JPH11123547A - アーク溶接定常部の溶接安定性判定方法及び安定性判定装 置 - Google Patents

アーク溶接定常部の溶接安定性判定方法及び安定性判定装 置

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JPH11123547A
JPH11123547A JP28973997A JP28973997A JPH11123547A JP H11123547 A JPH11123547 A JP H11123547A JP 28973997 A JP28973997 A JP 28973997A JP 28973997 A JP28973997 A JP 28973997A JP H11123547 A JPH11123547 A JP H11123547A
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幸充 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消耗電極式ガスシールドアーク溶接の定常溶
接部におけるアーク放電状態の不安定性に起因して発生
する溶接品質不良の流出を防止する。 【解決手段】 検出手段7,8で夫々溶接電流と溶接電
圧を検出してアナログ信号を作る。各アナログ信号をA
/Dコンバータ9でサンプリングしてデジタル信号にす
る。これらのデジタル信号に基づき、CPU10で1周
期毎のアーク期間の溶接電流積分値標準偏差、1周期毎
の短絡期間の溶接電流積分値標準偏差、1周期毎のアー
ク/短絡時間比率標準偏差及び短絡周波数の4項目の内
1又は2項目以上を演算し、それぞれに対応する基準値
との差が1つでも許容範囲を越えたら溶接が不安定また
は不良と判定して表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消耗電極式ガスシ
ールドアーク溶接において、定常溶接部における溶接現
象の不安定性に起因して発生する溶接品質不良の流出防
止のための、定常溶接部の溶接安定性判定方法及び判定
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】消耗電極式ガスシールドアーク溶接で
は、溶接電源の出力制御が制御素子の進歩によりサイリ
スタ方式からインバータ方式に変化し、制御速度が30
0Hzから15〜60KHzへと約50〜200倍も高
速化され、溶接電流の波形制御ができるようになり、ア
ークスタート性能の向上、高速溶接での溶接状態の安定
性向上やスパッタの発生量低減が可能となり、溶接現象
の安定性が改善されつつある。
【0003】しかし定常溶接部の溶接品質は、加工歪み
或いは熱歪み等によって溶接施工状態が時々刻々と変化
するために、種々の異常現象が発生し易く、溶接ロボッ
ト等による自動溶接ラインの大きな問題となっていた。
【0004】この定常溶接部の溶接状態安定性の良否判
定は、一般に作業者や技術者が溶接ビード外観の均一性
を目視することにより行っていた。しかし目視による定
性的な判定では、微小な異常の場合の判定に個人差があ
り、インラインでの判定に統一的な基準を求めることは
困難であった。
【0005】また定常溶接部の溶接現象を計測装置によ
り、溶接電流・電圧を測定し判定する方法もあるが、解
析に時間を要しリアルタイムに判定を行うことは困難で
あった。さらにこれらのデータは必ずしも定量的なデー
タとは言えず、定常溶接部の溶接現象安定性を評価する
事は困難であった。
【0006】例えば特公平2−62017号公報(以
下、第1の従来技術と言う)には、溶接電圧を測定する
ことにより短絡期間とアーク期間とを判別し、それぞれ
の期間における溶接電流と溶接電圧波形の観測結果を所
定の関数で演算し、溶接状態の均一性の程度、アーク切
れの程度、アークの燃え上がり度により、溶接性の良否
を判定する技術が開示されている。
【0007】また特公平7−2275号公報(以下、第
2の従来技術と言う)には、溶接電流、溶接電圧の監視
区間設定手段を用いて、それぞれの移動平均を演算し、
溶接状況や溶接結果を判定する技術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記第1の従
来技術の場合、計測区間の設定がされていないため、ア
ークスタート直後から定常部までのデータで判定を行う
と、誤判定を招く恐れがあると言う欠点を有している。
なぜならアークスタート直後の溶接現象は不安定で、定
常部の溶接には直接関与するものではないためである。
またアーク切れの程度をアーク期間中の平均電流(I)
・電圧(V)による平均抵抗(R=V/I)を用い、ま
たアークの燃え上がり度をアーク期間中の電力(P=I
×V)を用いて表しているが、アーク期間中の平均電流
はアーク時間によって変化しやすく、この平均電流を用
いて、アーク切れの程度及びアークの燃え上がり度の判
定を行うと誤判定を招く恐れがあるという欠点を有して
いる。
【0009】また、上記第2の従来技術の場合、アーク
時間及び短絡時間の変動(長期アーク、瞬間アークや長
期短絡、瞬間短絡現象等)つまり溶接現象の安定性の程
度を正確に評価できないと言う欠点を有している。
【0010】以上のように従来の定常溶接部の溶接現象
の安定性の判定は、定性的なものであり、解析に時間を
要し、アーク溶接ロボット等による自動溶接ライン及び
半自動溶接ラインにおける定常溶接部の溶接現象不安定
性に起因して発生する溶接品質不良の流出防止を図る上
で、なお大きな問題となっていた。
【0011】現状では定常溶接部の溶接現象安定性をリ
アルタイムで且つ定量的にまた定常溶接部すべてを監視
する方法はなく、溶接現象の安定性対策として定期的に
ワイヤ送給経路を清掃したり、ワイヤコンジットケーブ
ルを交換したり、コンタクトチップを交換したり、ある
いは溶接品質異常が生じてからこれらの対策を実施して
いた。
【0012】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてな
されたもので、定常溶接部の溶接現象をを正確に捉え、
溶接状態の安定性の良否を迅速に判定する方法及び装置
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、短絡とアークを交互に繰り返し
ながら溶接をする消耗電極式ガスシールドアーク溶接の
定常溶接部アーク溶接安定性判定方法であって、溶接電
極(以下溶接ワイヤと称す)と被溶接材間の溶接電圧を
検出する電圧検出手段と、溶接ワイヤと被溶接材間を流
れる溶接電流を検出する電流検出手段を用いて出力され
るアナログ出力信号を所定のサンプリング周波数でデジ
タル信号に変換して、定常溶接部の溶接安定性の程度を
以下の4項目(a)〜(d)、 (a)1周期毎のアーク期間の溶接電流積分値の標準偏
差 σ(∫IAndt) (b)1周期毎の短絡期間の溶接電流積分値の標準偏差 σ(∫ISndt) (c)1周期毎のアーク/短絡時間比率の標準偏差 σ(TAn/TSn) (d)短絡周波数fS の内任意の1又は2項目以上を演算し、それぞれに対応
する基準値と比較して、何れか1つでも基準値との差が
予め設定した許容範囲を越えた時に溶接が不安定または
不良であると判定することを特徴とするアーク溶接定常
部の溶接安定性判定方法である。
【0014】請求項2の発明は、請求項1のアーク溶接
定常部の溶接安定性判定方法において、アーク溶接を監
視する区間を設定し、またその区間を溶接時間に応じて
任意に分割し判定することを特徴とするものである。
【0015】そして、請求項3の発明は、短絡とアーク
を交互に繰り返しながら溶接をする消耗電極式ガスシー
ルドアーク溶接の定常溶接部アーク溶接安定性判定装置
であって、溶接ワイヤと被溶接材間の溶接電圧を検出す
る電圧検出手段と、溶接ワイヤと被溶接材間を流れる溶
接電流を検出する電流検出手段と、両手段からのアナロ
グ出力信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ
と、該コンバータからのデジタル信号を基に、 (a)1周期毎のアーク期間の溶接電流積分値の標準偏
差 σ(∫IAndt) (b)1周期毎の短絡期間の溶接電流積分値の標準偏差 σ(∫ISndt) (c)1周期毎のアーク/短絡時間比率の標準偏差 σ(TAn/TSn) (d)短絡周波数fS の4項目の内任意の1又は2項目以上を演算する演算手
段と、演算手段からの演算結果を予め設定された基準値
と比較し基準値との差が許容範囲内か否かを判定する比
較器と、比較器の出力を表示する表示器とからなること
を特徴とするアーク溶接定常部の溶接安定性判定装置で
ある。
【0016】また請求項4の発明は、請求項3のアーク
溶接定常部の溶接安定性判定装置において、アーク溶接
を監視する区間を設定し、またその区間を溶接時間に応
じて任意に分割する手段を具備したことを特徴とするも
のである。
【0017】
【作用】定常溶接部におけるアーク放電が安定して形成
されないことに起因して発生する溶接現象安定性の程度
を、1周期毎のアーク期間溶接電流積分値の標準偏差及
び短絡期間溶接電流積分値の標準偏差、また1周期毎の
アーク/短絡時間比率の標準偏差、また短絡周波数の4
項目の内任意の1又は2項目以上をそれぞれ演算し定量
値として表示し、それぞれに対応する基準値と比較し、
各定量値の何れか1つでも基準値との差が予め設定した
許容範囲を越えたときに溶接現象が不安定であると判定
する。こうすることで、溶接ワイヤへの給電不良や送給
抵抗増加及びワイヤエクステンション変動などによる溶
接現象不安定による溶接品質異常を正確かつ確実に検知
する。
【0018】
【発明の実施の形態】次に本発明の好ましい実施の形態
を図面の実施例に基づいて説明する。図1は本発明の実
施例のブロック図である。図中の1は溶接電源で所定の
電流・電圧を溶接ワイヤ2、被溶接材5間に印加させ、
溶接ワイヤ2は被溶接材5を溶接するために送給ローラ
3によって所定の速度で送給される。4はコンタクトチ
ップ、6は溶接電流を測定するための分流器、7は溶接
ワイヤと被溶接材を流れる溶接電流を検出する電流検出
回路、8は溶接ワイヤと被溶接材間の溶接電圧を検出す
る電圧検出回路、9は両検出回路7,8からの各アナロ
グ出力信号を所定のサンプリング周波数でデジタル信号
に変換するA/Dコンバータ、17は演算及び出力装置
で両検出回路7,8とA/Dコンバータ9を含む。
【0019】本装置17は溶接電圧、溶接電流を測定し
てデジタル変換し、1周期毎のアーク期間溶接電流積分
値の標準偏差及び短絡期間溶接電流積分値の標準偏差、
また1周期毎のアーク/短絡時間比率の標準偏差、また
短絡周波数とその平均値を算出するために種々の演算を
してその演算結果を予め設定された基準値と比較し、基
準値との差が許容範囲内か否かの比較を行うCPU1
0、それらの演算データを表示及び印刷するCRT11
(ディスプレイ)及びプリンター15、プログラム及び
演算に必要な種々のデータを格納するメモリ(ROM1
2,RAM13)及び測定に必要な定数及びその他のデ
ータを入力するキーボード14、さらに溶接電流積分値
異常、アーク/短絡時間比率異常、短絡周波数異常等の
異常信号を表示する表示器16から構成される。
【0020】次に本発明による定常溶接部の溶接現象安
定性判定方法について説明する。はじめに定常溶接部の
溶接現象解析実行の概略処理フローを図2に示す。まず
サンプリング速度、トリガーレベル、アーク・短絡判定
電圧をキーボード14により入力しCPU10内に設定
し、溶接を開始させる。ここでサンプリング速度の設定
は本実施例では溶接電源1の制御波形の判定も可能とな
るように溶接電源1の制御速度以上の27KHzに設定
したが、設定変更できるようになっている。
【0021】溶接電圧がトリガーレベルに達すると溶接
電圧、電流の入力を開始し測定回数が、設定回数に達す
るまで各サンプリング点の溶接電圧、電流のデータをR
AM13内に格納する。所定数のサンプリングが完了す
ると、ROM12内に格納されているプログラムを実施
することにより、各種の演算を行う。
【0022】ここで各種の演算は、演算データの誤判定
を防ぐため演算区間の設定をキーボード14より入力で
きるようになっている。つまりアークスタート時の溶接
現象不安定領域を演算区間から外せるようになってい
る。
【0023】演算が完了すると各種の演算結果をそれぞ
れに対応する基準値と比較して、何れか1つでも基準値
との差が予め設定した許容範囲を超えたときに溶接現象
が不安定であるとして、溶接電流積分値異常、アーク/
短絡時間比率異常、短絡周波数異常等の異常信号の出力
が行われ、ハンピングビード、アンダーカット、溶け落
ち、ビード長不足等の溶接品質異常の判定を行う。また
アーク放電が安定して形成された場合はOK信号を出力
する。
【0024】次に図2内サブルーチン1のアーク期間溶
接電流積分値の演算について説明する。図3はこのアー
ク期間溶接電流積分値標準偏差演算処理を行うサブルー
チンの詳細である。アーク期間溶接電流積分値標準偏差
の演算は、定常溶接測定開始時間のT1 時間タイムアッ
プ後から、定常溶接測定終了時間の設定時間T2 までの
溶接ワイヤと被溶接材間を流れる溶接電流と溶接電圧を
サンプリングし、n周期目の溶接電圧V(n)がアーク
・短絡判定電圧Va以上に到達した時間から溶接電流の
測定を開始し、Va以下に下がった時間までのアーク期
間の溶接電流積分値を演算し、その後にその積分値の標
準偏差を演算する。なお、判定電圧Va及びT1 ,T2
時間の設定は任意に変更できるようになっている。
【0025】このアーク期間溶接電流積分値は、図6に
示すように1周期毎のアーク期間溶接電流波形とそのア
ーク時間によって囲まれる面積∫IAndtを表し、その
標準偏差σ(∫ISndt)はアーク期間の溶接電流とア
ーク時間のバラツキを同時に表す。
【0026】この溶接電流積分値の標準偏差が大きくな
ると言うことは、短絡現象がほとんど継続する瞬間アー
クや短絡に至らない長期アーク現象の発生等により溶滴
移行現象が不安定であると言うことで、この標準偏差が
低いほど溶滴移行現象が安定していることを示す。
【0027】ここでサンプリングノイズやチャタリング
等による標準偏差の変化を低減するため1msec以内
のアーク現象は短絡時間として演算する。このアーク期
間溶接電流積分値標準偏差を基準値と比較して、基準値
との差が予め設定した許容範囲を越えたときアーク期間
溶接電流積分値異常として異常信号を出力する。
【0028】次に図2内サブルーチン2の短絡期間溶接
電流積分値の演算について説明する。図4はこの短絡期
間溶接電流積分値標準偏差演算処理を行うサブルーチン
の詳細である。短絡期間溶接電流積分値標準偏差の演算
は、定常溶接測定開始時間であるT1 時間タイムアップ
後から、定常溶接測定終了時間である設定時間T2 まで
の溶接ワイヤと被溶接材間を流れる溶接電流と溶接電圧
をサンプリングし、n周期目の溶接電圧V(n)がアー
ク・短絡判定電圧Va以下に到達した時間から溶接電流
の測定を開始し、Va以上に上がった時間までの短絡期
間の溶接電流積分値を演算し、その後にその積分値の標
準偏差を演算する。なお、判定電圧Va及びT1,T2
間の設定は任意に変更できるようになっている。
【0029】この短絡時間溶接電流積分値は、図7に示
すように1周期毎の短絡期間の溶接電流波形とその短絡
時間によって囲まれる面積∫ISndtを表し、その標準
偏差σ(∫ISndt)は短絡期間の溶接電流と短絡時間
のバラツキを同時に表す。
【0030】この標準偏差が大きくなると言うことは、
溶滴移行がほとんど行われない瞬間短絡や短絡現象が解
放されない長期短絡の発生により短絡現象が不安定であ
るということで、この標準偏差が低いほど短絡現象が安
定し溶滴移行が周期的に行われていることを示す。
【0031】ここでサンプリングノイズやチャタリング
等による標準偏差の変化を低減するため1msec以内
の短絡現象はアーク時間として演算する。この短絡期間
溶接電流積分値標準偏差を基準値と比較して、基準値と
の差が予め設定した許容範囲を越えたとき短絡期間溶接
電流標準偏差異常として異常信号を出力する。
【0032】次に図2内サブルーチン3のアーク/短絡
時間比率の標準偏差の演算について説明する。図5はこ
のアーク/短絡時間比率の標準偏差演算処理を行うサブ
ルーチンの詳細である。アーク/短絡時間比率の標準偏
差の演算はT1 時間タイムアップ後から、設定時間T2
までの溶接ワイヤと被溶接材間を流れる溶接電流と溶接
電圧をサンプリングし、n周期目の溶接電圧V(n)が
アーク・短絡判定電圧Va以上に到達した時間からアー
ク時間TAnの測定を開始し、Va以下に下がった時間ま
でのアーク時間と、n周期目の溶接電圧V(n)がVa
以下に到達した時間から短絡時間TSnの測定を開始し、
Va以上に上がった時間までの短絡時間を測定し、アー
ク/短絡時間比率を演算し、その後に1周期毎のアーク
/短絡時間比率の標準偏差σ(TAn/TSn)を演算す
る。
【0033】このアーク/短絡時間比率標準偏差が大き
くなると言うことは瞬間アーク、長期アーク及び瞬間短
絡、長期短絡等の発生による溶滴移行現象が不安定であ
るということで、この標準偏差が低いほど溶滴移行現象
が安定していることを示す。このアーク/短絡時間比率
の標準偏差を基準値と比較して、基準値との差が予め設
定した許容範囲を越えたときアーク/短絡時間比率異常
として異常信号を出力する。
【0034】次に図2内サブルーチン4の短絡周波数の
演算について説明する。図6はこの短絡周波数の演算処
理を行うサブルーチンの詳細である。短絡周波数の演算
はT 1 時間タイムアップ後から、設定時間T2 までの溶
接ワイヤと被溶接材間を流れる溶接電流と溶接電圧をサ
ンプリングし、n周期目の溶接電圧V(n)がアーク・
短絡判定電圧Va以下に下がった時からVa以上に上が
った時までの短絡時間を1回として短絡周波数を演算す
る。ここでサンプリングノイズやチャタリング等による
短絡周波数の変化を低減するため1msec以内の短絡
現象はアーク時間として演算する。この短絡周波数を基
準値と比較して、基準値と差が予め設定した許容範囲を
越えたとき短絡周波数異常として異常信号を出力する。
【0035】以上のように溶接品質異常の監視をアーク
スタート部及び終端処理部を除いた定常溶接部だけ行う
こととしたのは、アークスタート時は溶接ワイヤが全く
加熱していない被溶接材に接触するという状態のために
種々の異常現象が発生し易く、このスタート部のみに現
れる溶接現象の不安定状態を演算範囲に含めると、定常
溶接部の溶接現象が安定しているにもかかわらず溶接現
象が不安定であるという演算結果を出力してしまうため
である。また終端処理部も同様の理由から演算範囲に含
めないこととした。
【0036】さらに、定常溶接部全区間を演算すること
により判定する方がよりベターであるが、一部の区間の
みのデータで判定を行っても良い。したがって本実施例
によれば定常溶接部において溶接現象が安定して形成さ
れた場合は、前記の異常信号が出力されることはない。
このため自動及び半自動アーク溶接装置において定常溶
接部における溶接現象の不安定状態を異常信号の出力に
より、作業者や技術者が容易に検知可能となり、異常処
理等の適切な処理を施すことにより不良品の流出を確実
に防止することができる。
【0037】図7はアーク溶接中の各段階(イ)〜
(チ)における溶滴の移行現象と、溶接電圧波形及び溶
接電流波形を説明する図である。
【0038】
【発明の効果】上述のように請求項1の定常溶接部の溶
接安定性判定方法によれば、溶接電流及び溶接電圧を所
定の時間にわたって4項目中1又は2項目以上を演算
し、それぞれに対応する基準値と比較し、各定量値の何
れか1つでも基準値との差が予め設定した許容範囲を越
えたときに、定常溶接部の溶接現象が不安定または不良
であると言うことをリアルタイムに判定することができ
る利点がある。また溶接異常発生時の自動回復処理の電
源制御信号を出力するための指標としてこれらのデータ
が有効に活用できるという効果も有する。
【0039】さらに請求項2の溶接安定性判定方法によ
れば、アーク溶接を監視する区間を任意に設定し、定常
溶接部すべてを監視することとしたので信頼性の高い監
視ができる利点がある。
【0040】さらに請求項3及び4の溶接安定性判定装
置によれば、溶接中に定常溶接部の溶接安定性を溶接時
間に応じて任意に分割でき定常溶接部すべてをリアルタ
イムに且つ正確で定量的に監視することができ、溶接品
質不良品の流出を確実に防止可能にする利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定常溶接部溶接安定性判定装置の一実
施例の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の解析実行フローチャートである。
【図3】アーク期間溶接電流積分値標準偏差演算処理を
行うサブルーチンである。
【図4】短絡期間溶接電流積分値標準偏差演算処理を行
うサブルーチンである。
【図5】アーク/短絡時間比率標準偏差演算処理を行う
サブルーチンである。
【図6】短絡周波数演算処理を行うサブルーチンであ
る。
【図7】アーク溶接中の溶滴の移行現象と溶接電圧波形
及び溶接電流波形の説明図である。
【符号の説明】
1 溶接電源 2 溶接ワイヤ 4 コンタクトチップ 5 被溶接材 6 分流器 7 溶接電流検出回路 8 溶接電圧検出回路 9 A/Dコンバータ 10 CPU 16 表示器 17 演算及び出力装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 太郎 愛知県豊田市小坂本町3−126−1 サフ ィニアMI602

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短絡とアークを交互に繰り返しながら溶
    接をする消耗電極式ガスシールドアーク溶接の定常溶接
    部アーク溶接安定性判定方法であって、溶接電極(以下
    溶接ワイヤと称す)と被溶接材間の溶接電圧を検出する
    電圧検出手段と、溶接ワイヤと被溶接材間を流れる溶接
    電流を検出する電流検出手段を用いて出力されるアナロ
    グ出力信号を所定のサンプリング周波数でデジタル信号
    に変換して、定常溶接部の溶接安定性の程度を以下の4
    項目(a)〜(d)、 (a)1周期毎のアーク期間の溶接電流積分値の標準偏
    差 σ(∫IAndt) (b)1周期毎の短絡期間の溶接電流積分値の標準偏差 σ(∫ISndt) (c)1周期毎のアーク/短絡時間比率の標準偏差 σ(TAn/TSn) (d)短絡周波数fS の内任意の1又は2項目以上を演算し、それぞれに対応
    する基準値と比較して、何れか1つでも基準値との差が
    予め設定した許容範囲を越えた時に溶接が不安定または
    不良であると判定することを特徴とするアーク溶接定常
    部の溶接安定性判定方法。
  2. 【請求項2】 アーク溶接を監視する区間を設定し、ま
    たその区間を溶接時間に応じて任意に分割し判定するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の溶接安定性判定方法。
  3. 【請求項3】 短絡とアークを交互に繰り返しながら溶
    接をする消耗電極式ガスシールドアーク溶接の定常溶接
    部アーク溶接安定性判定装置であって、溶接ワイヤと被
    溶接材間の溶接電圧を検出する電圧検出手段と、溶接ワ
    イヤと被溶接材間を流れる溶接電流を検出する電流検出
    手段と、両手段からのアナログ出力信号をデジタル信号
    に変換するA/Dコンバータと、該コンバータからのデ
    ジタル信号を基に、 (a)1周期毎のアーク期間の溶接電流積分値の標準偏
    差 σ(∫IAndt) (b)1周期毎の短絡期間の溶接電流積分値の標準偏差 σ(∫ISndt) (c)1周期毎のアーク/短絡時間比率の標準偏差 σ(TAn/TSn) (d)短絡周波数fS の4項目の内任意の1又は2項目以上を演算する演算手
    段と、演算手段からの演算結果を予め設定された基準値
    と比較し基準値との差が許容範囲内か否かを判定する比
    較器と、比較器の出力を表示する表示器とからなること
    を特徴とするアーク溶接定常部の溶接安定性判定装置。
  4. 【請求項4】 アーク溶接を監視する区間を設定し、ま
    たその区間を溶接時間に応じて任意に分割する手段を具
    備したことを特徴とする請求項3に記載の溶接安定性判
    定装置。
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