JPH1097917A - 超電導磁石装置 - Google Patents

超電導磁石装置

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JPH1097917A
JPH1097917A JP8249730A JP24973096A JPH1097917A JP H1097917 A JPH1097917 A JP H1097917A JP 8249730 A JP8249730 A JP 8249730A JP 24973096 A JP24973096 A JP 24973096A JP H1097917 A JPH1097917 A JP H1097917A
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角川  滋
Akiyoshi Komura
昭義 小村
Tokuaki Hino
徳昭 日野
Nobuhiro Hara
伸洋 原
Hirotaka Takeshima
弘隆 竹島
Hajime Kawano
川野  源
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、核磁気共鳴イメイジング(MRI)
装置に好適な熱電導マグネットに関し、特に、広い開口
部を有して被検者に開放感を与え、また被検者への検査
者によるアクセスを容易にするとともに洩れ磁場を小さ
く、高い磁場均一度を有し、かつ低コストな超電導磁石
装置に関する。 【解決手段】超電導コイルが装置外部に発生する漏洩磁
場を装置の外周部に配置した外部強磁性体によって効果
的に低減させる構造とする。 【効果】広い開口部を備え、漏洩磁場が少なくかつ、高
い磁場強度でも安定で、広い均一磁場発生領域を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴イメー
ジング(MRI)装置に好適な超電導マグネットに関
し、特に、広い開口部を有して被検者に開放感を与え、
また被検者への検査者によるアクセスを容易にするとと
もに洩れ磁場が小さく、高い磁場均一度を有し、かつ低
コストな超電導磁石装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のMRI装置で多く使われてきた超
電導磁石の典型例の断面図を図23に示す。基本的には
分割ソレノイドコイルであり円筒形状のボビンに巻き回
され、これを冷却する液体ヘリウムを保持する低温容器
と共に中空円筒形状の真空容器内部に収納され、水平方
向(Z軸方向)の磁場を発生する。コイルは超電導線材
によって作られており、液体ヘリウムによって約4.2
K に冷却され超電導電流を搬送する超電導コイルとし
て機能する。図23の例ではマグネットは均一な磁場を
発生するための直径の小さなメインコイルと漏れ磁場を
抑制するための直径の大きなシールドコイルから構成さ
れている。
【0003】この構成のマグネットを用いた従来のMR
I装置では、被検者は狭くて開口部の小さい円筒形状の
中空部に入らなければならず、被検者に強い閉所感を与
えていた。このため、時には、装置内に入ることを拒否
される場合もあった。また医師等の検査者が撮像中の被
検者にアクセスすることは困難であり、いわゆるIVR(I
nterventional Radiology)は、ほぼ不可能であった。
【0004】この問題を回避する技術として、米国特許
第5,194,810 号『オープンアクセス磁気共鳴撮像装置』
に記載の図24の構成の磁石が公知である。
【0005】この磁石は、上下に配置した冷却容器(図
では外側の真空容器を描いている)内に配置した超電導
コイルにより磁場を発生させている。その超電導コイル
の内側には、良好な磁場均一度を得るために強磁性体に
よる磁場均一化手段を設けている。さらに、上下の超電
導コイルが発生する磁束の帰路として、鉄板と鉄ヨーク
を設けている。また、鉄ヨークは、磁束路の役割ととも
に上下の構造を機械的に支持する働きをしている。これ
らの材料には、機械的な強度や原価の面から一般に鉄を
用いている。
【0006】この例の場合には、四方が開放されている
ので被検者は閉塞感を受けずに済み、検査者も容易に被
検者にアクセスできる。また、鉄ヨークによって磁束の
帰路があるために磁束が遠くにまで広がらず、漏洩磁場
を少なくできる。
【0007】しかし、磁場均一化手段として一般的に用
いられる鉄は磁場に対してヒステリシス特性を持つため
に、磁場均一化手段の近くに配置した傾斜磁場コイル
(図示せず)が発生するパルス磁場が磁場均一化手段内
の磁場分布に影響を与える。これが均一磁場発生領域内
部の磁場分布にまで影響するために、高精度な信号計測
の妨げになる可能性が存在した。これに対しては、磁場
均一化手段に電気伝導度の低い材質を用いるなどの手段
が講じられてきているが、パルス磁場の強度が強い場合
には十分な効果が得られていなかった。
【0008】また、鉄の磁化特性(B−H特性)は温度
に対して依存性を持つため、鉄の温度が変化すると、M
RI装置にとって重要なファクターである磁場均一度が
変動する要因となる。図のような構造では、傾斜磁場コ
イルを磁場均一化手段の近くに設置することが一般的で
あり、傾斜磁場コイルを駆動することにより発生する熱
により加熱されるために、温度が変動しやすい。
【0009】上記の従来例の問題点を解消した構成例と
して図25,図26に示す構造が提案されている。この
装置の外観を図25に、その縦断面図を図26示す。
【0010】ここでは、超電導コイルとして、通常よく
使用されているNbTi線材を想定して、液体ヘリウム
を収納する冷媒容器を設けている。装置中央の均一磁場
発生領域を挟んで上下対称に、円形の超電導コイルを設
置している。それに応じて、冷媒容器も円筒状のものが
上下対称に設置され、両者はその間にある支柱によって
所定の距離を維持して保持される。
【0011】この例では、上述の超電導コイルが装置外
部に発生する漏洩磁場を装置の外周部に配置した外部強
磁性体によって効果的に低減させる構造を提供する。こ
のように周囲を強磁性体で囲むことで、装置外部に発生
する磁束について磁路が形成されるので、漏洩磁場が遠
方にまで広がることを抑制できる。
【0012】一方、超電導コイルの配置と電流量を適切
に選択することで、所定空間内の磁場を均一にしてい
る。被検者の開放感を得るためには、超電導コイル間の
距離を広くし、かつ、超電導コイルの直径を小さくする
必要がある。しかし、この場合には、磁場均一度を得る
ために超電導コイルに要求される起磁力は膨大なものと
なり、原価の上昇につながる。また、より高次の不整磁
場が発生するため、これを消去して均一な磁場を得るた
めに、超電導コイルの数を増やす必要がある。これも装
置原価の上昇につながる要因となる。
【0013】さらに、各超電導コイルに加わる電磁力も
それに応じて大きくなるので、構造的にも厳しい条件が
要求される。
【0014】また、漏洩磁場を抑制するための強磁性体
は、被検者がはいる解放領域を作るために中心軸に関し
て非軸対称な構造になる。従って、均一磁場領域におい
て強磁性体に由来する非軸対称で、かつ強度の大きい不
整磁場が発生し、これを補正する手段が必要となる。従
来の構成のように室温空間に補正用の鉄シムを設置する
方法では、空間的な制約から広い開口を損なわずに大き
な質量の鉄シムを用いることが困難であり、非軸対称な
強磁性体に由来する強度の大きい非軸対称な不整磁場を
補正することが困難であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述してきたように、
これまでは被検者に解放感を与える広い開口を備えた超
電導磁石装置において、広い均一磁場発生領域を持ち、
高い磁場強度と時間的に安定な静磁場を発生可能な装置
を低廉な原価で製造することは難しかった。また、洩れ
磁場を抑制する非軸対称な強磁性体に由来する非軸対称
な不整磁場を、広い開口を損なわずに補正することが困
難であった。
【0016】従って、本発明では上記課題を解決し、広
い開口を備え、漏洩磁場が少なくかつ、高い磁場強度に
おいて、時間的に安定、かつ、広い均一磁場発生領域を
得ることができる超電導磁石装置を低廉な原価で提供す
ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】均一磁場空間内の非軸対
称な不整磁場を補正することは、超電導コイルを収納す
る冷却容器の内部に、1乃至複数の強磁性体小群からな
る強磁性体群を設置し、少なくとも1つの強磁性体小群
に対して整数n(ただしnは1以上)が対応し、強磁性
体小群が中心軸に関してn回の回転対称性を持つように
配置することにより達成される。
【0018】また、超電導コイルの起磁力を効果的に低
減することは、均一磁場領域を挟んで対抗する静磁場発
生源2組のうち少なくとも1組が、中心軸に関して軸対
称な少なくとも2個の電流搬送手段から構成され、その
電流搬送手段のうちの2個の電流搬送手段が、中心軸に
関して概ね同一の軸方向位置にあり、互いに逆向きの電
流を搬送し、超電導コイルを収納する冷却容器の内部
に、1乃至複数の強磁性体小群からなる強磁性体群を設
置する超電導マグネットにおいて、強磁性体小群の少な
くとも一部を、中心軸に関して前記2個の電流搬送手段
と概ね同一の軸方向位置に設置し、かつ中心軸からの平
均距離をrm、前記2個の電流搬送手段の中心軸からの
平均距離をr1及びr2(ただしr1<r2)としたと
き、 r1<rm<r2 の関係が成り立つように配置することにより達成され
る。
【0019】
【発明の実施の形態】磁化した磁性体が作る磁場を考察
する。図27に示すように、極座標系(r,θ,φ)に
おいて、点Q(f,α,ψ)にz軸方向の磁化dm、ま
たは電流素片dsがあるとする。電流源に内接する球の
内部領域では磁場はラプラス方程式に従い、その一般解
は、
【0020】
【数1】
【0021】と表せる。コイルは軸対称形状であるか
ら、その作る磁場は上式において、m=0とおいて次式
で表せる。
【0022】
【数2】
【0023】ここに、Pn,Pn mはルジャンドル関数お
よび陪ルジャンドル関数、Dn,An m,Bn mは展開係数
であり、不整磁場の強度を表す。特にD0 は均一磁場の
強度である。上の式は直交関数による展開式である。従
って、各項の磁場はそれぞれ独立であり、互いに従属す
ることはない。
【0024】図21中のz軸方向の磁化dmが点Pに作
る磁場のz成分は次のように表される。
【0025】
【数3】
【0026】ここで、εmはノイマン係数である。この
式と(数1)を比較すると、磁化dmが作る磁場の展開
係数は次式となる。
【0027】
【数4】
【0028】
【数5】
【0029】この式から分かるように、An mまたはBn m
は、cosmψまたはsinmψが±1になるとき絶対値が最
大になる。いま、磁化dmによって最大の正の値のAn m
を発生させたいとすると、cosmΨ=1より、次式を得
る。
【0030】
【数6】
【0031】従って、例えばm=4の不整磁場を消去し
たい場合は、
【0032】
【数7】
【0033】の位置に磁化dmを配置すれば効果的に大
ききな強度のAn mを発生できることが分かる。この配置
は中心軸に関する4回の回転対称を持つ配置である。
【0034】ここで、等しい大きさの4個の磁化dmを
上式の位置に配置すると、これらが作る磁場の展開係数
n mは次のようになる。
【0035】
【数8】
【0036】ただし、
【0037】
【数9】
【0038】従って、中心軸の回りに4回の回転対称を
持つ配置の磁化は、m=4k(k=0,1,2,…)の
非軸対称な磁場An 4kだけを作る。
【0039】従って、均一磁場領域に(数1)における
次数mの不整磁場があり、磁場均一度を悪化させている
場合は、中心軸に関してm回の対称性を持つ磁化を配置
すれば、他の次数の不整磁場を発生することなく、次数
mの不整磁場を消去できる。磁化としては、鉄片を配置
して外部磁場によって磁化したものを用いる方法が一般
的であるが、希土類磁石のような永久磁石を用いること
もできる。
【0040】磁化した鉄片または永久磁石を冷却容器内
部に設置することにより以下のような効果がある。一般
に、強磁性材料の磁化特性(B−H特性)は温度に依存
する。また、着磁した永久磁石の磁化強度も温度へ依存
性が強い。従って、ppm オーダーの磁場均一度が要求さ
れるMRI装置用マグネットでは、磁場均一度を達成も
しくは補正する手段として強磁性材料または永久磁石を
使う場合は、強磁性材料または永久磁石の温度を一定に
保つ必要がある。冷却容器に液体ヘリウムを溜めて超電
導コイルを冷却する場合は、冷却容器内部の温度は4.
2K に保たれる。また、液体ヘリウムを用いずに、冷
凍機によって直接に冷却容器を冷却する場合も、冷却容
器内部の温度は例えば10Kなどに一定に保たれる。従
って冷却容器内部に強磁性材料または永久磁石を設置す
る場合は、室温の変化,MRI装置運転時の発熱等の影
響を全く受けることなく、強磁性材料または永久磁石の
温度を一定に保つことができる。従って、時間的に安定
した均一磁場を得ることができる。更に、強磁性材料の
透磁率および磁化した永久磁石の磁化強度は、室温より
も4.2K 等の低温状態の方が高い。従って、同じ質量
の強磁性材料または永久磁石を用いる場合、強度の強い
磁化を利用することができるから高い効率で不整磁場を
補正することができる。
【0041】次に、同心円状の極性の異なるコイルが隣
接している場合に、両コイルの間に強磁性材料を配置す
る場合の効果を以下に記述する。同心状の正極性コイル
と負極性コイルが、中心軸に関して概ね同じ軸方向位置
にある場合の両コイル近傍の磁束線の様子を図21に示
す。正極性コイルと負極性コイルの間に磁束線が集中
し、磁束密度が大きくなる。従って、この位置に強磁性
体を配置することにより、強磁性体を強い強度に磁化す
ることができる。またこの位置でのコイルによる磁場の
方向は概ねz軸方向を向いているから、強磁性体を概ね
z軸方向に磁化することができ、磁化の方向を中心磁場
強度を高める方向にすることができる。従って同一の中
心磁場強度を達成する場合、コイルが作る中心磁場強度
を小さくすることができる。図21に示すような正極性
コイルと負極性コイルの隣接配置は、主に均一な磁場を
発生するために用いられるが、中心磁場強度の発生効率
が悪く、全コイルの起磁力の絶対値和が大きくなる欠点
がある。前述したように、正極性コイルと負極性コイル
の間に強磁性体を配置すると、コイルが作る中心磁場強
度を小さくできるので、特に隣接した正極性コイルと負
極性コイルの間の効率が上がり、全コイルの起磁力の絶
対値和を小さくすることができる。また、図21に示す
マグネットの上側をx−y平面に投影した図を図22に
示す。ここでは強磁性体は円環状形状をしているとす
る。z軸方向に磁化した円環状強磁性体は、等価的に図
22に示すような表面電流に置き換えることができる。
この表面電流の方向は、隣接するコイルの電流の方向と
同じであるから、正極性コイルと負極性コイルの起磁力
を負担する効果があり、コイルの起磁力を低減すること
ができる。
【0042】図1は、本発明の実施例による開放型MR
I装置用超電導マグネットの断面図。図2は、図1のマ
グネットの構成要素のうち超電導コイルと強磁性体要素
のみをx−y平面に投影した図。
【0043】この超電導マグネットは、洩れ磁場を抑制
するために、外周部を強磁性体で包囲している。この構
造は、新規に提案されている構造として説明した図25
および図26と基本的に同一である。具体的には、上下
の真空容器4,4′の周囲を円盤状外部強磁性体1,
1′及び円筒状外部強磁性体2,2′で包囲し、上下を
支柱状外部強磁性体3,3′によって磁気的に連結して
いる。ここで用いる外部強磁性体及び以下に記述する冷
却容器内部に設置する強磁性体としては、磁気的に強磁
性を示すものであればよく、種々の材料が使用できる
が、磁気的特性,コスト,機械強度からすれば、一般に
は鉄が望ましい。また、強磁性体の重量を軽減したい場
合には、透磁率の高い材料を使うこともできる。このよ
うに周囲を外部強磁性体で囲むことで、装置外部に発生
する磁束について磁路が形成されるので、漏洩磁場が遠
方にまで広がることを抑制できる。この構造のMRI装
置用マグネットは、被検者のアクセス空間を作るために
外周部を包囲する外部強磁性体が図23に示すように非
軸対称な形状になる。従って、外部強磁性体に起因する
(数1)におけるm=2の不整磁場が発生し、均一磁場
領域7における磁場均一度を悪化させる。
【0044】超電導コイル8,8′,9,9′,10,
10′はマグネット中央の均一磁場領域を挟んで上下に
ほぼ対称に設置されていて、垂直方向すなわち図1のz
軸方向の均一な磁場を、均一磁場領域7に発生する。上
下の超電導コイルはそれぞれの冷却容器5,5′内部に
設置され、上下の冷却容器はそれぞれ真空容器4,4′
に内包されている。さらに、図1では簡単のため省略し
たが、超電導コイルを支持する構造があり、また真空容
器と冷却容器の間には輻射熱の侵入を防ぐ熱シールドが
ある。冷却容器内部には液体ヘリウムが溜められ、超電
導コイルを極低温の4.2K に冷却する。
【0045】上下の真空容器はその間にある支柱6によ
って所定の距離を維持して保持される。この支柱6は機
械的に上下の真空容器4,4′を支える働きをしている
が、上下の冷却容器を熱的に接続する働きを持たせても
良い。そうすることで、冷凍機を上下に1台ずつ設ける
必要がなくなり、システムに1台の冷凍機で間に合わせ
ることが可能になる。また、支柱6及び支柱状強磁性体
3の本数も図示の2本に限定する必要はなく、3本,4
本と増やすこともできるし、開放感を得るためには、片
持ちの1本の支柱としてもよい。
【0046】本発明では、超電導コイル8,8′,9,
9′,10,10′の位置と起磁力を調節することによ
り均一磁場領域7に発生させている。しかし上述したよ
うに外部強磁性体に起因する(数1)におけるm=2の
非軸対称な不整磁場が発生し磁場均一度を悪化させてい
る。
【0047】本発明では、更に冷却容器内5,5′に中
心軸に関して2回の回転対称性を持つ強磁性体要素1
1,11′,12,12′を配置している。これらの強
磁性体要素は、(数1)におけるm=2の磁場を発生
し、外部強磁性体が発生しているm=2の不整磁場を打
ち消して、均一磁場領域7内の磁場分布を均一にしてい
る。図2の実施例では、強磁性体要素11,11′,1
2,12′はx軸上にあるが、不整磁場の位相に対応し
て、中心軸に関して回転させても良い。
【0048】図3は、本発明の他の実施例による開放型
MRI装置用超電導マグネットの断面図。図4は、図3
のマグネットの構成要素のうち冷却容器と強磁性体要素
のみをx−y平面に投影した図。本実施例では、(数
1)におけるm=2の不整磁場を補正するための強磁性
体要素の他の配置方法を示している。強磁性体要素1
3,13′,14,14′,15,15′,16,1
6′,17,17′は強磁性体群を形成し、強磁性体群
が中心軸に関して2回の回転対称性を持つように配置さ
れていて、(数1)におけるm=2の磁場を発生し、外
部強磁性体が作るm=2の不整磁場を打ち消している。
本実施例のように複数の強磁性体要素からなる強磁性体
群がk回の回転対称性を持つ場合も、(数1)における
m=kの磁場を選択的に発生するから、(数1)におけ
るm=kの不整磁場を効果的に打ち消すことができる。
【0049】図5,図6,図7及び図8は、本発明の他
の実施例による開放型MRI装置用超電導マグネットの
構成要素のうち冷却容器と強磁性体要素のみをx−y平
面に投影した図。
【0050】図5では強磁性体要素からなる強磁性体要
素群18が中心軸であるz軸に関して1回の回転対称性
を持つように配置され、(数1)におけるm=1の磁場
を発生し補正する。
【0051】図6では強磁性体要素からなる3個の強磁
性体要素群18が強磁性体群を形成し、この強磁性体群
が中心軸であるz軸に関して3回の回転対称性を持つよ
うに配置され、(数1)におけるm=3の磁場を発生し
補正する。
【0052】図7では強磁性体要素からなる4個の強磁
性体要素群18が強磁性体群を形成し、この強磁性体群
が中心軸であるz軸に関して4回の回転対称性を持つよ
うに配置され、(数1)におけるm=4の磁場を発生し
補正する。
【0053】図8では強磁性体要素からなる2個の強磁
性体要素群18が第1の強磁性体小群を形成し、第1の
強磁性体小群が中心軸であるz軸に関して2回の回転対
称性を持つように配置され、(数1)におけるm=2の
磁場を発生し補正する。同時に、強磁性体要素からなる
4個の強磁性体要素群19が第2の強磁性体小群を形成
し、第2の強磁性体小群が中心軸であるz軸に関して4
回の回転対称性を持つように配置され、(数1)におけ
るm=4の磁場を発生し補正する。従って、第1の強磁
性体小群および第2の強磁性体小群からなる強磁性体群
は、(数1)におけるm=2,4の磁場を同時に発生し
m=2,4の不整磁場を補正している。本実施例のよう
に、強磁性体群を異なる対称性を持つ強磁性体小群から
構成し、次数の異なる不整磁場を同時に補正することが
できる。
【0054】図9は、本発明の他の実施例による開放型
MRI装置用超電導マグネットの断面図。図10は、図
9のマグネットの構成要素のうち強磁性体要素のみの斜
視図。円盤状強磁性体23は中心から外周部までの距離
を変化させることにより、中心軸であるz軸に関して2
回の回転対称性を持つように配置されている。従って、
(数1)におけるm=2の磁場を発生し、均一磁場領域
7内の磁場を均一になるように補正している。更に、円
盤状強磁性体23は中心磁場強度を高める作用が強いの
で、超電導コイル20,20′,21,21′,22,
22′の起磁力を低減することができ、マグネットのコ
ストを下げることができる。本実施例では、円盤状強磁
性体23は2回の回転対称性を持っているが、不整磁場
の次数に対応して1回,3回,4回,5回・・・の回転
対称性を持つような形状としてもよい。
【0055】図11は、本発明の他の実施例による開放
型MRI装置用超電導マグネットの断面図。図12は、
図11のマグネットの構成要素のうち強磁性体要素のみ
の斜視図。円盤状強磁性体24は各部の厚さを変化させ
ることにより、中心軸であるz軸に関して2回の回転対
称性を持つように配置されている。従って、(数1)に
おけるm=2の磁場を発生し、均一磁場領域7内の磁場
を均一になるように補正している。更に、円盤状強磁性
体24は中心磁場強度を高める作用が強いので、超電導
コイル20,20′,21,21′,22,22′の起
磁力を低減することができ、マグネットのコストを下げ
ることができる。本実施例では、円盤状強磁性体23は
2回の回転対称性を持っているが、不整磁場の次数に対
応して1回,3回,4回,5回・・・の回転対称性を持
つような形状としてもよい。
【0056】図13は、本発明の他の実施例による開放
型MRI装置用超電導マグネットの断面図。図14は、
図13のマグネットの構成要素のうち強磁性体要素のみ
の斜視図。冷却容器5の内部には円盤状強磁性体25,
強磁性体要素26,26′,27,27′,28,2
8′が配置されている。強磁性体要素26,26′は第
1の強磁性体小群を形成し、中心軸であるz軸に関して
2回の回転対称性を持つ。強磁性体要素27,27′,
28,28′は第2の強磁性体小群を形成し、中心軸で
あるz軸に関して4回の回転対称性を持つ。すなわち本
実施例では、2回および4回の回転対称性を持つ第1お
よび第2の強磁性体小群と概ね円盤状形状を有する円盤
状強磁性体が強磁性体群を形成している。円盤状強磁性
体25は中心磁場強度を高める作用をし、一方第1およ
び第2の強磁性体小群はそれぞれ(数1)におけるm=
2およびm=4の磁場を発生し、均一磁場領域7内の磁
場を均一になるように補正している。
【0057】図15は、本発明の他の実施例による開放
型MRI装置用超電導マグネットの断面図。図16は、
図15のマグネットの構成要素のうち超電導コイルと強
磁性体要素のみをx−y平面に投影した図。冷却容器内
部には超電導コイル31,32,正極超電導コイル29
および負極超電導コイル30がある。正極性超電導コイ
ル29と負極超電導コイル30は電流の方向が逆向きで
ある。正極性超電導コイル29と負極超電導コイル30
の間には、円環状強磁性体33があり、中心磁場強度を
高め、超電導コイルの起磁力の絶対値和を低減する作用
をしている。本実施例では、特に正極超電導コイル29
と負極超電導コイル30の起磁力を低減しているので、
各コイル間の電磁力も小さくなり電磁力支持構造も軽量
化されている。従って、本実施例ではマグネットの製造
コストが低減されている。
【0058】図17は、本発明の他の実施例による開放
型MRI装置用超電導マグネットの断面図。図18は、
図17のマグネットの構成要素のうち強磁性体要素のみ
の斜視図。正極超電導コイル29と負極超電導コイル3
0の間に配置された円環状強磁性体34は、各部の高さ
を変えることにより中心軸であるz軸に関して2回の回
転対称性を持つように配置されている。従って、(数
1)におけるm=2の磁場を発生し、均一磁場領域7内
の磁場を均一になるように補正している。また正極超電
導コイル29と負極超電導コイル30の間に配置された
円環状強磁性体34は、起磁力を低減する作用があるの
で、マグネット全体の起磁力の絶対値和を低減してお
り、製造コストが低減している。
【0059】図19は、本発明の他の実施例による開放
型MRI装置用超電導マグネットの断面図。図20は、
図19のマグネットの構成要素のうち強磁性体要素のみ
の斜視図。正極超電導コイル35と負極超電導コイル3
6の間に、中心軸に関して2回の回転対称性を持つ円環
状強磁性体40が配置され、更に円盤状強磁性体39が
配置されている。両強磁性体の併用により、コイルの起
磁力は大幅に低減しており、更に円環状強磁性体40が
発生する(数1)におけるm=2の磁場により、外部強
磁性体に起因する不整磁場を打ち消して、均一磁場領域
7における磁場分布を均一にしている。
【0060】
【発明の効果】以上に説明した如く本発明によれば、超
電導磁石装置において、広い開口を備え、漏洩磁場が少
なく、高い磁場強度において、時間的に安定で広い均一
磁場発生領域を得られる超電導磁石を低廉な製造原価で
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図2】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図3】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図4】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図5】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図6】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図7】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図8】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図9】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図10】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図11】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図12】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図13】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図14】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図15】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図16】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図17】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図18】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図19】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図20】本発明に関わる超電導磁石装置の模式図。
【図21】本発明の効果を示す特性図。
【図22】本発明の効果を示す特性図。
【図23】従来技術による超電導磁石装置の一実施例を
示す説明図。
【図24】従来技術による超電導磁石装置の一実施例を
示す説明図。
【図25】従来技術による超電導磁石装置の一実施例を
示す説明図。
【図26】従来技術による超電導磁石装置の一実施例を
示す説明図。
【図27】本発明に関わる電磁気現象の説明図。
【符号の説明】
1,1′,49…円盤状外部強磁性体、2、2′,50
…円筒状外部強磁性体、3,3′,51…支柱状外部強
磁性体、4,41,45,53…真空容器、5,5′,
42,56…冷却容器、6,52…支柱、7,44,5
5…均一磁場領域、8,9,10,20,21,22,
31,32,37,38,43,54,61,62…超
電導コイル、11,12,13,14,15,16,1
7,26,27,28…強磁性体要素、18,19…強
磁性体要素群、23,24,25,39…円盤状強磁性
体、29,35…正極超電導コイル、30,36…負極
超電導コイル、33,34,40,60…円環状強磁性
体、46…ポールピース、47…鉄板、48…鉄ヨー
ク、57…磁束線、63…磁化に等価な電流。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日野 徳昭 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 原 伸洋 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 竹島 弘隆 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 (72)発明者 川野 源 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超電導特性を有する物質から構成され、有
    限の領域に第1の方向に向かう均一磁場を発生させるた
    めの電流を流す静磁場発生源2組が、該静磁場発生源を
    超電導特性を示す温度まで冷却し、維持するための冷却
    容器に1組ずつ収容され、前記均一磁場領域を間に挟ん
    で対向して配置され、前記冷却容器内部に強磁性体から
    なる強磁性体群を配置する超電導磁石装置において、前
    記強磁性体群が1乃至複数の強磁性体小群からなり、前
    記強磁性体小群の少なくとも1つに対して整数n(ただ
    しnは1以上)が対応し、該強磁性体小群が、前記第1
    の方向に平行で前記均一磁場領域のほぼ中心を通る第1
    の軸に関して該n回の回転対称性を持つように配置する
    ことにより前記均一磁場領域内部の磁場分布を補正する
    ことを特徴とする超電導磁石装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の超電導磁石装置において、
    強磁性体群は外形がほぼ平坦な円盤状形状を有する円盤
    状強磁性体を含み、かつ前記静磁場発生源の構成要素の
    一部若しくは全部が前記円盤状強磁性体の面からほぼ等
    距離の位置にほぼ平行に配置されることを特徴とする超
    電導磁石装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の超電導磁石装置において、
    前記円盤状強磁性体はほぼ完全な円盤形状を有すること
    を特徴とする超電導磁石装置。
  4. 【請求項4】請求項2記載の超電導磁石装置において、
    前記円盤状強磁性体はその厚さまたは幅が径方向または
    周方向の位置によって変化することを特徴とする超電導
    磁石装置。
  5. 【請求項5】請求項2または4のいずれかに記載の超電
    導磁石装置において、前記円盤状強磁性体に対して整数
    m(ただしmは1以上)が対応し、前記第1の軸に関し
    て該m回の回転対称性を持つことを特徴とする超電導磁
    石装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の超電導磁石装置において、
    強磁性体群は円環状強磁性体を含み、かつ前記静磁場発
    生源の構成要素の一部若しくは全部が前記円環状強磁性
    体の面からほぼ等距離の位置にほぼ平行に配置されるこ
    とを特徴とする超電導磁石装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の超電導磁石装置において、
    前記円環状強磁性体はほぼ完全な円環形状を有すること
    を特徴とする超電導磁石装置。
  8. 【請求項8】請求項6記載の超電導磁石装置において、
    前記円環状強磁性体はその厚さまたは幅が径方向または
    周方向の位置によって変化することを特徴とする超電導
    磁石装置。
  9. 【請求項9】請求項6または8のいずれかに記載の超電
    導磁石装置において、前記円環状強磁性体に対して整数
    m(ただしmは1以上)が対応し、前記第1の軸に関し
    て該m回の回転対称性を持つことを特徴とする超電導磁
    石装置。
  10. 【請求項10】超電導特性を有する物質から構成され、
    有限の領域に第1の方向に向かう均一磁場を発生させる
    ための電流を流す静磁場発生源2組が、該静磁場発生源
    を超電導特性を示す温度まで冷却し、維持するための冷
    却容器に1組ずつ収容され、前記均一磁場領域を間に挟
    んで対向して配置され、前記冷却容器内部に強磁性体か
    らなる1乃至複数の強磁性体小群から構成される強磁性
    体群を配置し、前記静磁場発生源2組のうち少なくとも
    1組が、少なくとも2個の軸対称な電流搬送手段から構
    成され、該電流搬送手段のうち2個の電流搬送手段が、
    前記第1の方向に平行で前記均一磁場領域のほぼ中心を
    通る第1の軸に関して、概ね同一の軸方向位置にあり互
    いに逆向きの電流を搬送する超電導磁石装置において、
    前記強磁性体群の少なくとも一部を、前記第1の軸に関
    して前記2個の電流搬送手段と概ね同一の軸方向位置に
    あり、該第1の軸からの平均距離をrm、該2個の電流
    搬送手段の該第1の軸からの平均距離をr1及びr2
    (ただしr1<r2)としたとき、 r1<rm<r2 の関係が成り立つように配置することにより、前記均一
    磁場領域の内部の磁場分布を補正し、該電流搬送手段の
    起磁力を低減することを特徴とする超電導磁石装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の超電導磁石装置におい
    て、前記第1の軸に関して前記2個の電流搬送手段と概
    ね同一の軸方向位置にあり、該第1の軸からの平均距離
    がrm、該2個の電流搬送手段の該第1の軸からの平均
    距離がr1及びr2(ただしr1<r2)であるとき、 r1<rm<r2 の関係が成り立つように配置された該強磁性体小群に対
    して整数m(ただしmは1以上)が対応し、前記第1の
    軸に関して該m回の回転対称性を持つことを特徴とする
    超電導磁石装置。
  12. 【請求項12】請求項10記載の超電導磁石装置におい
    て、前記第1の軸に関して前記2個の電流搬送手段と概
    ね同一の軸方向位置にあり、該第1の軸からの平均距離
    がrm、該2個の電流搬送手段の該第1の軸からの平均
    距離がr1及びr2(ただしr1<r2)であるとき、 r1<rm<r2 の関係が成り立つように配置された該強磁性体小群が、
    円環状形状であることを特徴とする超電導磁石装置。
  13. 【請求項13】請求項12記載の超電導磁石装置におい
    て、前記円環状形状の強磁性体小群が、前記第1の軸に
    関して軸対称であることを特徴とする超電導磁石装置。
  14. 【請求項14】請求項12記載の超電導磁石装置におい
    て、前記円環状形状の強磁性体小群が、周方向の位置に
    よって軸方向及び径方向の幅が変わることを特徴とする
    超電導磁石装置。
  15. 【請求項15】請求項12または14のいずれかに記載
    の超電導磁石装置において、前記円環状形状の強磁性体
    小群に対して整数m(ただしmは1以上)が対応し、前
    記第1の軸に関して該m回の回転対称性を持つことを特
    徴とする超電導磁石装置。
  16. 【請求項16】請求項1乃至15のいずれかに記載の超
    電導磁石装置において、前記強磁性体群または前記強磁
    性体小群または前記円盤形状強磁性体または前記円環形
    状強磁性体が前記電流搬送手段を保持する手段の少なく
    とも一部を兼ねることを特徴とする超電導磁石装置。
  17. 【請求項17】請求項1乃至16のいずれかに記載の超
    電導磁石装置において、前記強磁性体群または前記強磁
    性体小群または前記円盤形状強磁性体または前記円環形
    状強磁性体が前記冷却容器の少なくとも一部を兼ねるこ
    とを特徴とする超電導磁石装置。
  18. 【請求項18】請求項1乃至17のいずれかに記載の超
    電導磁石装置において外部への漏れ磁場を抑制するため
    に前記冷却容器の周囲に強磁性体より構成される外部強
    磁性体構造を配置することを特徴とする超電導磁石装
    置。
  19. 【請求項19】請求項1乃至18のいずれかに記載の超
    電導磁石装置を用いた磁気共鳴イメージング装置。
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