JPH11108802A - ダイナモメータシステム - Google Patents

ダイナモメータシステム

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JPH11108802A
JPH11108802A JP9265989A JP26598997A JPH11108802A JP H11108802 A JPH11108802 A JP H11108802A JP 9265989 A JP9265989 A JP 9265989A JP 26598997 A JP26598997 A JP 26598997A JP H11108802 A JPH11108802 A JP H11108802A
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利光 丸木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の慣性抵抗をダイナモメータの出力トル
クの制御で補償する電気慣性制御補償に、トルク制御系
のマイナループに電流制御系を設けただけでは応答性及
び制御精度の高いシミュレーションができない。 【解決手段】 外乱トルクオブザーバ21はダイナモメ
ータ13のエンジン駆動トルクの推定値FRECを求め、
この推定値から慣性補償ゲイン調整部22がループゲイ
ンを一定にしながら電気慣性制御補償をした電流I0
電流制御系(ACR)12に与える。駆動力オブザーバ
24はトルク検出値と加速度検出値から駆動トルクの推
定値FREを求め、理論速度演算手段25〜27は推定値
REから車両の走行抵抗設定値FRLを減算し、これを設
定慣性Jで割算して理論加速度αを求め、これを積分し
て速度制御系の理論速度指令NSとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイナモメータシ
ステムにおける車両の路上走行シミュレーションにおい
て、慣性抵抗分をダイナモメータのトルク制御で補償す
る電気慣性制御補償方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイナモメータシステムは、室内で車両
の性能試験や耐久試験が可能となり、車両の動力伝達系
の試験には例えば図6に示すシステム構成にされる。
【0003】エンジン1にクラッチ2及び変速機3を一
体にした組立て状態で動力吸収手段としてのダイナモメ
ータ4が結合される。この構成において、エンジン1は
速度コントローラ5によって速度制御され、ダイナモメ
ータ4はトルクコントローラ6によって走行抵抗制御が
行われることで変速機3に実車と等価な負荷を与え、実
走行を模擬した変速機のシミュレーション試験が行われ
る。
【0004】クラッチ2はコントローラ7によって変速
時及び発進時に断から接に徐々に自動操作され、変速機
3もコントローラ8によって変速時の変速比切換操作が
なされる。
【0005】エンジン1の速度制御は、速度検出器9か
らの検出速度と設定速度NSとの比較によりスロットル
コントローラ10にスロットル開度θを指令し、コント
ローラ10とアクチェータ11によるスロットル開度制
御を行う。
【0006】ここで、車両の走行抵抗は、タイヤ転り抵
抗と空気抵抗からなる平坦路定常走行抵抗に慣性抵抗さ
らには登降坂抵抗を加え合わせたものになり、この走行
抵抗(制動抵抗)はダイナモメータでは各抵抗成分の係
数変換によってトルクの単位で設定される。
【0007】上述の走行抵抗のうち、慣性抵抗は実車と
等価な慣性分に設定されるフライホイールを使用するこ
とがあるが、フライホイールは設置スペースが大きくな
ることや高価になることから、ダイナモメータ4の吸収
トルク分として制御する電気慣性制御補償方法がある。
さらに、フライホイールで慣性分を大まかに設定し、設
定しようとする慣性分との差分を電気慣性制御で補償す
る併用方式もある。
【0008】従来の電気慣性制御補償は、図7に示す等
価ブロック構成にされる。図中、11〜14は、マイナ
ループに電流制御系を持つダイナモメータのトルク制御
系であり、コントローラからの吸収トルク指令Fmsとト
ルク検出部14の検出トルクとの偏差をトルク制御アン
プ11で比例積分演算し、この演算結果を電流制御系
(電力変換器としてインバータを使用する)12の電流
指令とし、この電流制御系12の出力電流I0によって
ダイナモメータ(誘導電動機)13に吸収トルクFm
機械出力として取り出される。
【0009】FRは、エンジン1からクラッチ2及び変
速機3を介したエンジン駆動トルクであり、ダイナモメ
ータの吸収トルクFmとの差分Fα(=FR−Fm)がダ
イナモメータの加速力になる。
【0010】この加速力になるトルクは、エンジンと変
速機とダイナモメータ等が持つ機械慣性(試験装置の慣
性)J0の積分になる積分要素15を通して実速度NR
して表れる。
【0011】速度検出器16はダイナモメータの実速度
Rを検出速度Nとして検出し、加速度検出器17は速
度検出器16の検出速度Nの微分により加速度dN/d
tを検出する。
【0012】走行抵抗設定器18は、車両の走行抵抗か
ら慣性抵抗を除いた走行抵抗FRLを検出速度Nに応じて
求める。電気慣性設定器19は車両の重量に相当する慣
性Jから機械慣性J0を差し引いた電気慣性JE(=J−
0)を設定し、掛算器20は検出加速度dN/dtに
電気慣性JEを掛算することで慣性抵抗(JE×dN/d
t)を求める。これら走行抵抗FRLと慣性抵抗(JE×
dN/dt)を加算してダイナモメータの吸収トルク指
令Fmsを得る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の電気慣性制御補
償方法は、電気慣性制御補償分JEを設定器19で設定
することによって電気慣性制御補償トルク(JE×dN
/dt)を求めている。
【0014】この方法では、ダイナモメータのトルク制
御系(11〜14)の応答遅れで試験精度の低下を起こ
してしまう。トルク制御系の実際の応答は、ωC=10
rad/s(0.1秒/63%加速)程度であり、これ
に伴い加減速時に実速度と試験速度Nとを比較すると、
車速の飛び出し現象が発生する。
【0015】例えば、加速を行うためにエンジンのスロ
ットル開度をステップ状に上げ、エンジンの軸トルク
(駆動トルクFR)が応答性良く急上昇する場合、ダイ
ナモメータのトルク制御系の遅れでその出力トルクFm
が比較的緩やかに上昇すると、要素15に表れる実速度
Rは一時的にエンジン速度指令よりも高い速度に飛び
出してしまう。
【0016】以上の現象から、路上走行シミュレーショ
ンを行った場合、車両の発生する動力が実走行時のそれ
とは異なる結果になり、燃費や排気ガス試験精度を低下
させてしまう。
【0017】この制御誤差は、従来では計測精度の関係
で無視できるレベルと考えられていたが、最近では燃費
や排気ガスの計測精度が向上し、評価レベルが非常に高
くなってきたため、無視できなくなりつつある。
【0018】本発明の目的は、ダイナモメータ制御の応
答性及び制御精度を上げることで路上走行シミュレーシ
ョン試験精度を高めたダイナモメータの電気慣性制御補
償方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題の解決
を図るため、速度制御系のマイナループに電流制御系を
設けてダイナモメータをトルク制御し、電流制御系では
外乱トルクオブザーバにより駆動トルクを推定し、この
推定値から慣性補償ゲイン調節部によりループゲインを
一定にしながら電気慣性制御をし、速度制御系では駆動
力オブザーバにより駆動トルクを推定し、この推定値と
走行抵抗及び電気慣性から理論速度を求めて速度指令と
することにより、高精度・高速応答の路上走行シミュレ
ーションができるようにしたもので、以下の構成を特徴
とする。
【0020】車両の動力伝達系に結合され、車両の慣性
抵抗を出力トルクの制御で補償する電気慣性制御補償方
法にしたダイナモメータシステムにおいて、速度制御系
と、この速度制御系のマイナループにされてダイナモメ
ータの出力トルクを制御する電流制御系とを設け、ダイ
ナモメータの速度と出力トルクから車両の動力源の駆動
トルクの推定値FRECを求める外乱トルクオブザーバ
と、前記推定値FRECに対して次式、 G=1−(J0/J) 但し、J0:機械慣性 J:設定慣性制御補償値 で設定するゲインGを前記推定値FRECに乗算して前記
電流制御系にダイナモメータの電気慣性制御補償電流I
0を与える慣性補償ゲイン調整部と、ダイナモメータの
トルク検出値と加速度検出値から前記駆動トルクの推定
値FREを求める駆動力オブザーバと、前記推定値FRE
ら車両の走行抵抗設定値を減算し、これを設定慣性Jで
割算して理論加速度αを求め、これを積分して前記速度
制御系の理論速度指令NSを求める理論速度演算手段と
を備えたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態を示すブ
ロック図であり、図7と同等の部分は同一符号で示す。
【0022】ダイナモメータの制御系は、速度制御系と
そのマイナループに電流制御系を設ける。このうち、破
線ブロックで示す電流制御系は、外乱トルクオブザーバ
21と慣性補償ゲイン調整部22を設ける。
【0023】外乱トルクオブザーバ21は、実速度NR
とダイナモメータの入力電流I0からエンジン駆動トル
クFRによる外乱トルク推定値FRECを求める。慣性補償
ゲイン調整部22は、オブザーバ21で推定した外乱ト
ルク推定値FRECに電気慣性ゲインを乗算して設定慣性
Jに応じた電流指令IEを得る。
【0024】これらオブザーバ21と調整部22は、例
えば図2に演算ブロックで示すソフトウェア構成で実現
される。同図中、遅れ演算部211は、実速度NRの計測
値を入力し、この入力に対して速度検出器16の検出遅
れに合わせた一次遅れを持たせた速度Nを求める。
【0025】微分演算部212は、遅れ演算部211から
の速度信号Nを微分し、これに機械慣性(試験装置の慣
性)J0を乗算することでエンジン駆動トルクFRとダイ
ナモメータの吸収トルクFmの差分Fαの推定値FαE
求める。
【0026】遅れ演算部213は、電流制御系(AC
R)の電流出力I0を入力し、この入力に対してダイナ
モメータ13の応答遅れに合わせた一次遅れを持たせ、
ダイナモメータ13の電流I0−トルクT0の変換係数を
与えて出力トルクFmの推定値FmEを求める。加算器2
4は、演算部212と213がそれぞれ推定した出力F
αEとFmEを加算することによりエンジン駆動トルクFR
の推定値FRECを求める。
【0027】慣性補償ゲイン調整部22は、オブザーバ
21で推定した外乱トルク推定値FRECに電気慣性ゲイ
ンGを乗算して電気慣性J分の電気慣性補償電流IE
求める。
【0028】この調整部22のゲインGは、G=1−
(J0/J)とする。このとき、ダイナモメータの出力
トルクFm(電流指令IE)は、Fm=G×FRECとなり、
このトルクFmが試験装置の慣性J0に作用するトルクは
(FR−Fm)となる。したがって、
【0029】
【数1】FR−Fm=FR−(G×FREC) となる。ここで、FR=FRECとすると、FR−Fm=(1
−G)FRとなる。つまり、電気慣性抵抗を変えた試験
にはゲインGを変えることにより、ダイナモメータの出
力トルクFmを変えることができる。
【0030】ここで、注目すべきことは、設定慣性制御
補分Jの増減にもG=1−(J0/J)から常にG<1
となり、設定慣性Jの変更にも系のループゲインを一定
にすることができる。
【0031】つまり、設定慣性Jを単に変更するので
は、電流制御系の後ろ向き伝達関数のゲインの変化でル
ープゲインが大きく変化し、系が不安定になったり試験
装置全体の系の過渡的な制御誤差が大きくなるのを防止
し、安定かつ制御精度を高めるためのものである。
【0032】上記までのように、ダイナモメータの制御
に、従来のトルク制御系と電流制御系を持つ構成に代え
て、電気慣性を施した電流制御系のみとすることでトル
ク制御系の遅れを無くすことができる。そして、電流制
御系には外乱トルクオブザーバ21と慣性補償ゲイン調
節部22により系を安定させながら高い制御精度を得る
ことができる。
【0033】この構成によれば、ダイナモメータの制御
応答は、従来のωC=10rad/sに対し、ωC=30
〜50rad/s(0.033〜0.02秒/63%応
答)にまで高めることができる。これは、ダイナモメー
タの場合のベクトル制御の高精度・高速応答化により、
電流制御系でありながらトルク制御に近い運転が可能に
なったことによる。
【0034】但し、この電気慣性制御補償方法のみで
は、精度的に不十分で、設定慣性Jに対して±2%以内
を実現できない。
【0035】そこで、図1では、電流制御系の外側に、
路上での車速に相当する理論速度指令を用いた速度制御
ループを構築する。この速度制御系を以下に詳細に説明
する。
【0036】図1において、速度制御アンプ23は、理
論速度指令NSと速度検出器16の検出速度Nとの偏差
を比例積分演算して電流制御系の電流指令とする速度制
御系を構成する。このときの理論速度指令NSは、24
〜27により求める。
【0037】駆動力オブザーバ24は、トルク検出器1
4で検出するダイナモメータ13のトルクFmと、加速
度検出器17で検出する加速度dN/dtからエンジン
駆動トルクFRの推定値FREを求める。この演算は、図
2に示す外乱トルクオブザーバ21と等価になる、以下
の演算式で求められる。
【0038】
【数2】FRE=FmE+FαE=FmE+J0×dN/dt 次に、減算器25は、駆動力オブザーバ24で求めた駆
動トルク推定値FREから走行抵抗設定器18で設定する
走行抵抗FRLを減算することにより、車両の加速力の推
定値FαEを求める。割算器26は、減算器25で求め
た加速力FαEと設定慣性設定器19で設定する設定慣
性Jから理論上の加速度α(=FαE/J)を求める。
積分器27は、割算器26で求めた理論加速度αを積分
することにより理論速度NSを求め、これを速度制御系
の速度指令とする。
【0039】この理論速度NSは、駆動力に走行抵抗及
び電気慣性制御補償を含めたダイナモメータシステムの
運転状態を推定した予測値として得るため、トルク検出
や加速度検出の誤差や検出遅れ、演算遅れが無視できる
ほど小さければ、路上での車速に遅れなく一致した値を
得ることができる。この理論速度NSを速度制御系の速
度指令にすることで、電気慣性制御補償を施した高速応
答・高精度の試験が可能となる。
【0040】本実施形態に基づいた実験結果を説明す
る。図3は、図1の構成で速度制御系を切り離し、外乱
トルクオブザーバ21を持つ電流制御系(ACR)12
のみで電気慣性制御を行った場合の各量の波形図を示
す。この応答波形では、エンジンのスロットル開度θを
0%から14.8%にステップ状に変化させたとき、実
速度N1は応答性は高いが理論速度指令NSに対して少し
の誤差が発生した。
【0041】図4は、速度制御系も含めた応答波形であ
る。この図と図3の比較からも明らかなように、実速度
1はその立ち上がり及び立ち下がりで理論速度指令NS
との間に僅かの誤差が発生するが、その他の期間では理
論速度指令との誤差が殆ど無くなり、理論速度指令によ
る速度制御系を設けることで応答性及び制御精度を極め
て高くすることができた。
【0042】図5は、図4の場合と同じ構成で、スロッ
トル開度θを0%から100%にステップ状に変化させ
た場合である。この場合にも応答性及び制御精度に高い
ものが得られた。
【0043】なお、実施形態ではエンジンを動力源とす
るダイナモメータシステムに適用する場合を示すが、本
発明はエンジンに代えて低慣性電動機とするダイナモメ
ータシステムに適用して同等の作用効果を奏する。
【0044】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、電流制
御系では外乱トルクオブザーバにより駆動トルクを推定
し、この推定値から慣性補償ゲイン調節部によりループ
ゲインを一定にしながら電気慣性制御をし、速度制御系
では駆動力オブザーバにより駆動トルクを推定し、この
推定値と走行抵抗及び設定慣性から理論速度を求めて速
度指令とするようにしたため、高精度・高速応答の路上
走行シミュレーションができる。具体的には、以下の効
果がある。
【0045】(1)電流制御系に電気慣性制御ループを
設けることで車速の飛び出し現象を小さくして制御精度
と応答性を高めた路上走行シミュレーションができる。
【0046】(2)電流制御系の外側に理論速度を使っ
た速度制御系を設けることで制御精度と応答性を一層高
めた路上走行シミュレーションができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す電気慣性制御ブロック
図。
【図2】実施形態における外乱トルクオブザーバと慣性
補償ゲイン調整部の回路図。
【図3】実施形態に基づいた試験波形図(その1)。
【図4】実施形態に基づいた試験波形図(その2)。
【図5】実施形態に基づいた試験波形図(その3)。
【図6】ダイナモメータシステムの構成図。
【図7】従来の電気慣性制御ブロック図。
【符号の説明】
12…電流制御アンプ 13…ダイナモメータ 21…外乱トルクオブザーバ 22…慣性補償ゲイン調整部 23…速度制御アンプ 24…駆動力オブザーバ 26…割算器 27…積分器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の動力伝達系に結合され、車両の慣
    性抵抗を出力トルクの制御で補償する電気慣性制御補償
    方法にしたダイナモメータシステムにおいて、 速度制御系と、この速度制御系のマイナループにされて
    ダイナモメータの出力トルクを制御する電流制御系とを
    設け、 ダイナモメータの速度と出力トルクから車両の動力源の
    駆動トルクの推定値FRECを求める外乱トルクオブザー
    バと、 前記推定値FRECに対して次式、 G=1−(J0/J) 但し、J0:機械慣性 J:設定慣性制御補償値 で設定するゲインGを前記推定値FRECに乗算して前記
    電流制御系にダイナモメータの電気慣性制御補償電流I
    0を与える慣性補償ゲイン調整部と、 ダイナモメータのトルク検出値と加速度検出値から前記
    駆動トルクの推定値FREを求める駆動力オブザーバと、 前記推定値FREから車両の走行抵抗設定値を減算し、こ
    れを設定慣性Jで割算して理論加速度αを求め、これを
    積分して前記速度制御系の理論速度指令NSを求める理
    論速度演算手段とを備えたことを特徴とするダイナモメ
    ータシステム。
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