JPH11120544A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体およびその製造方法Info
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- JPH11120544A JPH11120544A JP27594397A JP27594397A JPH11120544A JP H11120544 A JPH11120544 A JP H11120544A JP 27594397 A JP27594397 A JP 27594397A JP 27594397 A JP27594397 A JP 27594397A JP H11120544 A JPH11120544 A JP H11120544A
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Landscapes
- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 液体系潤滑膜を有する記録媒体において、回
転に伴って液体系潤滑膜が飛散消失するスピンオフ現象
を軽減し、長期にわたる信頼性を確保する。 【解決手段】 記録媒体のデータ記録面1の外側に、記
録媒体全周にわたり凸段差2を形成する。そして、この
凸段差2は、高さをh,幅をwとすると、凸段差2の平
均傾斜はtanθ=h/wは0.10以上とする。これ
により、記録再生時の回転時に発生する遠心力によって
液体系潤滑膜が外周側に移動したとき、凸段差2が堰と
して機能し、液体系潤滑剤が外端部に偏在して振り切ら
れるスピンオフ現象を軽減する。
転に伴って液体系潤滑膜が飛散消失するスピンオフ現象
を軽減し、長期にわたる信頼性を確保する。 【解決手段】 記録媒体のデータ記録面1の外側に、記
録媒体全周にわたり凸段差2を形成する。そして、この
凸段差2は、高さをh,幅をwとすると、凸段差2の平
均傾斜はtanθ=h/wは0.10以上とする。これ
により、記録再生時の回転時に発生する遠心力によって
液体系潤滑膜が外周側に移動したとき、凸段差2が堰と
して機能し、液体系潤滑剤が外端部に偏在して振り切ら
れるスピンオフ現象を軽減する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
に搭載される磁気記録媒体およびその製造方法に関し、
特に磁気記録媒体の回転に伴う潤滑剤の飛散防止をはか
った記録媒体とその製造方法に関する。
に搭載される磁気記録媒体およびその製造方法に関し、
特に磁気記録媒体の回転に伴う潤滑剤の飛散防止をはか
った記録媒体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気ディスク装置(以下、ディ
スク装置という)では、コンタクト・スタート・ストッ
プ方式(以下、CSS方式という)と呼ばれる記録・再
生機構が用いられている。
スク装置という)では、コンタクト・スタート・ストッ
プ方式(以下、CSS方式という)と呼ばれる記録・再
生機構が用いられている。
【0003】このCSS方式では、ディスク装置の起動
とともに記録媒体が回転を始め、磁気ヘッドは、この回
転によって生じる空気流により記録媒体面上を浮上し、
情報の記録・再生を行う。また、ディスク装置の停止時
には、磁気ヘッドが磁気記録媒体(以下、記録媒体とい
う)面に接触し、かつ静止する。そして、起動から磁気
ヘッドが記録媒体から離れて浮上するまでの間、および
浮上から停止に向かい、磁気ヘッドと記録媒体とが接触
し静止にいたるまでの間は、磁気ヘッドは記録媒体面上
を摺動する。
とともに記録媒体が回転を始め、磁気ヘッドは、この回
転によって生じる空気流により記録媒体面上を浮上し、
情報の記録・再生を行う。また、ディスク装置の停止時
には、磁気ヘッドが磁気記録媒体(以下、記録媒体とい
う)面に接触し、かつ静止する。そして、起動から磁気
ヘッドが記録媒体から離れて浮上するまでの間、および
浮上から停止に向かい、磁気ヘッドと記録媒体とが接触
し静止にいたるまでの間は、磁気ヘッドは記録媒体面上
を摺動する。
【0004】一方、従来の記録媒体では、磁気ヘッドと
の摺動摩擦に対する磁性膜の損傷を防ぐため、記録媒体
の磁性膜上に保護膜が形成され、さらにその上に潤滑膜
が設けられている。
の摺動摩擦に対する磁性膜の損傷を防ぐため、記録媒体
の磁性膜上に保護膜が形成され、さらにその上に潤滑膜
が設けられている。
【0005】この保護膜は、物理的に磁性膜を被覆し、
衝撃に対する機械的損傷や、外気環境との接触による腐
食から磁性膜を保護することを主たる目的としている。
また、保護膜は、その構成材料としてSiO2 やSi
O,ZrO2 等も提案され、かつ実用化されているが、
アモルファスカーボン系の材料が広く用いられている。
衝撃に対する機械的損傷や、外気環境との接触による腐
食から磁性膜を保護することを主たる目的としている。
また、保護膜は、その構成材料としてSiO2 やSi
O,ZrO2 等も提案され、かつ実用化されているが、
アモルファスカーボン系の材料が広く用いられている。
【0006】一方、潤滑膜は、磁気ヘッドと記録媒体と
の摺動時における摩擦力を低減し、潤滑性を付与するこ
とを主たる目的としている。また、潤滑膜を構成する材
料には、有機系高分子剤が用いられている。この有機系
高分子材は常温において液体であり、その一部が保護膜
表面と固着しているが、それ以外は流動性を有し、比較
的自由に動き回ることが可能である。ここで、潤滑膜に
おける保護膜固着部を「固着部」と称し、また、流動性
を有する部分を「流動部」と称するものとすると、固着
部は、潤滑膜の保護膜上への安定保持として機能し、流
動部は、上述したように潤滑性の付与として機能する。
従って、記録媒体の信頼性を確保するには、潤滑膜にお
いて、これら固着部と流動部とをバランスよく形成し、
それぞれの機能を十分に発揮させる必要がある。
の摺動時における摩擦力を低減し、潤滑性を付与するこ
とを主たる目的としている。また、潤滑膜を構成する材
料には、有機系高分子剤が用いられている。この有機系
高分子材は常温において液体であり、その一部が保護膜
表面と固着しているが、それ以外は流動性を有し、比較
的自由に動き回ることが可能である。ここで、潤滑膜に
おける保護膜固着部を「固着部」と称し、また、流動性
を有する部分を「流動部」と称するものとすると、固着
部は、潤滑膜の保護膜上への安定保持として機能し、流
動部は、上述したように潤滑性の付与として機能する。
従って、記録媒体の信頼性を確保するには、潤滑膜にお
いて、これら固着部と流動部とをバランスよく形成し、
それぞれの機能を十分に発揮させる必要がある。
【0007】徒来では、官能基を有する潤滑剤に熱処
理、またはUV(紫外線)処理等を施し、潤滑剤の一部
を、その官能基を介して保護膜と化学結合させ、固着部
を形成する手法が用いられている。その中でも官能基を
有したパーフルオロポリエーテル系(以下、PFPE系
という)の潤滑剤は、潤滑性の付与に優れており、広く
実用化されている。
理、またはUV(紫外線)処理等を施し、潤滑剤の一部
を、その官能基を介して保護膜と化学結合させ、固着部
を形成する手法が用いられている。その中でも官能基を
有したパーフルオロポリエーテル系(以下、PFPE系
という)の潤滑剤は、潤滑性の付与に優れており、広く
実用化されている。
【0008】また、固着部を別の材料により形成する技
術も提案されている。例えば、特開平07−16103
0号公報,特開平07−121867号公報にみられる
複数塩基性官能基を有する芳香族化合物層および酸性官
能基を有する潤滑分子層から潤滑膜による記録媒体、ま
たは、特開平07−1218671号公報にみられる多
座配位子と潤滑剤分子のホストゲスト錯体により潤滑膜
を形成した記録媒体等が提案されている。
術も提案されている。例えば、特開平07−16103
0号公報,特開平07−121867号公報にみられる
複数塩基性官能基を有する芳香族化合物層および酸性官
能基を有する潤滑分子層から潤滑膜による記録媒体、ま
たは、特開平07−1218671号公報にみられる多
座配位子と潤滑剤分子のホストゲスト錯体により潤滑膜
を形成した記録媒体等が提案されている。
【0009】ところで、CSS方式に対し、磁気ヘッ
ド,記録媒体間の磁気スペーシングを低減して記録密度
を向上させるため、磁気ヘッドと記録媒体とが随時接触
した状態で記録再生を行う、いわゆるコンタクト記録方
式が注目されている。
ド,記録媒体間の磁気スペーシングを低減して記録密度
を向上させるため、磁気ヘッドと記録媒体とが随時接触
した状態で記録再生を行う、いわゆるコンタクト記録方
式が注目されている。
【0010】このコンタクト記録方式では、磁気ヘッド
を記録媒体上に安定接触する技術が特に重要であり、こ
の技術に関しては、例えば(社)日本トライボロジー学
会,トライボロジー会議予稿集,東京1997-5,P.209-210
において発表されているが、これには、従来技術におけ
る潤滑剤の流動部量を増加させ、そのメニスカス力によ
り、磁気ヘッドを記録媒体上に安定接触させる方式が提
案されている。
を記録媒体上に安定接触する技術が特に重要であり、こ
の技術に関しては、例えば(社)日本トライボロジー学
会,トライボロジー会議予稿集,東京1997-5,P.209-210
において発表されているが、これには、従来技術におけ
る潤滑剤の流動部量を増加させ、そのメニスカス力によ
り、磁気ヘッドを記録媒体上に安定接触させる方式が提
案されている。
【0011】次に、従来の記録媒体における回転時間と
潤滑膜厚との関係について具体的に説明する。
潤滑膜厚との関係について具体的に説明する。
【0012】記録媒体は、記録再生時には高速で回転し
ており、このとき、潤滑膜の流動部は液体であり、比較
的自由に動き回ることができる。そのため、高速回転に
より生じる空気流もしくは遠心力により、流動部が振り
切られ、その一部が飛散して減少する、いわゆるスピン
オフと称される現象が生じている。
ており、このとき、潤滑膜の流動部は液体であり、比較
的自由に動き回ることができる。そのため、高速回転に
より生じる空気流もしくは遠心力により、流動部が振り
切られ、その一部が飛散して減少する、いわゆるスピン
オフと称される現象が生じている。
【0013】図3は、従来の記録媒体におけるスピンオ
フ試験前後の測定半径と潤滑膜厚との関係を示す図であ
って、このスピンオフ試験は、2nmの膜厚による潤滑
膜を形成した3.5インチ型の記録媒体(外半径47.
5mm)を7200rpmの回転数で600時間回転さ
せ、その直後での膜厚を、内周:半径20mm,中周:
半径30mm,外周:半径45mmの位置において測定
し、測定結果とスピンオフ試験前の膜厚とをそれぞれ比
較したものである。
フ試験前後の測定半径と潤滑膜厚との関係を示す図であ
って、このスピンオフ試験は、2nmの膜厚による潤滑
膜を形成した3.5インチ型の記録媒体(外半径47.
5mm)を7200rpmの回転数で600時間回転さ
せ、その直後での膜厚を、内周:半径20mm,中周:
半径30mm,外周:半径45mmの位置において測定
し、測定結果とスピンオフ試験前の膜厚とをそれぞれ比
較したものである。
【0014】図3を参照すると、スピンオフ試験直後に
おいては、内周,中周では大きな膜厚減少が観察され、
外周ではわずかであるが潤滑膜厚が増加しているのがわ
かる。また、記録媒体の回転に対して生じる遠心力によ
り、自由度の大きな流動部は外周側へと移動する。
おいては、内周,中周では大きな膜厚減少が観察され、
外周ではわずかであるが潤滑膜厚が増加しているのがわ
かる。また、記録媒体の回転に対して生じる遠心力によ
り、自由度の大きな流動部は外周側へと移動する。
【0015】その結果、外周での潤滑膜が増す。そし
て、増加した潤滑膜の上部では固着層との相互作用が弱
まり、遠心力によるせん断力に耐えきれずに振り切られ
てスピンオフを起こす。この外周での振り切りによる潤
滑膜減少に対しては、内周側から外周ヘと潤滑剤が絶え
ず供給され、減少分が補完される。外周側の潤滑膜厚
は、試験前より増加しているのはこのためである。ま
た、内周,中周における流動部は、外周側に移動してそ
こで振り切られるため、結果的には内周,中周での流動
部が減少し、潤滑膜厚が減少する。
て、増加した潤滑膜の上部では固着層との相互作用が弱
まり、遠心力によるせん断力に耐えきれずに振り切られ
てスピンオフを起こす。この外周での振り切りによる潤
滑膜減少に対しては、内周側から外周ヘと潤滑剤が絶え
ず供給され、減少分が補完される。外周側の潤滑膜厚
は、試験前より増加しているのはこのためである。ま
た、内周,中周における流動部は、外周側に移動してそ
こで振り切られるため、結果的には内周,中周での流動
部が減少し、潤滑膜厚が減少する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述したような、従来
の記録媒体において生じていたスピンオフを回避するた
め、潤滑膜を長鎖有機硫黄化合物により形成し、保護膜
ヘの固着性を強化した、例えば、特開平07−1530
67号公報に開示された技術や、高級脂肪酸等による固
体潤滑剤等が提案されているが、前者は、その固着性の
強さのためにPFPE系潤滑剤ほどの潤滑性付与が実現
できず、後者では、それ自体が凝集しやすく、磁気ヘッ
ドに付着して信頼性障害を引き起こすという問題があっ
た。
の記録媒体において生じていたスピンオフを回避するた
め、潤滑膜を長鎖有機硫黄化合物により形成し、保護膜
ヘの固着性を強化した、例えば、特開平07−1530
67号公報に開示された技術や、高級脂肪酸等による固
体潤滑剤等が提案されているが、前者は、その固着性の
強さのためにPFPE系潤滑剤ほどの潤滑性付与が実現
できず、後者では、それ自体が凝集しやすく、磁気ヘッ
ドに付着して信頼性障害を引き起こすという問題があっ
た。
【0017】また、上述した特開平07−161030
号公報,特開平07−121867号公報等に開示され
た技術は、固着部を特定の材料により形成し、その材料
に対し潤滑剤を結合しようというものであるが、潤滑性
を得るには十分な潤滑剤の量を必要とし、結局、潤滑剤
単体のみによる場合と本質的には変わらない。
号公報,特開平07−121867号公報等に開示され
た技術は、固着部を特定の材料により形成し、その材料
に対し潤滑剤を結合しようというものであるが、潤滑性
を得るには十分な潤滑剤の量を必要とし、結局、潤滑剤
単体のみによる場合と本質的には変わらない。
【0018】前項では、コンタクト記録方式の磁気ヘッ
ドと記録媒体との安定接触のために、徒来より流動部を
多くした記録媒体も提案されていると述べたが、このよ
うな記録媒体では流動部が多い分スピンオフも顕著であ
り、この問題を解消することが特に強く望まれている。
ドと記録媒体との安定接触のために、徒来より流動部を
多くした記録媒体も提案されていると述べたが、このよ
うな記録媒体では流動部が多い分スピンオフも顕著であ
り、この問題を解消することが特に強く望まれている。
【0019】発明の目的は、記録媒体の回転に伴う潤滑
剤のスピンオフを低減し、長期間にわたり潤滑膜、特に
その流動部が保持され、磁気ヘッド−記録媒体間に良好
な潤滑性を与えることにより、良好な耐久性を実現する
記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
剤のスピンオフを低減し、長期間にわたり潤滑膜、特に
その流動部が保持され、磁気ヘッド−記録媒体間に良好
な潤滑性を与えることにより、良好な耐久性を実現する
記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、円板形状の非磁性基板上に強磁性膜を有する磁気記
録媒体において、データ記録面の外周側に凸形状の段差
(以下、凸段差という)を形成することを特徴とする。
は、円板形状の非磁性基板上に強磁性膜を有する磁気記
録媒体において、データ記録面の外周側に凸形状の段差
(以下、凸段差という)を形成することを特徴とする。
【0021】また、この凸段差は、基板にレーザを照射
する、もしくはデータ記録領域のみを機械研磨すること
により凸段差を形成し、その上に下地膜,磁性膜,保護
膜,潤滑膜を順次形成することを特徴し、かつ凸形状の
段差の高さをh,幅をwとするとき、前記凸形状の段差
の平均傾斜tanθ=h/wは0.10以上であること
を特徴とする。
する、もしくはデータ記録領域のみを機械研磨すること
により凸段差を形成し、その上に下地膜,磁性膜,保護
膜,潤滑膜を順次形成することを特徴し、かつ凸形状の
段差の高さをh,幅をwとするとき、前記凸形状の段差
の平均傾斜tanθ=h/wは0.10以上であること
を特徴とする。
【0022】さらに、潤滑膜は、液体の高分子系有機化
合物、もしくはパーフルオロポリエーテル系化合物から
形成されることを特徴とする。
合物、もしくはパーフルオロポリエーテル系化合物から
形成されることを特徴とする。
【0023】次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法で
あって、磁気ディスク基板を回転させ、この磁気ディス
ク基板のデータ記録面の外側にレーザを照射することに
より凸段差を形成し、その上に磁性膜,保護膜,潤滑膜
を順次形成することを特徴とする。
あって、磁気ディスク基板を回転させ、この磁気ディス
ク基板のデータ記録面の外側にレーザを照射することに
より凸段差を形成し、その上に磁性膜,保護膜,潤滑膜
を順次形成することを特徴とする。
【0024】さらに、別の磁気記録媒体の製造方法とし
て、磁気ディスク基板を回転させ、この磁気ディスク基
板のデータ記録面に研磨テープをローラにより押圧し、
データ記録面のみを研磨することにより外周側に凸段差
を形成し、その上に磁性膜,保護膜,潤滑膜を順次形成
することを特徴とする。
て、磁気ディスク基板を回転させ、この磁気ディスク基
板のデータ記録面に研磨テープをローラにより押圧し、
データ記録面のみを研磨することにより外周側に凸段差
を形成し、その上に磁性膜,保護膜,潤滑膜を順次形成
することを特徴とする。
【0025】本発明では、外周に凸段差を形成したこと
を特徴とするが、この凸段差は潤滑膜厚に対し十分な高
さを有する。そして、外周での遠心力に起因したせん断
力は、凸段差の側面(傾斜面)に向かい作用する。この
ため、振り切られる潤滑膜流動層に対し凸段差が堰とし
て機能し、スピンオフが防止される。また、外周でのス
ピンオフが解消されると、内周,中周から外周ヘの潤滑
膜流動部の移動はある平衡点に達して停止する。従っ
て、結果的に内周,中周,外周を総合したスピンオフに
よる潤滑膜の減少を防ぐことができる。
を特徴とするが、この凸段差は潤滑膜厚に対し十分な高
さを有する。そして、外周での遠心力に起因したせん断
力は、凸段差の側面(傾斜面)に向かい作用する。この
ため、振り切られる潤滑膜流動層に対し凸段差が堰とし
て機能し、スピンオフが防止される。また、外周でのス
ピンオフが解消されると、内周,中周から外周ヘの潤滑
膜流動部の移動はある平衡点に達して停止する。従っ
て、結果的に内周,中周,外周を総合したスピンオフに
よる潤滑膜の減少を防ぐことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して説明する。
して説明する。
【0027】図1は、本発明の一実施の形態を示す模式
図であって、図1(a)は、本発明の記録媒体の形状を
示す斜視図であり、図1(b)は、同図(a)のA−
A′線拡大断面図である。また、図2は、実施例のスピ
ンオフ試験による時間と潤滑膜厚との関係を示す図であ
る。
図であって、図1(a)は、本発明の記録媒体の形状を
示す斜視図であり、図1(b)は、同図(a)のA−
A′線拡大断面図である。また、図2は、実施例のスピ
ンオフ試験による時間と潤滑膜厚との関係を示す図であ
る。
【0028】まず、図1(a)を参照すると、本発明の
記録媒体は、表面にNi−Pメッキを施したAl合金か
らなる3.5インチ型の媒体基板に、スポット径15μ
m,照射エネルギー6μJの条件でNd−YVO4 固体
レーザを、同基板を回転させながら半径47.3mmの
位置に対して照射し、表面のNi−Pを融解することに
より、高さ1μmのデータ記録面1の外側に凸段差2を
形成した。
記録媒体は、表面にNi−Pメッキを施したAl合金か
らなる3.5インチ型の媒体基板に、スポット径15μ
m,照射エネルギー6μJの条件でNd−YVO4 固体
レーザを、同基板を回転させながら半径47.3mmの
位置に対して照射し、表面のNi−Pを融解することに
より、高さ1μmのデータ記録面1の外側に凸段差2を
形成した。
【0029】次に、図1(b)を参照すると、半径4
7.3mmを中心にして、レーザ照射によるくぼみ3が
形成されており、その内側に凸段差2が形成されてい
る。
7.3mmを中心にして、レーザ照射によるくぼみ3が
形成されており、その内側に凸段差2が形成されてい
る。
【0030】ここで、潤滑膜4の下地である保護膜表面
から凸段差2の最頂部までの高さを凸段差高さ5とし、
記録面1から凸段差2ヘの立ち上がり点から凸段差2の
最頂部までの水平距離を凸段差幅6として定義する。
から凸段差2の最頂部までの高さを凸段差高さ5とし、
記録面1から凸段差2ヘの立ち上がり点から凸段差2の
最頂部までの水平距離を凸段差幅6として定義する。
【0031】さて、上述したように、媒体基板に凸段差
2を形成後、その上にスパッタリングにより、Cr下地
膜,Co合金磁性膜,C保護膜を順次形成した。その
後、ディッピング法によりPFPE系化合物を塗布し潤
滑膜とした。これは100℃の温度で2時間放置するこ
とにより、PFPE系化合物の一部を保護膜と結合さ
せ、潤滑膜内に固着部を形成した。
2を形成後、その上にスパッタリングにより、Cr下地
膜,Co合金磁性膜,C保護膜を順次形成した。その
後、ディッピング法によりPFPE系化合物を塗布し潤
滑膜とした。これは100℃の温度で2時間放置するこ
とにより、PFPE系化合物の一部を保護膜と結合さ
せ、潤滑膜内に固着部を形成した。
【0032】以上の手順により、本発明の具体的な例と
して実施例1を作製した。まず、潤滑膜の厚さ(量)
は、ディッピング時のPFPE系化合物溶液濃度により
制御した。また、実施例1では、溶媒に対するPFPE
系化合物溶液の濃度を0.7wt%とし、高温放置によ
る固着部形成後の潤滑膜厚を、XPS(X線光電子分析
法)による測定値で5.0nmとした。固着部の厚さ
は、実施例1をフロン系溶媒に超音波を加えながら浸積
し、流動部を溶解除去することにより測定したところ
1.0nmであった。
して実施例1を作製した。まず、潤滑膜の厚さ(量)
は、ディッピング時のPFPE系化合物溶液濃度により
制御した。また、実施例1では、溶媒に対するPFPE
系化合物溶液の濃度を0.7wt%とし、高温放置によ
る固着部形成後の潤滑膜厚を、XPS(X線光電子分析
法)による測定値で5.0nmとした。固着部の厚さ
は、実施例1をフロン系溶媒に超音波を加えながら浸積
し、流動部を溶解除去することにより測定したところ
1.0nmであった。
【0033】また、比較例として、媒体基板に凸段差2
を形成せず、それ以外が実施例1と全く同様の構成であ
る記録媒体を作製した。この比較例は、潤滑膜厚,固着
部厚ともに実施例1と全く等しく、それぞれ5.0n
m,1.0nmである。また、データ記録面1の表面粗
さも実施例1、比較例は等しく、ともに中心線平均粗さ
Ra=2.0nmである。
を形成せず、それ以外が実施例1と全く同様の構成であ
る記録媒体を作製した。この比較例は、潤滑膜厚,固着
部厚ともに実施例1と全く等しく、それぞれ5.0n
m,1.0nmである。また、データ記録面1の表面粗
さも実施例1、比較例は等しく、ともに中心線平均粗さ
Ra=2.0nmである。
【0034】この実施例1,比較例に対してスピンオフ
試験を行った。その詳細条件を以下に記し、結果を図2
に示す。
試験を行った。その詳細条件を以下に記し、結果を図2
に示す。
【0035】まず、定速かつ高速回転が可能な2つのス
ピンドルに、実施例1と比較例をそれぞれ1枚ずつ搭載
した。そして、これらスピンドルを60℃−60%RH
の環境下に放置し、10,000rpmの定速回転でそ
れぞれ回転させ、回転時間に対する潤滑膜厚を測定し
た。この場合、潤滑膜厚は半径30mmの位置に対して
測定を行った。また、潤滑膜厚の測定時にはスピンドル
の回転を停止させ、実施例1,比較例をそれぞれ取り出
し、回転による潤滑剤の偏在が解消されるのに十分な時
間を経過させた後、XPSで測定した。
ピンドルに、実施例1と比較例をそれぞれ1枚ずつ搭載
した。そして、これらスピンドルを60℃−60%RH
の環境下に放置し、10,000rpmの定速回転でそ
れぞれ回転させ、回転時間に対する潤滑膜厚を測定し
た。この場合、潤滑膜厚は半径30mmの位置に対して
測定を行った。また、潤滑膜厚の測定時にはスピンドル
の回転を停止させ、実施例1,比較例をそれぞれ取り出
し、回転による潤滑剤の偏在が解消されるのに十分な時
間を経過させた後、XPSで測定した。
【0036】図2より、時間の経過に対して、比較例で
は潤滑膜厚が減り続け、1,000時間後には3.0n
mとなり、スピンオフ試験前の5.0nmから40%も
減少した。これに対して、実施例1では、わずかな潤滑
剤減少が認められるものの、1,000時間後の潤滑膜
厚減少は0.3nmであり、スピンオフ試験前の5.0
nmに対してわずか6%の減少である。また、比較例に
対して実施例1では、1,000時間後の潤滑膜厚減少
率は約1/7であり、潤滑剤のスピンオフが大幅に低減
されていることがわかる。
は潤滑膜厚が減り続け、1,000時間後には3.0n
mとなり、スピンオフ試験前の5.0nmから40%も
減少した。これに対して、実施例1では、わずかな潤滑
剤減少が認められるものの、1,000時間後の潤滑膜
厚減少は0.3nmであり、スピンオフ試験前の5.0
nmに対してわずか6%の減少である。また、比較例に
対して実施例1では、1,000時間後の潤滑膜厚減少
率は約1/7であり、潤滑剤のスピンオフが大幅に低減
されていることがわかる。
【0037】次に、凸段差2の形状のスピンオフ低減効
果ヘの影響を調べた。ここで、凸段差2の平均傾斜ta
nθを以下のように定義する。
果ヘの影響を調べた。ここで、凸段差2の平均傾斜ta
nθを以下のように定義する。
【0038】 tanθ=(凸段差高さ5)/(凸段差幅6) ここで、実施例として、凸段差幅6を1μm,凸段差高
さ5を0.05μm,tanθ=0.05(θ≒2.9
度)としたものを実施例2、凸段差幅6を1μm,凸段
差高さ5を0.15μm,tanθ=0.15(θ≒
8.5度)としたものを実施例3とした。また、凸段差
2の形成以外は、実施例1と全く同様の構成および工程
により作製した。
さ5を0.05μm,tanθ=0.05(θ≒2.9
度)としたものを実施例2、凸段差幅6を1μm,凸段
差高さ5を0.15μm,tanθ=0.15(θ≒
8.5度)としたものを実施例3とした。また、凸段差
2の形成以外は、実施例1と全く同様の構成および工程
により作製した。
【0039】次に、実施例1,2,3に比較例を加え、
これらの試料を60℃−60%RHの環境下で、10,
000rpmの回転数で1,000時間回転させた後の
潤滑膜厚をXPSにより測定した結果を表1に示す。こ
の膜厚測定は、測定半径30mmの位置で、かつ回転に
よる潤滑剤の偏在が解消されるのに十分な時間が経過し
た後に行った。
これらの試料を60℃−60%RHの環境下で、10,
000rpmの回転数で1,000時間回転させた後の
潤滑膜厚をXPSにより測定した結果を表1に示す。こ
の膜厚測定は、測定半径30mmの位置で、かつ回転に
よる潤滑剤の偏在が解消されるのに十分な時間が経過し
た後に行った。
【0040】
【表1】
【0041】表1の結果によれば、平均傾斜tanθが
小さく、すなわち、凸段差2の傾斜が緩やかになると、
スピンオフ低減効果が低くなり、また、凸段差2による
スピンオフ低減効果を十分に得るには、tanθは0.
10以上、すなわちθ≒5.7度以上が望ましいことが
わかる。
小さく、すなわち、凸段差2の傾斜が緩やかになると、
スピンオフ低減効果が低くなり、また、凸段差2による
スピンオフ低減効果を十分に得るには、tanθは0.
10以上、すなわちθ≒5.7度以上が望ましいことが
わかる。
【0042】なお、本発明では、上述したように、レー
ザを照射することによりデータ記録面の外側に凸段差を
形成したが、別の方法として、データ記録領域のみを機
械研磨することにより外周部に凸段差を形成してもよ
い。具体的には、回転する媒体基板のデータ記録面に研
磨テープをローラにより押圧し、データ記録面のみを研
磨することにより外周側に凸段差を形成すればよく、こ
の方法においても、同様の結果が得られることは明らか
である。
ザを照射することによりデータ記録面の外側に凸段差を
形成したが、別の方法として、データ記録領域のみを機
械研磨することにより外周部に凸段差を形成してもよ
い。具体的には、回転する媒体基板のデータ記録面に研
磨テープをローラにより押圧し、データ記録面のみを研
磨することにより外周側に凸段差を形成すればよく、こ
の方法においても、同様の結果が得られることは明らか
である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、ディス
ク装置において、記録再生時の記録媒体の回転に伴う遠
心力により、潤滑膜の流動部がディスク外端部に偏在し
て振り切られるのを、データ記録面の外側に設けた凸段
差を堰として機能させることにより未然に防止する。そ
の結果、記録媒体上の潤滑膜厚のスピンオフによる減少
が大幅に低減され、ディスク装置の使用に対する長期間
にわたる信頼性が実現できるという効果がある。
ク装置において、記録再生時の記録媒体の回転に伴う遠
心力により、潤滑膜の流動部がディスク外端部に偏在し
て振り切られるのを、データ記録面の外側に設けた凸段
差を堰として機能させることにより未然に防止する。そ
の結果、記録媒体上の潤滑膜厚のスピンオフによる減少
が大幅に低減され、ディスク装置の使用に対する長期間
にわたる信頼性が実現できるという効果がある。
【図1】本発明の一実施の形態を示す模式図である。
【図2】実施例のスピンオフ試験による時間と潤滑膜厚
との関係を示す図である。
との関係を示す図である。
【図3】従来の記録媒体におけるスピンオフ試験前後の
測定半径と潤滑膜厚との関係を示す図である。
測定半径と潤滑膜厚との関係を示す図である。
1 データ記録面 2 凸段差 3 くぼみ 4 潤滑膜 5 凸段差高さ 6 凸段差幅
Claims (8)
- 【請求項1】 円板形状の非磁性基板上に強磁性膜を有
する磁気記録媒体において、データ記録面の外周側に凸
形状の段差を形成することを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 基板にレーザを照射することにより凸形
状の段差を形成し、その上に下地膜,磁性膜,保護膜,
潤滑膜を順次形成したことを特徴とする請求項1に記載
の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 データ記録領域のみを機械研磨すること
により凸形状の段差を形成し、その上に下地膜,磁性
膜,保護膜,潤滑膜を順次形成したことを特徴とする請
求項1に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 凸形状の段差の高さをh,幅をwとする
とき、前記凸形状の段差の平均傾斜tanθ=h/wは
0.10以上であることを特徴とする請求項1から3の
いずれか1項に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】 潤滑膜は、液体の高分子系有機化合物か
ら形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれ
か1項に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項6】 潤滑膜は、パーフルオロポリエーテル系
化合物から形成されることを特徴とする請求項1から4
のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項7】 請求項2に記載の磁気記録媒体の製造方
法であって、磁気ディスク基板を回転させ、この磁気デ
ィスク基板のデータ記録面の外側にレーザを照射するこ
とにより凸段差を形成し、その上に磁性膜,保護膜,潤
滑膜を順次形成することを特徴とする磁気記録媒体の製
造方法。 - 【請求項8】 請求項3に記載の磁気記録媒体の製造方
法であって、磁気ディスク基板を回転させ、この磁気デ
ィスク基板のデータ記録面に研磨テープをローラにより
押圧し、データ記録面のみを研磨することにより外周側
に凸段差を形成し、その上に磁性膜,保護膜,潤滑膜を
順次形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27594397A JPH11120544A (ja) | 1997-10-08 | 1997-10-08 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27594397A JPH11120544A (ja) | 1997-10-08 | 1997-10-08 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11120544A true JPH11120544A (ja) | 1999-04-30 |
Family
ID=17562599
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27594397A Pending JPH11120544A (ja) | 1997-10-08 | 1997-10-08 | 磁気記録媒体およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11120544A (ja) |
-
1997
- 1997-10-08 JP JP27594397A patent/JPH11120544A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19990928 |