JPH11106355A - 標的細胞へ治療学上活性な物質を輪送するのに有用な組成物及びその遺伝子治療における使用 - Google Patents

標的細胞へ治療学上活性な物質を輪送するのに有用な組成物及びその遺伝子治療における使用

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JPH11106355A
JPH11106355A JP10222235A JP22223598A JPH11106355A JP H11106355 A JPH11106355 A JP H11106355A JP 10222235 A JP10222235 A JP 10222235A JP 22223598 A JP22223598 A JP 22223598A JP H11106355 A JPH11106355 A JP H11106355A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも一つの治療上活性な物質を標的細
胞の内部に転移させるために意図され、少なくとも一つ
の治療上活性な物質と、非プロトン性極性化合物の特定
の群から選択される少なくとも一つの極性化合物との混
合物を含むことを特徴とする組成物に関する。この治療
上活性な物質は好ましくはポリヌクレオチドであり、極
性化合物は、ポリヌクレオチドの標的細胞の内部へのト
ランスフェクションの能力を改善するDPSOである。
本発明による組成物は、遺伝子治療によってヒトまたは
動物の体の治療をするための、診断上、治療上、予防上
またはワクチン接種用の薬剤として使用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、治療上活性な物質を、
標識細胞、特に脊椎動物細胞、さらに具体的には哺乳動
物細胞に導入するのに使用され得る組成物に関する。さ
らに具体的には、本発明は、治療上活性な物質、特にポ
リヌクレオチドを標的細胞に転移させるためのベクター
を調製するためのこの組成物の使用に関する。
【0001】遺伝子疾患は特に、特定の遺伝子の発現機
能不全か、または機能しない変異した遺伝子の発現によ
る。例えば嚢胞性繊維症は、平均余命が25から30年
の致死遺伝子疾患の最も頻発するもの(1/2000)とみな
されており、粘膜細胞からの分泌物の実質的濃度上昇、
慢性の肺性発作および膵臓の外分泌不全を特徴とする。
この疾病は、電解質、特に塩化物の上皮膜を経る輸送に
おける障害に関連しているが、この障害はCFTR(嚢
胞性繊維経膜伝導性制御)遺伝子の変異の結果である
(Rommens, Science 245 (1989), 1059-1066; Rosenfel
d, Chest 109 (1996), 241-252)。この種の疾患に最
も適すると思われる治療上の解決法は、観察される細胞
性機能不全を正常にするために標的細胞に機能性CFT
Rポリペプチドをコードする遺伝子を転移させる方法で
ある。遺伝子治療とも呼ばれるこのアプローチの背景に
おいては、何人かの著者は、特に利用しやすいという結
果から、呼吸器の上皮細胞が、例えば肺への注入のよう
な肺内投与という手段により、特に好ましい標的である
ことを示している。電解質輸送の回復が観察されるため
には標的細胞において通常のCFTR遺伝子の発現の約
5〜7%の発現レベルが得られなければならないことが
示された。同様に、いくつかの刊行物では、癌になった
標的細胞へ遺伝子を転移する技術を使用することによ
る、腫瘍の除去、あるいは除去しそこなった場合に腫瘍
の進行を遅らせる可能性が記述されている。いくつかの
アプローチ、特に、腫瘍に対して細胞性免疫応答を誘導
または活性化できる免疫刺激遺伝子を転移させること
(免疫療法)(例えばそのような遺伝子の治療的使用の
例として、サイトカイン類をコードする遺伝子の投与が
挙げられる)遺伝子を発現する細胞に毒性を与える細胞
毒性遺伝子(例えば1型単純ヘルペスウィルス(HSV
−1)のtk遺伝子)を転移させること、あるいは、抗
腫瘍遺伝子、すなわち、網膜芽腫遺伝子もしくはp53
遺伝子のような腫瘍抑制遺伝子、または、アンチセンス
分子や腫瘍遺伝子の特定のメッセンジャーRNAを分解
できるまたはリボザイムのように、腫瘍遺伝子の活性を
阻害できるポリヌクレオチドを転移させることが検討さ
れている。
【0002】これまで30年にわたって、様々な異種遺
伝子を細胞、特にほ乳類の細胞に導入するために多くの
手段が開発されてきた。これらの種々の技術は二つの部
類に分類され得る。第一の部類は、ミクロインジェクシ
ョン、電気穿孔法(エレクトロポレーション)または粒
子ボンバードのような、効果的ではあるが大部分はイン
ビトロでの適用に制限され、その実行は煩わしく細心の
注意が必要となる物理的技術に関する。第二の部類は、
転移される遺伝子を、前記の物質の導入を促進する生物
学的または合成のベクターに結合させる、分子生物学お
よび細胞生物学に関する技術を含む。
【0003】現在、最も効果的なベクターは、ウィルス
ベクター、特にアデノウィルスベクターまたはレトロウ
ィルスベクターである。開発された技術は、細胞膜を通
り抜け、遺伝子物質の切断を回避し、そしてそのゲノム
を核に入り込ませるために、ウィルスが持っている生来
の特性に基づいている。これらのウィルスは既に多くの
研究の主題となっており、そのいくつかは既に、例えば
ワクチン投与、免疫療法、または遺伝的不全を補うこと
を目的とする治療のために、ヒトにおいて遺伝子ベクタ
ーとして実験的に使用されている。しかしながら、この
ウィルスによるアプローチは、特にウィルスゲノム内で
の限られたクローニング能力のために、産生された感染
性ウィルス粒子が宿主の生体内および環境にまき散らさ
れる危険性、レトロウィルスベクターの場合は宿主細胞
への挿入の結果、人工的変異誘発が起こる危険性、およ
び免疫応答および炎症性の応答が治療処置のあいだにイ
ンビボにおいて強く誘導されるという事実といった多く
の制限を受け、従って実質上、考えられる投与の数は制
限される(McCoy, Human Gene Therapy 6 (1995),1553-
1560; Yang, Immunity 1 (1996), 433-442)。特にヒト
におけるウィルスベクターを使用する環境におけるこれ
らの多くの障害から、いくつかのグループは、ポリヌク
レオチドを転移させるための代わりのシステムを開発し
た。
【0004】現在いくつかの非ウィルス的な方法が利用
可能である。例えばリン酸カルシウムとの共沈、DOT
MA(Felgner, PNAS 84 (1987), 7413-7417)、DOGS
またはトランスフェクタム(Behr, PNAS 86 (1989), 698
2-6986)、DMRIEおよびDORIE (Felgner,Metho
d5(1993), 67-75)、DC−CHOL (Gao, BBRC 179
(1991), 280-285)、DOTAP(McLachlan, Gene Thera
py 2 (1995), 674-622)またはリポフェクトアミンなど
の陽イオン性脂質の使用、ウィルスのシステムを模した
受容体(総説として、Cotten, Current Opinion in Biot
echnology 4 (1993), 705-710を参照)の使用、および
ポリアミドアミン(Haensler, Bioconjugate Chem. 4
(1993), 372-379)のようなポリマーの使用が挙げられ
る。これらの技術は有望ではあるが、しかしながら、特
にインビボでの効果のレベルが低いことなど、多くの制
限を受け、インビボでの効果が低いことが実質的に遺伝
子治療におけるこれらの技術の適用を制限している。さ
らに、これらの技術のいくつかは、特に使用される分子
の毒性(ポリブレンが例として挙げられる)のため、ま
たはこれらの化合物の導入に対する炎症性の反応(陽イ
オン性脂質の場合、例として、Scheule, Human Gene Th
erapy 8 (1997), 689-707)のために、インビトロでの
適用に制限されるか、または、多量の核酸物質がエンド
サイトーシスの間、小胞にとらえられて、そのためにも
はや治療に役立たなくなる受容体の場合は制御するのが
困難である。最終的には、これらの技術は環境因子に比
較的敏感であり、これらを標的細胞または選択された投
与形態に適応させるため、そしてさらに具体的にはこれ
らをインビトロのモデルからインビボでの投与に移行さ
せるために、長期の細心の注意を要する開発が必要であ
る。
【0005】Wolff(Science 2478 (1990), 1465-
1468)は、標的細胞への導入を容易にする他の化合物の
結合していない精製ポリヌクレオチドを単に筋内経路に
よって注入することからなるシステムである、筋細胞に
ポリヌクレオチドを導入するための魅力的で単純なシス
テムを示した。気管内注入(Meyer, Gene Therapy 2(19
95), 450-460)、または動脈注射(Riessen, Human Gen
e Therapy 4 (1993),749−758)によって、より
最近得られた結果は、そのようなシステムがもたらす重
要性を裏付けている。しかしながら組織に導入された遺
伝子が発現されるレベルはなおかなり制限されるので、
特に肺疾患に関しては、この技術は有効な遺伝子治療と
いう面において実行可能ではない。いくつかの研究がこ
のタイプのヌクレオチドの細胞への導入を改善するため
の代替法を示唆している。例えば、特許出願WO95/
26718は、細胞を遺伝子ワクチン促進剤および核酸
分子に接触させる工程を含む、細胞への遺伝物質の導入
方法に関する。そこに記述されている特定の実施例によ
れば、この遺伝子ワクチン促進剤はDMSOからなり得
る。しかしながら、この特許出願には実験データが示さ
れておらず、Aubin(Somatic Cell Mol. Genet. 1
4 (1988), 155-167)またはRhim (Oncogene 4(198
9), 1403-1409)が行った実験は、DMSOの使用をポリ
ブレンのような静電架橋分子の使用と組み合わせる必要
性を強調した。より具体的には、Aubinは二工程の
方法を記述している。第一の必須の工程によれば、トラ
ンスフェクションされるDNAは、このDNAが細胞表
面に吸着するように、静電架橋分子、すなわちポリブレ
ンと接触させ、第二工程によれば、こうして吸着したD
NAを、細胞へのDNAの導入を改善するためにDMS
Oと接触させる。これらの研究は、インビボでの適用に
好適であり、ポリヌクレオチド、より具体的にはいかな
るトランスフェクション促進化合物ももたないポリヌク
レオチドを異なる細胞型に効率的に導入することを意図
し、そして、その核酸がその標的細胞において発現する
レベルを改善するプロトコルを特定することは出来な
い。このほかに、Oudhiri (PNAS 94 (1997), 1
651-1656)は、細胞への導入を促進するいかなる化合物
ももたないプラスミドの気管内注入の後、肺細胞におい
てルシフェラーゼ遺伝子の発現が得られなかったことを
示した。
【0006】このように、本発明の基礎となる技術的課
題は、治療上活性な物質の標的細胞に効果的に転移させ
るための手段と方法を提供することである。この技術的
問題の解決は、特許請求の範囲に特徴づけられる実施態
様によって達成され、すなわち、出願人は、治療上活性
な物質、好ましくはポリヌクレオチドを標的細胞へ転移
させるための特異的な組成物を開発した。この組成物
は、特に遺伝子治療という面において、インビボで特に
その成分が無害であることから、使用が考えられ得る。
【0007】このように本発明は、第一に、少なくとも
一つの治療上活性な物質と、非プロトン性極性化合物の
特定の群より選択される少なくとも一つの極性化合物と
の混合物を含むことに特徴づけられる組成物に関する。
【0008】本発明に関して、「非プロトン性極性化合
物」は、いかなる陽イオン化する水素原子も含まない化
合物(非プロトン性)を指すと理解される。このような
化合物の特性は広く文献に記述されている(例えば、Vo
llhardtおよびSchore,1994,Trait de Chimie Organique
[Treatise on Organic Chemistry], 第二版 De Boeck大
学編集を参照)。特にこのような化合物は、天然からま
たは合成して、または、当初は上記の特性を示さない初
期化合物の化学的変更によって得ることができる。当業
者はこのような化合物を同定するのに必要な知識を持っ
ている。以下に記載するような本発明の組成物、方法お
よび使用に用いられる非プロトン性極性化合物は様々な
販売元からの購入で得ることが可能であり、または先行
技術に記載されたように製造することが可能である。多
数の極性化合物が本発明に関連して使用されることが考
えられ得る。
【0009】この発明の第一の態様によれば、好ましい
ものとしては、(a) 一般式I
【0010】
【化4】 (この式中、R1およびR2は同一かまたは異ってお
り、任意に繰り返されていてもよく、直線状または分枝
状であり、かつ任意に置換されていてもよい、炭素原子
が1〜8個のアリル基、アルキル基、シクロアルキル
基、フルオロアルキル基、アルケニル基またはオキシア
ルキル基であり、ただし、R1またはR2が1または2
個の炭素原子の基である場合は、それぞれR2またはR
1は少なくとも3個の炭素原子の基であり、R1とR2
は分子を環化するために連結可能である。)、(b)一
般式II
【0011】
【化5】 (この式中、R3およびR4は同一かまたは異ってお
り、任意に繰り返されていてもよく、直線状または分枝
状であり、かつ任意に置換されていてもよい、炭素原子
が1〜8個のアリル基、アルキル基、シクロアルキル
基、フルオロアルキル基、アルケニル基またはオキシア
ルキル基であり、R3とR4は分子を環化するために連
結可能である。)、(c)一般式III
【0012】
【化6】 (この式中、R3およびR4は同一かまたは異ってお
り、任意に繰り返されていてもよく、直線状または分枝
状であり、かつ任意に置換されていてもよい、炭素原子
が1〜8個のアリル基、アルキル基、シクロアルキル
基、フルオロアルキル基、アルケニル基またはオキシア
ルキル基であり、R5は(CH2xであり、それぞれの
[R5-S]nの繰り返し中互いに独立であり、xは1〜6
であり、R5は任意に置換されていてもよく、nは1〜
50であり、R3とR4は分子を環化するために連結可
能である。)、または、(d)ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素またはこれら
のいずれかの誘導体、により定義される非プロトン性極
性化合物が挙げられる。
【0013】好ましくは、このR1、R2、R3および
/またはR4の基は2〜6個の炭素原子、より好ましく
は2〜4個の炭素原子、そして特に好ましくは2〜3個
の炭素原子を含む。
【0014】「アルケニル」という表現は、炭素鎖がそ
の鎖に沿って1またはそれ以上の二重結合を含み得るこ
とを意味すると理解される。本発明によれば、極性化合
物のR1、R2、R3、R4および/またはR5の基は
置換され得る。このような置換は、特に、例えば化合物
またはインビトロまたはインビボへの投与後、それを取
り込んだ複合体の分布の可視化を可能にする標識分子
(US4,711,955の標識分子を参照)、細胞標的
分子(リガンド)または固定分子より成り得る。科学刊
行物に広く記載されてきたこれらの因子は、特定の細胞
型の標的化、細胞への浸透の促進、エンドソームの溶解
または核への細胞内輸送を行う。これらの因子は、糖、
グリコール、ペプチド(例えば、GRP、ガストリン放
出ペプチド)、オリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、
ビタミン、抗原、抗体(またはその断片)、特異的膜受
容体リガンド、抗リガンドと反応可能なリガンド、融合
ペプチド、核内ペプチド、または、前記化合物の複合
体、例えば、肝細胞の表面のアシアロ糖蛋白質受容体を
標的とするガラクトシル残基、膜融合のためのインフル
エンザウィルス血球凝集素のHA−2サブユニット由来
のINF−7融合ペプチド(Plank, J. Biol. Chem. 26
9 (1994), 12918-12924)、またはSV40ウィルスの
T抗原(Lanford, Cell 37 (1984), 801-813)またはエ
プスタイン・バーウィルスのEBNA−1蛋白質 (Ambi
nder, J.Virol. 65 (1991), 1466-1478)由来の核シグナ
ル配列の、全てまたは一部から構成されてもよい。
【0015】本発明によれば、前記の非プロトン性極性
化合物は、特に、ジ−n−プロピルスルホキシド(DP
SO)、ジメチルスルホン、スルホラン、テトラメチレ
ンスルホキシド(TEMSO)、1−メチル−2−ピロ
リドン、メチル−ジ−メチルスルホキシド、メチルジエ
チルスルホキシドおよびこれらの誘導体よりなる群から
選択される。本発明の好適な形態によれば、前記の非プ
ロトン性極性化合物は、ジ−n−プロピルスルホキシド
(DPSO)およびその誘導体よりなる群から選択され
る。付記された実施例に記載されているとおり、DPS
OはDNAと混合して投与されるときに、細胞によるD
NAの取り込みを有意に促進することがわかった。前記
分子のエナンチオマーもまた本発明の範囲に含まれる。
【0016】本発明の目的のため、前述の化合物のいず
れの「誘導体」も、その化学構造が上述の化合物の化学
構造を基本とし、かつ標的細胞に物質を転移させるため
に使用され得る分子を意味する。このような誘導化合物
を用いた物質のトランスフェクションでの細胞による物
質の取り込みを促進する能力は、天然に存在する非プロ
トン性極性化合物および上記した化合物に比較して強め
られてさえいるかもしれない。このような誘導体の製造
方法は当業者には周知であり、例えば、Beilstein, Han
dbook of Organic Chemistry, Springer edition New Y
ork Inc., 175Fifth Avenue, New York, N.Y. 10010 U.
S.A.およびOrganic Synthesis, Wiley,New York, U.S.
A.に記載されている。前記の誘導体は、当業者に知られ
た方法、または、例えば付記された実施例に記載された
方法に従って、トランスフェクションでの実用性につい
て試験され得る。更に、例えば当業者に知られた方法に
よって、適当な誘導体および類似体のコンピュータが補
助した設計物が使用され得る。更に、DPSOおよび他
の関連する非プロトン性極性化合物の三次元的および/
または結晶学的構造が、DNA取り込みを促進すること
のできる化合物の設計のために使用され得る(Rose, Bio
chemistry 35 (1996), 12933-12944; Rutenber, Bioor
g. Med. Chem. 4 (1996), 1545-1558)。
【0017】本発明の他の実施態様によれば、前記の非
プロトン性極性化合物はジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素(TM
U)およびこれらの誘導体よりなる群から選択される。
【0018】本発明の組成物の活性物質は、これに制限
はされないが、ペプチド、蛋白質、ポリヌクレオチド、
抗体、低分子の有機化合物リガンド、ホルモン、ペプチ
ド類似体、PNA、およびこれに類する、好ましくは被
験者において生理学的反応を誘導および/または媒介す
ることができるものを包含する。好ましくは、本発明に
よる組成物の活性物質はポリヌクレオチドであり、ポリ
ヌクレオチドの細胞へトランスフェクションされる能力
を改善することが可能な非プロトン性極性化合物を伴っ
ている。
【0019】「ポリヌクレオチド」は、天然から単離さ
れ、または合成された、直鎖状または環状の、二本鎖ま
たは一本鎖のDNAおよび/またはRNA断片を意味す
ると理解され、また、この用語は、標識されたまたは標
識されていない(例えば、US4,711,955または
EP302175参照)、修飾されたまたは修飾されて
いない(例としてUS5,525,711参照)ヌクレオ
チドの正確な配列を示し、またその長さを制限すること
なく核酸の断片または領域を規定し得る。ポリヌクレオ
チドは、特に、cDNA、ゲノムDNA、プラスミドD
NA、細胞へのその導入を促進するいかなる化合物もも
たないポリヌクレオチド、少なくとも1つの、特にウィ
ルス由来の、更には特に、アデノウィルスまたはレトロ
ウィルス由来のポリペプチドと、または合成ポリペプチ
ドと結合しているポリヌクレオチド、リガンドと結合し
ているポリヌクレオチド、少なくとも1つの陽イオン両
親媒性化合物、特に脂質と結合しているポリヌクレオチ
ド、少なくとも1つの陽イオン性または中性のポリマー
と結合しているポリヌクレオチド、メッセンジャーRN
A、アンチセンスRNA、リボザイム、転移RNA、リ
ボソームRNA、またはこれらのようなRNAをコード
するDNAを表すと理解される。
【0020】本発明の一つの特別な実施の態様によれ
ば、前記のポリヌクレオチドは対象の遺伝子およびその
対象の遺伝子を発現可能にする因子を含む。この実施の
態様において、前記のポリヌクレオチドはプラスミドの
形態が好適である。発現を起こすことが可能な因子は、
前記のDNA断片をRNA(アンチセンスRNAまたは
mRNA)に転写させることが可能で、かつmRNAを
ポリペプチドに翻訳することができる因子の全てであ
る。これらの因子は特に、前記の細胞において効果的な
プロモーター配列および/または制御配列、および、そ
れが適したところでは、前記のポリペプチドを分泌さ
せ、あるいは標的細胞の表面で発現可能にするために必
要な配列である。例として、RSV、MPSV、SV4
0、CMVまたは7.5kウィルスまたはワクシニアウ
ィルスのプロモーター、または筋クレアチンキナーゼ、
アクチンおよび肺の界面活性物質をコードする遺伝子の
プロモーターが挙げられる。更に、与えられた細胞型に
特異的な、または規定された条件下で活性化され得るプ
ロモーター配列を選択することが可能である。文献はこ
のようなプロモーター配列に関する多くの情報を提供す
る。さらに、前記のポリヌクレオチドは、転写プロモー
ター活性を示す少なくとも2つの同一または異なる配
列、および/または、隣接して、または離れて位置し、
少なくとも2つの同一または異なるDNAをコードする
配列を包含し得る。そして、この配列は同方向か反対方
向で、それぞれに関しては、転写プロモーターの機能ま
たはそれによって作用を受ける前記の配列の転写を伴わ
ない。同様に、この型の核酸構成物において、転写に影
響を及ぼさず翻訳の段階の前にスプライシングされる
「中間的(neutral)」核酸配列またはイントロンを導
入することが可能である。この種の配列、およびその使
用は文献に記載されている。前記のポリヌクレオチドは
また、細胞内輸送、複製および/または組込みに必要な
配列を包含し得る。そのような配列は当業者に周知であ
る。加えて、本発明によるポリヌクレオチドはまた、標
的細胞のゲノムに組込まれないように修飾されたポリヌ
クレオチド、または例えばスペルミンのような物質によ
って安定化されたポリヌクレオチドであり得る。
【0021】本発明の組成物はさらに、上記のポリヌク
レオチドに連結しているかまたは例えば組換えプラスミ
ド内で独立した核酸分子である、選択可能なマーカー遺
伝子を含む。この実施の態様は特に組織、細胞および器
官の生体外の処置に適する。外来DNAの導入に続い
て、操作された細胞は栄養培地で1〜2日生育させても
よく、その後、選択培地に切り替えられる。この組換え
プラスミドにおける選択可能なマーカーは、選択に対す
る耐性を与え、その染色体にプラスミドを安定的に組み
込み、成長して順に細胞系にクローニングされ増殖され
得るフォーカスを形成する。多数の選択システムが使用
されてもよく、これに制限はされないが、tk-、hg
prt-またはaprt-細胞それぞれにおける単純ヘル
ペスウィルスチミジンキナーゼ(Wigler, Cell 11 (197
7), 223)、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルト
ランスフェラーゼ(Szybalska, Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 48 (1962), 2026)、およびアデニンホスホリボ
シルトランスフェラーゼ(Lowy, Cell 22 (1980), 81
7)が含まれる。また、代謝拮抗物質耐性も、メトトレ
キセートに対する耐性をあたえるdhfr(Wigler, Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA
【0022】77 (1980), 3567; O'Hare, Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 78 (1981), 1527)、マイコフェノール
酸に対する耐性を与えるgpt(Mulligan Proc. Natl.
Acad.Sci. USA 78 (1981), 2072)、アミノグリコシド
G−418に対する耐性を与えるneo(Colberre-Gar
apin, J. Mol. Biol. 150(1981), 1)、ハイグロマイシ
ンに対する耐性を与えるhygro(Santerre, Gene 3
0 (1984), 147)、またはピューロマイシン(pat、ピュ
ーロマイシン N−アセチルトランスフェラーゼ)を選択
する基礎として使用され得る。追加的な選択可能な遺伝
子としては、例えば、細胞をトリプトファンの代わりに
インドールを利用できるようにするtrpB、細胞をヒ
スチジンの代わりにヒスチノールを利用できるようにす
るhisD(Hartman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85
(1988), 8047)、およびオルニチンデカルボキシラー
ゼ阻害物質、2−(ジフルオロメチル)−DL−オルニチ
ン、DFMOに対する耐性を与えるODC(オルニチン
デカルボキシラーゼ)(McConlogue, 1987, Current Com
munications in Molecular Biologyにて、Cold Spring
Harbor Laboratory編集)が記載されている。
【0023】インビトロまたはインビボの遺伝子治療の
ための、本発明の組成物に使用するのに有用な、好適な
ベクターおよびプラスミドは文献に記載されており、お
よび当業者に知られている。例えば、Giordano, Nature
Medicine 2 (1996), 534-539、 Schaper, Circ. Res.
79 (1996), 911-919、Anderson, Science 256 (1992),
808-813、 Isner, Lancet 348 (1996), 370-374、 Muh
lhauser, Circ. Res.77 (1995), 1077-1086、 Wang, N
ature Medicine 2 (1996), 714-716、 WO94/29469、 WO
97/00957 またはSchaper, Current Opinion in Biotech
nology 7 (1996), 635-640、およびこれらにおいて引
用された文献を参照のこと。好ましくは、前記のベクタ
ーは遺伝子の転移物または標的のベクターである。当業
者に周知の方法は上述したポリヌクレオチド、プラスミ
ド、組換えベクターの構築に使用され得る。例えば、Sa
mbrook, Molecular Cloning A Laboratory Manual, Col
dSpring Harbor Laboratory (1989) N.Y.およびAusube
l, Current Protocols inMolecular Biology, Green Pu
blishing Associates and Wiley Interscience, N.Y.
(1989)に記載された技術を参照。
【0024】本発明においては、ポリヌクレオチドは標
的細胞に対して同種または異種であり得る。特に、治療
上のまたは予防上の活性、さらに具体的には、細胞性ま
たは体液性のタイプの免疫原性を示すポリペプチドの、
全体または一部をコードするポリヌクレオチドを使用す
ることは好都合であり得る。ポリペプチドという用語
は、ポリペプチドの大きさ、または(例えば糖鎖によ
る)修飾の程度に関する制限のないものとして理解され
るべきである。例として、酵素、ホルモン、サイトカイ
ン、膜受容体、構造ポリペプチド、膜チャネルを形成す
るポリペプチド、輸送ポリペプチド、接着分子、リガン
ド、転写、翻訳、複製または転写安定化を制御する因
子、または抗体をコードする遺伝子であってもよく、例
えば、CFTR蛋白質、ジストロフィン、第VIII因子ま
たは第IX因子、HPV E6/E7、MUC1、BRA
C1、インターフェロン、インターロイキン(IL-
2、IL−4、IL−6、IL−7およびIL−1
2)、腫瘍壊死因子(TNF)αまたはGM−CSF
(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)をコードす
る遺伝子、または単純ヘルペスウィルス1型(HSV−
1)のtk遺伝子、網膜芽腫遺伝子、またはp53遺伝
子、または免疫グロブリンの全体もしくはF(a
b)2、Fab’およびFab断片などの一部、または
抗イデオタイプ免疫グロブリン(US4,699,88
0)がある。もちろん、このリストに制限されず、他の
遺伝子も使用され得ると理解される。
【0025】本発明によれば、必要ならば、本発明によ
る組成物をできるだけ小さい体積で投与できるよう、で
きるだけ高濃度のポリヌクレオチドを含む組成物を得る
ことが望ましいであろう。当業者は、前記のポリヌクレ
オチドを溶解する媒質の溶解能に従ってこの濃度を調節
し得る充分な知識を持っている。好ましい実施態様によ
れば、前記の非プロトン性極性化合物は水溶液中にあ
り、すなわち、適切には生理食塩水で、かつ緩衝された
水溶液中に希釈される。当業者は、標的細胞の型に最も
適した水溶液を選択し得る充分な知識を持っている。よ
り具体的には、前記の極性化合物は、水または例えばp
H7.5の20mMHepesのような緩衝液中の溶液
の状態である。非プロトン性極性化合物の体積は、組成
物の全体積の0.1〜100%、特に5〜50%、好適
には15〜20%とされ得る。
【0026】本発明はさらに、本発明の前述の組成物の
いずれか一つ、および任意に薬学的に許容される担体ま
たは賦形剤を含む医薬組成物に関する。好適な薬学的担
体の例は当業者には周知であり、リン酸緩衝生理的食塩
水、水、水中油型エマルション、各種の湿潤剤、滅菌溶
液などを含む。このような担体を含む組成物は、周知の
慣用法で製剤化され得る。これらの医薬組成物は好適な
投与量で患者に投与され得る。好適な組成物の投与は、
例えば、静脈内、気管内、肺内、腹膜内、皮下、筋肉
内、局所または皮内投与のような異なる方法により効力
を発し得る。投与の方法は、担当医師および他の医学的
因子により決定される。医学分野で周知であるとおり、
いかなる患者への投与量も、患者の体格、体表面積、年
齢、投与される特定物質、性別、投与の時間と経路、全
般的な健康状態、および同時期に投与されている薬剤を
含む多くの因子に依存する。一般的に、医薬組成物の通
常の投与としての投与法は、1日に生体活性化合物とし
て1μgから10mgの範囲内であるべきである。ま
た、投与法が連続注入であるなら、それは体重1kgあ
たり1分あたりそれぞれについて生体活性化合物として
1μgから10mgの範囲内であるべきである。進行は
定期的評価により監視し得る。投与量は変化するが、ポ
リヌクレオチド、例えばDNAの静脈内投与に好ましい
投与量は、DNA分子のおよそ106から1016コピー
である。本発明の組成物は局所的にまたは全身的に投与
され得る。投与は一般的に非経口的、例えば静脈内投与
であり、DNAもまた、例えばカテーテルで動脈内の部
位など、標的部位に直接投与され得る。さらには、本発
明の組成物は、注入の前にマイクロカプセルまたはミク
ロスフェアに結合され得る。二連バルーン(double ball
oon)または他のカテーテルのような多角的な装置が考案
されたインビボ遺伝子転移のアプローチ、または上述し
たような標的組織への直接注入が使用され得る。また
は、上述した組成物の一つを使って後にトランスフェク
ションされ、再注入される、組織にあることが知られて
いる細胞を体から単離する生体外のアプローチを使用す
ることが可能である。
【0027】なお、さらなる実施の態様において、本発
明は上述の組成物のいずれか一つを含むワクチンに関す
る。この実施の態様においては、治療上活性な物質は、
好ましくは抗原、または、ヒトまたはその疾患にかかり
やすい動物の疾患に対する防御的な免疫学的反応をもた
らすことが可能な抗原をコードするポリヌクレオチドで
ある。本発明のワクチンは当業界において周知の方法に
より調製され得る。ワクチンに利用される抗原の免疫原
性、例えば、Th1−またはTh2−によって制御され
る免疫応答のプログラミングは、例えば分泌サイトカイ
ンまたはケモカインまたは膜分子をコードするcDNA
の同時形質導入によって増強され得る。ワクチンは、例
えば皮内、皮下、筋内のいずれかに注入され、または、
特に抗腫瘍ワクチン接種の場合は、腫瘍の増殖部位、ま
たは腫瘍の増殖部位を流出するリンパ管またはリンパ節
に注入され得る。
【0028】別の実施の態様において、本発明は、上述
された本発明組成物のいずれか一つ、および任意に検出
に好適な手段を含む診断用組成物に関する。この実施の
態様において、治療上活性な物質は好ましくは標識され
ている。当業者に知られた多くの異なる標識および標識
方法がある。本発明に使用され得る標識の種類の例は、
酵素、ラジオアイソトープ、金属コロイド、蛍光化合
物、化学発光化合物、および生物発光化合物を含む。追
加的に、または、代わりに、治療上活性な物質は、β-
ガラクトシダーゼ、緑色蛍光蛋白質、またはルシフェラ
ーゼのような直接的または間接的に検出可能な蛋白質を
コードしているマーカー遺伝子を含む。付記の実施例も
参照。本発明の診断用組成物は、患者内で物質を追跡す
るのに使用されるのみならず、例えば選択された部位へ
の光の発光を標的化するのに好適に使用され得る。加え
て、動物における疾病の進行または病原体の位置の把握
および追跡、および、疾病または病原体の抑制に効果的
な推測可能な治療用の化合物を選別するための方法のよ
うに、上述の組成物を使用して病態の動物モデルが完成
され得る。哺乳動物起源の光の検出および位置決定方法
は先行技術、例えばWO97/18841およびそれに
引用された参考文献に記載されている。
【0029】本発明はまた、少なくとも一つの治療上活
性な物質、特にポリヌクレオチドをインビトロ、エクス
ビボ(生体外)またはインビボ、より特定的にはインビ
ボの標的細胞に転移させるための、本発明による組成物
の使用に関する。
【0030】導入または転移させる方法はそれ自体周知
である。「転移させること、または転移」は、治療上活
性な物質が細胞に移入され、その方法の最後には、その
細胞の内部、またはその細胞膜の内部もしくは膜上に位
置させることを意味する。もし活性な物質が核酸なら
ば、それは「トランスフェクション」と呼ばれる。トラ
ンスフェクションは、あらゆる適当な方法、例えば、前
記の遺伝子の発現を測定すること、または発現された蛋
白質の濃度を測定することによって実証され得る。
【0031】本発明による「標的細胞」は、原核細胞、
酵母細胞および真核細胞、植物細胞、ヒトまたは動物細
胞、および特に哺乳動物細胞を意味すると理解される。
加えて、癌細胞も考慮されるべきである。インビボにお
いて、本発明は、肺、気管、皮膚、筋肉、脳、肝臓、心
臓、脾臓、骨髄、胸腺、膀胱、リンパ、血液、血管、膵
臓、胃、腎臓、卵巣、睾丸、直腸、末梢または中枢神経
系、眼、リンパ器官、軟骨および内皮のような組織の、
間質または間腔部分に適用され得る。本発明の好適な選
択によれば、標的細胞は筋細胞、造血幹細胞または気道
の細胞であり、より特別には気管細胞または肺細胞であ
り、好適には呼吸器上皮細胞である。
【0032】本発明はまた、標的細胞を本発明による組
成物に接触させることによる、治療上活性な物質を標的
細胞に転移させる方法に関する。好適には、この方法は
組成物を細胞に接触させる前に加温することからなる追
加的な工程を含む。
【0033】本発明によれば、「組成物」は、そこに含
まれる治療上活性な物質と極性化合物が、その活性な物
質が促進物質を伴っていると考えられる面では関連して
いるかまたは一緒に結合していることを意味すると理解
されるべきである。例えば、前記の活性な物質がプラス
ミドDNAである特定の場合、出願人はDNAの物理的
特性がDPSOの存在下で変更されることを示してい
る。従って、当業者は、第一の化合物が、後の第二の化
合物の投与に引き続いて、特許請求の範囲の組成物をそ
の場で形成することができる限りは、標的器官または組
織への前記の化合物の個別の投与の後、インビトロで、
またインビボにおいても前記の活性物質および極性化合
物を含む組成物を得ることができると容易に予想し得
る。この投与の独立的方法は本発明の同等な実施として
みなされるべきである。
【0034】上述したとおり、本発明による組成物は、
診断上、治療上、予防上またはワクチン接種を目的とす
る薬剤として使用され得る。この理由により、本発明は
また、治療上、予防上またはワクチン接種を目的とする
薬剤としての本発明の組成物に関する。
【0035】特に、本発明の組成物は、少なくとも一つ
の治療上活性な物質、特にポリヌクレオチドを標的細胞
に転移させることからなる治療的な処置方法を実施する
ために使用され得る。好ましくは、これらの標的細胞は
哺乳動物細胞である。この哺乳動物細胞は、特に肺細
胞、筋細胞または造血幹細胞である。
【0036】本発明による組成物は、筋肉内、気管内、
鼻腔内、大脳内、胸膜腔内、腫瘍内、表皮、静脈内また
は動脈内の経路により、注射器、または、吸入、点滴ま
たはエアゾールの噴霧のような気道または粘膜の処置に
適した方法を含む、あらゆる他の同等の方法を使用して
投与される。また当業者に完全に周知であり本発明に適
用され得る、クリームの塗布、経口投与またはあらゆる
他の手段による投与も挙げられる。
【0037】本発明によれば、およびインビボの遺伝子
治療において、対象の患者について、投与した化合物の
一つに対して何ら有意な免疫反応を起こすことなく、提
案された手法を数回繰り返すことが可能である。投与
は、1回投与法か、または特定の間隔で一回または数回
繰り返される投与法で行うことができる。適当な投与経
路と投与量は、例えば、処置される個体または疾病、ま
たは転移されるポリヌクレオチドといった様々なパラメ
ータによって変化する。
【0038】さらに具体的には、本発明は、診断上、治
療上、予防上、またはワクチン接種を目的とする、遺伝
子治療によりヒトまたは動物の体に施されるように意図
された薬剤を調製するための、本発明による組成物の使
用に関する。第一の可能性によれば、この薬剤は直接イ
ンビボで(例えば、筋肉に、エアゾールなどを用いて肺
に)投与され得る。また、患者から細胞を取り出すこと
(骨髄の幹細胞、末梢血リンパ球、筋細胞など)、本発
明によりそれらをインビトロでトランスフェクションす
ること、および患者に再投与することからなる、生体外
のアプローチを採用することも可能である。
【0039】最後に、本発明は、既に規定された組成物
を用いてトランスフェクションされる細胞、特に原核細
胞、または酵母または真核細胞、特に動物細胞、特に哺
乳動物細胞、より特別には癌細胞に関する。本発明の好
ましい実施の態様によれば、上記の細胞は気道の細胞、
特に気管または肺細胞、好適には、呼吸器上皮細胞であ
る。気道投与の場合は、気管支拡張化合物(例えば、テ
オフィリン)の先行投与が有利であろう。出願人は、D
PSOを含む組成物のインキュべーションの30分前に
テオフィリン(Dilatrane)0.3mgをネズミへ経口
投与することによって、この前処理なしの投与に比較し
て発現レベルがわずかに増加し得ることを示した。
【0040】これらの実施の態様および他の実施の態様
は、本発明の詳細な説明と実施例において開示され又は
それらから明白であり、およびそれらに包含される。本
発明に従って用いられるあらゆる方法、使用および化合
物に関するさらなる文献は、例えば電子機器を使用して
公共の図書館から取り寄せ得る。例えば、インターネッ
ト上で、例えばhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/PubMed/m
edline.htmlのアドレスで使用可能な公的なデータベー
スである「Medline」が利用され得る。さらにhttp://ww
w.ncbi.nlm.nih.gov/、 http://www.infobiogen.fr/、h
ttp://www.fmi.ch/biology/research tools.html、 ht
tp://www.tigr.org/ のようなデータベースおよびアド
レスが当業者に知られており、例えばhttp://www.lyco
s.comを使って得ることもできる。過去の調査および現
在の認識に有用な、生化学についての特許情報の大要お
よび特許情報の適切な情報源の調査は、Berks, TIBTECH
12(1994), 352-364にて得られる。
【0041】本発明の組成物、使用、方法は、その治療
および/または診断が細胞での治療上の物質の転移に関
連するかまたは依存する、すべての種類の疾病の治療に
使用され得る。動物の治療もまたここに記載される方法
および使用に包含されるが、本発明の医薬組成物、方法
および使用はヒトに好ましく用いられ得る。
【0042】本発明は、図1から5を参照して以下の実
施例1から7により説明される。本発明、およびその多
くの利点は、説明のために示される以下の実施例によっ
てよりよく理解される。
【0043】
【実施例】
実施例1:極性化合物がDESOまたはDPSOである
組成物の調製 選択されたポリヌクレオチドすなわちプラスミドpTG
11033(図1)は、CMVプロモーターの制御下に
位置しているルシフェラーゼをコードする遺伝子、HM
G遺伝子のイントロン1およびSV40のポリA終結シ
グナルを包含する。精製されたプラスミド(塩化セシウ
ム勾配遠心法により精製)の1mg/ml溶液、250
μl中に含まれるプラスミドDNAをエタノールにより
沈殿させる。遠心した後、70%エタノールで洗浄、乾
燥し、下記の表1に示される以下の組成物を得るため、
核酸のペレットを所定量のDESOまたはDPSOおよ
びpH7.5の20mMHepes緩衝液に溶解する。
【0044】
【表1】 実施例2:気管内注入による組成物の投与 8週齢のメスのマウス(B6/SJLF1, Iffa Credo)を腹腔
内注射(生理食塩水、IMALGENE1000、キシ
ラジン/ROMPUN)により麻酔した。皮膚を70%
エタノールで消毒した後、気管が現れるように切開し、
気管に実施例1の組成物50μlを注射器にて注入す
る。それぞれの組成物を少なくとも異なる3匹のマウス
に注入する。極性化合物を全く添加しない、pH7.5
の20mMHepes 50μl中に含まれるDNA5
0μgを注入して得た個体と、発現レベルを比較する。
注入を行わないマウスの対照もプロトコルに含まれる。
【0045】実施例3:注入したマウスの組織における
ルシフェラーゼ活性の測定 注入の2日後、マウスを解剖する。肺および気管は独立
して処置する。組織を液体窒素中で凍結し、−80℃で
保管する。ルシフェラーゼの活性を測定するために、組
織をドライアイス上に据えた乳鉢中、乳棒を用いて機械
的にすりつぶす。500μlまたは200μlの溶解緩
衝液(プロメガ社製)を、肺または気管それぞれから得
られた組織断片に添加し、この溶液を3段階の凍結/融
解に付す。細胞片を遠心分離で除去し、供給元(プロメ
ガ社)の指示に従って、100μlの試薬を添加し、発
光により活性を測定することによって、20μlの上澄
みのルシフェラーゼ活性(RLU/min、1分あたり
の相対光単位)を測定する。測定されるルシフェラーゼ
活性は、商品として入手可能なルシフェラーゼ(プロメ
ガ社)を使用して得られる標準スケールによってタンパ
ク量について標準化される。総タンパク量はまた、ビシ
ンコニン酸(bicinchoninic acid,BCA) 比色定量法
(Smith, Anal. Biochem. 150 (1985), 76-85)によ
って、上澄みの一部を使用して定量する。このことによ
ってルシフェラーゼ活性を、組織から抽出したタンパク
mgあたりのRLUで表すことが可能になる。与えられ
た組成物について、問題の活性は3匹の注入されたマウ
スから得られた値の平均値に相当する。
【0046】実施例4:結果 肺由来の抽出物から得られた結果を図2および4にグラ
フで示す。これらの結果は、ヌクレオチドが単独で(5
0μg)注入される時は肺組織においてルシフェラーゼ
の発現が観察されない一方で、注入される組成物へのD
PSOの添加は発現を増加させることを示す。
【0047】これらの結果は、発現のレベルがポリヌク
レオチド単独の注入に比較して顕著に改善されることか
ら、DPSOは単独で組成物を気管内に注入した後に細
胞にポリヌクレオチドがトランスフェクションされる能
力を改善するための効果的な化合物であることを示して
いる。
【0048】実施例5:試験された他の非プロトン性極
性化合物 同一の方法で、我々は本発明に従って他の非プロトン性
極性化合物が使用可能であることを示した。このことを
示すために、様々な組成物が、実施例1から4に記載さ
れたプロトコルに従って調製された。これらの組成物は
より具体的には、50μgのプラスミドpTG1103
3/50μl、および様々な割合(10または15%)
の、PDSO、テトラメチレンスルホキシド(TEMS
O)、(Johnson およびKeiser, 1973, Organic Synthe
sis Coll. 5 (1973), 791参照)、DMSO、テトラメ
チル尿素またはスルホランから選択される物質を含む。
次に、得られた組成物はそれぞれ、先に実施例2に記載
されたプロトコルを用いて、8から12週齢のマウス
(C57BL/6, Iffa Credo)に気管内に注入された。
【0049】得られた結果である、図3および4は、本
発明が様々な非プロトン性極性化合物を使用することに
よって実施され得ることを示す。従って、上記に列挙し
たようなポリヌクレオチドおよび非プロトン性極性物質
を含む試験された種々の組成物は、ポリヌクレオチドが
単独で、特に濃度に関して同一の条件下で注入されると
きに比較して、気管内注入の後肺細胞のトランスフェク
ションを顕著に改善することが可能である。
【0050】最良の結果はDPSOまたはTMUを含む
組成物によって観察される。またこれらの極性化合物そ
れぞれの場合に、試験されたDNAの量(50μg)に
ついて、その化合物の割合を増加することによって、ル
シフェラーゼをコードする遺伝子(図4)の発現の測定
レベルを改善することができることも示された。
【0051】実施例7:プラスミドDNA融解曲線の記
録 プラスミドDNA融解曲線は、UV/可視CARY/V
ARIAN分光光度計(ソフトウェアバージョン:3.
04)により2個のテフロン栓付き石英キュベット(L
=1cm)を用いて記録された。サンプルの全量:異な
る割合(0、5、10、15、20%)のジ−n−プロ
ピルスルホキシド(PDSO)を含むpH7.5の20
mMHepes溶液、1ml(50μg/mlプラスミ
ドDNA(pTG11033))。
【0052】温度勾配は4℃/分で、35℃から100℃
まで260nmで測定した(スケール:0.9−1.2
OD;50μg〜1OD)。DNA融解曲線測定につ
いて、DNA単独(「裸の」DNA)またはDPSO
(「ソルボプレックス(solvoplex)」)存在下でのDN
Aは異なる挙動を示し、すなわち、スルホキシド化合物
の存在下では吸光度の変化は小さくなり、高温で変化が
起こることが示される(図5)。このことはDPSOの
DNA安定化効果(DNA二本鎖を解離するには高温を
要する)と説明され得る。
【0053】実施例8:リポソルボプレックス(liposol
voplex)のエアゾール化 呼吸器上皮細胞にベクターを送達する究極の方法はエア
ゾールの形態を使うことであろう。しかしDNA単独で
は、エアゾール化すると急速に分解される。この効果は
DNAをリポプレックス(lipoplex)(特許出願番号FR97
/15805に記載されているような陽イオン性両親媒性化合
物、例えばpTG90、と結合したDNA)として複合
化することで回避されるであろう。以前、リポプレック
ス単独では肺においては極めて低く発現されるか、全く
発現されないことが観察されている。本発明により、好
ましい特性のソルボプレックス(本発明の複合体)およ
びリポプレックスを結合させることが試験された。この
目的で、リポソルボプレックス(DNAと共に陽イオン
性脂質およびDPSO)が調製され、エアゾール化さ
れ、冷却トラップにより回収され、そしてマウスに気管
内注入された。pTG90/DOPEのみを用いたリポ
プレックスは気管内注入の後のルシフェラーゼ遺伝子は
発現しなかったが、DPSOの存在下ではpTG90/
DOPEリポソルボプレックスについて発現が観察され
た。一般的には、エアゾール化の後は、試験されたリポ
ソルブプレックスでは発現レベルが低下したが、pTG
90/DOPE/DPSOリポソルブプレックスについ
てはエアゾール化前にこの同一の複合体で観察される活
性の86%を回復することができた。
【0054】実施例9:ジスルホキシドの合成 9.1 メチルジメチルスルホキシド(ビス(メチルスルフ
ィニル)メタン、BiMSuM)(=CH3−SO−C
2−SO−CH3) 10.5mlのCH3SOCH2SCH3(12.5g、
100mmol;Aldrich 17.795)を125mlメタ
ノールに室温にて希釈する。この溶液を攪拌し、0℃に
維持する。280mlの水中の21.4gのNaIO4
(100mmol)を90分間にわたり滴下する。反応
混合物を0℃にて15時間攪拌しながら維持する。反応
の進行は薄層クロマトグラフィー(TLC、溶媒:CH
2Cl2/CH3OH=95/5 I2、KMnO4にて検
出、CH3SOCH2SCH3 Rf=0.9; CH3
OCH2SOCH3 Rf=0.33)によって制御す
る。反応混合物をセライトで濾過し、300mlの水、
200mlのCH2Cl2、そして200mlのメタノー
ルで洗浄する。濃縮された有機画分をプールし、Na2
SO4で乾燥し、エバポレートする。生成物を精製し、
二つのエナンチオマーを含む画分を、シリカカラムに3
回通し(ID 4cm、CH2Cl2中にシリカ100
g)、550mlのCH2Cl2、250mlのCH2
2/CH3OH=97/3、1000mlのCH2Cl2
/CH3OH=95/5、および1000mlのCH2
2/CH3OH=90/10で溶出して濃縮する。Bi
MSuMの両エナンチオマーは画分95/5で溶出す
る。画分はHPLC(二つのエナンチオマーを分離でき
るNH2カラム)で分析する。一方または他方のエナン
チオマーの濃縮された画分をプールし、エバポレーショ
ンする。分析はNH2−HPLCおよび1HNMR(20
0MHz、CDCl3)にて行う。
【0055】エナンチオマーの純度、 R,S−BiM
SuM/R,R−BiMSuM=87/13:4.5g エナンチオマーの純度、 R,S−BiMSuM/R,
R−BiMSuM=05/95:0.6g
【0056】9.2 メチルジエチルスルホキシド(ビス
(エチルスルフィニル)メタン、BiESuM)(=C
3CH2−SO−CH2−SO−CH2CH3) 4mlのCH3CH2−SO−CH2−S−CH2CH
3(4.45g、29mmol;Fluka0284
5)を25mlメタノールに室温にて希釈する。この溶
液を攪拌し、0℃に維持する。50mlの水中の7gの
NaIO4(33mmol)を滴下する。反応混合物を
0℃にて15時間攪拌しながら維持する。反応の進行は
薄層クロマトグラフィー(TLC、溶媒:CH2Cl2
CH3OH=90/10,I2、KMnO4にて検出、C
3CH2SOCH2SCH2CH3 Rf=0.95;CH
3CH2SOCH2SOCH2CH3 Rf=0.7)によ
って制御する。反応混合物をセライトで濾過し、300
mlの水、200mlのCH2Cl2、そして200ml
のメタノールで洗浄する。水相をCH2Cl2で3回、そ
して、酢酸エチルで抽出する。有機画分をプールし、N
2SO4で乾燥し、エバポレートする。生成物を精製
し、二つのエナンチオマーを含む画分をシリカカラムに
3回通し(ID2cm、CH2Cl2中にシリカ38
g)、100mlのCH2Cl2、200mlのCH2
2/CH3OH=99/1、200mlのCH2Cl2
CH3OH=97/3、200mlのCH2Cl2/CH3
OH=95/05、200mlのCH2Cl2/CH3
H=92.5/7.5、200mlのCH2Cl2/CH
3OH=90/10で溶出して濃縮する。BiESuM
の両エナンチオマーは画分95/5で溶出する。画分は
HPLC/(二つのエナンチオマーを分離できるシリカ
カラム)で分析する。一方のまたは他方のエナンチオマ
ーの濃縮された画分をプールし、エバポレートする。分
析はシリカHPLCおよび1HNMR(200MHz、
CDCl3):δ3.89(quint.,2H,−S
O−CH2−SO−),3.1(quad.,4H,−
CH2−),1.40(t,6H,−CH3)にて行う。
【0057】画分1:エナンチオマーの純度、 R,S
−BiESuM/R,R−BiESuM=84/16:
1.9g 画分2:エナンチオマーの純度、 R,S−BiESu
M/R,R−BiESuM=16/84:0.075g
【0058】本発明は、本発明の個別の様相の一つの説
明を意図して記載された具体的実施の態様による範囲に
制限されるものではなく、機能的に同等なあらゆる組成
物および化合物も本発明の範囲内である。もちろん、こ
こに示されおよび記載されたものに加えて、本発明の様
々な変更は、前述の説明および添付図面により当業者に
は明白になる。上記の変更は、付記された特許請求の範
囲内となるように意図される。従って、本発明の好まし
い実施の態様がこのように詳細に記載されたが、それら
の多くの明白な変更が本発明の意図または範囲から逸脱
することなく可能であるので、付記された特許請求の範
囲に規定された発明は上記の説明に示された特定の細部
に限定されないと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpTG11033の遺伝子地図。
【図2】pH7.5の20mM Hepes緩衝液中
に、50μgのDNAと、15%(v/v)のDESOま
たはDPSOを含む組成物の注入後のルシフェラーゼを
コードする遺伝子の肺における発現レベル(RLU/m
gタンパク)。
【図3】pH7.5の20mM Hepes緩衝液中
に、50μgのDNAと、ここでは適量として、10ま
たは15%(v/v)の異なる極性化合物を含む組成物の注
入後のルシフェラーゼをコードする遺伝子の肺における
発現レベル(RLU/mgタンパク)。示された数値
は、同一の組成物を注入したマウスで観察された結果の
平均から各ケースごとに算出される。
【図4】pH7.5の20mMHepes緩衝液中に、
50μgのDNAと、ここでは適量として、10または
15%(v/v)のTMUまたはDPSOを含む組成物の注
入後の、ルシフェラーゼをコードする遺伝子の肺におけ
る発現レベル(RLU/mgタンパク)。示された数値
は、同一の組成物を注入したマウスで観察された結果の
平均から各ケースごとに算出される。SEM:平均標準
誤差(Burke, Scientific data management 9 (1997),
32-38を参照。)
【図5】プラスミドDNA融解曲線(DPSO添加と無
添加) 50μg/mlのプラスミドDNA(pTG1103
3)を含むpH7.5の20mMHepes緩衝液、ま
たは50μg/mlのプラスミドDNA(pTG110
33)を含み、更に5、10、15または20%のDP
SOを含むpH7.5の20mMHepes緩衝液を加
温した(4℃/分)。吸光度変化を記録し、35℃の開
始時の吸光度を基準とした。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 (この式中、R1およびR2は同一または異っており、
任意に置換されていてもよく、炭素原子が1〜8個のア
リル基、アルキル基、シクロアルキル基、フルオロアル
キル基、アルケニル基またはオキシアルキル基であり、
ただし、R1またはR2が1または2個の炭素原子の基
である場合は、それぞれR2またはR1は少なくとも3
個の炭素原子の基であり、R1とR2は分子を環化する
ために連結可能である。)、(b)一般式II
【化2】 (この式中、R3およびR4は同一または異っており、
任意に繰り返されていてもよく、直線状または分枝状で
あり、かつ任意に置換されていてもよい、炭素原子が1
〜8個のアリル基、アルキル基、シクロアルキル基、フ
ルオロアルキル基、アルケニル基またはオキシアルキル
基であり、R3とR4は分子を環化するために連結可能
である。)、(c)一般式III
【化3】 (この式中、R3およびR4は同一または異っており、
任意に繰り返されていてもよく、直線状または分枝状で
あり、かつ任意に置換されるていてもよい、炭素原子が
1から8個のアリル基、アルキル基、シクロアルキル
基、フルオロアルキル基、アルケニル基またはオキシア
ルキル基であり、R5は(CH2xであり、それぞれの
[R5−S]nの繰り返し中互いに独立であり、xは1〜
6であり、R5は任意に置換されていてもよく、nは1
〜50であり、R3とR4は分子を環化するために連結
可能である。)、または、(d)ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素またはこ
れらのいずれかの誘導体、により定義される化合物から
選択される少なくも一つの非プロトン性極性化合物との
混合物を含む組成物。

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの治療上活性な物質と、
    (a)一般式I 【化1】 (この式中、R1およびR2は同一または異っており、
    任意に置換されていてもよく、炭素原子が1〜8個のア
    リル基、アルキル基、シクロアルキル基、フルオロアル
    キル基、アルケニル基またはオキシアルキル基であり、
    ただし、R1またはR2が1または2個の炭素原子の基
    である場合は、それぞれR2またはR1は少なくとも3
    個の炭素原子の基であり、R1とR2は分子を環化する
    ために連結可能である。)、(b)一般式II 【化2】 (この式中、R3およびR4は同一または異っており、
    任意に繰り返されていてもよく、直線状または分枝状で
    あり、かつ任意に置換されていてもよい、炭素原子が1
    〜8個のアリル基、アルキル基、シクロアルキル基、フ
    ルオロアルキル基、アルケニル基またはオキシアルキル
    基であり、R3とR4は分子を環化するために連結可能
    である。)、(c)一般式III 【化3】 (この式中、R3およびR4は同一または異っており、
    任意に繰り返されていてもよく、直線状または分枝状で
    あり、かつ任意に置換されるていてもよい、炭素原子が
    1から8個のアリル基、アルキル基、シクロアルキル
    基、フルオロアルキル基、アルケニル基またはオキシア
    ルキル基であり、R5は(CH2xであり、それぞれの
    [R5−S]nの繰り返し中互いに独立であり、xは1〜
    6であり、R5は任意に置換されていてもよく、nは1
    〜50であり、R3とR4は分子を環化するために連結
    可能である。)、または、(d)ジメチルホルムアミ
    ド、ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素またはこ
    れらのいずれかの誘導体、により定義される化合物から
    選択される少なくも一つの非プロトン性極性化合物との
    混合物を含む組成物。
  2. 【請求項2】 前記非プロトン性極性化合物が、ジ−n
    −プロピルスルホキシド(DPSO)、テトラメチレン
    スルホキシド(TEMSO)、ジメチルスルホン、スル
    ホラン、1−メチル−2−ピロリドンおよびこれらの誘
    導体からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記治療上活性な物質がポリヌクレオチ
    ドである請求項1および2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記ポリヌクレオチドが標的細胞へのそ
    の導入を促進するいかなる化合物も伴わないポリヌクレ
    オチドである請求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記ポリヌクレオチドが少なくとも一つ
    のウィルスのポリペプチドと結合しているポリヌクレオ
    チドである請求項3記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記ポリヌクレオチドが少なくとも一つ
    の陽イオン性両親媒性の化合物、特に脂質と結合してい
    るポリヌクレオチドである請求項3記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記ポリヌクレオチドが少なくとも一つ
    の陽イオン性または中性のポリマーと結合しているポリ
    ヌクレオチドである請求項3記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記ポリヌクレオチドがアンチセンスポ
    リヌクレオチドである請求項3〜7のいずれか一項に記
    載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記ポリヌクレオチドがリボザイムであ
    る請求項3〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記ポリヌクレオチドが対象の遺伝
    子、および、その対象の遺伝子の発現を可能にする因子
    を含む請求項3〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記ポリヌクレオチドがポリペプチド
    の全体または一部をコードしている請求項10記載の組
    成物。
  12. 【請求項12】 前記ポリペプチドが治療上の活性を示
    す請求項11記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記ポリペプチドが予防上の活性、特
    に免疫原性の活性を示す請求項11記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記ポリペプチドが酵素、ホルモン、
    サイトカイン、膜受容体、抗体、転写、翻訳または複製
    を制御し転写の安定性に関与する因子、構造ポリペプチ
    ド、膜チャネルを形成するポリペプチド、輸送ポリペプ
    チド、接着分子またはリガンドである請求項11記載の
    組成物。
  15. 【請求項15】 前記非プロトン性極性化合物が水溶液
    中にある請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成
    物。
  16. 【請求項16】 極性化合物の体積が組成物の総体積の
    15〜20%を示す請求項1〜15のいずれか一項に記
    載の組成物。
  17. 【請求項17】 非プロトン性極性化合物が水溶性の溶
    液中にある請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成
    物。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれか一項に記載
    の組成物、および任意に薬学的に許容される担体を含む
    医薬組成物。
  19. 【請求項19】 少なくとも一つの治療上活性な物質を
    標的細胞の内部に転移させるための請求項18記載の医
    薬組成物。
  20. 【請求項20】 筋肉内の経路によるか、または吸入、
    気管内注入、点滴またはエアゾール化によって投与され
    るように設計された請求項18または19記載の医薬組
    成物。
  21. 【請求項21】 請求項1〜17のいずれか一項に記載
    の組成物を含むワクチン。
  22. 【請求項22】 遺伝子治療における使用のための請求
    項18〜20のいずれか一項に記載の医薬組成物または
    請求項21記載のワクチン。
  23. 【請求項23】 請求項1〜17のいずれか一項に記載
    の組成物を含む診断用組成物。
  24. 【請求項24】 少なくとも一つの治療上活性な物質を
    インビトロまたはインビボの標的細胞に転移させるため
    の医薬組成物の調製のための請求項1〜17のいずれか
    一項に記載の組成物の使用。
  25. 【請求項25】 前記標的細胞が哺乳動物細胞である請
    求項24記載の使用。
  26. 【請求項26】 前記標的細胞が筋細胞である請求項2
    4または25に記載の使用。
  27. 【請求項27】 前記標的細胞が気道の細胞である請求
    項24または25記載の使用。
  28. 【請求項28】 前記標的細胞を請求項1〜17の一項
    に記載の組成物に接触させる、治療上活性な物質をイン
    ビトロの標的細胞に転移させる方法。
  29. 【請求項29】 前記組成物を細胞に接触させる前に、
    その組成物を加温することからなる追加的な行程を含む
    請求項28記載の方法。
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