JPH11117060A - 金属被覆ポリイミド基板 - Google Patents
金属被覆ポリイミド基板Info
- Publication number
- JPH11117060A JPH11117060A JP29778097A JP29778097A JPH11117060A JP H11117060 A JPH11117060 A JP H11117060A JP 29778097 A JP29778097 A JP 29778097A JP 29778097 A JP29778097 A JP 29778097A JP H11117060 A JPH11117060 A JP H11117060A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metal
- polyimide
- layer
- polyimide film
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 表面改質処理によりポリイミドフィルム表面
に変質ポリイミド層を形成させる方法において、変質ポ
リイミド層の分子構造を最適化することにより、ポリイ
ミドフィルムと第1金属層間の密着性を向上させた金属
被覆ポリイミド基板を提供すること。 【解決手段】 ポリイミドフィルムの少くとも一面に、
接着剤を介することなく複数層の金属層が形成され、か
つ前記金属層のうちポリイミドフィルムに接する第1金
属層が乾式めっき法により形成された基板において、該
第1金属層と接するポリイミドフィルムの表層部に、イ
ミド環が開環して生成したカルボキシル基と、イミド環
の窒素および/またはイミド環が開環して生成した第二
アミドの窒素と結合したベンゼン環に少くとも1つの水
酸基が付加された分子構造を有する変質ポリイミド層を
形成してなる金属被覆ポリイミド基板を特徴とする。
に変質ポリイミド層を形成させる方法において、変質ポ
リイミド層の分子構造を最適化することにより、ポリイ
ミドフィルムと第1金属層間の密着性を向上させた金属
被覆ポリイミド基板を提供すること。 【解決手段】 ポリイミドフィルムの少くとも一面に、
接着剤を介することなく複数層の金属層が形成され、か
つ前記金属層のうちポリイミドフィルムに接する第1金
属層が乾式めっき法により形成された基板において、該
第1金属層と接するポリイミドフィルムの表層部に、イ
ミド環が開環して生成したカルボキシル基と、イミド環
の窒素および/またはイミド環が開環して生成した第二
アミドの窒素と結合したベンゼン環に少くとも1つの水
酸基が付加された分子構造を有する変質ポリイミド層を
形成してなる金属被覆ポリイミド基板を特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板、
フレキシブルプリント基板、TABテープ等の電子部品
の素材として用いられる金属被覆ポリイミド基板に関す
るものである。
フレキシブルプリント基板、TABテープ等の電子部品
の素材として用いられる金属被覆ポリイミド基板に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂(以下、単に「ポリイミ
ド」という)は優れた耐熱性を有し、また機械的、電気
的および化学的特性においても他のプラスチック材料に
比べて遜色のないところから、ごく薄肉に加工したポリ
イミドフィルムは、例えばプリント配線板(PWB)、
フレキシブルプリント基板(FPC)、テープ自動ボン
ディング用テープ(TABテープ)等の電子部品の絶縁
基板用素材として多用されている。このようなPWB、
FPC、またはTABテープは、ポリイミドフィルムの
一面または両面に金属導体層として主として銅箔を被覆
した金属被覆ポリイミド基板を加工して得られている。
ド」という)は優れた耐熱性を有し、また機械的、電気
的および化学的特性においても他のプラスチック材料に
比べて遜色のないところから、ごく薄肉に加工したポリ
イミドフィルムは、例えばプリント配線板(PWB)、
フレキシブルプリント基板(FPC)、テープ自動ボン
ディング用テープ(TABテープ)等の電子部品の絶縁
基板用素材として多用されている。このようなPWB、
FPC、またはTABテープは、ポリイミドフィルムの
一面または両面に金属導体層として主として銅箔を被覆
した金属被覆ポリイミド基板を加工して得られている。
【0003】上記した金属被覆ポリイミド基板には、ポ
リイミドフィルムと金属箔とを接着剤層を介して接合し
たいわゆる3層基板と、ポリイミドフィルムに接着剤を
介さずに直接金属層を形成したいわゆる2層基板とがあ
り、現在では接合界面の信頼性が高く、かつポリイミド
フィルムおよび金属層の厚みを自由に設定できる2層基
板が注目されている。
リイミドフィルムと金属箔とを接着剤層を介して接合し
たいわゆる3層基板と、ポリイミドフィルムに接着剤を
介さずに直接金属層を形成したいわゆる2層基板とがあ
り、現在では接合界面の信頼性が高く、かつポリイミド
フィルムおよび金属層の厚みを自由に設定できる2層基
板が注目されている。
【0004】このような2層基板においては、金属導体
層の厚付けを容易にできる電気めっき法が多く採用され
ている。しかしポリイミドフィルムの表面に直接に金属
の前記めっきを施すことは不可能であるので、一般には
電気めっきが可能となるように、真空蒸着、スパッタリ
ング、イオンプレーティング等の乾式めっき法または無
電解めっき法等の湿式めっき法により第1層の金属層を
形成してから、その外表面に第2層以降の導体金属層を
形成する方法が採られている。
層の厚付けを容易にできる電気めっき法が多く採用され
ている。しかしポリイミドフィルムの表面に直接に金属
の前記めっきを施すことは不可能であるので、一般には
電気めっきが可能となるように、真空蒸着、スパッタリ
ング、イオンプレーティング等の乾式めっき法または無
電解めっき法等の湿式めっき法により第1層の金属層を
形成してから、その外表面に第2層以降の導体金属層を
形成する方法が採られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1金
属層の形成に乾式めっき法を用いた場合には、第1金属
層とポリイミドフィルム間の密着性が不十分となり、こ
の密着性は基板の信頼性に係る重要な要素であるところ
から好ましくなかった。そこで最近、乾式めっきを施す
前のポリイミドフィルム表面をプラズマ、コロナ放電、
または薬品等を使用した表面改質処理を行ってポリイミ
ド表層部の分子構造を変質させ、いわゆる変質ポリイミ
ド層を形成させることにより乾式めっきによる金属の密
着性を向上させる方法が提案されているが、現在までの
ところ、この方法を採用しても十分に満足し得るような
密着性を持った第1金属層を形成させることはできなか
った。
属層の形成に乾式めっき法を用いた場合には、第1金属
層とポリイミドフィルム間の密着性が不十分となり、こ
の密着性は基板の信頼性に係る重要な要素であるところ
から好ましくなかった。そこで最近、乾式めっきを施す
前のポリイミドフィルム表面をプラズマ、コロナ放電、
または薬品等を使用した表面改質処理を行ってポリイミ
ド表層部の分子構造を変質させ、いわゆる変質ポリイミ
ド層を形成させることにより乾式めっきによる金属の密
着性を向上させる方法が提案されているが、現在までの
ところ、この方法を採用しても十分に満足し得るような
密着性を持った第1金属層を形成させることはできなか
った。
【0006】本発明は、上記した表面改質処理によりポ
リイミドフィルム表面に変質ポリイミド層を形成させる
方法において、変質ポリイミド層の分子構造を最適化す
ることによって、ポリイミドフィルムと第1金属層間の
密着性を向上させ、PWB、FPC、TABテープ等に
おいて要求されている90°ピール(90度方向に引き
剥がし)強度が1.0kgf/cm以上の接合強度を有
する第1金属層を乾式めっき法により被着させた金属被
覆ポリイミド基板を提供することを目的とするものであ
る。
リイミドフィルム表面に変質ポリイミド層を形成させる
方法において、変質ポリイミド層の分子構造を最適化す
ることによって、ポリイミドフィルムと第1金属層間の
密着性を向上させ、PWB、FPC、TABテープ等に
おいて要求されている90°ピール(90度方向に引き
剥がし)強度が1.0kgf/cm以上の接合強度を有
する第1金属層を乾式めっき法により被着させた金属被
覆ポリイミド基板を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく変質ポリイミド層の分子構造と乾式めっ
きによる第1金属層の密着性との関係について鋭意研究
を重ねた結果、第1金属層の密着性を向上させることが
できるような変質ポリイミド分子構造を見出すことに成
功し、本発明を完成した。
的を達成すべく変質ポリイミド層の分子構造と乾式めっ
きによる第1金属層の密着性との関係について鋭意研究
を重ねた結果、第1金属層の密着性を向上させることが
できるような変質ポリイミド分子構造を見出すことに成
功し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、上記の目的を達成するための本
発明は、ポリイミドフィルムの少くとも一面に、接着剤
を介することなく複数層の金属層が形成され、かつ前記
金属層のうちポリイミドフィルムに接する第1金属層が
乾式めっき法により形成された基板において、該第1金
属層と接するポリイミドフィルムの表層部に、イミド環
が開環して生成したカルボキシル基と、イミド環の窒素
および/またはイミド環が開環して生成した第二アミド
の窒素と結合したベンゼン環に少くとも1つの水酸基が
付加された分子構造を有する変質ポリイミド層を形成し
てなる金属被覆ポリイミド基板を特徴とするものであ
る。
発明は、ポリイミドフィルムの少くとも一面に、接着剤
を介することなく複数層の金属層が形成され、かつ前記
金属層のうちポリイミドフィルムに接する第1金属層が
乾式めっき法により形成された基板において、該第1金
属層と接するポリイミドフィルムの表層部に、イミド環
が開環して生成したカルボキシル基と、イミド環の窒素
および/またはイミド環が開環して生成した第二アミド
の窒素と結合したベンゼン環に少くとも1つの水酸基が
付加された分子構造を有する変質ポリイミド層を形成し
てなる金属被覆ポリイミド基板を特徴とするものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の詳細について説明す
る。本発明において絶縁性基板材料として用いられるポ
リイミドフィルムは、特にこれらに限定されないが、例
えばカプトンHN、VNおよびEN(東レ・デュポン社
製:商品名)、NPI(鐘淵化学社製:商品名)、ユー
ピレックスS(宇部興産社製:商品名)等の市販の硬化
ポリイミドフィルムであり、以下の化学式1に示される
基本骨格を有するものである。
る。本発明において絶縁性基板材料として用いられるポ
リイミドフィルムは、特にこれらに限定されないが、例
えばカプトンHN、VNおよびEN(東レ・デュポン社
製:商品名)、NPI(鐘淵化学社製:商品名)、ユー
ピレックスS(宇部興産社製:商品名)等の市販の硬化
ポリイミドフィルムであり、以下の化学式1に示される
基本骨格を有するものである。
【化1】 [但し、R1は以下の化学式2または化学式3
【化2】
【化3】 R2は以下の化学式4または結合基なし
【化4】 で表される。]
【0010】これらの市販のポリイミドフィルムに表面
改質処理を施すことにより表層部に形成される本発明の
変質ポリイミド層は、次の化学式5に例示されるような
イミド環が開環して生成したカルボキシル基(−COO
H)と、イミド環の窒素および/またはイミド環が開環
して生成した第二アミド(N−H)の窒素と結合したベ
ンゼン環に少くとも1個の水酸基(−OH)が付加され
た分子構造を有するものである。なお、化学式5に例示
したものは水酸基1個が付加された場合のものであり、
水酸基を2個以上有するものも本発明の範囲に属する。
改質処理を施すことにより表層部に形成される本発明の
変質ポリイミド層は、次の化学式5に例示されるような
イミド環が開環して生成したカルボキシル基(−COO
H)と、イミド環の窒素および/またはイミド環が開環
して生成した第二アミド(N−H)の窒素と結合したベ
ンゼン環に少くとも1個の水酸基(−OH)が付加され
た分子構造を有するものである。なお、化学式5に例示
したものは水酸基1個が付加された場合のものであり、
水酸基を2個以上有するものも本発明の範囲に属する。
【化5】 [但し、R1は以下の化学式6または化学式7
【化6】
【化7】 R2は以下の化学式8はたは結合基なし
【化8】 で表される。]
【0011】上記したポリイミドフィルム表面層に形成
された変質ポリイミド層におけるカルボキシル基と水酸
基とが乾式めっき法によって形成された第1金属層の金
属原子と強い結合性を持つために、第1金属層に90°
ピール強度が1.0kgf/cm以上の高い接合強度を
もたらすことができたものと推定される。なお、「ポリ
マー科学、A.ポリマー化学(J.of Polyme
r Science:part A Polymer
Chemistry)」第30巻、第1425〜143
1頁(1992年)には、イミド環が開環してカルボキ
シル基が生成したのみの変質ポリイミド層が記載されて
いるが、このような構造のものでは金属層と高い密着性
を得ることが困難であることが確認された。
された変質ポリイミド層におけるカルボキシル基と水酸
基とが乾式めっき法によって形成された第1金属層の金
属原子と強い結合性を持つために、第1金属層に90°
ピール強度が1.0kgf/cm以上の高い接合強度を
もたらすことができたものと推定される。なお、「ポリ
マー科学、A.ポリマー化学(J.of Polyme
r Science:part A Polymer
Chemistry)」第30巻、第1425〜143
1頁(1992年)には、イミド環が開環してカルボキ
シル基が生成したのみの変質ポリイミド層が記載されて
いるが、このような構造のものでは金属層と高い密着性
を得ることが困難であることが確認された。
【0012】次に本発明の変質ポリイミド層の分子構造
の特定方法について説明する。分子構造の解析にはX線
光電子分光分析法(XPS)が用いられた。表面改質処
理前のポリイミドフィルム(カプトンVNを使用)と表
面改質処理後の変質ポリイミド層とのXPSによる炭素
のC1sスペクトルを、それぞれ図1(a)および図2
(a)に示す。また、表面改質処理前の分子構造式と表
面改質処理後に変化していると考えられる分子構造式と
を各図における炭素をピーク分離した各ピークの帰属と
ともにそれぞれ図1(b)および図2(b)として示し
た。またさらに、表1に測定されたスペクトルからピー
ク分離して求めたピーク面積の強度比と分子構造式から
計算により求めた強度比とを対比して示した。
の特定方法について説明する。分子構造の解析にはX線
光電子分光分析法(XPS)が用いられた。表面改質処
理前のポリイミドフィルム(カプトンVNを使用)と表
面改質処理後の変質ポリイミド層とのXPSによる炭素
のC1sスペクトルを、それぞれ図1(a)および図2
(a)に示す。また、表面改質処理前の分子構造式と表
面改質処理後に変化していると考えられる分子構造式と
を各図における炭素をピーク分離した各ピークの帰属と
ともにそれぞれ図1(b)および図2(b)として示し
た。またさらに、表1に測定されたスペクトルからピー
ク分離して求めたピーク面積の強度比と分子構造式から
計算により求めた強度比とを対比して示した。
【0013】
【表1】 (%) ─────────────────────────────────── スペクトルからの測定値 分子構造からの計算値 処 理 前 処 理 後 処 理 前 処 理 後 ─────────────────────────────────── ピークα 36.0 31.0 36.4 31.8 ピークβ 37.0 28.7 36.4 27.3 ピークχ 11.0 14.4 9.1 13.6 ピークε − 10.5 − 9.1 ピークδ 16.0 10.3 18.2 13.6 ピークφ − 5.1 − 4.5 ───────────────────────────────────
【0014】XPSでは炭素の化学状態によりC1sス
ペクトルのピーク位置がシフトすることを利用して分子
構造の解析を行うことができる。すなわち、表面改質処
理前のポリイミドフィルム(カプトンVN)の単一分子
構造ユニット中の22個の炭素を、その化学状態によっ
て4つに分類し、ピーク分離により求めたピーク面積の
強度比と、分子構造から求めた強度比とは表1に示すよ
うによく一致していることが分かる。また表面改質造処
理後のポリイミドフィルムについても同様の手法で解析
したところ、同様に表1に示すように、化学式2で示さ
れる分子構造において、測定により求めたピーク面積強
度比と計算により求めた強度比とがよく一致した。さら
にXPSによる炭素、窒素、酸素の半定量分析結果から
も、表2に示すようにこれらの分子構造において測定値
と計算値とはよく一致していることが分かる。
ペクトルのピーク位置がシフトすることを利用して分子
構造の解析を行うことができる。すなわち、表面改質処
理前のポリイミドフィルム(カプトンVN)の単一分子
構造ユニット中の22個の炭素を、その化学状態によっ
て4つに分類し、ピーク分離により求めたピーク面積の
強度比と、分子構造から求めた強度比とは表1に示すよ
うによく一致していることが分かる。また表面改質造処
理後のポリイミドフィルムについても同様の手法で解析
したところ、同様に表1に示すように、化学式2で示さ
れる分子構造において、測定により求めたピーク面積強
度比と計算により求めた強度比とがよく一致した。さら
にXPSによる炭素、窒素、酸素の半定量分析結果から
も、表2に示すようにこれらの分子構造において測定値
と計算値とはよく一致していることが分かる。
【0015】
【表2】 (at%) ─────────────────────────────────── スペクトルからの測定値 分子構造からの計算値 処 理 前 処 理 後 処 理 前 処 理 後 ─────────────────────────────────── 炭 素 76.6 71.5 75.9 71.0 窒 素 6.4 5.7 6.9 6.4 酸 素 17.0 22.8 17.2 22.6 ─────────────────────────────────── 注:半定量分析結果は、炭素、窒素、酸素のピーク面積強度に元素間相対感度 補正係数を乗じ3元素の合計が100at%となるように換算した値であ る。
【0016】上記した結果および飛行時間型二次イオン
質量分析計(ToF−SIMS)によるフラグメントイ
オンの解析を行ったところ、表面改質処理後のポリイミ
ドフィルム表層部でのカルボキシル基(−COOH)と
水酸基(−OH)の検出強度が増加したところから、本
発明の変質ポリイミド層の分子構造、つまりイミド環が
開環して生成したカルボキシル基と、イミド環の窒素お
よび/またはイミド環が開環して生成した第二アミド
(N−H)の窒素と結合したベンゼン環に少くとも1個
の水酸基が付加された分子構造を正確に特定することが
できた。
質量分析計(ToF−SIMS)によるフラグメントイ
オンの解析を行ったところ、表面改質処理後のポリイミ
ドフィルム表層部でのカルボキシル基(−COOH)と
水酸基(−OH)の検出強度が増加したところから、本
発明の変質ポリイミド層の分子構造、つまりイミド環が
開環して生成したカルボキシル基と、イミド環の窒素お
よび/またはイミド環が開環して生成した第二アミド
(N−H)の窒素と結合したベンゼン環に少くとも1個
の水酸基が付加された分子構造を正確に特定することが
できた。
【0017】なお、図2(b)に示した変質ポリイミド
層の構造式は、先に例示した化学式5の構造式とは異な
るが、本発明のイミド環が開環して生成したカルボキシ
ル基(−COOH)と、イミド環の窒素および/または
イミド環が開環して生成した第二アミド(N−H)の窒
素と結合したベンゼン環に水酸基(−OH)が付加され
た分子構造のうち、イミド環の窒素と結合したベンゼン
環に水酸基が付加されたものに相当するものであり、本
発明の変質ポリイミド層の他の例を示すものであること
は明らかである。
層の構造式は、先に例示した化学式5の構造式とは異な
るが、本発明のイミド環が開環して生成したカルボキシ
ル基(−COOH)と、イミド環の窒素および/または
イミド環が開環して生成した第二アミド(N−H)の窒
素と結合したベンゼン環に水酸基(−OH)が付加され
た分子構造のうち、イミド環の窒素と結合したベンゼン
環に水酸基が付加されたものに相当するものであり、本
発明の変質ポリイミド層の他の例を示すものであること
は明らかである。
【0018】本発明において、表面改質処理によりポリ
イミドフィルム表面に変質ポリイミド層を形成するため
の方法としては、公知の方法、すなわちプラズマまたは
コロナ放電等の物理的手段および薬品等による化学的手
段等を採用すればよく、そのいずれかを限定するもので
はないが、得られた変質ポリイミド層の分子構造が本発
明の分子構造を有するものでなくてはならない。例えば
同じプラズマ放電法を採用するにしても酸素プラズマに
よるときは本発明の分子構造を有する変質ポリイミド層
を形成することができるが、アルゴンプラズマによる場
合には本発明の分子構造を有する変質ポリイミド層を形
成することはできない。したがって本発明の金属被覆ポ
リイミド基板を作成するに際しては、上記した分子構造
特定手段を用いて、表面改質処理により形成された変質
ポリイミド層が本発明の分子構造を有するものか否かの
確認を行ってからその作製を行う必要がある。
イミドフィルム表面に変質ポリイミド層を形成するため
の方法としては、公知の方法、すなわちプラズマまたは
コロナ放電等の物理的手段および薬品等による化学的手
段等を採用すればよく、そのいずれかを限定するもので
はないが、得られた変質ポリイミド層の分子構造が本発
明の分子構造を有するものでなくてはならない。例えば
同じプラズマ放電法を採用するにしても酸素プラズマに
よるときは本発明の分子構造を有する変質ポリイミド層
を形成することができるが、アルゴンプラズマによる場
合には本発明の分子構造を有する変質ポリイミド層を形
成することはできない。したがって本発明の金属被覆ポ
リイミド基板を作成するに際しては、上記した分子構造
特定手段を用いて、表面改質処理により形成された変質
ポリイミド層が本発明の分子構造を有するものか否かの
確認を行ってからその作製を行う必要がある。
【0019】また、表面改質処理後のポリイミドフィル
ム上に乾式めっき法により形成される第1金属層の金属
種のうち、好ましい金属種として、ニッケル、クロム、
銅またはそれらの合金、あるいはそれらの金属の酸化物
等が挙げられるが、特にこれらの材料に限定されるもの
ではない。また乾式めっきは、真空蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等の公知の方法を採用して行
えばよい。
ム上に乾式めっき法により形成される第1金属層の金属
種のうち、好ましい金属種として、ニッケル、クロム、
銅またはそれらの合金、あるいはそれらの金属の酸化物
等が挙げられるが、特にこれらの材料に限定されるもの
ではない。また乾式めっきは、真空蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等の公知の方法を採用して行
えばよい。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例について同時に行った比
較例とともに説明する。 実施例1:厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・
デュポン社製、製品名「カプトン100VN」)の片面
を酸素プラズマ中に数秒間さらした。XPSで表層部の
分子構造を解析したところ、イミド環が開環して生成し
たカルボキシル基と、イミド環の窒素と結合したベンゼ
ン環に水酸基が付加された分子構造となっていた。表面
改質処理後のポリイミドフィルム上にスパッタリング法
によってクロムを300オングストローム、また銅を1
000オングストロームの厚さに被着させて第1金属層
を形成し、しかる後第2金属層として電気めっき法によ
る銅を35μmの厚さに厚付けして金属被覆ポリイミド
基板を得た。得られた基板を、90μm配線幅のTAB
テープパターンに加工した後、90度方向に引き剥がし
て接合強度を測定したところ、1.6kgf/cmであ
り、十分に実用に供することのできる値を示した。
較例とともに説明する。 実施例1:厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・
デュポン社製、製品名「カプトン100VN」)の片面
を酸素プラズマ中に数秒間さらした。XPSで表層部の
分子構造を解析したところ、イミド環が開環して生成し
たカルボキシル基と、イミド環の窒素と結合したベンゼ
ン環に水酸基が付加された分子構造となっていた。表面
改質処理後のポリイミドフィルム上にスパッタリング法
によってクロムを300オングストローム、また銅を1
000オングストロームの厚さに被着させて第1金属層
を形成し、しかる後第2金属層として電気めっき法によ
る銅を35μmの厚さに厚付けして金属被覆ポリイミド
基板を得た。得られた基板を、90μm配線幅のTAB
テープパターンに加工した後、90度方向に引き剥がし
て接合強度を測定したところ、1.6kgf/cmであ
り、十分に実用に供することのできる値を示した。
【0021】比較例1:表面改質処理を施さなかった以
外は実施例1と同様の手順で金属被覆ポリイミド基板を
得た。得られた基板を実施例1と同様に90μm配線幅
のTABテープパターンに加工した後、90度方向に引
き剥がして接合強度を測定したところ、190gf/c
mの値を示した。この値は到底実用に供することのでき
る値ではない。
外は実施例1と同様の手順で金属被覆ポリイミド基板を
得た。得られた基板を実施例1と同様に90μm配線幅
のTABテープパターンに加工した後、90度方向に引
き剥がして接合強度を測定したところ、190gf/c
mの値を示した。この値は到底実用に供することのでき
る値ではない。
【0022】比較例2:厚さ25μmのポリイミドフィ
ルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン100V
N」)の片面をアルゴンプラズマ中に数秒間さらした。
XPSで表層部の分子構造を解析したところ、イミド環
が開環してカルボキシル基を生成しているが、イミド環
の窒素および/またはイミド環が開環して生成した第二
アミドの窒素と結合したベンゼン環に少くとも1個の水
酸基が付加された分子構造にはなっていなかった。この
表面改質処理を施した後、実施例1と同様の手順で金属
被覆ポリイミド基板を得た。得られた基板を実施例1と
同様に90μm配線幅のTABテープパターンに加工し
た後、90度方向に引き剥がして接合強度を測定したと
ころ、400gf/cmの値を示したが、この値は到底
実用に供することのできる値ではない。
ルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン100V
N」)の片面をアルゴンプラズマ中に数秒間さらした。
XPSで表層部の分子構造を解析したところ、イミド環
が開環してカルボキシル基を生成しているが、イミド環
の窒素および/またはイミド環が開環して生成した第二
アミドの窒素と結合したベンゼン環に少くとも1個の水
酸基が付加された分子構造にはなっていなかった。この
表面改質処理を施した後、実施例1と同様の手順で金属
被覆ポリイミド基板を得た。得られた基板を実施例1と
同様に90μm配線幅のTABテープパターンに加工し
た後、90度方向に引き剥がして接合強度を測定したと
ころ、400gf/cmの値を示したが、この値は到底
実用に供することのできる値ではない。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の金属被覆ポ
リイミド基板は、ポリイミドフィルムと金属層との密着
性が高いので、本発明による金属被覆ポリイミド基板を
用いれば、信頼性の高いプリント配線板(PWB)、フ
レキシブルプリント基板(FPC)、テープ自動ボンデ
ィング用テープ(TABテープ)等の電子部品を得るこ
とができる。
リイミド基板は、ポリイミドフィルムと金属層との密着
性が高いので、本発明による金属被覆ポリイミド基板を
用いれば、信頼性の高いプリント配線板(PWB)、フ
レキシブルプリント基板(FPC)、テープ自動ボンデ
ィング用テープ(TABテープ)等の電子部品を得るこ
とができる。
【図1】表面改質処理前のポリイミドフィルムの状態を
示す図で、(a)はXPS解析したときの、炭素のC1
sスペクトルを示した図、(b)は表面改質処理前の構
造式を示す図である(図1(a)中の記号α、β、δ、
χの各ピークは、個別ピークに分離させた後のピークを
示し、それらのピークが図1(b)に示した構造式の何
処に所属するかを記号により対応させて示したものであ
る。)。
示す図で、(a)はXPS解析したときの、炭素のC1
sスペクトルを示した図、(b)は表面改質処理前の構
造式を示す図である(図1(a)中の記号α、β、δ、
χの各ピークは、個別ピークに分離させた後のピークを
示し、それらのピークが図1(b)に示した構造式の何
処に所属するかを記号により対応させて示したものであ
る。)。
【図2】表面改質処理後のポリイミドフィルムの状態を
示す図で(a)はXPS解析したときの、炭素C1sス
ペクトルを示した図、(b)は表面改質処理後の構造式
を示す図である(図2(a)中の記号α、β、δ、ε、
φ、χの各ピークは、個別ピークに分離させた後のピー
クを示し、それらのピークが図2(b)に示した構造式
の何処に所属するかを記号により対応させて示したもの
である。また、構造式中の構造は、イミド環が開環し
てカルボキシル基を生成している箇所、構造は、イミ
ド環の窒素と結合したベンゼン環に水酸基が付加された
箇所を示すものである。)。
示す図で(a)はXPS解析したときの、炭素C1sス
ペクトルを示した図、(b)は表面改質処理後の構造式
を示す図である(図2(a)中の記号α、β、δ、ε、
φ、χの各ピークは、個別ピークに分離させた後のピー
クを示し、それらのピークが図2(b)に示した構造式
の何処に所属するかを記号により対応させて示したもの
である。また、構造式中の構造は、イミド環が開環し
てカルボキシル基を生成している箇所、構造は、イミ
ド環の窒素と結合したベンゼン環に水酸基が付加された
箇所を示すものである。)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐光 武文 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 石井 芳朗 千葉県市川市中国分3−18−5 住友金属 鉱山株式会社中央研究所内 (72)発明者 稲守 忠広 京都府京都市伏見区竹田向代町125 株式 会社尾池開発研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリイミドフィルムの少くとも一面に、
接着剤を介することなく複数層の金属層が形成され、か
つ前記金属層のうちポリイミドフィルムに接する第1金
属層が乾式めっき法により形成された基板において、該
第1金属層と接するポリイミドフィルムの表層部に、イ
ミド環が開環して生成したカルボキシル基と、イミド環
の窒素および/またはイミド環が開環して生成した第二
アミドの窒素と結合したベンゼン環に少くとも1つの水
酸基が付加された分子構造を有する変質ポリイミド層を
形成してなることを特徴とする金属被覆ポリイミド基
板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29778097A JPH11117060A (ja) | 1997-10-15 | 1997-10-15 | 金属被覆ポリイミド基板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29778097A JPH11117060A (ja) | 1997-10-15 | 1997-10-15 | 金属被覆ポリイミド基板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11117060A true JPH11117060A (ja) | 1999-04-27 |
Family
ID=17851091
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29778097A Pending JPH11117060A (ja) | 1997-10-15 | 1997-10-15 | 金属被覆ポリイミド基板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11117060A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7022412B2 (en) | 1999-11-26 | 2006-04-04 | Hitachi, Ltd. | Member having metallic layer, its manufacturing method and its application |
| JP2008078276A (ja) * | 2006-09-20 | 2008-04-03 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 高耐熱密着力を有する銅被覆ポリイミド基板 |
| WO2009075397A1 (en) * | 2007-12-12 | 2009-06-18 | Lg Electronics Inc. | Method of fabricating flexible film |
| WO2009075396A1 (en) * | 2007-12-12 | 2009-06-18 | Lg Electronics Inc. | Flexible film |
| JP2011100846A (ja) * | 2009-11-05 | 2011-05-19 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 2層フレキシブル基板とその製造方法、2層フレキシブル配線板とその製造方法並びにプラズマ処理装置 |
| WO2012108265A1 (ja) * | 2011-02-10 | 2012-08-16 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 2層銅張積層材及びその製造方法 |
| JP2016155121A (ja) * | 2015-02-23 | 2016-09-01 | 東京応化工業株式会社 | 液体の精製方法、薬液又は洗浄液の製造方法、フィルターメディア、及び、フィルターデバイス |
-
1997
- 1997-10-15 JP JP29778097A patent/JPH11117060A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7022412B2 (en) | 1999-11-26 | 2006-04-04 | Hitachi, Ltd. | Member having metallic layer, its manufacturing method and its application |
| JP2008078276A (ja) * | 2006-09-20 | 2008-04-03 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 高耐熱密着力を有する銅被覆ポリイミド基板 |
| WO2009075397A1 (en) * | 2007-12-12 | 2009-06-18 | Lg Electronics Inc. | Method of fabricating flexible film |
| WO2009075396A1 (en) * | 2007-12-12 | 2009-06-18 | Lg Electronics Inc. | Flexible film |
| JP2011100846A (ja) * | 2009-11-05 | 2011-05-19 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 2層フレキシブル基板とその製造方法、2層フレキシブル配線板とその製造方法並びにプラズマ処理装置 |
| WO2012108265A1 (ja) * | 2011-02-10 | 2012-08-16 | Jx日鉱日石金属株式会社 | 2層銅張積層材及びその製造方法 |
| JP2016155121A (ja) * | 2015-02-23 | 2016-09-01 | 東京応化工業株式会社 | 液体の精製方法、薬液又は洗浄液の製造方法、フィルターメディア、及び、フィルターデバイス |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4917963A (en) | Graded composition primer layer | |
| KR20010012203A (ko) | 인쇄 배선판용 초박 전도체층 | |
| JP2000269637A (ja) | 高密度超微細配線板用銅箔 | |
| JP2005008941A (ja) | 金属層形成方法 | |
| TWI230028B (en) | Two-layer copper polyimide substrate | |
| JPH11117060A (ja) | 金属被覆ポリイミド基板 | |
| JP2003188495A (ja) | プリント配線基板の製造方法 | |
| JP4106929B2 (ja) | 金属積層フィルム | |
| JPH05102630A (ja) | キヤリア付銅箔の製造方法及びそれを用いた銅張積層板 | |
| JP2000036649A5 (ja) | ||
| JP2000036649A (ja) | 電子技術デバイスの製造方法及び電気技術装置 | |
| JP2004009357A (ja) | 金属蒸着/金属メッキ積層フィルム及びこれを用いた電子部品 | |
| JP2008162245A (ja) | メッキ法2層銅ポリイミド積層フィルムおよびその製造方法 | |
| KR101203308B1 (ko) | 2층 필름, 2층 필름의 제조 방법 및 인쇄 기판의 제조 방법 | |
| JPH08281866A (ja) | フレキシブル金属箔積層板の製造方法 | |
| JP2004158493A (ja) | 銅被覆プラスチック基板 | |
| JPH01321687A (ja) | フレキシブルプリント配線用基板 | |
| CN111263509A (zh) | 自由接地膜、线路板及自由接地膜的制备方法 | |
| CN210469849U (zh) | 自由接地膜及线路板 | |
| JP3305770B2 (ja) | 金属膜付きポリイミドフィルム | |
| JP4135171B2 (ja) | フレキシブルプリント配線用基板の製造方法 | |
| JP2006159632A (ja) | 銅メタライズド積層板及びその製造方法 | |
| JP2003318532A (ja) | フレキシブルプリント配線用基板 | |
| JPH03259594A (ja) | 回路基板用素材板 | |
| JP2003332713A (ja) | 無接着剤フレキシブル金属積層体およびそれを用いたフレキシブル配線板とその製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040511 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060906 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061017 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070226 |