

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JPH1096156A
JPH1096156A JP8244407A JP24440796A JPH1096156A JP H1096156 A JPH1096156 A JP H1096156A JP 8244407 A JP8244407 A JP 8244407A JP 24440796 A JP24440796 A JP 24440796A JP H1096156 A JPH1096156 A JP H1096156A
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JP
Japan
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nonwoven fabric
spunbonded nonwoven
melt
resin
strength
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JP8244407A
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English (en)
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Tomoji Miyoshi
智次 三好
Yosuke Kudo
洋輔 工藤
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業分野における作業服、ワイパー、医療分
野におけるガウン、ドレープ等の使い捨て衣料用途とし
て、優れた柔軟性と強度を有する三層構造の積層シート
からなる使い捨て衣料用基布の提供。 【解決手段】 熱可塑性樹脂を用いたメルトブロー不織
布とスパンボンド不織布からなり、前記メルトブロー不
織布の両面に、スパンボンド不織布が積層され、熱融着
された三層構造の積層シートからなる使い捨て衣料用基
布であって、前記スパンボンド不織布が脂肪族ポリエス
テル樹脂の連続長繊維からなり、JISL 1013で
測定した初期引張抵抗度6〜10g/デニールと引張強
さが3〜4g/デニールを有する。前記脂肪族ポリエス
テル樹脂が1,4―ブタンジオールとコハク酸から合成
されるポリブチレンサクシネート重合体をウレタン結合
により高分子量化したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業分野における
作業服、ワイパー等、医療分野におけるガウン、ドレー
プ等の使い捨て衣料用途として、優れた柔軟性と強度を
有する三層構造の積層体シートからなる使い捨て衣料用
基布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より衣料用基布としては強度、柔軟
性、透湿性等を考慮する必要があり、各種素材の織布を
用いられるのが一般的である。しかしながら、使い捨て
用途を考えた場合、織布は価格的に高価であり適当では
ない。そこで近年は、不織布が使い捨て用途のために広
く用いられている。不織布で使い捨て衣料用途に用いら
れる代表的なものとしては、カード不織布、ニードルパ
ンチ不織布等がある。しかしながら、これらカード不織
布やニードルパンチ不織布はその製造方法に起因する理
由で低い目付の製品を製造することができず、結果的に
柔軟性、表面性等が劣るシートとなってしまい衣料用途
には不適である。従って、カード不織布やニードルパン
チ不織布は、衣服の芯材や裏打ち材用にしか用いられて
いないのが実状である。
【0003】又、フラッシュ紡糸法による不織布も使い
捨て衣料用途に用いられているが、このフラッシュ紡糸
法による不織布は、使用に耐えられる程の十分な強度を
有しているが、その構造が極めて緻密であるため柔軟性
が劣り、さらに繊維を得るための樹脂としてポリオレフ
ィン重合体を用いているために、不織布シートが疎水性
となり、透湿性が殆どないという性質を備えている。こ
れらのことより、フラッシュ紡糸法による不織布は衣料
用基布としては適していない。一方、熱可塑性樹脂を溶
融し、ノズルから押し出すと同時に、ノズルの近傍で高
温のエアーを吹き付け紡出されたフィラメント群を極細
化し、次いで支持体上に捕集・集積してウェブを形成し
て得られるメルトブロー不織布の両面に、同様に熱可塑
性樹脂を加熱溶融した後、ノズルから押し出して紡糸
し、紡出された連続長繊維フィラメント群をエアサッカ
ー或いはエジェクターからのエアーで引き取って延伸、
開繊し、次いで支持体上に捕集・集積しウェブを形成さ
せ、このウェブを熱エンボス処理して溶融接着させたス
パンボンド不織布を配置して積層した三層構造の積層体
シートは使い捨て作業服等のために使用されている基布
の一つである。
【0004】前記メルトブロー不織布の両面にスパンボ
ンド不織布を積層して構成される積層体シートにおいて
は、メルトブロー不織布自体が繊維径は細く、比較的緻
密で、嵩高構造を有し、しかも柔軟性に優れ、バリヤー
性能を保持しており、一方、メルトブロー不織布よりも
繊維径が大きく、高い強度を有し、粗な構造を有してい
るスパンボンド不織布を強度部材とした複合構造となっ
ているため、この積層体シートは比較的柔軟で高い強度
を有している。しかしながら、スパンボンド不織布やメ
ルトブロー不織布に用いられる熱可塑性樹脂としてはポ
リプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリエチレン
テレフタレート等が一般的で、これらの内、ナイロンや
ポリエチレンテレフタレートは樹脂自身の強度は高く、
その弾性率も大きく、特に、これらの重合体を、溶融紡
糸した後、紡出された連続長繊維フィラメント群を延
伸、開繊して得られるスパンボンド不織布の製造方法に
おいて用いた場合、糸状体の弾性率(以下糸弾性率とい
う)が大きな長繊維となってしまい、その長繊維をウェ
ブとして製造されるスパンボンド不織布自体も硬くて柔
軟性の劣ったものとなってしまい、このようなスパンボ
ンド不織布をメルトブロー不織布の両面に積層して得ら
れる三層構造の積層体シートも柔軟性が劣り、風合いの
悪いものとなってしまうという欠点を有している。
【0005】糸弾性率を下げる手法として、溶融紡糸し
た後の連続長繊維フィラメント群の延伸を少なめに施せ
ばよいが、それにも限度があり、それによってスパンボ
ンド不織布の生産性も著しく悪くなるので不適である。
逆に、ポリエチレン重合体を用いた場合は、樹脂の弾性
率が小さいために、この樹脂を用いたスパンボンド不織
布とメルトブロー不織布との積層体シートは極めて柔軟
性に優れるが、ポリエチレン重合体を押し出し紡糸して
得られる長繊維の引張強度は弱く、それを用いた不織布
の強度も弱いものとなってしまう。従って、このような
不織布を積層して得られる積層体シートも強度が弱くて
衣料用途には不適である。これらのことより、長繊維の
引張強度と糸弾性率のバランスが比較的良いとされるポ
リプロピレン樹脂を用いたスパンボンド不織布とメルト
ブロー不織布からの積層体シートが使い捨て衣料用基布
として用いらている。
【0006】しかしながら、ポリプロピレン樹脂を紡糸
して得られるスパンボンド不織布の長繊維の引張強度は
高くてもせいぜい2.5g/デニール程度であり、糸弾
性率は低くても10g/デニール程度で、通常の方法で
製造されたスパンボンド不織布の長繊維の引張強度は約
2g/デニールで、糸弾性率は約20g/デニールであ
るから、このような物性を有する長繊維のスパンボンド
不織布を用いた積層体シートは、依然として柔軟性とシ
ート強度とも十分ではないという欠点が存在する。又、
ポリプロピレン重合体はそれ自体が疎水性であるため積
層体シートも疎水性となり、特に透湿性が重要な用途に
おいては界面活性剤等を積層体シートに含有させて親水
性を付与し、透湿性を改善する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者等は、
かかる状況に鑑み、生分解性と親水性を有する脂肪族ポ
リエステル樹脂の押し出し紡糸性について鋭意研究して
いる間に、脂肪族ポリエステル長繊維の紡糸の際にエジ
ェクターの高速エアーによる引き取りにより延伸の程度
を調整し、それによって長繊維の初期引張強度と引張強
度を特定範囲内でバランスさせると、得られるスパンボ
ンド不織布は極めて優れた柔軟性と強度を有することを
見い出し、即ち、メルトブロー不織布の両面に、脂肪族
ポリエステル樹脂からなり、前記特定範囲の初期引張抵
抗度と引張強さを有する連続長繊維で構成されるスパン
ボンド不織布を積層してなる三層構造の積層体シート
は、衣料用途に十分耐えられる強度を有しながら、優れ
た柔軟性と透湿性も備えていることを見い出し本発明を
完成するに至った。本発明の目的は、優れた柔軟性と強
度を有し、快適な着心地を与え、工業分野における作業
服、ワイパー等、医療分野におけるガウン、ドレープ等
に好適な使い捨て衣料用基布を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、熱可塑
性樹脂を用いたメルトブロー不織布とスパンボンド不織
布からなり、前記メルトブロー不織布の両面にスパンボ
ンド不織布が積層され、熱融着された三層構造の積層体
シートからなる使い捨て衣料用基布において、前記スパ
ンボンド不織布が脂肪族ポリエステル樹脂の連続長繊維
からなり、JIS L 1013で測定した初期引張抵
抗度6〜10g/デニールと引張強さ3〜4g/デニー
ルを有することを特徴とする使い捨て衣料用基布であ
る。本発明の第二は、前記脂肪族ポリエステル樹脂が
1,4―ブタンジオールとコハク酸から合成されるポリ
ブチレンサクシネート重合体をウレタン結合により高分
子量化したものであることを特徴とする本発明第一に記
載の使い捨て衣料用基布である。
【0009】メルトブロー不織布とスパンボンド不織布
からなる三層構造の積層体シートの製造方法としては、
熱可塑性樹脂を用いたメルトブロー不織布、脂肪族ポリ
エステル樹脂を用いたスパンボンド不織布の各々を前も
って準備した後、積層して貼り合わせても良いし、脂肪
族ポリエステル樹脂からなるスパンボンド不織布上にメ
ルトブロー法により熱可塑性樹脂を公知の溶融押し出し
紡糸機より溶融紡糸し、捕集、集積してウェブを形成さ
せ、その後、更に別の脂肪族ポリエステル系重合体から
なるスパンボンド不織布を積層する方法のいずれを採用
しても良い。本発明では、スパンボンド不織布上に直接
公知のメルトブロー法により不織布を紡糸して形成させ
る方法について説明する。
【0010】本発明のスパンボンド不織布に使用される
脂肪族ポリエステル樹脂としては、1,4―ブタンジオ
ールとコハク酸から合成されるポリブチレンサクシネー
ト重合体に、更にイソシアネートを添加し、ポリブチレ
ンサクシネート重合体の間をウレタン結合させたもの
で、数平均分子量が10,000以上で融点が110〜
120℃の範囲にあり、かつ、JIS K 7210に
記載された方法で測定した、温度190℃、荷重2.1
6kgの条件でのメルトフローレートが15〜70g/
10分の範囲にあり、商品名をビオノーレ(昭和高分子
社製)として市販されているものが用いられる。メルト
フローレートが15g/10分未満では溶融粘度が高過
ぎ、得られる不織布の風合いが硬いものとなるので適さ
ない。逆に、メルトフローレートが70g/10分を超
えると、紡糸工程において糸切れが発生し易くなり、得
られる長繊維不織布の風合いが低下するだけでなく、強
度も低くなるので適さない。
【0011】スパンボンド不織布を製造する際に押出し
紡糸機において前記脂肪族ポリエステル樹脂を加熱溶融
し、紡糸する場合の溶融温度は、樹脂の融点より50〜
135℃だけ高くする。溶融温度が重合体の融点よりも
50℃未満だけ高い場合、溶融した樹脂の粘度が高く、
紡糸に適さない。逆に、溶融温度が樹脂の融点より13
5℃を超えて高くなると、樹脂の融点からの温度の隔た
りが大き過ぎるため、押し出し機の多数の口金から樹脂
を紡糸する場合に冷却が難しくなり、繊維同士の融着や
糸切れを生じ易くなるばかりでなく、樹脂の安定性が低
下し、分解が発生する恐れがある。更に、脂肪族ポリエ
ステル樹脂は、親水性であり、樹脂中には水分を含有し
ているが、水分を含有した状態で紡糸を行うと樹脂の分
解が生じるので、紡糸に先だって乾燥処理を行う必要が
ある。樹脂の水分含有量としては0.2重量%以下、好
ましくは0.05重量%以下である。
【0012】押出し機の紡糸用口金から押し出され、エ
ジェクターからの高圧エアーにて延伸された多数の長繊
維フィラメント群は、衝突板に当てて摩擦帯電させ、電
荷による反発力で各々の長繊維を開繊させる。この場
合、帯電方法として、長繊維にコロナ放電処理を行い、
電荷を帯電させても良い。均一に開繊された多数の長繊
維は、移動する金網製ベルトのような支持体上に捕集・
堆積させ、ウェブを形成させる。このようにして製造さ
れた不織布の長繊維のJIS L 1013で測定した
初期引張抵抗度は6〜10g/デニールで、引張強さは
3g/デニール以上である。しかしながら、引張強さの
上限は、初期引張抵抗度、繊度等から自ずと限度があ
り、4g/デニールである。
【0013】前記長繊維の初期引張抵抗度が6g/デニ
ール未満の場合、紡糸の際に長繊維フィラメント群をほ
とんど未延伸に近い状態にする必要があり、その結果、
長繊維の繊度が著しく大きくなり、硬くなるため、スパ
ンボンド不織布の風合いが低下し、メルトブロー不織布
とスパンボンド不織布を積層してその積層体シートを衣
料用途に用いるためには柔軟性が不足する。逆に、長繊
維の初期引張抵抗度を10g/デニールを超えて大きく
するには、エジェクターによる延伸の程度を大きくする
必要があり、紡糸時に糸切れが多発するためスパンボン
ド不織布の生産性が著しく低下し、さらに、得られたス
パンボンド不織布が硬くなって風合いが低下するので適
さない。この長繊維の繊度は1〜10デニールの範囲で
ある。長繊維の繊度が1デニール未満では、長繊維を安
定して紡糸することが難しくなり、逆に、長繊維の繊度
が10デニールを越えると、繊維径が太くなり過ぎ、ス
パンボンド不織布の風合いが低下するので適さない。
【0014】前記支持体上に捕集・堆積して形成される
ウェブの目付は10〜30g/m2である。目付が10
g/m2未満ではメルトブロー不織布との積層体シート
にした場合、十分なシート強度が得られず、目付が30
g/m2を超えて大きくなると、積層体シートが硬くな
り風合いが低下するので適さない。本発明においては、
ウェブにシート状の形態保持と強度を付与する目的で、
規則的な間隔で繊維同士の自己融着区域を設ける。この
自己融着区域は、ウェブを加熱した凹凸ロールと平滑ロ
ールの間に導入し、加熱と加圧処理を施すことにより、
凹凸ロールの凸部に対応した部分が融着することによっ
て形成される。この場合、ロールの温度は使用する長繊
維を構成する樹脂の融点より5〜50℃低い温度であ
る。ロール温度と樹脂の融点の差が5℃未満では、ロー
ルによる熱圧着処理時に繊維がロールに付着し、製造ト
ラブルの原因となる。逆に、ロール温度と樹脂の融点の
差が50℃を越えて大きくなると、自己融着部分の形成
が不十分となり、スパンボンド不織布の強度が著しく低
下するので適さない。凹凸ロールと平滑ロールで熱圧着
処理を施す場合の線圧は、10〜80kg/cmであ
る。線圧が10kg/cm未満では、熱圧着処理による
自己融着区域の形成が不十分となり、80kg/cmを
超えて大きくなると、熱圧着処理時に凹凸ロールの凸部
による長繊維の切断が生じてしまい、いずれもスパンボ
ンド不織布の強度が低下するので適さない。
【0015】次いで、製造されたスパンボンド不織布の
表面にメルトブロー不織布を以下のようにして紡糸して
形成する。メルトブロー不織布に使用される熱可塑性樹
脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン系重合体、ナイロン等のポリアミド系重合体、
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレ
ート、脂肪族ポリエステル等ポリエステル系重合体等が
挙げられ、これらの中から適宜選択して用いられる。つ
まり、これらの重合体は、積層体シートにした場合の親
水性が必要な用途や疎水性が必要な用途、強度が必要な
用途等の用途別によって使い分けることができる。又、
メルトブロー不織布が脂肪族ポリエステル樹脂で構成さ
れている場合は、この樹脂は生分解性を有するので、こ
のメルトブロー不織布を用いた本発明の三層構造の積層
体シートからなる使い捨て衣料は、土中に埋めることに
より微生物により分解して消滅させることができる。ポ
リアミド系重合体やポリエステル系重合体は、スパンボ
ンド不織布においても述べたように、重合体自身が親水
性であるため重合体中に水分を含有しており、水分を含
有した状態で紡糸を行うと分解が生じるので、紡糸に先
だって乾燥処理を行う必要がある。水分含有量としては
0.2重量%以下、好ましくは0.05重量%以下であ
る。
【0016】メルトブロー紡糸時の樹脂の溶融温度は、
使用する樹脂の融点、メルトフローレート等を考慮し
て、樹脂の融点以上の温度であれば良い。押出し機にお
いて溶融させた樹脂をノズルから押し出すと同時に、ノ
ズル近傍で高温高速のエアー流によって牽引することに
よって繊維径が0.5〜5μmの範囲に細化した極細繊
維を形成し、空気流によって搬送されている多数の極細
繊維を移動する、金網ベルトからなる支持体の上に設置
したスパンボンド不織布上に捕集・堆積させウェブを形
成させる。この極細繊維の繊維径が0.5μm未満で
は、製造条件が厳しくなって極細繊維を安定して製造す
ることが困難になり、逆に、極細繊維の繊維径が5μm
を越えて大きくなると、メルトブロー不織布が硬くな
り、結果的に、スパンボンド不織布との積層体シートの
風合いも悪いものとなるので適さない。高温高速エアー
流の温度や流速も樹脂の溶融温度やノズルからの吐出量
によって適宜選択されるが、高温高速エアー流の条件に
よっても極細繊維の繊維径も影響される。
【0017】さらに、ノズルから支持体までの距離(以
下、捕集距離という)も適宜選択できるが、捕集距離が
小さい場合は、得られるメルトブロー不織布が緻密で高
い密度のものとなり、強度は大きくなるが硬いものとな
り、逆に、捕集距離が大きい場合は、嵩高で低い密度の
ものとなり、強度は小さいが柔軟なシートになる。支持
体上のスパンボンド不織布の上に形成したメルトブロー
ウェブの目付は5〜30g/m2である。目付が5g/
2未満では、目付が小さ過ぎるためにメルトブロー不
織布の極細繊維が不均一となり、積層しても十分なバリ
ヤー性能を有した積層体シートが得られない。逆に、目
付が30g/m2を超えて大きくなると、スパンボンド
不織布との積層体シートが硬くなり風合いが低下するの
で適さない。続いて、以上のようにして製造したスパン
ボンド不織布とメルトブロー不織布の積層体のメルトブ
ロー不織布面上に、予め製造しておいた別のスパンボン
ド不織布を積層し、メルトブロー不織布の両面にスパン
ボンド不織布を配置した三層構造の積層体シートの構造
にする。この場合、メルトブロー不織布の両面に配置さ
せるスパンボンド不織布の目付は、同一であっても良い
し、異なる目付であっても良い。
【0018】この積層体をシートとしての形態保持と強
度を付与する目的で、スパンボンド不織布の場合と同様
にして規則的な間隔で自己融着区域を設け、スパンボン
ド不織布とメルトブロー不織布間において各繊維同士の
融着した部分を生じさせる。この融着区域は、スパンボ
ンド不織布、メルトブロー不織布及びスパンボンド不織
布からなる三層構造の積層体を、加熱した凹凸ロールと
平滑ロールの間に導入し、加熱と加圧処理を施すことに
より、凹凸ロールの凸部に対応したシート部分の各繊維
同士が融着することによって形成される。この場合、ロ
ールの温度はスパンボンド不織布の長繊維を構成する樹
脂の融点より5〜50℃低い温度である。ロール温度と
重合体の融点の差が5℃未満では、ロールによる熱圧着
処理時に繊維がロールに付着し、製造トラブルの原因と
なる。逆に、ロール温度と重合体の融点の差が50℃を
超えて大きくなると、融着部分の形成が不十分となり、
積層体シートの強度が著しく低下するので適さない。凹
凸ロールと平滑ロールで熱圧着処理を施す場合の線圧力
は、10〜80kg/cmである。線圧力が10kg/
cm未満では、熱圧着処理による融着区域の形成が不十
分となり、80kg/cmを超えて大きくなると、熱圧
着処理時に凹凸ロールの凸部による長繊維の切断が生じ
てしまい、いずれも積層体シートの強度が低下するので
適さない。
【0019】三層構造からなる積層体シートを構成する
メルトブロー不織布の重合体にポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のオレフィン系重合体を用いた場合や、親水性
の重合体を用いた場合でも高い吸水性を要求される用途
では、必要に応じて積層体シートに親水化剤を含有させ
ても良い。使用する親水化剤としては、各種アニオン系
界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、
非イオン界面活性剤等公知のものを使用することができ
る。含有させる方法としては、スプレー、含浸等の各種
の方法を適宜採用することができる。さらに、親水化剤
の複合体シートへの含有量も必要とする親水性の程度に
よって適宜選定される。
【0020】以上説明したように、メルトブロー不織布
の両面に、脂肪族ポリエステル樹脂を用い、JIS L
1013で測定した初期引張抵抗度が6〜10g/デ
ニールと引張強さが3〜4g/デニールの長繊維で構成
されたスパンボンド不織布が配置された三層積層体シー
トは、衣料用途に十分耐えられる強度を有しながら、柔
軟性と透湿性に優れており、快適な着心地を与える工業
分野における作業服、ワイパー等、医療分野におけるガ
ウン、ドレープ等の使い捨て衣料用の基布に用いること
ができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものでは
ない。なお、実施例及び比較例において、%は特に断り
のない限り重量%である。
【0022】実施例1 脂肪族ポリエステル樹脂としてメルトフローレートが3
2g/10分のジカルボン酸とジグリコールの縮合によ
るポリブチレンサクシネート重合体をウレタン結合した
もの(商品名:ビオノーレ1030、昭和高分子社製、
融点:115℃)を押出し溶融紡糸機において温度19
0℃で加熱溶融し、紡糸用口金の微細孔から押出し紡糸
し、紡出された連続長繊維フィラメント群をエジェクタ
ーの高速高圧エアーにて延伸しながら引き取り、開繊し
た後、走行しているステンレス金網からなる支持体上に
捕集、堆積して目付25g/m2のウェブを形成した。
この長繊維の繊度は2.1デニールであった。次に、得
られたウェブを温度105℃に加熱した凹凸ロールと平
滑ロールの間に導入し、凹凸ロールの凸部に対応する部
分を融着することによりスパンボンド不織布を作製した
後、ロール状に巻き取った。
【0023】次いで、前記スパンボンド不織布に用いた
脂肪族ポリエステル樹脂と同一の重樹脂を用い、公知の
メルトブローノズルを使用してこの樹脂を温度210℃
に加熱溶融して、移動する金網製の支持体上に載置され
ている前記スパンボンド不織布の上にメルトブロー不織
布を作製した。この時使用したメルトブローノズルは、
直径0.4mmの微細孔が幅方向に1mm間隔で配置さ
れているもので、溶融樹脂の吐出量は、ノズル孔1ホー
ル当り1.0g/分で、加熱加圧エアーを噴射して細化
されたメルトブロー繊維を、スパンボンド不織布を支持
体上に乗せ、移動させながら、このスパンボンド不織布
の表面に捕集、堆積させて目付10g/m2のウェブを
形成させた。捕集距離は、350mmで、メルトブロー
繊維の繊維径は1.8μmであった。
【0024】このようにしてスパンボンド不織布とメル
トブロー不織布を積層して得られた積層体のメルトブロ
ー不織布側の上に、前記のようにして予め作製し、卷き
取っておいた同じスパンボンド不織布を積層し、このよ
うにしてメルトブロー不織布の両面にスパンボンド不織
布が配置された三層構造の積層体シートにした。さら
に、この積層体シートに形態安定性を付与するために、
温度105℃に加熱した凹凸ロールと平滑ロールの間に
積層体シートを導入し、凹凸ロールの凸部に対応する部
分を融着させた積層体シートを得た。得られた三層構造
の積層体シートを下記の試験法により試験し、その品質
を評価した。
【0025】試験方法 (1)スパンボンド不織布の長繊維の初期引張抵抗度 JIS L 1013に準じて測定した。 (2)スパンボンド不織布の長繊維の引張強さ JIS L 1013に準じて測定した。 (3)積層体シートの柔軟性 三層構造の積層体シートの柔軟性を手触りによる官能で
評価した。官能評価は、次の5段階評価で行った。 5・・・極めて柔軟であった。 4・・・柔軟であった。 3・・・柔軟性は普通であった。 2・・・柔軟性に少し劣っていた。 1・・・柔軟性に劣っていた。 (4)積層体シートの引張強さ JIS L 1906に準じて測定した。
【0026】実施例2 目付が25g/m2と15g/m2の2種類のスパンボン
ド不織布を作製したこと以外は、実施例1で用いたのと
同一の脂肪族ポリエステル樹脂を用い、同一の条件にて
溶融紡糸を行いスパンボンド不織布を作製した。準備し
ておいた目付25g/m2のスパンボンド不織布の上
に、メルトフローレートが1000g/10分間のポリ
プロピレン重合体を用い、温度270℃に加熱溶融して
実施例1と同様にして目付10g/m2のメルトブロー
不織布を形成させ、積層体を作製した。さらに、このス
パンボンド不織布とメルトブロー不織布の積層体のメル
トブロー不織布側の上に、予め作製しておいた目付15
g/m2のスパンボンド不織布を積層し、実施例1と同
一の操作を繰り返し、三層構造の積層体シートを得た。
得られた積層体シートを前記の試験方法で試験し、その
品質を評価した。
【0027】実施例3 押出し溶融紡糸機において210℃で加熱溶融した後、
紡出した連続長繊維フィラメント群をエジェクターの高
速エアーを調整しながら若干延伸して長繊維の繊度を3
デニールとしたこと以外は、実施例1と同様にして三層
構造の積層体シートを得た。得られた積層体シートを前
記の試験方法で試験し、その品質を評価した。
【0028】比較例1 実施例1と同一の脂肪族ポリエステル樹脂を用い、同一
条件で加熱溶融し、口金の微細孔から押出し紡糸し、紡
出された連続長繊維フィラメント群をエジェクターから
のエアーを低速、低圧とし、殆ど未延伸の状態で引き取
りながら、開繊した後、走行しているステンレス金網製
の支持体上に捕集、堆積して目付25g/m2のウェブ
を形成した。この長繊維の繊度は100デニールであっ
た。さらに実施例1と同一条件でウェブを部分的に融着
させた自己融着区域を設けてスパンボンド不織布を予め
作製し、卷き取った。その後、実施例1と同様にして、
三層構造の積層体シートを得た。得られた積層体シート
を前記の試験方法で試験し、その品質を評価した。
【0029】比較例2 メルトフローレートが40g/10分のポリプロピレン
重合体を用い、温度250℃にて溶融紡糸しウェブを形
成し、温度150℃に加熱した凹凸ロールと平滑ロール
の間に導入し、凹凸ロールの凸部に対応する部分を融着
することにより目付が25g/m2のスパンボンド不織
布を予め作製し、メルトブロー不織布の両面に用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして三層構造の積層体シー
トを得た。得られた積層体シートを前記の試験方法で試
験し、その品質を評価した。
【0030】比較例3 メルトフローレートが20g/10分の高密度ポリエチ
レン重合体を用い、温度230℃にて溶融紡糸しウェブ
を形成し、温度120℃に加熱した凹凸ロールと平滑ロ
ールの間に導入し、凹凸ロールの凸部に対応する部分を
融着することにより目付が25g/m2と15g/m2
スパンボンド不織布を予め作製し、メルトブロー不織布
の両面に用いたこと以外は、実施例2と同様にして三層
構造の積層体シートを得た。得られた積層体シートを前
記の試験方法で試験し、その品質を評価した。
【0031】実施例及び比較例で得られた結果を表1に
示した。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかなように、本発明により得
られる三層構造の積層体シートは柔軟性に優れ、高い強
度を有する(実施例1〜3)。これに対して、メルトブ
ロー不織布の両面に積層する、スパンボンド不織布を構
成する長繊維を殆ど未延伸にすると、初期引張抵抗度は
低くなるが、長繊維の繊度が著しく大きくなるため、結
果的に硬くて風合いの悪い積層体シートしか得られない
(比較例1)。また、スパンボンド不織布を構成する繊
維にポリプロピレン重合体を用いた場合は、長繊維の初
期引張抵抗度が非常に高く、長繊維の引張強度が低くな
り、このようなスパンボンド不織布を用いた三層構造の
積層体シートの風合いは悪く、シート強度もあまり強く
ないものとなる(比較例2)。一方、スパンボンド不織
布を構成する繊維に高密度ポリエチレン重合体を用いた
場合は、長繊維の初期引張強度は適正であるが、長繊維
の引張強度が低く、このようなスパンボンド不織布を用
いた三層構造の積層体シートは、柔軟性に極めて優れる
が、シート強度が著しく弱く、実用に供することができ
ない(比較例3)。
【0034】
【発明の効果】本発明は、柔軟性と強度に優れ、工業分
野における作業服やワイパー、医療分野におけるガウ
ン、ドレープ等に好適な使い捨て衣料用基布を提供する
という効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂を用いたメルトブロー不織
    布とスパンボンド不織布からなり、前記メルトブロー不
    織布の両面にスパンボンド不織布が積層され、熱融着さ
    れた三層構造の積層体シートからなる使い捨て衣料用基
    布において、前記スパンボンド不織布が脂肪族ポリエス
    テル樹脂の連続長繊維からなり、JISL 1013で
    測定した初期引張抵抗度6〜10g/デニールと引張強
    さ3〜4g/デニールを有することを特徴とする使い捨
    て衣料用基布。
  2. 【請求項2】 前記脂肪族ポリエステル樹脂が1,4―
    ブタンジオールとコハク酸から合成されるポリブチレン
    サクシネート重合体をウレタン結合により高分子量化し
    たものであることを特徴とする請求項1記載の使い捨て
    衣料用基布。
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