JPH11118745A - 比例制御用の相転移に基づく高感度酸素センサー及びそれを用いた酸素分圧変化の検出方法 - Google Patents

比例制御用の相転移に基づく高感度酸素センサー及びそれを用いた酸素分圧変化の検出方法

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JPH11118745A
JPH11118745A JP22758198A JP22758198A JPH11118745A JP H11118745 A JPH11118745 A JP H11118745A JP 22758198 A JP22758198 A JP 22758198A JP 22758198 A JP22758198 A JP 22758198A JP H11118745 A JPH11118745 A JP H11118745A
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Eleftherios M Logothetis
エレフテリオス、ミルティアディス、ロゴテティス
Richard E Soltis
リチャード、イー、ソルティス
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    • G01N27/12Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance by investigating resistance of a solid body in dependence upon absorption of a fluid; of a solid body in dependence upon reaction with a fluid, for detecting components in the fluid

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の空燃比における優れた感度と反応時間
を有するセンサーを提供する。 【解決手段】 本発明は、検出物質の計測可能な物理特
性の変化を通して、雰囲気中の酸素分圧の変化を検出す
る方法とセンサーである。センサー10はその分圧が変
化する酸素を含むガスに対して高温において晒される時
に、金属又は金属酸化物のある相Aと別の相Bとの間で
変化が可能である、金属又は金属酸化物から選択された
検出物質12を含んでいる。相変化に伴なって、物質の
測定可能な物理特性が変化する。能動的検出動作中にお
いて検出物質が少なくとも2つの相に存在することが重
要であるので、このセンサーは又、検出物質を横切る温
度勾配を維持し、電源に接続可能な加熱手段19を含ん
でいる。酸素分圧の変化に応じた、検出物質の一部又は
全体の、電気抵抗のような物理特性の変化に応じて、出
力信号が発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本出願は、現在本件と同時に係属中であっ
て、発明者が同じである米国特許出願08/90537
2号に関連している。
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば酸化コバル
トのある相Co3 4 から別の相CoOへと変化出来る
酸化コバルトのような、材料の相変化に基づいて雰囲気
中の酸素分圧の変化を検出する酸素センサーに関する。
【0003】
【従来の技術】酸素センサーは、燃焼制御、プロセス制
御そして医療用途のような応用分野において特に、広く
注目を集めてきた。自動車分野においては、内燃機関の
空燃比(air−to−fuel ratio略してA
/F)の制御に用いられている。現代の自動車の大多数
は、空燃比を制御するために、電気化学型酸素センサー
を用いている。一般的に空燃比は、いわゆる三元触媒に
よる排気からの規制対象排出物(炭化水素、一酸化炭素
及び窒素酸化物)の抑制効率が最大となる化学量論値
(理論空燃比)である約14.4から14.7に制御さ
れる。ラムダ・センサーと呼ばれることもある一般的な
自動車用酸素センサーは、通常はZrO2 である酸素イ
オンを導く固体電解液を、その内外面に多孔質の白金電
極を配したシンブルの形で有している。シンブルの内側
は基準雰囲気としての雰囲気空気に面していて、シンブ
ルの外側は排気に面している。例えば摂氏300度以上
の高温にシンブルが加熱され、ZrO2 シンブルの内外
面で酸素分圧PO2が異なる時には、2つの白金電極の間
にネルンストの式、数1で表される電動力(elect
romotive force略してemf)が発生す
る。
【0004】
【数1】
【0005】センサーが車両の排気中に置かれて、空燃
比が変化する時には、図1に示すようにセンサー出力値
emfが理論空燃比において大きく急激な変化をする。
このように大きな変化をする理由は、排気中の酸素分圧
の熱力学的平衡が理論空燃比において非常に大きく変化
することにある。理論空燃比から離れると、酸素分圧が
空燃比と共に穏やかに変化するので、emfも穏やかに
変化する。
【0006】自動車用途において有用な高温酸素センサ
ーの別の種類としては、TiO2 をベースにする抵抗型
センサーがある。高温において、TiO2 、SrTiO
3 及びCoOのような金属酸化物の電気抵抗は雰囲気中
の酸素分圧PO2に依存する。しかしながら、この依存性
は弱いのが一般的である。例えば、TiO2 、SrTi
3 及びCoOに関しては、この依存性は、出力依存性
が1/4から1/6程度ポジティブ又はネガティブであ
るに過ぎない。弱いPO2感度にも関わらず、理論空燃比
近くでの排気中の酸素分圧の大きな変化の結果として、
TiO2 センサーもまた大きく急激な電気抵抗変化を理
論空燃比において示すので、TiO2 センサーは理論空
燃比制御に有用である。
【0007】図3は、いくつかの温度におけるPO2の関
数としての、多孔質酸化コバルトの抵抗値の計測結果を
示している。CoOからCo3 4 への相変化に伴なっ
て、摂氏1000度以下のいくつかの試料の抵抗値は、
大きくステップ変化している。Co3 4 の抵抗値はP
O2には独立しているが、CoOの抵抗は数2の関係に従
って、PO2の増加に応じて、減少する。
【0008】
【数2】
【0009】CoOのこの特性は、1976年2月23
付けSAEペーパー#760312、G.L.Beau
doin他、及び米国特許3933028号により開示
された酸素センサーの実現に用いられた。しかしなが
ら、このセンサーの酸素検出感度は低い。
【0010】理論空燃比から離れて、特に過剰酸素が用
いられるリーン空燃比領域において、空燃比を計測出来
る酸素センサーの必要性が高まっている。これらの空燃
比は19から40であるのが普通である。そこから得ら
れる燃料経済性の向上のために、多くのエンジンがリー
ン動作用に改良されつつある。この領域における空燃比
に対しては排気中の酸素分圧がそれ程変化しないので、
センサーが高いPO2感度を持っていなければならない。
上述のように、一般的なZrO2 ラムダ・センサーと抵
抗型センサーは、理論空燃比から離れると非常に限られ
た検出能力しか有していない。加えて抵抗型センサーは
通常、温度に対して強い依存性を有している。
【0011】他方で、別の種類のセンサーつまり酸素ポ
ンピング・モードで動作するZrO2 センサーは、理論
空燃比から離れてもかなり高い感度(例えば一次のPO2
依存性)を持っている。この種のセンサーの例として、
普遍的排気酸素センサー(universal exh
aust gas oxygen sensor略して
UEGO)と、2つのZrO2 セルをベースとするリー
ン排気酸素センサー(lean exhaust ga
s oxygen sensor略してLEGO)とが
ある。図4は、空燃比(A/F)を理論空燃比値(A/
F)stoicに対して標準化して、数3の関数値とし
てUEGOセンサーの出力を示している。
【0012】
【数3】
【0013】しかしながら、これらのセンサーは、構造
的に複雑であって、その結果として製造コストが高いた
め、大規模な商業化が制限されている。結果として、理
論空燃比から離れての空燃比計測における高い酸素検出
感度を有する単純なセンサーを開発する努力が続けられ
ている。
【0014】米国特許4351182号は、、燃焼加熱
炉からの酸素過剰排気の排気成分を測定する別の種類の
センサーを開示している。酸素に対して感度の高い材料
は、例えば摂氏700度のような特定の高温に保たれた
パラジウム層であって、酸素分圧が特定「臨界」値
O2,cを超えると、パラジウム金属Pdがパラジウム
酸化物PdOへと変化する。PdからPdOへと、その
逆の相変化が、センサーの出力信号を発生するのに用い
られる材料の導電性を約20倍変化させる。これが、2
つの異なった温度におけるラムダ(λ)の関数としてP
d/PdOの導電性の率変化がプロットされた図5に、
示されている。温度やPO2が適切に変えられると、多く
の金属酸化物が別の酸化物相へと変化する事も知られて
いる。例えば、所定の温度において、CoOは低いPO2
で安定しているが、PO2が高いと図2に示すようにCo
3 4 へと転移する。そのような金属酸化物同士の相転
移はまた、酸化コバルトについて図3に示すような電気
抵抗の大きな変化を伴なうのが一般的である。同じよう
に、Sr−Fe酸化物の相変化の場合には、別の物理特
性である光学的吸収性の大きな変化を伴なう。
【0015】金属から金属酸化物へ、又は金属酸化物か
ら別の金属酸化物への相転移は、PO2がPO2,cよりも
かなり大きな(又は小さな)値へと変化しない限り、大
きなヒステリシスを伴なうのが一般的であるということ
が知られている。ヒステリシスは、材料がある相から別
の相へと変化するのに要する時間に関連しており、必要
な核生成プロセス、つまり新しい相の臨界粒径核の生成
を伴なうと信じられている。相転移型センサーにおける
ヒステリシスの存在は、それが比較的長い反応時間を有
することになると思われるので、その有用性に悪影響を
及ぼすことになろう。上述の現在係属中の米国特許出願
08/905372号において、本出願人は、このよう
な相変化に基づくセンサーが、核生成プロセスに伴なう
問題を有さないという事を開示している。このセンサー
は、その間に境界線を有する少なくとも2つの相に検出
物質が存在するように、そこを横切る温度勾配を備えた
検出物質を、有している。固定の検出位置を越えての境
界線の移動が、センサーが晒されている雰囲気中の酸素
分圧の変化を示すのに、用いられる。
【0016】ある特定の「臨界」値である酸素分圧
O2,c又は空燃比(A/F),cにおいて、例えば物
質の抵抗値に関連する出力の比較的急激かつ大きな変化
を示す酸素又は空燃比センサーは、雰囲気中のPO2又は
空燃比が、PO2,c又は(A/F),cよりも低いか高
いかについてのみの情報を提供する。これらのセンサー
が雰囲気中のPO2又は空燃比を特定値PO2,c又は(A
/F),cにフィードバック制御するのに用いる場合に
は、このフィードバック制御は比例制御というよりは
「リミット・サイクル」型となる。例えばエンジンの空
燃比のリミット・サイクル制御において、空燃比は(A
/F)cよりも低い値と高い値との間で、センサー出力
に応じた変化方向で、変化する。空燃比が(A/F)c
を通り抜ける際に、図5の境界線22が左右に動くのに
つれて、センサー信号が、低い値と高い値との間で変化
し、電子フィードバック制御システムが空燃比の掃引の
方向を変化するように指令される。結果として空燃比
は、2つの空燃比値つまり一方は(A/F)cよりも高
く他方は低い値の間で、「リミット・サイクル周波数」
と呼ばれる或る周波数で、振動する。これが、現代の車
両の理論空燃比制御にZrO2 ラムダ・センサーを用い
る基本的な方法であって、このようなリミット・サイク
ル制御は、上述の係属中の米国特許出願08/9053
72号における、検出及び制御の原理となっている。
【0017】しかしながら、リミット・サイクル制御で
はなく比例空燃比制御の方が、排出物に関する車両の性
能を良くすることが、知られている。この点では、空燃
比に対してほぼ線形反応を示す、より複雑で高価な酸素
ポンピングに基づくZrO2センサー(例えばUEGO
センサー)が、理論空燃比制御用のネルンスト型ZeO
2ラムダ・センサーよりも、好ましい。酸素ポンピング
に基づく同じ空燃比センサーはまた、例えばリーン空燃
比のような理論空燃比から離れての比例空燃比制御用に
用いることが出来る。
【0018】CoOセンサーのような従来のより単純で
安価な抵抗型センサーを、リーン空燃比での比例制御に
用いることが出来るが、上述のように、PO2感度が低い
ために、その正確さは限られている。あるリーン空燃比
において鋭く急激に反応が変化する、従来のより良い感
度の抵抗型センサー(例えば米国特許4531182号
のPd/PdOセンサー)を比例制御に用いることが出
来ないのは、明らかである。上述の係属中の米国特許出
願08/905372号もまた、空燃比のある特定の酸
素分圧において、例えば検出物質の電気抵抗変化に関連
する出力の急激かつ大きな変化を示すが、比例制御に用
いる事は出来ない。図6にこのセンサーの反応が示され
ている。この例において、このセンサーは0.031気
圧におけるPO2を検出するようにされている。比較のた
めに、図6には従来のCoO抵抗センサーの反応もま
た、示されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】酸素ポンピングに基づ
く電気化学的ZrO2 センサーの欠点から、特にリーン
空燃比において、急激な反応を示さないが良い感度を示
す例えば抵抗型センサーのような空燃比センサーを開発
することが、未だ多く望まれている。これが、本発明の
酸素センサーの目的である。本発明は、従来のセンサー
の欠点を解消して、リーン・バーンのガソリン・エンジ
ンやディーゼル・エンジンの空燃比を含む種々の空燃比
における優れた感度と反応時間を有する、自動車用途に
有用な酸素センサーを提供する。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、雰囲気中の酸
素分圧の変化を検出するセンサーである。より詳細に
は、このセンサーはその分圧が変化する酸素を含むガス
に対して高温において晒される時に、金属又は金属酸化
物のある相と別の相との間で変化が可能であって、それ
に呼応して測定可能な物理特性が変化する、金属又は金
属酸化物から選択された検出物質を含んでいる。このセ
ンサーは又、温度勾配の長軸に対して略垂直であって雰
囲気の酸素分圧の変化に応じて長軸に沿って長手方向に
動く境界線を規定する少なくとも2つの相に、能動的検
出動作中において検出物質が存在するように、検出物質
を横切る温度勾配を維持することが可能で、電源に接続
可能な加熱手段を含んでいる。このセンサーはさらに、
能動的検出動作中において相を少なくとも2つ含む検出
物質の一部又は全体を横切って計測される検出物質の物
理特性の変化に応じて出力信号を発生する手段を含む。
これらの計測可能な物理特性としては、電気抵抗、光学
的吸収性及び質量から選択されるのが好ましい。
【0021】別の実施例においては、本発明は、検出物
質中の計測可能な物理特性の変化を通して、雰囲気中の
酸素分圧の変化を検出する方法である。この方法は、上
述のセンサーを、酸素を含む雰囲気に接触させて配置す
る工程を有している。このセンサーは、金属及び金属酸
化物から選択され、その間に境界線を規定する少なくと
も2つの相に、能動的検出動作中において存在する、上
述の検出物質を有している。明らかではあるが、上述の
ように相の少なくとも一つは酸化物相である。この方法
は更に、温度勾配の長軸に対して略垂直であって雰囲気
の酸素分圧の変化に応じて長軸に沿って長手方向に動く
境界線を規定する少なくとも2つの相に、能動的検出動
作中において検出物質が存在し続けるように検出物質を
横切る温度勾配を維持して、能動的検出動作中において
相を少なくとも2つ含む検出物質の一部又は全体を横切
って計測される検出物質の物理特性の変化に応じて出力
信号を発生する工程を含んでいる。
【0022】この信号発生工程は、互いに離間して配置
されそれらの間に検出物質部分を囲む電気手段により、
電気抵抗を計測して、出力信号を発生するのが、好まし
い。例えば、検出物質が長方形の層である場合には、こ
の電気手段が層の温度勾配の軸に対して垂直又は平行で
あるように、検出物質層の対向する側面の長さ方向に沿
って配置するのが、理想的である。検出物質の層の表面
や、塊の内部に置くことが出来るが、表面に配置する方
がより実用的である。
【0023】
【発明の効果】本発明の酸素センサーは、優れた感度と
反応時間を持つ低コストのセンサーであり、優れてい
る。加えて、このセンサーは、排気と空気との間に高品
質のシールを必要としないので、現存する多くのセンサ
ーよりも、製造するのがはるかに簡単である。
【0024】
【発明の実施の形態】ここに開示された酸素センサー
は、雰囲気中の酸素分圧の変化を検出するのに有用であ
る。このセンサーはその分圧が変化する酸素を含むガス
に対して高温において晒される時に、金属又は金属酸化
物のある相と別の相との間で変化が可能であって、それ
に呼応して測定可能な物理特性が変化する、金属又は金
属酸化物から選択された検出物質を含んでいる。このガ
スは、例えば、ガソリン・エンジン又はディーゼル・エ
ンジンからの排気である。そのような相変化に伴なっ
て、電気抵抗のような計測可能な物理特性の変化が起こ
る。その様にして、検出動作中において検出物質が晒さ
れる酸素分圧の変化に応じて、検出物質が計測可能な物
理特性の変化を示す。
【0025】検出物質としては、単一の金属、その酸化
物又は、複数の金属又は酸化物の化合物とすることが出
来る。また、そのような物質の混合物であっても良い。
そこに限定するものではないが、好ましい金属として
は、銅、パラジウム、インジウム、ルテニウム及びロジ
ウム、3d遷移金属及び希土類元素を含む。典型的な3
d遷移金属としては、チタニウム、バナジウム、クロ
ム、マンガン、鉄、コバルト及びニッケルなどがある。
典型的な希土類元素はLa、Ce、Pr、Ni、Sm、
Eu、Gd、Erなどである。検出物質は、CoMg
O、SrFeOのような、上述の金属と例えばカルシウ
ム、ストロンチウムやマグネシウムなどのアルカリ土類
元素や、それらの酸化物である他の元素との3元素以上
の化合物であったり、La2 CuO3 、La2 Cu
3 、PrFeO3 のような希土類元素との化合物とす
ることが出来る。また別の3元素以上の、希土類元素と
別元素との化合物やその酸化物として、例えばYm Ba
n Cuk X を用いても良い。これらの材料のいずれか
の混合物もまた有用であると思われる。本発明に有用な
検出物質は、先に挙げたものに限定されるものではな
く、変化する酸素分圧に応じて相変化を起こし、それに
伴なって計測可能な物理特性が変化するものであれば、
いかなる金属材料やその酸化物であっても良い。
【0026】本発明においては、検出物質が塊状であっ
ても、基板上の層状であっても良く、基板は例えば平板
状である。基板としては、電気絶縁性であっても非絶縁
性であっても、より詳細に後述するように、センサーの
特定の用途に応じて、適切な材料から選択することが出
来る。
【0027】例を挙げると、検出物質としては、温度と
酸素分圧とに応じて酸化コバルト(CoO又はCo3
4 )へと転移するコバルトでも良い。つまり、図2に示
すように、物質の相は、物質が置かれている温度と酸素
分圧とに依存する。図2は、この系のPO2−T相状態図
の一部を示していて、実線と破線とがCo,CoO及び
Co3 4 相を分けている。実線の左側に対応する
(T,P02)の対に対しては、検出物質が金属コバルト
としてのみ存在する。実線と破線との間においては、こ
の物質はCoOとして存在する。そして、破線の右側に
おいては、Co3 4 としてのみ存在する。実線及び破
線上においては、物質は2つの隣接する相の混合物とな
っている。
【0028】センサーがまた、動作中において検出物質
を横切って温度勾配が維持されるように、電源に接続可
能な加熱手段を有していることが、本発明において重要
であることが判った。本発明によれば、上述のように、
温度勾配が検出物質を横切って設けられているので、そ
の間に境界線22を規定し、その内の少なくとも一つは
酸化物相である少なくとも2つの相(図7の相AとB)
に、能動的検出動作中において検出物質が存在する。こ
れらの相が形成される時には、それらの間の境界線は温
度勾配の軸に対してほぼ垂直に位置することになると思
われる。境界線の正確な形状、つまり直線である必要性
と温度勾配軸に対して垂直であることは、本発明の機能
に対して重要ではない。この温度勾配は、能動的検出動
作中において、例えば、金属コバルトと酸化コバルト
や、酸化コバルトの2つの形態となり得る少なくとも2
つの異なった相の存在を維持する。物質は、動作中にお
いて2つ以上の別の相に存在し得て、並列相としては、
隣接する2つの相間に境界線を有するCo/CoO/C
3 4 となり得る。本発明においては、これらの相は
物質中の別の場所にのみ、存在して、相間接触は、境界
線においてのみ存在することを理解すべきである。つま
り、図面から後述して理解されるように、これらの相
は、物質中のある位置で混ざり合うことはないのであ
る。図7の実施例は、それらの間の境界線22を有する
相A及びBを示している。これらの相AとBは、検出物
質を横切る温度勾配を維持する加熱手段を用いること
で、互いに分けられたままとなっている。少なくとも2
つの相を維持することにより、例えば電気抵抗などの、
物質を横切って計測された物理特性は、リミット・サイ
クル型センサーの急激な階段状の変化というよりも、酸
素分圧の変化に対して穏やかな変化を示す。これによ
り、本発明のセンサーによる、例えばガソリン・エンジ
ンやディーゼル・エンジンを有する自動車の、リミット
・サイクル型ではない比例空燃比制御を可能とする。
【0029】上述のように、コバルトのような物質があ
る相から別の相へと変化すると、それに伴なってヒステ
リシス効果が起こる。実際には、より詳細に後述するよ
うに、実際のセンサーとしての使用に先立って酸化物相
の形成を開始する、つまり例えば自動車の排気システム
への挿入に先立ってセンサーを予調整するために、コバ
ルトのような金属を酸素中に晒すのが望ましい。これ
は、例えば、空気中で摂氏700から1000度の温度
範囲に物質を晒すことによって、なされる。
【0030】センサーはまた、検出物質の一部又は全体
を横切って計測される検出物質の物理特性の変化に応じ
て出力信号を発生する手段を含む。この物理特性は、雰
囲気の酸素分圧の変化と共に相の形成に関連して、変化
する。物理特性が計測される物質の領域は、それが物質
の一部であろうと全体であろうと、能動的検出動作中に
おいて、物質の相を少なくとも2つ含んでいることが必
要である。これらの計測可能な物理特性として典型的な
のは、電気抵抗、光学的吸収性及び質量である。取り組
みの一つとしては、物質の一部の電気特性の変化を、そ
れが変化する酸素分圧に応じて変化する際に、計測する
ことに関する。これは、検出物質の内部又は表面に取り
付けられ、互いに離間した電気手段を含んでいても良
い。図7に示すような長方形の層に対しては、電気手段
は温度勾配の軸に対して略垂直又は平行とされる。図7
を参照して更に後述するこれらの電気手段は、電気手段
の間の検出物質の一部の相変化に関連する物理特性の変
化に応じて、出力信号を発生することが出来る。この部
分は、上述のように、能動的検出動作中において、大き
さが変化し、必然的に検出物質の少なくとも2つの相を
囲むことになろう。
【0031】本発明の好ましい実施例とその動作方法
を、図面を参照して、更に説明する。図7は、本発明
の、電気抵抗計測に基づく酸素センサー10の実施例を
示している。金属(例えばCo)又は金属酸化物(Co
O)の層12は、基板11上に配されている。電気抵抗
が計測対象の特性である場合には、基板は電気絶縁性で
なければならない。基板11は、アルミナ、シリカ、サ
ファイヤ、窒化珪素などの、この分野では公知の多くの
物質の中の一つとすることが出来る。この明細書の内容
を鑑みて、他の物質を用いることも出来る。スパッタリ
ング、電子ビーム蒸着、レーザー・アブレーション、化
学蒸着法、ゾル・ゲル法及び厚膜転写などの、この分野
において公知の多くの方法の一つを用いて、層12が配
置される。一般的には、この層の厚さは数ミクロンであ
るのが好ましい。層を薄くすることにより、PO2に関連
した物質中の格子欠陥(例えば、CoO中のCoイオン
やTiO2 中のOの空孔)が層全体に拡散する必要から
生じるセンサーの反応時間の制約が、最小になる。他方
で、厚い層は、センサーの寿命を長くする傾向がある。
本発明の検出物質は、理論値の少なくとも60%の密度
を有するのが好ましい。層が比較的薄い(数ミクロン以
下)場合には、100%の密度も可能である。層が厚い
(例えば数10ミクロン以上)場合には、イオンが拡散
する距離を短くして、センサー反応時間を短くするため
に、概して、かなりの多孔性と小さい結晶粒度が必要と
される。
【0032】図7の実施例において、抵抗計測用の2つ
の電気接点13と14が、物質層12の2つの端部に配
されている。電気導線15と16もまた、接点13と1
4とを、抵抗測定用に外部電源から電圧又は電流が接続
される電気パッド17と18に接続するために、基板1
1上に配置される。電気接点、導線及びパッドは、白金
等の高温伝導体で形成される。
【0033】さらに、この実施例においては、センサー
10の温度を所望の値に上げるために、例えば白金で出
来た電気ヒーター19が、基板11の裏側に配置されて
いる。ヒーター19は、検出物質層12の長手方向に沿
う温度勾配が形成されるように、基板の異なった場所に
は異なった電力を供給するように構成されている。検出
物質を横切っての温度勾配を維持する重要性は、先に詳
細に述べた通りである。結果として、検出物質層の一端
20の温度T2 は、層12の他端21の温度T1 よりも
高くなっている。
【0034】センサー10の温度勾配の種類と大きさ
は、その用途に応じて変わってくる。一般的に、温度勾
配が小さくなると、センサーはより正確になる。検出物
質層12に沿って温度勾配が一定であれば、小さな温度
勾配とは、T1 とT2 との間の差が小さいということを
意味する。その場合において、層中に両方の相を保つP
O2の許容範囲は小さくなる。典型的なPO2範囲は10倍
をカバーするもの、つまり最大値と最小値との比が10
である。これらのPO2の最大値と最小値に対応する層1
2の2つの端部における温度T1 とT2 は、T−PO2
状態図(例えばCo−O系については図2)から求める
ことが出来る。許容範囲の広さと共に両立する所望値P
O2,c近傍での高精度を、検出物質層12に沿っての特
別な不定温度勾配を生成することにより、得ることが出
来る。例えば、ヒーターと構造とを、温度勾配が層12
の中央では小さくて層12の両端では非常に大きくなる
ように、することが出来る。
【0035】最小値PO2,lから最大値PO2,hまでの
範囲の酸素分圧の計測を行なうセンサー10の動作中に
おいて、層12の2つの端部21と20における温度T
1 とT2 とが、2つの酸素分圧PO2,lとPO2,hにお
ける酸化物相の一方から他方への転移に各々対応する温
度よりも、低く又高くなるように、ヒーター19への電
力が調整される。雰囲気中の酸素分圧PO2が上記範囲に
ある場合には、層12は2つの区域AとBを含み、各々
は2つの金属酸化物相(例えばCoOとCo3 4 )の
内の一つを有し、2つの相の間には、温度勾配の軸に対
して垂直(本実施例においては、層12の長軸に対して
垂直)な境界線22が存在する。
【0036】接点13と14の間の電気抵抗は、検出物
質のCoO区域の抵抗とCo3 4区域の抵抗との直列
結合となるのは明らかである。PO2がPO2,lから
O2,hへと増加すると、層の境界線が左側に移動する
のにつれて、この抵抗値が連続的に小さくなっていく。
例を挙げると、長さがLで、温度勾配が一定で、T1
摂氏860度、T2 が摂氏900度であって、その温度
に対応する転移時の酸素濃度が1%と10%つまり酸素
分圧PO2が0.1気圧と0.01気圧である、酸化コバ
ルト層の計測結果が、図8と9に示されている。図8
は、酸素分圧の関数として、Co3 4 区域の長さxを
示している。PO2が0.01(O2 /N2 の濃度が1
%)の場合は、層12全体がCoOとなり、PO2が0.
1(O2 /N2 の濃度が10%)の場合には、層12全
体がCo3 4 となる。動作中において、例えば、酸素
分圧がリーンからリッチへの空燃比動作に応じて急激に
変化すると、検出物質が完全に一つの相として存在する
ことが有り得る。酸化コバルトの場合には、これは物質
が殆ど全てCoOとなることを意味するであろう。仮に
その際にセンサーが酸素濃度を比例的に計測する能動的
動作が可能となる必要がなければ、これが本発明の障害
と見なされる事はない。図9は、層12の抵抗値を図8
と同じ条件で酸素濃度の関数として表したものである。
比較のために、従来のCoOセンサーの反応も示してい
る。本発明のセンサーの出力はPO2に対して、特定の値
における急激な変化ではなく、斬新的は変化を示し、従
来のセンサーよりも遥かに優れた反応性を有すること
が、明らかである。酸化コバルト層の全長Lの電気抵抗
の変化が計測される様に、層の2つの端部に電気接点が
位置している時に、図9の結果が得られるのは勿論であ
る。代わりに、各接点が層の各端部からL/4(つまり
長さLの1/4)の位置に置かれる場合には、層の中間
部の半分(1/2)の距離の抵抗のみが計測される。こ
の場合、雰囲気のPO2が約0.022から0.053気
圧の間で変化する時にのみ、センサー出力(抵抗値)が
斬新的に変化する。センサーが斬新的な反応を示すPO2
の範囲は、接点間の距離と、接点の配置位置における温
度差とに、応じるということは明らかである。図9の抵
抗値とPO2との関係を示すカーブは、温度勾配の型を変
更することにより、調整が可能である。例えば、PO2
対して線形であるセンサー出力を得るためには、非一定
の温度勾配を用いることが出来る。
【0037】図10は本発明のセンサーの第2実施例3
0を示している。これは図7の実施例とは、抵抗計測接
点33と34が、温度勾配の軸に対して略平行に層32
の側面に配置されている点が、異なっている。この実施
例においては、計測される抵抗は、CoO区域とCo3
4 区域の抵抗の並列結合となる。
【0038】図11は、検出物質の物理特性が光学的吸
収性である本発明の第3実施例60を示している。電気
導線、パッド及び接点(そこでは電気抵抗の測定に用い
られていた)が必要ないという点を除けば、実施例60
は実施例10と同様である。光源65からの適切な波長
で円形又は長方形(又は他の適切な形状)の光ビーム6
4が、能動的検出動作中において少なくとも2つの物質
相を有する検出物質層62の一部を通り抜ける様に向け
られる。検出物質層62と基板61を通って発射された
光は、光検出器66によって検出される。この実施例に
おいて、基板61は光ビーム64に対して透明でなけれ
ばならないが、電気絶縁性でなければならない事はな
い。しかしながら、層を横切る温度勾配を提供する加熱
手段63が、例えば上述の実施例において用いることが
出来るような不連続金属コーティングの転写であるよう
な、金属コーティングを有する場合には、電気絶縁性基
板を設けることが必要になると思われる。さらに、ヒー
ターが光学的検出に干渉しないことが好ましい。
【0039】本発明の機器は、図7に一例が示された以
外の平面構成とすることが出来る。例えば、平面構造
は、いわゆる平面ZrO2 センサーである、理論化学量
論的ネルンスト型及び酸素ポンピングに基づくUEGO
とLEGOセンサーと同様に構成することが出来る。こ
の方法においては、適切な形状(形と厚さ)を有し、平
面ヒーターと電極が備えられたZrO2 又は他の材料か
ら出来た一組のセラミック・テープが、互いに圧着され
て、高温で焼結されることで、平面状センサー要素が形
成される。
【0040】平面形状が、温度勾配を確立するには最も
適しているが、三次元形状を用いることも出来る。本発
明の開示内容に基づけば、本発明に含まれるこれらの例
や他の例は、当業者に自明であろう。
【0041】本発明の種々の好ましい実施例について、
詳細に説明した。しかしながら、これら実施例に対して
は、本発明の本質と精神から逸脱することなく、種々の
変更及び改良を行なうことが出来る。従って、これら実
施例の詳細部分に発明が限定されるのではなく、発明は
添付の特許請求範囲により規定されるものであること
を、理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの空燃比の関数としての、一般的な自
動車用ZrO2 型酸素センサー(ラムダ・センサー型)
の測定された電動力(emf)を示すグラフである。
【図2】Co−O系の相状態図で、酸素分圧PO2と温度
Tとの関係を示すグラフである。
【図3】いくつかの温度におけるPO2の関数としての、
CoOからCo3 4 への相変化に起因する、酸化コバ
ルト試料の階段状抵抗変化を示すグラフである。
【図4】ラムダの関数としてのUEGOセンサーのポン
ピング電流を示すグラフである。
【図5】従来技術のPd/PdOセンサーの反応を示す
グラフである。
【図6】係属中の別出願の実施例のCoO/Co3 4
リミット・サイクル型センサーの抵抗値(オーム)反応
と、比較のための従来のCoOセンサーの反応とを、示
すグラフである。
【図7】検出物質の計測する物理特性が電気抵抗であ
る、本発明の酸素センサーの一実施例の概略図である。
【図8】本発明の酸素センサーの一実施例の酸素分圧P
O2の関数としてのCo3 4 区域の長さを示すグラフで
ある。
【図9】図7のセンサーの、酸素分圧PO2つまり酸素濃
度の関数としての電気抵抗値と、比較のための従来のC
oOセンサーの抵抗値反応とを、示すグラフである。
【図10】電気抵抗型である本発明の第2実施例の概略
図である。
【図11】検出物質の計測する物理特性が光学的吸収性
である、本発明のセンサーの第3実施例の概略図であ
る。
【符号の説明】
10,30,60 センサー 12,62 検出物質 22 境界線 19,63 加熱手段 A,B 相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャード、イー、ソルティス アメリカ合衆国ミシガン州サリン、ケンブ リッジ・ドライブ、9663

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雰囲気中の酸素分圧の変化を検出する酸
    素センサーであって、その分圧が変化する酸素を含むガ
    スに対して高温において晒される時に、金属又は金属酸
    化物のある相と別の相との間で変化が可能であって、そ
    れに呼応して測定可能な物理特性が変化する、金属又は
    金属酸化物から選択された検出物質と、温度勾配の長軸
    に対して略垂直な境界線を規定する少なくとも2つの上
    記相に、能動的検出動作中において上記検出物質が存在
    するように、上記検出物質を横切る上記温度勾配を維持
    することが可能で、電源に接続可能な加熱手段と、能動
    的検出動作中において上記相を少なくとも2つ含む上記
    検出物質の一部又は全体を横切って計測される上記検出
    物質の上記物理特性の変化に応じて出力信号を発生する
    手段と、を有することを特徴とするセンサー。
  2. 【請求項2】 その分圧が変化する酸素を含むガスに対
    して高温において晒される時に、金属又は金属酸化物の
    ある相と別の相との間で変化が可能であって、それに呼
    応して測定可能な物理特性が変化する、金属又は金属酸
    化物から選択された検出物質を有するセンサーを、酸素
    を含む雰囲気中に接触させて位置させる工程と、温度勾
    配の長軸に対して略垂直である境界線を規定する少なく
    とも2つの上記相に、能動的検出動作中において上記検
    出物質が存在し続けるように、上記温度勾配を維持する
    工程と、能動的検出動作中において上記相を少なくとも
    2つ含む上記検出物質の一部又は全体を横切って計測さ
    れる上記検出物質の上記物理特性の変化に応じて出力信
    号を発生する工程と、を有する雰囲気中の酸素分圧の変
    化を検出する方法。
JP22758198A 1997-08-04 1998-07-27 比例制御用の相転移に基づく高感度酸素センサー及びそれを用いた酸素分圧変化の検出方法 Pending JPH11118745A (ja)

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US08/905,892 1997-08-04
US08/905,892 US5876673A (en) 1997-08-04 1997-08-04 High sensitivity phase transformation-based oxygen sensors for proportional control
US08/906,237 1997-08-04

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DE19853595C1 (de) * 1998-11-20 2000-08-24 Dornier Gmbh Verfahren und Meßwandler zur Detektion des Sauerstoffgehaltes in einem Gas

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US5783153A (en) * 1997-08-04 1998-07-21 Ford Global Technologies, Inc. Metal oxide oxygen sensors based on phase transformation

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EP0896217A1 (en) 1999-02-10

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