JPH11100350A - テレフタル酸の製造法 - Google Patents

テレフタル酸の製造法

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JPH11100350A
JPH11100350A JP26334497A JP26334497A JPH11100350A JP H11100350 A JPH11100350 A JP H11100350A JP 26334497 A JP26334497 A JP 26334497A JP 26334497 A JP26334497 A JP 26334497A JP H11100350 A JPH11100350 A JP H11100350A
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JP
Japan
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terephthalic acid
slurry
pulverization
particle size
treatment
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JP26334497A
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Tsukasa Kawahara
司 川原
Akihiko Toyosawa
明彦 豊沢
Eiji Dejima
栄治 出島
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエチレンテレフタレートの製造において
テレフタル酸をグリコール類と直接反応させるいわゆる
直接重合法に適したスラリー特性に優れたテレフタル酸
を得る。また、テレフタル酸の輸送、貯蔵等で問題にな
る粉体の流動性に優れたテレフタル酸を製造する。 【解決手段】 テレフタル酸スラリーを固液分離してテ
レフタル酸結晶を取得し、これを乾燥して製品テレフタ
ル酸とするテレフタル酸の製造法において、テレフtル
酸スラリーの一部を抜き取って湿式粉砕機による微粉砕
処理したのちに再混合することを特徴とするテレフタル
酸を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はテレフタル酸の製造
方法に関する。詳しくは、ポリエチレンテレフタレート
などのポリエステルの製造原料として粉体特性、及びス
ラリー特性的に好適なテレフタル酸の製造法に関する。
すなわち本発明の要旨は、パラキシレンを分子状酸素で
液相酸化して得られたテレフタル酸スラリー、又はパラ
キシレンの液相酸化で得た粗テレフタル酸を、水性溶媒
を媒体として還元条件下で精製処理した後に晶析させた
スラリーの一部を、湿式粉砕機により処理して再混合す
ることにより、ポリエチレンテレフタレートの製造にお
いてテレフタル酸をグリコール類と直接反応させるいわ
ゆる直接重合法に適したスラリー特性、及び、テレフタ
ル酸の輸送、貯蔵等で問題になる粉体の流動性に優れた
テレフタル酸の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明で対象となるテレフタル酸の製造
は、通常、パラキシレンを低級脂肪族カルボン酸、例え
ば酢酸溶媒中でコバルト、マンガン等の遷移金属化合物
及び臭素化合物を含む触媒の存在下、170〜230℃
の温度条件下で分子状酸素で液相酸化することにより実
施される。生成した粗テレフタル酸は、重量基準で10
00〜10000ppm程度の4−カルボキシベンズア
ルデヒドをはじめとして、各種の不純物を比較的多量に
含むため、パラキシレンを酸化したあとに精製のための
処理が行なわれる。
【0003】精製のための第一の方法は、パラキシレン
を酸化したあとに当該反応温度よりもさらに高温下、追
酸化処理する方法である。第二の精製方法としては、パ
ラキシレンの液相酸化で得た粗テレフタル酸を酢酸溶媒
から分離した後に水性媒体のスラリーとし、これを加熱
溶解させて高温、高圧下、白金族触媒の存在下で水素を
添加して還元精製する方法(特公昭41−16860)
が知られている。
【0004】かかる方法で精製したテレフタル酸のスラ
リー、又は水溶液は、直列に接続した複数の晶析槽で段
階的に冷却されて、溶媒中に溶解しているテレフタル酸
を析出させたのちに遠心分離等により分離し、必要に応
じて洗浄処理し、乾燥してポリエステルの原料として使
用される(以下、このような精製方法で得られたテレフ
タル酸について、低級脂肪族カルボン酸溶媒中でのスラ
リーを「Q−TPAスラリー」といい、水性溶媒中での
スラリーを「P−TPAスラリー」という。)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】テレフタル酸とグリコ
ール類を直接反応させる、いわゆる直接重合法によるポ
リエステル、特にポリエチレンテレフタレートの製造に
おいては、テレフタル酸はエチレングリコール等と混合
してスラリー状態で反応系へ送られるが、その際、混合
時の撹拌に要する動力が小さく、移送時の当該スラリー
の粘度が低く、流動性に優れていること、また反応の均
一性の高いテレフタル酸が望まれている。さらに、テレ
フタル酸の輸送や貯蔵等、粉体の取り扱いにおいても良
好な流動性が要求されている。
【0006】このようなテレフタル酸の良好なスラリー
性、反応の均一性を得るにはテレフタル酸に対し多量の
グリコール類を用いれば良いが、過剰量のグリコールは
重縮合反応の際、副反応生成物の発生が増え、ポリマー
の融点、重合度の低下、さらには着色の原因となる。こ
れらの欠点を避ける為にはグリコール類を化学理論量に
極力近付ければ良いが、グリコール類の使用量を減ずる
とスラリーの調製槽、及び反応器での撹拌所要動力が増
大し、流動性、反応性を悪くして反応所要時間が長くな
る等の問題がある。また、大粒径のテレフタル酸粒子が
多くなると、重縮合反応で未反応テレフタル酸が増加す
るため、例えば200ミクロンを超えるような粒子は少
ない方が望ましい。
【0007】従って、グリコール類の必要最低量で良好
な流動性、反応性を有するスラリーを形成するテレフタ
ル酸が直接重合の原料として好適である。このような性
状はテレフタル酸粒子の粒度分布に依存するところが大
きく、それを適正化することが重要な要素である。しか
しながら、上記したテレフタル酸の製法において、テレ
フタル酸の析出時の晶析条件を調整して粒度分布を制御
するのは相当に困難である。その理由の一つには、テレ
フタル酸結晶の析出時の条件が、主としてテレフタル酸
結晶中の不純物濃度の制御を目的として設定されるた
め、粒度分布の制御のために許容される操作範囲が狭い
ことが挙げられる。
【0008】従来、テレフタル酸の粒度分布を制御する
ために提案されている方法として、特開昭48−297
35には平均粒径100ミクロン以上のテレフタル酸粒
子と同50ミクロン以上のテレフタル酸粒子を70〜8
5%対30〜15%で混合する方法が記載されている。
また、特公昭49−20303には溶解度の小さい溶媒
に懸濁したスラリー状態で、ポンプによる循環撹拌処理
を行なうことにより、粒径を減少させながらしだいに見
かけ密度を向上し、良好なスラリー性を有するテレフタ
ル酸を得る方法が記載されている。
【0009】上述の特開昭48−29735の方法で
は、異なった条件で製造したテレフタル酸を別々に貯蔵
したのち混合する設備、或いは2種類以上の晶析工程が
必要になり、設備的にも経済的にも有利な方法とはいえ
ない。また、特公昭49−20303に記載の方法によ
れば、スラリーの全量を処理するため、粒径が全体的に
小さくなって粉体の流動性が悪化したり、又ポンプによ
る粒径減少効果は比較的小さく、所望の見かけ密度を得
るまでに長時間を要するというような問題がある。
【0010】さらに、特開昭56−95921にはテレ
フタル酸の結晶を溶媒の不存在下に昇温度において容器
内で磨砕処理に付する方法が記載されているが、これで
は乾燥粉体をハンドリングするために複雑な設備や磨砕
のための大きな動力を必要とし、また容器の摩耗が激し
いなどの問題がある。したがって、本発明の目的は、テ
レフタル酸をグリコール類と直接反応させる、いわゆる
直接重合法に適したスラリー特性、及び反応性を有し、
且つ粉体流動性を同時に満足するようなテレフタル酸の
粒度分布を容易に制御することの出来る製造方法を提供
せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記実状
に鑑み鋭意検討を行なった結果、テレフタル酸粒子の粉
体流動性やスラリー特性、及び反応性は、テレフタル酸
の粒度分布と粒子形状を最適な状態に設計することによ
り達成され、その手段として上記のテレフタル酸(Q−
TPA、又はP−TPA)の製造法において、それぞれ
のスラリーの一部を抜き取り、湿式粉砕機により処理し
た後に再混合することにより可能であることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0012】上述のような要望されているテレフタル酸
の特性を同時に満足させるための粒度分布目標は、グリ
コール類と混合したスラリーや粉体のテレフタル酸のハ
ンドリング方法、設備の能力等との関係もあって一律に
論じることはできないが、概念的にはグリコール類との
反応性の観点から粗大粒子の量、例えばふるい分け法で
210μm以下は10重量%以下、好ましくは5重量%
以下である。微細な粒子の量はスラリー特性的には多い
ほうが好ましいが、粉体流動性的には少ないほうがよ
く、両特性を満足させるためには例えば、ふるい分け法
の44μm以下が5〜35重量%、好ましくは10〜2
5重量%である。
【0013】このような総合的に好適なテレフタル酸の
性状を前述した晶析プロセスで出現させるのは限界があ
り困難である。本発明者等は、その手段について多角的
に研究を進めた結果、前述したようなテレフタル酸の製
造工程や精製工程の中で、スラリー状態にあるテレフタ
ル酸に対し、そのスラリーの一部を抜き取って湿式粉砕
処理した(この粉砕処理を「微粉砕処理」と称す)後、
再混合することにより所望の性状のテレフタル酸が容易
に得られることが判明した。
【0014】すなわち、本発明の主旨である、スラリー
の一部を湿式粉砕処理した後に再混合するということ
は、概念的には一部のテレフタル酸粒子を粉砕処理して
微粉化し、再混合することによって、例えばふるい分け
法の44μm以下の粒子を所望の量に増加させて、グリ
コール類と混合した場合のスラリー特性を改善すること
を意味している。
【0015】粒度分布のなかで所望の微粉量を確保する
手段としてスラリーの全量を粉砕処理に供した場合は、
処理流量や動力の大きな粉砕機を必要とするばかりでな
く、粗粉量の減少も大きく直接的に粉体流動性の悪化を
引き起こす原因になるため好ましいことではない。粉砕
処理により生成する微粉には、粗大なテレフタル酸粒子
の破砕や割れが進行したものと磨砕によるものが代表的
であるが、いずれのものでも本発明の目的は達成され
る。
【0016】スラリーの一部を抜き取って微粉砕するた
めの場所、及びスラリーに再混合する場所は前述の晶析
槽、洗浄槽等のスラリー帯域であればどこでもよく、こ
れらの槽と粉砕処理のための槽は兼ねてもよいし、別々
に設置してもよい。場合によっては必ずしも槽を設けず
にスラリーラインから分岐したラインの途中に直接に湿
式粉砕機を接続して微粉砕処理後に合流させることもで
きる。
【0017】また、スラリーの一部を粉砕処理するに専
用の槽を設ける場合は、その処理を連続流通方法で行な
うのが好ましいが、一、又は二以上の複数の槽を設けて
回分法で微粉砕処理し、必要なら粒度分布を確認してか
ら抜き取った残りのスラリーと合流、混合させることも
可能である。微粉砕のために抜き取るスラリー量は、全
体のスラリー量に対して通常は50重量%以下、好まし
くは5〜45重量%であるが、この量は製品テレフタル
酸中の微粉量が上述の目標値になるように、粉砕処理前
のスラリー中のテレフタル酸の粒度分布、及び微粉砕機
のスラリー流通能力や粉砕力等を勘案して決められる。
【0018】用いる湿式粉砕機としては通称、体積粉砕
機が適し、使用可能な形式の例としては高速回転粉砕
機、撹拌ミル、コロイドミル、ボールミル等があり、そ
れぞれの特徴、処理能力、及び操作性等を勘案して選定
されるが、本発明の主旨であるスラリーの一部を抜き取
った比較的少流量を強粉砕するので、いずれの形式でも
その目的を達成できる。
【0019】しかし、媒体にビーズ、ピン等を用いる撹
拌ミルや石臼タイプのコロイドミル、及びボールミル等
は粉砕処理中にそれらの媒体の摩耗が進み、製品のテレ
フタル酸を汚染することがあるため、採用する場合には
品質管理に細心の注意をはらう必要がある。通常は、製
品の汚染、粉砕力や流量等のコントロール性、保守、管
理等の面で高速回転粉砕機が好ましい。
【0020】一方、製品として得られるテレフタル酸中
にグリコール類との反応性に影響するような粗粉、例え
ば210μm以上の粒子量が目標よりも多く、低減の必
要があるときは、微粉化のために一部を抜き取る前のス
ラリーの全量、及び/又は抜き取った後のスラリーの全
量を別の湿式粉砕機を用いたり、再混合した後のスラリ
ーの全量を比較的弱い力で処理するのが効果的である。
【0021】このような比較的弱い力による粉砕処理操
作(以下「粗粉砕」といい、本発明で必須とする粉砕を
「微粉砕」という。)は、複数の操作を組み合わせても
良い。この粗粉砕は、本発明において必ずしも必須の要
件ではないが、発明の効果を助長するための一手段とし
て有効である。比較的弱い粉砕処理をしたときの粒子の
粉砕過程を観察すると、粒子が割れるような破砕現象は
ほとんどみられず、粒子の表面がすこし削られるような
処理、いわゆる「磨砕」の部類の処理になっており、同
時に処理を受けた全粒子のカドがとれて形状が丸みを帯
びており、前述のスラリーの一部を強粉砕処理した場合
とはまったく異なる粉砕処理である。それにより粗大粒
子の量が減少し、同時に処理を受けた全粒子のカドがと
れて形状が丸みを帯びる様子が観察されるため、これも
スラリー特性や粉体流動性の向上に関係している。
【0022】粗粉砕処理をするための温度帯域は特に限
定されないが、溶媒へのテレフタル酸の溶解度が1%を
超える高温域では結晶の組み替えと粉砕機による粒子破
砕が並行するため、粒子の丸みが一段と向上し、表面も
緻密な様相を呈するようになり処理効果がより大きくな
り好ましい。しかし、必要以上の高温域では粉砕機の耐
圧力、及び溶媒の種類によっては耐蝕性が問題になるこ
とがあるため、それらとの関係で限界温度の帯域が決め
られる。通常は、Q−TPAスラリー、P−TPAスラ
リーのいずれも75℃〜200℃、好ましくは70〜1
60℃の温度域である。
【0023】粗粉砕処理に用いる粉砕機は通称、「表面
粉砕機」が適し、なかでも比較的流量が多く、且つ弱い
力で粒子表面のみを処理する場合は、流量や粉砕力等の
コントロール性の面で高速回転粉砕機が好ましい。ま
た、通常の送液ポンプ類は処理能力が大きいが、粉砕力
は小さいため、処理条件的には本発明の目的を出現させ
る要件に合ってはいるが粉砕力が小さすぎ、効果を出現
させるための処理に長時間を要するため実用的ではな
い。
【0024】なお、ここに挙げた以外の粉砕機と回転体
の組合せも本発明で目的とする効果が得られるものであ
れば何ら限定されずに適用できる。上記のごとき湿式粉
砕処理に高速回転粉砕機を用いる場合、その回転体(又
は回転歯)には通称、ハンマー、ケージ、ピン、ディス
インテグレーター、ブレード等のタイプが知られてお
り、いずれでも目的を達成できるが、特にブレードタイ
プが好ましい。通常、ブレードには処理液が流通するた
めの羽根板や溝が施されるが、その大きさや深さを変え
ることによって表面粉砕、又は体積粉砕等の粉砕目的に
合った性能を出現させることができる。
【0025】高速回転湿式粉砕機の固定歯と回転歯の間
隙は、通常5ミリメートル以下で使用されるが、相対的
には微粉砕処理では間隙を小さく、粗粉砕処理では大き
く設定される。回転歯の回転数、又は先端の周速度は、
処理するテレフタル酸粒子の粉砕される強度や所望する
処理後の粒度分布目標等によって選定され、通常は先端
周速度で毎秒10〜75メートル、好ましくは毎秒20
〜60メートルの範囲から適宜設定される。
【0026】湿式粉砕機による処理は、一段で目的を達
成できるが、複数の粉砕機を直列に設置しても良い。こ
れは設置場所のスペースや粉砕機の処理能力、及びスラ
リーの処理量等によって適宜決められるものである。本
発明において、テレフタル酸と水溶媒のスラリーは通
常、テレフタル酸を10〜60重量%、好ましくは20
〜50重量%の割合で含有するスラリーとして取り扱わ
れる。本発明の効果を出現させるために粉砕処理を施す
場合の処理スラリー1m3 当りの粉砕エネルギー(粉砕
動力)は、微粉化を目的とした強粉砕処理では3〜30
kwh、好ましくは8〜22kwhである。粗粉砕処理
する場合は0.2〜8kwh、好ましくは0.5〜5k
whである。
【0027】粉砕エネルギーの変更は固定歯と回転歯の
種類や間隙、粉砕機への供給流量、及び回転歯の回転数
等のいずれか、又は二以上を変えることによって可能で
あるが、操作的には回転数の変更によるのが便利であ
る。微粉砕処理を経たスラリーは、遠心分離機や減圧濾
過機等でテレフタル酸を分離し、必要に応じて再度新鮮
な溶媒で洗浄処理された後に、乾燥されて製品とする
が、微粉砕処理後のスラリー帯域で粒度分布計により粒
度分布をモニターして粉砕機の条件を制御することによ
り一定性状の製品を安定して得ることができる。粗粉砕
をする場合は、その処理もした後の粒度分布をモニター
するのが良い。
【0028】また、微粉砕及び粗粉砕のそれぞれが終了
した後の任意のスラリー帯域で粒度分布を測定し、それ
ぞれの粉砕機の条件を個別に制御しても良い。粒度分布
計としては、レーザー回折散乱法、沈降光透過法、電気
抵抗法、顕微鏡法、ふるい分け法のほか、粘度計等によ
る間接的方法が採用できるが、特にレーザー回折散乱法
による自動分析計が好適である。制御する粉砕機の条件
は、一般的にはスラリーの流量や回転数を変えることに
より達成されるが、粒子破砕の状況によっては回転歯の
種類や固定歯との間隙(クリアランス)を変えたりする
ことも可能である。
【0029】以上述べたような本発明の方法によれば、
テレフタル酸の粒度分布や粒子形状を自由にコントロー
ルすることが可能になり、スラリー特性や反応性に優れ
た性状を有するテレフタル酸とグリコール類との混合物
を得ることができる。これによりスラリー調製槽や反応
器での撹拌動力を低減でき、スラリーの配管輸送性も向
上するほか、粗大粒子の低減による反応性の向上に対し
て良好な影響を及ぼすことが確認されている。
【0030】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるもの
ではない。結果の表中、「スラリートルク」とはテレフ
タル酸1モルに対しエチレングリコール1.1モルの割
合で混合し、2枚羽根かい型翼で撹拌したときの撹拌ト
ルク(gcm)をいい、「粉体排出性」とは、64mm
2 の開口部を有する円筒型ホッパーから、300グラム
のテレフタル酸を排出させた時間(秒)をいい、粉体流
動性の指標である。
【0031】また、「粒度分布」は、乾燥したテレフタ
ル酸試料150gをJIS標準ふるいを使用して、湿式
分級法で測定した各粒度毎の頻度を重量%で表わしたも
のである。スラリートルクは極力低い方が望ましく、粉
体排出性は150秒以下、できれば120秒以下が望ま
しい。粒度分布に関しては、例えば200ミクロンを超
えるような大粒径粒子が増えると反応性が悪化するた
め、5wt%以下が望ましい。
【0032】[実施例1]パラキシレンを酢酸溶媒中で
コバルト、マンガン及び臭素化合物を含む触媒の存在
下、分子状酸素で液相酸化して得られた粗テレフタル酸
の40重量%酢酸スラリーを当該反応温度よりもさらに
高温下で追酸化精製処理した後、直列3段の撹拌機を設
けた晶析槽で段階的に120℃まで冷却した。このよう
にして得られたスラリーの1.0容量部を撹拌槽に分取
して、ブレード高速回転型湿式粉砕機(回転歯直径18
cm)を用いて回分法で循環処理を行なった。湿式粉砕
機の固定歯と回転歯の間隙は0.2mmに調整し、回転
数を4470rpm、及び循環流量は14容量部/hと
して、40分間の処理で当該スラリー1m3 当り14k
whの粉砕エネルギーを供給した。
【0033】これを分取する前のスラリーに対して20
重量%相当になるように再混合した。混合スラリーから
テレフタル酸を減圧濾過機で分離した後、105℃で乾
燥した。こうして得られた製品テレフタル酸の性状を表
−1に示す。スラリートルクが低く、粉体流動性にも優
れ、また粗大な粒子も少ない良好な性状を有するテレフ
タル酸が得られた。
【0034】[実施例2]パラキシレンを液相酸化、及
び追酸化精製処理して晶析槽で102℃まで冷却した4
0重量%のテレフタル酸を含むスラリーの1.0容量部
を減圧濾過し、得られたテレフタル酸の湿潤ケーキを新
鮮な95℃の酢酸とともに撹拌槽に供給してテレフタル
酸濃度が40重量%になるようにスラリー化した。これ
を湿式粉砕機で6分間の循環粉砕処理を行ない、スラリ
ー1m3 当り2.1kwhの粉砕エネルギーを供給し
た。
【0035】処理後のスラリーのうち23重量%相当の
約0.23容量部を別の粉砕槽に抜き出して、さらに9
分間、即ちスラリー1m3 当りの粉砕エネルギーが約1
4kwhになるまで粉砕処理を行なって、抜き出す前の
スラリーと混合した。粉砕機の型式、固定歯と回転歯の
間隙、粉砕歯の回転数、及び循環流量は実施例1に合わ
せた。混合スラリーからテレフタル酸を減圧濾過機で分
離した後、105℃で乾燥した。製品テレフタル酸の性
状を表−2に示す。
【0036】[実施例3]パラキシレンを酸化して得ら
れた粗テレフタル酸の酢酸スラリーからテレフタル酸結
晶を遠心分離機で分離後、乾燥して30重量%水スラリ
ーを調製した。当該スラリーを加熱してテレフタル酸を
溶解させ、活性炭に担持させた0.5重量%パラジウム
触媒を充填した塔型反応器に導入して反応圧力9MP、
反応温度290℃で水素還元精製処理を行なった。この
テレフタル酸水溶液を同じ容量の直列5段の晶析槽で段
階的に152℃まで冷却してテレフタル酸結晶を析出さ
せ、遠心分離した後、洗浄槽で98℃の40重量%水ス
ラリーとした。
【0037】このスラリーの内1.7容量部を撹拌槽に
分取して、ブレード高速回転型湿式粉砕機(回転歯直径
18cm)を用いて65分間の循環処理を行なった。湿
式粉砕機の固定歯と回転歯の間隙は1.2mm、回転数
を4860rpm、及び循環流量は10m3 /hとし、
供給した粉砕エネルギーはスラリー1m3 当り13kw
hであった。これを分取する前のスラリーに対して20
重量%相当になるように再混合した。混合スラリーから
テレフタル酸を減圧濾過機で分離した後、105℃で乾
燥した。こうして得られた製品テレフタル酸の性状を表
−3に示す。
【0038】[比較例1]湿式粉砕機による循環処理を
行なわなかった以外は実施例1と同様にして得たテレフ
タル酸の性状を表−1に示す。 [実施例4]分取したスラリーを湿式粉砕機で処理した
後に分取する前のスラリーに対して50重量%相当にな
るように再混合した以外は実施例1と同様にして得たテ
レフタル酸の性状を表−1に示す。
【0039】[比較例2]分取したスラリーの二回目の
湿式粉砕機による循環処理を行なわなかった以外は実施
例2と同様にして得たテレフタル酸の性状を表−2に示
す。 [比較例3]湿式粉砕機による循環処理を行なわなかっ
た以外は実施例3と同様にして得たテレフタル酸の性状
を表−3に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】テレフタル酸スラリーを固液分離してテ
レフタル酸結晶を取得し、これを乾燥して製品テレフタ
ル酸とするテレフタル酸の製造法において、途中でスラ
リーの一部を抜き取って湿式粉砕機により処理したのち
に再混合することにより、ポリエチレンテレフタレート
の製造においてテレフタル酸をグリコール類と直接反応
させるいわゆる直接重合法に適したスラリー特性に優れ
たテレフタル酸を得ることができる。また、テレフタル
酸の輸送、貯蔵等で問題になる粉体の流動性に優れたテ
レフタル酸も製造することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸スラリーを固液分離してテ
    レフタル酸結晶を取得し、これを乾燥して製品テレフタ
    ル酸とするテレフタル酸の製造法において、テレフタル
    酸スラリーの一部を抜き取って湿式粉砕機による微粉砕
    処理したのちに再混合することを特徴とするテレフタル
    酸を製造する方法。
  2. 【請求項2】 製品テレフタル酸の中で、粒径210μ
    m以上の粒子が全体の10%以下である請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 微粉砕処理のために抜き取るスラリーの
    量が全体に対して5〜45重量%であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 抜き取ったスラリーを微粉砕処理するに
    際し、当該スラリー1m3 当りの粉砕エネルギーが3〜
    30kwhであることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 微粉砕処理のためにスラリーを抜き取る
    前に全量を微粉砕処理のためとは別の湿式粉砕機で粗粉
    砕処理することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】 微粉砕処理のためにスラリーを抜き取っ
    た後の残りの全量を、微粉砕処理のためとは別の湿式粉
    砕機で粗粉砕処理することを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 微粉砕処理を行ったスラリーを再混合し
    た後のスラリー全量を、粗粉砕処理することを特徴とす
    る請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 粗粉砕処理を、微粉砕処理よりも相対的
    により小さいエネルギーで行なう請求項5乃至7のいず
    れかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 粗粉砕における、スラリー1m3 当りの
    粉砕エネルギーが0.2〜8kwhであることを特徴と
    する請求項5乃至8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 粉砕処理終了後のスラリー中のテレフ
    タル酸粒子の粒度分布を粒度分布計により連続的にモニ
    ターして、湿式粉砕処理の条件を制御することを特徴と
    する請求項1乃至9のいずれかに記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006519915A (ja) * 2003-03-06 2006-08-31 イーストマン ケミカル カンパニー ポリエステルの製造に用いるのに適したカルボン酸/ジオール混合物の製造方法
WO2008056801A1 (en) 2006-11-07 2008-05-15 Teijin Fibers Limited Method for producing terephthalic acid-alkylene glycol mixture
US7462649B2 (en) 2001-10-16 2008-12-09 Teijin Limited Method for recycling pet bottle

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