JPH1112676A - 成形用アルミニウム合金硬質板、前記硬質板を用いた缶蓋、および前記硬質板の製造方法 - Google Patents
成形用アルミニウム合金硬質板、前記硬質板を用いた缶蓋、および前記硬質板の製造方法Info
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- JPH1112676A JPH1112676A JP16483897A JP16483897A JPH1112676A JP H1112676 A JPH1112676 A JP H1112676A JP 16483897 A JP16483897 A JP 16483897A JP 16483897 A JP16483897 A JP 16483897A JP H1112676 A JPH1112676 A JP H1112676A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 局部的張出加工性などに優れる成形用Al合金
硬質板とその製造方法を提供する。 【解決手段】 Mgを 3.0〜5.0wt%、Cuを0.05〜0.2wt%、
Mnを 0.2〜0.7wt%、Feを0.3wt%以下(0wt%を含む)、Cr
を0.1wt%以下(0wt%を含む)、Tiを0.001 〜0.05wt% 含
有し、残部がAlと不可避不純物からなるAl合金の硬質板
に焼付塗装が施され、前記焼付塗装後のAl合金硬質板の
(200) 結晶面のX線回折角2θの半価巾が0.16度以下、
Cuの含有量の50%以上がAlマトリックスに固溶している
成形用Al合金硬質板、および前記組成のAl合金に均質化
処理、熱間圧延、冷間圧延中間焼鈍、最終冷間圧延、焼
付塗装の各工程を所定の条件で施す製造方法。 【効果】 Cuの固溶率が50%以上と高いため、必要強度
が低冷間圧延率で得られ、従って、局部的張出加工性に
優れ、また経時的軟化が起き難いため缶蓋などに用いた
とき開缶性や耐圧性などが長期間良好に保持される。
硬質板とその製造方法を提供する。 【解決手段】 Mgを 3.0〜5.0wt%、Cuを0.05〜0.2wt%、
Mnを 0.2〜0.7wt%、Feを0.3wt%以下(0wt%を含む)、Cr
を0.1wt%以下(0wt%を含む)、Tiを0.001 〜0.05wt% 含
有し、残部がAlと不可避不純物からなるAl合金の硬質板
に焼付塗装が施され、前記焼付塗装後のAl合金硬質板の
(200) 結晶面のX線回折角2θの半価巾が0.16度以下、
Cuの含有量の50%以上がAlマトリックスに固溶している
成形用Al合金硬質板、および前記組成のAl合金に均質化
処理、熱間圧延、冷間圧延中間焼鈍、最終冷間圧延、焼
付塗装の各工程を所定の条件で施す製造方法。 【効果】 Cuの固溶率が50%以上と高いため、必要強度
が低冷間圧延率で得られ、従って、局部的張出加工性に
優れ、また経時的軟化が起き難いため缶蓋などに用いた
とき開缶性や耐圧性などが長期間良好に保持される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リベット成形性な
どの局部的張出加工性に優れ、缶蓋などに用いたときの
開缶性や耐圧性が長期間良好に保持される成形用アルミ
ニウム合金硬質板、前記硬質板を用いた缶蓋、および前
記硬質板の製造方法に関する。
どの局部的張出加工性に優れ、缶蓋などに用いたときの
開缶性や耐圧性が長期間良好に保持される成形用アルミ
ニウム合金硬質板、前記硬質板を用いた缶蓋、および前
記硬質板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、飲料缶の缶蓋などに用いられる成
形用アルミニウム合金硬質板には、強度、成形性の観点
から、主に、JIS−5082合金、JIS−5182
合金などMgを4wt%以上含有するアルミニウム合金が
使用されている。また前記成形用アルミニウム合金硬質
板の製造は、アルミニウム合金鋳塊を均質化処理したの
ち、下記またはの方法により、0.4mm以下の厚
さの硬質板に加工し、この硬質板に、外的環境から保護
するため、200〜300℃で5〜30秒の高温短時間
の焼付塗装(コイルコート)を施して行われる。前記
の方法は、均質化処理後の鋳塊を、厚さ3〜5mmの板
材に熱間圧延し、この熱間圧延板に冷間圧延、中間焼鈍
(450〜550℃)、最終冷間圧延を施す方法であ
る。前記の方法は、均質化処理後の鋳塊を、厚さ2m
m程度の板材に熱間圧延し、この熱間圧延板に中間焼鈍
を施すか、または熱間圧延後そのまま最終冷間圧延を施
す方法である。この他、成形用アルミニウム合金硬質板
には、ディンプル加工やリベット成形のような局部的張
出加工性が良好なことが要求されている。しかし、前記
JIS−5182合金などを用いた成形用アルミニウム
合金硬質板は、前記焼付塗装工程で強度が大幅に低下す
るため、前記最終冷間圧延率を大きくして焼付塗装前の
初期強度を高めておく必要がある。しかし、最終冷間圧
延率を大きくすると、ディンプル加工やリベット成形の
ような局部的張出加工性が悪化するという問題がある。
また成形用アルミニウム合金硬質板を、たとえば、缶蓋
に用いる場合は、缶蓋成形後、開缶性および耐圧性が経
時的に低下するという問題がある。開缶性が悪くなる
と、缶を開ける際スコア以外の部分が裂けることがあり
安全性に問題がある。また耐圧性が低下すると缶の内圧
により凹状エンドが凸状に反転してしまうことがある。
形用アルミニウム合金硬質板には、強度、成形性の観点
から、主に、JIS−5082合金、JIS−5182
合金などMgを4wt%以上含有するアルミニウム合金が
使用されている。また前記成形用アルミニウム合金硬質
板の製造は、アルミニウム合金鋳塊を均質化処理したの
ち、下記またはの方法により、0.4mm以下の厚
さの硬質板に加工し、この硬質板に、外的環境から保護
するため、200〜300℃で5〜30秒の高温短時間
の焼付塗装(コイルコート)を施して行われる。前記
の方法は、均質化処理後の鋳塊を、厚さ3〜5mmの板
材に熱間圧延し、この熱間圧延板に冷間圧延、中間焼鈍
(450〜550℃)、最終冷間圧延を施す方法であ
る。前記の方法は、均質化処理後の鋳塊を、厚さ2m
m程度の板材に熱間圧延し、この熱間圧延板に中間焼鈍
を施すか、または熱間圧延後そのまま最終冷間圧延を施
す方法である。この他、成形用アルミニウム合金硬質板
には、ディンプル加工やリベット成形のような局部的張
出加工性が良好なことが要求されている。しかし、前記
JIS−5182合金などを用いた成形用アルミニウム
合金硬質板は、前記焼付塗装工程で強度が大幅に低下す
るため、前記最終冷間圧延率を大きくして焼付塗装前の
初期強度を高めておく必要がある。しかし、最終冷間圧
延率を大きくすると、ディンプル加工やリベット成形の
ような局部的張出加工性が悪化するという問題がある。
また成形用アルミニウム合金硬質板を、たとえば、缶蓋
に用いる場合は、缶蓋成形後、開缶性および耐圧性が経
時的に低下するという問題がある。開缶性が悪くなる
と、缶を開ける際スコア以外の部分が裂けることがあり
安全性に問題がある。また耐圧性が低下すると缶の内圧
により凹状エンドが凸状に反転してしまうことがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
特性を安定化させるために、最終冷間圧延後、安定化熱
処理を施す対策が取られており、このため生産性が著し
く低下するという問題があった。本発明者らは上記課題
を解決するため鋭意研究を行い、たとえば、前記の開缶
性や耐圧性の経時的低下は、加工組織の回復(転位密度
の低減)によること、この加工組織の回復は、Feの含
有量を規制し、またCuの固溶量を調整することにより
抑制できることを知見し、さらに研究を進めて本発明を
完成させるに至った。本発明は、リベット成形性などの
局部的張出加工性に優れ、缶蓋などに用いたときの開缶
性や耐圧性が長期間良好に保持される成形用アルミニウ
ム合金硬質板、前記硬質板を用いた缶蓋、および前記硬
質板の製造方法の提供を目的とする。
特性を安定化させるために、最終冷間圧延後、安定化熱
処理を施す対策が取られており、このため生産性が著し
く低下するという問題があった。本発明者らは上記課題
を解決するため鋭意研究を行い、たとえば、前記の開缶
性や耐圧性の経時的低下は、加工組織の回復(転位密度
の低減)によること、この加工組織の回復は、Feの含
有量を規制し、またCuの固溶量を調整することにより
抑制できることを知見し、さらに研究を進めて本発明を
完成させるに至った。本発明は、リベット成形性などの
局部的張出加工性に優れ、缶蓋などに用いたときの開缶
性や耐圧性が長期間良好に保持される成形用アルミニウ
ム合金硬質板、前記硬質板を用いた缶蓋、および前記硬
質板の製造方法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
Mgを3.0〜5.0wt%、Cuを0.05〜0.2wt
%、Mnを0.2〜0.7wt%、Feを0.3wt%以下
(0wt%を含む)、Crを0.1wt%以下(0wt%を含
む)、Tiを0.001〜0.05wt%含有し、残部が
アルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム合金
の硬質板に焼付塗装が施され、前記焼付塗装後のアルミ
ニウム合金硬質板の(200) 結晶面のX線回折角2θ
の半価巾が0.16度以下、Cuの含有量の50%以上
がアルミニウムマトリックスに固溶していることを特徴
とする成形用アルミニウム合金硬質板である。
Mgを3.0〜5.0wt%、Cuを0.05〜0.2wt
%、Mnを0.2〜0.7wt%、Feを0.3wt%以下
(0wt%を含む)、Crを0.1wt%以下(0wt%を含
む)、Tiを0.001〜0.05wt%含有し、残部が
アルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウム合金
の硬質板に焼付塗装が施され、前記焼付塗装後のアルミ
ニウム合金硬質板の(200) 結晶面のX線回折角2θ
の半価巾が0.16度以下、Cuの含有量の50%以上
がアルミニウムマトリックスに固溶していることを特徴
とする成形用アルミニウム合金硬質板である。
【0005】請求項2記載の発明は、請求項1記載の成
形用アルミニウム合金硬質板が用いられていることを特
徴とする缶蓋である。
形用アルミニウム合金硬質板が用いられていることを特
徴とする缶蓋である。
【0006】請求項3記載の発明は、Mgを3.0〜
5.0wt%、Cuを0.05〜0.2wt%、Mnを0.
2〜0.7wt%、Feを0.3wt%以下(0wt%を含
む)、Crを0.1wt%以下(0wt%を含む)、Tiを
0.001〜0.05wt%含有し、残部がアルミニウム
と不可避不純物からなるアルミニウム合金を溶解鋳造し
て鋳塊とし、この鋳塊に、均質化処理、熱間圧延、冷間
圧延、中間焼鈍、最終冷間圧延、焼付塗装の各工程を順
に施すアルミニウム合金硬質板の製造方法において、前
記均質化処理を450〜550℃の温度範囲で1時間以
上加熱して施し、中間焼鈍を10℃/秒以上の昇温速度
で加熱し、400〜540℃の温度範囲で2分以内保持
したのち、200℃までを1℃/秒以上の冷却速度で冷
却し、200℃を過ぎてから100℃までを5℃/秒以
上の冷却速度で冷却して施し、最終冷間圧延を50%以
上80%未満の圧延率で施し、焼付塗装を200℃まで
を5℃/秒以上の昇温速度で加熱し、200℃を超えて
から1℃/秒以上の昇温速度で300℃以下の所定温度
まで加熱し、200〜300℃の所定温度に60秒以内
保持したのち10℃/秒以上の冷却速度で冷却して施す
ことを特徴とする請求項1記載の成形用アルミニウム合
金硬質板の製造方法である。
5.0wt%、Cuを0.05〜0.2wt%、Mnを0.
2〜0.7wt%、Feを0.3wt%以下(0wt%を含
む)、Crを0.1wt%以下(0wt%を含む)、Tiを
0.001〜0.05wt%含有し、残部がアルミニウム
と不可避不純物からなるアルミニウム合金を溶解鋳造し
て鋳塊とし、この鋳塊に、均質化処理、熱間圧延、冷間
圧延、中間焼鈍、最終冷間圧延、焼付塗装の各工程を順
に施すアルミニウム合金硬質板の製造方法において、前
記均質化処理を450〜550℃の温度範囲で1時間以
上加熱して施し、中間焼鈍を10℃/秒以上の昇温速度
で加熱し、400〜540℃の温度範囲で2分以内保持
したのち、200℃までを1℃/秒以上の冷却速度で冷
却し、200℃を過ぎてから100℃までを5℃/秒以
上の冷却速度で冷却して施し、最終冷間圧延を50%以
上80%未満の圧延率で施し、焼付塗装を200℃まで
を5℃/秒以上の昇温速度で加熱し、200℃を超えて
から1℃/秒以上の昇温速度で300℃以下の所定温度
まで加熱し、200〜300℃の所定温度に60秒以内
保持したのち10℃/秒以上の冷却速度で冷却して施す
ことを特徴とする請求項1記載の成形用アルミニウム合
金硬質板の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の成形用アルミニウ
ム合金硬質板の合金成分について説明する。Mgは基本
的合金元素で強度向上に寄与する。Mgの含有量を3.
0〜5.0wt%に規定する理由は、Mgが3.0wt%未
満では缶蓋などに要求される強度が十分に得られず、
5.0wt%を超えると局部的張出加工性などが低下し、
また熱延時に割れが生じ易くなり生産性が低下するため
である。
ム合金硬質板の合金成分について説明する。Mgは基本
的合金元素で強度向上に寄与する。Mgの含有量を3.
0〜5.0wt%に規定する理由は、Mgが3.0wt%未
満では缶蓋などに要求される強度が十分に得られず、
5.0wt%を超えると局部的張出加工性などが低下し、
また熱延時に割れが生じ易くなり生産性が低下するため
である。
【0008】MnはMgと同じように強度向上に寄与
し、さらにAl−Fe−Mn系化合物を生成してスコア
部分の引裂き性を高める。その含有量を0.2〜0.7
wt%に規定する理由は、0.2wt%未満ではその効果が
十分に得られず、0.7wt%を超えるとAl−Fe−M
n系化合物が粗大化して、局部的張出加工性が低下する
ためである。
し、さらにAl−Fe−Mn系化合物を生成してスコア
部分の引裂き性を高める。その含有量を0.2〜0.7
wt%に規定する理由は、0.2wt%未満ではその効果が
十分に得られず、0.7wt%を超えるとAl−Fe−M
n系化合物が粗大化して、局部的張出加工性が低下する
ためである。
【0009】Cuは、その含有量(添加量)の一部がア
ルミマトリックスに固溶する。この固溶したCuは合金
の加工硬化能を高めて強度向上に寄与する。その含有量
(添加量)を0.05〜0.2wt%に規定する理由は、
0.05wt%未満ではその効果が十分に得られず、0.
2wt%を超えると加工性および耐食性が低下するためで
ある。
ルミマトリックスに固溶する。この固溶したCuは合金
の加工硬化能を高めて強度向上に寄与する。その含有量
(添加量)を0.05〜0.2wt%に規定する理由は、
0.05wt%未満ではその効果が十分に得られず、0.
2wt%を超えると加工性および耐食性が低下するためで
ある。
【0010】本発明において、Cuの固溶率をCuの含
有量(添加量)の50%以上に規定する理由は、50%
未満では、缶蓋などとして必要な強度を得るために最終
冷間圧延率を高めることになり、その結果、局部的張出
加工性が低下し、また加工組織の回復(合金の軟化)が
大きくなり、缶蓋などに用いたときに開缶性や耐圧性が
経時的に低下するためである。このように最終冷間圧延
率を下げると、耳率の低下、強度異方性の低下、曲げ加
工性の向上などの利点も得られる。
有量(添加量)の50%以上に規定する理由は、50%
未満では、缶蓋などとして必要な強度を得るために最終
冷間圧延率を高めることになり、その結果、局部的張出
加工性が低下し、また加工組織の回復(合金の軟化)が
大きくなり、缶蓋などに用いたときに開缶性や耐圧性が
経時的に低下するためである。このように最終冷間圧延
率を下げると、耳率の低下、強度異方性の低下、曲げ加
工性の向上などの利点も得られる。
【0011】ところで、金属材料においては、特定の結
晶面のX線回折角2θの半価巾は、結晶格子間隔の乱れ
により変化し、加工率が大きい程、つまり転位密度が高
い程大きくなることが知られている。すなわち、転位密
度ρと半価巾ΔSの間には、ΔS=Kρ1/2 (Kは定
数)の関係がある。本発明では、局部的張出加工性に優
れ、缶蓋などに用いたときの開缶性や耐圧性が長期に渡
り良好に保持されるための成形用アルミニウム合金硬質
板の適正な最終冷間圧延率を、前記半価巾を指標にして
制御するのである。本発明において、硬質板の(20
0) 結晶面のX線回折角2θの半価巾を0.16度以下
に規定する理由は、前記半価巾が0.16度を超えるほ
どに転位密度が高くなると、局部的張出加工性が低下
し、また転位密度が高いことによる回復(軟化)の駆動
力が大きくなり、短期間のうちに開缶性や耐圧性などが
低下するためである。なお、前記半価巾は、X線を下記
条件で照射したときの値とする。 X線:CuのKα線(波長1.5405Å)、発散スリ
ット:1°、発光スリット:0.15mm、散乱スリッ
ト:1°。 本発明において、前記半価巾の上限値である0.16度
は、本発明者等が多くの実験を基にして明らかにしたも
のである。
晶面のX線回折角2θの半価巾は、結晶格子間隔の乱れ
により変化し、加工率が大きい程、つまり転位密度が高
い程大きくなることが知られている。すなわち、転位密
度ρと半価巾ΔSの間には、ΔS=Kρ1/2 (Kは定
数)の関係がある。本発明では、局部的張出加工性に優
れ、缶蓋などに用いたときの開缶性や耐圧性が長期に渡
り良好に保持されるための成形用アルミニウム合金硬質
板の適正な最終冷間圧延率を、前記半価巾を指標にして
制御するのである。本発明において、硬質板の(20
0) 結晶面のX線回折角2θの半価巾を0.16度以下
に規定する理由は、前記半価巾が0.16度を超えるほ
どに転位密度が高くなると、局部的張出加工性が低下
し、また転位密度が高いことによる回復(軟化)の駆動
力が大きくなり、短期間のうちに開缶性や耐圧性などが
低下するためである。なお、前記半価巾は、X線を下記
条件で照射したときの値とする。 X線:CuのKα線(波長1.5405Å)、発散スリ
ット:1°、発光スリット:0.15mm、散乱スリッ
ト:1°。 本発明において、前記半価巾の上限値である0.16度
は、本発明者等が多くの実験を基にして明らかにしたも
のである。
【0012】FeはAl−Fe−Mn系晶出物を生成し
て開缶性を向上させる。また結晶粒を微細化して合金の
加工性を大幅に向上させる。その含有量を0.3wt%以
下に規定する理由は、0.3wt%を超えると、加工硬化
能を高めるCuの固溶率が50%未満に低下するととも
に、Al−Fe−Mn系晶出物が粗大化して、加工性が
低下するためである。
て開缶性を向上させる。また結晶粒を微細化して合金の
加工性を大幅に向上させる。その含有量を0.3wt%以
下に規定する理由は、0.3wt%を超えると、加工硬化
能を高めるCuの固溶率が50%未満に低下するととも
に、Al−Fe−Mn系晶出物が粗大化して、加工性が
低下するためである。
【0013】Crは強度向上に寄与する他、結晶粒を微
細化して加工性を高める。その含有量を0.1wt%以下
に規定した理由は、0.1wt%を超えると粗大な晶出物
が生成して局部的張出加工性などが低下するためであ
る。なお、Crは0.01wt%以上含有されることによ
りその効果が十分発揮される。
細化して加工性を高める。その含有量を0.1wt%以下
に規定した理由は、0.1wt%を超えると粗大な晶出物
が生成して局部的張出加工性などが低下するためであ
る。なお、Crは0.01wt%以上含有されることによ
りその効果が十分発揮される。
【0014】Tiは鋳造組織を微細化し加工性を向上さ
せる。その含有量を0.001〜0.05wt%に規定し
た理由は、0.001wt%ではその効果が十分に得られ
ず、0.05wt%を超えると粗大な晶出物が増加して成
形性が低下するためである。
せる。その含有量を0.001〜0.05wt%に規定し
た理由は、0.001wt%ではその効果が十分に得られ
ず、0.05wt%を超えると粗大な晶出物が増加して成
形性が低下するためである。
【0015】Siは不純物として含まれる。Siは0.
2wt%以下であれば成形性などを低下させるようなこと
はない。0.2wt%を超えると結晶粒界にMg2 Si晶
出物が多量に生成し耐応力腐食割れ性が低下する。した
がって0.2wt%以下に規定する。
2wt%以下であれば成形性などを低下させるようなこと
はない。0.2wt%を超えると結晶粒界にMg2 Si晶
出物が多量に生成し耐応力腐食割れ性が低下する。した
がって0.2wt%以下に規定する。
【0016】次に、本発明の成形用アルミニウム合金硬
質板の製造方法について説明する。本発明の硬質板は、
本発明で規定する組成のアルミニウム合金を連続鋳造、
または半連続鋳造など常法により鋳造し、得られる鋳塊
に、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、最終
冷間圧延、塗装焼付けの諸工程を順に施して製造され
る。本発明において、前記均質化処理を450〜550
℃で1時間以上加熱して施す理由は、450℃未満では
均質化に長時間を要し不経済であり、550℃を超える
と局部的な溶融が起きて表面欠陥の原因になり、また均
質化処理時間が1時間未満では均質化が十分進まないた
めである。
質板の製造方法について説明する。本発明の硬質板は、
本発明で規定する組成のアルミニウム合金を連続鋳造、
または半連続鋳造など常法により鋳造し、得られる鋳塊
に、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、最終
冷間圧延、塗装焼付けの諸工程を順に施して製造され
る。本発明において、前記均質化処理を450〜550
℃で1時間以上加熱して施す理由は、450℃未満では
均質化に長時間を要し不経済であり、550℃を超える
と局部的な溶融が起きて表面欠陥の原因になり、また均
質化処理時間が1時間未満では均質化が十分進まないた
めである。
【0017】本発明において、熱間圧延および冷間圧延
は常法により行う。冷間圧延後の中間焼鈍を400〜5
40℃の温度範囲で2分以内施す理由は、400℃未満
ではCuが十分固溶せず、540℃を超えると部分的な
溶解が起き、溶解部分が表面欠陥の原因となり、また保
持時間が2分を超えると結晶粒が粗大化して加工性が低
下するためである。なお、保持時間は0秒でも良い。す
なわち所定の中間焼鈍温度に到達後直ちに冷却しても良
い。また、昇温速度が10℃/秒未満だとやはり結晶粒
が粗大化して加工性が低下する。さらに最高到達温度か
ら200℃までの冷却速度を1℃/秒以上、200℃未
満の冷却速度を5℃/秒以上とするのは冷却過程でCu
などが析出するのを防ぐためであり、この条件を外れる
と所要の強度が得られない。最高到達温度から200℃
までの温度範囲では、Cuを含む化合物の析出の心配は
あまりなく冷却速度は1℃/秒以上で十分であるが、2
00℃を過ぎ100℃までの温度範囲では析出し易いの
で冷却速度を5℃/秒以上に速める必要がある。
は常法により行う。冷間圧延後の中間焼鈍を400〜5
40℃の温度範囲で2分以内施す理由は、400℃未満
ではCuが十分固溶せず、540℃を超えると部分的な
溶解が起き、溶解部分が表面欠陥の原因となり、また保
持時間が2分を超えると結晶粒が粗大化して加工性が低
下するためである。なお、保持時間は0秒でも良い。す
なわち所定の中間焼鈍温度に到達後直ちに冷却しても良
い。また、昇温速度が10℃/秒未満だとやはり結晶粒
が粗大化して加工性が低下する。さらに最高到達温度か
ら200℃までの冷却速度を1℃/秒以上、200℃未
満の冷却速度を5℃/秒以上とするのは冷却過程でCu
などが析出するのを防ぐためであり、この条件を外れる
と所要の強度が得られない。最高到達温度から200℃
までの温度範囲では、Cuを含む化合物の析出の心配は
あまりなく冷却速度は1℃/秒以上で十分であるが、2
00℃を過ぎ100℃までの温度範囲では析出し易いの
で冷却速度を5℃/秒以上に速める必要がある。
【0018】本発明において、最終冷間圧延を施すのは
缶蓋として必要な強度を付与するためである。最終冷間
圧延率を50%以上80%未満に規定する理由は、圧延
率が50%未満では十分な強度が得られず、80%を超
えると、缶蓋などに用いたときに開缶性や耐圧性などが
経時的に低下するためである。また80%を超えると、
圧延中に板材端部に割れが生じたり、材料異方性(耳率
など)が大きくなったりする。
缶蓋として必要な強度を付与するためである。最終冷間
圧延率を50%以上80%未満に規定する理由は、圧延
率が50%未満では十分な強度が得られず、80%を超
えると、缶蓋などに用いたときに開缶性や耐圧性などが
経時的に低下するためである。また80%を超えると、
圧延中に板材端部に割れが生じたり、材料異方性(耳率
など)が大きくなったりする。
【0019】焼付塗装はロールコータ等で高分子樹脂塗
料を塗布し、これを所定温度に加熱して行う。本発明に
おいて、焼付塗装を200〜300℃の温度に60秒以
内保持して行う理由は、保持温度が300℃を超える
か、もしくは保持時間が60秒を超えると、材料の加工
組織が回復(転位密度の低減)して所要の強度が得られ
なくなり、加熱温度が200℃未満では硬質板内部の残
留応力を完全に除去することができず、室温時効による
強度などの材料特性の変化を抑制することができないた
めである。なお、保持時間は、中間焼鈍と同じように0
秒でも良い。すなわち所定の焼付塗装温度に到達後直ち
に冷却しても良い。さらに焼付塗装での常温から200
℃までの昇温速度を5℃/秒以上、200℃から最高到
達温度までの昇温速度を1℃/秒以上とするのは昇温過
程でCuを含む化合物が析出するのを防ぐためであり、
この条件を外れると強度の低下を招く。常温から200
℃までの温度域では析出し易いので昇温速度を5℃/秒
以上に速める必要があるが、200℃を超え最高到達温
度までの温度範囲ではCuを含む化合物はあまり析出し
ないので、1℃/秒以上の昇温速度で十分である。
料を塗布し、これを所定温度に加熱して行う。本発明に
おいて、焼付塗装を200〜300℃の温度に60秒以
内保持して行う理由は、保持温度が300℃を超える
か、もしくは保持時間が60秒を超えると、材料の加工
組織が回復(転位密度の低減)して所要の強度が得られ
なくなり、加熱温度が200℃未満では硬質板内部の残
留応力を完全に除去することができず、室温時効による
強度などの材料特性の変化を抑制することができないた
めである。なお、保持時間は、中間焼鈍と同じように0
秒でも良い。すなわち所定の焼付塗装温度に到達後直ち
に冷却しても良い。さらに焼付塗装での常温から200
℃までの昇温速度を5℃/秒以上、200℃から最高到
達温度までの昇温速度を1℃/秒以上とするのは昇温過
程でCuを含む化合物が析出するのを防ぐためであり、
この条件を外れると強度の低下を招く。常温から200
℃までの温度域では析出し易いので昇温速度を5℃/秒
以上に速める必要があるが、200℃を超え最高到達温
度までの温度範囲ではCuを含む化合物はあまり析出し
ないので、1℃/秒以上の昇温速度で十分である。
【0020】以上に述べたように、本発明は、Cuをそ
の含有量の50%以上固溶させることにより合金の加工
硬化能を高め、その分最終冷間圧延率を下げて、転位密
度の低減(軟化)による開缶性や耐圧性などの特性の経
時的低下を抑制したものである。本発明の製造方法は、
合金の特性変化を抑制する目的で施す安定化熱処理が不
要で、従来法に比べて製造工程が短縮され生産性に優れ
る。
の含有量の50%以上固溶させることにより合金の加工
硬化能を高め、その分最終冷間圧延率を下げて、転位密
度の低減(軟化)による開缶性や耐圧性などの特性の経
時的低下を抑制したものである。本発明の製造方法は、
合金の特性変化を抑制する目的で施す安定化熱処理が不
要で、従来法に比べて製造工程が短縮され生産性に優れ
る。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)表1に示す種々組成のアルミニウム合金を
通常のDC鋳造法により鋳造して鋳塊とし、この鋳塊を
500℃で6時間均質化処理したのち熱間圧延した。熱
間圧延は開始温度480℃、終了温度310±10℃で
行った。次いで熱間圧延板を冷間圧延し、次いで中間焼
鈍を520℃で0秒行い、その後520℃から200℃
までを3℃/秒の冷却速度で冷却し、200℃を過ぎて
からは10℃/秒の速度で冷却し、その後、最終冷間圧
延を圧延率70%で行って厚さ0.25mmの板材を製
造した。この板材に、焼付塗装に相当する熱処理を施し
て成形用アルミニウム合金硬質板を製造した。前記熱処
理は200℃までを10℃/秒で昇温し、200℃から
250℃までを3℃/秒で昇温し、250℃で30秒間
保持した後10℃/秒の速度で冷却して施した。
る。 (実施例1)表1に示す種々組成のアルミニウム合金を
通常のDC鋳造法により鋳造して鋳塊とし、この鋳塊を
500℃で6時間均質化処理したのち熱間圧延した。熱
間圧延は開始温度480℃、終了温度310±10℃で
行った。次いで熱間圧延板を冷間圧延し、次いで中間焼
鈍を520℃で0秒行い、その後520℃から200℃
までを3℃/秒の冷却速度で冷却し、200℃を過ぎて
からは10℃/秒の速度で冷却し、その後、最終冷間圧
延を圧延率70%で行って厚さ0.25mmの板材を製
造した。この板材に、焼付塗装に相当する熱処理を施し
て成形用アルミニウム合金硬質板を製造した。前記熱処
理は200℃までを10℃/秒で昇温し、200℃から
250℃までを3℃/秒で昇温し、250℃で30秒間
保持した後10℃/秒の速度で冷却して施した。
【0022】得られた各々の硬質板について、X線回
折による(200)面のX線回折角2θの半価巾、C
uの固溶率、リベット成形性、耐圧性を調べた。ま
た前記硬質板を100℃で1日間保持したのち耐圧性
を調べた。さらに前記硬質板を缶蓋にプレス成形し10
0℃で1日間保持(加速処理)したのち開缶性を調べ
た。結果を表2に示す。なお、前記100℃で1日間保
持する加速処理は、室温で1年間保持することに相当す
る。また、リベット成形性が不良なものは開缶性は調査
しなかった。
折による(200)面のX線回折角2θの半価巾、C
uの固溶率、リベット成形性、耐圧性を調べた。ま
た前記硬質板を100℃で1日間保持したのち耐圧性
を調べた。さらに前記硬質板を缶蓋にプレス成形し10
0℃で1日間保持(加速処理)したのち開缶性を調べ
た。結果を表2に示す。なお、前記100℃で1日間保
持する加速処理は、室温で1年間保持することに相当す
る。また、リベット成形性が不良なものは開缶性は調査
しなかった。
【0023】前記〜の試験方法は下記の通りであ
る。 X線回折:Cuをターゲットとし、波長1.5405
ÅのX線を用いた。 Cuの固溶率:硬質板をフェノールに溶解し、穴径が
0.1μmのフィルターで漉して固形残渣を捕集し、こ
の固形残渣中に含まれるCuの定量分析値Bを下式に代
入して求めた。式中AはCuの含有量(添加量)であ
る。 Cuの固溶率=〔(A−B)/A〕×100% リベット成形性:試験個数50個すべてが割れずに成
形できたとき良好(○)、1個でも割れたとき不良
(×)と判定した。 耐圧性:シェル成形体内部を窒素ガスで加圧して調べ
た。加速処理前のものは耐圧強度が685KPa以上を
良好(○)、685KPa未満を不良(×)と判定し
た。加速処理後のものは加速処理前と比べた強度低下が
50KPa未満のとき良好(○)、50KPa以上のと
き不良(×)と判定した。 開缶性:試験個数50個すべてがスコア部分で切れた
とき良好(○)、スコア部分以外で切れたものが1個で
もあれば不良(×)と判定した。
る。 X線回折:Cuをターゲットとし、波長1.5405
ÅのX線を用いた。 Cuの固溶率:硬質板をフェノールに溶解し、穴径が
0.1μmのフィルターで漉して固形残渣を捕集し、こ
の固形残渣中に含まれるCuの定量分析値Bを下式に代
入して求めた。式中AはCuの含有量(添加量)であ
る。 Cuの固溶率=〔(A−B)/A〕×100% リベット成形性:試験個数50個すべてが割れずに成
形できたとき良好(○)、1個でも割れたとき不良
(×)と判定した。 耐圧性:シェル成形体内部を窒素ガスで加圧して調べ
た。加速処理前のものは耐圧強度が685KPa以上を
良好(○)、685KPa未満を不良(×)と判定し
た。加速処理後のものは加速処理前と比べた強度低下が
50KPa未満のとき良好(○)、50KPa以上のと
き不良(×)と判定した。 開缶性:試験個数50個すべてがスコア部分で切れた
とき良好(○)、スコア部分以外で切れたものが1個で
もあれば不良(×)と判定した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表2より明らかなように、本発明例の No.
A〜Kは、缶蓋として必要な特性をすべて満足した。こ
れに対して比較例の No.LはMgが少ないため No.Nは
Mnが少ないため、いずれも硬質板の耐圧性および加速
処理後の開缶性が劣った。 No.M、O、P、R、S、T
は、それぞれMg、Mn、Cu、Si、Cr、Tiが多
いためリベット成形性が劣った。 No.QはFeが多いた
めCuの固溶率が減少し、リベット成形性および加速処
理後の耐圧性が低下した。
A〜Kは、缶蓋として必要な特性をすべて満足した。こ
れに対して比較例の No.LはMgが少ないため No.Nは
Mnが少ないため、いずれも硬質板の耐圧性および加速
処理後の開缶性が劣った。 No.M、O、P、R、S、T
は、それぞれMg、Mn、Cu、Si、Cr、Tiが多
いためリベット成形性が劣った。 No.QはFeが多いた
めCuの固溶率が減少し、リベット成形性および加速処
理後の耐圧性が低下した。
【0027】(実施例2)表1に示すNo. Fの合金を用
い、表3に示す種々の製造条件により厚さ0.25mm
のアルミニウム合金硬質板を製造した。缶蓋としての試
験評価は、実施例1と同じ方法により行った。結果を表
4に示す。
い、表3に示す種々の製造条件により厚さ0.25mm
のアルミニウム合金硬質板を製造した。缶蓋としての試
験評価は、実施例1と同じ方法により行った。結果を表
4に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】表4より明らかなように、本発明例のNo.1
〜16は、缶蓋として必要な特性をすべて満足した。これ
に対し、比較例の No.17は中間焼鈍での昇温速度が遅い
ため、 No.18は中間焼鈍での保持温度が低いため、No.1
7 は中間焼鈍での昇温速度が遅いため、No. 18は中間焼
鈍での保持温度が低かったため、No.19 は中間焼鈍での
保持時間が長過ぎたため、 No.20は中間焼鈍での冷却速
度が遅かったため、 No.21は中間焼鈍での冷却速度が遅
かったため、 No.22は冷間圧延率が低かったため、 No.
23は冷間圧延率が高かったため、 No.24は焼付塗装時の
200℃までの昇温速度が遅かったため、 No.25は焼付
塗装時の200℃を超えたときの昇温速度が遅かったた
め、 No.26,27 は焼付塗装時の保持温度が高いか、低か
ったため、 No.28は焼付塗装時の保持時間が長かったた
め、 No.29は焼付塗装時の冷却速度が遅かったため、い
ずれもCuの固溶率が50%未満となるなどして、リベ
ット成形性、加速処理前後の耐圧性、加速処理前後の開
缶性のいずれかが低下した。
〜16は、缶蓋として必要な特性をすべて満足した。これ
に対し、比較例の No.17は中間焼鈍での昇温速度が遅い
ため、 No.18は中間焼鈍での保持温度が低いため、No.1
7 は中間焼鈍での昇温速度が遅いため、No. 18は中間焼
鈍での保持温度が低かったため、No.19 は中間焼鈍での
保持時間が長過ぎたため、 No.20は中間焼鈍での冷却速
度が遅かったため、 No.21は中間焼鈍での冷却速度が遅
かったため、 No.22は冷間圧延率が低かったため、 No.
23は冷間圧延率が高かったため、 No.24は焼付塗装時の
200℃までの昇温速度が遅かったため、 No.25は焼付
塗装時の200℃を超えたときの昇温速度が遅かったた
め、 No.26,27 は焼付塗装時の保持温度が高いか、低か
ったため、 No.28は焼付塗装時の保持時間が長かったた
め、 No.29は焼付塗装時の冷却速度が遅かったため、い
ずれもCuの固溶率が50%未満となるなどして、リベ
ット成形性、加速処理前後の耐圧性、加速処理前後の開
缶性のいずれかが低下した。
【0031】以上、本発明の成形用アルミニウム合金硬
質板を缶蓋に用いた場合について説明したが、本発明の
前記硬質板は、缶蓋以外の成形品に適用してもその効果
が十分に発現されるものである。
質板を缶蓋に用いた場合について説明したが、本発明の
前記硬質板は、缶蓋以外の成形品に適用してもその効果
が十分に発現されるものである。
【0032】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の成形用ア
ルミニウム合金硬質板は、Cuの固溶率が50%と高い
ため、成形用として必要な強度が、低冷間圧延率つまり
低転位密度で得られる。従って、局部的張出加工性に優
れ、また経時的軟化が起き難いため、缶蓋などとして用
いたとき、開缶性や耐圧性が長期間良好に保持される。
本発明の成形用アルミニウム合金硬質板は条件を特定し
た通常の製造方法で容易に製造でき、特性を安定化させ
るための熱処理などを要さず生産性に優れる。依って工
業上顕著な効果を奏する。
ルミニウム合金硬質板は、Cuの固溶率が50%と高い
ため、成形用として必要な強度が、低冷間圧延率つまり
低転位密度で得られる。従って、局部的張出加工性に優
れ、また経時的軟化が起き難いため、缶蓋などとして用
いたとき、開缶性や耐圧性が長期間良好に保持される。
本発明の成形用アルミニウム合金硬質板は条件を特定し
た通常の製造方法で容易に製造でき、特性を安定化させ
るための熱処理などを要さず生産性に優れる。依って工
業上顕著な効果を奏する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 682 C22F 1/00 682 685 685Z 686 686B 691 691A 691B 691C 692 692A 694 694A
Claims (3)
- 【請求項1】 Mgを3.0〜5.0wt%、Cuを0.
05〜0.2wt%、Mnを0.2〜0.7wt%、Feを
0.3wt%以下(0wt%を含む)、Crを0.1wt%以
下(0wt%を含む)、Tiを0.001〜0.05wt%
含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるア
ルミニウム合金の硬質板に焼付塗装が施され、前記焼付
塗装後のアルミニウム合金硬質板の(200) 結晶面の
X線回折角2θの半価巾が0.16度以下、Cuの含有
量の50%以上がアルミニウムマトリックスに固溶して
いることを特徴とする成形用アルミニウム合金硬質板。 - 【請求項2】 請求項1記載の成形用アルミニウム合金
硬質板が用いられていることを特徴とする缶蓋。 - 【請求項3】 Mgを3.0〜5.0wt%、Cuを0.
05〜0.2wt%、Mnを0.2〜0.7wt%、Feを
0.3wt%以下(0wt%を含む)、Crを0.1wt%以
下(0wt%を含む)、Tiを0.001〜0.05wt%
含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物からなるア
ルミニウム合金を溶解鋳造して鋳塊とし、この鋳塊に、
均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、最終冷間
圧延、焼付塗装の各工程を順に施すアルミニウム合金硬
質板の製造方法において、前記均質化処理を450〜5
50℃の温度範囲で1時間以上加熱して施し、中間焼鈍
を10℃/秒以上の昇温速度で加熱し、400〜540
℃の温度範囲で2分以内保持したのち、200℃までを
1℃/秒以上の冷却速度で冷却し、200℃を過ぎてか
ら100℃までを5℃/秒以上の冷却速度で冷却して施
し、最終冷間圧延を50%以上80%未満の圧延率で施
し、焼付塗装を200℃までを5℃/秒以上の昇温速度
で加熱し、200℃を超えてから1℃/秒以上の昇温速
度で300℃以下の所定温度まで加熱し、200〜30
0℃の所定温度に60秒以内保持したのち10℃/秒以
上の冷却速度で冷却して施すことを特徴とする請求項1
記載の成形用アルミニウム合金硬質板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16483897A JPH1112676A (ja) | 1997-06-23 | 1997-06-23 | 成形用アルミニウム合金硬質板、前記硬質板を用いた缶蓋、および前記硬質板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16483897A JPH1112676A (ja) | 1997-06-23 | 1997-06-23 | 成形用アルミニウム合金硬質板、前記硬質板を用いた缶蓋、および前記硬質板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1112676A true JPH1112676A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=15800892
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16483897A Pending JPH1112676A (ja) | 1997-06-23 | 1997-06-23 | 成形用アルミニウム合金硬質板、前記硬質板を用いた缶蓋、および前記硬質板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1112676A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002348629A (ja) * | 2001-05-22 | 2002-12-04 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 塗装性およびプレス成形性に優れた輸送関連構造体用アルミニウム合金板材 |
| WO2005061744A1 (ja) * | 2003-12-19 | 2005-07-07 | Nippon Light Metal Company, Ltd. | 耐焼付軟化性に優れたアルミニウム合金板 |
| JP2010053367A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-11 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 缶エンド用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
| JP2015189997A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 株式会社神戸製鋼所 | 缶蓋用アルミニウム合金板 |
| US10041154B2 (en) | 2011-07-25 | 2018-08-07 | Nippon Light Metal Company, Ltd. | Aluminum alloy sheet and method for manufacturing same |
-
1997
- 1997-06-23 JP JP16483897A patent/JPH1112676A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002348629A (ja) * | 2001-05-22 | 2002-12-04 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 塗装性およびプレス成形性に優れた輸送関連構造体用アルミニウム合金板材 |
| WO2005061744A1 (ja) * | 2003-12-19 | 2005-07-07 | Nippon Light Metal Company, Ltd. | 耐焼付軟化性に優れたアルミニウム合金板 |
| US8524015B2 (en) | 2003-12-19 | 2013-09-03 | Nippon Light Metal Company, Ltd. | Aluminum alloy sheet excellent in resistance to softening by baking |
| JP2010053367A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-11 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 缶エンド用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
| US10041154B2 (en) | 2011-07-25 | 2018-08-07 | Nippon Light Metal Company, Ltd. | Aluminum alloy sheet and method for manufacturing same |
| JP2015189997A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | 株式会社神戸製鋼所 | 缶蓋用アルミニウム合金板 |
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