JPH11106284A - 単結晶の製造方法 - Google Patents
単結晶の製造方法Info
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- JPH11106284A JPH11106284A JP27001197A JP27001197A JPH11106284A JP H11106284 A JPH11106284 A JP H11106284A JP 27001197 A JP27001197 A JP 27001197A JP 27001197 A JP27001197 A JP 27001197A JP H11106284 A JPH11106284 A JP H11106284A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 KTP(KTiOPO4 )等の単結晶を融液
成長法、特にTSSG (Top Seeded Solution Growth)
法により成長する際の、複数の核生成による小傾角粒界
の発生を防止し、大口径で良質の単結晶を得る。 【解決手段】 融液と接触する部分の、種結晶の接触面
の少なくとも一部を除去し、その後に単結晶を成長す
る。種結晶の接触面を、単結晶の晶癖により出現する結
晶面に加工しておいてもよい。 【効果】 種結晶表面の加工歪層を除去してから単結晶
を成長するので、界面の結晶配列の不整合がなくなり、
小傾角粒界を防止できる。
成長法、特にTSSG (Top Seeded Solution Growth)
法により成長する際の、複数の核生成による小傾角粒界
の発生を防止し、大口径で良質の単結晶を得る。 【解決手段】 融液と接触する部分の、種結晶の接触面
の少なくとも一部を除去し、その後に単結晶を成長す
る。種結晶の接触面を、単結晶の晶癖により出現する結
晶面に加工しておいてもよい。 【効果】 種結晶表面の加工歪層を除去してから単結晶
を成長するので、界面の結晶配列の不整合がなくなり、
小傾角粒界を防止できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は単結晶の製造方法に
関し、さらに詳しくは、電子部品等を製造するための単
結晶を、融液成長法により結晶性良く製造する際に用い
て好適な単結晶の製造方法に関する。
関し、さらに詳しくは、電子部品等を製造するための単
結晶を、融液成長法により結晶性良く製造する際に用い
て好適な単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の高性能化、小型化の進展にと
もない、電子機器を構成する電子部品には機能性を有す
る各種の単結晶材料が採用されるものが増えてきた。電
気光学的機能を有するリン酸チタン酸カリウム等や、強
誘電性を有するチタン酸バリウム等の単結晶材料がこれ
に相当する。
もない、電子機器を構成する電子部品には機能性を有す
る各種の単結晶材料が採用されるものが増えてきた。電
気光学的機能を有するリン酸チタン酸カリウム等や、強
誘電性を有するチタン酸バリウム等の単結晶材料がこれ
に相当する。
【0003】例えば、コヒーレンシーの良好なレーザ光
を透過させることにより、基本波長の1/2の波長の短
波長レーザ光が得られる非線型光学素子としては、MT
iOXO4 (MはK,Rb,Cs等のIa族金属を、X
はP,As等のVa族元素をそれぞれ表す)単結晶、そ
の中でもリン酸チタン酸カリウム(KTiOPO4 ,以
下KTPと略記する)単結晶が用いられる。
を透過させることにより、基本波長の1/2の波長の短
波長レーザ光が得られる非線型光学素子としては、MT
iOXO4 (MはK,Rb,Cs等のIa族金属を、X
はP,As等のVa族元素をそれぞれ表す)単結晶、そ
の中でもリン酸チタン酸カリウム(KTiOPO4 ,以
下KTPと略記する)単結晶が用いられる。
【0004】KTP等の機能性単結晶は、良質の電子部
品を効率良く製造するために、大口径の単結晶基板を効
率良く切り出すことが可能な、結晶欠陥の少ない大型の
単結晶インゴットとして得られることが望ましい。
品を効率良く製造するために、大口径の単結晶基板を効
率良く切り出すことが可能な、結晶欠陥の少ない大型の
単結晶インゴットとして得られることが望ましい。
【0005】これらKTP等の単結晶を製造する方法と
して一般的な方法は、単結晶の原料組成物を融剤(フラ
ックス)に過飽和状態に融解した融液から成長させる融
液成長法がある。とりわけ、融液に種結晶を接触させ、
この種結晶上に選択的にエピタキシャル成長させるTS
SG (Top Seeded Solution Growth) 法が通常採用され
る。実際にKTP単結晶を成長するには、KTP原料組
成物を融剤に溶解して融液とし、、種結晶を融液表面か
ら接触させ、かつ種結晶を垂直軸に沿って回転させなが
ら融液を徐冷し、過飽和状態として種結晶上にのみ単結
晶を成長させればよい。このTSSG法によれば、単結
晶の大口径化が期待でき、また種結晶の結晶方位を選ぶ
ことにより、成長する単結晶の成長方位を制御すること
が可能であるという特徴を有する。種結晶としては、所
望とする単結晶と同一組成の単結晶を機械加工により例
えば角柱状に切り出して使用する。
して一般的な方法は、単結晶の原料組成物を融剤(フラ
ックス)に過飽和状態に融解した融液から成長させる融
液成長法がある。とりわけ、融液に種結晶を接触させ、
この種結晶上に選択的にエピタキシャル成長させるTS
SG (Top Seeded Solution Growth) 法が通常採用され
る。実際にKTP単結晶を成長するには、KTP原料組
成物を融剤に溶解して融液とし、、種結晶を融液表面か
ら接触させ、かつ種結晶を垂直軸に沿って回転させなが
ら融液を徐冷し、過飽和状態として種結晶上にのみ単結
晶を成長させればよい。このTSSG法によれば、単結
晶の大口径化が期待でき、また種結晶の結晶方位を選ぶ
ことにより、成長する単結晶の成長方位を制御すること
が可能であるという特徴を有する。種結晶としては、所
望とする単結晶と同一組成の単結晶を機械加工により例
えば角柱状に切り出して使用する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】先述したように、KT
P等の単結晶製造においては、大口径の単結晶基板を切
り出すことが可能な、結晶欠陥のない良質の大型単結晶
を歩留り良く成長させることが望まれる。しかしなが
ら、機械加工により切り出された種結晶の表面には、加
工歪により生じた原子配列の乱れた領域、すなわち加工
変質層が不可避的に存在する。このため、単結晶の成長
初期段階においては、種結晶の切り出し面の不規則に乱
れた結晶配列と、一定の格子定数をもって成長すべき単
結晶の結晶配列との不整合が発生する。
P等の単結晶製造においては、大口径の単結晶基板を切
り出すことが可能な、結晶欠陥のない良質の大型単結晶
を歩留り良く成長させることが望まれる。しかしなが
ら、機械加工により切り出された種結晶の表面には、加
工歪により生じた原子配列の乱れた領域、すなわち加工
変質層が不可避的に存在する。このため、単結晶の成長
初期段階においては、種結晶の切り出し面の不規則に乱
れた結晶配列と、一定の格子定数をもって成長すべき単
結晶の結晶配列との不整合が発生する。
【0007】このため、種結晶の表面付近から複数の単
結晶が同時に成長を開始する現象、すなわち複数の核生
成による小傾角粒界が発生した。これによって得られる
結晶は、複数の小さな単結晶の集合体となり、大口径の
単結晶成長を阻害していた。このようにして得られた複
数の小さな単結晶の集合体の結晶ブロックからは、大口
径の単結晶基板を切り出すことが困難であり、良質の電
子部品等を効率良く製造することができない。
結晶が同時に成長を開始する現象、すなわち複数の核生
成による小傾角粒界が発生した。これによって得られる
結晶は、複数の小さな単結晶の集合体となり、大口径の
単結晶成長を阻害していた。このようにして得られた複
数の小さな単結晶の集合体の結晶ブロックからは、大口
径の単結晶基板を切り出すことが困難であり、良質の電
子部品等を効率良く製造することができない。
【0008】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み
提案するものであり、融液成長法によりKTP等の単結
晶を成長するにあたり、特に成長初期に発生していた複
数の核生成による小傾角粒界の発生を防止し、大口径で
良質の単結晶を成長することが可能な単結晶の製造方法
を提供することをその課題とする。
提案するものであり、融液成長法によりKTP等の単結
晶を成長するにあたり、特に成長初期に発生していた複
数の核生成による小傾角粒界の発生を防止し、大口径で
良質の単結晶を成長することが可能な単結晶の製造方法
を提供することをその課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の単結晶の製造方
法は、上述の課題を解決するために提案するものであ
り、原料組成物と融剤とを含む融液に種結晶を接触せし
め、この融液を徐冷するとともに前記種結晶を回転しつ
つ、この種結晶上に単結晶を成長させる工程を有する単
結晶の製造方法であって、種結晶上に単結晶を成長させ
る工程に先立ち、種結晶の、融液との接触面の少なくと
も一部を除去する工程を挿入することを特徴とする。
法は、上述の課題を解決するために提案するものであ
り、原料組成物と融剤とを含む融液に種結晶を接触せし
め、この融液を徐冷するとともに前記種結晶を回転しつ
つ、この種結晶上に単結晶を成長させる工程を有する単
結晶の製造方法であって、種結晶上に単結晶を成長させ
る工程に先立ち、種結晶の、融液との接触面の少なくと
も一部を除去する工程を挿入することを特徴とする。
【0010】この種結晶の、融液との接触面の少なくと
も一部を除去する工程は、融液の温度を、この単結晶の
結晶析出平衡温度より高温に設定しつつ、この種結晶の
融液との接触面の少なくとも一部を融液中に溶解する工
程によることが望ましい。この結晶析出平衡温度とは、
融液中に種結晶を接触させた際に、種結晶の溶解も、種
結晶への結晶析出も起こらない平衡温度のことである。
結晶析出平衡温度は、個々の結晶材料および融剤の種
類、圧力等により決定される固有の温度である。
も一部を除去する工程は、融液の温度を、この単結晶の
結晶析出平衡温度より高温に設定しつつ、この種結晶の
融液との接触面の少なくとも一部を融液中に溶解する工
程によることが望ましい。この結晶析出平衡温度とは、
融液中に種結晶を接触させた際に、種結晶の溶解も、種
結晶への結晶析出も起こらない平衡温度のことである。
結晶析出平衡温度は、個々の結晶材料および融剤の種
類、圧力等により決定される固有の温度である。
【0011】またこの種結晶の、融液との接触面の少な
くとも一部を除去する工程は、種結晶表面の加工変質層
を除去する工程であることが望ましい。
くとも一部を除去する工程は、種結晶表面の加工変質層
を除去する工程であることが望ましい。
【0012】さらに本発明において、種結晶の融液との
接触面は、成長する前記単結晶の晶癖により出現する結
晶面に準じる面に加工されていることが望ましい。
接触面は、成長する前記単結晶の晶癖により出現する結
晶面に準じる面に加工されていることが望ましい。
【0013】従来より、融液法によるKTP等の単結晶
の製造においては、機械加工により切り出した種結晶表
面の加工歪層の存在については、特段の注意は払われて
いなかった。無論、種結晶表面を鏡面研磨すべく、機械
加工による切り出し後、さらに例えば超微粒子研磨剤に
より鏡面研磨を加える方法はあった。しかしながら、鏡
面研磨は所詮ミクロな領域での機械加工にすぎず、ミク
ロな加工歪が入ることは免れ得ない。したがって、鏡面
研磨加工された種結晶を用いても、小傾角粒界のない単
結晶を得ることは困難であった。
の製造においては、機械加工により切り出した種結晶表
面の加工歪層の存在については、特段の注意は払われて
いなかった。無論、種結晶表面を鏡面研磨すべく、機械
加工による切り出し後、さらに例えば超微粒子研磨剤に
より鏡面研磨を加える方法はあった。しかしながら、鏡
面研磨は所詮ミクロな領域での機械加工にすぎず、ミク
ロな加工歪が入ることは免れ得ない。したがって、鏡面
研磨加工された種結晶を用いても、小傾角粒界のない単
結晶を得ることは困難であった。
【0014】本発明においては、種結晶上に単結晶を成
長する工程に先立って、種結晶と融液との接触面の少な
くとも一部を除去する工程を挿入することにより、単結
晶中の小傾角粒界の発生を防止した。
長する工程に先立って、種結晶と融液との接触面の少な
くとも一部を除去する工程を挿入することにより、単結
晶中の小傾角粒界の発生を防止した。
【0015】この種結晶と融液との接触面の少なくとも
一部を除去する工程は、融液の温度を、単結晶の結晶析
出平衡温度より高温に設定しつつ、種結晶の融液との接
触面の少なくとも一部を融液中に溶解する工程であるこ
とが望ましい。この工程により、種結晶表面の加工歪層
が除去され、種結晶表面の結晶配列と、成長する単結晶
の結晶配列の不整合がなくなり、小傾角粒界のない大型
の単結晶を得ることができる。
一部を除去する工程は、融液の温度を、単結晶の結晶析
出平衡温度より高温に設定しつつ、種結晶の融液との接
触面の少なくとも一部を融液中に溶解する工程であるこ
とが望ましい。この工程により、種結晶表面の加工歪層
が除去され、種結晶表面の結晶配列と、成長する単結晶
の結晶配列の不整合がなくなり、小傾角粒界のない大型
の単結晶を得ることができる。
【0016】また種結晶の切り出し面と、成長する単結
晶の晶癖により出現する結晶面とが一致していない場合
には、種結晶の近傍に空洞等の巨視的欠陥が発生する場
合があった。したがって、種結晶の融液との接触面が、
成長する単結晶の晶癖により出現する結晶面に準じる面
に加工されている場合には、小傾角粒界の発生ととも
に、巨視的欠陥の発生をも防止することが可能となる。
晶の晶癖により出現する結晶面とが一致していない場合
には、種結晶の近傍に空洞等の巨視的欠陥が発生する場
合があった。したがって、種結晶の融液との接触面が、
成長する単結晶の晶癖により出現する結晶面に準じる面
に加工されている場合には、小傾角粒界の発生ととも
に、巨視的欠陥の発生をも防止することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的実施の形態
につき、図面を参照しながら説明する。
につき、図面を参照しながら説明する。
【0018】まず、本発明の単結晶の製造方法に使用し
た単結晶成長装置の概略構成を、図1を参照して説明す
る。図1はTSSG法により単結晶を成長させる単結晶
成長装置の一例を示す概略断面図である。図1におい
て、白金等のルツボ4内には、融剤(フラックス)中に
単結晶成分が溶解された融液3が、加熱炉6により所定
の温度に保持制御されている。この融液3には、サファ
イアや白金等からなる回転棒5に保持された種結晶1が
接触しており、この種結晶1上に単結晶2が成長する。
図1の装置では、回転棒5の回転駆動装置、温度制御装
置、あるいは装置全体のシステム制御装置等の細部は図
示を省略する。
た単結晶成長装置の概略構成を、図1を参照して説明す
る。図1はTSSG法により単結晶を成長させる単結晶
成長装置の一例を示す概略断面図である。図1におい
て、白金等のルツボ4内には、融剤(フラックス)中に
単結晶成分が溶解された融液3が、加熱炉6により所定
の温度に保持制御されている。この融液3には、サファ
イアや白金等からなる回転棒5に保持された種結晶1が
接触しており、この種結晶1上に単結晶2が成長する。
図1の装置では、回転棒5の回転駆動装置、温度制御装
置、あるいは装置全体のシステム制御装置等の細部は図
示を省略する。
【0019】これらのうち、回転棒5の回転速度、すな
わち種結晶1の回転速度は、成長する単結晶2の品質や
融液3の撹拌効果等の観点から、30〜300rpm程
度が選ばれる。また回転方向は一方向回転でもよいが、
所定時間毎に回転方向を逆転することが均質な単結晶2
を得るために好ましい。
わち種結晶1の回転速度は、成長する単結晶2の品質や
融液3の撹拌効果等の観点から、30〜300rpm程
度が選ばれる。また回転方向は一方向回転でもよいが、
所定時間毎に回転方向を逆転することが均質な単結晶2
を得るために好ましい。
【0020】融液3の温度は、単結晶2の成長工程中、
成長を連続的に継続させるために徐冷する。この徐冷速
度は、単結晶2の成長に要する時間を可及的に低減する
ためや、種結晶1表面以外での結晶核生成を防止するた
め、0.01〜5℃/hr程度の範囲に選ばれる。
成長を連続的に継続させるために徐冷する。この徐冷速
度は、単結晶2の成長に要する時間を可及的に低減する
ためや、種結晶1表面以外での結晶核生成を防止するた
め、0.01〜5℃/hr程度の範囲に選ばれる。
【0021】種結晶1としては、例えばその断面が2×
2mm、長さが10〜15mm程度の正角柱状のものが
採用され、その長軸を回転棒5の軸方向と一致するよう
に回転棒5に取りつける。KTP単結晶を成長する際に
用いる種結晶1の下方斜視図を図2に示す。図2の例
は、c軸方向に単結晶2を成長するために、種結晶1の
<001>方位が長手方向となるように、すなわち種結
晶1の長手方向の先端断面が{0,0,1}面となるよ
うに母材となるKTP単結晶を切り出し、研磨加工を施
したものである。
2mm、長さが10〜15mm程度の正角柱状のものが
採用され、その長軸を回転棒5の軸方向と一致するよう
に回転棒5に取りつける。KTP単結晶を成長する際に
用いる種結晶1の下方斜視図を図2に示す。図2の例
は、c軸方向に単結晶2を成長するために、種結晶1の
<001>方位が長手方向となるように、すなわち種結
晶1の長手方向の先端断面が{0,0,1}面となるよ
うに母材となるKTP単結晶を切り出し、研磨加工を施
したものである。
【0022】他の結晶軸方向、すなわちa軸方向に単結
晶2を成長する場合には、種結晶1の長手方向の先端面
が{1,0,0}面となるように、KTP単結晶を切り
出し、研磨加工を施せばよい。またb軸方向に単結晶2
を成長する場合には、種結晶1の長手方向の先端面が
{0,1,0}面となるように、KTP単結晶を切り出
し、研磨加工を施せばよい。
晶2を成長する場合には、種結晶1の長手方向の先端面
が{1,0,0}面となるように、KTP単結晶を切り
出し、研磨加工を施せばよい。またb軸方向に単結晶2
を成長する場合には、種結晶1の長手方向の先端面が
{0,1,0}面となるように、KTP単結晶を切り出
し、研磨加工を施せばよい。
【0023】種結晶1の表面には、図示は省略するが切
り出しおよび研磨加工に伴って発生した加工歪層が極く
薄く全面に、あるいは部分的に存在する。したがって、
本発明においては、融液と接触する部分の種結晶の接触
面の少なくとも一部、すなわち、この部分の加工歪層の
全部または一部を除去した後に単結晶の成長を開始す
る。加工歪層の除去は、Arイオンによるスパッタエッ
チングやウェットエッチング等も可能である。本発明の
好ましい実施態様においては、単結晶の成長に供する融
液の温度を、この単結晶の結晶析出平衡温度より高温に
設定しておき、この融液に種結晶を接触することによ
り、種結晶表面の加工歪層を除去する。この方法によっ
て加工歪層を除去すれば、イオン入射等による新たな結
晶欠陥の発生を防止できる。また加工歪層除去後の清浄
な種結晶表面を大気に曝すことなく、連続的に単結晶の
成長工程に移ることができ、種結晶の表面汚染や変質の
問題を回避することができる。
り出しおよび研磨加工に伴って発生した加工歪層が極く
薄く全面に、あるいは部分的に存在する。したがって、
本発明においては、融液と接触する部分の種結晶の接触
面の少なくとも一部、すなわち、この部分の加工歪層の
全部または一部を除去した後に単結晶の成長を開始す
る。加工歪層の除去は、Arイオンによるスパッタエッ
チングやウェットエッチング等も可能である。本発明の
好ましい実施態様においては、単結晶の成長に供する融
液の温度を、この単結晶の結晶析出平衡温度より高温に
設定しておき、この融液に種結晶を接触することによ
り、種結晶表面の加工歪層を除去する。この方法によっ
て加工歪層を除去すれば、イオン入射等による新たな結
晶欠陥の発生を防止できる。また加工歪層除去後の清浄
な種結晶表面を大気に曝すことなく、連続的に単結晶の
成長工程に移ることができ、種結晶の表面汚染や変質の
問題を回避することができる。
【0024】種結晶表面の加工歪層の除去は、融液から
の単結晶の結晶析出平衡温度より若干高い温度、例えば
5℃程度高い温度に保持した融液中に種結晶を接触させ
る。種結晶全体を融液中に浸漬してもよいが、単結晶が
成長する、種結晶の先端部分だけを接触させればよい。
接触時間は、極く薄い加工歪層を除去できればよいの
で、例えば10分程度で十分である。
の単結晶の結晶析出平衡温度より若干高い温度、例えば
5℃程度高い温度に保持した融液中に種結晶を接触させ
る。種結晶全体を融液中に浸漬してもよいが、単結晶が
成長する、種結晶の先端部分だけを接触させればよい。
接触時間は、極く薄い加工歪層を除去できればよいの
で、例えば10分程度で十分である。
【0025】加工歪層を除去後は、種結晶を融液中に接
触させたまま、融液を徐冷し、単結晶の成長を開始する
ことが望ましい。単結晶の成長工程は、融液成長法の常
法に準じた工程によればよい。種結晶のc軸方向が長手
方向となる、図2に示した正角柱状の種結晶を用いてK
TPを成長して得た単結晶の下方斜視図を図3に示す。
図3の例は、種結晶1の加工歪層を除去した状態で単結
晶2を成長したものである。KTPの単結晶2は、小傾
角粒界の発生もなく、大口径の単結晶として得られる。
一方、KTPは格子定数がa=1.2840nm、b=
0.6396nm、c=1.0584nmの斜方晶系に
属する結晶であり、単結晶2の成長面はその晶癖に由来
して{1,0,0}面、{1,1,0}面、{2,0,
1}面および{0,1,1}面の各結晶面 (Facet)が出
現しており、特に単結晶2先端は{2,0,1}面およ
び{0,1,1}面により構成される。
触させたまま、融液を徐冷し、単結晶の成長を開始する
ことが望ましい。単結晶の成長工程は、融液成長法の常
法に準じた工程によればよい。種結晶のc軸方向が長手
方向となる、図2に示した正角柱状の種結晶を用いてK
TPを成長して得た単結晶の下方斜視図を図3に示す。
図3の例は、種結晶1の加工歪層を除去した状態で単結
晶2を成長したものである。KTPの単結晶2は、小傾
角粒界の発生もなく、大口径の単結晶として得られる。
一方、KTPは格子定数がa=1.2840nm、b=
0.6396nm、c=1.0584nmの斜方晶系に
属する結晶であり、単結晶2の成長面はその晶癖に由来
して{1,0,0}面、{1,1,0}面、{2,0,
1}面および{0,1,1}面の各結晶面 (Facet)が出
現しており、特に単結晶2先端は{2,0,1}面およ
び{0,1,1}面により構成される。
【0026】種結晶の先端面、すなわち融液との接触面
を、単結晶の晶癖により出現する結晶面に一致するよう
に加工した例を図4に示す。図4の例は、KTPのc軸
方向に単結晶を成長させるため、種結晶1の長手方向の
先端断面が{2,0,1}面および{0,1,1}面と
なるように母材となるKTP単結晶を切り出し、研磨加
工を施したものである。
を、単結晶の晶癖により出現する結晶面に一致するよう
に加工した例を図4に示す。図4の例は、KTPのc軸
方向に単結晶を成長させるため、種結晶1の長手方向の
先端断面が{2,0,1}面および{0,1,1}面と
なるように母材となるKTP単結晶を切り出し、研磨加
工を施したものである。
【0027】図4に示す種結晶1を用いて融液成長法を
施すことにより、先述した図3に準じるKTPの単結晶
を得ることができる。ただし図4に示す種結晶1を使用
した場合は、種結晶1の先端面が単結晶2の晶癖により
出現する結晶面に加工されているので、特に成長初期に
おける結晶成長速度が均一となり、空洞等の巨視的欠陥
を防止する効果が、小傾角粒界の防止効果と併せて得ら
れる。
施すことにより、先述した図3に準じるKTPの単結晶
を得ることができる。ただし図4に示す種結晶1を使用
した場合は、種結晶1の先端面が単結晶2の晶癖により
出現する結晶面に加工されているので、特に成長初期に
おける結晶成長速度が均一となり、空洞等の巨視的欠陥
を防止する効果が、小傾角粒界の防止効果と併せて得ら
れる。
【0028】図4に示す種結晶1はc軸成長を施すため
のものであるが、他の結晶軸方向に単結晶を成長する場
合にも、種結晶先端を単結晶の晶癖により出現する結晶
面に一致するように加工すればよい。例えば、b軸方向
に単結晶を成長する場合には、種結晶先端面を{0,
1,1}面および{1,1,0}面が現れるように加工
する。またa軸方向に単結晶を成長する場合には、種結
晶先端面を{1,0,0}面が現れるように加工すれば
よい。ただし、c軸方向の成長に比較すると、特にa軸
方向の成長速度は小さいので、c軸方向の成長が最も利
用価値が高い。
のものであるが、他の結晶軸方向に単結晶を成長する場
合にも、種結晶先端を単結晶の晶癖により出現する結晶
面に一致するように加工すればよい。例えば、b軸方向
に単結晶を成長する場合には、種結晶先端面を{0,
1,1}面および{1,1,0}面が現れるように加工
する。またa軸方向に単結晶を成長する場合には、種結
晶先端面を{1,0,0}面が現れるように加工すれば
よい。ただし、c軸方向の成長に比較すると、特にa軸
方向の成長速度は小さいので、c軸方向の成長が最も利
用価値が高い。
【0029】
【実施例】以下、本発明をさらに詳しく具体的な実施例
により説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例
により何ら限定を受けるものではない。
により説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例
により何ら限定を受けるものではない。
【0030】実施例1 本実施例は、TSSG法によりKTP単結晶をc軸成長
する場合に本発明を適用したものである。また種結晶と
しては、母材となるKTP単結晶をそのc軸方向が長手
方向となるように切り出した正角柱状のものを用いた。
種結晶は、断面が3×3mm、長さが15mmの形状と
し、切り出し加工後、表面を#4000のアルミナ研磨
材により鏡面研磨した。種結晶の形状は、先に図2の下
方斜視図で示したものに準じる。
する場合に本発明を適用したものである。また種結晶と
しては、母材となるKTP単結晶をそのc軸方向が長手
方向となるように切り出した正角柱状のものを用いた。
種結晶は、断面が3×3mm、長さが15mmの形状と
し、切り出し加工後、表面を#4000のアルミナ研磨
材により鏡面研磨した。種結晶の形状は、先に図2の下
方斜視図で示したものに準じる。
【0031】KTP単結晶の原料組成物として次の組成
のものを用いた。 KH2 PO4 50.0 mol% K2 HPO4 24.2 mol% TiO2 25.8 mol% また、融剤(フラックス)としてはK6 P2 O8 を用い
た。原料組成物と融剤とを、68.0mol%対32.
0mol%となるように混合し、先に図1に示した単結
晶成長装置のルツボ4内で1150℃で12時間加熱し
て溶解し、融液3とした。このルツボ4は直径120m
m、高さ120mmの白金製のものを用いた。
のものを用いた。 KH2 PO4 50.0 mol% K2 HPO4 24.2 mol% TiO2 25.8 mol% また、融剤(フラックス)としてはK6 P2 O8 を用い
た。原料組成物と融剤とを、68.0mol%対32.
0mol%となるように混合し、先に図1に示した単結
晶成長装置のルツボ4内で1150℃で12時間加熱し
て溶解し、融液3とした。このルツボ4は直径120m
m、高さ120mmの白金製のものを用いた。
【0032】この後、この融液3組成における結晶析出
平衡温度、すなわち種結晶への析出も種結晶の溶解も起
こらない温度である988℃より数℃高い温度、例えば
993℃に融液3の温度を設定する。
平衡温度、すなわち種結晶への析出も種結晶の溶解も起
こらない温度である988℃より数℃高い温度、例えば
993℃に融液3の温度を設定する。
【0033】先の種結晶1を、白金製の回転棒5の先端
に同じく白金線を用いて固定する。種結晶1はその長手
方向が回転棒5の軸方向に一致するように、また回転に
伴う軸振れや公転運動等が発生しないように固定する。
に同じく白金線を用いて固定する。種結晶1はその長手
方向が回転棒5の軸方向に一致するように、また回転に
伴う軸振れや公転運動等が発生しないように固定する。
【0034】次に種結晶1の先端を、993℃に保持し
た融液3に接触させ、表面の加工歪層を除去する。接触
時間は10分とする。このとき、種結晶1は静止したま
までも、100rpm程度で回転させてもよいが、加工
歪層を均一に除去するには回転させることが望ましい。
た融液3に接触させ、表面の加工歪層を除去する。接触
時間は10分とする。このとき、種結晶1は静止したま
までも、100rpm程度で回転させてもよいが、加工
歪層を均一に除去するには回転させることが望ましい。
【0035】続けて、回転棒5を100rpmの回転速
度で回転させながら、100時間で2.5℃(0.02
5℃/hr)の冷却速度で融液3を徐冷して単結晶を成
長させる。成長はこの条件で400時間継続した。
度で回転させながら、100時間で2.5℃(0.02
5℃/hr)の冷却速度で融液3を徐冷して単結晶を成
長させる。成長はこの条件で400時間継続した。
【0036】このようにして得られたKTPの単結晶2
を図6(a)〜(b)に示す。このうち図6(a)は単
結晶2の概略側面形状、図6(b)は単結晶2をc軸の
成長方向側からみた概略平面形状を示す図である。従
来、種結晶表面の加工歪層が存在したまま単結晶を成長
した場合には、複数の結晶核生成により小傾角粒界が発
生して、大口径の単結晶が得られなかった。しかしなが
ら本実施例によれば、図6(a)〜(b)に示すように
かかる小傾角粒界の存在しない大口径の単結晶2が得ら
れる。
を図6(a)〜(b)に示す。このうち図6(a)は単
結晶2の概略側面形状、図6(b)は単結晶2をc軸の
成長方向側からみた概略平面形状を示す図である。従
来、種結晶表面の加工歪層が存在したまま単結晶を成長
した場合には、複数の結晶核生成により小傾角粒界が発
生して、大口径の単結晶が得られなかった。しかしなが
ら本実施例によれば、図6(a)〜(b)に示すように
かかる小傾角粒界の存在しない大口径の単結晶2が得ら
れる。
【0037】比較例 種結晶1表面の加工歪層を除去せず、種結晶1を結晶析
出平衡温度にある融液3に接触後直ちに単結晶2の成長
を開始した以外は、前実施例1に準じてKTP単結晶を
製造した。得られたKTPの単結晶2を図7(a)〜
(b)に示す。このうち図7(a)は単結晶2の概略側
面形状、図7(b)は単結晶2をc軸の成長方向側から
みた概略平面形状を示す図である。この比較例において
は、種結晶表面に加工歪層が存在し、結晶配列が不規則
に乱れているので、一定の格子定数をもって成長すべき
単結晶の結晶配列との不整合が発生する。このため、成
長の初期に種結晶の表面付近から複数の単結晶が同時に
成長を開始し、複数の核形成による小傾角粒界が発生し
ていることが図7(a)〜(b)によって明らかであ
る。
出平衡温度にある融液3に接触後直ちに単結晶2の成長
を開始した以外は、前実施例1に準じてKTP単結晶を
製造した。得られたKTPの単結晶2を図7(a)〜
(b)に示す。このうち図7(a)は単結晶2の概略側
面形状、図7(b)は単結晶2をc軸の成長方向側から
みた概略平面形状を示す図である。この比較例において
は、種結晶表面に加工歪層が存在し、結晶配列が不規則
に乱れているので、一定の格子定数をもって成長すべき
単結晶の結晶配列との不整合が発生する。このため、成
長の初期に種結晶の表面付近から複数の単結晶が同時に
成長を開始し、複数の核形成による小傾角粒界が発生し
ていることが図7(a)〜(b)によって明らかであ
る。
【0038】実施例2 本実施例は、同じくTSSG法によりKTP単結晶をc
軸成長する場合に本発明を適用したものである。また種
結晶としては、母材となるKTP単結晶をそのc軸方向
が長手方向となるように正角柱状に切り出し、さらにそ
の先端を、成長する単結晶の晶癖により出現する結晶面
に加工したものを用いた。種結晶は、断面が3×3m
m、長さが15mmにc軸方向に切り出し、さらにその
先端面が{2,0,1}面および{0,1,1}面とな
るように加工して鏡面研磨したものであり、先の図4で
説明したものに準じる。
軸成長する場合に本発明を適用したものである。また種
結晶としては、母材となるKTP単結晶をそのc軸方向
が長手方向となるように正角柱状に切り出し、さらにそ
の先端を、成長する単結晶の晶癖により出現する結晶面
に加工したものを用いた。種結晶は、断面が3×3m
m、長さが15mmにc軸方向に切り出し、さらにその
先端面が{2,0,1}面および{0,1,1}面とな
るように加工して鏡面研磨したものであり、先の図4で
説明したものに準じる。
【0039】KTPはその格子定数がa=1.2840
nm、b=0.6396nm、c=1.0584nmの
斜方晶系に属する結晶であるので、種結晶1のc軸の先
端面である{0,0,1}面と{2,0,1}面とのな
す面角度は58.8°の値が得られる。また{0,0,
1}面と{0,1,1}面とのなす面角度は58.9°
の値が得られる。したがって、c軸方向が長手方向とな
るように正角柱状に切り出した種結晶の先端を、この角
度に加工し、鏡面研磨すればよい。
nm、b=0.6396nm、c=1.0584nmの
斜方晶系に属する結晶であるので、種結晶1のc軸の先
端面である{0,0,1}面と{2,0,1}面とのな
す面角度は58.8°の値が得られる。また{0,0,
1}面と{0,1,1}面とのなす面角度は58.9°
の値が得られる。したがって、c軸方向が長手方向とな
るように正角柱状に切り出した種結晶の先端を、この角
度に加工し、鏡面研磨すればよい。
【0040】この後の工程は、前実施例1に準じて単結
晶の成長をおこなった。その結果、本実施例においても
図6(a)〜(b)に示すように小傾角粒界のない大口
径の単結晶2が得られた。特に本実施例においては、種
結晶1の先端面、すなわち融液との接触面は、成長する
単結晶2の晶癖により出現する結晶面に加工されている
ので、成長初期に種結晶1表面近傍に発生し易い空洞等
の巨視的欠陥が発生せず、極めて良質の単結晶2を得る
ことが可能である。なお種結晶1の先端の面角度の加工
は、厳密に計算値通りが望ましいが、±2〜3°以内の
誤差であれば巨視的欠陥の防止効果が得られる。
晶の成長をおこなった。その結果、本実施例においても
図6(a)〜(b)に示すように小傾角粒界のない大口
径の単結晶2が得られた。特に本実施例においては、種
結晶1の先端面、すなわち融液との接触面は、成長する
単結晶2の晶癖により出現する結晶面に加工されている
ので、成長初期に種結晶1表面近傍に発生し易い空洞等
の巨視的欠陥が発生せず、極めて良質の単結晶2を得る
ことが可能である。なお種結晶1の先端の面角度の加工
は、厳密に計算値通りが望ましいが、±2〜3°以内の
誤差であれば巨視的欠陥の防止効果が得られる。
【0041】実施例3 本実施例は、同じくTSSG法によりKTP単結晶をa
軸成長する場合につき述べる。種結晶としては、母材と
なるKTP単結晶をそのa軸方向が長手方向となるよう
に正角柱状に切り出し鏡面加工したものをそのまま用い
た。この場合、種結晶の先端面は{1,0,0}面であ
り、他の面は{0,1,0}面および{0,0,1}面
である。このうち、先端面の{1,0,0}面は、成長
する単結晶の晶癖により出現する結晶面と一致する。し
たがって、本実施例では正角柱状の種結晶先端をさらに
加工することなく、そのまま加工歪層の除去工程および
単結晶の成長工程に入ることができる。
軸成長する場合につき述べる。種結晶としては、母材と
なるKTP単結晶をそのa軸方向が長手方向となるよう
に正角柱状に切り出し鏡面加工したものをそのまま用い
た。この場合、種結晶の先端面は{1,0,0}面であ
り、他の面は{0,1,0}面および{0,0,1}面
である。このうち、先端面の{1,0,0}面は、成長
する単結晶の晶癖により出現する結晶面と一致する。し
たがって、本実施例では正角柱状の種結晶先端をさらに
加工することなく、そのまま加工歪層の除去工程および
単結晶の成長工程に入ることができる。
【0042】加工歪層の除去工程および単結晶の成長工
程は、前実施例1に準じた条件を用いてよい。本実施例
においても、得られた単結晶は小傾角粒界や巨視的欠陥
のない良質のものであった。ただしKTPのa軸方向の
成長速度は小さく、得られる単結晶はc軸成長やb軸成
長と比較しても薄いので、特殊な用途の素子を作成する
場合に本実施例は有効である。
程は、前実施例1に準じた条件を用いてよい。本実施例
においても、得られた単結晶は小傾角粒界や巨視的欠陥
のない良質のものであった。ただしKTPのa軸方向の
成長速度は小さく、得られる単結晶はc軸成長やb軸成
長と比較しても薄いので、特殊な用途の素子を作成する
場合に本実施例は有効である。
【0043】実施例4 本実施例は、同じくTSSG法によりKTP単結晶をb
軸成長する場合につき述べる。種結晶は母材となるKT
P単結晶をそのb軸方向が長手方向となるように切り出
し、その先端面をさらに加工したものを使用した。KT
P単結晶をb軸成長すると、単結晶先端には{0,1,
1}面および{1,1,0}面が出現する。したがっ
て、種結晶の先端面、すなわち融液と接する部分を、図
5に示すように{0,1,1}面および{1,1,0}
面により構成されるように加工した。先に示したKTP
の格子定数から計算すると、種結晶1のb軸の先端面を
構成する{0,1,0}面と{1,1,0}面とのなす
面角度は31.1°の値が得られる。また{0,1,
0}面と{0,1,1}面とのなす面角度は26.5°
の値が得られる。したがって、b軸方向が長手方向とな
るように正角柱状に切り出した種結晶の先端を、この角
度に加工し、鏡面研磨すればよい。
軸成長する場合につき述べる。種結晶は母材となるKT
P単結晶をそのb軸方向が長手方向となるように切り出
し、その先端面をさらに加工したものを使用した。KT
P単結晶をb軸成長すると、単結晶先端には{0,1,
1}面および{1,1,0}面が出現する。したがっ
て、種結晶の先端面、すなわち融液と接する部分を、図
5に示すように{0,1,1}面および{1,1,0}
面により構成されるように加工した。先に示したKTP
の格子定数から計算すると、種結晶1のb軸の先端面を
構成する{0,1,0}面と{1,1,0}面とのなす
面角度は31.1°の値が得られる。また{0,1,
0}面と{0,1,1}面とのなす面角度は26.5°
の値が得られる。したがって、b軸方向が長手方向とな
るように正角柱状に切り出した種結晶の先端を、この角
度に加工し、鏡面研磨すればよい。
【0044】この後の加工歪層の除去工程および単結晶
の成長工程は、前実施例1に準じた条件を用いてよい。
本実施例においても、得られた単結晶は小傾角粒界や巨
視的欠陥のない良質のものであった。
の成長工程は、前実施例1に準じた条件を用いてよい。
本実施例においても、得られた単結晶は小傾角粒界や巨
視的欠陥のない良質のものであった。
【0045】以上、本発明を4例の実施例により詳細に
説明したが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるも
のではない。
説明したが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるも
のではない。
【0046】例えば、種結晶およびここに成長する単結
晶の例としてKTPを例示したが、一般式MTiOXO
4 (MはK,Rb,Cs等のIa族金属を、XはP,A
s等のVa族元素をそれぞれ表す)で表される非線型光
学材料結晶や、チタン酸バリウム等の強誘電体材料結
晶、フェライトやガーネット等の磁性材料結晶、その他
各種の単結晶を成長するに際して本発明を適用すること
が可能である。またその融剤や成長条件等は、成長すべ
き個別の単結晶材料に応じて各種変更が可能である。
晶の例としてKTPを例示したが、一般式MTiOXO
4 (MはK,Rb,Cs等のIa族金属を、XはP,A
s等のVa族元素をそれぞれ表す)で表される非線型光
学材料結晶や、チタン酸バリウム等の強誘電体材料結
晶、フェライトやガーネット等の磁性材料結晶、その他
各種の単結晶を成長するに際して本発明を適用すること
が可能である。またその融剤や成長条件等は、成長すべ
き個別の単結晶材料に応じて各種変更が可能である。
【0047】また結晶析出平衡温度は、種結晶の材料、
融剤の材料やそれらの配合比等により個別に決定される
値であるので、あらかじめ実験により、種結晶の溶解
も、種結晶上への成長もおこらない温度を求めておけば
よい。
融剤の材料やそれらの配合比等により個別に決定される
値であるので、あらかじめ実験により、種結晶の溶解
も、種結晶上への成長もおこらない温度を求めておけば
よい。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の単結晶の製造方法によれば、加工後の種結晶が融液と
接触する接触面の少なくとも一部を除去することによ
り、小傾角粒界のない、大口径の単結晶を得ることがで
きる。また種結晶の先端面、すなわち融液との接触面
を、成長する単結晶の晶癖により出現する結晶面に加工
し、さらにこの種結晶の結晶面が融液と接触する接触面
の少なくとも一部を除去することにより、成長初期に種
結晶表面近傍に発生する空洞等の巨視的欠陥の防止効果
が併せて得られ、極めて良質の単結晶を得ることが可能
となる。
の単結晶の製造方法によれば、加工後の種結晶が融液と
接触する接触面の少なくとも一部を除去することによ
り、小傾角粒界のない、大口径の単結晶を得ることがで
きる。また種結晶の先端面、すなわち融液との接触面
を、成長する単結晶の晶癖により出現する結晶面に加工
し、さらにこの種結晶の結晶面が融液と接触する接触面
の少なくとも一部を除去することにより、成長初期に種
結晶表面近傍に発生する空洞等の巨視的欠陥の防止効果
が併せて得られ、極めて良質の単結晶を得ることが可能
となる。
【図1】本発明の単結晶の製造方法に使用した単結晶成
長装置の概略構成を示す断面図である。
長装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】実施例1で採用した種結晶の下方斜視図であ
る。
る。
【図3】実施例1で得られた単結晶の下方斜視図であ
る。
る。
【図4】実施例2で採用した種結晶の下方斜視図であ
る。
る。
【図5】実施例4で採用した種結晶の下方斜視図であ
る。
る。
【図6】実施例1で得られた単結晶の形状を示し、
(a)は概略側面形状、(b)はc軸の成長方向側から
みた概略平面形状である。
(a)は概略側面形状、(b)はc軸の成長方向側から
みた概略平面形状である。
【図7】比較例により得られた単結晶の形状を示し、
(a)は概略側面形状、(b)はc軸の成長方向側から
みた概略平面形状である。
(a)は概略側面形状、(b)はc軸の成長方向側から
みた概略平面形状である。
1…種結晶、2…単結晶、3…融液、4…ルツボ、5…
回転棒、6…加熱炉
回転棒、6…加熱炉
Claims (4)
- 【請求項1】 原料組成物と融剤とを含む融液に種結晶
を接触せしめ、前記融液を徐冷するとともに前記種結晶
を回転しつつ、前記種結晶上に単結晶を成長させる工程
を有する単結晶の製造方法であって、 前記種結晶上に前記単結晶を成長させる工程に先立ち、 前記種結晶の、前記融液との接触面の少なくとも一部を
除去する工程を挿入することを特徴とする単結晶の製造
方法。 - 【請求項2】 前記種結晶の、前記融液との接触面の少
なくとも一部を除去する工程は、 前記融液の温度を、前記単結晶の結晶析出平衡温度より
高温に設定しつつ、前記種結晶の前記融液との接触面の
少なくとも一部を前記融液中に溶解する工程であること
を特徴とする請求項1記載の単結晶の製造方法。 - 【請求項3】 前記種結晶の、前記融液との接触面の少
なくとも一部を除去する工程は、 前記種結晶表面の加工変質層を除去する工程であること
を特徴とする請求項1記載の単結晶の製造方法。 - 【請求項4】 前記種結晶の、前記融液との接触面は、 成長する前記単結晶の晶癖により出現する結晶面に準じ
る面に加工されていることを特徴とする請求項1記載の
単結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27001197A JPH11106284A (ja) | 1997-10-02 | 1997-10-02 | 単結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27001197A JPH11106284A (ja) | 1997-10-02 | 1997-10-02 | 単結晶の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11106284A true JPH11106284A (ja) | 1999-04-20 |
Family
ID=17480314
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27001197A Pending JPH11106284A (ja) | 1997-10-02 | 1997-10-02 | 単結晶の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11106284A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009084154A (ja) * | 2009-01-09 | 2009-04-23 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 種結晶表面のエッチング方法 |
| WO2013067502A1 (en) * | 2011-11-04 | 2013-05-10 | University Of Houston System | System and method for monolithic crystal growth |
-
1997
- 1997-10-02 JP JP27001197A patent/JPH11106284A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009084154A (ja) * | 2009-01-09 | 2009-04-23 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 種結晶表面のエッチング方法 |
| WO2013067502A1 (en) * | 2011-11-04 | 2013-05-10 | University Of Houston System | System and method for monolithic crystal growth |
| US10047456B2 (en) | 2011-11-04 | 2018-08-14 | University Of Houston System | Method of producing a monolithic crystal by top-seeded solution growth from a liquid crystal flux comprising a mixture of solid precursors |
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